JP2008008767A - センサ付き軸受装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】センサケースの組み立て手順を複雑にすることなく、センサケースにモールドされる回路基板のモールド樹脂の熱応力による変形や位置ずれを防止することである。
【解決手段】回路基板5をセンサケース6の内部空間の中央部に配設して、この内部空間にモールド樹脂Aを充填し、回路基板5の表面側と裏面側とに充填されるモールド樹脂Aの厚みを等しくすることにより、回路基板5の表面側と裏面側とに充填されるモールド樹脂Aに発生する熱応力の大きさをバランスさせ、センサケース6の組み立て手順を複雑にすることなく、モールド樹脂Aの熱応力による回路基板5の変形や位置ずれを防止できるようにした。
【選択図】図3
【解決手段】回路基板5をセンサケース6の内部空間の中央部に配設して、この内部空間にモールド樹脂Aを充填し、回路基板5の表面側と裏面側とに充填されるモールド樹脂Aの厚みを等しくすることにより、回路基板5の表面側と裏面側とに充填されるモールド樹脂Aに発生する熱応力の大きさをバランスさせ、センサケース6の組み立て手順を複雑にすることなく、モールド樹脂Aの熱応力による回路基板5の変形や位置ずれを防止できるようにした。
【選択図】図3
Description
本発明は、センサ付き軸受装置に関する。
産業機械や車両等の回転軸を支持する転がり軸受を備えた軸受装置には、その保全のために振動や温度等を検出するセンサを組み込んだセンサケースを装着したセンサ付き軸受装置がある。このようなセンサ付き軸受装置には、センサケースにセンサで検出される検出出力を処理する回路基板も一緒に組み込み、センサケースの内部空間に充填される樹脂で、回路基板をモールドするようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載されたものでは、センサを回路基板の表面に装着し、回路基板と一緒にモールドしている。
通常、前記センサケースはアルミニウム合金やステンレス鋼等の金属で形成されており、その内部空間に回路基板を樹脂でモールドしたものは、温度変化が激しい環境で使用されると、樹脂の線膨張係数はセンサケースを形成する金属の線膨張係数よりもかなり大きいので、センサケースに充填されたモールド樹脂に大きな圧縮の熱応力が発生し、この熱応力で厚みの薄い回路基板が変形して破損したり、回路基板の位置がずれたりする恐れがある。
特許文献1に記載されたものでは、センサを装着した回路基板を軟質樹脂で覆うか、容器に収容するかして、その外側を硬質樹脂でモールドすることにより、これらの破損を防止するようにしている。
特開2003−83774号公報
特許文献1に記載されたセンサ付き軸受装置は、センサや回路基板の破損を防止するために、センサや回路基板を予め軟質樹脂で覆うか、容器に収容するかしたのち、センサケースの内部空間に硬質樹脂でモールドする必要があるので、センサケースの組み立て手順が複雑になり、製造コストが高くなる問題がある。また、モールド樹脂に発生する熱応力による回路基板の位置ずれは防止することができない。
そこで、本発明の課題は、センサケースの組み立て手順を複雑にすることなく、センサケースにモールドされる回路基板のモールド樹脂の熱応力による変形や位置ずれを防止することである。
上記の課題を解決するために、本発明は、転がり軸受を備えた軸受装置に、検出対象を検出するセンサと、このセンサで検出される検出出力を処理する回路基板とを組み込んだセンサケースを装着し、このセンサケースに組み込まれた回路基板を、センサケースの内部空間に充填される樹脂でモールドしたセンサ付き軸受装置において、前記回路基板を前記センサケースの内部空間の中央部に配設し、この内部空間で前記回路基板の表面側と裏面側とに充填される樹脂の厚みを等しくした構成を採用した。
すなわち、回路基板をセンサケースの内部空間の中央部に配設し、この内部空間で回路基板の表面側と裏面側とに充填される樹脂の厚みを等しくすることにより、回路基板の表面側と裏面側とに充填されるモールド樹脂に発生する熱応力の大きさをバランスさせ、センサケースの組み立て手順を複雑にすることなく、モールド樹脂の熱応力による回路基板の変形や位置ずれを防止できるようにした。
前記センサケースに充填される樹脂を、ガラス転移温度がセンサケースの使用環境温度以下のものとすることにより、熱膨張する樹脂を軟化しやすいものとして、モールド樹脂に発生する熱応力を緩和することができる。
前記センサケースに充填される樹脂を、前記回路基板の端面側からその表裏面と平行な方向に注入することにより、回路基板の表面側と裏面側に隙間なくモールド樹脂を充填し、これらの表面側と裏面側の樹脂に発生する熱応力を、より確実にバランスさせることができる。
前記樹脂を注入した前記センサケースの注入口部に、樹脂が充填されない空間を設けることにより、熱膨張する樹脂の一部をこの空間に逃がし、モールド樹脂に発生する熱応力を低減することができる。
本発明のセンサ付き軸受装置は、回路基板をセンサケースの内部空間の中央部に配設し、この内部空間で回路基板の表面側と裏面側とに充填される樹脂の厚みを等しくしたので、回路基板の表面側と裏面側とに充填されるモールド樹脂に発生する熱応力の大きさをバランスさせ、センサケースの組み立て手順を複雑にすることなく、モールド樹脂の熱応力による回路基板の変形や位置ずれを防止することができる。
前記センサケースに充填される樹脂を、ガラス転移温度がセンサケースの使用環境温度以下のものとすることにより、熱膨張する樹脂を軟化しやすいものとして、モールド樹脂に発生する熱応力を緩和することができる。
前記センサケースに充填される樹脂を、回路基板の端面側からその表裏面と平行な方向に注入することにより、回路基板の表面側と裏面側に隙間なくモールド樹脂を充填し、これらの表面側と裏面側のモールド樹脂に発生する熱応力を、より確実にバランスさせることができる。
前記樹脂を注入した前記センサケースの注入口部に、樹脂が充填されない空間を設けることにより、熱膨張するモールド樹脂の一部をこの空間に逃がし、モールド樹脂に発生する熱応力を低減することができる。
以下、図面に基づき、本発明の実施形態を説明する。このセンサ付き軸受装置は、図1に示すように、軸受箱1に組み込まれた、外輪2aと内輪2bの間に複数のボール2cを配列した1対のアンギュラ玉軸受2で回転軸3を支持するものであり、軸受箱1の外側の軸方向中央部に、後述する振動を検出するセンサ4と、センサ4で検出される検出出力を処理する回路基板5を組み込んだ金属製のセンサケース6が装着されている。
図2および図3に示すように、前記センサケース6は、開口した矩形断面の内部空間が形成され、軸受箱1に装着されるフランジ7を有する縦向きのケース本体6aと、ケース本体6aの内部空間を閉塞する蓋6bとからなり、ケース本体6aの底の上下端部に設けられたボス部8に回路基板5がねじ止めされている。
前記ねじ止めされた回路基板5は、表面を蓋6bに向け、裏面をケース本体6aの底に向けて、蓋6bとケース本体6aの底からの距離が等しいケース本体6aの内部空間の中央部に配設されており、表面にセンサ4が装着され、裏面に電子部品5aが装着されるとともに、電源ケーブル9aと出力ケーブル9bが接続されている。これらのケーブル9a、9bは、ケース本体6aの裏面側に取り付けられたケーブルグランド10を介して外部に取り出されている。
前記センサケース6の下端側には、内部空間に充填されるモールド樹脂Aの注入口11が設けられ、注入口11から注入されるモールド樹脂Aは、回路基板5の下端面側からその表裏面と平行な方向に注入され、センサケース6の内部空間に充填される。このモールド樹脂Aには、ガラス転移温度がセンサケース6の使用環境温度よりも低い60℃のウレタン樹脂が用いられている。モールド樹脂Aを注入した注入口11はキヤップ12で閉塞されており、注入口11の近傍部分には、モールド樹脂Aが充填されていない空間Vが設けられている。
上述したように、前記回路基板5は、蓋6bとケース本体6aの底からの距離が等しいケース本体6aの内部空間の中央部に固定されたのち、樹脂Aでモールドされるので、回路基板5の表面側と裏面側とに充填されるモールド樹脂Aの厚みは等しくなる。したがって、金属製のセンサケース6と樹脂Aの線膨張係数の差によってモールド樹脂Aに発生する熱応力の大きさが、回路基板5の表面側と裏面側とでバランスし、熱応力による回路基板5の変形や位置ずれが防止される。
上述した実施形態では、振動を検出するセンサを回路基板の表面に装着して、回路基板と一緒にセンサケースの内部空間に樹脂でモールドしたが、センサは振動を検出するものに限定されることはなく、センサケースに設けた孔や凹部等に別に固定してもよい。また、センサケースの装着部位も軸受箱に限定されることはない。
A 樹脂
V 空間
1 軸受箱
2 玉軸受
2a 外輪
2b 内輪
2c ボール
3 回転軸
4 センサ
5 回路基板
5a 電子部品
6 センサケース
6a ケース本体
6b 蓋
7 フランジ
8 ボス部
9a、9b ケーブル
10 ケーブルグランド
11 注入口
12 キャップ
V 空間
1 軸受箱
2 玉軸受
2a 外輪
2b 内輪
2c ボール
3 回転軸
4 センサ
5 回路基板
5a 電子部品
6 センサケース
6a ケース本体
6b 蓋
7 フランジ
8 ボス部
9a、9b ケーブル
10 ケーブルグランド
11 注入口
12 キャップ
Claims (4)
- 転がり軸受を備えた軸受装置に、検出対象を検出するセンサと、このセンサで検出される検出出力を処理する回路基板とを組み込んだセンサケースを装着し、このセンサケースに組み込まれた回路基板を、センサケースの内部空間に充填される樹脂でモールドしたセンサ付き軸受装置において、前記回路基板を前記センサケースの内部空間の中央部に配設し、この内部空間で前記回路基板の表面側と裏面側とに充填される樹脂の厚みを等しくしたことを特徴とするセンサ付き軸受装置。
- 前記センサケースに充填される樹脂を、ガラス転移温度がセンサケースの使用環境温度以下のものとした請求項1に記載のセンサ付き軸受装置。
- 前記センサケースに充填される樹脂を、前記回路基板の端面側からその表裏面と平行な方向に注入するようにした請求項1または2に記載のセンサ付き軸受装置。
- 前記樹脂を注入した前記センサケースの注入口部に、樹脂が充填されない空間を設けた請求項3に記載のセンサ付き軸受装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006179672A JP2008008767A (ja) | 2006-06-29 | 2006-06-29 | センサ付き軸受装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006179672A JP2008008767A (ja) | 2006-06-29 | 2006-06-29 | センサ付き軸受装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008008767A true JP2008008767A (ja) | 2008-01-17 |
Family
ID=39067111
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006179672A Pending JP2008008767A (ja) | 2006-06-29 | 2006-06-29 | センサ付き軸受装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008008767A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019015516A (ja) * | 2017-07-03 | 2019-01-31 | 日本精工株式会社 | 状態検出装置 |
-
2006
- 2006-06-29 JP JP2006179672A patent/JP2008008767A/ja active Pending
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JP2019015516A (ja) * | 2017-07-03 | 2019-01-31 | 日本精工株式会社 | 状態検出装置 |
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