JP2007531855A - 可反転式ガスタービンギアボックス - Google Patents

Abstract

第１または第２の方向のうちの選択された１方向にプロペラを回転させるギアボックス（３０、１３０）を提供する。第２の方向は、第１の方向に対して逆である。ギアボックスは、プロペラの選択された方向に拘らず選択される共通のガスタービン歯車構成部品、および、プロペラの選択された方向に従って配置される第１および第２の構成の歯車、アイドラ（７６）、およびピニオン（４４、７４）を有する。

Description

本発明は、ガスタービンエンジンに関し、極めて詳細には、その種のエンジンのギアボックスに関する。

通常のターボプロップエンジンでは、プロペラは一方向にのみ回転し、それに応じて、ギアボックスは、駆動動力の伝達に加えて、関連する反プロペラ荷重を取り扱うように設計される。しかし、ガスタービンの方向は一般に固定されているので、プロペラ荷重はある程度非対称になり、ギアボックスの設計は、プロぺラがどの方向に回転するように意図されているかによって変化する。したがって、ガスタービン製造業者が、顧客の選択によっていずれの方向にでもプロペラを回転することができる汎用のガスタービンエンジンを供給しようと望む場合、２つの異なるギアボックス設計を実施しなければならない。しかし、２つのギアボックスを供給することは、製造、在庫などのコストが増加し、したがって、プロペラをどちらの方向にも駆動するようになされるガスタービンギアボックス設計の改善が必要性である。

したがって、本発明の一目的は、異なる回転方向を有する様々なターボプロップへ適用するに当たって、２重になることを最低限に抑えた汎用ギアボックスの設計を提供することにある。

したがって、本発明によれば、ガスタービンエンジンのプロペラを、第１の方向および第２の方向のうちの選択された１方向に回転させるギアボックスが提供される。そのギアボックスは、収容部を画定するケーシングと、第１および第２の方向のうちの選択された１方向にプロペラを回転させる出力シャフトであって、ケーシング内に部分的に収容されている出力シャフトと、歯車列を通して出力シャフトを駆動する対合歯車であって、ケーシング内に第１の位置を占める対合歯車と、タービンから動力を受け取り第１の方向に回転する入力シャフトであって、ケーシング内に部分的に収容されている入力シャフトと、入力シャフトに結合されている入力ピニオンであって、ケーシング内に第２の位置を占める入力ピニオンと、それぞれ１つずつの補機を駆動するようになされた複数の補機駆動歯車であって、ケーシング内に第３の位置を占める複数の補機駆動歯車と、第１の方向に回転し、各部位が複数の補機駆動歯車の少なくとも１つと噛み合う多重部位歯車であって、ケーシング内に第４の位置を占める多重部位歯車と、を備える。そのギアボックスでは、第１、第２、第３および第４の位置が同じである第１の構成と第２の構成からなる群から選択される相互作用が、入力ピニオンと、対合歯車と、多重部位歯車との間に存在し、第１の構成は、対合歯車が第２の方向に回転するように対合歯車と噛み合う入力ピニオンと、入力ピニオンに結合された補機ピニオンと噛み合う第１のアイドラ歯車と噛み合う多重部位歯車とで構成され、第１のアイドラ歯車および補機ピニオンはケーシング内に配置され、第２の構成は、対合歯車が第１の方向に回転するように、対合歯車と噛み合う第２のアイドラ歯車と噛み合う入力ピニオンであって、第２のアイドラ歯車がケーシング内に配置される入力ピニオンと、対合歯車に結合される多重部位歯車とで構成され、第１の構成と第２の構成との間の選択が、第１の方向と第２の方向のうちの１つの選択を決定する。

また、本発明によれば、ガスタービンエンジンのプロペラを、第１の方向および第２の方向のうちの選択した１方向に回転させるギアボックスを製造する方法が提供される。その方法は、ケーシングを鋳造するステップと、第１および第２の方向のうちの選択した１方向に対応する第１および第２の構成のうちの１つを選択するステップと、第１および第２の構成のうちの選択した１つに従ってケーシングを機械加工するステップと、ケーシング内に、入力シャフトおよび出力シャフトを部分的に挿入するステップと、出力シャフトを駆動するようになされた歯車列と、歯車列と噛み合う対合歯車と、入力シャフトに結合する入力ピニオンと、多重部位歯車と、それぞれが１つの補機を駆動するようになされた複数の補機駆動歯車であって、少なくとも１つの補機駆動歯車が多重部位歯車の各部位と噛み合う複数の補機駆動歯車とを、ケーシング内に設置するステップと、第１および第２の構成のうちの選択した１つに対応する少なくとも１つの要素であって、第１の構成の少なくとも１つの要素が第１のアイドラ歯車と補機ピニオンとにより成立し、第２の構成の少なくとも１つの要素が第２のアイドラ歯車により成立する、少なくとも１つの要素をケーシング内に設置するステップと、第１の構成および第２の構成のうちの選択した１つに従って、入力ピニオンと、対合歯車と、多重部位歯車と、少なくとも１つの要素との間の相互作用を構成するステップであって、第１の構成の相互作用が、入力ピニオンを対合歯車と噛み合わせ、多重部位歯車を第１のアイドラ歯車と噛み合わせ、第１のアイドラ歯車を補機ピニオンと噛み合わせ、補機ピニオンを入力ピニオンに結合させることにより成立し、第２の構成の相互作用が、入力ピニオンを第２のアイドラ歯車と噛み合わせ、第２のアイドラ歯車を対合歯車と噛み合わせ、多重部位歯車を対合歯車に結合させることにより成立する、相互作用を構成するステップとを含む。

また、本発明によれば、出力シャフトが、ギアボックスの選択された構成によっていずれの方向にも回転可能である、単一出力シャフトのターボプロップギアボックスを形成するキットが提供される。そのキットは、出力シャフトと、入力シャフトと、出力シャフトと協働する第２段歯車セットと、第１の構成を有し、入力シャフトおよび第２段歯車セットと協働する第１段歯車セットであって、第１の構成が第２歯車段を第１の方向に回転させるように働く、第１段歯車セットと、第２の構成を有し、入力シャフトおよび第２段歯車セットと協働する第１段歯車セットであって、第２の構成が第２歯車段を第１の方向とは逆の第２の方向に回転させるように働く、第１段歯車セットと、を備え、ガスタービンエンジンに所望される回転方向によって、第１および第２の構成のうちの１つだけが選択される。

また、本発明によれば、単一プロペラ用ターボプロップエンジンを形成する方法がさらに提供される。その方法は、ガスタービンを用意するステップと、前記ガスタービンの出力シャフトに取り付けられるギアボックスで、出力プロペラシャフト、ならびに少なくとも、互いに結合された第１および第２歯車段を有するギアボックスであって、第１歯車段が、前記タービンの出力シャフトに隣接し、それに結合され、前記第２歯車段が、出力プロペラシャフトに隣接し、それに結合される、減速ギアボックスを用意するステップと、を含み、減速ギアボックスを用意するステップが、時計方向にプロペラを作動させるようになされた第１の歯車セットおよび反時計方向にプロペラを作動させるようになされた第２の歯車セットからなる群から第１歯車段構成を選択するステップと、前記第１歯車段の第１および第２の歯車セットの両方と作動可能な第２歯車段構成を用意するステップと、プロペラの所望の回転方向を選択するステップと、それに対応する第１歯車段構成を選択するステップと、を含む。

本出願では、用語「標準回転」は第１の回転方向（たとえば時計方向または反時計方向の１つ）を指すのに使用され、用語「逆回転方向」は第２の、または逆の回転方向を指すのに使用される。

ここで、その好ましい実施形態を例示として示す添付図面を参照する。

図１は、プロペラを駆動するために、偏心ギアボックス３０、１３０を有するターボプロップエンジン１０を示す。エンジン１０は、ＬＰタービンシャフト１９に取り付けられた低圧（ｌｏｗ ｐｒｅｓｓｕｒｅ）（ＬＰ）タービン１６およびＬＰ圧縮機１８を含む第１の回転アッセンブリと、ＨＰタービンシャフト２１に取り付けられた高圧（ｈｉｇｈ ｐｒｅｓｓｕｒｅ）（ＨＰ）タービン１７およびＨＰ圧縮機１５を含む第２の回転アッセンブリとを備える。出力タービン２０は、ギアボックス３０、１３０に回転入力を供給する出力タービン出力シャフト２２を駆動する。

ＬＰおよびＨＰ圧縮機１８、１５は、環状空気吸入路２４を介してエンジン１０に空気を引き込み、その圧力を上昇させ、圧縮された空気を燃焼器２６に送り込み、燃焼器２６で圧縮空気が燃料と混合され着火されて高温燃焼ガスの流れを生成する。ＬＰおよびＨＰタービン１６、１７は、ＬＰおよびＨＰ圧縮機１８、１５をそれぞれ駆動するために、膨張する高温ガスからエネルギーを取り出す。ＬＰおよびＨＰ圧縮機用タービンを出た高温ガスは、出力タービン２０中で膨張しながら再び加速される。出力タービン２０は、ギアボックスを駆動する回転エネルギーを、出力タービン出力シャフト２２を介して供給する。

ギアボックス３０、１３０は、出力タービン２０の速度をプロペラに適した速度に減少させる。本発明では、ギアボックスは、プロペラに所望される回転方向に応じて「標準回転」ギアボックス３０または「逆回転」ギアボックス１３０のどちらにもなり得る。本発明のギアボックス３０、１３０は、有利には、以下にさらに説明するように、両方とも実質的に同じ構成部品から形成することができる。

図２を参照すると、「標準回転」ギアボックス３０がより詳細に示されている。ギアボックスハウジング３２、前方カバー３４および補機駆動部カバー３６が、様々なギアボックス構成部品を収容するケーシングを形成する。ギアボックスハウジング３２のフランジ３７が、ターボ機械／ギアボックス接続面を形成する。可撓入力駆動シャフト３８が、ギアボックス３０をタービンシャフト２２に結合する。出力シャフト４０が、プロペラが取り付けられるフランジ４２を有する。出力シャフトは、前方カバー３４内に取り付けられた前方ボールベアリング６８およびローラベアリング７０と、補機駆動部カバー３６内に取り付けられた後方ローラベアリング７２とによって支持されている。

ギアボックス３０は、好ましくは、図に説明を目的として点線によって示された、偏心第１段２８および遊星歯車式第２段２９を有する２段式減速ギアボックスである。

図２〜図３を参照すると、第１段は、駆動シャフト３８に結合される入力ピニオン４４であって、出力シャフト４０と同軸の第１段歯車すなわち対合歯車４６と噛み合う入力ピニオン４４で構成される。第１段歯車４４および４６は、２重斜歯歯車である。第１段２８は、ギアボックスハウジング３２内に装着された支持ハウジング５０に取り付けられた前方ベアリング４８と、ギアボックスハウジング３２に取り付けられた後方ベアリング５２とによって支持されている。

第２段２９は、遊星歯車式で、好ましくは以下の説明に沿って構成されている。出力シャフト４０と同軸で、遊動スプライン５６によって第１段歯車４６に結合されている太陽歯車５４が、複数の遊星歯車５８と噛み合っている。遊星歯車５８は、遊星キャリア６０に支持され、遊星歯車５８が遊星キャリア６０を駆動する。遊星キャリア６０は、固定スプライン継手６２によって、出力シャフト４０に結合されている。静止輪形歯車６４が、遊星歯車５８と噛み合い、それによって、遊星歯車５８の周回運動が可能になる。静止輪形歯車６４は、遊動スプライン継手６６によって、支持ハウジング５０に結合されている。第２段は、本出願人によって２００３年７月２９日に出願された米国特許出願第１０／６２８，５７３号に従って製作されることが好ましく、同出願は参照により本明細書に組み込まれる。

ギアボックス３０は、３つの補機駆動部を有し、それぞれが、好ましくは、エンジン後方から見て時計方向に異なる速度で回転する。図２、図４および図５を参照すると、補機ピニオン７４がピニオン４４に結合している。補機ピニオン７４は、アイドラ歯車７６と噛み合い、アイドラ歯車７６は次いで３重補機歯車７８と噛み合う。３重補機歯車７８は、たとえばニードルローラベアリング７６によって出力シャフト４０上に装着されたアイドラであり、したがって、その軸周りに自由に回転することができる。３つの補機駆動歯車８２ａ、ｂ、ｃが、３重補機歯車７８の対応する部位と噛み合い、それによって、それぞれが補機を駆動する。

両ギアボックス３０、１３０の第１段歯車は、エンジンの補機を駆動するのに、通常、第２段歯車より適している。したがって、補機への入力駆動の選択肢は減って、ピニオン４４または歯車４６のいずれかを選択することになる。歯車４６から補機を駆動することは可能ではあるが、そのような設計を、逆方向回転用に設計するギアボックス１３０への使用に適合させるのは容易ではない。本発明の構成は、駆動部としてピニオン４４を選択する際に、見掛けはより複雑に見えるが、以下にさらに説明するように、２つのギアボックス３０、１３０間に大幅な共通化を実際に可能にする設計を提供する。

図６を参照すると、逆回転ギアボックス１３０がより詳細に示されている。同一の参照符号を有する構成部品の全ては、標準回転ギアボックス３０の対応する構成部品と好ましくは同一であり、僅かな違いを有する対応する構成部品は、図１〜図５と同様だが１００だけ増えた参照符号によって識別されている。標準回転ギアボックス３０と同様に、逆回転ギアボックス１３０は、ギアボックスハウジング１３２と、前方カバー３４と、補機駆動部カバー３６と、フランジ３７と、ギアボックス１３０をタービンシャフト２２に結合する可撓入力駆動シャフト３８と、プロペラを受けるシャフトフランジ４２を有する出力シャフト４０とを備える。標準回転ギアボックス３０と同様に、出力シャフトは、前方ボールベアリング６８およびローラベアリング７０と、後方ローラベアリング７２とによって支持されている。ギアボックスハウジング３２、１３２間には、以下により詳細に述べる僅かな違いが存在する。

ギアボックス１３０もまた、好ましくは、偏心した第１段１２８を有する２段式減速ギアボックスである。図６〜図７を参照すると、第１段１２８は、駆動シャフト３８に結合される入力ピニオン１４４であって、２つのアイドラ歯車１４５と噛み合う入力ピニオン１４４からなる。２つのアイドラ歯車１４５は、次いで、出力シャフト４０と同軸の第１段歯車すなわち対合歯車１４６と噛み合う。歯車１４４、１４５および１４６もまた、２重斜歯歯車である。第１段１２８は、ギアボックスハウジング１３２中に装着された支持ハウジング１５０に取り付けられた前方ベアリング１４８と、ギアボックスハウジング１３２に取り付けられた後方ベアリング１５２とによって支持されている。

逆回転ギアボックス１３０の第２段２９は、標準回転ギアボックス３０の第２段２９と同一であり、したがって、ここで再び記述する必要はない。

ピニオン１４４および歯車１４６はそれぞれ、標準回転ギアボックス３０のピニオン４４および歯車４６より小さい。しかし、入力駆動部と出力駆動部との間の回転速度および中心間距離は、２つのギアボックス３０、１３０の間で同じであることが好ましい。入力シャフト３８からの動力は、２つの歯車（アイドラ歯車１４５）間で分担されるので、ベアリング１４８、１５２に伝わるベアリング荷重は小さくなり、したがって、ベアリング１４８、１５２は、標準回転ギアボックス３０のベアリング４８、５２より小さくなる。第１段の構成が異なるので、ギアボックスハウジング３２、１３２および支持ハウジング５０、１５０は、ピニオン４４、１４４ならびにベアリング４８、５２および１４８、１５２を支持する位置で僅かに差異がある。しかし、これらの差異は軽微であり、ハウジングは両セットとも同一の鋳物から機械加工することができ、それが好ましい。第１段１２８の他の全ての構成部品は、好ましくは、標準回転ギアボックス３０の対応する構成部品と同一である。ベアリングおよび歯車が小さくなることにより、アイドラ歯車の追加が多少相殺され、２つのギアボックス３０、１３０間の重量の差が最小限になる。

標準回転ギアボックス３０と同様に、逆回転ギアボックス１３０は、３つの補機駆動部を有し、それぞれが、エンジン後方から見て時計方向に異なる速度で回転することが好ましい。図６、図８および図９を参照すると、３重補機歯車１７８が、固定スプライン１７９によって第１段歯車１４６に直接結合されている。したがって、３重補機歯車１７８は、軸周りに自由に回転していた標準回転ギアボックス３０の３重補機歯車７８とは異なる。しかし、歯車７８、１７８の歯車歯の部位は、好ましくは同一であり、ここでの唯一の差異は、歯車のハブのみにある。標準回転ギアボックス３０の駆動歯車と同一の３つの駆動歯車８２ａ、８２ｂおよび８２ｃは、３重補機歯車１７８の対応する部位と噛み合い、それによって、それぞれが補機を駆動する。

したがって、逆回転ギアボックス１３０の補機駆動部は、補機ピニオン７４およびアイドラ歯車７６が存在せず、３重補機歯車１７８のハブがベアリングの代わりにスプラインを受けるようになされている点で、標準回転ギアボックス３０の補機駆動部とは異なる。しかし、３重補機歯車７８、１７８、ならびに補機駆動歯車８２ａ、８２ｂおよび８２ｃの位置、大きさおよび回転速度は、両方のギアボックス３０、１３０で同じである。

ギアボックス１３０の場合、右回転方向についてはアイドラは必要ないが、第１段歯車１４６から直接補機を駆動すると、補機歯車が過度に大きく（伝達比範囲１〜２．５）なり、したがって好ましくない。同じ目的に対して、ピニオン１４４またはアイドラ歯車１４５を選択しても、本発明の構成に比較して、利点は殆ど無い。本発明では、３重補機歯車７８、１７８は、標準回転ギアボックス３０の場合にはピニオン４４によって、逆回転ギアボックス１３０の場合には第１段歯車１４６によって駆動される。しかし、両方の場合とも、３重補機歯車７８、１７８は、同じ位置にあり、同じ方向および速度で駆動されることが好ましい。それによって、両方のギアボックス３０、１３０の補機駆動歯車８２ａ、８２ｂおよび８２ｃを同一にし、同じ位置にすることができる。これにより、２つのギアボックス３０、１３０の補機駆動要素の構成を同じにすることができ、また、補機駆動部カバー３６、およびギアボックスハウジング３２、１３２の補機駆動部を支持している部分を同一にすることができる。

したがって、２つのギアボックス３０、１３０には、高度の共通性を有する構成部品を備えることができ、例外は第１段歯車および補機駆動部の入力構成部品である。支持ハウジングおよびギアボックスハウジングも僅かに異なるが、十分に類似しているので両ハウジングを同じ鋳物から機械加工することができ、それは製造上の費用節減を意味する。このように本設計は、標準回転ギアボックスまたは逆回転ギアボックスのいずれをも、固有の構成部品を殆ど持つことなしに構成することができ、それにより、製造費用および在庫を減少させることができる。

上記の本発明の実施形態は、例示的であることを意図したものである。したがって、前記の説明が単に例示であり、様々な代替形態および変更形態を本発明の趣旨から逸脱することなく案出することができることが当業者には理解されよう。たとえば、第１段および第２段の特定の設計は、本明細書に含まれる教示の範囲から逸脱することなく変更することができる。ケーシングおよび補機の設計もまた修正することができる。さらに他の変更も、当業者には明らかであろう。したがって、添付特許請求の範囲によって定義される本発明は、そのような代替形態、変更形態、変形形態の全てを包含するものとする。

本発明の好ましい実施形態による偏心ギアボックスを有するガスタービンエンジンの側断面図。 本発明の好ましい実施形態による「標準回転」偏心ギアボックスの側断面図。 図２のギアボックスの主駆動歯車を示す部分概略後面図。 図２のギアボックスの補機駆動部を示す部分概略後面図。 図４の補機駆動部の、５−５線に沿った断面図。 図２に類似しているが、本発明の好ましい実施形態により逆方向に回転するように構成されたギアボックスの側断面図。 図６のギアボックスの主駆動歯車を示す部分概略後面図。 図６のギアボックスの補機駆動部を示す部分概略後面図。 図７の主駆動歯車の、９−９線に沿った断面図。

Claims (17)

1. ガスタービンエンジンのプロペラを、第１の方向および第２の方向のうちの選択された１方向に回転させるギアボックスにおいて、
   収容部を画定するケーシングと、
   前記第１および第２の方向のうちの選択された１方向にプロペラを回転させる出力シャフトであって、前記ケーシング内に部分的に収容されている出力シャフトと、
   歯車列を通して前記出力シャフトを駆動する対合歯車であって、前記ケーシング内に第１の位置を占める対合歯車と、
   タービンから動力を受け取り第１の方向に回転する入力シャフトであって、前記ケーシング内に部分的に収容されている入力シャフトと、
   前記入力シャフトに結合されている入力ピニオンであって、前記ケーシング内に第２の位置を占める入力ピニオンと、
   それぞれ１つずつの補機を駆動するようになされた複数の補機駆動歯車であって、前記ケーシング内に第３の位置を占める複数の補機駆動歯車と、
   第１の方向に回転し、各部位が前記複数の補機駆動歯車の少なくとも１つと噛み合う多重部位歯車であって、前記ケーシング内に第４の位置を占める多重部位歯車と、
   を備えるギアボックスであって、
   前記第１、第２、第３および第４の位置が同じである第１の構成と第２の構成からなる群から選択される相互作用が、前記入力ピニオンと、対合歯車と、多重部位歯車との間に存在し、前記第１の構成は、前記対合歯車が第２の方向に回転するように前記対合歯車と噛み合う前記入力ピニオンと、前記入力ピニオンに結合された補機ピニオンと噛み合う第１のアイドラ歯車と噛み合う多重部位歯車とで構成され、前記第１のアイドラ歯車および前記補機ピニオンは前記ケーシング内に配置され、前記第２の構成は、前記対合歯車が第１の方向に回転するように、前記対合歯車と噛み合う第２のアイドラ歯車と噛み合う入力ピニオンであって、前記第２のアイドラ歯車が前記ケーシング内に配置される前記入力ピニオンと、前記対合歯車に結合される多重部位歯車とで構成され、
   前記第１の構成と第２の構成との間の選択が、前記第１の方向と第２の方向のうちの１つの選択を決定することを特徴とするギアボックス。
2. 前記ケーシングが、取外し可能に接続される複数のハウジングで構成されることを特徴とする請求項１記載のギアボックス。
3. 前記対合歯車が前記出力シャフトと同軸であることを特徴とする請求項１記載のギアボックス。
4. 前記歯車列が、出力シャフトと同軸でありかつ複数の遊星歯車と噛み合う太陽歯車と、前記複数の遊星歯車を回転的に支持する遊星キャリアと、前記複数の遊星歯車と噛み合う静止輪歯車とで構成され、前記遊星キャリアが前記出力シャフトに結合され、前記対合歯車が前記太陽歯車に結合されることを特徴とする請求項３記載のギアボックス。
5. 前記複数の補機駆動歯車が同一であることを特徴とする請求項１記載のギアボックス。
6. １つの補機駆動歯車が、前記多重部位歯車のそれぞれの部位と噛み合うことを特徴とする請求項１記載のギアボックス。
7. 前記多重部位歯車が３つの部位を有することを特徴とする請求項１記載のギアボックス。
8. 前記多重部位歯車が前記出力シャフトと同軸であることを特徴とする請求項３記載のギアボックス。
9. ガスタービンエンジンのプロペラを、第１の方向および第２の方向のうちの選択した１方向に回転させるギアボックスを製造する方法であって、
   ケーシングを鋳造するステップと、
   前記第１および第２の方向のうちの選択した１方向に対応する第１および第２の構成のうちの１つを選択するステップと、
   前記第１および第２の構成のうちの選択した１つに従って前記ケーシングを機械加工するステップと、
   前記ケーシング内に、入力シャフトおよび出力シャフトを部分的に挿入するステップと、
   前記出力シャフトを駆動するようになされた歯車列と、前記歯車列と噛み合う対合歯車と、前記入力シャフトに結合する入力ピニオンと、多重部位歯車と、それぞれが１つの補機を駆動するようになされた複数の補機駆動歯車であって、少なくとも１つの補機駆動歯車が前記多重部位歯車の各部位と噛み合う複数の補機駆動歯車とを、ケーシング内に設置するステップと、
   前記第１および第２の構成のうちの選択した１つに対応する少なくとも１つの要素であって、前記第１の構成の前記少なくとも１つの要素が第１のアイドラ歯車と補機ピニオンとにより成立し、前記第２の構成の前記少なくとも１つの要素が第２のアイドラ歯車により成立する、少なくとも１つの要素を前記ケーシング内に設置するステップと、
   前記第１の構成および第２の構成のうちの選択した１つに従って、前記入力ピニオンと、前記対合歯車と、前記多重部位歯車と、前記少なくとも１つの要素との間の相互作用であって、前記第１の構成の相互作用が、前記入力ピニオンを前記対合歯車と噛み合わせ、前記多重部位歯車を前記第１のアイドラ歯車と噛み合わせ、前記第１のアイドラ歯車を前記補機ピニオンと噛み合わせ、前記補機ピニオンを前記入力ピニオンに結合させることにより成立し、前記第２の構成の相互作用が、前記入力ピニオンを前記第２のアイドラ歯車と噛み合わせ、前記第２のアイドラ歯車を前記対合歯車と噛み合わせ、前記多重部位歯車を前記対合歯車に結合させることにより成立する、相互作用を構成するステップと、
   を含むことを特徴とする方法。
10. 出力シャフトが、ギアボックスの選択された構成によっていずれの方向にも回転可能である、単一出力シャフトのターボプロップギアボックスを形成するキットにおいて、
    前記出力シャフトと、
    入力シャフトと、
    出力シャフトと協働する第２段歯車セットと、
    第１の構成を有し、前記入力シャフトおよび前記第２段歯車セットと協働する第１段歯車セットであって、前記第１の構成が前記第２歯車段を第１の方向に回転させるように働く、第１段歯車セットと、
    第２の構成を有し、入力シャフトおよび前記第２段歯車セットと協働する第１段歯車セットであって、前記第２の構成が前記第２歯車段を前記第１の方向とは逆の第２の方向に回転させるように働く、第１段歯車セットと、
    を備えるキットであって、
    ガスタービンエンジンに所望される回転方向によって、前記第１および第２の構成のうちの１つだけが選択されることを特徴とするキット。
11. 前記第１段歯車セットが偏心減速段であることを特徴とする請求項１０記載のキット。
12. 前記第２段歯車セットが遊星式減速段であることを特徴とする請求項１０記載のキット。
13. 前記第１段歯車セットによって駆動される少なくとも１つの補機駆動歯車をさらに備えることを特徴とする請求項１０記載のキット。
14. 前記第１および第２の構成のいずれの１つの前記第２段歯車セットおよび前記第１段歯車セットでも受け入れるように構成されたギアボックスケーシングをさらに備えることを特徴とする請求項１０記載のキット。
15. 前記第１段歯車セットの第１および第２の構成のうちの一方が少なくとも１つのアイドラ歯車を含み、そのアイドラ歯車が、前記第１歯車段中の被駆動歯車の回転方向を、前記第１および第２の構成のうちの他方を採用したときの被駆動歯車の方向に対して反転させるように働くことを特徴とする請求項１０記載のキット。
16. ガスタービンを用意するステップと、
    前記ガスタービンの出力シャフトに取り付けられるギアボックスで、出力プロペラシャフト、ならびに少なくとも、互いに結合された第１および第２歯車段を有するギアボックスであって、前記第１歯車段が、前記タービンの出力シャフトに隣接し、それに結合され、前記第２歯車段が、前記出力プロペラシャフトに隣接し、それに結合される、減速ギアボックスを用意するステップと、
    を含む、単一プロペラ用ターボプロップエンジンを形成する方法であって、
    前記の減速ギアボックスを用意するステップが、
    時計方向にプロペラを作動させるようになされた第１の歯車セットおよび反時計方向にプロペラを作動させるようになされた第２の歯車セットからなる群から第１歯車段構成を選択するステップと、
    前記第１歯車段の第１および第２の歯車セットの両方と作動可能な第２歯車段構成を用意するステップと、
    プロペラの所望の回転方向を選択するステップと、
    それに対応する第１歯車段構成を選択するステップと、
    を含むことを特徴とする方法。
17. 少なくとも１つの鋳物を形成するステップと、
    前記第１の歯車セットを収容するようになされた形状と、前記第２の歯車セットを収容するようになされた形状とからなる群から選択された形状を有するように前記鋳物を機械加工するステップと、
    を含む、前記減速ギアボックス用ケーシングを形成するステップをさらに含むことを特徴とする請求項１６記載の方法。

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