JP2008018559A - 孔版印刷装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】紙ジャム解除後に印刷を再開した場合にその1枚目から良好な印刷物を得る。
【解決手段】回転自在で、且つ、インク不透過性部材で形成された外周壁53を有し、外周壁53の表面に孔版原紙18が装着されるドラム26と、外周壁53の最大印刷エリアより印刷上流位置にインク供給口55を有し、インク供給口55より外周壁53の表面にインクを供給するインク供給手段54と、印刷用紙を外周壁53に押圧するプレスロール35と、外周壁53の表面をクリーニングするクリーニング機構CLとを備え、紙ジャム解除後に、孔版原紙18を外周壁53に巻き付けた状態でクリーニング機構CLによるクリーニング動作を実行する。クリーニング機構CLは、ブレード機構7と、ブレード機構7によって掻き集めたインクを吸引する吸引機構8とから成る。
【選択図】図4
【解決手段】回転自在で、且つ、インク不透過性部材で形成された外周壁53を有し、外周壁53の表面に孔版原紙18が装着されるドラム26と、外周壁53の最大印刷エリアより印刷上流位置にインク供給口55を有し、インク供給口55より外周壁53の表面にインクを供給するインク供給手段54と、印刷用紙を外周壁53に押圧するプレスロール35と、外周壁53の表面をクリーニングするクリーニング機構CLとを備え、紙ジャム解除後に、孔版原紙18を外周壁53に巻き付けた状態でクリーニング機構CLによるクリーニング動作を実行する。クリーニング機構CLは、ブレード機構7と、ブレード機構7によって掻き集めたインクを吸引する吸引機構8とから成る。
【選択図】図4
Description
本発明は、孔版原紙が装着されたドラムに印刷媒体を押圧しつつ搬送して孔版原紙の穿孔より滲み出るインクを印刷媒体に転写する孔版印刷装置に関する。
この種の従来の孔版印刷装置として、例えば特許文献1に開示されたものがある。この孔版印刷装置は、回転自在で、且つ、インク不透過性部材で形成された外周壁を有し、この外周壁の表面に孔版原紙が装着されるドラムと、このドラムの外周壁の最大印刷エリアより印刷上流位置にインク供給口を有し、このインク供給口より外周壁の表面にインクを供給するインク供給手段と、給紙された印刷媒体を外周壁に押圧するプレスロールとを備えている。
この孔版印刷装置では、ドラムの外周壁が回転され、且つ、この外周壁の表面にインク供給口よりインクが供給された状態にあって印刷用紙が給紙されると、この印刷用紙がプレスロールによって孔版原紙及びドラムの外周壁に押圧されながら搬送される一方、プレスロールの押圧力によってドラムの外周壁と孔版原紙の間のインクがしごかれながら印刷方向の下流に拡散されると共に、この拡散されたインクが孔版原紙の穿孔よりにじみ出て印刷用紙側に転写され、印刷用紙にインク画像が印刷される。ドラムに供給されたインクは、ドラムの外周壁と孔版原紙の間の略密閉空間に保持され、大気との接触が極力抑えられる。従って、印刷を長時間行わなくてもインクの変質を防止できる。
特開2005−74734号公報
しかしながら、前記従来の孔版印刷装置では、プレスロールによってしごくことでインクを外周壁の表面に拡散させる必要があるため、低粘度のインクが使用される。このような低粘度のインクを使用した場合にあって、印刷用紙がドラムに巻き付いた状態で離れない用紙舞い上がりエラーに代表されるように、印刷用紙とドラムが長時間に亘って接触するような印刷用紙のジャミング(以下、紙ジャムという)が発生すると、仮に紙ジャムを起こした印刷用紙をドラムから取り除いたとしても孔版原紙の表面には多量のインクが残存する。そのため、紙ジャム後に印刷を再開すると、最初の数枚の印刷物には必要以上のインクが付着して良好な印刷物が得られないという事態が発生するという問題があった。
そこで、本発明は、紙ジャム解除後に印刷を再開した場合にその1枚目から良好な印刷物が得られる孔版印刷装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成する請求項1の発明は、回転自在で、且つ、インク不透過性部材で形成された外周壁を有し、この外周壁の表面に孔版原紙が装着されるドラムと、このドラムの前記外周壁の最大印刷エリアより印刷上流位置にインク供給口を有し、このインク供給口より前記外周壁の表面にインクを供給するインク供給手段と、給紙された印刷媒体を前記外周壁に押圧するプレスロールとを備えた孔版印刷装置であって、前記外周壁の表面をクリーニングするクリーニング機構を有し、前記印刷媒体のジャミングエラーが解除されると、前記孔版原紙を前記外周壁に巻き付けた状態で前記クリーニング機構によるクリーニング動作を実行するようにしたことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1記載の孔版印刷装置であって、前記クリーニング機構は、前記外周壁の表面に浮き出たインクを掻き取るブレード機構を備えたことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2記載の孔版印刷装置であって、前記クリーニング機構は、前記ブレード機構によって掻き集められたインクを吸引する吸引機構を備えたことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項3記載の孔版印刷装置であって、前記吸引機構の吸引ノズルは、前記外周壁の幅方向に移動自在に設けられたことを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項3記載の孔版印刷装置であって、前記ブレード機構は、外周壁の表面に当接するインクかき取り位置と、外周壁の表面から離間する離間位置との間で昇降可能であり、前記吸引機構の吸引ノズルは、前記ブレード機構と一体的に昇降することを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項3記載の孔版印刷装置であって、前記吸引機構で吸引したインクは、インク回収手段の回収容器に回収されるようにしたことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、紙ジャムによって孔版原紙の表面に浮き出たインクをクリーニング動作によって孔版原紙の表面から除去できるため、紙ジャム解除後に印刷を再開した場合にその1枚目から良好な印刷物が得られる。
請求項2の発明によれば、孔版原紙の表面に浮き出たインクを確実に除去できる。
請求項3の発明によれば、ブレード機構によって掻き集めたインクを吸引機構によって吸引するため、ブレード機構を常に綺麗に保持できる。
請求項4の発明によれば、多数の吸引ノズルを設置することなく、ドラムの幅方向に亘って掻き集めたインクを除去できる。また、ドラムの外周壁に掻き集めた残存インクとインク漏れ防止溝内の残存インクを同じ吸引ノズルで吸引できるため、吸引機構の構成を簡略化できる。
請求項5の発明によれば、吸引機構の吸引ノズルは、ブレード機構の移動側と共に外周壁の離接方向に移動する。従って、外周壁の離接方向に移動させるための吸引ノズルの移動手段を省略でき、構成を簡略化できる。
請求項6の発明によれば、回収したインクを再利用できる。また、インク回収手段で使用する回収タンクを、吸引機構の回収ドラムとして兼用することによって回収システムを簡素化できる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図7は本発明の一実施形態を示し、図1は孔版印刷装置の概略構成図、図2はドラムの斜視図、図3は図2中A−A線に沿う断面図、図4は図2中B−B線に沿う断面図、図5はブレード機構のブレード部がインク掻き取り位置に位置する状態を示す図、図6は吸引機構がブレード部に掻き集めたインクを吸引している状態を示す図、図7はクリーニング動作のフローチャートである。
図1に示すように、孔版印刷装置は、原稿読み取り部1と、製版部2と、印刷部3と、給紙部4と、排紙部5及び排版部6とから主に構成されている。
原稿読み取り部1は、印刷すべき原稿が載置される原稿セット台10と、原稿セット台10上の原稿の有無を検出する反射型の原稿センサ11,12と、原稿セット台10の原稿を搬送する原稿搬送ロール13,14と、この原稿搬送ロール13,14を回転駆動させるステッピングモータ15と、原稿搬送ロール13,14によって搬送される原稿の画像データを光学的に読み取り、これを電気信号に変換する密着型のイメージセンサ16と、原稿セット台10より排出される原稿を載置する原稿排出トレー17とを有する。そして、原稿セット台10に載置された原稿が原稿搬送ロール13,14によって搬送され、この搬送される原稿の画像データをイメージセンサ16が読み取るようになっている。
製版部2は、ロールされた長尺状の孔版原紙18を収容する原紙収容部19と、この原紙収容部19の搬送下流に配置されたサーマルヘッド20と、このサーマルヘッド20の対向位置に配置されたプラテンロール21と、このプラテンロール21及びサーマルヘッド20の搬送下流に配置された一対の原紙送りロール22,22と、プラテンロール21及び原紙送りロール22を回転駆動させるライトパルスモータ23と、一対の原紙送りロール22,22の搬送下流に配置された原紙カッタ24とを有する。
そして、プラテンロール21と原紙送りロール22の回転により長尺状の孔版原紙18を搬送し、イメージセンサ16で読み取った画像データに基づきサーマルヘッド20の各点状発熱体が選択的に発熱動作することにより孔版原紙18に感熱穿孔して製版し、この製版された孔版原紙18を原紙カッタ24で切断して所定長さの孔版原紙18を作製する。
印刷部3は、メインモータ25の駆動力によって図1の矢印A方向に回転するドラム26と、このドラム26の外周面に設けられ、孔版原紙18の先端をクランプする原紙クランプ部27と、ドラム26の表面にインクを供給するインク供給手段54と、ドラム26の表面の余分なインクを回収するインク回収手段73とを備えている。
また、印刷部3は、ドラム26の外周面に孔版原紙18が巻き付け装着されているか否かを検出する原紙確認センサ28と、ドラム26の基準位置を検出する基準位置検出センサ30と、メインモータ25の回転を検出するロータリエンコーダ31とを有する。基準位置検出センサ30の検出出力を基にロータリエンコーダ31の出力パルスを検出することによってドラム26の回転位置を検出することができるようになっている。
さらに、印刷部3は、ドラム26の下方位置に配置されたプレスロール35を有し、このプレスロール35はソレノイド装置36の駆動力によってドラム26の外周面に押圧する押圧位置と、ドラム26の外周面から離間する待機位置との間で変移可能に構成されている。プレスロール35は、印刷モードの期間(試し刷りを含む)にあっては押圧位置に常時位置され、印刷モード以外の期間にあっては待機位置に位置されるようになっている。
そして、製版部2から搬送される孔版原紙18の先端を原紙クランプ部27でクランプし、このクランプした状態でドラム26が回転されて孔版原紙18がドラム26の外周面に巻き付け装着され、ドラム26の回転に同期して給紙部4より給紙される印刷用紙(印刷媒体)37をプレスロール35でドラム26に巻装された孔版原紙18に押圧することによって印刷用紙37に孔版原紙18の穿孔からインクが転写されて画像が印刷されるようになっている。
給紙部4は、印刷用紙37が積層される給紙台38と、この給紙台38から最上位置の印刷用紙37のみを搬送させる1次給紙ロール39,40と、この1次給紙ロール39,40によって搬送された印刷用紙37をドラム26の回転に同期してドラム26とプレスロール35間に搬送する一対の2次給紙ロール41,41と、この一対の2次給紙ロール41,41間に印刷用紙37が搬送されたか否かを検出する給紙センサ42とを有する。1次給紙ロール39,40には給紙クラッチ43を介してメインモータ25の回転が選択的に伝達されるように構成されている。
排紙部5は、印刷処理された印刷用紙37をドラム26から分離する用紙分離爪44と、この用紙分離爪44によりドラム26から離間された印刷用紙37が搬送される搬送通路45と、この搬送通路45を印刷用紙37が通過するか否かを検出する紙ジャム検出センサSと、搬送通路45より排紙される印刷用紙37が載置される排紙台46とを有する。
紙ジャム検出センサSは、印刷部3で印刷された印刷用紙37が正しく搬送されて来るか否かを検出する。印刷後に所定時間経過しても紙ジャム検出センサSが印刷用紙37の搬送を検出しない場合には、印刷用紙37がドラム26に巻き付き、舞い上がりエラーが発生したと判定する。
排版部6は、ドラム26の外周面よりクランプ解除された孔版原紙18の先端を導き、この導いた使用済みの孔版原紙18をドラム26より引き剥がしながら搬送する排版搬送手段47と、この排版搬送手段47により搬送されて来る孔版原紙18を収納する排版ボックス48と、排版搬送手段47により排版ボックス48内に搬送されて来た孔版原紙18を排版ボックス48の奥に押し込む排版圧縮部材49とを有する。
次に、ドラム26、原紙クランプ部27、インク供給手段54及びインク回収手段73の構成を説明する。
図2〜図4に示すように、ドラム26は、装置本体H(図1に示す)に固定された支軸50と、この支軸50に各軸受51を介して回転自在に支持された一対の側円板52,52と、この一対の側円板52,52間に固定された円筒状の外周壁53とを備えている。この外周壁53は一対の側円板52,52と一体となってメインモータ25の回転力により回転駆動されるようになっている。また、外周壁53は、剛性を有し、且つ、インク56を通過させないインク不透過性部材にて形成されている。さらに、外周壁53の外周面にはテフロン(登録商標)加工のようなフッ素樹脂塗布加工が施され、凹凸のない円筒面に形成されている。
原紙クランプ部27は、外周壁53の支軸50の軸方向に沿って形成されたクランプ用凹部53aを利用して設けられている。原紙クランプ部27はその一端側が外周壁53に回転自在に支持され、図4にて仮想線で示すクランプ解除状態では外周壁53より突出するが、図4にて実線で示すクランプ状態では外周壁53より突出しないように設けられている。従って、原紙クランプ部27は、外周壁53上に突出することなく孔版原紙18をクランプすることができるようになっている。
この外周壁53は、図2、図4の矢印A方向に回転され、原紙クランプ部27より少し回転した位置が印刷開始ポイントとされている。従って、回転方向Aが印刷方向Mとなり、印刷開始ポイントより下方のエリアが印刷エリアとされる。この第1実施形態では最大印刷エリアはA3サイズの印刷が可能な領域に設定されている。そして、外周壁53の最大印刷エリアより印刷方向Mの上流位置にはインク供給手段54のインク供給口55が設けられている。
インク供給手段54は、図2〜図4に示すように、インクが溜められたインク容器57と、このインク容器57内のインクを吸引するインクポンプ58と、このインクポンプ58によって吸引されたインクを供給する第1パイプ59と、この第1パイプ59の他端が接続され、内部にインク通路60が形成され、且つ、180度対向位置に孔61が形成された支軸50と、この支軸50の外周側に回転自在に支持され、孔61に連通可能な連通孔62が形成されたロータリジョイント63と、このロータリジョイント63に一端が接続され、他端が外周壁53に導かれた第2パイプ64と、この第2パイプ64の他端側が接続され、外周壁53の表面に開口されたインク供給口55とから構成されている。
インク供給口55は、外周壁53の印刷直交方向Nに沿って形成されたインク供給用凹部と、この内部に配置されたインク分配部材68とを利用して形成されている。
インク回収手段73は、図2〜図4に示すように、外周壁53の最大印刷エリアより印刷下流位置に開口されたインク漏れ防止溝でもあるインク回収口72と、このインク回収口72に一端が接続された第3パイプ74と、この第3パイプ74の他端側が接続され、連通孔75が形成されたロータリジョイント63と、このロータリジョイント63が回転自在に支持され、連通孔75が接続可能な孔76a及び内部にインク通路76bが形成された支軸50と、この支軸50に一端が接続された第4パイプ77と、この第4パイプ77の途中に介在され、紙粉等をトラップするフィルタ80と、第4パイプ77の途中に介在され、第4パイプ77内のインク56を吸引するインクポンプ(例えば、トロコイドポンプ)78と、第4パイプ77の他端が接続された回収容器79とから構成されている。
インク回収口72は、外周壁53の印刷直交方向Nに沿って形成されたインク回収用凹部と、この内部に配置されたパイプ固定部材82とを利用して形成されている。ロータリジョイント63は、インク供給手段54のものと兼用されている。また、支軸50は、インク供給手段54のインク通路にも使用するため、2重パイプの構造になっている。
外周壁53の表面には、前記したインク供給口55及びインク回収口72と共に、一対のインク漏れ防止溝90,90とインク漏れ防止溝91が設けられている。一対のインク漏れ防止溝90,90は、脇漏れ防止用であり、最大印刷エリアSより印刷直交方向Nの左右外側位置にそれぞれ形成されている。インク漏れ防止溝91は、トップ漏れ防止用であり、最大印刷エリアSより上流のインク供給口55より更に印刷上流位置で、且つ、印刷直交方向Nに沿って連続的に形成されている。尚、インク回収口72は、エンド漏れ用である。
これらインク漏れ防止溝90,90,91とインク回収口72は互いのエッジ箇所で連通されており、インク漏れ防止溝90,90,91に流れ込んだインクは、インク回収手段73の吸引力によってインク回収口72に流れ込み、インク回収口72を介して回収されるようになっている。
また、孔版印刷装置は、外周壁53の表面をクリーニングするクリーニング機構CLを備えている。このクリーニング機構CLは、外周壁53の表面に浮き出たインクを掻き取るブレード機構7と、このブレード機構7によって掻き集められたインクを吸引する吸引機構8とから構成されている。
このブレード機構7は、図1、図4及び図5に示すように、装置本体H側に固定された駆動源であるソレノイド装置83と、このソレノイド装置83の出力ロッドに例えば段付きネジを介して揺動自在に支持されたブレード支持部材84aと、このブレード支持部材84aに支持されたブレード部84とを有する。
ブレード部84は、ソレノイド装置83の駆動によって昇降し、外周壁53に巻き付けられた孔版原紙18に当接して残存インクを掻き取るインク掻き取り位置(図4の仮想線位置、図5の実線位置)と外周壁53の表面より離間する待機位置(図4の実線位置、図5の仮想線位置)との間で変移する。ブレード部84のブレード支持部材84aがソレノイド装置83の出力ロッドに揺動自在に支持されることによって、ブレード部84はインク掻き取り位置では外周壁53の表面に倣って全幅方向に亘って当接する。また、ブレード部84は、少なくとも最大印刷エリアの幅以上の幅を有し、且つ、孔版原紙18の外周壁53の回転下流側の表面に対し90度未満の角度で当接するよう設定されている。ブレード部84の材質は、外周壁53及び孔版原紙18に傷を付け得ない軟らかい材質にて形成されている。好ましくは、撥水性の材質が望ましい。
吸引機構8は、ブレード部84の近傍に先端が配置された吸引ノズル85と、この吸引ノズル85を保持し、昇降部材であるブレード支持部材84aにスライド自在に支持されたスライダ86と、吸引ノズル85の一端が接続された第5パイプ87と、この第5パイプ87の他端が接続されたインクポンプ78とを備えている。
吸引ノズル85は、ブレード機構7のブレード部84と共に外周壁53の離接方向に移動する。そして、図6に示すように、ブレード機構7のインク掻き取り位置では、吸引ノズル85の先端は、外周壁53の近傍で、且つ、ブレード部84の方向に向かって開口されている。また、スライダ86は、ブレード支持部材84aに対してモータ(図示せず)の駆動力を利用して外周壁53の幅方向(印刷直交方向N)に沿って移動される。
インクポンプ78は、インク回収手段73のものが兼用されている。これによって、吸引ノズル85によって吸引されたインクは、インク回収手段73の回収容器79に回収されるようになっている。
次に、前記孔版印刷装置の動作を簡単に説明する。
まず、製版モードが選択されると、製版部2では、プラテンロール21と原紙送りロール22の回転により孔版原紙18を搬送し、原稿読み取り部1で読み取った画像データに基づきサーマルヘッド20の多数の発熱体が選択的に発熱動作することにより孔版原紙18に感熱穿孔して製版し、この製版した孔版原紙18の所定箇所を原紙カッタ24で切断して所望寸法の孔版原紙18を作る。
印刷部3では、製版部2で製版された孔版原紙18の先端をドラム26の原紙クランプ部27でクランプし、このクランプした状態でドラム26が回転されて孔版原紙18をドラム26の外周面に巻き付け着版する。
次に、印刷モードが選択されると、印刷部3ではドラム26が回転駆動されると共に、インク供給手段54及びインク回収手段73の駆動が開始される。すると、インクがインク供給口55より外周壁53に供給され、この供給されたインクが外周壁53と孔版原紙18の間に保持されると共に、プレスロール35が待機位置から押圧位置に変位される。
このドラム26の回転に同期して給紙部4では印刷用紙37をドラム26とプレスロール35との間に給紙する。給紙された印刷用紙37は、プレスロール35によってドラム26の外周壁53に押圧されると共に、ドラム26の外周壁53の回転によって搬送される。つまり、印刷用紙37は孔版原紙18に密着されつつ搬送される。
また、この印刷用紙37の搬送と並行して、ドラム26の外周壁53と孔版原紙18の間に保持されたインクは、プレスロール35の押圧力によってしごかれながら印刷方向Mの下流に拡散されると共に、この拡散されたインクが孔版原紙18の穿孔よりにじみ出て印刷用紙37側に転写される。これにより、印刷用紙37にはドラム26の外周壁53とプレスロール35の間を通過する過程でインク画像が印刷される。ドラム26の外周壁53とプレスロール35の間を抜けた印刷用紙37は、その先端側が用紙分離爪44でドラム26より剥ぎ取られ、ドラム26より離間された印刷用紙37は搬送通路45を介して排紙台46に排紙され、ここに積載される。
印刷動作中にあって、外周壁53の最大印刷エリアの下流に流出した余分なインクは、インク回収手段73のインク回収口72に流れ込み、インク回収口72に流入したインクは回収容器79に回収される。
設定印刷枚数の印刷が完了すると、ドラム26の外周壁53の回転が停止されると共に、インク供給手段54の駆動が停止される。これにより、外周壁53へのインク56の供給が停止される。インク供給手段54の停止より少し遅れてインク回収手段73の駆動が停止され、外周壁53に残った余分なインクがインク回収口72より回収される。また、プレスロール35が押圧位置から待機位置に戻される。以上の動作完了により、待機モードに入る。
新たな製版を開始する等によって排版モードが選択されると、ドラム26の原紙クランプ部27がクランプ解除位置に変位され、クランプ解除された孔版原紙18の先端側がドラム26の回転に伴って排版搬送手段47で導びかれ、排版ボックス48に収納される。以上によって、排版動作が終了する。
次に、上記印刷動作中に紙ジャム(印刷用紙37のジャミング)が発生した場合の動作を説明する。図7に示すように、印刷中に、紙ジャムが発生したことを紙ジャム検出センサS等によって検知すると(ステップS1)、プレスロール35を押圧位置から待機位置に直ちに変移し、印刷に関与する全ての動作を停止する(ステップS2)。そして、操作パネル(図示せず)に紙ジャム発生表示等の紙ジャム解除指令を出力する(ステップS3)。
操作者がジャミングした印刷用紙37を取り除く等の処理を行い、紙ジャムが解除されたことを確認すると(ステップS4)、クリーニング動作を実行する(ステップS5)。
クリーニング動作は、先ず、ドラム26が回転され、ブレード部84の真下位置にドラム26の原紙クランプ部27の直後位置が来ると停止する。次に、ブレード機構7のブレード部84が待機位置よりインク掻き取り位置に変移される。次に、ドラム26が回転駆動される。すると、孔版原紙18が巻き付けられた外周壁53の表面をブレード部84が回転上流側から回転下流側に移動する。これにより、ブレード部84が孔版原紙18の表面に浮き出たインクを下流側に掻き取りながら移動する。ブレード部84がドラム26のインク回収口72の真上位置まで来ると、ドラム26の回転が停止される。すると、孔版原紙18の表面側で掻き集められたインクは、図6に示すように、ブレード部84の近傍に溜まる。
次に、インクポンプ78の駆動が開始されると共に、吸引機構8の吸引ノズル85が外周壁53の幅方向に少なくとも1往復移動される。すると、吸引ノズル85は、ブレード部84によって掻き集められたインクを吸引しつつ移動する。吸引ノズル85に吸引されたインクは、回収容器79内に回収される。このようにして孔版原紙18の表面に浮き出たインクが回収される。
孔版原紙18の表面側のインクの回収動作が終了すると、ブレード機構7がインク掻き取り位置から待機位置に戻され、クリーニング動作が完了する。クリーニング動作が完了すると、印刷動作が再開される。
以上、本発明の孔版印刷装置では、孔版原紙18を巻き付けた状態の外周壁53をクリーニングするクリーニング機構CLを備えたので、紙ジャムによって孔版原紙18の表面に浮き出たインクをクリーニング動作によって孔版原紙18の表面から除去できるため、紙ジャム解除後に印刷を再開した場合にその1枚目から良好な印刷物が得られる。
上記実施形態では、クリーニング機構CLは、外周壁53の表面に浮き出たインクを掻き取るブレード機構7を備えているので、孔版原紙18の表面に浮き出たインクを確実に除去できる。
上記実施形態では、クリーニング機構CLは、ブレード機構7の他に吸引機構8を備えているので、ブレード機構7によって掻き集めたインクを吸引機構8によって吸引するため、ブレード機構7を常に綺麗に保持できる。
尚、上記実施形態では、クリーニング機構CLは、ブレード機構7と吸引機構8とから構成したが、孔版原紙18の表面に浮き出たインクを除去できる機構であれば良い。例えば、クリーニング機構CLは、孔版原紙18の表面に浮き出たインクを拭き取る洗浄布や洗浄ロールにて構成しても良い。
上記実施形態では、吸引機構8の吸引ノズル85は、外周壁53の幅方向に移動自在に設けられたので、多数の吸引ノズルを設置することなく、ドラム26の幅方向に亘って掻き集めたインクを除去できる。
上記実施形態では、吸引機構8の吸引ノズル85は、ブレード機構7の移動側であるブレード支持部材84aに搭載されたので、吸引機構8の吸引ノズル85は、ブレード機構7のブレード支持部材84aと共に外周壁53の離接方向に移動する。従って、外周壁53の離接方向に移動させるための吸引ノズル85の移動手段を省略でき、構成を簡略化できる。
上記実施形態では、吸引機構8で吸引したインクを回収容器79に回収したので、回収したインクを再利用できる。また、上記実施形態では、インク回収手段73の回収容器79を、吸引機構8の回収容器として兼用したため、回収システムを簡素化できる。
尚、ブレード機構7のブレード部84は、エアー圧によって残存インクを掻き取るエアブレードにて構成しても良い。
CL クリーニング機構
7 ブレード機構
8 吸引機構
18 孔版原紙
26 ドラム
35 プレスロール
37 印刷用紙(印刷媒体)
53 外周壁
54 インク供給手段
55 インク供給口
79 回収容器
84 ブレード部
84a ブレード支持部材(昇降部材)
85 吸引ノズル
7 ブレード機構
8 吸引機構
18 孔版原紙
26 ドラム
35 プレスロール
37 印刷用紙(印刷媒体)
53 外周壁
54 インク供給手段
55 インク供給口
79 回収容器
84 ブレード部
84a ブレード支持部材(昇降部材)
85 吸引ノズル
Claims (6)
- 回転自在で、且つ、インク不透過性部材で形成された外周壁を有し、この外周壁の表面に孔版原紙が装着されるドラムと、このドラムの前記外周壁の最大印刷エリアより印刷上流位置にインク供給口を有し、このインク供給口より前記外周壁の表面にインクを供給するインク供給手段と、給紙された印刷媒体を前記外周壁に押圧するプレスロールとを備えた孔版印刷装置であって、
前記外周壁の表面をクリーニングするクリーニング機構を有し、前記印刷媒体のジャミングエラーが解除されると、前記孔版原紙を前記外周壁に巻き付けた状態で前記クリーニング機構によるクリーニング動作を実行するようにしたことを特徴とする孔版印刷装置。 - 請求項1記載の孔版印刷装置であって、
前記クリーニング機構は、前記外周壁の表面に浮き出たインクを掻き取るブレード機構を備えたことを特徴とする孔版印刷装置。 - 請求項2記載の孔版印刷装置であって、
前記クリーニング機構は、前記ブレード機構によって掻き集められたインクを吸引する吸引機構を備えたことを特徴とする孔版印刷装置。 - 請求項3記載の孔版印刷装置であって、
前記吸引機構の吸引ノズルは、前記外周壁の幅方向に移動自在に設けられたことを特徴とする孔版印刷装置。 - 請求項3記載の孔版印刷装置であって、
前記ブレード機構は、外周壁の表面に当接するインクかき取り位置と、外周壁の表面から離間する離間位置との間で昇降可能であり、前記吸引機構の吸引ノズルは、前記ブレード機構と一体的に昇降することを特徴とする孔版印刷装置。 - 請求項3記載の孔版印刷装置であって、
前記吸引機構で吸引したインクは、インク回収手段の回収容器に回収されるようにしたことを特徴とする孔版印刷装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006190366A JP2008018559A (ja) | 2006-07-11 | 2006-07-11 | 孔版印刷装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006190366A JP2008018559A (ja) | 2006-07-11 | 2006-07-11 | 孔版印刷装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2008018559A true JP2008018559A (ja) | 2008-01-31 |
Family
ID=39074908
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006190366A Pending JP2008018559A (ja) | 2006-07-11 | 2006-07-11 | 孔版印刷装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2008018559A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012220551A (ja) * | 2011-04-05 | 2012-11-12 | Dainippon Printing Co Ltd | コントラスト向上シートの製造方法およびコントラスト向上シートの製造装置 |
-
2006
- 2006-07-11 JP JP2006190366A patent/JP2008018559A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012220551A (ja) * | 2011-04-05 | 2012-11-12 | Dainippon Printing Co Ltd | コントラスト向上シートの製造方法およびコントラスト向上シートの製造装置 |
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