JP2008022635A - モータ駆動システム - Google Patents

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Abstract

【課題】エネルギー効率を向上させたモータ駆動システムを提供する。
【解決手段】モータ駆動システムにおいて、多相定電流インバータ2−1乃至2−4は、直流定電流電源装置1の端子間に直列に接続され、多相定電流モータ3−1乃至3−4は、対応する多相定電流インバータ2−1乃至2−4に接続され、直流定電流電源装置1は、直流電源からの直流電圧に対して、出力電流が直流定電流となるように多相定電流モータ3−1乃至3−4の起電力を加算したものに応じて出力電圧の極性及び大きさを制御し、多相定電流インバータ2−1乃至2−4は、直流定電流電源装置1からの直流電流の方向を制御して矩形波交流電流を生成し、モータ3−1乃至3−4は、固定子巻線を流れる対応する多相定電流インバータ2−1乃至2−4からの矩形波交流電流に応じた駆動及び制動を行う。
【選択図】図3

Description

本発明は、モータを利用して電気自動車等の移動体の駆動を行うモータ駆動システムに関する。
直流モータは、インバータ制御によって駆動される。具体的には、直流モータ内の回転子の位置が検出され、インバータがその位置情報に基づいて直流モータへの通電を制御する。
直流モータでは、一般に、回転子の磁石材は、円筒型永久磁石により構成される。一方、当該円筒型永久磁石の1つの極性(N極又はS極)に対向する固定子側の巻線は、1つ(1相)である。そして、固定子側の1つの巻線が回転子側の1つの極性に対峙する形式となっている。
このような直流モータの使用に際し、制動時に充電を行ってエネルギー効率の向上が図られる場合がある。例えば、特許文献1は、定電圧システムに基づく高速走行時の回生エネルギーを充電する充電回路、高速走行時であることを検出する回生作動検出兼比較回路等を備えるモータ駆動システムである。このモータ駆動システムでは、所定の条件を満たした場合にのみ電気二重層コンデンサに回生エネルギーが蓄えられ、又は、電気二重層コンデンサが放電する。また、特許文献2は、高速走行時の回生エネルギーをコンデンサに回収するモータ駆動システムである。
特開平6−276616号公報 特開平7−143611号公報
しかしながら、特許文献1及び2では、モータの回転が低速の場合、換言すれば、モータの起電力(負荷起電力)が小さい場合には、回生エネルギーを回収することができない。
そこで、本発明は、エネルギー効率を向上させたモータ駆動システムを提供することを目的とする。
本発明のモータ駆動システムは、電源装置と、複数のインバータと、前記複数のインバータに対して設けられる複数のモータとを有し、前記複数のインバータは、前記電源装置の端子間に直列に接続され、前記複数のモータのそれぞれは、対応する前記インバータに接続され、前記電源装置は、直流電圧を供給する直流電源と、前記直流電源からの直流電圧を入力し、出力電流が直流定電流となるように前記複数のモータの起電力を加算したものに応じて出力電圧の極性及び大きさを制御する電圧制御手段とを有し、前記複数のインバータのそれぞれは、前記電源装置からの直流電流の方向を制御して矩形波交流電流を生成し、前記複数のモータのそれぞれは、固定子巻線を流れる対応する前記インバータからの前記矩形波交流電流に応じた駆動及び制動を行うことを特徴とする。
この構成によれば、電源装置は、複数のモータの起電力を加算したものに応じて出力電圧の極性及び大きさを制御することにより、インバータに対して一定の方向及び一定の大きさの直流定電流を供給しつつ、モータの駆動時には放電を行い、制動時には回生電力による充電をモータの停止時まで、換言すれば、モータの起電力がゼロになるまで行うことができ、エネルギー効率を向上させることが可能となる。また、モータは、直流電流により駆動する直流モータであるため、小型化で高いトルク効率を実現することができる。更には、一の電源装置に対して、複数のインバータが接続され、当該インバータのそれぞれに対して、複数のモータが接続されており、一の電源装置が複数のモータに対して放電を行い、複数のモータからの回生電力による充電を行うことができるため、一の電源装置に対して、一のインバータが接続される場合と比較して、システム全体の小型化を図ることが可能となる。また、各モータの起電力は、通常一致しないため、各インバータの端子間に現れる起電力も異なることとなるが、電源装置の端子間に各インバータが直列に接続されているため、各インバータの端子間に現れる起電力が加算されたものが電源装置に印加されることになり、回生電力を効率よく電源装置へ供給することができる。
また、本発明のモータ駆動システムは、複数の車輪を有する移動体に搭載されるものであって、前記複数のモータのそれぞれは、前記複数の車輪のいずれかに対して設けられるようにしてもよい。
モータ駆動システムが車両に搭載され、且つ、前記インバータ及びモータが車輪毎に設けられる場合、回生制動時の各モータの起電力は、当該モータによって駆動する左右の車輪の回転速度の差や、左右の車輪の径の違い等によって一致しないため、各インバータの端子間に現れる起電力も異なることとなるが、各インバータが直列に接続されているため、各インバータの端子間に現れる起電力が加算されたものが電源装置に印加されることになり、回生電力を効率よく電源装置へ供給することができる。
また、本発明のモータ駆動システムは、前記電圧制御手段が、前記出力電圧を、前記複数のモータの起電力を加算したものに後段の回路における電圧降下分を加算した電圧に制御する。
この構成により、電源装置は、その出力電圧とモータの起電力との差に応じた直流定電流をインバータへ供給することができる。
また、本発明のモータ駆動システムは、前記電圧制御手段が、前記直流電源に接続され、前記複数のモータの起電力を加算したものに応じてスイッチング動作を行う複数のスイッチにより構成される非対称制御のPWMブリッジを有する。
また、本発明のモータ駆動システムは、前記非対称制御のPWMブリッジが、前記複数のモータの起電力を加算したものに応じて、前記複数のスイッチのうちオンとなるスイッチが選択され、且つ、オンの期間が制御される。
この構成により、前記電源装置の出力電圧は矩形波となり、その平均値を適切に制御することが可能となる。
また、本発明のモータ駆動システムは、前記電圧制御手段が、前記非対称制御のPWMブリッジの出力側に並列に接続され、前記非対称制御のPWMブリッジ内のスイッチのオフ期間にのみオンとなるスイッチと、前記電圧制御手段の出力端に設けられるリアクトルとを有する。
この構成により、非対称制御のPWMブリッジ内のスイッチがオフ期間の場合にも、インバータに対して直流定電流を断続させずに供給することができる。
また、本発明のモータ駆動システムは、前記直流電源が、前記複数のモータからの回生電力を加算したものを充電する機能を有する。
この構成により、回生電力を充電してエネルギー効率を向上させることができる。
同様の観点から本発明のモータ駆動システムは、前記直流電源に並列に接続された容量素子を有する。
この構成により、直流電源が充電機能を有しない場合、あるいは、充電機能を有するものの短時間に回生電力が大きく変動する際には適切に充電を行うことができない場合であっても、容量素子によって回生電力を充電することができる。
また、本発明のモータ駆動システムは、前記複数のモータのそれぞれが、回転軸を有する円筒構造体の外周に、半径方向の形状と磁化の強さを均一にして、外周に生じる円周方向の磁束密度分布が矩形波状になるようにした複数のNS対を構成する磁石を、外周側及び内周側にN極とS極とが交互に表れるように取付けた回転子と、前記回転子の外周側に空隙を介して囲むように配置される環状鉄心の内周側に、前記回転子のNS対あたり相数分の固定子巻線を各相毎に直列あるいは並列接続して相数分の入端子を設けた固定子とを有する多相定電流モータである。
また、本発明のモータ駆動システムは、前記複数のインバータのそれぞれが、各相に対応して設けられ、対応する相の前記固定子巻線を接続した単相ブリッジユニットを相数分直列接続して構成される多相定電流インバータである。
また、本発明のモータ駆動システムは、前記複数のインバータのそれぞれが、前記回転子の角度位置に応じて、前記単相ブリッジユニットに入力される直流電流を反転切換させる。
この構成により、モータのトルク効率を向上させることができる。
また、本発明のモータ駆動システムは、前記複数のインバータのそれぞれが、各相の前記固定子巻線に電気角180°幅の矩形波交流電流を電気角(180°/相数)の位相差で順次ずらして供給する。
この構成により、モータ内の回転子に、電気角180°幅の矩形波磁束密度と、180°幅の矩形波交流電流との相乗による効果的な回転力を発生させることができる。
また、本発明のモータ駆動システムは、前記複数のインバータのそれぞれが、前記モータの駆動時と制動時とで前記直流電流の反転切換のタイミングを、前記回転子が電気角180°に対応する角度の回転の時間だけずらす。
この構成により、モータの駆動時及び制動時におけるトルク効率を最大とすることができる。
本発明のモータ駆動システムは、モータの制動時に充電をモータの停止時まで行うことができ、エネルギー効率を向上させることができる。また、電源装置の端子間に各インバータが直列に接続されているため、各インバータの端子間に現れる起電力が加算されたものが電源装置に印加されることになり、回生電力を効率よく電源装置へ供給し、エネルギー効率を向上させることができる。
モータ駆動システムは、電源装置がモータの起電力に応じて出力電圧の極性及び大きさを制御することにより、インバータに対して直流定電流を供給しつつ、モータの駆動時には放電を行い、制動時には回生電力による充電をモータの停止時まで行うことができ、エネルギー効率を向上させるようにした。
図1は、本発明による定電流方式のモータ駆動システムの基本構成のブロック図である。図1に示すモータ駆動システムは、直流定電流電源装置1、多相定電流インバータ2、多相定電流モータ3を有する。このモータ駆動システムは、全体が定電流で動作するものである。
直流定電流電源装置1は、負荷である多相定電流モータ3側の起動力の正負、大小に関係なく、一定方向に一定の大きさの直流定電流を出力するように動作する。また、直流定電流電源装置1は、負荷である多相定電流モータ3の制動時、すなわち、負荷起電力が負の場合には、負荷側からの回生電力を回収するように動作する。
多相定電流インバータ2は、前段の直流定電流電源装置1からの直流定電流を入力として、後述する多相定電流モータ3の固定子巻線に流れる電流の向きを反転切換し、該固定子巻線に矩形波交流電流を流す機能を有する。この反転切換する機能を複数設けることによって、相数は任意に選択可能であり、多相定電流インバータ2は、多相の矩形波交流電流、具体的には、電気角180°幅の矩形波交流電流を多相定電流モータ3へ供給する。
多相定電流モータ3は、前段の多相定電流インバータ2からの多相矩形波交流電流を受けると、内部の回転子の磁極に回転力が生じる。多相矩形波交流電流は、電気角180°幅の矩形波交流電流であるため、多相定電流モータ3の回転力の発生効率が高く、更には小型軽量化が可能となる。これまでの半導体モータは、三相正弦波電流で駆動する同期電動機、或いは誘導電動機を原形にしているが、本発明における多相定電流モータ3は、直流電動機が原形であり、多相矩形波交流電流で動作する点において全く新しいタイプのモータである。
本発明によるモータ駆動システムは、矩形波磁束密度と矩形波交流の相乗で生じる回転力が、正弦波磁束密度と正弦波電流による同期電動機形のモータに対して、同じ寸法で2倍の回転力が得られるとともに、小型化が可能になる。また、従来方式のモータ駆動システムでは、電源側とモータ側とが並列接続の関係にあり、制動時に生じる起電力を電源側に送り返すためには、起電力を電源電圧以上に昇圧する必要があり、低速で発生起電力が小さくなると電力回生による電源の充電が困難になる。これに対し、本発明によるモータ駆動システムは、電源側とモータ側とが直列接続の関係にあり、モータ側の起電力の大小は全く関係がなく、自然な形で電力回生が行われる。従って、回生制動が停止時まで可能であり、エネルギーの回収効率が高く、通常の運転時には機械ブレーキ5の動作を必要としない。
図2は、定電流方式のモータ駆動システムを適用した電気自動車の第1の構成を示す図である。図2において、電気自動車は、直流定電流電源装置1、多相定電流インバータ2、多相定電流モータ3、ディファレンシャルギヤ4、機械ブレーキ5を有する。本発明による定電流方式のモータ駆動システムは、これらのうち、直流定電流電源装置1、多相定電流インバータ2、多相定電流モータ3を中心にして構成される。ディファレンシャルギヤ4は、左右の車輪80−1及び80−2、あるいは、左右の車輪80−3及び80−4が1つの車軸で駆動する場合に、曲線走行時におけるこれら左右の車輪の内側及び外側の走行距離差によるすべりを防止するために用いられる。なお、多相定電流モータ3が各車輪毎に設けられる場合には、ディファレンシャルギヤ4を省略した構成であってもよい。機械ブレーキ5は、本発明によるモータ駆動システムでは、後述するように通常の運転では不要であるが、停止後のタイヤのロック、緊急時のブレーキのとしての役割を有している。
図3は、定電流方式のモータ駆動システムを適用した電気自動車の第2の構成を示す図である。図3において、電気自動車は、直流定電流電源装置1と、車輪80−1乃至80−4のそれぞれに対応して設けられる多相定電流インバータ2−1乃至2−4(以下、これらをまとめて、適宜「多相定電流インバータ2」と称する)、多相定電流モータ3−1乃至3−4(以下、これらをまとめて、適宜「多相定電流モータ3」と称する)、及び、機械ブレーキ5−1乃至5−4を有する。多相定電流インバータ2−1乃至2−4内の各相に対応する入力回路は、後述するように直列に接続されている。また、多相定電流インバータ2−1乃至2−4は、直流定電流電源装置1の端子間に、多相定電流インバータ2−1、多相定電流インバータ2−2、多相定電流インバータ2−3、多相定電流インバータ2−4の順で直列に接続されている。多相定電流モータ3−1は、多相定電流インバータ2−1に接続され、車輪80−1を回転させる。また、多相定電流モータ3−2は、多相定電流インバータ2−2に接続され、車輪80−2を回転させる。同様に、多相定電流モータ3−3は、多相定電流インバータ2−3に接続され、車輪80−3を回転させ、多相定電流モータ3−4は、多相定電流インバータ2−4に接続され、車輪80−4を回転させる。すなわち、図4に示す電気自動車は、四輪駆動形式の車両である。
図3に示す電気自動車が曲線を走行する場合、左右の車輪の回転速度の差や径の違い、スリップの発生等によって、回生制動時の多相定電流モータ3−1乃至3−4の起電力には差が生じ、多相定電流インバータ2−1乃至2−4の端子間に現れる起電力も異なることとなる。このため、多相定電流インバータ2−1乃至2−4を並列に接続することはできない。しかし、上述したように、本実施形態のモータ駆動システムでは、直流定電流電源装置1の端子間に、多相定電流インバータ2−1乃至2−4が直列に接続されているため、直流定電流電源装置1には、これら多相定電流インバータ2−1乃至2−4の端子間に現れる起電力が加算されたものが印加されることになり、回生電力を効率よく直流定電流電源装置1へ供給することができる。
また、一の直流定電流電源装置1に対して、複数の多相定電流インバータ2−1乃至2−4が接続され、更に、これらのそれぞれに対して、複数の多相定電流モータ3−1乃至3−4が接続されており、一の直流定電流電源装置1が複数の多相定電流モータ3−1乃至3−4に対して放電を行い、複数の多相定電流モータ3−1乃至3−4からの回生電力による充電を行うことができるため、一の直流定電流電源装置に対して、一の多相定電流インバータが接続される場合と比較して、モータ駆動システム全体の小型化を図ることが可能となる。更には、車輪80−1乃至80−4のそれぞれに対応して、多相定電流モータ3−1乃至3−4が設けられるため、図2に示す電気自動車のように、ディファレンシャルギア4が不要であり、車輪と多相定電流モータとを一体化した構成の部品を電気自動車に適用することができる。
なお、一の直流定電流電源装置に対して全ての多相定電流インバータが接続される必要はない。例えば、直流定電流電源装置1の端子間に、多相定電流インバータ2−1及び2−2のみが直列に接続され、多相定電流インバータ2−3及び2−4は、図示しない他の直流定電流電源装置の端子間に直列に接続されるようにしてもよい。あるいは、車輪80−1及び80−2のみが駆動輪である場合には、モータ駆動システムは、車輪80−3に対応する多相定電流インバータ2−3及び多相定電流モータ3−3と、車輪80−4に対応する多相定電流インバータ2−4及び多相定電流モータ3−4とが存在しない構成となり、直流定電流電源装置1の端子間に、多相定電流インバータ2−1及び2−2のみが直列に接続される。同様に、車輪80−3及び80−4のみが駆動輪である場合には、モータ駆動システムは、車輪80−1に対応する多相定電流インバータ2−1及び多相定電流モータ3−1と、車輪80−2に対応する多相定電流インバータ2−2及び多相定電流モータ3−2とが存在しない構成となり、直流定電流電源装置1の端子間に、多相定電流インバータ2−3及び2−4のみが直列に接続される。なお、モータ駆動システムは、電気自動車以外にも、電車や搬送台車等の各種移動体に適用することができる。
以下、本発明による定電流方式のモータ駆動システムの構成について詳細に説明する。
図4及び図5は、多相定電流モータ3の実施例を示す。図4は軸方向断面図、図5は軸垂直方向断面図である。図4及び図5において、回転子鉄心6は、磁気抵抗の小さい純鉄で作られ、軸受8で支えられて回転軸7によって自由に回転することができるようになっている。磁石材9は、実施例では希土類磁石の強力な磁石材を用いており、該回転子鉄心6の外周部に、N極を内周側、S極を外周側とするNS対と、S極を内周側、N極を外周側とするNS対とがそれぞれ4組配置され、8極で構成されている。
回転子鉄心6と磁石材9との組み合わせによる回転子の構成は、回転子鉄心6を珪素鋼板で積層化し、磁石材9を回転子鉄心6に埋入すること、磁石材9を張りつけた回転子全体を高張力部材でカバーすること等が任意に選択可能である。但し、磁石材9の半径方向の形状、寸法を均一にして、空隙14の磁束密度分布が矩形波に可及的に近くなるように配慮する必要がある。
固定子鉄心13は、リング状をなし、その内周面が回転子鉄心6と僅かな空隙14を介して相対するように配置されて、後述するケース16に固定されている。この固定子鉄心13は、本実施例では珪素鋼板を積層することにより形成される。また、固定子鉄心13の内周面には、後述する固定子巻線17を挿入するための溝10が形成されている。この溝10は、1磁極当りの相の数だけ形成される。本実施例では、4相構成であるため、1磁極当り4つの溝がある。従って全体では8(極)×4(溝)=32の溝がある。止め金具15は、固定子鉄心13を後述するケース16に確実に固定するためのものである。固定子巻線17は、溝10内に電気的絶縁に留意して取付けられている。
図6及び図7は、固定子巻線17の実施例を示す。図6の上段は該回転子鉄心6を特定位置に停止させ、磁極配列を特定位置に止めて直線状に展開して示したものである。点線で表示した溝10は、上述したように1磁極あたり4個あり、磁極の回転方向の順にa、b、c、dの符号が付けられている。固定子巻線17は、4相のそれぞれに対応するA相コイル、B相コイル、C相コイル及びD相コイルからなる。A相コイルは、1つの磁極側の溝aと隣の磁極側の溝aとの間で巻かれており、一対の磁極に対してA相コイルの1つが対応している。本実施例では4対(8極)であるため、1周に4つのA相コイルが同じ方向に巻かれ、これが全て直列あるいは並列に接続されて外部に1対の入出力端として取り出される。B相、C相、D相のコイルについてもA相コイルと同様である。
図7は、固定子巻線17を円弧状のまま示したものである。溝10に挿入された固定子巻線17は、A、B、C、Dの各相コイルとも同じ巻き方向で、且つ、各相は1磁極の1/4ピッチずつずれて配置されており、NS一対を単位として同じパターンを繰り返し、全体としては各相毎に直列接続あるいは並列接続され、相数に対応する数の入出力の端部がある。
再び、図4及び図5に戻って説明する。遮光板11及びフォトセンサ12は、回転子鉄心6と磁石材9からなる回転子の角度位置検知を行うものである。遮光板11は、回転子を構成する磁石材9の極性に合わせて外縁部がカットされている。フォトセンサ12は、遮光板11のカット部分では光が貫通してオン信号を検出することができるようになっており、これが後述する角度位置信号となる。なお、上述した角度位置は、フォトセンサ12の代わりに磁石材9の極性に合わせて磁化した磁極板、あるいは、該回転子の磁極そのものとの組み合わせによる磁気的機構によっても検知可能であることは周知である。
図8(a)は、図2における多相定電流インバータ2の4相構成の実施例を示す。図8(a)において、端子18−1(X)により、後述する直流定電流電源装置1からの直流定電流が流入し、端子18−2(Y)より流出する。半導体スイッチ19は、IGBT、サイリスタ、パワートランジスタ等が任意に選択可能である。固定子巻線17は、図4における多相定電流モータ3の固定子巻線17に対応し、A、B、C、Dの4相で構成される。
単相ブリッジユニット20乃至23は、A相乃至D相に対応するものである、A相の単相ブリッジユニット20は、4つの半導体スイッチ19(Ta、Ta、Ta´、Ta´)と、1相分の固定子巻線17のA相コイルとにより構成される。B相の単相ブリッジユニット21、C相の単相ブリッジユニット22及びD相の単相ブリッジユニット23も同様の構成である。多相定電流インバータ2は、単相ブリッジユニットを相数分だけ直列接続して構成される。本実施例では4相構成のため、多相定電流インバータ2は、4つの単相ブリッジユニット20乃至23を直列接続して構成される。
単相ブリッジユニット20乃至23の動作を、A相の単相ブリッジユニット20を例に説明する。A相の単相ブリッジを構成する4つの半導体スイッチ19(Ta、Ta、Ta´、Ta´)は、2つの半導体スイッチ19(Ta)のオンと2つの半導体スイッチ19(Ta´)のオンとを交互に行う。固定子巻線17のA相コイルは、半導体スイッチ19(Ta)及び半導体スイッチ19(Ta)がオンの場合には、図8(a)におけるa→a´の方向に電流が流れ、2つの半導体スイッチ19(Ta´)がオンの場合には、a´→aの方向に逆向きに電流が流れる。このため、端子Xから流入する直流定電流は、振幅が等しい矩形波交流電流となって、A相コイルを流れる。
この場合、単相ブリッジユニット20の出口側の合流点(図8(a)のX´)における電流は、端子Xから流入する電流と全く同じ直流定電流であり、この直流定電流が後段の単相ブリッジユニット21の入力電流となる。単相ブリッジユニット21においても、単相ブリッジユニット20と同様の動作が行われ、更に後段の単相ブリッジユニット22及び23においても、単相ブリッジユニット20と同様の動作が行われる。
図8(b)におけるインバータ制御装置24は、上述した4相分の単相ブリッジユニット20乃至23を制御するためのものである。図8(b)において、角度位置信号25(Sa、Sb、Sc、Sd)は、上述した多相定電モータ3の回転子鉄心6の角度位置に対応してフォトセンサ12から送られる。インバータ制御装置24は、この角度位置信号25に応じて、単相ブリッジユニット20乃至23内の各半導体スイッチ19を駆動させるためのドライブ信号26を出力する。制動指令信号27(So)は、多相定電流モータ3の制動時に発生するであり、インバータ制御装置24は、この制動指令信号27を入力すると、ドライブ信号26の位相を電気角180°反転させる。
図9は、角度位置信号25、ドライブ信号26、制動指令信号27の対応関係を示す図である。角度位置検出信号Sa乃至Sdは、ハイレベル(H)とローレベル(0)とを回転子が電気角180°に対応する角度(幾何学角45°)回転する時間ずつ交互に繰り返すものである。また、角度位置検出信号Sa乃至Sdにおけるハイレベルとローレベルとの切換タイミングは、回転子が電気角45°に対応する角度(幾何学角12.25°)回転する時間ずつずれている。
制動指令信号がない場合、単相ブリッジユニット20内の2つの半導体スイッチ19(Ta)を駆動させるためのドライブ信号26は、角度位置検出信号Saがハイレベルの時に同様にハイレベルとなり、角度位置検出信号Saがローレベルの時に同様にローレベルとなる。また、単相ブリッジユニット20内の2つの半導体スイッチ19(Ta´)を駆動させるためのドライブ信号26は、角度位置検出信号Saがハイレベルの時に反対にローレベルとなり、角度位置検出信号Saがローレベルの時に反対にハイレベルとなる。他の単相ブリッジユニット21乃至23内の半導体スイッチ19(Tb、Tb´Tc、Tc´、Td、Td´)を駆動させるためのドライブ信号も同様である。
一方、制動指令信号がある場合、単相ブリッジユニット20内の2つの半導体スイッチ19(Ta)を駆動させるためのドライブ信号26は、角度位置検出信号Saがハイレベルの時に反対にローレベルとなり、角度位置検出信号Saがローレベルの時に反対にハイレベルとなる。また、単相ブリッジユニット20内の2つの半導体スイッチ19(Ta´)を駆動させるためのドライブ信号26は、角度位置検出信号Saがハイレベルの時に同様にハイレベルとなり、角度位置検出信号Saがローレベルの時に同様にローレベルとなる。他の単相ブリッジユニット21乃至23内の半導体スイッチ19(Tb、Tb´Tc、Tc´、Td、Td´)を駆動させるためのドライブ信号も同様である。
図10は、図9において、制動指令信号なしの条件での基準角度位置を、回転子の角度位置モード1とし、更に電気角45°毎に回転子角度位置1乃至8とした場合の半導体スイッチ19の動作を表示したものである。図10に示す動作は、回転子が電気角360°に対応する角度、即ちNS一対の角度(幾何学角90°)だけ回転する毎に繰り返される。なお、制動指令信号ありの条件では、図10の回転子の角度位置モード5を始点として読み変えればよい。
図11は、制動指令信号なしの状態での回転子の回転角と固定子巻線17の電流方向、回転力の発生について説明するための図である。図11において、回転子表面の磁石材9と遮光板11とは、一体となって右回りに回転するものとする。フォトセンサ12は、A相、B相、C相、D相それぞれの検知用として、それぞれPa、Pb、Pc、Pdがあり、遮光板11の切り込みの部分では、光信号が貫通して角度位置信号Sa、Sb、Sc、Sdが生じる。図11におけるa、a´は、図8(a)におけるa、a´と対応しており、2つの半導体スイッチ19(Ta)がオンの場合に固定子巻線17において電流がa→a´方向に流れ、2つの半導体スイッチ19(Ta´)がオンの場合に固定子巻線17において電流がa´→a方向に流れる。B、C、D相についても同様である。
図11における回転子の角度位置は、図9における制動指令なしの場合の基準角度位置、図10における回転子の角度位置モード1に対応しており、全ての溝10内の固定子巻線17を流れる電流が最大密度の磁束と鎖交して効果的な回転力を生じる。更に、回転子が図11の位置から溝10の1つ分のピッチ(電気角45°、幾何学角12.25°)だけ回転すると、固定子巻線17のA相のコイルに鎖交する磁束の極性が反転するが、これと同時にフォトセンサ19(Pa)が遮光され、角度位置信号Saがオフとなり、図8(a)におけるA相単相ブリッジユニット20の2つの半導体スイッチ19(Ta´)がオンに切り換わる。これにより、A相コイルの電流が反転して、全ての溝10内の固定子巻線17を流れる電流は効果的な回転力の発生を継続する。以後も同様であり、回転子が電気角45°に対応する角度(幾何学角12.25°)だけ回転する毎に、固定子巻線17の各相のコイル電流が順次反転し、8回の反転で一巡する。そして、回転子のどの角度位置においても、溝10内の全ての固定子巻線17の電流が回転力の発生に効果的に寄与することになる。
一方、図12は、制動指令信号ありの状態での回転子の角度位置信号と固定子巻線17の電流方向を示したものであり、図11と比較すると、同じ磁界方向に対して電流方向は全て反対であり、効果的な制動力を生じる。図8(b)に示すインバータ制御装置24が制動指令信号27を受けたときの処理の仕方には、2通りがある。第1の処理は、インバータ制御装置24が、角度位置信号25に応じて生じるドライブ信号26の位相を電気角180°反転させる方法である。第二は、図12に示すように、フォトセンサ12の位置から電気角180°に対応する角度(幾何学角45°)ずらした位置に別のフォトセンサ12´(Pa´、Pb´、Pc´、Pd´)を設け、インバータ制御装置24がこのフォトセンサ12´からの角度位置信号を入力する方法である。これら第1及び第2のいずれの方法を用いても、インバータ制御装置24が制動指令信号27を受けることによって、回転子の位置に対するドライブ信号26の位相が電気角180°のずれを生じ、その結果、同じ回転子の位置に対する固定子巻線17の電流は、位相が逆になって回転子に制動力が加わる。
上述した制動制御が行われる場合の電気エネルギーの授受について説明する。図13は、図8(a)における多相定電流インバータ2の端子(X)と端子(Y)との間の起電力を説明するための図である。図8(a)の多相定電流インバータ2は4相構成であるが、ここでは説明を単純にするために、図13(a)に示すA相の単相ブリッジユニット20における電気エネルギーの授受を説明する。多相定電流モータ3内の回転子の回転により、磁石材9からの磁束が固定子巻線17を横切ることで、当該固定子巻線17に起電力が生じる。多相定電流モータ3の空隙14における磁束密度分布は矩形波状であるため、固定子巻線17に生じる起電力edは、図13(b)のように矩形波交流電圧となる。
図13(c)は、固定子巻線17に生じる起電力edの波形の「正」のタイミングで図13(a)のA相の単相ブリッジユニット20における半導体スイッチTaがオン、起電力edの波形の「負」のタイミングで半導体スイッチTa´がオンとなる場合のX点−X´点間の起電力波形である。このX点−X´点間の電圧は平均値edの正の値を有する。直流定電流電源装置1からX点に直流定電流Iが流れ込めば、A相コイルには、電源側からedxIの電力が供給され、回転子には、この値に対応した回転エネルギーが生じる。なお、固定子巻線17の抵抗による電力損、回転子の機械的損失は無視するものとする。
図13(d)は、固定子巻線17に生じる起電力edの波形に対する図13(a)のA相の単相ブリッジユニット20における半導体スイッチTa、Ta´の切換動作が図13(c)の場合より電気角180°だけ遅れる場合のX点−X´点間の起電力波形である。このX点−X´点間の電圧は、平均値が−edの負の値をもつ。従って、電源側からX点に直流定電流Iが流れ込めば、A相コイルには電源側から−edxIの電力が供給される。これは、A相コイルから電源側にedxIの電力を送り返すことを意味し、回転子には制動力が加わり、制動で回収したエネルギーは直流定電流電源装置1に回収される。
B相の単相ブリッジユニット21、C相の単相ブリッジユニット22及びD相の単相ブリッジユニット23についても基本的には同じであり、全て重畳されて作用する。
このように、本発明によるモータ駆動システムは、多相定電流インバータ2に一定方向の一定電流(直流定電流)を流すことにより、多相定電流モータ3内の回転子の回転力は、多相定電流インバータ2の位相制御のみによって駆動時及び制動時の制御がなされ、更には負荷起電力が正と負の領域で変化することにより、電力の供給、回生が速度に関わりなく自動的に行われる。
図14(a)は、直流定電流電源装置1の回路構成を示す図である。直流定電流電源装置1は、単に出力電流が一定に制御された電源装置とは異なり、負荷側である多相定電流モータ3の起電力の正負、大小に関係なく一定方向の一定電流(直流定電流)を出力するように制御され、且つ、多相定電流モータ3から回生される電力を受け入れる機能を有することに特徴がある。図3に示すように、直流定電流電源装置1の端子間に複数の多相定電流インバータ3−1乃至3−4が直列に接続され、更に、多相定電流インバータ3−1乃至3−4のそれぞれに対して複数の多相定電流モータ3−1乃至3−4が接続される場合には、直流定電流電源装置1は、負荷側である多相定電流モータ3−1乃至3−4の起電力を加算したものの正負、大小に関係なく直流定電流を出力するように制御され、且つ、多相定電流モータ3−1乃至3−4から回生される電力を加算したものを受け入れる機能を有する。
直流定電流電源装置1は、非対称制御のPWM(パルス幅制御)ブリッジ(以下、「非対称PWMブリッジ」と称する)を中心に構成されている。この非対称PWMブリッジにおける半導体スイッチ31は、IGBT、サイリスタ、パワートランジスタ等が任意に選択可能である。また、非対称PWMブリッジにおける所謂交流端子にあたる部分には、直流電源29が接続され、非対称PWMブリッジの所謂直流端子にあたる部分には、多相定電流インバータ2の端子X及び端子Y(図8(a)参照)が接続される。
図14(a)の直流定電流電源装置1において、非対称PWMブリッジを構成する半導体スイッチ31(S1、S2、S3、S4)は、所定の搬送周波数信号に応じてオンオフ動作し、オン期間が制御可能である。2つの半導体スイッチ31(S1、S4)の対と、2つの半導体スイッチ31(S2、S3)の対は、通常のブリッジにおけるように対称的に動作するのではなく、負荷起電力の正あるいは負に対応してそれぞれが一体で非対称に動作するようにしてある。具体的には、半導体スイッチ31(S1、S4)の対が動作すると端子X、Yの両端に正の平均値の電圧が出力され、その値は、半導体スイッチ31(S1、S4)のオン期間の長さで制御される。また、半導体スイッチ31(S2、S3)の対が動作すると、端子X、Yの両端に負の平均値の電圧が出力され、その値は、半導体スイッチ31(S2、S3)のオン期間の長さで制御される。
半導体スイッチ31(S5)は、非対称PWMブリッジの出力側に並列に接続され、リアクトル30、後段の多相定電流インバータ2を通じた循環回路を構成する、この半導体スイッチ31(S5)は、半導体スイッチ31(S1、S4)の対のオフ期間、及び、半導体スイッチ31(S2、S3)の対のオフ期間にオンとなるように動作する。これにより、半導体スイッチ31(S1、S4)の対のオフ期間、及び、半導体スイッチ31(S2、S3)の対のオフ期間においても、多相定電流インバータ2に対して直流定電流を断続させることなく供給する。
図14(b)は、直流定電流制御装置1内に構成される定電流電源制御装置35であり、上述した半導体スイッチ31(S1、S2、S3、S4、S5)を制御するためのものである。この定電流電源制御装置35は、出力電流、負荷起電力等の制御情報を受けて、直流定電流電源装置1の出力電流が電流設定指令信号34によって指令された定電流値になるように、半導体スイッチ31(S1乃至S5)を駆動させるためのドライブ信号32を出力する。
図15は、負荷起電力が正で大小、負で大小の4条件における半導体スイッチ19(S1乃至S5)の動作とその動作時の出力電圧を示す図である。負荷起電力が正で大の場合には、半導体スイッチ31(S1、S4)の対が選択され、オン期間が長くなる。このため、端子X、Yの両端に正の大きな平均値の電圧が出力される。また、負荷起電力が正で小の場合には、半導体スイッチ31(S1、S4)の対が選択され、オン期間が短くなる。このため、端子X、Yの両端に正の小さな平均値の電圧が出力される。一方、負荷起電力が負で絶対値が大の場合には、半導体スイッチ31(S2、S3)の対が選択され、オン期間が長くなる。このため、端子X、Yの両端に負の絶対値の大きな平均値の電圧が出力される。また、負荷起電力が負で小の場合には、半導体スイッチ31(S1、S4)の対が選択され、オン期間が短くなる。このため、端子X、Yの両端に負の絶対値の小さな平均値の電圧が出力される。
図16は、多相定電流モータ3の起動加速、定速回転、回生制動及び停止の一連の動作に対応する直流定電流電源装置1の動作について示したものである。図16(a)に示すように、多相定電流モータ3の動作が行われる場合、図16(b)に示すように、直流定電流電源装置1は、多相定電流モータ3の駆動時と制動時には、定速回転時よりも大きな定電流を多相定電流インバータ2に供給する必要がある。
多相定電流インバータ2の端子Xから見た負荷起電力は、駆動状態では正、制動状態では負であり、その大きさは多相定電流モータ3の回転子の回転速度にほぼ比例する。直流定電流電源装置1は、図16(c)の点線に示すように、正負の負荷起電力に負荷回路の抵抗分による電圧降下(抵抗ドロップ)分を加算した電圧を出力することで、多相定電流インバータ2に直流定電流を供給することができる。これにより、多相定電流モータ3の制動時には、停止まで回生制動が可能となり、機械ブレーキを使用する必要がない。
負荷側の多相定電流モータ3が制動状態では負荷起電力は負である。この場合、直流定電流電源装置1は半導体スイッチ19(S2、S3)の対が動作して出力電圧は負になり、負荷側から回生電流が直流電源29の正端子から流れ込む。この現象はあたかもバッテリーの充電と同様の態様となっている。直流電源29は充電機能を有しており、回生電力を充電する。一方、直流電源29が燃料電池等であり充電機能を有しない場合には、エネルギー回収のために、直流電源29に並列にウルトラキャパシタを接続しておく必要がある。更には、直流電源29がリチウムイオン電池のように充電機能を有していても、回生電力が数十秒単位の急峻な変動となる際には適切に充電を行うことができない場合にも、直流電源29に並列にウルトラキャパシタを接続することが望ましい。
なお、直流定電流電源装置1の構成には、図14以外にも様々なものが考えられる。図17(a)は、直流定電流電源装置1の回路構成の他の実施例である。図17(a)に示す直流定電流電源装置1は、直流電源39、リアクトル40、充放電切換器46及び定電流チョッパ47を有する。これらのうち、充放電切換器46は、4つの半導体スイッチ41(S11、S12、S13、S14)によって構成される。また、定電流チョッパ47は、2つの半導体スイッチ41(S15及びS16)によって構成される。半導体スイッチ41(S11乃至S14)は、図14(a)における半導体スイッチ31(S1乃至S4)と同じ働きをし、半導体スイッチ41(S16)は、図14(a)における半導体スイッチ31(S5)と同じ働きをする。一方、図14(b)は、直流定電流制御装置1内に構成される定電流電源制御装置45であり、ドライブ信号42により、上述した半導体スイッチ31(S1乃至S6)を制御する。
充放電切換器46は、定電流電源制御装置45からのドライブ信号42を受けて、2つの半導体スイッチ41(S1、S4)の対と、2つの半導体スイッチ41(S2、S3)の対のいずれかをオンとすることによって、直流電源39の極性切換を行う。
定電流チョッパ47内の半導体スイッチ41(S15)は、定電流電源制御装置45からのドライブ信号42を受けて、高速でオン、オフ切換を行う。オンとなる期間の長さが制御されることにより、所定の直流定電流が出力される。
定電流チョッパ47内の半導体スイッチ41(S16)は、定電流電源制御装置45からのドライブ信号42を受けて、半導体スイッチ41(S15)のオフ期間中にオンとなって、リアクトル40、後段の多相定電流インバータ2を通じた循環回路を構成する。
以上のように、本発明に係るモータ駆動システムは、エネルギー効率の向上を図ることができ、モータ駆動システムとして有用である。
モータ駆動システムの構成を示す図である。 電気自動車の第1の構成を示す図である。 電気自動車の第2の構成を示す図である。 多相定電流モータの軸方向断面図である。 多相定電流モータの軸垂直方向断面図である。 固定子巻線の実施例(直線状に展開)を示す図である。 固定子巻線の実施例(円弧状に表示)を示す図である。 多相定電流インバータの実施例を示す図である。 角度位置信号、ドライブ信号、制動指令信号の対応関係を示す図である。 駆動状態における半導体スイッチの動作サイクルを示す図である。 駆動状態における回転子の位置と固定子巻線電流を示す図である。 制動状態における回転子の位置と固定子巻線電流を示す図である。 多相定電流インバータに生じる負荷起電力を示す図である。 直流定電流電源装置の実施例を示す図である。 直流定電流電源装置内の半導体スイッチの動作とその動作時の出力電圧を示す図である。 自動車の駆動状態と直流定電流電源装置の動作を示す図である。 直流定電流電源装置の他の実施例を示す図である。
符号の説明
1 直流定電流電源装置
2、2−1、2−2、2−3、2−4 多相定電流インバータ
3、3−1、3−2、3−3、3−4 多相定電流モータ
4 ディファレンシャルギヤ
5 機械ブレーキ
6 回転子鉄心
7 回転軸
8 軸受
9 磁石材
10 溝
11 遮光板
12 フォトセンサ
13 固定子鉄心
14 空隙
15 止め金具
16 ケース
17 固定子巻線
18−1、18−2 端子
19、31、41 半導体スイッチ
20 A相単相ブリッジユニット
21 B相単相ブリッジユニット
22 C相単相ブリッジユニット
23 D相単相ブリッジユニット
24 インバータ制御装置
25 角度位置信号
26、32 ドライブ信号
27 制動指令信号
29、39 直流電源
30、40 リアクトル
34 電流設定指令信号
35、45 定電流電源制御装置
46 充放電切換器
47 定電流チョッパ
80 駆動輪

Claims (13)

  1. 電源装置と、複数のインバータと、前記複数のインバータに対して設けられる複数のモータとを有し、
    前記複数のインバータは、前記電源装置の端子間に直列に接続され、
    前記複数のモータのそれぞれは、対応する前記インバータに接続され、
    前記電源装置は、直流電圧を供給する直流電源と、前記直流電源からの直流電圧を入力し、出力電流が直流定電流となるように前記複数のモータの起電力を加算したものに応じて出力電圧の極性及び大きさを制御する電圧制御手段とを有し、
    前記複数のインバータのそれぞれは、前記電源装置からの直流電流の方向を制御して矩形波交流電流を生成し、
    前記複数のモータのそれぞれは、固定子巻線を流れる対応する前記インバータからの前記矩形波交流電流に応じた駆動及び制動を行うことを特徴とするモータ駆動システム。
  2. 複数の車輪を有する移動体に搭載されるものであって、
    前記複数のモータのそれぞれは、前記複数の車輪のいずれかに対して設けられたことを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動システム。
  3. 前記電圧制御手段は、前記出力電圧を、前記複数のモータの起電力を加算したものに後段の回路における電圧降下分を加算した電圧に制御することを特徴とする請求項1又は2に記載のモータ駆動システム。
  4. 前記電圧制御手段は、前記直流電源に接続され、前記複数のモータの起電力を加算したものに応じてスイッチング動作を行う複数のスイッチにより構成される非対称制御のPWMブリッジを有することを特徴とする請求項3に記載のモータ駆動システム。
  5. 前記非対称制御のPWMブリッジは、前記複数のモータの起電力を加算したものに応じて、前記複数のスイッチのうちオンとなるスイッチが選択され、且つ、オンの期間が制御されることを特徴とする請求項4に記載のモータ駆動システム。
  6. 前記電圧制御手段は、
    前記非対称制御のPWMブリッジの出力側に並列に接続され、前記非対称制御のPWMブリッジ内のスイッチのオフ期間にのみオンとなるスイッチと、
    前記電圧制御手段の出力端に設けられるリアクトルとを有することを特徴とする請求項5に記載のモータ駆動システム。
  7. 前記直流電源は、前記複数のモータからの回生電力を加算したものを充電する機能を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のモータ駆動システム。
  8. 前記直流電源に並列に接続された容量素子を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のモータ駆動システム。
  9. 前記複数のモータのそれぞれは、
    回転軸を有する円筒構造体の外周に、半径方向の形状と磁化の強さを均一にして、外周に生じる円周方向の磁束密度分布が矩形波状になるようにした複数のNS対を構成する磁石を、外周側及び内周側にN極とS極とが交互に表れるように取付けた回転子と、
    前記回転子の外周側に空隙を介して囲むように配置される環状鉄心の内周側に、前記回転子のNS対あたり相数分の固定子巻線を各相毎に直列あるいは並列接続して相数分の入端子を設けた固定子とを有する多相定電流モータであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のモータ駆動システム。
  10. 前記複数のインバータのそれぞれは、各相に対応して設けられ、対応する相の前記固定子巻線を接続した単相ブリッジユニットを相数分直列接続して構成される多相定電流インバータであることを特徴とする請求項9に記載のモータ駆動システム。
  11. 前記複数のインバータのそれぞれは、前記回転子の角度位置に応じて、前記単相ブリッジユニットに入力される直流電流を反転切換させることを特徴とする請求項10に記載のモータ駆動システム。
  12. 前記複数のインバータのそれぞれは、各相の前記固定子巻線に電気角180°幅の矩形波交流電流を電気角(180°/相数)の位相差で順次ずらして供給することを特徴とする請求項11に記載のモータ駆動システム。
  13. 前記複数のインバータのそれぞれは、前記モータの駆動時と制動時とで前記直流電流の反転切換のタイミングを、前記回転子が電気角180°に対応する角度の回転の時間だけずらすことを特徴とする請求項11又は12に記載のモータ駆動システム。
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