JP2007531792A - 抗hivキヌクリジン化合物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ヒトなどの哺乳類の病態もしくは徴候を、予防または処置するための治療方法であって、レトロウイルスなどの病原体の哺乳類細胞への感染力を考慮し、且つその感染力の阻害を希求するような方法において、そのような治療を必要とする哺乳類に対して、病原体の感染を阻害するベンゾイルキヌクリジン誘導体(薬学的に許容されるそれらの塩を含む)の有効量を投与するステップ、を含む方法を提供する。
【選択図】図1

Description

HIV/AIDSの感染による犠牲者は2003年には世界で三百万人を超え、世界で後天性ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染して生活している人数の見積もりは五百万人から四千万人へと引き上げられた。抗ウイルス治療の発達にもかかわらず、AIDSを根治する方法は存在していない。AIDSに対する現在の治療のありかたは、プロテアーゼ阻害剤、ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤、融合阻害剤、および強い毒性を持つヒドロキシ尿素をも含んでいる(Yarchoan R et al. (1986) Lancet, 1 (8481): 575-580、Richards AD et al. (1989) FEBS Lett, 247(1): 113-117、Gao WY et al. (1995) Proc Natl Acad Sci USA, 92(18): 8333-8337、De Clercq E (1999) Farmaco, 54(1-2):26-45、Williams IG (2003) Int J Clin Pract, 57(10):890-897)。不運にも、発現への抵抗性はウイルス型の変異に因るものであり(Cavert W and Balfour HH (2003) Clin Lab Med, 23(4): 915-928、Gallant JE et al. (2003) Antivir Ther, 8(6): 489-506、Olson WC and Maddon PJ (2003) Curr Drug Targets Infect Disord, 3(4): 283-294)、また、深刻な副作用のために処置の効率は著しく制限されている。
現在、抗レトロウイルス剤を含む有用な抗ウイルス剤が求められている。また、感染に関連する生理的プロセスの将来的な研究のための薬学的ツールも求められている。
本発明は、生体外もしくは生体内の哺乳類細胞に感染する,HIVを含むレトロウイルスなどのウイルスの能力を妨害もしくは阻害することにより、ウイルスの増殖を抑止する方法を提供する。したがって本発明は、細菌やウイルスなどの感染性病原体に罹った疑いのあるかもしくは罹った哺乳類を含むような感染性病原体に曝露した哺乳類の処置のための方法であって、その哺乳類に対し、下記の構造式Iのキヌクリジン化合物
Figure 2007531792
(ここで、式中の、
a) R1、R2、R3、およびR5は、独立に、H、OH基、ハロ基、(C1-C6)アルキル基、(C1-C6)アルコキシ基、(C3-C6)シクロアルキル基、(C3-C6)シクロアルキル((C1-C6)アルキル)基、(C2-C6)アルケニル基、(C2-C6)アルキニル基、(C1-C6)アルカノイル基、ハロ(C1-C6)アルキル基、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル基、(C1-C6)アルコキシカルボニル基、または、(C1-C6)アルキルチオ基、もしくは(C1-C6)アルカノイルオキシ基であるか、あるいは、R1とR2とが共に、メチレンジオキシ基となっており、
b) X1が、NO2基、CN基、-N=O、(C1-C6)アルキルC(O)NH-、オキサゾリニル基、N(R6)(R7)、アリール基、アリール(C1-C6)アルキル基、アリール(C2-C6)アルケニル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリール(C1-C6)アルキル基であって、ここで、R6およびR7は、独立に、H、(C1-C6)アルキル基、(C2-C6)アルケニル基、(C3-C6)シクロアルキル基、((C1-C6)アルキル)基(ここで式中のシクロアルキル基は、任意に1〜2個のS、過酸化物ではないO、もしくはN(R8)を含み、さらにここで式中のR8は、H、O、(C1-C6)アルキル基、(C3-C6)シクロアルキル基、(C3-C6)シクロアルキル(C1-C6)アルキル基、フェニル基、もしくはベンジル基である)であるか、あるいは、R6およびR7が、それらが結合しているNと共になって、任意にR1で置換され、また任意に1〜2個のS、過酸化物ではないO、もしくはN(R5)を含むような、五員環もしくは六員環である複素環またはヘテロアリール環を形成し、
c) YとZとが共になって、=O、-O(CH2)mO-、もしくは-(CH2)m-を形成する(ここでmは2〜4の数である)か、あるいは、YがHであってZがOR9もしくはSR9(ここでR9は、Hもしくは(C1-C4)アルキル基である)、
ならびに薬学的に許容されるそれらの化合物の塩の有効量を投与する方法を提供する。
好ましくは、R1、R2、R3のうちのひとつまたは二つが、Hである。
好ましくは、R6とR7が、独立に、H、(C1-C4)アルキル基、(C3-C6)シクロアルキル基、(C3-C6)シクロアルキル(C1-C6)アルキル基、もしくはベンジル基である。
好ましくは、X1は、-N(R6)(R7)である。
好ましくは、R1、R2、R3のうちのひとつまたは二つが、(C1-C6)アルコキシ基である。
好ましくは、ZとYとが共になって=Oとなる。
また、本発明は、構造式Iの化合物もしくは薬学的に許容されるそれらの塩を、薬学的に許容される希釈剤もしくは担体(任意にひとつもしくは複数の上述した種類の抗HIV剤の一つもしくは複数の抗HIV剤を含むことができ、また、任意に安定剤、保存料、および吸収制御剤を含むことができる)と組み合わせて含むような、剤型単位などの薬学的組成物も提供する。
加えて本発明は、ヒトなどの哺乳類の病態または徴候を抑止もしくは処置するための治療方法であって、病原性物質、またはウイルスもしくはレトロウイルスのような微生物の哺乳類の細胞への感染力を考慮し、且つそれらの感染力を阻害することを目的とし、構造式Iの化合物もしくは薬学的に許容されるそれらの塩の有効量を、このような治療を要する哺乳類に投与することが含まれるような治療方法も提供する。
本発明は、医療において用いるため(例えば、HIVといったレトロウイルスなどに感染した哺乳類を処置するため)の構造式Iの化合物を提供し、さらに、ヒトなどの哺乳類の感染の処置に対して有用な医薬の製造のための構造式Iの化合物の使用方法も提供する。
また、本発明は、哺乳類の細胞に構造式Iの化合物を結合させる方法であって、生体内もしくは生体外で細胞と相互作用するに足る量の構造式Iの化合物を細胞に接触させて、感染性物質に対する細胞膜の透過性を改変し、且つ、例えば細胞膜のステロール組成を改変するように細胞膜の性質を改変するステップを含む方法も提供する。受容体部位と結合したリガンドとしての構造式Iの化合物を含んだ細胞を、細胞膜上もしくは細胞膜内の特定の受容体に関する供試化合物の選択性を測定するために使用することができ、あるいは、リガンド-受容体複合体と薬剤とを接触させ、リガンドの置換および/もしくは薬剤の結合の程度を測定することによって、細胞膜の透過性に依存する病気もしくは症状の処置に用いることができる可能性を持つ治療薬を確認するためのツールとしても使用することができる。
また、本発明は、構造式Iの新規な化合物も提供し、さらに、構造式(I)の化合物もしくはその塩を調製する上で有用であるような、ここに開示するプロセスおよび中間生成物も提供する。これは、C(Y)(Z)基がキヌクリジンの環の-CH-基に結合したアナログを含み、さらにはYとR2とが結合によって繋っているアナログも含む。また、構造式Iの化合物の多くは、構造式Iの化合物の調製にあたって中間生成物として有用なものである。
特に別に定めない限りは、以下の定義を用いる。即ち、ハロ基とは、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、もしくはヨード基である。アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アルキニル基などは、直鎖基と分鎖基の双方を意味するが、「プロピル基」("propyl")のといった個々の基については直鎖基のみを含み、分鎖異性体は「イソプロピル基」("isopropyl")と特に分けて呼ぶ。アリール基とは、フェニル基、もしくは、少なくともひとつの芳香環を有し約九個〜十個の環員原子を有するオルト縮合系二環炭素環基を意味する。ヘテロアリール基とは、炭素原子と、過酸化物ではない酸素原子、硫黄原子、ならびに、R8が存在しないかまたはH、O、(C1-C4)アルキル基、フェニル基、もしくはベンジル基であるようなN(R8)、であるような1〜4個のヘテロ原子と、から成る五個もしくは六個の環員原子を有する単環芳香環の環員炭素原子を介して結合する基のことを包摂し、さらにまた、これらから誘導された約八個〜十個の環員原子を有するオルト縮合系二環複素環基も包摂し、特に、ベンゼン誘導体、または、プロピレン、トリメチレン、もしくはテトラメチレン二価基がベンゼン誘導体に縮合したもののことを指す。
本発明に係る、不斉原子を有する化合物は、光学活性体およびラセミ体を有し、またこれらを単離できることを当業者は正しく理解できる。化合物の中には、多形性を示すものもある。本発明は、ここに記載した有用な特性を示すような本発明に係る化合物の、いずれかのラセミ体、光学活性体、多形体、もしくは立体異性体、またはこれらの混合物をも含み、また、光学活性体を調製する方法(例えば、再結晶の技法、光学活性な出発物質からの合成、不斉合成、もしくはキラル固定相を用いたクロマトグラフィーによる分離、によってラセミ体を分割する方法)は当該技術分野において公知であり、また、ここに記載した標準試験法もしくは当該技術分野で公知である他の類似の試験法を用いて抗感染性活性を測定する方法も当該技術分野において公知である、ということを理解されたい。
以下に列挙する好ましい特異値は、図示される基(ラジカル)、置換基、および範囲についてのみのものではあるが、これは他の定義値、または基および置換基の範囲を定義する範囲内の他の値を排除するものではない。
特に、(C1-C6)アルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、ペンチル基、3-ペンチル基、もしくはヘキシル基とすることができる。(C3-C6)シクロアルキル基は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、もしくはシクロヘキシル基とすることができる。(C3-C6)シクロアルキル(C1-C6)アルキル基は、シクロプロピルメチル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、2-シクロプロピルエチル基、2-シクロブチルエチル基、2-シクロペンチルエチル基、もしくは2-シクロヘキシルエチル基、とすることができる。ヘテロシクロアルキル基およびヘテロシクロアルキルアルキル基は、任意に、2〜5個の炭素原子に加えて1〜2個のS、過酸化物ではないO、もしくはN(R8)をその環に含み、例えば、モルホリニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、インダニル基、1,3-ジチアン-2-イル基およびこれらの類似物であるような上述のシクロアルキル基を含む。(C1-C6)アルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、ペントキシ基、3-ペントキシ基、もしくはヘキシルオキシ基とすることができる。(C2-C6)アルケニル基は、ビニル基、アリル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、1,-ペンテニル基、2-ペンテニル基、3-ペンテニル基、4-ペンテニル基、1-ヘキセニル基、2-ヘキセニル基、3-ヘキセニル基、4-ヘキセニル基、もしくは5-ヘキセニル基とすることができる。(C2-C6)アルキニル基は、エチニル基、1-プロピニル基、2-プロピニル基、1-ブチニル基、2-ブチニル基、3-ブチニル基、1-ペンチニル基、2-ペンチニル基、3-ペンチニル基、4-ペンチニル基、1-ヘキシニル基、2-ヘキシニル基、3-ヘキシニル基、4-ヘキシニル基、もしくは5-ヘキシニル基とすることができる。(C1-C6)アルカノイル基は、ホルミル基、アセチル基、プロパノイル基、もしくはブタノイル基とすることができる。ハロ(C1-C6)アルキル基は、ヨードメチル基、ブロモメチル基、クロロメチル基、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2-クロロエチル基、2-フルオロエチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、もしくはペンタフルオロエチル基とすることができる。ヒドロキシ(C1-C6)アルキル基は、一個もしくは二個のOH基で置換したアルキル基とすることができ、例えば、ヒドロキシメチル基、1-ヒドロキシエチル基、2-ヒドロキシエチル基、1-ヒドロキシプロピル基、2-ヒドロキシプロピル基、3-ヒドロキシプロピル基、1-ヒドロキシブチル基、4-ヒドロキシブチル基、3,4-ジヒドロキシブチル基、1-ヒドロキシペンチル基、5-ヒドロキシペンチル基、1-ヒドロキシヘキシル基、もしくは6-ヒドロキシヘキシル基とすることができる。(C1-C6)アルコキシカルボニル基は、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ペントキシカルボニル基、もしくはヘキシルオキシカルボニル基とすることができる。(C1-C6)アルキルチオ基は、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基、イソブチルチオ基、ペンチルチオ基、もしくはヘキシルチオ基とすることができる。(C2-C6)アルカノイルオキシ基は、アセトキシ基、プロパノイルオキシ基、ブタノイルオキシ基、イソブタノイルオキシ基、ペンタノイルオキシ基、もしくはヘキサノイルオキシ基とすることができる。アリール基は、フェニル基、インデニル基、もしくはナフチル基とすることができる。また、ヘテロアリール基は、フリル基、イミダゾリル基、トリアゾリル基、トリアジニル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、ピラゾリル基、ピロリル基、ピラジニル基、テトラゾリル基、ピリジル基(もしくはそのN-オキシド)、チエニル基、ピリミジニル基(もしくはそのN-オキシド)、1H-インドリル基、イソキノリル基(もしくはそのN-オキシド)、またはキノリル基(もしくはそのN-オキシド)、とすることができる。
「レトロウイルス」という語は、レトロウイルス科(retroviridae)のアルファレトロウイルス属(例えば、トリ白血病ウイルス avian leukosis virus)、ベータレトロウイルス属(例えば、マウス乳ガンウイルス mouse mammary tumor virus)、ガンマレトロウイルス属(例えば、ネズミ白血病ウイルス murine leukemia virus)、デルタレトロウイルス属(例えば、ウシ白血病ウイルス bovine leukemia virus)、イプシロンレトロウイルス属(例えば、ウォールアイ皮膚肉腫ウイルス Walley dermal sarcoma virus)、レンチウイルス属(例えば、HIV-1、HIV-2)、およびスプマウイルス属(例えば、ヒトスプマウイルス human spumavirus)を含むが、これらに限定はされない。
本発明に係る化合物は、N-置換もしくはN-保護されたフェニルグリニャール試薬、またはリチウム化フェニルと、4-シアノ-1-アザ-ビシクロ[2.2.2]オクタン (4) もしくは4-シアノ-キヌクリジン(下記のスキームAに示した)とを反応させて調製することができる。このフェニルグリニャール試薬の例としては、臭化4-(ビス(トリメチルシリル))アミノ-1-フェニル-マグネシウム 4-(bis(trimethysilyl))amino-1-phenyl-magnesium bromide がある。
〔スキームA〕
Figure 2007531792
グリニャール試薬もしくはアリールリチウム試薬に対して反応性を有し、例えばヒドロキシル基を含む基であるような、フェニル基上の基R1、R2、および/もしくはR3は、除去可能な保護基(エトキシエチル基、THP、(C1-C4)3シリル基など)を使って保護することができる。保護されたHO基およびヒドロキシルアルキル基は、有機合成分野において公知の手法を用いて、脱保護し、ハロ基、CN基、アルコキシカルボニル基、アルカノイルオキシ基、およびアルカノイル基に転換することができる。保護されたアミノ基は、当該技術分野において公知の手法を使って、脱保護してN(R6)(R7)に転換することができる。必要であれば、これらの転換の間にC=O基を保護および/もしくは還元した後、脱保護し再酸化してC=Oに戻すことができる。例えば、F. T. Harrison, Compendium of Organic Synthetic Reactions, Wiley-Interscience, N. Y. (1971)、L.F. Fieser et al., Reagents for Organic Synthesis, John Wiley & Sons, Inc., N.Y. (1967)、およびU.S. Pat. No. 5,411,965 を参照のこと。
したがって、上記の構造式I中のR1の特異値は、H、(C2-C4)アルキル基、(C2-C4)アルコキシ基、もしくは(C3-C6)ヘテロシクロアルキル基である。
R2の特異値は、Hである。
N(R6)(R7)の特異値は、アミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、もしくはプロピルアミノ基であり、さらにR3の特異値はNH2である。
別の種類の好ましい化合物は、2-(4-置換ベンゾイル)-1-アザ-ビシクロ[2,2,2]オクタン類、3-(4-置換ベンゾイル)-1-アザ-ビシクロ[2,2,2]オクタン類、もしくは4-(4-置換ベンゾイル)-1-アザ-ビシクロ[2,2,2]オクタン類であるような構造式Iの化合物である。
好ましい本発明に係る化合物は、SP003(図1)である。
化合物が、安定な無毒の酸性塩もしくは塩基性塩(acid or base salts)を形成するために充分な塩基性もしくは酸性である場合には、塩として化合物を投与することが適切なことがある。薬学的に許容される塩の例としては、生理学的に許容されるアニオンを形成する酸から形成された有機酸付加塩があり、例えば、トシル酸塩、メタンスルホン酸塩、酢酸塩、枸櫞酸塩、マロン酸塩、酒石酸塩、琥珀酸塩、安息香酸塩、アスコルビン酸塩、α-ケトグルタル酸塩、およびα-グリセロリン酸塩がある。適切な無機塩も形成することができ、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、重炭酸塩、および炭酸塩が含まれる。
薬学的に許容される塩は、例えば、アミンのような充分に塩基性である化合物と、生理学的に許容されるアニオンを与える適切な酸との反応、といった当該技術分野の標準的な手法を用いて得ることができる。アルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム、もしくはリチウム)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウムもしくはマグネシウム)、または亜鉛の塩も調製することができる。
本発明の或る実施形態においては、構造式Iの化合物と亜鉛塩(例えば、硫酸亜鉛七水和物)とを含む組成物が提供されるが、アスコルビン酸は、例えばひとつもしくは複数の成分が劣化するような褐変作用(browning effect)を齎すため、本発明に係る組成物中に使うのは好ましくない。或る実施形態においては、組成物中の構造式Iの化合物と、亜鉛塩(例えば硫酸亜鉛七水和物)との比率が、約27〜107対1となる。
構造式Iの化合物は、薬学的な組成物として処方することができ、また、ヒトの患者などの哺乳類の宿主へと、選択した投与経路(すなわち、経口投与、あるいは、静脈内、筋肉内、局部内、もしくは皮下の経路による非経口的投与、または、吸入もしくは吹送(ガス吸入)による非経口的投与)に応じた種々の形状で投与することができる。
したがって、本発明に係る化合物は、例えば不活性な希釈剤もしくは摂食可能な担体といった、薬学的に許容される媒体(vehicle)と組み合わせて、全身に経口投与することができる。これらは、ハードゼラチンカプセルもしくはソフトゼラチンカプセル中に、粉末、顆粒、もしくは懸濁液として包むことができ、あるいは、打錠して錠剤にすることもできる。経口治療の投与を行うために、活性化合物をひとつもしくは複数の賦形剤と組み合わせて、経口摂取可能な、錠剤、口内錠(buccal tablets)、トローチ、カプセル、エリキシル剤、懸濁液、シロップ、ウエハース、およびこれらの類似物、といった形態として使用することができる。このような組成物および調合剤は、少なくとも0.1%の活性化合物を含むべきである。組成物および調合剤の比率は、当然のことながら変更することができ、好ましくは所与の剤型単位の重量の約2%〜約60%とすることもできる。このような治療において有用な組成物中の活性化合物の量は、有効な投与量が得られるようなものとする。
錠剤、トローチ、丸薬、カプセル、およびそれらの類似物は、以下を含むこともできる。 即ち、トラガカントゴム、アラビアゴム(acasia)、コーンスターチ、もしくはゼラチンなどの糊剤、ならびに、リン酸水素カルシウムなどの賦形剤、ならびに、コーンスターチ、馬鈴薯デンプン、アルギニン酸およびそれらの類似物などの崩壊剤(disintegrating agent)、ならびに、ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤(lubricant)。さらにまた、蔗糖、果糖、乳糖、もしくはアスパルテームなどの甘味料、または、ペパーミント、冬緑油、もしくはチェリーフレーバーなどの香料を添加することもできる。剤型単位がカプセルである場合には、上述した物質を添加した上で、植物油もしくはポリエチレングリコールなどの液体担体を含むこともできる。その他さまざまな物質を、コーティングとして、あるいは固形剤型単位の物理的形状を変更するために使うことができる。一例として、錠剤、丸薬、もしくはカプセルを、ゼラチン、ワックス、シェラック、もしくは糖類、ならびにそれらの類似物でコートすることができる。シロップもしくはエリキシル剤は、活性化合物、甘味料としての蔗糖もしくは果糖、保存料としてのメチルパラベンもしくはプロピルパラベン、着色料、ならびに、チェリーフレーバーもしくはオレンジフレーバーなどの香料、を含むことができる。当然のことながら、任意の剤型単位を調製するにあたって使用する任意の物質は、薬学的に許容されるものであって、使用する量において実質的に無毒であるものとするべきである。加えて、活性化合物は、徐放性製剤、またはパッチ、輸液ポンプ、もしくは移植型デポーなどの装置に組み込むことができる。
また、活性化合物は、静脈内もしくは腹腔内に、輸液もしくは注射して投与することもできる。活性化合物もしくはその塩の溶液は、水で調製することができ、任意に無毒性界面活性剤を混合することもできる。また、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、トリアセチン、およびそれらの混合物、ならびに油の中で、分散液を調製することもできる。通常の条件下での保存および使用においては、これらの製剤には微生物の生長を妨げるための保存料が含まれる。
注射、輸液、もしくは吸入に適した薬学的調剤は、滅菌水溶液もしくは分散液を含むことができる。活性成分を含んだ滅菌粉末を調製することができ、これは、滅菌済注射として、または滅菌済の輸液もしくは分散液として、即座に調製できるようにするために用いられ、また、任意にリポソーム内に包むこともできる。すべての場合において、最終的な剤型は、滅菌され、滑沢性とされ、製造および貯蔵の条件下で安定であるようにするべきである。液体担体もしくは媒体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコール類など)、植物油、無毒性グリセリンエステル類、ならびにこれらの適切な混合物、を含むような溶媒もしくは分散液とすることができる。例えば、リポソームを用いた処方によって、もしくは分散液の場合に必要とする粒子径を維持することによって、もしくは界面活性剤の使用によって、適切な流動性を保つことができる。例えばパラベン類、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサール、およびそれらの類似物などの、種々の抗真菌剤ならびに抗菌剤によって、微生物の活動を抑えることができる。多くの場合には、例えば糖類、緩衝物(バッファー)、もしくは塩化ナトリウムであるような等張化剤を含むことが好ましい。例えば、モノステアリン酸アルミニウム、セルロースエーテル類、およびゼラチンであるような吸収遅延剤を用いることによって、注入可能な組成物の吸収を引き伸ばすことが可能である。
上で列挙した種々の他の成分を(必要であれば滅菌濾過してから)加えた適切な溶液に、活性化合物の必要量を併せることによって、滅菌済の注射液を調製することができる。滅菌粉末を用いて滅菌済の注射液の調製を行う場合には、活性成分の粉末に、予め滅菌濾過した溶液に含まれる所望の任意の添加成分を足したものが得られるような真空乾燥および凍結乾燥の技法を用いる方法が好ましい。
局部への投与のために本発明に係る化合物は、純粋な形態(則ち液体)として与えることができる。しかしながら、皮膚への投与においては、皮膚科学的に許容される担体(固体もしくは液体とすることができる)と組み合わせた組成物または構成物として投与することが一般的には望ましい。
有用な固体担体は、滑石(タルク)、粘土、セルロース微細結晶、シリカ、アルミナなどといった細粒状固体を含む。有用な液体担体には、水、アルコール類もしくはグリコール類、または水-アルコール/グリコール混合液、が含まれ、これに本発明に係る化合物の有効量を溶解もしくは分散することができ、また、任意に無毒性界面活性剤を添加することもできる。香料のような佐剤、および付加的な抗微生物剤を、所定の使用方法のための特質を最大限にするために添加することができる。得られる液体組成物は、包帯および他の手当用品に含浸させて、吸収性パッドから投与することができ、あるいは、ポンプ型スプレーもしくはエアロゾルスプレーを用いて患部に噴霧して投与することもできる。
また、合成ポリマー類、脂肪酸類、脂肪酸塩類および脂肪酸エステル類、脂肪アルコール類、修飾セルロース類、または修飾無機物質などの濃縮剤(thickeners)を液体担体として使用して、使用者の皮膚に直接塗布するための、薄く塗り拡げることができるようなペースト、ジェル、軟膏、石鹸、およびそれらの類似物を形成することができる。
構造式Iの化合物を皮膚に投与する上で使用することができる有用な皮膚科学的組成物の例は、当該技術分野において公知であり、例えば、Jacquet et al.(U.S. Pat. No. 4,608,392)、Geria(U.S. Pat. No. 4,992,478)、Smith et al.(U.S. Pat. No. 4,559,157)、およびWortzman(U.S. Pat. No. 4,820,508)を参照のこと。
構造式Iの化合物の有効な投与量は、この化合物の生体外での活性と、動物実験による生体内の活性とを比較して定量することができる。マウスおよび他の動物における有効な投与量からのヒトへの外挿の方法については当該技術分野において公知であり、例えばU.S. Pat. No. 4,938,949を参照のこと。
構造式Iの化合物をローションなどの液状組成物にする場合の濃度は、一般的には約0.1〜25wt%とし、好ましくは約0.5〜10wt% とする。ゲルもしくは粉末のような半固体または固体の組成物にした場合の濃度は、約0.1〜5wt%とし、好ましくは約0.5〜2.5wt% とする。
化合物もしくは活性を持つ塩またはそれらの誘導体の処置における必要使用量は、選択した特定の塩によってのみ調節されるわけではなく、投与の経路、処置される症状の性質、ならびに、患者の年齢および症状に応じても調整することができ、最終的にはかかりつけの医師もしくは臨床医の裁量で決めることになる。
しかしながら、全般的には、適切な投与量は、体重に対して約0.5mg/kg〜約100mg/kgの範囲と考えられ、例えば、体重に対して一日あたり約10mg/kg〜約75mg/kgの範囲、則ち患者の体重キログラムに対して一日あたり3〜約50mg、好ましくは6〜90mg/kg/dayの範囲、最も好ましくは15〜60mg/kg/dayの範囲とする。
化合物は、好ましくは剤型単位で投与され、例えば、ほぼ1〜3gの剤型単位に対して活性成分を5mg、好ましくは10〜1000mg、最も好ましくは50〜500mg含む。
理想的には、活性成分は、活性成分の血漿中濃度のピークが約0.5〜約75μMの範囲となるように投与されるべきであり、好ましくは約1〜50μMの範囲、最も好ましくは約2〜約30μMの範囲である。例えば、活性成分の0.05〜5%溶液に、任意に生理食塩水を加えたものを、静脈注射によって投与することができる。例えば、約0.5〜3gの構造式Iの化合物を例えば0.9%のNaClおよび5〜10%のグルコースを含むような約125〜500mlの静注溶液に溶かすことができる。このような溶液は、数時間以上に亘って点滴することができ、また任意に、他の抗ウイルス薬、抗生物質などと組み合わせることもできる。また、活性成分を1〜100mgの活性成分を含んだボーラス(巨丸薬; bolus)として経口投与することもできる。約0.01〜5.0mg/kg/hrの活性成分を与える継続的な注入によって、または、約0.4〜15mg/kgの活性成分を含む間歇的な注射によって、望ましい血中濃度を維持することができる。
好ましくは、単独の投与、または、例えば一日につき二回、三回、もしくは四回以上の投与となるように適切な間隔をとった分割投与によって、望ましい投与量を与えることができる。分割された投与をさらに分割することもでき、例えば、気腹装置からの複数回の吸入、もしくは眼への複数の滴下による投与といった、多数の不均一な間隔をとった投与とすることもできる。
本発明に係る化合物の抗ウイルス薬としての能力は、当該技術において公知である薬理学的モデルを用いるか、もしくは後述する試験法を用いて、定量することができる。
以下の記述は、ヒトなどの哺乳類のための治療もしくは予防のために使用される構造式Iの化合物を含む、代表的な薬学的投与形態を示す。

(i) 錠剤 1 mg/錠
SP003 100.0
乳糖 77.5
ポビドン 15.0
クロスカルメロースナトリウム 12.0
微細結晶セルロース 92.5
ステアリン酸マグネシウム 3.0
300.0

(ii) 錠剤 2 mg/錠
SP003 20.0
微細結晶セルロース 410.0
デンプン 50.0
デンプングリコール酸ナトリウム 15.0
ステアリン酸マグネシウム 5.0
500.0

(iii) カプセル mg/カプセル
SP003 10.0
コロイド二酸化珪素 1.5
乳糖 465.5
アルファ化デンプン 120.0
ステアリン酸マグネシウム 3.0
600.0

(iv) 注射液 1 (1mg/ml) mg/ml
SP003(遊離塩基) 1.0
リン酸水素二ナトリウム 12.0
リン酸二水素ナトリウム 0.7
塩化ナトリウム 4.5
1.0N 水酸化ナトリウム水溶液 適量
(pH 7.0〜7.5として調製)
注射用水 1mL程度

(v) 注射液 2 (10mg/ml) mg/ml
SP003(遊離塩基) 10.0
リン酸二水素ナトリウム 0.3
リン酸水素二ナトリウム 1.1
ポリエチレングリコール400 200.0
01N 水酸化ナトリウム水溶液 適量
(pH 7.0〜7.5として調製)
注射用水 1mL程度

(vi) エアロゾル mg/缶
SP003 20.0
オレイン酸 10.0
トリクロロモノフルオロメタン 5,000.0
ジクロロジフルオロメタン 10,000.0
ジクロロテトラフルオロエタン 5,000.0

上記の処方は、薬学分野において公知である従来技術手順によって調製することができる。
本発明について、後述する詳細な実施例を参照してさらに記述する。
〔実施例1: (4-アミノ-フェニル)(1-アザ-ビシクロ[2.2.2]オクタ-4-イル)-メタノン (SP003)の合成〕
化合物(4)を、T. Kanai, Heterocycles (1992) Vol. 34, No. 11, 2137の方法(上記にスキームAとして示した)を使って合成した。N,N-ビス-(トリメチルシリル)-4-ブロムアニリンは、Sigma-Aldrichから購入した。溶媒は標準的な方法で精製した。EI-Massスペクトルを、VG Tribid, Varian CH7 instrument上で記録した。薄層クロマトグラフィー(TLC)分析をアルミナシート(Merck)上のsilica gel 60 F254で行った。NMR分光:Bruker AMX300。化学シフトをppm単位で得た。
アルゴン雰囲気下で、N,N-ビス-(トリメチルシリル)-4-ブロムアニリン(2.5ml、8.86mmol)を、Mg削片(250mg、10.3mmol)の無水THF(2ml)の懸濁液に、Mgの消費が観察できるような速度で滴下して加えた。このグリニャール試薬の1.1mLアリコートを、化合物(4)(200mg、1.47mmol)を無水THF(2ml)に溶かしたものに滴下して加えた。溶液を還流しながら2時間に亘って攪拌した後、氷冷HCl水溶液(20%、4ml)を加えた。外気温で一晩攪拌した後、混合液を飽和NaHCO3水溶液で中和して、ジクロロメタンで抽出した。有機層を分取して、MgSO4で脱水した後、in vacuoで濃縮した。残留物をシリカゲル上のPTLCで精製して、SP003(44mg、0.19mmol、13%)を得た。
1H NMR(重メタノール) δ7.66(d, 2H, 9Hz)、6.51(d, 2H, 9Hz)、2.86(m, 6H)、1.86(m, 6H)、MS(EI) m/z 230(M+), 174, 135, 110, 96。
〔実施例2: HIV-1 IIIBのHeLa細胞上での増殖に対するSP003を用いた阻害についての研究〕
〔A. 方法論〕
生体外でのウイルスの増殖を研究するために、the GenPhar AV-FinderTM(商標)-HIV Drug Discovery Assayを使用した。このアッセイは、二つの構成部から成り、即ち、 (1) HIV-1 tatで活性化される分子スイッチと緑色蛍光蛋白質受容体遺伝子とを含んだ、クローンされた継代HeLa細胞株(cloned, continuous-passage HeLa cell line)、ならびに、 (2) HeLa細胞内に形質導入して、アッセイに使用するさらに高感受性のHIV-1指標細胞に転換するためのHIV-1受容体/補助受容体(CD4、CXCR4、CCR5)の三種の遺伝子のすべてを含んだ組み換え体アデノウイルス(rAd)ベクターである。この指標細胞は、HIV-1受容体遺伝子を過剰発現し、また、任意のHIV-1株もしくは単離HIV-1に容易に感染する。これまでのところ補助受容体の優先度には拘らずにすべてのHIV-1株を実験しており、また、HIV-1のすべてのサブタイプもしくは分岐群(clade)は、これらの指標細胞に感染すると考えられる。感染した細胞は輝度の高い蛍光を発し、潜在的な抗ウイルス剤によるウイルス増殖の阻害が容易に検知できるようになっており、また、標準的な研究室のプレート読取技術を用いて定量することができる。
一日目に、CCSを含むDMEM中にアデノウイルスAD-3Rを入れた九十六ウェルプレートに、HeLa細胞を加えて(ひとつのウェルあたり3000個)検知プレートを準備し、37℃、湿度95%、5%のCO2という条件下で二日間の培養を行った。前投薬は与えず、三日目に、HIV-1 IIIB(200IP/well)を加えて、さらにSP003、または対照物質(AZT、ddI、3TC)を濃度を高めながら加えて、一晩培養した。四日目に、培地を、懸念の化合物を対応する濃度で含んだ新しい培地と取り替えた。七日目に、それぞれのウェルごとに蛍光を測定して感染性を解析した(λemis= 485nm、 λexc = 520nm)。24時間の前投薬として、SP003、または対照物質(AZT、ddI、3TC)を三日目に加えて一晩培養した。四日目に、HIV-1 IIIB(200IP/well)を加え、また、濃度を高めながらSP003、または対照物質(AZT、ddI、3TC)を加えて、一晩培養した。五日目に、培地を、懸念の化合物を対応する濃度で含む新しい培地に取り替え、八日目に、それぞれのウェルごとに蛍光を測定して感染性を解析した。結果は、ウイルス増殖の阻害率で表した。
上述した細胞の処置プロトコールの後に、実験した化合物が細胞毒性を有するかを判定するために、細胞内の臭化3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウム(MTT)の還元量と、ミトコンドリアの完全性の測定値とを定量した。
(4-アミノ-フェニル)-(1-アザ-ビシクロ[2.2.2]オクタ-4-イル)-メタノン(図1)は、単独で水に溶かす(SP003)か、あるいは、硫酸亜鉛七水和物とアスコルビン酸を26.6/1/1.6の比で含むような水性の処方(SP003A)(例えば、SP003 200mgに対して、硫酸亜鉛七水和物7.5mgおよびアスコルビン酸12.5mg、 Xu, J. et al., J Pharmacol. Exper. Ther., 2003, 307: 1148-1157)、のいずれかとして用いた。
〔B. 結果〕
〔1. HIV-1 IIBウイルスの増殖に対する作用。前投薬無し(図2)〕
化合物 (4-アミノ-フェニル)-(1-アザ-ビシクロ[2,2,2]オクタ-4-イル)-メタノン(SP003)の構造を、図1に示した。この化合物は、水に溶かすか、あるいは、特に指定しているときは硫酸亜鉛七水和物とアスコルビン酸と安息香酸ナトリウムとを含む処方(SP003A)として調製した。SP003は、投与濃度が1μM以下であった場合に、従来の抗ウイルス剤であるddIよりも高い効率でHIV-1 IIIBウイルスの増殖を阻害した(図2)。また、SPO1Aも非常に低い濃度でウイルス増殖を阻害した(図2)。興味深いことに、100μMを上限として実験したすべての濃度のSP003とSP003Aは、MTT細胞毒性アッセイにおいて細胞毒性を示さなかった。これとは対照的に、従来の抗ウイルス剤であるddI、AZT、3TCは、それぞれIC50値が89μM、161μM、71μMである毒性を示した。したがって、本発明に係る化合物の抗ウイルス性を、従来技術に係る抗ウイルス剤のそれと精確に比較できるようにするために、pMから10μMの範囲の濃度について評価した。
〔2. HIV-1 IIBウイルスの増殖に対する作用。24時間の前投薬の作用(図3)〕
この研究では、SP003Aを用いた。24時間の前投薬の後、SP003Aは、ウイルス増殖に対してAZTよりも有効な作用を示した(図3)。
〔3. HIV-1 IIBウイルスの増殖に対する作用。48時間の前投薬の作用(図4)〕
SP003による48時間の前投薬によって、50%のHIVウイルス増殖阻害率が、IC50値 0.03nMで示された(図4)。同様のプロトコールを用いたAZTでの実験では、HIV増殖をIC50値 30nMで用量依存的に阻害した。
〔4. HIV MDR 769ウイルスの増殖に対する作用。前投薬無し(図5)〕
予想されたように、AZTは、HIV MDR 769株の増殖に対しては有効な阻害を示さなかった(図5)。SP003は、HIV MDR 769ウイルスの増殖を60%阻害し、IC50値は0.01nMであった(図5)。
これらの実施例からは、キヌクリジン化合物である(4-アミノ-フェニル)-(1-アザ-ビシクロ[2,2,2]オクタ-4-イル)-メタノン(SP003)が、AZTもしくはddIよりも高い効率を以って、ヒト細胞内でのHIV-1 IIBの増殖を阻害する能力が示される。前投薬を行わない実験プロトコールでは、この化合物をナノモルの範囲の濃度で用いたところ、HIV-1 IIIBの増殖の阻害が50%に達する阻害率で観察され、また、これらの化合物を水に溶かしたものと、硫酸亜鉛七水和物およびアスコルビン酸の溶液に溶かしたもの(SP003A)とを比較したところ、大きな差は無かった。
ウイルスがこれらの化合物の直接のターゲットとなっているのか、もしくは、別のメカニズムが間接的に、これらの化合物がウイルス増殖に対して示す作用効果を齎しているのか、を検証するために、HeLa細胞にウイルスを与える前に、硫酸亜鉛七水和物およびアスコルビン酸を含む処方中のSP003を、24時間の前投薬として与えた。興味深いことに、ピコモルの範囲の濃度の場合には、得られた作用効果は前投薬無しの場合に較べて強くなった。曲線の定常状態(プラトー)は、SP003Aの阻害率については60%以上となり、その一方、AZTでは40%程度であった。また、細胞を、研究対象の化合物と共に48時間に亘って前培養したところ、やはり効果が増大した。前投薬をした後と、前投薬をしなかったときとで、このような違いが顕れるということからは、構造式Iの化合物が、ウイルスを直接にターゲットとしているわけでは無く、むしろ、ウイルス侵入に対する細胞の感受性を変化させて、感染への抵抗性を増大させるようにしていると考えられる。AZTやddIといった従来の抗ウイルス剤とは対照的に、SP003は、細胞の感染性を低減することによってHIV MDR 769ウイルスの増殖を効率的に阻害できると思われる。実際のところ、AZTはHIV MDR 769ウイルスの増殖を効率的に阻害しなかったが、SP003は、このウイルスの増殖と、細胞の感染性とを効率的に阻害した。
結論として、ここに示したデータからは、(4-アミノ-フェニル)-(1-アザ-ビシクロ[2.2.2]オクタ-4-イル)-メタノン(SP003)が、単独で用いた場合、あるいはHAARTおよびmega HAARTと組み合わせた場合のいずれにおいても有効であるような、新規な抗レトロウイルス治療を可能とする、ということが示される。これらの化合物が直接にウイルスそのものに作用するのではなく、細胞のウイルスの侵入に対する抵抗力を増進するように機能すると考えられる、ということがこれらの結果から示唆される。この活性のメカニズムは完全には解明されていないとは言え、ウイルスに直接作用するのでは無く宿主細胞に作用するような薬剤は、耐性株の発生率を低く抑えることができ、ゆえに現行の抗レトロウイルス治療の作用効果を高めることができる。
すべての公報、特許、および特許文献は、ここでの参照により本開示に含まれ、且つ参照によって個々に本開示に含まれる。本発明は、さまざまな特定の形態および技法、ならびに好ましい形態および技法を参照して記載されている。しかしながら、本発明の本質および範囲の裡において、多数の変種および変更を実施することができるということを理解されたい。
図1は、(4-アミノフェニル)(1-アザ-ビシクロ[2,2,2]オクタ-4-イル)-メタノン、もしくは4-(4-アミノベンゾイル)-1-アザ-ビシクロ[2,2,2]-オクタン(SP003)の化学構造を示す。 図2は、HeLa細胞内でのHIV-1 IIIB株の増殖に対するSP003の阻害効果を示すグラフである。ddlは公知の抗ウイルス化合物である。 図3は、HeLa細胞内でのHIV-1 IIIB株の増殖に対するSP003による24時間の前投薬の阻害効果を示すグラフである。SP003は処方(SP003A)として試験した。 図4は、HeLa細胞内でのHIV-1 IIIB株の増殖に対するSP003による48時間の前投薬の阻害効果を示すグラフである。 図5は、HeLa細胞内での多剤耐性HIV MDR-769株の増殖に対するSP003の阻害効果を示すグラフである。AZTは公知の抗ウイルス化合物である。

Claims (32)

  1. 感染性病原体に罹った疑いのあるもしくは罹った哺乳類を処置するための方法において、前記哺乳類に以下の構造式Iのキヌクリジン化合物
    Figure 2007531792
    (ここで、式中の
    a) R1、R2、R3、およびR5が、独立に、H、OH基、ハロ基、(C1-C6)アルキル基、(C1-C6)アルコキシ基、(C3-C6)シクロアルキル基、(C3-C6)シクロアルキル((C1-C6)アルキル)基、(C2-C6)アルケニル基、(C2-C6)アルキニル基、(C1-C6)アルカノイル基、ハロ(C1-C6)アルキル基、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル基、(C1-C6)アルコキシカルボニル基、または、(C1-C6)アルキルチオ基、もしくは(C1-C6)アルカノイルオキシ基であるか、あるいは、R1とR2とが共に、メチレンジオキシ基となっており、
    b) X1が、NO2基、CN基、-N=O、(C1-C6)アルキルC(O)NH-、オキサゾリニル基、N(R6)(R7)、アリール基、アリール(C1-C6)アルキル基、アリール(C2-C6)アルケニル基、ヘテロアリール基もしくはヘテロアリール(C1-C6)アルキル基であって、ここで、 R6 および R7 は、独立に、H、(C1-C6)アルキル基、(C2-C6)アルケニル基、(C3-C6)シクロアルキル基、((C1-C6)アルキル)基(さらにここで式中のシクロアルキル基は、任意に1〜2個のS、過酸化物ではないO、もしくはN(R8)を含み、さらにここで式中のR8は、H、O、(C1-C6)アルキル基、(C3-C6)シクロアルキル基、(C3-C6)シクロアルキル(C1-C6)アルキル基、フェニル基、もしくはベンジル基である)であるか、あるいは、R6およびR7が、それらが結合しているNと共になって、任意に R1 で置換され、また任意に1〜2個のS、過酸化物ではないO、もしくはN(R5)を含むような、五員環もしくは六員環である複素環またはヘテロアリール環を形成し、
    c) YとZとが共になって、=O、-O(CH2)mO-、もしくは-(CH2)m-を形成する(ここでmは2〜4の数である)か、あるいは、YがHであってZがOR9もしくはSR9(ここでR9は、Hもしくは(C1-C4)アルキル基である)
    である)、ならびにそれらの薬学的に許容される塩の有効量を、前記哺乳類に投与することを特徴とする方法。
  2. 前記病原体が、細菌もしくはウイルスであることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 前記量が、前記病原体もしくはそのサブユニットの、前記哺乳類の細胞への侵入を阻害するために有効な量であることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  4. 前記病原体が、ウイルスであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記病原体が、レトロウイルスであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記病原体が、HIVであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記細胞が、生体外で接触されることを特徴とする、請求項3記載の方法。
  8. 前記細胞が、生体内で接触されることを特徴とする、請求項3記載の方法。
  9. 構造式Iの前記化合物が、ヒトに投与されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記ヒトが、ウイルスに曝露していることを特徴とする、請求項9記載の方法。
  11. 前記ヒトが、レトロウイルスに曝露していることを特徴とする、請求項9もしくは10に記載の方法。
  12. 前記ヒトが、HIV陽性であることを特徴とする、請求項9〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記ヒトが、AIDS患者であることを特徴とする、請求項9〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. X1が、N(R6)(R7)であることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. X1が、NH2であることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. R1、R2、R3のうちのひとつもしくは二つが、H、もしくは(C1-C6)アルコキシ基であって、好ましくは(C1-C3)アルコキシ基であることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. YとZとが共になって=Oであることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. YがOHであり、ZがHであることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
  19. R1、R2、およびR3が、Hであることを特徴とする、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 構造式Iの前記化合物が、経口投与されることを特徴とする、請求項1〜6または8〜19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 構造式Iの前記化合物が、非経口投与されることを特徴とする、請求項1〜6または8〜19のいずれか一項に記載の方法。
  22. 構造式Iの前記化合物が、注射、輸液、吸入、もしくは吹送によって投与されることを特徴とする、請求項1〜6または8〜19または21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 構造式(I)の前記化合物が、薬学的に許容される担体と組み合わせて投与されることを特徴とする、請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記担体が、溶液、懸濁液、もしくはゲルといった液体であることを特徴とする、請求項23記載の方法。
  25. 前記担体が、固体であることを特徴とする、請求項23記載の方法。
  26. 前記担体が、硫酸亜鉛七水和物を含むことを特徴とする、請求項22〜25のいずれか一項に記載の方法。
  27. 構造式Iの前記化合物が、(4-アミノ-フェニル)-(1-アザ-ビシクロ[2.2.2]オクタ-4-イル)メタノンであることを特徴とする、請求項1〜26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 構造式(I)の化合物と、薬学的に許容される担体とを含むことを特徴とする、組成物。
  29. 前記組成物が、剤型であることを特徴とする、請求項28記載の方法。
  30. 感染性病原体に罹った疑いのあるもしくは罹った哺乳類を処置する医薬を調製するための、構造式Iの化合物の使用方法。
  31. 前記感染性病原体が、ウイルスもしくは細菌であることを特徴とする、請求項30記載の方法。
  32. 前記医薬が、生理学的に許容される担体を含むことを特徴とする、請求項30記載の方法。
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