JP2008019676A - 携帯機、携帯機の受信感度調整方法及び遠隔制御装置 - Google Patents

携帯機、携帯機の受信感度調整方法及び遠隔制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】受信感度の製品間のばらつきを抑制することにより、製品性能を確保しつつ、当該性能の均質化が図られる携帯機、携帯機の受信感度調整方法及び遠隔制御装置を提供する。
【解決手段】受信感度の調整作業時には、まず受信した信号の信号強度を、信号強度測定回路により測定し、その測定された信号強度が、車両との間の通信性能を確保する上で許容される携帯機の車両に対する作動距離幅に基づき予め設定される基準信号強度範囲内であるか否かを、マイクロコンピュータにより判定する。次に、マイクロコンピュータにより前記受信した信号の強度が前記基準信号強度範囲外である旨判断された場合に、当該マイクロコンピュータからの指令に基づき前記基準信号強度範囲内の信号強度を有する信号を受信するべく、感度設定回路を通じて受信感度を自己調整する。
【選択図】図9

Description

本発明は、遠隔制御対象の制御装置との相互無線通信を通じて当該遠隔制御対象を遠隔制御する携帯機、携帯機の受信感度調整方法及び遠隔制御装置に関するものである。
従来、ユーザが電子キーとしての携帯機を携帯して車両に接近又は離間するに際して、携帯機と車両との間の相互無線通信を通じてドアの解錠又は施錠を行う電子キーシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この電子キーシステムにあっては、運転席側ドア、助手席側ドア、後席右側ドア及び後席左側ドアのドアハンドルノブに設けられた複数個の送信アンテナを備え、各送信アンテナを通じて応答要求信号が発信されることにより、運転席側ドア、助手席側ドア、後席右側ドア及び後席左側ドアの周辺に携帯機の検知領域を形成するようになっている。そして、ユーザが携帯機を携帯して車両に接近して前記検知領域内に入ると、携帯機は前記応答要求信号を受けて所定の識別コードを含む応答信号を返信する。この返信された応答信号が車室内に設けられた受信アンテナを介して受信されると、車両の制御装置は、前記受信した応答信号に含まれる所定の識別コードの妥当性を判断し、妥当である旨判断したときには、車両のドアを電子的に施錠又は解錠を許可する。
特開2000−104429号公報
図13に示されるように、前記従来の携帯機にあっては、所定の通信特性を有する電子キーシステムとして成立するように、車両毎に受信感度が固定値(基準値)として予め設定される。しかし、実際には、同図に示されるように、携帯機に内蔵される通信回路等を構成する電子部品の特性(性能)のばらつきに起因して、携帯機の受信感度には、製品間でばらつきが発生する。すなわち、前記固定値よりも高感度の携帯機もあれば、低感度の携帯機もある。そして、この受信感度のばらつきは、直接的に携帯機の作動距離(携帯機が車両側から発信される応答要求信号を受信することができる車両との距離)のばらつきとなる。
例えば、図14(a)に示されるように、受信感度が前記固定値に設定された携帯機であれば、電子キーシステムの製品性能を確保する上で予め設定される作動距離まで車両に近接したとき、すなわち、検知領域の境界線Lborderの付近で前記応答要求信号を受信する。これに対して、前記固定値よりも高い受信感度を有する携帯機は、その使用環境等によっては、前記境界線Lborderの外側で車両からの応答要求信号を受信することもある。一方、前記固定値よりも低い感度を有する携帯機は、前記境界線Lborderの内側に入るまで車両に近接しなければ前記応答要求信号を受信することができない。これは、車両から発信される応答要求信号の信号強度は、その発信源である車両に近づくにつれて強くなるからである。このため、受信感度の低い携帯機ほど、車両に近づかなければ、前記応答要求信号を受信することが困難となる。
また、図14(b)に示されるように、車両の周囲環境等によっては、電子キーシステムの通信性能上、本来必要とされる検知領域(携帯機からの返信が期待される領域)よりも広い領域が形成される場合もあれば、逆に狭い領域が形成される場合もある。そして、前述したように、携帯機にも製品間で受信感度の高低ばらつきがある。このため、車両側に形成される検知領域の広狭及び携帯機の受信感度の高低の組み合わせ如何により、携帯機の作動距離は、電子キーシステムの通信性能を確保するべく設定される本来の作動距離よりも長くなったり、短くなったりする。この作動距離の変動は、携帯機の受信感度のばらつきが大きいほど、顕著になる。そしてこのような、携帯機の作動距離の製品間におけるばらつきは、電子キーシステムとしての製品性能の均質化の点で問題となる。
さらに、前述したような携帯機の受信感度のばらつきは、いわゆる環境ノイズの影響の受けやすさに大きく関わってくる。例えば、図14(b)に示されるように、ある携帯機の受信感度が前記固定値よりも高く、且つ車両側の検知領域が本来確保されるべき検知領域よりも狭くなっている場合に、当該携帯機が本来の検知領域の境界線と、実際の狭くなっている検知領域との間に存在するときには、車両からの応答要求信号よりも環境ノイズの方を特に拾いやすくなる。これは、当該高感度の携帯機が、車両側に形成される検知領域の外に存在するときについても同様である。そして、携帯機の受信感度が高くなるほど、環境ノイズの影響を受けやすくなる。
このように、携帯機の受信感度のばらつきは、環境ノイズの影響の受けやすさに大きく関わり、受信感度のばらつきが大きな携帯機ほど、環境ノイズの影響を受けやすくなる。そして、応答要求信号を受信するに際して、環境ノイズを受けることにより、本来受信すべき応答要求信号にビットエラー(ここでは、いわゆるビットつぶれ)が発生するおそれがある。すなわち、本来受信するべき応答要求信号、正確には、そのビットパターンが環境ノイズによりつぶされることにより、携帯機側で本来の応答要求信号である旨の認識が困難となり、受信できなくなることが懸念される。その結果、携帯機と車両との間の通信特性の低下だけでなく、車両のドア錠の円滑な解錠が困難となり、電子キーシステムの性能低下の一因となる。
近年では、無線ネットワークが急速に拡大しつつあり、これに伴って、環境ノイズも増大する傾向にある。このような現状にあって、環境ノイズが電子キーシステムにおける通信特性等の製品性能に及ぼす影響は無視できないものとなりつつある。したがって、携帯機、ひいては電子キーシステムの製品性能を確保するためには、環境ノイズに対する何らかの対策が必要となってきている。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、受信感度の製品間のばらつきを抑制することにより、製品性能を確保しつつ、当該性能の均質化が図られる携帯機、携帯機の受信感度調整方法及び遠隔制御装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、遠隔制御対象に対して、その制御装置から送信される応答要求信号を受信する所定の作動距離まで近接した際に、当該応答要求信号に対する応答信号を前記制御装置に返信することにより前記遠隔制御対象を遠隔制御する携帯機において、受信した信号の信号強度を測定する信号強度測定手段と、前記信号強度測定手段により測定された信号強度が、前記制御装置との間の通信性能を確保する上で許容される携帯機の前記遠隔制御対象に対する作動距離幅に基づき予め設定される基準信号強度範囲内であるか否かを判定する信号強度判定手段と、前記信号強度判定手段により前記受信した信号の強度が前記基準信号強度範囲外である旨判定された場合に、当該信号強度判定手段からの指令に基づき前記基準信号強度範囲内の信号強度を有する信号を好適に受信するべく受信感度を調整する感度調整手段と、を備えてなることをその要旨とする。
本発明によれば、受信した信号の信号強度が信号強度測定手段により測定され、その測定された信号強度が、前記制御装置との間の通信性能を確保する上で許容される、携帯機の前記遠隔制御対象に対する作動距離幅に基づき予め設定される基準信号強度範囲内であるか否かが、信号強度判定手段により判定される。そして、信号強度判定手段により、前記基準信号強度範囲外である旨判定された場合には、当該信号強度判定手段からの指令に基づき基準信号強度範囲内の信号強度を有する信号を好適に受信するべく、感度調整手段を通じて受信感度が自動的に調整される。
ここで、受信した信号の強度が前記基準信号強度範囲から外れる場合としては、次の2つがある。1つは、信号強度が前記基準信号強度範囲の下限値未満の場合であり、もう1つは信号強度が前記基準信号強度範囲の上限値を超える場合である。前者は受信感度が悪く、後者は受信感度が良すぎるということであり、いずれの場合も目標とする通信特性を得るために設定された前記目標から外れる信号強度を有する信号までも受信するおそれがあるという点で、共通する。
そして、前者の場合には、受信感度が低いとして、感度調整手段を通じて前記基準信号強度範囲内の信号を好適に受信できる程度まで、携帯機の受信感度が高められる。これにより、携帯機は、前記基準信号強度範囲内の信号強度を有する信号を受信可能とされる。また、後者の場合には、受信感度が高いとして、感度調整初段を通じて前記基準信号強度範囲内の信号強度を有する信号に合わせて、携帯機の受信感度が弱められる。これにより、前記基準信号強度範囲を超える信号強度を有する信号を受信しにくくなるとともに、前記基準信号強度範囲内の信号を好適に受信するようになる。
このように、携帯機は、前記基準信号強度範囲内の信号強度を有する信号を好適に受信するように、受信感度を自己調整する。このため、携帯機の受信感度、ひいては作動距離の製品間のばらつきが抑制される。この観点からすると、前記基準信号強度範囲は、携帯機の製品性能を確保できる範囲において、なるべく狭く設定することが望ましい。そして、受信感度のばらつきが小さな携帯機ほど、環境ノイズの影響を受けにくくなるので、遠隔制御対象の制御装置と携帯機との間の通信特性、ひいては携帯機の製品性能が確保されるとともに、当該性能の均質化が図られる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の携帯機において、前記基準信号強度範囲は、前記制御装置との間の通信性能を確保する上での最適値を中心として所定の幅をもって、且つ予め想定される雑音の信号強度の範囲から外れるように設定されることをその要旨とする。
本発明によれば、予め想定される信号強度を有する雑音の影響を好適に回避することができるので、携帯機の通信特性、ひいては製品性能が好適に確保される。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の携帯機において、前記信号強度判定手段により、前記受信した信号の信号強度が前記基準信号強度範囲内である旨判定された場合にのみ、前記応答信号を前記遠隔制御対象の制御装置へ返信することをその要旨とする。
本発明によれば、前記制御装置との間の通信性能を確保するべく設定された前記基準信号強度範囲から外れる信号強度を有する信号に基づいて、携帯機が前記応答信号を返信することはない。前記基準信号強度範囲から外れる信号強度を有する信号としては、遠隔制御対象の制御装置から発せられる前記応答要求信号以外にも、いわゆる環境ノイズ等も想定される。したがって、基準信号強度範囲外の信号強度を有する環境ノイズに対して前記応答信号を誤って返信することもない。この結果、環境ノイズに起因する携帯機の通信特性の劣化が抑制される。なお、この意味でも前記基準信号強度範囲はなるべく狭く設定することが好ましい。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の携帯機において、携帯機の動作態様として、感度調整機能が無効とされる第1の動作態様と、感度調整機能が有効とされる第2の動作態様とを備え、通常使用時には第1の動作態様に、また感度調整時には第2の動作態様に切り替えられることをその要旨とする。
本発明によれば、携帯機の通常使用時には、感度調整機能が無効となる。このため、通常使用時において、信号を受信する度に感度調整動作を行う場合に比べて、携帯機の消費電力を節約することができる。一般に、携帯機はその動作電源として電池が採用されることが多い。このため、携帯機にあっては、その消費電力をなるべく抑えることが求められる。本発明によれば、このような要求にも十分に応えることができる。
請求項5に記載の発明は、遠隔制御対象に対して、その制御装置から送信される応答要求信号を受信する所定の作動距離まで近接した際に、当該応答要求信号に対する応答信号を前記制御装置に返信することにより前記遠隔制御対象を遠隔制御する携帯機の受信感度調整方法において、受信した信号の信号強度を、内蔵された信号強度測定手段により測定する段階と、前記信号強度測定手段により測定された信号強度が、前記制御装置との間の通信性能を確保する上で許容される携帯機の前記遠隔制御対象に対する作動距離幅に基づき予め設定される基準信号強度範囲内であるか否かを、内蔵された信号強度判定手段により判定する段階と、前記信号強度判定手段により前記受信した信号の強度が前記基準信号強度範囲外である旨判断された場合に、当該信号強度判定手段からの指令に基づき前記基準信号強度範囲内の信号強度を有する信号を好適に受信するべく、内蔵された感度調整手段を通じて受信感度を自己調整する段階と、を備えることをその要旨とする。
本発明によれば、請求項1と同様の作用が得られることにより、遠隔制御対象の制御装置と携帯機との間の通信特性、ひいては携帯機の製品性能が確保される。
請求項6に記載の発明は、ユーザに所持される携帯機を備え、当該携帯機は、遠隔制御対象の制御装置から送信される応答要求信号を受信した場合には識別コードを含む応答信号を返信し、当該返信された応答信号が前記制御装置に受信された場合、当該制御装置は、前記受信した応答信号に含まれる識別コードの妥当性を判断するとともに、妥当である旨判断したときには前記遠隔制御対象を作動又は作動を許可する遠隔制御装置において、前記携帯機として、請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の携帯機を採用するようにしたことをその要旨とする。
請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の携帯機は、受信感度の製品間のばらつきが抑制されることにより環境ノイズの影響を受けにくいといった効果を奏する。そして、当該携帯機を、遠隔制御装置の構成要素として採用することにより、遠隔制御対象の制御装置と携帯機との間の通信特性、ひいては遠隔制御装置の製品性能が確保される。
本発明によれば、受信感度の製品間のばらつきを抑制することにより、製品性能を確保しつつ、当該性能の均質化が図られる。
以下、本発明を電子キーシステムに具体化した一実施の形態を図1〜図11に基づいて説明する。
<電子キーシステムの概要>
まず、電子キーシステムの概要を説明する。図1に示すように、遠隔制御装置としての電子キーシステム11は、車両12に搭載される電子制御装置13、及びユーザにより所持される電子キーとしての携帯機14を備えてなる。電子制御装置13には、車両12に固有の携帯機14との間で相互無線通信を行うための送信機15及び受信機16が接続されるとともに、当該電子制御装置13の制御対象としてのドア錠17及びエンジン18が接続されている。送信機15は送信アンテナ15aを、また受信機16は受信アンテナ16aを備えて構成されている。一方、携帯機14は、マイクロコンピュータ19を備えるとともに、当該マイクロコンピュータ19には受信機20及び送信機21が接続されている。受信機20は受信アンテナ20aを、また送信機21は送信アンテナ21aを備えて構成されている。なお、受信機20については、後に詳述する。
さて、ユーザが車両12に乗り込むべく携帯機14を携帯して当該車両12に接近するに際して、電子制御装置13は、送信アンテナ15a及び受信アンテナ16aを通じて携帯機14との間で相互無線通信を行い、当該通信を通じて当該携帯機14の妥当性を判断する。すなわち、電子制御装置13は、携帯機14に応答を要求する室外照合用の応答要求信号Sreqを生成するとともに、当該信号を所定の制御周期で送信アンテナ15aを通じて車外に発信する。これにより、車両12のドアの周辺には、図2に点線で示される室外照合用の検知領域Toutが形成される。
そして、ユーザが携帯機14を所持して施錠状態の車両12に接近して検知領域Tout内に入ると、携帯機14のマイクロコンピュータ19は受信アンテナ20aを通じて前記応答要求信号Sreqを受信するとともに、送信アンテナ21aを通じて所定の識別コードを含む室外照合用の応答信号Srepを返信する。この返信された応答信号Srepが車両12側の受信アンテナ16aを通じて電子制御装置13に受信されると、当該電子制御装置13は、当該受信した応答信号Srepに含まれる所定の識別コードの妥当性を判断し、妥当である旨判断したときには、ドア錠17を電子的に解錠又は解錠を許可する。なお、前記識別コードの妥当性は、当該識別コードと車両(正確には、電子制御装置13)に登録された識別コードとが一致するかどうかにより判断される。
ドアの解錠後、携帯機14を所持するユーザが車両に乗り込んだとき、電子制御装置13は、図示しないドアセンサによりこれを検出するとともに、車両12に設けられた図示しない車室内通信用の送信機を通じて室内照合用の応答要求信号Sreqを発信する。これにより、車室内には、図2に点線で示される室内照合用の検知領域Tinが形成される。携帯機14のマイクロコンピュータ19は、受信アンテナ20aを通じて室内照合用の応答要求信号Sreqを受信するとともに、識別コードを含む室内照合用の応答信号Srepを返信する。電子制御装置13は、この室内照合用の応答信号Srepを、受信アンテナ16aを通じて受信すると、当該応答信号Srepに含まれる識別コードの妥当性を判断し、妥当である旨判断した場合には、エンジン18の始動を許可する。このエンジン18の始動が許可された状態で、車室内の運転席の近傍に配設された図示しない始動スイッチがユーザにより操作されたとき、電子制御装置13はエンジン18を始動させる。
そして、ユーザが前記始動スイッチの操作を通じてエンジン18を停止するとともに、携帯機14を所持して解錠状態の車両12から降車して、前記検知領域Toutの外に出ると、電子制御装置13は、これを携帯機14からの応答信号Srepが途絶えることにより検知して車両12のドア錠17を電子的に施錠又は施錠を許可する。
<受信機>
次に、携帯機14の受信機20の構成を詳細に説明する。
図3に示すように、受信機20は、フィルタ回路30、増幅回路31、復調回路32、信号強度測定回路33及び感度設定回路34を備えてなる。フィルタ回路30の入力側には、受信アンテナ20aが接続されている。この受信アンテナ20aは、導線をコイル状に巻回してなるコイルアンテナ又は鉄心(磁性体)に導線を巻回してなる、いわゆるバーアンテナ等が採用可能である。また、フィルタ回路30の出力側には増幅回路31が接続されるとともに、当該増幅回路31には、復調回路32、信号強度測定回路33及び感度設定回路34がそれぞれ接続されている。これら復調回路32、信号強度測定回路33及び感度設定回路34は、それぞれ前記マイクロコンピュータ19に接続されている。
フィルタ回路30は、受信アンテナ20aを通じて受信した信号に含まれる雑音(ノイズ:隣接する周波数を有する不要信号)を除去するとともに、当該雑音を除去した後の信号を増幅回路31へ出力する。
増幅回路31は、フィルタ回路30により雑音が除去された信号、すなわち受信アンテナ20aの出力電圧を復調可能なレベルに増幅し、当該増幅信号を復調回路32及び信号強度測定回路33へ出力する。また、増幅回路31は、マイクロコンピュータ19からの指令に基づき、感度設定回路34を通じて増幅率を変更、ひいては携帯機14の受信感度を調整可能とされている。携帯機14の受信感度を調整可能にするのは、次のような理由による。すなわち、携帯機14の受信感度には、製品間でばらつきがあり、同一規格であれ、複数種類の受信感度のものが存在する。このため、同一の信号強度を有する信号を受信した際に、同一の出力が得られるように受信感度を調整する必要がある。携帯機14の感度調整方法については、後に詳述する。
復調回路32は、受信アンテナ20aを通じて受信した信号(正確には、増幅回路31により増幅された増幅信号)を復調し、当該復調信号Sdemをマイクロコンピュータ19へ出力する。
信号強度測定回路33は、受信アンテナ20aを通じて受信される信号(正確には、増幅回路31により増幅された増幅信号)の強度を検出して、当該信号の強度に応じた検出信号Spowをマイクロコンピュータ19へ出力する。本実施の形態では、信号強度測定回路33は、図示しないRSSI(Received Signal Strength Indicator)回路を備えてなる。そして、このRSSI回路は、受信した無線信号の信号強度(電界強度)を表すRSSI値を前記検出信号Spowとして出力する。
マイクロコンピュータ19は、EEPROM等の記憶部19aを備えるとともに、当該記憶部19aには、通信制御プログラム及び感度調整プログラム等の各種の制御プログラムが格納されている。また、記憶部19aには、車両12の電子制御装置13との間の通信性能、ひいては電子キーシステム11の製品性能を確保する上で許容される、好適な受信が要求される信号の強度の範囲を示す基準信号強度範囲データ、及び増幅回路31の入力抵抗の抵抗値を変更するための各種の抵抗値等の感度調整データが格納されている。この感度調整データは、例えば車両モデルを使用した実験及び周知の理論計算等により予め求められたものである。
また、マイクロコンピュータ19は、その第1の動作態様としての通常モード及び第2の動作態様としての感度設定モードを有するとともに、それら2つのモードは、携帯機14に設けられた図示しないモード切り替えスイッチの操作により、いずれかのモードに切り替え可能とされている。なお、これらモードは、外部(例えば、後述する電波発信装置W)からの無線信号(切り替え信号)に基づき切り替えられるようにしてもよい。
通常モードは、携帯機14の通常使用時に切り替えられるモードである。この通常モードが選択されている場合、マイクロコンピュータ19は、記憶部19aに格納された通信制御プログラムに従って車両12との間の無線通信を制御する。感度設定モードは、例えば工場出荷時において、携帯機14の受信感度の調整を行う際に切り替えられるモードである。この感度設定モードが選択されている場合、マイクロコンピュータ19は、記憶部19aに格納された感度調整プログラムに従って、前記感度調整データを参照しつつ携帯機14の受信感度の調整を自動的に行う待機状態となる。
通常モードに切り替えられた状態において、マイクロコンピュータ19は、信号強度測定回路33からの検出信号Spowに基づいて、受信アンテナ20aを通じて受信した信号の信号強度が、前記基準信号強度範囲内の信号強度を有する信号か否かを判断する。そして、マイクロコンピュータ19は、当該受信した信号が、前記基準信号強度範囲内である旨判定したときには、応答信号Srepを返信する一方、前記基準信号強度範囲外である旨判定したときには、応答信号Srepを返信することはない。
また、感度設定モードに切り替えられた状態において、マイクロコンピュータ19は、信号強度測定回路33からの検出信号Spowに基づいて、受信アンテナ20aを通じて受信した信号の信号強度が、前記基準信号強度範囲内の信号強度を有する信号か否かを判断する。そして、マイクロコンピュータ19は、当該受信した信号の強度が、前記基準信号強度範囲外である旨判定したときには、前記基準信号強度範囲内の信号強度を有する信号を受信するべく、感度設定回路34を通じて増幅回路31の入力抵抗の抵抗値を変更することにより携帯機14の受信感度を自己調整する。一方、マイクロコンピュータ19は、当該受信した信号が、前記基準信号強度範囲内である旨判定したときには、携帯機14の受信感度の自己調整を終了する。
ここで、前記基準信号強度範囲について説明する。図4に示されるように、基準信号強度範囲は、電子キーシステム11の製品性能、特に車両12の電子制御装置13との間の通信性能を確保する上で最適な受信感度に対応する信号強度(最適値)を中心として、所定の幅をもって設定される。同図に従来の基準信号強度範囲として示されるように、基準信号強度範囲を広くするほど、ノイズを拾いやすくなる。このため、前記基準信号強度範囲は、なるべく狭くすることが望ましい。また、同図に示されるように、前記基準信号強度範囲は、前記最適値を含み、且つ実験等に基づき予め想定される雑音の信号強度(ノイズレベル)の範囲から外れるように設定されている。
そして、図5に示されるように、マイクロコンピュータ19は、感度設定モードに切り替えられている状態において、前記基準信号強度範囲内の信号強度を有する信号を好適に受信するように、受信機20の受信感度を調整する。これにより、携帯機14の受信感度の製品間のばらつきが抑制されるとともに、携帯機14は、ほぼ同じ位置で車両12からの応答要求信号Sreqを受信するようになる。すなわち、携帯機14の車両12に対する作動距離(作動領域)のばらつきが抑制される。例えば、同図に矢印P1で示されるように、車両12から遠い位置で作動する携帯機14もあれば、同じく矢印P2で示されるように、車両12に近い位置で作動する携帯機14もあるといった状況が生じにくくなる。
<増幅回路>
次に、増幅回路31の具体的な構成を説明する。
図6に示すように、受信アンテナ20aの出力信号(電圧)は、カップリングコンデンサC1を介して増幅回路31に入力される。この増幅回路31は、オペアンプOP、基準抵抗(入力抵抗)R0、コンデンサC2及び帰還抵抗R1を備えてなる。
オペアンプOPの非反転入力端子(+)には受信アンテナ20aが接続されている。オペアンプOPの反転入力端子(−)は、コンデンサC2及び基準抵抗R0の直列回路を介して接地されている。また、オペアンプOPの反転入力端子には帰還抵抗R1の一端が接続されるとともに、同じく他端はオペアンプOPの出力端子に接続されている。さらに、オペアンプOPの出力端子は、復調回路32及び信号強度測定回路33にそれぞれ分岐して接続されている。すなわち、受信アンテナ20aからの出力信号は、基準抵抗R0の抵抗値と帰還抵抗R1の抵抗値との比により決まる増幅率A(A=1+(R1/R0))で増幅されるとともに、当該増幅信号Sampは、復調回路32及び信号強度測定回路33に出力される。
工場出荷時には、マイクロコンピュータ19からの指令に基づき、感度設定回路34を通じて、基準抵抗R0を含む入力抵抗の抵抗値を変更することにより、オペアンプOPの増幅率Aの調整、ひいては携帯機14の受信感度の調整が行われる。この携帯機14の受信感度の調整方法については後に詳述する。
<感度設定回路>
図6に示すように、感度設定回路34は、抵抗値の異なる複数個(本実施の形態では、4つ)の抵抗Ra,Rb,Rc,Rdの並列回路を備えてなる。4つの抵抗Ra,Rb,Rc,Rdの一端は、基準抵抗R0とコンデンサC2の接続点Pに共通して接続されるとともに、同じく他端は、マイクロコンピュータ19の感度調整用のポートXa,Xb,Xc,Xdに接続されている。マイクロコンピュータ19により前記4つのポートXa,Xb,Xc,Xdの電位がハイレベル又はローレベルに切り替えられることにより、4つの抵抗Ra,Rb,Rc,Rdのいずれか一つが基準抵抗R0に対して電気的に並列に接続される。
例えば、抵抗Raを基準抵抗R0に対して電気的に並列に接続する場合には、マイクロコンピュータ19は、抵抗Raが接続されているポートXaにロー信号Sloを出力するとともに、他の抵抗Ra,Rb,Rcが接続されているポートXb,Xc,Xdにはハイ信号Shiを出力する。その結果、ポートXaの電位はローレベル(グランド電位)に、またポートXb,Xc,Xdの電位は、それぞれハイレベル(ハイインピーダンス状態)になることにより、基準抵抗R0と抵抗Raとは電気的に並列に接続される。そしてこの場合、基準抵抗R0と抵抗Raとの並列回路の合成抵抗値がオペアンプOPの入力抵抗の抵抗値となる。すなわち、当該合成抵抗の抵抗値と帰還抵抗R1の抵抗値との比に基づきオペアンプOPの増幅率Aが決定される。
前述したように、感度設定回路34に4つの抵抗Ra,Rb,Rc,Rdを備えるようにしたことにより、オペアンプOPの増幅率、ひいては携帯機14(正確には、受信機20)の受信感度を、4段階に調整可能となっている。本実施の形態では、抵抗Ra,RbはオペアンプOPの増幅率Aの増大用として、また抵抗Rc,RdはオペアンプOPの増幅率Aの低減用として使用される。そして、受信アンテナ20aを通じて同じ信号強度を有する信号を受信した場合に、オペアンプOPにより増幅された増幅信号Sampの強度が製品間で同一となるように、すなわち、予め設定される前記受信強度範囲内の値となるように、当該オペアンプOPの増幅率Aは設定される。これにより、携帯機14の製品間での通信特性の均質化が図られる。
<受信感度の調整方法>
次に、前述のように構成した携帯機の受信感度の調整方法を説明する。
携帯機14の受信感度の調整作業は、例えば工場出荷時に行われる。当該調整作業時において、携帯機14は前記モード切り替えスイッチを通じて通常モードから感度調整モードへ切り替えられる。そして、当該調整作業は、図7に示されるように、工場内に設けられる感度調整用の電波発信装置Wから発信される試験電波Stest(車両12からの応答要求信号Sreqに相当する。)を、携帯機14に出力しながら行う。
ここで、携帯機14を電波発信装置Wに近付けていった場合を考えてみると、携帯機14が、その作動位置として予め設定される電波発信装置Wからの基準距離Lよりも大きな距離Lfarに存在する場合に作動するときには、当該携帯機14の受信感度は高すぎるということになる。逆に、前記基準距離Lよりも小さな距離Lnearに存在する場合に作動するときには、当該携帯機14の受信感度は低すぎるということになる。
そこで、そのような携帯機14の作動距離の製品間におけるばらつきを抑制するために、すべての携帯機14が、車両12から基準距離Lの近傍位置で作動するように、当該携帯機14の受信感度の調整が行われる。本実施の形態では、携帯機14の受信感度を高くしたり、低くしたりする調整は、当該携帯機14自身が自動的に行う。
次に、携帯機の受信感度の調整方法を、図8に示すフローチャート従って詳細に説明する。当該フローチャートは、携帯機14のマイクロコンピュータ19の記憶部19aに予め格納された感度調整プログラムに従って実行される。なお、マイクロコンピュータ19のステップのステップを「S」と略記する。また、受信感度の調整作業時において、携帯機14は、電波発信装置Wから基準距離Lの位置に保持される。この基準距離Lは、応答信号Srepの返信位置として予め設定される車両12からの距離に設定される。本実施の形態では、例えば基準距離L=150mmとされている。
図8に示されるように、携帯機14のマイクロコンピュータ19は、受信アンテナ20aを通じて電波発信装置Wからの試験電波Stestを受信すると(S101)、当該試験電波Stestの信号強度が記憶部19aに記憶された基準信号強度範囲内であるかどうかを判断する(S102)。マイクロコンピュータ19は、受信した試験電波Stestの信号強度が基準信号強度範囲内である旨判断した場合(S102でYES)には、受信感度の設定処理を終了し、その旨を示す設定完了信号Sokを、送信アンテナ21aを通じて電波発信装置Wへ返信する(S103)。電波発信装置Wは、携帯機14からの設定完了信号Sokを受けて試験電波の発信を停止する。
S102において、マイクロコンピュータ19は、受信した試験電波の信号強度が基準信号強度範囲内内でない旨判断した場合には(S102でNO)、当該試験電波の信号強度が基準信号強度範囲を超えているかどうかを判断する(S104)。S104において、マイクロコンピュータ19は、試験電波の信号強度が基準信号強度範囲を超えている旨判断した場合には(S104でYES)、受信感度が高すぎると判断して受信感度の低減処理を行う(S105)。すなわち、マイクロコンピュータ19は、ポートXa,Xb,Xc,Xdのうち、オペアンプOPの増幅率Aの低減用の抵抗Rc又は抵抗Rdに対応するポートXc又はポートXdにロー信号Sloを出力するとともに、残りの3つにはハイ信号Shiを出力する。これにより、感度設定回路34の抵抗Rc又は抵抗Rdは基準抵抗R0に並列接続される。その結果、オペアンプOPの増幅率Aは低減し、ひいては携帯機14の受信感度が下がる。そして、マイクロコンピュータ19は、S101へ処理を移行する。
一方、マイクロコンピュータ19は、試験電波の信号強度が基準信号強度範囲未満である旨判断した場合には(S104でNO)、受信感度の増大処理を行う(S106)。すなわち、マイクロコンピュータ19は、ポートXa,Xb,Xc,Xdのうち、オペアンプOPの増幅率Aの増大用の抵抗Ra又は抵抗Rbに対応するポートXa又はポートXbにロー信号Sloを出力するとともに、残りの3つにはハイ信号Shiを出力する。これにより、感度設定回路34の抵抗Ra又は抵抗Rbは基準抵抗R0に並列接続される。その結果、オペアンプOPの増幅率Aは増大し、ひいては携帯機14の受信感度が上がる。そして、マイクロコンピュータ19は、S101へ処理を移行する。
以後、マイクロコンピュータ19は、受信した試験電波Stestの信号強度が、前記基準信号強度範囲内の値である旨判断するまで、S101〜S106の処理を繰り返す。そして、前述のように感度調整がなされた携帯機14は、通常モードに切り替えられた状態、すなわち、受信感度の自動調整機能が無効にされた状態で出荷されることになる。これは、通常使用時に、受信感度の自動調整機能が働くことによる消費電力増大等の不具合を回避するためである。
このように、受信感度が良すぎる携帯機14にあっては、図9に矢印Aupで示されるように、受信感度を下げるとともに、受信感度が悪い携帯機14にあっては、図9に矢印Adwnで示されるように、受信感度を上げることにより、携帯機14の製品間における受信感度の均質化が図られる。しかも、前記基準距離Lにおいて受信する信号の強度が前記基準信号強度範囲内の値となるように、携帯機14の受信感度は設定される。このため、携帯機14の受信感度のばらつきは、前記受信強度範囲の広狭に応じて限定される。本実施の形態では、前記受信強度範囲は、なるべく狭く設定されることから、これに伴い携帯機14の受信感度のばらつき範囲も狭くなる。その結果、携帯機14の電波発信装置W、すなわち車両12からの基準距離Lに対する作動距離のばらつきが抑制される。
<実施形態の作用>
次に、乗車時における携帯機の動作を図11に示すフローチャートに従って説明する。当該フローチャートは、携帯機14のマイクロコンピュータ19の記憶部19aに予め格納された通信制御プログラムに従って実行される。なお、マイクロコンピュータ19のステップのステップを「S」と略記する。また、この通常使用時には、携帯機14は通常モードに切り替えられている。
さて、ユーザが車両12に乗り込むべく携帯機14を所持して施錠状態の車両12に接近して検知領域Tout内に入ると、携帯機14のマイクロコンピュータ19は受信アンテナ20aを通じて応答要求信号Sreqを受信する(S201)。この応答要求信号Sreqは、フィルタ回路30により雑音が除去された後、増幅回路31により所定の増幅率Aで増幅されるとともに、当該増幅信号Sampは、復調回路32及び信号強度測定回路33へ出力される。復調回路32に入力された増幅信号Sampは、復調されてマイクロコンピュータ19へ出力される。信号強度測定回路33は、入力された増幅信号Sampの強度に応じた検出信号Spowをマイクロコンピュータ19へ出力する。
ここで、前述したように、本実施の形態では、記憶部19aに格納された基準信号強度範囲に対応する信号を好適に受信すべく、携帯機14の受信感度が調整されている。そして、前記基準信号強度範囲は、車両12の電子制御装置13との間の通信性能、ひいては電子キーシステム11の製品性能を確保する上で許容される受信すべき信号の強度の範囲内において、なるべく狭く設定されている。このため、当該範囲に合わせて設定される携帯機14の受信感度の製品間のばらつき幅も自ずと狭くなる。本実施の形態の携帯機14であれ、その使用環境及び内蔵される通信回路を構成する電子部品の特性のばらつき等に起因する受信感度の若干のばらつきの発生は避けられない。しかし、工場出荷時に前述した受信感度の調整作業が行われることにより、受信感度の製品間でのばらつきは最小限に抑えられる。
携帯機14の受信感度のばらつきは、環境ノイズの影響を受ける度合いの大小に大きく関わるとともに、受信感度のばらつきが大きな携帯機14ほど環境ノイズの影響を受けやすい。この点、本実施の形態の携帯機14によれば、受信感度のばらつきが最小限に抑制されることから、環境ノイズの影響を受けにくくなる。したがって、受信するべき正規の応答要求信号Sreqが環境ノイズによりつぶされるいわゆるビットつぶれ等のビットエラーに起因する受信不良の発生が抑制される。また、正規の応答要求信号Sreqの周波数に隣接する周波数を有する環境ノイズを受信することに起因する携帯機14の誤動作(例えば、応答信号Srepの誤返信)が抑制される。
近年では、無線ネットワークが急速に拡大しつつあり、これに伴って、いわゆる環境ノイズも増大する傾向にある。そして、環境ノイズが電子キーシステムの通信特性に及ぼす影響は無視できないものとなりつつある。そうした現状にあって、本実施の形態の携帯機14、ひいては当該携帯機14を構成要素として採用した電子キーシステム11によれば、このような使用環境下にあっても、十分な通信特性が確保される。したがって、車両12からの応答要求信号Sreqを好適に受信することができる。
話を戻して、マイクロコンピュータ19は、信号強度測定回路33からの検出信号Spowに基づき、受信した信号の強度が記憶部19aに格納された基準信号強度範囲内であるか否かを判断する(S202)。そして、マイクロコンピュータ19は、図10に黒丸で示されるように、受信した信号の強度が基準信号強度範囲内である旨判断した場合(S202でYES)、S203へ移行する。一方、マイクロコンピュータ19は、図10に「×」で示されるように、受信した信号の強度が基準信号強度範囲内ではない旨判断した場合には(S202でNO)、応答信号Srepを返信することなく、処理を終了する。
このように、携帯機14は、電子キーシステム11の製品性能を確保する上での目標値域として設定される前記基準信号強度範囲内の強度を有する信号に対してのみ、応答信号Srepを返信する。すなわち、車両12側に形成される検知領域Toutのどの位置(車両12との離間距離)で応答信号Srepを返信するかを、携帯機14側で判断する。このため、携帯機14の作動領域(作動距離)のばらつきは、当該携帯機14の受信感度のばらつきに対応するものとなる。本実施の形態では、携帯機14の受信感度のばらつき幅は最小限に抑制されるので、携帯機14の作動領域のばらつき幅も最小限となる。例えば、車両12側から応答要求信号Sreqが発信されることにより形成される室外照合用の検知領域Toutが電波状態等に起因して予め設定された範囲よりも若干拡大又は縮小している状態であれ、携帯機14は、予め設定された車両12からの基準距離Lの近辺で応答信号Srepを返信するようになる。これにより、電子キーシステム11の製品性能は十分に確保される。
S203において、マイクロコンピュータ19は、復調回路32からの復調信号Sdem、正確には当該信号に含まれる車両側の識別コードの妥当性を判断する(S203)。そして、マイクロコンピュータ19は、復調信号Sdemが妥当である旨判断したときには(S203でYES)、送信アンテナ21aを通じて所定の識別コードを含む室外照合用の応答信号Srepを返信する(S204)。当該応答信号Srepが車両12側の受信アンテナ16aを通じて電子制御装置13に受信されると、当該電子制御装置13は、当該受信した応答信号Srepに含まれる識別コードの妥当性を判断し、妥当である旨判断したときには、ドア錠17を電子的に解錠又は解錠を許可する。一方、S203において、マイクロコンピュータ19は、復調信号Sdemが妥当でない旨判断したときには(S203でNO)、応答信号Srepを返信することなく処理を終了する。
<実施の形態の効果>
従って、本実施の形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)携帯機14は、受信した信号の信号強度を測定する信号強度測定手段として機能する信号強度測定回路33を備えて構成した。また、携帯機14は、信号強度測定回路33により測定された信号強度が、電子制御装置13との間の通信性能を確保する上で許容される車両12に対する作動距離幅に基づき予め設定される基準信号強度範囲内であるか否かを判定する信号強度判定手段としての機能するマイクロコンピュータ19を備えて構成した。さらに、携帯機14は、当該マイクロコンピュータ19により、前記受信した信号の強度が前記基準信号強度範囲外である旨判定された場合に、当該マイクロコンピュータ19からの指令に基づき前記基準信号強度範囲内の信号強度を有する信号を受信するべく受信感度を調整する感度調整手段として機能する感度設定回路34を備えて構成した。
この構成によれば、次のようにして、携帯機14の受信感度の調整が行われる。すなわち、まず受信した信号の信号強度を、信号強度測定回路33により測定し、その測定された信号強度が、前記基準信号強度範囲内であるか否かを、マイクロコンピュータ19により判定する。次に、マイクロコンピュータ19により前記受信した信号の強度が前記基準信号強度範囲外である旨判断された場合に、当該マイクロコンピュータ19からの指令に基づき前記基準信号強度範囲内の信号強度を有する信号を受信するべく、感度設定回路34を通じて受信感度を自己調整する。
ここで、受信した信号の強度が前記基準信号強度範囲から外れる場合としては、次の2つがある。1つは、信号強度が前記基準信号強度範囲の下限値未満の場合であり、もう1つは信号強度が前記信号強度範囲の上限値を超える場合である。前者は受信感度が悪く、後者は受信感度が良すぎるということであり、いずれの場合も目標とする通信特性を得るために設定された前記基準信号強度範囲から外れる信号強度を有する信号までも受信するおそれがあるという点で、共通する。
そして、マイクロコンピュータ19は、受信した信号の強度が前記基準信号強度範囲の下限値未満である旨判定した場合には、携帯機14の受信感度が低いとして、感度設定回路34を通じて携帯機14の受信感度を前記基準信号強度範囲内の信号強度を有する信号を受信できる程度まで高める。これにより、携帯機14は、前記基準信号強度範囲内の信号強度を有する信号を受信可能となる。
また、受信した信号の強度が前記基準信号強度範囲の上限値を超える旨判定した場合には、携帯機14の受信感度が高いとして、感度設定回路34を通じて携帯機14の受信感度を前記基準信号強度範囲内の信号強度を有する信号に合わせて低減させる。これにより、携帯機14は、前記基準信号強度範囲を超える信号強度を有する信号を受信しにくくなるとともに、前記基準信号強度範囲内の信号を好適に受信するようになる。
このように、携帯機14は、前記基準信号強度範囲内の信号強度を有する信号を好適に受信するように、受信感度を自己調整する。このため、携帯機14の受信感度、ひいては作動距離の製品間のばらつきが抑制される。そして、受信感度のばらつきが小さな携帯機14ほど、環境ノイズの影響を受けにくくなることから、車両12の電子制御装置13と携帯機14との間の通信特性、ひいては携帯機14の製品性能が確保されるとともに、当該性能の均質化が図られる。
(2)前記基準信号強度範囲は、車両12の電子制御装置13との間の通信性能を確保する上での最適値を中心として所定の幅をもって、且つ予め想定される雑音の信号強度の範囲から外れるように設定するようにした。
このため、予め想定される信号強度を有する雑音の影響を好適に回避することができる。ひいては、携帯機の通信特性、ひいては製品性能が好適に確保される。
(3)マイクロコンピュータ19により、前記受信した信号の信号強度が前記基準信号強度範囲内である旨判定された場合にのみ、当該受信した信号に対する応答信号Srepを車両12の電子制御装置13へ返信するようにした。
このため、前記基準信号強度範囲から外れる信号強度を有する信号に基づいて、携帯機14が応答信号Srepを返信することはない。前記基準信号強度範囲から外れる信号強度を有する信号としては、車両12からの応答要求信号Sreq以外にも、いわゆる環境ノイズ等も想定される。したがって、基準信号強度範囲外の信号強度を有する環境ノイズを拾いにくくなるとともに、当該環境ノイズに対して応答信号Srepを誤って返信することもない。この結果、環境ノイズを受信することに起因する携帯機14の通信特性の劣化が抑制される。なお、この意味でも前記基準信号強度範囲はなるべく狭く設定することが好ましい。
(4)携帯機14の動作態様として、感度調整機能が無効とされる第1の動作モード(第1の動作態様)と、感度調整機能が有効とされる第2の動作モード(第2の動作態様)とを備え、通常使用時には第1の動作モードに、また感度調整時には第2の動作モードに切り替えられるようにした。
このように、携帯機14の通常使用時には、感度調整機能が無効とされることにより、通常使用時において、信号を受信する度に感度調整動作を行う場合に比べて、携帯機14の消費電力を節約することができる。一般に、携帯機14はその動作電源として電池が採用されることが多い。このため、携帯機14にあっては、その消費電力をなるべく抑えることが求められる。本実施の形態によれば、このような要求にも十分に応えることができる。
(5)本実施の形態の携帯機14は、受信感度の製品間のばらつきが抑制されることにより環境ノイズの影響を受けにくいといった効果を奏する。そして、当該携帯機14を、電子キーシステム11の構成要素として採用することにより、車両12の電子制御装置13と携帯機14との間の通信特性、ひいては電子キーシステム11の製品性能が確保される。
<他の実施の形態>
なお、本実施の形態は、次のように変更して実施してもよい。
・本実施の形態では、携帯機14のマイクロコンピュータ19は、受信感度を自動的に調整する感度調整機能、及び受信した信号の強度が予め設定された基準信号強度範囲内かどうかを判定して当該範囲内である旨判定した場合にのみ、応答信号Srepを返信する返信判定機能を備えて構成したが、当該返信判定機能を省略するようにしてもよい。この場合、前記基準信号強度範囲内の信号強度を好適に受信するように携帯機14の受信感度が調整されることにより、少なくとも当該受信感度の製品間でのばらつきは抑制される。しかし、前記基準信号強度範囲外の信号強度を有する信号に対する応答信号Srepの返信が許容されることから、当該基準信号強度範囲外の信号強度を有する信号であれ、当該信号を受信したときには、携帯機14は応答信号Srepを返信する。したがって、車両12に対する作動距離の均質化の点においては若干の懸念が残る。
・本実施の形態では、携帯機14を感度調整モードに切り替えた上で、受信感度の調整を行うとともに、通常使用時には、通常モードに切り替えることにより感度調整機能を無効としたが、常時、感度調整を自動的に行うようにしてもよい。このようにすれば、通常使用時において、車両12側からの応答要求信号Sreqを受信する度に、当該信号の強度に応じて携帯機14の受信感度の調整が自動的に行われる。したがって、携帯機14の経年変化、例えば携帯機14の動作電源となる図示しない電池の消耗による電圧変動等に起因する受信感度のばらつき、ひいては車両12に対する作動距離のばらつきが抑制される。すなわち、例えば電池が消耗するにつれて、携帯機14の受信感度は低下するとともに、当該携帯機14の作動距離は短くなる。本例によれば、そのときの受信状態に応じて適宜、受信感度が調整されることにより、携帯機14の作動距離は好適に保たれる。
・本実施の形態では、増幅回路31により増幅された増幅信号Sampに基づき受信アンテナ20aを通じて受信した信号の強度を測定するようにしたが、復調回路32により復調された復調信号Sdemに基づいて受信した信号の強度を測定するようにしてもよい。このようにしても、受信した信号の強度の測定が可能となる。
・前述したように、オペアンプOPの増幅率は、図6に示される基準抵抗(入力抵抗)R0及び帰還抵抗R1の抵抗値の比で決まるので、基準抵抗R0又は帰還抵抗R1のいずれかの抵抗値を変更することにより当該オペアンプOPの増幅率を変更することができる。そして、本実施の形態では、基準抵抗R0に対して、4つの抵抗Ra,Rb,Rc,Rdのいずれかを選択的に並列接続することにより、オペアンプOPの増幅率を設定するようにしたが、帰還抵抗R1に対して、他の抵抗を並列接続することにより、オペアンプOPの増幅率Aを設定するようにしてもよい。また、基準抵抗R0及び帰還抵抗R1の双方に対して、他の抵抗を並列接続することにより、オペアンプOPの増幅率Aを設定するようにしてもよい。これらの場合、感度設定回路34に相当する回路を帰還抵抗R1に対して設ける。
・また、本実施の形態では、図6に示されるように、抵抗値の異なる4つの抵抗Ra,Rb,Rc,Rdのうちいずれか1つの抵抗を感度調整用の抵抗として、基準抵抗R0に並列接続するようにしているが、次のようにしてもよい。すなわち、基準抵抗R0に対して感度設定回路34の4つの抵抗Ra,Rb,Rc,Rdを並列接続する組み合わせは16パターンあるので、受信される信号(試験電波Stest)の強度に応じてこれら16パターンのいずれかの抵抗の組み合わせを選択する。さらに、感度設定回路34を構成する抵抗の数は、任意に変更することも可能である。例えば、当該抵抗を2つもしくは3つ、又は5つ、6つもしくはそれ以上設けるようにしてもよい。感度設定回路34を構成する抵抗の数を増やすほど、細かな感度調整が可能となる。
・本実施の形態では、マイクロコンピュータ19からの指令に基づき、抵抗値の異なる4つの抵抗Ra,Rb,Rc,Rdのいずれか1つが基準抵抗R0と並列に接続されることにより、オペアンプOPの増幅率Aが変更されるようにしたが、次のようにしてもよい。すなわち、基準抵抗R0に、図示しない複数個の抵抗の直列回路を接続するとともに、基準抵抗R0を含む各抵抗の接続点をマイクロコンピュータ19の感度調整用のポートに接続する。そして、マイクロコンピュータ19からの指令に基づき基準抵抗R0に直列に接続される抵抗の個数を変更することにより、オペアンプOPの増幅率Aを変更する。このようにしても、オペアンプOPの増幅率Aを変更することにより、携帯機14の受信感度を調整することができる。
・本実施の形態の感度設定回路34は、次のように構成してもよい。すなわち、図12に示すように、感度設定回路34は、抵抗値の異なる複数個(本実施の形態では、4つ)の抵抗Ra,Rb,Rc,Rdと、これら抵抗Ra,Rb,Rc,Rdと同数の常開接点SWa,SWb,SWc,SWdとの直列回路が並列に接続されてなる。抵抗Ra,Rb,Rc,Rdと常開接点SWa,SWb,SWc,SWdとの直列回路において、抵抗Ra,Rb,Rc,Rd側の端部は、基準抵抗R0とコンデンサC2の接続点Pに共通して接続されている。また、当該直列回路の常開接点SWa,SWb,SWc,SWd側の端部は、マイクロコンピュータ19の内部において接地されている。
常開接点SWa,SWb,SWc,SWdは、それぞれマイクロコンピュータ19の感度調整用のポートXa,Xb,Xc,Xdに接続されるとともに、4つのポートXa,Xb,Xc,Xdを通じてマイクロコンピュータ19からオン信号Sonが出力されることによりオン動作(閉動作)する。そして、常開接点SWa,SWb,SWc,SWdがオン動作すると、それらに接続された抵抗Ra,Rb,Rc,Rdは、基準抵抗R0に対して電気的に並列に接続される。感度設定作業時において、マイクロコンピュータ19は、受信アンテナ20aを通じて受信される信号(ここでは、試験電波Stest)の強度に応じて、常開接点SWa,SWb,SWc,SWdのうちいずれか1つをオンする。または、4つの抵抗Ra,Rb,Rc,Rdを並列接続する組み合わせは16パターンあるので、マイクロコンピュータ19は、これら16パターンのいずれかとなるように、常開接点SWa,SWb,SWc,SWdの少なくとも1つにオン信号Sonを出力する。このようにしても、オペアンプOPの増幅率Aを変更することにより、携帯機14の受信感度を調整することができる。
・本実施の形態では、感度調整用の電波発信装置Wを設けて当該装置から発信される試験電波Stestに基づき携帯機14の受信感度の調整を行うようにしたが、例えば車両12側に電波発信装置Wに相当するものを配設するようにしてもよい。
・本実施の形態では、電子制御装置13は、携帯機14からの応答信号Srepに基づきドア錠17の解錠又は解錠を許可するようにしたが、他の動作を行わせるようにしてもよい。例えばエンジン18の始動又は始動の許可、並びに図示しないステアリングロックの解錠又は解錠の許可等がある。
・本実施の形態では、本発明を、車両用の電子キーシステムに具体化したが、建物用のものに具体化するようにしてもよい。この場合、建物が遠隔制御対象となる。そして、携帯機14と建物との相互無線通信を通じて、例えば当該建物のドア錠を解錠又は解錠を許可する。また、車両12又は建物以外のものを遠隔制御対象としたシステム(装置)に本発明を適用するようにしてもよい。
本実施の形態の電子キーシステムの概略構成を示すブロック図。 同じく車室外に形成される室外照合用の検知領域及び車室内に形成される室内照合用の検知領域を示す車両の平面図。 同じく携帯機の受信機の電気的な構成を示すブロック図。 同じく基準信号強度範囲と予め想定される雑音の信号強度の範囲との関係を示すグラフ。 同じく基準信号強度範囲と車両に対する作動距離との関係を示すグラフ。 同じく増幅回路及び感度設定回路の具体的な構成を示す回路図。 同じく携帯機の受信感度の調整作業時に使用される電波発信装置と携帯機との位置関係を示す正面図。 同じく受信感度の調整作業時における携帯機のマイクロコンピュータの処理手順を示すフローチャート。 同じく受信感度の調整作業時において受信した信号の強度と基準信号強度範囲との関係を示すグラフ。 同じく通常使用時において受信した信号の強度と基準信号強度範囲との関係を示すグラフ。 同じく乗車時における携帯機のマイクロコンピュータの処理手順を示すフローチャート。 他の実施の形態における感度設定回路の具体的な構成を示す回路図。 従来の携帯機の受信感度と受信する信号の強度との関係を示すグラフ。 (a)は、従来の携帯機の作動距離のばらつきを示す平面図、(b)は、車両側の検知領域の広狭を示す平面図。
符号の説明
11…電子キーシステム(遠隔制御装置)、12…車両(遠隔制御対象)、13…電子制御装置(遠隔制御対象の制御装置)、14…携帯機、19…マイクロコンピュータ(信号強度測定手段、信号強度判定手段)、34…感度設定回路(感度調整手段)、L…基準距離(作動距離)、Sreq…応答要求信号、Srep…応答信号。

Claims (6)

  1. 遠隔制御対象に対して、その制御装置から送信される応答要求信号を受信する所定の作動距離まで近接した際に、当該応答要求信号に対する応答信号を前記制御装置に返信することにより前記遠隔制御対象を遠隔制御する携帯機において、
    受信した信号の信号強度を測定する信号強度測定手段と、
    前記信号強度測定手段により測定された信号強度が、前記制御装置との間の通信性能を確保する上で許容される携帯機の前記遠隔制御対象に対する作動距離幅に基づき予め設定される基準信号強度範囲内であるか否かを判定する信号強度判定手段と、
    前記信号強度判定手段により前記受信した信号の強度が前記基準信号強度範囲外である旨判定された場合に、当該信号強度判定手段からの指令に基づき前記基準信号強度範囲内の信号強度を有する信号を好適に受信するべく受信感度を調整する感度調整手段と、を備えてなる携帯機。
  2. 請求項1に記載の携帯機において、
    前記基準信号強度範囲は、前記制御装置との間の通信性能を確保する上での最適値を中心として所定の幅をもって、且つ予め想定される雑音の信号強度の範囲から外れるように設定される携帯機。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の携帯機において、
    前記信号強度判定手段により、前記受信した信号の信号強度が前記基準信号強度範囲内である旨判定された場合にのみ、前記応答信号を前記遠隔制御対象の制御装置へ返信する携帯機。
  4. 請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の携帯機において、
    携帯機の動作態様として、感度調整機能が無効とされる第1の動作態様と、感度調整機能が有効とされる第2の動作態様とを備え、
    通常使用時には第1の動作態様に、また感度調整時には第2の動作態様に切り替えられる携帯機。
  5. 遠隔制御対象に対して、その制御装置から送信される応答要求信号を受信する所定の作動距離まで近接した際に、当該応答要求信号に対する応答信号を前記制御装置に返信することにより前記遠隔制御対象を遠隔制御する携帯機の受信感度調整方法において、
    受信した信号の信号強度を、内蔵された信号強度測定手段により測定する段階と、
    前記信号強度測定手段により測定された信号強度が、前記制御装置との間の通信性能を確保する上で許容される携帯機の前記遠隔制御対象に対する作動距離幅に基づき予め設定される基準信号強度範囲内であるか否かを、内蔵された信号強度判定手段により判定する段階と、
    前記信号強度判定手段により前記受信した信号の強度が前記基準信号強度範囲外である旨判断された場合に、当該信号強度判定手段からの指令に基づき前記基準信号強度範囲内の信号強度を有する信号を好適に受信するべく、内蔵された感度調整手段を通じて受信感度を自己調整する段階と、を備える携帯機の受信感度調整方法。
  6. ユーザに所持される携帯機を備え、当該携帯機は、遠隔制御対象の制御装置から送信される応答要求信号を受信した場合には識別コードを含む応答信号を返信し、当該返信された応答信号が前記制御装置に受信された場合、当該制御装置は、前記受信した応答信号に含まれる識別コードの妥当性を判断するとともに、妥当である旨判断したときには前記遠隔制御対象を作動又は作動を許可する遠隔制御装置において、
    前記携帯機として、請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の携帯機を採用するようにした遠隔制御装置。
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