JP2008019142A - 繊維補強セメント系部材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】廃保温材を再利用する際のプロセスを最小限にしてエネルギー消費量の抑制、リサイクルコストの低減を図ることができる繊維補強セメント系部材の製造技術を提供すること。
【解決手段】廃棄される廃保温材を補強繊維材料として用いる繊維補強セメント系部材の製造方法であって、廃保温材を裁断装置によって補強繊維として必要な長さの短繊維に裁断解砕する第1工程と、第1工程により得た短繊維を、セメント系部材の原材料中に混入して分散させる第2工程と、第2工程で得た短繊維混入原材料を成型装置によって加圧成型する第3工程とを含む。
【選択図】図1
【解決手段】廃棄される廃保温材を補強繊維材料として用いる繊維補強セメント系部材の製造方法であって、廃保温材を裁断装置によって補強繊維として必要な長さの短繊維に裁断解砕する第1工程と、第1工程により得た短繊維を、セメント系部材の原材料中に混入して分散させる第2工程と、第2工程で得た短繊維混入原材料を成型装置によって加圧成型する第3工程とを含む。
【選択図】図1
Description
本発明は、繊維系の保温材を備えた施設の保全工事や除却に伴って廃棄される廃保温材を補強繊維材料として用いる繊維補強セメント系部材の製造方法に関する。
保温材廃棄物(廃保温材)は、例えば火力発電所の保全工事から継続的に発生すると共に、寿命を終えた発電所の解体に伴い多量に発生する。これらの廃保温材は、図5に示すように再生保温材等の用途にリサイクルされている。
ロックウール等、繊維系の廃保温材を再生保温材としてリサイクルする方法には、粉体にして新材料に混入する方法や、粉体にした後に高温溶融し繊維にする方法等がある。
アスベストを含まない建材の補強繊維としては、パルプ、合成繊維、無機質繊維等が使用されている。また、無機質繊維では、従来からガラス繊維が多く使用されており、最近は岩石繊維のワラストナイトやセピオライト等も使用されている。
それら繊維を含む建材の製造法としては、特許文献1に示すような押し出し成型法の他に、抄造法、ダイレクトスプレー法、プレミックス法等が用いられている。
特開平10−279336号公報
(1)繊維系の廃保温材のこれまでのリサイクル方法は、図5に示すように粉体に破砕・高温溶融するなどして再生保温材とする方法、高温溶融後にスラグ化させて溶融スラグとする方法等があるが、いずれの方法も廃保温材を処理するためのプロセスが多く、エネルギーの消費量も多い。
(2)アスベスト代替繊維を用いた建材は、アスベストを用いた建材と比較して高価である。
(3)保温材屑は嵩容積が大きく、リサイクルの処理工場までの輸送費が割高となり、リサイクルコストの増大がその普及・販売に対する大きな障害となっている。また、得られる再生保温材は一般品よりも重いために、あまり普及していない。
(2)アスベスト代替繊維を用いた建材は、アスベストを用いた建材と比較して高価である。
(3)保温材屑は嵩容積が大きく、リサイクルの処理工場までの輸送費が割高となり、リサイクルコストの増大がその普及・販売に対する大きな障害となっている。また、得られる再生保温材は一般品よりも重いために、あまり普及していない。
よって、本発明の課題は、廃保温材を再利用する際のプロセスを最小限にしてエネルギー消費量の抑制、リサイクルコストの低減を図ることができる技術を提供することにある。
前記課題を解決するため、本発明では以下の手段を採用した。
本発明は、繊維系の保温材を備える施設の工事に伴って廃棄される廃保温材を補強繊維材料として用いる繊維補強セメント系部材の製造方法であって、廃保温材を裁断装置によって補強繊維として必要な長さの短繊維に裁断解砕する第1工程と、第1工程により得た短繊維を、セメント系部材の原材料中に混入して分散させる第2工程と、第2工程で得た短繊維混入原材料を成型装置によって加圧成型する第3工程とを含むことを特徴としている。
本発明は、繊維系の保温材を備える施設の工事に伴って廃棄される廃保温材を補強繊維材料として用いる繊維補強セメント系部材の製造方法であって、廃保温材を裁断装置によって補強繊維として必要な長さの短繊維に裁断解砕する第1工程と、第1工程により得た短繊維を、セメント系部材の原材料中に混入して分散させる第2工程と、第2工程で得た短繊維混入原材料を成型装置によって加圧成型する第3工程とを含むことを特徴としている。
ここで、セメント系部材とは、例えばセメント板のように、水、セメントを含むセメント基材(原材料)を混練し成型して得られる種々の部材の他、例えばモルタルボードのよ
うに、水、セメント、細骨材を含むセメント基材を混練し成型して得られる種々の部材等を意味する。従って、繊維補強セメント系部材とは、それらセメント系部材の原材料中(セメント基材中)に補強繊維を予め混入して成型したものを意味し、特に、繊維補強建材として好適に用いることができる。
うに、水、セメント、細骨材を含むセメント基材を混練し成型して得られる種々の部材等を意味する。従って、繊維補強セメント系部材とは、それらセメント系部材の原材料中(セメント基材中)に補強繊維を予め混入して成型したものを意味し、特に、繊維補強建材として好適に用いることができる。
また、廃保温材を裁断解砕するとは、補強繊維としての必要な繊維長を確保した上で、セメントマトリックス中に単糸状に分散可能なように裁断することを意味する。
本発明の繊維補強セメント系部材の製造方法によれば、廃保温材を裁断装置によって短繊維に裁断解砕することで、原材料中の分散性を確保することができる。従って、従来のように裁断後に高温溶融や再繊維化等の処理をせず、そのまま補強繊維材料として使用することができる。これにより、廃保温材を再利用する際のプロセスを最小限にしてエネルギー消費量の抑制、リサイクルコストの低減を図ることができる。
本発明では、前記第1工程の後に、廃保温材を輸送する輸送工程を行うことが特に好ましい。なぜなら、施設の工事に伴って廃棄される廃保温材屑は嵩容積が大きく、リサイクルの処理工場までの輸送費が割高となり、リサイクルコストを増大させる大きな原因となっていたが、廃保温材を裁断解砕して短繊維化することで、繊維間の隙間をより小さくしてその分、嵩容積を半減させることができるからである。
本発明において、前記第2工程では、水に分散させた短繊維と、細骨材及びセメントのうちの少なくともセメントを混練装置により混練することが望ましい。その場合、混練装置内に水と短繊維を供給して攪拌することで水に短繊維を分散させた後、混練装置にセメントを供給、あるいは細骨材、セメントの順に供給して混練することが望ましい。セメントを投入する前に、まず、短繊維を水に分散させておくことで、セメント投入後に短繊維どうしが絡み合って塊状になるのを予め防ぐことができるからである。この点において、原材料に砂を含むモルタル系では、セメントよりも砂を先に投入することが望ましい。
本発明において、前記第1工程で得られる短繊維は、その繊維長が10mm以下であることが望ましい。繊維長が長いほど良好な繊維補強効果を発揮させることができる。しかし、セメント基材への分散性及び補強効果の両方の点に配慮した場合、5〜10mm程度とすることが望ましい。
本発明において、前記廃保温材はロックウール又はセラミックファイバーの少なくとも一方を含み、前記セメント系部材に対する廃保温材の配合比が重量比で4%以上であることが望ましい。この廃保温材の配合比については、廃保温材をリサイクルする観点からすれば、4%未満でも良いし、さらにセメント系部材の種類によっても4%以下で良い場合もある。しかし、繊維補強効果の点に配慮すると、4%以上であることが望ましい。この廃保温材の配合比を大きくすれば、その分、繊維補強効果も顕著になるが、基本的には製造すべき繊維補強セメント系部材に要求される性能との関係において決定される。
本発明の繊維補強セメント系部材の製造方法によれば、廃保温材を再利用する際のプロセスを最小限にしてエネルギー消費量の抑制、リサイクルコストの低減を図ることができる。また、本発明の製造方法によれば、保温材繊維の分散性を確保することで、必要な品質や強度も充分に備えた繊維補強セメント系部材を得ることができる。
以下、本発明の好適な実施例について、図面を参照して説明する。なお、以下の実施例では、本発明の製造方法を、電力建物の解体に伴い発生する保温材廃棄物の建材への適用
例について説明する。
例について説明する。
保温材廃棄物は、火力発電所の保全工事から継続的に発生すると共に、発電所の解体に伴い多量に発生する。以下では、廃保温材のリサイクル用途拡大を目的に、これまで繊維として建材に再利用されていない、ロックウールおよびセラミックファイバーを用いて、繊維補強セメント板(繊維補強セメント系部材)への適用性に関する検討結果並びにそれに基づく製造方法について説明する。
図1は、廃保温材を用いた繊維補強セメント系部材(例えば繊維補強セメント板)の好適な製造方法例を示すフローチャートである。この実施例では、ロックウール等の繊維系廃保温材を、後述する裁断装置によって、補強繊維として必要な長さの短繊維に裁断解砕する第1工程(S1)と、その第1工程により得た短繊維を、セメント系部材の原材料中に混入して分散させる第2工程(S2)と、第2工程で得た短繊維混入原材料を成型装置によって加圧成型する第3工程(S3)とを行う。
このとき、第2工程では、水に保温材(短繊維)を十分に分散させた状態にしてから、セメントを投入し(必要に応じて細骨材を投入し)、混練する。この第2工程及び第3工程は、リサイクル工場等で実施することが望ましいので、第2工程の前に短繊維を輸送する工程を行う。しかし、この輸送工程を省略若しくは簡略化する場合には、第2工程及び第3工程を保温材の廃棄現場、あるいはその近くで実施することも可能である。次いで、各工程の詳細な検討結果について具体的に説明する。
<廃保温材の前処理方法>
ロックウール繊維(RF)とセラミック繊維(CF)を、セメント系建材の補強繊維として適用するための前処理方法について検討を行った。
ロックウール繊維(RF)とセラミック繊維(CF)を、セメント系建材の補強繊維として適用するための前処理方法について検討を行った。
(解砕方法の検討)
この実施例で対象としている廃保温材は、ロックウール繊維(RF)及びセラミック繊維(CF)である。これらは元来、板状に形成されたものであり、解体時にも繊維としての分散は生じない。このため、板状のままセメント等の材料と混合しても、材料中における分散が図れないことから、充分な繊維補強効果は期待できない。そこで、板状の保温材を効率よく解砕する方法を検討した。
この実施例で対象としている廃保温材は、ロックウール繊維(RF)及びセラミック繊維(CF)である。これらは元来、板状に形成されたものであり、解体時にも繊維としての分散は生じない。このため、板状のままセメント等の材料と混合しても、材料中における分散が図れないことから、充分な繊維補強効果は期待できない。そこで、板状の保温材を効率よく解砕する方法を検討した。
検討対象とした解砕方法を表1に示す。ここでは、ハンドミキサによる水中攪拌解砕、分散剤添加による水中攪拌解砕、超音波振動による解砕、PH調整剤による解砕、市販のシュレッダー(裁断装置)による裁断解砕、ジューサーミキサーによる解砕、等を実施した。その結果、シュレッダーによる裁断解砕を除き、適切な解砕を行うことができなかった。
(分散性の検討)
裁断解砕した繊維(短繊維)を用いてモルタル試料を作製し、目視による断面の状況および繊維補強効果を把握するための曲げ試験により繊維の分散性を検討した。
裁断解砕した繊維(短繊維)を用いてモルタル試料を作製し、目視による断面の状況および繊維補強効果を把握するための曲げ試験により繊維の分散性を検討した。
(1)使用材料および調合:セメントは超速硬系セメントを用いた。けい砂には標準砂(JIS R 5201)および微粉(300〜45μm)を用いた。セメント質量を100とした場合の試料モルタルの調合を表2に示す。水セメント比(W/C)を65%、40%および45%の3水準とし、繊維混入率は4%とした。
(2)攪拌方法:図2に示す2通りの方法で実施した。
方法M1の場合、水(W)投入後、60秒低速攪拌中にセメント(C)、砂(S)、繊維(F)を投入し、さらに60秒低速攪拌した後、60秒高速攪拌して停止した。方法M2の場合、W、Fを投入して60秒低速攪拌した後、60秒低速攪拌中にC、Sを投入し、さらに60秒低速攪拌した後、60秒高速攪拌して停止した。
方法M1の場合、水(W)投入後、60秒低速攪拌中にセメント(C)、砂(S)、繊維(F)を投入し、さらに60秒低速攪拌した後、60秒高速攪拌して停止した。方法M2の場合、W、Fを投入して60秒低速攪拌した後、60秒低速攪拌中にC、Sを投入し、さらに60秒低速攪拌した後、60秒高速攪拌して停止した。
(3)検討結果:図3に示す通り、調合No.1は繊維を混入することにより、曲げ強度
が低下した。No.2では強度低下はなかったが、大きな増加もみられなかった。また、No.3は若干強度の低下がみられた。目視による破断面観察の結果、調合No.1は繊維が塊状で残存していた。No.2およびNo.3のRF5やCF5は、ほぼ試料中に分散していた。なお、図3において、RF,CFは繊維名を、5,10は繊維長(mm)を、M1,M2は攪拌方法をそれぞれ示している。
が低下した。No.2では強度低下はなかったが、大きな増加もみられなかった。また、No.3は若干強度の低下がみられた。目視による破断面観察の結果、調合No.1は繊維が塊状で残存していた。No.2およびNo.3のRF5やCF5は、ほぼ試料中に分散していた。なお、図3において、RF,CFは繊維名を、5,10は繊維長(mm)を、M1,M2は攪拌方法をそれぞれ示している。
<繊維補強セメント板への適用性>
繊維の分散性および試料の曲げ強度の検討結果に基づき、繊維補強セメント板を試作し、物性試験を実施した。
繊維の分散性および試料の曲げ強度の検討結果に基づき、繊維補強セメント板を試作し、物性試験を実施した。
(目標性能)
繊維補強セメント板(セメント板)を試作するにあたり、その目標性能を表3に示すJIS A 5430「繊維補強セメント板」の1.4スラグせっこう板(外装用)に要求される性能とした。
繊維補強セメント板(セメント板)を試作するにあたり、その目標性能を表3に示すJIS A 5430「繊維補強セメント板」の1.4スラグせっこう板(外装用)に要求される性能とした。
(試験概要)
(1)セメント板の試作方法:試料は繊維混入セメントペーストを使用し、加圧成型法により製作した。成型後に蒸気養生を6時間行った。板の寸法は220×220×10mmとし、これから試験片を切り出し、各種試験に供した。
(2)試験水準および調合:試験水準は繊維無混入のもの、ガラス繊維(GF)、ロックウール(RF)、セラミック繊維(CF)の各繊維をそれぞれ2%、4%、8%混入したもの、計10体とした。なお、GFは補強材として良く使われているため、比較用とした。試料の調合は、水とセメント+繊維比W/(C+F)を24%一定とした。セメント100に対する水の質量比は、繊維混入率2%、4%、8%でそれぞれ24.5、25、26となる。
(3)セメント板の物性試験:セメント板の物性試験は、JIS A 5430に基づき表3に示す項目(密度・吸水率・曲げ強さ・透水性・吸水による長さ変化率)を実施した。
(1)セメント板の試作方法:試料は繊維混入セメントペーストを使用し、加圧成型法により製作した。成型後に蒸気養生を6時間行った。板の寸法は220×220×10mmとし、これから試験片を切り出し、各種試験に供した。
(2)試験水準および調合:試験水準は繊維無混入のもの、ガラス繊維(GF)、ロックウール(RF)、セラミック繊維(CF)の各繊維をそれぞれ2%、4%、8%混入したもの、計10体とした。なお、GFは補強材として良く使われているため、比較用とした。試料の調合は、水とセメント+繊維比W/(C+F)を24%一定とした。セメント100に対する水の質量比は、繊維混入率2%、4%、8%でそれぞれ24.5、25、26となる。
(3)セメント板の物性試験:セメント板の物性試験は、JIS A 5430に基づき表3に示す項目(密度・吸水率・曲げ強さ・透水性・吸水による長さ変化率)を実施した。
(試験結果)
試験結果を図4に示す。
(1)密度:試作したセメント板の密度は、2.0〜2.2g/cm3 であった。
試験結果を図4に示す。
(1)密度:試作したセメント板の密度は、2.0〜2.2g/cm3 であった。
(2)吸水性・透水性:吸水率は10〜13%であり、許容される上限値(30%)の半分以下であった。吸水率が小さいことによって吸水による長さ変化率も小さく、何れのケースも上限値0.25%より小さい値であった。また、長さ変化率は繊維混入率の増加に伴って小さくなる傾向を示した。透水性はGF8%のもののみ基準を満足しなかった。
(3)曲げ強度:繊維の種類に関わらず、混入率の増加に伴い、曲げ強度は大きくなった。これは、繊維による一定の補強効果が得られたことによる。
<まとめ>
廃保温材のリサイクルの用途拡大を目的に、建材として繊維補強セメント板への適用性について基礎的検討を行った。得られた結果は大要以下の通りである。
(1)廃保温材を裁断解砕することにより、材料中の分散性を確保することができる。
(2)廃保温材より得られた繊維を混入したセメント板は、繊維の混入率を増加させることにより、JIS A 5430「1.4スラグせっこう板」に要求される品質を概ね満足する。
廃保温材のリサイクルの用途拡大を目的に、建材として繊維補強セメント板への適用性について基礎的検討を行った。得られた結果は大要以下の通りである。
(1)廃保温材を裁断解砕することにより、材料中の分散性を確保することができる。
(2)廃保温材より得られた繊維を混入したセメント板は、繊維の混入率を増加させることにより、JIS A 5430「1.4スラグせっこう板」に要求される品質を概ね満足する。
以上の結果から、火力発電所等の電力施設から発生した繊維系の廃保温材は、下記の効果により、セメント系建材の補強繊維材料として適用することができる。
(1)裁断解砕は、図5に従来技術として記載したように、粉体に破砕し高温溶融する場合に比べ、少ないプロセス・エネルギーで可能な方法である。
(2)粉体に破砕する方法と異なり、裁断解砕により5mmないし10mmの繊維長を確保することで、その保温材繊維をセメント系建材に重量比で8%程度混入したときに、曲げ強度を飛躍的に向上させることができる。これは、従来補強繊維として用いられているグラスファイバー(GF)と同等の補強効果である。
(3)裁断解砕は廃保温材の発生場所で行うことで、嵩容積が減り、輸送コストの低減が可能となる。
(4)上記(1)および(3)の効果により、保温材繊維は他のアスベスト代替繊維に比べ安価で得られる。
(1)裁断解砕は、図5に従来技術として記載したように、粉体に破砕し高温溶融する場合に比べ、少ないプロセス・エネルギーで可能な方法である。
(2)粉体に破砕する方法と異なり、裁断解砕により5mmないし10mmの繊維長を確保することで、その保温材繊維をセメント系建材に重量比で8%程度混入したときに、曲げ強度を飛躍的に向上させることができる。これは、従来補強繊維として用いられているグラスファイバー(GF)と同等の補強効果である。
(3)裁断解砕は廃保温材の発生場所で行うことで、嵩容積が減り、輸送コストの低減が可能となる。
(4)上記(1)および(3)の効果により、保温材繊維は他のアスベスト代替繊維に比べ安価で得られる。
なお、本発明を適用可能なセメント系建材(繊維補強セメント系部材)としては、セメント板の他に、スレート(波形)、スレートボード、ケイカル板、スラグ石膏板、窯業系サイディング、等を挙げることができる。
S1 第1工程
S2 第2工程
S3 第3工程
S2 第2工程
S3 第3工程
Claims (6)
- 廃棄される廃保温材を補強繊維材料として用いる繊維補強セメント系部材の製造方法であって、
前記廃保温材を裁断装置によって補強繊維として必要な長さの短繊維に裁断解砕する第1工程と、
前記第1工程により得た短繊維を、セメント系部材の原材料中に混入して分散させる第2工程と、
前記第2工程で得た短繊維混入原材料を成型装置によって加圧成型する第3工程とを含む、繊維補強セメント系部材の製造方法。 - 前記第1工程の後に、前記廃保温材を輸送する輸送工程を行うことを特徴とする、請求項1に記載の繊維補強セメント系部材の製造方法。
- 前記第2工程では、水に分散させた短繊維と、細骨材及びセメントのうちの少なくともセメントとを混練装置により混練することを特徴とする、請求項1に記載の繊維補強セメント系部材の製造方法。
- 前記混練装置内に水と短繊維を供給して攪拌することで水に短繊維を分散させた後、前記混練装置に細骨材、セメントの順に供給して混練することを特徴とする、請求項3に記載の繊維補強セメント系部材の製造方法。
- 前記短繊維は、その繊維長が10mm以下である、請求項1〜4の何れかに記載の繊維補強セメント系部材の製造方法。
- 前記廃保温材はロックウール又はセラミックファイバーの少なくとも一方を含み、前記セメント系部材に対する廃保温材の配合比が重量比で4%以上であることを特徴とする、請求項1〜請求項5の何れかに記載の繊維補強セメント系部材の製造方法。
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CN115650667A (zh) * | 2022-10-26 | 2023-01-31 | 华新水泥股份有限公司 | 一种多相多尺度纤维增韧超高性能混凝土及其制备方法 |
-
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CN115650667A (zh) * | 2022-10-26 | 2023-01-31 | 华新水泥股份有限公司 | 一种多相多尺度纤维增韧超高性能混凝土及其制备方法 |
CN115650667B (zh) * | 2022-10-26 | 2023-09-26 | 华新水泥股份有限公司 | 一种多相多尺度纤维增韧超高性能混凝土及其制备方法 |
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