JP2008015239A - 映像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の発光ダイオード素子を縦横に配列して構成されたスクリーンと、このスクリーンを構成する各発光ダイオード素子の点灯を映像信号に基づいて制御する制御装置を有した映像表示装置において、前記発光ダイオード素子の各々に、透過率の制御が可能なフィルタを内蔵し、前記フィルタの透過率を映像信号の表示内容に対応して制御することにより、高輝度と高コントラストの両立を図るようにした。
【選択図】図1
Description
3IN1タイプのLED素子の場合、1つのデバイスでフルカラーの表示が可能となるが、発光部表面の封止物は無彩色が望ましく、透過率が高い透明が望ましい。また、LED素子のチップ内部には、発生した光を効率よく外部に伝えるために、反射鏡が内蔵されている事が多いが、この反射鏡が外部からの入射光を反射するため、3IN1タイプのLED素子は外光の影響により暗輝度が大きくなる。反射鏡を用いていない場合もLEDチップ表面が外光を反射するため、暗輝度は大きくなる。
1IN1タイプのLED素子の場合、赤色のチップを内蔵した物は赤色透明、緑色のチップを内蔵した物は緑色透明、青色のチップを内蔵した物は青色透明と、発光色に応じた着色透明の封止物が使用可能である。そのため、暗輝度は3IN1タイプのLED素子に比べると、低くする事が可能である。
またLED素子を用いた大型表示装置の前面部に着色ガラスなどのフィルタを装着する事でコントラストの向上を図っているものもある。(特許文献2参照)
さらに、液晶を間に挟んで対向配置された透明電極に電圧を印加することにより、光の透過量を調整できるようにした光透過量調整装置を表示装置に適用して、表示装置のコントラストを調整するようにしたものがある。(特許文献3参照)
特許文献2の場合のように、表示装置の全面に着色ガラスなどのフィルタを装着すると、白色発光時(全点灯)の輝度が低下する問題が残っている。さらに着色ガラスのフィルタは規定の透過率を有したものであり、その透過率を制御することはできない。
また特許文献3の場合のように、表示装置の前面に透過率の制御可能な液晶フィルタを装着する場合は、LED素子からの放熱条件が悪くなり、LED素子の寿命の短縮や冷却装置の大型化を招く恐れがある。また大型表示装置に適用するとフィルタの面積が大きくなって、製作が困難となるばかりでなく高価となる。
このように従来のものは、3IN1タイプのLED素子を用いた場合は、1IN1タイプのLED素子に比べて暗輝度が高くなるか、全点灯(白色)の輝度が低くなり、高輝度と高コントラストが両立できない問題があった。またLED素子の短寿命および表示装置が高価格になるという問題もあった。
以下、この発明の実施の形態1について図に基づいて説明する。図1はこの発明の実施の形態1に係る映像表示装置を示すブロック図、図2はこの発明の実施の形態1に使用されるLED素子の詳細断面図、図3は映像信号の平均輝度に応じたガンマカーブの模式動作図である。
この映像表示装置は、テレビ放送のスタジオや舞台、屋内外の競技場などに使用されるものであって、図1の如く、映像表示用のディスプレイとなるスクリーン1と、このスクリーン1に点灯信号Sdを伝送し、映像信号Svに基づいてスクリーン1の点灯を制御する制御装置2で構成されている。スクリーン1はLED素子11を縦横に複数配列して大型の表示装置を構成し、各LED素子11には外部から透過率制御なフィルタ12が内蔵されている。なお図1では複数のLED素子11のうち、フィルタ12を内蔵したLED素子11の1個を拡大して示している。更に制御装置2は映像信号Svの表示内容に応じてフィルタ12の透過率を制御するための制御信号Scを発生し、フィルタ12に出力するようにもなっている。
スクリーン1のLED素子11を点灯させる点灯信号Sdは、通常の点灯制御では、ピクセルの映像信号にのみ応じて、対応したピクセルの点灯データが1つに決まるため、映像信号=点灯信号となるが、この発明の場合は、画面全体の平均輝度に応じての調整が入るため、映像信号と点灯信号との間には演算が入る。
フィルタ12の透過率を制御する制御信号Scは、制御装置2で映像信号の1画面の輝度の平均を取り、その平均輝度の値が大きい場合はフィルタ12の透過率を上げて表示輝度優先モードとし、平均輝度の値が小さい場合はフィルタ12の透過率を下げながら、点灯信号Sdを制御し、コントラスト優先モードとする。この制御信号Scは、映像信号の同期信号で同期をとってフィルタ12の透過率を制御するため、スクリーン1のLED素子11を点灯させる点灯信号と同期している。
図3(a)は表示輝度優先モードで、平均輝度が50%以上の場合に、フィルタ12の透過率を100%にした時の、映像信号の輝度X(横軸)とLED素子11の発光輝度Y(縦軸)の関係を示したものである。図3(b)はコントラスト優先モードで、平均輝度が50%未満の場合に、フィルタ12の透過率を50%にした時の、映像信号の輝度X(横軸)とLED素子11の発光輝度Y(縦軸)の関係を示したものである。ここで映像信号の輝度Xおよび発光輝度Yの0%〜100%とは、最大映像信号の輝度、最大発光輝度を100%とした場合の比率である。
発光輝度Yが40%〜100%では、カーブを非線形に変形させることで、単調増加(階調)性を維持しながら、高コントラストを実現する事が出来る。
なお映像信号の平均輝度が50%未満の場合は、このようにガンマカーブを変換しても、輝度が高い値のものは相対的に少ないため、画質への影響は抑えられる。
このように実施の形態1の映像表示装置は、発光ダイオード素子の各々に、透過率の制御が可能なフィルタを内蔵し、映像信号の表示内容に対応してフィルタの透過率を制御するようにしたから、高輝度と高コントラストの両立を可能にすることができ、またフィルタはLED素子に内蔵されているから、LED基板表面は従来と同じ状態のため、放熱に関しての問題も特になく、LED素子の長寿命化と冷却装置の小型化を図ることもできるものである。
図4はこの発明の実施の形態2に係る映像表示装置を示すブロック図である。この実施の形態2の発明は、図1に示す実施の形態1のスクリーン1の前面に外部から透過率が制御可能な全面フィルタ3を追加したものである。この全面フィルタ3としては印加電圧により透過率が可変できる液晶フィルタが用いられる。図4ではスクリーン1と全面フィルタ3を、正面からみた図(点灯信号Sdが入力される図)と横からみた図(制御信号Scが入力される図)の両方を記載している。
制御装置2は、実施の形態1と同様に、入力される映像信号Svに基づいてスクリーン1を構成するLED素子11(図示省略)の点灯を制御する点灯信号Sdを送出すると共に、映像信号Svの1画面毎の平均輝度を計算し、その輝度に基づいてフィルタの透過率を制御する制御信号Scを送出する。しかし、この実施の形態2では、制御装置2から送出される映像信号に応じた制御信号Scは、スクリーン1を構成する各LED素子11に内蔵されたフィルタ12(図示省略)と、スクリーン1の前面に配置された全面フィルタ3との両方に入力され、それぞれのフィルタ12、3の透過率を制御する。
図5はこの発明の実施の形態3に係る映像表示装置を示すブロック図である。図5の映像表示装置において、3IN1タイプのLED素子11が縦横に複数配列されて構成されたディスプレイ等の映像表示用のスクリーン1と、映像信号Svに基づいてスクリーン1の点灯を制御する制御装置2で構成され、スクリーン1を構成するLED素子11の表面に付加された印加電圧により透過率制御可能のフィルタ12を内蔵している点は、実施の形態1と同じである。なお図5では複数のLED素子11のうち、フィルタ12を内蔵したLED素子11の1個を拡大して示している。
この実施の形態3においては、LED素子11の点灯用電圧が可変できるLED点灯用電源4を備え、制御装置2でスクリーン1へ映像入力される映像信号Svの1画面毎の平均輝度を計算し、映像信号の表示内容(平均輝度)に応じてフィルタ12の透過率を制御するために、LED点灯用電源4の電圧を可変させるようにしたものである。
LED素子11の表示面は、LEDチップ13を実装するためのスペースや,LED素子を点灯させるための電子デバイスのスペースなどで、基板上のスペースに余裕が無い場合が多い。この発明の実施の形態3によれば、制御線を追加すること無くフィルタ12の透過率が制御可能となるため、基板上のスペースに制限を受けること無く、高コントラスト化が可能となることは大きな利点である。
図6はこの発明の実施の形態4に係る映像表示装置を示すブロック図である。図6の映像表示装置において、3IN1タイプのLED素子11が縦横に複数配列されて構成されたディスプレイ等の映像表示用のスクリーン1と、映像信号Svに基づいてスクリーン1の点灯を制御する制御装置2で構成され、スクリーン1を構成するLED素子11の表面に付加された印加電圧により透過率制御可能のフィルタ12を内蔵している点は、実施の形態1と同じである。なお図6では複数のLED素子11のうち、フィルタ12を内蔵したLED素子11の1個を拡大して示している。
この実施の形態4においては、スクリーン1で消費されるLED点灯用電力を測定する電力測定装置5と、測定された消費電力Psに応じてフィルタ12の透過率を制御するための制御信号Scを発生させる制御装置2を備え、映像信号の表示内容に応じてフィルタ12の透過率を制御するようにしたものである。
したがって、ある期間の消費電力値からその期間に相当する表示画像データの輝度の平均値を求める事が出来る。消費電力を元に制御を行えば、映像信号の輝度を演算した結果の平均輝度値を用いた場合と同様の制御が簡単に可能となり、高コントラストかつ高輝度の表示装置を得るための制御を行うことが出来る。
なお、採用するフィルタ12は、実施の形態1のように制御線が必要なものでも、実施の形態3に示すようにLED点灯電圧による制御を行うフィルタでも、どちらでも構わない。
図7はこの発明の実施の形態5に係る映像表示装置を示すブロック図である。図7の映像表示装置において、3IN1タイプのLED素子11が縦横に複数配列されて構成されたディスプレイ等の映像表示用のスクリーン1と、映像信号Svに基づいてスクリーン1の点灯を制御する制御装置2で構成されている点は、実施の形態1と同じである。
この実施の形態5においては、フィルタが省略され、その代わりにスクリーン1の前面に配置された角度・長さが制御可能なひさし(シェダー)6が設けられている。このひさし6は各LED素子11に対応して設けているが、複数のLED素子11に対して1個のひさし6を設けるようにしても良い。なお図7では、スクリーン1とひさし6の正面図以外に、スクリーン1の一部と、2個のLED素子11と、3個のひさし6を横から拡大して見た図も記載している。制御装置2は映像信号の表示内容に応じてひさし6の長さ・角度を可変する制御信号Scを送出し、結果的にスクリーン1から発生される光の透過率を制御する。
図8はこの発明の実施の形態6に係る映像表示装置を示すブロック図である。図8の映像表示装置において、3IN1タイプのLED素子11が縦横に複数配列されて構成されたディスプレイ等の映像表示用のスクリーン1と、映像信号Svに基づいてスクリーン1の点灯を制御する制御装置2で構成されている点は、実施の形態1と同じである。
この実施の形態6においては、フィルタの代わりに、スクリーン1を構成する各LED素子11の発光面に配置された開口率の制御が可能なしぼり機構15を内蔵している。しぼり機構15はその開口部15aの面積を可変することにより、発光透過面積を変えるようにしている。なお図8では複数のLED素子11のうち、しぼり機構15を内蔵したLED素子11の1個を上面から拡大して見た図を記載している。制御装置2は、映像信号の表示内容に応じてしぼり機構15を制御する制御信号Scを送出し、その開口率を可変する。
表示する映像信号Svの平均輝度が高い場合は、輝度優先モードとし、図8(a)に示すようにしぼり機構15の開口率を上げて、LEDチップ13の全体が表示面に露出するようにし、LED素子11から発光される光透過量を大きくして点灯制御を行う。表示する映像信号Svの平均輝度が低い場合は、コントラスト優先モードとし、図8(b)に示すようにしぼり機構15の開口率を下げて、LEDチップ13の一部が表示面に露出するようし、LED素子11から発光される光透過量を小さくして点灯制御する。
図9はこの発明の実施の形態7に係る映像表示装置を示すブロック図である。図9の映像表示装置において、3IN1タイプのLED素子11が縦横に複数配列されて構成されたディスプレイ等の映像表示用のスクリーン1と、映像信号Svに基づいてスクリーン1の点灯を制御する制御装置2で構成されている点は、実施の形態1と同じである。
この実施の形態7においては、各LED素子11はLEDチップ13の周囲に配置された反射率が制御可能な反射鏡16と、この反射鏡16とLEDチップ13を1つのデバイスとして封止する透明な樹脂で構成された前面板17を有している。なお図9では複数のLED素子11のうち、反射鏡16を内蔵したLED素子11の1個を拡大して断面図で示している。
実施の形態8
3:全面フィルタ、 4:LED点灯用電源、
5:電力測定装置、 6:ひさし(可変シェダー)、
11:LED素子、 12:フィルタ、
13:LEDチップ、 14:制御端子、
15:しぼり機構、 16:反射鏡、
17:前面板。
Claims (9)
- 1つのデバイスに赤緑青の3色の発光ダイオードを一体に内蔵した3IN1タイプの発光ダイオード素子を縦横に複数配列して構成されたスクリーンと、このスクリーンを構成する各発光ダイオード素子の点灯を映像信号に基づいて制御する制御装置を有し、前記発光ダイオード素子の各々は、透過率の制御が可能なフィルタを内蔵し、前記制御装置は映像信号の表示内容に対応して前記フィルタの透過率を制御するようにした映像表示装置。
- 制御装置は、映像信号の平均輝度に基づいてフィルタに印加する電圧を制御することにより、その透過率を制御するようにした請求項1に記載の映像表示装置。
- 制御装置は、スクリーンにて消費される電力値に基づいてフィルタに印加する電圧を制御することにより、その透過率を制御するようにした請求項1に記載の映像表示装置。
- 制御装置は、映像信号の平均輝度に基づいて発光ダイオード素子の点灯用電源の電圧を制御することにより、フィルタの透過率を制御するようにした請求項1に記載の映像表示装置。
- 映像信号の平均輝度が50%以上の場合は、フィルタの透過率を100%にして表示輝度優先モードとし、映像信号の平均輝度が50%未満の場合は、フィルタの透過率を50%にしてコントラスト優先モードとした請求項2乃至請求項4のいずれか1つに記載の映像表示装置。
- スクリーンの前面に透過率の制御が可能な全面フィルタを配置し、制御装置は映像信号の表示内容に対応して発光ダイオード素子の各々に内蔵されたフィルタと前記全面フィルタの両方の透過率を制御するようにした請求項1に記載の映像表示装置。
- 1つのデバイスに赤緑青の3色の発光ダイオードを一体に内蔵した3IN1タイプの発光ダイオード素子を縦横に複数配列して構成されたスクリーンと、このスクリーンを構成する各発光ダイオード素子の点灯を映像信号に基づいて制御する制御装置を有し、前記スクリーンの前面に長さ・角度が制御可能なひさし(シェダー)を設け、前記制御装置は映像信号の表示内容に対応して前記ひさしの長さ・角度を可変するようにした映像表示装置。
- 1つのデバイスに赤緑青の3色の発光ダイオードを一体に内蔵した3IN1タイプの発光ダイオード素子を縦横に複数配列して構成されたスクリーンと、このスクリーンを構成する各発光ダイオード素子の点灯を映像信号に基づいて制御する制御装置を有し、前記発光ダイオード素子は開口率の制御が可能なしぼり機構を内蔵し、前記制御装置は表示内容に対応して前記しぼり機構の開口率を制御するようにした映像表示装置。
- 1つのデバイスに赤緑青の3色の発光ダイオードを一体に内蔵した3IN1タイプの発光ダイオード素子を縦横に複数配列して構成されたスクリーンと、このスクリーンを構成する各発光ダイオード素子の点灯を映像信号に基づいて制御する制御装置を有し、前記発光ダイオード素子の各々は、反射率が制御可能な反射鏡を内蔵し、前記制御装置は表示内容に対応して前記反射鏡の反射率を制御するようにした映像表示装置。
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- 2006-07-06 JP JP2006186485A patent/JP4931496B2/ja active Active
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