JP2008015751A - 地震災害防止システム - Google Patents
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Abstract
【課題】建屋・機械・配管など全体を耐震または免震や制震構造にすることが困難な工場に対して、工場ならびに隣接する工場群を対象に地震時に機械装置損傷を軽減するために高精度かつ早期に地震警報を発生させることが可能なシステムを構築しかつ制御を行うシステムを提供する。
【解決手段】基盤地震観測装置および地表地震観測装置およびこれらの地震観測装置の計測地震データを計算するコンピュータの機能を持つ計算装置から構成された地震危険信号伝達装置。
さらに地震危険信号をうけて各工場の機械類を制御する制御分離器を提供し、工場及び工場群の機械を瞬時に制御しリスクを軽減することを可能にしたシステムを提供した。
【選択図】図3
【解決手段】基盤地震観測装置および地表地震観測装置およびこれらの地震観測装置の計測地震データを計算するコンピュータの機能を持つ計算装置から構成された地震危険信号伝達装置。
さらに地震危険信号をうけて各工場の機械類を制御する制御分離器を提供し、工場及び工場群の機械を瞬時に制御しリスクを軽減することを可能にしたシステムを提供した。
【選択図】図3
Description
本発明は基盤産業に属し、工場群の地震防災・減災害技術に関するものである。
本発明では、地震観測を工学的基盤と地表で行い、基盤と地表の地震観測データにより早急に危険信号を発し、地表での観測装置でこの危険信号を早急に解除可能とする、工場群の機械類および作業者の安全を確保するシステムである。
本発明では、地震観測を工学的基盤と地表で行い、基盤と地表の地震観測データにより早急に危険信号を発し、地表での観測装置でこの危険信号を早急に解除可能とする、工場群の機械類および作業者の安全を確保するシステムである。
我が国の工場団地や住宅団地は一般に造成地に作られている。この造成地の多くは田圃や砂丘さらに埋立地などに作られており、表面は締め固めた土砂で整地してあるが下部は軟弱層や砂層のことが多い。
地震は地球内部の断層の破断やずれなどにより起こり、地球内部の固い岩盤内を振動が伝播してくる。この振動は軟弱層に入ると速度は減衰するが振幅は拡大する。地球内部の硬い岩盤部分を地震基盤といい、その地震基盤の上にあり、建築物の基礎になるような硬さの地盤を工学的に工学的基盤と呼んでいる。そして工学的基盤の上部を覆う部分が表層(例えば、図2に示す軟弱層8および埋立層10)である。両基盤を伝ってきた地震の振動は表層部で増幅されて両基盤を伝わってくるときの振幅より大きくなり地表にある建築物や機械類に被害を与える。
工場団地や複数機械が存在する地区においては、地震防災のために建物や機械基礎の免震・耐震などの対策が行われることがあるが、工場団地全体の免震化や耐震化は実施されていない。例えば特許文献1は耐震装置ならびにその施工方法を開示している。
新幹線では東海道新幹線開業以降の経験から1992年以降地上設置型のUrEDASという地震計を軌道付近の変電所に設置し、この地震計が感知する地震時のP波の大きさから計算してある一定以上の地震動(40ガル・80ガル)を感知した場合に変電所の電源を切断し電車を止める方式を行っている。
また鉄道総合技術研究所は、特許文献2に開示されている地震早期検知・制御システムにおいてマイクロフォンとボアホールアンテナと地震計の各種データを相互に関連づけて地震動到達前に警報を発することを研究しているが実現していない。
また鉄道総合技術研究所は、特許文献2に開示されている地震早期検知・制御システムにおいてマイクロフォンとボアホールアンテナと地震計の各種データを相互に関連づけて地震動到達前に警報を発することを研究しているが実現していない。
新幹線の地震観測判断装置UrEDASは新潟中越地震の際に発生した上越新幹線の脱線事故では有効に作用していない、ユレダスでは離れた場所にある変電所の電源の切断だけが機能となっており深度の浅いところで起きる地震に対処できない。
例えば2004年10月25日の記事を公開した朝日新聞のホームページ、インターネット<URL:http://www.asahi.com/special/041023/TKY200410240228.html>によるとユレダスが有効に作用しなかったことが記載されている。
例えば2004年10月25日の記事を公開した朝日新聞のホームページ、インターネット<URL:http://www.asahi.com/special/041023/TKY200410240228.html>によるとユレダスが有効に作用しなかったことが記載されている。
東京ガスのSUPREMEは2001年7月に運用を開始したもので3,800ヶ所の整圧所に地震センサーを設置し、約1km2に1基という高密度を実現した地震防災システムである。地震センサーが地震を感知すると地区単位でガス供給が自動的に遮断される。
東京ガスはガス配管の緊急遮断システムの開発に努めており、特許文献3に開示されている地震防災システムおよび地震防災通信システムを完成しているが、このシステムは単一のガスの遮断を目的としたもので本発明のように各種機械の制御を対象にしていない。
東京ガスはガス配管の緊急遮断システムの開発に努めており、特許文献3に開示されている地震防災システムおよび地震防災通信システムを完成しているが、このシステムは単一のガスの遮断を目的としたもので本発明のように各種機械の制御を対象にしていない。
現在工場では地震対策が懸命に行われている。その対策としては先に記載の建物や機械基礎の免震や耐震化、工場の分散を行って地震時に他地域の健全な工場で生産するというリスク回避方法もあるが費用と効果の面で制限がある。これについては日本電波工業(株)では第61期事業報告書(平成13年4月1日から平成14年3月31日)においてインターネット<URL http://www.ndk.com/jp/wn/index.html>によると同社は人工水晶の工場をリスク分散のために米国に建設したと発表している。しかし一般の工場ではこのようなリスク分散は困難である。
また工場団地では各工場は既存の地震保険に加入することが出来ない。地震後に資金を融資してもらい工場を早期に復旧するための拡張担保特約保険もあるが、これも保険料が高額であるという難点がある。(例えば損害保険協会の資料を参照)
工場の場合には生産ラインの機械が生命線であるが、この機械ラインの中で地震時にどの機械を制御停止すれば被害が最小になるかの分析および制御システムが行われているものは少ない。
例えば非特許文献1は、鹿島建設(株)が多層階免震半導体工場を建設と述べているが、半導体などの超精密工場ではこのように工場全体を耐震化する対策が行われるが一般の工場では不可能である。
例えば非特許文献1は、鹿島建設(株)が多層階免震半導体工場を建設と述べているが、半導体などの超精密工場ではこのように工場全体を耐震化する対策が行われるが一般の工場では不可能である。
[0002]および[0003]記載の問題に対しての解決策は堅固な地盤の立地を選択して工場団地を建設することであるが、交通が便利で堅固な地盤の場所は我が国では見つけることが困難である。さらに[0004]記載の従来の免震や耐震化はまとまった施設や住宅には適用しやすいが工場団地など広がりを持つ地域には実施しがたいという問題がある。
上記[0005]と[0006]記載の地上設置型のUrEDASは新幹線対応の機器であり、[0007]記載のSUPREMEはガス管専用のシステムであり、繊細な工場機械などの制御のためにはより精度の高い方法が必要となる。
上記[0008]および[0009]に記載した工場の地震時のリスク回避の方法は、各工場が個別に対処する必要があり、またコストが高いのが難点であり、実施されている割合は低い。さらに[0010]に記載の機械生産システム分析と被害を最小にする制御システムも、大規模工事が必要で費用がかさむため、一般の工場ではほとんど実施されていない。
近年、東海、東南海・南海地震の確率が高くなり、さらに関東直下型地震がこの30年間に発生するといわれ、地震被害対策は必須になってきた。
本発明の提供する技術は、工学的基盤7の振動を検出して信号を出力する基盤地震観測装置1と、地表面の振動を検出して信号を出力する地表地震観測装置2との測定結果の両方で判断を行うことを特徴とする地震災害防止システムであり、工場内にある機械類の運転を制御し、被害を軽減することを課題としている。
近年、東海、東南海・南海地震の確率が高くなり、さらに関東直下型地震がこの30年間に発生するといわれ、地震被害対策は必須になってきた。
本発明の提供する技術は、工学的基盤7の振動を検出して信号を出力する基盤地震観測装置1と、地表面の振動を検出して信号を出力する地表地震観測装置2との測定結果の両方で判断を行うことを特徴とする地震災害防止システムであり、工場内にある機械類の運転を制御し、被害を軽減することを課題としている。
前記目的を達成するために、本願発明の地震災害防止システムは工学的基盤7の振動を検出して信号を出力する基盤地震観測装置1と、地表面の振動を検出して信号を出力する地表地震観測装置2との測定結果の両方で地震による被害が起こるかの判断を行う。
また本願発明の地震災害防止システムは前記の工学的基盤7の振動を検出して信号を出力する基盤地震観測装置1と、地表面の振動を検出して信号を出力する地表地震観測装置2と、前記工学的基盤での振動と地表面での振動の関係を補正するために地下水位を検出する水位計9との観測結果により地震の判断をすることが出来る。
さらに本願発明の地震災害防止システムは工学的基盤7の振動を検出して信号を出力する基盤地震観測装置1と、地表面の振動を検出して信号を出力する地表地震観測装置2と、前記工学的基盤での振動と地表面での振動の関係を補正するために地下水位を検出する水位計9と、前記基盤地震観測装置の出力信号及び前記地表地震観測装置の出力信号に基づいて危険を知らせるための危険信号を生成する危険信号生成手段とを有する。
また本願発明の地震災害防止システムは前記の地震災害防止システムにおいて、危険信号生成後においても地表面地震観測装置2が検出した振動が所定の強さまでに達しない場合には危険信号解除信号を生成し、前記地震観測装置で観測した振動が所定強さ以上の場合には追加の危険信号を生成することを可能とする。
さらに本願発明の地震災害防止システムは前記の地震災害防止システムにおいて、基盤地震観測装置1で検出した振動と、地表地震観測装置2で検出した振動の関係は、水位計9の水位観測値により常時補正され、さらに水位計9が年間水位観測値の変動幅に納まる通常の水位変動以外の変動幅を超えた異常水位を示した場合には、地震の前兆に関係あるものとして観測時間間隔を短くして観測体制を強化することが出来る。
本願発明の地震災害防止システムにおいて、前記地表面から前記工学的基盤にかけて設けられ前記基盤観測装置を収納できる大きさを有する孔であるボーリング孔の基部に基盤地震観測装置1の加速計の1成分が真北を向き、且つ基盤地震観測装置1底部が水平になるように取付け具により設置され、この取付け具ははめ込み式のロッドの先端に方位・レベル計をもち、基盤地震観測装置1を所定位置でボーリング孔壁に保持する開閉装置から構成される。
本願発明の地震災害防止システムにおいて、危険信号はコンピュータの機能を持つ計算装置15の出力信号として電話回線に適した信号に変換して電話回線へ出力する信号変換機モデム16をとおして、工場団地内のそれぞれの工場に設けられた制御ターミナル6に送信され、前記制御ターミナル6では前記危険信号を受信したモデム30を介してコンピュータの機能を持つ計算装置31が前記危険信号をそれぞれの機械や建物の特性に応じてあらかじめプログラムされた手順に従い処理する制御信号にして制御分離器32に送る、前記制御分離器は制御器(33、34、35、36)に危険だから作動を止めるように信号を送る。
本願発明の地震災害防止システムにおいて危険解除信号はコンピュータの機能を持つ計算装置15の出力信号として電話回線に適した信号に変換して電話回線へ出力する信号変換機モデム16をとおして、工場団地内のそれぞれの工場に設けられた制御ターミナル6に送信され、前記制御ターミナル6では前記危険解除信号を受信したモデム30を介してコンピュータの機能を持つ計算装置31が前記危険解除信号をそれぞれの機械や建物の特性に応じてあらかじめプログラムされた手順に従い処理する制御信号にして制御分離器32に送る、前記制御分離器は制御器(33、34、35、36)に危険解除だから所定の手順に従い作動を再開するように信号を送ることも可能である。
前記[0021]に記載の地震災害防止システムにおいて、制御分離器32では前記制御分離器に接続されたそれぞれの電気制御器33あるいはガス制御器34あるいは液体制御器35に信号を送って工場内部の機械を制御し、さらに非常放送装置36より工場内に非常放送を行い避難勧告することができる。
前記[0021]に記載の地震災害防止システムにおいて、制御分離器32はあらかじめ工場内の各機械や機械基礎の特徴や地震時の挙動、加えて各機械のコストなどにより、重要機械より順次シャットダウンをどの時点で行うかを決めることが可能である。
本願発明の地震災害防止システムにおいて、基盤地震観測装置1と、水位計9と、地表面地震観測装置2と、観測計器13と、計算装置15、31と、制御分配器32と、非常放送装置36および各制御器33,34,35に雷が発生したときに過剰電流が流れるのを防ぐ耐雷装置11,17,18,38および無停電電源装置12、37が設置され災害等による停電時にも故障なく作動する。
本願発明の地震災害防止システムにおいて各種機器を所定の効果が発揮するように設置する方法。
以下、本発明に係わる地震災害防止システムの一実施形態を例示して図面を参照して説明する。なお、本発明がこの実施形態に限定されるものでないことは、もちろんである。
一般に地球内部の硬い岩盤部分を地震基盤といい、その地震基盤の上にあり、建築物の基礎になるような硬さの地盤を工学的基盤と呼ぶことは前述したが、本実施形態に係わる地震災害防止システムで用いる地震検出装置は、工学的基盤にボーリングされた孔中に設置された加速度計で、垂直方向と水平方向2成分合計3成分の振動の加速度が計れる基盤地震観測装置1と、さらに、地表に設置された加速度計で、垂直方向と水平方向2成分合計3成分の振動の加速度が計れる地表地震観測装置2で構成されている。加えてボーリング孔の中に設置されて地盤内の地下水位を計る水位計9によりデータの補正が行われ観測精度が向上する。
一般に地球内部の硬い岩盤部分を地震基盤といい、その地震基盤の上にあり、建築物の基礎になるような硬さの地盤を工学的基盤と呼ぶことは前述したが、本実施形態に係わる地震災害防止システムで用いる地震検出装置は、工学的基盤にボーリングされた孔中に設置された加速度計で、垂直方向と水平方向2成分合計3成分の振動の加速度が計れる基盤地震観測装置1と、さらに、地表に設置された加速度計で、垂直方向と水平方向2成分合計3成分の振動の加速度が計れる地表地震観測装置2で構成されている。加えてボーリング孔の中に設置されて地盤内の地下水位を計る水位計9によりデータの補正が行われ観測精度が向上する。
図1は本発明に係わる地震災害防止システムの一実施形態を用いた工場団地平面図である。観測室4はコンピュータの機能を持つ図3の計算装置15を有しており、その計算装置15において地震の危険信号が図1の制御ライン5から分散して工場に直結する制御ターミナル6に送られることを示している。
図2は、工場群下部の地盤の状態と地震観測装置の位置関係を示している。工場団地の地盤の中で比較的軟弱層が深い地点を選び、地表面から工学的基盤までの深度を測定しここにボーリングを行う。基盤地震観測装置1はボーリングにより開削された工学的基盤7の孔中に降ろされ工学的基盤内で真北に方位を決め、且つ水平に固定され、観測ケーブル3で地表の観測室4に地震振動データを送る。水位計9は同じくボーリング孔中に設置されており基盤地震観測装置1と同じように観測室に一定時間ごとに計測した地下水位データを送る。
基盤地震観測装置1の正確な位置決めのために、図8に示す地上から操作可能な剛性のあるつなぎこみロッド81を用いる。このロッドは地下の基盤地震観測装置1と接続しており、地表部では真北方向を示す回転ハンドル82に固定されており、ハンドルの回転により磁北からの偏差を修正し基盤地震観測装置1を真北に合わせる。さらにハンドル操作と基盤地震観測装置の上に接続している方位計・レベル計85により水平方向にスプリング84で固定することを可能にしている。
また地表面にも地表地震観測装置2を所定の基礎の上に設置する。この地表地震観測装置2も真北に加速度計の1成分が向き、且つ観測装置本体が水平を保つように設置されている。ここでの観測データも観測室4に送られる。
基盤地震観測装置1の正確な位置決めのために、図8に示す地上から操作可能な剛性のあるつなぎこみロッド81を用いる。このロッドは地下の基盤地震観測装置1と接続しており、地表部では真北方向を示す回転ハンドル82に固定されており、ハンドルの回転により磁北からの偏差を修正し基盤地震観測装置1を真北に合わせる。さらにハンドル操作と基盤地震観測装置の上に接続している方位計・レベル計85により水平方向にスプリング84で固定することを可能にしている。
また地表面にも地表地震観測装置2を所定の基礎の上に設置する。この地表地震観測装置2も真北に加速度計の1成分が向き、且つ観測装置本体が水平を保つように設置されている。ここでの観測データも観測室4に送られる。
図3の右下は観測装置21の構成図であり、基盤地震観測装置1は観測ケーブル3で耐雷装置11を介して右上に示した観測室4のデータを収録する観測計器13に接続している。同じく地表地震観測装置2は観測ケーブル20で耐雷装置17を介して観測室4の観測計器13に接続している。水位計9も前記耐雷装置を介して観測計器13に接続している。
本発明では、工学的基盤7内に設置された基盤地震観測装置1と地表面に設置された地表地震観測装置2より得られた地震振動データを図3右上に示す観測室4の中にあるコンピュータの機能を持つ計算装置15により短時間で演算確認し、所定以上の地震振動が作用すると予測されたときに危険信号として発信するものである。この計算過程において、水位計9で観測した地下水の水位をあらかじめ補正計算に用いる。
本発明では、工学的基盤7内に設置された基盤地震観測装置1と地表面に設置された地表地震観測装置2より得られた地震振動データを図3右上に示す観測室4の中にあるコンピュータの機能を持つ計算装置15により短時間で演算確認し、所定以上の地震振動が作用すると予測されたときに危険信号として発信するものである。この計算過程において、水位計9で観測した地下水の水位をあらかじめ補正計算に用いる。
図3の右上は観測室4の構成を示している。観測計器13、光通信用に変調する変調器14、コンピュータの機能を持つ計算装置15、モデム16は耐雷装置18を介して無停電電源12とそれぞれ接続している。外部電源19は耐雷装置18および無停電電源12を介して各装置13・14・15・16に入る。また外部電源19が切断された場合には自動的に無停電装置12が作動して観測ミスが起こらないようになっている。また観測室4には外部電源19で作動するエアコン18が設置されており、計器及び装置の安定を保つ。
前記危険信号はコンピュータの機能を持つ計算装置15の出力信号としてモデム16をとおして、工場団地内のそれぞれの工場に設けられた制御ターミナル6に送信される。
前記危険信号はコンピュータの機能を持つ計算装置15の出力信号としてモデム16をとおして、工場団地内のそれぞれの工場に設けられた制御ターミナル6に送信される。
図3の左上は各工場に直結する制御ターミナル6の構成図である。観測室4のモデム16より送られてきた地震の危険信号はモデム30に伝達される。モデム30からの危険信号はコンピュータの機能を持つ計算装置31に入り、ここで制御信号に変換され制御分離器32に送られる。制御分離器32は計算装置31で分離されて信号として送られてきたデータに基づき4系統に分岐させる機能を持つもので、電気系を制御する場合には電気制御器33に指令を出し、ガスを制御する場合にはガス制御器34に指令を出す。水蒸気の制御の場合も同じように液体制御器35に指令する。
工場の人々の安全のための非常放送36も自動的に実施される。
工場の人々の安全のための非常放送36も自動的に実施される。
図3のブロックダイアグラムに示すように、基盤地震観測装置1と水位計9および地表地震観測装置2の観測ケーブル3,20は耐雷装置11,17をとおして観測室4の観測計器13に接続する。観測計器13とコンピュータの機能を持つ計算装置15は変調器14を介して接続されており、地震時には地震のデータは基盤地震観測装置1および地表地震観測装置2を経てコンピュータの機能を持つ計算装置15に送られる。なお供給される外部電源の停電に備えて無停電電源が備えられ常時観測を可能にしている。
図4はコンピュータの機能を持つ計算装置13の内部構成の一例である。入力・出力インターフェース50,56を介して外部と接続している。内部ではCPUとRAMとROMの機能を利用して、データ比較部51、データ演算部52、データ編集部53、データ更新部55、プログラム・データ56で計算を行い危険信号や危険解除信号を発信する。前期計算装置はキーボードなどの入力装置58およびプリンターなどの出力装置59、データベース部となる外部メモリー57などから構成されている。
図5は図1に示す工場群の中の一工場内部の機械類(AからK)の制御系統図である。工場内でも機械によって価格が高価または輸入機械等で簡単に代替品が入らない機械は重要機械として優先的に制御される。
工場には種々の機械の運転のために電気エネルギー43、ガスエネルギー44、液体エネルギー45などが供給されている。それぞれの機械の特性や重要性を判断して制御が可能なように制御ラインも3ラインすなわち電気制御ライン40、ガス制御ライン41、液体制御ライン42が用意されている。制御ライン40、41、42はそれぞれの機械を個別に制御できる信号系統で制御器33,34,35の開閉信号が流れる。
前記工場内の制御システムにより工場団地内の個別工場の特徴に応じた機械群の地震時の制御が可能になり、地震発生時には機械の特性に応じた制御を行い、地震による被害を軽減する。また非常放送や機械の適切な制御により人間の被害も軽減が可能になる。
工場には種々の機械の運転のために電気エネルギー43、ガスエネルギー44、液体エネルギー45などが供給されている。それぞれの機械の特性や重要性を判断して制御が可能なように制御ラインも3ラインすなわち電気制御ライン40、ガス制御ライン41、液体制御ライン42が用意されている。制御ライン40、41、42はそれぞれの機械を個別に制御できる信号系統で制御器33,34,35の開閉信号が流れる。
前記工場内の制御システムにより工場団地内の個別工場の特徴に応じた機械群の地震時の制御が可能になり、地震発生時には機械の特性に応じた制御を行い、地震による被害を軽減する。また非常放送や機械の適切な制御により人間の被害も軽減が可能になる。
図6は計算装置15における危険信号を発信し危険信号を解除するためのデータ処理プロセスの一例である。
まず事前観測による初期状態の入力61ではあらかじめ調べた地盤の物性値や工学的基盤1から地表面までの距離、各工場の位置関係、さらに事前に観測した地震振動から解析された地盤振動予測値、閾値などが図4のデータベース部57に入力されている。常時観測は水位観測62、地表地震観測63、基盤地震観測64を行う。
危険信号を発信するのは基盤地震観測64により振動観測値が振幅およびエネルギーで定める閾値より高い場合70である。危険信号を発した基盤地震の観測値が、地表観測装置2の実測した観測振動71が振動予測値69より低いデータで危険が少ないと判断されたときは、地表観測データをコンピュータの機能を持つ計算装15が直ちに演算して解除信号73を発生する。この解除信号も図3のモデム16、30を経て各工場の制御ターミナルに送られ69から71のプロセスを経て危険解除制御を行う。
地震予測値の補正66は常時は水位観測62により行われる。観測水位が急に高くなるような異常65があると地震予測値の補正66が行われる。
避難・機械停止後74に危険解除信号が送られた場合には安全確認75の後に避難・機械停止行為解除77が行われる。
全ての地震においても観測データ収集76後地震予測値補正66が行われる。観測は継続して78常時行われる。
なお図6は常時の機能を示しているが、3つの観測データと実績を基にフローの修正は行われるものである。
まず事前観測による初期状態の入力61ではあらかじめ調べた地盤の物性値や工学的基盤1から地表面までの距離、各工場の位置関係、さらに事前に観測した地震振動から解析された地盤振動予測値、閾値などが図4のデータベース部57に入力されている。常時観測は水位観測62、地表地震観測63、基盤地震観測64を行う。
危険信号を発信するのは基盤地震観測64により振動観測値が振幅およびエネルギーで定める閾値より高い場合70である。危険信号を発した基盤地震の観測値が、地表観測装置2の実測した観測振動71が振動予測値69より低いデータで危険が少ないと判断されたときは、地表観測データをコンピュータの機能を持つ計算装15が直ちに演算して解除信号73を発生する。この解除信号も図3のモデム16、30を経て各工場の制御ターミナルに送られ69から71のプロセスを経て危険解除制御を行う。
地震予測値の補正66は常時は水位観測62により行われる。観測水位が急に高くなるような異常65があると地震予測値の補正66が行われる。
避難・機械停止後74に危険解除信号が送られた場合には安全確認75の後に避難・機械停止行為解除77が行われる。
全ての地震においても観測データ収集76後地震予測値補正66が行われる。観測は継続して78常時行われる。
なお図6は常時の機能を示しているが、3つの観測データと実績を基にフローの修正は行われるものである。
図8は基盤地震観測装置の設置方法を示す1実施例である。平面図8−1は磁北と真北の関係を示す。平面図8−2は基盤地震観測装置を取付けたロッド81とそのロッドを操作する回転ハンドル82の関係であり、回転ハンドルでロッドの決められた方向が真北を向くよう示されている。図8−3は基盤地震観測装置がボーリング孔底で保持されている状態を示している。基盤地震観測装置1はロッド81のハンドルの向きと下部の方位・レベル計85で前記基盤地震観測装置1の内部の加速度計の1方向が真北を向くように保持され、取付け具87のスプリング84で孔壁83に固定される。このときに前記基盤地震観測装置1の底部が水平を保つ。図8−4はボーリング孔内の概略図である。
地震による被害を防ぐために列車を制御する方式としては新幹線のUrEDASがある。このような方式は工場群では行われていない。UrEDASは地表での地震データ観測に基づく変電所の電源停止装置であり作動時間が遅いことは新潟中越地震の長岡駅付近での新幹線の脱線でも証明されている。
本発明は地震時の危険信号発生装置として基盤地震観測装置1および地表地震観測装置2の3種の地震観測装置を設け、地表より早く地震データが到達する基盤での信号を地表での地震観測記録で更正してより正確な信号とするものである。従来単独の工場で負担すると高い費用となる地震防災対策を、工場団地全体の共通基盤として地震観測・危険信号発生・制御をすることにより、各工場あたりの費用が軽減される。また、ごく短時間で地震発生を検知し、工場の機械の制御ができるから、すべての工場にとって有効である。一方本発明では、図7の下に示す基盤地震観測装置のP波の強さおよび立ち上がりの勾配と過去の地表地震の振動の挙動との対比実績で制御を開始するので早い時間に制御が可能になる。本発明を適用する工場団地では1日24時間、1年365日地震による被害の低減が可能になる。
本発明は地震時の危険信号発生装置として基盤地震観測装置1および地表地震観測装置2の3種の地震観測装置を設け、地表より早く地震データが到達する基盤での信号を地表での地震観測記録で更正してより正確な信号とするものである。従来単独の工場で負担すると高い費用となる地震防災対策を、工場団地全体の共通基盤として地震観測・危険信号発生・制御をすることにより、各工場あたりの費用が軽減される。また、ごく短時間で地震発生を検知し、工場の機械の制御ができるから、すべての工場にとって有効である。一方本発明では、図7の下に示す基盤地震観測装置のP波の強さおよび立ち上がりの勾配と過去の地表地震の振動の挙動との対比実績で制御を開始するので早い時間に制御が可能になる。本発明を適用する工場団地では1日24時間、1年365日地震による被害の低減が可能になる。
1.基盤地震観測装置
2.地表地震観測装置
9.水位計
11.17.18.38.耐雷装置
12.37.無停電電源
13.観測計器
15.31.計算装置
16.30.モデム
32.制御分配器
33.電気制御器
34.ガス制御器
35.液体制御器
36.非常放送
2.地表地震観測装置
9.水位計
11.17.18.38.耐雷装置
12.37.無停電電源
13.観測計器
15.31.計算装置
16.30.モデム
32.制御分配器
33.電気制御器
34.ガス制御器
35.液体制御器
36.非常放送
Claims (11)
- 工学的基盤の振動を検出して信号を出力する基盤地震観測装置と、地表面の振動を検出して信号を出力する地表地震観測装置との測定結果の両方で判断を行うことを特徴とする地震災害防止システム。
- 基盤地震観測装置と地表地震観測装置の測定結果の関係を補正するために地下水位を検出する水位計の観測結果を用いることを特徴とする請求項1に記載の地震災害防止システム。
- 基盤地震観測装置と地表地震観測装置の出力信号に基づいて、危険を知らせるための危険信号を生成する危険信号生成手段を有することを特徴とする請求項1に記載の地震災害防止システム。
- 地表地震観測装置が検出した振動が所定の強さまでに達しない場合には危険信号解除信号を生成し、地表地震観測装置で観測した振動が所定強さ以上の場合には追加の危険信号を生成する手段を有することを特徴とする請求項1に記載の地震災害防止システム。
- 水位計が通常の水位変動以外の異常水位を示した場合、観測体制強化手段が作用し通常の観測時間間隔より細かく観測することにより観測体制を強化する手段を有することを特徴とした請求項2に記載の地震災害防止システム。
- 基盤地震観測装置はボーリング孔の基部に基盤地震観測装置の加速計の1成分が真北を向き、且つ基盤地震観測装置底部が水平になるように、設置できるようにするボーリングの操作ロッドと取付け具により設置されるが、この取付け具は基盤地震観測装置を所定位置で孔壁に保持する開閉装置から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の地震災害防止システム。
- 危険信号が計算装置の出力信号として電話回線に適した信号に変換され、信号変換機モデムをとおして、工場団地内のそれぞれの工場に設けられた制御ターミナルに送信され、前記制御ターミナルでは前記危険信号を受信したモデムを介して計算装置が前記危険信号をあらかじめプログラムされた手順に従い制御信号にして制御分離器に送る、前記制御分離器は制御器に危険だから作動を止めるように信号を送ることを特徴とした請求項1に記載の地震災害防止システム。
- 危険信号解除信号が計算装置の出力信号として電話回線に適した信号に変換され、信号変換機モデムをとおして、工場団地内のそれぞれの工場に設けられた制御ターミナルに送信され、前記制御ターミナルでは前記危険解除信号を受信したモデムを介して計算装置が前記危険解除信号を制御信号にしてあらかじめプログラムされた手順に従い制御分離器に送る、前記制御分離器は制御器に危険解除だから手順に従い作動を再開するように信号を送ることを特徴とした請求項1に記載の地震災害防止システム。
- 制御分離器に接続されたそれぞれの電気制御器あるいはガス制御器あるいは液体制御器に信号を送って工場内部の機械を制御し、さらに非常放送装置より工場内に非常放送を行い避難勧告することを特徴とした請求項1に記載の地震災害防止システム。
- 制御分離器が、工場内の各機械や機械基礎の特徴および地震時の挙動、および機械のコストなどに応じて、重要機械より順次シャットダウンをどの時点で行うかが決められていることを特徴とした請求項1に記載の地震災害防止システム。
- 雷発生時に、基盤地震観測装置、地表面地震観測装置、水位計、観測計器、計算装置、制御分配器、非常放送装置および各制御器に過剰電流が流れるのを防ぐ耐雷装置ならびに無停電電源装置が設置されており、停電時にも故障なく作動することを特徴とする請求項1に記載の地震災害防止システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006185554A JP2008015751A (ja) | 2006-07-05 | 2006-07-05 | 地震災害防止システム |
Applications Claiming Priority (1)
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Family
ID=39072706
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Country | Link |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010164325A (ja) * | 2009-01-13 | 2010-07-29 | Taisei Corp | 地震動の予測システム |
CN104459762A (zh) * | 2014-12-03 | 2015-03-25 | 兖州煤业股份有限公司 | 一种矿震预测装置及方法 |
CN117953652A (zh) * | 2024-03-25 | 2024-04-30 | 山东省地震局 | 一种基于井水水位变化的地震预警设备 |
-
2006
- 2006-07-05 JP JP2006185554A patent/JP2008015751A/ja active Pending
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