JP2008002418A - 密閉型圧縮機 - Google Patents

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Yushi Hashimoto
雄史 橋本
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Abstract

【課題】冷媒およびオイルをほぼ拘束して取扱って、十分に気液分離されたガスを吐出することができる密閉型圧縮機およびその気液分離吐出方法を提供する。
【解決手段】液化しきれなかったミスト状のオイルと分離された冷媒は電動機下部室から固定子または固定子と密閉容器との間の固定子通路に通して前記拘束域外回りの固定子上部室に導かれる、そこの空間部分の密閉容器の内壁側に設置されたメッシュ状のオイルセパレータ28によりミスト状のオイルは液化され固定子通路37と密閉容器1と固定子3aの空間を密閉容器の空間部分よりオイルの自重落下によりオイル溜めへ滴下される。
【選択図】図1

Description

本発明は冷凍空調分野等に使用される密閉型圧縮機に関するものである。
従来、この種の密閉型圧縮機は、本実施の形態に係る密閉型のスクロール圧縮機を示す図1を参照して、密閉容器1内に圧縮機構2、この圧縮機構2の下方に設けた圧縮機構2を駆動するための電動機3と、この電動機3の回転力を圧縮機構2に伝達するためのクランク軸4とを備え、密閉容器1内の下部に設けたオイル溜め5のオイル6をクランク軸4を通じてクランク軸4の軸受部66や圧縮機構2の摺動部に供給する給油機構7とを備えている。
これによって、オイル6は給油機構7によって重力に逆らって軸受部66や圧縮機構2の摺動部に強制給油されて、円滑な動作を確保しながら、圧縮機構2で圧縮した冷媒ガスを密閉容器1内の電動機3の部分を通して電動機3を冷却した後密閉容器1外に吐出するようにしており、前記軸受部66や圧縮機構2の摺動部に供給した後のオイルが供給圧や重力によって下方に移動しオイル溜め20に自然回収されるようにすることができる。しかし、冷媒ガスは常時オイルと接触してこれを随伴させ、密閉容器から冷凍サイクルに供給される際にオイルを持ち込んでしまい、冷凍サイクル中での配管圧力損失や凝縮器や蒸発器などの熱交換器での熱交換効率の低下をもたらす問題がある。
これを解消するのに従来、圧縮機構から密閉容器内に吐出した冷媒ガスが電動機を通ってそれを冷却しながら密閉容器外に吐出されるまでの冷媒ガスの通路を、オイルの衝突分離や遠心分離が繰り返し生じるように設計して、密閉容器外に吐出される冷媒ガスにオイルが随伴しないように工夫したり、特許文献1が開示しているように軸受部や圧縮機構から排出されたオイルは圧縮機構からの吐出冷媒と合流した後電動機の回転子の中を通過し下部で遠心分離させることにより滴下させた後伝い落ちにより下部のオイル溜めに回収されるようにする一方、分離された冷媒ガスは固定子と密閉容器との間の通路を上昇して密閉容器外に吐出する整然とした冷媒の流れを作って前記滴下し伝い落ちるオイルを随伴させにくくするにようにしている。
特開平7−189963号公報
しかし、従来のどの方式も満足な気液分離はできていない。冷媒ガスの流れによる衝突分離や遠心分離を図る従来の方式は、圧縮機構や電動機の固定子に設ける冷媒通路の設け方によって冷媒ガスの流れを規制して各部との衝突や回転子やバランスウエイトの回転を利用した旋回流が生じるようにするものであるが、冷媒ガスやオイルの流れを拘束し切れず衝突や旋回が不十分であったり、冷媒がその流路や流れの乱れによってオイルと再三接触して随伴させやすかったりして、密閉容器外に吐出する冷媒ガスにオイルが混入することを防止し切れていない。
また、上記公報に開示のものは、軸受部や圧縮機構から排出されたオイルは圧縮機構からの吐出冷媒と合流した後電動機の回転子の中を通過し下部で遠心分離させることにより滴下させた後伝い落ちにより下部のオイル溜めに回収されるようにする一方、分離された冷媒ガスは固定子と密閉容器との間の通路を上昇して密閉容器外に吐出する整然とした冷媒の流れを作って前記滴下し伝い落ちるオイルを随伴させにくくするにようにしている、しかしながら、オイルが冷媒ガスにより分散されてその流れに乗じてしまい随伴されるの
で、やはり、密閉容器外に吐出する冷媒ガスにオイルが混入することを防止し切れていない。
本発明の目的は、冷媒およびオイルをほぼ拘束して取扱って、十分に気液分離されたガスを吐出することができる密閉型圧縮機およびその気液分離吐出方法を提供することにある。
本発明の密閉型圧縮機は、密閉容器内に圧縮機構と、この圧縮機構の下方に設けた圧縮機構を駆動するための電動機と、この電動機の回転力を圧縮機構部に伝達するためのクランク軸と、密閉容器内の下部に設けたオイル溜めのオイルをクランク軸を通じてクランク軸の軸受部や圧縮機構摺動部に供給する給油機構とを備え、圧縮機構から密閉容器内へ吐出されるガスおよび圧縮機構およびその軸受部への供給後のオイルをほぼ拘束して回転子上部室から回転子通路に通して回転子下部室に導くことにより回転子の回転による強制旋回に供して気液の遠心分離を行ない、液化したオイルを固定子のコイルエンドに付着して伝い落ち下部のオイル溜めへ滴下させる、一方液化しきれなかったミスト状のオイルと分離された冷媒は電動機下部室から固定子または固定子と密閉容器との間の固定子通路に通して前記拘束域外回りの固定子上部室に導かれる、そこの空間部分の密閉容器の内壁側に設置されたメッシュ状のオイルセパレータによりミスト状のオイルは液化され固定子通路と密閉容器と固定子の空間を密閉容器の空間部分よりオイルの自重落下によりオイル溜めへ滴下される、また、冷媒ガスは固定子上部室の位置以上の部分から密閉容器外に吐出させて、オイルと気液分離した冷媒ガスを吐出することを特徴としている。
本発明によれば、圧縮機構からの吐出ガスおよびそれに乗じて随伴している圧縮機構およびその軸受部に供給した後のオイルをほぼ拘束して取扱い、回転子通路を通すことで回転子の回転による強い遠心分離に供して効率のよい遠心分離を行って後、液化されたオイルを固定子のコイルエンド部に当てることによりオイルを捕捉しオイル溜りへ滴下させ、またミスト状のオイルは密閉容器内壁に設置された網目状のオイルセパレータにより液化させオイル溜りへ滴下することにより、十分に気液分離したガスを密閉容器外に吐出し供給することができる。
本発明の固定子の上部にメッシュ状のオイルセパレータを配備することにより気液の分離を促進することが可能になりシステムに排出される油を抑制することによりシステム効率を上げることが可能となる。
以下、本発明における実施の形態に係る密閉型圧縮機およびその気液分離吐出方法について図を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。
本実施の形態は縦型でスクロール式の圧縮機構を内蔵した冷凍サイクル用の密閉型圧縮機の場合の一例であり、圧縮対象は冷媒ガスである。しかし、本発明はこれに限られることはなく、ロータリ式の圧縮機構など各種の圧縮機構をそれを駆動する電動機とともに密閉容器内に内蔵したガス一般を対象として圧縮し、圧縮機構が密閉容器内を上下に仕切り、その下部に電動機を収容する密閉型圧縮機であればその全般に適用して有効であり、本発明の範囲に属する。
(実施の形態1)
本実施の形態の密閉型圧縮機は図1に示すように、密閉容器1内に溶接や焼き嵌めなどして固定したクランク軸4の主軸受部材11と、この主軸受部材11上にボルト止めした
固定スクロール12との間に、固定スクロール12と噛み合う旋回スクロール13を挟み込んでスクロール式の圧縮機構2を構成し、旋回スクロール13と主軸受部材11との間に旋回スクロール13の自転を防止して円軌道運動するように案内するオルダムリングなどによる自転規制機構14を設けて、クランク軸4の上端にある主軸部4aにて旋回スクロール13を偏心駆動することにより旋回スクロール13を円軌道運動させ、これにより固定スクロール12と旋回スクロール13との間に形成している圧縮室15が外周側から中央部に移動しながら小さくなるのを利用して、密閉容器1外に通じた吸入パイプ16および固定スクロール12の外周部の吸入口17から冷媒ガスを吸入して圧縮していき所定圧以上になった冷媒ガスは固定スクロール12の中央部の吐出口18からリード弁19を押し開いて密閉容器1内に吐出させることを繰り返す。
クランク軸4の下端は密閉容器1の下端部のオイル溜め20に達して、密閉容器1内に溶接や焼き嵌めして固定された副軸受部材21により軸受され、安定に回転することができる。電動機3は主軸受部材11と副軸受部材21との間に位置して、密閉容器1に溶接や焼き嵌めなどして固定された固定子3aと、クランク軸4の途中の外まわりに一体に結合された回転子3bとで構成され、回転子3bの上下端面の外周部分にはピン22により止め付けられたバランスウエイト23、24が設けられ、これにより回転子3bおよびクランク軸4が安定して回転し、旋回スクロール13を安定して円軌道運動させることができる。
給油機構7はクランク軸4の下端で駆動されるポンプ25によってオイル溜め20内のオイル6をクランク軸4を通縦しているオイル供給穴26を通じて圧縮機構2の各部の軸受部66や圧縮機構2の各摺動部に供給する。供給後のオイル6は供給圧や重力によって逃げ場を求めるようにして軸受部66を通じ主軸受部材11の下に流出して滴下し、最終的にオイル溜め20に回収される。
さらに圧縮機構2から吐出される冷媒ガス27が、圧縮機構2の上部の容器内吐出室31、この容器内吐出室31と圧縮機構2の下部を連通させる圧縮機構連通路32、この圧縮機構連通路32から回転子上部室33に続く連絡路34、回転子上部室33と回転子下部室35を連通させるように回転子3bに設けた回転子通路36、回転子下部室35、を順次経て電動機3の下に至り、さらに固定子3aの下部と上部とを連通させるように固定子3aまたは固定子3aと密閉容器1との間に設けられた固定子通路37を通って前記連絡路34の外まわりの固定子上部室38に抜けた後、密閉容器1の固定子上部室38の位置以上の部分に設けられた外部吐出パイプ39を通って密閉容器1外に吐出されるようにする容器内ガス通路Aを設けてある。
このような容器内ガス通路Aの容器内吐出室31と、圧縮機構連通路32とは、圧縮機構2およびその軸受部66の外回りに位置して、圧縮機構2から吐出される冷媒ガス27を一括して圧縮機構2の下部の連絡路34に吐出させる。続いて連絡路34は吐出されてきた冷媒ガス27を回転子上部室33に導いて回転子3bおよびバランスウエイト23の回転による影響で緩く旋回する状態で回転子通路36内に進入させて下方に通りぬけ、遠心分離により外側に向かう液化されたオイル6は固定子3aのコイルエンドに付着して伝い落ち下部のオイル溜め20へ滴下させる、一方液化されなかったミスト上のオイルとオイルと分離された冷媒は電動機下部室から固定子3aまたは固定子3aと密閉容器1との間の固定子通路に通して前記拘束域外回りの固定子上部室に導かれミスト状のオイルはその固定子上部室の密閉容器の内壁に配備された網目状のオイルセパレータ28により液化されオイル6の自重落下により固定子通路及び固定子3aと密閉容器1の空間部分を通りオイル溜め20に滴下されることにより、オイル6の気液分離効果を高めることが出来る。
以上のように、本発明にかかる密閉型圧縮機は、従来の密閉型圧縮機に対して気液分離効果をたかめることによりシステムに吐出するオイルを削減することによりシステム損失を抑制できる、密閉型圧縮機を提供することができる。
本発明の実施例を示す密閉型圧縮機の断面図
符号の説明
1 密閉容器
2 圧縮機構
3 電動機
3a 固定子
3b 回転子
4 クランク軸
6 オイル
7 給油機構
17 吸入口
18 吐出口
20 オイル溜め
23 バランスウエイト
24 バランスウエイト
27 冷媒ガス
28 オイルセパレータ
31 容器内吐出室
32 圧縮機構連通路
33 回転子上部室
34 連絡路
35 回転子下部室
36 回転子通路
37 固定子通路

Claims (1)

  1. 密閉容器内に圧縮機構と、この圧縮機構の下方に設けた圧縮機構を駆動するための電動機と、この電動機の回転力を圧縮機構部に伝達するためのクランク軸と、密閉容器内の下部に設けたオイル溜めのオイルを、クランク軸を通じてクランク軸の軸受部や圧縮機構摺動部に供給する給油機構とを備えた密閉型圧縮機の気液分離方法であって、圧縮機構から密閉容器内へ吐出されるガスおよび圧縮機構およびその軸受部への供給後のオイルをほぼ拘束して回転子上部室から回転子通路に通して回転子下部室に導くことにより回転子の回転による強制旋回に供して気液の遠心分離を行ない、液化されたオイルを固定子のコイルエンドに付着して伝い落ち下部のオイル溜めへ滴下させる一方液化されなかったミスト状のオイルと冷媒は電動機下部室から固定子または固定子と密閉容器との間の固定子通路に通して拘束域外回りの固定子上部室に導き、その固定子上部の空間部分の密閉容器内側に網目状の部品によりミスト化されたオイルを液化させ固定子と密閉容器との間の空間部分より自重落下によりオイル溜めまで滴下する、また冷媒ガスは密閉容器の固定子上部室の位置以上の部分から密閉容器外に吐出させて、オイルと気液分離した冷媒ガスを吐出することを特徴とする密閉型圧縮機。
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