JP2008002172A - 浮き上がり防止機能を有する制御弁を備えた建設機械 - Google Patents

浮き上がり防止機能を有する制御弁を備えた建設機械 Download PDF

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Abstract

【課題】車体本体に俯仰可能に取付けられたブームの浮き上がりを防止する機能を備えた建設機械を提供する。
【解決手段】走行中、ブームシリンダ28のロッド18がブーム20側から力fで突き上げられたとき、ロッド側油室16の作動油は急激に高圧となる同時に、ブームシリンダ28のヘッド側油室32は負圧となるのでオーバーロード・メイクアップバルブ46を作動させることによってタンクラインTLから吸い上げられた作動油は、シリンダポート42を介してヘッド側油室32へ供給される。突き上げ後、ブームは僅かながら上方へ浮き上がった状態となるが、パイロットポンプPM2からの圧油が開閉弁58に与えられるのでそのポペット弁体58Bが開き、ヘッド側油室の作動油は、重力によりピストンPSが降下し始めと、シリンダポート42からシリンダポートコア52を通り、タンクラインTLへ流れ、ブーム20は、下がり続け、支持手段で停止する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車体本体に俯仰可能に取付けられたブーム等の駆動体の浮き上がりを防止する機能を備えた油圧ショベル等の建設機械に係り、特に浮き上がり防止機能を有する制御弁を備えた建設機械に関する。
図7は、現在一般に利用されている典型的な油圧ショベル100を示しており、車体本体100Aの下部には旋回台104を介して進行時に前側のホイール102F、後ろ側のホイール102Rが取付けられている。車体本体100Aには運転操縦室110が設けられ、その後方には、原動機、ポンプ、制御弁ユニット112A等を備えた油圧ユニットが配置されている。運転操縦室110の背面側において、車体本体100Aにはブーム114およびブームシリンダ116の一端側が水平方向に対し俯仰可能に取付けられている。ブーム114の他端側にはアーム118が揺動可能に取付けられ、さらに、同アーム118の先端部にはバケット122が揺動可能に取付けられている。
参照符号120、124は、それぞれアームシリンダ、バケットシリンダである。参照符号106は、走行時にバケット122を搭載支持する支持部、参照符号108は、所定位置での建設作業時の傾倒防止用コラムである。なお、図示のように、走行時は上方へ引き上げられている。(非特許文献1)
また図示しないが、走行時にバケット122のフォーク126を支持する支持装置を有するホイールタイプの油圧ショベルもある。(非特許文献2)
図7に示すように、一般に、建設機械特に、ホイール102F、102Rを有するタイプの油圧ショベル100においては、一般路を走行する際、道路上の凹凸部の凸部により車体本体100Aが突き上げられことがある。
この時、ブーム114にはアーム118、バケット122など質量の大きい部材が結合されているため、突き上げられたときの慣性力によりブームシリンダ116のロッド側に高圧が発生するため、そのときの衝撃を吸収するように制御弁ユニット112Aに設けられているブームシリンダ116用制御弁内に設けたリリーフ弁が作動し、ブーム114全体が僅かではあるが持ち上げられる。同時にブームシリンダ116のヘッド側油室は負圧になるため当該制御弁に設けられているメイクアップ弁が作動し、その負圧を補うようにタンクから当該ブームシリンダ116のヘッド側油室すなわち、ボトム側に作動油が供給される。したがって、ブームシリンダ116のロッド116Aは伸び側に出たままその位置を保持することとなる。
この様子を第8図により説明する。図8において、ブームシリンダ116の底部は車体本体100Aにピンを介して揺動機構114Aにより揺動可能に取付けられている。
参照符号CVはブームシリンダ114用の制御弁を機能的に簡略化して示しており、参照符号VLBは当該弁のメインスプールを有する弁本体主要部であり、上側にシリンダポートPT1、PT2、下側に圧油供給ポートP、タンクポートTをそれぞれ示す。シリンダポートPT1、PT2は、それぞれブームシリンダ116のロッド側室、ヘッド側室(ボトム室BRM)に接続されている。同図の左右には、メイクアップ弁MK1、リリーフ弁RF1、およびメイクアップ弁MK2、リリーフ弁RF2が対になってそれぞれオーバーロード・メイクアップバルブを形成している。
参照符号L1、L2は前記各オーバーロード・メイクアップバルブの戻り側流路で、弁本体主要部VLBのタンクポートTから弁外のタンクTKに接続されている。前記圧油供給ポートPには、原動機ENGにより駆動される可変吐出ポンプPM1からの圧油が供給される。参照符号はPM2パイロット操作圧を発生するためのパイロットポンプである。また、参照符号RC1、RC2は、ブーム114用の制御弁CVに対するパイロット操作圧信号の受圧部である。
図8において、今走行状態にあるとき、スプールは中立位置に保持されているため、各シリンダポートPT1、PT2は、ポートP、Tと遮断されている。この状態で、ロッド116Aの反ピストン側端部に結合されているブーム114から矢視のように急激な突き上げ力fが作用しロッド116AがΔL上昇すると、前述したように、ロッド側油室RDMの圧力は急上昇する。このため左側のオーバーロード・メイクアップバルブを構成しているリリーフ弁RF1が作動し、流路L1を介してタンクTKに圧油を流し、ロッド側油室RDMの圧力上昇をリリーフ設定圧に保持する。
同時にブームシリンダ116のボトム側油室BRMはピストンPSがロッド116Aと共に上方へΔL移動するので同油室BRMは負圧状態となり、右側のオーバーロード・メイクアップバルブを構成しているメイクアップバルブMK2を介してタンクTKから作動油が油室BRMへ供給される。その状態で、突き上げ力Fがなくなると、ロッド116Aしたがって、ブーム114はΔLだけ上方へ突き上げられた状態のまま保持されることとなる。
日立建機(株式会社)「ZAXIS125W」 カタログNo.KS-471Q 日本国 日立建機株式会社 2004年9月 コマツ建設建機事業本部(株式会社) 「JUST MEET」 カタログNo.DJSS417000、日本国 コマツ建設建機事業本部
走行中、道路事情により、こうした現象が繰り返されると、ブームシリンダ116のロッド116Aは伸び側に出続けるので、ブーム116を伏せた状態で走行することに支障をきたすこととなり、安全のため一時停止して、ブーム116を下ろす作業が必要となる。また、走行運転中の運転者が、ロッド116Aが伸び側に出続けていることに気づかず走行を続けると、油圧ショベル100が橋桁、トンネル等高さ制限の設けられている箇所に進入し、橋桁、トンネル等を損壊し、また走行している油圧ショベル100自体にも大きな損傷を与え、さらには、油圧ショベルの操縦者が怪我をすることもある。
なお、走行中、前述した場合とは逆に、道路上の凹部により突き下げられることがある。この場合は前述した支持部106で支持されているため、仮に連続して突き下げが生じてもブーム114がそのまま下降することは防止される。またその場合、突き下げ時にリリーフ弁に作用する圧力は、ロッド116AとピストンPSの断面積差(S2−S1)分だけ突き上げ時よりも小さいので実際の降下量は前述したΔLよりかなり小さくなる。
本願発明者は上述した浮き上がり現象の問題を解決すべく鋭意分析、検討および努力した結果、ブームシリンダのボトム側に接続されるシリンダポートを走行中はタンクラインに接続することによって前記問題点が基本的に解決できることを見出した。
従って、本発明の目的は、車体本体に俯仰可能に取付けられたブーム等の駆動体の浮き上がりを防止する機能を備えた油圧ショベル等の建設機械を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明による駆動体の浮き上がりを防止する機能を備えた建設機械は、運転操縦室を搭載する車体本体、同車体本体の下部に装着され同車体本体を搭載して移動せしめる走行手段、同走行手段に対し前記車体本体を旋回せしめる旋回手段、前記車体本体に一端側が俯仰可能に結合された第1の駆動体ユニットを含み、同第1の駆動体ユニットに順次連結された駆動体および油圧アクチュエータの対からなる複数対の駆動体ユニット、前記車体本体に配設され前記各油圧アクチュエータへの圧油の給排を制御する複数の制御弁からなる制御弁ユニット、および前記制御弁ユニットを介して前記各アクチュエータに供給される圧油を発生する第1の油圧源と前記各制御弁の操作圧信号用の圧油を発生する第2の油圧源および油圧タンクを備えた油圧ユニットを有する建設機械において、前記第1の駆動体ユニットの油圧アクチュエータが油圧シリンダで構成されており、同油圧シリンダへの圧油の給排を制御する制御弁は、前記油圧シリンダのヘッド側油室およびロッド側油室に接続される第1および第2のシリンダポートと、前記制御弁の各シリンダポートとタンクポートの間にそれぞれ設けられた第1および第2のオーバーロード・メイクアップバルブと、前記第1のシリンダポートとタンクポートとの間で前記第1のオーバーロード・メイクアップバルブと並列に形成された第1油路、および同第1油路上に設けられ前記建設機械の運転操作状態に応じて前記第1油路を開閉する第1開閉弁と、を備えたことを特徴とする。
その場合、前記走行手段はホイールタイプの走行手段で構成されることができる。
またその場合、前記第1の駆動体ユニットを含む各駆動体ユニットの各駆動体は、ブーム、アームおよびバケットであり、それぞれの油圧アクチュエータは油圧シリンダで形成されており、前記車体本体には前記バケットを支持する支持手段を設けて構成されることができる。
さらにその場合、前記第1油路を開閉する第1開閉弁の弁体の開閉操作は前記第2油圧源からの供給圧油を用いることができる。
その場合、前記建設機械が走行モード状態のとき、前記第1油路を開閉する第1開閉弁は前記第2油圧源からの供給圧油により開状態とされることができる。
また前記目的を達成するための、本発明による駆動体の浮き上がりを防止する機能を備えた建設機械は、運転操縦室を搭載する車体本体、同車体本体の下部に装着され同車体本体を搭載して移動せしめる走行手段、同走行手段に対し前記車体本体を旋回せしめる旋回手段、前記車体本体に一端側が俯仰可能に結合された第1の駆動体ユニットを含み、同第1の駆動体ユニットに順次連結された駆動体および油圧アクチュエータの対からなる複数対の駆動体ユニット、前記車体本体に配設され前記各油圧アクチュエータへの圧油の給排を制御する複数の制御弁からなる制御弁ユニット、および前記制御弁ユニットを介して前記各アクチュエータに供給される圧油を発生する第1の油圧源と前記各制御弁の操作圧信号用の圧油を発生する第2の油圧源および油圧タンクを備えた油圧ユニットを有する建設機械において、前記第1の駆動体ユニットの油圧アクチュエータが油圧シリンダで構成されており、同油圧シリンダへの圧油の給排を制御する制御弁は、前記シリンダのヘッド側油室およびロッド側油室に接続される第1および第2のシリンダポートと、前記制御弁の各シリンダポートとタンクポートの間にそれぞれ設けられた第1および第2のオーバーロード・メイクアップバルブと、前記第1のシリンダポートとタンクポートとの間で前記第1のオーバーロード・メイクアップバルブと並列に形成された第1油路、および同第1油路に設けられ前記建設機械の運転操作状態に応じて前記第1油路を開閉する第1開閉弁と、からなり、さらに前記建設機械は、前記第1の駆動体の俯仰状態を検知する検知手段と、前記建設機械が走行状態に入る前の前記第1の駆動体の俯仰状態を第1の角度位置として記憶し、走行中は、前記第1の駆動体が前記第1の角度位置と異なる予め設定された第2の角度位置に達したとき前記第1油路を開閉する第1開閉弁を開とするよう指令する第1指令信号を与え、当該第1指令信号の存在下で前記第1の駆動体が前記第1の角度位置に復帰したとき、前記第1油路を開閉する第1開閉弁を閉とするよう指令する第2指令信号を与える制御手段と、を有することを特徴とする。
その場合、前記検知手段にはポテンショメータを設けることができる。
またその場合、前記走行手段はホイールタイプの走行手段で構成することができる。
またその場合、前記走行手段はキャタピラータイプの走行手段で構成することができる。
さらにその場合、前記第1の駆動体ユニットを含む各駆動体ユニットの各駆動体は、ブーム、アームおよびバケットであり、それぞれの油圧アクチュエータは油圧シリンダで形成されており、前記車体本体には前記バケットを支持する支持手段を設けて構成されることができる。
さらにその場合、前記制御手段からの第1および第2指令信号は電気信号として与えられ、前記第1油路を開閉する第1開閉弁の弁体が前記第1および第2の電気信号により、それぞれ開動作、閉動作するよう構成することができる。
その場合、前記第1油路を開閉する第1開閉弁の弁体の開閉操作は前記第2油圧源からの供給圧油を用いることができる。
またその場合、前記制御手段は、前記第1および第2指令信号にそれぞれ応答する電気・油圧変換部を有し、同電気・油圧変換部からの圧油信号を前記供給圧油として前記第1開閉弁に供給するよう構成することができる。
さらにその場合、前記電気・油圧変換部は前記第2油圧源と接続された第2開閉弁を有し、同第2開閉弁の弁開閉の操作は電気信号である前記第1および第2指令信号により行われるよう構成することができる。
またその場合、前記電気・油圧変換部は、前記第2油圧源と接続された第2開閉弁を有し、さらに、前記第1および第2指令信号にそれぞれ応答する第1および第2圧油信号を生成し、前記第2開閉弁の弁開閉の操作は前記第1および第2圧油信号によって行われるよう構成することができる。
また前記目的を達成するための、本発明による駆動体の浮き上がりを防止する機能を備えた建設機械は、運転操縦室を搭載する車体本体、同車体本体の下部に装着され同車体本体を搭載して移動せしめる走行手段、同走行手段に対し前記車体本体を旋回せしめる旋回手段、前記車体本体に一端側が俯仰可能に結合された第1の駆動体ユニットを含み、同第1の駆動体ユニットに順次連結された駆動体および油圧アクチュエータの対からなる複数対の駆動体ユニット、前記車体本体に配設され前記各油圧アクチュエータへの圧油の給排を制御する複数の制御弁からなる制御弁ユニット、および前記制御弁ユニットを介して前記各アクチュエータに供給される圧油を発生する第1の油圧源と前記各制御弁の操作圧信号用の圧油を発生する第2の油圧源および油圧タンクを備えた油圧ユニットを有する建設機械において、前記第1の駆動体ユニットの油圧アクチュエータが油圧シリンダで構成されており、さらに前記建設機械は、前記第1の駆動体の俯仰状態が浮き上がり許容限に達した状態にあることおよび/または浮き下がり許容限に達した状態にあることを検知する検知手段と、前記検知手段の検知信号に応答して第1の駆動体が浮き上がり許容限に達した状態にあることおよび/または浮き下がり許容限に達した状態にあることを操縦者に警告する警告手段と、を有するよう構成されることを特徴とする。
その場合、前記第1の駆動体ユニットの油圧シリンダへの圧油の給排を制御する制御弁は、前記油圧シリンダのヘッド側油室およびロッド側油室に接続される第1および第2のシリンダポートと、前記制御弁の各シリンダポートとタンクポートの間にそれぞれ設けられた第1および第2のオーバーロード・メイクアップバルブと、前記第1のシリンダポートとタンクポートとの間で前記第1のオーバーロード・メイクアップバルブと並列に形成された第1油路、および同第1油路に設けられ前記建設機械の運転操作状態に応じて前記第1油路を開閉する第1開閉弁と、からなり、さらに前記建設機械は、前記建設機械が走行状態に入る前の前記第1の俯仰状態を第1の角度位置として記憶し、走行中は、前記第1の駆動体の俯仰状態が前記浮き上がり許容限に対応する角度位置に達したとき前記第1油路を開閉する第1開閉弁を開とするよう指令する第1信号を与え、当該第1指令信号の存在下で前記第1の駆動体が前記第1の角度位置に復帰したとき、前記第1油路を開閉する第1開閉弁を閉とするよう指令する第2指令信号を与える制御手段と、を有するよう構成することができる。
請求項1に記載された本発明によれば、第1の駆動体ユニットの油圧アクチュエータが油圧シリンダで構成されており、同油圧シリンダへの圧油の給排を制御する制御弁は、前記油圧シリンダのヘッド側油室およびロッド側油室に接続される第1および第2のシリンダポートと、前記制御弁の各シリンダポートとタンクポートの間にそれぞれ設けられた第1および第2のオーバーロード・メイクアップバルブと、前記第1のシリンダポートとタンクポートとの間で前記第1のオーバーロード・メイクアップバルブと並列に形成された第1油路、および同第1油路上に設けられ建設機械の運転操作状態に応じて前記第1油路を開閉する第1開閉弁と、を備えているので、前記建設機械の運転操作状態が走行モードの場合、前記第1油路を開閉する第1開閉弁を開状態とすることにより前記第1の駆動体ユニットの浮き上がりを防止することができる。
請求項6に記載された本発明によれば、第1の駆動体の俯仰状態を検知する検知手段と、建設機械が走行状態に入る前の第1の駆動体の水平方向に対する俯仰状態を第1の角度位置として記憶し、走行中は、前記第1の駆動体が前記第1の角度位置より所定角度だけ大きい予め設定された第2の角度位置に達したとき前記第1油路を開閉する第1開閉弁を開とするよう指令する第1信号を与え、当該第1指令信号の存在下で前記第1の駆動体が前記第1の角度位置に復帰したとき、前記第1油路を開閉する第1開閉弁を閉とするよう指令する第2指令信号を与える制御手段と、を有するよう構成されているので、前記第1の駆動体の浮き上がりを防止すると共に、浮き下がりを防止することができる。
請求項16に記載された本発明によれば、建設機械には、前記第1の駆動体の俯仰状態が浮き上がり許容限に達した状態にあることおよび/または浮き下がり許容限に達した状態にあることを検知する検知手段と、前記検知手段の検知信号に応答して第1の駆動体が浮き上がり許容限に達した状態にあることおよび/または浮き下がり許容限に達した状態にあることを操縦者に警告する警告手段と、を有するよう構成されているので、建設機械の走行中、第1の駆動体が浮き上がり許容限に達した状態にあることおよび/または浮き下がり許容限に達した状態にあることを操縦者に警告するようになっているので、操縦者は警告のあった時点で走行を停止し、運転モードにより第1の駆動体の姿勢を正常な状態に戻すことができる。
請求項17に記載された本発明によれば、請求項16に記載された発明の効果に加え、第1の駆動体の浮き上がりを解除して正常な姿勢に戻す操作を自動的に遂行できるので、走行を停止して作業モードに切り替えるなどの操作が必要でなくなり、それだけ操縦者の負担を軽減することができる。
以下、本発明の実施の形態に基づく実施例について添付図面の図1乃至図6を参照して詳細に説明する。
(第1実施形態例)
図1は、本発明の第1実施形態に基づく実施例の主要部を示す図である。同図において、図の上部には建設機械である油圧ショベルCNMを構成しているブーム、アーム、バケット等の各駆動体ユニットを示し、下部には各駆動ユニットのうちブームシリンダ用の制御弁40の構成を示す。
参照符号10は前記油圧ショベルCNMの車体本体に固定された支持板であって、同支持板10にはブーム20の一端側が軸30を介して揺動可能に取付けられている。支持板10にはさらにブームシリンダ28のボトム側が揺動可能に取付けられている。ブームシリンダ28の他端はロッド18の先端部がブーム20に揺動可能に取付けられている。
ブーム20の他端部にはアーム24の一端側が揺動可能に取付けられ、さらにアーム24の他端部にはバケット14が揺動可能に取り付けられている。参照符号22、26はアーム駆動用のシリンダ、バケット駆動用のシリンダである。図示の状態は、油圧ショベルCNMが走行する状態に対応しており、前記アーム24、バケット14はブーム20の下方に折りたたまれた状態となっている。このときブームシリンダ28のピストンPSは、図示のように、ロッド側油室16とヘッド側油室32との間に位置している。
参照符号12は軸30に結合されたポテンショメータであって、ブーム20が揺動するときの揺動角を電気信号として図示しない制御部へ与えるようになっている。
参照符号Fは油圧ショベルCNMが走行中、道路の凹凸の凸部によって突き上げられたときにブーム20に作用する慣性力を表わす。参照符号fはこの慣性力によってロッド16の軸方向に作用する突き上げ力を表わす。
ブームシリンダ28用の制御弁40にはシリンダポート42、44が設けられ、図示のように、それぞれヘッド側油室32、ロッド側油室16に接続されている。
参照符号46、48はそれぞれシリンダポート42、44から弁本体内部に形成されたシリンダポートコア52の流路に連通するオーバーロード・メイクアップバルブであってそれぞれは同一の構造をしている。各オーバーロード・メイクアップバルブ46、48はさらにタンクポートコア54の流路と連通されている。左右の各タンクポートコア54はタンクラインTLを介してタンクTKに接続されている。参照符号50は制御弁40のメインスプールを示し、図示の状態は、中立位置に保持されていることを示す。
参照符号58は、右方の一端部が前記シリンダポートコア52と接続され、左方の他端部の油室62には、走行モードのときパイロットポンプからの供給圧油PS2が与えられるよう構成された開閉弁である。同開閉弁58は、供給圧油PS2が与えられると、前記シリンダポートコア52がタンクポートコア54に連通するように、ポペット弁体58Bが移動しシート部を開くようになっている。
参照符号PM1はブームシリンダ28へ供給される圧油を発生させる圧油供給源としての可変容量型のポンプである。また参照符号PM2は制御弁40のメインスプール50を駆動するパイロット操作圧信号を生成するための圧油供給源としてのパイロットポンプである。参照符号PS1、PS2はそれぞれのポンプPM1、PM2からの供給圧油および供給圧油通路を表わしている。供給圧油PS1は弁本体の中央部圧油ポートに達している。スプール50が左行または右行されるとこの供給圧油PS1は、流路40Aまたは40Bを介して左右のシリンダポートコア52、53からそれぞれのシリンダポート42、44に与えられるようになっている。
参照符号66は、油圧ショベルCNMの走行と、作業すなわち、バケット14等を動作させる掘削等の作業との作業モードの選択部を示しており、パイロットポンプPM2からの供給圧油PS2は、同選択部66で走行モードが選択されたとき開閉弁58に与えられるようになっている。参照符号HSLは開閉弁58に対する圧油供給ラインを示す。
図2は前記開閉弁58近傍の拡大図である。同図で、圧油供給ラインHSLに接続される油室62にはピストン58Dが配置され、その右方に伸びるロッド部58Aは途中が径小に形成されさらに右端部にはポペット弁体58Bが形成されている。開閉弁58の本体右端部には油室58Eが形成されており、同油室58Eに前記ポペット弁体58Bが収納されている。また、ポペット弁体58Bの背面を左方に付勢するバネ58Cが配置されている。油室58Eは右端部が開口されており図示のようにシリンダポートコア52と連通している。
参照符号Zは、ブームシリンダ28のヘッド側油室32からの戻り油がポペット弁体58Bを介して、ロッド58Aの径小部を通りタンクポートコア54へ流れる様子を示す。なお、このロッド58Aの径小部には、オーバーロード・メイクアップバルブ46に通じるタンクポートコア54の流路60が連通している。
図3は、前記開閉弁58の変形例の開閉弁58’であって、ポペット弁体58Bの開閉動作を電磁ソレノイド64によって行う例を示す。この場合は供給圧油ラインHSLは不要となる。
図4はオーバーロード・メイクアップバルブ46、48の動作を説明するものであって、同図の(a)はリリーフバルブが機能している状態を示し、(b)はメイクアップバルブが機能している状態を示す。
図4の(a)において、シリンダポートPCY側が高圧になると圧油はピストンPSTの端部オリフィスを通り、油室R1に入り、d1<d2、d3<d4となっているので、最初、メインポペットPP3、ポペットPP2はシートされているが、やがてパイロットポペットPP1が油室R1からの圧油により左方へ移動し、横穴HLからタンク通路TLへの流れが形成されると、前記オリフィスでの圧力降下が生じ、ピストンPSTは左方へ移動しパイロットポペットPP1の端部に接触する。そして、メインポペットPP3は左方へ移動し、図示のように、シリンダポートPCYからタンク通路TLへの流れすなわち、リリーフ動作が行われる。
図4の(b)において、シリンダポートPCY側がタンク通路TL側より圧力が低くなるとポペットPP2は左方へ移動してシートが開くので図示のように、タンク通路TL側からシリンダポートPCY側への流れが形成され、メイクアップ動作が行われる。
ここで図1に戻り、その作用、動作について説明する。
走行中、ブームシリンダ28のロッド18がブーム20側から力fで突き上げられたとき、ロッド側油室16の作動油は急激に高圧となり、図4(a)で説明したように、シリンダポート44からオーバーロード・メイクアップバルブ48のリリーフバルブを作動させることによってタンクラインTLへ流れる。同時に、ブームシリンダ28のヘッド側油室32は負圧となるので、図4(b)で説明したように、オーバーロード・メイクアップバルブ46のメイクアップバルブを作動させることによってタンクラインTLから吸い上げられた作動油は、シリンダポート42を介してヘッド側油室32へ供給される。参照符号X、Yは、突き上げが生じたときのオーバーロード・メイクアップバルブ48、46を作動油が流れる様子を示す。
突き上げが終わったとき、ブーム20は僅かながら上方へ浮き上がった状態となるが、モード選択部66からはパイロットポンプPM2からの供給圧油が開閉弁58に与えられるので開閉弁58のポペット弁体58Bが開く。したがって、一旦ヘッド側油室32へ供給された作動油は、その後ブーム20等の重力によりピストンPSが降下し始めるにつれて、シリンダポート42からシリンダポートコア52、53を通り、さらに図2で説明したように、モード選択により予め開かれている前記ポペット弁体58Bを通ってタンクポートコア54を介してタンクラインTLへ流れる。その結果、ブーム20は、下がり続け、油圧ショベルCNMに設けられた支持手段のところで降下は停止されることとなる。
(第2実施形態例)
前述した第1実施形態例では、突き上げによるブームの浮き上がりは、突き上げが終わると、ブーム等の重力により直ちに修正され、バケットを支持する支持手段のところまでブームが降下しそこで停止されるということになる。したがって、ブームは、結局支持手段のところで停止された状態で走行が行われる。
一方、ホイールタイプの建設機械でも、土木・建設作業を効率よく進めるため支持手段を設けていない場合、あるいは設けてあっても支持手段にバケットを搭載しないで走行することがある。また、運転モードと走行モードの区別をしていないキャタピラータイプの建設機械では、支持手段は、通常設けられていない。
本発明の第2実施形態例では、こうした場合でも浮き上がり防止を好適に行うと共に、ブーム20の降下位置を所定の降下位置に設定することができるようにするものである。
図5は、本発明の第2実施形態例を説明するための制御ブロック図である。
同図5において、参照符号70はブーム角度位置の検知手段を示しており、同検知手段として、例えば図1に示したポテンショメータ12を用いることができる。検知手段70による検知信号DSは制御部80に与えられる。同制御部80において、参照符号82は、第1の角度位置θ1の設定部であって、油圧ショベルCNM等の建設機械を走行させる際にブーム20が所定の角度位置θ1に保持されることを示す。参照符号84は検知信号DSに対応するブーム20の現在の角度位置θの設定部である。参照符号86は、第2の角度位置設定部であって、ブーム20の突き上げによる浮き上がりが所定の角度位置θ2に達したときブーム20の降下を開始させる角度位置として定められる。
なお、前記設定部82への角度位置θ1の設定は設定部84の現在の角度位置θを用いてプリセットすることができる。参照符号88は判定部であって、走行モード88Aの条件下において、浮き上がりの累積量が第2の角度位置θ2に達したか否かを判定する。すなわち、θがθ2と等しくなったか否かを判別する。現在の角度位置θが第2の角度位置θ2に達したとき判定部88は第1指令信号CMD1を出力する。同信号CMD1は電気・油圧変換部90に与えられ、同電気・油圧変換部90から制御弁40の第1開閉弁58の油室62(図1参照)に供給圧油HSL(高圧)が与えられる。
これにより、前述したようにブーム20は降下を始める。降下によりブーム20の角度位置が第1の角度位置θ1に戻ったことを判定部88が判定すると、同判定部88は第1指令信号CMD1に代わって第2指令信号CMD2を発生し、電気・油圧変換部90へ与える。第2指令信号CMD2に対応する電気・油圧変換部90から第1開閉弁58に与えられる供給圧油HSLは低圧すなわち、タンク圧である。したがって、前記第1開閉弁58は閉状態とされる。すなわち、図2に示されるように、油室62の圧油がなくなるのでバネ58Cによってポペット弁体58Bは左方へ移動し作動油の戻りの流れZは遮断される。
なお、破線で示したように、ソレノイドしきの第1開閉弁58’を利用する場合、前記指令信号CMD1、CMD2はORゲート92を介して電気信号として第1開閉弁58’に与えられる。ただし同図では電力増幅は省略して表示してある。
図6は、電気・油圧変換部90の具体例であって、図の(a)は前記2位置切換弁90Aのスプール切換信号として、前記指令信号CMD1、CMD2を直接利用する場合、(b)は電油変換器90Dを介して間接的に指令信号CMD1、CMD2を利用する場合をそれぞれ示す。図6(a)において、参照符号90Bはソレノイド式のスプール駆動部である。
2位置切換弁90AにはパイロットポンプPM2からの供給圧油PS2が与えられ、第1指令信号CMD1によって供給圧油PS2は供給圧油HSL(高圧)として第1開閉弁58へ与えられる。また、この供給圧油PS2は第1指令信号CMD1によって遮断され、したがって、第1開閉弁58へは供給圧油HSL(低圧)が与えられるようになっている。
図6(b)において、参照符号90Cはパイロット圧油信号の受圧部であって、公知の電油変換器90Dにより電気信号である前記CMD1、CMD2にそれぞれ対応して形成された圧油信号が与えられる。その場合、この圧油信号を形成するため前述した供給圧油PS2を用いることができる。
以上説明した本発明の第2実施形態例では、第2の角度位置θ2は適宜設定することができるので、浮き上がり状態がある程度累積した状態になったときブーム20の降下を開始させることができる。また、第1の角度位置θ1は、走行状態に対応して設定することができ、さらにブーム20の降下を第1の角度位置θ1で停止することができるので、走行時にブーム20の角度位置を最初に設定した第1の角度位置θ1に保持することができ、それ以上ブーム20が降下することがない。
(第3実施形態例)
図5において、検知信号DSは鎖線で示すように、制御部72に与えられる。同制御部72において、参照符号72Aはブーム20の浮き上がり限界値θ3の設定部である。参照符号72Bはブーム20の現在の角度位置θの設定部である。また、参照符号72Cはブーム20の浮き下がり限界値θ4の設定部である。さらに、参照符号72Dは判定部であって、走行モード72Eの条件下で検知手段70から与えられるブーム20の現在の角度位置θが浮き上がり限界値θ3浮き下がり限界値θ4に達したか否かを判定する。判定の結果は警告表示部74に与えられ、操縦者に対し、音声および/または点滅、あるいは表示画面等により限界値θ3またはθ4に達したことを知らせるようになっている。したがって、操縦者は、警告表示部74の警告を受けて、走行モードを運転モードに切り替えて、ブーム20の角度位置を適宜の位置に戻るよう操作を行うことができる。
なお、この場合、操縦者がモードを運転モードにしてブーム20の角度位置を正常値に戻す操作を行うので、図1に示した第1開閉弁58は必要ないが、ブーム20の浮き上がりを降下させるには、走行モードを運転モードに変更しなければならず、走行を一旦停止しなければならない。したがって、警告表示を機能させながら、前述した制御部80の機能を発揮させることができれば、操縦者の負担をそれだけ軽減することができる。
以上本発明の好適な実施形態例について図1乃至図6を参照して説明したが、本発明はこれら例示された内容、範囲に限定されるものではない。例えば図1、図5では検知手段としてポテンショメータを用いているが、近接スイッチを用いて各角度位置を設定することも可能である。そして現在の角度位置を連続的に検知する必要はなく、ブームの実際の角度位置が、近接スイッチによって、各設定された角度位置に達したか否かを検知し判定することが可能である。また、図6では第2開閉弁90Aはスプールタイプの2位置切換弁の例を示したが、ポペット弁タイプの2位置弁であってもよい。
本発明の第1実施形態に基づく実施例の主要部を示す図である。 図1の第1開閉弁近傍の拡大図である。 第1開閉弁の変形例であって、ポペット弁体の開閉動作を電磁ソレノイドによって行う例を示す図である。 オーバーロード・メイクアップバルブの動作を説明する図であって、(a)はリリーフバルブが機能している状態を示し、(b)はメイクアップバルブが機能している状態を示す。 本発明の第2実施形態例を説明するための制御ブロック図である。 電気・油圧変換部の具体例であって、(a)は2位置切換弁のスプール切換信号として、第1、第2指令信号を直接利用する場合、(b)は電油変換器を介して間接的に第1、第2指令信号を利用する場合をそれぞれ示す。 現在一般に利用されている典型的な油圧ショベルの正面図である。 従来のブームシリンダと対応する制御弁の関係を示す図である。
符号の説明
10 支持板
12 ポテンショメータ
14 バケット
16 ロッド側油室
18 ロッド
20 ブーム
22 アームシリンダ
24 アーム
26 バケットシリンダ
28 ブームシリンダ
30 軸
32 ヘッド側油室
40 制御弁
40A、40B 流路
42、44 シリンダポート
46、48 オーバーロード・メイクアップバルブ
50 メインスプール
52、53 シリンダポートコア
54 タンクポートコア
58、58’ 第1開閉弁
58A ロッド
58B ポペット弁体
58C バネ
58D ピストン
58E 油室
60 流路
62 油室
64 ソレノイド
66 モード選択部
70 検知手段
72 制御部
80 制御部
82 第1の角度位置設定部
84 現在の角度位置設定部
86 第2の角度位置設定部
88 判定部
90、90’ 電気・油圧変換部
90A 第2開閉弁
90D 電油変換器
92 ORゲート
CMD1 第1指令信号
CMD2 第2指令信号
CNM 油圧ショベル
HSL 圧油供給
PCY シリンダポート
PM1 可変容量型ポンプ
PM2 パイロットポンプ
PP1 パイロットポペット
PP2 ポペット
PP3 メインポペット
PS1、PS2 供給圧油

Claims (17)

  1. 運転操縦室を搭載する車体本体、同車体本体の下部に装着され同車体本体を搭載して移動せしめる走行手段、同走行手段に対し前記車体本体を旋回せしめる旋回手段、前記車体本体に一端側が俯仰可能に結合された第1の駆動体ユニットを含み、同第1の駆動体ユニットに順次連結された駆動体および油圧アクチュエータの対からなる複数対の駆動体ユニット、前記車体本体に配設され前記各油圧アクチュエータへの圧油の給排を制御する複数の制御弁からなる制御弁ユニット、および前記制御弁ユニットを介して前記各アクチュエータに供給される圧油を発生する第1の油圧源と前記各制御弁の操作圧信号用の圧油を発生する第2の油圧源および油圧タンクを備えた油圧ユニットを有する建設機械において、
    前記第1の駆動体ユニットの油圧アクチュエータが油圧シリンダで構成されており、同油圧シリンダへの圧油の給排を制御する制御弁は、
    前記油圧シリンダのヘッド側油室およびロッド側油室に接続される第1および第2のシリンダポートと、
    前記制御弁の各シリンダポートとタンクポートの間にそれぞれ設けられた第1および第2のオーバーロード・メイクアップバルブと、
    前記第1のシリンダポートとタンクポートとの間で前記第1のオーバーロード・メイクアップバルブと並列に形成された第1油路、および
    同第1油路上に設けられ前記建設機械の運転操作状態に応じて前記第1油路を開閉する第1開閉弁と、
    を備えた浮き上がり防止機能を有する制御弁を備えた建設機械。
  2. 前記走行手段はホイールタイプの走行手段であることを特徴とする請求項1に記載された浮き上がり防止機能を有する制御弁を備えた建設機械。
  3. 前記第1の駆動体ユニットを含む各駆動体ユニットの各駆動体は、ブーム、アームおよびバケットであり、それぞれの油圧アクチュエータは油圧シリンダで形成されており、前記車体本体には前記バケットを支持する支持手段を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載された浮き上がり防止機能を有する制御弁を備えた建設機械。
  4. 前記第1油路を開閉する第1開閉弁の弁体の開閉操作は前記第2油圧源からの供給圧油を用いることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載された浮き上がり防止機能を有する制御弁を備えた建設機械。
  5. 前記建設機械が走行モード状態のとき、前記第1油路を開閉する第1開閉弁は前記第2油圧源からの供給圧油により開状態とされることを特徴とする請求項3または4に記載された浮き上がり防止機能を有する制御弁を備えた建設機械。
  6. 運転操縦室を搭載する車体本体、同車体本体の下部に装着され同車体本体を搭載して移動せしめる走行手段、同走行手段に対し前記車体本体を旋回せしめる旋回手段、前記車体本体に一端側が俯仰可能に結合された第1の駆動体ユニットを含み、同第1の駆動体ユニットに順次連結された駆動体および油圧アクチュエータの対からなる複数対の駆動体ユニット、前記車体本体に配設され前記各油圧アクチュエータへの圧油の給排を制御する複数の制御弁からなる制御弁ユニット、および前記制御弁ユニットを介して前記各アクチュエータに供給される圧油を発生する第1の油圧源と前記各制御弁の操作圧信号用の圧油を発生する第2の油圧源および油圧タンクを備えた油圧ユニットを有する建設機械において、
    前記第1の駆動体ユニットの油圧アクチュエータが油圧シリンダで構成されており、同油圧シリンダへの圧油の給排を制御する制御弁は、
    前記油圧シリンダのヘッド側油室およびロッド側油室に接続される第1および第2のシリンダポートと、前記制御弁の各シリンダポートとタンクポートの間にそれぞれ設けられた第1および第2のオーバーロード・メイクアップバルブと、前記第1のシリンダポートとタンクポートとの間で前記第1のオーバーロード・メイクアップバルブと並列に形成された第1油路、および同第1油路に設けられ前記建設機械の運転操作状態に応じて前記第1油路を開閉する第1開閉弁と、からなり、さらに前記建設機械は、
    前記第1の駆動体の俯仰状態を検知する検知手段と、
    前記建設機械が走行状態に入る前の前記第1の駆動体の俯仰状態を第1の角度位置として記憶し、走行中は、前記第1の駆動体が前記第1の角度位置と異なる予め設定された第2の角度位置に達したとき前記第1油路を開閉する第1開閉弁を開とするよう指令する第1指令信号を与え、当該第1指令信号の存在下で前記第1の駆動体が前記第1の角度位置に復帰したとき、前記第1油路を開閉する第1開閉弁を閉とするよう指令する第2指令信号を与える制御手段と、
    を有するよう構成された浮き上がり防止機能を有する制御弁を備えた建設機械。
  7. 前記検知手段にはポテンショメータを設けたことを特徴とする請求項6に記載された浮き上がり防止機能を有する制御弁を備えた建設機械。
  8. 前記走行手段はホイールタイプの走行手段であることを特徴とする請求項6または7に記載された浮き上がり防止機能を有する制御弁を備えた建設機械。
  9. 前記走行手段はキャタピラータイプの走行手段であることを特徴とする請求項6または7に記載された浮き上がり防止機能を有する制御弁を備えた建設機械。
  10. 前記第1の駆動体ユニットを含む各駆動体ユニットの各駆動体は、ブーム、アームおよびバケットであり、それぞれの油圧アクチュエータは油圧シリンダで形成されており、前記車体本体には前記バケットを支持する支持手段を設けたことを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載された浮き上がり防止機能を有する制御弁を備えた建設機械。
  11. 前記制御手段からの第1および第2指令信号は電気信号として与えられ、前記第1油路を開閉する第1開閉弁の弁体が前記第1および第2の電気信号により、それぞれ開動作、閉動作するよう構成したことを特徴とする請求項6乃至10のいずれかに記載された浮き上がり防止機能を有する制御弁を備えた建設機械。
  12. 前記第1油路を開閉する第1開閉弁の弁体の開閉操作は前記第2油圧源からの供給圧油を用いることを特徴とする請求項6乃至10のいずれかに記載された浮き上がり防止機能を有する制御弁を備えた建設機械。
  13. 前記制御手段は、前記第1および第2指令信号にそれぞれ応答する電気・油圧変換部を有し、同電気・油圧変換部からの圧油信号を前記供給圧油として前記第1開閉弁に供給するよう構成したことを特徴とする請求項12に記載された浮き上がり防止機能を有する制御弁を備えた建設機械。
  14. 前記電気・油圧変換部は前記第2油圧源と接続された第2開閉弁を有し、同第2開閉弁の弁開閉の操作は電気信号である前記第1および第2指令信号により行われるよう構成したことを特徴とする請求項13に記載された浮き上がり防止機能を有する制御弁を備えた建設機械。
  15. 前記電気・油圧変換部は、前記第2油圧源と接続された第2開閉弁を有し、さらに、前記第1および第2指令信号にそれぞれ応答する第1および第2圧油信号を生成し、前記第2開閉弁の弁開閉の操作は前記第1および第2圧油信号によって行われるよう構成したことを特徴とする請求項13に記載された浮き上がり防止機能を有する制御弁を備えた建設機械。
  16. 運転操縦室を搭載する車体本体、同車体本体の下部に装着され同車体本体を搭載して移動せしめる走行手段、同走行手段に対し前記車体本体を旋回せしめる旋回手段、前記車体本体に一端側が俯仰可能に結合された第1の駆動体ユニットを含み、同第1の駆動体ユニットに順次連結された駆動体および油圧アクチュエータの対からなる複数対の駆動体ユニット、前記車体本体に配設され前記各油圧アクチュエータへの圧油の給排を制御する複数の制御弁からなる制御弁ユニット、および前記制御弁ユニットを介して前記各アクチュエータに供給される圧油を発生する第1の油圧源と前記各制御弁の操作圧信号用の圧油を発生する第2の油圧源および油圧タンクを備えた油圧ユニットを有する建設機械において、
    前記第1の駆動体ユニットの油圧アクチュエータが油圧シリンダで構成されており、さらに前記建設機械には、
    前記第1の駆動体の俯仰状態が浮き上がり許容限に達した状態にあることおよび/または浮き下がり許容限に達した状態にあることを検知する検知手段と、
    前記検知手段の検知信号に応答して第1の駆動体が浮き上がり許容限に達した状態にあることおよび/または浮き下がり許容限に達した状態にあることを操縦者に警告する警告手段と、
    を有するよう構成された浮き上がりおよび/または浮き下がりの警告機能を有する建設機械。
  17. 前記第1の駆動体ユニットの油圧シリンダへの圧油の給排を制御する制御弁は、
    前記油圧シリンダのヘッド側油室およびロッド側油室に接続される第1および第2のシリンダポートと、前記制御弁の各シリンダポートとタンクポートの間にそれぞれ設けられた第1および第2のオーバーロード・メイクアップバルブと、前記第1のシリンダポートとタンクポートとの間で前記第1のオーバーロード・メイクアップバルブと並列に形成された第1油路、および同第1油路に設けられ前記建設機械の運転操作状態に応じて前記第1油路を開閉する第1開閉弁と、からなり、さらに前記建設機械は、
    走行状態に入る前の前記第1の駆動体の俯仰状態を第1の角度位置として記憶し、走行中は、前記第1の駆動体の俯仰状態が前記浮き上がり許容限に対応する角度位置に達したとき前記第1油路を開閉する第1開閉弁を開とするよう指令する第1信号を与え、当該第1指令信号の存在下で前記第1の駆動体が前記第1の角度位置に復帰したとき、前記第1油路を開閉する第1開閉弁を閉とするよう指令する第2指令信号を与える制御手段、
    を有する請求項16に記載された浮き上がりおよび/または浮き下がりの警告機能を有する建設機械。
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