JP2008004899A - 固体撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高画質でS/N劣化の少ない固体撮像装置を提供する。
【解決手段】シリコン基板120上方に積層された光電変換素子200と、光電変換素子200で発生した電荷に応じた信号を読み出す信号読出し部とを含む固体撮像素子1bと、固体撮像素子1bを駆動する駆動部4とを備えるデジタルカメラであって、光電変換素子200は、一対の電極127,129と、一対の電極127,129に挟まれる光電変換層128aとを含み、光電変換素子200に入射する光の光子数をn(個/cm・s)とし、光を入射した状態において光電変換素子200から取り出せる信号電荷数から、光を遮断した状態において光電変換素子200から外部に取り出せる信号電荷数を引いた値をNとし、Nとnで表される1次関数の微分係数dN/dnをXとしたとき、Xの値が1より大きい。
【選択図】図4

Description

本発明は、半導体基板上方に少なくとも1つ積層された光電変換素子と、前記光電変換素子で発生した電荷に応じた信号を読み出す信号読出し部とを含む固体撮像素子と、前記固体撮像素子を駆動する駆動部とを備える固体撮像装置に関する。
デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ等に搭載されるCCD型やCMOS型の固体撮像素子は、技術進歩が限界近くまで進み受光部1個の開口の大きさが2μm程度と入射光の波長オーダに近付いている。このため製造歩留まりが悪いという問題に直面している。又、1つの受光部で検出できる光量が少なくなって感度が低下している。更に微細化された受光部1個に蓄積される光電荷量の上限は電子が約3000個と少なく256階調を綺麗に表現する事が困難にもなってきている。このような問題から、画質や感度の点で従来のCCD型やCMOS型固体撮像素子の飛躍的な性能向上を期待するのは困難になっている。
そこでこれら問題を解決する為に、例えば、特許文献1〜3に記載されているように、半導体基板には信号読出回路だけを設け、半導体基板の上層部に赤色(R)検出用の光電変換層を電極で挟んだR検出用光電変換素子と、緑色(G)検出用の光電変換層を電極で挟んだG検出用光電変換素子と、青色(B)検出用の光電変換層を電極で挟んだB検出用光電変換素子とを積層した積層型固体撮像素子が提案されている。本明細書において、光電変換層とは、そこに入射した特定の波長の光を吸収し、吸収した光量に応じた電荷(電子及び正孔)を発生する層のことを言う。
特開昭58−103165号公報 特開2002−83946号公報 特許第3405099号公報
特許文献1〜3に記載されているような構成の撮像素子においては、S/Nの向上が大きな技術課題となる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、高画質でS/N劣化の少ない固体撮像装置を提供することを目的とする。
本発明の固体撮像装置は、半導体基板上方に少なくとも1つ積層された光電変換素子と、前記光電変換素子で発生した電荷に応じた信号を読み出す信号読出し部とを含む固体撮像素子と、前記固体撮像素子を駆動する駆動部とを備える固体撮像装置であって、前記光電変換素子は、一対の電極と、前記一対の電極に挟まれる光電変換層とを含み、前記光電変換素子に入射する光の光子数をn(個/cm・s)とし、前記光を入射した状態において前記光電変換素子から取り出せる信号電荷数から、前記光を遮断した状態において前記光電変換素子から外部に取り出せる信号電荷数を引いた値をNとし、Nとnで表される1次関数の微分係数dN/dnをXとしたとき、前記Xの値が1より大きい。
本発明の固体撮像装置は、前記Xの値が、前記駆動部から前記光電変換素子の前記一対の電極間に供給されるバイアス電圧によって決定されている。
本発明の固体撮像装置は、前記駆動部が、撮影条件に応じて前記バイアス電圧を変化させて、前記Xの値を変化させる。
本発明の固体撮像装置は、前記駆動部が、相対的に低照度の被写体を撮影するための撮影条件のときの前記Xの値を、相対的に高照度の被写体を撮影するための撮影条件のときの前記Xの値よりも小さくする。
本発明の固体撮像装置は、半導体基板上方に少なくとも1つ積層された光電変換素子と、前記光電変換素子で発生した電荷に応じた信号を読み出す信号読出し部とを含む固体撮像素子と、前記固体撮像素子を駆動する駆動部とを備える固体撮像装置であって、前記光電変換素子は、一対の電極と、前記一対の電極に挟まれる光電変換層とを含み、前記光電変換素子に入射する光の光子数をn(個/cm・s)とし、前記光を入射した状態において前記光電変換素子から取り出せる信号電荷数から、前記光を遮断した状態において前記光電変換素子から外部に取り出せる信号電荷数を引いた値をNとし、Nとnで表される1次関数の微分係数dN/dnをXとし、前記Xの値は、前記駆動部から前記光電変換素子の前記一対の電極間に供給されるバイアス電圧によって決定されるものであり、前記駆動部は、相対的に低照度の被写体を撮影するための撮影条件のときに前記バイアス電圧を制御して前記Xの値を1以下にし、相対的に高照度の被写体を撮影するための撮影条件のときに前記バイアス電圧を制御して前記Xの値を1よりも大きくする。
本発明の固体撮像装置は、前記光電変換層が有機材料を含む。
本発明の固体撮像装置は、前記有機材料が、ホール輸送性材料と電子輸送性材料のいずれか又は両方を含む。
本発明の固体撮像装置は、記光電変換層と、前記一対の電極のいずれか又は両方との間にバッファ層を有する。
本発明によれば、高画質でS/N劣化の少ない固体撮像装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態を説明するための固体撮像装置の一例であるデジタルカメラの概略構成を示すブロック図である。
図1に示すデジタルカメラは、撮像部1と、アナログ信号処理部2と、A/D変換部3と、駆動部4と、デジタル信号処理部6と、圧縮/伸張処理部7と、表示部8と、システム制御部9と、内部メモリ10と、メディアインタフェース(I/F)11と、記録メディア12と、操作部13とを備える。デジタル信号処理部6、圧縮/伸張処理部7、表示部8、システム制御部9、内部メモリ10、及びメディアインタフェース11は、システムバス14に接続されている。
撮像部1は、撮影レンズ1aを含む光学系と、固体撮像素子1bとによって被写体を撮像するものであり、アナログの撮像信号を出力する。アナログ信号処理部2は、撮像部1で得られた撮像信号に所定のアナログ信号処理を施す。A/D変換部3は、アナログ信号処理部2で処理後のアナログ信号をデジタル信号に変換する。
駆動部4は、デジタルカメラが撮影モード(被写体を撮影して撮影画像データの記録が可能なモード)に設定されると、システム制御部9から供給される駆動パルスによって、固体撮像素子1b、アナログ信号処理部2、及びA/D変換部3に所定のパルスを供給して、これらを駆動する。撮影モードには、静止画像データを記録可能な静止画撮影モードと、動画像データを記録可能な動画撮影モードがある。
デジタル信号処理部6は、A/D変換部3からのデジタル信号に対して、操作部13によって設定された動作モードに応じたデジタル信号処理を行って撮影画像データを生成する。デジタル信号処理部6が行う処理には、黒レベル補正処理(OB処理)、リニアマトリクス補正処理、ホワイトバランス調整処理、ガンマ補正処理、同時化処理、及びY/C変換処理等が含まれる。デジタル信号処理部6は、例えばDSPで構成される。
圧縮/伸張処理部7は、デジタル信号処理部6で生成された撮影画像データに対して圧縮処理を施すとともに、記録メディア12から得られた圧縮画像データに対して伸張処理を施す。
表示部8は、例えばLCD表示装置を含んで構成され、撮影されてデジタル信号処理を経た撮影画像データに基づく画像を表示する。記録メディア12に記録された圧縮画像データを伸張処理して得た画像データに基づく画像の表示も行う。また、撮影モード時のスルー画像、デジタルカメラの各種状態、操作に関する情報の表示等も可能である。
システム制御部9は、所定のプログラムによって動作するプロセッサを主体に構成され、撮影動作を含むデジタルカメラ全体の統括制御を行う。
内部メモリ10は、例えばDRAMであり、デジタル信号処理部6やシステム制御部9のワークメモリとして利用される他、記録メディア12に記録される撮影画像データを一時的に記憶するバッファメモリや表示部8への表示用画像データのバッファメモリとしても利用される。メディアインタフェース11は、メモリカード等の記録メディア12との間のデータの入出力を行うものである。
操作部13は、デジタルカメラ使用時の各種操作を行うものであり、撮影指示を行うためのレリーズボタン(図示せず)を含む。
図2は、図1に示す固体撮像素子1bの概略構成を示す平面模式図である。
図2に示す固体撮像素子1bは、同一平面上の行方向及びこれに直交する列方向に正方格子状に配列された多数の画素100を備える。多数の画素100は、行方向に配列された複数の画素100からなる行を画素行とし、この画素行を列方向に多数配列した配置、又は、列方向に配列された複数の画素100からなる列を画素列とし、この画素列を行方向に多数配列した配置となっている。各画素100には、特定の波長域の光を検出してそれに応じた信号電荷を発生して蓄積する部分である受光部と、該受光部に蓄積された信号電荷に応じた信号を読み出すためのMOSトランジスタからなる信号読み出し回路とが含まれる。
n型シリコン基板120上には、各画素100に含まれる信号読み出し回路を駆動するための駆動信号等を該信号読み出し回路に供給する行選択走査部102と、各画素100から読み出された信号に相関二重サンプリング処理やA/D変換処理等の信号処理を行う信号処理部103と、各画素100に含まれる受光部を駆動するためのタイミングパルスを生成して、これを各受光部に供給したり、行選択走査部102及び信号処理部103を制御したりする制御部104とが形成されている。
n型シリコン基板120上には、各画素100に含まれる信号読み出し回路に、これを駆動するための駆動信号を供給する2種類の信号線(リセット信号線109、行選択信号線110)と、後述する電荷読み出し用の電荷読み出し信号線112とが形成されている。リセット信号線109、行選択信号線110、及び電荷読み出し信号線112は、これらを1組にして各画素行に対応して設けられている。リセット信号線109及び行選択信号線110は、これらに対応する画素行に含まれる各画素100の信号読み出し回路と、行選択走査部102とに接続されている。行選択走査部102から、リセット信号線109及び行選択信号線110を介して駆動信号が信号読み出し回路に供給されることで、信号読み出し回路の信号読み出し動作が制御される。電荷読み出し信号線112は、対応する画素行に含まれる各画素100と、行選択走査部102とに接続されている。
n型シリコン基板120上には、各画素100に含まれる信号読み出し回路から読み出された信号を信号処理部103に伝達するための信号出力線111が、各画素列の間を列方向に延びて形成されている。信号出力線111は、各画素列に対応して設けられている。信号出力線111は、これらに対応する画素列に含まれる各画素100の信号読み出し回路と、信号処理部103とに接続される。
図3(a)は、図2に示す1つの画素100の概略構成を示す模式図であり、受光部の概略断面と、そこに接続される信号読み出し回路とを模式的に示した図である。図3(b)は、図3(a)に示す信号読み出し回路の具体構成例を示した図である。図4は、図3(a)に示す光電変換素子の拡大図である。図3(a)に示すように、画素100には、受光部100aと、信号読み出し回路100bが含まれる。
n型シリコン基板120a表面部にはpウェル層120bが形成され、n型シリコン基板120aとpウェル層120bにより、シリコン基板120が構成される。n型シリコン基板120上には透明絶縁層126が積層され、透明絶縁層126上に受光部100a毎に分割された画素電極127が形成され、画素電極127上には、全ての画素100に含まれる受光部100aで共通の1枚構成でなる光電変換層128aと、光電変換層128aの表面の凹凸を緩和する平滑層128bとを含む中間層128が形成され、中間層128上には透明の共通電極(画素電極127の対向電極)129が形成され、その上には、透明の保護層130が形成されている。
画素電極127は、光学的に透明または光吸収が少ない材料で形成される。例えば、ITO等のような金属化合物や、非常に薄い金属膜等で形成される。画素電極127は、電極127aと電極127a上に形成された電極127bとの2層構造となっている。画素電極127は不透明であっても良い。
光電変換層128aは、特定の波長領域の光に感度を有し、入射光の内の特定の波長域の入射光量に応じた信号電荷を発生する。光電変換層128aの構造は、単層構造でも多層構造でもよく、特定の波長域に感度がある無機材料(シリコンや化合物半導体、それらのナノ粒子等)、有機半導体材料、有機色素を含む有機材料または無機材料等で形成される。
光電変換層128aを構成する有機材料としては、キナクリドン骨格、フタロシアニン骨格、及びアントラキノン骨格の材料等が挙げられる。光電変換層128aとして以下の化学式1で示されるキナクリドンを用いた場合には、光電変換層128aにて緑色の波長域の光を吸収してこれに応じた電荷を発生することが可能となる。光電変換層128aとして以下の化学式2で示される亜鉛フタロシアニンを用いた場合には、光電変換層128aにて赤色の波長域の光を吸収してこれに応じた電荷を発生することが可能となる。光電変換層128aとして以下の化学式3で示されるアントラキノンAを用いた場合には、光電変換層128aにて青色の波長域の光を吸収してこれに応じた電荷を発生することが可能となる。
Figure 2008004899
平滑層128bは、その表面に凹凸の少なく且つ光電変換層128aをショートさせない材料であれば良く、有機材料や無機材料を用いることができる。特に、アモルファス材料は、その表面に凹凸があまりないため、好ましく用いられる。平滑層128bは、光電変換層128aに光を入射させる必要があるため、透明であることが好ましい。
図4に示す光電変換素子では、対向電極129を正孔取り出し用の電極としている。このため、平滑層128bを構成する材料は、正孔輸送性材料であることが好ましい。平滑層128bに適している正孔輸送性材料としては、トリフェニルアミン構造を有するトリフェニルアミン系の有機材料が挙げられる。トリフェニルアミン系の有機材料としては、トリフェニルアミン構造が星状に繋がっているスターバーストアミン構造を有するスターバーストアミン系の有機材料が挙げられる。トリフェニルアミン系の有機材料としては、以下の化学式4に示したm−MTDATA(4,4',4''-tris(3-methylphenylphenylamino)triphenylamine)や、以下の化学式5に示した材料(アミンAとする)等を用いることができる。スターバーストアミン系の有機材料としては、以下の化学式6に示したTDATA等を用いることができる。
Figure 2008004899
尚、図4に示す光電変換素子において、対向電極129を電子取り出し用の電極とし、画素電極127を正孔取り出し用の電極とした場合、平滑層128bを構成する材料は、電子輸送性材料であることが好ましい。平滑層128bに適している電子輸送性材料としては、以下の化学式7に示すAlq(Alqtris(8-hydroxyquinolinato)aluminum(III))もしくはその誘導体等を用いることができる。
Figure 2008004899
この平滑層128bが存在することにより、対向電極129をスパッタ法によって形成する場合でも、光電変換層128a表面の凹凸にスパッタ粒子が潜り込むことを防ぐことができ、素子のショートを防ぐことができる。
又、この平滑層128bが存在することにより、平滑層128bによって光電変換層128aがスパッタ時のプラズマに曝されるのを防ぐことができる。又、平滑層128b上に対向電極129が形成されるため、対向電極129を平坦に形成することができ、光電変換層128a内に均一にバイアス電圧を印加することができるようになる。このように、平滑層128bを設けたことで、光電変換素子200の性能劣化を防ぐことが可能となる。
対向電極129は、全ての画素100に含まれる受光部100aで共通の一枚の膜状電極でも良く、また、画素電極127と同様に受光部100a毎に分割して形成しこれらを共通配線した構成でも良い。材料としては、例えばITO等のような金属化合物や非常に薄い金属膜等で形成されるが、光学的に透明または光吸収が少ない材料とする必要がある。画素電極127及び対向電極129間にバイアス電圧を印加することで、光電変換層128aで発生した信号電荷が画素電極127に蓄積される。
光電変換層128aは、単層構造の他に、シリコン基板120側から、電子輸送性材料層,ホール輸送性材料層という2層構造や、ホール輸送性材料層,電子輸送性材料層という2層構造、電子輸送性材料層のみの単層構造、正孔輸送性材料層のみの単層構造などが挙げられる。尚、上記電子輸送性材料や上記ホール輸送性材料層はそれぞれ二つ以上に分割しても構わない。
また、光電変換層128aは、無機材料であっても有機材料であっても構わないが、有機材料からなる場合、本実施形態では特に有効である。このため、電子輸送性材料及びホール輸送性材料として、有機材料を用いることが極めて望ましい。この理由は、光電変換層の材料として有機材料を用いることで、分光波長が調整しやすく、また、後述するXの値を調整しやすいためである。特に、有機材料として、電子輸送性材料層とホール輸送性材料層のいずれか又は両方を用いた場合には、Xの値がより調整しやすくなる。
画素電極127と、対向電極129と、これらの電極によって挟まれた中間層128の一部分とが、光電変換素子200を構成する。
pウェル層120b内には、光電変換層128aで発生して画素電極127に移動した電荷(ここでは電子)を蓄積するためのn型半導体層124が形成され、n型半導体層124上にはp+型半導体層125が形成されている。p+型半導体層125は、n型半導体層124の表面準位を低減するために設けられる。
p+型半導体層125上の透明絶縁層126内には、アルミニウム等の金属からなる接続部121が埋設され、接続部121上に画素電極127が形成されている。この接続部121により、画素電極127とn型半導体層124とが電気的に接続される。
p+型半導体層125とn型半導体層124の右側には、少し離間して、高濃度のn型半導体層123が形成されている。p+型半導体層125とn型半導体層123との間のpウェル層120b上には図示しないゲート絶縁膜を介して電荷読み出し電極122が形成されている。電荷読み出し電極122は、電荷読み出し信号線112に接続されており、電荷読み出し信号線112から電荷読み出しパルスが供給されることで、電荷読み出し電極122下方にチャネルを形成する。この電荷読み出しパルスにより、n型半導体層124に蓄積された信号電荷を、チャネルを介してn型半導体層123に読み出すことができる。
n型半導体層123には、光電変換素子200で光電変換されて、ここに蓄積された信号電荷に応じた信号を読み出すための信号読み出し回路100bの入力端子118が接続されている。
図3(b)に示すように、信号読み出し回路100bは、光電変換素子200で発生した信号電荷を信号に変換して、この信号を信号出力線111に出力する回路である電荷検出セル212を含む。
電荷検出セル212は、信号電荷を信号に変換する出力トランジスタ214と、読み出し画素行を選択するための行選択トランジスタ215と、電荷検出セル212に読み出された信号電荷をリセットするリセットトランジスタ216とを備える。行選択トランジスタ215は、読み出し画素行を選択するための行選択信号によって動作する。リセットトランジスタ216は、信号電荷をリセットするためのリセット信号によって動作する。
出力トランジスタ214は、そのゲートがリセットトランジスタ216のソースに接続され、そのソースが電源端子217に接続される。リセットトランジスタ216は、そのゲートがリセット信号線109に接続され、そのソースが出力トランジスタ214のゲートに接続され、そのドレインが電源端子217に接続される。行選択トランジスタ215は、そのゲートが行選択信号線110に接続され、そのソースが出力トランジスタ214のドレインに接続され、そのドレインが信号出力線111に接続される。
次に、画素電極127を構成する電極127bの機能について説明する。
光電変換層を2つの電極で挟んだ構造の光電変換素子では、特に、ITO等の透明性の高い透明電極を電子取り出し用の電極とした場合、バイアス印加時の暗電流が、電圧1V印加時で10μA/cm2程度とかなり大きなものとなる。
暗電流の原因の一つとして、バイアス印加時に電子取り出し用の電極から光電変換層へと流入する電流が考えられる。ITO透明電極等の透明性の高い電極を電子取り出し用の電極とした場合は、その電極の仕事関数が比較的大きいことにより、正孔が電子取り出し用の電極から光電変換層へと移動する際の障壁が低くなり、光電変換層への正孔注入が起こりやすくなるのではないかと考えられた。実際、ITO等の透明性の高い金属酸化物系透明電極の仕事関数を調べてみると、例えばITO電極の仕事関数は4.8eV程度であり、Al(アルミニウム)電極の仕事関数が約4.3eVであるのと比べてかなり高く、また、ITO以外の他の金属酸化物系の透明電極も、最も小さいAZO(Alがドープされた酸化亜鉛)の4.5eV程度を除くと、約4.6〜5.4とその仕事関数は比較的大きいものであることが知られている(例えば、J.Vac.Sci.Technol.A17(4),Jul/Aug 1999 p.1765−1772のFig.12参照)。
このように、電子取り出し用の電極の仕事関数が大きいと、バイアス印加時に、正孔が電子取り出し用の電極から光電変換層へ移動する際の障壁が低くなり、電子取り出し用の電極から光電変換層への正孔注入が起こりやすく、その結果として暗電流が大きくなると考えられる。
そこで、図4に示す光電変換素子では、電子取り出し用の電極である画素電極127の仕事関数を4.5eV以下としている。画素電極127の仕事関数を4.5eV以下にする方法を以下に列挙する。
(A)図4に示すように、画素電極127を2層構造とし、電極127aと光電変換層128aとの間に、電極127aの仕事関数を調節する電極127bを設ける。
例えば、電極127aとしてITOを使用し、電極127bとして仕事関数4.5eV以下のInまたはAgまたはMgを含む金属薄膜を使用する。Inを用いた場合は、後述する実施例にも示されるように、その厚みは0.5〜10nmであることが好ましい。
(B)画素電極127として、仕事関数4.5eV以下の導電性透明金属酸化物薄膜を使用する。
例えば、導電性透明金属酸化物薄膜として、仕事関数4.5eVのAZO薄膜を使用する。
(C)画素電極127として、金属酸化物にドープして仕事関数を4.5eV以下とした透明電極を使用する。
例えば、導電性金属酸化物としてのITOにCsをドープして仕事関数を4.5eV以下とした電極を使用する。
(D)画素電極127として、導電性透明金属酸化物薄膜を表面処理して仕事関数を4.5eV以下とした電極を使用する。
例えば、画素電極127としてITOを用い、このITOをアルカリ性溶液に浸して表面処理し、仕事関数を4.5eV以下とした電極を使用する。または、ITOをArイオンまたはNeイオンでスパッタして表面処理し、仕事関数を4.5eV以下とした電極を使用する。
尚、対向電極129を電子取り出し用の電極とした場合には、対向電極129の仕事関数を4.5eV以下とすれば良い。
以下に、ITOからなる透明電極の仕事関数調整に関する文献例を挙げる。
Figure 2008004899
また、以下に、仕事関数が4.5以下の金属をその特性とともに列挙する。
Figure 2008004899
以上のような構成の固体撮像素子1bでは、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)の波長域の光をそれぞれ検出する画素100、又は、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、及びシアン(C)の波長域の光をそれぞれ検出する画素100を多数設け、これらの多数の画素を単板式のカラーフィルタと同様にベイヤー状やストライプ状に配列することで、カラー撮像が可能となる。
又、固体撮像素子1bの各画素100は、シリコン基板120上方に光電変換素子200が1つ積層された構成であるが、各画素100において、シリコン基板120上方に光電変換素子200を2つ以上積層した構成であっても良い。例えば、各画素100において光電変換素子200を3つ積層した場合には、3つの光電変換素子200でRGB又はCMYの波長域の光を検出することで、カラー撮像が可能となる。
又、各画素100のシリコン基板120上方に積層された光電変換素子200の下方のシリコン基板120内に、pn接合フォトダイオードを形成して、シリコン基板120上方とシリコン基板120内との双方で光を検出する構成にすることも可能である。例えば、シリコン基板120上方に光電変換素子を1つ積層し、シリコン基板120内に2つのフォトダイオードを形成したり、シリコン基板120上方に光電変換素子を2つ積層し、シリコン基板120内に1つのフォトダイオードを形成したりすることで、1画素で3つの波長域の光を検出することが可能となり、カラー撮像が可能となる。
以下、上述した光電変換素子200の特性について説明する。
光電変換素子200は、光電変換素子200に入射する光の光子数をn(個/cm・s)とし、この光を入射した状態において光電変換素子200から取り出せる明時の信号電荷数から、この光を遮断した状態において光電変換素子200から外部に取り出せる暗時の信号電荷数を引いた値をNとし、Nとnで表される1次関数(N=αn+β,α、βは係数)の微分係数dN/dnをXとしたとき、Xの値が1よりも大きくなっていることが特徴である。光電変換素子200のように、一対の電極間に光電変換層を有する構造の光電変換素子においては、一対の電極間に印加するバイアス電圧を制御することで、上記Xの値を制御することができる。
図5は、横軸に光電変換素子200に入射する光子数n、縦軸には明時(光を当てた状態)で発生した信号電荷数と暗時(光を遮断した状態)で発生する雑音電子数の差をとりNとして、光電変換素子200の特性をグラフ化したものである。このグラフの縦軸は純粋にS/Nの値を表したものではないが、正の相関をもつと考えてよく、以下S/Nの比較として用いることも行う。図5に示すグラフa,bで示される特性を持つ素子は、X=1の光電変換素子であり、1個の光子に対して1個の信号電荷が発生する。このような素子は、内部量子効率100%であり理想的な光電変換素子と考えられる。ある種のシリコンフォトダイオードで実現されているといわれているが、通常は0.6〜0.8くらいが一般的である。グラフが原点を通らないのは、雑音電子数の存在によるためであり、グラフは検出できない光子数の領域を記載してある。丸をしたところが検出できる限界光子数であり、この検出限界光子数が素子の撮像感度をあらわしているといってよい。グラフaとグラフbの素子を比べると、aの方が高感度の素子であるといえる。
図5に示すグラフa、bの傾きが上記Xとなっており、このXの値が大きければ大きい程、同一の光子数に対して、固体撮像素子1bから得られる信号のS/Nに相関のある縦軸の値が大きくなり、S/Nが向上することが分かる。シリコンフォトダイオード等の場合、上記Xの値を1よりも大きくすることは困難であるが、光電変換素子200の構成によれば、バイアス電圧によってXの値を簡単に調整できるため、上記Xの値を1よりも大きくしてS/Nを向上させることが可能である。Xの値は、あまり大きすぎると、暗時の信号電荷数が増大してしまうことから、100000以下であることが好ましく、より好ましくは1000以下であり、より好ましくは100以下である。特に、光電変換層として有機材料を用いた場合は、光電変換素子200は厚みが薄く高電界で使われることが多い。例えば1×10V/cmから1×10V/cm等で使われることが多く、このようなバイアスではXの値が1より大きくなってもおかしくはない。
図6に、Xの値が1よりも大きい素子のグラフを示した。図6のグラフc,dがX>1となっている素子であり、グラフaがX=1の素子である。図6をみるとわかるとおり、Xが1より大きい素子は、暗時の雑音電子数を低く抑え、検出限界光子数を同等に保てれば、Xが1の素子よりもS/Nがよい(aとcの比較)。
尚、上述したように、Xの値を大きくすると、暗時の信号電荷数が増大してしまう。このため、低照度の被写体を撮影するための撮影条件下(例えば、撮影感度ISOが400以上の高感度に設定された撮影条件や、夜間の撮影時等)では、Xの値が大きいと、雑音が目立ってしまう。一方、高照度の被写体を撮影するための撮影条件下(例えば、撮影感度ISOが400より下の低感度に設定された撮影条件や、昼間の撮影時等)では、明時の信号電荷数が多いため、Xの値が大きくても雑音が目立つことはない。
そこで、本実施形態のデジタルカメラでは、駆動部4が、相対的に低照度の被写体を撮影するための撮影条件のときのXの値を、相対的に高照度の被写体を撮影するための撮影条件のときのXの値よりも小さくするように、光電変換素子200に供給するバイアス電圧の値を制御するものとしている。このようにすることで、高照度の被写体を撮影するための撮影条件のときのS/Nの向上と、低照度の被写体を撮影するための撮影条件のときのS/Nの向上とを両立させることができ、良好な撮影が可能となる。
図7のグラフeは、光子数が少ない低照度と、光子数が多い高照度とでXの値を切り替えた状態を示したものである。雑音電荷が問題となる低照度においてはXの値を小さくし、雑音電荷があまり問題とならない高照度においては、低照度時よりもXの値を大きくすることで、低照度時、高照度時のいずれの場合においてもS/Nを向上させることが可能となる。
尚、以上の説明では、Xが1より大きいことを前提として、駆動部4が、相対的に低照度の被写体を撮影するための撮影条件のときのXの値を、相対的に高照度の被写体を撮影するための撮影条件のときのXの値よりも小さくするように制御するものとしているが、これに限らない。例えば、駆動部4は、相対的に低照度の被写体を撮影するための撮影条件のときのXの値を1以下とし、相対的に高照度の被写体を撮影するための撮影条件のときのXの値を1より大きくするように制御しても良い。図7のグラフfが、このように制御した場合の特性を示すものである。この場合、相対的に低照度の被写体を撮影するための撮影条件で撮影したときのS/Nが、Xの値が常に1より大きい場合よりも劣化してしまうが、撮影条件に応じてXの値を変更しない場合よりはS/Nを向上させることができる。
上述した撮影条件は、システム制御部9が自動で判断しても良いし、操作部13によってユーザが手動でシステム制御部9に設定しても良い。駆動部4は、システム制御部9から指定された撮影条件に応じて、光電変換素子200に供給するバイアス電圧を変える制御を行えば良い。
尚、上記Xの値は、画素電極127と対向電極129のいずれか又は双方と光電変換層128aとの界面が非常に重要な影響を持つと考えられ、画素電極127と対向電極129のいずれか又は双方と光電変換層128aとの間に、平滑層128b等のバッファ層を存在させることで、Xの値の調整をより容易にすることが可能となる。図4の例では、対向電極129と光電変換層128aとの間にバッファ層となる平滑層128bを設ける構成としたが、画素電極127と光電変換層128aとの間にのみバッファ層を設けた構成や、画素電極127及び対向電極129のそれぞれと光電変換層128aとの間にバッファ層を設けた構成であっても良い。バッファ層としては、平滑層128bの他に、バイアス電圧印加時に、画素電極127や対向電極129から光電変換層128aに電荷が注入されるのを抑制するための電荷ブロッキング層等がある。
以下、光電変換素子200の具体的な構成の一例を説明する。
図4に示す光電変換素子200において、電極127aの材料をITO、厚みを150nmとし、電極127bの材料をAl、厚みを1nmとし、光電変換層128aの材料をキナクリドン、厚みを60nmとし、平滑層128bの材料を化学式5に示したアミンA、厚みを40nmとし、対向電極129の材料をITO、厚みを10nmとして光電変換素子200を作製した場合、画素電極127及び対向電極129間に約7Vのバイアス電圧を供給することで、Xの値を1よりも大きくすることができ、10Vのバイアス電圧を供給することでXの値を更に大きくすることができる。又、画素電極127及び対向電極129間に約0.5Vのバイアス電圧を供給することで、Xの値を1以下にすることができる。
このような構成にした場合には、駆動部4が、相対的に低照度の被写体を撮影するための撮影条件のときには約7Vのバイアス電圧を供給し、相対的に高照度の被写体を撮影するための撮影条件のときには約10Vのバイアス電圧を供給するように制御すれば良い。又は、駆動部4が、相対的に低照度の被写体を撮影するための撮影条件のときには約0.5Vのバイアス電圧を供給し、相対的に高照度の被写体を撮影するための撮影条件のときには約7Vのバイアス電圧を供給するように制御すれば良い。
以下、上述した受光部100aの具体的な構成例について説明するがこれに限定されない。以下の説明では、シリコン基板上方に積層される光電変換素子を有機層、シリコン基板内に形成される光電変換素子を無機層という。
青光を吸収する光電変換素子は少なくとも400〜500nmの光を吸収することができ、好ましくはその波長域でのピ−ク波長の吸収率は50%以上である。緑光を吸収する光電変換素子は少なくとも500〜600nmの光を吸収することができ、好ましくはその波長域でのピ−ク波長の吸収率は50%以上である。赤光を吸収する光電変換素子は少なくとも600〜700nmの光を吸収することができ、好ましくはその波長域でのピ−ク波長の吸収率は50%以上である。
これらの層の序列はいずれの序列でも良く、3層積層型構造の場合は上層からBGR、BRG、GBR、GRB、RBG、RGBの序列が可能である。好ましくは最上層がGである。2層積層型構造の場合は上層がR層の場合は下層が同一平面状にBG層、上層がB層の場合は下層が同一平面状にGR層、上層がG層の場合は下層が同一平面状にBR層が形成される。好ましくは上層がG層で下層が同一平面状にBR層である。このように下層の同一平面状に2つの光吸収層が設けられる場合には上層の上もしくは上層と下層の間に色分別できるフィルタ−層を例えばモザイク状に設けることが好ましい。場合により4層目以上の層を新たな層としてもしくは同一平面状に設けることが可能である。
(有機層の説明)
つぎに、本実施形態における有機層について説明する。有機層は光電変換部位、電子輸送部位、正孔輸送部位、電子ブロッキング部位、正孔ブロッキング部位、結晶化防止部位、電極ならびに層間接触改良部位等の積み重ねもしくは混合から形成される。有機層は有機p型化合物または有機n型化合物を含有することが好ましい。有機p型半導体(化合物)は、ドナー性有機半導体(化合物)であり、主に正孔輸送性有機化合物に代表され、電子を供与しやすい性質がある有機化合物をいう。さらに詳しくは2つの有機材料を接触させて用いたときにイオン化ポテンシャルの小さい方の有機化合物をいう。したがって、ドナー性有機化合物は、電子供与性のある有機化合物であればいずれの有機化合物も使用可能である。例えば、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物、ピラゾリン化合物、スチリルアミン化合物、ヒドラゾン化合物、トリフェニルメタン化合物、カルバゾール化合物、ポリシラン化合物、チオフェン化合物、フタロシアニン化合物、シアニン化合物、メロシアニン化合物、オキソノール化合物、ポリアミン化合物、インドール化合物、ピロール化合物、ピラゾール化合物、ポリアリーレン化合物、縮合芳香族炭素環化合物(ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、フルオランテン誘導体)、含窒素ヘテロ環化合物を配位子として有する金属錯体等を用いることができる。なお、これに限らず、上記したように、n型(アクセプター性)化合物として用いた有機化合物よりもイオン化ポテンシャルの小さい有機化合物であればドナー性有機半導体として用いてよい。
有機n型半導体(化合物)は、アクセプター性有機半導体(化合物)であり、主に電子輸送性有機化合物に代表され、電子を受容しやすい性質がある有機化合物をいう。さらに詳しくは2つの有機化合物を接触させて用いたときに電子親和力の大きい方の有機化合物をいう。したがって、アクセプター性有機化合物は、電子受容性のある有機化合物であればいずれの有機化合物も使用可能である。例えば、縮合芳香族炭素環化合物(ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、フルオランテン誘導体)、窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含有する5ないし7員のヘテロ環化合物(例えばピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、キノキサリン、キナゾリン、フタラジン、シンノリン、イソキノリン、プテリジン、アクリジン、フェナジン、フェナントロリン、テトラゾール、ピラゾール、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、カルバゾール、プリン、トリアゾロピリダジン、トリアゾロピリミジン、テトラザインデン、オキサジアゾール、イミダゾピリジン、ピラリジン、ピロロピリジン、チアジアゾロピリジン、ジベンズアゼピン、トリベンズアゼピン等)、ポリアリーレン化合物、フルオレン化合物、シクロペンタジエン化合物、シリル化合物、含窒素ヘテロ環化合物を配位子として有する金属錯体などが挙げられる。なお、これに限らず、上記したように、ドナー性有機化合物として用いた有機化合物よりも電子親和力の大きな有機化合物であればアクセプター性有機半導体として用いてよい。
p型有機色素、又はn型有機色素としては、いかなるものを用いても良いが、好ましくは、シアニン色素、スチリル色素、ヘミシアニン色素、メロシアニン色素(ゼロメチンメロシアニン(シンプルメロシアニン)を含む)、3核メロシアニン色素、4核メロシアニン色素、ロダシアニン色素、コンプレックスシアニン色素、コンプレックスメロシアニン色素、アロポーラー色素、オキソノール色素、ヘミオキソノール色素、スクアリウム色素、クロコニウム色素、アザメチン色素、クマリン色素、アリーリデン色素、アントラキノン色素、トリフェニルメタン色素、アゾ色素、アゾメチン色素、スピロ化合物、メタロセン色素、フルオレノン色素、フルギド色素、ペリレン色素、フェナジン色素、フェノチアジン色素、キノン色素、インジゴ色素、ジフェニルメタン色素、ポリエン色素、アクリジン色素、アクリジノン色素、ジフェニルアミン色素、キナクリドン色素、キノフタロン色素、フェノキサジン色素、フタロペリレン色素、ポルフィリン色素、クロロフィル色素、フタロシアニン色素、金属錯体色素、縮合芳香族炭素環系色素(ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、フルオランテン誘導体)が挙げられる。
次に金属錯体化合物について説明する。金属錯体化合物は金属に配位する少なくとも1つの窒素原子または酸素原子または硫黄原子を有する配位子をもつ金属錯体であり、金属錯体中の金属イオンは特に限定されないが、好ましくはベリリウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン、ガリウムイオン、亜鉛イオン、インジウムイオン、または錫イオンであり、より好ましくはベリリウムイオン、アルミニウムイオン、ガリウムイオン、または亜鉛イオンであり、更に好ましくはアルミニウムイオン、または亜鉛イオンである。前記金属錯体中に含まれる配位子としては種々の公知の配位子が有るが、例えば、「Photochemistry and Photophysics of Coordination Compounds」 Springer-Verlag社 H.Yersin著1987年発行、「有機金属化学−基礎と応用−」裳華房社山本明夫著1982年発行等に記載の配位子が挙げられる。
前記配位子として、好ましくは含窒素ヘテロ環配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数3〜15であり、単座配位子であっても2座以上の配位子であっても良い。好ましくは2座配位子である。例えばピリジン配位子、ビピリジル配位子、キノリノール配位子、ヒドロキシフェニルアゾール配位子(ヒドロキシフェニルベンズイミダゾール、ヒドロキシフェニルベンズオキサゾール配位子、ヒドロキシフェニルイミダゾール配位子)などが挙げられる)、アルコキシ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ配位子(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシ、2,4,6−トリメチルフェニルオキシ、4−ビフェニルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロアリールオキシ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アルキルチオ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ配位子(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環置換チオ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、またはシロキシ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数3〜25、特に好ましくは炭素数6〜20であり、例えば、トリフェニルシロキシ基、トリエトキシシロキシ基、トリイソプロピルシロキシ基などが挙げられる)であり、より好ましくは含窒素ヘテロ環配位子、アリールオキシ配位子、ヘテロアリールオキシ基、またはシロキシ配位子であり、更に好ましくは含窒素ヘテロ環配位子、アリールオキシ配位子、またはシロキシ配位子が挙げられる。
本実施形態においては、1対の電極間に、p型半導体層とn型半導体層とを有し、該p型半導体とn型半導体の少なくともいずれかが有機半導体であり、かつ、それらの半導体層の間に、該p型半導体およびn型半導体を含むバルクヘテロ接合構造層を中間層として有する光電変換膜(感光層)を含有する場合が好ましい。このような場合、光電変換膜において、有機層にバルクへテロ接合構造を含有させることにより有機層のキャリア拡散長が短いという欠点を補い、光電変換効率を向上させることができる。なお、バルクへテロ接合構造については、特願2004−080639号において詳細に説明されている。
本実施形態において、1対の電極間にp型半導体の層とn型半導体の層で形成されるpn接合層の繰り返し構造(タンデム構造)の数を2以上有する構造を持つ光電変換膜(感光層)を含有する場合が好ましく、さらに好ましくは、前記繰り返し構造の間に、導電材料の薄層を挿入する場合である。pn接合層の繰り返し構造(タンデム構造)の数はいかなる数でもよいが、光電変換効率を高くするために好ましくは2〜50であり、さらに好ましくは2〜30であり、特に好ましくは2または10である。導電材料としては銀または金が好ましく、銀が最も好ましい。なお、タンデム構造については、特願2004−079930号において詳細に説明されている。
1対の電極間にp型半導体の層、n型半導体の層、(好ましくは混合・分散(バルクヘテロ接合構造)層)を持つ光電変換膜において、p型半導体及びn型半導体のうちの少なくとも1方に配向制御された有機化合物を含むことを特徴とする光電変換膜の場合が好ましく、さらに好ましくは、p型半導体及びn型半導体の両方に配向制御された(可能な)有機化合物を含む場合である。光電変換膜の有機層に用いられる有機化合物としては、π共役電子を持つものが好ましく用いられるが、このπ電子平面が、基板(電極基板)に対して垂直ではなく、平行に近い角度で配向しているほど好ましい。基板に対する角度として好ましくは0°以上80°以下であり、さらに好ましくは0°以上60°以下であり、さらに好ましくは0°以上40°以下であり、さらに好ましくは0°以上20°以下であり、特に好ましくは0°以上10°以下であり、最も好ましくは0°(すなわち基板に対して平行)である。上記のように、配向の制御された有機化合物の層は、有機層全体に対して一部でも含めば良いが、好ましくは、有機層全体に対する配向の制御された部分の割合が10%以上の場合であり、さらに好ましくは30%以上、さらに好ましくは50%以上、さらに好ましくは70%以上、特に好ましくは90%以上、最も好ましくは100%である。このような状態は、光電変換膜において、有機層の有機化合物の配向を制御することにより有機層のキャリア拡散長が短いという欠点を補い、光電変換効率を向上させるものである。
有機化合物の配向が制御されている場合において、さらに好ましくはヘテロ接合面(例えばpn接合面)が基板に対して平行ではない場合である。ヘテロ接合面が、基板(電極基板)に対して平行ではなく、垂直に近い角度で配向しているほど好ましい。基板に対する角度として好ましくは10°以上90°以下であり、さらに好ましくは30°以上90°以下であり、さらに好ましくは50°以上90°以下であり、さらに好ましくは70°以上90°以下であり、特に好ましくは80°以上90°以下であり、最も好ましくは90°(すなわち基板に対して垂直)である。上記のような、ヘテロ接合面の制御された有機化合物の層は、有機層全体に対して一部でも含めば良い。好ましくは、有機層全体に対する配向の制御された部分の割合が10%以上の場合であり、さらに好ましくは30%以上、さらに好ましくは50%以上、さらに好ましくは70%以上、特に好ましくは90%以上、最も好ましくは100%である。このような場合、有機層におけるヘテロ接合面の面積が増大し、界面で生成する電子、正孔、電子正孔ペア等のキャリア量が増大し、光電変換効率の向上が可能となる。以上の、有機化合物のヘテロ接合面とπ電子平面の両方の配向が制御された光電変換膜(光電変換膜)において、特に光電変換効率の向上が可能である。これらの状態については、特願2004−079931号において詳細に説明されている。
光吸収の点では有機色素層の膜厚は大きいほど好ましいが、電荷分離に寄与しない割合を考慮すると、本実施形態における有機色素層の膜厚として好ましくは、30nm以上300nm以下、さらに好ましくは50nm以上250nm以下、特に好ましくは80nm以上200nm以下である。
(有機層の形成法)
これらの有機化合物を含む層は、乾式成膜法あるいは湿式成膜法により成膜される。乾式成膜法の具体的な例としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法,MBE法等の物理気相成長法あるいはプラズマ重合等のCVD法が挙げられる。湿式成膜法としては、キャスト法、スピンコート法、ディッピング法、LB法等が用いられる。
p型半導体(化合物)、又は、n型半導体(化合物)のうちの少なくとも一つとして高分子化合物を用いる場合は、作成の容易な湿式成膜法により成膜することが好ましい。蒸着等の乾式成膜法を用いた場合、高分子を用いることは分解のおそれがあるため難しく、代わりとしてそのオリゴマーを好ましく用いることができる。一方、本実施形態において、低分子を用いる場合は、乾式成膜法が好ましく用いられ、特に真空蒸着法が好ましく用いられる。真空蒸着法は抵抗加熱蒸着法、電子線加熱蒸着法等の化合物の加熱の方法、るつぼ、ボ−ト等の蒸着源の形状、真空度、蒸着温度、基盤温度、蒸着速度等が基本的なパラメ−タ−である。均一な蒸着を可能とするために基盤を回転させて蒸着することは好ましい。真空度は高い方が好ましく10−4Torr以下、好ましくは10−6Torr以下、特に好ましくは10−8Torr以下で真空蒸着が行われる。蒸着時のすべての工程は真空中で行われることが好ましく、基本的には化合物が直接、外気の酸素、水分と接触しないようにする。真空蒸着の上述した条件は有機膜の結晶性、アモルファス性、密度、緻密度等に影響するので厳密に制御する必要がある。水晶振動子、干渉計等の膜厚モニタ−を用いて蒸着速度をPIもしくはPID制御することは好ましく用いられる。2種以上の化合物を同時に蒸着する場合には共蒸着法、フラッシュ蒸着法等を好ましく用いることができる。
(電極膜)
対向電極膜は正孔輸送性光電変換膜または正孔輸送層から正孔を取り出すことが好ましく、金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、またはこれらの混合物などを用いることができる材料である。画素電極膜は電子輸送性光電変換層または電子輸送層から電子を取り出すことが好ましく、電子輸送性光電変換層、電子輸送層などの隣接する層との密着性や電子親和力、イオン化ポテンシャル、安定性等を考慮して選ばれる。これらの具体例としては酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO)等の導電性金属酸化物、あるいは金、銀、クロム、ニッケル等の金属、さらにこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物または積層物、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールなどの有機導電性材料、シリコン化合物およびこれらとITOとの積層物などが挙げられ、好ましくは、導電性金属酸化物であり、特に、生産性、高導電性、透明性等の点からITO、IZOが好ましい。膜厚は材料により適宜選択可能であるが、通常10nm以上1μm以下の範囲のものが好ましく、より好ましくは30nm以上500nm以下であり、更に好ましくは50nm以上300nm以下である。
画素電極膜、対向電極膜の作製には材料によって種々の方法が用いられるが、例えばITOの場合、電子ビーム法、スパッタリング法、抵抗加熱蒸着法、化学反応法(ゾルーゲル法など)、酸化インジウムスズの分散物の塗布などの方法で膜形成される。ITOの場合、UV−オゾン処理、プラズマ処理などを施すことができる。
本実施形態においては透明電極膜をプラズマフリーで作製することが好ましい。プラズマフリーで透明電極膜を作成することで、プラズマが基板に与える影響を少なくすることができ、光電変換特性を良好にすることができる。ここで、プラズマフリーとは、透明電極膜の成膜中にプラズマが発生しないか、またはプラズマ発生源から基体までの距離が2cm以上、好ましくは10cm以上、更に好ましくは20cm以上であり、基体に到達するプラズマが減ずるような状態を意味する。
透明電極膜の成膜中にプラズマが発生しない装置としては、例えば、電子線蒸着装置(EB蒸着装置)やパルスレーザー蒸着装置がある。EB蒸着装置またはパルスレーザー蒸着装置については、沢田豊監修「透明導電膜の新展開」(シーエムシー刊、1999年)、沢田豊監修「透明導電膜の新展開II」(シーエムシー刊、2002年)、日本学術振興会著「透明導電膜の技術」(オーム社、1999年)、及びそれらに付記されている参考文献等に記載されているような装置を用いることができる。以下では、EB蒸着装置を用いて透明電極膜の成膜を行う方法をEB蒸着法と言い、パルスレーザー蒸着装置を用いて透明電極膜の成膜を行う方法をパルスレーザー蒸着法と言う。
プラズマ発生源から基体への距離が2cm以上であって基体へのプラズマの到達が減ずるような状態を実現できる装置(以下、プラズマフリーである成膜装置という)については、例えば、対向ターゲット式スパッタ装置やアークプラズマ蒸着法などが考えられ、それらについては沢田豊監修「透明導電膜の新展開」(シーエムシー刊、1999年)、沢田豊監修「透明導電膜の新展開II」(シーエムシー刊、2002年)、日本学術振興会著「透明導電膜の技術」(オーム社、1999年)、及びそれらに付記されている参考文献等に記載されているような装置を用いることができる。
本実施形態の透明電極膜の材料は、プラズマフリーである成膜装置、EB蒸着装置、及びパルスレーザー蒸着装置により成膜できるものが好ましい。例えば、金属、合金、金属酸化物、金属窒化物、金属ホウ化物、有機導電性化合物、これらの混合物等が好適に挙げられ、具体例としては、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウムタングステン(IWO)等の導電性金属酸化物、窒化チタン等の金属窒化物、金、白金、銀、クロム、ニッケル、アルミニウム等の金属、更にこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物又は積層物、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロ−ル等の有機導電性材料、これらとITOとの積層物、などが挙げられる。また、沢田豊監修「透明導電膜の新展開」(シーエムシー刊、1999年)、沢田豊監修「透明導電膜の新展開II」(シーエムシー刊、2002年)、日本学術振興会著「透明導電膜の技術」(オーム社、1999年)等に詳細に記載されているものを用いても良い。
透明電極膜の材料として特に好ましいのは、ITO、IZO、SnO2、ATO(アンチモンドープ酸化スズ)、ZnO、AZO(Alドープ酸化亜鉛)、GZO(ガリウムドープ酸化亜鉛)、TiO2、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)のいずれかの材料である。透明電極膜の光透過率は、その透明電極膜を含む固体撮像素子に含まれる光電変換膜の光電変換光吸収ピーク波長において、60%以上が好ましく、より好ましくは80%以上で、より好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上である。また、透明電極膜の表面抵抗は、画素電極であるか対向電極であるか、さらには電荷蓄積/転送・読み出し部位がCCD構造であるかCMOS構造であるか等により好ましい範囲は異なる。対向電極に使用し電荷蓄積/転送/読み出し部位がCMOS構造の場合には10000Ω/□以下が好ましく、より好ましくは、1000Ω/□以下である。対向電極に使用し電荷蓄積/転送/読み出し部位がCCD構造の場合には1000Ω/□以下が好ましく、より好ましくは、100Ω/□以下である。画素電極に使用する場合には1000000Ω/□以下が好ましく、より好ましくは、100000Ω/□以下である。
透明電極膜成膜時の条件について触れる。透明電極膜成膜時の基板温度は500℃以下が好ましく、より好ましくは、300℃以下で、さらに好ましくは200℃以下、さらに好ましくは150℃以下である。また、透明電極膜成膜中にガスを導入しても良く、基本的にそのガス種は制限されないが、Ar、He、酸素、窒素などを用いることができる。また、これらのガスの混合ガスを用いても良い。特に酸化物の材料の場合は、酸素欠陥が入ることが多いので、酸素を用いることが好ましい。
(無機層)
無機層としては結晶シリコン、アモルファスシリコン、GaAsなどの化合物半導体のpn接合またはpin接合が一般的に用いられる。積層型構造としてUS特許5965875号に開示されている方法を採用することができる。すなわちシリコンの吸収係数の波長依存性を利用して積層された受光部を形成し、その深さ方向で色分離を行う構成である。この場合、シリコンの光進入深さで色分離を行っているため積層された各受光部で検知するスペクトル範囲はブロードとなる。しかしながら、前述した有機層を上層に用いることにより、すなわち有機層を透過した光をシリコンの深さ方向で検出することにより色分離が顕著に改良される。特に有機層にG層を配置すると有機層を投下する光はB光とR光になるためにシリコンでの深さ方向での光の分別はBR光のみとなり色分離が改良される。有機層がB層またはR層の場合でもシリコンの電磁波吸収/光電変換部位を深さ方向で適宜選択することにより顕著に色分離が改良される。有機層が2層の場合にはシリコンでの電磁波吸収/光電変換部位としての機能は基本的には1色で良く、好ましい色分離が達成できる。
無機層は好ましくは、半導体基板内の深さ方向に、画素毎に複数のフォトダイオードが重層され、前記複数のフォトダイオードに吸収される光によって各フォトダイオードに生じる信号電荷に応じた色信号を外部に読み出す構造である。好ましくは、前記複数のフォトダイオードは、B光を吸収する深さに設けられる第1のフォトダイオードと、R光を吸収する深さに設けられる第2のフォトダイオードの少なくとも1つとを含み、前記複数のフォトダイオードの各々に生じる前記信号電荷に応じた色信号を読み出す色信号読み出し回路を備えることが好ましい。この構成により、カラーフィルタを用いることなく色分離を行うことができる。又、場合によっては、負感度成分の光も検出することができるため、色再現性の良いカラー撮像が可能となる。又、本実施形態においては、前記第1のフォトダイオードの接合部は、前記半導体基板表面から約0.2μmまでの深さに形成され、前記第2のフォトダイオードの接合部は、前記半導体基板表面から約2μmまでの深さに形成されることが好ましい。
無機層についてさらに詳細に説明する。無機層の好ましい構成としては、光伝導型、p−n接合型、ショットキー接合型、PIN接合型、MSM(金属−半導体−金属)型の受光素子やフォトトランジスタ型の受光素子が挙げられる。本実施形態では、単一の半導体基板内に、第1導電型の領域と、前記第1導電型と逆の導電型である第2導電型の領域とを交互に複数積層し、前記第1導電型及び第2導電型の領域の各接合面を、それぞれ異なる複数の波長帯域の光を主に光電変換するために適した深さに形成してなる受光素子を用いることが好ましい。単一の半導体基板としては、単結晶シリコンが好ましく、シリコン基板の深さ方向に依存する吸収波長特性を利用して色分離を行うことができる。
無機半導体として、InGaN系、InAlN系、InAlP系、又はInGaAlP系の無機半導体を用いることもできる。nGaN系の無機半導体は、Inの含有組成を適宜変更し、青色の波長範囲内に極大吸収値を有するよう調整されたものである。すなわち、InxGa1-xN(0≦X<1)の組成となる。このような化合物半導体は、有機金属気相成長法(MOCVD法)を用いて製造される。 Gaと同じ13族原料のAlを用いる窒化物半導体のInAlN系についても、InGaN系と同様に短波長受光部として利用することができる。また、GaAs基板に格子整合するInAlP、InGaAlPを用いることもできる
無機半導体は、埋め込み構造となっていてもよい。埋め込み構造とは、短波長受光部部分の両端を短波長受光部とは異なる半導体で覆われる構成のものをいう。両端を覆う半導体としては、短波長受光部のバンドギャップ波長より短い又は同等のバンドギャップ波長を有する半導体であることが好ましい。
有機層と無機層とは、どのような形態で結合されていてもよい。また、有機層と無機層との間には、電気的に絶縁するために、絶縁層を設けることが好ましい。
接合は、光入射側から、npn、又はpnpnとなっていることが好ましい。特に、表面にp層を設け表面の電位を高くしておくことで、表面付近で発生した正孔、及び暗電流をトラップすることができ暗電流を低減できるため、pnpn接合とすることがより好ましい。
このようなフォトダイオードは、p型シリコン基板表面から順次拡散される、n型層、p型層、n型層、p型層をこの順に深く形成することで、pn接合ダイオードがシリコンの深さ方向にpnpnの4層が形成される。ダイオードに表面側から入射した光は波長の長いものほど深く侵入し、入射波長と減衰係数はシリコン固有の値を示すので、pn接合面の深さが可視光の各波長帯域をカバーするように設計する。同様に、n型層、p型層、n型層の順に形成することで、npnの3層の接合ダイオードが得られる。ここで、n型層から光信号を取り出し、p型層はアースに接続する。
また、各領域に引き出し電極を設け、所定のリセット電位をかけると、各領域が空乏化し、各接合部の容量は限りなく小さい値になる。これにより、接合面に生じる容量を極めて小さくすることができる。
(補助層)
本実施形態においては、好ましくは有機層の最上層に紫外線吸収層および/または赤外線吸収層を有する。紫外線吸収層は少なくとも400nm以下の光を吸収または反射することができ、好ましくは400nm以下の波長域での吸収率は50%以上である。赤外線吸収層は少なくとも700nm以上の光を吸収または反射することができ、好ましくは700nm以上の波長域での吸収率は50%以上である。
これらの紫外線吸収層、赤外線吸収層は従来公知の方法によって形成できる。例えば基板上にゼラチン、カゼイン、グリューあるいはポリビニルアルコールなどの親水性高分子物質からなる媒染層を設け、その媒染層に所望の吸収波長を有する色素を添加もしくは染色して着色層を形成する方法が知られている。さらには、ある種の着色材が透明樹脂中に分散されてなる着色樹脂を用いた方法が知られている。例えば、特開昭58−46325号公報,特開昭60−78401号公報,特開昭60−184202号公報,特開昭60−184203号公報,特開昭60−184204号公報,特開昭60−184205号公報等に示されている様に、ポリアミノ系樹脂に着色材を混合した着色樹脂膜を用いることができる。感光性を有するポリイミド樹脂を用いた着色剤も可能である。
特公平7−113685記載の感光性を有する基を分子内に持つ、200℃以下にて硬化膜を得ることのできる芳香族系のポリアミド樹脂中に着色材料を分散すること、特公平7−69486記載の含量を分散着色樹脂を用いることも可能である。
本実施形態においては好ましくは誘電体多層膜が用いられる。誘電体多層膜は光の透過の波長依存性がシャ−プであり、好ましく用いられる。各有機層は絶縁層により分離されていることが好ましい。絶縁層は、ガラス、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリプロピレン等の透明性絶縁材料を用いて形成することができる。窒化珪素、酸化珪素等も好ましく用いられる。プラズマCVDで製膜した窒化珪素は緻密性が高く透明性も良いために本実施形態においては好ましく用いられる。
酸素や水分等との接触を防止する目的で保護層あるいは封止層を設けることもできる。保護層としては、ダイヤモンド薄膜、金属酸化物、金属窒化物等の無機材料膜、フッ素樹脂、ポリパラキシレン、ポリエチレン、シリコン樹脂、ポリスチレン樹脂等の高分子膜、さらには、光硬化性樹脂等が挙げられる。また、ガラス、気体不透過性プラスチック、金属などで素子部分をカバーし、適当な封止樹脂により素子自体をパッケージングすることもできる。この場合吸水性の高い物質をパッケージング内に存在させることも可能である。更に、マイクロレンズアレイを受光素子の上部に形成することにより、集光効率を向上させることができるため、このような態様も好ましい。
(電荷蓄積/転送/読み出し部位)
電荷転送/読み出し部位については特開昭58−103166、特開昭58−103165、特開2003−332551等を参考にすることができる。半導体基板上にMOSトランジスタが各画素単位に形成された構成を適宜採用することができる。MOSトランジスタを用いた固体撮像素子の場合、電極を透過した入射光によって光導電膜の中に電荷が発生し、電極に電圧を印加することにより電極と電極との間に生じる電界によって電荷が光導電膜の中を電極まで走行し、さらにMOSトランジスタの電荷蓄積部まで移動し、電荷蓄積部に電荷が蓄積される。電荷蓄積部に蓄積された電荷は、MOS トランジスタのスイッチングにより電荷読出し部に移動し、さらに電気信号として出力される。これにより、フルカラーの画像信号が、信号処理部を含む固体撮像装置に入力される。
一定量のバイアス電荷を蓄積ダイオードに注入して(リフレッシュモード)おき、一定の電荷を蓄積(光電変換モード)後、信号電荷を読み出すことが可能である。受光素子そのものを蓄積ダイオードとして用いることもできるし、別途、蓄積ダイオードを付設することもできる。
信号の読み出しについてさらに詳細に説明する。信号の読み出しは、通常のカラー読み出し回路を用いることができる。受光部で光/電気変換された信号電荷もしくは信号電流は、受光部そのものもしくは付設されたキャパシタで蓄えられる。蓄えられた電荷は、X−Yアドレス方式を用いたMOS型撮像素子(いわゆるCMOSセンサ)の手法により、画素位置の選択とともに読み出される。他には、アドレス選択方式として、1画素づつ順次マルチプレクサスイッチとデジタルシフトレジスタで選択し、共通の出力線に信号電圧(または電荷)として読み出す方式が挙げられる。2次元にアレイ化されたX−Yアドレス操作の撮像素子がCMOSセンサとして知られる。これは、X−Yの交点に接続された画素に儲けられたスイッチは垂直シフトレジスタに接続され、垂直操走査シフトレジスタからの電圧でスイッチがオンすると同じ行に儲けられた画素から読み出された信号は、列方向の出力線に読み出される。この信号は水平走査シフトレジスタにより駆動されるスイッチを通して順番に出力端から読み出される。
出力信号の読み出しには、フローティングディフュージョン検出器や、フローティングゲート検出器を用いることができる。また画素部分に信号増幅回路を設けることや、相関二重サンプリング(Correlated Double Sampling)の手法などにより、S/Nの向上をはかることができる。
信号処理には、ADC回路によるガンマ補正、AD変換機によるデジタル化、輝度信号処理や、色信号処理を施すことができる。色信号処理としては、ホワイトバランス処理や、色分離処理、カラーマトリックス処理などが挙げられる。NTSC信号に用いる際は、RGB信号をYIQ信号の変換処理を施すことができる。
電荷転送・読み出し部位は電荷の移動度が100cm2/volt・sec以上であることが必要であり、この移動度は、材料をIV族、III−V族、II−VI族の半導体から選択することによって得ることができる。その中でも微細化技術が進んでいることと、低コストであることからシリコン半導体(Si半導体共記す)が好ましい。電荷転送・電荷読み出しの方式は数多く提案されているが、何れの方式でも良い。特に好ましい方式はCMOS型あるいはCCD型のデバイスである。更に本実施形態の場合、CMOS型の方が高速読み出し、画素加算、部分読み出し、消費電力などの点で好ましいことが多い。
(接続)
電磁波吸収・光電変換部位と電荷転送・読み出し部位を連結する複数のコンタクト部位はいずれの金属で連結してもよいが、銅、アルミ、銀、金、クロム、タングステンの中から選択するのが好ましく、特に銅が好ましい。複数の電磁波吸収・光電変換部位に応じて、それぞれのコンタクト部位を電荷転送・読み出し部位との間に設置する必要がある。青・緑・赤光の複数感光ユニットの積層構造を採る場合、青光用取り出し電極と電荷転送・読み出し部位の間、緑光用取り出し電極と電荷転送・読み出し部位の間および赤光用取り出し電極と電荷転送・読み出し部位の間をそれぞれ連結する必要がある。
(プロセス)
本実施形態の固体撮像素子は、公知の集積回路などの製造に用いるいわゆるミクロファブリケーションプロセスにしたがって製造することができる。基本的には、この方法は活性光や電子線などによるパターン露光(水銀のi,g輝線、エキシマレーザー、さらにはX線、電子線)、現像及び/又はバーニングによるパターン形成、素子形成材料の配置(塗設、蒸着、スパッタ、CVなど)、非パターン部の材料の除去(熱処理、溶解処理など)の反復操作による。
(用途)
デバイスのチップサイズは、ブローニーサイズ、135サイズ、APSサイズ、1/1.8インチ、さらに小型のサイズでも選択することができる。本実施形態の固体撮像素子の画素サイズは複数の電磁波吸収・光電変換部位の最大面積に相当する円相当直径で表す。いずれの画素サイズであっても良いが、2−20ミクロンの画素サイズが好ましい。さらに好ましくは2−10ミクロンであるが、3−8ミクロンが特に好ましい。
画素サイズが20ミクロンを超えると解像力が低下し、画素サイズが2ミクロンよりも小さくてもサイズ間の電波干渉のためか解像力が低下する。
本実施形態の固体撮像素子は、デジタルスチルカメラに利用することが出来る。また、TVカメラに用いることも好ましい。その他の用途として、デジタルビデオカメラ、下記用途などでの監視カメラ(オフィスビル、駐車場、金融機関・無人契約機、ショッピングセンター、コンビニエンスストア、アウトレットモール、百貨店、パチンコホール、カラオケボックス、ゲームセンター、病院)、その他各種のセンサ(テレビドアホン、個人認証用センサ、ファクトリーオートメーション用センサ、家庭用ロボット、産業用ロボット、配管検査システム)、医療用センサ(内視鏡、眼底カメラ)、テレビ会議システム、テレビ電話、カメラつきケータイ、自動車安全走行システム(バックガイドモニタ、衝突予測、車線維持システム)、テレビゲーム用センサなどの用途に用いることが出来る。
中でも、本実施形態の固体撮像素子は、テレビカメラ用途としても適するものである。その理由は、色分解光学系を必要としないためにテレビカメラの小型軽量化を達成することが出来るためである。また、高感度で高解像力を有することから、ハイビジョン放送用テレビカメラに特に好ましい。この場合のハイビジョン放送用テレビカメラとは、デジタルハイビジョン放送用カメラを含むものである。
更に、本実施形態の固体撮像素子においては、光学ローパスフィルターを不要とすることが出来、更なる高感度、高解像力が期待できる点で好ましい。
更に、本実施形態の固体撮像素子においては厚みを薄くすることが可能であり、かつ色分解光学系が不要となる為、「日中と夜間のように異なる明るさの環境」、「静止している被写体と動いている被写体」など、異なる感度が要求される撮影シーン、その他分光感度、色再現性に対する要求が異なる撮影シーンに対して、本実施形態の固体撮像素子を交換して撮影する事により1台のカメラにて多様な撮影のニーズにこたえることが出来、同時に複数台のカメラを持ち歩く必要がない為、撮影者の負担も軽減する。交換の対象となる固体撮像素子としては、上記の他に赤外光撮影用、白黒撮影用、ダイナミックレンジの変更を目的に交換固体撮像素子を用意することが出来る。
本実施形態のTVカメラは、映像情報メディア学会編、テレビジョンカメラの設計技術(1999年8月20日、コロナ社発行、ISBN 4-339-00714-5)第2章の記述を参考にし、例えば図2.1テレビカメラの基本的な構成の色分解光学系及び撮像デバイスの部分を、本実施形態の固体撮像素子と置き換えることにより作製することができる。
上述の積層された受光素子は、配列することで撮像素子として利用することができるだけでなく、単体としてバイオセンサや化学センサなどの光センサやカラー受光素子としても利用可能である。
さらに、本実施形態における有機層の光電変換素子について好ましい態様について述べる。
光電変換素子の電極材料としては、基本的に何であっても構わない。例えば、金属、合金、金属酸化物、有機導電性化合物、これらの混合物等が好適に挙げられ、具体例としては例えば、Li、Na、Mg、K、Ca、Rb、Sr、Cs、Ba、Fr、Ra、Sc、Ti、Y、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Tc、Re、Fe,Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In,Tl、Si、Ge、Sn、Pb、P、As、Sb、Bi、Se、Te、Po、Br、I、At、B、C、N、F、O、S、Nの中から選ばれる任意の組み合わせで良いが、本実施形態において特に好ましいものとしてAl、Pt、W、Au、Ag、Ta、Cu、Cr、Mo、Ti、Ni、Pd、Znを選ぶことができる。この中でも透過率が高い構成が好ましい。
すなわち、透明電極を用いることは大変好ましい。具体的な材料として酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化インジウム錫(ITO)等の導電性金属酸化物、金、白金、銀、クロム、ニッケル等の金属を用いて作成した厚みの薄い半透過性電極、更にこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物又は積層物、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロ−ル等の有機導電性材料、これらとITOとの積層物、などが挙げられる。また、沢田豊監修「透明導電膜の新展開」(シーエムシー刊、1999年)、日本学術振興会著「透明導電膜の技術」(オーム社、1999年)等に詳細に記載されているものを用いても良い。しかし、本実施形態において、特に好ましいのは、ITO、IZO、SnO2、ATO、ZnO、TiO2、FTOのいずれかの材料を含むことである。」
本実施形態においては、このような電極上に光電変換膜を作成する。本実施形態における光電変換膜とは、光を吸収して電子に変える光電変換層を含み、かつ、その電子を分離するために必要な電極間材料や電極を含む。その好ましい構成としては、まず基板上に積層される光電変換膜が一つの光電変換膜の場合として、下から[1]下部電極層、電子輸送性材料層、ホール輸送性材料層、透明電極という構成、[2]下部電極層、ホール輸送性材料層、電子輸送性材料層、透明電極という構成などが挙げられるが、本実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、電子輸送性材料を二つ以上の層に分割しても良いし、ホール輸送性材料層を二つ以上に分割しても構わない。例えば、[3]下部電極層、電子輸送性材料層,電子輸送性材料層、ホール輸送性材料層、透明電極[4]下部電極層、電子輸送性材料層、ホール輸送性材料層、ホール輸送性材料、透明電極[5]下部電極層、電子輸送性材料層,電子輸送性材料層、ホール輸送性材料層、ホール輸送性材料、透明電極という構成である。さらに、基板上に積層される光電変換膜が二つの場合は、基本的に光電変換膜が一つの場合の組み合わせを作成することができる。すなわち、例えば、[1]と[1]との組み合わせである下から下部電極層、電子輸送性材料層、ホール輸送性材料層、透明電極、層間絶縁膜、下部電極層(透明電極)、電子輸送性材料層、ホール輸送性材料層、透明電極という構成や、[1]と[2]の組み合わせである下部電極層、電子輸送性材料層、ホール輸送性材料層、透明電極、層間絶縁膜、下部電極層(透明電極)、ホール輸送性材料層、電子輸送性材料層、透明電極という構成などが挙げられ、そのような複数層の構成は基本的に[1]、[2]、[3]、[4]、[5]から選ばれる組み合わせで任意に構成しても良いし、[1]、[2] [3]、[4]、[5]以外の他の構成と[1]、[2]、[3]、[4]、[5]とを任意に組み合わせても良い。
また、本実施形態における光電変換材料は無機材料であっても、有機材料であっても構わないが、本実施形態では有機材料が含まれている場合、好ましく用いることができる。特にホール輸送性有機材料及び電子輸送性有機材料を含むことが極めて望ましい。本実施形態における電子輸送性有機材料としては、例えばアクセプター性有機半導体(化合物)を好ましく用いることができる。アクセプター性有機半導体(化合物)とは主に電子輸送性有機化合物に代表され、電子を受容しやすい性質がある有機化合物をいう。さらに詳しくは2つの有機化合物を接触させて用いたときに電子親和力の大きい方の有機化合物をいう。したがって、アクセプター性有機化合物は、電子受容性のある有機化合物であればいずれの有機化合物も使用可能である。例えば、縮合芳香族炭素環化合物(ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、フルオランテン誘導体)、窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含有する5ないし7員のヘテロ環化合物(例えばピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、キノキサリン、キナゾリン、フタラジン、シンノリン、イソキノリン、プテリジン、アクリジン、フェナジン、フェナントロリン、テトラゾール、ピラゾール、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、カルバゾール、プリン、トリアゾロピリダジン、トリアゾロピリミジン、テトラザインデン、オキサジアゾール、イミダゾピリジン、ピラリジン、ピロロピリジン、チアジアゾロピリジン、ジベンズアゼピン、トリベンズアゼピン等)、ポリアリーレン化合物、フルオレン化合物、シクロペンタジエン化合物、シリル化合物、含窒素ヘテロ環化合物を配位子として有する金属錯体などが挙げられる。なお、これに限らず、ドナー性有機化合物として用いた有機化合物よりも電子親和力の大きな有機化合物であればアクセプター性有機半導体として用いてよい。
また、本実施形態におけるホール輸送性有機材料の特に好ましい例は以下のようにあげることができる。例えば、ポリ-N-ビニルカルバゾール誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフェニレン、ポリチオフェン、ポリメチルフェニルシラン、ポリアニリン、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、カルバゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、ポリフィリン誘導体(フタロシアニン等)、芳香族三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物、ブタジエン化合物、ベンジジン誘導体、ポリスチレン誘導体、トリフェニルメタン誘導体、テトラフェニルベンジン誘導体、スターバーストポリアミン誘導体等が使用可能である。また、有機色素を用いることも非常に好ましく、上記の材料を光を吸収する構造を持たせることや、他にも金属錯体色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、フェニルキサンテン系色素、トリフェニルメタン系色素、ロダシアニン系色素、キサンテン系色素、大環状アザアヌレン系色素、アズレン系色素、ナフトキノン、アントラキノン系色素、アントラセン、ピレン等の縮合多環芳香族及び芳香環乃至複素環化合物が縮合した鎖状化合物、キノリン、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール等の2ケの含窒素複素環、スクアリリウム基及びクロコニツクメチン基により結合したシアニン系類似の色素等を好ましく用いることができる。金属錯体色素である場合、ジチオール金属錯体系色素、金属フタロシアニン色素、金属ポルフィリン色素又はルテニウム錯体色素が好ましく、ルテニウム錯体色素が特に好ましい。ルテニウム錯体色素としては、例えば米国特許4927721号、同4684537号、同5084365号、同5350644号、同5463057号、同5525440号、特開平7-249790号、特表平10-504512 号、WO98/50393号、特開2000-26487号等に記載の錯体色素等が挙げられる。また、シアニン色素、メロシアニン色素、スクワリリウム色素などのポリメチン色素の具体例としては特開平11-35836号、特開平11-67285号、特開平11-86916号、特開平11-97725号、特開平11-158395号、特開平11-163378号、特開平11-214730 号、特開平11-214731号、特開平11-238905号、特開2000-26487号、欧州特許892411号、同911841号及び同991092号の各明細書に記載の色素である。
なお、本実施形態においてはこれらの材料を必要に応じて、ポリマーバインダ−内に含有させても良い。そのように用いられるポリマ−バインダ−としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレ−ト、ポリブチルメタクリレ−ト、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリブタジエン、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド、エチルセルロ−ス、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリビニルブチラ−ル、ポリビニルアセタ−ル等を挙げることができる。
本発明の実施形態を説明するための固体撮像装置の一例であるデジタルカメラの概略構成を示すブロック図 図1に示す固体撮像素子の概略構成を示す平面模式図 図2に示す1つの画素の概略構成を示す模式図 図3(a)に示す光電変換素子の拡大図 Xの値が1の光電変換素子の特性を示す図 Xの値が1より大きい光電変換素子の特性を示す図 Xの値が1より小さい光電変換素子と、Xの値が1より大きい光電変換素子との特性を示す図
符号の説明
100 画素
120 シリコン基板
127 画素電極
127a,127b 電極
128 中間層
128a 光電変換層
128b 平滑層
129 対向電極
200 光電変換素子
100a 受光部
100b 信号読出し回路
212 電荷検出セル

Claims (8)

  1. 半導体基板上方に少なくとも1つ積層された光電変換素子と、前記光電変換素子で発生した電荷に応じた信号を読み出す信号読出し部とを含む固体撮像素子と、前記固体撮像素子を駆動する駆動部とを備える固体撮像装置であって、
    前記光電変換素子は、一対の電極と、前記一対の電極に挟まれる光電変換層とを含み、
    前記光電変換素子に入射する光の光子数をn(個/cm・s)とし、前記光を入射した状態において前記光電変換素子から取り出せる信号電荷数から、前記光を遮断した状態において前記光電変換素子から外部に取り出せる信号電荷数を引いた値をNとし、Nとnで表される1次関数の微分係数dN/dnをXとしたとき、前記Xの値が1より大きい固体撮像装置。
  2. 請求項1記載の固体撮像装置であって、
    前記Xの値が、前記駆動部から前記光電変換素子の前記一対の電極間に供給されるバイアス電圧によって決定されている固体撮像装置。
  3. 請求項2記載の固体撮像装置であって、
    前記駆動部が、撮影条件に応じて前記バイアス電圧を変化させて、前記Xの値を変化させる固体撮像装置。
  4. 請求項3記載の固体撮像装置であって、
    前記駆動部が、相対的に低照度の被写体を撮影するための撮影条件のときの前記Xの値を、相対的に高照度の被写体を撮影するための撮影条件のときの前記Xの値よりも小さくする固体撮像装置。
  5. 半導体基板上方に少なくとも1つ積層された光電変換素子と、前記光電変換素子で発生した電荷に応じた信号を読み出す信号読出し部とを含む固体撮像素子と、前記固体撮像素子を駆動する駆動部とを備える固体撮像装置であって、
    前記光電変換素子は、一対の電極と、前記一対の電極に挟まれる光電変換層とを含み、
    前記光電変換素子に入射する光の光子数をn(個/cm・s)とし、前記光を入射した状態において前記光電変換素子から取り出せる信号電荷数から、前記光を遮断した状態において前記光電変換素子から外部に取り出せる信号電荷数を引いた値をNとし、Nとnで表される1次関数の微分係数dN/dnをXとし、
    前記Xの値は、前記駆動部から前記光電変換素子の前記一対の電極間に供給されるバイアス電圧によって決定されるものであり、
    前記駆動部は、相対的に低照度の被写体を撮影するための撮影条件のときに前記バイアス電圧を制御して前記Xの値を1以下にし、相対的に高照度の被写体を撮影するための撮影条件のときに前記バイアス電圧を制御して前記Xの値を1よりも大きくする固体撮像装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか記載の固体撮像装置であって、
    前記光電変換層が有機材料を含む固体撮像装置。
  7. 請求項6記載の固体撮像装置であって、
    前記有機材料が、ホール輸送性材料と電子輸送性材料のいずれか又は両方を含む固体撮像装置。
  8. 請求項6又は7記載の固体撮像装置であって、
    前記光電変換層と、前記一対の電極のいずれか又は両方との間にバッファ層を有する固体撮像装置。
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