JP2008016251A - 画像表示装置及びスペーサ - Google Patents
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Abstract
【課題】電子照射時の帯電を除去し易くし、電子ビームの偏向量を低減して高電圧が印加できるようにした画像表示装置とそれに使用されるスペーサを提供する。
【解決手段】冷陰極素子を形成したカソード基板と、蛍光体を形成したアノード基板と、カソード基板とアノード基板の間に配置され両基板を支持するスペーサとを備えた画像表示装置において、スペーサを、遷移金属酸化物を主成分とするガラスからなり、スペーサ表面部分の遷移金属元素の濃度がスペーサ内部よりも高いもので構成する。スペーサ内部よりも表面部分の電気抵抗が低くなるため、電子照射時の帯電を除去し易くなり、電子ビームの偏向量を低減できる。これにより、高電圧が印加でき、画質向上が図れる。
【選択図】図1
【解決手段】冷陰極素子を形成したカソード基板と、蛍光体を形成したアノード基板と、カソード基板とアノード基板の間に配置され両基板を支持するスペーサとを備えた画像表示装置において、スペーサを、遷移金属酸化物を主成分とするガラスからなり、スペーサ表面部分の遷移金属元素の濃度がスペーサ内部よりも高いもので構成する。スペーサ内部よりも表面部分の電気抵抗が低くなるため、電子照射時の帯電を除去し易くなり、電子ビームの偏向量を低減できる。これにより、高電圧が印加でき、画質向上が図れる。
【選択図】図1
Description
本発明は、真空中へ電子を放出させ、電子の衝突により蛍光体を発光させて画像を形成する画像表示装置に係る。特に冷陰極素子を有するカソード基板と、蛍光体を有するアノード基板とをスペーサを介して対向配置した構造を有する平面型画像表示装置と、それに使用されるスペーサに関する。
近年、情報処理装置或いはテレビジョン放送の高画質化に伴い、高輝度、高精細の特性を有すると共に軽量、省スペース化が図れることから、平面型画像表示装置(FPD:Flat Panel Display)への関心が高まっている。この平面型画像表示装置の代表的なものが液晶表示装置やプラズマ表示装置であり、また、最近注目されているフィールドエミッションディスプレイ(Field Emission Display、以下、FEDと称する)である。
FEDは冷陰極素子の電子放出素子をマトリクス状に配置した電子源を有する自発光型の表示装置である。電子放出素子としては、表面伝導型放出素子(SED型)、電界放出型素子(FE型)、金属/絶縁膜/金属型放出素子(MIM型)などが知られている。また、FE型では、モリブデン等の金属或いはシリコン等の半導体物質で作られたスピン型や、カーボンナノチューブを電子源とするCNT型などが知られている。
FEDでは、電子源が形成された背面パネルと、電子源から放出された電子によって励起されて発光する蛍光体が形成された前面パネルとの間に空間を設けて、この部分を真空雰囲気に保つ必要がある。このために、背面パネルと前面パネルの内周縁部分に封止枠が設けられる。また、真空に保たれた空間部が大気圧に耐えられるようにするために、両パネル間にスペーサと呼ばれる支持部材が配置される。
このスペーサとして、絶縁性部材よりなる基材の表面に半導電性部材よりなる層を形成し、更に、その表面を一周するループ状の導電性部材を設けたものが知られている(例えば特許文献1参照)。また、絶縁性ガラスよりなる基材の表面に導電膜を形成したものが知られている(例えば特許文献2参照)。
電子源を用いた平面型画像表示装置は、通常、電子源とアノードとの間の電位差が3〜10kV程度となるように、アノードに電圧が印加される。この印加電圧が高いほど、パネルの高輝度化と長寿命化を図れるが、一方で背面パネルと前面パネルの間に配置されるスペーサに電荷が帯電しやすくなる。スペーサが帯電すると、カソードからアノードに飛行する電子ビームがスペーサ側に引き寄せられる、或いは、反発してスペーサから遠ざかるという現象が起こる。この結果、明るさが変わり、スペーサの影が画面に表示されるようになって、画質が悪くなるという問題が生じる。また、放電が起こりやすくなり、カソードや他の構造部品が破壊される恐れもある。
スペーサの帯電を防ぐには、スペーサに或る程度の導電性を付与することが必要であり、そのための手段として、特許文献1及び特許文献2に見られるように、絶縁性部材よりなる基材の表面に導電層を設けたものが知られている。
本発明の目的は、電子照射時の帯電を除去し易くし、電子ビームの偏向量を低減して高電圧が印加できるようにした画像表示装置とそれに使用されるスペーサを提供することにある。
本発明は、冷陰極素子を形成したカソード基板と、蛍光体を形成したアノード基板と、カソード基板とアノード基板の間に配置され両基板を支持するスペーサとを備えた画像表示装置において、スペーサが遷移金属酸化物を主成分とするガラスからなり、スペーサ表面部分の遷移金属元素の濃度が内部よりも高いことを特徴とする。
また、本発明は、冷陰極素子を形成したカソード基板と、蛍光体を形成したアノード基板との間にスペーサを有する画像表示装置におけるスペーサであって、遷移金属酸化物を主成分とするガラスからなり、スペーサ表面部分の遷移金属元素の濃度を内部よりも高いことを特徴とする。
本発明の画像表示装置は、スペーサ内部よりも表面部分の電気抵抗が低いために、電子照射時の帯電を除去し易く、電子ビームの偏向量を低減できるという効果がある。これにより、高電圧を印加でき、画質向上が図れるという効果がある。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。ただし、以下に述べる形態に限定されるものではない。
図1は、平面型画像表示装置に使用される本発明のスペーサの構成を示した概略図である。図2は、本発明のスペーサを備えた平面型画像表示装置の一例として、電界放出型画像表示装置を示したものであり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA−A線における概略断面図である。図3は、図2のA−A線に沿った断面の詳細構造を示した模式図であり、図4は、図3の一部を拡大して示した断面図である。図5は、画像表示装置の全体構造を斜視図で示したものであり、図6は図5のB−B線に沿った断面図である。
図1において、スペーサ101は遷移金属酸化物を主成分とする導電性のガラスにより構成されている。遷移金属元素の濃度はスペーサ内部110よりもスペーサ表面部120の方が高い。これにより、スペーサ表面部120の電気抵抗がスペーサ内部110よりも低くなっている。スペーサ表面部の電気抵抗をスペーサ内部よりも低めに設定したことで、スペーサの帯電防止効果が向上し、電子ビーム偏向量を低減できる。スペーサ101は背面パネルにおけるカソード基板211と前面パネルにおけるアノード基板221との間に配置されており、それぞれの基板と導電性接着剤115により接着されている。
背面パネル201は、パネルの基材であるカソード基板211の内面側に信号線(データ線、カソード電極線)212と走査線(ゲート電極線)213を有しており、この信号線と走査線の交差部近傍に電子源214が形成されている。電子源214は冷陰極素子の電子放出素子がマトリクス状に配置されたものである。走査線213の端部には図5に示したように走査線引き出し線216が形成され、信号線212の端部には、図5及び図6に示したように信号線引き出し線217が形成されている。
前面パネル202は、パネルの基材であるアノード基板221の内面側に遮光膜(ブラックマトリクス)222と、アノード(メタルバック)223及び蛍光体層224等を有している。なお、図2〜6ではスペーサ101の構造を簡略化して一枚の板の形で示したが、実際には図1に示すように構成されている。
カソード基板211とアノード基板221の内周縁部には封止枠(枠ガラス)203が設けられ、この封止枠とカソード基板及びアノード基板が封着剤により接着され、封止接着層204が形成されている。これによって、背面パネルと前面パネルとの間に空間部分が形成される。この空間部分は通常、10−5〜10−7Torrの圧力の真空雰囲気に保持され、表示領域207となる。表示領域207を真空雰囲気に保持するために、図5及び図6に示したように背面パネル201の一部に排気管208が接続される。
スペーサ101は、カソード基板211の内面に形成された走査線213とアノード基板221の内面に形成された遮光膜(ブラックマトリクス)222との間に設置され、導電性接着剤115によって接着される。なお、図2〜6では、走査線213に沿って三枚のスペーサが配置されているが、これは一例であって、例えば一枚の長いスペーサを配置しても良い。
カソード基板211の材料は、ガラス又はアルミナ等のセラミックスが好適であり、アノード基板221の材料は透明なガラスが好適である。通常はカソード基板にガラス板が用いられる。また、通常、カソード基板とアノード基板との内周縁部の間隔は、2〜5mm程度に保たれる。
図7は、本実施例の平面型画像表示装置における一画素の構成例を模式図で示したものである。背面パネル201において、カソード基板211の主面(内側表面)には、アルミニウム膜を好適とする電子源の下部電極を構成する信号線212、下部電極のアルミニウムを陽極酸化した陽極酸化膜からなる第一の絶縁膜271、窒化シリコン膜(SiN)を好適とする第二の絶縁膜272、給電電極(接続電極)274、クロムを好適とする走査線213、走査線213に接続された画素の電子源を構成する上部電極275が形成されている。
電子源214は、信号線212を下部電極とし、下部電極の上に位置する第一の絶縁膜271の一部を形成する薄膜部分273と、この薄膜部分273の上層に積層される上部電極275の部分とで構成される。上部電極275は、走査線213と給電電極274の一部とを覆って形成されている。薄膜部分273は、所謂トンネル膜である。この構成で、所謂ダイオード電子源が形成される。
一方、前面パネル202において、透明なガラス基板を好適とするアノード基板221の主面には、遮光膜(ブラックマトリクス)222で隣接画素と区画された蛍光体層224、アルミニウム蒸着膜を好適とするアノード223が形成されている。背面パネル201と前面パネル202の間にはスペーサ101が配置されている。
このように構成された平面型画像表示装置において、背面パネル201の上部電極275と前面パネル202のアノード223との間に加速電圧を印加すると、下部電極である信号線212に供給される表示データの大きさに応じた電子e−が出射し、加速電圧によって蛍光体層224に衝突し、これを励起して所定周波数の光250を前面パネル202の外部に出射する。なお、フルカラー表示の場合には、この単位画素はカラーの副画素(サブピクセル)であり、通常は赤(R),緑(G),青(B)の三つの副画素で一つのカラー画素(カラーピクセル)が構成される。
図8は本実施例の平面型画像表示装置の等価回路例を説明する図である。図8において破線で示された領域は表示領域207であり、この表示領域207にn本の信号線212とm本の走査線213が互いに交差して配置され、n×mのマトリクスが形成されている。マトリクスの各交差部は副画素を構成し、図中の三つの単位画素(或いは、副画素)すなわちR,G,Bの1グループで、カラー1画素を構成する。信号線212は、信号線引き出し線216によって画像信号駆動回路281に接続され、走査線213は走査線引き出し線217によって走査信号駆動回路282に接続されている。画像信号駆動回路281には外部信号源から画像信号NSが入力され、走査信号駆動回路282には同様に走査信号SSが入力される。
これにより、順次選択される走査線213に交差する信号線212に画像信号を供給することで、二次元のフルカラー画像を表示することができる。
本実施例の平面型画像表示装置において、スペーサは電子放出素子からの電子の作用により電荷が帯電しやすい。スペーサが帯電すると、スペーサ近傍では電子放出素子から放出される電子ビームの軌道が曲げられ、スペーサ側に引き寄せられる、或いは、スペーサ側から遠ざかるという現象が生じて、画質が低下するようになる。スペーサの帯電を防ぐには、スペーサの表面に或る程度の導電性を有する層を形成し、スペーサ表面に微小電流を流すことが望ましい。
遷移金属酸化物を含むガラスは導電性を有するので、画像表示装置のスペーサとして好適である。しかし、この遷移金属酸化物を含むスペーサは、表面の電気抵抗が内部の電気抵抗に比べて高いことが分かった。スペーサは通常、一般的なガラス製造方法、例えば原料粉末を混合し、溶解炉で溶解した後、線引きする方法で作られ、その組成は均質である。にもかかわらず、スペーサ表面の電気抵抗がスペーサ内部の電気抵抗に比べて高い。スペーサの帯電を低減する点からすると、スペーサ表面の電気抵抗が内部に比べて高いのは好ましくない。この原因を追究したところ、画像表示装置に組み込む前の保管中にスペーサ表面に水分が付着し、これによりリンが表面側に引き寄せられて、表面のリン濃度が高くなり、結果として、表面近傍の移金属元素の濃度が内部に比べて低下するためであることが分かった。
以上の検討結果を踏まえて、本発明では、遷移金属酸化物を含むガラススペーサにおいて、スペーサ表面の遷移金属元素濃度を高めて、スペーサ表面の電気抵抗を内部より下げることにした。スペーサ表面部分の電気抵抗が内部に比べて低いスペーサは、帯電防止効果に優れ、電圧の印加を停止した後に速やかに電荷を消滅させることができる。
表面の遷移金属元素濃度が高いスペーサは、一例として、所望のガラス組成で作製したガラスプリフォームを、酸素濃度が低い雰囲気で線引きするリドロー法により製造することができる。また、ガラススペーサの表面に遷移金属酸化物を多量に含むガラスをコートし、加熱して遷移金属酸化物を拡散させる熱拡散方法により製造することができる。
線引き方法の一例を具体的に説明すると、まず、ガラス原料を配合、混合、溶融し、ガラスインゴットを作製する。このインゴットを加工し、ガラスプリフォームを作製する。このプリフォームを線引き炉に装着し、酸素濃度が低い雰囲気、例えばヘリウム、アルゴン或いは窒素などの不活性ガス雰囲気或いは窒素と少量の水素を含む雰囲気に保持する。ガラスプリフォームを低酸素濃度の雰囲気或いは水分を含まない雰囲気で線引きすることで、スペーサ表面部分の遷移金属元素濃度を内部に比べて高くすることができる。
本発明のスペーサは、遷移金属酸化物として酸化バナジウム、酸化タングステン、酸化モリブデンから選ばれた少なくとも一種を含むことが望ましい。特に、酸化バナジウムを含むものが望ましい。これらの酸化物は、いずれもガラス中で導電性を有しており、帯電防止効果がある。これらの酸化物の中では、酸化バナジウムが最も導電性が優れており、次いで酸化タングステン、酸化モリブデンの順で優れている。さらに、酸化タングステンにはガラスの耐熱性を向上する効果、酸化モリブデンにはガラスの二次電子放出を低減する効果がある。このため、本発明ではこれらの酸化物の全てを含むことが望ましいが、酸化モリブデンはガラスの化学的安定性を劣化させることがあるので、注意が必要である。このような場合には、酸化モリブデンを取り除くことが望ましい。
スペーサの材料には、以上述べた遷移金属酸化物のほかに、ガラス化するための酸化物が混合される。ガラス化するための酸化物としてはリン酸化物が最も好ましく、また、リン酸化物とともに酸化バリウムを含むことも可能である。また、酸化バリウムはその含有量によってガラスの熱膨張係数を制御することができる。
本発明のスペーサにおいて、遷移金属元素濃度が高いスペーサ表面部の厚みは0.1〜3μmとすることが望ましく、この範囲内で電子ビームの偏向量を低減する効果が特に顕著に現れる。厚みは、線引き炉の温度或いは線引きの速度を調節することによって制御可能である。この厚みが0.1μm未満ではスペーサが帯電し易く、ビーム偏向量が大きい。結果として、スペーサの影が画面上に見えてしまう。一方、3μmを超えると、スペーサ電流が増加し、熱暴走し易くなり、パネルを破損させてしまう可能性がある。
スペーサの比抵抗は消費電力低減及び帯電防止の観点から107〜1010Ωcmであることが望ましく、酸化バナジウム、酸化タングステン或いは酸化モリブデンの含有量を調整することによって制御可能である。スペーサの比抵抗が107Ωcm未満では、スペーサに電流が流れすぎ、熱暴走し、パネル破損が生じ易くなる。1010Ωcmを超えると、スペーサガ帯電し易く電子ビームが大きく吸引され易くなる。
本発明の画像表示装置はスペーサに電荷が帯電しにくいので、アノード電圧を10〜15kV程度まで高めることが可能であり、これにより画像の質を高めることができる。アノード電圧を、この範囲にすることで、十分な輝度が得られ、また、スパークが発生しにくくなり、スペーサや配線の破損が生じにくくなる。
本発明のスペーサの具体例として、表1に示す二通りのガラス成分でスペーサを作った。スペーサAは遷移金属酸化物として酸化タングステンと酸化バナジウムと酸化モリブデンを含み、ガラス化成分としてリン酸化物と酸化バリウムを含んでいる。スペーサBは酸化モリブデンを含んでいない点で、スペーサAと異なっている。
表1に示す成分組成のガラス材料を原料として、線引き方法によりスペーサを製造した。スペーサの形状は、高さが3mm、厚みが0.12mm、長さが350mmとした。線引き時の雰囲気は、窒素ガス雰囲気、アルゴンガス雰囲気、ヘリウムガス雰囲気、窒素ガスに1%の水素を含有した雰囲気及び空気中の五通りとした。
それぞれの雰囲気で線引きして製造したスペーサA、スペーサBについて、10−6Paの真空中で比抵抗(Ωcm 1kW)を測定した。結果を表2に示す。
スペーサAのSIMS分析結果を図9に示し、スペーサBのSIMS分析結果を図10に示す。図9及び図10において、縦軸は遷移金属元素の濃度分布を示し、横軸はスペーサ表面(側面)からの深さを示す。線引き時の雰囲気によって遷移金属濃度の高い部分の厚みが異なり、窒素ガス雰囲気で線引きした場合にはスペーサのごく表面部分だけが高濃度になる。高濃度部分の厚みは雰囲気がアルゴンガス雰囲気、ヘリウムガス雰囲気、窒素ガス+水素ガスの雰囲気の順に増大することが確認された。空気中で線引きした場合には、スペーサ表面部分の遷移金属濃度はスペーサの内部よりも低いことが明らかである。
窒素ガス雰囲気で線引きして製造したスペーサAとスペーサBを用いて、カソード基板とアノード基板との間に3mm高さの空間部を有する平面型画像表示装置を試作した。そして、パネル内の真空度を10−6Paとし、アノード電圧を7kV,10kV,15kVの三通りに変えて電子ビーム偏向量を測定した。スペーサA搭載パネルについて、電子ビーム偏向量とスペーサ側面からの距離との関係を図11に示す。また、スペーサB搭載パネルについて、同様に電子ビーム偏向量とスペーサ側面からの距離との関係を図12に示す。10kV以上のアノード電圧を印加しても、電子ビームの偏向量は少なく、本発明のパネルは高電圧の印加が可能であることが確認された。
101…スペーサ、110…スペーサ内部、115…導電性接着層、120…スペーサ表面部、201…背面パネル、202…前面パネル、203…封止枠、204…封止接着層、211…カソード基板、212…信号線、213…走査線、214…電子源、207…表示領域、221…アノード基板、222…遮光膜(ブラックマトリクス)、223…アノード、224…蛍光体層。
Claims (11)
- 冷陰極素子を形成したカソード基板と、蛍光体を形成したアノード基板と、前記カソード基板と前記アノード基板の間に配置され両基板を支持するスペーサとを備えた画像表示装置において、前記スペーサが遷移金属酸化物を主成分とするガラスからなり、スペーサ表面部分の遷移金属元素の濃度が内部よりも高いことを特徴とする画像表示装置。
- 請求項1において、前記スペーサのガラスに含まれる遷移金属酸化物が酸化バナジウム、酸化タングステン及び酸化モリブデンから選ばれた少なくとも一種よりなることを特徴とする画像表示装置。
- 請求項1において、前記ガラスが酸化タングステンと酸化バナジウムを含み、更にガラス成分としてリン酸化物を含むW−V−P−O系ガラス、或いは更に酸化モリブデンを含むW−V−Mo−P−O系ガラスよりなり、スペーサ表面部分のタングステンとバナジウムとモリブデンの濃度がスペーサ内部よりも高いことを特徴とする画像表示装置。
- 請求項1において、前記スペーサの遷移金属元素濃度が高い表面部分の厚みが0.1〜3μmであることを特徴とする画像表示装置。
- 請求項1において、前記スペーサの比抵抗が107〜1010Ωcmであることを特徴とする画像表示装置。
- 請求項1において、アノード電圧が10〜15kVであることを特徴とする画像表示装置。
- 冷陰極素子を形成したカソード基板と、蛍光体を形成したアノード基板との間にスペーサを有する画像表示装置における前記スペーサであって、遷移金属酸化物を主成分とするガラスからなり、スペーサ表面部分の遷移金属元素の濃度が内部よりも高いことを特徴とする画像表示装置用スペーサ。
- 請求項7において、前記遷移金属酸化物が酸化バナジウム、酸化タングステン及び酸化モリブデンから選ばれた少なくとも一種よりなることを特徴とする画像表示装置用スペーサ。
- 請求項7において、前記ガラスが酸化タングステンと酸化バナジウムを含み、更にガラス成分としてリン酸化物を含むW−V−P−O系ガラス、或いは更に酸化モリブデンを含むW−V−Mo−P−O系ガラスよりなり、スペーサ表面部分のタングステンとバナジウムとモリブデンの濃度がスペーサ内部よりも高いことを特徴とする画像表示装置用スペーサ。
- 請求項7において、前記遷移金属元素の濃度が高いスペーサ表面部分の厚みが0.1〜3μmであることを特徴とする画像表示装置用スペーサ。
- 請求項7において、比抵抗が107〜1010Ωcmであることを特徴とする画像表示装置用スペーサ。
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