JP2008018235A - 自律神経系の非侵襲的調節 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、排尿中の困難及びシャイ膀胱等の状態である複数の状態の治療において自律神経系の交感神経系構成要素と副交感神経系構成要素との間のバランスを調節する方法及び装置である。
【解決手段】熱、頚動脈及び/又は眼球マッサージの適用によって交感神経−副交感神経バランスを調節する方法及び装置に係り、排尿困難、シャイ膀胱症候群、DESD、尿閉、又は喉頭痙攣の症状を緩和するために、標的筋肉系において交感神経緊張を低減させるよう、あるいは副交感神経緊張を高めるようにされ、また、膀胱の状態に対する治療の有効性を監視すること、及び、身体の括約筋を介する医療機器の通過を助けること、また、鬱血性心不全を治療すること、が行われるようにする。
【選択図】図1
【解決手段】熱、頚動脈及び/又は眼球マッサージの適用によって交感神経−副交感神経バランスを調節する方法及び装置に係り、排尿困難、シャイ膀胱症候群、DESD、尿閉、又は喉頭痙攣の症状を緩和するために、標的筋肉系において交感神経緊張を低減させるよう、あるいは副交感神経緊張を高めるようにされ、また、膀胱の状態に対する治療の有効性を監視すること、及び、身体の括約筋を介する医療機器の通過を助けること、また、鬱血性心不全を治療すること、が行われるようにする。
【選択図】図1
Description
本発明は、自律神経系の非侵襲的調節(non−invasive modulation)に対する方法及び装置に係り、特には、筋緊張の交感神経制御と副交感神経制御との間のバランスを調節するための熱の使用に係る。
本発明の範囲を制限することなく、本発明の背景は、筋活動の自律神経系制御の調節に対する新しい方法及び装置に関連して記載される。自律神経系は、循環系、胃腸、泌尿器及び腸機能、体温調節、及び筋緊張を含む多くの重要な身体系を制御する。
自律神経系はまず、交感神経系及び副交感神経系を有する。特定の病気及び状態において、交感神経系制御と副交感神経系制御との間のバランスは、偶然に(casually)又は矯正の試み(attempted remediation)において関与される(implicated)。例えば、膀胱を満たすこと及び空にすること、又は「反射排尿(reflex micturition)」には、交感神経系及び副交感神経系のバランスが関わる。膀胱を満たすことは、膀胱頚部の内部不随意尿道括約筋(internal involuntary urethral sphincter)の収縮を引き起こすノルエピネフリンによるアルファアドレナリン作動性受容体の交感神経系刺激、並びにベータアドレナリン作動性受容体の交感神経系刺激により、膀胱の排尿筋の弛緩を求める。
反対に、膀胱を空にすることが達成されるのは、脳の皮質中枢が交感神経系刺激の阻害を誘発し、また、内括約筋及び外括約筋の弛緩並びに排尿筋の収縮をもたらすアセチルコリンを放出するよう副交感神経系を刺激する際、である。老化の結果であり、抑制(continence)に影響を及ぼす尿路の生理機能に対する変化には、更なる頻尿をもたらす低減された膀胱容量を有する膀胱弾力性における低減、及び、残尿をもたらす排尿筋の強度における低減が有される。
反射排尿は、前立腺肥大又は良性前立腺過形成(BPH)によって引き起こされるものを含む、下部尿路症状(LUTS)に関係される。LUTSは、高齢の男性においては大変一般的である。年齢40歳乃至80歳の男性に関するある調査において、54%は排尿するために夜間に少なくとも1回は起きる必要があり、47%は時々又は頻繁に終末時滴下を有するとし、30%は尿意切迫を経験し(しかしながら4%のみが緊迫性尿失禁を有した)、21%は排尿困難を経験し、19%は日中わずか2時間しか膀胱において尿を保持できない、とした。Sladden MJ外、A Community Study of Lower Urinary Tract Symptoms in Older Men in Sydeney、オーストラリア国、ANZ Journal of Surgery、2000年5月、第70巻、no.5、p.322−328(7)。
BPHは、男性において最も一般的な良性腫瘍であり、60歳時において全ての男性の半分、及び85歳までに90%において組織学的に確認され得る。その被膜内部の前立腺の寸法における肥大は、被膜を通る尿道に圧力をかけ、結果として尿量に障害をもたらす。前立腺が肥大する際、腺は、クランプ状に尿道を圧迫せざるを得ない。膀胱壁は、より厚く且つ過敏になり、より伸縮性がない故に容量が低減される。膀胱は、少量の尿を有する際にでも収縮し得、頻尿をもたらす。最終的に、膀胱は、弱体化し、完全に空にする能力を失う。膀胱における変形(strain)及び尿閉(urine retention)は、尿路感染症、膀胱又は腎障害、膀胱結石、及び失禁に繋がり得る。米国では、男性の約25%が80歳までにBPHの治療を受け、BPHに対して300,000件を超える外科的処置が毎年行われる(大半は経尿道的前立腺切除、TURPである)。
前立腺が大きく肥大していない(前立腺の病気ではない)排尿困難(hesitancy)の特定の場合においては、(不安及び他の要因による)過剰な交感神経系の緊張が存在する。結果的に尿路括約筋を弛緩させることができない1つの社会不安症候群は、「排泄恐怖症(paruresis)」(別称は、シャイ膀胱症候群(トイレ恐怖症、shy bladder syndrome)、羞恥膀胱症候群(bashful bladder syndrome、BBS)、羞恥腎臓、排尿恐怖症(pee−phobia)、尿恐怖症(urophobia)、及び心因性尿閉)であり、他人の存在下での排尿における困難によって特徴付けられる。BBSを有する個人は、排泄恐怖症患者(paruretics)と称される。米国国民のうち、男女を問わず7パーセント(7%)、又は1千7百万人もがこの症候群にかかり得、かかった個人は、膀胱を空にするよう自己導尿法を利用することを求められ得る。
過剰な交感神経系緊張による排尿困難を有する個人において、αアドレナリン受容体拮抗物質(アルファ遮断薬)によって交感神経系神経系の活動を弱めることは、治療において有益である。アルファ遮断薬は、特には膀胱頚部である膀胱の交感神経系緊張を低減することを目的とする。該薬はまた、頚部の緊張の弛緩が有用であり得る肥大した前立腺を有する患者を助け得る。BPHに関連付けられる症候群の治療に対して認可されているアルファ遮断薬には、テラゾシン(Hytrinとして市販)、ドキサゾシン(Carduraとして市販)、タムスロシン(Flomaxとして市販)、及びアルフゾシン(Uroxatralとして市販)である薬物が有される。かかる薬物の全ては、尿量を向上させるよう、また膀胱排尿障害を低減するよう、前立腺及び膀胱頚部の平滑筋を弛緩させることによって作用する。テラゾシン及びドキサゾシンは、最初は高血圧を治療するよう開発され、タムスロシン及びアルフゾシンはBPHを治療するよう特に開発された。アルファ遮断薬の使用が有する問題は、局所的状態を改善するために体全体が治療される、ということである。かかる薬物の各々は、使用制限的な副作用(use limiting side effects)を有し得る。
必要とされるのは、複数の状態の治療において自律神経系の交感神経系構成要素(component)と副交感神経系構成要素との間のバランスを調節する方法及び装置である。該治療には、過剰な交感神経系緊張によって顕わされる状態を緩和するようにのみ十分長く持続する、迅速抗交感神経効果(rapid anti−sympathetic effect)が有され、該状態には、排尿中の困難及びシャイ膀胱等の状態が含まれる。
本発明は、筋活動の自律神経系制御を調節するよう熱を使用する方法及び装置に対して方向付けられる。制御された熱の適用は、誘発された一酸化窒素の局所的生成における増大を介することを含めて、交感神経系−副交感神経系バランスをシフトすることによって血管拡張を誘発する。したがって、本発明の許容熱療法は、一酸化窒素の生成の増大が必要とされる状態において適用される。本発明の一実施例において、方法及び装置は、排尿困難、シャイ膀胱症候群、DESD、尿閉、又は喉頭痙攣である症候群を和らげるよう、標的筋肉系(target muscle system)において交感神経系緊張を低減する、あるいは副交感神経系緊張を増大するよう熱を与えることによって、体内の標的筋肉系の活動を調節するよう与えられる。本発明の他の実施例において、自律神経系は、心不全の治療において末梢血管抵抗を減少させるよう調節される。
排尿困難の治療における一実施例では、熱は、副交感神経系の活動における急速一過性上昇に対して使用される。熱による交感神経系活動の一過性の阻害は、特には指先等である最大交感神経系支配を有する範囲において局所的(会陰)又は全身的に熱を適用することによってもたらされる。
一実施例では、熱の適用は、短期間であり、筋弛緩を誘発し排尿を助けるよう、許容熱に対する皮膚の露出を介して筋弛緩を誘発することによって、排尿困難の低減及び尿量の上昇における急性効果に対して設計される。
他の短期間の急性適応(acute indication)において、熱の適用は、カテーテル法又は外科手術後の尿閉の治療における急性効果に対して設計される。それによって、括約筋弛緩及び排尿筋収縮は、排尿を助けるよう許容熱に対して皮膚を露出することを介してもたらされる。他の実施例では、熱は、ジアテルミーによって与えられる。
他の実施例では、熱は、括約筋を介する器具の通過を伴う医療処置と併せて利用され、かかる通過は、局所的又は局部的な加熱によって誘発される熱誘発副交感神経反応を介して括約筋を拡張することによって促進される。
特定の実施例では、熱は、標的筋肉系に対して近位にあるいは近接して適用され、他の実施例では、熱は、標的筋肉系における効果を有する全身性抗交感神経効果を作るよう局部的に又は遠位に適用される。特定の実施例では、熱は、着用可能な器具によって与えられる。該器具は、所望される解剖学的位置に置かれるよう寸法を採られる加熱可能な挿入物又はパッドを有し得、衣類においてあるいは衣類に関連付けられて配置される。該衣類には、下着、ガーター型ベルト、手袋、靴下、靴、頭部バンド、帽子、鼻ヒーター(nose heaters)、フェイスマスク、ヘルメット、スカーフ、ジャケット、ベスト、及び全体又は部分的ボディスーツが有される。該装置は、加熱素子、加熱素子に対して接続される加熱コントローラ、及び、加熱素子に対する動力源を有する。あるいは、熱は、マイクロ波放射による誘導材料(condusive materials)の化学反応又は刺激によって与えられる。
他の実施例では、熱は、標的筋肉系に対して局所的、局部的、及び/又は遠位に熱を運ぶ洗面又は化粧室用固定具(plumbing or bathroom fixture)等である非着用型又は携帯用固定具によって与えられる。器具は、放射熱、温風、温かいハンドホールド(warm hand hold)、ヒートスルー加熱ラップ、パッド、及びブランケットに対して適合され得る。
特別に適合される加熱パッドは、便器上に座る人の上方脚部に適合するよう与えられる。
任意で、加熱は、アルファ遮断薬、ベータ遮断薬、ACE変換酵素阻害剤、ムスカリン性受容体拮抗物質、及びそれらの組合せを有する薬物を有する治療等である薬理的なアプローチと併せて使用され得る。他の実施例では、加熱は、1つ又はそれより多い追加的な非薬理学的技術と併せて利用される。該非薬理学的技術には、標的筋肉系における局所的ANS活動を増大させるよう使用される電気、磁気及び/又は電磁気神経修飾(neuromodulating)装置を有する刺激、眼球マッサージ(ocular message)、頸動脈マッサージ、及び/又は、制御される音響/視覚入力が有される。
一実施例では、装置は、頚動脈洞反射を制御可能に有するよう与えられ、一方又は両方の頚動脈洞に対して圧迫を与えるよう寸法を採られる少なくとも1つのパッド、及び、1つ又はそれより多い洞(sinuses)に対して1つ又はそれより多いパッドを保持するバンドを有する。該パッドは、任意で、制御可能な加熱素子及び/又は制御可能な振動素子を有し得る。他の実施例では、装置は、眼球圧迫を制御可能に与えて平滑筋弛緩を誘発する副交感神経系反応を誘発するよう、与えられる。該装置は、双眼ハウジング(binocular housing)、及び、各ハウジングにおいて位置付けられ且つ両眼球に対して圧迫を与えるよう寸法を採られるパッドを有する。
他の実施例では、方法及び装置は、筋肉の弛緩を引き起こすよう十分な管腔内(intraluminal)局所加熱を送ることによって膀胱頚部等における括約筋の筋を弛緩するよう与えられる。管腔内局所加熱は、少なくとも1つの加熱可能な部分を有する膀胱鏡又はカテーテルによって与えられ得る。あるいは、膀胱を空にするよう十分である副交感神経系刺激は、外部源からのRF、電磁気、超音波、又はマイクロ波放射に応じて異なって(differentially)加熱する装置を実行することによって、与えられる。区別を付けることによって、装置は、組織の応答性加熱(responsive heating)を超える範囲まで外部刺激に応じて加熱する、ことが意味される。
他の実施例では、方法及び装置は、例えば交感神経系刺激体(stimulator)の前、その間、及びその後に、指先及び/又はつま先において熱を連続的にプローブするマルチチャンネル熱監視機器の使用を介して、交感神経系過反応性を評価するよう与えられる。他の実施例では、方法及び装置は、排尿困難に対する薬物療法を有する治療の有効性を評価するよう、並びに、時間に対する容量によって排尿量を確定することによって利尿及び膀胱機能に関する治療の効果を評価するよう、与えられる。
本発明の他の実施例では、方法及び装置は、心不全の兆候の治療において末梢血流に対する低減された抵抗及び血管拡張をもたらすよう、一酸化窒素の局所的生成においてもたらされる増大を介することを含み(including through the induced increase)、交感神経系−副交感神経系バランスをシフトするための熱の使用に対して与えられる。熱は、下着、手袋、靴下、靴、ヘルメット、スカーフ、ジャケット、ベスト、及びボディスーツ等である着用可能な器具又は衣類によって与えられる。
特性及び利点を含んだ本発明のより完全な理解に対して、これより、添付の図面に沿って本発明の詳細な記載が参照される。
本発明は、体内の所望される平滑筋細胞の活動及び性能を調節するよう交感神経系刺激を低減するあるいは副交感神経系刺激を増大させる、方法及び手段を開示する。筋細胞は、膀胱頚部括約筋、肛門/直腸の括約筋、及び眼における毛様括約筋(ciliary sphincter)(別称、各毛細血管入口において平滑筋の細動脈括約筋帯)等の括約筋においてある。筋細胞はまた、前毛細血管括約筋状細動脈の平滑筋細胞、及び、腸等の管腔器官の平滑筋壁であり得る。
ここに開示される通り、方法及び装置は、必要に応じて、交感神経系緊張を低減するか、あるいは副交感神経系緊張を増大させるために加熱するよう、あるいは局所的及び/又は局部的に暖めるよう、与えられる。本発明によれば、熱は、少なくとも2つの方途において使用される。一実施例においては、局所的熱は、一酸化窒素によって部分的に介在される局所的抗交感神経効果を作り、他の実施例では熱は、局部的又は全身的な副交感神経反射反応を刺激するよう使用され、遠位に適用される熱が標的組織において抗交感神経効果を作るようにする。
ここに開示される通り、熱は、主に解剖学的反射体に基づく局部的及び一過性調節に対してANSを調節する非薬理学的技術と組み合わせられ得る。かかる非薬理学的技術は、局所的ANS活動を増大させるよう使用される、非侵襲性の磁気又は電磁気の神経調節装置を有し得る。他の実施例では、薬理学的アプローチは、低減された副作用を有するより低い投与量を可能にする加熱と組み合わされる。
本発明の多種の実施例を作ること及び使用することが以下に詳細に記載される一方、本発明は、交感神経系−副交感神経系バランスを調節することが所望される多種多様の特定の状況において用いられ得る多くの適用可能な発明的概念を与える、ことが理解されるべきである。ここに記載される特定の実施例は、本発明を作る及び使用する特定の方途の単なる例示であり、本発明の範囲を定めるものではない。
本発明の理解を容易にするよう、複数の用語は以下の通り定義付けられる。ここで定義付けられる用語は、本発明に関連する分野における当業者によって一般的に理解される意味を有する。単数形を表わす冠詞及び定冠詞等の用語は、単数の存在のみを示すよう意図されず、特定の例が例証に対して使用され得る一般的な分類を有する。本願中の専門用語は、本発明の特定の実施例を説明するよう使用され、その使用法は、請求項中に概説されるものを除いて、本発明の範囲を制限するものではない。
<略語>: 以下の略語は、本願中に使用される:
ACh アセチルコリン
ANS 自律神経系
BPH 良性前立腺過形成
CSH 頚動脈洞過敏症
(L−NAME) NG−ニトロ−L−アルギニン・メチル・エステル(NO シンターゼ阻害剤)
LUTS 下部尿路症候群
NO 一酸化窒素
NOS 一酸化窒素シンターゼ
PAT 発作性心房頻拍症
SBS シャイ膀胱症候群
SNP ニトロプルシドナトリウム
ACh アセチルコリン
ANS 自律神経系
BPH 良性前立腺過形成
CSH 頚動脈洞過敏症
(L−NAME) NG−ニトロ−L−アルギニン・メチル・エステル(NO シンターゼ阻害剤)
LUTS 下部尿路症候群
NO 一酸化窒素
NOS 一酸化窒素シンターゼ
PAT 発作性心房頻拍症
SBS シャイ膀胱症候群
SNP ニトロプルシドナトリウム
「排尿困難」という語はここでは、尿の流れを開始する際の困難、あるいは、尿の流れの遅い又は遅れた開始のことを指す。
「括約筋」は、環状筋であり、自然な身体の通路又は開口部の狭窄を正常に保持し、正常な生理機能に対して求められる弛緩を可能にするものである。人体には複数の異なる括約筋があり、その例には、肛門の2つの括約筋、胃の上方部分における噴門括約筋、胃の下方部分における幽門括約筋、膀胱を制御して空にする尿道括約筋、肝臓、膵臓及び胆嚢からの十二指腸への分泌を制御するオッディの括約筋(別称、グリッソン括約筋)、及び、眼内の毛様体括約筋が有される。「前毛細血管括約筋(precapillary sphincter)」又は「細動脈括約筋(arteriole sphincter)」という語は、細動脈及び毛細血管の接合部において、また各毛細血管入口において、帯状の平滑筋(band of smooth muscle)を示す。
「ジアテルミー」という語は、治療目的に対して、皮下組織、深筋、及び関節における皮膚の下方における深部加熱の制御された生成を意味する。市販されている近年のジアテルミー機器は、高(ラジオ)周波数、マイクロ波、又は超音波エネルギーを使用することによって深部加熱を生成する。近年の超音波ジアテルミー機器は、0.8乃至1MH Zの周波数範囲において作動し、音響振動によって熱を発生させる。高周波数(r.f.)ジアテルミーは、米国連邦通信委員会によって27.12MH Z(短波)の作動周波数を割り当てられる。マイクロ波ジアテルミーは、作動周波数として915MH Z及び2450MH Zを割り当てられる(これらは電子レンジ周波数でもある)。米国食品医薬品局の現在の非公式な見解では、ジアテルミー機器は、20分を超えることなく2インチの深さにおいて最低華氏104度乃至最高華氏114度の組織における熱を生成することができるべきである。RF加熱は、誘電体又は誘導的な方法によって行われ得、該機器の物理的構造は、所望される超音波、MW又はRF方法に依存する電気光学の原理に従って設計され得る。
ここで使用される通り、「着用可能な器具」という語は、所望される解剖学的位置に置かれるよう寸法を採られる加熱可能な挿入物又はパッドであり、単独型器具、衣類において配置される器具、及び衣類に関連付けられて使用される器具を有する。衣類と関連付けられて使用される器具には、内側に着用される器具、及び衣類の外側に着用される器具が有される。着用可能な器具はまた、例えばポケットに対するハンドウォーマーのように携行されるよう寸法を採られ得る器具を有する。ここで使用される「非着用型」器具という語には、化粧室又は設備に置かれ得、個人に取り付けられるかあるいは移動中に個人が携帯するようには寸法を採られない、固定具及び/又は携帯用機器が有される。
ここで使用される通り、「近位」という語は、最も近い又は近接する、という意味である。故に、膀胱に対して近位である範囲及び組織には、排尿筋及び膀胱頚部の筋に加えて、会陰及び恥部が有される。局部的又は局所的という語は、一般的な近傍を意味する。故に、ここで使用される通り、膀胱の「局所的」加熱は、膀胱に対して近位の範囲の加熱を有し得、更には、鼠径部、下腹部、及び上方内側大腿範囲における加熱を有し得る。本発明の文脈中の「遠位」という語は、近位の反対を意味し、記載される構造から離れた距離にあることを意味する。膀胱に対して遠位範囲は、顔、手、及び足等を制限的ではなく有する。
ここで使用される通り、「所望される際」という語は、関連する機能が所望される時点を含むことを示す。
温度、食物摂取量、及びストレスの多い経験を含む環境的現象における変化に応じて、両方の系からの求心性神経は、脳の視床下部、橋(pons)、及び骨髄における中心を制御するよう、身体の外面、循環系、筋肉、及び器官からのインパルスを伝達する。かかる中心から、遠心性インパルスは、副交感神経系及び交感神経系によって身体の全ての部分に対して伝達される。典型的には、かかる反応は、概して無意識の自動又は反射反応である。
副交感神経系インパルスは、複数の仙骨神経に加えて、脳神経番号3,7,9及び10(迷走神経)を介して伝達される。交感神経インパルスは、脊椎に沿って交感神経体(神経節)まで脊髄を下って伝達される。該脊椎からインパルスは、血管に伴う経路において他の神経体(ニューロン)まで移動する。交感神経系及び副交感神経系はいずれも、2つの群の運動ニューロンを有する。該ニューロンは、CNSにおいて生じ、効果器官組織及び器官までに及ぶ、節後ニューロンに対してシナプスを介して接続する神経節まで及ぶ、節前ニューロンである。
アセチルコリン(ACh)は、節前交感神経ニューロンの神経伝達物質である。AChの放出は、節後ニューロンにおける活動電位を刺激し、神経伝達物質ノルアドレナリン(別称、ノルエピネフリン)が最終的に放出される。ノルアドレナリンは、興奮性である場合と、阻害性である場合がある。故に、ノルアドレナリンの放出は、心拍及び血圧における上昇、瞳孔、気管、及び気管支の拡張、肝臓におけるグリコーゲンのグルコースへの変換、皮膚及び内臓から骨格筋、脳、及び心臓までの血液のシャント(shunting)、胃腸(gastrointestional)蠕動の阻害、並びに、膀胱及び直腸の収縮の阻害を刺激する。交感神経系の効果とは反対に、副交感神経系刺激は、心拍の減速、血圧の低下、瞳孔の収縮、皮膚及び内臓までの血流の増加、GI管の蠕動、及び膀胱の収縮を引き起こす。交感神経系と同様に、AChはまた、シナプス前副交感神経ニューロンに対する神経伝達物質である。対照的に、AChはまた、多くの節後副交感神経系ニューロンに対する神経伝達物質である。しかしながら、複数の節後ニューロンは、その神経伝達物質として一酸化窒素(NO)を放出する。かかるニューロンにおいて、NOは、シトルリンに対するL−アルギニンのNOS仲介変換によって形成される。一度生成されると、NOは、生場所から比較的離れて効果を顕在化させることができる拡散性の高い因子(agent)である。拡散の結果、NOの源は、その濃度の決定要因であり、また生物学的作用を確定する主なファクターである。低濃度では、NOの直接の効果が優位を占める(predominate)。NOの原理的な直接の効果は、環状グアノシン3’5’−モノリン酸塩(cGMP)のレベルを上昇させるための可溶性グアニル酸シクラーゼの活性化である。cGMPは、収縮性プロテイン活動を調整するイオンチャネル、ホスホジエステラーゼ(PDEs)、及びプロテインキナーゼの修正された活動を介して弛緩を誘発するよう、第2のメッセンジャーとして作用する。
一酸化窒素は、下部尿路における平滑筋弛緩に関与する一次神経伝達物質であり、故に膀胱機能の調整において重要な仲介物(critical mediator)である。刺激に対して弛緩を引き起こす副交感神経系ニューロンを有する一酸化窒素シンテターゼ(NOS)は、前立腺、尿道、及び膀胱を濃密に満たす。しかしながら、神経を有するNOSの密度は、膀胱の頚部又は排尿部において最も高い。膀胱を空にしている間又は排泄中、コリン作用性副交感神経は、膀胱頚部及び近位尿道の平滑筋の弛緩を誘発する。
一酸化窒素(NO)は、NOシンテターゼの局所的阻害が皮膚局所的血流の阻害をもたらした一方で、ニトロプルシドナトリウムであるNO供与体(donor)の局所的血流が最大の局所的皮膚血流をもたらしたことに基づき、熱の全身的適用によって誘発される皮膚能動的血管拡張に関与する、と示されてきている。DL Kellogg Jr., CG Crandall, Y Liu, N Charkoudian,及びJM Johnson著、「Nitric oxide and cutaneous active vasodilation during heat stress in humans」、J Appl Physiol 85 (1998) 824−829が参照される。同様に、NOは、熱の局所的適用に応じて血管拡張を仲介する、ことが分かった。DL Kellogg Jr., Y Liu, IF Kosiba,及びD.O’Donnell著、「Role of nitric oxide in the vascular effects of local warming of the skin in humans」、J Appl Physiol 86 (1999) 1185−1190が参照される。反対に、局所的冷却は、ノルエピネフリンを放出するよう交感神経を活性化させるよう低温感受性求心性神経を誘発し、局所的皮膚血管収縮に繋がる。JM Johnson, TC Yen, K Zhao, 及びWA Kosiba著、「Sympathetic, sensory, and nonneuronal contirbutions to the cutaneous vasoconstrictor response to local cooling」、J Physiol Heart Circ Physiol 288 (2005) H1573−1579が参照される。
本発明によれば、熱は、より低い交感神経系活動に対するバランスのシフトが所望される多種の病状において、迅速なあるいは一過性の交感神経系活動の低減、又は副交感神経系の活動の増大に対する治療として使用される。熱は、局所的又は全般的(全身的)、一過性、又は長期にわたるものであり得る。
本発明の一実施例では、薬理学的(薬物)アプローチは、加熱と併せられる。しかしながら、この組合せにおいて、薬物は、最初の適応(primary indication)に対して与えられるより更に少ない投薬量において効果的であると予期され、それによって副作用を低減する。特には膀胱頚部である膀胱の交感神経緊張を低減するアルファ遮断薬(αアドレナリン受容体拮抗物質)は、特には加熱療法と併せて有用であり得る。BPHに対して既に認可されているα遮断薬には、テラゾシン(Hytrinとして市販)、ドキサゾシン(Carduraとして市販)、タムスロシン(Flomaxとして市販)、及びアルフゾシン(Uroxatralとして市販)である薬物が有される。他の潜在的に有用である薬物には、過剰な交感神経系活動を低減する、プロプラノロール(Inderol)等であるベータアドレナリン受容体遮断剤(ベータ遮断薬)、及びアンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤が有される。
副交感神経系として同一の効果をもたらす仲介物は、副交感神経系の最も一般的な神経ホルモンであるアセチルコリンと同一の効果を生成するため、「コリン作用性薬物」と称される。膀胱の頚部の弛緩を目的とする副交感神経型に有意な働きをするよう予期される、直接作用するコリン作用性薬物の例は、平滑筋刺激に原則的に関与するムスカリン性受容体の拮抗物質を有する。活動に対する副交感神経系をムスカリン性受容体拮抗物質には、カルバコール(即ち、典型的には緑内障の治療に対して使用される、Miostat(登録商標)、なんらかのニコチン様活性(nicotinic activity))、アレコリン(ニコチン性受容体の拮抗物質)、塩化ベタニコール(Urecholine(登録商標、より少ない心臓血管への影響及び長い寿命(longer−half−life)を有する経口服用可能剤)等であるコリンエステルが有される。臨床的に使用可能である、直接的ムスカリン性受容体拮抗物質であるアルカロイドは、ピロカルピン(即ち、Akarpine(登録商標)、典型的には緑内障を治療するよう使用されるムスカリン性選択剤)を有する。
ムスカリン性受容体拮抗物質として機能する(アセチルコリンステラーゼを阻害し、それによってアセチルコリンの破壊を低減することによって作用する)間接的に作用するコリン作用性の例は、塩化アンベノニウム(Mytelase)、塩化エドロホニウム(Tensilon)、ピリドグスチミナ(piridogstimina)(Mestinon)、ネオスチグミン(Prostigmine)、及びフィゾスチグミン、を有する。一実施例では、麻酔クリームによる局所知覚神経遮断も、血管拡張及び副交感神経系弛緩を促すよう用いられ得る。
本発明の他の実施例では、加熱治療は、交感神経緊張を低減し、副交感神経緊張を増大させる他の非薬理学的方法と組み合わされ、該方法には例えば、精神的弛緩、光及び音のアブレーション(ablation of light,sound)、及び全ての他の確立された方法が有される。一実施例では、特殊な加熱機器は、ヨガ運動又は生体自己制御法等であるトレーニング運動を組み合わされる。他の実施例では、知覚入力は、ANSに対して与えられ、環境からの交感神経刺激音響視覚入力を遮断し、且つ瞬間的な弛緩をもたらす例えばヘッドセット又はヘルメットを介する音響視覚入力が有される。ヘッドセットは、リラックスする音響入力(流れる水の音を含む)及び/又は減光を与えるよう適合され得る。かかるヘッドセット又はヘルメットは、特には交感神経によって大変刺激される耳を穏やかに加熱する加熱能力を備えられ得る。ANS変調の所望のレベルに到達する個人の要求は幅広く変化する、ことが見込まれる。故に、アプローチの組合せは、高いアドレナリン作動を有する特定の個人に対して求められ得、加熱に加えて、制御された音響/視覚入力、薬理療法、及び、電気、磁気、又は電磁気機器による刺激のうち1つ又は2つを有する。一実施例では、全体又は部分的ボディスーツは、交感神経活動を低減するようANSを調節するよう複数の加熱領域を備えられる。ANS不均衡が深刻である患者には、恒常的又は周期的にこれを使用することが有益であり得る。臨床的状況において不安を迅速に低減するよう代替が使用され得る。薬理学的方法との組合せは、医師又は医療専門家によって選択され得る。
更には、ANSを調節する非薬理学的アプローチは、本願中に開示される加熱療法と組合せ可能である。かかるアプローチは、主に神経系の局部的及び一過性の直接刺激に対するものであるが、全身的適用も有する。かかる非薬理学的技術は、仙骨神経を有する所望の神経の局所的電気又は磁気刺激に対して適合される装置を含む、電気、磁気、又は電磁気機器を有し得る。刺激は、加熱療法と併せて交感神経反応より副交感神経反応を増大させるよう個々の患者において調節及び調整される。
以下の例は、開示を完全なものとする目的で、本発明の構成及び合成を作る方法を例示するよう、並びに構成の特定の特徴を示すよう、有される。かかる例は、本開示の範囲又は教示を制限するようにはいかようにも意図されない。
<尿路の副交感神経刺激>:本発明の一実施例では、方法及び装置が与えられ、排尿困難、シャイ膀胱症候群、DESD、及び尿閉の緩和に対して、膀胱の頚部を解放し、且つ膀胱を空にすることを可能にするために副交感神経系を刺激するよう、熱を使用する、方法及び装置が与えられる。
下部尿路を支配する遠心性及び求心性神経経路は、3セットの末梢神経、骨盤神経叢を介して動く仙骨副交感神経、交感神経鎖神経節を介して動く胸腰交感神経、及び、仙骨体性又は陰部神経を有する。交感神経経路は主に、排尿筋の収縮を弛緩させること、及び尿路括約筋の収縮を刺激することによって、膀胱を阻害する。排泄は、尿管蠕動を増大させ、膀胱の排尿筋の収縮を引き起こし、膀胱頚部の括約筋を弛緩させるよう、興奮性入力を与える副交感神経系経路の刺激、及び交感神経系経路の抑制に関与する。体性経路は、原則的に、外部尿道口筋を刺激する
一実施例では、交感神経緊張における一時的な阻害又は低減は、排尿困難の治療に対して適用される。尿閉(膀胱における残尿)の低減に、同一のものが適用される。尿閉は、尿路感染を含む悪い結果に関連付けられている。一実施例では、局所的加熱は、NOの局所的生成を刺激するよう鼠径部又は会陰の1つ又はそれより多い範囲において与えられる。該NOは、続いて局所的且つ一過性に作用し、膀胱の排尿筋の収縮を刺激するよう、並びに、排尿困難を低減し、尿量を増大させ、膀胱中の残尿を減少させるよう頚部を更に解放する助けをする。
一実施例では、交感神経緊張における一時的な阻害又は低減は、排尿困難の治療に対して適用される。尿閉(膀胱における残尿)の低減に、同一のものが適用される。尿閉は、尿路感染を含む悪い結果に関連付けられている。一実施例では、局所的加熱は、NOの局所的生成を刺激するよう鼠径部又は会陰の1つ又はそれより多い範囲において与えられる。該NOは、続いて局所的且つ一過性に作用し、膀胱の排尿筋の収縮を刺激するよう、並びに、排尿困難を低減し、尿量を増大させ、膀胱中の残尿を減少させるよう頚部を更に解放する助けをする。
加熱/暖めによる弛緩に対する方法は、筋の弛緩をもたらす最大耐量点まで強度において上昇する穏やかな加熱を使用することを有する。特定の実施例では、恥部、鼠径部、及び/又は会陰に対する局所的加熱は、個人が膀胱を空にすることを望む際に必要に応じて局所的及び/又は局部的熱を与える、衣類等である着用可能な器具を介して与えられる。
一実施例では、非侵襲性加熱可能な機器は、局所的弛緩を誘発するよう標的体において加熱に影響を与える場所における配置に対して寸法を採られる。標的体は、例えば膀胱頚部である交感神経によって支配される身体におけるいずれかの括約筋であり得る。一実施例では、加熱方法は、電気加熱コイル等による従来通りのものであるか、あるいは、超音波、マイクロ波(MW)、及び/又は高周波(RF)のエネルギーによって与えられる。特には、超音波、マイクロ波(MW)、及び/又は高周波(RF)の一実施例において、ジアテルミーは、皮膚を損傷することなく皮膚表面から2インチまで深部加熱を生成するよう用いられる。超音波ジアテルミーは、組織に対して高周波音響振動を与える一方、MWジアテルミーは、熱的効果を生成するよう処置される組織内において高い極性の分子の分子内振動を誘発するよう比較的低い磁場エネルギーを有する強い電場を適用する。RFジアテルミーは、短波長、高周波電磁場の適用に関与する。電磁場は、向きにおいて垂直又は長手方向であり得る。垂直の電場機器は、従来は医療用RFジアテルミー機器において利用されてきたが、低エネルギー長手方向電場(longitudinal fields)が可能である機器も使用可能であり(即ち、Selicor Brand Selitherm機器)、本発明に対して適用可能である。
本発明の一実施例では、加熱は、遠赤外線によって与えられる。皮下組織に対して熱を与えることができるかかる要素の市販されているものは、例えば、遠赤外線(FIR)加熱素子を有する(Challeng Carbon Technology Co.,社、台湾)。かかる素子は、その平坦な形状及び折畳み可能で耐久性があり且つ水洗い可能な特性により、FIR加熱衣服に対して適している。衣服における使用に対して与えられる素子は、リチウムイオン電池、温度コントローラ、及び、設定された上方レベルに従って急速に加熱するよう与えられる1つのコントローラにおいて一体にされるOCP(過充電プロテクタ)、を有する。
本発明の一実施例において、加熱は、電磁気ベースであり、また、金属合成物等である装置の構成部品を選択的に加熱することによって達成される。あるいは、合成物は、超音波による加熱に敏感である合成物であり得、例えば超音波によって優先的に加熱するよう当業者によって選択可能である高分子等であり得る。高分子は、望ましくは、その音響インピーダンスが組織を取り巻く音響インピーダンスを超え、故に高分子構成要素を優先的に加熱する、という特徴を有する。この点において有用である高分子の例は、加熱速度、並びに可撓性及び安定性等の有益な特徴を最適化する、シリコン、ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリウレタン、及びそれらの組合せを有する。この実施例では、高分子構成要素の1つ又はそれより多くの層又は挿入物は、遠隔又は局所的超音波トランスデューサーによって加熱される。
鼠径部を加熱する場合、図1A及びBにおいて示される通り、着用可能な製品80は、加熱下着であり得るか、又は通常の下着に置かれ得る機器であり得る。着用可能な製品80は、電源90、及びオン−オフコントロール92を有し得る。コントロール92及び電源90は、1つ又はそれより多いリード線94によって加熱素子100に対して接続される。暖めは、制御され、耐性閾値に達するまで、あるいは所望される効果が得られるまで、徐々に上昇する。機器コントローラは、最高温度設定を与え、患者が機器をオンにし得るようにし、また暖めは、最高に達するまで徐々に上昇し、アップ、ダウン、又はオフにされるまでこの温度において安定を保つようにされる。
他の実施例では、下着型衣類は、加熱可能な挿入物を保持するよう寸法を採られるパウチを有して与えられる。挿入物は、加熱ゲル、酸化鉄、又は化学反応によって熱を作り、且つある長さの時間熱を発することができる他の材料によって加熱され得る。あるいは、挿入物は、マイクロ波オーブン等におけるマイクロ波照射によって加熱され得る。膀胱からの排泄、又は他の副交感神経刺激が所望される際、挿入物は加熱され、膀胱の上方の下腹部を温め、それによって膀胱の筋の副交感神経弛緩を与えるよう、パウチへと置かれる。
図1A及びBは、加熱機器の一実施例を示す。加熱素子100は、患者の会陰110に対して置かれるよう寸法を採られ、生成される熱が尿道114の近くの組織に作用するようにし、それによって尿道の平滑筋の付随弛緩を有するNOの副交感神経解放を誘発し、膀胱70が空にされ得る。一実施例では、該機器は、下着に関連付けられて着用されるか、あるいは下着において配置され、本願では該下着には、ガーター、ストッキング、運動用サポーター、及びガードル型衣類が有される。
そこに位置付けられる機器は、ブタン又はプロパンヒーター、電気エネルギー(赤外線)等である可燃性エネルギー源を介して加熱可能であり得る。電力は、着用可能な電源を介して運ばれ得、必要に応じて熱を引き起こし得る。
他の着用可能な装置の多様性は、例えば図2中に示される実施例を含んで本発明に従って想定される。図2A及びBにおいて、特に男性患者に対して適する機器は、睾丸に対する熱の適用を避けるよう与えられる。該機器は、図2A中にある通り単独型機器であり得るか、あるいは図2B中にある通り衣類へと組み込まれ得る。他の図C−F中の実施例は、男性又は女性のいずれにも使用され得る。衣類は、所望される通り多種の開口を与えられ得る。図2中の実施例の各々において、加熱可能範囲は、斜交平行線120で示される。図示される実施例の各々において、鼠径部又は会陰に対する局所的加熱は、個人が膀胱を空にすることを望む際に必要に応じて局所的及び/又は局部的熱を与える衣類等である着用可能な器具を介して与えられる。一実施例では、着用可能な機器の形状には、審美的機能も有し得る腹部の周囲のベルト又はゴムバンドが有され得る。一実施例では、下着の上に、伸縮性のあるメッシュを有して構成される、弾性の着用可能な加熱布が与えられる。加熱布を通常の下着の上に着用することは、一定の衛生的利点を与える。図8A及び8Bは、加熱素子が衣類の布地に対して付けられた加熱可能なパンツ及びショーツの更なる実施例を示す。
下腹部の上方に局所的熱を送るよう適合される一実施例は、図6中に示される。パッド255は、ケーブル265を介して制御可能な電源260に対して接続される加熱素子250を有し、ベルトから又は他の衣類に付けられるか、つり下げられるか、あるいは、衣類のポケットに置かれるよう適合される。望ましくは電源は、充電可能な電池である。一実施例では、加熱素子はFIR素子である。任意で、パッドは、外側表面上において熱反射又は絶縁材料で覆われ、熱が身体に向かって内側に方向付けられるようにする。一実施例では、パッドは、身体の皮膚に対してくっつくよう外側端部の周辺における接着層によって外側部分上を覆われる。この接着外側層は、使い捨てであるが、加熱パッド自体は再利用可能である。
一実施例では、全身的な副交感神経反応は、平滑筋の副交感神経弛緩が所望されるところの身体の範囲から離される、あるいは該範囲に対して「遠位」である身体部位における加熱によって与えられる。例えば手又はそのあたりに対して与えられる遠位加熱は、反射副交感神経反応を刺激する。該反応は、交感神経信号伝達を低減して、膀胱の排尿筋の収縮に対して副交感神経刺激を与えるよう、また、膀胱頚部の平滑筋細胞を弛緩させて、排尿困難の低減、尿量の増大、及び膀胱における残尿の低減に対して頚部を更に開放する支援をするよう、中枢神経系を通って戻る。一実施例では、遠位熱の適用は、着用可能な製品及び器具によって与えられる。該製品及び器具には、加熱下着、手袋、下着、靴、ヘルメット、及びジャケット、並びに、上述された衣類のうちのいずれかに置かれるよう寸法を採られる加熱可能な挿入物又はパッドを埋め込まれている衣類、が有される。
一実施例では、着用可能な衣類及び/又は挿入物において埋め込まれる加熱素子は、次の1)及び2)に対して設計される。1)身体の交感神経/副交感神経マップに基づいて置かれ、身体全体の全身的加熱とは対照的に、標的筋を弛緩させるよう自律神経系を調節するために局所的及び局部範囲上に熱を集中させる。2)要望に応じるものであり、全体的な全身弛緩ではなく短期間の局所的弛緩を目的とする。
本発明の一実施例では、遠位加熱器具は、手袋、又は携帯型ハンドウォーマーである。該機器は、ポケット又は小物入れにおいて携行するよう寸法を採られ得る。遠位範囲に対して適用される加熱は、局所的加熱によって得られ得る通り、副交感神経反応において同一の増大をもたらすよう十分な程度でなければならない。加熱に対する最善の部位、並びに加熱の強度及び長さは、所望される弛緩が得られるか否かに基づいて所定の個人に対して容易に定められ得る。
他の実施例では、局所的熱源は、手首、手、足、前頭部、耳、及び/又は鼻等である所望される身体部位に対して適用されるよう適合される。特定の実施例では、局所的熱源は、加熱ゲル、酸化鉄、あるいは、化学反応によって熱を作り、ある長さの時間熱を放射し得る他の材料を有する。あるいは、熱源は、電子レンジ等においてマイクロ波照射による励起の影響を受けやすい材料を有する。他の実施例では、局所的熱源は、圧搾可能であるよう設計されるストレス発散型ボールにおけるポケット内において配置される。ポケットを与えることでボールは再利用され得るが、化学的加熱素子は、使い捨てであり交換され得る。
例えば図10において示される特定の実施例では、熱源は、その形状内において可撓性金属、又は周囲に曲げられる身体部位の形状に対して形成され得る類似の屈曲フレーム材料307を有する、加熱ラップ305として寸法を採られる。同様にして、図12A中の加熱鼻パッチ315は、人間の鼻の形状において寸法を採られる筐体において、加熱ゲル/酸化鉄/加熱化学物質を有し、異なる鼻の寸法及び形状を収容するよう屈曲フレーム307を有する。パッチの内側表面/層は、分離時に化学反応をもたらし且つ熱を生成するプラスチック接着剤を有する薄い層を有して覆われる。熱の有効性を増大させるよう、この製品は、熱を内方向に方向付けるよう熱リフレクターによって外側側部上で絶縁される。あるいは、加熱ラップ又は鼻パッチの連続的な層を形成する材料は、マイクロ波励起の影響を異なって受け易く、電子レンジ等におけるマイクロ波照射によって加熱され得る。
図10中に示される更なる実施例では、手又は指に対して使い捨ての加熱素子が与えられる。加熱素子は、全体的な5本指手袋又は2本指手袋において、あるいは半分の加熱手袋又は指コット255の部分的カバーとして、配置され得る。熱源は、加熱ゲル、酸化鉄、又は化学反応によって熱を生成し、ある長さの時間熱を放射し得る他の材料である。あるいは、手袋、指コット、又は靴底挿入物の連続的層を形成する材料は、マイクロ波励起の影響を異なって受けやすく、電子レンジ等におけるマイクロ波照射によって加熱され得る。加熱構成要素は、手袋又は指を覆う部分の形状において溶融又は形成される。手袋又はその一部の内側表面/層は、分離時に化学反応をもたらし熱を生成するプラスチック接着剤の薄い層を有して覆われる。熱の有効性を増大させるよう、熱を内方向に方向付けるよう熱リフレクターによって外側側部上で絶縁される。
図11A及びBにおいて示される他の実施例は、加熱つま先カバー273又は靴底270を有するつま先カバーを与える。図12Aは更に、頭部バンド又は帽子において位置決めされる加熱素子250の例を示す。バンド全体が加熱され得るか、あるいは、素子が、前頭部、耳、及び首のうなじのうち1つ又は2つを加熱するよう位置付けられ得る。
例えば図10において示される他の実施例では、接着加熱パッチ253が与えられ、熱源250は、所望の身体部位に対してパッチを貼るよう接着層255と共に与えられる。接着加熱パッチが与えられるかかるパッチの一実施例は、図13A中に示される。熱源(化学素子(chemical element)325)は、接着層330によって所望の身体部位に対して付けられるパッチにおいて配置される。図13A中の一実施例において示される通り、熱源の無効分(reactive component)は、剥離可能バリア327等である薄いカバーによって覆われ、該カバーの分離は加熱工程を活性化させる。図13A中に示される実施例では、化学加熱素子325は、熱を内方向に方向付け、熱の有効性を増大させるよう熱リフレクター323によって外側側部上で絶縁される。図13B中に示される実施例では、熱源は、布地バンド355によって所望の身体部位に対して付けられる。バンド355は、制限的ではなく面ファスナー(closures)、スナップ、ボタン、及び同様のものを有するファスナーによって接続され得る。
特定の実施例では、熱源(加熱ゲル、酸化鉄、又は他の反応性発熱合成物等)は、空気に対する制御された露出によって徐方性品質(time release qualities)を有するよう適合される。制御機構は、発熱反応の開始を防ぐ絶縁体の層によって与えられる。一実施例では、絶縁の層は剥離可能であり且つ、剥離時に露出され、一定量の熱は、最後の層が剥がされ、残るエネルギーが使い切られるまで生成される。
他の実施例では、熱は、非着用型器具から使用可能である。化粧室において位置決めされる固定具に関する一例に対して、加熱されたハンドホールド又はハンドグリップは、手のひら及び/又は指先を含む手に対して熱をすぐに送るよう与えられる。加熱されるハンドホールドは、トイレを使用する個人の手が届くよう位置付けられる。一実施例では、公衆の化粧室に対する配管設備は、化粧室の配管において流れる温水が各トイレに近接するハンドホールドを介して蛇行して方向付けられるよう、設計される。加熱された建物の温水(building hot water)の温度に依存して、ハンドホールドは、危険なほど熱い表面温度を避けるよう、薄い絶縁層で覆われ得る。他の実施例では、熱は、流体熱源の場合にはバルブを介して、また電気熱源の場合にはスイッチを介して、必要に応じて迅速に与えられる。私的な場所における使用に適するヒーターは、第三者に対して明らかに活用する必要によって制限されない(not be limited by the need to make use in apparent to third parties)、ことが予期される。
他の実施例では、熱は、副交感神経反応及び泌尿器頚部の平滑筋の弛緩を刺激するよう局所的熱を人に送る送風器又は赤外性ランプによって送られる。一実施例では、送風機は、化粧室又は化粧室の一区画(stall)の壁に取り付けられ、排尿に対して十分に弛緩するよう所望する人の下腹部範囲に温風を方向付けるよう適合される。送風機は、引き出され且つ必要とされる温風を方向付け得る屈曲又は可撓性チューブと関連付けられ得る。一実施例では、温風の温度は、個々の最大副交感神経効果に対して制御可能である。
あるいは、図14中示される通り、送風機又は赤外線ランプ340は、トイレシステムの一部であり、鼠径部領域に対して熱を送ることを目標とする。他の実施例では、熱は、加熱素子を介して局所的に与えられる。該加熱素子は、トイレに対して取り付けられ、副交感神経刺激を必要とする個人によって個別に始動される際に、鼠径部、恥骨、及び/又は会陰に対して熱を方向付けるよう設計される。
本発明の一実施例では、トイレの特定の部分を加熱し、且つ補助的な熱誘発構成要素を加える、装置及び方法が与えられる。該装置は、複数の加熱域を有し、各々は、別個に又は他と併せて加熱することができる。熱の量は、スイッチによって調節され得る。熱の有効性を増大させるよう、この製品は、任意で、熱を内方向に方向付けるよう有される熱源の外側側部上で絶縁され得る。電位加熱域は、加熱便座、加熱トイレカバー(蓋)、赤外線加熱ランプ、加熱ベルト、及び加熱ブランケットである。ランプが用いられる場合、該ランプは、ランプを方向付けることができるアームを有する便座に対して取り付けられ、ユーザによって所望されるいかなる全般的方向にもフォーカスする。熱の量は、ランプの側部に対して取り付けられる調節機器によって調節され得、減光又は強度増大を可能にする。
図14中に示される通り、一実施例では、加熱素子343は、便座及び便器蓋の一方又は両方の周りを囲む。例えば便座に座って温かい表面に触れることによって与えられる熱は、ここでは、伝導による熱又は伝導熱と称される。加熱要素を便器蓋上に与えることは、膀胱を支配する神経の下背部及び根もとに対して熱を与える。一実施例では、加熱システムは更に、座っている間に腹部にわたって置かれるよう寸法を採られる加熱ラップ345を有する。更なる実施例では、加熱システムは更に、座っている間に大腿部にわたって置かれるよう寸法を採られる加熱ブランケット347を有する。組み合わされたシステムの構成要素は、加熱便座及び/又は蓋、赤外線又は温風送風機340、加熱ラップ345、及び加熱ブランケット347を有し、モジュール式に個別に供給され得るか、あるいは、トイレに対して付き且つ電源コード350を介して住宅用電流(house current)へと差し込む組み合わされたユニットとして、供給され得る。
図15中に示される他の実施例では、加熱ブランケットに代わるものとして、加熱大腿部ラップ355が与えられる。ラップは、便座システムの側部に対して取り付けられる1つ又はそれより多いホルスターにおいて格納され得る。ラップは、調節された熱を与えられ、別個に又は他と組み合わされて加熱され得る。
図16A中に示される他の実施例では、大腿部ラップは、便座のいずれかの側部において位置決めされる二重のイン/アウト機構(ハンドルバー360)に対して取り付けられる。前に引かれる際、ハンドルバーは、大腿部ラップを大腿部領域までより近く動かす。ラップは、熱を調節され、別個に、あるいは他と組み合わせて加熱され得る。図16Bにおいて示される更なる一実施例では、ローラー型機器365は、大腿部ラップに対して取り付けられて与えられる。該機器は、4つの車輪、及び上方部分上のトレイを有する。機器は、便利な格納及び容易な可動性に対して折畳み可能である。大腿部ラップは、格納ようにホルスター型場所を有する機器の中間部分に対して取り付けられる。大腿部ラップテーブルは、単独に電源を入れられ得る。大腿部ラップテーブルは、他の加熱要素と併せて、又は該要素から離れて使用され得る。
図17A−Dは、副交感神経刺激に対して設計される加熱構成要素を有するトイレシステムの更なる実施例を示す。該システムは、複数の加熱域を有し、各々は、別個にあるいは他と併せて加熱することができる。熱の量は、スイッチによって調節され得る。加熱域は、加熱便座、加熱トイレカバー(蓋)、加熱手袋、及び加熱靴下/スリッパを有する。任意で、トイレシステムは、便器の内側の周囲の温水ラインを付属品として付けられ得、必要に応じて温水を注ぎ込むことができる。任意で、システムは、副交感神経活動を刺激し且つ弛緩をもたらすよう、所望される際に「アロマセラピー」香水/香料を放出することができる。
他の実施例では、赤外線ヒーター及び/又は温風送風機は、遠位加熱によって全身性副交感神経効果をもたらすよう十分な熱及び強度を有して手、顔、及び/又は上半身に対して熱を方向付けるようトイレに対して近接して位置付けられる。温度及び強度は、不利に作用する交感神経反応をもたらすほど激しくてはならない。化粧室における加熱器具は、不安をもたらし得るかあるいは悪化させ得、且つ交感神経の急な高まりをもたらし得る悪要因又は関連要因を最低限に抑えるよう設計されなければならない。例えば、うるさい温風送風機を有する加熱は、第三者に対して、個人が排尿困難又はSBSを患っていることを明らかにし得、そう考えることが、個人にとっての状況を悪化させ得る。この原理を受けて、公衆の化粧室に対して、周囲の注意を喚起することなくオン及びオフができるIR熱放射、電熱器、及び加熱ハンドホールドを使用する複数の設計が想定される。
一実施例では、熱の局所的又は遠位管理は、膀胱頚部の管腔内圧の持続的削減に対して慢性、定期的、又は周期的である。例えば、個別の患者は、排尿困難、閉尿、及びシャイ腸症候群(Shy Bowel Syndrome)の治療において、例えば膀胱頚部の管腔内圧の持続的に低減するよう一日に5−10回等の限定的な期間に対する加熱のパターンを組み得る。個別の患者において得られる所望の反応に依存して、熱の強度及び長さは、最善の反応に対して調整され得る。
他の実施例では、副交感神経刺激は、温風の吸入等である吸入を介して送られる。特定の人における特定の範囲は、より敏感であり得る。例えば、顔面の皮膚を加熱することは、特定の個人においては腕を加熱するより更に顕著な効果をもたらし得、熱の伝達は、多種の場所において試され得、その後最も有効であるところに適用され得る。
一実施例では、図12B中に示されるようなマスク型機器320は、副交感神経刺激を与えるよう、あるいは交感神経活動を低減させるよう、口及び鼻の範囲にわたって置かれる。熱源250がマスクに配置され、加熱は、加熱ゲル、酸化鉄、又は酸化等による反応によって熱を生成する他の化学的合成物等である、合成物の作用によって生成される。マスクを介して呼吸する際、口を介して並びに熱源にわたって吸入される冷たい空気の熱交換は、吸い込みの単純な工程によって温風を作る。
遠位加熱に対して、加熱の長さは、典型的にはより長く、鼠径部、恥骨、及び会陰範囲における局所的加熱より全身性反応を起こすようにする。いずれの状況においても、強度は、快適性の限界まで上昇させる必要があり、交感神経活動を引き起こすストレス刺激となるレベルまで上げるべきではない。
図18A中に示される本発明の一実施例では、加熱バッグは、副交感神経刺激を与えるよう、あるいは交感神経活動を低減させるよう適合される。一実施例では、加熱バッグ370は、温かい又は熱い流体で満たされるよう、座っている際に膝上に置かれるよう適合される。あるいは、バッグは、バッグ構成材料に対してマイクロ波放射によって異なって加熱される物質で満たされ得るか、事前に満たされ得る。本発明の一実施例では、バッグの内容物は、電子レンジにバッグ全体を置くことによって電子レンジ等のマイクロ波源によって加熱される。図18Aにおいて示される一実施例では、バッグは、両方の大腿部に対して裏面湾入373を有するよう寸法を採られる。一実施例では、バッグは、2つの開口、温水を注ぐよう使用される上方充填開口375、及びバッグを空にするよう下部排水開口377を有する。バッグは更に、バッグの外側温度を測定するよう、温度計380を備えられる。望ましい時では、温度計は、液晶ストリップ温度計である。
図18中に示される他の一実施例では、加熱バッグは、各上方大腿部領域を少なくとも部分的に覆い、性器部に対するアクセス部を残して伸張部分387を有する、馬蹄又は逆U字型構造を採用して与えられる。任意で、加熱バッグは更に、個人の手を挿入し且つ暖めるよう、各大腿部にわたってポケット390を有する。一実施例では、バッグは、面ファスナー等のファスナーによって脚の周囲に留められ得る、脚部ストラップ380を備えられる。一実施例では、加熱バッグは、下腹部に対して熱を与えるよう加熱腹部フラップ又は伸張部分385を有して与えられる。腹部フラップは、手が腹部に対してしっかりとフラップを保持する際、手を温めるポケットを有し得る。一実施例では、加熱バッグは、ここに記載されるトイレシステムの1つ又はそれより多い要素と併せて与えられる。
図19B中に示される本発明の一実施例では、深部組織加熱が、超音波を使用して与えられる。加熱のこの方法は、排尿を助けることを目的として、括約筋の弛緩を促進するよう身体の特定の部位、即ち膀胱頚部範囲の経皮的又は経腹壁的な加熱を使用する。
<DESDの治療>: 脊髄損傷、特には上仙骨(suprasacral)損傷を有する患者のなかには、膀胱を空にするよう試みられる際に、尿道括約筋が膀胱と共に収縮する患者がいる。これは、外部排尿筋括約筋筋失調(detrusor−external sphincter dyssynergia、DESD)と称され、膀胱を空にすることの失敗を引き起こし、しばしば、水腎症及び腎臓機能の損失をもたらし得る高い膀胱圧、並びに膀胱感染症を引き起こす。アルファ遮断薬は、DESDにおいて膀胱圧を低減するよう有用ではなく、効果的な薬物治療はないままである。唯一の外科的治療は、括約筋石灰であり、大きな問題が関連し且つしばしば有効ではない。経口又は舌下投与によるNOの伝達、又は尿道の筋組織に対するNOSコード化遺伝子(NOS encoding genes)の伝達は、DESDの治療において提案されている。Mamas MA外著、「Nitric Oxide and the Lower Urinary Tract: Current Concepts, Future Prospects」、Urology 61 (2003) 1079−85、が参照される。本発明の一実施例では、熱は、DESDの治療において膀胱頚部及び近位尿道においてNOの局所的開放を刺激するよう利用される。
<シャイ膀胱症候群の治療>: 他の適応では、熱の適用は、シャイ膀胱の治療における急性効果に対して設計され、括約筋弛緩及び排尿筋収縮は、排尿を助けるよう、許容加熱に対して皮膚を露出することを介して誘発される。排尿恐怖症は、どの年齢においても始まり得、大半の少年又は青年男子に影響を与えるが、少女又は青年女子もかかり得る。アメリカ人10人中1人が、尿意を覚える際に公衆の化粧室を使用することが慢性的にできない、「羞恥膀胱」症候群にある程度罹っている。家系に関わると思われるこの病気は、重症度において幅が広い。軽度の場合、罹っている個人は、小便器ではなく個室を使用することを求める。中程度の場合は、化粧室が開いている際に個室でのみ安心感を得ることができ、一方重症の場合は、環境がいかに個人的なものであっても排尿することができない。結果としてこの病気は、多くの健康的な人々を実際には家に閉じこもりがちにさせ得る。場合によっては、患者は、職場の近くに家を購入し、排尿する必要がある際はいつでも家に帰られるようにすることもある。既存の療法は、鎮静剤、抗不安薬、及び抗うつ剤、並びにアルファアドレナリン遮断薬、及びベタニコール等である副交感神経系刺激物を有する薬物療法、及び社会的条件付けを有する。
本発明の一実施例では、局所的又は遠位加熱のいずれかが用いられ、排尿を妨害する耐性閾値を低くする。本願中に開示される通り交感神経の急な高まりを低減する加熱療法の使用は、単一で使用され得るか、あるいは、必要に応じて既存の抗不安療法を組み合わされ得る。
図7中には、シャイ膀胱/BPH又は夜間多尿症の治療に対して適応される1つの移動式の実施例が示される。図示される通り、シャイ膀胱/BPHパッケージは、2つの加熱可能な大腿部パッド275、及び手を挿入するよう加熱前方ポケット283を有するベルト280を有する。使用されない際には、大腿部パッドは、丸められてポケットに入れられ得る。ベルト全体又はその一部は、図示される実施例の通り加熱され得る。加熱素子279は、パウチに置かれる熱を加熱するようパウチ内において配置される。大腿部パッドは、ケーブル277を介してベルトに対して接続され、加熱電力に対する源は、ベルト上に位置決めされる充電式電池279である。望ましい一実施例では、加熱に使用される素子は、遠赤外線(FIR)加熱材料である。大腿部パッド及びベルトは、ユーザの所望によって独立して又は共に加熱され得る。熱の有効性を高めるよう、遠赤外線加熱反射材料等による外側側部上の更なる絶縁は、熱を内方向に向ける。一実施例では、シャイ膀胱/BPHパッケージは更に、電源に対して接続可能である靴底挿入物270及び/又は加熱手袋265を有する。
図9中に示されるシャイ膀胱/BPH/夜間多尿症の治療に対する他の実施例では、加熱ポケット挿入パッケージ300が与えられる。パッケージは、手を挿入するよう少なくとも2つの前方ポケット295を有し、各々がケーブル301を介して望ましくは充電式電池である制御可能な電源297に対して電気的に接続される。加熱ポケット挿入物は、着用者の前方ポケットにおいて便利に且つ邪魔なく入れられ得るよう寸法を採られる。任意で、該パッケージは更に、制御可能な電源を取り付けるベルトを有し得る。一実施例では、加熱に対して使用される加熱要素は、遠赤外線加熱材料である。任意で、熱の有効性を増大させるよう、ポケットは、熱を内方向に向けるよう皮膚から離して配置される側部上において熱絶縁される。排尿が求められる際、ユーザは個々に電源をオンにし、ポケット挿入物を加熱し得る。一実施例では、挿入物は、ユーザの手を収容するよう寸法を採られ、温かいポケットは、最大限に加熱するよう下腹部に対して位置付けられ且つ押され得る。
<挿入可能な医療機器に対する、また該機器による、局所的加熱>: 本発明の一実施例では、病院環境において使用される局所的加熱機器は、括約筋を介する医療機器の挿入に対する副交感神経バランスの調節に対して与えられる。例えば、熱は、カテーテルの膀胱への挿入に先立って尿道括約筋の副交感神経弛緩をもたらすよう下腹部に対して適用される。あるいは、機器自体は、例えば尿路管に関連付けられる加熱態様(heating aspect)である局所的加熱を送るよう設計され得る。加熱は、括約筋の弛緩をもたらし、低減された力は、機器を括約筋を介して通すよう求められる。故に、穿孔の危険性が低減し、工程は、患者に対してより少ない不快感を与える。一実施例では、熱は、括約筋を弛緩させるよう局所的又は局部的に用いられる。例えば、フォーリー型カテーテル、シトスコープ、及び結石除去機器を有する機器の膀胱への、あるいは尿道への挿入に対して、加熱は、機器の挿入に先立ち鼠径部又は下腹部に対して適用される。他の実施例では、機器自体が加熱されるか、あるいは加熱可能である。一実施例では、医療機器の挿入を助けるよう、加熱は、ジアテルミーによって与えられる。
一実施例では、機器は、尿道及び/又は尿管等である流体通路の内部から局所的加熱を送るよう、寸法を採られ、例えば尿路管と関連付けられる加熱態様である。他の実施例では、経皮的、経腔的、又は局所的放射は、運ばれ、超音波又はマイクロ波等の集束熱を有する。一実施例では、熱は、放射線を介して運ばれるが、標的臓器は、熱/放射線の吸収比較に対する物質又は機器を有する。1つの非制限的な例に対して、尿路管又はシストスコープの場合、異なって加熱され得る材料を有する小さな金属製リング又はバンド130は、図3A中に示される通り、膀胱の頚部等の関連する括約筋を係合する場所で、管又はカテーテル140において又はカテーテル140上において埋め込まれる。加熱可能な材料は、金属又は他の異なって加熱可能である高分子等の合成物によって吸収されるRF又は電磁放射線によって非侵襲的に加熱される。インプラントされた機器は、あるいは、超音波による加熱に敏感である高分子合成物を有する1つ又はそれより多くの層を有し得る。優先的に加熱可能である特性を有する特定の高分子は、シリコン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ナイロン、ホスホリルコリン、及び、コーティングの加熱率を最適化し得る、あるいはコーティングの安定性又は生体適合性を向上させるそれらの組合せ、を有する。
他の実施例では、異なって加熱可能であるインプラントは、膀胱に対して近位に挿入及び配置されるよう、寸法を採られ、例えば排尿筋に対して、膀胱壁、又は膀胱頚部が与えられる。一実施例では、膀胱及び女性の腹部組織構造の周囲組織に対する局所的加熱は、膣に挿入される加熱された膣内プローブによって与えられる。熱は、副交感神経活動を高め、直腸及び膀胱領域における近接する組織並びに膣円蓋における筋の弛緩をもたらすよう十分なレベルを有する。熱は、電気的、化学的である複数の手段によって、あるいは、赤外線、マイクロ波、又は超音波振動によって、生成され得る。一実施例では、プローブ又はインプラントは、外部の源からのRF、電磁、超音波、又はマイクロ波放射に応じて異なって加熱する。
一実施例では、熱又は放射線源は、膀胱を空にすることが所望される際に活性化され、局所的加熱は、膀胱を空にし得る副交感神経反応を刺激する。再度、熱レベルは、交感神経の急な高まりを導き出すよう十分にストレスの多いことを避ける必要がある。ストレスのレベルは、対象の快適域によって確定され得る。いずれの場合においても、導き出される局所的温度は、組織損傷又は回復不可能な損傷をもたらさないよう、より低くなければならない。
図3B中に示される他の実施例では、バルーンカテーテル132が与えられる。バルーン134は、1つ又はそれより多い化学物質又は反応性合成物Uを有する膨張流体を受けるよう設計され、該物質Uは、膨張されたバルーンから熱を生成する。加熱バルーンは、複数の設計を有する「フォーリー」型カテーテルを含む多くの異なるカテーテル設計に配置される、制限的ではなく、クーデエルボー型(Coude elbowed)カテーテル、ガイドワイヤが与えられるカウンシルチップカテーテル、図3V中に示される更なるアームオーバー(arm over)を有する三方カテーテルが有される。他の一実施例では、カテーテルは、バルーン内において配置される1つ又はそれより多くの化学物質を有して製造され、化学物質は、生理食塩水等である標準的な膨張流体と接触する際に熱を生成するよう、反応する。一実施例では、生成された熱は、約38℃乃至約44℃の範囲にあり、該温度は、Naghavi外による米国特許出願番号2002/0193785において開示される通り、炎症細胞の選択的アポトーシスを引き起こすことによって炎症を低減させるよう十分である。
<状態の治療前評価>: 一実施例では、方法及び装置は、交感神経過剰反応性の強度を査定するよう与えられる。
一例では、マルチチャンネル熱監視装置は、精神障害試験又は寒冷暴露(cold exposure)等である交感神経刺激の前、その最中、及びその後に、指先、及び/又はつま先において熱を連続的にプローブする。この装置及び方法は、BPH及び痙攣性(過活動)膀胱頚部をいずれも有し得る男性における排尿困難の過度アドレナリン作用構成要素を識別する。
一例では、マルチチャンネル熱監視装置は、精神障害試験又は寒冷暴露(cold exposure)等である交感神経刺激の前、その最中、及びその後に、指先、及び/又はつま先において熱を連続的にプローブする。この装置及び方法は、BPH及び痙攣性(過活動)膀胱頚部をいずれも有し得る男性における排尿困難の過度アドレナリン作用構成要素を識別する。
<排尿困難に対する治療の効果の監視>: 一実施例では、図5中に例示される通り、容積メモリ205を記される採尿器200は、ストップウォッチ型等であるタイマーを共に備えられ、ユーザは、時間に対する容積によって自分の排尿量を測定し得る。図示される通り、ハンドル210を有する楕円形又は長楕円形の容器形状は、座位での採尿に対して適切であり得る。ハンドルは、人が排尿を開始及び停止する際に押されるオン及びオフボタンと、経過時間のディスプレイとを有するタイマー215を取り付けられ得る。時間に対する総量は、膀胱頚部の機能的障害の指標として使用される。一実施例では、使い捨て又は再利用可能なプラスチックの採尿容器は、容器を適所に便利に保持するようハンドル210を有して構成される。使い捨て又は取外し可能な容器が所望される場合、ハンドルは、容器に対してハンドルを付けるようクリップ225を有して構成される。あるいは、採尿及び容積測定に対して寸法を採られるバッグのように使い捨て容器が可撓性である場合、ハンドルは、バッグを保持するリングを有し得る。男性及び女性によって、身体構造上の変化に合わせて、採尿に対する異なる設計が用いられ得る。
一実施例では、キットは、排尿困難に対する治療の有効性の量的な自己評価に対して与えられる。該キットは、尿容積を測定する目盛り付き容器、開始ボタン及び停止ボタンを有する計時機器、及び排尿時間に対する尿容量を記録するログを有する。かかるキットは特に、泌尿器の状態に対して新しい療法の治験において治療の結果を評価するよう、適切である。
<夜間多尿症の治療>: 本発明の一実施例において、夜間多尿症(夜間の排尿)の治療に対する方法及び装置が与えられる。夜間多尿症は、排尿後に膀胱に高い残尿量を有する高齢者において、一般的な問題である。本発明によれば、副交感神経反応をもたらすよう十分な強度及び長さの局所的又は遠位人は、膀胱における残尿を低減するよう、就寝前に用いられ、従って夜間の排尿の頻度を低減させる。一実施例では、ジアテルミーは、膀胱の頚部を弛緩させ、完全に空にするよう促進するために膀胱の収縮を刺激するよう、用いられる。一実施例では、加熱機器は、自宅の化粧室において取り付けられ、就寝前に容易に用いられ得る。また、より特定的には、この方法及び装置は特に、低血圧、ドライ射精(dry ejaculation)等である排尿困難及び頻尿の薬理学的治療による顕著な副作用を経験する個人においては利点を有する。
<喉頭痙攣の治療>: 喉頭痙攣は、喉頭筋(喉頭、voice box)の持続性痙攣であり、声帯が伴う(the vocal cords to come together)。痙攣は、気管(windpipe)に対する入口の部分的又は完全な遮断をもたらし得る。本発明の一実施例では、局所的、部分的、及び全身(反射に基づく(reflex based))加熱の非侵襲的使用は、喉頭筋の緊張又は痙攣を低減するよう使用される。断続的又は慢性的使用に対して患者によって頚部上に取り付けられるか、あるいは医療専門家によって適所に適合されるかのいずれかである機器によって、局所的加熱は、管理され得る。熱は、筋に達するよう十分に深く(1−3インチ)(超音波又はマイクロ波等を有して)深部組織加熱に対して集中され得る。
<頚動脈洞反射の操作>: 一実施例では、ANSの非薬理学的調節は、頚動脈洞反射を操作するよう頚動脈上に制御された圧力を与える方法及び装置を有する。該頚動脈洞反射は、血圧ホメオスタシスにおいて中心的役割を果たす。内頚動脈及び外頚動脈の分岐部において位置決めされる頚動脈洞又はバルブに関連付けられる圧受容器は、ストレッチ及び貫壁性の圧力における変化を検出するよう設計される。かかる変化は、脳幹の原子核に対して頚動脈洞神経によって伝達される求心性インパルスによって記録される。応答時、遠心性インパルスは、心臓及び血管まで交感神経及び迷走神経を介して運ばれ、心拍数及び血管運動神経緊張を制御する。頚動脈マッサージは、頚動脈洞過敏症(「CSH」)を診断するよう医師によって使用される。該状態においては、頚動脈洞の機械的変形が、過剰徐脈又は血管拡張反応を引き起こす。頚動脈マッサージはまた、発作性心房頻拍症(PAT)等である頻脈性不整脈の非薬理学的迅速な治療に対して医師による臨床技術として使用される。本発明の一実施例では、頚動脈クリップは、CSHの診断及び管理において頚動脈洞上に制御された圧力を与えるよう使用される。
本発明の一実施例では、頚動脈洞反射は、副交感神経を助け、それによって尿閉を含む複数の病気の治療において平滑筋の弛緩をもたらすようANSを調節する方法を与えるよう、活用される。図4中に示される一例に対して、頚部クリップ又はバンド160は、外部圧力、及び任意で頚動脈洞上にマッサージ及び/又は熱をもたらすよう寸法を採られるパッド165を有して与えられる。クリップは、摺動機構162を介する調整を任意で与え得、クリップ又はバンドは、患者の頚部寸法、及び頚動脈分岐の個別の位置を受容するよう適合され得る。熱及び振動の伝達に対して、パッド165は、トグルスイッチ180等であるオン−オフスイッチを有するコントローラ175に対してリード線170を介して接続される。加熱及び振動性能を有する装置に対して、コントローラは、電池185を有し得るか、あるいは、AC電源等である外部電源に対する接続を与え得る。装置を実行する前に、患者は、患者がCSHを有さないことを保証するよう該装置を使用して試験される。これは、該装置がCSHに対して禁忌であるためである。
患者は、甲状軟骨の上方境界レベルにおいて胸骨甲状筋の内側である、最大頚動脈インパルスの場所において刺激体を置くよう教えられる。圧力、熱、及び振動は、かかる機器によって測定及び制御され得る。機器の目的は、心停止又は血圧の危険な低減を誘発することなく、副交感神経に向かってANSのバランスをシフトするよう頚動脈洞において上昇される圧力を与える技術を標準化することである。しかしながら、患者が配置、圧力、加熱及び振動の度合いを制御し得ることによって、所望される刺激が与えられる。一実施例では、機器は更に、血圧モニターを備えられ、血圧が所定のレベルを下回って低下する場合に警告を有し得る。
<眼球マッサージ>: 他の実施例では、副交感神経緊張を高めるよう眼球マッサージが取り入れられる。眼球マッサージは、頚動脈マッサージ(carotid message)と同様に眼に圧力(圧迫)を適用する段階を有する処置であり、PATを留めるよう用いられる。一実施例では、図4中のアイピース190等であるアイピースは、両眼の眼球孔にわたって適合するよう、並びに、アイパッド195が、副交感神経反応を刺激し、それによって排尿又は排便を可能にするよう必要とされる際に加熱を有して、あるいは加熱を有さずに緩い圧迫を与えることを支持するよう、寸法を採られるフレーム192を有して与えられる。アイパッド195は、フォーム等の固体であり得るか、あるいは技術的に既知である多種の材料を有して充填され得る。一実施例では、アイパッドは、電子レンジ等において使用に対して加熱され得る流体又はゲルを有して充填される。機器は、必要とされるまでハンドバッグ又はポケットにおいて便利に携行され得る。
<心不全の治療>: 他の実施例では、熱は、一酸化窒素の増大される生成が必要とされる心不全を治療するよう使用される。この実施例では、交感神経−副交感神経バランスをシフトすること、及び一酸化窒素の局所生成を増大させることによって、全般性又は全身性の血管拡張を与えるよう、長時間の使用が想定される。適用された熱は、個々の耐性又は快適性のレベルを下回って伝達され、個々の快適性に従って上昇して徐々に与えられ、熱の適用が人の耐性にストレスを与えたりそれを超えたりすることのないようにされる。その場合は、交感神経の急激な高まり及び過度の緊張は、引き起こされ得る。心不全の治療に対する一実施例では、加熱衣類は、所望される通り、例えば手動又は指定されたスケジュールで1日に複数回用いられ得る。
本発明は、周知の段階である血管収縮状態にある心不全患者に対して、下着、ベスト、及びボディスーツを有する加熱衣類と、手袋及び下着等の着用可能な加熱付属品とを与える。過剰な交感神経活動によって引き起こされる血管収縮は、同様に、心不全がより高い血管抵抗に対してより強くポンプするようにする。この証拠として、心不全患者は典型的には、冷たい指(先端)を有する。専用の加熱機器は、過度の熱のストレスを避ける加熱及び周期の制御程度での部分的又は全体的な身体加熱を可能にするよう、与えられる。一実施例では、宇宙飛行士型布地(astronaut type cloth)衣類が与えられ、患者が異なる温度を有する異なる点において熱を制御し得るようにする。図8A及び8Bは、加熱可能な全体及び部分的ボディスーツの実施例を示す。加熱素子290は、衣類285の織物に対して付けられる。更には、加熱腹部ラップ及び加熱ショーツ等であるより小さい部分的なスーツも、想定される。
所望される場合、熱の量は、血圧を監視することによって、あるいは、療法に対する反応の周知の血清マーカーである脳ナトリウム利尿ペプチド(BNP)によって、漸増され得る。熱は、徐々に与えられるよう制御可能であり、個々の耐性を超えて心臓血管システムの活動を大きく増大させるレベルを超えて心拍を上昇させるべきではない。一実施例では、パルスモニターは、機器に有され、心拍における所定の低減に達する際、加熱周期がオフにされるか、あるいは減じられる。
本願中に挙げられる全ての出版物、特許、及び特許出願は、全体において説明される通り参照としてここに組み込まれる。本発明は、例証的な実施例を参照して説明されてきたが、かかる記載は、制限的な意味に解釈されることを意図されていない。例証的な実施例の多種の修正及び組合せ、並びに本発明の他の実施例は、本願を参照する当業者には明らかである。したがって、添付の請求項は、かかる修正及び強化を包含するものであるよう意図される。
70 膀胱
80 着用可能な製品
90 電源
92 コントロール
94 リード線
100 加熱素子
110 会陰
114 尿道
80 着用可能な製品
90 電源
92 コントロール
94 リード線
100 加熱素子
110 会陰
114 尿道
Claims (32)
- 制御される加熱機器を有する膀胱機能の制御に対する装置であって、
所望される際に前記膀胱からの排尿を促進する、
装置。 - 加熱は、交感神経活動を低減し、且つ排尿に対して前記膀胱を調えるよう、排尿に先立って適用される、
請求項1記載の装置。 - 前記機器は、着用可能である、
請求項1記載の装置。 - 前記機器は、下着と関連付けられて着用されるか、あるいは、下着において配置される、
請求項1記載の装置。 - 前記機器は、一組の加熱ポケット挿入物を有する、
請求項1記載の装置。 - 前記加熱ポケット挿入物は、手を封入するよう寸法を採られる、
請求項5記載の装置。 - 熱は、前記膀胱の範囲に対して方向付けられるジアテルミーによって与えられる、
請求項1記載の装置。 - 前記加熱機器は、化学反応によって熱を生成するか、あるいは、マイクロ波作用によって加熱される、
請求項1記載の装置。 - 前記熱は、排尿困難、夜間多尿症、及びシャイ膀胱状態等である下部尿路症候群の治療において与えられる、
請求項1記載の装置。 - 膀胱機能の制御に対する装置であって、
少なくとも1つの加熱素子を有し、
前記加熱素子は、前記膀胱からの排尿が所望される際に、前記膀胱に対して遠位にある体領域に対して熱を適用する着用可能な器具において配置される、
装置。 - 前記領域は、頭部、手、足、及び大腿部の一部のうち、1つ又はそれより多くを有する、
請求項10記載の装置。 - 前記機器は、手袋、靴下、靴、ヘルメット、帽子、頭部バンド、手首バンド、スカーフ、ジャケット、ベスト、及び腹巻きを有する群から選択される、1つ又はそれより多い衣類において配置されるか、あるいは前記衣類に関連付けられる、
請求項10記載の装置。 - 少なくとも前記手、足、及び下腹部に対して同時に熱を適用する加熱素子を少なくとも有する複数の加熱素子を有する、
請求項10記載の装置。 - 前記器具は、一組の加熱大腿部バンドを有する、
請求項10記載の装置。 - 前記手首の周囲に着用されるよう寸法を採られる加熱ハンドポケットを更に有する、
請求項14記載の装置。 - 前記加熱素子は、化学反応によって熱を生成するか、あるいはマイクロ波作用によって加熱される、
請求項10記載の装置。 - 個人の膀胱機能の制御に対する装置であって、
熱源を有し、
前記熱源は、前記膀胱からの排尿が所望される際に、前記個人に対して制御可能に熱を伝える非着用型の固定器具又は携帯用器具において配置される、
装置。 - 前記器具は、伝導熱、放射熱、温風、及び/又は、温かいハンドホールドを伝える、
請求項17記載の装置。 - 前記熱源は、上方大腿部表面の形状に適合するよう寸法を採られる加熱バッグである、
請求項17記載の装置。 - 前記加熱バッグは、U字型である、
請求項17記載の装置。 - 前記加熱バッグは更に、加熱腹部フラップを有する、
請求項19又は20記載の装置。 - 前記加熱バッグに対して付けられる液晶温度計等である温度計を更に有する、
請求項19乃至21のうちいずれか一項記載の装置。 - 前記熱は、排尿困難、シャイ膀胱、及び夜間多尿症状態のうち1つ又はそれより多くの治療において与えられる、
請求項17記載の装置。 - 個人の膀胱の範囲に対して局所的、局部的、及び/又は遠位において熱を制御可能に適用する固定具であって、
トイレシステムの一部として位置決めされる少なくとも1つの加熱素子を有し、
前記加熱素子は、前記膀胱からの排尿を促進するよう十分である熱を伝える、
固定具。 - 少なくとも1つの加熱素子は、下腹部領域に対して熱を与えるよう寸法を採られる加熱ラップである、
請求項24記載の固定具。 - 少なくとも1つの加熱素子は、前記上方大腿部に対して熱を与えるよう寸法を採られる加熱ブランケットである、
請求項24記載の固定具。 - 少なくとも1つの加熱素子は、前記上方大腿部に対して熱を与えるよう寸法を採られる一組の大腿部ラップである、
請求項24記載の固定具。 - 少なくとも1つの加熱素子は、加熱トイレセットの蓋である、
請求項24記載の固定具。 - 少なくとも1つの加熱素子は、前記足に対して熱を与えるよう寸法を採られる一組のスリッパである、
請求項24記載の固定具。 - 膨張流体を受けるよう寸法を採られるバルーンを有するバルーンカテーテルであって、
前記流体は、膨張されたバルーンから熱を生成する1つ又はそれより多い化学物質又は反応合成物を有するか、あるいは活性させる、
バルーンカテーテル。 - 加熱素子を有する、膣内プローブ。
- 前記加熱素子は、化学反応によって熱を生成するか、あるいは、熱を発するようマイクロ波放射によって活性化される合成物を有する、
請求項31記載の膣内プローブ。
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