JP2008022701A - 可溶型Toll様受容体4タンパク質 - Google Patents

可溶型Toll様受容体4タンパク質 Download PDF

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Abstract

【課題】
可溶型Toll様受容体4タンパク質、該タンパク質をコードするcDNA、該cDNAを保持する組換えベクター、該組換えベクターで形質転換された非ヒト形質転換細胞、可溶型Toll様受容体4タンパク質の製造方法、可溶型Toll様受容体4タンパク質を含有してなる薬剤等の提供。
【解決手段】
本発明の可溶型Toll様受容体4タンパク質を用いることにより、エンドトキシン惹起性の炎症を弱める治療のための薬剤を提供できる。
【選択図】なし

Description

本発明は、可溶型Toll様受容体4タンパク質、該タンパク質をコードするcDNA、該cDNAを保持する組換えベクター、該組換えベクターで形質転換された非ヒト形質転換細胞、可溶型Toll様受容体4タンパク質の製造方法、可溶型Toll様受容体4タンパク質を含有してなる薬剤、等に関する。
先天性免疫システムは防御の第一線として微生物の侵入を防ぎ、適応免疫のクローン応答を促進する。Toll様受容体(TLRs)は病原体に関連する分子パターンの認識とシグナル伝達に関与していると考えられてきた。TLR2タンパク質およびTLR4タンパク質はリポ多糖(LPS)、ペプチドグリカン、リポテイコ酸、細菌のリポタンパク質、マイコバクテリアのリポアラビノマンナンおよびザイモサンの認識とシグナル伝達で重要な役割を果たしている。TLR4遺伝子欠損マウスの特性から、TLR4タンパク質がLPSのシグナル伝達の受容体であるという説得力のある証拠が得られる(非特許文献1)。すなわち、712番目のProをHisに代えたアミノ酸配列をコードするTlr4変異遺伝子をもつC3H/HeJマウスはLPSに対して不完全な応答を示す。LPSに効果的に応答するためには、TLR4タンパク質はアクセサリータンパク質のMD−2タンパク質を必要とする。分泌型MD−2タンパク質はTLR4タンパク質にLPS感受性をもたらす。免疫沈降分析の結果、MD−2タンパク質はTLR4タンパク質と結合することが明らかとなっている。MD−2タンパク質の部位特異的突然変異誘発の実験から、TLR4タンパク質のシグナル伝達ではジスルフィド結合とN−グリコシル化が重要であることが示された。MD−2タンパク質は細菌のリポ多糖と結合することが示されているが、TLR4タンパク質と結合するために必要なMD−2タンパク質の領域はLPS応答性の領域とは異なると思われる。TLRタンパク質によるリガンド認識の機構は完全にはわかっていない。TLR2タンパク質の細胞外ドメインが直接Staphylococcus aureus由来のペプチドグリカンおよびザイモサンに結合し、40番目のSerから64番目のIleを含有し、30番目のCysから39番目のSerを含有しないTLR2タンパク質の細胞外領域はペプチドグリカン認識に重要である。そしてこのことは、リガンド認識におけるTLR2タンパク質の細胞外ドメインの重要性を示している。LPSはCD14タンパク質と共発現したときのみTLR4タンパク質とMD−2タンパク質とクロスリンクし、このことはLPSが受容体の複合体に密接にあることを示唆している。
J.Exp.Med. 189:615−625(1999)
Toll様受容体(TLRs)は病原体に関連した分子パターンの認識に関与していると考えられてきた。TLR4タンパク質はリポ多糖(LPS)のシグナル伝達受容体であるが、LPSに効果的に応答するためにはさらにMD−2タンパク質を必要とする。これまではLPS認識の際に必要なTLR4タンパク質の構造は明らかではなかった。
発明者らは、TLR4タンパク質の細胞外ドメインとMD−2タンパク質およびLPSとの相互作用を試験し、TLR4タンパク質の細胞外ドメインとMD−2タンパク質の複合体はLPSに結合することができ、ロイシンリッチな繰り返しを含有するTLR4タンパク質の55番目のSerから567番目のPheまでの細胞外領域がMD−2タンパク質への結合およびTLR4タンパク質のLPS認識を可能にすることを明らかにした。この知見に基づき、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含有する可溶型Toll様受容体4タンパク質;
(2)配列番号:1で表されるアミノ酸配列または前記アミノ酸配列中1ないし数個のアミノ酸が欠失、置換、もしくは付加しているアミノ酸配列を含有する上記(1)記載の可溶型Toll様受容体4タンパク質;
(3)配列番号:1で表されるアミノ酸配列を有する上記(1)記載の可溶型Toll様受容体4タンパク質;
(4)上記(1)から(3)のいずれかに記載の可溶型Toll様受容体4タンパク質をコードするcDNA;
(5)上記(4)に記載のcDNAを保持する組換えベクター;
(6)上記(5)に記載の組換えベクターで形質転換された非ヒト形質転換細胞;
(7)非ヒト形質転換細胞が昆虫細胞由来である、上記(6)記載の非ヒト形質転換細胞;
(8)上記(6)または(7)記載の非ヒト形質転換細胞を培養し、上記(1)から(3)のいずれかに記載の可溶型Toll様受容体4タンパク質を発現させることを特徴とする、上記(1)から(3)のいずれかに記載の可溶型Toll様受容体4タンパク質の製造方法;
(9)上記(1)から(3)のいずれかに記載の可溶型Toll様受容体4タンパク質を含有してなる薬剤;
(10)エンドトキシン惹起炎症の治療のための抗炎症剤である、上記(9)記載の薬剤;
等を提供する。
本発明の可溶性Toll様受容体4タンパク質を用いることにより、エンドトキシン惹起性の炎症を弱める新規の治療方法を提供することができる。
まず本発明は、配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含有する可溶型Toll様受容体4タンパク質を提供する。Toll様受容体4タンパク質(以下、TLR4タンパク質と称する;配列番号:2)はエンドトキシン惹起性炎症反応のシグナル伝達に必須の分子であって(Immunity 1999,11: 443-51; Science1998, 282: 2085-2088; J Immunol 1999, 162: 3749-52.)、ロイシンリッチな繰り返しを有する点で他のTLRタンパク質およびCD14タンパク質と相同である。TLR4タンパク質は1番目のMetから54番目のPheまでのアミノ末端領域、ロイシンリッチな繰り返しを含む55番目のSerから567番目のPheまでの領域、568番目のProから631番目のLysまでの領域、および膜貫通および細胞質ドメインと推定される632番目のThrから839番目のIleまでの領域からなる(Blood 1998, 91: 4020-4027、および、PredictProteinによる解析)。本発明者らは、TLR4タンパク質のMD−2タンパク質とLPSに対する直接的な相互作用を試験し、リガンド認識に際してTLR4タンパク質の構造の必要な領域を決定し、本発明を完成させた。より詳しくは、発明者らはTLR4タンパク質の細胞外ドメインからなる可溶型TLR4組換えタンパク質(sTLR4)を作製し、sTLR4タンパク質がTLR4タンパク質と共にエンドトキシン惹起炎症反応に必須なMD−2タンパク質と結合し、MD−2タンパク質との複合体形成によってエンドトキシンを認識することを示した。sTLR4タンパク質は、野生型TLR4タンパク質の惹起するシグナル伝達を抑制することから、エンドトキシン惹起性炎症の治療に有効であることを示した。
本発明で用いられるTLR4タンパク質は、例えば、ヒトやその他の哺乳動物(例えば、モルモット、ラット、マウス、ウサギ、ブタ、ヒツジ、ウシ、サルなど)のあらゆる細胞、またはそれらの細胞が存在するあらゆる組織に由来するタンパク質であってもよく、また合成タンパク質であってもよい。
TLR4タンパク質のアミノ酸配列およびそれをコードするDNAの塩基配列はヒト、マウス等で公知であり、ヒトにおける遺伝子領域のイントロンを含む全DNA配列は登録番号:AF177765(配列番号:3として配列表に記す)として、マウスのcDNAの塩基配列は登録番号:BC029856(アミノ酸配列を配列番号:4として、塩基配列を配列番号:5として配列表に記す)として、GenBankに登録されている。本発明で提供される可溶型Toll様受容体4タンパク質は、TLR4タンパク質の細胞内および膜貫通ドメインと推定される領域を欠失する細胞外ドメインからなるタンパク質である(以下、可溶型Toll様受容体4タンパク質をsTLR4タンパク質という)。
sTLR4タンパク質として用いることができるTLR4タンパク質は配列番号:1またはそれと実質的に同一の配列を有するものであるが、特に、sTLR4タンパク質として、24番目のGluから631番目のLysまでのアミノ酸の配列が好ましく用いられる。
本発明のsTLR4タンパク質が含有する配列番号:1で表されるアミノ酸配列は、配列番号:2で表されるTLR4タンパク質のアミノ酸配列中24番目のGluから631番目のLysまでのアミノ酸からなる配列である。しかし、配列番号:1で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列として、例えば、配列番号:1で表されるアミノ酸配列と85%以上、好ましくは約90%以上、より好ましくは約95%以上の相同性を有するアミノ酸配列などを用いることができる。
本発明の配列番号:1で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質としては、例えば、配列番号:1で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有し、配列番号:1で表されるアミノ酸配列を有するタンパク質と実質的に同質の活性を有するタンパク質などが好ましい。ここで「実質的に同質の活性」とは、比較されるタンパク質どうしの活性が性質的に(例えば生理化学的に、または薬理学的に)同質であることを示す。
実質的に同質の活性としては、具体的には例えば、MD−2結合性とエンドトキシン結合性に基づくエンドトキシン惹起炎症の抑制活性が挙げられる。実質的に同質とは、比較されるタンパク質どうしの活性が性質的に同等(例、約0.01〜100倍、好ましくは約0.5〜20倍、より好ましくは約0.5〜2倍)であることが好ましいが、活性の程度やタンパク質の分子量などの量的要素は異なっていてもよい。
エンドトキシンにより惹起される炎症の抑制活性、NFκ−B活性化、インターロイキン8分泌などの活性の測定は、後述の実施例で用いた公知の方法に準じて行なうことができる。
また、本発明のsTLR4タンパク質は、好ましくは24番目のGluから631番目のLysまでのアミノ酸の配列にヒスチジンタグを付加させた組換えタンパク質である。
上記のタンパク質は後述するように、タンパク質をコードするcDNAを出発材料とし、公知の遺伝子組換え技術を用いて、微生物等に産生させることができる。
本発明のsTLR4タンパク質等を発現させるための組換えベクターは、例えば、(イ)本発明のsTLR4タンパク質等をコードするDNAを含有するDNA(例えば、cDNA)から目的とするDNA断片を切り出し、(ロ)該DNA断片を適当な発現ベクター中のプロモーターの下流に連結することにより製造することができる。
ベクターとして、大腸菌由来のプラスミド(例、pBR322、pBR325、pUC12、pUC13、pcDNA3.1(+))、枯草菌由来のプラスミド(例、pUB110、pTP5、pC194)、酵母由来プラスミド(例、pSH19、pSH15)、λファージなどのバクテリオファージ、レトロウイルス、ワクシニアウイルス、バキュロウイルスなどの動物ウイルスなどの他、pA1−11、pXT1、pRc/CMV、pRc/RSV、pcDNAI/Neoなどを用いることができる。
本発明では具体的には、pcDNA3.1(+)、および、pVL1392等、市販のプラスミドベクターを用いることができる。
ヒトTLR4 cDNA(配列番号:7)は、例えばShimazu,R.らの文献(J.Exp.Med. 189:1777−1782(1999))に記載された方法により得ることができる。また、C末端融合FLAGタグと6個のHisタグを含有するTLR4−FLAG−HisをコードするcDNA(配列番号:8)をプラスミドベクターpcDNA3.1(+)(Invitrogen)にサブクローニングするために、例えば製品添付のマニュアルに記載の方法を用いることができる。
本発明で用いられるプロモーターとしては、遺伝子の発現に用いる宿主に対応して適切なプロモーターであればいかなるものでもよい。発現プラスミドの作製において有用なベクターとしては、構成性プロモーター、誘導性プロモーター、組織特異的プロモーターなどのプロモーターなどが挙げられる。構成性プロモーターの具体例としては、例えば、サイトメガロウイルス(CMV)由来、ラウス肉腫ウイルス(RSV)由来、シミアンウイルス−40(SV40)由来、あるいは単純ヘルペスウイルス(HSV)由来のプロモーターなど、ウイルス由来の強力なプロモーターが挙げられる。組織特異的プロモーターの具体例としては、筋βアクチンプロモーターが挙げられる。誘導性あるいは調節性のプロモーターとしては、例えば、成長ホルモン調節性プロモーター、lacオペロン配列の制御下にあるプロモーター、あるいは抗生物質誘導性プロモーター、あるいは亜鉛誘導性メタロチオネインプロモーターなどが挙げられる。本発明で用いるプロモーターとしては、例えば、宿主が昆虫細胞である場合は、ポリヘドリンプロモーター、P10プロモーターなどが好ましい。
発現ベクターには、以上の他に、所望によりエンハンサー、スプライシングシグナル、ポリA付加シグナル、選択マーカー、SV40複製オリジン(以下、SV40oriと略称する場合がある)などを含有しているものを用いることができる。選択マーカーとしては、例えば、ジヒドロ葉酸還元酵素(以下、dhfrと略称する場合がある)遺伝子〔メソトレキセート(MTX)耐性〕、アンピシリン耐性遺伝子(以下、Amprと略称する場合がある)、ネオマイシン耐性遺伝子(以下、Neorと略称する場合がある、G418耐性)等が挙げられる。特に、CHO(dhfr-)細胞を用いてdhfr遺伝子を選択マーカーとして使用する場合、目的遺伝子をチミジン不含培地によっても選択できる。
また、必要に応じて、宿主に合ったシグナル配列を、本発明のレセプタータンパク質のN端末側に付加する。宿主がエシェリヒア属菌である場合は、PhoA・シグナル配列、OmpA・シグナル配列などが、宿主がバチルス属菌である場合は、α−アミラーゼ・シグナル配列、サブチリシン・シグナル配列などが、宿主が酵母である場合は、MFα・シグナル配列、SUC2・シグナル配列など、宿主が動物細胞である場合には、インシュリン・シグナル配列、α−インターフェロン・シグナル配列、抗体分子・シグナル配列などがそれぞれ利用できる。さらに、転写あるいはポリアデニル化シグナルのスプライシングのためのイントロン配列などのRNAプロセシング配列、あるいはCpGモチーフとして知られている免疫刺激DNA配列などを含むことができる。
本発明は、上記の組換えベクターで形質転換された非ヒト形質転換細胞、特に非ヒト形質転換細胞が昆虫細胞由来である非ヒト形質転換細胞をも提供する。本発明はまた、上記の非ヒト形質転換細胞を培養し、sTLR4タンパク質を発現させることを特徴とする、sTLR4タンパク質の製造方法を提供する。
上記のように構築した本発明のsTLR4タンパク質等をコードするDNAを含有する組換えベクターを用いて、形質転換体を製造することができる。
宿主としては、sTLR4タンパク質等を発現できるものであれば特に限定されるものではない。例えば、Escherichia coli等のエシェリヒア属菌、Bacillus subtilis等のバチルス属菌、Saccharomyces cerevisiae、Schizosaccharomyces pombe、Pichia pastoris等の酵母、Sf9細胞、Sf21細胞、BmN細胞等の昆虫細胞、カイコ等の昆虫、COS細胞、CHO細胞等の動物細胞などが用いられる。本発明においては、sTLR4タンパク質等を効率的に体調生産できるという理由から、特に昆虫細胞が好ましい。
エシェリヒア属菌、バチルス属菌等の細菌への組換えベクターの導入方法としては、細菌にDNAを導入する方法であれば特に限定されない。例えばカルシウムイオンを用いる方法[Cohen,S.N. et al.:Proc.Natl.Acad.Sci.USA,69:2110(1972)]、エレクトロポレーション法等が挙げられる。
酵母を宿主として用いる場合は、発現ベクターとして例えばYEp13、YEp24、YCp50等が用いられる。この場合のプロモーターとしては、酵母中で発現できるものであれば特に限定されず、例えばGAL1プロモーター、GAL10プロモーター、ヒートショックタンパク質プロモーター、MFα1プロモーター、GAPプロモーター等が挙げられる。
酵母への組換えベクターの導入方法としては、酵母にDNAを導入する方法であれば特に限定されず、例えばエレクトロポレーション法[Becker,D.M.and L.Guarente: Methods.Enzymol. 194:182(1990)]、スフェロプラスト法[Hinnen,A. et al.:Proc.Natl.Acad.Sci.USA, 75:1929(1978)]、酢酸リチウム法[Itoh,H. et al.:J.Bacteriol. 153,163(1983)]等が挙げられる。
動物細胞を宿主として用いる場合は、発現ベクターとして例えばpcDNA1.1/Amp、pcDNA1.1(いずれもInvitrogen社)、pSI Vector、pCI Vector(いずれもPromega社)等が用いられる。この場合、プロモーターとしてヒトサイトメガロウイルスの初期遺伝子プロモーター等を用いてもよい。
動物細胞への組換えベクターの導入方法としては、例えばエレクトロポレーション法、リン酸カルシウム法、リポフェクション法等が挙げられる。
昆虫細胞を宿主として用いる場合は、発現ベクターとして例えばpVL1392、pVL1393(いずれもInvitrogen社)、pMBac(Stratagene社)、pBacPAK8/9(Clontech社)等が用いられる。
昆虫細胞への組換えベクターの導入方法としては、例えばリン酸カルシウム法、リポフェクション法、エレクトロポレーション法等が挙げられる。
本発明のsTLR4タンパク質等は、前記形質転換体を培地に培養し、その培養物から採取することにより得ることができる。本発明の形質転換体を培地に培養する方法は、宿主の培養に用いられる通常の方法に従って行われる。
細菌や酵母等の微生物を宿主として得られた形質転換体を培養する培地としては、微生物が資化し得る炭素源、窒素源、無機塩類等を含有し、形質転換体の培養を効率的に行える培地であれば、天然培地、合成培地のいずれを用いてもよい。
炭素源としては、グルコース、フラクトース、スクロース、デンプン、マルトース、デキストリン等の炭水化物、酢酸、プロピオン酸等の有機酸、エタノール、プロパノール等のアルコール類が用いられる。窒素源としては、アンモニア、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等の無機酸若しくは有機酸のアンモニウム塩又はその他の含窒素化合物のほか、ペプトン、肉エキス、コーンスティープリカー、カザミノ酸、NZアミン等が用いられる。無機物としては、リン酸第一カリウム、リン酸第二カリウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、硫酸銅、炭酸カルシウム、硫酸亜鉛、塩化コバルト等が用いられる。
培養は、通常、振盪培養又は通気攪拌培養などの好気的条件下、30℃で24〜96時間行う。培養期間中、pHは5.0〜8.0に保持する。pHの調整は、無機又は有機の酸、アルカリ溶液等を用いて行う。培養中は必要に応じてアンピシリンやテトラサイクリン等の抗生物質を培地に添加してもよい。
プロモーターとして誘導性のものを用いた発現ベクターで形質転換した微生物を培養する場合は、必要に応じてインデューサーを培地に添加してもよい。例えば、Lacプロモーターを用いた発現ベクターで形質転換した微生物を培養するときにはイソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)等を、trpプロモーターを用いた発現ベクターで形質転換した微生物を培養するときにはインドールアクリル酸(IAA)等を培地に添加してもよい。
動物細胞を宿主として得られた形質転換体を培養する培地としては、一般に使用されているRPMI1640培地、DMEM培地又はこれらの培地に牛胎児血清等を添加した培地等が用いられる。培養は、通常、5%CO2存在下、20〜30℃で1〜7日行う。培養中は必要に応じてカナマイシン、ペニシリン等の抗生物質を培地に添加してもよい。
昆虫細胞を宿主として得られた形質転換体を培養する培地としては、Grace’s Insect Medium[Grace,T.C.C. Nature,195:788(1962)]に10%ウシ胎児血清などの添加物を適宜加えたものなどが挙げられる。培地のpHは6.0〜7.0に調製し、通常25℃で1〜7日培養を行い、必要に応じて通気や攪拌を加える。
以上のようにして、形質転換体の細胞内、細胞膜または細胞外に本発明のsTLR4タンパク質等を生成できる。
上記培養物から本発明のsTLR4タンパク質等を分離精製するには、例えば、下記の方法により行なうことができる。
本発明のsTLR4タンパク質等を培養上清から抽出するに際しては、培養終了後、公知の方法で細胞と上清とを分離し、上清を集める。
このようにして得られた培養上清中に含まれるsTLR4タンパク質等の精製は、公知の分離・精製法を適切に組み合わせて行なうことができる。これらの公知の分離、精製法としては、塩析や溶媒沈澱法などの溶解度を利用する方法、透析法、限外ろ過法、ゲルろ過法、およびSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法などの主として分子量の差を利用する方法、イオン交換クロマトグラフィーなどの荷電の差を利用する方法、アフィニティークロマトグラフィーなどの特異的親和性を利用する方法、逆相高速液体クロマトグラフィーなどの疎水性の差を利用する方法、等電点電気泳動法などの等電点の差を利用する方法などが用いられる。
このようにして得られるsTLR4タンパク質等が遊離体で得られた場合には、公知の方法あるいはそれに準じる方法によって塩に変換することができ、逆に塩で得られた場合には公知の方法あるいはそれに準じる方法により、遊離体または他の塩に変換することができる。
なお、組換え体が産生するsTLR4タンパク質等を、精製前または精製後に適当なタンパク質修飾酵素を作用させることにより、任意に修飾を加えたり、ポリペプチドを部分的に除去することもできる。タンパク質修飾酵素としては、例えば、トリプシン、キモトリプシン、アルギニルエンドペプチダーゼ、プロテインキナーゼ、グリコシダーゼなどが用いられる。
本発明においては、宿主として昆虫細胞を用いると効率よく本発明のタンパク質を大量生産できる。具体的には、本発明のsTLR4タンパク質等をO'Rreillyらの方法(O'Reilly DR, Miller KL, Luckow VA. 1992 Baculovirus Expression Vector. A laboratory mannuak. WH Freeman and Company, New York)を用いて、バキュロウイルス−昆虫細胞発現システムにより発現させることができる。具体的には、1 x 107から5x 108pfu/ml、好ましくは2 x 107から5 x 108pfu/mlになるように増幅する。本発明では〜4×108pfu/mlまで増幅したものが好ましく用いられる。組換えウイルスを無血清培地(Sf900II SFM(GIBCO,Invitrogen))中で昆虫細胞であるTni細胞の単層に感染多重度(MOIともいう)を少なくとも0.2から0.5、最も好ましくは1から5で感染させることができる。培養3-5日後、好ましくは4日後、sTLR4タンパク質とMD−2タンパク質はニッケル−ニトリロ三酢酸ビーズカラム(Qiagen、Valencia、CA)を用いて、文献(J.Biol.Chem. 277:24315−24320(2002)およびJ.Biol.Chem. 275:22442−22451(2000))に記載の方法により精製することができる。また、昆虫細胞中に産生される可溶型組換えTLR2(以下、sTLR2と略記する)またはCHO細胞中に産生される可溶型CD14(以下、sCD14と略記する)は、文献(J.Biol.Chem. 277:24315−24320(2002)およびJ.Biol.Chem. 275:22442−22451(2000))の記載にしたがって調製することができる。
本発明はまた、上記のsTLR4タンパク質を含有してなる薬剤、特にエンドトキシンにより惹起される炎症の治療のための抗炎症剤を提供する。
本発明のsTLR4タンパク質はMD−2タンパク質の存在下、エンドトキシンにより惹起される炎症を抑制する作用を有するので、該タンパク質をエンドトキシン惹起性の炎症の治療剤などとして使用することができる。
本発明のsTLR4タンパク質を上記治療剤として使用する場合は、常套手段に従って製剤化することができる。
本発明のsTLR4タンパク質は、必要に応じて糖衣を施した錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤などとして経口的に、あるいは水もしくはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、または懸濁液剤などの注射剤の形で非経口的に使用できる。例えば、本発明のsTLR4タンパク質を生理学的に認められる公知の担体、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安定剤、結合剤などとともに一般に認められた製剤実施に要求される単位用量形態で混和することによって製造することができる。これら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な用量が得られるようにするものである。
錠剤、カプセル剤などに混和することができる添加剤としては、例えば、ゼラチン、コーンスターチ、トラガント、アラビアゴムのような結合剤、結晶性セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチン、アルギン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油またはチェリーのような香味剤などが用いられる。調剤単位形態がカプセルである場合には、上記タイプの材料にさらに油脂のような液状担体を含有することができる。注射のための無菌組成物は注射用水のようなベヒクル中の活性物質、胡麻油、椰子油などのような天然産出植物油などを溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って処方することができる。注射用の水性液としては、例えば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液(例えば、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩化ナトリウムなど)などが用いられ、適当な溶解補助剤、例えば、アルコール(例、エタノール)、ポリアルコール(例、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール)、非イオン性界面活性剤(例、ポリソルベート80TM、HCO−50)などと併用してもよい。油性液としては、例えば、ゴマ油、大豆油などが用いられ、溶解補助剤である安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールなどと併用してもよい。
また、上記治療剤は例えば、緩衝剤(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト血清アルブミン、ポリエチレングリコールなど)、保存剤(例えば、ベンジルアルコール、フェノールなど)、酸化防止剤などと配合してもよい。調製された注射液は通常、適当なアンプルに充填される。
このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、例えば、ヒトやその他の哺乳動物(例えば、ラット、マウス、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投与することができる。
本発明のレセプタータンパク質の投与量は、投与対象、対象臓器、症状、投与方法などにより差異はあるが、経口投与の場合、一般的に例えば、エンドトキシン惹起性炎症患者(60kgとして)においては、一日につき約0.1mg〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mgである。非経口的に投与する場合は、その1回投与量は投与対象、対象臓器、症状、投与方法などによっても異なるが、例えば、注射剤の形では通常例えば、エンドトキシン惹起性炎症患者(60kgとして)においては、一日につき約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射により投与するのが好都合である。他の動物の場合も、60kg当たりに換算した量を投与することができる。
実施例
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
使用した実験材料
組換えMD−2タンパク質
C末端にV5タグと6個のHisタグを含有するMD−2−V5−Hisタンパク質を作製するために、pEFBOSベクターに挿入してあるヒトMD−2 cDNAをNotIとPmeIで消化し、pcDNA3.1D/V5−His−TOPO(Invitrogen)にサブクローニングした。このpcDNA3.1(+)ベクター中のMD−2 cDNAをPmeI消化し、pVL1392ベクターのSmaI部位にサブクローニングした。このベクターとバキュロウィルスDNAをSf9細胞にトランスフェクトし、MD−2 cDNAをコードするバキュロウィルスを得た。公知の方法に従い、MD−2コードバキュロウィルスを増幅させ、Tni細胞に感染させ、培養液中にMD−2タンパク質を分泌させた。常法にしたがい、MD−2タンパク質を精製した。
sTLR2タンパク質
昆虫細胞を用いて産生されるsTLR2タンパク質は、文献(J.Biol.Chem. 277:24315−24320(2002))の記載にしたがって調製することができる。具体的には以下のように調製した。
TLR2の細胞外ドメインのC末端にHisタグを付加したcDNAをpVL1392ベクターにサブクローニングし、sTLR2 cDNAとバキュロウィルスDNAをSf9細胞にトランスフェクトして、sTLR2 cDNAをコードするバキュロウィルスを得て、増幅させた。sTLR2コードバキュロウィルスをTni細胞に感染させ、培養液中に分泌されるsTLR2タンパク質をニッケルカラムにて精製した。
sCD14タンパク質
CHO細胞を用いて産生される可溶型CD14(以下、sCD14と略記する)は、文献(J.Biol.Chem. 275:22442−22451(2000))の記載にしたがって調製することができる。具体的には以下のように調製した。
sCD14のC末端にHisタグを付加したcDNAをpEE14ベクターにサブクローニングし、CHO細胞にトランスフェクトした。Methionine sulfoxideにて、sCD14発現CHO細胞を選択し、安定な細胞株を確立した。sCD14発現CHO細胞株を無血清培地で、培養し、分泌されるsCD14タンパク質をニッケルカラムにて精製した。
その他の材料
ヒト胎児腎臓293細胞(以下、HEK293細胞と記載する)は、10%ウシ胎仔血清を添加したDMEMで培養維持することが望ましい。Re595 LPSはSigma社等の市販製品を用いた。sTLR4に対するモノクローナル抗体(mAb)である4D9はKohler,G.とMilstein,C.の文献(Nature 256:495−497(1975))に記載の方法に基づいたハイブリドーマ技術を用いて作製した。抗FLAG抗体、抗FLAG抗体結合アガロースビーズ、抗V5 mAbは、Sigma社、Invitrogen社等の市販製品を用いた。
組換えsTLR4タンパク質の調製
本実施例で調製したsTLR4タンパク質は、TLR4タンパク質の細胞外に突出していると推定されるドメイン(1番目のMetから631番目のLys)とC末端の6個のHisタグからなる(図1)。このsTLR4タンパク質をコードするsTLR4 cDNAをPCRにより構築した。センスプライマーおよびアンチセンスプライマーとしてそれぞれ、5’−TGCCAGGATGATGTCTGCC−3’(配列番号:10)、5’−TTAGTGATGGTGATGGTGATGCTTATTCATCTGACAGGTG−3’(配列番号:11)を用い、全量50μlの反応系(センスプライマー(10μM)1.5μl、アンチセンスプライマー(10μM)1.5μl、pfXポリメラーゼ0.5μl、pfXポリメラーゼ10Xバッファー5μl、10mM dNTPミックス1.5μl、50mM 硫酸マグネシウム1μl、TLR4 cDNA 5μl(50ng)、水34μlの組成)で、PCRの反応条件としては、90℃・30秒、55℃・30秒、72℃・2分の条件を用いた。PCR後に、sTLR4 cDNAをDNA配列決定法により確認した。上記のようにして得られたsTLR4 cDNAを、制限酵素NotIとBamHIを用いて消化し、同様の制限酵素で消化したpVL1392プラスミドベクターとDNAリガーゼを用いて連結することによりサブクローニングした。
上記のようにして得られたベクターをバキュロウィルスDNAとともに、Sf9細胞にトランスフェクトし、さらにO’Reillyらの記載の方法(O'Reilly DR, Miller KL, Luckow VA. 1992 Baculovirus Expression Vector. A laboratory mannuak. WH Freeman and Company, New York)にしたがって、バキュロウイルス−昆虫細胞系の発現システムを用いて、この形質転換体を培養し、sTLR4タンパク質を発現させた。
Applied Biosystems Procise 492シーケンサーで決定したsTLR4タンパク質のN末端の配列は、ESWEPCVEVVPNITYQCMEL(配列番号:12)であった。この配列は、24番目のGluから始まるTLR4タンパク質の推定アミノ酸配列と一致した。
昆虫細胞で産生されるMD−2タンパク質、sTLR4タンパク質およびsTLR2タンパク質、およびチャイニーズハムスターの卵巣細胞で産生されるsCD14タンパク質をレーンあたり、10μgのMD−2タンパク質、5μgのsTLR2タンパク質、sTLR4タンパク質およびsCD14タンパク質をロードし、還元条件下でSDS−PAGE(10%ポリアクリルアミドゲル)にかけた。タンパク質をクーマシーブリリアントブルー染色で染色した。図2に示すように、電気泳動による解析から、MD−2タンパク質は分子量23から30kDaの幅の広いバンドを示すことが明らかとなった。sTLR4タンパク質は還元条件下で分子量約80kDaの単一バンドとして移動した。文献(J.Biol.Chem. 277:24315−24320(2002);J.Biol.Chem. 275:22442−22451(2000);Eur.J.Biochem. 236:457−464(1996))に記載されているように、sTLR2タンパク質およびsCD14タンパク質は、分子量〜70kDaの単一バンドおよび46から56kDaの幅の広いバンドをそれぞれ示した。
精製MD−2タンパク質のLPS惹起性のNF−κB活性化に対する効果
TLR4タンパク質をトランスフェクトしたHEK293細胞における精製MD−2タンパク質のLPSに惹起されるNF−κB活性化に対する効果を試験した。NF−κBの活性化は、文献(J.Biol.Chem. 277:24315−24320(2002)およびJ.Biol.Chem. 276:41350−41356(2001))に記載の方法により測定した。トランスフェクション前日にHEK293細胞をウェルあたり1×105細胞で、24ウェルプレートに播いた。この細胞を、FuGENE 6トランスフェクション試薬(Roche Molecular Biochemicals、Basel、Switzerland)により、30ngのNF−κBコンストラクト(pNF−κB−Luc;Stratagene、La Jolla、CA)と10ngのウミシイタケ ルシフェラーゼ発現用コントロールコンストラクト(pRL−TK、Promega、Madison、WI)と、80ngのTLR4タンパク質、あるいは、MD−2タンパク質をコードするcDNAとともに一過的にトランスフェクトした。トランスフェクションの24時間後、細胞を一定濃度のLPSで6時間あるいは12時間刺激し、ルシフェラーゼ活性をマニュアル記載の方法にしたがい、例えばデュアルルシフェラーゼレポーターアッセイシステム(Promega)により測定した。3回の実験の平均+SEでデータを示した。
図3に示したように、LPS(100ng/ml)はMD−2タンパク質なしではNF−κB活性化を誘導しなかった。対照的に、MD−2タンパク質を添加すると、LPSに応答して、TLR4タンパク質をトランスフェクトした細胞にNF−κB活性化能が劇的に賦与された。精製MD−2タンパク質のLPSに惹起されるNF−κB活性化に対する促進効果は濃度依存性であった。これらの結果は、培地中に外部から添加されたMD−2タンパク質がLPSレセプター複合体として機能できることを示している。
MD−2タンパク質とsTLR4タンパク質、sTLR2タンパク質またはsCD14タンパク質との結合実験
sTLR4タンパク質、MD−2タンパク質、sTLR2タンパク質、sCD14タンパク質あるいはウシ血清アルブミン(以下、BSAと略記する;2μg/ml、50μl/ウェル)でマイクロタイターウェル(Immulon 1B、Dynex)をコートした。3%(w/v)BSAを含有するPBS(以下、ブロッキング緩衝液と称する)でウェルをブロックした後、ブロッキング緩衝液に溶解した一定濃度のMD−2タンパク質またはビオチン化sTLR4タンパク質(50μl/ウェル)を添加し、その懸濁液を37℃で、2時間インキュベートした。ウェルを3%(w/v)スキムミルクと0.1%(v/v)Triton X−100を含有するPBSで洗浄後、固相タンパク質へのMD−2タンパク質の結合を、抗V5 mAb、続いてセイヨウワサビ・パーオキシダーゼ(HRP)標識化抗マウスIgGとのインキュベーションにより検出した。具体的には、固相化sTLR4タンパク質、sTLR2タンパク質、sCD14タンパク質,BSAに対するMD−2タンパク質の結合をみる場合、2μg/mlのsTLR4タンパク質、sTLR2タンパク質、sCD14タンパク質、BSAを50μl/ウェルでマイクロタイターウェルに注入し、2時間室温で放置し固相化させた。固相化溶液を除去後、ブロッキング緩衝液を50μl/ウェルで加え、37℃、1時間放置しブロッキングした。ブロッキング緩衝液を除去後、ブロッキング緩衝液に溶解した図に示した濃度のMD−2タンパク質を50μl/ウェルでウェルに添加し37℃で、2時間インキュベートした。MD−2タンパク質懸濁液を除去後、ウェルを3%(w/v)スキムミルクと0.1%(v/v)Triton X−100を含有するPBSで3回洗浄し、同洗浄液で1:2000に希釈した抗V5 mAb懸濁液を50μl/ウェルで加え、90分室温でインキュベートした。抗V5 mAb懸濁液を除去後、同洗浄液3回洗浄し、同洗浄液で1:1000に希釈したHRP標識化抗マウスIgG懸濁液を50μl/ウェルで加え、60分室温でインキュベートした。HRP標識化抗マウスIgG懸濁液を除去後、0.1%(v/v)Triton X−100を含有するPBSで3回洗浄し、クエン酸バッファーで1回洗浄後、クエン酸バッファーで希釈したo−フェニレンジアミン(10mg/10mL)を50μl/ウェルで加え15分間インキュベートした後に0.1規定硫酸で反応を止め、492nm吸光度を測定した。
製品添付のマニュアルにしたがって、EZ−Link Sulfo−NHS−LC−Biotin(PIERCE)を用いてビオチン化したsTLR4タンパク質の固相タンパク質への結合は、HRP結合ストレプトアビジンにより検出した。すなわち、パーオキシダーゼ反応はo−フェニレンジアミンを基質に用いて実施し、492nmの吸収を測定した。具体的には、MD−2タンパク質に対するビオチン化sTLR4タンパク質の結合をみる場合、2μg/mlのMD−2タンパク質を50μl/ウェルでマイクロタイターウェルに注入し、2時間室温で放置し固相化させた。固相化溶液を除去後、ブロッキング緩衝液を50μl/ウェルで加え、37℃、一時間放置しブロッキングした。ブロッキング緩衝液を除去後、ブロッキング緩衝液に溶解した図に示した濃度のビオチン化sTLR4タンパク質を50μl/ウェルでウェルに添加し37℃で、2時間インキュベートした。ビオチン化sTLR4タンパク質懸濁液を除去後、0.1%(v/v)Triton X−100を含有するPBSで3回洗浄し、クエン酸バッファーで1回洗浄後、クエン酸バッファーで希釈したo−フェニレンジアミン(10mg/10mL)を50μl/ウェルで加え、発色後、0.1規定硫酸で反応を止め、492nmの吸光度を測定した。その結果を図4(A)から(C)に示した。
(A)はMD−2タンパク質のsTLR4タンパク質への結合を示す結果である。指示された濃度のMD−2をマイクロタイターウェルにコートしたsTLR4タンパク質(黒丸)、sTLR2タンパク質(白三角)、CD14タンパク質(白四角)またはBSA(白丸)(2μg/ml、50μl)と37℃で2時間インキュベートした。固相タンパク質へ結合したMD−2タンパク質を、抗V5モノクローナル抗体、続いてHRP標識抗マウスIgGによるインキュベーションで検出した。データは3回の実験の平均+SEを示す。(B)はsTLR4タンパク質のMD−2タンパク質への結合を示す結果である。指示された濃度のビオチン化sTLR4タンパク質をマイクロタイターウェルにコートしたMD−2タンパク質(黒丸)またはBSA(白丸)(2μg/ml、50μl)と37℃で2時間インキュベートした。固相タンパク質へ結合したsTLR4タンパク質を、HRP結合ストレプトアビジンにより検出した。データは3回の実験の平均+SEを示す。
図示したように、各種濃度のMD−2タンパク質をマイクロタイターウェルにコートしたsTLR4タンパク質、sTLR2タンパク質、sCD14タンパク質またはBSAとインキュベートすると、MD−2タンパク質は濃度依存的に固相sTLR4タンパク質に結合した。しかし、MD−2タンパク質はsTLR2タンパク質、sCD14タンパク質またはBSAとは顕著な結合を示さなかった。sTLR4タンパク質をマイクロタイターウェルにコートしたMD−2タンパク質とインキュベートすると、sTLR4タンパク質は固相MD−2タンパク質と結合した。
sTLR4タンパク質とMD−2タンパク質の相互作用をまた液相アッセイで試験した。それぞれ2μgのsTLR4タンパク質、MD−2タンパク質またはsTLR4タンパク質+MD−2タンパク質を100μlのブロッキング緩衝液に添加し、30分間、37℃でインキュベートした。インキュベーション後、ブロッキング緩衝液を加えることにより反応液の全容量を500μlに調整した。この混合液を40μlのプロテインGセファロース(PBSへの50%懸濁液)と1時間、4℃でインキュベートし、夾雑物を除去した。この後、1μgの抗V5 mAbまたは2μgの抗sTLR4 mAb 4D9と1時間、4℃でインキュベートした。免疫複合体を40μlのプロテインGセファロースに2時間、4℃で結合させた。セファロースビーズを0.1%(v/v)Triton X−100を含有するPBSで3回洗浄し、最終的に20μlのSDSサンプル緩衝液に再懸濁した後、還元条件下で3分間煮沸した。この試料をSDS−PAGEにかけた後、ポリビニルイデンジフルオリド(以下、PVDFと略記する)膜にゲル上のタンパク質をTowbinらの方法(Towbin H, Staehelin T, Gordon J. 1979, Proc Natl Acad Sci USA 76:4350-4354.)を用いて移した。この膜を抗sTLR4 mAb 4D9、続いてHRP結合抗マウスIgGとインキュベートした。MD−2タンパク質はHRP結合抗V5 mAbを用いて検出した。抗体と反応したタンパク質をケミルミネセンス試薬(SuperSignal、Pierce)を用いて、試薬添付のマニュアルに従って可視化した。
図4Cに示したように、両タンパク質を共にインキュベートすると、sTLR4タンパク質は、抗V5抗体で免疫沈降するMD−2タンパク質と結合しており(上側のパネル)、同様にMD−2タンパク質は、抗sTLR4抗体で免疫沈降するsTLR4タンパク質と結合していた(下側のパネル)。これらの結果は、24番目のGluから631番目のLysを含有するTLR4タンパク質の細胞外ドメインが直接MD−2タンパク質に結合できるが、ロイシンリッチな繰り返しを含有するTLR4タンパク質に相同なタンパク質であるTLR2タンパク質とCD14タンパク質はMD−2タンパク質と相互作用できないことを示している。
MD−2タンパク質とsTLR4タンパク質との相互作用のBIAcore解析
sTLR4タンパク質のMD−2タンパク質への結合のパラメーターをBIAcore3000(BIAcoreAB)を用いた表面プラズモン共鳴解析により決定した。10mM酢酸ナトリウム(pH5.0)に溶解したMD−2タンパク質(30μg/ml)をCM5センサーチップ上にアミンカプリング法を用いて固定化した。150mM NaClを含有する5mM Tris緩衝液(pH7.4)中に溶解した250nMから1.5μMのsTLR4タンパク質を流速30μl/分でセンサーチップ表面に通した。相互作用を25℃における表面プラズモン共鳴応答の変化としてモニターした。モニター2分後、解離のためにsTLR4タンパク質溶液に代わって同一緩衝液をセンサーチップ上に通した。センサー表面をそれぞれの実験の終わりに10mM HClを用いて再生することが望ましい。結合速度定数(kass)と解離速度定数(kdiss)をBIAevaluationソフトウェア(バージョン3.1、BIAcoreAB)により、プログラム1:1(Langmuir)結合モデルを用いて計算した。さらに、この結果から解離定数(KD)をkdiss/kassで決定した。
図5に示したように、センサーチップに固定化されたMD−2タンパク質上を各種濃度のsTLR4タンパク質を通すことにより、結合速度定数kass=7.56×103-1・s-1、解離速度定数kdiss=4.76×10-4・s-1、および解離定数KD(kdiss/kass )=6.29×10-8Mという値を得た。
sTLR4タンパク質−MD−2タンパク質複合体とLPSとの結合実験
sTLR4タンパク質−MD−2タンパク質複合体が直接LPSに結合するかをLPSセファロースビーズへの結合により試験した。
大腸菌O26:B6(2mg、Sigma)のLPSを添付のマニュアルに従い、エポキシ活性化セファロース6B(ゲル容量3ml、Pharmacia Biotech)にクロスリンクさせ、LPSセファロースビーズを作製した。
それぞれ2μgのsTLR4タンパク質、MD−2タンパク質またはsTLR4タンパク質+MD−2タンパク質を100μlのブロッキング緩衝液に添加し、37℃で30分間、予めインキュベートした。LPS結合セファロースビーズ(80μl、PBS中50%懸濁液)または対照のセファロースビーズをsTLR4タンパク質および/またはMD−2タンパク質を含有する溶液に添加しブロッキング緩衝液を加えることにより、懸濁液の全容量を500μlに調整した。懸濁液を37℃で2時間緩やかに揺らしながらインキュベートした。インキュベーション後、ビーズを0.1%(w/v)Triton X−100を含有するPBSで3回洗浄した。LPSセファロースビーズを含有する最終的な沈殿をSDS−PAGEにかけ、ゲル上のタンパク質をPVDF膜に電気的に移した。LPSセファロースビーズと共沈したsTLR4タンパク質とMD−2タンパク質を検出するために、ウェスタンブロット分析を上述のように、抗sTLR4 mAb 4D9と抗V5 mAbを用い、続いてHRP結合抗マウスIgGを用いたインキュベーションにより行った。
sTLR4タンパク質、MD−2タンパク質またはsTLR4タンパク質+MD−2タンパク質をLPSセファロースと共にインキュベートし、LPSビーズを沈降させた。その後、ビーズに結合したタンパク質をウェスタンブロットにより解析した。図6に示すように、MD−2タンパク質だけをLPSビーズとインキュベートすると、かなりの量のMD−2タンパク質がLPSビーズと共沈し、このことはMD−2タンパク質がLPSと結合できることを示している。sTLR4タンパク質だけでインキュベートしたLPSビーズはsTLR4タンパク質を共沈せず、このことはTLR4タンパク質がLPSに結合できないことを示している。しかし、sTLR4タンパク質とMD−2タンパク質の両者を共にインキュベートすると、LPSビーズはかなりの量のsTLR4タンパク質とMD−2タンパク質を共沈した。対照ビーズはsTLR4タンパク質もMD−2タンパク質もどちらも共沈しなかった。これらの結果は、TLR4タンパク質だけではLPSと相互作用できないが、TLR4タンパク質の細胞外ドメインとMD−2タンパク質の複合体はLPSに結合できることを示している。
sTLR4タンパク質による野生型TLR4 cDNAをトランスフェクトした細胞のLPSに惹起されるNF−κB活性化の減弱
上述のように、NF−κBレポータープラスミドおよび対照レポータープラスミドと共に野生型のTLR4 cDNA(100ng)を用いて、HEK293細胞をトランスフェクトした。空のpcDNA3.1(+)ベクター80ngを加えることにより、プラスミドの全量をウェルあたり200ngに調整した。トランスフェクションの24時間後、細胞を12時間、10ng/ml(白いバー)または100ng/ml(黒いバー)のLPSと共に、4μg/ml sTLR4タンパク質および/または0.1μg/ml 組換えMD−2タンパク質を用いて、または用いず予めインキュベートした培地中でインキュベートした。NF−κB活性を前述の方法により調べた。示したデータは、3回の実験の平均+SEである。図にその結果を示す。MD−2+LPSの存在下で、sTLR4なしの条件での結果を比べた際の、*はp<0.05、**はp<0.02を示す。
野生型(wt)TLR4 cDNAをトランスフェクトしたHEK293細胞のLPSに惹起されるNF−κB活性化に対するsTLR4タンパク質の効果を試験した。図7に示すように、100ng/ml MD−2タンパク質を培地に外部から添加すると、LPSはNF−κB活性化を惹起した。10ng/mlおよび100ng/ml LPSで惹起されたNF−κB活性化は、4μg/mlのsTLR4タンパク質を添加することにより著しく減弱した。これらの結果は、sTLR4タンパク質が野生型TLR4 cDNAをトランスフェクトした細胞におけるLPSに惹起されるNF−κB活性化を中和できることを示している。
野生型TLR4発現細胞におけるLPS惹起性IL−8分泌に対するsTLR4の効果
野生型(wt)TLR4を発現する分化U937細胞のLPSに惹起されるIL−8の分泌に対するsTLR4タンパク質の効果を試験した。sTLR4(10μg/ml)とMD−2(0.25μg/ml)を7.8−31.3ng/mlのLPS存在下で37℃で1時間プレインキュベートし、その後、マクロファージ細胞株のU937細胞(1×105)とさらに6時間インキュベートした。インキュベート後、培養液中に分泌されたIL−8量を酵素免疫測定法で測定した。図8に示すように、sTLR4タンパク質がLPS惹起IL−8分泌を抑制することが明らかとなった。
sTLR4タンパク質を用いることにより、エンドトキシン惹起性の炎症を弱める新規の治療方法を提供することができる。
sTLRsの模式図である。 組換えタンパク質の電気泳動分析の結果を示す図である。 組換えMD−2タンパク質がTLR4をトランスフェクトした細胞にLPS応答性を賦与することを示す図である。 TLR4の細胞外ドメインがMD−2に結合することを示す図である。(A)は、MD−2のsTLR4への結合を示す。(B)は、sTLR4のMD−2への結合を示す。(C)は、溶液中のsTLR4のMD−2への結合を示す。 sTLR4の固定化MD−2との結合と解離を示す図である。 sTLR4−MD−2複合体がLPSに結合することを示す図である。 sTLR4タンパク質がLPSに惹起されるNF−κB活性化を減弱できることを示す図である。 sTLR4タンパク質がLPS惹起IL−8分泌を抑制することを示す図である。
[配列番号:10] プライマー
[配列番号:11] プライマー

Claims (10)

  1. 配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含有する可溶型Toll様受容体4タンパク質。
  2. 配列番号:1で表されるアミノ酸配列または前記アミノ酸配列中1ないし数個のアミノ酸が欠失、置換、もしくは付加しているアミノ酸配列を含有する請求項1記載の可溶型Toll様受容体4タンパク質。
  3. 配列番号:1で表されるアミノ酸配列を有する請求項1記載の可溶型Toll様受容体4タンパク質。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の可溶型Toll様受容体4タンパク質をコードするcDNA。
  5. 請求項4に記載のcDNAを保持する組換えベクター。
  6. 請求項5に記載の組換えベクターで形質転換された非ヒト形質転換細胞。
  7. 非ヒト形質転換細胞が昆虫細胞由来である、請求項6記載の非ヒト形質転換細胞。
  8. 請求項6または7記載の非ヒト形質転換細胞を培養し、請求項1から3のいずれかに記載の可溶型Toll様受容体4タンパク質を発現させることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の可溶型Toll様受容体4タンパク質の製造方法。
  9. 請求項1から3のいずれかに記載の可溶型Toll様受容体4タンパク質を含有してなる薬剤。
  10. エンドトキシン惹起炎症の治療のための抗炎症剤である、請求項9記載の薬剤。
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