JP2008000930A - Frp基材プレス成形方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】プレス成形時の金型とFRP基材との接触を避け、FRP基材へのダメージを防止するFRP基材プレス成形方法を提供する。
【解決手段】上型と下型とを有するプレス成形用金型を用いて、前記上型と前記下型との間にFRP基材を配置し、プレス成形するFRP基材プレス成形方法であって、前記FRP基材と前記上型及び前記下型との各間にFRP基材保護シートを少なくとも1層挟み込みプレス成形する。
【選択図】図1
【解決手段】上型と下型とを有するプレス成形用金型を用いて、前記上型と前記下型との間にFRP基材を配置し、プレス成形するFRP基材プレス成形方法であって、前記FRP基材と前記上型及び前記下型との各間にFRP基材保護シートを少なくとも1層挟み込みプレス成形する。
【選択図】図1
Description
本発明は、FRP基材プレス成形方法に関する。
炭素繊維等に熱硬化性または熱可塑性樹脂を含浸等して硬化したFRP(Fiber Reinforced Plastic)基材は、鉄等に比べて軽量性、強靭性に優れているため、自動車のボディやルーフ等のパネル構造として用いられている。
一般に、FRP基材は、ハンドレアップ、真空バグ法、プレス成形等により形状腑形される。自動車用のパネル構造は比較的深い絞り形状を有するものが多いため、FRP基材がハンドレアップ、真空バグ法により形状腑形されると、FRP基材の破壊の起点となるボイド等の欠陥がFRP基材中に多数発生し、FRP基材の強度が低下してしまう。従って自動車用のパネル構造として用いられるFRP基材は、ボイドの発生を抑える目的で、プレス成形によって形状腑形される。しかし、プレス成形では、プレス成形時にプレス成形用金型とFRP基材との接触(摩擦)により、FRP基材にダメージを与え、FRP基材の強度を低下させてしまう。
例えば、特許文献1には、プレス成形時に、FRP基材内で伸ばされる部分の面方向引張弾性率を他の部分のそれよりも大きくすることによって、プレス成形における伸びの不均一性を減少させるFRP基材が提案されている。
しかし、特許文献1では、プレス成形時に伸ばされる部分の面方向引張弾性率の大きい材料を使用しても、自動車用のパネル構造のような深い絞り形状が要求される場合には、プレス成形時にプレス成形用金型とFRP基材との接触によりFRP基材へのダメージを防ぐことはできない。
本発明は、プレス成形時のプレス成形用金型とFRP基材との接触を避け、FRP基材へのダメージを防止するFRP基材プレス成形方法を提供する。
本発明は、上型と下型とを有するプレス成形用金型を用いて、前記上型と前記下型との間にFRP基材を配置し、プレス成形するFRP基材プレス成形方法であって、前記FRP基材と前記上型及び前記下型との各間にFRP基材保護シートを少なくとも1層挟み込みプレス成形する。
また、前記FRP基材プレス成形方法において、前記FRP基材保護シートが、金属系シート及び高分子系シートのうち少なくともどちらか一方であることが好ましい。
また、前記FRP基材プレス成形方法において、前記FRP基材はFRPマトリックス材料を有し、前記FRP基材保護シートが、前記FRPマトリックス材料より高い耐熱性を有する高分子系シートであることが好ましい。
本発明に係るFRP基材プレス成形方法では、FRP基材とプレス成形用金型の上型と下型との各間にFRP基材保護シートを挟み込むことによって、プレス成形時のプレス成形用金型とFRP基材との接触によるFRP基材のダメージを防止することができる。特に、深い絞り形状が要求される自動車用のパネル構造としてFRP基材を使用する場合に、本発明に係るFRP基材プレス成形方法は有効である。
本発明の実施の形態について以下説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るFRP基材プレス成形方法の一例を示す概略断面図である。図1(イ)に示すように、FRP基材保護シート14は、FRP基材10とプレス成形用金型12の上型12a及び下型12bとの各間に挟み込まれている。図1(ロ)に示すように、プレス成形用金型12の上型12aを移動型とし下型12bを固定型として、上型12aを所望のプレス速度にて下降移動させ、所望のプレス圧にて、所望の時間FRP基材10はプレス成形される。プレス成形時に、上型12a及び下型12bは、後述するFRP基材10内のFRP用マトリックス材料22の硬化温度または可塑化温度(融点)まで加熱されており、FRP基材は所望の形状に成形される。
プレス成形用金型12の形状、プレス速度、プレス圧、及びプレス時間は特に制限されるものではない。また、プレス成形用金型12の上型12aを固定型とし下型12bを移動型として、下型12bを所望のプレス速度にて上昇移動させ、所望のプレス圧にて、FRP基材10がプレス成形されるものでも良い。
本発明の実施形態に係るFRP基材プレス成形方法において、FRP基材10と上型12a及び下型12bとの各間にFRP基材保護シート14を挟み込むことにより、FRP基材10へのダメージを防止し、成形後のFRP基材10の強度を確保することができる。従来では、プレス成形時に、プレス成形用金型12(上型12a及び下型12b)とFRP基材10とが直接接触し、すり合わされるため、後述するFRP繊維層16またはステッチ18が損傷し、または、FRP用繊維20の繊維軸方向に蛇行が発生し、プレス成形後のFRP基材10の強度を低下させていたが(特に図1(ロ)に示す点線部において顕著である)、本実施形態に係るFRP基材プレス成形方法では、上記損傷または蛇行の発生を防止し、FRP基材10の強度を確保することができる。
また、従来のプレス成形では、FRP基材10へのダメージを考慮して、通常、プレス圧0.1〜5kg/cm2、プレス時間1〜30秒で行われるが、後述するFRP用マトリックス材料22が熱可塑性樹脂(フィルム、パウダ等)のポリエチレン、ポリプロピレン等の場合、溶融粘度が非常に高く上記の条件ではFRP用繊維20に十分な含浸をすることができない。しかし、本発明の実施形態に係るFRP基材プレス成形方法においては、FRP基材10へのダメージを防ぐことができるため、FRP用繊維20にFRP用マトリックス材料22を含浸するための十分なプレス圧及びプレス時間を確保することができる。さらに、FRP用マトリックス材料22が熱硬化性樹脂パウダである場合、単に熱プレスするだけでは、FRP基材10として重要な繊維体積含有率(Vf)を制御することは、不可能であるが、本発明の実施形態に係る接合方法においては、溶融温度等により繊維体積含有率を制御することができる。
本発明の実施形態に係るFRP基材プレス成形方法で成形されたFRP基材10は、高い強度性及び軽量性を有するため、例えば自動車用のパネル構造として好適に用いることができる。また、本発明の実施形態に係るFRP基材プレス成形方法により、比較的深い絞り形状を有する自動車用ボディ等のパネル構造の成形をFRP基材10の強度低下をほとんど発生させることなく行うことができる。さらに、FRP基材10は、高強度かつ軽量であるため、自動車等の燃費を向上させることができる。
次に、本発明の実施形態に係るFRP基材プレス成形方法に使用されるFRP基材保護シート14について以下説明する。
FRP基材保護シート14としては、耐熱性、低摩擦性、伸縮性を有するものであれば特に制限されるものではなく、耐熱性の点から金属系シート、低摩擦性及び伸縮性の点から高分子系シートであることが好ましい。深い絞り形状が要求される自動車用のパネル構造としてFRP基材10を使用する場合、FRP基材10に、プレス成形時に大きなストレスがかかるため(特に図1(ロ)に示す点線部)、FRP基材保護シート14としては、伸縮性の優れた高分子系シートであることがより好ましい。
また、FRP基材保護シート14をFRP基材10と上型12a及び下型12bとの各間に挟み込む層数としては、特に制限されるものではないが、1〜10層の範囲であることが好ましい。10層より多いとプレス成形時にFRP基材10が所望の形状に成形されない場合がある。
さらに、FRP基材保護シート14として高分子系シート及び金属系シートを少なくとも1層ずつ重ねたものをFRP基材10と上型12a及び下型12bとの各間に挟みこむものであってもよい。また、高分子系シートをFRP基材10と上型12aとの間に挟み込み、金属系シートをFRP基材10と下型12bとの間に挟み込むものであっても良いし、また、その逆であっても良い。
高分子系シートが有する伸縮性として、例えば、伸び率が50〜300%、好ましくは80〜250%の範囲であるものが良い。50%より小さいとプレス成形時に高分子系シートが切断される場合があり、300%より大きいと高分子系シートが部分的に薄くなり切断される場合がある。伸び率の試験方法としては、JIS K 7127に基づいて行う。また、高分子系シートが有する低摩擦性として、例えば、摩擦係数が0.1〜0.7、好ましくは0.2〜0.6の範囲であるものが良い。0.1より小さいと高分子系シートにダメージを与えてしまう場合があり、0.7より大きいとFRP基材10にダメージを与えてしまう場合がある。摩擦係数の評価方法としては、JIS K 7125に基づいて行う。
高分子系シートとして、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂等のシートのうち少なくとも1つを使用することができるが、これらに限定されるものではない。上記高分子系シートは、物性値(伸び率、摩擦係数等)が特定されている市販品のものを使用することができる。具体的には、ポリテトラフルオロエチレンシート(日東電工社製、伸び率300%、摩擦係数0.12)等が挙げられる。
さらに、高分子系シートが有する耐熱性として、後述するFRP用マトリックス材料22より高い耐熱性を有していれば良い。すなわち、高分子系シートは、FRP用マトリックス材料22の融点より高い融点を有していれば良い。後述するFRP用マトリックス材料22が、例えばナイロン6(融点215℃)またはナイロン66(融点260℃)である場合は、高分子系シートとしてはポリテトラフルオロエチレンシート(融点327℃)であることが好ましい。また、FRP用マトリックス材料22が、例えばポリプロピレン(融点160℃)又はポリカーボネート(融点220℃〜230℃)である場合は、高分子系シートとして、ナイロン66シートを使用することができる。
高分子系シートの膜厚は、100μm〜500μm、好ましくは200μm〜400μmの範囲であるものが良い。100μmより薄いとプレス成形時に高分子系シートが切断される場合があり、500μmより厚いとFRP基材10を所望の形状にプレス成形することが困難となる場合がある。
一方、金属系シートが有する伸縮性として、伸び率が5〜60%、好ましくは5〜30%の範囲であるものが良い。5%より小さいとプレス成形時に金属系シートが切断される場合があり、60%より大きいと金属系シートの強度が弱くなり破れる場合がある。また、金属系シートが有する低摩擦性として、摩擦係数が0.1〜1.5、好ましくは0.1〜1.0の範囲であるものが良い。1.6より大きいとFRP基材10にダメージを与えてしまう場合がある。
金属系シートとして、具体的には、アルミニウム、銅、真鍮、リン青銅、ベリリウム銅、モリブデン銅、ステンレス、鉄等のシート、またはこれらを組み合わせた合金シートが挙げられるがこれに限定されるものではない。上記金属系シートは物性値(伸び率、摩擦係数等)が特定されている市販品のものを使用することができる。具体的にはアルミニウムシート(住軽アルミ箔社製、伸び率10%、摩擦係数0.15)が挙げられる。金属系シートが有する耐熱性として、後述するFRP用マトリックス材料22の硬化温度または可塑化温度(融点)より高い耐熱性を有していれば良い。
金属系シートの膜厚は、100μm〜500μm、好ましくは200μm〜400μmの範囲である。100μmより薄いとプレス成形時に金属系シートが切断される場合があり、500μmより厚いとFRP基材10を所望の形状にプレス成形することが困難となる場合がある。
次に、本発明の実施形態に係るFRP基材プレス成形方法に使用されるFRP基材10について以下説明するが、FRP基材10はこれに限定されるものではない。FRP基材10とは、FRPマトリックス材料である熱硬化性樹脂等を含浸し、硬化したものである。
図2は、プレス成形前のFRP基材10及びFRP基材保護シート14の一部を表した概略断面図である。FRP基材10は、FRP繊維層16と、ステッチ18とを有する。FRP繊維層16はFRP用繊維シート24a〜24gを有する。さらにFRP用繊維シート24a〜24gはFRP用繊維20とFRP用マトリックス材料22とをそれぞれ有する。
次に、FRP基材10の作製方法について説明する。FRP基材10は、公知のマルチアキシャルファブリック編み機等を用いて作製される。まず、各FRP用繊維シート24a〜24gは、FRP用マトリックス材料22で覆れたFRP用繊維20が所定の方向に配向するように形成される。FRP用繊維20にFRP用マトリックス材料22を覆う方法として、公知のカバーリング法及びマイクロブレイディング法等が用いられる。次に、FRP用繊維シート24a〜24gを積層(多軸積層)することによって、FRP繊維層16が作製される。FRP繊維層16は、通常7層のFRP用繊維シート(24a〜24g)を有するものが良い。さらに、作製されたFRP繊維層16は、ステッチ18により、FRP繊維層16を厚さ方向(矢印a方向)に貫通してFRP繊維層16の表面方向(矢印b方向)に沿って繰り返し往復して縫い合わされ、FRP基材10が作製される。本実施形態に係るFRP基材プレス成形方法は、上記以外の方法で作製したFRP基材にも適用可能であるが、短時間で成形可能であり、FRP用繊維20の周りにFRP用マトリックス材料22が十分に存在し含浸性が向上する等の点から、上記方法により作製されたFRP基材10を使用することが好ましい。
その他公知のFRP基材の製法として、FRP用繊維20にFRP用マトリックス材料22を含浸したものを不織布または織布とする製法、または、FRP用繊維20が所定の方向に配向するように形成された層を積層した基材間に、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂をフィルム化したFRP用マトリックス材料22を挟み込む製法、または、FRP用繊維20が所定の方向に配向するように形成された層を積層した基材間に、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂のFRP用マトリックス材料22のパウダを導入する製法等が知られているが、これらに限定されるものではない。
図3にFRP繊維層16の一部(FRP用繊維シート24a,24c,24e,24g)を示し、その構造を説明する。FRP用繊維シート24a,24c,24e,24gはカバーリング法及びマイクロブレイディング法により覆ったFRP用繊維20が所定の方向にそれぞれ配向している。FRP用繊維20の繊維軸方向は、特に制限されるものではないが、生産性、強度性の点から0°、+45°、−45°、90°から選択されるものであることが好ましい。例えばFRP用繊維シート24a内のFRP用繊維20の繊維軸方向を0°とした場合、FRP用繊維シート24c内のFRP用繊維20の繊維軸方向は、+45°、FRP用繊維シート24e内のFRP用繊維20の繊維軸方向は、90°、FRP用繊維シート24g内のFRP用繊維20の繊維軸方向は、−45°とするものである。また図2に示すFRP用繊維シート24b,24d,24f内のFRP用繊維20の繊維軸方向は、FRP用繊維シート24a内のFRP用繊維20の繊維軸方向を0°とした場合、それぞれ−45°,90°,+45°とするものである。
FRP用繊維20としては、高強度、高弾性率を有するものであれば特に制限されるものではなく、例えば、炭素繊維糸、黒鉛繊維糸、ガラス繊維糸、ポリアミド繊維またはポリスチレン繊維等の有機高弾性率繊維等のうち少なくとも1種を用いることができる。FRP用繊維20の繊維数(フィラメント)は、1000〜50000フィラメント、好ましくは3000〜30000フィラメントの範囲である。1000フィラメントより低いとFRP用繊維20の作製工程が多くなり製造コストが高くなる場合があり、50000フィラメントを超えるとFRP用繊維20が太くなりFRP繊維層16を作製することが困難となる場合がある。特に高強度、高弾性率かつ軽量の点から炭素繊維糸が好ましく、具体的にはパイロフィル(三菱レイヨン社製、繊維数3000フィラメント、弾性率230GPa)が挙げられる。
FRP用マトリックス材料22としては、プレス成形時の熱によって硬化又は可塑化しFRP基材10の強度を確保するものであれば特に制限されるものではなく、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂等を用いることができる。また自動車用としては耐熱性が要求される。
熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂等のうち少なくとも1つを使用することができるがこれらに限定されるものではないが、低粘度であるものが好ましい。また上記エポキシ樹脂は、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、テトラグリシジルアミノジフェニルメタンまたはトリグリシジル−P−アミノフェノール等のグリシジルアミン型エポキシ樹脂等が挙げられる。特にビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましい。
上記熱硬化性樹脂は、硬化剤または硬化触媒を配合して用いることができる。硬化剤としては公知の硬化剤を使用することができる。例えばエポキシ樹脂硬化剤としては、エチレンジアミン等の脂肪族アミン、ジエチレントリアミン等の脂肪族ポリアミン、メタフェニレンジアミンまたはジアミノジフェニルスルフォン等の芳香族アミン、ピペリジンまたはジアザピシクロウンデセン等の第一、第三アミン、メチルテトラヒドロ無水フタル酸等の酸無水物硬化剤、2−メチルイミダゾールまたは2エチル−4メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物、イミダゾール化合物の誘導体ルイス酸またはブレンステッド酸塩、ジシアンジアミドまたはアミンイミド等の潜在性硬化剤等が挙げられる。特にガラス転移点(TG)の点から酸無水物系であることが好ましい。
上記熱硬化性樹脂にさらに、FRP靭性付与材としてゴムを添加し使用することが可能であり、FRP基材10に高弾性機能を付与することができる。
一方、熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ナイロン42、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリフェニレンオキサイド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルイミド、ポリアリレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン等のうち少なくとも1つを使用することができるがこれらに限定されるものではない。
上記熱可塑性樹脂にさらに、FRP靭性付与材としてゴムを添加し使用することが可能であり、FRP基材10に高弾性機能を付与することができる。
本発明の実施形態に係るFRP基材プレス成形方法に使用されるFRP基材10として、樹脂の含浸性向上を目的に、FRP用マトリックス材料22として熱可塑性樹脂を使用したマット状基材を一度熱プレスし予備含浸させた(プリプレグ)後にプレス成形してもよい。
以下、実施例及び比較例を挙げ、本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(FRP基材10の作製)
FRP基材10は、マルチアキシャルファブリック編み機により、炭素繊維(FRP用繊維20、繊維数3000フィラメント、弾性率230GPa)を軸芯としナイロン66繊維(FRP用マトリックス材料22、融点260℃)でカバーしたカバーリングヤーンと炭素繊維(FRP用繊維20、繊維数3000フィラメント、弾性率230GPa)を軸芯としナイロン66繊維(FRP用マトリックス材料22、融点260℃)で組紐にしたマイクロブレイディングヤーンとにより形成したFRP用繊維シート24a〜24g(繊維軸方向、順に0°,−45°,45°,90°,90°,45°,−45°)を積層し、ステッチ18を編み込んで作製した。
FRP基材10は、マルチアキシャルファブリック編み機により、炭素繊維(FRP用繊維20、繊維数3000フィラメント、弾性率230GPa)を軸芯としナイロン66繊維(FRP用マトリックス材料22、融点260℃)でカバーしたカバーリングヤーンと炭素繊維(FRP用繊維20、繊維数3000フィラメント、弾性率230GPa)を軸芯としナイロン66繊維(FRP用マトリックス材料22、融点260℃)で組紐にしたマイクロブレイディングヤーンとにより形成したFRP用繊維シート24a〜24g(繊維軸方向、順に0°,−45°,45°,90°,90°,45°,−45°)を積層し、ステッチ18を編み込んで作製した。
(実施例の曲げ強度試験)
図1(イ)に示すような形状のプレス成形用金型12の下型12b上にFRP基材保護シート14としてポリテトラフルオロエチレンシート(融点327℃、寸法、長さ200mm、幅100mm、厚さ0.5mm)、上記作製したFRP基材10(寸法、長さ200mm、幅100mm、厚さ2mm)、上記同寸法のポリテトラフルオロエチレンシートの順に設置した。ポリテトラフルオロエチレンシートは日東電工社製、伸び率300%を使用した。また、次に図1(ロ)に示すように上型12aを下型12bへ下降移動させ、プレス圧4MPaによりプレスした。プレス成形条件は、金型12を約290℃に維持し、20分保持した。次に、20分保持した後上型12bを上昇移動させ、プレス成形されたFRP基材10を冷却し、実施例とした。曲げ強度試験は、JIS K 7074(炭素繊維強化プラスチックの曲げ試験方法)により行い、曲げ強度(MPa)を求めた。
図1(イ)に示すような形状のプレス成形用金型12の下型12b上にFRP基材保護シート14としてポリテトラフルオロエチレンシート(融点327℃、寸法、長さ200mm、幅100mm、厚さ0.5mm)、上記作製したFRP基材10(寸法、長さ200mm、幅100mm、厚さ2mm)、上記同寸法のポリテトラフルオロエチレンシートの順に設置した。ポリテトラフルオロエチレンシートは日東電工社製、伸び率300%を使用した。また、次に図1(ロ)に示すように上型12aを下型12bへ下降移動させ、プレス圧4MPaによりプレスした。プレス成形条件は、金型12を約290℃に維持し、20分保持した。次に、20分保持した後上型12bを上昇移動させ、プレス成形されたFRP基材10を冷却し、実施例とした。曲げ強度試験は、JIS K 7074(炭素繊維強化プラスチックの曲げ試験方法)により行い、曲げ強度(MPa)を求めた。
(比較例の曲げ強度試験)
図1(イ)に示すような形状のプレス成形用金型12の下型12b上に、上記作製したFRP基材10のみを設置し、上記同様の条件でプレス成形されたFRP基材10を比較例とした。曲げ強度試験はJIS K 7074(炭素繊維強化プラスチックの曲げ試験方法)により行い、曲げ強度(MPa)を求めた。
図1(イ)に示すような形状のプレス成形用金型12の下型12b上に、上記作製したFRP基材10のみを設置し、上記同様の条件でプレス成形されたFRP基材10を比較例とした。曲げ強度試験はJIS K 7074(炭素繊維強化プラスチックの曲げ試験方法)により行い、曲げ強度(MPa)を求めた。
上記作製した実施例及び比較例における曲げ試験の結果を図4に示す。
実施例では、プレス成形用金型12とFRP基材10との間にポリテトラフルオロエチレンシートを挟み込むことによって、プレス成形(型締め)の際に、FRP基材10内の炭素繊維及びステッチの損傷を防止し、また炭素繊維の繊維軸方向の蛇行の発生をも防止して、プレス成形することが可能となるため、FRP基材10の曲げ強度が向上した。一方、比較例では、プレス成形(型締め)の際に、炭素繊維自体をこすることによるFRP基材10内の炭素繊維及びステッチの損傷(毛羽立ち又は切れ)、また炭素繊維の繊維軸方向の蛇行の発生が生じ、FRP基材10の曲げ強度が低下した。
10 FRP基材、12 プレス成形用金型、12a 上型、12b 下型、14 FRP基材保護シート、16 FRP繊維層、18 ステッチ、20 FRP用繊維、22 FRP用マトリックス材料、24a〜24g FRP用繊維シート。
Claims (3)
- 上型と下型とを有するプレス成形用金型を用いて、前記上型と前記下型との間にFRP基材を配置し、プレス成形するFRP基材プレス成形方法であって、
前記FRP基材と前記上型及び前記下型との各間にFRP基材保護シートを少なくとも1層挟み込みプレス成形することを特徴とするFRP基材プレス成形方法。 - 請求項1記載のFRP基材プレス成形方法であって、前記FRP基材保護シートが金属系シート及び高分子系シートのうち少なくともどちらか一方であることを特徴とするFRP基材プレス成形方法。
- 請求項1又は2記載のFRP基材プレス成形方法であって、前記FRP基材はFRPマトリックス材料を有し、前記FRP基材保護シートが、前記FRPマトリックス材料より高い耐熱性を有する高分子系シートであることを特徴とするFRP基材プレス成形方法。
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