JP2007532763A - 非線形光学のための方法と化合物 - Google Patents

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Abstract

非線形光学のための350nm以下での使用のための化合物。化合物は非線形光学のためのA(1−x)Al12から構成される物質を含む。xは0以上0.1以下である。Aはスカンジウム、イットリウム、ランタン、イッテルビウム、ルテチウムから成るグループから選択される。Mはスカンジウム、イットリウム、ランタン、イッテルビウム、ルテチウムから成るグループから選択される。化合物中のモリブデンから生じる不純物は1000ppm以下である。

Description

[関連出願への相互参照]
本願は参照によってここに組み込まれる2004年4月16日に出願された米国仮出願第60/562,881号と2004年4月14日に出願された米国仮出願第60/562,626号による優先権を主張する。
[連邦政府によって後援された研究もしくは開発の下でなされる発明への権利に関する声明]
この発明は、一部、全米科学財団助成金ECS-0114017によって提供された資金を使用してなされた。米国政府にこの発明のある権利があるかもしれない。
[コンパクト・ディスクによって提出された、付属書の”順序リスト”、テーブル、計算機プログラムリストへの参照]
該当せず
本願の発明は一般に光学的性質を持っているある種の化合物に関する。特に、例として、本発明は電磁放射の指定波長と共に使用されるA(1−x)Al12から構成される特定の混合物を提供する。xは0以上0.1以下、Aはスカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、イッテルビウム(Yb)、及びルテチウム(Lu)から成っているグループから選ばれ、Mはスカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、イッテルビウム(Yb)、及びルテチウム(Lu)から成っているグループから選ばれる。単に一例として、化合物は350 nmおよびそれ以下の波長を持っている電磁放射のために有用であるが、本発明の適用可能範囲はより広いであることが認識されるべきである。
非線形光学材料(NLO)は光の特性に影響を与えることにおいて特異である。よく知られている例は、吸収された光の偏光ベクトルを材料が回転させるといった、ある種の材料による光の偏光である。吸収された光による偏光ベクトルへの効果が線形であれば、材料から放射された光は吸収された光と同じ周波数を持つ。NLO材料は吸収された光の偏光ベクトルを非線形に作用する。結果として、非線形光学材料から放射される光の周波数が影響される。
例えば、レーザーによって生成された様な、既知の周波数のコヒーレント光の光束が適切な方向におかれた2次偏光テンソルがゼロ以外の要素を持つNLO結晶を通して伝播する場合、結晶は異なる周波数の光を生成する、従ってレーザーの有効な周波数範囲を広げる。この光の生成は、和周波数生成(SFG)、差周波数生成(DFG)及び光パラメータ増幅(OPA)に属するものと見なせる。NLO結晶を用いた装置は、これに限るものではないが、上下周波数変換器、光パラメータ振動子、光整流器、及び光スイッチが含まれる。
NLO材料での周波数生成は通常重要な効果である。例えば、周波数がω1とω2の2つの単色の電磁波が適切な方向におかれたNLO結晶中を伝播する場合、様々な周波数の光の生成を結果として得ることが出来る。これら二つの別々の周波数を用いた光周波数を決める機構は和周波数生成(SFG)、及び、差周波数生成(DFG)である。SFGは周波数ωの光が2つの入射光周波数の和として、ω=ω+ω、生成される過程である。言い換えると、SFGは長い波長光を短い波長光に変換する(例えば近赤外から可視光、又は可視光から紫外)のに有効である。和周波数生成の特別な場合としては、入射光の周波数が等しい、ω=ω,場合に満たされる、ω=2ωの第2高調波生成(SHG)である。DFGは周波数ωの光が入射周波数の差、ω=ω−ω、として生成される過程である。DFGは短い波長光を長い波長光(例えば、可視光から赤外)に変換する場合に有効である。DFGの特別な場合は、ω=ωで、従ってω=0で、光整流として知られている。光パラメータ振動(OPO)もDFGの一種で、調節可能な周波数の光の生成に用いられる。
個々の応用におけるNLO結晶の変換効率は、これらに限定されないが、結晶の実効非線形性(ピコメータ/ボルト[pm/V])、複屈折性(Δn、nは屈折率)、位相適合条件(I型、II型、非重要、疑似、もしくは、重要)、角受取角(ラジアンーcm)、温度受取(°Kーcm)、立ち去り(ラジアン)、屈折率の温度に依存する変化(dn/dT)、光透明範囲(nm)、及び、光ダメージ限界(W/cm)を含む数々の要素に依存する。好ましいNLO結晶は具体的な応用に定義された上述の特性の最適な組み合わせを持つべきである。
ホウ酸塩結晶は、レーザーに基づいた製造、医薬、金属製品、及び器具類、通信、研究といった様々な応用に用いられている無機NLO材料の大きな集団を成す。ベータバリウムホウ酸塩(BBO:βーBaB)、リチウム3ホウ酸塩(LBO:LiB)、及びセシウムリチウムホウ酸塩(CLBO:CsLi(B)は、近年開発され、NLO装置として広く、特に高電力用途に用いられているホウ酸塩に基づいたNLO結晶の例である。これらの結晶の中赤外から紫外のレーザー光生成に適切な選択特性が表1に挙げられている。

商業的に入手可能なNLO材料と特性
BBOは好ましい非線形性(約2.2pm/V)、190nmから3500nmの間の透明度、大きな複屈折性(位相適合に必要)及び、高いダメージ限界(5GW/cm、1064nm、0.1nsパルス幅)を持つ。しかしながら、高い複屈折性が比較的小さな角受取角を形成し、変換効率とレーザー光束質を制限する。結晶は大きなサイズに成長させることが比較的難しく、いくらか吸湿性がある。
LBOは紫外に十分広がる(吸収端が160nmに一致する)可視電磁スペクトル全体に透明度を提示し、高いダメージ限界(10GW/cm、1064nm、0.1nsパルス幅)を持つ。しかしながら深UV放射を生成するための位相適合には不十分な固有の複屈折性を持つ。さらに、LBOは不一致溶融し、フラックス補助結晶成長方法によって作成されなければならない。これによって製造効率が制限され、小さな結晶と高い製造コストに結びつく。
CLBOは高い非線形性と十分な複屈折性の組み合わせによってUV光の生成が可能である様に見える。結晶はまた比較的大きな寸法に製造できる。しかしながら、結晶は通常、非常に湿度に敏感であり、しばしば空気から常に水分を吸収する、従って水和ストレスと可能な結晶破壊を防止するために周囲の湿度を管理するために通常細心の注意が払われなければならない。
1981年にNYAB[Nd(1−x)Al12]とよばれる結晶がソビエト社会主義共和国連邦で報告された。1320nmから660nmへのレーザーの周波数倍化効果がNd0.20.8Al12結晶で実現された、しかし2倍高調波での固有の結晶吸収が1060nmから530nmへのレーザーの周波数倍化効果の実用的な使用を制限した。
数年後、いくつかの中国の機構が結晶成長過程を改善することに成功し、良好な光学品質と適度なサイズを持つNYAB結晶を得た。Lu他が、効果的なレーザーの周波数倍化変換を持つ多機能結晶Nd(1−x)Al12を開発した。Nd3+ドープされたレーザーゲイン結晶が1060nmでのレーザー放射で色素レーザーでポンプされ、530nmへと自身の中で変換された。(Lu他のChinese Physical Letters 第3巻第9号(1986)の図2を参照のこと。)NYABは、以来、しばしば可視光スペクトラムでのみ有効な研究結晶として用いられてきた。近年のYbドープされたYABを周波数倍化レーザーゲイン材料として用いる研究は、操作上のレーザー効率と波長に変更を加えたNYABの研究と同じ路をたどっている。レーザー光は結晶内で生成され、緑の520nmへ周波数倍化される。(Dekker他によるJOSA B第22巻第2号(2005)378−384頁を参照のこと。)この場合もやはり、操作と歴史的な準備方法が使用を可視光と赤外に制限する。従って紫外まで光機能を下げる事の出来る化合物の群のための技術を改善することが極めて好ましい。
言い換えると、非線形光学(NLO)材料の光学特徴は材料を通過する光によって変更される。光学的特徴の変更は、振動するダイポールとして作動する誘導電荷移動(偏光)によってもたらされるかもしれない。振動するダイポールは材料に光子を放射させるかもしれない。材料の偏光が線形の場合、放射された光子は材料に入射した光と同じ周波数を持つ。偏光が非線形の場合は、材料から現れる光の周波数は入射光の整数倍であるかもしれない。例えば、周波数倍化効果の実効は周波数ωの2つの光子が一体化して2ωの周波数を持つ1つの光子を生成することにある。従って、同期した(位相が揃った)波の伝播が光の周波数を倍加する事を可能にする。周波数倍化はまた第2高調波生成(SHG)として言及されてもいる。NLO材料は第2高調波生成が可能であると1961年に発見された。Annnual Review Of Material Science第16巻203−43頁(1986)。
いくつかのNLO材料が従来技術で知られている。例えば、YAl(BONLO結晶はPu Wang他の「イッテルビウムにドープされたイットリウム アルミニウム ホウ酸塩の潜在的な周波数倍化レーザー結晶としての成長と評価」(Journal Of The Optical Scoiety OfAmerica B 1999年1月号63−69頁)に開示され、参照により援用される。YAl(BONLO結晶といったNLO結晶は様々な装置に用いられている。例えば、米国特許第5,202,891号は、レーザー装置に組み入れられたネオジム イットリウム アルミニウム ホウ酸塩NOL結晶を記述する。米国特許第4,826,283号は、LiBの単結晶から作られた別のNLO装置を記述する。
NLO材料を均一の結晶構造を持つより大きな結晶を形成する様に再結晶させることが知られている。例えば、J.Li他はKMoOを含むフラックスからのYAl(BONLO結晶の成立を開示する。参照により援用される、J.Li他による「Yb:YAl(BOへのYb3+の凝縮の影響」Crys.Res.Tech.第38巻(2003)890ー895頁を参照のこと。従来技術によって成長したアルミニウムホウ酸塩NLO結晶は通常370nmより大きい波長の光の生成もしくは放射に制限されている。
従って光化合物のための技術を改善することが非常に望ましい。
本発明は一般的に、光学的な特性を持つある種の化合物に関する。特に、一例として、本発明は、電磁放射の指定波長と共に使用されるA(1−x)Al12から構成される特定の混合物を提供する。x は0以上0.1以下、Aはスカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、イッテルビウム(Yb)、及びルテチウム(Lu)から成っているグループから選ばれ、Mはスカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、イッテルビウム(Yb)、及びルテチウム(Lu)から成っているグループから選ばれる。単に一例として、化合物は350nmおよびそれ以下の波長を持っている電磁放射のために有用であるが、本発明の適用可能範囲はより広いであることが認識されるべきである。
本発明の1つの実施例によると、350nm以下の用途の非線形光学用の化合物が提供される。化合物はYAl12から構成される非線形光学のための素材を含む。化合物中のモリブデンから生じる不純物は1000ppm以下である。
本発明のまた別の実施例によると、Y(1−x)Al12を含む非線形光学のための素材から構成される、350nm以下の用途の非線形光学用の化合物が提供される。xは0以上0.1以下である。Mはスカンジウム、ランタン、イッテルビウム、ルテチウムから成るグループから選択される。化合物中のモリブデンから生じる不純物は1000ppm以下である。
本発明のまた別の実施例によると、Yb(1−x)Al12を含む非線形光学のための素材から構成される、350nm以下の用途の非線形光学用の化合物が提供される。xは0以上0.1以下である。Mはスカンジウム、イットリウム、ランタン、ルテチウムから成るグループから選択される。化合物中のモリブデンから生じる不純物は1000ppm以下である。
本発明のまた別の実施例によると、Lu(1−x)Al12を含む非線形光学のための素材から構成される、350nm以下の用途の非線形光学用の化合物が提供される。xは0以上0.1以下である。Mはスカンジウム、イットリウム、イッテルビウム、ランタンから成るグループから選択される。化合物中のモリブデンから生じる不純物は1000ppm以下である。
本発明のまた別の実施例によると、Sc(1−x)Al12を含む非線形光学のための素材から構成される、350nm以下の用途の非線形光学用の化合物が提供される。xは0以上0.1以下である。Mはイットリウム、ランタン、イッテルビウム、ルテチウムから成るグループから選択される。化合物中のモリブデンから生じる不純物は1000ppm以下である。
本発明のまた別の実施例によると、A(1−x)Al12を含む非線形光学のための素材から構成される、350nm以下の用途の非線形光学用の化合物が提供される。xは0以上0.1以下である。Aは、スカンジウム、イットリウム、ランタン、イッテルビウム、及びルテチウムから成るグループから選択される。Mはスカンジウム、イットリウム、ランタン、イッテルビウム、及びルテチウムから成るグループから選択される。化合物中のモリブデンから生じる不純物は1000ppm以下である。
本発明のまた別の実施例によると、350nm以下の用途の非線形光学のための化合物を生成する方法は複数個の素材を提供することを含む。複数個の素材はランタンを有する化合物を含み、ランタンを有する化合物は加熱時に少なくともランタン酸化物に分解される事が可能である。加えて、この方法は、所定の比率に関連した情報に少なくとも基づいて混合物を形成するために複数の素材を混合し、結晶を形成するために混合物中で結晶化過程を開始し、そして、ランタンを含む結晶を混合物から取り除くことを含む。
本発明のまた別の実施例によると、350nm以下の用途の非線形光学のための化合物を生成する方法は複数個の素材を提供することを含む。複数個の素材はイットリウムを有する化合物を含み、イットリウムを有する化合物は加熱時に少なくともイットリウム酸化物に分解される事が可能である。加えて、この方法は、所定の比率に関連した情報に少なくとも基づいて混合物を形成するために複数の素材を混合し、結晶を形成するために混合物中で結晶化過程を開始し、そして、イットリウムを含む結晶を混合物から取り除くことを含む。
本発明によって、従来技術に対して多くの利点が達成される。例えば、本発明のいくつかの実施例は、ホウ酸塩ハンタイトが紫外スペクトルで動作する事を不可能にする混入物質を排除する新しい調合方法を提供する。加えて、独創的な化学的な処方を用いて結晶の迅速な生成を可能にする調合方法が開発された。このような方法は、今までの従来技術では得られなかった、本発明の大きな単結晶の製造を可能にする。また、融点まで加熱されたときに、従来の方法よりも、不安定さが低い開始混合物の調合方法が開発された。
本発明のある実施例によると、ここに記述されているのは、既知のNLO結晶に対して、結晶の光学的特性に逆行して作用する化合物の低い集積を持つ非線形(NLO)結晶である。これらの望ましくない化合物は従来のNLO結晶、特に従来のアルミニウムーホウ酸塩NLO結晶、の中に様々な程度存在する。開示された結晶のいくつかは、レーザーによって放射された光といった入射光の波長を偏光するのに有効である。例えば、開示された結晶のいくつかは、第1の波長の入射レーザー光束を第2の波長を持つ出力レーザー光束に変換することが出来る。ここで、第2の波長は入射波長の整数倍であり、約300nm未満で、典型的には約250nm未満で、より典型的には約175nm未満である。
開示された結晶のいくつかは約0.1mmより大きい体積、典型的には約1mmより大きい、より典型的には5mmより大きい。これらの結晶は主要材料から構成されており、1つもしくはそれ以上の主要材料とは異なった補助的材料からも構成されている。補助的材料を含むいくつかの実施例では、望ましい波長での光の生成・放射に干渉する補助的材料は、従来のNLO結晶における割合よりも低い割合で存在する。例えば、望ましい波長での光の生成・放射に干渉する補助的材料は、重量比で約100ppm未満であり、典型的には重量比で約50ppm未満であり、より典型的には重量比で約10ppm未満である。また別の実施例では、結晶は、望ましい波長での光の生成・放射に干渉する補助的材料は、実質上含まない。望ましい波長での光の生成・放射に干渉する補助的材料は、例えば、遷移金属元素及び/もしくは、イットリウム、ランタン、ルテチウム以外のランタニドを含む化合物である。しかしながら、例えばタングステンといった、これらの補助的材料のいくつかは、有効な溶剤中に存在し、ある望ましい波長での光の生成及び/もしくは放射に限られた効果を持つ。いくつかの実施例では、タングステン含有化合物以外の望ましい波長での光の生成・放射に干渉する補助的な材料は、重量比で約100ppm未満であり、典型的には重量比で約50ppm未満であり、より典型的には重量比で約10ppm未満である。
ここで記述されるアルミニウムーホウ酸塩NLO結晶は、これらに制限されないが、イットリウム、ルテチウム、もしくはこれらの組み合わせにより構成される化学構成を持つ、YAl(BO、LuAl(BO、及びY(1−x)LuAl(BOといったアルミニウムーホウ酸塩NLO結晶を含む。ここで、xは1より大きい整数である。これらの素材は光学用途に有効な結晶サイズに結晶された時に、既知の結晶に比較して、望ましい波長での光の生成及び/もしくは放射に干渉する混入物質が大幅に減少したもしくは実質上削除された意味で新しい化合物である。
またここで記述されているのは、NLO結晶、特にアルミニウムーホウ酸塩NLO結晶を製造するための方法の実施例である。いくつかの実施例は、前駆体物質と溶剤、もしくは、主要材料と溶剤、溶剤は、望ましい波長での光の生成及び/もしくは放射に干渉する物質を実質上含まないが、を提供すること、望ましい波長での光の生成及び/もしくは放射に干渉する物質を実質上含まない結晶を形成するために主要材料を結晶化することから構成される。例えば、溶剤と溶剤から成長された結晶は遷移金属元素とイットリウム、ランタン、ルテチウム以外のランタニドを実質的に含まない。他の例としては、溶剤と溶剤から成長された結晶は、モリブデンを実質的に含まない。
この方法の実施例は、混合物を形成するために、前駆体物質もしくは主要材料を溶剤と混合すること、そして混合物に種を導入することから構成される。結晶の主要材料と言った種はおそらく本質的に主要材料から成り、混合物中につり下げられる。いくつかの実施例では、主要材料の再結晶化は混合物を冷却し、混合物から結晶を引き出すことから構成されている。混合物の冷却は、混合物の融点もしくはそれ以上の第1の温度から融点以下の第2の温度へと、有効な用途に適した望まれたサイズの結晶を成長させるために十分は成長期間をかけて混合物を冷却することから構成される。このような成長期間は典型的には約10時間以上である。2時間より長い成長期間の一部の間に、混合物は約毎時2℃未満の冷却勾配で冷却されることが出来る。いくつかの実施例では、第2の温度は、例えば、約5℃と混合物の融点から約100℃低い温度の間であっても良い。
この方法の実施例は様々なNLO結晶、YAl(BO、LuAl(BO、及びY(1−x)LuAl(BOといった、ここで、xは1より大きい整数であるが、イットリウム、ルテチウム、もしくはこれらの組み合わせから構成される化学構成を持つ、特にアルミニウムーホウ酸塩NLO結晶、を成長させるために用いられることが出来る。適切な溶剤は、遷移金属元素とイットリウム、ランタン、ルテチウム以外のランタニドを実質的に含まないもの、モリブデンを実質的に含まないもの、を含む、望ましい波長での光の生成及び/もしくは放射に干渉する物質を実質上含まない溶剤を含む。適切な溶剤の例としては以下の化合物の1つもしくはそれ以上を構成する。LaB、MgBおよびLiF。いくつかの実施例では、溶剤は遷移金属元素とイットリウム、ランタン、ルテチウムおよびタングステン以外のランタニドを実質的に含まない。タングステンを含む溶剤の例としてはLiWOがあり、これは例えばBと共にYAl(BO結晶を成長させるのに用いられる。
記述されたNLOはレーザー装置を含む様々な装置に組み入れることが出来る。これらの装置は、例えば、基盤表面上の異状を検出したり、基盤に穴を開けることに用いられることが出来る。
本発明の様々な追加の目的、特徴、有利性は次に来る詳細な明細書と付随の図面を参照することによってより十分に理解される。
本発明は一般的に光学的特徴を持つある種の化合物に関する。特に、例として、本発明は電磁放射の指定波長と共に使用されるA(1−x)Al12から構成される特定の混合物を提供する。xは0以上0.1以下、Aはスカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、イッテルビウム(Yb)、及びルテチウム(Lu)から成っているグループから選ばれ、Mは、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、イッテルビウム(Yb)及びルテチウム(Lu)から成っているグループから選ばれる。単に一例として、化合物は350nmおよびそれ以下の波長を持っている電磁放射のために有用であるが、本発明の適用可能範囲はより広いであることが認識されるべきである。
NYABは周波数倍化結晶として開発された、つまり、別の周波数倍化結晶の必要無しに、光学的にポンプされ、基調波と第2高調波を生成する結晶である。しかしながら、固有の制限により、可能な用途は大幅に制限されている。第1に、基調波の波長は、しばしば1060nmと1300nmのみである。第2に、結晶が通常数ミリメータのサイズで、製品の商業的使用に便利な適切に大きな結晶サイズではしばしば入手不可能である。
NYABが商業的に時々限られた量だけ入手可能であった一方で、純粋なYABは商業的には生産されなかった。従来の製造方法は、深刻な量の不定比金属汚染を含み、低水準の結晶品質を提示する小さな結晶を産出する。加えて、従来の方法に用いられたフラックス物質は350nm未満のUVで装置が動作することを妨げる相当量の混入物質を持ち込む。
本発明のある実施例によると、1つもしくはそれ以上の種類の希土類金属等の金属イオンを含むある種のホウ酸塩結晶が用意されて、これらのホウ酸塩結晶に周波数を倍にされたNd:YAGレーザー(波長:532nm)を照射させることによって2倍高調波(波長:266nm)の発生実験が実行された。その結果、350nm以下の高調波を生成するNLO材料を実験的に生成する能力が実証された。結果として、YとAlの両方を含むホウ酸塩結晶からの266nmの第2高調波の強い生成が発見され、イットリウムーアルミニウムーホウ酸塩の形の新しいNLO結晶が350nm未満の紫外放射を生成し放射する事が可能に達成された。
本発明のいくつかの実施例の目的は、Y(1−x)Al12を満たし、M=Sc、La、Yb、もしくはLuで、0≦x≦0.1であり、装置をUVスペクトルで使用することを制限する混入物質を削除、もしくは大幅に削減する方法で製造された非線形光学材料を製造し利用することにある。
本発明のいくつかの実施例の目的は、上述の構成を有害なUV吸収無しで満たす非線形光学材料を生成する方法を提供する事にある。1つの実施例は、Yを約10から約30パーセントモル、Mを約10から約40パーセントモル、Alを約15から約40パーセントモル、そして酸化ホウ素を約25から約50パーセントモルから構成される混合物を形成することから構成される。MがScの場合、Mの源は通常、酸化スカンジウムである。MがLaの場合は、Mの源は通常酸化ランタンである。MがYbの場合は、Mの源は通常酸化イッテルビウムである。MがLuの場合は、Mの源は通常酸化ルテチウムである。混合物はNLO材料を形成するのに十分な温度と時間加熱される。例えば、加熱のステップは混合物を少なくとも850K、通常、約850K以上の第1の温度に加熱することから構成されていても良い。そして、混合物は冷却される。冷却の後、混合物は粉砕され(乳棒と乳鉢でひくこと等によって細かい粉までひかれる)、少なくとも1300K、通常、約1300K以上の第2の温度まで加熱される。
これらの結晶の材料を形成するもう一つの方法は、これに制限されないが、図1に示される上端から種を提供された溶液成長である。この方法は以下の過程を含む。
1.高純度酸化物粉末と化学物質が測定され、適切な割合で混合される。
2.混合物はるつぼに搭載され、加熱炉に設置される。
3.混合物は加熱され、液体へと融解させられる。
4.しばらくして、溶解物温度が凝固点近くまで下げられる。
5.冷たい指状の物質もしくは種結晶が結晶化を開始するために導入される。
6.溶解物温度と装置条件が変更され、結晶成長を促すように監視される。
7.適切なときに、システムが室温まで下げられる。
8.結晶がシステムから削除される。
例えば、(Y,La)Al12合成は以下の様に行われても良い。99.9%より大きい純度を持つ酸化イットリウム(Y)、99.9%より大きい純度を持つ酸化ランタン(La)、99.9%より大きい純度を持つ酸化アルミニウム(Al)、及び、99.9%より大きい純度を持つ酸化ホウ素(B)がエーサーやスタンフォードマテリアルズといった商業業者から購入される。約14重量%の酸化イットリウム、約30重量%の酸化ランタン、約19重量%の酸化アルミニウム、約37重量%の酸化ホウ素を含む混合物が形成される。
上述された様に、本発明のいくつかの実施例は、非線形光学(NLO)装置と電気光学装置と、そういった装置を350nm未満で用いる能力に関する。本発明のいくつかの実施例は、一般的な化学式Y(1−x)Al12(M=Sc、La、もしくはLu、そして、0≦x≦0.1パーセントモル)を満たし、電磁スペクトルの紫外(UV)での使用を制限する混入物質なしで製造された非線形光学材料に関する。
本発明のいくつかの実施例によると、非線形光学材料Y(1−x)Al12(M=Sc、La、もしくはLu、そして、0≦x≦0.1)が350nm未満のNLO装置の作動に用いられる。別の例では、非線形光学材料が、350nm未満の光放射を生成する装置にレーザー源と共に用いられている。又別の例では、非線形光学材料が350nm未満の光放射を生成する装置に光源と共に用いられる。また別の例では、非線形光学材料が三方晶系結晶類で350nm未満の使用のために形成される。また別の例では、空間群R32で350nm未満の使用のために形成される。
本発明のある実施例では、非線形光学材料は、Yb(1−x)Al12(M=Sc、La、もしくはLu、そして、0≦x≦0.1)もしくは、Lu(1−x)Al12(M=Sc、La、もしくはLu、そして、0≦x≦0.1)を満たす。いくつかの実施例では、非線形光学材料Y(1−x)Al12、Yb(1−x)Al12、もしくは、Lu(1−x)Al12がCe(セリウム)及び/もしくはNd(ネオジム)でドープされる。ある実施例では、Y(1−x)Al12、もしくは、Lu(1−x)Al12が、Ce(セリウム)、Nd(ネオジム)、及び/もしくはYb(イッテルビウム)でドープされる。
上述の様に、NYABが限られた量で入手可能であるのに対し、YABの純粋な形は商業的に生産されていない。従来の製造方法は、深刻な量の不定比金属汚染を含み、低水準の結晶品質を提示する小さな結晶を産出する。加えて、従来の方法に用いられた溶剤は350nm未満のUVで装置が動作することを妨げる相当量の混入物質を持ち込む。レオニュックとレオニュック(1995)によるホウ酸塩ハンタイトに関する要約は、YABとその類似物、すなはち、モリブデン酸カリウムKMoOとKMo10を生成する方法としてそれ以降に残ったフラックスシステムを記述する。残念ながら、これらの溶剤の処方は、大きな規模の結晶成長にとって深刻な制限を有する。a)高いフラックス揮発度、b)生成された結晶が小さい、そして、c)モリブデン原子の目的のホウ酸塩ハンタイト構造への深刻な含有。従って、純粋なYABの商業的な生産は発生せず、NLO結晶製品もレーザー製品に取り入れられることもなかった。
本発明のある実施例の目的は、0≦x≦0.1で、A=(Sc、Y、La、Yb、Lu)で、M=(Sc、Y、La、Yb、Lu)のA(1−x)Al12を満たし、UVスペクトルでの装置使用を禁止する混入物質が大幅に減少したもしくは削除された方法で製造された非線形光学材料を製造して活用する事にある。より具体的には、本発明のいくつかの実施例は、第6族元素のような金属を、350nm未満のUVで有効な装置に存在することから大幅に排除する。モリブデンといった第6族元素による不純物を回避することで選択されたホウ酸塩ハンタイトのUV放射を引き延ばす。加えて、主要結晶構成に過度に金属がないことで165nmから2700nmといった全透過範囲でのスペクトラム吸収の全体の大部分を削減する。本明細書に記述された実施例によって、従来科学界に知られておらず、特定化されていない本質的な透明度が実現される。
上述されたように、本発明のいくつかの実施例の目的は、0≦x≦0.1で、A=(Sc、Y、La、Yb、Lu)で、M=(Sc、Y、La、Yb、Lu)のA(1−x)Al12を満たし、有害なUV吸収のない非線形光学材料の製造方法を提供することにある。1つの実施例は、Aを約10から約30パーセントモル、Mを約10から約40パーセントモル、Alを約15から約40パーセントモル、そして酸化ホウ素を約25から約50パーセントモルから構成される混合物を形成することから構成される。AもしくはMがScの場合は、AもしくはMの源は通常、酸化スカンジウムである。AもしくはMがYの場合は、AもしくはMの源は通常、酸化イットリウムである。AもしくはMがLaの場合は、AもしくはMの源は通常、酸化ランタンである。AもしくはMがYbの場合は、AもしくはMの源は通常、酸化イッテルビウムである。AもしくはMがLuの場合は、AもしくはMの源は通常、酸化ルテチウムである。混合物はNLO材料を形成するのに十分な温度と時間加熱される。例えば、加熱のステップは混合物を少なくとも850K、通常、約850K以上の第1の温度に加熱することから構成されていても良い。そして、混合物は冷却される。冷却の後、混合物は粉砕され(乳棒と乳鉢でひくこと等によって細かい粉までひかれる)、少なくとも1300K、通常、約1300K以上の第2の温度まで加熱される。
上述のように、図1は本発明の1つの実施例による、光学的化合物を製造する簡略化された方法である。この図は単に例であって、請求項の範囲を過度に制限してはならない。当業者であれば、多くの変形例、修正案、代替案を認識するだろう。方法100は、化学物質を測定し混合する過程110と、混合物をるつぼと加熱炉に移動する過程120と、混合物を融解するための過程130と、結晶化に加熱炉の条件を最適化する過程140と、種を導入し、結晶化を開始する過程150と、システムを冷却し、結晶を引き抜く過程160と、を含む。上記は過程の選択された配列を用いて示されたが、多くの変形例、修正案、代替案が可能である。例えば、いくつかの過程は拡大されたり、組み合わされたりしても良い。他の過程が上記のものに挿入されても良い。実施例によって、過程の特定の並び方は交換されたり置換されたりしても良い。例えば過程150は自然発生の核生成を用いる様に代えられたり、冷たい指状のものを溶解物の表面に導入する従来の光学結晶成長過程を用いても良い。これらの過程のさらなる詳細は本明細書、特に以下に、見つけられる。
過程110である種の化学物質が測定され、混合される。例えば、高純度の酸化物粉末と化学物質が測られ、適切な比率で混合される。過程120では混合物がるつぼと加熱炉に移動させられる。例えば、混合物はるつぼに搭載され、加熱炉に設置される。過程130では混合物は融解される。例えば、混合物は加熱され、液体に融解する結果となる。
過程140では加熱炉の条件が結晶化のために最適化される。例えば、しばらくして、溶解物温度が凝固点近くに至らされる。過程150では、種が導入され、結晶化が開始される。例えば、種結晶が結晶化を開始するのに導入される。他の例では、過程150は結晶化を開始するために冷たい指状のものを用いる様に変更されている。また別の例では、過程150は、結晶化を開始するために自然発生の核生成を用いるように変更されている。加えて、溶解物の温度と装置の条件が変更されて、結晶成長を促すように監視される。過程160ではシステムは冷却され、結晶が引き抜かれる。例えば、適切なときに、システムが室温に下げられる。結晶はシステムから除去され、試験もしくはさらなる処理の準備が整う。
方法100の例として、Y(1−x)LaAl12で、0≦x≦0.1ものの生成は以下のように実行される。
過程110で、99.9%より大きい純度を持つ酸化イットリウム(Y)、99.9%より大きい純度を持つ酸化ランタン(La)、99.9%より大きい純度を持つ酸化アルミニウム(Al)、及び、99.9%より大きい純度を持つ酸化ホウ素(B)が得られる。例えば、これらの化学物質は、エーサーやスタンフォードマテリアルズといった商業業者から購入される。約14重量%の酸化イットリウム、約30重量%の酸化ランタン、約19重量%の酸化アルミニウム、約37重量%の酸化ホウ素を含む混合物が形成される。
過程120では、混合物はるつぼに搭載され、大気環境制御の高熱の加熱炉に設置される。例えば、周囲もしくは不活性大気で十分である。過程130では、混合物は、12時間で室温から1450Kから1575Kの範囲の別の温度に加熱される。結果として生じる溶解物は別の温度で約1から3日ソークされる。
過程140では、液体の混合物が毎時約20Kの割合で凝固点近くまで冷却される。例えば、約1475Kから1400Kの温度範囲である。その温度で、混合物は約8時間保たれる。過程150では、自然発生の核生成によって、もしくは、結晶種もしくは詰めたい指状のものを溶解物表面に導入する従来の光学結晶成長を用いて、最終温度1300Kへと毎日約1から5Kの割合で冷却する間に製造物の形成が開始される。加えて、成長の過程で、溶解物の温度と装置の条件は監視され、結晶成長を促すために、操作者もしくは自動化された制御システムによって最適に変更される。
過程160では、システムは毎時約50Kの冷却速度で室温まで冷却される。色のない透明なY(1−x)LaAl12で、0≦x≦0.1ものが得られ、加熱炉から取り出される。
方法100のまた別の例では、Lu(1−x)LaAl12で、0≦x≦0.1ものの生成は以下のように実行される。
過程110で、99.9%より大きい純度を持つ酸化ルテチウム(Lu)、99.9%より大きい純度を持つ酸化ランタン(La)、99.9%より大きい純度を持つ酸化アルミニウム(Al)、及び、99.9%より大きい純度を持つ酸化ホウ素(B)が得られる。例えば、これらの化学物質は、エーサーやスタンフォードマテリアルズといった商業業者から購入される。約21重量%の酸化ルテチウム、約30重量%の酸化ランタン、約16重量%の酸化アルミニウム、約34重量%の酸化ホウ素を含む混合物が形成される。
過程120では、混合物はるつぼに搭載され、通常3000ppm以上の酸素分圧を持つ窒素の大気環境制御を持つ高熱の加熱炉に設置される。過程130では、混合物は、12時間で室温から1450Kから1575Kの範囲の別の温度に加熱される。結果として生じる溶解物は別の温度で約1から3日ソークされる。
過程140では、液体の混合物が毎時約20Kの割合で凝固点近くまで冷却される。例えば、約1475Kから1400Kの温度範囲である。その温度で、混合物は約8時間保たれる。過程150では、自然発生の核生成によって、もしくは、結晶種もしくは詰めたい指状のものを溶解物表面に導入する従来の光学結晶成長を用いて、最終温度1275Kへと毎日約1から5Kの割合で冷却する間に製造物の形成が開始される。加えて、成長の過程で、溶解物の温度と装置の条件は監視され、結晶成長を促すために、操作者もしくは自動化された制御システムによって最適に変更される。
過程160では、システムは毎時約50Kの冷却速度で室温まで冷却される。色のない透明なLu(1−x)LaAl12で、0≦x≦0.1ものが得られ、加熱炉から取り出される。
方法100のまた別の例では、Sc(1−x)LaAl12で、0≦x≦0.1ものの生成は以下のように実行される。
過程110で、99.9%より大きい純度を持つ酸化スカンジウム(Sc)、99.9%より大きい純度を持つ酸化ランタン(La)、99.9%より大きい純度を持つ酸化アルミニウム(Al)、及び、99.9%より大きい純度を持つ酸化ホウ素(B)が得られる。例えば、これらの化学物質は、エーサーやスタンフォードマテリアルズといった商業業者から購入される。約8重量%の酸化ルテチウム、約34重量%の酸化ランタン、約18重量%の酸化アルミニウム、約39重量%の酸化ホウ素を含む混合物が形成される。
過程120では、混合物はるつぼに搭載され、大気環境制御の高熱の加熱炉に設置される。例えば、周囲もしくは不活性大気で十分である。過程130では、混合物は、12時間で室温から1475Kから1600Kの範囲の別の温度に加熱される。結果として生じる溶解物は別の温度で約1から3日ソークされる。
過程140では、液体の混合物が毎時約20Kの割合で凝固点近くまで冷却される。例えば、約1500Kから1425Kの温度範囲である。その温度で、混合物は約8時間保たれる。過程150では、自然発生の核生成によって、もしくは、結晶種もしくは詰めたい指状のものを溶解物表面に導入する従来の光学結晶成長を用いて、最終温度1300Kへと毎日約1から5Kの割合で冷却する間に製造物の形成が開始される。加えて、成長の過程で、溶解物の温度と装置の条件は監視され、結晶成長を促すために、操作者もしくは自動化された制御システムによって最適に変更される。
過程160では、システムは毎時約50Kの冷却速度で室温まで冷却される。色のない透明なSc(1−x)LaAl12で、0≦x≦0.1ものが得られ、加熱炉から取り出される。
図2は、本発明の1つの実施例による光学化合物の簡易化した画像である。この図は単に例であって、請求項の範囲を過度に制限してはならない。当業者であれば、多くの変形例、修正案、代替案を認識するだろう。光学化合物は、上述された様に方法100によって製造された、YLaAl12で、0≦x、0≦y、x+y≦1を含む。生成は、酸化イットリウム(Y)、酸化ランタン(La)、酸化アルミニウム(Al)、及び、酸化ホウ素(B)から始まる。図2に示されている通り、6x6x7mmの結晶は入文に大きくレーザー光変更装置として動作させる事が可能な光学的に透明な面を持つ。
図3は、本発明の1つの実施例による光学化合物の放射特性を示す簡易化された図である。この図は単に例であって、請求項の範囲を過度に制限してはならない。当業者であれば、多くの変形例、修正案、代替案を認識するだろう。光学化合物は、上述された様に方法100によって製造された、Y(1−x)LaAl12で、0≦x≦0.1、を含む。生成は、酸化イットリウム(Y)、酸化ランタン(La)、酸化アルミニウム(Al)、及び、酸化ホウ素(B)から始まる。図3に示されている通り、曲線300は波長の関数として透過率を示す。透過率は350nmから約175nmまで相対的に一定の値である。
図4は、本発明の1つの実施例による光学化合物による周波数変換を示す簡易化した図である。この図は単に例であって、請求項の範囲を過度に制限してはならない。当業者であれば、多くの変形例、修正案、代替案を認識するだろう。上述された様に方法100によって製造された、Y(1−x)LaAl12で、0≦x≦0.1、を含む。生成は、酸化イットリウム(Y)、酸化ランタン(La)、酸化アルミニウム(Al)、及び、酸化ホウ素(B)から始まる。例えば、光学化合物は図2に示されている結晶である。実験の間、約532nmの波長を持つレーザーパルスが6mm掛ける6mm掛ける7mmのY(1−x)LaAl12結晶に供給された。それに応じて、結晶は、紫外放射に感度のある画像シンチレータカードによって受光された光束を出力する。図4に示される様に、画像は、写真のためにフィルタで532nmに対して感度がない様にされたカメラで取られた。画像中、画像シンチレータカードに青い蛍光が観察された。従って、紫外光がY(1−x)LaAl12結晶によってSHG過程を通して生成され、画像シンチレータカードによって検出された。別の実験では、2色性の鏡が特に266nm光放射に最適化され、Y(1−x)LaAl12結晶と画像シンチレータカードの間に設置された。図4のものと類似の青い蛍光がやはり観察された。従って、266nmの紫外光がY(1−x)LaAl12結晶によって生成された。
上述の様に、そして、ここでさらに強調されるように、この方法は様々なタイプの光学化合物を製造することが可能である。本発明の1つの実施例によると、方法100によって、350nm以下で用いられる非線形光学のための化合物が生成される。化合物は、YAl12から構成される非線形光学のための材料を含む。化合物のモリブデンから生じる不純物は1000ppm以下である。本発明の別の実施例によると、方法100によって、350nm以下で用いられる非線形光学のための化合物が生成される。非線形光学のための材料を構成する化合物は、Y(1−x)Al12を含む。xは0以上で0.1以下であり、Mは、スカンジウム(Sc)、ランタン(La)、及びルテチウム(Lu)から成っているグループから選ばれる。化合物のモリブデンから生じる不純物は1000ppm以下である。
本発明のまた別の実施例によると、方法100によって、350nm以下で用いられる非線形光学のための化合物が生成される。非線形光学のための材料を構成する化合物は、Yb(1−x)Al12を含む。xは0以上で0.1以下であり、Mは、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、及びルテチウム(Lu)から成っているグループから選ばれる。化合物のモリブデンから生じる不純物は1000ppm以下である。本発明のまた別の実施例によると、方法100によって、350nm以下で用いられる非線形光学のための化合物が生成される。非線形光学のための材料を構成する化合物は、Lu(1−x)Al12を含む。xは0以上で0.1以下であり、Mは、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、イッテルビウム(Yb)及びランタン(La)から成っているグループから選ばれる。化合物のモリブデンから生じる不純物は1000ppm以下である。本発明のまた別の実施例によると、非線形光学のための化合物から構成される、350nm以下で用いられる化合物は、Sc(1−x)Al12を含む。xは0以上で0.1以下であり、Mは、イットリウム(Y)、ランタン(La)、イッテルビウム(Yb)及びルテチウム(Lu)から成っているグループから選ばれる。化合物のモリブデンから生じる不純物は1000ppm以下である。
本発明のまた別の実施例によると、方法100によって、350nm以下で用いられる非線形光学のための化合物が生成される。非線形光学のための材料を構成する化合物は、A(1−x)Al12を含む。xは0以上で0.1以下であり、Aは、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、イッテルビウム(Yb)及びルテチウム(Lu)から成っているグループから選ばれ、Mは、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、イッテルビウム(Yb)及びルテチウム(Lu)から成っているグループから選ばれる。化合物のモリブデンから生じる不純物は1000ppm以下である。1つの実施例によると、Mは、ランタン(La)、ルテチウム(Lu)、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、及び、イッテルビウム(Yb)から成っているグループから選ばれた少なくとも1つを含む。他の実施例では、Aは、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、イッテルビウム(Yb)及び、ルテチウム(Lu)から成っているグループから選ばれた少なくとも1つを含む。
上述された様に、いくつかの実施例によると、方法100によって生成された様々なタイプの光学的化合物のそれぞれは、モリブデンから生じる不純物は1000ppm以下である。例えば、モリブデンから生じる不純物は少なくとも500ppm以下である。他の例ではモリブデンから生じる不純物は少なくとも100ppm以下である。また別の例ではモリブデンから生じる不純物は少なくとも10ppm以下である。また別の例ではモリブデンから生じる不純物は少なくとも1ppm以下である。また別の例ではモリブデンから生じる不純物は実質的に無い。本発明のいくつかの実施例によると、方法100によって生成された様々なタイプの光学的化合物は、その化合物が350nm以下で非線形光学に用いられることを制限する不純物は少なくとも1000ppm以下である。例えば、化合物はそういったどんな不純物も少なくとも500ppm以下である。ほかの例では、化合物はそういったどんな不純物も少なくとも100ppm以下である。また別の例では、化合物はそういったどんな不純物も少なくとも10ppm以下である。また別の例では、化合物はそういったどんな不純物も少なくとも1ppm以下である。また別の例ではそういったどんな不純物も実質的に無い。
上述された様に、いくつかの実施例によると、方法100によって生成された様々なタイプの光学的化合物のそれぞれは、約0.001mm以上の体積を持つ。例えば、化合物は、約0.01mm以上の体積を持つ。別の例では、化合物は、約0.1mm以上の体積を持つ。また別の例では化合物は、約1mm以上の体積を持つ。
いくつかの実施例によると、方法100によって生成された様々なタイプの光学的化合物は350nm以下の非線形光学に用いられる。例えば、用途は約350ナノメータから160nmの範囲の波長に関している。別の例では、用途は約350nmから170nmの範囲の波長に関している。また別の例では、用途は、約350nm以下の放射を生成する装置に関連している。又別の例では装置はNLOシステム、レーザーシステムに関連した、及び/もしくは光源に関連した化合物から構成されている。
いくつかの実施例によると、方法100は350nm以下の用途に用いられる非線形光学用の化合物を生成することに用いられる。例えば、化合物は、350nm以下での用途用の三方晶系結晶類、及び/もしくは、350nm以下での用途用の空間群R32に関連している。別の例では、化合物は、Ce、Nd及びYbからなるグループから選択された少なくとも1つのドーパントをも含む。1つの実施例では、非線形光学材料はNYABを含む。別の実施例では非線形光学材料は、Yb:YABを含む。また別の実施例では非線形光学材料は、Ce:YABを含む。
本発明のまた別の実施例によると、350nm以下の用途用の非線形光学用の化合物を生成する方法は複数の材料を提供することを含む。複数の材料はランタンを含む化合物、そして加熱時に少なくとも酸化ランタンに分解される事が可能なランタンを含む化合物である。加えて、この方法は所定の比率に関した情報に少なくとも基づいて混合物を生成するために複数の材料を混合すること、混合物で結晶を形成するために結晶化過程を開始すること、ランタンを含む結晶を混合物から取り除くこと、を含む。例えば、複数の材料は酸化ランタンから構成される。別の例では複数の材料はさらに酸化ホウ素から構成される。また別の例では、この方法は混合物を加熱炉に設置することを含む。また別の例ではこの方法はさらに第1の所定の温度まで混合物を加熱すること、及び混合物を第2の所定の温度まで冷却することを含む。また別の例では、結晶化過程の開始は、結晶種を溶解物表面に挿入することから構成される。また別の例では、結晶は、A(1−x)Al12を含む。xは0以上0.1以下である。Aは、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、イッテルビウム(Yb)及びルテチウム(Lu)から成っているグループから選ばれ、Mは、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、イッテルビウム(Yb)及びルテチウム(Lu)から成っているグループから選ばれる。また別の例では方法100に従って方法が実装されている。
本発明のまた別の実施例によると、350nm以下の用途用の非線形光学用の化合物を生成する方法は複数の材料を提供することを含む。複数の材料はイットリウムを含む化合物、そして加熱時に少なくとも酸化イットリウムに分解される事が可能なイットリウムを含む化合物である。加えて、この方法は所定の比率に関した情報に少なくとも基づいて混合物を生成するために複数の材料を混合すること、混合物で結晶を形成するために結晶化過程を開始すること、イットリウムを含む結晶を混合物から取り除くこと、を含む。例えば、複数の材料は酸化イットリウムから構成される。別の例では複数の材料はさらに酸化ホウ素から構成される。また別の例では、この方法は混合物を加熱炉に設置することを含む。また別の例ではこの方法はさらに第1の所定の温度まで混合物を加熱すること、及び混合物を第2の所定の温度まで冷却することを含む。また別の例では、結晶化過程の開始は、結晶種を溶解物表面に挿入することから構成される。また別の例では、結晶は、A(1−x)Al12を含む。xは0以上0.1以下である。Aは、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、イッテルビウム(Yb)及びルテチウム(Lu)から成っているグループから選ばれ、Mは、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、イッテルビウム(Yb)及びルテチウム(Lu)から成っているグループから選ばれる。また別の例では方法100に従って方法が実装されている。
以下の本発明の追加の実施例では、示されている略語が用いられている。
mm:ミリメータ
NLO:非線形光学
nm:ナノメータ
ppm:100万分の一
SHG:第2高調波生成
以下の追加の実施例ではまた、以下の定義が読者を援助するためのみの目的で提供され、当業者によって理解されるであろう単語の内容より狭くすることは意図していない。
アルミニウムーホウ酸塩NLO結晶:アルミニウムとホウ酸塩を含む化学処方のNLO結晶である。アルミニウムーホウ酸塩NLO結晶の例としては、xがゼロより大きい整数で、YAl(BOLuAl(BO、及び、Y(1−x)LuAl(BOといったイットリウム、ルテチウム、もしくはそれらの組み合わせから構成される化学構造を持つアルミニウムーホウ酸塩NLO結晶を含む。
レーザー光束:レーザー装置によって生成された光子の束。レーザー光束は、例えば、実質的に平行で、実質的に単色で、実質的にコヒーレントである。
モリブデン含有化合物:モリブデン元素、もしくは、モリブデンを含む化学式を持つ酸化モリブデンといった化合物。
非線形光学結晶:光エネルギーに対して、非線形の偏光を示す結晶。これらの結晶は主要材料と、1つもしくはそれ以上の補助材料から構成される。
主要材料:非線形光学特性を持つ結晶化合物。主要材料はNLO結晶の結晶格子の多量を形成する。主要材料は、初期に生成されたり、分離されたりして、典型的には粉末状で存在する。主要材料粉末は、望ましい波長での光の生成、及び/もしくは、放射に適切なサイズと適切な純度のNLO結晶を形成するために再結晶化されなくてはならない。あるいは、主要材料は、結晶化過程で前駆体物質から形成されることも可能である。
前駆体物質:他の前駆体物質と組み合わせて主要材料を形成する事が出来る物質。例えば、Y、B、そしてAlはYAl(BOの形成のための前駆体物質である。
補助材料:NLO結晶に主要材料以外に含まれている元素もしくは化合物。補助材料は(ドーパントのように)意図的に組み入れられたものであっても、(混入物質のように)意図的でなく組み入れられたものであっても良い。補助材料は結晶格子の構成要素であっても良いし、結晶格子の外に存在していても良い。
遷移金属含有化合物:基本的な遷移金属、もしくは、遷移金属を含む化学式を持つ酸化繊維金属といった化合物。
タングステン含有化合物:タングステン元素、もしくは、タングステンを含む化学式を持つ酸化タングステンといった化合物。
開示された実施例は非線形光学結晶、特に非線形光学結晶の光沢特性と干渉する混入物質といったある種の混入物質が既知の非線形光学結晶と比べて削減された非線形光学結晶、に関する。
本明細書に開示されたのは、NLO結晶の実施例と、これらの結晶を生成し、使用する方法である。記述された実施例は、これに制限されないが、レーザー用途を含む様々な用途に有効である。
全てのNLO結晶は、少なくとも主要材料を持つ結晶格子から構成される。NLO結晶はまた、1つ又はそれ以上の補助材料を含んでいても良い。主要材料は、例えば、結晶の光学特性を変化させるために様々なドーパントにドープされても良い。主要材料の例は、
YAl(BO、LuAl(BO、BaB、BaAl、KAl、CaAl、SrAl、TiOPO、KTiOAsO、RbTiOPO、RbTiOAsO、CsTiOAsO、LiNbO、KNbO、AgGaS、AgGaSe、KHPO、KDPO、NHPO、CsHAsO、CsDAsO、LiIO、及び、LiTaOを含む。これらのNLO材料は単独でもしくは組み合わせで用いられても良い。
アルミニウムーホウ酸塩NLO結晶のなかで、xがゼロより大きい整数で、YAl(BOLuAl(BO、及び、Y(1−x)LuAl(BOといったイットリウム、ルテチウム、もしくはそれらの組み合わせから構成される化学構造を持つアルミニウムーホウ酸塩NLO結晶は、約300nmより短い、典型的には250nmより短い、より典型的には約175nmより短い、波長の光の生成及び/もしくは放射に適している。
アルミニウムーホウ酸塩NLO結晶を含むNLO結晶の実用性は、そもそも、それらの光学特性から導き出された。望ましい光学特性を達成するためには、しばしば比較的連続的な結晶構造を持ち、欠陥の少ない単結晶を成長させることが必要である。さらに、ほとんどの用途が、NLO単結晶が、例えばレーザーといった光学装置と結晶が両立するのに十分なサイズといった、ある種のサイズであることを要求する。いくつかの有用なNLO結晶は約0.1mm以上、典型的には約1mm以上、より典型的には約5mm以上、の体積を持つ。
主要材料が適切なサイズと純度の単結晶を生成するために再結晶される以前には、主要材料はアモルファス材料もしくはとても小さい結晶から構成される粉末で存在する。再結晶化は主要材料が粉末状態、もしくは組み合わせて主要材料を形成する前駆体物質から始まっても良い。例えば、混合物を形成するために前駆体物質を溶剤と組み合わせ、そして混合物から主要材料を結晶化しても良い。有効な前駆体物質は、主要材料の化学構成中の各元素の酸化物を含む。例えば、YAl(BOを形成するために、前駆体物質は、Y、B、及びAlを含んで良い。これらの前駆体物質は商業的に、例えばシグマーアルドリッチ(ミズーリ州セントルイス)から、入手可能である。
この開示は、アルミニウムーホウ酸塩NLO結晶といった、有用なNLO結晶を、まだNLO結晶用途に適切な形態でない、前駆体物質、もしくは、主要材料、つまり粉末と言った未加工の形態から、成長させる方法の実施例を記述する。いくつかの実施例は、前駆体物質もしくは主要材料を、混合物を形成するために混合する事を伴う。この混合物はその後、冷却されて、混合物が冷却されるにつれNLO結晶が成長する。溶剤は主要材料の元素要素が結晶の形で組み合わされるための媒質を提供する。溶剤無しでは、YAl(BOやLuAl(BOを含む多くの主要材料は高温で不規則に分解する傾向がある。
溶剤は前駆体物質の溶解度を促進することによって結晶化を促進する用に選ばれる。前駆体物質が酸性の場合、溶剤が塩基性の場合に溶解度が強められる。同様に、前駆体物質が塩基性の場合、溶剤が酸性の場合に溶解度が強められる。溶剤のpHは溶解度を促進するために調整されて良い、しかし極端なアルカリ性や酸性は結晶成長に有害な効果を持つかもしれない。
従来、溶剤は、もっぱら結晶化に対する効果のためだけに選ばれてきた。結晶過程で結晶が溶剤と分離するため、溶剤の選択は、過程によって生成された結晶に、少ししか、もしくは全然影響がないと考えられていた。驚くことに、従来の溶剤に存在するある種の元素は、これらの溶剤から構成される混合物から成長した結晶に組み入れられることが発見された。たとえばKMoO中で成長したYAl(BOは補助物質として酸化モリブデンを含む。これらの混入物質のいくつかは、少量存在するだけだが、これらの溶剤から構成される混合物から成長した結晶の光学特性に大幅に影響を及ぼすことが可能であることも発見された。例えば、これらの混入物質は望ましい波長での光の生成及び/放射を妨げる事が出来る。従来の混入物質を含むYAl(BO結晶は、370nm未満の波長の生成及び/放射を妨げる混入物質を含む。
ある種の結晶を、ある種の混合物なし、もしくは少なくとも実質上なしの混合物中で成長させることによって、改善された光学特性を持つ結晶を生成することができる。例えば、YAl(BOやLuAl(BOといった、従来のアルミニウムーホウ酸塩NLO結晶では得ることのできなかった、約300nm未満の波長、典型的には約250nm未満の波長、より典型的には約175nm未満といった短い波長でのレーザー光の生成/放射をする、アルミニウムーホウ酸塩NLO結晶を成長させることが可能である。
ある種の混入物質は、他のものより、NLO結晶の光学特性にとってより有害である。例えば、ある種の混合物質は、300nm未満、典型的には約250nm未満、そしてより典型的には約175nm未満といった短い波長での光の生成及び/もしくは放射と干渉する。ある種の混合物は、NLO結晶の短い波長での光の吸収を妨げ、従って、これらの短い波長での周波数混合過程を妨げる。従来の溶剤中で成長した結晶に組み込まれた混入物質は、電磁スペクトラムの紫外の領域での電荷転送転移を提示する元素を含む化合物である。これらの化合物は紫外波長での光の生成/放射と干渉する。いくつかの用途には、有害な混入物は、遷移金属、及び/もしくは、イットリウム、ランタン、ルテチウム以外のランタニドを含む化合物を含む。表2は、従来の溶剤で成長したYAl(BO結晶中の異なる元素の濃度を示す。示されている通り、YAl(BO結晶は重量で250ppmもモリブデンを含む。

従来の溶剤で成長したYAl(BO結晶の組成
*:不均一
いくつかの開示された実施例では、特別な溶剤が結晶化過程で用いられた。これらの溶剤は成長している結晶に組み入れられて、これらの結晶の光学特性を変化させることの出来る混入物を実質的に含まない。例えば、これらの溶剤は、遷移金属、及び/もしくは、イットリウム、ランタン、ルテチウム以外のランタニドを含まない。いくつかの実施例では、これらの溶剤は、モリブデン含有化合物を実質的に含まない。いくつかの実施例では、溶剤は、LaB、MgB、LiF、もしくはこれらの組み合わせから構成される。LaB、MgB、LiF溶剤は特にYAl(BO結晶を形成するのに有効である。
表3は、モリブデンを実質的に含まない溶剤中で成長したYAl(BO結晶の組成を示す。示されている通り、YAl(BO結晶は重量で0.15ppmのモリブデンを含む。

モリブデンを実質的に含まない溶剤中で成長したYAl(BO結晶の組成
いくつかの結晶成長技術は、特別に選ばれた溶剤と共に、望ましい特性を持ったNLO結晶を形成するために用いられることが出来る。いくつかの実施例では、前駆体物質と溶剤を混合すること、もしくは未加工の形の主要材料と溶剤が混合されて形成された混合物が、混合物の融点以上の温度に加熱される。混合物の融点は溶剤のタイプと量、前駆体物質もしくは主要材料のタイプと量によって異なる。融点及び他の融解特性(融解粘度や融解の遅さ)も様々な混和剤を混合物に導入することで変えられる。いくつかの有効な混和剤は、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩である。これらの塩は、例えば、酸化物、フッ化物、もしくは塩化物であっても良い。混和物は、生成される結晶の望まれる光学特性の少なくとも1つ、および、おそらく複数と干渉しない様に選ばれる。例えば、短い波長で第2高調波を生成する意図を持つNLO結晶の生成のための混和物はこれら短い波長で結晶が光を吸収することを妨げないように選択される。
結晶成長過程のいくつかの実施例では、融解した混合物に種が導入され、その後、混合物は、ゆっくりと第1の温度から第2の温度へと冷却される。種は典型的には主要材料の小さな結晶であり、しばしば均一の方向性を持つ。いくつかの実施例では、種は、混合物が第1の温度から第2の温度に冷却されるときに融解した混合物の中につり下げられる。混合物が冷却されるにつれ主要材料が結晶化する。結晶化は種の周りに、種の結晶方向と合致した均一の方向性をもつ単結晶として発生する。
結晶成長のほとんどは混合物が第1の温度から第2の温度へと冷却される期間の成長期間の間に起きる。第1の温度は、混合物の融点の付近もしくはそれ以上であり得る。第2の温度は、混合物の融点未満の温度、例えば、融点から約5℃から約100℃低い温度であり得る。成長期間の連続時間は、主要材料、溶剤、望まれた結晶のサイズによる。典型的には、毎時約0.2から0.3ミリメータの割合で成長する。適切な成長連続時間は典型的には10時間より長い。成長連続時間の一部、例えば2時間より長い一部で、混合物は毎時約2℃未満の冷却勾配で冷却されても良い。
表4は、(主要材料としての)YAl(BOと溶剤の異なる組み合わせと混合物の鍵となる融解特性との例のいくつかを挙げたものである。それぞれの混合物に対し、表4は、融点、成長温度範囲(すなわち、第1の温度と第2の温度の範囲)と適切な成長期間の例を挙げる。

いくつかのYAl(BO混合物の融解特性
表4に公開された混合物のうち、混合物1−4から形成された結晶は様々なクリーピングの程度を持つ。混合物5から成長した結晶はより少ないクリーピングを呈する。
一般的に、短い波長でのSHGを意図したNLO結晶の成長には、遷移金属、及び/もしくは、イットリウム、ランタン、ルテチウム以外のランタニドを含まない溶剤を選択することが有利である。しかしながら、遷移金属を含むいくつかの溶剤は主要材料の融解均一性を推進する上で特に効果的である。従って、ある種の場合には、NLO結晶に有害な物質が組み入れられる可能性による潜在的な結晶の光学特性との干渉を、有害な元素を含む溶剤の有益な効果と比較することが適切である。遷移金属を含む溶剤の使用は、特に、溶剤から成長させられるNLO結晶がとても短いSHGに用いられることが意図されていない場合に適切である。例えば、約300nm以上でのSHGに用いられるNLO結晶の成長には、結晶成長の過程のいくつかの実施例で、タングステンで構成される溶剤が用いられても良い。YAl(BO結晶の成長に良く適しているタングステン含有溶剤の1つは、Bと共に用いられるLiWOである。LiWOとBを組み合わせた表4に挙げられた混合物6から成長した結晶は特に品質が高い。
表5は表4に示された混合物6から成長したYAl(BO結晶中の異なる元素の組成を示す。タングステンは重量で550ppm含まれている。

LiWOとBと共に成長したYAl(BO結晶の組成
タングステン溶剤で成長したNLO結晶の光学特性のタングステンの影響を評価するために、図5を考慮することが有用である。図5は、タングステンと共に成長したYAl(BO(YAB−W)の透過率を、モリブデンを含むYAl(BO(YAB−Mo)の透過率と全ての遷移金属混入物を実質的に持たないYAl(BO結晶(YAB−La)の透過率と比較したものである。示されている通り、YAB−W結晶は、YAB−La結晶が光を吸収し始める波長より長い波長、しかし、YAB−Mo結晶が光を吸収し始める波長より短い波長で、で光の吸収を始める。多くの用途で短い波長での吸光が望ましい。これらの用途には、YAB−W結晶はYAB−Mo結晶と比較した場合に好ましいが、しかし、YAB−La結晶よりは劣る。
開示された方法で結晶を形成した後、均一な結晶構造はX線回折によって確認される。結晶の光学特性は結晶をレーザー光束の元におくことで試験される。例えば、YAl(BO結晶は、この方法で、第2高調波の生成が確認される。
開示された方法で形成されたNLO結晶は、アルミニウムーホウ酸塩NLO結晶のような、300nm未満、典型的には250nm未満、そしてより典型的には175nm未満といった望まれた波長での光の生成/放射と干渉するいかなる元素も実質的に含まない、及び/もしくは、重量で100ppm未満しか含まない、典型的には重量で50ppm未満、そしてより典型的には重量で10ppmしか含まない結晶を含む。望まれた波長での光の生成/放射と干渉する補助材料は、例えば、遷移金属元素及び/もしくは、イットリウム、ランタン、ルテチウム以外のランタニドである。結晶はまた、モリブデン含有化合物の濃度でも分類される。開示された方法で生成された、いくつかの結晶は、モリブデン含有化合物を実質的に含まない、及び/もしくは重量で100ppm未満、典型的には50ppm未満、そしてより典型的には10ppm未満しか含まない。
この開示で記述された結晶はたくさんの有用な用途を持つ。例えば、アルミニウムーホウ酸塩NLO結晶は、例えば、イットリウム、ルテチウム、もしくはそれらの組み合わせから構成される化学構造を持つアルミニウムーホウ酸塩NLO結晶は、図6に示される様なレーザー装置に組み入れられる事が可能である。一定の条件下でこれらの結晶は短波長レーザー光束を生成及び/もしくは放射することが出来る。
レーザー光束は、半導体基盤を含む、基盤表面上の異常を検出することに用いられる。これは、レーザー光束を、基盤表面の模様に放射して、反射光の一貫性を測定することで出来る。レーザー光束が、粒子といった、基盤表面上の異常に遭遇すると、反射光は散乱する。短波長レーザー光束は、より小さい異常を検出できるので特に有効である。これは、特徴的なサイズが下がると共に装置の機能に逆に影響を及ぼす異常のサイズも下がる、半導体産業で重要である。
短波長レーザー光束はまた、小さな直径の孔を基盤に開ける事にも用いられる。これらのレーザー光束は、長波長のレーザー光束に比べて、より多くのエネルギーをより小さい領域に集中させる、従ってより多くのエネルギーを基盤に与えることが可能である。小さな直径の孔を基盤に開ける能力は、例えば、プリント回路基盤に特性を構築するのに有効である。
本発明のいくつかの実施例で、遷移金属、及び/もしくは、イットリウム、ランタン、ルテチウム以外のランタニドを含む化合物といった、NLO結晶の光学特性に逆に影響を及ぼす混入物の濃度が低い、アルミニウムーホウ酸塩NLO結晶を含む非線形光学(NLO)結晶が記述された。これらの混入物の濃度の低い、いくつかのNLO結晶は、非常に短い波長で第2高調波を生成することが可能である。また、これらのNLO結晶を生成する方法も記述されている。いくつかの実施例は、アルミニウムーホウ酸塩NLO結晶といったNLO単結晶を、有害な混入物を含まない溶剤が入っている混合物から、成長させることを含む。記述されたNLO結晶は、例えば、レーザー装置などに用いられる。
ここに記述された例や実施例は、実例の目的のみであって、当業者にこの観点から示唆される様々な修正や変更は本願と付随の請求項の範囲の視野に含まれるものである。
図1は、本発明の1つの実施例による光学化合物を生成する簡易化した方法である。 図2は、本発明の1つの実施例による光学化合物の簡易化した画像である。 図3は、本発明の1つの実施例による光学化合物の放射特性を示す簡易化した図である。 図4は、本発明の1つの実施例による光学化合物による周波数変換を示す簡易化した図である。 図5は、タングステンと共に成長したYAl(BO結晶(YAB−W)、モリブデンを含むYAl(BO結晶(YAB−Mo)実質的に遷移金属混入物質のないYAl(BO結晶(YAB−La)のパーセント透過率を、280nmから400nmの範囲で示したグラフである。 図6はNLO結晶を組み入れたレーザー装置の概略図である。

Claims (103)

  1. 350nm以下で使用される非線形光学用の化合物であって、化合物は、YAl(B12から構成される非線形光学のための材質から構成され、
    化合物中のモリブデンから生じる不純度は1000ppm以下である、ことを特徴とする化合物。
  2. 前記化合物中のモリブデンから生じる不純度は500ppm以下である、ことを特徴とする請求項1に記載された化合物。
  3. 前記化合物中のモリブデンから生じる不純度は100ppm以下である、ことを特徴とする請求項2に記載された化合物。
  4. 前記化合物中のモリブデンから生じる不純度は10ppm以下である、ことを特徴とする請求項3に記載された化合物。
  5. 前記化合物中のモリブデンから生じる不純度は1ppm以下である、ことを特徴とする請求項4に記載された化合物。
  6. 前記化合物中のモリブデンから生じる不純度が実質的にない、ことを特徴とする請求項5に記載された化合物。
  7. 前記使用が、約350ナノメータから160nmの波長の範囲に関連している、ことを特徴とする請求項1に記載された化合物。
  8. 前記使用が、350nm以下の光放射を生成する装置と関連している、ことを特徴とする請求項1に記載された化合物。
  9. 前記装置がNLOシステムを構成する、ことを特徴とする請求項8に記載された化合物。
  10. 前記装置がレーザーシステムに関連する化合物から構成される、ことを特徴とする請求項8に記載された化合物。
  11. 前記装置が光源に関連する化合物から構成される、ことを特徴とする請求項8に記載された化合物。
  12. 前記化合物が、350nm未満の用途のための三方晶系結晶類と関連する、ことを特徴とする請求項1に記載された化合物。
  13. 前記化合物が、350nm未満の用途のための空間群R32と関連する、ことを特徴とする請求項1に記載された化合物。
  14. Ce、Nd、および、Ybから構成されるグループから選択された少なくとも1つを含むドーパントからさらに構成される、ことを特徴とする請求項1に記載された化合物。
  15. 前記化合物がNYABを構成する、ことを特徴とする請求項14に記載された化合物。
  16. 前記化合物がYb:YABを構成する、ことを特徴とする請求項14に記載された化合物。
  17. 前記化合物がCe:YABを構成する、ことを特徴とする請求項14に記載された化合物。
  18. 前記化合物が約0.001mm以上の体積を持つ、ことを特徴とする請求項1に記載された化合物。
  19. 前記化合物が約0.01mm以上の体積を持つ、ことを特徴とする請求項18に記載された化合物。
  20. 前記化合物が約0.1mm以上の体積を持つ、ことを特徴とする請求項19に記載された化合物。
  21. 前記化合物が約1mm以上の体積を持つ、ことを特徴とする請求項20に記載された化合物。
  22. 350nm以下で用いられる非線形光学用の化合物であって、前記化合物は、xは0以上0.1以下であり、Mはスカンジウム、ランタン、イッテルビウム、及び、ルテチウムから成るグループから選択される、Y(1−x)Al12、から構成される非線形光学のための材質から構成され、
    前記化合物中のモリブデンから生じる不純度は1000ppm以下である、ことを特徴とする化合物。
  23. 350nm以下で用いられる非線形光学用の化合物であって、前記化合物は、xは0以上0.1以下であり、Mはスカンジウム、イットリウム、ランタン、及び、ルテチウムから成るグループから選択される、Yb(1−x)Al12、から構成される非線形光学のための材質から構成され、
    前記化合物中のモリブデンから生じる不純度は1000ppm以下である、ことを特徴とする化合物。
  24. 350nm以下で用いられる非線形光学用の化合物であって、前記化合物は、xは0以上0.1以下であり、Mはスカンジウム、イッテルビウム、及び、ランタンから成るグループから選択される、Lu(1−x)Al12、から構成される非線形光学のための材質から構成され、
    前記化合物中のモリブデンから生じる不純度は1000ppm以下である、ことを特徴とする化合物。
  25. 350nm以下で用いられる非線形光学用の化合物であって、前記化合物は、xは0以上0.1以下であり、Mはイットリウム、ランタン、イッテルビウム、及び、ルテチウムから成るグループから選択される、Sc(1−x)Al12、から構成される非線形光学のための材質から構成され、
    前記化合物中のモリブデンから生じる不純度は1000ppm以下である、ことを特徴とする化合物。
  26. 350nm以下で使用される非線形光学用の化合物であって、前記化合物は、
    xは0以上0.1以下である、A(1−x)Al12から構成される非線形光学用の原料であって、
    Aは、Aはスカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、イッテルビウム(Yb)、及びルテチウム(Lu)から成っているグループから選ばれ、
    Mはスカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、イッテルビウム(Yb)、及びルテチウム(Lu)から成っているグループから選ばれ、
    前記化合物中のモリブデンから生じる不純度は1000ppm以下である、ことを特徴とする化合物。
  27. MがLaである、ことを特徴とする請求項26に記載された化合物。
  28. MがLuである、ことを特徴とする請求項26に記載された化合物。
  29. MがScである、ことを特徴とする請求項26に記載された化合物。
  30. MがYである、ことを特徴とする請求項26に記載された化合物。
  31. MがYbである、ことを特徴とする請求項26に記載された化合物。
  32. AがScである、ことを特徴とする請求項26に記載された化合物。
  33. AがYである、ことを特徴とする請求項26に記載された化合物。
  34. AがLaである、ことを特徴とする請求項26に記載された化合物。
  35. AがYbである、ことを特徴とする請求項26に記載された化合物。
  36. AがLuである、ことを特徴とする請求項26に記載された化合物。
  37. 前記化合物中のモリブデンから生じる不純度は500ppm以下である、ことを特徴とする請求項26に記載された化合物。
  38. 前記化合物中のモリブデンから生じる不純度は100ppm以下である、ことを特徴とする請求項37に記載された化合物。
  39. 化合物中のモリブデンから生じる不純度は10ppm以下である、ことを特徴とする請求項38に記載された化合物。
  40. 前記化合物中のモリブデンから生じる不純度は1ppm以下である、ことを特徴とする請求項39に記載された化合物。
  41. 前記化合物中のモリブデンから生じる不純度が実質的にない、ことを特徴とする請求項40に記載された化合物。
  42. 前記使用が、約350ナノメータから160nmの波長の範囲に関連している、ことを特徴とする請求項26に記載された化合物。
  43. 前記使用が、350nm以下の光放射を生成する装置と関連している、ことを特徴とする請求項26に記載された化合物。
  44. 前記装置がNLOシステムを構成する、ことを特徴とする請求項43に記載された化合物。
  45. 前記装置がレーザーシステムに関連する化合物から構成される、ことを特徴とする請求項43に記載された化合物。
  46. 前記装置が光源に関連する化合物から構成される、ことを特徴とする請求項43に記載された化合物。
  47. 化合物が、350nm未満の用途のための三方晶系結晶類と関連する、ことを特徴とする請求項26に記載された化合物。
  48. 前記化合物が、350nm未満の用途のための空間群R32と関連する、ことを特徴とする請求項26に記載された化合物。
  49. Ce、及び、Ndから構成されるグループから選択された少なくとも1つを含むドーパントからさらに構成される、ことを特徴とする請求項26に記載された化合物。
  50. 前記使用が、約350ナノメータから160nmの波長の範囲に関連している、ことを特徴とする請求項26に記載された化合物。
  51. 前記化合物が約0.001mm以上の体積を持つ、ことを特徴とする請求項26に記載された化合物。
  52. 前記化合物が約0.01mm以上の体積を持つ、ことを特徴とする請求項51に記載された化合物。
  53. 前記化合物が約0.1mm以上の体積を持つ、ことを特徴とする請求項52に記載された化合物。
  54. 前記化合物が約1mm以上の体積を持つ、ことを特徴とする請求項53に記載された化合物。
  55. 約300nm未満の波長の光を生成、または/及び、放射する非線形光学結晶の能力を呈する、0.1mm以上の体積を持つ、いかなる元素も重量で約100ppm未満から構成される非線形光学結晶。
  56. 前記非線形光学結晶が、アルミニウムーホウ酸塩非線形光学結晶である、ことを特徴とする請求項55に記載された非線形光学結晶。
  57. 前記非線形光学結晶が、イットリウム、及び/もしくは、ルテチウムから構成されたアルミニウムーホウ酸塩非線形光学結晶である、ことを特徴とする請求項55に記載された非線形光学結晶。
  58. 約0.1mm以上の体積を持つ、遷移金属元素、及び/もしくは、イットリウム、ランタン、ルテチウム以外のランタニドを含む化合物が重量で約100ppm未満から構成されるアルミニウムーホウ酸塩非線形光学結晶。
  59. 約1mm以上の体積を持つ、ことを特徴とする請求項58に記載されたアルミニウムーホウ酸塩非線形光学結晶。
  60. 約0.1mm以上の体積を持つ、モリブデン含有化合物のいかなる1つも重量で約100ppm未満から構成されるアルミニウムーホウ酸塩非線形光学結晶。
  61. 約0.1mm以上の体積を持つ、YAl(BO結晶が約300nm未満の波長の光を生成/放射する能力を抑制するいかなる元素も重量で約100ppm未満、から構成されるYAl(BO結晶。
  62. 主要材料と、約300nm未満の波長の光を生成/放射する能力を抑制するいかなる元素も重量で約100ppm未満、から構成される非線形光学結晶であって、レーザー装置によって生成されたレーザー光束の波長を変更するのに有効な非線形結晶。
  63. 前記非線形結晶が、アルミニウムーホウ酸塩非線形光学結晶である、ことを特徴とする請求項62に記載された非線形結晶。
  64. 前記非線形結晶が、YAl(BO結晶である、ことを特徴とする請求項62に記載された非線形結晶。
  65. 約1mm以上の体積を持ち、第1の波長の入射レーザー光束を第2の波長の出力レーザー光束に変換することが可能で、第2の波長は約200nm未満である、アルミニウムーホウ酸塩非線形光学結晶。
  66. アルミニウムーホウ酸塩非線形光学結晶が、YAl(BO結晶である、ことを特徴とする請求項65に記載されたアルミニウムーホウ酸塩非線形光学結晶。
  67. 約1mm以上の体積を持ち、第1の波長の入射レーザー光束を第2の波長の出力レーザー光束に変換することが可能で、第2の波長は約500nm未満であり、主要材料以外に、タングステン含有化合物からなるアルミニウムーホウ酸塩非線形光学結晶。
  68. 非線形光学結晶を生成する方法であって、
    主要材料と、前記非線形光学結晶の約300nm未満の波長の光を生成/放射する能力を抑制するいかなる元素も実質的に含まない溶剤を提供すること、及び、
    前記非線形光学結晶の約300nm未満の波長の光を生成/放射する能力を抑制するいかなる元素も実質的に含まない前記非線形光学結晶を形成するために主要材料を再結晶化すること、
    を特徴とする方法。
  69. アルミニウムーホウ酸塩非線形光学結晶を生成する方法であって、
    主要材料と、前記非線形光学結晶の約300nm未満の波長の光を生成/放射する能力を抑制するいかなる元素も実質的に含まない溶剤を提供すること、及び、
    前記非線形光学結晶の約300nm未満の波長の光を生成/放射する能力を抑制するいかなる元素も実質的に含まないアルミニウムーホウ酸塩非線形光学結晶を形成するために主要材料を再結晶化すること、
    を特徴とする方法。
  70. 溶剤が、LaB、MgB、LiF及びそれらの組み合わせから構成される、ことを特徴とする請求項69に記載された方法。
  71. 前記溶剤がいかなるモリブデン含有化合物をも実質的に含まない、ことを特徴とする請求項69に記載された方法。
  72. 前記主要材料が、YAl(BOである、ことを特徴とする請求項69に記載された方法。
  73. 前記溶剤が、LaBから構成される、ことを特徴とする請求項72に記載された方法。
  74. 前記主要材料が、LuAl(BOである、ことを特徴とする請求項69に記載された方法。
  75. 前記溶剤が、LaBから構成される、ことを特徴とする請求項74に記載された方法。
  76. 前記主要材料の再結晶化が、混合物を形成するために主要材料を溶剤と混合すること、及び、前記混合物に種を導入すること、を特徴とする請求項69に記載された方法。
  77. 前記種が実質的に前記主要材料から成る、ことを特徴とする請求項76に記載された方法。
  78. 前記種を前記混合物に導入することが前記種を前記混合物中につり下げること、を特徴とする請求項76に記載された方法。
  79. 前記主要材料の再結晶化が、さらに、前記混合物を冷却すること、及び、アルミニウムーホウ酸塩非線形光学結晶を前記混合物から引き上げること、を特徴とする請求項76に記載された方法。
  80. 前記混合物の冷却が、前記混合物の融点もしくはそれ以上の第1の温度から前記混合物の融点より低い第2の温度に成長期間をかけて冷却することから構成され、成長期間が10時間より長い、ことを特徴とする請求項79に記載された方法。
  81. 前記第2の温度は、前記混合物の融点より約5℃から約100℃の間で低い、ことを特徴とする請求項80に記載された方法。
  82. 前記混合物は、成長期間の一部の間、毎時約2℃より小さい冷却勾配で冷却され、成長期間の一部が2時間より長い、ことを特徴とする請求項80に記載された方法。
  83. YAl(BO結晶を生成する方法であって、
    混合物を形成するためにYAl(BOを遷移金属元素、及び/もしくは、イットリウム、ランタン、ルテチウム以外のランタニドを実質的に含まない溶剤と混合すること、
    前記混合物に種を導入すること、
    前記混合物を、前記混合物の融点もしくはそれ以上の第1の温度から前記混合物の融点より低い第2の温度に成長期間をかけて冷却すること、及び、
    YAl(BO結晶を、前記混合物を冷却した後に、前記混合物から引き上げること、から構成され、
    前記成長期間が10時間より長い、ことを特徴とする方法。
  84. 前記溶剤が、LaB、MgB、LiF及びそれらの組み合わせから構成される、ことを特徴とする請求項83に記載された方法。
  85. アルミニウムーホウ酸塩非線形光学結晶を生成する方法であって、
    主要材料と、タングステンから構成される溶剤を提供すること、
    遷移金属元素、及び/もしくは、イットリウム、ランタン、ルテチウム以外のランタニドを実質的に含まないアルミニウムーホウ酸塩非線形光学結晶を形成するために前記主要材料を再結晶化させること、
    を特徴とする方法。
  86. 前記主要材料が、YAl(BOである、ことを特徴とする請求項85に記載された方法。
  87. 前記溶剤が、LiWOから構成される、ことを特徴とする請求項86に記載された方法。
  88. 前記溶剤がさらにBから構成される、ことを特徴とする請求項87に記載された方法。
  89. YAl(BO結晶を生成する方法であって、
    YAl(BOと、実質的にいかなるモリブデン含有化合物を持たない溶剤を提供すること、
    いかなるモリブデン含有化合物のモリブデンを重量で10ppm未満から構成されるYAl(BO結晶を形成するために、YAl(BOを再結晶化させること、
    を特徴とする方法。
  90. 350nm以下で使用する非線形光学用の化合物を生成する方法であって、
    ランタンを含む化合物で加熱されたときに少なくとも酸化ランタンに分解することが可能な複数の材料を提供すること、
    所定の比率に関する情報に少なくとも基づいて前記混合物を形成するために複数の材料を混合すること、
    結晶を形成するために前記混合物中で結晶化を開始すること、
    ランタンを含む結晶を前記混合物から除去すること、
    を特徴とする方法。
  91. 前記複数の材料が酸化ランタンから構成される、ことを特徴とする請求項90に記載された方法。
  92. 前記複数の材料が、さらに酸化ホウ素から構成される、ことを特徴とする請求項91に記載された方法。
  93. さらに前記混合物を加熱炉に設置することから構成される、ことを特徴とする請求項90に記載された方法。
  94. さらに、前記混合物を第1の所定の温度に加熱すること、
    前記混合物を第2の所定の温度に冷却すること、
    を特徴とする請求項90に記載された方法。
  95. 前記結晶化の開始が結晶種を溶解物表面に挿入すること、を特徴とする請求項90に記載された方法。
  96. 前記結晶が、A(1−x)Al12から構成され、
    xは0以上0.1以下であり、
    Aはスカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、イッテルビウム(Yb)、及びルテチウム(Lu)から成っているグループから選ばれ、
    Mはスカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、イッテルビウム(Yb)、及びルテチウム(Lu)から成っているグループから選ばれる、ことを特徴とする請求項90に記載された方法。
  97. 350nm以下で使用する非線形光学用の化合物を生成する方法であって、
    イットリウムを含む化合物で加熱されたときに少なくとも酸化イットリウムに分解することが可能な複数の材料を提供すること、
    所定の比率に関する情報に少なくとも基づいて混合物を形成するために複数の材料を混合すること、
    結晶を形成するために前記混合物中で結晶化を開始すること、
    イットリウムを含む結晶を前記混合物から除去すること、
    を特徴とする方法。
  98. 前記複数の材料が酸化イットリウムから構成される、ことを特徴とする請求項97に記載された方法。
  99. 前記複数の材料が、さらに酸化ホウ素から構成される、ことを特徴とする請求項98に記載された方法。
  100. さらに前記混合物を加熱炉に設置することから構成される、ことを特徴とする請求項97に記載された方法。
  101. さらに、前記混合物を第1の所定の温度に加熱すること、
    前記混合物を第2の所定の温度に冷却すること、
    を特徴とする請求項97に記載された方法。
  102. 前記結晶化の開始が結晶種を溶解物表面に挿入すること、を特徴とする請求項97に記載された方法。
  103. 前記結晶が、A(1−x)Al12から構成され、
    xは0以上0.1以下であり、
    Aはスカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、イッテルビウム(Yb)、及びルテチウム(Lu)から成っているグループから選ばれ、
    Mはスカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、イッテルビウム(Yb)、及びルテチウム(Lu)から成っているグループから選ばれる、ことを特徴とする請求項97に記載された方法。
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