JP2008009336A - クリーニング装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像形成装置のクリーニング装置において、経時に渡ってブレードのめくれや欠けの危険性回避し、無駄なトナー消費を必要としない経済的かつ安定したクリーニング機能を果たすクリーニング装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】トナー像を転写した後の感光体上に残留した付着物を弾性体からなるブレードを当接させて除去するクリーニングブレードと、前記感光体と同方向に回転して前記感光体上の残留トナーを除去するクリーニングブラシと、当該クリーニングブラシに付着した前記残留トナーを落とすフリッカとを有するクリーニング装置であって、前記フリッカを複数有し、前記フリッカの少なくとも一つは、前記フリッカに残留したトナーの分離方向に前記感光体があるように配置されることを特徴とするクリーニング装置を主たる構成にする。
【選択図】図2
【解決手段】トナー像を転写した後の感光体上に残留した付着物を弾性体からなるブレードを当接させて除去するクリーニングブレードと、前記感光体と同方向に回転して前記感光体上の残留トナーを除去するクリーニングブラシと、当該クリーニングブラシに付着した前記残留トナーを落とすフリッカとを有するクリーニング装置であって、前記フリッカを複数有し、前記フリッカの少なくとも一つは、前記フリッカに残留したトナーの分離方向に前記感光体があるように配置されることを特徴とするクリーニング装置を主たる構成にする。
【選択図】図2
Description
本発明は、電子写真像方法に使用する像担持体の残留トナーのクリーニング装置及び画像形成装置に関し、特に、クリーニングに使用するクリーニングブレードの付着トナーの払い落としフリッカを有するクリーニング装置及び画像形成装置に関する。
一般に、電子写真像担持体である感光体は、画像形成プロセスにおいて、帯電、露光、現像、転写、クリーニング及び除電(若しくは除電及びクリーニング)の繰り返し過程を経る。帯電及び露光により形成された静電潜像は、トナーを含んだ現像剤により顕像化され、現像されてトナー画像となる。更に、このトナー画像は、転写手段により紙などの転写材(転写媒体)に転写されるが、全てのトナーが転写されるわけではなく、顕像化されたトナーの一部が感光体上に残留する。この残留トナーを除去するクリーニング手段としては、ファーブラシ、磁気ブラシ及びブレードなどを用いたものが代表的であるが、クリーニングの精度や装置構成などの点から、ブレードクリーニングとクリーニングブラシが主に採用されている。
ブレードクリーニングについて図2に例を挙げて説明する。ブレードは、支持体に板状のポリウレタンなどの素材からなる弾性部材を取り付けたもので、感光体の表面に加圧当接させる構成となっている。また、感光体へのブレードの当接形態としては図3に示すように、感光体の回転方向に対しカウンター方向(カウンター当接方式)のものと、順方向(トレーリング当接方式)のものがある。クリーニング能力と精度から前者のカウンター当接方式を採用する装置が多い。
感光体の表面とクリーニングブレードとの間の摩擦力が上がり、感光体表面と接するブレードのエッジ部が感光体回転方向に引っ張られる力がブレードの硬度及び弾性力の限界を超えたとき、クリーニングブレード等の感光体表面の機械的摺擦は、ブレードのめくれ、局所的なエッジ欠けが発生し、また場合によっては発熱量の増大によるトナー融着の発生にもつながっていると考えられる。ブレードめくれが発生するとクリーニング不良による異常画像の発生、感光体表面のキズ、打痕などのダメージ、ユニット内のトナー飛散、感光体トルクの上昇による機械停止の原因にもなる。
感光体上のトナー像を転写ベルトや転写紙などの被転写体に転写するとき、転写バイアスローラには、現像時のトナー帯電極性と逆極性の電圧が印加され、これによって生じる電界の作用により感光体上のトナー像が被転写体に転写される。しかし、一部のトナーは転写しきれず、この残留トナーをクリーニング装置で除去する。
実際の動作環境、特に温湿度の変動により、クリーニング性や像担持体の表層の摩耗具合は異なるため、使用開始から耐久寿命までを通してクリーニングブレードだけでクリーニングすることが難しい。このためクリーニング補助部材として像担持体に接しながら回転するクリーニングブラシを設けているものもある。
通常、このようなクリーニングブラシは、感光体回転方向でクリーニングブレードの上流側に配設され、転写後の感光体上の残留トナーを掻き取るとともに、クリーニングブレードでのクリーニング性を安定かつ確実化させる目的も有している。そのため残留トナーの像担持体との付着力を弱めるためにクリーニングブラシを接地、又はバイアスを印加しているものもある。また、このクリーニングブラシは、主として直毛状とループ状の何れかに大別されるが、直毛状とループ状を併用した形式のブラシもある。ブラシの材質には、ポリアミド(商品名ナイロン)系、ポリエステル系、アクリル系の繊維や、炭素繊維等が使用される。直毛状のブラシでは、毛倒れがあって、使用していくうちにクリーニング性が低下する問題があり、ループ状のブラシでは、クリーニング効果は直毛状に比べ良好であるが、繊維の間にトナーが入り込み、目詰まりを起こすことが原因でクリーニング低下が発生するという問題がある。
いずれにしても、ブラシ内にトナーが溜まりすぎる事はクリーニングブラシの機能が低下することになるので、ブラシの中に溜まるトナーを分離して(はたき飛ばして)出すフリッカを配置することが有効である。ただし、フリッカが当接した状態で長時間放置されたり、その放置環境がブラシの毛の腰を弱める高温高湿条件であったりすると、フリッカ接触位置でのブラシの毛倒れが起きることも知られている。
また、近年の急速なカラー化とそれに伴う高画像品質化に対応する為、重合トナーによる小径、狭粒径分布化と球形化(真球化)が主流になりつつある。トナーの小径化、狭粒径分布化は高解像度現像に有利となり、また球形化(真球化)により転写効率に有利となり、これによりトナー画像のシャープネスといった画像品位は格段に向上する。
しかし、トナーの小粒径化は比表面積が大きくなり、単位重量当たりのトナーの感光体表面への付着力が大きくなることで、感光体表面のクリーニング性がより困難となる。また、トナーの小粒径化はトナーの流動性悪化となり、より多量の添加剤を必要とし、これにより、クリーニングブレードの欠けや摩耗、感光体表面の局所的なスジ傷等が発生し易くなることが知られている。
また、従来からの一般的に採用されているブレードのカウンター当接方式において、トナーの真球度の上昇に従い、従来以上に当接圧を上げると、クリーニング性向上には有利に働く。しかし、前述した通り、当接圧を上げることにより、感光体表面とブレードエッジ間の摩擦力が上がって、ブレードの巻き込みやめくれ、局所的なせん断力によるエッジ欠け、感光体表層の削れ摩耗に対して余裕がなくなる。よって、むやみに当接圧を増加させることはできない。特に、画像面積の少ない印刷動作が長く続くと、感光体表面とクリーニングブレードエッジ間にトナーが減少する。すると感光体表面とクリーニングブレードエッジ間との摩擦力が急激に上昇し、摺擦抵抗が増大して前述のクリーニングブレードエッジのめくれ発生につながるという悪循環に陥りやすくなる。
このようなクリーニングブレードのめくれに関する問題に関して、これまでに種々の改善案が提案されている。
例えば、特許文献1等において、球形トナーを用いた場合のクリーニングブレードのクリーニング性を改善するために、感光体表面の摩擦係数を低減させる潤滑物質を感光体上に供給する手段を備えたクリーニング装置が開示されている(例えば特許文献1参照)。
しかし、このような摩擦低減物質を長期間にわたって感光体表面に均一に塗布し続けることは極めて困難であり、また、この摩擦係数低減物質として提案されている物の多くは吸湿性を有しており、高温高湿条件のもとで感光体表面にフィルム状に付着しやすい。このため、帯電状態に悪影響を与え画像に欠損を生じる等の不具合を引き起こすことがある。
このうち比較的良好な性能を示すものとしてステアリン酸亜鉛が挙げることができるが、この物質自体は高価であり、これを塗布する為の機構を搭載するスペースも必要となる。また、ステアリン酸亜鉛を代表とする摩擦低減物質はローラ方式の帯電装置と組合せて使用すると帯電ローラ表面を汚す原因となり、帯電不良となる問題がある。この組合せで発生する帯電ローラの汚れに対して確実で十分な対策は未だ開示されておらず、この組合せを採用した場合、一般に帯電ローラの汚れによる異常画像が発生する速度が作像装置の寿命のボトルネックとなっている。また、これらの潤滑剤は最終的にはクリーニングユニットの廃トナーと混ざって廃棄収容器に搬送されることになるが、潤滑剤の混ざった廃トナーは混ざっていない状態と比較して流動性が著しく悪く、湿度の影響を受けやすく、搬送性においても不利である。
また、作像工程における非画像領域(例えば画像間)に作像工程終了直前などを利用してトナー供給用のパターンやライン画像を形成し、クリーニング装置に入れて感光体とクリーニングブレードとの摩擦力の上昇を抑制し、クリーニングブレードのめくれ発生を防止する手段が開示されている(例えば特許文献2参照)。
しかし、このような静電的に顕像化されたパターンを入力することは前述の通り感光体との付着力が強く、必要以上にクリーニング装置に負担をかけることになり、ブレードエッジが経時摩耗した状態においてクリーニング不良を起こす可能性がある。このため、長期に渡って良好なクリーニング性を維持するための手段としては不向きと言える。
また、感光体やクリーニング装置を清掃又は交換したとき、感光体の表面及びブレードエッジにトナー又はカイナーのような粉体を塗布する手段や、感光体の回転開始前にブレードエッジに粉末を塗布させておく手段が開示されている。しかし、このような粉体塗布作業は点検時などの作業効率が悪化すると同時に、この粉体が飛散して作業環境や装置内の汚れの問題でなどで好ましくない。
特開平5−188643号公報
特許第2708816号公報
そこで、本発明は、上述した実情を考慮してなされたもので、初期から経時に渡ってブレードのめくれや欠けの危険性回避し、無用なトナー消費を必要としない経済的なかつ安定したクリーニング機能を果たすことのできるクリーニング装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1記載の発明は、トナー像を転写した後の感光体上に残留した付着物を弾性体からなるブレードを当接させて除去するクリーニングブレードと、前記感光体と同方向に回転して前記感光体上の残留トナーを除去するクリーニングブラシと、当該クリーニングブラシに付着した前記残留トナーを落とすフリッカとを有するクリーニング装置であって、前記フリッカを複数有し、前記フリッカの少なくとも一つは、前記フリッカに残留したトナーの分離方向に前記感光体があるように配置されるクリーニング装置を特徴とする。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のクリーニング装置において、前記複数のフリッカと前記クリーニングブラシとの接触と離間との接離を行う機構部と、前記接離を自在に制御する制御手段とを有する制御部をさらに有し、前記制御部は、前記フリッカを制御して前記クリーニングブラシに付着したトナーの分離方向を変更可能にしたことを特徴とする。
また、請求項3記載の発明は、請求項2記載のクリーニング装置において、前記制御部は前記感光体表面と前記クリーニングブレードのエッジとの間の摩擦力を検知する検知手段による検出値によって前記フリッカの前記接離を制御することを特徴とする。
また、請求項4記載の発明は、請求項3記載のクリーニング装置において、前記検出値は、前記感光体駆動モータ電流を用いることを特徴とする。
また、請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項記載のクリーニング装置において、作像ユニットの清掃時、作像ユニットの交換時または作像ユニットの交換の必要を検知する第2の検知手段を有し、フリッカの接離を制御し、ブラシに付着したトナーの分離方向を感光体方向に制御して前記クリーニングブレードにトナーを供給することを特徴とする。
また、請求項6記載の発明は、請求項2から5のいずれか1項記載のクリーニング装置において、入力画像面積情報に基づいて、前記クリーニング装置に入力されるトナー量が多いと、前記フリッカの前記接離を制御し、前記クリーニングブラシに付着したトナーの分離方向を廃トナー搬送経路の存在する方向に制御することを特徴とする。
また、請求項7記載の発明は、請求項2から6のいずれか1項記載のクリーニング装置において、入力画像面積情報に基づいて、前記クリーニング装置に入力されるトナー量が少ないと、前記フリッカの前記接離を制御し、前記クリーニングブラシに付着したトナーの分離方向を感光体方向にしてトナーを前記ブレードに供給させることを特徴とする。
また、請求項8記載の発明は、請求項1から7のいずれか1項記載のクリーニング装置を有する画像形成装置であって、当該画像形成装置に使用されるトナーは、体積平均粒径が3〜8μmで、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にあることを特徴とする。
また、請求項9記載の発明は、請求項1から7のいずれか1項記載のクリーニング装置を有する画像形成装置であって、当該画像形成装置に使用されるトナーは、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にあることを特徴とする。
また、請求項10記載の発明は、請求項1から7のいずれか1項記載のクリーニング装置を有する画像形成装置であって、当該画像形成装置に使用されるトナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋反応又は伸長反応の少なくとも1つの反応をさせて得られるトナーであることを特徴とする。
本発明は、電子写真方式の画像形成装置におるトナー像を転写した後に感光体上に残留した付着物を、感光体の進行方向に対してカウンター方向に弾性体からなるブレードを当接させて除去するクリーニング手段と、前記感光体と接触位置から見て逆方向に回転して感光体上の残留トナーを除去するクリーニングブラシと、当該クリーニングブラシに着いた前記残留トナーをはたき落とすフリッカとを有するクリーニング装置であって、一つのクリーニングブラシに対して複数のフリッカを設置し、前記複数のフリッカの少なくとも一つによって分離(はたき飛ばす)された前記残留トナーを飛ばす方向に感光体が配置されることにより、ブラシ内のトナーを通常の廃トナーとして廃トナー搬送経路に送る機能と、感光体表面とブレードエッジ間の摩擦力の上昇を抑制するためにブレードにトナーを供給する機能とを同時に有することができる。これによって無用にトナー消費を必要とせず廃トナーも増加しないので経済的であり環境への配慮にも貢献できる効果を得ることとなる。さらに、一度ブラシで除去したトナーを感光体上に分離されたトナーは、顕像トナーおよび転写残トナーと比べて非常に弱い付着力でブレードに入力されることによりクリーニング性は安定して良好でかつブレードクリーニング位置での感光体表面およびブレードエッジへの負担を軽くすることにもなる。
また、複数のフリッカとクリーニングブラシとの接離を可能とする機構を持ち、かつその接離を制御することのできる制御手段を有することで、ブラシに付着したトナーの分離方向を通常の廃トナーとしての搬送経路に送る方向と、先述の感光体表面とブレードエッジ間の摩擦力の上昇を抑制するために感光体上の方向に分離方向とを選択制御することができる。また必要に応じて両方のフリッカを接触させない状態にすることでフリッカ常時当接によるブラシの毛倒れ(毛ぐせ)の防止にもなる。
また、感光体表面とブレードエッジ間の摩擦力を検知し、この検出値に基づいてフリッカの接離を制御することで、適切なタイミングに感光体表面とブレードエッジ間にトナーの供給とその停止の判断が可能となる。このときの感光体表面とブレードエッジ間の摩擦力を検知する手段を感光体駆動モータ電流であることで、簡単で正確な検知制御が可能となる。
また、感光体、クリーニングブレード、クリーニングブラシ、若しくはそれらを含むクリーニング装置や作像ユニットを清掃もしくは新品に交換した時の感光体表面とブレードエッジ間の摩擦力の急激な上昇を抑制する手段が提供できる。
また、クリーニング装置に入力されるトナー量を画像面積情報から推測し、これに基づきフリッカの接離を制御することで、クリーニングブレードに入力されるトナー量が多いと判断する条件においては廃トナー搬送経路がブラシに付着したトナーの分離(はたき飛ばし)方向になるよう配置したフリッカが有効になるようブラシに接離させ、クリーニングブレードに入力されるトナー量が少ないと判断する条件においては感光体方向がブラシに付着したトナーの分離方向になるよう配置したフリッカが有効になるようブラシに接離させることにより、感光体表面とブレードエッジ間に過剰なトナー供給回避と、必要な条件でのトナー供給が可能な手段が提供できる。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係るクリーニング装置及び画像形成装置について詳細に説明する。なお、以下の説明はこの発明の最良の形態例であって、いわゆる当業者は特許請求の範囲内で、変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、以下の説明が特許請求の範囲を限定するものではない。
図1(全体構成図)は、本発明に係るフルカラー画像形成装置の構成を示す概略図である。但し、本発明の特徴であるクリーニング装置と小径、球形トナーを使用する画像形成装置であればモノクロ画像形成装置においてもよく、その機能と効果は同様である。
ここで示す画像形成装置では、作像部イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)を4つ並列に配置する本発明のクリーニング装置を有する作像部100と共に、その4つの作像部に対して1つの中間転写ベルト101と1つの紙転写装置を配設している。
図2(作像ユニット構成図)は、この画像形成装置のある1色例えばイエローの作像部Yの構成例を示す概略構成図である。
作像動作が開始されると、イエロー作像部Yでは、静電潜像担持体である感光体11は帯電装置12により表面を一様に帯電される。そして、帯電後の感光体11には光書き込み装置13からの露光によりフルカラー原稿のイエロー成分画像の静電潜像が形成され、その静電潜像はイエロー現像装置14によりイエロートナーで顕像化される。また、所定の時間差でシアン作像部、マゼンタ作像部、ブラック作像部においても同様の作像動作が行われ、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のトナー像が各感光体上に形成される。各作像部Y,C,M,Bkにおいて感光体上に形成されたトナー像Y,C,M,Bkを、中間転写ベルト5上で1つのフルカラー画像として重ねまとめるために、この中間転写ベルトの裏面側には各作像部の感光体の対向位置にベルト転写ローラ16を配置し、ベルト転写ローラに所定の転写バイアスを印加することによって、各作像部のトナー像を順次中間転写ベルトに重ねて転写させる。そして、1つのフルカラー画像となった中間転写ベルト上のトナー画像を、所定のバイアスが印加される紙転写ローラとの間にタイミングを合わせて搬送されてくる転写紙上に転写させる。
その後、転写紙は定着装置に搬送されて加熱・加圧され、転写紙上のトナー像が定着されてフルカラー画像が出力される。
中間転写ベルトへの転写後の各作像部の感光体は、除電装置17より表面電位を除電され、残留トナーはクリーニング装置1のクリーニングブラシ2、クリーニングブレード3により除去され、上述の帯電装置12で帯電される、という一連の作像サイクルを繰り返す。クリーニング装置で除去されたトナーは、廃トナー搬送経路4を経て廃トナー収容槽に搬送される。
図3(本発明のクリーニング装置の構成を示す図)は、像担持体である感光体上の残留トナーを回収除去するクリーニング装置の構成を示す図である。Y,C,M,Bk全作像部において同様の構成と動作となっている。
感光体11が、図示した矢印方向に回転し、クリーニングブラシ2は図示した矢印方向に回転している。クリーニングブレード3は、ブレードホルダ8に保持固定されて、感光体の回転方向に対向するカウンター方向で所定の圧力をかけられて感光体にそのエッジが圧接されている。クリーニングブラシ2は感光体とのブラシニップ部を形成するように設けられており、また、ブラシ軸の芯金は接地されている。必要に応じて図示しない電源から所定のバイアスが印加されていても良い。
感光体表面から転写されずに残った残留トナーは除電装置17により一様に帯電がキャンセルされるようエネルギーが与えられる。一部の残留トナーは、クリーニングブラシ回転による感光体表面の掻き乱されてブラシで除去される。また、残りの残留トナーは先の除電と掻き乱しで付着力を弱められた状態でブレード3によって掻き落とされる。
クリーニングブラシを繰り返し使用すると、そのブラシ繊維に中にクリーニングされたトナーが蓄積してくるため、フリッカ5はこの蓄積したトナーをブラシから取り除くためにブラシの毛をはたく様に設置されるものである。
感光体へのブレードの当接形態はカウンター方式で、クリーニングブレードはポリウレタン製ブレードゴムで亜鉛処理鋼鈑のホルダ板金にホットメルト接着材により接着している。
図3(本発明のクリーニング装置:2つのフリッカ+ソレノイド)に示すように、クリーニングブラシ2に接触させる2つのフリッカ5,6を、それが分離した方向(はたき飛ばす方向)に、それぞれ感光体がある位置と、廃トナー搬送経路7がある位置とに配置して、ブラシ内のトナーを通常の廃トナーとして廃トナー搬送経路に送る機能と、感光体表面とブレードエッジ間の摩擦力の上昇を抑制するためにブレードにトナーを供給する機能とを有する(以上、請求項1)。このように、感光体方向にトナーを飛ばすフリッカ6は、好ましくはクリーニングブラシ2とクリーニングブレード3との間の位置(感光体の周辺に位置するクリーニングブレード3と、クリーニングブラシ2との間の位置)に設けられることが好ましい。
図4に示すように、この2本のフリッカ5,6は、それぞれ図示しないソレノイドによってクリーナーブラシ2との接触と離間である接離を制御し、ブラシに付着したトナーの分離方向(はたき飛ばし方向)を、廃トナー搬送経路と感光体上とで選択制御する。また、機械停止時においては両フリッカ5,6を接触させない状態にし、クリーナーブラシ2の毛倒れを防止することもできる(以上、請求項2)。
上述のフリッカ5,6の接離制御は制御部18において、感光体駆動モータ電流値がモータ電流部18により検出され、所定の値を超えると感光体上方向へ、分離(はたき飛ばす)するフリッカ6のみをクリーナーブラシ2に当接させ、電流値が所定の値を切ると搬送経路方向に、分離するフリッカ5のみを当接させる。このように複数のフリッカ5,6を上記したように摩擦力を感光体駆動モータ電流値により検知して制御することができる(以上、請求項3、4)。
また、感光体、クリーニングブレード、クリーニングブラシ、若しくはそれらを含むクリーニング装置や作像ユニットを清掃もしくは新品に交換したことを連絡する信号を(新品検知部20で)受けると、上述のフリッカの接離制御において、感光体駆動モータ電流値が所定の値を超えた場合、感光体上の方向へ叩き飛ばすフリッカのみを当接(して機能)させ、所定時間駆動させた後に上述の感光体駆動モータ電流値によるフリッカ接離制御に移行する(以上、請求項5と3、4との組合せ)。図3において、(a)は複数のフリッカ5,6うちフリッカ5のみを制御装置でクリーナーブラシ2に当接するようにし、フリッカ6はクリーナーブラシ2に当接させないように制御している例を示している。また、(b)は複数のフリッカ5,6のうちフリッカ6のみを制御装置でクリーナーブラシ2に当接するようにし、フリッカ5はクリーナーブラシ2に当接させないように制御している例を示している。ただし、図3において、制御部及び複数のフリッカの動作を行う各機構部は図示しない。また図3(a)では、フリッカ5によってクリーナーブラシ2に付着した残留トナーの弾き飛ばされる方向は廃トナー搬送経路方向であり、一方(b)では、フリッカ6によってクリーナーブラシ2に付着した残留トナーの弾き飛ばされる方向は感光体の方向である例である。また図4には、図3において図示していない制御部の一例を示す。
与えられた印刷オーダーの画像面積情報計算部21で算出された画像面積情報からトナー消費量を算出し、所定の値より少ないと感光体上方向へ叩き飛ばすフリッカ6のみを当接して機能させ、所定の値より多いと搬送経路方向へ叩き飛ばすフリッカ5(図3)のみを当接して機能させる(以上、請求項6、7)。
次に、本発明の画像形成装置に好適に使用されるトナーについて説明する。
600dpi以上の微少ドットを再現するために、トナーの体積平均粒径は3〜8μmが好ましい。体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)は1.00〜1.40の範囲にあることが好ましい。(Dv/Dn)が1.00に近いほど粒径分布がシャープであることを示す。このような小粒径で粒径分布の狭いトナーでは、トナーの帯電量分布が均一になり、地肌かぶりの少ない高品位な画像を得ることができ、また、静電転写方式では転写率を高くすることができる。
コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社
製)があげられる。以下に測定方法について述べる。
製)があげられる。以下に測定方法について述べる。
まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの重量平均粒径(D4)、個数平均粒径を求めることができる。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。
トナーの形状係数SF−1は100〜180、形状係数SF−2は100〜180の範囲にあることが好ましい。図5(SF係数説明のトナーモデル図)は、形状係数SF−1、形状係数SF−2を説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記(式1)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4)・・・・・(式1)
SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
また、形状係数SF−2は、トナーの形状の凹凸の割合を示すものであり、下記(式2)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−2={(PERI)2/AREA}×(100π/4)・・・・・(式2)
SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
SF−2={(PERI)2/AREA}×(100π/4)・・・・・(式2)
SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
形状係数の測定は、具体的には、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入し該トナーの粒子100個について解析して計算した。
トナーの形状が球形に近くなると、トナーとトナー、又はトナーと感光体との接触状態が点接触になるために、トナー同士の吸着力は弱くなり従って流動性が高くなり、また、トナーと感光体との吸着力も弱くなって、転写率は高くなる。形状係数SF−1、SF−2のいずれかが180を超えると、転写率が低下するため好ましくない。
本発明の画像形成装置に好適に用いられるトナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系溶媒中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーである。以下に、トナーの構成材料及び製造方法について説明する。
<ポリエステル>
ポリエステルは、多価アルコール化合物と多価カルボン酸化合物との重縮合反応によって得られる。
<ポリエステル>
ポリエステルは、多価アルコール化合物と多価カルボン酸化合物との重縮合反応によって得られる。
多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)および3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
多価カルボン酸(PC)としては、2価カルボン酸(DIC)および3価以上の多価カルボン酸(TC)が挙げられ、(DIC)単独、および(DIC)と少量の(TC)との混合物が好ましい。2価カルボン酸(DIC)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸及び炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上の多価カルボン酸(TC)としては、炭素数9〜20の芳香族多価カルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、多価カルボン酸(PC)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いて多価アルコール(PO)と反応させてもよい。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の重縮合反応は、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して水酸基を有するポリエステルを得る。ポリエステルの水酸基価は5以上であることが好ましく、ポリエステルの酸価は通常1〜30、好ましくは5〜20である。酸価を持たせることで負帯電性となりやすく、さらには記録紙への定着時、記録紙とトナーの親和性がよく低温定着性が向上する。しかし、酸価が30を超えると帯電の安定性、特に環境変動に対し悪化傾向がある。また、重量平均分子量1万〜40万、好ましくは2万〜20万である。重量平均分子量が1万未満では、耐オフセット性が悪化するため好ましくない。また、40万を超えると低温定着性が悪化するため好ましくない。
ポリエステルには、上記の重縮合反応で得られる未変性ポリエステルの他に、ウレア変性のポリエステルが好ましく含有される。ウレア変性のポリエステルは、上記の重縮合反応で得られるポリエステルの末端のカルボキシル基や水酸基等と多価イソシアネート化合物(PIC)とを反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得、これとアミン類との反応により分子鎖が架橋及び/又は伸長されて得られるものである。
多価イソシアネート化合物(PIC)としては、脂肪族多価イソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α、α、α'、α'−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアネート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、ウレア変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の多価イソシアネート化合物(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40wt%、好ましくは1〜30wt%、さらに好ましくは2〜20wt%である。0.5wt%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40wt%を超えると低温定着性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
次に、ポリエステルプレポリマー(A)と反応させるアミン類(B)としては、2価アミン化合物(B1)、3価以上の多価アミン化合物(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4'−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4'−ジアミノ−3,3'−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり、1/2未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。また、ウレア変性ポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
ウレア変性ポリエステルは、ワンショット法、などにより製造される。多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒(有機錫触媒を含む)の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで40〜140℃にて、これに多価イソシアネート(PIC)を反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得る。さらに、この(A)にアミン類(B)を0〜140℃にて反応させ、ウレア変性ポリエステルを得る。
(PIC)を反応させる際、及び(A)と(B)とを反応させる際には、必要により溶剤を用いることもできる。使用可能な溶剤としては、芳香族溶剤(トルエン、キシレンなど);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど);エステル類(酢酸エチルなど);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)およびエーテル類(テトラヒドロフランなど)などのイソシアネート(PIC)に対して不活性なものが挙げられる。
また、ポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との架橋及び/又は伸長反応には、必要により反応停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
ウレア変性ポリエステルの重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。1万未満では耐ホットオフセット性が悪化する。ウレア変性ポリエステル等の数平均分子量は、先の未変性ポリエステルを用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。ウレア変性ポリエステルを単独で使用する場合は、その数平均分子量は、通常2000〜15000、好ましくは2000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。20000を超えると低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを併用することで、低温定着性およびフルカラー画像形成装置100に用いた場合の光沢性が向上するので、ウレア変性ポリエステルを単独で使用するよりも好ましい。尚、未変性ポリエステルはウレア結合以外の化学結合で変性されたポリエステルを含んでも良い。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは、少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは類似の組成であることが好ましい。
また、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとの重量比は、通常20/80〜95/5、好ましくは70/30〜95/5、さらに好ましくは75/25〜95/5、特に好ましくは80/20〜93/7である。ウレア変性ポリエステルの重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを含むバインダー樹脂のガラス転移点(Tg)は、通常45〜65℃、好ましくは45〜60℃である。45℃未満ではトナーの耐熱性が悪化し、65℃を超えると低温定着性が不十分となる。
また、ウレア変性ポリエステルは、得られるトナー母体粒子の表面に存在しやすいため、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
(着色剤)着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造、またはマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体、あるいはこれらとビニル化合物との共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
<荷電制御剤>
荷電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルフォン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。
荷電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルフォン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。
荷電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、荷電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
<離型剤>
離型剤としては、融点が50〜120℃の低融点のワックスが、バインダー樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温オフセットに対し効果を示す。このようなワックス成分としては、以下のものが挙げられる。ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、及びおよびパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラクタム等の石油ワックス等が挙げられる。また、これら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド及び、低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等も用いることができる。
離型剤としては、融点が50〜120℃の低融点のワックスが、バインダー樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温オフセットに対し効果を示す。このようなワックス成分としては、以下のものが挙げられる。ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、及びおよびパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラクタム等の石油ワックス等が挙げられる。また、これら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド及び、低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等も用いることができる。
荷電制御剤、離型剤はマスターバッチ、バインダー樹脂とともに溶融混練することもできるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えても良い。
<外添剤>
トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤として、無機微粒子が好ましく用いられる。この無機微粒子の一次粒子径は、5×10-3〜2μmであることが好ましく、特に5×10-3〜0.5μmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5wt%であることが好ましく、特に0.01〜2.0wt%であることが好ましい。
トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤として、無機微粒子が好ましく用いられる。この無機微粒子の一次粒子径は、5×10-3〜2μmであることが好ましく、特に5×10-3〜0.5μmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5wt%であることが好ましく、特に0.01〜2.0wt%であることが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。中でも、流動性付与剤としては、疎水性シリカ微粒子と疎水性酸化チタン微粒子を併用するのが好ましい。特に両微粒子の平均粒径が5×10-2μm以下のものを使用して攪拌混合を行った場合、トナーとの静電力、ファンデルワールス力は格段に向上することより、所望の帯電レベルを得るために行われる現像装置内部の攪拌混合によっても、トナーから流動性付与剤が脱離することなく、ホタルなどが発生しない良好な画像品質が得られて、さらに転写残トナーの低減が図られる。
酸化チタン微粒子は、環境安定性、画像濃度安定性に優れている反面、帯電立ち上がり特性の悪化傾向にあることより、酸化チタン微粒子添加量がシリカ微粒子添加量よりも多くなると、この副作用の影響が大きくなることが考えられる。しかし、疎水性シリカ微粒子及び疎水性酸化チタン微粒子の添加量が0.3〜1.5wt%の範囲では、帯電立ち上がり特性が大きく損なわれず、所望の帯電立ち上がり特性が得られ、すなわち、コピーの繰り返しを行っても、安定した画像品質が得られる。
次に、トナーの製造方法について説明する。ここでは、好ましい製造方法について示すが、これに限られるものではない。
<トナーの製造方法>
(1)着色剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、離型剤を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。
(1)着色剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、離型剤を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。
有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
(2)トナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させる。
水系媒体は、水単独でも良いし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。
トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。
また、水系媒体中の分散を良好にするために、界面活性剤、樹脂微粒子等の分散剤を適宜加える。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、α−オレフィンスルフォン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルフォニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルフォン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルフォン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルフォン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルフォン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルフォンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルフォンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルフォニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を右する脂肪族1級、2級もしくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルフォンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
樹脂微粒子は、水系媒体中で形成されるトナー母体粒子を安定化させるために加えられる。このために、トナー母体粒子の表面上に存在する被覆率が10〜90%の範囲になるように加えられることが好ましい。例えば、ポリメタクリル酸メチル微粒子1μm、及び3μm、ポリスチレン微粒子0.5μm及び2μm、ポリ(スチレン―アクリロニトリル)微粒子1μm、商品名では、PB−200H(花王社製)、SGP(総研社製)、テクノポリマーSB(積水化成品工業社製)、SGP−3G(総研社製)、ミクロパール(積水ファインケミカル社製)等がある。
また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
上記の樹脂微粒子、無機化合物分散剤と併用して使用可能な分散剤として、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの含窒素化合物、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。この中でも、分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。
(3)乳化液の作製と同時に、アミン類(B)を添加し、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)との反応を行わせる。
この反応は、分子鎖の架橋及び/又は伸長を伴う。反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
(4)反応終了後、乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥してトナー母体粒子を得る。
有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
(5)上記で得られたトナー母体粒子に、荷電制御剤を打ち込み、ついで、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子等の機微粒子を外添させ、トナーを得る。荷電制御剤の打ち込み、及び無機微粒子の外添は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。
これにより、小粒径であって、粒径分布のシャープなトナーを容易に得ることができる。さらに、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球状からラクビーボール状の間の形状を制御することができ、さらに、表面のモフォロジーも滑らかなものから梅干形状の間で制御することができる。
本発明に使用されるトナーの形状は略球形状であり、以下の形状規定によって表すことができる。
図6は、略球形状の説明図は本発明のトナーの形状を模式的に示す図である。略球形状のトナーを長軸r1、短軸r2、厚さr3(但し、r1≧r2≧r3とする。)で規定するとき、本発明のトナーは、長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5〜1.0で、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲にあることが好ましい。長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5未満では、真球形状から離れるためにドット再現性及び転写効率が劣り、高品位な画質が得られなくなる。また、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7未満では、扁平形状に近くなり、球形トナーのような高転写率は得られなくなる。特に、厚さと短軸との比(r3/r2)が1.0では、長軸を回転軸とする回転体となり、トナーの流動性を向上させることができる。
なお、r1、r2、r3は、例えば以下の方法により測定することができる。即ち、トナーを平滑な測定面上に均一に分散付着させ、該トナーの粒子100個について、カラーレーザー顕微鏡「VK−8500」(キーエンス社製)により500倍に拡大して、該100個のトナー粒子の長軸r1(μm)、短軸r2(μm)、厚さr3(μm)を測定し、それらの算術平均値から求めることができる。
1 クリーニング装置
2 クリーニングブラシ
3 クリーニングブレード
4 廃トナー搬送経路
5 搬送経路方向はたきフリッカ
6 感光体方向はたきフリッカ
7 廃トナー搬送経路
8 ブレードホルダ
11 感光体
12 帯電装置
13 光書き込み装置
14 イエロー現像装置
15 転写ベルト
16 ベルト転写ローラ
17 除電装置
18 制御部
19 モータ電流検出部
20 新品検知部
21 画像面積情報計算部
100 作像部
101 中間転写ベルト
2 クリーニングブラシ
3 クリーニングブレード
4 廃トナー搬送経路
5 搬送経路方向はたきフリッカ
6 感光体方向はたきフリッカ
7 廃トナー搬送経路
8 ブレードホルダ
11 感光体
12 帯電装置
13 光書き込み装置
14 イエロー現像装置
15 転写ベルト
16 ベルト転写ローラ
17 除電装置
18 制御部
19 モータ電流検出部
20 新品検知部
21 画像面積情報計算部
100 作像部
101 中間転写ベルト
Claims (10)
- トナー像を転写した後の感光体上に残留した付着物を弾性体からなるブレードを当接させて除去するクリーニングブレードと、前記感光体と同方向に回転して前記感光体上の残留トナーを除去するクリーニングブラシと、当該クリーニングブラシに付着した前記残留トナーを落とすフリッカとを有するクリーニング装置であって、
前記フリッカを複数有し、前記フリッカの少なくとも一つは、前記フリッカに残留したトナーを分離した方向に前記感光体があるように配置されることを特徴とするクリーニング装置。 - 前記複数のフリッカと前記クリーニングブラシとを接触/離間させる接離を行う機構部と、
前記接離を自在に制御する制御手段とを有する制御部とを有し、
前記制御部は、前記フリッカを制御して前記クリーニングブラシに付着したトナーを分離した方向を変更可能にしたことを特徴とする請求項1記載のクリーニング装置。 - 前記制御部は、
前記感光体表面と前記クリーニングブレードのエッジとの間の摩擦力を検知する検知手段を有し、
前記検知手段による検出値によって前記フリッカの前記接離を制御することを特徴とする請求項2記載のクリーニング装置。 - 前記検出値は、前記感光体駆動モータ電流を用いることを特徴とする請求項3記載のクリーニング装置。
- 作像ユニットの清掃時、作像ユニットの交換時または作像ユニットの交換の必要を検知する第2の検知手段を有し、
フリッカの接離を制御し、ブラシに付着したトナーを分離した方向を感光体方向に制御して前記クリーニングブレードにトナーを供給することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載のクリーニング装置。 - 入力画像面積情報に基づいて、前記クリーニング装置に入力されるトナー量が多いと、前記フリッカの前記接離を制御し、前記クリーニングブラシに付着したトナーの分離方向を廃トナー搬送経路の存在する方向に制御することを特徴とする請求項2から5のいずれか1項記載のクリーニング装置。
- 入力画像面積情報に基づいて、前記クリーニング装置に入力されるトナー量が少ないと、前記フリッカの前記接離を制御し、前記クリーニングブラシに付着したトナーの分離方向を感光体方向にしてトナーを前記ブレードに供給させることを特徴とする請求項2から6のいずれか1項記載のクリーニング装置。
- 請求項1から7のいずれか1項記載のクリーニング装置を有する画像形成装置であって、
当該画像形成装置に使用されるトナーは、体積平均粒径が3〜8μmで、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にあることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1から7のいずれか1項記載のクリーニング装置を有する画像形成装置であって、
当該画像形成装置に使用されるトナーは、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にあることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1から7のいずれか1項記載のクリーニング装置を有する画像形成装置であって、
当該画像形成装置に使用されるトナーは、少なくとも窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋反応又は伸長反応の少なくとも1つの反応をさせて得られるトナーであることを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006182517A JP2008009336A (ja) | 2006-06-30 | 2006-06-30 | クリーニング装置及び画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006182517A JP2008009336A (ja) | 2006-06-30 | 2006-06-30 | クリーニング装置及び画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008009336A true JP2008009336A (ja) | 2008-01-17 |
Family
ID=39067581
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006182517A Pending JP2008009336A (ja) | 2006-06-30 | 2006-06-30 | クリーニング装置及び画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008009336A (ja) |
-
2006
- 2006-06-30 JP JP2006182517A patent/JP2008009336A/ja active Pending
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