JP2008014208A - 噴流発生装置、給電線及び電子機器 - Google Patents

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Hiroyuki Yoshitaka
弘幸 良尊
Takuya Komami
卓哉 駒見
Yoshio Muraoka
祥雄 村岡
Yasuo Kawabata
康夫 川端
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Abstract

【課題】噴流発生装置の薄型化に有利で、かつ、耐久性に優れた給電線、この給電線を搭載した噴流発生装置及び電子機器を提供すること。
【解決手段】給電線13は、両端部に設けられた第1のコイルバネ部13a及び第2のコイルバネ部13bと、これらの間をつなぐL字状のトーションバーバネ部13cとで構成されている。このように、給電線13がバネ性を有することにより、振動板の振動方向で給電線13が伸縮し、その振動方向における定常状態の給電線の長さを短くすることができ、振動方向の噴流発生装置の厚さを薄くすることができる。また、そのバネ性により給電線に加わる応力は小さいので、耐久性を向上させることができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、気体の合成噴流を発生する噴流発生装置、この噴流発生装置に用いられる給電線、この噴流発生装置を搭載した電子機器に関する。
従来から、PC(Personal Computer)の高性能化に伴うIC(Integrated Circuit)等の発熱体からの発熱量の増大が問題となっており、様々な放熱の技術が提案され、あるいは製品化されている。
その放熱方法として、空気を脈流で吐出して合成噴流を生成し、この合成噴流を、放熱フィン(ヒートシンク)等に供給し、熱を持つ放熱フィンの表面に形成される温度境界層を効率良く破壊して放熱する方法がある(例えば、特許文献1参照。)。このような噴流発生装置は、開口を有する筐体と、その筐体内の空気に圧力変化を起こす振動板とを有している。振動板が振動することで筐体内に圧力変化が生じ、開口を介して空気が脈流として吐出することで合成噴流が発生する。
合成噴流は、次のような原理で発生する。筐体の開口から空気が吐出されるときに空気の流れが生じることにより、筐体外の開口の周囲の気圧が低下し、これにより、当該周囲の空気が開口から吐出される空気に巻き込まれて合成噴流が発生する。
また、特許文献1に記載の噴流発生装置は、2つのチャンバから交互に空気が吐出され、つまり逆位相で空気が吐出されるので、各チャンバや開口(ノズル)から発生する音が弱め合う。これにより騒音が低減される。
特開2005−256834号公報(段落[0079]、図1)
ところで、かかる噴流発生装置では、振動板を駆動させるための駆動部にコイルが用いられるが、かかる噴流発生装置の薄型化、小型化を図る場合、コイルや給電線も薄型の構造でなる必要がある。特に、コイルが可動部(振動板側)に取り付けられる場合、そのコイルへの給電線は、固定部(筐体側)の端子盤等から上記可動部に接続されるので、給電線の耐久性が問題となる。そこで、従来では柔軟性に優れた錦糸線が用いられていたが(例えば、特許文献1の段落[0210]記載)、筐体や振動板に接触することなく錦糸線が配置されるには、厚さ方向に大きなスペースを必要とし、薄型化には不向きである。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、噴流発生装置の薄型化に有利で、かつ、耐久性に優れた給電線、この給電線を搭載した噴流発生装置及び電子機器を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る噴流発生装置は、開口を有し、気体が含まれた筐体と、前記筐体内に配置され、振動することで前記開口を介して前記気体を筐体外に吐出させる振動体と、前記振動体と一体的に可動する駆動コイルと、バネ性を有し、前記駆動コイルに給電する給電線とを具備する。
本発明では、給電線がバネ性を有するので、そのバネ性により給電線が伸縮する。例えば振動体の振動方向に少なくともバネ性を有していれば、当該振動方向で給電線が伸縮するので、その振動方向における定常状態の給電線の長さ(大きさ)を小さくすることができ、振動方向の噴流発生装置の厚さを薄くすることができる。また、そのバネ性により給電線に加わる応力は小さいので、耐久性を向上させることができる。
上記「定常状態」とは、振動体が初期の静止位置(例えば振動体の中立位置)にあるときの給電線の状態をいう。
本発明において、例えば、前記給電線は、トーションバーバネ部を有する。あるいは、給電線は板バネ部を有していてもよい。これにより、給電線の薄型化、ひいては噴流発生装置の薄型化を実現することができる。
本発明における「トーションバーバネ」とは、棒線の少なくとも1箇所が折り曲げられるか、コイルバネを除き曲線で構成されるか、または、これらの組み合わせの形状を有するバネを意味する。以下、同様である。例えば、トーションバーバネ部は、様々な形状が考えられ、例えばL字状、J字状、あるいは半円状が考えられる。
本発明において、前記給電線は、前記コイルに接続される第1の端部と、前記第1の端部付近に設けられ、第1の軸を中心に巻回された第1のコイルバネ部と、前記第1の端部の反対側に設けられた第2の端部と、前記第2の端部付近に設けられ、前記第1の軸とは異なる方向の第2の軸を中心に巻回された第2のコイルバネ部とを有し、前記トーションバーバネ部は、前記第1のコイルバネ部と前記第2のコイルバネ部との間に設けられている。特に、トーションバーバネ部の両端に第1のコイルバネ部と第2のコイルバネ部とが設けられることにより、トーションバーバネ部の特性が向上する。すなわち、第1及び第2のコイルバネ部があることにより、トーションバーバネ部に加わる応力を低くすることができる。第1及び第2のコイルバネ部が設けられる目的は、トーションバーバネ部に加わる応力を低くすることであるが、例えば第1のコイルバネ部が第1の軸方向に伸縮したり、または、第2のコイルバネ部が第2の軸方向に伸縮したりするように、それぞれのバネ定数が設定することも可能である。第1の軸と第2の軸のなす角度は、トーションバーバネ部の形状によって、適宜設計される。
本発明において、前記給電線は、板バネ部を有する。この場合、前記板バネ部は、トーションバーバネ部を有していてもよい。これにより、給電線は、板バネの機能に加え、トーションバーバネの機能も加え、より応力が低減される。
本発明に係る給電線は、開口を有し、気体が含まれた筐体と、前記筐体内に配置され、振動することで前記開口を介して前記気体を筐体外に吐出させる振動体と、前記振動体と一体的に可動する駆動コイルとを備える噴流発生装置の、前記コイルに給電する給電線であって、前記コイルに接続される第1の端部と、前記第1の端部の反対側に設けられた第2の端部と、前記第1の端部と前記第2の端部との間に設けられたバネ部とを具備する。本発明において、「バネ部」は、コイルバネ部、トーションバーバネ部及び板バネ部等のうち少なくとも1つを含む。
本発明に係る電子機器は、発熱体と、開口を有し、気体が含まれた筐体と、前記筐体内に配置され、振動することで前記開口を介して前記発熱体に向けて前記気体を筐体外に吐出させる振動体と、前記振動体と一体的に可動する駆動コイルと、バネ性を有し、前記駆動コイルに給電する給電線とを具備する。
以上のように、本発明によれば、給電線や噴流発生装置等の薄型化及び耐久性の向上を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る噴流発生装置を示す斜視図である。図2は、図1に示す噴流発生装置の断面図である。図3は、図2におけるA−A線断面図である。
噴流発生装置10は、筐体5、振動アクチュエータ15及びノズル体2を備えている。筐体5は、上カバー1及び下カバー3により構成され、内部に空気を含んでいる。上カバー1と下カバー3は、例えばネジ、接着剤、圧着、溶着、超音波接合、またはレーザ接合等により接合することができる。あるいはその他の接合方法であってもよい。
ノズル体2には、複数の空気の流路2aが上段に1列に設けられ、また、複数の空気の流路2bが下段に1列に設けられている。上下の流路2a及び2bの間には、仕切り板2cが、Y方向に並んだ流路2a(または2b)の数の分だけ設けられている。後述するように、噴流発生装置10が動作するとき、上下の流路2a及び2bにおいて、常に風向きが逆になる。この仕切り板2cが設けられることにより、例えば流路2bから吐出された空気が流路2aから吸い込まれにくくなり、効率良く空気が吐出されるようになる。
仕切り板2cは複数設けられているが、このような形態に限らず、横長の1枚の板で構成されていてもよい。しかしながら、図1等に示すように仕切り板2cが複数に分割されていることにより、例えば図17に示すヒートシンク146を構成する各放熱フィンの間に各仕切り板2cを嵌め込むことができる。これにより、噴流発生装置10とヒートシンクとを容易かつ正確に位置決めすることができる。
なお、筐体5に含まれる気体は、空気に限られず、窒素やヘリウム等の他の気体であってもよい。
振動アクチュエータ15は、対向して配置された2つのマグネット4及び6、これらのマグネット4及び6の間に配置されたスペーサ7、スペーサ7の周囲に配置された駆動コイル12、駆動コイル12が装着された振動板(振動体)9、振動板9の周囲に装着され振動板9を支持する弾性支持部材11、マグネット4及び6にそれぞれ接続されたヨーク14及び16を有している。
2つのマグネット4及び6は、その対向方向(Z方向)であり、同じ極性同士が向かい合うように、すなわち両マグネット4及び6の磁界が互いに反発するように、それぞれ着磁されている。これにより、両マグネット4及び6は反発磁界を形成する。駆動電流が流れる駆動コイル12は、振動板9のほぼ中央に設けられた穴9aに嵌め込まれるように装着されている。駆動コイル12は、Z方向にほぼ垂直な方向に流れる反発磁界を受ける位置に配置される。つまり、マグネット4及び6が配列されるZ方向の中央位置に駆動コイル12が配置され、振動板9もその中央位置に配置される。この場合、マグネット4及び6が同じ磁束を発生するマグネットであることが望ましい。このような構成によれば、振動板9のZ方向(振動方向)でほぼ完全な対称構造を実現することができる。
弾性支持部材11は、開口8aを有する矩形のフレーム8の当該開口8aに装着され、フレーム8は、上カバー1及び下カバー3に挟まれるように装着される。
磁性材料でなるヨーク14及び16は、例えば円板状をなし、マグネット4及び6のX−Y平面内での幅より大きい幅を有する。円板状に限られず、平板状であればどのような形であってもよい。ヨーク14は、上カバー1の一部を構成している。具体的には、上カバー1が開口され、その開口部にヨーク14が装着されている。ヨーク16についても同様に、下カバー3の一部を構成している。ヨーク14及び16が設けられることにより、筐体5の外側へのマグネット4及び6の漏れ磁束を効果的に抑制することができる。また、ヨーク14及び16が、平板状でなるため振動アクチュエータ15の厚さが薄くなり、さらにヨーク14及び16が筐体5の一部を構成するので、噴流発生装置10の薄型化を実現することができる。
なお、ヨーク14及び16は必ずしも必要ない。あるいは、ヨーク14及び16がない場合に、上カバー1及び下カバー3のうち少なくとも一方が磁性材料で、磁気遮蔽の機能を有していてもよい。
筐体5の内部は、振動板9、弾性支持部材11及びフレーム8によって二分され、チャンバ5a及び5bが形成される。上部に形成されたチャンバ5aは、上記流路2aを介して筐体5の外部と連通し、下部に形成されたチャンバ5bは、上記流路2bを介して筐体5の外部と連通している。
なお、本実施の形態では、筐体5とノズル体2とが別体であるが、一体であってもよい。あるいは、ノズル体2がなく、ノズル体2の流路2a及び2bの代わりとして、筐体5に複数の開口が形成されていてもよい。言い換えると、「流路2a」及び「流路2b」は、「開口」の概念に含まれる。
振動板9は、例えば樹脂、紙、または金属でなる。特に、振動板9が紙でなることにより、非常に軽量化される。紙は、樹脂ほど任意な形状に作製しにくいが、軽量化では有利である。振動板9が樹脂の場合、成形により任意の形状に作製しやすい。一方、振動板9が金属の場合、例えば銅、アルミニウム、あるいはステンレス等でなる。あるいはマグネシウムでもよい。マグネシウムは軽量で射出成形が可能であるので有利となる。振動板9は平板状でなくてもよく、例えば立体的な振動体であってもよい。振動板9の平面形状(X−Y平面内での形状)は、円、楕円、矩形、あるいはこれらの組み合わせ等の形状が考えられる。また、振動板9は、振動板9の周囲に垂直な側板が設けられた立体的な形状を有していてもよい。
筐体5は、例えば、樹脂、ゴム、または金属でなる。樹脂やゴムは成形で作製しやすく量産向きである。また、筐体5が樹脂やゴムの場合、振動アクチュエータ15の駆動により発生する音、あるいは振動板9が振動することにより発生する空気の気流音等を抑制することができる。つまり、筐体5が樹脂やゴムの場合、それらの音の減衰率も高くなり、騒音を抑制することができ、さらに、軽量化に対応でき、低コストとなる。樹脂等の射出成形で筐体5が作製される場合は、上述したようにノズル体2と一体で成形することが可能である。しかし、図2に示すように、筐体5とノズル体2とは別体の方が、噴流発生装置10の作製が容易になる。筐体5が熱伝導性の高い材料、例えば金属でなる場合、振動アクチュエータ15から発せられる熱を筐体5に逃がして筐体5の外部に放熱することができる。金属としては、アルミニウムや銅が挙げられるが、ヨーク14及び16等が設けられる場合は、筐体5の材料はそのヨーク14及び16と異なる材料、すなわち非磁性材料であることが好ましい。熱伝導性を考慮する場合、金属に限らず、カーボンであってもよい。金属としては、射出成形が可能なマグネシウム等も用いることができる。さらに、高温での使用や、特殊用途ではセラミックスの筐体であってもよい。
弾性支持部材11は、ゴム等でなるが、伸縮性のある材料であれば何でもよく樹脂でもよい。弾性支持部材11の形状は、振動板9の形状(外形)による。図3のように弾性支持部材11の断面形状は、1つの山部及び1つの谷部を有するものが用いられる。以下、これを2ロールタイプの弾性支持部材という。1つの谷部のみ、または1つの山部のみからなる弾性支持部材の場合、図3中の上下方向の高さが高くなり、厚さが増えてしまう。山部及び谷部がそれぞれ複数ある場合、振動板9が振動するときに振動方向(Z方向)以外の複雑な動きが発生するおそれがあり、効率が落ちる可能性がある。また、それによって騒音が大きくなるおそれもある。したがって、2ロールタイプの弾性支持部材が用いられることが望ましい。しかしながら、必ずしも2ロールタイプが用いられなければならないわけではない。
スペーサ7が、例えば磁性材料でなる場合、駆動コイル12が配置される領域の磁束密度を増やすことができ、振動板9を効率良く振動させることができるので、消費電力を抑えることができる。しかし、スペーサ7は非磁性材料でもよい。非磁性材料として、例えば、樹脂、アルミニウム、銅、ゴム等が挙げられるが、これら以外の非磁性材料であってもよい。極論にはスペーサ7はなくてもよい。
スペーサ7、マグネット4及び6の形状は円筒形状としたが、これに限られず、例えば、角柱形状としてもよい。あるいは、スペーサ7、マグネット4及び6の平面形状(X−Y平面内での形状)は、すべて同じ形状であることが望ましいが、必ずしもそうでなくてもよく、ばらばらでもよい。
図2に示すように、筐体5の後方の側面には、振動アクチュエータ15を駆動するための駆動回路基板17が配置されている。駆動回路基板17には、例えば駆動用のIC等が搭載され、図3に示すように駆動回路基板17からバネ性を有する給電線13が引き出され、これが駆動コイル12に接続されている。駆動回路基板17の代わりに、給電線に電気的に接続される端子が、筐体5に単に設けられる構成であってもよい。駆動コイル12には、交流電流が加えられるので2本設けられ、各給電線13の形状が左右対称形状とされて配置されている。
図4は、上記各給電線13のうちの一方を示す斜視図である。図5(A)、(C)は、この給電線の両側面図、図5(B)はその平面図、図5(D)はその正面図である。図6は、図3におけるB−B線断面図である。
この給電線13は、両端部に設けられた第1のコイルバネ部13a及び第2のコイルバネ部13bと、これらの間をつなぐトーションバーバネ部13cとで構成されている。図6に示すように、第1のコイルバネ部13aの先端13dに、駆動コイル12が接続され、第2のコイルバネ部13bの先端13eは、筐体5に取り付けられる。駆動回路基板17は、筐体5の背面5c側に設けられているので、駆動回路基板17から、その背面5c及び側面5dに沿うように導線18が配線され、第2のコイルバネ部13bの先端13eは、その導線18に接続される。
トーションバーバネ部13cは、例えばL字状に形成されている。トーションバーバネ部13cの折れ曲がり角度は図示するように90度ではなくても、適宜変更可能である。「トーションバーバネ」とは、棒線の少なくとも1箇所が折り曲げられるか、コイルバネを除き曲線で構成されるか、または、これらの組み合わせの形状を有するバネを意味する。また、第1及び第2のコイルバネ部13a及び13bのバネ定数、あるいはトーションバーバネ部13cのバネ定数等についても適宜設定可能である。図3に示すように、給電線13は水平面であるX−Y平面に対して傾くように配置されている。すなわち、L字状のトーションバーバネ部13cが配置される面(図4のX’−Y’平面)がX−Y平面に対して傾いている。しかし、第2のコイルバネ部13bの巻き数によって、第2のコイルバネ部13bのZ’方向の厚さが変わるので、巻き数が少ないほど、第2のコイルバネ部13bと可動部(振動板9及び弾性支持部材11)とが干渉しなくなり、その分、給電線13を水平面に近くなるように配置することが可能となる。
給電線13の材料としては、比較的疲労耐久応力が小さいものが用いられることが望ましい。例えばバネ性リン青銅があるが、これに限られない。
以上のように構成された噴流発生装置10の動作について説明する。
駆動コイル12に例えばサイン波の交流電圧が印加されると、振動板9は正弦波振動を行う。これにより、チャンバ5a及び5b内の容積が増減する。チャンバ5a及び5bの容積変化に伴い、それらチャンバ5a及び5bの圧力が交互に増減し、これに伴い、空気がそれぞれ流路2a及び2bを介して交互に脈流として吐出される。流路2a及び2bから空気が吐出されるときに筐体5やノズル体2の周囲の気圧が低下することにより、当該周囲の空気が流路2a及び2bから吐出される空気に巻き込まれ、合成噴流が発生する。この合成噴流が、図示しない発熱体や高熱部に吹き付けられることにより、当該発熱体を冷却することができる。
なお、発熱体としては、自ら発熱するもの、熱伝導により受熱して発熱するものを問わない。例えば、IC、コイル、抵抗等の電子部品、あるいは放熱フィン(ヒートシンク)等が挙げられるが、これらに限られず発熱するものなら何でもよい。
一方、流路2a及び2bから空気が吐出されるときに、各流路2a及び2bから独立して、特に気流音による騒音が発生する。しかしながら、各流路2a及び2bで発生する各音波は逆位相の音波であるため互いに弱められる。これにより、ある程度騒音が抑制され、静音化を図ることができる。特に、流路2a及び2bの開口面積(気流の方向にほぼ垂直な面、つまり流路断面積)やそれらの数を同じにすることで、Z方向での対称性が向上し、より騒音が低減する。
図7を参照して、給電線13の動きを詳細に説明する。図7(A)に示すように、チャンバ5aの容積が減少する方向に振動板9が移動すると、流路2aから空気が吐出される。このとき、給電線13は、主にトーションバーバネ部13cのバネ性により伸張し、給電線13が他の部材に接触することはない。また、図7(B)に示すように、チャンバ5bの容積が減少する方向に振動板9が移動すると、流路2bから空気が吐出される。このとき、上記同様に、給電線13は、主にトーションバーバネ部13cのバネ性により伸張し、給電線13が他の部材に接触することはない。
以上のように、本実施の形態に係る給電線13は、振動板9の振動方向にバネ性を有する。したがって、当該振動方向で給電線13が伸縮し、その振動方向における定常状態の給電線の長さを短くすることができ、振動方向の噴流発生装置10の厚さを薄くすることができる。また、そのバネ性により給電線13に加わる応力は小さいので、耐久性を向上させることができる。
特に、トーションバーバネ部13cの両端に第1のコイルバネ部13aと第2のコイルバネ部13bとが設けられることにより、トーションバーバネ部13cの特性が向上する。すなわち、第1及び第2のコイルバネ部13a及び13bがあることにより、トーションバーバネ部13cに加わる応力を低くすることができる。トーションバーバネ部13cが伸張するとき、2本のバーに矢印方向(X’方向及びY’方向)の引っ張る力(図4参照)がそれぞれ加えられ、トーションバーバネ部13cの配置角度は、図7(A)、(B)に示すように変化する。第1及び第2のコイルバネ部13a及び13bがない場合、振動板9が振動しても、給電線13は、図7(A)、(B)に示すように角度を変えることが困難になり、その場合、トーションバーバネ部13cの両端に大きな応力が加わり、疲労破壊が生じる可能性がある。
このように、第1及び第2のコイルバネ部13a及び13bが設けられる目的は、トーションバーバネ部13cに加わる応力を低くすることである。しかし、例えば、第1のコイルバネ部13aがZ’軸方向に伸縮したり、または、第2のコイルバネ部13bがY’軸方向に伸縮したりするように、それぞれのバネ定数を適宜設定することも可能である。
図8は、従来における給電線(錦糸線)の動きを示す模式図である。この例では、給電線113が自重により撓む程度の長さに設定されている。振動板109の上下移動に伴い、給電線113の可動部側(振動板109側)の端部が上下に移動し、例えば、振動板109の下死点では筐体105の床面に擦れる。給電線113が当該床面や他の部材に擦れないようにするためには、筐体105の上下方向の厚さを厚くしたり、給電線109が配線される周囲の空間を広く設けたりする必要がある。しかし、本実施の形態によれば、給電線13の周囲の空間を広く設ける必要はなく、噴流発生装置10の薄型化を実現できる。
図9は、給電線13に加わる応力をシミュレーションした図である。この図から最大応力がリン青銅の疲労耐久限度である、10[kgf / mm2]以内に収まっていることが確認できる。すなわち、この設計ならば、長時間稼動させても疲労破壊しないことが分かる。
図10は、本発明の他の実施の形態に係る給電線を示す平面図である。
この給電線23は、破線で示した部分が板バネ及びトーションバーバネの機能を兼ね備えている。すなわち、この給電線23を側面から(紙面に平行な方向から)見ると、薄い1枚の板でなり、かつ、J字状に形成された部分によりトーションバーバネ部が構成される。この給電線23の材料としては、上記したようなリン青銅やその他の材料が用いられる。
図11に示すように、給電線23の一端部23aが筐体5側に固定され、他端部23bが駆動コイル12に接続される。また、図示は省略するが、各給電線23は、図3で示した給電線13の場合と同様に、多少斜めに傾くように設置されればよい。このような給電線23の構成によれば、板バネとトーションバーバネの両機能により、図11中、紙面垂直方向に給電線23が伸張し、効果的に応力が低減される。
図12は、給電線23に加わる応力をシミュレーションした図である。図12から分かるように、最大応力がリン青銅の疲労耐久限度である、10[kgf / mm2]以内に収まっていることが確認できる。すなわち、この設計ならば、長時間稼動させても疲労破壊しないことが分かる。
この給電線23は、1回のみの折り返しによりトーションバーバネ部が形成されていたが、図13に示すように、給電線33は2回折り返されたトーションバーバネ部を有していてもよい。あるいは3回以上折り返された形態であってもよい。このように、給電線が複数回折り返されたトーションバーバネ部を有することにより、さらに応力を小さくすることができる。この図13は、その2回折り返しの給電線に加わる応力をシミュレーションした図である。図13でも上記同様に、この給電線は、長時間稼動させても疲労破壊しないことが分かる。
図14は、本発明のさらに別の実施の形態に係る給電線を示す図である。図14(A)は、その給電線の側面図、図14(B)はその平面図、図14(C)は、その正面図である。この給電線33は、一端に設けられたスパイラル状の部分33aと、そのスパイラルの径より大きい半径を有する半円状の部分33bとを有するトーションバーバネ部を備えている。そのスパイラル状の部分33aの半径R1またはR2等と、半円状の部分33bの半径R3との比率は、適宜設定可能である。また、給電線33は、他端に設けられたコイルバネ部33cを有する。スパイラル状の部分33aの先端33dが筐体5側に接続され、コイルバネ部33cの先端33eが駆動コイル12に接続される。この給電線33が接続された振動板9(図2、3参照)は、図14(A)における上下方向に振動する。
このような給電線33によれば、トーションバーバネ部の、特に半円状の部分33bの動きにより、図14(A)における上下方向(図14(B)における紙面垂直方向)で伸張して、給電線33に加わる応力が低減される。図15は、この給電線33の半円状の部分33bに加わる応力をシミュレーションした図である。図15でも上記同様に、この給電線33は、長時間稼動させても疲労破壊しないことが分かる。
図16は、上記した噴流発生装置10が電子機器としてPC150に搭載された状態を示す斜視図である。噴流発生装置10から供給される合成噴流がヒートシンク146に吹き付けられ、ヒートシンク146の背後に設けられたPC筐体の排気口151から、熱を持つ空気が排出される。
本発明は以上説明した実施の形態には限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
図3、図6、図11等に、筐体5内における給電線の配置例を示したが、これらのような配置に限られず、適宜変更可能である。例えば、図6では、給電線13の第2のコイルバネ部13bの先端13eが筐体5の側面5dに接続される形態を示した。しかし、図17に示すように、その先端13eが、背面5cに接続されるような形態であってもよい。このことは、他の形態に係る給電線23、33等についても同様である。
図1〜図3に示した振動アクチュエータ15は、図示したような形態に限られず、筐体5側から振動板に装着された駆動コイルに給電線が配線される構造であれば、どのような構造であってもよい。また、噴流発生装置10の筐体5やノズル体2の構造も、上記した例に限られない。
図16において、電子機器としてPCを例に挙げたが、デスクトップ型のPCでもよい。PCに限らず、PDA(Personal Digital Assistance)、電子辞書、カメラ、ディスプレイ装置、オーディオ/ビジュアル機器、プロジェクタ、携帯電話、ゲーム機器、カーナビゲーション機器、ロボット機器、その他の電化製品等が挙げられる。
本発明の一実施の形態に係る噴流発生装置を示す斜視図である。 図1に示す噴流発生装置の断面図である。 図2におけるA−A線断面図である。 一実施の形態に係る給電線を示す斜視図である。 図5(A)、(C)は、図4に示す給電線の両側面図、図5(B)はその平面図、図5(D)はその正面図である。 図3におけるB−B線断面図である。 噴流発生装置の動作を示す図である。 従来における給電線(錦糸線)の動きを示す模式図である。 図4に示す給電線に加わる応力をシミュレーションした図である。 本発明の他の実施の形態に係る給電線を示す平面図である。 図10に示す給電線が噴流発生装置に組み込まれた図である。 図10に示す給電線に加わる応力をシミュレーションした図である。 本発明のさらに別の実施の形態に係る給電線に加わる応力をシミュレーションした図である。 本発明のさらに別の実施の形態に係る給電線を示す図であり、図14(A)は、給電線の側面図、図14(B)はその平面図、図14(C)は、その正面図である。 図14に示す給電線に加わる応力をシミュレーションした図である。 噴流発生装置が電子機器としてPCに搭載された状態を示す斜視図である。 図4に示す給電線が噴流発生装置に組み込まれるときの他の配置例を示す図である。
符号の説明
2…ノズル体
2a、2b…流路(開口)
5…筐体
9…振動板(振動体)
10…噴流発生装置
12…駆動コイル
13、23、33…給電線
13a…第1のコイルバネ部
13b…第2のコイルバネ部
13c…トーションバーバネ部
33a…スパイラル状の部分
33b…半円状の部分
33c…コイルバネ部
146…ヒートシンク
150…PC

Claims (10)

  1. 開口を有し、気体が含まれた筐体と、
    前記筐体内に配置され、振動することで前記開口を介して前記気体を筐体外に吐出させる振動体と、
    前記振動体と一体的に可動する駆動コイルと、
    バネ性を有し、前記駆動コイルに給電する給電線と
    を具備することを特徴とする噴流発生装置。
  2. 請求項1に記載の噴流発生装置であって、
    前記給電線は、トーションバーバネ部を有することを特徴とする噴流発生装置。
  3. 請求項2に記載の噴流発生装置であって、
    前記給電線は、
    前記コイルに接続される第1の端部と、
    前記第1の端部付近に設けられ、第1の軸を中心に巻回された第1のコイルバネ部と、
    前記第1の端部の反対側に設けられた第2の端部と、
    前記第2の端部付近に設けられ、前記第1の軸とは異なる方向の第2の軸を中心に巻回された第2のコイルバネ部とを有し、
    前記トーションバーバネ部は、前記第1のコイルバネ部と前記第2のコイルバネ部との間に設けられていることを特徴とする噴流発生装置。
  4. 請求項3に記載の噴流発生装置であって、
    前記トーションバーバネ部は、L字状に形成されていることを特徴とする噴流発生装置。
  5. 請求項1に記載の噴流発生装置であって、
    前記給電線は、板バネ部を有することを特徴とする噴流発生装置。
  6. 請求項5に記載の噴流発生装置であって、
    前記板バネ部は、トーションバーバネ部を有することを特徴とする噴流発生装置。
  7. 請求項6に記載の噴流発生装置であって、
    前記トーションバーバネ部は、J字状に形成されていることを特徴とする噴流発生装置。
  8. 請求項2に記載の噴流発生装置であって、
    前記トーションバネ部は、半円状の部分及びスパイラル状の部分のうち少なくとも一方を有することを特徴とする噴流発生装置。
  9. 開口を有し、気体が含まれた筐体と、前記筐体内に配置され、振動することで前記開口を介して前記気体を筐体外に吐出させる振動体と、前記振動体と一体的に可動する駆動コイルとを備える噴流発生装置の、前記コイルに給電する給電線であって、
    前記コイルに接続される第1の端部と、
    前記第1の端部の反対側に設けられた第2の端部と、
    前記第1の端部と前記第2の端部との間に設けられたバネ部と
    を具備することを特徴とする給電線。
  10. 発熱体と、
    開口を有し、気体が含まれた筐体と、
    前記筐体内に配置され、振動することで前記開口を介して前記発熱体に向けて前記気体を筐体外に吐出させる振動体と、
    前記振動体と一体的に可動する駆動コイルと、
    バネ性を有し、前記駆動コイルに給電する給電線と
    を具備することを特徴とする電子機器。
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