JP2007532896A - Uva及びuvb放射線を包む統合太陽光保護因子の決定方法 - Google Patents

Uva及びuvb放射線を包む統合太陽光保護因子の決定方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007532896A
JP2007532896A JP2007507776A JP2007507776A JP2007532896A JP 2007532896 A JP2007532896 A JP 2007532896A JP 2007507776 A JP2007507776 A JP 2007507776A JP 2007507776 A JP2007507776 A JP 2007507776A JP 2007532896 A JP2007532896 A JP 2007532896A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
skin
radiation
sunscreen
spf
uva
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007507776A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4286309B2 (ja
Inventor
ルイ フェレロ
レオンハルト ツァシュトロウ
ベルナー カーリン ゴルツ
ノルベルト グロート
トーマス ヘルリンク
Original Assignee
コティー ベースローテン フェンノートシャップ
プリファティンシュティツト フュール ダーマトロジシェ プロダクトフォルシュング ガレナス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by コティー ベースローテン フェンノートシャップ, プリファティンシュティツト フュール ダーマトロジシェ プロダクトフォルシュング ガレナス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング filed Critical コティー ベースローテン フェンノートシャップ
Publication of JP2007532896A publication Critical patent/JP2007532896A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4286309B2 publication Critical patent/JP4286309B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R33/00Arrangements or instruments for measuring magnetic variables
    • G01R33/20Arrangements or instruments for measuring magnetic variables involving magnetic resonance
    • G01R33/60Arrangements or instruments for measuring magnetic variables involving magnetic resonance using electron paramagnetic resonance

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Cosmetics (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Abstract

本発明は、美容的および皮膚科学的な日焼け止めを分類するために使用できる、UVA放射線およびUVB放射線の両者を包含する統合太陽光保護因子(SPFまたはiSPF)を決定する方法に関する。この方法は、スピントラップを含浸させた皮膚の定められた領域に、定められた量の日焼け止めを塗布するステップと;前記皮膚基質を、太陽シミュレータにより、定められた量のUVA線およびUVB線に露出させるステップと;前記放射線に露出された皮膚基質に対して、電子スピン共鳴(ESR)測定を施すことと;実数×1012遊離ラジカル/皮膚サンプル1mgとして、トラップされた遊離ラジカルの数を記録するステップと;式(1)(2)および(8)に従って、統合太陽光保護因子SPFを決定するステップを具備する:
SPF=E0/E (1)
log10(E)=alog10(X・1000)+b (2)
E=10log10(E) (8)
【選択図】なし

Description

本発明は、美容的および皮膚科学的な日焼け止めを分類するために使用できる、UVAおよびUVB放射線を包含する統合太陽光因子(SPFまたはiSPF)を決定するための方法に関する。
UV放射線は、皮膚における遊離ラジカルの生成を顕著に増大させる。ヒドロキシラジカル*OH、スーパーオキシドアニオンラジカルO2 *、および一重項分子状酸素12、のような反応性酸素種が生成すると、次いでこれらは脂質ラジカルL*を生じさせる。従って、美容的および皮膚科学的な日焼け止め製剤は、UVフィルタ物質に加えて、少量の抗酸化剤を含有している。
更に、22nd IFSCC Congress, Edinburgh 2002の議事録, Oral Papers, Vol. 2, Zastrow et al.等の刊行物から知られているように、UVAおよびUVB線が異なる深さまで皮膚を貫通することも、電子スピン共鳴(ISR)撮像によって確認されている。波長が290〜320nmのUVB線は、約50μmの深さまでしか貫通しないのに対して、UVA放射線は更に下層真皮、即ち、約3mmの深さに達する。
その寿命範囲が0.3ns(*OHラジカル)〜数秒(L*ラジカル)であり、且つその下層真皮における生成が主に太陽光スペクトルのUVA範囲に属する放射線に起因する遊離ラジカルの発生は、DMPO(5,5′−ジメチル−1−ピロリン−N−オキシド)または PBN (フェニル−tert−ブチルニトロン)、およびESR法のようなスピントラップによって測定することができる。
普通に入手可能な日焼け止めは、それらのラベル上では、2〜100、好ましくは4〜50の範囲に亘る慣用的な太陽光保護因子(SPF)または光保護因子(「Lichtschutzfaktoren」−LSF)を有している。そこに含まれている情報は、ユーザが、彼等の皮膚を太陽放射線により長時間、即ち、それぞれの倍率を乗じた紅斑(日焼け)を発生するために必要とされる時間(分)だけ露出できるというユーザの知識に基づいている。発明者自身の発見によれば、一般には、一定のUV照射量から生じる炎症(紅斑)とみなすべき皮膚の発赤と、遊離ラジカルの発生との間には線型の相関は存在しない。更に、日焼け止めは、異なる量のUVAフィルタおよび/またはUVBフィルタを含有しており、従って、殆どの場合に、遊離ラジカルに対する十分に変化する提供せず、且つ定量可能な保護を提供しない。UVBの効果にのみ関連する現在のSPF/LSFは、最早、日焼け止めの保護効果を適正に示すためには適していないように思える。
本発明の目的は、皮膚上および皮膚の一定の深さにおけるUVA放射線およびUVB放射線の全体の効果を包含する、統合太陽光保護因子を決定する方法を提供することである。
本発明によれば、美容的および皮膚科学的な日焼け止めのための、UVA放射線およびUVB放射線の両者を包含する統合太陽光保護因子を決定する方法は、
(a)定められた量の日焼け止めを、スピントラップとして作用する既知の物質を先に含浸させた皮膚の定められた領域に直接塗布するステップと;
(b)前記皮膚基質を、太陽シミュレータのような放射線源により、天然の太陽露出条件に従って、UVA線およびUVB線を含んでなる定められた量の放射線に露出させるステップと;
(c)前記放射線に露出された皮膚基質に対して、前記露出後の1〜120分以内に、電子スピン共鳴(ESR)測定を施すことと;
(d)遊離ラジカルの数が知られている標準サンプルと比較したときの、遊離ラジカル発生値RGを正規化し、サンプル1mg当りの実数Xに1012を乗じた数、即ちRG=X1012遊離ラジカル/皮膚サンプル1mgとして、トラップされた遊離ラジカルの数を記録するステップと;
(e)統合太陽光因子SPFを、次式(1)に従って決定するステップ
SPF=E0/E (1)
とを具備し、
ここでのE0は、日焼け止め製品が塗布された皮膚サンプルに対して与えられる、式(7)で計算されるmJ/cm2でのUV量を意味し、
0=It (7)
I=太陽シミュレータ照射量(mW/cm2
t=秒での露出時間
Eは、ステップ(b)の際に発生した遊離ラジカルの検出量に関連した、mJ/cm2での有効UV量を意味し、
ここでのEは、ステップ(d)における遊離ラジカル発生値の実数Xに従って次式(2)で計算され、
log10(E)=alog10(X・1000)+b (2)
ここでの遊離ラジカルの数はUV量に比例せず、またaおよびbは、UV量の常用対数関数と遊離ラジカル発生の実数との間の線型関係の最小二乗評価法による補正を達成するための調節ステップにおいて決定された実験パラメータであり、
また、Eは次式(8)
E=10log10(E) (8)
に従って計算される。
上記ステップ(a)に従う日焼け止めの定められた量は、例えば、皮膚表面1cm2当り1〜4mg、有利には2mg/cm2である。使用される皮膚サンプルは、例えば、エクスビボで処理される皮膚生検片、皮膚基質(人口皮膚)、またはブタ皮膚片、好ましくはブタ耳皮膚片から得られる。前記皮膚サンプルを、以下では「皮膚基質」または「基質」と称する。日焼け止めは、該基質表面に直接塗布される。
先ず、スピントラップ、特にPBNを基質に塗布し、例えばサンプルをインキュベートすることによって、安定な長時間検出可能なアダクトを作製する。
スピントラップ技術を使用して、露光の際に皮膚生検片中に発生した遊離ラジカル/ROS(ROS=反応性酸素種)を研究した。この技術は、典型的には、反磁性「スピントラップ」の二重結合に対して反応性で短寿命の遊離ラジカルを付加させて、遥かに安定性の高い遊離ラジカルである「ラジカルアダクト」を形成することを含んでいる。スピントラップの適用は、スピントラップアダクトの形成によって、ヒドロキシラジカル(*OH)、スーパオキシドアニオンラジカル(O2 *)および脂質ラジカル(L*)のような最も反応性の遊離ラジカル/ROSの寿命(10-9s〜10-3s)でさえも延長させ(分〜時)、これはESR技術によって測定することができる。好ましいスピントラップはPBN(フェニル−tert−ブチルニトロン)であり、これは長時間(約60分)に亘って非常に安定なESR信号を提供することができ、また異なるUV照射量の後に皮膚において発生した遊離ラジカルを定量するために特に良く適合する。 この試薬は、Sigma Munich Germanyから購入された。PBNとの反応は次のようにして生じる。



Figure 2007532896
基質は、UV照射の前に、例えば30分間、スピントラップ溶液を含浸される。該スピントラップPBNは、例えば、水/エタノール(50/50)溶液中に溶解され、400mM濃度を生じさせる。
その後、例えば水/エタノールで基体表面を洗浄し、乾燥し、短時間放置した後に、予め定められた量(例えば2mg/cm2)の日焼け止めを直接この基体に広げる。
この基体を5〜60分間、好ましくは10〜15分間放置し、有利には、該基質から打ち抜かれた皮膚片を、UVA範囲については17.53mW/cm2で、またUVB範囲については0.37mW/cm2で、ステップ(b)に従って太陽シミュレータからの放射線に露出させる。前記パラメータは、概ね天然の太陽光露出条件に対応している。測定は、1〜120分後にESRスペクトロスコピーによって行った。
蛍光または化学発光のような光学的方法に対するESRスペクトロスコピーの重要な利点は、使用した電磁波の生物学的組織における貫通深さである。ESRの波長は、他の技術よりも約105倍長く、これはヒト組織において約10mmの貫通深さをもたらす。下層真皮までの、全体の皮膚の乱されない研究が可能である。この測定範囲は、全皮膚の最深層におけるUV放射線の影響を検出するために、非常に興味深いものである。この性質は、保護因子の評価のために、ESRスペクトロスコピーを予定している。しかし、ESR信号強度からの直接の計算は、スピントラップが存在しなければ、保護因子の過小評価を導く可能性がある。
放射線に対する露出と測定との間の時間は、スピントラップ、および遊離ラジカルによって形成されたアダクトの限定された寿命に依存する。有利には、それは1〜90分である。
スピントラップPBNの利点は、定量的分析を可能にするアダクトの高い安定性と、ヒドロキシラジカルまたは炭素中心ラジカルのようなトラップされた異なるタイプのラジカル間の非選択性から生じる高信号応答である。この信号形状は全てのトラップされた遊離ラジカルについて同じであり、より高いピーク強度を達成する。
発生した遊離ラジカルの定量は、PBNアダクトのピーク対ピークの信号振幅(低フィールドピーク)によって行われた。この信号振幅は、既知数の遊離ラジカルを用いて、キャリブレーションサンプル(標準)の振幅に対して正規化された。この標準化は、RG値(ラジカル発生値=RGV)を計算するための基礎である。RGVは、トラップされた遊離ラジカルの数を記述するものであり、研究サンプル1mgに対して正規化された1012を乗じた実数X、即ち、ヒト皮膚および厚さ約1mmについて密度1を仮定したときに、1mm×1mm×1mmの体積エレメントに対する平均として提示される。
本発明の方法の評価およびキャリブレーションのための日焼け止めの異なる濃度は、定められた量の放射線を放出する放射線源と皮膚基体との間に、標準の放射線低減フィルタを配置することによってシミュレートされる。
使用される好ましい放射線低減フィルタは、1、2、5、10および20の低減因子を有する減光フィルタ(Lot Oriel, France)である。この減光フィルタは、金属の薄層が蒸着された溶融シリカ基板で構成される。該コーティングの厚さが光学密度を決定する。吸光度は、UV帯(290〜400nm)における波長から殆ど独立しており、また美容的標準に固有の適用モードから独立している。
全ての既知の日焼け止め(UVフィルタ)、例えば4-アミノ安息香酸誘導体、桂皮酸のエステル、ベンジリデン樟脳誘導体、ベンゾフェノン誘導体、メトキシベンゾイルメタン誘導体等は、本発明の方法を用いて測定することができる。これラン日焼け止めは、例えば、ベンゾフェノン−3、ベンゾフェノン−4、メトキシ桂皮酸オクチル、ホモサレート(Homosalate)、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、メトキシ桂皮酸エチルヘキシル、P−メトキシ桂皮酸イソアミル、エチルヘキシルトリアゾン、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、4−メトキシベンジリデン樟脳、PABA、エチルヘキシルジメチルPABA等を含んでいる。また、TiO2、ZnO、ZrO2等のような物理的フィルタも測定することができる。例えば、次の略号を有するUVフィルタが、本発明の方法に従って測定された。ES=サリチル酸エチルヘキシル;OC=オクトクリレン;IMC=P−メトキシ桂皮酸イソアミル;BMDBM=ブチル・メトキシジベンゾイルメタン ;MBBT=メチレンビス-ベンゾトリアゾイル・テトラメチルブチルフェノール(50%水性分散液として供給された)。後者は、「Tinosorb M」の商標名で供給される。BEMT=ビス-エチルヘキシルオキシフェノール・メトキシフェニルトリアジン。後者は、「Tinosorb S」の商標名で供給される。
異なる日焼け止めのUV吸収スペクトルは、Cosmetics and Toiletries, Vol. 118, no.10, October 2003に記載された分光学的方法により、Labsphere UV 1000S透過光分析器を用いて実行される。日焼け止めサンプルは、1.2mg/cm2で、透明な粗面化されたPMMAプレート上に広げられた。インビボSPFは、COLIPA太陽光保護因子試験法(SPF Test Method. Colipa Ref: 94/289 (1994))に従って決定された。インビボUVA保護因子は、終点として持続的色素黒化(PPD)を使用して決定された(Photodermatol. Photoimmunol. Photomed. 16, 245-249 (2000))。
本発明による方法は、先ず最初に、全UVの作用に関連した皮膚損傷の起源が、生成した遊離ラジカルの合計数であることを考慮する。この数は、UV放射線の強度ではなく、全体のUV線量に依存する。生成した遊離ラジカルの合計数は、ESRによって正確に測定することができ、また、UVからの保護の実際の程度に関する正確な情報をユーザに提供す統合SPFを決定することができる。
このようなSPFは、二つの意味において積分される:それは、全体のUVスペクトル、並びにUV放射線によって損傷を受ける可能性のある完全な深さを包含している。
もう一つの利点は、倫理的に問題な放射線に対する露出の後に試験ヒト皮膚の紅斑の外観を測定する代りに、各1cm2でヒトの皮膚手術または皮膚基体(人工皮膚)から得た2〜4の皮膚フラップ片を使用して、またはブタ皮膚に対して直接に、同一かまたは増大した信頼性で、iSPF(ISPFまたは∫SPF)を測定できることである。この方法では、新規な測定方法は被検人間を全く必要としないから、被検人間の皮膚に対する放射線に誘導された損傷は存在しないであろう。COLIPA標準によれば、10〜20人のボランティアが必要とされる。加えて、結果を受取る前の長い待ち時間の結果が回避され、既知の方法における評価のためのレファレンスとして必要な一定の標準を定義する必要もない。
現在既に、RGV測定は、SPFを決定するための従来の方法に必要なコストの1/2〜1/3であるから、この新しい方法は、装置および方法の両方の観点からコストを著しく低減する。
加えて、iSPF(ISPFまたは∫SPF)は、概ね10%の精度で測定および計算できるのに対して、従来のSPF測定法、即ちCOLIPA(UVB保護)法では、20〜25%、更に、異なる試験設備で測定される高SPFについては30〜50%であるに過ぎない。
今日既に、黒色皮膚タイプについて使用するときは、PPD法は複雑かつ不正確である。即ち、この点に関する改良は、利用可能な方法の範囲を拡大させ、より信頼性のある結果を導くであろう。本発明の方法は、皮膚の種類に依存せず、且つ民族的な皮膚の色からも独立している。
本発明による方法のもう一つの利点は、複雑さの少ない装置しか必要としない点にある。大きな皮膚表面をUV放射線に露出させるための大表面ランプシステムは、より小さく且つより強力な点型放射線ユニットで置換えることができる。
皮膚生検片のUV照射の際に発生した遊離ラジカルの測定は、整列されたESR・X帯スペクトロメータを使用して、電子スピン共鳴(ESR)で行われた。このスペクトロメータは、下記のスペクトロメータ設定を備えたERS300+(ドイツ国ZWG;ドイツ国ガレヌスにより改変された)であった:マイクロ波周波数f0=9.52GHz、マイクロ波電力Pμ=20mW、変調周波数fm=100kHz、変調振幅Bm=0.2mT、磁界走査Bs=20mT、走査時間ts=60s。
おそらく、以下のスペクトロメータ設定も使用可能である:マイクロ波電力Pμ=10〜100mW、変調振幅Bm=0.05〜0.5mT、磁界走査Bs=5〜20mT、走査時間ts=10〜120s。
測定されるべき美容的または薬学的な製剤は、当該技術の現状において既知の全ての抗酸化剤分子または遊離ラジカルスカベンジャー分子を組込むことができる。このような物質には、ビタミンCおよびその誘導体、例えば酢酸アスコルビル、リン酸アスコルビル、およびパルミチン酸アスコルビル;ビタミンAおよびその誘導体;葉酸およびその誘導体;ビタミンEおよびその誘導体、例えば酢酸トコフェリル;スーパーオキシドディスムターゼ;フラボンまたはフラボノイド;アミノ酸、例えばヒスチジン、グリシン、チロシン、トリプトファンおよびその誘導体;カロテノイドおよびカロテン、例えばαカロテン、βカロテン;尿酸およびその誘導体;α−ヒドロキシ酸、例えばクエン酸、乳酸、リンゴ酸;スチルベンおよびその誘導体等のようなビタミンが含まれる。
測定すべき製剤のための更に好ましい抗酸化剤は、高ラジカル保護因子を備えた活性物質であり、これは白色ケブラチョ皮の抽出およびその後の酵素的加水分解により得られた、マイクロカプセルに結合された少なくとも90重量%のプロアントシアニジンオリゴマーおよび10重量%以下の没食子酸を含む生成物、更には、セクロピン(Cecropine)ペプチド、アミノ酸およびビタミン混合物を含む抽出により得られた蚕の抽出物、更には、非イオン性、陽イオン性または陰イオン性のヒドロゲルまたはヒドロゲル混合物、更に一つまたは幾つかのリン脂質および水が含まれる。また、該複合製剤は酵母の超音波分解生成物を含むことができ、該生成物には少なくとも1mL当り150単位のスーパーオキシドディスムターゼ、および1以上のシクロデキストリンが含まれる。該複合製剤は、WO99/66881の実施例1もしくは2、またはWO 01/26617の実施例1に従う生成物であることができる。また、アルコール溶液中の植物抽出物のもまた、抗酸化剤として好ましいものである。この複合剤は、0.1〜2重量%の生コーヒービーンズ抽出物、0.1〜2重量%のCamellia sinensis抽出物、0.1〜2重量%のPongamia pinnata抽出物、および0.1〜2重量%のAngelica archangelica根抽出物、並びに全体を100%にするための一価のC2〜C5アルコールを含有する。
以下の実施例において、本発明を更に詳細に説明する。
<実験結果>
UV線量と遊離ラジカル発生(RG)と間の関係:
皮膚生検片に対する異なる照射強度の供給は、フィルタをかけないUV光源(減光因子1)、および減衰因子が2、5、10および20の減光フィルタによりフィルタされたUV光源によって行われた。それらは、丁度サンプルホルダの開口部において、UV光源と皮膚生検片との間に配置される。減光フィルタは、全波長の光線を同じ因子で減衰させる。5回の異なる時間の照射が用いられた;30、60、150、300および600秒。減衰されないUV光源の場合、これは約1.7分、3.5分、8.7分、17.4分および34.8分の自然太陽光露出に対応する。また、これは0.11、0.21、0.54、1.07および2.14MEDに対応する。
最初に、可逆原理が十分に確立しているかどうかをチェックした。これは、発生した遊離ラジカルのレベルが線量のみに依存し、適用時間に依存しないことを立証することを意味する。これは、現実的な保護因子を計算するためのもう一つの前提条件である。
照射時間は、減光フィルタ減衰にリンクした線量プログレッションを達成するように選択された。例えば、減衰2アッセイは、減衰1アッセイ(t=30秒)よりも2倍多い露出時間(t=60秒)で達成することができる。従って、UV線量は、異なる照射時間を使用して供給できるであろう。
これは、異なる露光時間および種々の光学的減衰に従ってUV誘導された、遊離ラジカルの測定量(RG=×1012ラジカル/mg)を記録した表1に示されている。UV線量(mJ/cm2)は、次式(6)を用いることにより計算された(表1には記録されていない)。
UV線量=I・t/Att (6)
I=太陽光シミュレータの照射量(mW/cm2);
t=露光時間(s);
Att=減光フィルタ減衰。
五つの照射時間(30、60、150、300および600秒)、並びに五つの減光因子(1、2、5、10および20)に従って、一定のUV線量(537mJ/cm2)が、表1の対角線(頂部左側から底部右側)に沿って達成できた。可逆則が有効であれば、等量の遊離ラジカルが測定されるはずである。
低い相対的標準偏差(これら5つの値について僅か7.03%)で、この全体の時間範囲に沿った準一定のラジカル発生:RG平均=1.36×1012ラジカル/mg皮膚生検片を認めることができる。
また、異なる反復UV線量に対応する他の一定のRG値を、表1の幾つかの少ない対角線において認めることができる。それらは、特別の陰影/ドットにより特定されている。
従って、表1は、大きなUV線量範囲において可逆則が十分に有効であることを確認している。

表1:異なるフィルタ減衰および異なる照射時間に従って、皮膚生検片上で測定
されたRG値(×1012rad/mg)








Figure 2007532896
第二に、UV線量とラジカル発生(RG)の間の関係を研究した。
四つの減光フィルタおよびフィルタなしのUV光源、五つの異なる照射時間で、13の異なるUV線量(表1参照)に対応して25の異なるUV露出を与えることができた。
UV線量に従って、図2のグラフ中に、皮膚における有利ラジカル発生をプロットする。異なる露出時間にもかかわらず、個々の実験データプロットの全てが、単一の曲線の回りに良くグループ化および配置されているのを見て取ることができる。プロットは、如何なる露光時間を考慮したときにも、非線型の関係に従って連結することができる。これは明らかに、可逆則が有効であることの結果である。遊離ラジカル発生vs.UV線量は、高UV線量についての飽和を示している。
しかし、二重logスケールが適用されれば、単純な線型関数は実験プロットに重なることができるであろうし、このことは、非常に容易に当該方法を較正することを可能にする。このような表現が図3のグラフに示されており、ここではlogUV線量vs.logRGがプロットされている。今回の研究においては、対数関数変換による負のデータを回避するために、RGデータの実数Xに因子1000が乗じられた。以下の線型関数は、最小二乗エラー法を介したパラメータaおよびbの単純な数字調節に従って、実験データとの良好な相関を達成している。
log(UV線量)=a・log(1000・X)+b (2b)
この関係(図3の最初の関係に対する逆)は、日焼け止め製品が広げられた皮膚生検片において、遊離ラジカル(RG)の検出された量に関連したUV線量を計算することを可能にする。
保護因子:
上記実験結果は、保護因子を決定するための方法を開発することを可能にする。それらは、一般的に使用されるUV線量の比として計算される。該方法は、図1に概略的に記載されている:
・E0は、システム保護層/皮膚生検片に印加されたUV線量である;
・Eは、ESRスペクトロスコピーによって測定された遊離ラジカルの数Xから、較正された式2により得られたUV線量である。 この「有効」UV線量は、保護された生検片(2mg/cm2の日焼け止め層を広げたもの)について測定された遊離ラジカルの同じ量を与えるように、保護されない生検片に対して与えられるべきである。
表2には、表1から受け取ったデータおよび図3に記録された式2のパラメータ値を用いた、この方法に基づく保護因子が含まれている。それらは、レファレンスとして働く減光フィルタの減衰値と比較される。それぞれの計算された保護因子は、異なる照射時間に対応する五つの値の平均である。減光フィルタの減衰および計算された保護因子は非常に近接している。
表2:表1に記録されたRGデータからの減光フィルタの保護因子の計算
Figure 2007532896
統合SPF:
UV線量とRG値との間の上記に記載した関係は、インビボSPFと同じ方法で保護因子を計算することを可能にする。これらの新規な保護因子の有効性は、標準保護層として減光フィルタを使用することによりチェックされた。
従って、インビボSPF決定におけると同じ方法を使用する:
定義:SPF=MEDp/MEDu(紅斑終点について)、
ここで、MEDp=保護された皮膚に与えられる最小紅斑UV線量
MEDu=保護されない皮膚(ブランク)に与えられた最小紅斑UV線量
概略的説明(図1)に従えば、MEDpおよびMEDuは、紅斑終点がESRスペクトロスコピーで検出された遊離ラジカルRGの量で置換えられるときには、E0およびEに対応する。
ESR・X帯スペクトロスコピーによる遊離ラジカルの定量的測定は、新たな太陽光保護因子を決定することを可能にする。しかしながら、ESRスペクトロスコピーのより大きな貫通深さは、UVBおよびUVAの全範囲、並びにその表面から皮下組織までの皮膚縦軸をカバーする皮膚の完全な調査を可能にする。これにより、我々は、この新規な保護指標を、統合太陽光保護因子(iSPF、ISPFまたは∫SPF)と命名することを提案する。
∫SPFの決定:
原理的方法を図1に示した。以下のステップが行われる:
1)UV線量と遊離ラジカル発生(RG)との間の数的関係が樹立された(式2のパラメータaおよびbの評価)。これら式パラメータは両者とも、異なるUV線量を受けた保護されていない生検片における遊離ラジカル発生を測定することによって、時間毎に調節(較正)されるべきである。
2)保護された生検片(上皮表面に広げられた、2mg/cm2の日焼け止め製品)が照射された。各時間露出(t)について、遊離ラジカル発生がESRスペクトロスコピーによって評価される。従って、保護された生検片のRG値=Xt(測定値)である。
3)各露光時間について、保護された生検片に与えられた対応するUV線量(E0tが計算される:
(E0t=照射時間 (3)
4)同じ量の遊離ラジカル(Xt)を発生させるために必要な有効UV線量(E)tは、式2のパラメータaおよびbに従って計算される。
log(E)t=a・log(1000・Xt)+b (2a)
5)日焼け止め製品の統合SPFは、同じ露光時間についてのUV線量の比として計算される:
∫SPF=(E0)t/(E)t (1a)
実施例1および2:
二つの異なる日焼け止めサンプルを試験し、両方ともUVBにおける高い保護、および異なるUVA保護レベルを達成した:日焼け止めAは、SPF=26で、UVA・PF(PPD)=5の物理的なTiO2日焼け止めである;日焼け止めBは、SPF=39で、UVA・PF(PPD)=12の有機UVフィルタ日焼け止めである。
両方の製品とも、2mg/cm2で皮膚表面に塗布され、3回の照射に従って試験された。カバーされない皮膚生検片も並列に試験され、一組が太陽光シミュレータに直接露出され、第二の組は、減衰30の減光フィルタを通して露光された。表3に記録した各遊離ラジカル発生データは、四つの生検片について平均された。
表3:異なる照射時間による遊離ラジカル発生(RG=X・1012rad/mg)
Figure 2007532896
第一のステップにおいて、遊離ラジカル発生(Xt・1000)とUV線量との間の関係が、その再現性を試験するために再度確立された。減光フィルタなしで、および該フィルタと共に、被覆されていない皮膚生検片を使用した。これら皮膚生検片が受けたUV線量は、式(6)に従って計算された。
キャリブレーションデータが二重対数XY軸のグラフにプロットされると、一方は、次式(5)に従って正確な式(2)のパラメータを受取る:
Log(UV線量)=2.0947Log(1000・X)−3.7463 (5)
式(5)が図3に提示された線型関係に非常に近いことを認めることができる。
表3の全てのデータは、線型の関係を得るために、対数関数(底は10)を通して変換された。

表3a
Figure 2007532896
次いで、Log(ラジカル)対Log(UV線量)が、式2を通して補正される。
表3b
aおよびbパラメータ調節
Figure 2007532896
次いで、合計二乗差デルタa2を最小化するように、aおよびbの値を決定した。こうして、式2は、a=2.0947、およびb=3.7463を用いて、実験値に良く調節される。調節した後に、式2を使用して、差X値に従ってLogEを見出す。UV線量は、表3のラジカル発生データから計算することができる。それらは表4に記載されている。この計算方法は、最初に、ブランクおよび減光フィルタ30について、計算されたUV線量を供給されたUV線量と比較することによりチェックされる。13%の最大偏差で、小さい差のみが検出された。第二に、日焼け止め製品AおよびBについて、有効UV線量が計算された。保護された生検片(2mg/cm2の日焼け止め層が広げられたもの)に対して測定される同じ量の遊離ラジカルを生じるように、これらUV線量は、保護されない生検片に対して与えられるべきである。
表4:表3のラジカル発生データに従い、式(5)から計算された
UV線量(mJ/cm2
Figure 2007532896
表4のUV線量に従って、同じ露出時間についての計算値(有効)で供給されたUV線量の比として、保護因子(∫SPF)が計算される(式1)。結果は表5に記載されている。精度指数は、ブランクおよび減光フィルタ30試験でチェックされる。日焼け止めの新規な保護因子が、同じ表の欄4および5に記載されている。
不確実性(±95%信頼性幅)もまた、全ての測定値に従って計算された(各露出時間について4生検片)。








表5:表4に記載されたUV線量の比に基づいて計算された太陽光保護指数∫SPF
∫SPF
Figure 2007532896
第一の所見として、統合SPFはUVフィルタ幅の広さと共に増大することを認めることができる。最良のインビボUVA(PPD)を有する日焼け止めBについて、最も高い値が見出される。両方の試験サンプルにおいて、統合SPFはインビボ紅斑SPFよりも明らかに低い。
実施例3〜8
異なるUVフィルタ幅についての統合SPF選択性を決定するために、異なるUVBおよび/または広帯域UVA/Bフィルタを用いて特定の日焼け止め処方を得た。
実施例3=日焼け止めC=UVフィルタなしのO−Wベース
実施例4=日焼け止めD=ベース+UVフィルタ1(5%IMC)
実施例5=日焼け止めE=ベース+UVフィルタ2(10%IMC)
実施例6=日焼け止めF=ベース+広帯域UVA/UVBフィルタ1
(1.5%BMDBM+3%MBBT)
実施例7=日焼け止めG=ベース+広帯域UVA/UVBフィルタ2
(3%BMDBM+8%MBBT+2%BEMT)
実施例8=日焼け止めH=ベース+UVフィルタ1(5%IMC)
+広帯域UVA/UVBフィルタ2
(3%BMDBM+8%MBBT+2%BEMT)
上記六つの日焼け止めサンプルを、三つの異なる照射時間(30、60および150秒)を用いて、説明した通りに試験した。
表6に記載した各ラジカル発生データXは、四つの生検片測定の平均である。
∫SPF(統合SPF)が、同じ露光時間について、供給されたUV線量の有効UV線量に対する比として計算された(式1)。それぞれの記録された∫SPFは、異なる照射時間に対応する三つの計算の平均である。また、不確実性(±95%信頼性幅)も計算され、表6に記載されている。











表6: 異なる照射時間に従うRGデータ(RG=X・1012rad/mg)
平均∫SPFが三つの異なる露光時間から計算された
Figure 2007532896
これらの実施例は、∫SPFがUVフィルタの幅および強度に従って明らかに増大することを確認している。十分にバランスされていないUVB/UVA日焼け止めは、保護の増強を達成しなかった。これは、単一のUVBフィルタが組込まれた日焼け止めDおよびEのように、UVAフィルタリングの乏しい日焼け止めで劇的に観察された。これらの製品に付いては、∫SPFで与えられるUV放射線に対する現実の生物学的な関連の保護は、紅斑SPFで表された仮定に対して劇的に低い。
実施例9
インビボPPDおよびインビボSPFに比較して、∫SPFは、全体の太陽光スペクトル(UVB+UVA)を考慮に入れている。
ESRのこれら測定効果(皮膚の深さにおいて)は、他方において、UVBによって生じた遊離ラジカルの定量値の誤った解釈を導く可能性がある。示され得るように、この値は約0.24・1012ラジカル/mgである。しかし、全てのこれらROSは、平均表皮についての50マイクロメータの仮定において、1mm・1mm・0.05mmの体積要素の中に含まれる。従って、表皮中に生じた遊離ラジカルの数は、UVAの影響下に皮膚の深い層におけるもの(約1.58・1012遊離ラジカル/mg)よりも3倍高い。
UVB単独で生じる表皮体積要素中における概略4.8・1012これらラジカルの数は、紅斑または関連のDNA損傷のような生物学的効果の形成にとって、非常に関連する可能性がある。最初の効能指標は、UVBに誘導されたDNA損傷が、非常に高い量の抗酸化剤で防止され得ることを示している。Lin & alは、ブタ皮膚において測定された、ビタミンCおよびEの組合せによるチミン二量体形成に対する保護を報告した。
この実験を完成させるために、良好なUVA保護のみを持った日焼け止めが、サンプルパネルに添加された。5.0%のBMDBMを化粧品基材に組込み、UVAにおける強力な吸収およびUVBにおける低い吸収を達成した(日焼け止めN、図4)。予測された通り、低いインビボ紅斑SPF=4.7(±1.3)が測定された。統合SPFに関する疑問が生じる:UVB放射線についての我々の皮膚モデルの可能な感受性欠如に従って、それは非現実的な高い値に向って甚だしく大きくなるのであろうか? 製品Nに対して当該新しい方法を適用することにより、我々は、インビボSPFに匹敵する統合SPFを得た:∫SPF=5.1(±1.2)。従って、図4に示すように、低いUVB保護および高いUBA保護が同じサンプルに対して実現されるときでも、UV保護の過大評価は生じ得ない。
逆に、インビボSPFでは如何なる相関も示されなかった。
UVフィルタ処方に応じて、インビボSPFデータは、統合SPFを大きく超え(日焼け止め中に強力なUVB保護が存在するとき)、またはこれと同等である。勿論、紅斑SPFはUVフィルタ幅の重要性を考慮しておらず、従って、主に高いSPF値について、劣悪な安全性の感覚を消費者に誘起させることはできない。この観点から、新規な∫SPFは価値のある情報を提供する。
図4のグラフは、紅斑SPFおよび統合SPFの間の主な相違を示す四つの典型的な例を纏めている。日焼け止めEは、UVB保護を有するがUVA保護を持たない。日焼け止めNは、UVA保護を有するが、UVB保護は少ししかない。日焼け止めGは、ほぼ同じUVBおよびUVA保護を有する。日焼け止めHは、UVA保護よりも高いUVB保護を有する。
スペクトル指標および保護指標は、紅斑SPFがUVBフィルタに対して非常に感受性であるが、UVAフィルタに対しては非常に僅かしか感受性でないことを示している。逆に、本発明の∫SPFは、UVBフィルタおよびUVAフィルタの両方に対して感受性であることが分かった。
本発明の方法によれば、幅広いUVB/UVAフィルタを持った製品のみが、高い統合SPFを達成できることが明らかである。これは、UVAおよびUVB放射線が皮膚生検片の全体(表皮+真皮)において遊離ラジカルの発生に関連するとの事実に一致している。更に、ESRスペクトロスコピーから提示されるこの新規な保護因子は、UVBに由来する紅斑の外観を十分に含んでおり、また、示すことができたように、インビボUVA・PPDとの十分に相関している。
統合SPFは、従来のインビボUV指標のように解釈することができる:
∫SPF=10の保護は、保護されない皮膚よりも10倍長い時間、日焼けすることなく太陽光の中にいることができるであろうことを意味し、またPPD反応に達するために必要な時間よりも十分に低い。従って、∫SPF=10の製品での1時間の一定の太陽光露出は、皮膚に対して僅かな遊離ラジカル損傷を生じ、これは保護されない直接の太陽光露出の僅か6分に対応する。
保護因子評価の概略図である。 RGデータ(表1からの×1012)vs.UV線量 図2のデータに従う、log(UV線量)とlog(遊離ラジカル発生)との間の線型関係。 日焼け止めE、N、GおよびHのUVスペクトル。

Claims (11)

  1. 美容的および皮膚科学的な日焼け止めのための、UVA放射線およびUVB放射線の両者を包含する統合太陽光保護因子を決定する方法であって、
    (a)定められた量の日焼け止めを、スピントラップとして作用する既知の物質を先に含浸させた皮膚の定められた領域に直接塗布するステップと;
    (b)前記皮膚基質を、太陽シミュレータのような放射線源により、天然の太陽露出条件に従って、UVA線およびUVB線を含んでなる定められた量の放射線に露出させるステップと;
    (c)前記放射線に露出された皮膚基質に対して、前記露出後の1〜120分以内に、電子スピン共鳴(ESR)測定を施すことと;
    (d)遊離ラジカルの数が知られている標準サンプルと比較したときの、遊離ラジカル発生値RGを正規化し、サンプル1mg当りの実数Xに1012を乗じた数、即ちRG=X1012遊離ラジカル/皮膚サンプル1mgとして、トラップされた遊離ラジカルの数を記録するステップと;
    (e)統合太陽光因子SPFを、次式(1)に従って決定するステップと;
    SPF=E0/E (1)
    ここでのE0は、日焼け止め製品を塗布された皮膚サンプルに対して与えられる、式(7)で計算されるmJ/cm2でのUV量を意味し、
    0=It (7)
    I=太陽シミュレータ照射量(mW/cm2
    t=秒での露出時間
    Eは、ステップ(b)の際に発生した遊離ラジカルの検出量に関連した、mJ/cm2での有効UV量を意味し、
    ここでのlog10Eは、ステップ(d)における遊離ラジカル発生値の実数Xに従って次式(2)で計算され、
    log10(E)=alog10(X・1000)+b (2)
    ここでの遊離ラジカルの数はUV量に比例せず、またaおよびbは、UV量の常用対数関数と遊離ラジカル発生の実数との間の線型関係の最小二乗評価法による補正を達成するための調節ステップにおいて決定された実験パラメータであり、
    また、Eは次式(8)に従って計算される;
    E=10log10(E) (8)
  2. 請求項1に記載の方法であって、前記基質表面に直接塗布される日焼け止めの定められた量が、所定の日焼け止め濃度において、皮膚表面1cm2当り1〜4mgの範囲である方法。
  3. 請求項2に記載の方法であって、定められた量の放射線を放出する放射線源と皮膚基質との間に標準の放射線低減フィルタを配置することによって、日焼け止めの他の濃度がシミュレートされ、較正される方法。
  4. 請求項3に記載の方法であって、使用される前記放射線低減フィルタは、1、2、5、10および20の低減因子を有する減光フィルタである方法。
  5. 請求項4に記載の方法であって、前記放射線への露出が30、60、150,300および600秒継続され、また日焼け止めの光安定性を評価すべきときには更に継続される方法。
  6. 請求項1に記載の方法であって、前記ESR測定は、放射線への露出後に1〜120分、好ましくは15〜60分行われる方法。
  7. 請求項1に記載の方法であって、前記ESR測定のために使用されるスペクトロメータが下記のパラメータを有する方法:
    マイクロ波周波数f0=9.52GHz、
    マイクロ波電力Pμ=20mW、
    変調周波数fm=100kHz
    変調振幅Bm=0.2mT
    磁場走査Bs=20mT、
    走査時間ts=60s。
  8. 請求項1に記載の方法であって、前記使用されるスピントラップが、フェニル−tert−ブチルニトロン、またはジメチル−1−ピロリン−N−オキシドから選択される方法。
  9. 請求項1に記載の方法であって、前記日焼け止めは美容的または薬学的製剤の一部であり、該製剤は、ベンゾフェノン−3、ベンゾフェノン−4、メトキシ桂皮酸オクチル、ホモサレート(Homosalate)、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、メトキシ桂皮酸エチルヘキシル、P−メトキシ桂皮酸イソアミル、エチルヘキシルトリアゾン、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、4-メトキシベンジリデン樟脳、PABA、エチルヘキシルジメチルPABA、サリチル酸エチルヘキシル、オクトクリレン、イソアミル−p−メトキシシンナメート, ブチルメトキシジベンゾイルメタン、メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、ビス−エチルヘキシルオキシフェノール メトキシフェニルトリアジン、およびこれらの混合物からなる群から選択される1以上の既知の物理的または有機的フィルタを含有してなる方法。
  10. 請求項1に記載の方法であって、前記測定すべき美容的または薬学的製剤が、既知の抗酸化剤分子または遊離ラジカルスカベンジャー分子を組込んでいる方法。
  11. 請求項1に記載の方法であって、前記皮膚基質が、皮膚生検片、人口皮膚、およびブタ皮膚片、好ましくはブタ耳皮膚片からなる群から選択される方法。
JP2007507776A 2004-04-22 2005-04-14 Uva及びuvb放射線を包む統合太陽光保護因子の決定方法 Expired - Fee Related JP4286309B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE102004020644A DE102004020644A1 (de) 2004-04-22 2004-04-22 Verfahren zur Bestimmung eines UVA- und UVB-Strahlung erfassenden integralen Sonnenschutzfaktors
PCT/EP2005/004148 WO2005103659A2 (en) 2004-04-22 2005-04-14 Method for determining an integral sun protection factor encompassing uva and uvb radiation

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007532896A true JP2007532896A (ja) 2007-11-15
JP4286309B2 JP4286309B2 (ja) 2009-06-24

Family

ID=34967996

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007507776A Expired - Fee Related JP4286309B2 (ja) 2004-04-22 2005-04-14 Uva及びuvb放射線を包む統合太陽光保護因子の決定方法

Country Status (8)

Country Link
US (1) US7567080B2 (ja)
EP (1) EP1738190B1 (ja)
JP (1) JP4286309B2 (ja)
CN (1) CN1997910B (ja)
AU (1) AU2005236155B2 (ja)
DE (1) DE102004020644A1 (ja)
ES (1) ES2399339T3 (ja)
WO (1) WO2005103659A2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010008057A (ja) * 2008-06-24 2010-01-14 Bioradical Research Institute Corp 生体内抗酸化度の測定方法

Families Citing this family (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2567125A1 (en) * 2004-06-01 2005-12-15 Science & Technology Corporation @ Unm Detecting melanoma by electron paramagnetic resonance
DE102006008920B3 (de) * 2006-02-21 2007-08-09 Lancaster Group Gmbh Kosmetisches Sonnenschutzprodukt auf Basis von W/Si-Emulsionen
DE102006023364B4 (de) * 2006-03-06 2012-11-08 Gematria Test Lab Gmbh Verfahren zur Bestimmung eines UV-Radikalsonnenschutzfaktors (RSF) von Stoffen oder Stoffzusammensetzungen
KR20090060418A (ko) * 2006-10-06 2009-06-12 가부시키가이샤 시세이도 자외선 방어효과의 평가방법 및 평가장치
DE102007010861B4 (de) * 2007-03-01 2008-11-20 Coty Prestige Lancaster Group Gmbh Kosmetisches Lichtschutzmittel
MX2011012758A (es) * 2009-06-01 2012-06-01 Inovia Ltd Dispositivo de monitoreo de efectividad de producto.
CN102419306A (zh) * 2011-08-19 2012-04-18 东华大学 一种通过太阳光紫外光谱测量不同液体过滤紫外线的方法
CN102716552A (zh) * 2012-01-01 2012-10-10 洛阳维琦太阳能技术有限公司 太阳能紫外线理疗镜
EP2858758A4 (en) * 2012-06-12 2016-04-20 Suncare Res Lab Llc MEASURING THE PROTECTION OF A SOLAR SCREEN USING SUBSTRATES COVERED WITH THE TOURNETTE
EP2972248A4 (en) * 2013-03-15 2016-10-26 Suncare Res Lab Llc IN VITRO DETERMINATION OF SOLAR SCREEN PROTECTION BASED ON IMAGE ANALYSIS OF SOLAR SCREENS APPLIED ON THE SKIN
CN104374872B (zh) * 2013-08-15 2016-04-20 中国医学科学院北京协和医院 一种防晒霜防晒性能测试方法
US9086323B2 (en) * 2013-12-19 2015-07-21 Jie Lian UV dosimetry system for measuring vitamin D production
CN103983561B (zh) * 2014-04-30 2016-09-28 上海理工大学 一种体外测定粉体防晒指数的方法
US9816857B2 (en) * 2014-05-22 2017-11-14 Omnitek Partners Llc Methods and devices for usage of sunscreen lotions
WO2017067545A1 (de) 2015-10-20 2017-04-27 Laser- Und Medizin-Technologie Gmbh, Berlin Optische ermittlung der schutzfaktoren von sonnenschutz- bzw. anderen strahlungsschutzmitteln
US11525779B2 (en) * 2016-09-06 2022-12-13 Keio University Method and device for measuring absorbance of aqueous compositions using a substrate having a surface with an adjusted contact angle with water
US10732100B2 (en) * 2018-06-29 2020-08-04 L'oreal Systems and methods for predicting sun protection factor of sunscreen formulations in vitro
CN113710146A (zh) * 2019-03-29 2021-11-26 联合利华知识产权控股有限公司 化妆品组合物的污染防护因子
US11512821B2 (en) 2019-10-21 2022-11-29 Abich Inc. Systems and method for evaluating ultraviolet-protection products
DE102020103490A1 (de) 2020-02-11 2021-08-12 Courage + Khazaka Electronic Gmbh Messsystem und messverfahren
DE102020119026A1 (de) 2020-07-17 2022-01-20 Courage + Khazaka Electronic Gmbh Messsystem und Messverfahren
DE102022124831A1 (de) 2022-09-27 2024-03-28 Courage + Khazaka Electronic Gmbh Messsystem und messverfahren
WO2024068791A1 (de) 2022-09-27 2024-04-04 Courage + Khazaka Electronic Gmbh Verfahren zur bestimmung eines schutzfaktors eines hautschutzmittels
EP4372364A1 (de) 2022-11-21 2024-05-22 Courage + Khazaka electronic GmbH Vorrichtung und verfahren zur bestimmung eines schutzfaktors

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ES2074868T3 (es) * 1990-11-30 1995-09-16 Richardson Vicks Inc Composiciones faciales fijas, en emulsion.
DE4328639C2 (de) * 1993-08-23 2002-10-24 Lancaster Group Gmbh Verfahren zur Messung des antioxidativen Potentials der Haut
US5705146A (en) * 1995-11-28 1998-01-06 Lindquist; Niels L. Sunscreening compositions comprising natural products of a marine hydroid, and derivatives thereof
DE19739447A1 (de) * 1997-09-02 1999-03-04 Coty Bv Emulgatorfreies klares Sonnenschutzgel
DE19754037B4 (de) * 1997-12-05 2005-03-03 Beiersdorf Ag Verwendung von Polysacchariden zur Verbesserung der Lichtschutzwirkung kosmetischer oder dermatologischer Lichtschutzmittel
DE19860754B4 (de) 1998-06-24 2004-10-28 Coty B.V. Kosmetische Zubereitung
US5968485A (en) * 1998-10-16 1999-10-19 The Procter & Gamble Company UV protection compositions
CA2386273C (en) 1999-10-08 2009-03-31 Coty B.V. Cosmetic preparation of active substances with a synergistically increased radical protection factor
DE10164469C1 (de) * 2001-12-20 2003-07-03 Coty Bv Verfahren zur Bestimmung realistischer UV-Schutzfaktoren oder Breitspektrumindizes
GB0225408D0 (en) * 2002-10-31 2002-12-11 Raft Trustees Ltd Method and apparatus for determining effectiveness of sunscreens and other skin preparations in shielding human skin from UVA radiation
AU2003282337B2 (en) * 2002-11-07 2009-07-16 Technion Research And Development Foundation Ltd. Neuroprotective iron chelators and pharmaceutical compositions comprising them
EP1978919B1 (en) * 2005-12-15 2010-02-17 Greci, Lucedio Synthesis of a novel nitroxide antioxidant and methods of use in cosmetic and dermatological compositions

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010008057A (ja) * 2008-06-24 2010-01-14 Bioradical Research Institute Corp 生体内抗酸化度の測定方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2005103659A2 (en) 2005-11-03
CN1997910B (zh) 2012-03-21
DE102004020644A1 (de) 2005-11-17
ES2399339T3 (es) 2013-03-27
AU2005236155A1 (en) 2005-11-03
AU2005236155B2 (en) 2010-02-18
WO2005103659A3 (en) 2006-03-09
EP1738190A2 (en) 2007-01-03
JP4286309B2 (ja) 2009-06-24
EP1738190B1 (en) 2012-11-14
US20080224059A1 (en) 2008-09-18
US7567080B2 (en) 2009-07-28
CN1997910A (zh) 2007-07-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4286309B2 (ja) Uva及びuvb放射線を包む統合太陽光保護因子の決定方法
US11137347B2 (en) Optically ascertaining the sun protection factor of sunscreens or other radiation protection agents
Herrling et al. The role of melanin as protector against free radicals in skin and its role as free radical indicator in hair
Stamatas et al. Non‐invasive measurements of skin pigmentation in situ
Moyal et al. UVA protection efficacy of sunscreens can be determined by thepersistent pigment darkening (PPD) method: (Part 2)
CN102058393A (zh) 基于反射光谱测量的皮肤生理参数与光学特性参数的测量方法和系统
US20150253301A1 (en) In vitro method and apparatus for determining efficacy and action mechanisms of a topical composition on various skin color types
Albrecht et al. Quantification and characterization of radical production in human, animal and 3D skin models during sun irradiation measured by EPR spectroscopy
Zastrow et al. Integrated sun protection factor: a new sun protection factor based on free radicals generated by UV irradiation
AU675347B2 (en) Method and apparatus for measuring ultraviolet protection effectiveness
Moyal UVA protection labeling and in vitro testing methods
JP3337832B2 (ja) 紫外線防御効果の測定方法及び装置
Bielfeldt et al. Multicenter methodology comparison of the FDA and ISO standard for measurement of in vitro UVA protection of sunscreen products
US20060133996A1 (en) Method and apparatus for determining effectiveness of sunscreens and other skin preparations in shielding human skin from uva radiation
WO2008008383A9 (en) System and methods for measuring a skin protection factor
US7033577B2 (en) In vitro prediction of sunscreen PFA values
Herrling et al. The important role of melanin as protector against free radicals in skin
Kim et al. In vivo determination of the Infrared‐A protection factor on human skin
Ruvolo Jr et al. Diffuse reflectance spectroscopy for ultraviolet A protection factor measurement: correlation studies between in vitro and in vivo measurements
EP1291640A1 (en) In vitro test method to assess the UVA protection performance of sun care products
Lademann et al. Characterization of Sunscreens: Determination of the SPF
Stokes Project sunscreen protection
Youn et al. Comparative quantitative analysis of ultraviolet B‐induced skin blood flow change using laser Doppler perfusion imaging technique
JP2000206040A (ja) Spf評価方法及び評価装置
Han et al. Digital fluorescent imaging system for quantitative analysis of facial sebum production

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081001

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081104

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090204

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090302

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090324

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120403

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130403

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140403

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees