JP2007532976A - 有機銀塩を含有する熱現像可能な材料 - Google Patents

有機銀塩を含有する熱現像可能な材料 Download PDF

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Abstract

サーモグラフィ及びフォトサー材料等の熱現像可能な材料は、イミノ基を含有する窒素含有複素環式化合物の銀塩から成るロッド形粒子として主として提供される新規な非感光性の被還元性銀イオン源を含む。前記ロッド形粒子は少なくとも3:1の平均アスペクト比を有し、そして粒径幅指数が1.25以下であり、改良された画像形成特性を提供する。これらの粒子は、vAg が-50 mV以上の値で一定のを維持されるダブルジェット沈殿操作を用いて調製することができる。

Description

本発明は、ロッド状形態を有する有機銀塩を含有する高速熱現像可能な材料、例えばサーモグラフィ及びフォトサーモグラフィ材料に関する。本発明はまた、曇りが低減された画像の形成方法に関する。加えて、本発明は、ロッド状形態を有する、イミノ基を有する化合物の銀塩から成る粒子の製造方法に関する。
化学線によって画像形成され、次いで熱を用いて、しかも液体処理なしで現像される銀含有フォトサーモグラフィ画像形成材料(すなわち熱現像可能な感光性画像形成材料)が長年にわたって当業者に知られている。このような材料は、特定の電磁線による像様露光をフォトサーモグラフィ材料に施すことにより画像が形成され、この画像が熱エネルギーの使用により現像されるような記録プロセスにおいて使用される。「ドライシルバー」材料としても知られているこれらの材料は、一般に、下記の(a)〜(d)が塗布されている支持体を含む:(a)光触媒(すなわちハロゲン化銀のような感光性化合物)であって、前記露光が施されると露光済粒子に潜像を提供し、これらの粒子が現像工程において銀画像を続いて形成するための触媒として作用することができる、光触媒、(b)相対的又は完全に非感光性の被還元性銀イオン源、(c)被還元性銀イオンのための還元性組成物(通常は現像剤を含む)、及び(d)親水性又は疎水性のバインダー。この潜像は次いで熱エネルギーを加えることにより現像される。
フォトサーモグラフィ材料において、写真ハロゲン化銀に露光を施すと、銀原子を含有する小さな塊(Ag0)nが生成される。潜像として当業者に知られるこれらの塊の像様分布は一般に、通常の手段によっては見ることができない。このように感光性材料はさらに現像して可視像を生成しなければならない。このことは、潜像の銀含有塊を担持するハロゲン化銀粒子に触媒的に近接した関係にある銀イオンを還元することにより達成される。このことは黒白画像を生成する。非感光性銀源は可視黒白ネガティブ画像を形成するために触媒的に還元されるが、これに対して、ハロゲン化銀のほとんどは一般にはハロゲン化銀として残り、還元されない。ほとんどの事例において、還元性銀イオン源は、銀イオンが有機銀配位子と錯体形成された有機銀塩である。
サーモグラフィ材料は性質上類似しているが、但し、サーモグラフィ材料の場合には、光触媒が省かれ、熱画像形成手段を用いて、画像形成及び現像が同時に行われる。このような材料も、画像形成のために必要とされる還元性銀イオンを提供する有機銀塩を含む。
フォトサーモグラフィと写真との違い
画像形成の当業者は以前より、フォトサーモグラフィ分野は写真分野とは明らかに区別されることを認識している。フォトサーモグラフィ材料は、水性処理溶液による処理を必要とするコンベンショナルなハロゲン化銀写真材料とは著しく異なる。
フォトサーモグラフィ画像形成材料の場合、材料内部に内蔵された現像剤の反応の結果としての熱によって、可視像が形成される。この乾式現像のためには50℃以上での加熱が必須である。対照的に、コンベンショナルな写真画像形成材料は、可視像を提供するために、より穏やかな温度(30℃〜50℃)の水性処理浴内で処理することを必要とする。
フォトサーモグラフィ材料の場合、光を捕らえるためにハロゲン化銀は少量しか使用されず、そして熱現像によって可視像を発生させるために、非感光性の被還元性銀イオン源(例えばカルボン酸銀塩又は銀ベンゾトリアゾール)が使用される。このように、画像形成済感光性ハロゲン化銀は、非感光性の被還元性銀イオン源及び内蔵された還元剤に関与する物理的現像プロセスのための触媒として役立つ。対照的に、コンベンショナルな湿式処理型黒白写真材料は銀の1形態(すなわちハロゲン化銀)だけを使用する。この銀形態は、化学的現像時には、それ自体が少なくとも部分的に銀画像に変換され、又は、物理的現像時には、外部銀源(又は、対応する金属に還元されると黒画像を形成する他の被還元性金属イオン)の添加を必要とする。このように、フォトサーモグラフィ材料が必要とする単位面積当たりのハロゲン化銀量は、コンベンショナルな湿式処理型写真材料中に使用される量のわずかな割合にすぎない。
フォトサーモグラフィ材料の場合、画像形成のための「化学物質」の全てが、材料自体内部に内蔵される。例えば、このような材料は現像剤(すなわち、被還元性金属イオンのための還元剤)を含むのに対して、コンベンショナルな写真材料は通常これを含まない。いわゆる「インスタント写真」においてでさえ、現像が望まれるまで、現像剤化学物質は、感光性ハロゲン化銀から物理的に分離されている。フォトサーモグラフィ材料内に現像剤を内蔵することにより、種々のタイプの「カブリ」又はその他の望ましくないセンシトメトリックな副作用の形成が増大するおそれがある。従って、これらの問題を最小限に抑えるべく、フォトサーモグラフィ材料の調製及び製造に多大の努力が為されている。
さらに、フォトサーモグラフィ材料の場合、未露光のハロゲン化銀は一般に、現像後に無傷のまま残り、材料はさらに画像形成及び現像に対して安定化されなければならない。対照的に、溶液現像後にコンベンショナルな写真材料からハロゲン化銀が除去されることにより、更なる画像形成が防止される(すなわち水性定着工程)。
フォトサーモグラフィ材料は乾式熱処理を必要とするので、コンベンショナルな湿式処理型ハロゲン化銀写真材料と比較して、明らかに異なる問題を提示し、そして製造時及び使用時に異なる材料を必要とする。コンベンショナルなハロゲン化銀写真材料において1つの効果を有する添加剤は、化学物質が著しく込み入っているフォトサーモグラフィ材料中に内蔵されると、全く異なった挙動を示すことがある。コンベンショナルな写真材料中に安定剤、カブリ防止剤、スピード促進剤、超色増感剤、並びに分光増感剤及び化学増感剤のような添加剤を内蔵しても、このような添加剤がフォトサーモグラフィ材料において有益であるか又は有害であるかは予測できない。例えば、コンベンショナルな写真材料において有用な写真カブリ防止剤がフォトサーモグラフィ材料中に内蔵されると種々のタイプのカブリを引き起こすこと、又は、写真材料において効果的な超色増感剤が、フォトサーモグラフィ材料中では不活性であることは珍しいことではない。
フォトサーモグラフィ材料と写真材料とのこれらの違い及びその他の違いは、上述のImaging Processes and Materials, (Nebletteの第8版), Unconventional Imaging Processes, E. Brinckman他(編), The Focal Press, London and New York, 1978, 第74-75, Zou他, J. Imaging Sci. Technol. 1996, 40, 第94-103頁、及びM. R. V. Sahyun, J. Imaging Sci. Technol. 1998, 42, 23に記載されている。
上述のように、フォトサーモグラフィ材料及びサーモグラフィ材料双方の画像形成メカニズムにとって、非感光性の被還元性銀イオン源が極めて重要である。このことを目的として、カルボン酸銀塩(脂肪族及び芳香族の両方)、窒素含有複素環式化合物の銀塩、硫酸銀、及び、例えば米国特許第6,576,410号明細書(Zou他)に記載された、当業者に知られた多くのその他のものを含む種々の有機銀塩が有用である。
長年にわたって知られている水性フォトサーモグラフィ材料の場合、画像形成用成分及びバインダーは、主に水を含む溶剤中に配合され、そしてこれらの溶剤から塗布される。このような材料を構成する際には、種々の画像形成用成分が水、及びその他の水溶性又は水分散性の成分と適合可能であることが必要である。銀ベンゾトリアゾールが水溶性材料中に特に有用であることが判った。なぜならば、銀ベンゾトリアゾール結晶面が親水性であり、そして銀ベンゾトリアゾールが大抵の水溶性バインダーと適合性を有するからである。
銀ベンゾトリアゾールの結晶は熱現像可能な材料中で非感光性であり、そして熱現像プロセス後に最小濃度領域から除去されることはないので、有用な銀塩(例えば銀ベンゾトリアゾール)の粒子サイズは、光散乱が排除又は最小化されるように十分に小さくあるのがよい。所望の有機銀塩結晶はまた、周囲温度で良好な熱安定性を有するのがよいが、しかし、還元剤の存在において銀金属によって触媒されたときの高温時には、高い熱現像反応性を示すことがよい。
種々の刊行物において銀ベンゾトリアゾールが熱現像可能な材料中で有用であると記載されているが、そのミクロ結晶成長の詳細な説明はない。当業者は、結晶形態が定義されていない制御されない状態での銀ベンゾトリアゾール粒子の析出を記載しているに過ぎない。その結果として析出する粒子は通常、サイズが極めて大きく、また一般に、結果として生じる画像中に許容できない曇りを生成する。熱現像可能な画像形成層内の粒子サイズを商業的な有用性のために低減するために、追加の方法(例えば均質化又はミリング)が用いられている。
英国特許第1,173,426号明細書(Fuji)には、2溶剤混合物中の銀ベンゾトリアゾール塩析出法が記載されているが、しかし結晶形態は同定されていない。米国特許第4,704,345号明細書(Hirai他)には、ベンゾトリアゾール溶液中に硝酸銀溶液をシングルジェット導入することによって、ゼラチン水溶液中の銀ベンゾトリアゾールの調製が記載されている。正確な調製条件、及びその結果として生じる銀塩粒子サイズ又は形態は記載されていない。特開平2-34370号公報(Masukawa他)には、硝酸銀水溶液中にベンゾトリアゾールのメタノール溶液をシングルジェット導入することが記載されているが、その結果生じる銀ベンゾトリアゾール塩粒子の粒子サイズ及び形態は同定されていない。
当該有機銀塩を熱現像可能な材料中でより有用なものにし、且つ曇りが低減された画像を提供する望ましい粒子サイズ及び形態純度を有する有機銀塩、特に銀ベンゾトリアゾールが必要である。
本発明は、支持体を含み、そして親水性ポリマー・バインダー又は水分散性ポリマー・ラテックス・バインダー、及び反応するように組み合わされた:
a. 非感光性の被還元性銀イオン源、及び
b. 前記被還元性銀イオン源のための還元剤
を含む少なくとも1つの熱現像可能な画像形成層を有する熱現像可能な材料であって、
前記非感光性の被還元性銀イオン源が主にイミノ基を含有する窒素含有複素環式化合物の銀塩から成るロッド形粒子を含み、前記ロッド形粒子が少なくとも3:1の平均アスペクト比を有し、そして粒径幅指数が1.25以下である、
熱現像可能な材料を提供する。
加えて、本発明は、支持体を含み、そして親水性ポリマー・バインダー又は水分散性ポリマー・ラテックス・バインダー、及び反応するように組み合わされた:
a. 感光性ハロゲン化銀、
b. 非感光性の被還元性銀イオン源、及び
c. 前記被還元性銀イオン源のための還元剤
を含む少なくとも1つの熱現像可能な画像形成層を有する黒白フォトサーモグラフィ材料であって、
前記非感光性の被還元性銀イオン源は、1種又は2種以上の有機銀塩から成る粒子を含むが、但し前記粒子の数の70%以上がイミノ基を含有する窒素含有複素環式化合物の銀塩から成るロッド形粒子であり、
前記ロッド形粒子が少なくとも3:1の平均アスペクト比を有し、そして粒径幅指数が1.25以下である、
黒白フォトサーモグラフィ材料を提供する。
好ましい実施態様の場合、本発明は、支持体を含み、親水性ポリマー・バインダー又は水分散性ポリマー・ラテックス・バインダー、及び反応するように組み合わされた:
a) 感光性臭化銀、ヨード臭化銀、又はこれらの混合物、
b) ベンゾトリアゾール又はその誘導体の銀塩を含む非感光性の被還元性銀イオン源、及び
c) 前記非感光性の被還元性銀イオン源のための還元剤
を含む1つ又は2つ以上の熱現像可能な表側画像形成層を支持体の表側に有する黒白フォトサーモグラフィ材料であって、
前記材料が、該支持体の裏側に、前記熱現像可能な表側画像形成層と同じか又はこれとは異なる組成を有する1つ又は2つ以上の熱現像可能な裏側画像形成層を含み、そして、
d) 随意選択的に、前記支持体のいずれかの側又は両側の、前記1つ又は2つ以上の熱現像可能な画像形成層上に配置された最外保護層を含み、そして
ベンゾトリアゾール又はその誘導体の前記銀塩が、長さ0.1〜0.5 μm、直径0.1 μm未満、アスペクト比4〜7.5、及び粒径幅指数1.1〜1.2であるロッド形粒子を含む、
黒白フォトサーモグラフィ材料を提供する。
本発明はまた、
(A) 本発明のフォトサーモグラフィ材料に像様露光を施すことにより、潜像を形成し、
(B) 同時に又は続いて、露光済フォトサーモグラフィ材料を加熱することにより、潜像を現像して可視像にする
ことを含む、可視像形成方法を提供する。
本発明のサーモグラフィ材料は、任意の好適な熱画像形成手段によって、像様に現像することができる。
いくつかの実施態様の場合、熱現像可能な材料が透明な支持体を含み、画像形成法がさらに:
(C) 画像形成用輻射線源と、画像形成用輻射線に対して感受性を有する画像形成性材料との間に、可視像を有する露光され熱現像された材料を位置決めし、そして
(D) 画像形成性材料を、露光され熱現像された材料に含まれる可視像を通して画像形成用輻射線に暴露することにより、画像形成性材料において画像を提供する
ことを含む。
本発明の方法は好ましくは医療診断のために使用される。
本発明はまた、画像形成用集成体であって、1つ又は2つ以上の燐光増感スクリーンと組み合わされて配列された、本発明のフォトサーモグラフィ材料を含む画像形成用集成体を提供する。
加えて、本発明は、
イミノ基を含有する窒素含有複素環式化合物の銀塩から成る粒子の製造方法であって:
A) イミノ基を含有する窒素含有複素環式化合物の水溶液Aを調製し、
B) 硝酸銀の水溶液Bを調製し、そして
C) pH 7.5〜10の親水性ポリマー・バインダー又は水分散性ポリマー・ラテックス・バインダーの水性分散体を含有する反応容器に、前記水溶液A及びBを同時に添加する
ことを含み、
前記水溶液A及びBの前記同時の添加が、前記反応容器内の30〜75℃の一定の温度、一定のpH、及び-50 mV以上の一定のvAgを維持しつつ、最大240分間にわたって、それぞれ一定の流量A1及びB1で行われ、
これにより、前記反応容器内に、前記親水性ポリマー・バインダー又は前記水分散性ポリマー・ラテックス・バインダーと、イミノ基を含有する前記窒素含有複素環式化合物の銀塩から成るロッド形粒子との有機銀塩分散体を調製し、
前記粒子の平均アスペクト比が最小3:1であり、そして粒径幅指数が1.25以下であり、また、前記親水性ポリマー・バインダー又は前記水分散性ポリマー・ラテックス・バインダーが、前記有機銀塩分散体中に2〜10重量%の量で存在する、
粒子の製造方法を提供する。
好ましい実施態様の場合、銀ベンゾトリアゾールの銀塩の製造方法は:
A) ベンゾトリアゾールの水溶液Aを調製し、
B) 硝酸銀の水溶液Bを調製し、そして
C) pH 8〜9.5のゼラチン又はゼラチン誘導体の水性分散体を含有する反応容器に、前記水溶液A及びBを同時に添加し、
前記水溶液A及びBの前記同時の添加は、前記反応容器内の40〜60℃の一定の温度、一定のpH、及び0 mVを上回る一定のvAgを維持しつつ、最大60分間にわたって、それぞれ一定の流量A1及びB1で行われ、
D) 前記反応容器内の温度、pH、及びvAgを一定に維持しつつ、最大60分間にわたって、前記反応容器に溶液Bを添加する流量をB2まで高め、前記流量B2と前記流量B1との比は1.4:1〜1.8:1であり、そして
E) 前記反応容器内の温度、pH、及びvAgを一定に維持しつつ、最大60分間にわたって、前記反応容器に溶液Bを添加する流量を続いてB3まで高め、前記流量B3と前記流量B2との比は1.8:1〜2.2:1であり、
これにより、前記反応容器内に、前記ゼラチン又はゼラチン誘導体と、銀ベンゾトリアゾールのロッド形粒子との有機銀塩分散体を調製し、前記粒子の粒径幅指数が1.1〜1.2であり、平均アスペクト比が最小4:1〜7.5:1であり、そして直径が0.07 μm以下であり、また、前記ゼラチン又はゼラチン誘導体が、前記有機銀塩分散体中に2〜10重量%の量で存在する、
ことを含む。
本発明はさらに、親水性ポリマー・バインダー又は水分散性ポリマー・ラテックス・バインダーと、イミノ基を含有する窒素含有複素環式化合物の非感光性銀塩から成るロッド形粒子との有機銀塩分散体であって、粒子の平均アスペクト比が最小3:1であり、そして粒径幅指数が1.25以下であり、また、親水性ポリマー・バインダー又は水分散性ポリマー・ラテックス・バインダーが、有機銀塩分散体中に2〜10重量%の量で存在する、有機銀塩分散体を提供する。
本発明の好ましい実施態様の場合、イミノ基を含有する窒素含有複素環式化合物の非感光性銀塩が、平均アスペクト比最小3:1、粒径幅指数1.2、直径0.1 μm以下、及び長さ1 μm未満であるロッド形粒子の形態を成している。
本発明は、粒子サイズ及びアスペクト比によって定義される望ましい形態特性を有する有機銀塩、例えば銀ベンゾトリアゾールを調製する方法を提供する。我々は、本発明によって提供される有機銀塩(例えば銀ベンゾトリアゾール)のロッド形微粒子が、優れたセンシトメトリック特性をもたらすことを発見した。これらの粒子は、ダブルジェット手順を用いて、望ましい形態純度(アスペクト比)及び粒子サイズを有する状態で調製することができる。この手順の場合、pH及びvAgが水性分散体中で制御される。具体的には、vAgはこれらの結果をもたらすために、核生成中に-50 mV以上の値で制御される。
その結果として得られる有機銀塩粒子を使用することにより、高Dmax及び低いDminを有する画像を提供する高速熱現像可能な材料を提供することができる。これらの銀塩粒子の塗膜は、曇りを低減し、従って画像を鮮鋭にする。
本発明の熱現像可能な材料は、黒白又はカラーのフォトサーモグラフィ、並びに電子的に生成される黒白又はカラーのハードコピー記録に使用することができる。これらの材料は、マイクロフィルム用途、ラジオグラフィ画像形成(例えばデジタル医療用画像形成)、X線ラジオグラフィ、及び工業用ラジオグラフィにおいて使用することができる。さらに、これらの材料をグラフィックアート分野(例えばイメージセッティング、写真植字)、印刷版の製造、密着印画、複写(「デューピング」)及び校正に使用可能にするために、これらの材料の350〜450 nmの吸光度は低い(0.5未満)ことが望ましい。
本発明のフォトサーモグラフィ材料は、医療診断に使用するための可視光又はX線に応答して、ヒト又は動物の患者の医学的な画像を形成するのに特に有用である。このような用途の一例としては、胸部画像形成、マンモグラフィ用、歯科用画像形成、整形外科用画像形成、一般医療用ラジオグラフィ、治療用ラジオグラフィ、獣医用ラジオグラフィ、及びオートラジオグラフィが挙げられる。X線と一緒に使用される場合には、本発明のフォトサーモグラフィ材料は、1つ又は2つ以上の燐光増感スクリーンとの組み合わせ、又はフォトサーモグラフィ乳剤内に内蔵された燐光体との組み合わせ、又はこれらの組み合わせで使用することができる。
本発明のフォトサーモグラフィ材料を、任意の好適な波長の輻射線に対して感光させることができる。従っていくつかの実施態様の場合、これらの材料は、電磁スペクトルの紫外線、可視光、近赤外線、又は赤外線波長で感光する。これらの実施態様の場合、材料は、好ましくは100 nmを上回る輻射線に対して感受性を有する(例えば100〜750 nmに対する感度)。別の実施態様の場合、材料はX線に対して感光する。X線に対する感度は、燐光体の使用によって増大させることができる。
本発明のフォトサーモグラフィ材料は、可視光又はX線(例えばX線リソグラフィ及び工業用ラジオグラフィ)の非医療用途にも有用である。このような及びその他の画像形成用途において、フォトサーモグラフィ材料は「両側」型であることがしばしば望ましい。
本発明の熱現像可能な材料のいくつかの実施態様の場合、画像形成に必要な成分は、支持体の一方の側(「表側」)上の1つ又は2つ以上の画像形成層又は乳剤層内にあってよい。フォトサーモグラフィ材料のための感光性光触媒(例えば感光性ハロゲン化銀)又は非感光性の被還元性銀イオン源、又はその両方を含有する層を、本明細書においては乳剤層と呼ぶ。フォトサーモグラフィ材料の場合、光触媒と非感光性の被還元性銀イオン源とは、触媒的に近接した関係にあり、同じ乳剤層内にある。
材料が支持体の一方の側だけに画像形成層を含有する場合、材料の「裏側」(非乳剤側又は非画像形成側)上に、導電層、ハレーション防止層、保護層、及び静電防止層及び搬送可能化層を含む種々の非画像形成層を配置することもできる。
またこのような事例において、支持体の「表側」又は画像形成側又は乳剤側上には、保護トップコート層、プライマー層、中間層、不透明層、静電防止層、ハレーション防止層、アキュータンス層、補助層、及び当業者にとっては容易に明らかなその他の層を含む種々の非画像形成層を配置することもできる。
いくつかの用途の場合、熱現像可能な材料は「両側」型又は「デュプリタイズ」型であり、そして支持体の両側上に同じか又は異なる乳剤塗膜(又は熱現像可能な層)を有することが有用である。このような構造は支持体のいずれかの側又は両側に、1つ又は2つ以上の保護トップコート層、プライマー層、中間層、静電防止層、アキュータンス層、ハレーション防止層、補助層、導電層、クロスオーバー防止層、及び当業者にとっては容易に明らかなその他の層を含むこともできる。
本発明の材料が、像様露光後又は像様露光と同時にほとんど水のない状態で下記のように熱現像されると、銀画像(好ましくは黒白銀画像)が得られる。
定義
本明細書中に使用するように:
本発明の熱現像可能な材料の説明中、1つの成分とは、その成分の1種以上を意味する(例えば、有機銀塩類)。
本明細書中に使用される、ほとんど水のない状態における加熱とは、存在する周囲水蒸気をほとんど上回らない状態で50℃〜250℃の温度で加熱することを意味する。「ほとんど水のない状態」という用語は、反応系が空気中の水とほぼ平衡しており、反応を誘発又は促進するための水が、材料外部からことさら又は積極的に供給されることはないことを意味する。このような状態は、T. H. James, The Theory of the Photographic Process, 第4版, Eastman Kodak Company, Rochester, NY, 1977, 第374頁に記載されている。
「フォトサーモグラフィ材料」は、少なくとも1つのフォトサーモグラフィ乳剤層又はフォトサーモグラフィ乳剤層セット(この場合、感光性ハロゲン化銀及び被還元性銀イオン源は1つの層内にあり、その他の主要成分又は望ましい添加剤は、所望の通りに、同じ層又は隣接する塗膜層内に分配される)を含む構造を意味する。これらの材料はまた多層構造を含む。これらの多層構造において、1種又は2種以上の画像形成成分は異なる層内にあるが、しかし「反応するように組み合わされた関係」にある。例えば、1つの層が非感光性の被還元性銀イオン源を含むことができ、別の層が還元剤及び/又は感光性ハロゲン化銀を含むことができる。
「サーモグラフィ材料」は同様に構成することができるが、しかし意図的に非感光性である(従って感光性ハロゲン化銀は意図的に添加されない)。
フォトサーモグラフィにおいて使用される場合、「像様露光」という用語は、電磁線を用いて潜像を提供する任意の露光手段によって材料が画像形成されることを意味する。このことは、例えば感光性材料上への投影によって画像が形成されるアナログ露光によるもの、並びに、走査レーザー線の変調のような、一度に1画素ずつ画像が形成されるデジタル露光によるものを含む。
「像様露光」という用語は、サーモグラフィにおいて使用される場合、熱を使用して画像を提供する任意の手段によって、材料が画像形成されることを意味する。このことは、例えばサーマル・ブランケット又は赤外線源を使用して、マスクを通して示差接触加熱することにより画像が形成されるアナログ露光、並びに、例えば薄膜サーマル印刷ヘッドの変調によって又は走査レーザービームによる加熱によって、一度に1画素ずつ画像が形成されるデジタル露光を含む。
本発明のサーモグラフィ材料は「ダイレクト」サーモグラフィ材料であり、熱画像形成は、所要画像形成用化学物質全てを含有する単一のサーモグラフィ材料中で行われる。ダイレクト熱画像形成は、熱転写画像形成(例えば色素転写画像形成)として知られているもの、つまり画像が1つの材料(「供与体」)中で生成され、そして熱手段を用いて別の材料(「受理体」)に転写されるものとは区別することができる。
「触媒的に近接した関係」又は「反応するように組み合わされた関係」は、材料が同一層内又は隣接層内にあるので、これらの材料が熱画像形成中及び熱現像中に互いに容易に出会うようになっていることを意味する。
「乳剤層」、「画像形成層」、又は「フォトサーモグラフィ(又は「サーモグラフィ)乳剤層」は、感光性ハロゲン化銀(サーモグラフィ中には存在しない)及び/又は非感光性の被還元性銀イオン源を含有するフォトサーモグラフィ(又はサーモグラフィ)材料層を意味する。前記用語は、感光性ハロゲン化銀及び/又は非感光性の被還元性銀イオン源に加えて、付加的な主要成分及び/又は望ましい添加剤、例えば還元剤を含有する材料層を意味することもできる。これらの層は通常、支持体の「表側」として知られている面上に位置するが、しかし支持体の両側に位置することもできる。
加えて「表側」はまた一般に、画像形成用輻射線に最初に当てられる熱現像可能な材料の側を意味し、そして「裏側」は一般に、熱現像可能な材料の反対側を意味する。
「光触媒」とは、輻射線による露光の際に化合物を提供するハロゲン化銀のような感光性化合物を意味し、この感光性化合物により提供された化合物は、熱現像可能な材料の引き続き行われる現像のための触媒として作用することができる。
本明細書中に使用される材料の多くは溶液として提供される。「活性成分」という用語は、試料中に含有される所望の材料の量又はパーセンテージを意味する。本明細書中に挙げられた全ての量は、添加された活性成分の量である。
「紫外スペクトル領域」とは、410 nm以下、好ましくは100 nm〜410 nmのスペクトル領域を意味するが、これらの領域の一部はヒトの肉眼で見ることができる場合がある。より好ましくは紫外スペクトル領域は、190〜405 nmの領域である。
「可視スペクトル領域」とは、400 nm〜700 nmのスペクトル領域を意味する。
「短波長可視スペクトル領域」とは、400 nm〜450 nmのスペクトル領域を意味する。
「赤スペクトル領域」とは、600 nm〜700 nmのスペクトル領域を意味する。
「赤外スペクトル領域」とは、700 nm〜1400 nmのスペクトル領域を意味する。
「非感光性」とは、意図的には感光しないことを意味する。
「透明」とは、さほどの散乱又は吸収なしに可視光又は画像形成用輻射線を透過させることができることを意味する。
センシトメトリックな用語である「吸光度」は、光学濃度(OD)の別の用語である。
センシトメトリックな用語である「フォトスピード」、「スピード」又は「写真スピード」(感度としても知られる)、吸光度、コントラスト、Dmin及びDmaxは、画像形成分野の当業者に知られている従来通りの定義を有する。フォトサーモグラフィ材料の場合、Dminは本明細書中では、フォトサーモグラフィ材料が輻射線による露光を予め施されることなしに熱現像されるときに達成される画像濃度として考えられる。Dminは、基準マークの露光側上の8つの最低濃度値の平均である。サーモグラフィ材料の場合、Dminは本明細書中では、サーマル印刷ヘッドによって最小限に加熱された領域内の画像濃度と考えられる。
フォトサーモグラフィ材料の場合、Dmaxという用語は、フォトサーモグラフィ材料が特定の輻射線源及び所与量の輻射エネルギーに当てられ、次いで熱現像されたときに達成される最大画像濃度である。サーモグラフィ材料の場合、Dmaxという用語は、サーモグラフィ材料が所与量の熱エネルギーで熱画像形成されるときに達成される最大画像濃度である。
「濃度」、「光学濃度(OD)」、及び「画像濃度」は、センシトメトリックな用語である吸光度を意味する。
スピード-2は、Dminを1.00上回る濃度値に相当するLog1/E + 4であり、Eは露光(ergs/cm2)である。
スピード-3は、Dminを2.9上回る濃度値に相当するLog1/E + 4であり、Eは露光(ergs/cm2)である。
「画像形成差」は、DmaxとDminとの差(Dmax-Dmin)である。これは、最高濃度領域と未露光領域との間の現像後の濃度差である。
「幅指数」は、定義された範囲内の粒子サイズ分布の尺度である[T. Allen, Particle Size Measurement, 第I巻、Chapman & Hall, London, UK, 1997, p 54参照]。本明細書中に使用される幅指数は、考察下にある特徴的な粒子の寸法に対応する累積度数分布の第14、第50、及び第86パーセンタイルから決定され、下記式によって定義される。
Figure 2007532976
この式を使用すると、完全単分散粒子の乳剤は幅指数1を有することになる。
スピード2/Dminは、Dmin値の幅範囲を有する試料の相対スピードの尺度である。
本明細書中に使用される「有機銀配位子」という用語は、銀原子と一緒に結合を形成することができる有機分子を意味する。このように形成された化合物は技術的には銀配位化合物であるが、銀塩ともしばしば呼ばれる。
本明細書中に使用される化合物の場合、特に断りのない限りは、描かれた構造によって、特定の二重結合ジオメトリー(例えばcis又はtrans)が意図されることはない。同様に、単結合及び二重結合を交互に有し、そして電荷が局在化されている化合物において、これらの構造は形式として描かれる。実際に、電子及び電荷双方の非局在化が、共役鎖全体にわたって存在する。
当業者にはよく理解されているように、本明細書中に記載された化合物の場合、置換は許容されるだけではなくしばしば望ましく、そして特に断りのない限り、本発明において使用される化合物に関して、種々の置換基が予想される。従って、化合物が所与の式の「構造を有する」又は「誘導体」と称されるときには、当該置換が言語によって特定して排除されない限り、式の結合構造又はその構造内部の示された原子を変えない任意の置換が式内部に含まれる。
或る特定の置換基の論議及び列挙を簡単にする手段として、「基」という用語は、置換することができる化学種、並びにこのように置換されない化学種を意味する。このように、「アルキル基」という用語は、純粋な炭化水素アルキル鎖、例えばメチル、エチル、n-プロピル、t-ブチル、シクロヘキシル、イソ-オクチル、及びオクタデシルだけでなく、当業者に知られた置換基を担持するアルキル鎖、例えばヒドロキシ、アルコキシ、フェニル、ハロゲン原子(F、Cl、Br及びI)、シアノ、ニトロ、アミノ及びカルボキシをも含むものとする。例えば、アルキル基は、エーテル及びチオエーテル基(例えばCH3-CH2-CH2-O-CH2-及びCH3-CH2-CH2-S-CH2-)、ヒドロキシアルキル(例えば1,2-ジヒドロキシエチル)、ハロアルキル、ニトロアルキル、アルキルカルボキシ、カルボキシアルキル、カルボキサミド、スフホアルキル、及び当業者に容易に明らかな他の基を含む。他の活性成分と不都合に反応する置換基、例えば求電子性又は酸化性が極めて強い置換基はもちろん、不活性又は無害でないものとして当業者によって排除されることになる。
リサーチディスクロージャ(Research Disclosure)は、Kenneth Mason Publications Ltd, Dudley House, 12 North Street, Emsworth, Hampshire PO10 7DQ, Englandの刊行物である(Emsworth Design Inc., 147 West 24th Street, New York, NY 10011からも入手可能)。
本発明の他の観点、利点、及び利益が、本明細書中の詳細な説明、例及び特許請求の範囲から明らかである。
光触媒
本発明のフォトサーモグラフィ材料は、フォトサーモグラフィ乳剤層内に1種又は2種以上の光触媒を含む。有用な光触媒は典型的には感光性ハロゲン化銀、例えば臭化銀、ヨウ化銀、塩化銀、ブロモヨウ化銀、クロロブロモヨウ化銀、クロロ臭化銀、及び当業者には容易に明らかなその他のハロゲン化銀である。適切な比率でハロゲン化銀の混合物を使用することもできる。臭化銀及びブロモヨウ化銀がより好ましいハロゲン化銀であり、後者のハロゲン化銀は総ハロゲン化銀を基準として最大10モル%のヨウ化銀を有している。
いくつかの実施態様の場合、同時係属中の同一譲受人による米国特許出願第10/246,265号明細書(Maskasky及びScacciaによって2002年9月18日付けで出願された)に記載されているように、より多くの量のヨウ化物が、ヨウ化物の飽和限界まで感光性ハロゲン化銀粒子内に存在することができる。
本明細書において使用される感光性ハロゲン化銀粒子の形状(形態)は、制限される必要がない。ハロゲン化銀粒子は任意の晶癖、例えば立方体状、八面体状、四面体状、斜方晶系、菱形、十二面体状、その他の多面体状、平板状、薄層状、双晶状、又は小板状の形態を有してよく、また、結晶のエピタキシャル成長を有してよい。所望の場合には、これらの結晶の混合物を採用することができる。立方体状及び平板状の形態(又はその両方)を有するハロゲン化銀粒子が好ましい。より好ましくは、ハロゲン化銀粒子は、大部分(総ハロゲン化銀量を基準として50%以上)が平板状粒子として存在する。
ハロゲン化銀粒子は、全体にわたってハロゲン化物の均一な比を有していてよい。ハロゲン化銀粒子は、例えば臭化銀とヨウ化銀との比が連続的に変化する、段階的なハロゲン化物含量を有してよく、又はコア・シェル型であってもよい。このコア・シェル型のハロゲン化銀粒子は、1種又は2種以上のハロゲン化銀から成る不連続のコアと、1種又は2種以上の異なるハロゲン化銀から成る不連続のシェルとを有している。フォトサーモグラフィ材料に有用なコア・シェル型ハロゲン化銀粒子、及びこれらの材料の調製方法は、例えば米国特許第5,382,504号明細書(Shor他)に記載されている。イリジウム及び/又は銅でドープされたコア・シェル型及び非コア・シェル型粒子が、米国特許第5,434,043号明細書(Zou他)及び同第5,939,249号明細書(Zou)に記載されている。
いくつかの事例において、米国特許第6,413,710号明細書(Shor他)に記載されているように、ヒドロキシテトラアザインデン又は少なくとも1つのメルカプト基を含むN-複素環式化合物の存在において、感光性ハロゲン化銀粒子を調製することが、有用であり得る。
感光性ハロゲン化銀は、非感光性の被還元性銀イオン源と触媒的に近接した関係にある限り任意の様式で、乳剤層に添加する(又は乳剤層内部に形成する)ことができる。
ハロゲン化銀粒子がex-situプロセスによって予め形成され、調製され、次いで非感光性の被還元性銀イオン源に添加され、そしてこのイオン源と物理的に混合されることが好ましい。
ex-situで調製されたハロゲン化銀の存在において、被還元性銀イオン源を形成することも可能である。このようなプロセスにおいて、被還元性銀イオン源、例えばイミノ化合物の銀塩は、予め形成されたハロゲン化銀粒子の存在において形成される。ハロゲン化銀の存在において被還元性銀イオン源を共沈させると、2つの材料のより緊密な混合物が提供され[例えば米国特許第3,839,049号明細書(Simons)参照]、これにより「予め形成された乳剤」が提供される。
米国特許第3,457,075号明細書(Morgan他)に記載されているように、無機ハロゲン化物含有化合物又は有機ハロゲン含有化合物を有機銀塩に添加することにより、有機銀塩の銀をハロゲン化銀に部分的に変換するin-situプロセスを用いるのも効果的である。
これらのハロゲン化銀及び銀塩を調製する付加的な方法及びこれらをブレンドする様式が、リサーチディスクロージャ, 1978年6月, 第17029項、米国特許第3,700,458号明細書(Lindholm)及び同第4,076,539号明細書(Ikenoue他)、特開昭49-013224号公報(Fuji)、特開昭50-017216号公報(Fuji)、及び特開昭51-042529号公報(Fuji)に記載されている。
一般に、本発明において使用される非平板状ハロゲン化銀粒子の、最大数マイクロメートル(μm)の平均直径は変化することができ、そしてハロゲン化銀粒子の平均粒子サイズは通常0.01〜1.5 μmである(好ましくは0.03〜1.0 μmであり、より好ましくは0.05〜0.8 μmである)。感光性ハロゲン化銀粒子の平均サイズは、これらの粒子が球体の場合には平均直径によって表現され、これらの粒子が立体状、平板状又はその他の非球体形状の場合には、投影画像に対応する等価円の直径の平均によって表現される。代表的な粒子サイズ測定方法は、「Particle Size Analysis」, ASTM Symposium on Light Microscopy, R.P. Loveland, 1955, 第94-122頁、及びC. E. K. Mees 及びT. H. James, The Theory of the Photographic Process, 第3版, Macmillan, New York, 1966, 第2章に記載されている。
本発明の最も好ましい実施態様の場合、ハロゲン化銀粒子は主として(50モル%以上の銀を基準とする)平板状ハロゲン化銀粒子として提供され、これらの平板状ハロゲン化銀粒子は、「超薄型」と考えられ、0.02 μm以上、0.10 μm以下の平均厚を有している(好ましくは平均厚は、0.03 μm以上、より好ましくは0.04 μm以上であって、0.08 μm以下、より好ましくは0.07 μm以下である)。
加えて、これらの超薄型平板状粒子の等価円直径(ECD)は、0.5 μm以上である(好ましくは0.75 μm以上、より好ましくは1 μm以上である)。このECDは8 μm以下である(好ましくは6 μm以下、より好ましくは4 μm以下である)。
有用な平板状粒子のアスペクト比は最小5:1であり(好ましくは最小10:1、より好ましくは最小15:1である)、一般には50:1である。
超薄型平板状粒子の粒子サイズは、粒子サイズ測定分野において共通に採用される方法のいずれか、例えば上述の方法によって見極めることができる。
このような目的で知られているコンベンショナルな金属ドーパントの1種又は2種以上を使用して、超薄型平板状ハロゲン化銀粒子をドープすることもできる。これらの金属ドーパントの一例としては、リサーチディスクロージャ, 第38957項, 1996年9月及び米国特許第5,503,970号明細書(Olm他)に記載されているものが挙げられる。好ましいドーパントは、イリジウム(III又はIV)塩及びルテニウム(II又はIII)塩を含む。特に好ましいハロゲン化銀粒子は、イリジウム・ドープ型アゾール配位子を含有する超薄型平板状粒子である。このような平板状粒子及びこれらの製造方法は、同時係属中の同一譲受人による米国特許出願第10/826,708号明細書(Olm他によって2004年4月16日付け出願)、表題“Silver Halide Emulsion Containing Iridium Dopant”に記載されている。
本発明のフォトサーモグラフィ材料に使用される1種又は2種以上の感光性ハロゲン化銀は、好ましくは、非感光性の被還元性銀イオン源1モル当たり、0.005〜0.5モル(より好ましくは0.01〜0.25モル、最も好ましくは0.03〜0.15モル)の量で存在する。
化学増感剤
所望の場合には、本発明のフォトサーモグラフィ材料において使用される感光性ハロゲン化銀は、硫黄、テルリウム又はセレンを含有する任意の有用な化合物を使用して、化学増感することができ、或いは、金、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム又はイリジウムを含有する化合物、又はこれらの組み合わせ、還元剤、例えばハロゲン化錫、又はこれらのうちのいずれかの組み合わせを含んでよい。これらの材料の詳細は、例えば、T. H. James, The Theory of the Photographic Process, 第4版, Eastman Kodak Company, Rochester, NY, 1977, 第5章, 第149-169頁に記載されている。好適なコンベンショナルな化学増感処置及び化合物は、米国特許第1,623,499号明細書(Sheppard他)、同第2,399,083号明細書(Waller他)、同第3,297,447号明細書(McVeigh)、同第3,297,446号明細書(Dunn)、同第5,049,485号明細書(Deaton)、同第5,252,455号明細書(Deaton)、同第5,391,727号明細書(Deaton)、同第5,912,111号明細書(Lok他)、同第5,759,761号明細書(Lushington他)、同第6,296,998号明細書(Eikenberry他)、欧州特許出願公開第0 915 371号明細書(Lok他)、及び米国特許第5,691,127号明細書(Daubendiek他)にも記載されている。
米国特許第6,296,998号明細書(Eikenberry他)及び同第6,322,961号明細書(Lam他)、同第4,810,626号明細書(Burgmaier他)、及び同第6,368,779号明細書(Lynch他)に記載されたものを含む、或る特定の置換型及び/又は無置換型チオ尿素を、化学増感剤として使用することができる。
さらに別の有用な化学増感剤は、テルリウム及びセレン含有化合物を含む。これらの化合物は、米国特許第5,158,892号(Sasaki他)、同第5,238,807号(Sasaki他)、同第5,942,384号(Arai他)、及び同第6,620,577号(Lynch他)、及び同第6,699,647号(Lynch他)に記載されている。
本発明に使用するための貴金属増感剤は、金、白金、パラジウム及びイリジウムを含む。金(+1又は+3)増感が特に好ましく、米国特許第5,858,637号明細書(Eshelman他)及び同第5,759,761号明細書(Lushington他)に記載されている。金(III)化合物と、硫黄含有化合物又はテルリウム含有化合物との組み合わせが化学増感剤として有用であり、米国特許第6,423,481号明細書(Simpson他)に記載されている。
加えて、米国特許第5,891,615号明細書(Winslow他)の教示に従って、酸化性条件においてハロゲン化銀粒子上で硫黄含有化合物を酸化的分解することができる。このように使用することができる硫黄含有化合物の例は、硫黄含有分光増感色素を含む。
酸化された条件において分解することができる他の有用な硫黄含有化学増感化合物は、同時係属中の同一譲受人による米国特許出願第10/731,251号明細書(Simpson, Burleva, 及びSakizadehにより2003年12月9日付けで出願)により詳細に記載された構造(PS)によって表されるジフェニルホスフィンスルフィド化合物である。
化学増感剤は、一般にハロゲン化銀粒子の平均サイズに依存するコンベンショナルな量で、ハロゲン化銀乳剤を形成する際に使用することができる。一般に総量は、総銀1モル当たり10-10モル以上であり、そして好ましくは、10-8〜10-2モルである。上限は、使用される化合物、ハロゲン化銀のレベル、並びに平均粒子サイズ及び粒子形態に応じて変化することができる。
分光増感剤
本発明のフォトサーモグラフィ構成要件において使用される感光性ハロゲン化銀は、当該紫外線、可視光及び/又は赤外線に対するハロゲン化銀の感度を高めることが知られている種々の分光増感色素で分光増感することができる。採用可能な増感色素の一例としては、シアニン色素、メロシアニン色素、複合シアニン色素、複合メロシアニン色素、ホロポラー・シアニン色素、ヘミシアニン色素、スチリル色素及びヘミオキサノール色素が挙げられる。分光増感色素は、フォトサーモグラフィ乳剤の化学的な仕上げ時における任意の段階で添加することができるが、しかし一般には、化学増感が達成された後に添加される。
好適な増感色素は、例えば、米国特許第3,719,495号明細書(Lea)、同第4,396,712号明細書(Kinoshita他)、同第4,439,520号明細書(Kofron他)、同第4,690,883号明細書(Kubodera他)、同第4,840,882号明細書(Iwagaki他)、同第5,064,753号明細書(Kohno他)、同第5,281,515号明細書(Delprato他)、同第5,393,654号明細書(Burrows他)、同第5,441,866号明細書(Miller他)、同第5,508,162号明細書(Dankosh)、同第5,510,236号明細書(Dankosh)、同第5,541,054号明細書(Miller他)、特開2000-063690号公報(Tanaka他)、同2000-112054号公報(Fukusaka他)、同2000-273329号公報(Tanaka他)、同2001-005145号公報(Arai他)、同2001-064527号公報(Oshiyama他)、同2001-154305号公報(Kita他)、及びリサーチディスクロージャ、第308119項、セクションIV、1989年12月に記載されているものである。
分光増感色素の特定の組み合わせに関する教示はまた、米国特許第4,581,329号明細書(Sugimoto他)、同第4,582,786号明細書(Ikeda他)、同第4,609,621号明細書(Sugimoto他)、同第4,675,279号明細書(Shuto他)、同第4,678,741号明細書(Yamada他)、同第4,720,451号明細書(Shuto他)、同第4,818,675号明細書(Miyasaka他)、同第4,945,036号明細書(Arai他)、及び同第4,952,491号明細書(Nishikawa他)にも提供されている。
光又は熱の作用により色を失う分光増感色素も有用である。このような色素は、米国特許第4,524,128号明細書(Edwards他)、特開2001-109101号公報(Adachi)、同2001-154305号公報(Kita他)、及び同2001-183770号公報(Hanyu他)に記載されている。
色素は超色増感の目的で選択することにより、各色素を単独で使用することにより達成可能な感度の和よりも著しく高い感度を得ることも可能である。
添加される分光増感色素の適量は一般に、ハロゲン化銀1モル当たり、10-10〜10-1モルであり、好ましくは10-7〜10-2モルである。
非感光性の被還元性銀イオン源
本発明の熱現像可能な材料中に使用される非感光性の「主たる」被還元性銀イオン源は、イミノ基を含有する窒素含有複素環式化合物の1種又は2種以上の有機銀塩を含む。このような銀(I)塩は、光に対して比較的安定であり、そして、露光されたハロゲン化銀(フォトサーモグラフィ材料の場合)及び還元剤の存在において50℃以上に加熱されると、銀画像を形成する。これらの塩は、サーモグラフィ材料にも使用され、この場合塩は、熱画像形成時に直接に析出する。
代表的な主たる有機銀塩の一例としては、ベンゾトリアゾール及びこれらの置換型誘導体の銀塩(例えば、銀メチルベンゾトリアゾール及び銀5-クロロベンゾトリアゾール)、1,2,4-トリアゾール又は1-H-テトラゾール、例えば米国特許第4,220,709号明細書(deMauriac)に記載されているようなフェニルメルカプトテトラゾールの銀塩、及び、米国特許第4,260,677号明細書(Winslow他)に記載されているようなイミダゾール及びイミダゾール誘導体の銀塩が挙げられる。特に有用な主たる銀塩は、ベンゾトリアゾール、その置換型誘導体の銀塩、又はこれらの塩のうちの2種又は3種以上の混合物である。本発明の熱現像可能な材料中では、ベンゾトリアゾールの銀塩が最も好ましい。
上記の主たる有機銀塩は材料中の主要な銀塩であるが、副次的有機銀塩を、これが存在する場合には「少」量(有機銀塩の総モルを基準として40モル%未満)で使用することができる。
このような副次的有機銀塩は、メルカプト基又はチオン基、及びこれらの誘導体を含有する複素環式化合物の銀塩、例えば、米国特許第4,123,274号明細書(Knight他)及び同第3,785,830号明細書(Sullivan他)に記載されているような銀トリアゾール、銀オキサゾール、銀チアゾール、銀チアゾリン、銀イミダゾール、銀ジアゾール、銀ピリジン、及び銀トリアジンを含む。複素環式核を含有しないメルカプト置換型化合物又はチオン置換型化合物の他の有用な銀塩の例は、チオグリコール酸、ジチオカルボン酸、及びチオアミドの銀塩を含む。長鎖脂肪族又は芳香族カルボン酸の銀塩を含む有機酸の銀塩は副次的銀塩として含むこともできる。
副次的有機銀塩は、米国特許第6,355,408号明細書(Whitcomb他)(参考のため本明細書中に引用する)に記載されているようなコア・シェル型銀塩であってもよい。前記明細書の場合、コアは1種又は2種以上の銀塩を有し、シェルは1種又は2種以上の異なる銀塩を有する。他の有用な副次的有機銀塩は、米国特許第6,566,045号明細書(Whitcomb)に記載された2種の異なる銀塩を含む銀二量体化合物であってよい。
さらに別の有用な副次的銀塩は、1種又は2種以上の感光性ハロゲン化銀、又は1種又は2種以上の非感光性無機金属塩又は銀非含有有機塩を含む一次コアと、一次コアを少なくとも部分的に覆うシェルとを含む銀コア・シェル型化合物であって、シェルは1種又は2種以上の非感光性銀塩を含み、これらの銀塩のそれぞれは有機銀配位子を含む。このような化合物は、同時係属中の同一譲受人による米国特許出願公開第2004-0023164号明細書(Bokhonov他)に記載されている。
本発明において有用な主たる有機銀塩は、数多くの有用な特性を提供する望ましいロッド形態をこれらの銀塩に与えるために、独自の形式で調製される。具体的には、主たる有機銀塩は大部分(同じ銀塩の全ての粒子の数の50%以上、好ましくは数の70%以上)が、アスペクト比最小3:1であり、好ましくはアスペクト比3〜10(より好ましくは4〜7.5)であるロッド状粒子として提供される。
加えて、エマルジョン配合物中の主たる有機銀塩粒子の分布は、粒径幅指数1.25以下、好ましくは1.1〜1.2によって定義されるように、サイズが比較的均一である。
主たる有機銀塩粒子は一般に、直径0.1 μm以下であり、そして長さ1 μm未満である。好ましくは粒子は、直径0.03〜0.07であり、そして長さは0.1〜0.5 μmである。
こうして、最も好ましい主たる有機銀塩粒子は、アスペクト比4〜7.5、粒径幅指数1.1〜1.2、長さ0.1〜0.3 μm、及び直径0.04〜0.06 μmである銀ベンゾトリアゾール又はその誘導体(又はこのような銀塩の混合物)から成る。
1種又は2種以上の非感光性の被還元性銀イオン源(主及び副次双方の有機銀塩)は、乳剤層の総乾燥重量を基準として、好ましくは5重量%〜70重量%、そしてより好ましくは10重量%〜50重量%の量で存在する。或いは、被還元性銀イオンの総量は一般には、熱現像可能な乾燥材料の0.001〜0.2 モル/m2(好ましくは0.01〜0.05 モル/m2)の量で存在する。
本発明のフォトサーモグラフィ材料中の(全ての銀源からの)総銀量は、片側コート型材料の場合、一般に0.002モル/m2以上、好ましくは0.02〜0.05モル/m2である。両側コート型材料の場合、全ての源からの総銀量は二倍となる。本発明のサーモグラフィ材料中の銀量は、一般に0.01〜0.05モル/m2である。
本発明において使用される主たる有機銀塩は一般に、上述のロッド形態を有する粒子を提供する或る特定の条件及び手順を用いて調製される。こうして、これらの銀塩粒子の製造方法は、イミノ基を含有する窒素含有複素環式化合物の水溶液(溶液A)を先ず調製することにより、行われる。溶液Aは一般に、0.5〜5.0 モル/リットルの、イミノ基を含有する窒素含有複素環式化合物を含有し、そして1つ又は2つ以上の塩基(例えば水酸化物)を含有してpHを調節することもできる。銀と反応する有機銀配位子の混合物があってよいが、しかし上記複素環式化合物が、主要な有機銀配位子である。
1種又は2種以上の水溶性無機銀塩(例えば硝酸銀)の水溶液(溶液B)も調製される。
好適な反応容器を使用して、主たる銀塩を形成する。この容器内に、2〜10重量%の1種又は2種以上の親水性ポリマー・バインダー(下記参照)又は水分散性疎水性ポリマー・バインダー(ラテックス形態)の水溶液がある。この容器内の溶液のpHを7.5〜10(好ましくは8〜9.5)に調節するために、好適な塩基(例えば水酸化物)を含むことができる。
次いで、反応容器内の一定のpH(一般に7.5〜10及び好ましくは8〜9.5)、及び-50 mV以上の一定のvAgを維持しつつ、水溶液A及びBを反応容器に、最大240分間にわたって、それぞれ一定の流量A1及びB1で同時に添加する。-50 mVを上回るとは、-50 mVよりも正であることを意味する。vAgは好ましくは0 mV以上、より好ましくは+50 mV以上で維持される。総析出銀モルに対する流量A1は、一般に0.004〜0.04モル/分/モル Agの、1分当たりのイミノ基含有化合物であり、そして総析出Agモルに対する流量B1の比は、一般に0.004〜0.04モル Ag/分/モル Agである。望ましいアスペクト比及びサイズの粒子を日常的な試験で得るために、最適な流量を容易に決定することができる。反応容器の内容物は一般に、30〜75℃、好ましくは35〜55℃の一定の温度に保持される。
溶液A及びBのいずれか又は両方を、定常流量又は可変流量で反応容器内に導入することができる。例えば、反応容器内の一定の温度、pH、及びvAgを維持しつつ、最大60分間にわたって、溶液Bの添加流量を流量B2まで高めることができる。流量B2と流量B1との比は1.4:1〜1.8:1である。反応容器内の一定の温度、pH、及びvAgを維持しつつ、最大60分間にわたって、溶液Bの流量を流量B3まで高めることにより、溶液Bの流量をさらに変化させることもできる。流量B3と流量B2との比は1.8:1〜2.2:1である。
このように、反応容器に溶液A及びBを添加することにより、親水性ポリマー・バインダー又は水分散性ポリマー・ラテックス・バインダーと、所望の有機銀塩から成るロッド形粒子との銀塩分散体が生成される。1種又は2種以上のバインダーは一般に、好ましくは2〜10重量%の量で、銀塩分散体中に存在する。
代表的な調製条件及び手順を下記例1に示す。
還元剤
本発明の熱現像可能な材料は、銀(I)を金属銀に還元するための、当業者には明らかな1種又は2種以上の還元剤を含むことができる。好ましくは、このような還元剤はアスコルビン酸又はレダクトンである。
「アスコルビン酸」還元剤(現像剤又は現像主薬とも呼ばれる)とは、アスコルビン酸、その複合体及びその誘導体を意味する。アスコルビン酸還元剤は、写真プロセスにおいて相当数の刊行物、例えば米国特許第5,236,816号明細書(Purol他)及びこの明細書に引用された参考文献に記載されている。
有用なアスコルビン酸還元剤は、アスコルビン酸及びこれらの類似体、異性体、及び誘導体を含む。このような化合物の一例としては、米国特許第5,498,511号明細書(Yamashita他)、欧州特許出願公開第0 585 792号明細書(Passarella他)、同第0 573 700号明細書(Lingier他)、同第0 588 408号明細書(Hieronymus他)、米国特許第5,089,819号明細書(Knapp)、同第5,278,035号明細書(Knapp)、同第5,384,232号明細書(Bishop他)、同第5,376,510号明細書(Parker他)、特開平7-56286号公報(Toyoda)、米国特許第2,688,549号明細書(James他)、及びリサーチディスクロージャ、第37152項、1995年3月に記載されているような、D-又はL-アスコルビン酸、2,3-ジヒドロキシ-2-シクロヘキセン-1-オン、3,4-ジヒドロキシ-5-フェニル-2(5H)-フラノン、これらの糖型誘導体(例えばソルボアスコルビン酸、γ-ラクトアスコルビン酸、6-デソキシ-L-アスコルビン酸、L-ラムノアスコルビン酸、イミノ-6-デソキシ-L-アスコルビン酸、グルコアスコルビン酸、フコアスコルビン酸、グルコヘプトアスコルビン酸、マルトアスコルビン酸、L-アラボアスコルビン酸)、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸ナイアシンアミド、アスコルビン酸カリウム、イソアスコルビン酸(又はL-エリトロアスコルビン酸)、及びこれらの塩(例えばアルカリ金属、アンモニウム又は当業者に知られているその他のもの)、エンジオール型アスコルビン酸、エナミノール型アスコルビン酸、チオエノール型アスコルビン酸、及びエナミン-チオール型アスコルビン酸が挙げられる。所望の場合には、これらの現像主薬の混合物を使用することもできる。
「レダクトン」還元剤は、不飽和型のジ又はポリ・エノール有機化合物を意味する。この有機化合物は、不飽和型リンケージに関するエノールヒドロキシル基の配列によって、特徴的な強力な還元力を有する。親化合物「レダクトン」は3-ヒドロキシ-2-オキソ-プロピオンアルデヒド(エノール形)であり、そして構造HOCH=CH(OH)-CHOを有する。いくつかのレダクトンの場合、化合物の特徴的な還元挙動に影響を及ぼすことなしに、アミノ基、一置換型アミノ基又はイミノ基を、エノールヒドロキシル基のうちの1つ又は2つ以上と置換することができる。
米国特許第2,691,589号明細書(Henn他)、同第3,615,440号明細書(Bloom)、同第3,664,835号明細書(Youngquist他)、同第3,672,896号明細書(Gabrielson他)、同第3,690,872号明細書(Gabrielson他)、同第3,816,137号明細書(Gabrielson他)、同第4,371,603号明細書(Bartels-Keith他)、同第5,712,081号明細書(Andriesen他)、及び同第5,427,905号明細書(Freedman他)を含むかなりの数の刊行物に、レダクトン現像剤が記載されている。
レダクトン還元剤は:1,3-ジ-p-トリル-2,3-ジヒドロキシ-2-プロペン-1-オン、1,3-ジピリジル-2,3-ジヒドロキシ-2-プロペン-1-オン、1-フェニル-3-ピリジル-2,3-ジヒドロキシ-2-プロペン-1-オン、1,3-ジチエニル-2,3-ジヒドロキシ-2-プロペン-1-オン、1-フェニル-3-フリル-2,3-ジヒドロキシ-2-プロペン-1-オン、1,3-ジベンジル-2,3-ジヒドロキシ-2-プロペン-1-オン、1,3-ジブチル-2,3-ジヒドロキシ-2-プロペン-1-オン、1-プロピル-3-シクロヘキシル-2,3-ジヒドロキシ-2-プロペン-1-オン、1-プロピル-3-(o-メトキシ-フェニル)-2,3-ジヒドロキシ-2-プロペン-1-オン、1-(p-クロロピリジル)-3-(2-メトキシエチル)-2,3-ジヒドロキシ-2-プロペン-1-オン、4,5-ジメチル還元酸、4,4-ジメチル還元酸、4-メトキシ-還元酸、4,5-ジエチル-還元酸、4,5-ジ(クロロメチル)-還元酸、4-プロピル-還元酸、4,6-ジメチル-2,3-ジヒドロキシ-シクロヘキス-2-エン-1-オン、5,5-ジメチル-2,3-ジヒドロキシ-シクロヘキス-2-エン-1-オン、5-ブロモ-2,3-ジヒドロキシ-シクロヘキス-2-エン-1-オン、5-ブロモ-4,6-ジメチル-2,3-ジヒドロキシ-シクロヘキス-2-エン-1-オン、5-エチル-2,3-ジヒドロキシ-シクロヘキス-2-エン-1-オン、5,5-ジメトキシ-2,3-ジヒドロキシ-シクロヘキス-2-エン-1-オン、5-チオエチル-2,3-ジヒドロキシ-シクロヘキス-2-エン-1-オン、2,3-ジヒドロキシ-シクロヘプト-2-エン-1-オン、5-メチル-2,3-ジヒドロキシ-シクロヘプト-2-エン-1-オン、5-メチル-2,3-ジヒドロキシ-シクロヘプト-2-エン-1-オン、2,3-ジヒドロキシ-シクロブト-2-エン-1-オン、4-ブチル-2,3-ジヒドロキシ-シクロブト-2-エン-1-オン、及び4,4-ジメチル-2,3-ジヒドロキシ-シクロブト-2-エン-1-オンを含む。
いくつかの実施態様の場合、アスコルビン酸化合物又はレダクトン化合物は、構造(I)によって表され:
Figure 2007532976
上記式中、A、B及びDはそれぞれ独立してO又はNR7を表し、XはO、NR8、CR9R10、C=O、又はC=NR11を表し、YはO、NR'8、CR'9R'10、C=O、又はC=NR'11を表し、ZはO、NR''8、CR''9R''10、C=O、又はCNR''11を表し、そしてnは0又は1である。
さらに、上記構造(I)において、R7、R8、R9、R10及びR11、R'7、R'8、R'9、R'10及びR'11、並びに、R''7、R''8、R''9、R''10及びR''11はそれぞれ独立して、水素、アルキル基(好ましくは炭素原子数1〜18)、アラルキル基(好ましくは炭素原子数7〜15)、アルケニル基(好ましくは炭素原子数2〜5)、アルキニル基(好ましくは炭素原子数2〜5)、シクロアルキル又はシクロアルケニル基(好ましくは、環を形成する炭素原子数3〜7)、アリール基(好ましくは、1つ又は2つ以上の芳香族環を形成する炭素原子数6〜10)、又は芳香族又は非芳香族複素環式基(好ましくは、芳香族又は非芳香族環を形成する炭素、窒素、酸素、及び硫黄原子数5又は6)を表し、或いは、R9及びR10、R'9及びR'10、又はR''9及びR''10はさらに、飽和型又は不飽和型炭素環又は複素環を形成するために必要な原子数(好ましくは環内原子数5〜7)を表すことができ、XがCR9R10であり、そしてYはCR'9R'10である場合、R9及びR'9、及び/又は、R10及びR'10は、飽和型又は不飽和型炭素環又は複素環を形成するために必要な原子数(好ましくは環内原子数5〜7)を表すことができ、また、YがCR'9R'10であり、そしてZがCR''9R''10であり、そしてn=1である場合、R'9及びR''9、及び/又は、R'10及びR''10は、飽和型又は不飽和型炭素環又は複素環を形成するために必要な原子数(好ましくは環内原子数5〜7)を表すことができる。この段落において定義された上記基の全ては、当業者には容易に明らかとなる1つ又は2つ以上の置換基と置換することができる。やはり当業者に明らかとなるように、上記定義されたX、Y及びZのいくつかの組み合わせは、化学的に可能でない。従って化学的に可能であり、且つ本発明の実施において有用である好適なX、Y及びZ基を有する構造Iの化合物を、当業者ならば構成することができる。
好ましい1実施態様の場合、還元剤は、構造(Ia) によって表されたアスコルビン酸化合物又はレダクトン化合物であり:
Figure 2007532976
上記式中、XはO、NR8、又はCR9R10を表し、そしてZはCR''9R''10を表し、R9は水素であり、そしてR10は、炭素原子数1〜6の置換型又は無置換型アルキル基、又は置換型又は無置換型アリール基である。
より好ましい実施態様の場合、XはOであり、そしてZはCR''9R''10を表し、R9は水素であり、そしてR10は、炭素原子数1〜6の置換型又は無置換型アルキル基、又は置換型又は無置換型フェニル基である。
フォトサーモグラフィ材料における使用に際しては、特に被還元性銀イオン源として銀ベンゾトリアゾールが使用される場合に、アスコルビン酸還元剤が好ましい。このような実施態様において、アスコルビン酸、及び3,4-ジヒドロキシ-5-フェニル-2(5H)-フラノンが特に好ましい。
他の有用な還元剤は、同時係属中の同一譲受人による米国特許出願第10/764,704号明細書(Ramsden、Lynch、Skoug及びPhilipによって2004年1月26日付け出願)に記載されているアスコルビン酸化合物(又は誘導体)である。これらの還元剤は、下記構造(II) によって表すことができ:
Figure 2007532976
上記式中、R1及びR2は独立して水素、及び/又は、同じか又は異なるアシル基[R3-(C=O)-又はR3-L-(C=O)-]であり、但しR1及びR2は両方とも水素であることはないものとする。アシル基のそれぞれの炭素原子数は11以下であり、そして好ましくは各アシル基は分枝状であり、且つ/又は少なくとも1つの環を含有する。アシル基は、官能基、例えばエーテル、ハロゲン、エステル及びアミドと置換することができる。
アシル基のR3は、水素、又は炭素原子数10以下の置換型又は無置換型アルキル基(例えばメチル、エチル、iso-プロピル、t-ブチル、及びベンジル)、炭素環内炭素原子数6〜10の置換型又は無置換型アリール(例えばフェニル、4-メチルフェニル、4-メトキシフェニル、及びナフチル)、鎖内炭素原子数10以下の置換型又は無置換型アルケニル(例えばエテニル、ヘキセニル、及び1-メチルプロペニル)、又は複素環内窒素、酸素、硫黄及び炭素原子数5〜7の置換型又は無置換型複素環式基(例えばテトラヒドロフリル及びベンズチアゾイル)であってよい。Lはオキシ、チオ、又は-NR4-であってよく、R4はR3と同様に定義される。
R1及びR2のうちの少なくとも一方が、アシル基であり、そしてR1及びR2のうちの少なくとも他方が、好ましくは水素である。好ましくは、R3はtert-ブチルであり、R4は水素であり、そしてLは窒素である。
これらの化合物の混合物を、所望の場合にはいかなる特定の比率でも使用することができる。
構造IIの化合物は2つのキラル中心(*によって示す)を有する。従って4つの異性体が可能であり、構造IIの化合物は、D-又はL-アスコルビン酸から、又はD-又はL-イソアスコルビン酸から誘導することができる。
構造IIを有する化合物の代表例を下記表Iに示す。化合物I-1、I-2、及びI-9が好ましい。
Figure 2007532976
本発明のサーモグラフィ材料は、上述のものと同じか又は異なるタイプの還元剤を含んでよい。例えばサーモグラフィ材料において有用な還元剤はまた、芳香族ジ-及びトリ-ヒドロキシ化合物(例えばヒドロキノン、没食子酸及び没食子酸誘導体、カテコール及びピロガロール)、アミノフェノール、p-フェニレンジアミン、アルコキシナフトール、ピラゾリジン-3-オン型還元剤、ピラゾリン-5-オン、ポリヒドロキシスピロ-ビス-インダン、インダン-1,3-ジオン誘導体、ヒドロキシテトロン酸、ヒドロキシテトロンイミド、ヒドロキシルアミン誘導体、ヒドラジン誘導体、ヒンダード・フェノール、アミドキシム、アジン、レダクトン(例えばアスコルビン酸及びアスコルビン酸誘導体)、及び当業者に容易に明らかなその他の材料を含む。
他の有用な還元剤は、同じ芳香核上にortho又はparaの関係を成す2つ以上のヒドロキシ基を有する芳香族ジ-及びトリ-ヒドロキシ化合物、例えば、ヒドロキノン、及び置換型ヒドロキノン、カテコール、ピロガロール、没食子酸及び没食子酸エステル、及びタンニン酸である。
特に有用なカテコール・タイプの還元剤は、ortho-関係の2つ以下のベンゼン核を有し、そしてカテコール、3-(3,4-ジヒドロキシ-フェニル)-プロピオン酸、2,3-ジヒドロキシ-安息香酸、2,3-ジヒドロキシ-安息香酸エステル及びアミド、3,4-ジヒドロキシ-安息香酸、及び3,4-ジヒドロキシ-安息香酸エステル及びアミドを含む。他のカテコール・タイプの還元剤は、ベンゼン核が2及び3位置において2つ以下のヒドロキシ基によって置換されているベンゼン化合物であり、そして核の1位置に、カルボニル基によって核にリンクされた置換基を有する。このような化合物は例えば、米国特許第5,582,953号明細書(Uyttendaele他)に記載されている。
還元剤のさらに別のクラスは、米国特許第3,440,049号明細書(Moede)に記載され、及び米国特許第5,817,598号明細書(Defieuw他)に還元剤として記載されたポリヒドロキシスピロ-ビス-インダン化合物である。
所望の場合には、本明細書に記載された還元剤との組み合わせにおいて、共現像剤及びコントラスト促進剤を使用することができる。いくつかのフォトサーモグラフィ材料中に、特定の現像剤及び/又は共現像剤と一緒に、種々のコントラスト促進剤を使用することができる。有用なコントラスト促進剤の一例としては、ヒドロキシルアミン、アルカノールアミン、及び例えば米国特許第5,545,505号明細書(Simpson)に記載されているようなフタルアミド酸アンモニウム化合物、米国特許第5,545,507号明細書(Simpson他)に記載されているようなヒドロキサム酸化合物、例えば米国特許第5,558,983号明細書(Simpson他)に記載されているようなN-アシルヒドラジン化合物、米国特許第5,637,449号明細書(Harring他)に記載されているような水素原子供与体化合物が挙げられる。
本明細書中に記載された還元剤(又はその混合物)は一般に、乳剤層の1〜10 %(乾燥重量)として存在する。多層構造において、還元剤が乳剤層以外の層に添加される場合、還元剤は2〜15重量%という僅かに高い比率で存在することがより望ましい。共現像剤は一般に、乳剤層塗膜の0.001 %〜1.5 %(乾燥重量)の量で存在してよい。
他の添加物
本発明の熱現像可能な材料は、「トナー」として当業者に知られる1種又は2種以上の化合物を含むこともできる。トナーは、画像形成層に添加されると、現像済銀画像の色を、黄色がかった橙色から茶色がかった黒又は濃い藍色にシフトし、且つ/又は、熱現像をスピードアップするための現像促進剤として作用する化合物である。
トナーとして作用するか、又は還元剤と反応することによりトナーを提供する化合物は、これらが含まれる層の総乾燥重量を基準として、0.01重量%〜10重量%(好ましくは0.1重量%〜10重量%)の量で存在することができる。この量は、材料中の非感光性の被還元性銀源1モル当たり1 x 10-5〜1.0モルの範囲内にあるものとして定義することもできる。トナー化合物は、熱現像可能な層のうちの1つ又は2つ以上に、また隣接層、例えば保護オーバーコート又は下側の「キャリヤ」層内に内蔵されてよい。トナーは、熱現像可能な画像形成層が支持体の両側に存在する場合には、支持体の両側に配置することができる。
トナーとして有用な化合物は、例えば米国特許第3,080,254号明細書(Grant, Jr.)、同第3,847,612号明細書(Winslow)、同第4,123,282号明細書(Winslow)、同第4,082,901号明細書(Laridon他)、同第3,074,809号明細書(Owen)、同第3,446,648号明細書(Workman)、同第3,844,797号明細書(Willems他)、同第3,951,660号明細書(Hagemann他)、同第5,599,647号明細書(Defieuw他)、及び英国特許第1,439,478号明細書(AGFA)に記載されている。
特に有用なトナーは、米国特許第3,832,186号明細書(Masuda他)、同第6,165,704号明細書(Miyake他)、同第5,149,620号明細書(Simpson他)、及び同第6,713,240号明細書(Lynch他)、及び同時係属中の同一譲受人による米国特許出願公開第2004-0013984号明細書(Lynch他)に記載されているような置換型及び無置換型メルカプトトリアゾール、同時係属中の同一譲受人による米国特許出願第10/384,244号明細書(Lynch及びUlrichにより2003年3月7日付けで出願)に記載されているような複素環式ジスルフィド化合物、並びに、米国特許第6,703,191号明細書(Lynch他)に記載されているようなトリアジンチオン化合物である。
フタラジン及びフタラジン誘導体[例えば米国特許第6,146,822号明細書(Asanuma他)に記載されたもの]、並びに、米国特許第6,605,418号明細書(Ramsden他)に記載された、アクリル酸とフタラジンとの反応により調製された化合物を含むフタラジノン及びフタラジノン誘導体が有用なトナーである。
本発明のフォトサーモグラフィ材料は、その他の添加剤、例えば貯蔵寿命安定剤、カブリ防止剤、コントラスト促進剤、現像促進剤、アキュータンス色素、加工後安定剤又は安定剤前駆体、熱溶剤(メルトフォーマーとしても知られる)、湿潤剤、及び当業者には容易に明らかなその他の画像改質剤を含有することもできる。
フォトサーモグラフィ材料の特性(例えばコントラスト、Dmin、スピード又はカブリ)をさらに制御するために、式Ar-S-M1及びAr-S-S-Arの1種又は2種以上の複素環式芳香族メルカプト化合物又は複素環式芳香族ジスルフィド化合物を添加することが好ましいことがあり、上記式中、M1は水素原子又はアルカリ金属原子を表し、Arは、窒素原子、硫黄原子、酸素原子、セレン原子又はテルリウム原子のうちの1種又は2種以上を含有する複素環式芳香族環又は縮合複素環式芳香族環を表す。好ましくは、複素環式芳香族環は、ベンゾイミダゾール、ナフトイミダゾール、ベンゾチアゾール、ナフトチアゾール、ベンゾオキサゾール、ナフトキサゾール、ベンゾセレナゾール、ベンゾテルラゾール、イミダゾール、オキサゾール、ピラゾール、トリアゾール、チアゾール、チアジアゾール、テトラゾール、トリアジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、ピリジン、プリン、キノリン又はキナゾリノンを含む。有用な複素環式芳香族メルカプト化合物は、欧州特許第0 559 228号明細書(Philip Jr.他)に、超色増感剤として記載されている。
本発明のフォトサーモグラフィ材料は、さらに、カブリの生成に対して保護することができ、また、貯蔵中の感度損失に対して安定化させることができる。単独又は組み合わせで使用することができる他の好適なカブリ防止剤及び安定剤は、米国特許第2,131,038号明細書(Brooker他)及び同第2,694,716号明細書(Allen)に記載されているようなチアゾリウム塩、米国特許第2,886,437号明細書(Piper)に記載されているようなアザインデン、米国特許第2,444,605号明細書(Hembach他)に記載されているようなトリアザインドリジン、米国特許第3,287,135号明細書(Anderson他)に記載されているようなウラゾール、米国特許第3,235,652号明細書(Kennard他)に記載されているようなスルホカテコール、英国特許第623,448号明細書(Carrol他)に記載されているようなオキシム、米国特許第2,839,405号明細書(Jones)に記載されているような多価金属塩、米国特許第3,220,839号明細書(Herz)に記載されているようなチウロニウム塩、米国特許第5,594,143号明細書(Kirk他)及び同第5,374,514号明細書(Kirk他)に記載されているような-SO2CBr3基を有する化合物、及び米国特許第5,460,938号明細書(Kirk他)に記載されているような2-(トリブロモメチルスルホニル)キノリン化合物を含む。
フォトサーモグラフィ材料は、1種又は2種以上のポリハロカブリ防止剤を含んでもよい。このカブリ防止剤は、1種又は2種以上のポリハロ置換基、例えばジクロロ基、ジブロモ基、トリクロロ基及びトリブロモ基を含む。カブリ防止剤は、芳香族複素環式化合物及び炭素環式化合物を含む、脂肪族、脂環式又は芳香族化合物であってよい。このタイプの特に有用なカブリ防止剤は、ポリハロカブリ防止剤、例えば-SO2C(X')3基(この式中、X'は同じか又は異なるハロゲン原子を表す)を有するポリハロカブリ防止剤である。
別のクラスの有用なカブリ防止剤は、米国特許第6,514,678号明細書(Burgmaier他)に記載された化合物を含む。
有利には、本発明のフォトサーモグラフィ材料は、1種又は2種以上の熱溶剤(「ヒート溶剤」、「サーモソルベント」、「メルトフォーマー」、「メルト改質剤」、「共融フォーマー」、「現像改質剤」、「ワックス」又は「可塑剤」とも呼ばれる)をも含む。
本発明における「熱溶剤」という用語は、60℃を上回る温度で加熱すると、画像形成層のうちの少なくとも1層のための可塑剤又は液状溶剤になる有機材料を意味する。このような目的に有用なのは、平均分子量が1,500〜20,000のポリエチレングリコール、尿素、メチルスルホンアミド、エチレンカーボネート、及び、リサーチディスクロージャ, 1976年12月, 第15027項第26-28頁に熱溶剤として記載された化合物である。このような化合物のその他の代表例としては、ナイアシンアミド、ヒダントイン、5,5-ジメチルヒダントイン、サリチルアニリド、スクシニミド、フタルイミド、N-カリウム-フタルイミド、N-ヒドロキシフタルイミド、N-ヒドロキシ-1,8-ナフタルイミド、フタラジン、1-(2H)-フタラジノン、2-アセチルフタラジノン、ベンズアニリド、1,3-ジメチル尿素、1,3-ジエチル尿素、1,3-ジアリル尿素、meso-エリトリトール、D-ソルビトール、テトラヒドロ-2-ピリミドン、グリコウリル、2-イミダゾリドン、2-イミダゾリドン-4-カルボン酸及びベンゼンスルホンアミドが挙げられる。これらの化合物の組み合わせ、例えばスクシニミドと1,3-ジメチル尿素との組み合わせを用いることもできる。
フォトサーモグラフィ材料中に塩基放出剤又は塩基前駆体を含むことが有利であり得る。代表的な塩基放出剤又は塩基前駆体は、グアニジニウム化合物、例えばトリクロロ酢酸グアニジニウム、及び塩基を放出するがしかし写真ハロゲン化銀材料に不都合な影響を与えないことが知られているその他の化合物、例えば米国特許第4,123,274号明細書(Knight他)に記載されたフェニルスルホニルアセテートを含む。
燐光体
いくつかの実施態様において、米国特許第6,573,033号明細書(Simpson他)及び同第6,440,649号明細書(Simpson他)に記載されているように、本発明のフォトサーモグラフィ材料中に、X線に対して感光する燐光体を内蔵することも効果的である。
本発明の実施において、任意のコンベンショナル又は有用な貯蔵性燐光体又は刺激発光性燐光体を、単独で又は混合物として使用することができる。
本発明の実施において使用される1種又は2種以上の燐光体は、フォトサーモグラフィ材料中の総銀量1モル当たり0.1モル以上、好ましくは0.5〜20モルの量でフォトサーモグラフィ材料中に存在する。
バインダー
感光性ハロゲン化銀(存在する場合)、上記ロッド状有機銀塩、還元剤、カブリ防止剤、トナー、及び本発明において使用される任意のその他の添加剤は、好適な溶剤を使用して、1種又は2種以上のバインダーに添加され、バインダー中で塗布される。こうして、水性配合物を使用して、本発明のサーモグラフィ材料及びフォトサーモグラフィ材料を調製する。種々異なるタイプの親水性/疎水性バインダーの混合物を使用することもできる。好ましくは親水性ポリマー・バインダー、及び水分散性高分子ラテックスを使用することにより、本発明における水性材料を提供する。
有用な親水性バインダーの一例としては、タンパク質及びタンパク質誘導体、ゼラチン及びゼラチン誘導体(硬化又は未硬化)、セルロース系材料、アクリルアミド/メタクリルアミドポリマー、アクリル/メタクリルポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリ(ビニルラクタム)、スルホアルキルアクリレート又はメタクリレートのポリマー、加水分解ポリビニルアセテート、ポリアミド、多糖、及び、水性写真乳剤に使用するものとして周知のその他の自然発生型又は合成型ビヒクル[例えばリサーチディスクロージャ、第38957項(上述)参照]が挙げられる。
特に有用な親水性バインダーはゼラチン、ゼラチン誘導体、ポリビニルアルコール及びセルロース系材料である。ゼラチン及びゼラチン誘導体が最も好ましく、バインダー混合物を使用する場合には、ゼラチン及びゼラチン誘導体は総バインダー量の75重量%以上を占める。
水分散性ポリマー・ラテックスの水性分散体を単独で、又は本明細書中に記載された親水性又は疎水性バインダーと一緒に使用することもできる。このような分散体は例えば、米国特許第4,504,575号明細書(Lee)、同第6,083,680号明細書(Ito他)、同第6,100,022号明細書(Inoue他)、同第6,132,949号明細書(Fujita他)、同第6,132,950号明細書(Ishigaki他)、同第6,140,038号明細書(Ishizuka他)、同第6,150,084号明細書(Ito他)、同第6,312,885号明細書(Fujita他)、同第6,423,487号明細書(Naoi)に記載されている。
少量(総バインダー量を基準として50重量%未満)の疎水性バインダー(ラテックス形態ではない)を使用することもできる。典型的な疎水性バインダーの一例としては、ポリビニルアセタール、ポリビニルクロリド、ポリビニルアセテート、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、メタクリレートコポリマー、無水マレイン酸エステルコポリマー、ブタジエン-スチレンコポリマー、及び当業者に容易に明らかなその他の材料が挙げられる。ポリビニルアセタール(例えばポリビニルブチラール及びポリビニルホルマール)、セルロースエステルポリマー、及びビニルコポリマー(例えばポリビニルアセテート及びポリビニルクロリド)が好ましい。特に好適なバインダーは、Solutia, Inc (St. Louis, MO)からBUTVAR(商標)の名称で、またWacker Chemical Company(Adrian, MI)からPIOLOFORM(商標)の名称で入手可能なポリビニルブチラール樹脂、及びセルロースエステルポリマーである。
種々のバインダーのための硬化剤が所望の場合には存在してよい。有用な硬化剤がよく知られており、これらは例えば欧州特許第0 600 586号明細書(Philip, Jr他)に記載されているようなジイソシアネート化合物、米国特許第6,143,487号明細書(Philip, Jr他)及び欧州特許第0 640 589号明細書(Gathmann他)に記載されているようなビニルスルホン化合物、米国特許第6,190,822号明細書(Dickerson他)に記載されているようなアルデヒド及び種々の他の硬化剤を含む。
フォトサーモグラフィ材料の比率及び活性が特定の現像時間及び温度を必要とする場合、バインダーはこれらの条件に耐えることが可能であるべきである。一般に、バインダーは60秒間にわたって120℃でその構造完全性を分解又は損失しないことが好ましい。バインダーは60秒間にわたって177℃でその構造完全性を分解又は損失しないことがより好ましい。
バインダーは、バインダー中に分散された成分を担持するのに十分な量で使用される。好ましくはバインダーは、バインダーが含まれる層の総乾燥重量を基準として、10重量%〜90重量%のレベル、より好ましくは20重量%〜70重量%のレベルで使用される。両側型材料における支持体の互いに対向する側のバインダーの量は同じでも異なっていてもよい。
支持体材料
本発明の熱現像可能な材料は高分子支持体を含む。この高分子支持体は、好ましくはフレキシブルな透明フィルムである。このフィルムは任意の所望の厚さを有しており、1種又は2種以上の高分子材料から成っている。支持体は、熱現像中に寸法安定性を示すこと、また、上側の層との好適な接着特性を有することが必要とされる。このような支持体を形成するための有用な高分子材料の一例としては、ポリエステル、セルロースアセテート及びその他のセルロースエステル、ポリビニルアセタール、ポリオレフィン、ポリカーボネート、及びポリスチレンが挙げられる。好ましい支持体は、良好な熱安定性を有するポリマー、例えばポリエステル及びポリカーボネートから成っている。ポリエチレンテレフタレート・フィルムが特に好ましい支持体である。支持体材料を処理又はアニールすることにより、収縮を低減し、そして寸法安定性を促進することもできる。
米国特許第5,795,708号明細書(Boutet)に記載されているような二色性ミラー層を含む支持体を使用することも有用である。
2種以上の異なる高分子材料から成る多数の交互の層を含む透明多層高分子支持体も、有用である。このような材料は好ましくは、フォトサーモグラフィ材料が感光する波長範囲内の化学線の50%以上を反射させる。このような高分子支持体は米国特許第6,630,283号明細書(Simpson他)に記載されている。
支持体材料は、所望の場合には、種々の着色剤、顔料、ハレーション防止色素又はアキュータンス色素を含有することができる。例えば、青みがかった支持体は、医療診断に有用な画像を提供するのに特に有利である。コンベンショナルな処置(例えばコロナ放電)によって支持体材料を処理することにより、上側の層の接着力を改善することができ、或いは、下塗り層又はその他の接着促進層を使用することができる。
フォトサーモグラフィ配合物
水又は水-有機溶剤混合物中の親水性ポリマー・バインダー(例えばゼラチン、ゼラチン誘導体、又はセルロース系材料)又はラテックス形態の水分散性ポリマーを含有する配合物中で、乳剤成分を調製することにより、水性塗膜用配合物を提供する。
本発明の材料は、可塑剤及び滑剤、例えば米国特許第2,960,404号明細書(Milton他)に記載されているようなポリ(アルコール)及びジオール、米国特許第2,588,765号明細書(Robijin他)及び同第3,121,060号明細書(Duane)に記載されているような脂肪酸又はエステル、及び英国特許第955,061号明細書(DuPont)に記載されているようなシリコーン樹脂を含有することができる。これらの材料は、米国特許第2,992,101号明細書(Jelley他)及び同第2,701,245号明細書(Lynn)に記載されているような無機又は有機艶消し剤を含有することもできる。高分子フッ素処理界面活性剤も、米国特許第5,468,603号明細書(Kub)に記載されているような1つ又は2つ以上の層内で有用であり得る。
米国特許第6,436,616号(Geisler他)には、「木目(woodgrain)」効果として知られるもの、又は不均一な光学濃度を低減するための種々のフォトサーモグラフィ材料改質手段が記載されている。
本発明の材料は、支持体のいずれかの側又は両側で、層のうちのいずれかに1種又は2種以上の静電防止剤を含むことができる。導電性成分の一例としては、可溶性塩、蒸着金属層、又は米国特許第2,861,056号明細書(Minsk)及び同第3,206,312号明細書(Sterman他)に記載されているようなイオン性ポリマー、米国特許第3,428,451号明細書(Trevoy)に記載されているような不溶性無機塩、米国特許第5,310,640号明細書(Markin他)に記載されているような導電性下層、米国特許第5,368,995号明細書(Christian他)に記載されているような電子伝導性金属アンチモン酸塩粒子、及び欧州特許出願公開第0 678 776号明細書(Melpolder他)に記載されているような高分子バインダー中に分散された導電性金属含有粒子が挙げられる。特に有用な導電性粒子は、米国特許第6,689,546号明細書(LaBelle他)に記載されているような、非針状金属アンチモン酸塩粒子である。
さらに他の導電性組成物は、1種又は2種以上のフルオロ化学物質を含む。これらのそれぞれは、米国特許第6,699,648号明細書(Sakizadeh他)に記載されているように、Rf-CH2CH2-SO3Hとアミンとの反応生成物であり、Rfは4つ又は5つ以上の完全フッ素化された炭素原子を含む。
付加的な導電性組成物は、同時係属中の同一譲受人による米国特許出願第10/265,058号明細書(Sakizadeh, LaBelle及びBhaveによって2002年10月4日付けで出願)により詳細に記載された1種又は2種以上のフルオロ化学物質を含む。
両側型熱現像可能材料の場合、支持体の各側が、同じか又は異なる画像形成層、中間層、及び保護トップコート層のうちの1つ又は2つ以上を含むことができる。このような材料の場合、好ましくは支持体の両側に、最も外側の層としてトップコートが存在する。互いに対向する側に位置する熱現像可能な層は、同じか又は異なる構造を有することができ、そして同じか又は異なる保護層でオーバーコートすることができる。有機銀塩は、支持体の互いに対向する側で同じであっても異なっていてもよい。
支持体の両側に熱現像可能な層が配置されたフォトサーモグラフィ材料は、しばしば「クロスオーバー」を被る。クロスオーバーは、フォトサーモグラフィ材料の一方の側を画像形成するのに使用される輻射線が、支持体を透過され、支持体の対向側にフォトサーモグラフィ層を画像形成する場合に生じる。クロスオーバーの低減には種々の方法が利用可能であり、これらの方法は、「クロスオーバー防止」色素の使用を含む。
米国特許第5,891,610号明細書(Bauer他)、同第5,804,365号明細書(Bauer他)、及び同第4,741,992号明細書(Przezdziecki)に記載されているような、層間の接着を促進するための層も知られている。例えば米国特許第5,928,857号明細書(Geisler他)に記載されているように、特定の高分子接着材料を使用して、接着力を高めることもできる。
フィルムからの放射を低減するための層が存在してもよい。これらの層は、米国特許第6,352,819号明細書(Kenney他)、同第6,352,820号明細書(Bauer他)、及び同第6,420,102号明細書(Bauer他)、及び同第6,667,148号明細書(Rao他)、及び米国特許出願第10/351,814号明細書(Huntによって2003年1月27日付けで出願)に記載された高分子バリヤ層を含む。
本明細書中に記載された配合物(熱現像可能な配合物を含む)は、巻線ロッド・コーティング、浸漬コーティング、エアナイフ・コーティング、カーテン・コーティング、スライド・コーティング、又は、米国特許第2,681,294号明細書(Beguin)に記載されたタイプのホッパーを使用する押出コーティングを含む種々のコーティング処置によって、塗布することができる。層は一度に1つずつ塗布することができ、或いは、例えば米国特許第2,761,791号明細書(Russell)、同第4,001,024号明細書(Dittman他)、同第4,569,863号明細書(Keopke他)、同第5,340,613号明細書(Hanzalik他)、同第5,405,740号明細書(LaBelle他)、同第5,415,993号明細書(Hanzalik他)、同第5,525,376号明細書(Leonard他)、同第5,733,608号明細書(Kessel他)、同第5,849,363号明細書(Yapel他)、同第5,843,530号明細書(Jerry他)、同第5,861,195号明細書(Bhave他)、及び英国特許第837,095号(Ilford)に記載されているような処置によって同時に2つ又は3つ以上の層を塗布することができる。乳剤層のための典型的な塗膜・ギャップは、10〜750 μmであってよく、そして層は、温度20℃〜100℃の強制空気中で乾燥させることができる。層の厚さは、MacBeth Color Densitometer Model TD 504によって測定して、0.2を上回る、そしてより好ましくは0.5〜5.0又はそれ以上の最大画像濃度を提供するように選択されることが好ましい。
乳剤配合物を支持体に塗布するのと同時に、又は塗布した後、乳剤配合物上に保護オーバーコート配合物を塗布することができる。
好ましくは、スライド・コーティング技術を用いてフィルム支持体に2つ又は3つ以上の層配合物が塗布される。第1の層は、第2の層がまだ湿っている間に、第2の層の上側に塗布される。
他の実施態様において、米国特許第6,355,405号明細書(Ludemann他)に記載されているように、上述の2種又は3種以上のポリマーの単一相混合物を含む「キャリヤ」層配合物を、支持体上に直接的に塗布し、そしてこれにより、乳剤層の下側に配置することができる。キャリヤ層配合物は、乳剤層配合物の塗布と同時に、塗布することができる。
例えば米国特許第5,532,121号明細書(Yonkoski他)に記載されているようなフッ素処理ポリマーを内蔵することにより、又は例えば米国特許第5,621,983号明細書(Ludemann他)に記載されているような特定の乾燥技術を用いることにより、材料内で斑点及びその他の表面異常を低減することができる。
第1の層及び第2の層はフィルム支持体の一方の側に塗布することができるが、製造法は、前記高分子支持体の対向側又は裏側に、1つ又は2つ以上の付加的な層、例えば導電層、ハレーション防止層、又は艶消し剤(例えばシリカ)を含有する層、又はこのような層の組み合わせを形成することを含むこともできる。或いは、1つの裏側層が所望の機能の全てを発揮することもできる。
画像鮮鋭度を促進するために、本発明のフォトサーモグラフィ材料は、アキュータンス色素及び/又はハレーション防止色素を含有する1つ又は2つ以上の層を含有することができる。これらの色素は、露光波長に近い吸光度を有するように選ばれ、散乱光を吸収するように構成される。1つ又は2つ以上のハレーション防止裏層、ハレーション防止下層中に、又はハレーション防止オーバーコートとして、1種又は2種以上のハレーション防止組成物を内蔵することができる。
ハレーション防止色素及びアキュータンス色素として有用な色素は、米国特許第5,380,635号明細書(Gomez他)、同第6,063,560号明細書(Suzuki他)、及び欧州特許出願公開第1 083 459号明細書(Kimura)に記載されているスクアレイン色素、欧州特許出願公開第0 342 810号明細書(Leichter)に記載されたインドレニン色素、及び米国特許出願公開第2003-0162134号明細書(Hunt他)に記載されたシアニン色素を含む。
例えば米国特許第5,135,842号明細書(Kitchin他)、同第5,266,452号明細書(Kitchin他)、同第5,314,795号明細書(Helland他)、同第6,306,566号明細書(Sakurada他)、特開2001-142175号公報(Hanyu他)、及び同2001-183770号公報(Hanyu他)に記載されているように、処理中に熱で色を失うか又は白くなることになるアキュータンス色素又はハレーション防止色素を含む組成物を採用することも有用である。特開平11-302550号公報(Fujiwara)、特開2001-109101号公報(Adachi)、特開2001-51371号公報(Yabuki他)、及び特開2000-029168号公報(Noro)に記載された漂白組成物も有用である。
他の有用な熱漂白可能な裏側ハレーション防止組成物は、ヘキサアリールビイミダゾール(「HABI」としても知られる)との組み合わせで使用される赤外線吸収化合物、例えばオキソノール色素又はその他の化合物、又はこれらの混合物を含むことができる。HABI化合物は、例えば米国特許第4,196,002号明細書(Levinson他)、同第5,652,091号明細書(Perry他)及び同第5,672,562号明細書(Perry他)に記載されている。このような熱漂白可能な組成物の例は、例えば米国特許第6,455,210号明細書(Irving他)、同第6,514,677号明細書(Ramsden他)及び同第6,558,880号明細書(Goswami他)に記載されている。
実際の使用条件下では、これらの組成物は、90℃以上の温度で0.5秒以上にわたって(好ましくは、100℃〜200℃の温度で5〜20秒間にわたって)、漂白を可能にするように加熱される。
いくつかの実施態様の場合、本発明の熱現像可能な材料は、支持体の一方又は両方の側で、1つ又は2つ以上の画像形成層上に表面保護層を含む。他の実施態様の場合、材料は、1つ又は2つ以上の乳剤層と同じ支持体の側に、表面保護層を含み、そしてハレーション防止組成物及び/又は導電性静電防止組成物を含む層を裏側に含む。これらの実施態様には、別個の裏側表面保護層を含むこともできる。
画像形成/現像
本発明のフォトサーモグラフィ材料は、任意の好適な画像形成用源(典型的には、何らかのタイプの輻射線又は電子信号)を使用して、材料のタイプと呼応した任意の好適な形式で画像形成することができる。いくつかの実施態様の場合、材料は、適切な分光増感色素の使用により、100 nm以上〜1400 nm、好ましくは100 nm〜700 nmの範囲の輻射線に対して感受性を有する。
本発明のフォトサーモグラフィ材料に、材料が感光する好適な輻射線源、例えば紫外線、可視光、近赤外線及び赤外線による露光を施すことにより潜像を提供することによって、画像形成を達成することができる。好適な露光手段がよく知られており、白熱灯又は蛍光灯、キセノン・フラッシュランプ、レーザー、レーザーダイオード、発光ダイオード、赤外線レーザー、赤外線レーザーダイオード、赤外線発光ダイオード、赤外線ランプ、又はリサーチディスクロージャ、第38957項(上記)に記載されているような、当業者には容易に明らかな任意の他の紫外線、可視光、又は赤外線源を含む。
いくつかの実施態様の場合、フォトサーモグラフィ材料は、X線画像形成用源、及びフォトサーモグラフィ材料に隣接した1つ又は2つ以上の刺激発光性又は貯蔵性のX線感光性燐光スクリーンを使用して画像形成することができる。燐光体は、フォトサーモグラフィ材料を露光するのに適した輻射線を放出する。
他の実施態様の場合、フォトサーモグラフィ材料は、X線画像形成用源を直接に使用して画像形成することにより、潜像を提供することができる。
熱現像条件は、使用される構造に応じて変化することになるが、しかし典型的には、好適に高められた温度、例えば50℃〜250℃(好ましくは80℃〜200℃、より好ましくは100℃〜200℃)で、十分な時間、一般には1〜120秒間にわたってフォトサーモグラフィ材料を加熱することを伴う。加熱は任意の好適な加熱手段を使用して達成することができる。フォトサーモグラフィ材料のための好ましい熱現像処置は、130℃〜165℃で3〜25秒間にわたって加熱することを含む。
本発明のサーモグラフィ材料の画像形成は、熱エネルギーの好適な画像形成用源、例えばサーマル印刷ヘッドを使用して行われる。
フォトマスクとしての使用
いくつかの実施態様の場合、本発明のフォトサーモグラフィ及びサーモグラフィ材料は、画像形成されていない領域において350〜450 nmの範囲で十分に透過性を有するので、紫外線又は短波長可視光に対して感光する画像形成性媒体を引き続き露光する方法においてこれらの材料を使用することが可能である。熱現像済材料は、可視像がある領域では、紫外線又は短波長可視光を吸収し、そして可視像がない領域では、紫外線又は短波長可視光を透過させる。熱現像済材料を次いでマスクとして使用し、画像形成用輻射線源(例えば紫外線又は短波長可視光エネルギー源)と、このような画像形成用輻射線に対して感受性を有する画像形成性材料、例えばフォトポリマー、ジアゾ材料、フォトレジスト、又は感光性印刷版との間に配置することができる。
画像形成用集成体
好ましい実施態様の場合、本発明のフォトサーモグラフィ材料は、「画像形成用集成体」として知られているものにおいて、1つ又は2つ以上の燐光増感スクリーン及び/又は金属スクリーンと組み合わされて使用される。両側型X線感光性フォトサーモグラフィ材料は、好ましくは、2つの隣接する増感スクリーンと組み合わされて使用される。この場合一方のスクリーンは材料の「表側」にあり、他方のスクリーンは材料の「裏側」にある。表側及び裏側のスクリーンは、所望の発光タイプ、所望の透光性、乳剤スピード及びクロスオーバー率%に応じて、適切に選ぶことができる。フォトサーモグラフィ材料、及び1つ又は2つ以上の燐光増感スクリーンを好適なホルダー(カセットとしても知られる)内に配列させ、そして、これらを搬送用途及び画像形成用途のために適切にパッケージングすることにより、画像形成用集成体を調製することができる。
何百件もの刊行物に記載されているように、燐光増感スクリーン内に配合することができる、当業者に知られた種々様々な燐光体がある。米国特許第6,573,033号明細書(上記)には、このような形式で使用することができる燐光体が記載されている。
下記例は、本発明の実施を例示するために記載するものであって、本発明がこれにより限定されるものではない。
例のための材料及び方法:
下記例に使用される全ての材料は、他に特定しない限りは標準的な商業的供給元、例えばAldrich Chemical Co. (Milwaukee WI)から容易に入手可能である。全てのパーセンテージは、特に示さない限りは重量で示す。
BZTはベンゾトリアゾールである。AgBZTは銀ベンゾトリアゾールである。
濃度測定は、X-Rite Inc.(Grandville, MI)から入手可能なX-Rite(商標)Model 301濃度計上で行った。
化合物A-1は、米国特許第6,605,418号明細書(上記)に記載されており、下記構造を有すると考えられる。
Figure 2007532976
化合物SS-1aは、米国特許第6,296,998号明細書(Eikenberry他)に記載されており、下記構造を有すると考えられる。
Figure 2007532976
青増感色素SSD-1は、下記構造を有すると考えられる。
Figure 2007532976
化合物T-1は、2,4-ジヒドロ-4-(フェニルメチル)-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオンのナトリウム塩であり、下記構造を有すると考えられる(これはチオン互変異性体のナトリウム塩として存在してもよい)。
Figure 2007532976
ビスビニルスルホニルメタン(VS-1)は、1,1'(メチレンビス(スルホニル))-ビス-エテンであり、下記構造を有すると考えられる。
Figure 2007532976
平板状粒子ハロゲン化銀乳剤の調製
4.21 gの石灰処理骨ゼラチン、4.63 gの臭化ナトリウム、37.65 mgのヨウ化カリウム、消泡剤、及び1.25 mlの0.1モル硫酸を含有する水6リットルを、撹拌器を備えた反応容器に装入した。次いで溶液を5分間にわたって39℃で保持した。5.96 mlの2.5378モル硝酸銀と、5.96 mlの2.5モル臭化ナトリウムとを、4秒間にわたって同時に添加した。核生成に続いて、次亜塩素酸ナトリウムの4.69%溶液0.745 mlを添加した。温度を9分間にわたって54℃に上昇させた。5分間の保持後、54℃の付加的な消泡剤を含有する水1.412 リットル中の酸化メチオニン石灰処理骨ゼラチン100 gを、次いで反応器に添加した。反応器温度を7分間にわたって保持し、その後チオシアン酸ナトリウム2.103 gを含有する5モル塩化ナトリウム106 mlを添加した。反応を1分間にわたって続けた。
次の38分間の間、第1の成長段が行われ、0.6モル硝酸銀、0.6モル臭化ナトリウムの溶液、及びヨウ化銀の0.29モル懸濁液(Lippmann)を添加することにより、公称均一ヨウ化物レベル4.2モル%を維持した。この成長セグメント中の流量を9から42 ml/分へ(硝酸銀)、そして0.8から3.7 ml/分へ(ヨウ化銀)高めた。臭化ナトリウムの流量を必要に応じて変動させておくことにより、一定のpBrを維持した。この成長セグメントの終わりに、78.8 mlの3.0モル臭化ナトリウムを添加し、そして3.6分間にわたって保持した。
次の75分間の間、第2の成長段が行われ、3.5モル硝酸銀及び4.0モル臭化ナトリウムの溶液、及びヨウ化銀の0.29モル懸濁液(Lippmann)を添加することにより、公称均一ヨウ化物レベル4.2モル%を維持した。この成長セグメント中の流量を8.6から30 ml/分へ(硝酸銀)、そして4.5から15.6 ml/分へ(ヨウ化銀)高めた。臭化ナトリウムの流量を必要に応じて変動させておくことにより、一定のpBrを維持した。
次の15.8分間の間、第3の成長段が行われ、3.5モル硝酸銀、4.0モル臭化ナトリウムの溶液、及びヨウ化銀の0.29モル懸濁液(Lippmann)を添加することにより、公称均一ヨウ化物レベル4.2モル%を維持した。このセグメント中の流量は35 ml/分(硝酸銀)、及び15.6 ml/分(ヨウ化銀)であった。この添加セグメント中、温度を47.8℃に下げた。
次の32.9分間の間、第4の成長段が行われ、3.5モル硝酸銀、4.0モル臭化ナトリウムの溶液、及びヨウ化銀の0.29モル懸濁液(Lippmann)を添加することにより、公称均一ヨウ化物レベル4.2モル%を維持した。このセグメント中の流量は35 ml/分(硝酸銀)、及び15.6 ml/分(ヨウ化銀)で一定に保持した。このセグメント中、温度を35℃に下げた。
全部で12モルのヨード臭化銀(4.2%のバルクヨウ化物)を形成した。その結果生じた乳剤を、430.7 gのフタル化石灰処理骨ゼラチンを使用して凝固させ、そして脱イオン水で洗浄した。石灰処理骨ゼラチン(269.3 g)を殺生剤とともに添加し、そしてpH及びpBrをそれぞれ6及び2.5に調節した。
走査電子顕微鏡法によって、結果として得られた乳剤を試験した。平板状粒子は総投影面積の99%を上回る面積を占めた。粒子の平均ECDは2.369 μmであった。平均平板厚は0.062 μmであった。
この乳剤中のハロゲン化銀粒子を、ハロゲン化銀1モル当たり1.0 ミリモルの青増感色素SSD-1で分光増感した。60℃で10分間にわたって硫黄増感剤SS-1aを使用して、化学増感を実施した。
例1:AgBZT分散体の調製
銀ベンゾトリアゾール(AgBZT)A〜F(下記表II)の水性ゼラチン分散体を以下のように調製した:
900 gの石灰処理ゼラチン及び6000 gの脱イオン水を撹拌反応容器に装入した。216 g/kgのベンゾトリアゾール、710 g/kgの脱イオン水、及び74 g/kgの水酸化ナトリウムを含有する溶液Aを調製した。反応容器内の混合物を、2.5N水酸化ナトリウム溶液でpH 9.0に調節した。溶液Aを、量を変化させて添加することにより、pAgを調節した(表II)。反応容器の温度を約50℃に維持した。
362 g/kgの硝酸銀と638 g/kgの脱イオン水とを含有する溶液Bも調製した。次いで、反応容器内の一定のpAg及びpHを維持しつつ、一定の硝酸銀流量25 ml/分で20分間にわたって、制御された状態でダブルジェット添加を行うことにより、溶液A及びBを反応容器に添加した。次いで、プロセス全体を通して一定のpAg及びpHを維持しつつ、次いで溶液Bの流量を41分間にわたって40 ml/分に加速した。プロセスの最終段中に、反応容器内の一定のpAg及びpHを維持しつつ、溶液Bの流量をさらに30.5分間にわたって80 ml/分に加速した。
その結果として生じた銀ベンゾトリアゾール分散体を、リサーチディスクロージャ, 第131巻、1975年3月、第13122項に記載されたコンベンショナルな限外濾過法によって洗浄した。2.0N硫酸を使用して、分散体のpHを6.0に調節した。分散体を冷却して凝固させた。
本発明の条件を用いて分散体B、C、D、E及びFを調製したのに対して、分散体Aは本発明の条件を用いて調製しなかった。
Figure 2007532976
銀ベンゾトリアゾール粒子の粒子サイズ及び曇りの測定
分散体中の銀ベンゾトリアゾール粒子の粒子サイズ及びサイズ分布を、透過電子顕微鏡を使用して測定した。粒子の長さ、直径、及びアスペクト比を下記表IIIに報告する。
塗布された銀ベンゾトリアゾール粒子配合物の曇りを以下のように測定した:
各銀ベンゾトリアゾール分散体(10 ミリモル)と、水(14 g)と、石灰処理ゼラチン(1.25 g)との混合物を、撹拌しながら30分間にわたって40℃で保持した。その結果として生じる銀ベンゾトリアゾール乳剤をそれぞれ、7ミルのポリ(エチレンテレフタレート)フィルム支持体上に塗布することにより、銀コート重量約2.0 g/m2をもたらした。塗膜を、6分間にわたって120°F(49℃)で乾燥させた。
BYK-Gardner(Columbia, MD)から入手可能なHaze-gard Plus Hazemeterを使用して、コンベンショナルな手段によって、ASTM D 1003に従って曇り率(%)を測定した。測定値から支持体の曇り率(〜2.50%)を差し引き、銀ベンゾトリアゾール・コーティングによる曇り率%だけを報告する。
下記表IIIに示された粒子サイズ及び曇り測定値の結果は、銀ベンゾトリアゾール調製物のvAgが-50mVよりも負であるように制御されると、不所望に低いアスペクト比を有しそして高い曇りを引き起こす大きい銀ベンゾトリアゾール粒子が形成されたことを明らかにする(分散体A)。しかし、分散体B〜Fにおけるように、vAgが-50mVに等しいか又は-50mVよりも正である値に制御されると、AgBZT粒子サイズが減小し、且つ/又はアスペクト比が増大し、そして曇りレベルが低減される。図1及び2は、本明細書中に記載された分散体A及びDの写真画像を提供し、そしてAgBZT粒子の異なるサイズ及び形態を明示する。本発明のより好ましい実施態様を用いて、分散体Dを調製した。分散体Dの場合、vAgは+50 mVの値に制御した。その銀塩粒子が、分散体A(比較)中に調製されたものよりも均一にロッド状の形状であることが明らかである。
Figure 2007532976
例2:フォトサーモグラフィ材料の調製:
本発明のフォトサーモグラフィ材料及び比較材料を下記のように調製し、そして評価した:
溶液A:上記のように調製された銀ベンゾトリアゾール及びゼラチン(35%ゼラチン/65%水)の各分散体をビーカー内に入れ、そして15分間にわたって50℃まで加熱することにより、分散体を溶融した。3-ヨウ化メチルベンゾチアゾリウムの5%水溶液を添加した。15分間にわたって各分散体を混合し、そして40℃まで冷却した。ベンゾトリアゾールのナトリウム塩を添加し、分散体を15分間にわたって再び撹拌し、続いて化合物T-1を添加した。更なる15分間の混合に続いて、2.5 N硫酸を添加することにより、分散体pHを5.5に調節した。次いでZonyl FSN界面活性剤を添加した。
溶液B:上記のように調製された平板状粒子ハロゲン化銀乳剤の一部を、ビーカー内に入れ、そして40℃で加熱することにより溶融した。
溶液C:下記表IVに挙げられた乾燥材料を水に添加し、そして40℃まで加熱した。
銀ベンゾトリアゾール分散体A〜Fのそれぞれ、薄型平板状粒子ハロゲン化銀乳剤、及び表IVに示されたその他の成分を塗布することにより、フォトサーモグラフィ材料を調製した。画像形成配合物を、7ミル(178 μm)の青みがかった透明のポリ(エチレンテレフタレート)フィルム支持体上に単層として塗布し、7分間にわたって122°F(50℃)で乾燥させた。
Figure 2007532976
P-16フィルター及び0.7ニュートラル・デンシティ・フィルターを備えたEG&Gフラッシュ・センシトメーターを使用して、結果として得られたフォトサーモグラフィ・フィルムに10-2秒間にわたって像様露光を施した。露光に続いて、18秒間にわたって150℃で、加熱された平床型処理装置を使用してフィルムを熱処理した。
ISO標準5-2及び5-3を満たし、また0.33 mm毎に光学濃度を読み取るカスタムメイドのコンピューター走査用濃度計で、濃度を測定した。このような濃度測定値は、商業的に入手可能な濃度計から得られる測定値に匹敵すると考えられる。
次いで、フォトサーモグラフィ材料の感度に適したフィルターを使用して、ウェッジの濃度を測定することにより、対数露光に対する濃度(すなわちD log E曲線)のグラフを得た。Dminは、現像後に露光されていない領域の濃度であり、これは8つの最低濃度値の平均である。
下記表Vに示されたセンシトメトリーの結果は、銀ベンゾトリアゾール粒子が本発明に従って調製されたとき、すなわちvAgが-50 mV以上であるように制御されたとき、好ましくはvAgが0 mV〜100 mVの範囲内に制御されたときに、最高のフォトサーモグラフィ感度、画像形成差(Dmax-Dmin)、並びに相対スピード(スピード-2/Dmin)が達成されたことを実証する。有機銀塩調製中のvAgのセンシトメトリックな効果は、図3及び4のグラフから見ることもできる。
Figure 2007532976
例3:イリジウム・ドープ型超薄型平板状粒子ハロゲン化銀乳剤を使用したフォトサーモグラフィ材料の調製
同時係属中の同一譲受人による米国特許出願第10/826,708号明細書(Olm他)に記載されているように、超薄型平板状粒子ハロゲン化銀乳剤を調製した。
撹拌器を備えた反応容器に、4.21 gの石灰処理骨ゼラチン、4.63 gの臭化ナトリウム、75.6 mgのヨウ化カリウム、周知の消泡剤、及び1.25 mlの0.1モル硫酸を含有する6リットルの水を装入した。溶液を5分間にわたって39℃で保持した。次いで、25.187 mlの0.6モル硝酸銀、及び19.86 mlの0.75モル臭化ナトリウムを30秒間にわたって同時に添加した。核生成後、酸化剤Oxoneの0.58%溶液50 mlを添加した。次に、136.4 gの水中に溶解された0.749 gのチオシアン酸ナトリウムと、30.22 gの塩化ナトリウムとの混合物を添加し、そして温度を9分間にわたって54℃に上昇させた。5分間の保持後、54℃の付加的な消泡剤を含有する水1.412リットル中の酸化メチオニン石灰処理骨ゼラチン100 gを次いで容器に添加した。次の38分間の間、第1の成長段が行われ、0.6モル硝酸銀、0.75モル臭化ナトリウムの溶液、及びヨウ化銀の0.29モル懸濁液(Lippmann)を添加することにより、公称均一ヨウ化物レベル4.2モル%を維持した。この成長セグメント中の流量を9から42 ml/分へ(硝酸銀)、そして11.4から48.17 ml/分へ(臭化ナトリウム)、そして0.8から3.7 ml/分へ(ヨウ化銀)高めた。臭化ナトリウムの流量を硝酸銀とは平衡させないことにより、セグメント中のpBrを増大させた。次の64分間の間、第2の成長段が行われ、3.5モル硝酸銀及び4.5モル臭化ナトリウムの溶液、及びヨウ化銀の0.29モル懸濁液(Lippmann)を添加することにより、公称均一ヨウ化物レベル4.2モル%を維持した。このセグメント中の流量を8.6から38 ml/分へ(硝酸銀)、そして5.2から22.0 ml/分へ(ヨウ化銀)高めた。臭化ナトリウムの流量を必要に応じて変動させておくことにより、一定のpBrを維持した。
次の38分間の間、第3の成長段が行われ、3.5モル硝酸銀、4.5モル臭化ナトリウムの溶液、及びヨウ化銀の0.29モル懸濁液(Lippmann)を添加することにより、公称均一ヨウ化物レベル4.2モル%を維持した。このセグメント中の流量は42 ml/分(硝酸銀)、及び公称32 ml/分(臭化銀)-pBr対照、及び22 ml/分(ヨウ化銀)であった。このセグメント中、温度を54℃から35℃に下げた。このセグメントの開始から約13.5分後の時点で、K2[IrCl5(5-ブロモ-チアゾール)]の2.06ミリモル水溶液1 mlを添加した。これはハロゲン化銀に対して0.164 ppmの濃度に相当する。
Figure 2007532976
全部で12.6モルのヨード臭化銀(4.2%のバルクヨウ化物)を形成した。その結果生じた乳剤を、限外濾過を介して洗浄した。石灰処理骨ゼラチン(269.3 g)を殺生剤とともに添加し、そしてpH及びpBrをそれぞれ6及び2.5に調節した。
走査電子顕微鏡法によって、結果として得られた乳剤を試験した。平板状粒子は総投影面積の99%を上回る面積を占めた。粒子の平均ECDは2.73 μmであった。平均平板厚は0.063 μmであった。
この乳剤をさらに、60℃で10分間にわたって硫黄増感剤(Eikenberry他の米国特許第6,296,998号明細書に記載された化合物SS-1)を使用して増感し、そして化学増感剤の添加前にハロゲン化銀1モル当たり2.0 ミリモルの青増感色素SSD-1(上に示す)を添加した。
上記例2に記載されたようにフォトサーモグラフィ材料を調製した。但しこの場合には、ハロゲン化銀及び銀ベンゾトリアゾールの乳剤からの総銀塗膜重量は2.0 g/m2であり、そして銀ベンゾトリアゾール分散体C及びDが使用された。
例2に記載されたように、水性配合物を塗布し、乾燥させ、そして画像形成した。下記表VIに示されたセンシトメトリックな結果は、イリジウム・ドーパントを含有する超薄型平板状粒子、及びロッド形銀ベンゾトリアゾール粒子の双方を内蔵するフォトサーモグラフィ材料が優れたDmin及び感度を有することを実証する。
Figure 2007532976
例4:サーモグラフィ材料
下記例は、本発明の範囲に含まれる、イミノ基を含有するロッド形窒素含有複素環式化合物を、サーモグラフィ材料中に使用できることを実証する。
例2に記載された材料(銀ベンゾトリアゾール乳剤D)を使用して、しかし感光性ブロモヨウ化銀乳剤(溶液B)は用いずに、20 cm x 1 cmのサーモグラフィ材料ストリップを調製した。Reichert Heizbank加熱ブロック・システム(Kofler Reichert, Austria)上で、68℃から212℃までの温度勾配で15秒間にわたって、ストリップを加熱した。X-Rite(商標)Model 301濃度計上で、濃度測定を行った。現像開始温度168℃が見いだされた。Dmax光学濃度3.9を得た。Dmin光学濃度は、167℃未満の温度で0.172のままであった。
従って、イミノ基を含有する窒素含有複素環式化合物のロッド形銀塩を含有するサーモグラフィ材料は、サーモグラフィ材料中の非感光性の被還元性銀イオン源として使用することができ、そして優れたDmin及びDmaxを有する画像を提供することができる。
図1は、例1において比較分散体Aとして調製された銀ベンゾトリアゾール粒子を高拡大して示す黒白写真である。 図2は、例1において本発明の分散体Dとして調製された銀ベンゾトリアゾール結晶を高拡大して示す黒白写真である。 図3は、画像形成差、つまりvAgに対するDmax-Dminをプロットするグラフである。 図4は、vAgに対する、写真スピードとDminとの比(スピード/Dmin)をプロットするグラフである。

Claims (39)

  1. 支持体を含み、そして親水性ポリマー・バインダー又は水分散性ポリマー・ラテックス・バインダー、及び反応するように組み合わされた:
    a. 非感光性の被還元性銀イオン源、及び
    b. 前記被還元性銀イオン源のための還元剤
    を含む少なくとも1つの熱現像可能な画像形成層を有する熱現像可能な材料であって、
    前記非感光性の被還元性銀イオン源が主にイミノ基を含有する窒素含有複素環式化合物の銀塩から成るロッド形粒子を含み、前記ロッド形粒子が少なくとも3:1の平均アスペクト比を有し、そして粒径幅指数が1.25以下である、
    熱現像可能な材料。
  2. 前記ロッド形粒子の直径が0.1 μm以下である、請求項1に記載の材料。
  3. イミノ基を含有する窒素含有複素環式化合物の前記銀塩から成る前記ロッド状粒子が、全ての有機銀塩粒子の数の70%以上である、請求項1に記載の材料。
  4. 前記ロッド状粒子の長さが1 μm未満である、請求項1に記載の材料。
  5. 前記ロッド状粒子の長さが0.1〜0.5 μmである、請求項4に記載の材料。
  6. 前記ロッド状粒子のアスペクト比が3〜10である、請求項1に記載の材料。
  7. 前記ロッド状粒子のアスペクト比が4〜7.5である、請求項6に記載の材料。
  8. 前記ロッド状粒子の粒径幅指数が1.1〜1.2である、請求項1に記載の材料。
  9. 前記ロッド状粒子が、ベンゾトリアゾール又はその誘導体の銀塩から成っている、請求項1に記載の材料。
  10. 感光性ハロゲン化銀をさらに含む、請求項1に記載の材料。
  11. 支持体を含み、そして親水性ポリマー・バインダー又は水分散性ポリマー・ラテックス・バインダー、及び反応するように組み合わされた:
    a. 感光性ハロゲン化銀、
    b. 非感光性の被還元性銀イオン源、及び
    c. 前記被還元性銀イオン源のための還元剤
    を含む少なくとも1つの熱現像可能な画像形成層を有する黒白フォトサーモグラフィ材料であって、
    前記非感光性の被還元性銀イオン源は、1種又は2種以上の有機銀塩から成る粒子を含むが、但し前記粒子の数の70%以上がイミノ基を含有する窒素含有複素環式化合物の銀塩から成るロッド形粒子であり、
    前記ロッド形粒子が少なくとも3:1の平均アスペクト比を有し、そして粒径幅指数が1.25以下である、
    黒白フォトサーモグラフィ材料。
  12. 前記親水性ポリマー・バインダーが、ゼラチン、ゼラチン誘導体、又はセルロース系材料である、請求項11に記載の材料。
  13. 前記還元剤が、アスコルビン酸、ヒンダード・フェノール、又はこれらの混合物であり、そして窒素含有複素環式化合物の銀塩から成る前記ロッド状粒子が、ベンゾトリアゾール又はその誘導体の銀塩から成るロッド状粒子である、請求項11に記載の材料。
  14. 前記ロッド状粒子の長さが0.1〜0.5 μmであり、アスペクト比が3〜10であり、そして粒径幅指数が1.1〜1.2である、請求項11に記載の材料。
  15. 前記支持体の両側に、1つ又は2つ以上の、同じか又は異なる熱現像可能な画像形成層を含む、請求項11に記載の材料。
  16. 前記水分散性バインダーが、水分散性ポリマー・ラテックスである、請求項11に記載の材料。
  17. 支持体を含み、親水性ポリマー・バインダー又は水分散性ポリマー・ラテックス・バインダー、及び反応するように組み合わされた:
    a) 感光性臭化銀、ヨード臭化銀、又はこれらの混合物、
    b) ベンゾトリアゾール又はその誘導体の銀塩を含む非感光性の被還元性銀イオン源、及び
    c) 前記非感光性の被還元性銀イオン源のための還元剤
    を含む1つ又は2つ以上の熱現像可能な表側画像形成層を支持体の表側に有する黒白フォトサーモグラフィ材料であって、
    前記材料が、該支持体の裏側に、前記熱現像可能な表側画像形成層と同じか又はこれとは異なる組成を有する1つ又は2つ以上の熱現像可能な裏側画像形成層を含み、そして、
    d) 随意選択的に、前記支持体のいずれかの側又は両側の、前記1つ又は2つ以上の熱現像可能な画像形成層上に配置された最外保護層を含み、そして
    ベンゾトリアゾール又はその誘導体の前記銀塩が、長さ0.1〜0.5 μm、直径0.1 μm未満、アスペクト比4〜7.5、及び粒径幅指数1.1〜1.2であるロッド形粒子を含む、
    黒白フォトサーモグラフィ材料。
  18. 前記支持体の両側に、同じ熱現像可能な画像形成層の1つ又は2つ以上を有し、そして前記材料が、100〜700 nmの電磁線に対して感受性を有する、請求項17に記載の材料。
  19. (A) 請求項11に記載のフォトサーモグラフィ材料に像様露光を施すことにより、潜像を形成し、
    (B) 同時に又は続いて、前記露光済フォトサーモグラフィ材料を加熱することにより、前記潜像を現像して可視像にする
    ことを含んで成る可視像形成方法。
  20. 前記熱現像可能な材料が透明な支持体を含み、そして前記画像形成法がさらに:
    (C) 画像形成用輻射線源と、前記画像形成用輻射線に対して感受性を有する画像形成性材料との間に、可視像を有する前記露光され熱現像された材料を位置決めし、そして
    (D) 前記画像形成性材料を、前記露光され熱現像された材料に含まれる該可視像を通して画像形成用輻射線に暴露することにより、前記画像形成性材料に画像を提供する
    ことを含む、請求項19に記載の方法。
  21. 該像様露光が、可視光又はX線を使用して行われる、請求項19に記載の方法。
  22. 前記熱現像可能な材料が、画像形成中に1種又は2種以上の燐光増感スクリーンと組み合わされて配列される、請求項19に記載の方法。
  23. 前記露光済フォトサーモグラフィ材料が、医療診断のために使用される、請求項19に記載の方法。
  24. (A) 請求項17に記載のフォトサーモグラフィ材料に像様露光を施すことにより、潜像を形成し、そして
    (B) 同時に又は続いて、前記露光済フォトサーモグラフィ材料を加熱することにより、前記潜像を現像して可視像にする
    ことを含む、可視像形成方法。
  25. 1つ又は2つ以上の燐光増感スクリーンと組み合わされて配列された、請求項11に記載のフォトサーモグラフィ材料を含む画像形成用集成体。
  26. イミノ基を含有する窒素含有複素環式化合物の銀塩から成る粒子の製造方法であって:
    A) イミノ基を含有する窒素含有複素環式化合物の水溶液Aを調製し、
    B) 硝酸銀の水溶液Bを調製し、そして
    C) pH 7.5〜10の親水性ポリマー・バインダー又は水分散性ポリマー・ラテックス・バインダーの水性分散体を含有する反応容器に、前記水溶液A及びBを同時に添加する
    ことを含み、
    前記水溶液A及びBの前記同時の添加が、前記反応容器内の30〜75℃の一定の温度、一定のpH、及び-50 mV以上の一定のvAgを維持しつつ、最大240分間にわたって、それぞれ一定の流量A1及びB1で行われ、
    これにより、前記反応容器内に、前記親水性ポリマー・バインダー又は前記水分散性ポリマー・ラテックス・バインダーと、イミノ基を含有する前記窒素含有複素環式化合物の銀塩から成るロッド形粒子との有機銀塩分散体を調製し、
    前記粒子の平均アスペクト比が最小3:1であり、そして粒径幅指数が1.25以下であり、また、前記親水性ポリマー・バインダー又は前記水分散性ポリマー・ラテックス・バインダーが、前記有機銀塩分散体中に2〜10重量%の量で存在する、
    粒子の製造方法。
  27. 工程Cの後に、
    D) 前記反応容器内の、温度、pH、及びvAgを一定に維持しつつ、最大60分間にわたって、前記反応容器に溶液Bを添加する流量をB2まで高め、前記流量B2と前記流量B1との比が1.4:1〜1.8:1である
    工程をさらに含む、請求項26に記載の方法。
  28. 工程Dの後に、
    E) 前記反応容器内の、温度、pH、及びvAgを一定に維持しつつ、最大60分間にわたって、前記反応容器に溶液Bを添加する流量をB3まで高め、前記流量B3と前記流量B2との比が1.8:1〜2.2:1である
    工程をさらに含む、請求項27に記載の方法。
  29. イミノ基を含有する前記窒素含有複素環式化合物が、ベンゾトリアゾール又はその誘導体である、請求項26に記載の方法。
  30. 前記反応容器内のpHが8〜9.5で維持される、請求項26に記載の方法。
  31. 前記vAgが、0 mV以上で前記反応容器内に維持される、請求項26に記載の方法。
  32. 総析出Agモルに対する流量A1の比が、0.004〜0.04モル/分/モル Agの、1分当たりのイミノ基含有化合物であり、そして総析出Agモルに対する流量B1の比が、0.004〜0.04モル Ag/分/モル Agである、請求項26に記載の方法。
  33. 前記親水性ポリマー・バインダー又は前記水分散性バインダーが、前記有機銀塩分散体中に2〜10重量%の量で存在する、請求項26に記載の方法。
  34. 前記反応容器温度が、35〜55℃に維持される、請求項26に記載の方法。
  35. 前記ロッド形銀塩粒子の粒径幅指数が1.1〜1.2であり、アスペクト比が3〜10である、請求項26に記載の材料。
  36. 前記ロッド形銀塩粒子のアスペクト比が4:1〜7.5:1である、請求項35に記載の材料。
  37. A) ベンゾトリアゾールの水溶液Aを調製し、
    B) 硝酸銀の水溶液Bを調製し、そして
    C) pH 8〜9.5のゼラチン又はゼラチン誘導体の水性分散体を含有する反応容器に、前記水溶液A及びBを同時に添加し、
    前記水溶液A及びBの前記同時の添加は、前記反応容器内の40〜60℃の一定の温度、一定のpH、及び0 mVを上回る一定のvAgを維持しつつ、最大60分間にわたって、それぞれ一定の流量A1及びB1で行われ、
    D) 前記反応容器内の温度、pH、及びvAgを一定に維持しつつ、最大60分間にわたって、前記反応容器に溶液Bを添加する流量をB2まで高め、前記流量B2と前記流量B1との比は1.4:1〜1.8:1であり、そして
    E) 前記反応容器内の温度、pH、及びvAgを一定に維持しつつ、最大60分間にわたって、前記反応容器に溶液Bを添加する流量を続いてB3まで高め、前記流量B3と前記流量B2との比は1.8:1〜2.2:1であり、
    これにより、前記反応容器内に、前記ゼラチン又はゼラチン誘導体と、銀ベンゾトリアゾールのロッド形粒子との有機銀塩分散体を調製し、前記粒子の粒径幅指数が1.1〜1.2であり、平均アスペクト比が最小4:1〜7.5:1であり、そして直径が0.07 μm以下であり、また、前記ゼラチン又はゼラチン誘導体が、前記有機銀塩分散体中に2〜10重量%の量で存在する、
    ことを含む、銀ベンゾトリアゾールの銀塩の製造方法。
  38. 親水性ポリマー・バインダー又は水分散性ポリマー・ラテックス・バインダーと、イミノ基を含有する窒素含有複素環式化合物の非感光性銀塩から成るロッド形粒子との有機銀塩分散体であって、前記粒子の平均アスペクト比が最小3:1であり、そして粒径幅指数が1.25以下であり、また、前記親水性ポリマー・バインダー又は前記水分散性ポリマー・ラテックス・バインダーが、前記有機銀塩分散体中に2〜10重量%の量で存在する、有機銀塩分散体。
  39. イミノ基を含有する窒素含有複素環式化合物の非感光性銀塩であって、前記銀塩が、平均アスペクト比最小3:1、粒径幅指数1.25以下、直径0.1 μm以下、及び長さ1 μm未満であるロッド形粒子の形態を成している、非感光性銀塩。
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