JP2008018016A - 医用画像処理装置及び医用画像処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡便に観察物体を分離抽出でき、かつ分離抽出する際の収縮/膨張に伴う物体形状の変形を抑えることができる医用画像処理装置を提供する。
【解決手段】表示部に表示された3次元投影画像からユーザが指定した連結領域の画像を抽出するため、他の画像との接触部近辺に連結領域抽出の開始点を指定する開始点指定部と、連結領域の画像の開始点から表面までの距離を算出して距離が短い部分ほど収縮サイズが大きくなるように連結領域の画像データに対して表面から開始点に向かって収縮処理を行う収縮処理部と、収縮処理が行われた連結領域の画像データを抽出する連結領域抽出部とを備え、収縮処理された連結領域の画像データを分離し、分離した連結領域の画像データまたは分離後の残余の画像データを利用して表示部に3次元投影画像データを表示する。
【選択図】 図2
【解決手段】表示部に表示された3次元投影画像からユーザが指定した連結領域の画像を抽出するため、他の画像との接触部近辺に連結領域抽出の開始点を指定する開始点指定部と、連結領域の画像の開始点から表面までの距離を算出して距離が短い部分ほど収縮サイズが大きくなるように連結領域の画像データに対して表面から開始点に向かって収縮処理を行う収縮処理部と、収縮処理が行われた連結領域の画像データを抽出する連結領域抽出部とを備え、収縮処理された連結領域の画像データを分離し、分離した連結領域の画像データまたは分離後の残余の画像データを利用して表示部に3次元投影画像データを表示する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、X線CT装置、MRI装置、超音波診断装置等の医用画像診断装置で取得した医用画像データを処理する医用画像処理装置及び医用画像処理方法に関し、血管等の特定部位の画像を領域抽出(セグメンテーション)して表示するようにしたものである。
従来、X線CT装置(X線コンピュータトモグラフィ装置)、MRI装置(磁気共鳴イメージング装置)、超音波診断装置等の医用画像診断装置を用いて被検体を撮影し、医用画像診断装置で取得した画像データを利用して3次元的な画像を表示し、疾病等の診断を行う画像診断が多用されている。
例えばX線CT装置では、被検体にX線を照射し、透過したX線を検出してX線CT画像データを得るようにしている。また、血管等の器官の観察を目的として被検体に造影剤を投与して撮像することがある。造影剤の投与による血管の撮像では、造影血管のX線CT画像データが再構成され、さらにX線CT画像データから3D(3次元)投影画像データが作成される。
3D投影画像データの作成方法として代表的なものは、VR法(Volume Rendering)やSVR法(Shaded Volume Rendering)、最大値投影法(MIP:Maximum Intensity Projection)、最小値投影法(Minimum Intensity Projection)、加算平均投影法(X-ray Projection)等の方法があり、造影血管の観察には、MIPにより作成された3D画像(MIP画像)が頻繁に用いられる。
また、骨と造影血管のCT値の範囲にオーバラップする部分があるため、血管の観察のためにMIP画像を作成しても、骨の画像が血管画像に映り込み、診断する上で邪魔になるという問題がある。
このため、従来では、3D画像として作成されたSVR画像(Shaded Volume Rendering画像)において、CT値による閾値や、CT値に対する不透明度(Opacity)を設定して、造影血管と骨を識別可能に表示させ、一般的に用いられる連結領域抽出法によって骨領域のSVR画像データを抽出して選択的に削除して骨抜き作業を行っている。そして、骨が削除されたSVR画像の血管抽出領域のX線CT画像データからMIP画像を生成するようにしている。
このように、X線CT画像における造影血管や骨は一般的に連結領域抽出法により抽出可能であるが、造影血管と骨のCT値の範囲がオーバラップしていることや、パーシャルボリュームエフェクトなどの影響で造影血管と骨が空間的に接合してしまい、うまく分離抽出できない場合が多い。しかもオペレータが切削部位をトレースしなければならないため手間がかかるという問題がある。パーシャルボリュームエフェクトは、1つのボクセル(ピクセル)に血管と骨が存在することにより、そのピクセル値が血管と骨の中間値になりCT値に誤差を生じる現象である。
また連結領域抽出法では、例えばオパシティを高めにして造影血管領域を表示し、造影血管の領域を縮小して骨と分離し、分離後に再び造影血管の領域を膨張させるという手法も用いられている。しかしながら、収縮/膨張による方法は物体を分離する手法としては有効であるが、収縮/膨張サイズを大きめにしないと分離できない場合が多く、この収縮・膨張サイズを大きくすると、膨張後に物体(例えば血管)の形状が全体的に変化したり、細い部分が消えてしまうという副作用がある。
また、特許文献1には、微細な物体、例えば細い血管等も表示できるように、MIP画像とは別に、VR画像(Volume Rendering画像)や、SR画像(Surface Rendering画像)等の3D画像を作成し、ボリュームレンダリング処理と表面表示処理のそれぞれの特徴を生かした合成処理を行う例が記載されている。
特開平9−73557号公報
従来の医用画像処理装置における連結領域抽出法や特許文献1に記載の例では、造影血管と骨の画素値の範囲がオーバラップしていることや、パーシャルボリュームエフェクト等の影響で造影血管と骨が空間的に接合してしまい、うまく分離抽出できない場合が多い。また、収縮/膨張による方法では収縮/膨張サイズを大きめにしないと分離できず、収縮/膨張サイズを大きくすると、分離した物体の形状が変化するという副作用がある。
本発明は、上記事情に鑑みて成されたもので、より簡便に物体を分離抽出でき、かつ収縮/膨張に伴う物体形状の変形を局所的かつ最小限に抑えることができる医用画像処理装置及び医用画像処理方法を提供することを目的とする。
本発明の請求項1記載の医用画像処理装置は、医用画像診断装置により取得した画像データから特定領域の画像データを抽出して3次元投影画像データを生成する3D画像処理部と、前記3D画像処理部からの3次元投影画像を表示させる表示部と、前記表示部に表示された3次元投影画像からユーザが指定した連結領域の画像を抽出するため、連結領域抽出の開始点を指定する開始点指定部と、前記連結領域の画像の前記開始点から表面までの距離を算出して、前記距離が短い部分ほど収縮サイズが大きくなるように、前記連結領域の画像データに対して前記表面から前記開始点に向かって収縮処理を行う収縮処理部と、前記収縮処理が行われた前記連結領域の画像データを抽出する連結領域抽出部と、を具備し、前記3D画像処理部は、前記特定領域の画像データから前記収縮処理された連結領域の画像データを分離し、分離した連結領域の画像データまたは分離後の残余の画像データを利用して前記表示部に3次元投影画像データを表示することを特徴とする。
また、本発明の請求項8記載の医用画像処理方法は、医用画像診断装置により取得した画像データから特定領域の画像データを抽出して3次元投影画像データを生成して表示部に3次元投影画像を表示し、前記表示部に表示された3次元投影画像からユーザが指定した連結領域の画像を抽出するため、前記表示部の画面上で連結領域抽出の開始点を指定し、前記連結領域の画像の前記開始点から表面までの距離を算出して、前記距離が短い部分ほど収縮サイズが大きくなるように、前記連結領域の画像データに対して前記表面から前記開始点に向かって収縮処理を行い、前記収縮処理が行われた前記連結領域の画像データを抽出し、前記特定領域の画像データから前記抽出された連結領域の画像データを分離し、分離した連結領域の画像データ、または分離後の残余の画像データを利用して前記表示部に3次元投影画像データを表示することを特徴とする医用画像処理方法。
本発明によれば、物体の分離、例えば造影血管と骨の分離に必要な収縮/膨張を局所的に行なうことができ、抽出処理による物体全体の形状変化を抑えることができる。
以下、この発明の一実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の医用画像処理装置の一実施形態の全体構成を示す構成図である。図1において、10は医用画像診断装置であり、例えばX線CT装置やMRI装置、超音波診断装置、核医学診断装置、X線診断装置等で成る。
X線CT装置を用いた断層撮影装置を例に説明すると、ガントリ11を有し、このガントリ11内には回転リング12が設けられ、図示しない回転機構によって回転する。回転リング12内には、X線管13とX線検出器14が対向して配置されており、回転リング12の中心部分は開口して、そこに寝台の天板15に載置された被検体Pが挿入される。
被検体Pを透過したX線はX線検出器14で電気信号に変換され、データ収集部16で増幅され、デジタルデータに変換される。データ伝送装置17は、データ収集部16からのデジタルデータ(投影データ)をコンピュータシステム20へ伝送する。また、ガントリ11には、ガントリ駆動部18及びX線制御部19が設けられている。
コンピュータシステム20は、データ伝送装置17からのデータが送られる前処理部21を有し、前処理部21では、信号強度の補正や信号欠落の補正等を行い、投影データをバスライン201上に出力する。バスライン201にはシステム制御部22、入力23、データ記憶部24、再構成処理部25、画像データ処理部26、表示部27等が接続されている。
システム制御部22はコンピュータシステム20の各部の動作や、ガントリ駆動部18及びX線制御部19を制御するものである。
データ記憶部24は断層画像等のデータを記憶するものであり、再構成処理部25は投影データから3D画像データを再構成する。画像データ処理部26はデータ記憶部24に保存されたデータ、または再構成したあとの画像データを処理して特定領域の3D画像データを作成する。表示部27は画像データ処理によって得られた医用画像等を表示する。
入力部23はキーボード、マウス等を有し、ユーザ(医師、オペレータ等)によって操作され、データ処理する上で各種の設定、例えば表示条件の設定や、連結領域抽出の開始点(後述)の設定等を行う。また、患者の状態や検査方法等の各種情報を入力するものである。
図2は、本発明の主要部である画像データ処理部26の具体構成を示すブロック図である。図2において、画像データ処理部26は、3D画像処理部31、表示設定部32、領域抽出部33、連結領域抽出部34、連結領域の抽出開始点を指定する開始点指定部35、収縮/膨張処理部36、データ保持部37を備えてなる。
3D画像処理部31は、3D画像データをデータ記憶部24から読み込み、所定の投影法により3D投影画像データを作成し、作成した3D投影画像データを表示部27に供給して表示させる機能と有する。
3D投影画像データの作成のための手法としては、任意の位置及び角度の断面像を再構成する多断面再構成法(MPR:Multi Planar Reconstruction)、CPR法(Curved Planar Reconstruction)や、任意の方向に投影処理を行い投影経路中の最大値を表示する最大値投影法(MIP:Maximum Intensity Projection)、又は最小値を投影する最小値投影法(Minimum Intensity Projection)、加算平均投影法(X-ray Projection)がある。また閾値を用いて表面構成ボクセルを選別して立体感のある画像を再構成する表面表示法(Surface rendering)や、SSR法(Shaded Surface Rendering)、さらに不透明度を導入して内部情報を可視化するVR法(VR:Volume Rendering)、SVR法(Shaded Volume Rendering)、等の方法が挙げられる。
尚、以下の説明では、3D画像処理部31で作成する3D投影画像データは、造影剤により血管が造影されたボリュームデータとする。また、表示部27に造影血管の画像を表示する場合を例に説明する。
3D画像処理部31は、再構成処理部25からの3D画像データまたはデータ記憶部24に保存された画像データを参照し、表示設定部32で設定された閾値に基づいて3D画像データの特定領域データを抽出し、領域抽出データ(例えば血管領域のデータ)を領域抽出部33に供給する。
領域抽出データを求める際に使用する閾値には、画素値(CT値)を用いることができる。さらに不透明度(オパシティ)を用いても良い。表示設定部32で設定した閾値領域は、3D画像データ中における観察物体とみなすことができる。表示設定部32は、領域抽出データを求める際の閾値を、入力部23から供給された情報に基づいて設定する。
領域抽出部33には、連結領域抽出部34、及び連結領域抽出のための開始点を指定する開始点指定部35が接続されている。開始点指定部35は、入力部23のマウス等の操作により、表示部27に表示された3D投影画像を参照して連結領域の開始点を指定する。
開始点を指定する場合、入力部23のマウス等の操作により、画像表示部27に表示された3D投影画像上に例えば点が表示され、点で示す位置が連結領域の開始点を指す。領域抽出部33に接続された局部収縮/膨張処理部36は、データ保持部37に保持された収縮/膨張サイズデータに基づいて開始点が指定された連結領域データ(例えば造影血管)を収縮(erosion)させる。このとき開始点からの距離に応じて収縮処理が行われる。
連結領域抽出部34は、開始点指定部35から受けた開始点情報に基づいて、指定された開始点に連結する閾値領域を観察物体とみなし、一般的な連結領域抽出法により連結領域データを求める。例えば造影血管内に開始点が指定された場合、開始点に連結する部位(本例では血管)が抽出される。このとき、開始点付近は収縮処理が行われているため、血管と近接する骨との分離が容易にできる。
こうして連結領域抽出部34は、連結領域(例えば造影血管)のデータが3D投影画像として表示すべきものとして設定されている場合には、その領域のデータを領域抽出部33に送る。
さらに、領域抽出部33は、局部収縮/膨張処理部36を制御して、抽出した連結領域データに対して先の収縮処理と逆に膨張(dilation)の処理を行い、その膨張した領域抽出データのみを3D画像処理部33に送り、表示部27に表示する。このときの膨張サイズも開始点からの距離に応じて膨張処理が行われる。
図3は、図1の画像データ処理部26の動作を説明するためのフローチャートを示す。また図4〜図8は本発明の動作説明に供する図であり、フローの説明において併せて説明する。
まず、スタートステップS0では、被検体Pの造影血管画像を収集するために、造影剤投与を伴うスキャンが実行され、被検体Pの3D画像データが再構成される。すなわち、コンピュータ装置20からの制御信号によりX線制御部19からX線管13に管電流や管電圧が供給され、被検体PにX線が照射される。被検体Pを透過したX線はX線検出器14で検出され、検出されたX線検出信号はデータ収集部16にてデジタル化されデータ伝送装置17を介して、生データとしてコンピュータシステム20に送られる。
コンピュータシステム20では、前処理部21によって補正処理された生データが投影データに変換される。そして、再構成処理部25により投影データから3D画像データが再構成され、再構成された3D画像データはデータ記憶部24に保存される。データ記憶部24に保存された造影血管を含む3D画像データは、画像データ処理部26に取り込まれ、造影血管の3D投影画像データの作成に利用される。
次にステップS1では表示設定部32によって設定された表示条件に基いて造影血管や骨領域を含む画像データから3D投影画像データが作成されて表示部27に表示される。
即ち、このステップS2では、表示設定部32により、それぞれのレンダリング機能にあわせて、CT値、オパシティ、カラーなどの閾値が造影血管を表示するために設定される。3D画像処理部31では、造影血管や骨領域を含む3D画像データをデータ記憶部24から読み込んで、ボリュームレンダリング、MPR、MIP(最大値表示)等のレンダリング処理を行い、画像データを作成する。このときボリュームデータは、造影剤により血管が造影されたボリュームデータとする。
例えば作成された画像データがMPR画像であるとすると、表示部27には図4(a)のような画像が表示され、造影血管αと骨βが表示される。図4(a)は、ボリュームデータのアキシャル面の断面画像の例であるが、大動脈(造影血管α)と背骨(β)が接触している。実際の人体ではこのようなことはあり得ないが、造影血管と骨の画素値がオーバラップしていることや、パーシャルボリュームエフェクトなどの影響により、再構成画像上ではよく見られる。図4(b)は、造影血管と骨が空間的に接合している様子を拡大して示し、造影血管αと骨βの接触部を点線の円で示している。尚、図4(c)はVR画像を概略的に示したものである。
このように、表示されたMPR画像には、造影血管とともに臨床診断上削除すべき骨領域の画像が含まれるため、次のステップS2ではMPR画像から造影血管の領域を抽出する作業の一環として連結領域抽出の開始点(シード点)を指定する。開始点は一般的にシード点と呼ばれており、連結領域抽出の起点となる。
シード点の指定は、骨と空間的に接合している部分を選んで、入力部23のマウスを利用して行われ、図4(b)の点xで示すように、MPR画像上の点をクリックして指定する。オペレータが指定する場合、例えばMPR画像を用いて行なうが、複数のレンダリング画像を参照して接合していそうな箇所を探す場合もある。図4(c)はVR画像を参照してシード点を指定する場合を示している。一般的にはMPR画像やMIP画像を用いた方が血管内部の状況が分かりやすいためシード点の指定がしやすい。
シード点xの位置がクリックされると、開始点指定部35から領域抽出部33に対してクリックされた位置が連結領域抽出のシード点であることを伝える。これを受けて領域抽出部33は、ステップS3においてシード点xから各表面までの距離を算出する。この様子を図5(a)、(b)に示す。即ち、シード点xが決まると、その点から物体表面(この場合は血管)の各ボクセルまでの距離を計測する。
次に領域抽出部33は、ステップS4において局所収縮/膨張処理部36を制御し、計測した距離情報に応じて、各表面のボクセルからシード点xに向かって収縮処理を行う。この収縮サイズは、図6に示すように、シード点xからの距離と、線形あるいか非線形の関係で収縮されるように予め定義しておく。図6では、シード点xから表面間までの距離が長くなるほど収縮のサイズが小さく、シード点xから表面間までの距離が短くなるほど収縮のサイズが大きくなるように定義している。図6の横軸は距離を示し、ボクセル数で表している。この距離に対する収縮サイズのデータは、データ保持部37に保持されており、収縮/膨張処理時に読み出される。
また、シード点xから表面間までの距離が最も短い部分の収縮サイズは、(最短距離−1ボクセル)のサイズまでに制限され、収縮した時にシード点xが物体領域の外にならないようにしている。
図7(a),(b)は収縮処理の後の造影血管の画像を示している。この図から分かるように、造影血管は骨との接合部に近いほど収縮され、骨と反対側は殆ど収縮されないため、接合部に近い部分が局所的に収縮される。
次に領域抽出部33は、ステップS5において連結領域抽出部34を制御して、シード点xを用いて連結領域の抽出処理を行う。つまり連結領域抽出部34は、MPR画像上のクリック位置(シード点x)を起点として、MPR画像の視線方向に走査することにより連結領域として指定された造影血管部の画像データを検出して抽出する。これは連結領域抽出法として一般に行われている技術である。この連結領域の抽出時には、骨との接合部付近は収縮されているため、骨との分離が容易になる。
連結領域が抽出された後、領域抽出部33はステップS6において局所収縮/膨張処理部36を制御し、膨張処理を行う。この膨張処理においては、その膨張サイズは図6で定義したように、収縮処理と同様に行われ、シード点xから表面間までの距離が長くなるほど膨張のサイズが小さく、シード点xから表面間までの距離が短くなるほど膨張のサイズが大きくなるように定義している。この距離に対する膨張サイズのデータも、データ保持部37に保持されており、膨張処理時に読み出される。
ステップS7では、膨張処理の後の抽出領域(造影血管)の3D画像のみを表示する。図8は表示部27に表示された造影血管の画像を示している。この図から分かるように、造影血管は元の状態に膨張したものとなり、膨張による変形も殆どない。仮に変形があったとしても僅かであり、骨との接合部に近い局所的な部分に限られるため影響は少ない。また、ステップS7では求めた領域抽出データを用いて、必要に応じて血管径の計測などの解析処理を行なう。ステップS8は終了ステップである。
尚、ステップS5において連結領域を抽出した後その抽出した部分(血管部分)を分離して、分離した残余の部分(骨の部分)のみの画像を表示するようにしても良い。これは表示設定部32において、連結領域のデータを3D投影画像から削除する旨、設定されている場合に行われる。この場合、骨部に接触していた血管部が収縮処理されることで、骨部のみを正確に分離して表示することができる。
このように本発明によれば、物体の分離、例えば造影血管と骨の分離に必要な収縮/膨張を局所的に行なうことができ、抽出処理による物体全体での形状変化を抑えることができ、また収縮/膨張時の計算量を少なくすることにより処理時間を短縮することができる。
尚、以上の説明では、X線CT装置10を用いた例を述べたが、MRI装置や超音波診断装置等、他の画像診断装置により得られた3D画像データから3D投影画像データを作成するようにしても良い。また、3D投影画像データとしてMPR画像,VR画像を例にして説明したが、MIP,SVR等で作成した画像を用いることもできる。また、特許請求の範囲を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
10…医用画像診断装置(X線CT装置)
20…コンピュータシステム
21…前処理部
22…システム制御部
23…入力部
24…データ記憶部
25…再構成処理部
26…画像データ処理部
27…表示部
31…3D画像処理部
32…表示設定部
33…領域抽出部
34…連結領域抽出部
35…開始点指定部
36…収縮/膨張処理部
37…データ保持部
20…コンピュータシステム
21…前処理部
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27…表示部
31…3D画像処理部
32…表示設定部
33…領域抽出部
34…連結領域抽出部
35…開始点指定部
36…収縮/膨張処理部
37…データ保持部
Claims (11)
- 医用画像診断装置により取得した画像データから特定領域の画像データを抽出して3次元投影画像データを生成する3D画像処理部と、
前記3D画像処理部からの3次元投影画像を表示させる表示部と、
前記表示部に表示された3次元投影画像からユーザが指定した連結領域の画像を抽出するため、連結領域抽出の開始点を指定する開始点指定部と、
前記連結領域の画像の前記開始点から表面までの距離を算出して、前記距離が短い部分ほど収縮サイズが大きくなるように、前記連結領域の画像データに対して前記表面から前記開始点に向かって収縮処理を行う収縮処理部と、
前記収縮処理が行われた前記連結領域の画像データを抽出する連結領域抽出部と、を具備し、
前記3D画像処理部は、前記特定領域の画像データから前記収縮処理された連結領域の画像データを分離し、分離した連結領域の画像データまたは分離後の残余の画像データを利用して前記表示部に3次元投影画像データを表示することを特徴とする医用画像処理装置。 - 前記特定領域の画像データを抽出するため、オパシティ及び画素値を含む閾値を設定する表示設定部と、前記3次元投影画像データから前記表示設定部によって設定された閾値に基く特定領域の画像データを抽出する領域抽出部と、を具備したことを特徴とする請求項1記載の医用画像処理装置。
- 前記開始点は、前記連結領域の画像に近接する他の画像に近い位置に設定することを特徴とする請求項1記載の医用画像処理装置。
- 前記連結領域抽出処理部で抽出した画像データを前記開始点と前記表面間の距離が短い部分ほど膨張サイズが大きくなるように前記開始点から前記表面に向かって膨張処理を行う膨張処理部をさらに具備し、
前記3D画像処理部は、前記膨張処理された画像データに基づく3次元投影画像データを前記表示部に表示することを特徴とする請求項1記載の医用画像処理装置。 - 前記開始点から表面までの距離は、その間のボクセル数によって規定され、前記収縮処理部は、前記開始点から前記表面までの距離が最も短い部分の距離をLとしたとき、(L−1ボクセル)以上収縮されないように制限したことを特徴とする請求項1記載の医用画像処理装置。
- 前記連結領域抽出の開始点を指定するときの前記表示部に表示された3次元投影画像は、多断面再構成法(MPR)又は最大投影法(MIP)による画像を用いることを特徴とする請求項1記載の医用画像処理装置。
- 前記開始点から各表面までの距離に対する収縮/膨張サイズのデータを記憶したデータ保存部を有し、前記収縮処理部及び前記膨張処理部は前記データ保存部に記憶された収縮サイズのデータに基いて収縮/膨張処理を行うことを特徴とする請求項4記載の医用画像処理装置。
- 医用画像診断装置により取得した画像データから特定領域の画像データを抽出して3次元投影画像データを生成して表示部に3次元投影画像を表示し、
前記表示部に表示された3次元投影画像からユーザが指定した連結領域の画像を抽出するため、前記表示部の画面上で連結領域抽出の開始点を指定し、
前記連結領域の画像の前記開始点から表面までの距離を算出して、前記距離が短い部分ほど収縮サイズが大きくなるように、前記連結領域の画像データに対して前記表面から前記開始点に向かって収縮処理を行い、
前記収縮処理が行われた前記連結領域の画像データを抽出し、
前記特定領域の画像データから前記抽出された連結領域の画像データを分離し、
分離した連結領域の画像データ、または分離後の残余の画像データを利用して前記表示部に3次元投影画像データを表示することを特徴とする医用画像処理方法。 - 前記特定領域の画像データを抽出するため、オパシティ及び画素値を含む閾値を設定することを特徴とする請求項8記載の医用画像処理方法。
- 前記開始点は、前記連結領域の画像に近接する他の画像に近い位置に設定することを特徴とする請求項8記載の医用画像処理方法。
- 前記抽出された連結領域の画像データを前記開始点と前記表面間の距離が短い部分ほど膨張サイズが大きくなるように前記開始点から前記表面に向かって膨張処理を行い、
前記膨張処理された画像データに基づく3次元投影画像データを前記表示部に表示することを特徴とする請求項8記載の医用画像処理方法。
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