JP2007531722A - 膵構造から誘導される糖ペプチド、抗体ならびに診断および治療におけるそれらの応用 - Google Patents

膵構造から誘導される糖ペプチド、抗体ならびに診断および治療におけるそれらの応用 Download PDF

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Abstract

本発明は、BSDLまたはFAPPの、11アミノ酸を伴う1〜40の間の反復C末端ポリペプチドを含んでなる糖ペプチドに関し、ここで、上記ポリペプチドは、グリコシル化され、1型糖尿病を患う患者において誘導される抗体と特異的免疫反応を惹起するグリコシル化エピトープを有し、ならびに/あるいはヒトもしくは動物由来の生物学的液体から精製されるかまたは組換え体であり、グリコシル化を引き起こすのに必要な酵素材料を含んでなる標準的な宿主細胞における発現によって産生され、前記宿主細胞は、上記ポリペプチドをコードする遺伝子およびグリコシルトランスフェラーゼの中から選択される1つもしくはそれ以上の酵素をコードする遺伝子、抗糖ペプチド抗体を含んでなるように遺伝子改変されている。本発明はまた、治療および診断におけるその応用に関する。

Description

本発明は、膵構造から誘導される糖ペプチド、抗体ならびに診断および治療におけるそれらの応用に関する。
より具体的には、本発明は、I型糖尿病を患う患者において誘導される抗体によって認識され、ヒトまたは動物由来の生物学的液体から精製される多様なグリコシル化エピトープを(単独または組み合わせで)担持するBSDLおよび/またはFAPPの天然のC−末端糖ペプチドを得ること、ならびにFAPPおよび/またはBSDLのC末端ペプチドをコードするcDNAおよび前記糖ペプチドを組み立てるのに必要な異なるグリコシルトランスフェラーゼをコードするcDNAを含有する細胞系統から生物工学によって産生される前記組換え糖ペプチドに関する。本発明はまた、BSDLおよび/またはFAPPの組換えならびに/あるいは天然のC−末端糖ペプチドを認識するモノクローナル抗体、ならびに糖尿病および膵外分泌部の癌のような膵臓の病状または他の任意の病状ならびに前記病状の治療もしくは予防プロトコルにおける診断あるいは予防的または治療的処置に使用することができる免疫原性因子、診断薬および治療用薬剤としての前記糖ペプチドならびに前記モノクローナル抗体の使用に関する。
膵外分泌部の癌は、消化器癌の20%を占め、最も進行性のものの1つである。仏国では、例えば、毎年4,000例の新たな症例が診断される。さらに、その頻度は、世界の多くの地域で顕著に上昇している。1年生存率は20%以下、5年生存率は3%以下であり、平均生存期間は診断後3〜4箇月である。癌は診断されるのが遅く、主に腹膜および肝転移の形成を介して、迅速に進行する。さらに、腫瘍が解剖学的に深部に局在すること、高感度かつ特異的な早期生物学的マーカーが存在しないことおよびその無症候性のため、診断は常に遅れる。現在、化学療法および放射線に対して難治性を示す膵外分泌癌の有効な治療は認められていない。
従って、これらの疾患を診断するために利用可能な膵臓癌または他の膵臓の病状の特異的マーカーを有し、有効な処置を提供するための製品を有することが所望される。
今回、広範な研究後、かつ驚くべき様式で、本出願人らは、膵臓腫瘍細胞の表面で発現される膵臓の病状、特に、膵臓癌の特異的マーカーを見出した。
本出願人らは、糖尿病患者において、胆汁酸塩依存性リパーゼ(BSDL)のC末端ペプチドのグリコシル化抗原構造に対して指向された循環抗体を見出した。
本出願人らはまた、ヒト胎児膵腺房タンパク質(human fetoacinar pancreatic protein)(FAPP)のC末端部において発現されるグリコシル化エピトープに対するモノクローナルおよびポリクローナル抗体が、ヒト膵臓腫瘍細胞系統を特異的に認識するが、膵臓由来ではない腫瘍細胞は認識しないことを見出した。
本出願人らはまた、ヒト胎児膵腺房タンパク質(FAPP)のC末端部において発現されるグリコシル化エピトープに対するモノクローナルおよびポリクローナル抗体が、ヒト膵臓腫瘍細胞系統を特異的に認識するが、正常な膵臓組織は認識しないことを見出した。
本出願人らは、BSDLまたはFAPPのC末端部において発現されるグリコシル化エピトープに対する抗体が尿中のBSDL−およびFAPP−由来糖ペプチドを検出し得ることを見出した。特に、FAPPのC末端部において発現されるグリコシル化エピトープに対する抗体は、尿中の糖ペプチドを検出し得、膵臓の病状、特に、膵臓癌を伴う被験体を同定することが可能である。
従って、より具体的には、本出願人らは、糖ペプチド構造を有する化合物であって、そのペプチド部は、正常な膵分泌物に存在するBSDL、消化性脂質分解酵素の反復C末端配列に基づくか、またはFAPP(BSDLの癌胎児性形態)の反復C末端配列に基づく上記化合物が、膵臓の病状のそのような特異的マーカーを構成することを見出した。
実際、BSDLおよびFAPPは、配列Ala Pro Pro Val Pro Pro Thrおよびグリコシル化部位を有する7アミノ酸を伴う一般的な不変部を含んでなる11アミノ酸の反復C末端ペプチド配列を含んでなる。前記一般的な不変部は、しばしばグルタミン酸によって置換されるグリシンによっていずれか一方の部位において隣接され、N末端側においてアミノ酸AspおよびSerを含有する。
本出願人らはまた、宿主細胞によって、例えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)からの発現および分泌によって調製され得る糖ペプチド構造を有する化合物であって、C末端ペプチドの1つもしくはそれ以上の反復配列、特にBSDLの組換え体、例えば、16反復配列のすべてまたは一部をコードするDNA分子を含む遺伝子構築物を含んでなり、また、特に、コア2β(1−6)N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ、α(1−3)およびα(1−4)フコシルトランスフェラーゼ活性を有するフコシルトランスフェラーゼFUT3、またはα(1−3)フコシルトランスフェラーゼ活性のみを有するフコシルトランスフェラーゼFUT7よりなる群において選択されるオース−トランスフェラーゼ(ose−transferase)活性を伴う少なくとも1つの酵素をコードするDNA分子などの遺伝子構築物を含んでなる上記化合物が、膵臓癌の前記特異的マーカーを構築することを見出した。
従って、本出願は、BSDLまたはFAPPの11アミノ酸よりなる1〜40反復C末端ポリペプチドを含んでなる特に組換え体の、おそらく単離または精製された糖ペプチドを対象物として有し、前記ポリペプチドは、グリコシル化され、I型糖尿病を伴う患者において誘導される抗体との特異的免疫反応を惹起するグリコシル化エピトープを担持し、そして
− またはそうでなければヒトまたは動物由来の生物学的液体から精製され、
− またはそうでなければ、組換え体であり、グリコシル化を引き起こすのに必要な酵素機構を含んでなる従来の宿主細胞における発現によって産生され、前記宿主細胞は、前記ポリペプチドをコードする遺伝子ならびにグリコシルトランスフェラーゼから、ならびに特に、コア2β(1−6)N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ(C2GnTと略称される)、α(1−3)ガラクトシルトランスフェラーゼ、フコシルトランスフェラーゼ3(FUT3と略称される)およびフコシルトランスフェラーゼ7(FUT7と略称される)から選択される1つもしくはそれ以上の酵素をコードする遺伝子を含んでなるように遺伝子改変されている。
本発明の実施の他の好適な条件において、上記糖ペプチドは、BSDLまたはFAPPの11アミノ酸を伴う1〜40グリコシル化反復C末端ペプチドより本質的になり、前記グリコシル化ペプチドより特に独占的になる。それ故に、従って、本発明は、11アミノ酸、好ましくは:D−S−G/E−A−P−P−V−P−P−T−G/E(配列番号14)の反復C末端ペプチド配列の反復を含んでなるか、または本質的になる単離された、精製されたまたは組換え糖ペプチドに関する。前記糖ペプチドは、1〜40反復を含有することができる。好適な実施形態では、前記糖ペプチドは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39または40反復を含んでなる。好ましくは、糖ペプチドは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39または40反復を含んでなる。特定の実施形態では、糖ペプチドは、1、2、3、4、5、7、8、9、10、11、12、13、14、15、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39または40反復を含んでなる。別の代替的な実施形態では、糖ペプチドは、1〜15の間の反復(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15反復)、好ましくは、2〜10の間の反復(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、または10反復)を含んでなる。さらなる実施形態では、糖ペプチドは、17〜40の間の反復(例えば、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39または40反復)を含んでなる。本発明を行うための好適な条件において、上記の糖ペプチドは、1〜40、好ましくは、4〜25、より具体的には、6〜16反復C末端ポリペプチドを含んでなる。特定の実施形態では、糖ペプチドは、6反復を含んでなるか、または本質的になる。
好ましくは、本発明に従う糖ペプチドは、コア2β(1−6)N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ(C2GnT)、α(1−3)およびα(1−4)フコシルトランスフェラーゼ活性を有するフコシルトランスフェラーゼFUT3、またはα(1−3)フコシルトランスフェラーゼ活性のみを有するフコシルトランスフェラーゼFUT7よりなる群において選択されるオース−トランスフェラーゼ活性を有する1つもしくはそれ以上の酵素によってグリコシル化される。特定の実施形態では、本発明に従う糖ペプチドは、酵素C2GnTおよびFUT3によってグリコシル化されている。代替的実施形態では、本発明に従う糖ペプチドは、酵素C2GnTおよびFUT7によってグリコシル化されている。本発明はまた、酵素C2GnT、FUT3およびFUT7によってグリコシル化されている糖ペプチドを包含する。好適な実施形態では、本発明に従う糖ペプチドは、α(1−3)ガラクトシルトランスフェラーゼ(GT)によってさらにグリコシル化されている。従って、本発明に従う糖ペプチドが組換え体である場合、それを産生する宿主細胞は、前記ポリペプチドをコードする遺伝子ならびにグリコシルトランスフェラーゼから、特に、C2GnT、FUT3およびFUT7のなかから選択される1つもしくはそれ以上の酵素をコードする遺伝子を含んでなる。好適な実施形態では、前記宿主細胞は、α(1−3)ガラクトシルトランスフェラーゼ(GT)をコードする遺伝子をさらに含んでなる。
特に好適な実施形態では、本発明は、配列番号14に記載され、コア2β(1−6)N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ(C2GnT)、α(1−3)およびα(1−4)フコシルトランスフェラーゼ活性を有するフコシルトランスフェラーゼFUT3、またはα(1−3)フコシルトランスフェラーゼ活性を有するフコシルトランスフェラーゼFUT7よりなる群において選択されるオース−トランスフェラーゼ活性を有する1つもしくはそれ以上の酵素によってグリコシル化されるペプチド配列の1〜40反復を含んでなる組換え体の、単離または精製された糖ペプチドに関し、前記糖ペプチドは、α(1−3)ガラクトシルトランスフェラーゼ(GT)によってさらにグリコシル化される。
「単離された糖ペプチド」は、前記化合物がそれらの天然の環境から分離されることを意味すると理解される。従って、前記化合物は、それらの天然の環境の他の成分のいくつかまたはすべてから分離される。
「精製された糖ペプチド」は、前記化合物が、少なくとも約1、好ましくは、少なくとも2、3、4または5倍の因数だけ、混合物において富化されることを意味すると理解される。用語「精製された」は、化合物が絶対的に純粋であることを必ずしも意味しない。例えば、前記化合物は、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または100%の純度を有することができる。しかし、好ましくは、前記化合物は、ポリアクリルアミドゲル電気泳動において唯一の単一のバンドを生じる。
それらが得られる任意の適切な分離および/または精製方法を使用することができる。特定の実施形態では、糖ペプチドは、ヒトまたは動物被験体由来の生物学的液体から精製される。生物学的液体は、血清、尿、膵液および乳汁分泌物よりなる群において選択され得る。好ましくは、生物学的液体は尿である。好適な実施形態では、被験体は、膵臓疾患、好ましくは、膵臓癌を患い得るかまたは患っている患者である。別の実施形態では、糖ペプチドは、細胞培養物から精製される。さらなる実施形態では、糖ペプチドは、組織サンプル、好ましくは、膵臓組織、特に膵臓組織腫瘍から精製される。
本出願の思想において、用語「糖型」はグリコシル化エピトープを指す。グリコシル化エピトープは、1つもしくはそれ以上のグリコシル化鎖を包含し得る。用語「mAb」(仏語で「Acm」)は、モノクローナル抗体を指し、用語「pAb」(仏語で「Acp」)はポリクローナル抗体を指す。
特定の実施形態では、本発明は、本発明に従う抗体との特異的免疫反応を惹起することができる本発明に従う糖ペプチドに関する。好ましくは、糖ペプチドは、J28および16D10から選択される1つもしくはそれ以上の抗体との特異的免疫反応を惹起することができる。場合により、糖ペプチドは、J28との特異的免疫反応を惹起する。あるいは、それは、16D10との特異的免疫反応を惹起する。
遺伝子操作において古典的に使用される宿主細胞は、酵素、例えば、一般にペプチドのセリンまたはスレオニン残基上にN−アセチルガラクトサミンを付加するα−3N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼを天然に含有する。例えば、これは、そのような酵素を含有するC127、COS、CHOまたはCHO−K1のような広範に使用される宿主細胞の場合にあてはまる。
本出願および以下のその内容において、用語「従来の宿主細胞」は、糖ペプチドの産生のために通常使用される細胞、好ましくは、ヒト細胞もしくはC127、COS細胞のような動物細胞、またはヨウトガ(Spodoptera frugiperda)卵巣細胞のような昆虫細胞、特にCHOまたはCHO−K1細胞を示す。そのような適切な従来の宿主細胞は、特に、その遺伝子機構および多様なグリコシル化エピトープを作製するその能力に基づいて、選択され得る。前記選択を行うために、酵素アッセイを行って、使用を所望する宿主細胞における特に、α−3N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼの存在を検出することができる。
使用されるグリコシルトランスフェラーゼは、動物、または好ましくはヒト由来であり得る。
本発明の実施の好適な条件において、遺伝子改変された従来の宿主細胞は、前記ポリペプチドをコードする少なくとも1つの遺伝子ならびにコア2β(1−6)N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ(C2GnT)およびフコシルトランスフェラーゼ3(FUT3)をコードする少なくとも1つの遺伝子を含んでなる。
特に、膵臓癌における適用のための本発明の実施の他の好適な条件において、遺伝子改変された従来の宿主細胞は、前記ポリペプチドをコードする少なくとも1つの遺伝子ならびにコア2β(1−6)N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ(C2GnT)、フコシルトランスフェラーゼ3(FUT3)およびα(1−3)ガラクトシルトランスフェラーゼ(GT)をコードする少なくとも1つの遺伝子を含んでなる。
特に、I型糖尿病における適用のための本発明の実施のなお他の好適な条件において、遺伝子改変された従来の宿主細胞は、前記ポリペプチドをコードする少なくとも1つの遺伝子ならびにグルコシルトランスフェラーゼのコア2β(1−6)N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ(C2GnT)およびフコシルトランスフェラーゼ7(FUT3)をコードする少なくとも1つの遺伝子を含んでなる。
反復C末端ペプチドのすべてまたは一部をグリコシル化することができる。好ましくは、すべての反復配列がグリコシル化され、一般に、16配列、より具体的には、6配列、および特に、2配列がグリコシル化される。
グリコシル化は、1つもしくはそれ以上のN−アセチルグルコサミン、N−アセチルガラクトサミン、シアル酸、グルコース、ガラクトース、フコースによることができる。
本発明の実施のなお他の好適な条件において、ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)によって評価される上記の糖ペプチドのサイズは、有利には20〜120kDaの間に含まれ、好ましくは20〜85kDaの間に含まれ、より具体的には45〜83kDaの間に含まれる。
特に、C2−F3−16R、C2−F3−GT−6Rおよびより具体的にはC2−F3−6RおよびC2−F7−16Rと称される糖ペプチドが考慮される。C2−F3−16Rは、C2GnTおよびFUT3によってグリコシル化される16反復を有する糖ペプチドを表す。C2−F3−GT−6Rは、C2GnT、FUT3およびGTによってグリコシル化される6反復を有する糖ペプチドを表す。C2−F3−6Rは、C2GnTおよびFUT3によってグリコシル化される6反復を有する糖ペプチドを表す。C2−F7−16Rは、C2GnTおよびFUT7によってグリコシル化される16反復を有する糖ペプチドを表す。好ましくは、本発明に従う糖ペプチドは、C2−F3−6R、C2−F3−GT−6R、C2−F7−6R、C2−F7−GT−6R、C2−F3−F7−6R、およびC2−F3−F7−GT−6Rよりなる群において選択される。
糖ペプチドC2−F7−16Rを産生する細胞系統は、2004年3月16日に番号I−3189でパリのCollection Nationale de Culture de Microorganismes(CNCM)に寄託された。
当業者であれば、ペプチドは、機能を変更することなく、いくらか構造的に改変し得ることを知っている。
ペプチドは、改変がその免疫学的特徴に影響を及ぼさない限り、欠失、置換、付加またはアミノ酸のアシル化のような官能基化のようなそのアミノ酸の1つもしくはそれ以上の改変を含有することができる。特に、改変は、保存的アミノ酸(即ち、類似の物理化学的特徴を有する)による置換であり得る。例えば、一般に、イソロイシン残基によるロイシン残基の置換は、かかる特性に影響を及ぼさない。一般に、改変は、ペプチドの40%未満、特に、30%未満、好ましくは、20%未満、およびより具体的には、10%未満のアミノ酸を含有しなければならない。改変されたペプチドが変性されない(例えば、加熱のような物理的処置を受けることができる)ことにより、改変された誘導体によって誘導される抗体が生来の構造に対して活性を有し、そのコンホメーションの部位を保存することは、重要である。
一般に、上記の改変された糖ペプチドと上記の生来の糖ペプチドとの間の改変、相同性または類似性、ならびに使用、または本発明に従う免疫原性化合物の破傷風トキソイドのような免疫原性タンパク質への結合の態様については、特に、国際公開第A−86/06414号パンフレットまたはEP−A−0.220.273号明細書またはそうでなければ国際特許出願第PCT/US86/00831号明細書などを参照することができる。
本発明の対象である糖ペプチドは、特に、ヒトまたは動物由来の膵液、血清、乳汁、尿もしくは羊水から調製することができる。好適な実施形態では、本発明に従う糖ペプチドは、ヒトあるいは動物由来の尿から単離および/または精製される。好ましくは、尿はヒト由来である。好適な実施形態では、尿は、膵臓の病状を患い得るかまたは患っている患者由来である。好ましくは、膵臓の病状は膵臓癌である。当業者であれば、本糖ペプチドを精製および/または単離するために使用することができる技術に精通している。特に、糖ペプチドは、例えば、前記方法に限定されることなく、遠心分離、限外ろ過、濃縮工程、排除もしくはアフィニティーカラム上での液体クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィーまたは陽イオンまたは陰イオン交換クロマトグラフィー、電気泳動あるいは前記技術の組み合わせを使用して、精製することができる。特に、J28および16D10などの本発明に従う糖ペプチドに特異的な抗体は、アフィニティー精製に使用することができる。精製プロトコルの例については、実験7に記載されている。従って、本発明は、被験体の尿を回収し、尿から前記糖ペプチドを精製することを含んでなる本発明に従う糖ペプチドの調製方法に関する。
本発明は、さらに特に、膵臓の病状、特に、膵臓癌を患い得るかまたは患っている患者の尿から精製および/または単離される本発明に従う糖ペプチドに関する。以下に記載のとおり、前記精製された糖ペプチドは、免疫療法による予防または治療的処置のために使用することができる。例えば、それらは、医薬組成物および/またはワクチン組成物を調製するために使用することができる。
本糖ペプチドは、組換え体であり、以下の通りに調製することができる。
CHO−K1のような従来の適切な宿主細胞系統は、所望されるトランスフェラーゼの相補的DNAを含んでなるプラスミドで、または例えば、リポフェクタミンを使用することによって、所望されるトランスフェラーゼ、例えば、グリコシルトランスフェラーゼのコア2β(1−6)N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ(C2GnT)、フコシルトランスフェラーゼ3(FUT3)、フコシルトランスフェラーゼ7(FUT7)もしくはα(1−3)ガラクトシルトランスフェラーゼ(GT)の相補的DNAを含んでなるプラスミドにより、トランスフェクトされる。
得られる細胞系統は、発現および好ましくは、組換えペプチドの分泌を可能にするプラスミド、例えば、本発明の糖ペプチド、例えば、BSDLまたはFAPPのC末端ドメインをコードするcDNAを含有するpSecTagプラスミドによって、トランスフェクトされる。配列番号6、8、10および12は、本発明に従う糖ペプチドをコードする配列の例である。
所望されるcDNAを含有する細胞系統を培養することによって得られる組換え糖ペプチドは、次いで、例えば、ポリアクリルアミドゲル上であるいは液体および/またはアフィニティークロマトグラフィーによって有利に精製され、所望であれば、それは、同定のためにSDS−PAGEによって分析される。
もちろん、他の任意の適切な方法によって、宿主細胞に、本糖ペプチドを調製するために必要な遺伝子を転移することが可能である。
上記の方法の実施の好適な条件において、CHO−K1のような適切な細胞系統は、グリコシルトランスフェラーゼのコア2β(1−6)N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ(C2GnT)、フコシルトランスフェラーゼ3(FUT3)、および本発明に従う糖ペプチド、例えば、FAPPまたは特に、BSDLのC末端ポリペプチドドメインの相補的DNAを含んでなるプラスミドで、この順でトランスフェクトされる。
有利な様式において、CHO細胞系統および特に、CHO−K1細胞系統が宿主細胞として使用される。
有利な様式において、プラスミドpSecTag、pcDNA−3またはpBK−CMVは、プラスミドとして使用される。
さらに一般的には、本発明はまた、グリコシル化を引き起こすのに必要な酵素機構を含んでなる従来の宿主細胞に、本発明に従うポリペプチドをコードする遺伝子およびグリコシルトランスフェラーゼから選択される1つもしくはそれ以上の酵素をコードする少なくとも1つの遺伝子を、所望される糖ペプチドの発現および場合により分泌を可能にする条件下で転移し、予期される糖ペプチドを単離することを特徴とする上記方法などの、糖ペプチドの調製方法を対象物として有する。
本発明に従う糖ペプチド、および特に、FAPPまたはBSDLの天然もしくは誘導体糖ペプチドは、ロンバアルド(Lombardo)ら1978年、Biochim.Biophys.Acta、527:142−149頁、またはアバウアキル(Abouakil)ら1988年、Biochim.Biophys.Acta、961:299−308頁、またはワング(Wang)およびジョンソン(Johnson)、1983年、Anal.Biochem.,133:457−461頁またはそうでなければブラックベルグ(Blackberg)およびヘルネル(Hernell)、1981年、Eur J.Biochem.116:221−225頁に記載のものなどのクロマトグラフィー方法によって、任意のヒトまたは動物由来の生物学的液体もしくは組織であれば何であれ、特に、血清、尿、膵液、乳汁分泌物、組織または細胞ホモジネートなどから単離されるタンパク質から調製することができる。均質なタンパク質は、次いで、任意の酵素、特に、タンパク質分解に関与する酵素的用法、または化学的方法のいずれかによって、加水分解される。
天然の糖ペプチドは、特に、マス(Mas)ら1997年、Glycobiology、7:745−752頁、またはワング(Wang)ら1995年、Biochemistry、34:10639−10644頁において記載のクロマトグラフィー方法(ゲルろ過、アフィニティーおよび免疫アフィニティー、イオン交換など)、または他の任意の方法によって、単離することができる。
前記糖ペプチドはまた、先に示した通り生物学的液体または組織から直接、または前記生物学的液体または組織の上記の酵素的もしくは化学的処置の後に精製、単離することができる。
BSDLまたはFAPPの前記天然の糖ペプチドのグリコシル化は、特に、上記および下記に示される病状の診断のためまたは前記病状に対するワクチン化のため、または本発明の目的である抗体を入手もしくは産生させるために下記において使用されるグリカン構造を入手するために、任意の化学的あるいは酵素的経路(グリコシダーゼまたはグリコシルトランスフェラーゼの生来の、可溶性組換え体、特に膜の使用)によって、改変することができる。
さらに、本発明の天然のまたは組換え糖ペプチドのペプチド配列を改変することが可能である。
本発明の目的である天然および特に組換え体の単離または精製された糖ペプチドは、極めて興味深い特性を有する。特に、それらは、膵臓の病状に特異的な顕著な免疫原性特性を示す。
前記特性は、実験セクションにおいて以下に例示される。それらは、医薬品としての上記糖ペプチドの使用を正当化する。
これが、本発明が、ヒトまたは動物身体の治療処置の方法におけるその使用のため(即ち、医薬品として)の上記の糖ペプチドをもまた対象物として有する理由である。
本発明に従う医薬品は、例えば、細胞に基づく免疫療法:患者の免疫系(樹状または他の細胞など)の活性化による自家ワクチン化のため、糖尿病の病状、より一般的には、1つもしくはそれ以上の前記糖ペプチドの使用を必要とする他の任意の病状を罹患した患者における前記構造に対して指向された循環抗体の検出によるI型糖尿病のような所定の病状の診断のための膵臓癌、乳癌の免疫療法(免疫化、ワクチン化)、予防的および/または治療的処置において使用することができる。
それらはまた、炎症、転移の形成および病原体による進入の阻害のような他の生物学的システムにおいても使用することができる。
従って、本発明は、本発明に従う糖ペプチドを含んでなる医薬組成物またはワクチン組成物に関する。特に、本発明は、配列番号14に記載され、コア2β(1−6)N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ(C2GnT)、α(1−3)およびα(1−4)フコシルトランスフェラーゼ活性を有するフコシルトランスフェラーゼFUT3、またはα(1−3)フコシルトランスフェラーゼ活性を有するフコシルトランスフェラーゼFUT7よりなる群において選択されるオース−トランスフェラーゼ活性を有する1つもしくはそれ以上の酵素によってグリコシル化されるペプチド配列の1〜40反復を含んでなる糖ペプチドを含んでなる医薬組成物またはワクチン組成物に関する。場合により、前記糖ペプチドは、酵素C2GnTおよびFUT3によってグリコシル化される。場合により、前記糖ペプチドは、酵素C2GnTおよびFUT7によってグリコシル化される。場合により、前記糖ペプチドは、酵素C2GnT、FUT3およびFUT7によってグリコシル化される。好ましくは、前記糖ペプチドは、α(1−3)ガラクトシルトランスフェラーゼ(GT)によってさらにグリコシル化される。好適な実施形態では、前記糖ペプチドは、1〜15の間の前記反復を含んでなる。前記糖ペプチドは、組換え体であるかまたは生物学的液体から精製され得る。好ましくは、前記生物学的液体は、尿、特に、膵臓の病状、特に、膵臓癌を患う被験体由来の尿である。特定の実施形態では、前記糖ペプチドは、抗原提示細胞、好ましくは、樹状細胞上に充填される。
本発明はまた、本発明に従う糖ペプチドあるいは医薬組成物またはワクチン組成物の医薬品としての使用に関する。特に、本発明は、癌、炎症性障害、脈管の病状または病原体による感染症よりなる群において選択される疾患の予防的もしくは治療的処置を目的とする医薬品を調製するための本発明に従う糖ペプチドあるいは医薬組成物またはワクチン組成物の使用に関する。好ましくは、疾患は、乳癌または膵臓癌である。好適な実施形態では、本発明は、膵臓の病状、特に、膵臓癌の処置または予防を目的とする医薬品を調製するための本発明に従う糖ペプチドまたは医薬組成物もしくはワクチン組成物に関する。好適な実施形態では、糖ペプチドは、膵臓の病状、好ましくは、膵臓癌を患う被験体の尿からの精製によって得られる。
アジュバント処方においては、免疫原、この場合本発明に従う糖ペプチドを、例えば、ISA51を使用することによって、特に、油中水型エマルジョンに含めることができる。
免疫原性糖ペプチドを含有するワクチン製剤は、筋肉内(im)、皮下(sc)、皮内(id)経路による全身型または鼻内、口内、膣または直腸経路による粘膜型の免疫応答を誘導するのに適切な医薬処方で投与することができる。
免疫原性糖ペプチドを含有するワクチン製剤はまた、他の免疫原を含有することもできる。
sc、im、id経路によって投与される全身性医薬製剤は、免疫原性糖ペプチド、または免疫原包埋リン酸カルシウム懸濁液、または免疫原を吸着する水酸化アルミニウムを含有する油中水型エマルジョンであり得る。
ワクチン製剤は、賦形剤としてカルボポール(carbopol)を伴うゲル、点鼻薬または噴霧薬の形態での内鼻経路および耐酸性カプセル、耐酸性顆粒または糖衣錠の形態での経口経路のために、処方することができる。
通常の用量は被験体および原因となる病状に従って変動し、例えば、ヒトにおいて、10〜20週間の間、2週間ごとに全身経路で投与される本発明に従う糖ペプチド、特に、以下の実施例4に記載の糖ペプチド1〜100mgであり得る。
本発明はまた、有効成分として少なくとも1つの上記の糖ペプチドを含有する医薬組成物を対象物として有する。
前記組成物において、有効成分は、生理学的に有効な用量で有利に存在し、特に、前記の成分は、有効なワクチン用量の少なくとも1つの上記有効成分を含有する。
医薬品として、上記の糖ペプチドは、消化管または非経口経路を目的とする医薬組成物に組み入れることができる。
例えば、前記医薬組成物は、固体または液体であり、例えば、単純な錠剤または糖衣錠、カプセル、顆粒、カラメル、坐剤、特に、注射用製剤のようなヒト医薬において通常使用される医薬処方として供給され得、それらは、通常の方法によって調製される。有効成分は、タルク、アラビアガム、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、ココアバターなどの前記医薬組成物において通常用いられる賦形剤と共に、水性または非水性の動物性もしくは植物性脂肪、パラフィン誘導体、グリコールであるビヒクル、多様な湿潤剤、分散剤または乳化剤、保存剤を該医薬組成物の中に処方することができる。
本発明はまた、有効成分が許容可能な(特に、確立された方法に従って医薬上許容される)賦形剤と混合されることを特徴とする、上記のような組成物の調製方法を対象物として有する。
本発明は、膵臓癌または乳癌あるいは脈管の病状もしくは血管新生のような他の病状の治療的または予防的処置を目的とする医薬品を調製するための上記のような糖ペプチドの使用をさらに対象物として有する。
本発明は、本発明に従う糖ペプチドの有効量を投与することを含んでなる、被験体における癌、炎症性障害、脈管の病状または病原体による感染よりなる群において選択される疾患の予防的または治療的処置の方法にさらに関する。
癌処置、特に、前立腺癌の好適な実施形態において、糖ペプチドは、同種の抗原提示細胞に与えられ得る。好ましくは、抗原提示細胞は樹状細胞である。好適な様式では、抗原提示細胞は自己由来であり、即ち、それは、レシピエント被験体から先に取り出されているか、またはそれは、レシピエント被験体由来の幹細胞から誘導される。代替的に、抗原提示細胞は、同種の被験体(即ち、レシピエントに匹敵する)から採取されるサンプル由来である。従って、この実施形態において、本発明に従う医薬組成物またはワクチン組成物は、本発明に従う糖ペプチドを充填または「パルス」された抗原提示細胞を含んでなる。従って、本発明は、医薬品、特に、乳または膵臓癌、好ましくは、膵臓癌の処置もしくは予防のための医薬品として本発明に従う糖ペプチドを与えられ、または「パルス」された抗原提示細胞を含んでなる医薬組成物またはワクチン組成物の使用に関する。好適な実施形態では、糖ペプチドは、膵臓の病状、好ましくは、膵臓癌を患う被験体の尿からの精製によって得られる。最も所望される実施形態では、糖ペプチドは、処置された被験体の尿からの精製によって得られる。好ましくは、被験体はヒトである。本発明はまた、本発明に従う糖ペプチドを提供すること、および場合により、抗原提示細胞に与えられた前記糖ペプチドを投与することを含んでなる膵臓の病状、好ましくは、膵臓癌、または乳癌の治療的もしくは予防的処置の方法であって、前記投与は、膵臓の病状、好ましくは、膵臓癌、または乳癌を処置、減弱または予防することが可能である方法に関する。好適な実施形態では、処置された疾患は膵臓癌である。前記糖ペプチドは、組換え体であるかまたは生物学的サンプル、好ましくは、生物学的液体から単離され得る。好適な実施形態では、前記糖ペプチドは、膵臓の病状、好ましくは、膵臓癌、もしくは乳癌を患う被験体の尿から単離および/または精製される。好ましくは、前記糖ペプチドは、処置された被験体の尿から単離および/または精製される。従って、糖ペプチドを提供する工程は、生物学的液体、好ましくは、尿の回収、および前記糖ペプチドの精製を含んでなることができる。
上記の糖ペプチドの特性はまた、診断、特に、免疫酵素的方法におけるそれらの使用を正当化する。
これが、本発明がまた、それが上記のような少なくとも1つの糖ペプチドを含有することを特徴とするヒト生物学的サンプルにおける上記の糖ペプチドに対して指向された抗体の存在のインビトロでの診断のための組成物を対象物として有する理由である。
本発明はまた、上記の病状を患うヒト被験体、血清のようなヒト生物学的サンプルにおいて誘導された抗体の存在のインビトロでの検出および、より具体的には、膵臓癌または糖尿病の病状のインビトロでの診断のための方法を対象物として有し、診断の対象であるヒトから由来する、前記生物学的サンプルが、前記抗原と前記抗体との間の免疫複合体の形成を可能にする条件下で、上記または下記で規定される患者において誘導される抗体によって認識される抗原と接触され、前記抗体と抗原との間で形成される可能性のある免疫複合体が検出されることをを特徴とする。
本発明はまた、上記の病状を患うヒト被験体、生物学的サンプルにおいて誘導される抗体の検出のために必要な材料またはキット、特に、前記抗体の可能なキャリアを対象物として有し、それは、以下を含んでなることを特徴とする。
− 上記のような少なくとも1つの糖ペプチド、および
− 抗原と前記生物学的サンプルとの間の免疫反応から生じる免疫複合体を検出するための手段。
本発明の対象物である糖ペプチド(特に組換えの、単離または精製された)はまた、そのような糖尿病の病状を伴う患者におけるこれらの構造に対して指向された循環抗体の検出によるI型糖尿病のような所定の病状の診断において使用することができる。
特に、C2−F7−16Rと命名された糖ペプチドは、I型糖尿病の診断のために使用される。
本発明の対象物である糖ペプチド(特に、組換えの、単離または精製された)は極めて興味深い抗原特性を所有するため、それらはまた、抗体(特にモノクローナル)の産生を可能にする。
それ故、本出願はまた、上記の規定を満たし、文献に記載され得る抗体J28および他の任意の抗体を例外として、上記のような糖ペプチドで特異的な免疫反応を惹起する抗体(特に、モノクローナル)を対象物として有する。モノクローナル抗体は、任意のクラス、特に、IgM、IgD、IgEまたはIgA由来であり得る。好ましくは、モノクローナル抗体はIgGである。本発明に従う抗体は、その初期のクラスにもかかわらず、例えば、既知の分子生物学的方法(ルーイス(Lewis)ら、1992年、Hum.Antibodies Hybridomas,3:146−52頁、ルーイス(Lewis)ら、1993年、J.Immunol.,151:2829−38頁、ホール(Hall)ら、1994年、Cancer Res.,54:5178−85頁、シェパード(Shepherd)およびディーン(Dean)、Monoclonal Antibodies、Oxford University Press、2000年、479頁)によって、別の免疫グロブリンのクラス由来の抗体に改変することができる。これらの同じモノクローナル抗体は、先に示された条件下でそれらを使用するように、前記組換えもしくは天然の糖ペプチドに対するそれらの認識部位を保存するために、遺伝子組み換えまたは他の任意の方法によって、ヒト化することができる。
特に、上記のような糖ペプチドの援助による哺乳動物の免疫化によって得られる抗体が選択される。
具体的には、本発明は、実施例に記載の抗体および特に、2004年3月16日にIgG型の番号I−3188および8H8下でパリのCollection Nationale de Culture de Microorganismes(CNCM)に寄託されたハイブリドーマによって産生され得るIgM型の16D10抗体に関する。
好ましくは、本発明は、モノクローナル抗体16D10、そのフラグメントもしくは誘導体、およびモノクローナル抗体16D10と同じエピトープに本質的に結合する抗体よりなる群において選択されるモノクローナル抗体に関する。場合により、前記抗体は、ヒト化されているか、キメラかまたはヒトである。好ましくは、抗体はIgG型である。場合により、抗体は一本鎖抗体である。
抗体フラグメントまたは誘導体は、問題の抗体と実質的に同じ特異性を保存する実態を意味すると理解される。そのフラグメントは、Fab、Fab’、F(ab)2およびsFvフラグメントであり得る(ブレイザル(Blazar)ら、1997年、Journal of Immunology159:5821−5833頁およびバード(Bird)ら、1988年、Science242:423−426頁)。本発明に従うFv、Fab、またはF(ab)2フラグメントは、古典的な酵素消化方法によって得ることができる。その誘導体は、キメラ、ヒト化または一本鎖scFv抗体であり得る。前記誘導体は、古典的な遺伝子操作方法によって得ることができる。抗体16D10の可変領域をコードするポリヌクレオチドは、例えば、16D10抗体−産生ハイブリドーマcDNAライブラリー由来の前記可変領域をクローニングすることによって、得ることができる。それらはまた、前記可変領域のヌクレオチド配列に基づく核酸合成によって、全体的または部分的に調製することができる。ラウトレッジ(Routledge)ら(「Reshaping antibodies for therapy」、Protein Engineering of Antibody Molecules for Prophylactic and Therapeutic Applications in Man、13−44、Academic Titles、Nottingham、英国(1993年)]またはログスカ(Roguska)ら、1996年、Protein Engineering,9(10):895−904頁)により記載されているようなCDRグラフティングの既知の技術によって、例えば、16D10のCDRをコードするポリヌクレオチドを合成して、他の抗体、特に、ヒト由来および/またはIgG型の抗体の適切な領域に組み入れることができる。
本発明はまた、抗体16D10のCDRを含んでなるタンパク質をコードする任意の核酸分子、および任意の組換えベクター、特に、前記核酸分子を含んでなる任意の発現ベクター、前記核酸または前記ベクターを含んでなる任意の宿主細胞を対象物として有する。
本発明はまた、上記のような抗糖ペプチド抗体の調製方法であって、哺乳動物を前記糖ペプチドの援助または任意のヒトまたは動物の生物学的組織もしくは液体、特に、正常および病理学的ヒト膵液から単離されるFAPPおよびBSDLの援助で免疫し、次いで、所望であれば、前記タンパク質のC末端ドメインを認識する予期される抗体を回収することを特徴とする方法を対象物として有する。
本出願は、上記のような抗糖ペプチド抗体の調製方法であって、上記のような天然もしくは組換え糖ペプチドの援助または上記のようなFAPPおよびBSDLの混合物の援助によって、免疫され、エプスタイン・バール(Epstein−Barr)ウイルス(EBV)によって形質転換された被験体由来のBリンパ球をクローニングし、次いで、前記形質転換されたBリンパ球から分泌される予期される抗体を回収することを特徴とする方法を対象物として同様に有する。
特に、本発明のモノクローナル抗体対象物は、上記のような糖ペプチドとの特異的な免疫反応を惹起することができる。
本発明の特定の実施形態において、抗体は、モノクローナル抗体16D10またはJ28(それぞれ、ハイブリドーマ16D10またはJ28によって産生される)と同じエピトープに本質的に結合する。好ましくは、前記抗体はモノクローナル抗体である。好ましくは、本発明は、モノクローナル抗体16D10(ハイブリドーマ16D10によって産生される)に関するが、本発明はまた、抗体16D10に特異的に競合することができるモノクローナル抗体に関すると理解すべきである。同様に、特定の実施形態において、本発明に従うモノクローナル抗体は、抗体J28に特異的に競合することができる。
目的の抗体と「同じエピトープまたは決定基に本質的に結合する」という用語は、抗体が前記目的の抗体と「競合する」ことを意味する。目的の抗体「と同じエピトープまたは決定基に本質的に結合する」という用語は、2つの抗体が全く同じエピトープを有さないことを意味する。しかし、特定の実施形態では、2つの抗体は同じエピトープを有することができる。モノクローナル抗体と「同じエピトープまたは決定基に本質的に結合する」という用語は、抗体が抗体16D10と「競合する」ことを意味する。一般に、目的の抗体(例えば、抗体16D10)「と同じエピトープまたは決定基に本質的に結合する」抗体は、抗体が、本発明に従う糖ペプチド、特に、BSDLもしくはFAPPまたはそのフラグメント、好ましくは、本明細書に記載のBSDLまたはFAPPのC末端部、さらにより好ましくは、BSDLまたはFAPPの11アミノ酸の1つもしくはそれ以上の反復、あるいはそのフラグメントの一部から選択される1つもしくはそれ以上のタンパク質に対し、前記目的の抗体と「競合する」ことを意味する。他の例では、抗体がBSDLまたはFAPPと結合するための目的の抗体と「競合する」場合、抗体はBSDLまたはFAPPの同じエピトープもしくは決定基に本質的に結合する。
目的の抗体と「同じエピトープまたは決定基に本質的に結合する」という用語は、抗体が、前記目的の抗体が特異的に結合する任意のBSDLおよび/またはFAPP分子のために、前記目的の抗体と「競合する」ことを意味する。モノクローナル抗体16D10と「同じエピトープまたは決定基に本質的に結合する」という用語は、抗体が、前記モノクローナル抗体16D10が特異的に結合する任意のBSDLおよび/またはFAPP分子のために、前記モノクローナル抗体16D10と「競合する」ことを意味する。例えば、モノクローナル抗体16D10またはJ28と同じエピトープまたは決定基に本質的に結合する抗体は、それぞれBSDLまたはFAPPに結合するための前記抗体16D10またはJ28と「競合する」。
本明細書に記載のモノクローナル抗体と同じエピトープに本質的に結合する1つもしくはそれ以上の抗体の同定は、抗体間の競合を評価することができる任意の免疫学的スクリーニング方法を使用して、行うことができる。多くのアッセイが日常的に行われており、当業者に周知である(例えば、1997年8月26日に特許査定された米国特許第5,660,827号明細書(本明細書において参考として具体的に援用される)を参照のこと)。抗体が結合するエピトープの同定は、本明細書に記載のモノクローナル抗体と同じエピトープに結合するか、または本質的に結合する抗体を必ずしも同定する必要がない。
例えば、研究しようとする候補抗体が、異なる動物原から得られているか、またはおそらく、異なるIgイソタイプを有する場合、簡単な競合アッセイを用いることができ、ここで、コントロール抗体(例えば、抗体16D10)および候補抗体が混合され(もしくは予め吸着され)、BSDLまたはFAPP(両者とも抗体16D10に結合することが公知である)のいずれかを含有するサンプルと接触される。ELISA、ラジオイムノアッセイ、ウエスタンブロット分析に基づくプロトコル、または(例えば、実施例に記載のような)BIACORE分析の使用は、簡単な競合試験における使用に適切である。
特定の実施形態において、BSDLまたはFAPP抗原サンプルと接触させる前に、コントロール抗体(例えば、抗体16D10)と多様な量の候補抗体(例えば、約1:10または約1:100)との混合物を最初に調製することが可能である。別の実施形態では、コントロール抗体および多様な量の候補抗体を、BSDLまたはFAPP抗原サンプルとの接触時に簡単に混合することができる。(例えば、分別方法を使用するかまたは洗浄して結合抗体を取り出すことによって)結合抗体を遊離の抗体と区別し、(例えば、種もしくはイソタイプに特異的な第二抗体を使用するかまたは検出可能なタグで抗体16D10を標識することによって)抗体16D10を抗補抗体と区別することができる限り、抗補抗体が抗体16D10のBSDLまたはFAPP抗原への結合を減少するかどうかを決定し、それによって、候補抗体が抗体16D10と同じエピトープを本質的に認識するかどうかを示すことが可能である。全く関連性の無い抗体の存在下でのコントロール抗体の結合は、コントロール値の上限としての役割を果たすことができる。コントロール値の下限は、標識コントロール抗体(16D10)と全く同じエピトープ(16D10)を認識する非標識抗体とをインキュベートすることによって得ることができ、この方法では、標識抗体の結合を減少する競合を誘導する。1つの試験では、候補抗体の存在下における標識抗体の反応性の有意な減少は、候補抗体が同じエピトープを本質的に認識し、即ち、それが、標識抗体(16D10)と交差反応することを示す。約1:10〜約1:100の間の16D10抗体対候補抗体の比で、抗原BSDLまたはFAPPのそれぞれに対する抗体16D10の結合を少なくとも約20%、30%、40%、50%、好ましくは、少なくとも約60%、またはさらにより好ましくは、少なくとも約70%(例えば、65〜100%)だけ減少する任意の候補抗体は、16D10と同じエピトープまたは決定基抗体に本質的に結合する抗体とみなされる。好ましくは、前記候補抗体は、抗体16D10のBSDLまたはFAPP抗原への結合を、少なくとも約90%(例えば、約95%)だけ減少する。好ましくは、結合の減少の程度が異なり得ても、結合が同じ方法評価される場合、抗体16D10もまた、候補抗体のBSDLまたはFAPP抗原への結合を減少させる。
競合は、例えば、フローサイトメトリーアッセイによって、評価することができる。そのようなアッセイでは、BSDLまたはFAPP抗原を担持する細胞、例えば、BSDLまたはFAPPによってトランスフェクトされる細胞を、最初に、抗体16D10と共に、次いで、例えば、蛍光色素またはビオチンで標識された候補抗体と共にインキュベートする。飽和量の16D10とのプレインキュベーション後に観察される結合が、16D10とのプレインキュベーションを伴わない抗体で観察される結合(蛍光によって測定される)の約30%、好ましくは、約40%、約50%、約80%、もしくはそれ以上(例えば、約90%)である場合、抗体は、抗体16D10と競合するとみなされる。あるいは、飽和量の候補抗体共にプレインキュベートされる細胞において標識16D10抗体(蛍光色素またはビオチンによって標識される)で観察される結合が抗体とのプレインキュベーションを伴わずに観察される結合の約80%、好ましくは、約50%、約40%、約30%、もしくはそれ以下(例えば、約20%)である場合、抗体は、抗体16D10と競合するとみなされる。
有利な様式では、候補抗体が予め吸着され、BSDLまたはFAPP抗原か固定化されている表面上において飽和濃度で適用される簡単な競合アッセイを使用することもできる。簡便な競合アッセイにおける表面は、好ましくはBIACOREチップ(または表面プラズモン共鳴分析に匹敵する別の支持体)である。コントロール抗体(例えば、16D10)を、次いで、BSDLまたはFAPPの飽和濃度で表面と接触させ、BSDLまたはFAPPを担持する表面に対するコントロール抗体の結合を測定する。コントロール抗体の前記結合を、候補抗体の非存在下におけるコントロール抗体のBSDLまたはFAPPを担持する表面への結合と比較する。アッセイ試験では、候補抗体の存在下におけるコントロール抗体のBSDLまたはFAPPを担持する表面への結合の有意な減少は、候補抗体がコントロール抗体と交差反応するような方法で、候補抗体が、コントロール抗体と同じエピトープを本質的に認識することを示す。(抗体16D10のような)コントロール抗体のBSDLまたはFAPP抗原への結合を、少なくとも約30%または好ましくは、約40%だけ減少する任意の候補抗体は、コントロール抗体(例えば、16D10)と同じエピトープに本質的に結合する抗体とみなすことができる。好ましくは、前記候補抗体は、コントロール抗体(例えば、16D10)のBSDLまたはFAPP抗原への結合を、少なくとも約50%(例えば、少なくとも約60%、少なくとも約70%、もしくはそれ以上)だけ減少する。コントロールおよび候補抗体間の順序は反転することができ、即ち、コントロール抗体を最初に表面に結合させることができ、競合試験において、候補抗体が表面に実質的に接触されることが理解させるべきである。好ましくは、第二抗体(抗体が交差反応すると推定される)で観察される結合の減少は、より大きな振幅を有することが期待されるため、BSDLまたはFAPPに最も高い親和性を示す抗体が、最初に、BSDLまたはFAPPを担持する表面に結合される。そのような試験の他の例は、実施例および例えば、サウナル(Saunal)およびリゲンモーテル(Regenmortel)、(1995年)J.Immunol.Methods183:33−41頁(その開示内容は本明細書において参考として援用される)に記載されている。
前記特性は、以下の実験のセクションにおいて例示される。それらは、膵臓癌、膵臓炎およびI型糖尿病を含むいくらかの膵臓の病状、しかしまた、乳癌または循環器系疾患の診断、予後および/または予測のための上記のモノクローナル抗体、ならびに特に、モノクローナル抗体8H8、16D10、14H10およびBSDLまたはFAPPのC末端部に対して指向される他のモノクローナル抗体の使用を正当化する。診断情報は、血清および/または尿アッセイから得ることができる。
抗体16D10は、特に興味深い特性を有する。事実、それは膵臓癌に特異的である。抗体は、正常な組織も、また腫瘍組織の他のタイプのいずれも認識しない。これらの2つの抗体は競合しないため、抗体16D10によって認識されるエピトープは、抗体J28によって認識されるエピトープとは異なる。これらの結果を、実施例4に記載する。
従って、本発明は、膵臓の病状、特に、膵臓癌の好ましくは、インビトロでの検出を可能にする方法であって、生物学的サンプルと本発明に従う抗体とを接触させ、前記抗体と前記生物学的サンプルとの間の免疫反応から生じる免疫複合体の形成を検出することを含んでなる方法に関する。好ましくは、抗体は、抗体16D10、そのフラグメントもしくは誘導体、または前者と同じエピトープまたは決定基に本質的に結合する抗体である。好ましくは、生物学的サンプルは、膵臓組織(生検)または生物学的液体のサンプルである。生物学的サンプルは、組織スライス(免疫組織化学)またはサンプルに含有されるかもしくはサンプルを培養することによって誘導される細胞(免疫組織化学)であり得る。生物学的液体は、血清、尿、膵液および乳汁よりなる群において選択され得る。好ましくは、生物学的液体は尿である。本発明の抗体を標識することによって直接的に、または本発明の抗体(第二抗体、ストレプトアビジン/ビオチンタグなど)の存在を表す分子を添加することによって間接的に、複合体を検出することができる。例えば、標識化は、抗体と放射性もしくは蛍光タグとを結合させることによって、達成することができる。これらの方法は、当業者に周知である。
本発明はまた、膵臓の病状をインビボまたはインビトロで検出するために使用することができる診断組成物を調製するための本発明に従う抗体の使用に関する。好ましくは、抗体は、抗体16D10、そのフラグメントもしくは誘導体、または前者と同じエピトープまたは決定基に本質的に結合する抗体である。好ましくは、膵臓の病状は膵臓癌である。
好適な実施形態では、本発明は、被験体における膵臓の病状、特に、膵臓癌の検出を可能にする方法であって、被験体の尿を回収し、前記尿と本発明に従う抗体とを接触させ、前記抗体と前記尿との間の免疫反応から生じる免疫複合体の形成を検出することを含んでなる方法に関する。好ましくは、抗体は、抗体16D10、そのフラグメントもしくは誘導体、または前者と同じエピトープまたは決定基に本質的に結合する抗体である。抗体はまた、抗体J28、そのフラグメントもしくは誘導体、または前者と同じエピトープまたは決定基に本質的に結合する抗体である。好ましくは、膵臓の病状は膵臓癌である。本発明の抗体を標識することによって直接的に、または本発明の抗体(第二抗体、ストレプトアビジン/ビオチンタグなど)の存在を表す分子を添加することによって間接的に、複合体を検出することができる。これらの方法は、当業者に周知である。場合により、方法は、前記抗体とのインキュベーションの前に尿サンプルを処置する中間工程を含んでなることができる。例えば、前記工程は、尿の濃縮、糖ペプチドの富化または精製の工程などを含んでなることができる。
本発明はまた、膵臓の病状、特に、被験体における膵臓癌の診断のための本発明に従う抗体の使用に関する。好ましくは、抗体は、抗体16D10、そのフラグメントもしくは誘導体、または前者と同じエピトープまたは決定基に本質的に結合する抗体である。抗体はまた、抗体J28、そのフラグメントもしくは誘導体、または前者と同じエピトープまたは決定基に本質的に結合する抗体である。
本発明は、本発明に従う抗体を含んでなる膵臓の病状、特に、膵臓癌のための診断キットに関する。前記キットは、生物学的サンプルと前記抗体との間の免疫反応から生じる免疫複合体を検出する手段、特に、前記抗体の検出を可能にする試薬をさらに含んでなることができる。特定の実施形態では、キットは、抗体16D10、そのフラグメントもしくは誘導体、または前者と同じエピトープまたは決定基に本質的に結合する抗体を含んでなる。
これらの特性は、薬物と結合した前記抗体(化学療法)または放射性元素(放射線治療および放射線診断)またはそうでなければ新生物細胞の結果または挙動を改変する遺伝子(遺伝子治療)で腫瘍細胞を標的化することなどの膵外分泌部の癌の新規の治療プロトコルを開発するための上記のモノクローナル抗体の使用を正当化する。
放射性元素を結合させた抗体は、原発性腫瘍および転移(二次腫瘍)の放射線局在化(radiolocalization)(免疫シンチグラフィー)において使用することができる。
前記診断情報は、血清および/または尿アッセイにおいて獲得することができる。
特に、本発明は、本発明に従う抗体、特に、膵臓腫瘍細胞を標的化して破壊するための膵臓癌の処置に使用することができる抗腫瘍活性物質と結合したモノクローナル抗体に関する。
同様に、放射性元素(または他のもの)を前記抗体と結合させ、原発性腫瘍および転移の正確な局在化を可能にすることができる。前記抗体はまた、正常組織と腫瘍組織とを明確かつ正確に識別することを可能にすることができる。
これらの同じ特性は、上記の病状のための新規の受動免疫療法を開発するための単独での、組み合わされたまたは診断もしくは治療用分子と結合された前記モノクローナル抗体の使用を正当化する。
従って、本発明はまた、ヒト生物学的サンプルにおける上記のような病状のインビトロでの診断のための組成物であって、該組成物は、特に、少なくとも1つの放射性元素が結合した上記のような少なくとも1つのモノクローナル抗体を含有することを特徴とする上記組成物を対象物として有する。放射性元素の性質に依存して、前記組成物を使用して、膵臓の領域に治療的に照射することができる。
診断組成物として、上記の抗体を許容可能な賦形剤と混合することができる。
本発明はまた、診断しようとする個体由来のヒト生物学的サンプルにおいて糖尿病または新生物症状を罹患するヒト被験体において出現する上記のような糖ペプチドの存在を検出するためのキットを対象物として有し、それは以下を含んでなることを特徴とする。
− 上記のような少なくとも1つの抗体、および
− 抗原と生物学的サンプルとの間の免疫反応から生じる免疫複合体を検出するための手段。
上記の糖ペプチドおよび抗体を用いる好適な条件はまた、先に記載の本発明の他の対象物、特に、診断方法にも当てはまる。
本発明はまた、本発明に従う抗体を含んでなる医薬組成物に関する。好ましくは、抗体は、抗体16D10、そのフラグメントもしくは誘導体、または前者と同じエピトープまたは決定基に本質的に結合する抗体である。抗体はまた、抗体J28、そのフラグメントもしくは誘導体、または前者と同じエピトープまたは決定基に本質的に結合する抗体である。組成物はまた、医薬上許容される支持体を含んでなることができる。特定の実施形態では、前記抗体は抗腫瘍物質と結合する。
本発明は、本発明に従う抗体または医薬品としてのそのような抗体を含んでなる医薬組成物の使用にさらに関する。特に、本発明は、本発明に従う抗体または膵臓の病状、好ましくは、膵臓癌、もしくは乳癌の予防的または治療的処置を目的とする医薬品を調製するためのそのような抗体を含んでなる医薬組成物の使用に関する。好ましくは、抗体は、抗体16D10、そのフラグメントもしくは誘導体、または前者と同じエピトープまたは決定基に本質的に結合する抗体である。抗体はまた、抗体J28、そのフラグメントもしくは誘導体、または前者と同じエピトープまたは決定基に本質的に結合する抗体である。特定の実施形態では、前記抗体は抗腫瘍物質と結合する。
本発明は、膵臓の病状、特に、膵臓癌、または乳癌を患う被験体の予防的または治療的処置の方法であって、前記被験体に、有効量の本発明に従う抗体を投与することを含んでなり、前記投与は、被験体における膵臓の病状、特に膵臓癌、または乳癌の減少もしくは消失を生じる、方法に関する。好ましくは、抗体は、抗体16D10、そのフラグメントもしくは誘導体、または前者と同じエピトープまたは決定基に本質的に結合する抗体である。抗体はまた、抗体J28、そのフラグメントもしくは誘導体、または前者と同じエピトープまたは決定基に本質的に結合する抗体である。特定の実施形態では、前記抗体は抗腫瘍物質と結合する。
別のプロトコルでは、通常の用量は、処置される被験体および原因疾患に従って変動し、例えば、ヒトにおいて全身投与される体重の1キログラムあたり以下の実施例18に記載のモノクローナル抗体1〜10mgを、2週間の間、1週間に1回であり得る。
本発明はまた、新規産物(糖ペプチド、抗体など)ならびに先行技術において記載の産物より良好、より有効またはより純粋な新規の産物を提供することに関する。
本発明を以下の実施例において例示する。
組換え糖ペプチドの調製
BSDL(配列番号9)およびFAPP(配列番号13)の組換え糖ペプチドを、周知の細胞系統CHO−K1、番号CRL61でAmerican Type Culture Collection ATCCから入手することができる、線維芽細胞の形態を伴うチャイニーズハムスター卵巣腫瘍細胞系統から誘導される別々の株において発現させた(バック(Buck)ら、1958年、J.Exp.Med.,108:945−955頁)。
標準的なアッセイ条件で検出可能なC2GnTグリコシルトランスフェラーゼ、α(1−2)フコシルトランスフェラーゼ、α(1−3)フコシルトランスフェラーゼ、α(1−4)フコシルトランスフェラーゼまたはα(1−3)ガラクトシルトランスフェラーゼ活性を示さないという理由で、CHO−K1細胞系統を選択した。
プラスミド(クローニングされたcDNA)の調製
異なる糖ペプチド成分の発現を可能にするクローニングされたcDNAは、チルグウィン(Chirgwin)ら[1979年、Biochemistry,18:5294−5299頁]により記載の方法に従って、健康なヒト膵臓または例えば、ヒト膵腺癌由来の細胞系統SOJ−6[フジイ(Fujii)ら、1990年、Hum.Cell.,3:31−36頁]のようなヒト膵臓腫瘍細胞系統の組織サンプルから抽出されるメッセンジャーRNAのポリAテイルとハイブリダイズするポリdTポリヌクレオチドプローブ(18塩基)を用いて行われる逆転写によって得た。
調製1:プラスミドpSec−FAPP
ヒト胎児膵腺房タンパク質(FAPP)(配列番号10)をコードするcDNAの増幅物を、先に記載のヒト膵臓腫瘍系統SOJ−6から抽出される5μgの全RNAから逆転写(55℃で45分間、逆転写キット、Sigma、St Louis、ミズーリ州、米国)し、続いて、ヒトBSDL(配列番号6)をコードするcDNA配列から規定されるヌクレオチドプライマーC−ter/FAPP−BSDLおよびN−ter/FAPPを使用して、以下に記載の条件でPCRを行った。ポリメラーゼ連鎖反応は、特に、グアニンおよびシトシンリッチのヌクレオチド配列の増幅を可能にする「Advantage−GC cDNA PCR」キット(Clontech)で行った。以下のプログラムを用いた。Robocycler Gradient96サーモサイクラー(Stratagene)において、94℃で2分間の1サイクル、続いて、94℃(変性)で1分間、52℃(プライマーアニーリング)で1分間、および68℃(伸長)で4分間の35サイクル、続いて、68℃で10分間の1サイクル。
プライマーは以下の配列を有する。
N−ter/FAPP(配列番号1):
5’−TTCGTaagcttGCGAAGCTGGGCGCCGTGTACAGAA−3’、
C−ter/FAPP−BSDL(配列番号2):
5’−TTTCGTgaattcACGCTAAAACCTAATGACTGCAGGCATCTG−3’。
使用したC−ter/FAPP−BSDLプライマー(配列番号2)は、c−mycエピトープの翻訳ならびに市販のベクターによって担持される6×ヒスチジンタグの翻訳を排除するように終末コドンを含んでなる。
この様式で増幅されたcDNA(ヌクレオチド1〜2169)(配列番号12)は、シグナルペプチドを含まない。
次いで、得られるcDNAをプラスミドpSec−Tag(Invitrogen、Leek、蘭国)にクローニングした。
調製2:プラスミドpSec−16R
正常な膵臓から抽出されたRNA由来のBSDL(ヌクレオチド1089:Phe364からヌクレオチド2169:終止コドンまで、配列番号8および9)のC末端部をコードするcDNAを、プライマーC−ter/FAPP−BSDL(プライマー配列番号2、調製1を参照のこと)およびN−ter−Ctを使用するPCRによって、増幅した。
N−ter−Ctプライマーは、以下の配列を有した。
N−ter−Ct(配列番号3):
5’−CGTCTAaagcttTTTGATGTCTACACCGAGTCC−3’。
ポリメラーゼ連鎖反応は、先に記載の条件(調製1を参照のこと)で行った。
次いで、得られるcDNAを、プラスミドpSec−Tagにクローニングした。
調製3:プラスミドpSec−6R
プラスミドpSec−FAPPに存在するFAPP(ヌクレオチド1089:Phe364〜ヌクレオチド1839:終止コドンまで、配列番号12および13)のC末端部をコードするcDNAは、上記のヌクレオチドプライマーNo2(C−ter/FAPP−BSDL)およびNo3(N−ter−Ct)を使用するPCRによって、増幅した。
ポリメラーゼ連鎖反応は、調製1に記載の条件で行った。
次いで、得られるcDNAを、プラスミドpSec−Tagにクローニングした。
調製4:プラスミドpBK−αGT
マウス心臓(Balb/cマウス)から抽出されるRNA由来のα(1−3)ガラクトシルトランスフェラーゼ(ヌクレオチド−10からヌクレオチド+1122:終止コドンまで)をコードするcDNAを、マウスα(1−3)ガラクトシルトランスフェラーゼをコードするcDNA配列から規定されるプライマーCter/αGalおよびNter/αGalを使用するPCRによって、増幅した。これらのプライマーは以下の配列を有する。
Nter/αGal(配列番号4):5’−AAAAAgaattcGGAGAAAATAATGAAT−3’。
Cter/αGal(配列番号5):5’−AAAAAgggcccACAAAGTCAGACATTAT−3’。
ポリメラーゼ連鎖反応は、以下のプログラムに従って、「Taq PCR Master Mix」キット(Qiagen、Courtaboeuf、仏国)により行った。Gene Amp PCR System2400サーモサイクラー(Perkin Elmer)において、94℃で2分間の1サイクル、続いて、94℃(変性)で1分間、54℃(プライマーアニーリング)で1分間、および74℃(伸長)で2分間の35サイクル、次いで、74℃で10分間の1サイクル。
次いで、得られるcDNAをプラスミドpBK−CMV(Stratagene、La Jolla、カリフォルニア州、米国)にクローニングした。
調製5:プラスミドpcDNA3−C2β6GnT−flag
パニコット(Panicot)らGlycobiology、1999年、9:935−946頁により記載のグリコシルトランスフェラーゼのコア2β(1−6)N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼをコードするcDNAを、その3’末端でflagエピトープをコードする配列を含んでなるベクターpCDNA−3にクローニングした。flagエピトープの発現は、形質転換された細胞におけるC2GnT発現の検出を可能にする。
以下の工程は、プラスミドの調製に共通であった。
a)連結
異なるPCR産物を、1%アガロースゲル上で分析し、「Geneclean」キット(Bio101)を使用して精製し、次いで、シャトルベクターpCR2.1TOPOにサブクローニングし、ユニバーサルM13およびリバースM13プライマーにより、配列決定した(Euro Sequences Genes Service、Paris、仏国)。次いで、PCR産物を、制限酵素HindIIIおよびEcoRIの作用によって、前記シャトルベクターから遊離させ、真核生物の発現および分泌プラスミドpSec−Tagにクローニングし、プラスミドpSec−FAPPおよびpSec−16R(16RはBSDLのC末端ドメインに対応)(配列番号8)を得た。PCRによって得られるFAPPのC末端部をコードする相補的DNAを、精製およびHindIII/EcoRI消化後にpSec−Tagプラスミドに直接クローニングし、プラスミドpSec−6R(6RはドメインFAPPのC末端に対応)(配列番号12)を得た。配列決定は、ユニバーサルT7プライマーおよびEuro Sequences Genes Serviceによりこの目的のために合成されたBGH逆方向プライマーで行った。
α(1−3)ガラクトシルトランスフェラーゼをコードするPCR産物を、制限酵素EcoRIおよびApaIで遊離させ、精製し、次いで、ベクターpBK−CMVのEcoRI/ApaI部位に直接連結し、プラスミドpBK−αGTを得た。
b)細菌の形質転換
5μlアリコートの連結産物を、ハナハン(Hanahan)[ハナハン(Hanahan)、1983年、J.Mol.Biol.,166:557−580頁]により記載のプロトコルに従って、50μlのコンピテント細菌細胞(大腸菌(Escherichia coli)、株TOP10F’)と接触させた。2マイクロリットルの0.5Mβ−メルカプトエタノールを添加し、サンプルを氷上で30分間、保持し、次いで、42℃で30秒間、熱ショック処理し、直ちに氷上に戻した。2分間後、サンプルを450μlのSOC培地(Life Technologies)で希釈した。細菌懸濁液を、1時間、37℃で振盪しながらインキュベートした。次いで、ガラスビーズを使用して、細菌を、50μg/mlアンピシリンを補充したLuria−Bertagni寒天を含有するペトリディッシュ上に拡げた。
c)プラスミドの精製
選択寒天培地(50μg/mlアンピシリン)上での18時間の培養後に出現した細菌コロニーを拾い出し、50μg/mlアンピシリンを含有する2mlのLuria−Bertagni液体培地に播種した。培養物を、8時間、37℃で振盪しながらインキュベートし、次いで、1.5mlの細菌懸濁液を、5,000gで5分間、遠心分離した。細菌ペレットを、100μlの細菌膜不安定化緩衝液(50mM Tris−HCl pH8、10mM EDTA、リボヌクレアーゼA100μg/ml)に採取した。細菌懸濁液を200μlのアルカリ溶解緩衝液(200mM NaOH、1%SDS)の添加によって溶解し、調製物のpHを150μlの3M酢酸カリウムpH5.5で中和した。アルカリ溶解および中和工程には、氷上での5分間のインキュベーションを必要とする。細胞破砕物、変性したタンパク質および染色体DNAは、10,000gで10分間、4℃での遠心分離によって排除した。次いで、上清を、100mM Tris−HClでpH8に安定化させたフェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール(25/24/1V/V/V)における1:2希釈により、フェノール−クロロホルムで抽出した。10,000g、2分間、室温での遠心分離によって、水相と有機相を分離した。上部の水相を回収し、無水エタノール(−20℃)で1:3希釈した。プラスミドDNAを、12,000g、15分間、4℃での遠心分離によって沈殿させ、次いで、70%エタノールで2回洗浄した。次いで、プラスミドDNAを20μlの超純水に再懸濁し、−20℃で保存した。
細胞クローンの調製
調製6:細胞クローンCHO−C2および中間細胞のクローンの入手に関する一般的ポイント
CHO−K1細胞系統を、その3’末端でflagエピトープをコードする配列を含んでなるグリコシルトランスフェラーゼのコア2β(1−6)N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ(C2GnT)をコードするcDNAを含んでなるプラスミドpcDNA3−C2β6GnT−flagでトランスフェクトした。flagエピトープの発現は、形質転換された細胞におけるC2GnT発現の検出を可能にする。
この意味で、CHO−K1細胞をHAM−F12培地で増殖させた。細胞が60〜80%コンフルエンスに達した場合、培養培地を取り出し、細胞表面をOpti−MEM培地で3回洗浄し、次いで、ウシ胎児血清を伴わないOpti−MEM培地で希釈した200μlのトランスフェクション溶液で覆った。トランスフェクション溶液は、上記のプラスミドおよびリポフェクタミン−リポソーム懸濁系(Life Technologies)を含有した。
このようにして細胞を16時間保持し、この時点で、トランスフェクション懸濁液を、少なくとも4週間の期間、適切な選択的抗生物質(ネオマイシン、ゼオシン(zeocin)またはハイグロマイシン)を含有する2mlの完全HAM−F12培地で置き換えた。抗生物質の作用に対して耐性なクローンを単離し、次いで、増幅した。
ネオマイシン(250μg/ml)によるこの様式で選択されたCHO−K1細胞クローンをCHO−C2と命名した。
次いで、前記クローンCHO−C2を、以下の調製7に記載のプラスミドpSec−16Rでトランスフェクトした。プラスミドpSec−16RによるCHO−C2細胞の形質転換から生じるクローンをゼオシン(1mg/ml)で選択し、CHO−C2−16Rと命名した。
CHO−K1細胞はまた、上記の方法に従って、クロウスカ−ラオ(Kukowska−Lallo)ら(1990年、Genes Dev.4:1288−1303頁)に記載のフコシルトランスフェラーゼ3をコードするプラスミドpCDM7−FUT3、およびプラスミドpMamNeoで同時トランスフェクトした。プラスミドpCDM7−FUT3によるCHO−K1細胞の形質転換から生じるCHO−F3クローンを、一方ではネオマイシン(250μg/ml)で、他方では、シアリルルイスxモチーフのその高度発現について、選択した。前記発現は、抗体CSLEX−1(Becton−Dickinson)の援助による間接免疫蛍光によって、検出した。この様式で、クローンCHO−F3が得られた。
次いで、前記クローンCHO−F3を、以下の調製7に記載のプラスミドpSec−16Rでトランスフェクトした。プラスミドpSec−16RによるCHO−F3細胞の形質転換から生じるクローンをゼオシン(1mg/ml)で選択し、CHO−F3−16Rと命名した。
CHO−K1細胞はまた、プラスミドpCDM7−FUT3の代わりに、ロウ(Lowe)ら(1991年、J.Biol.Chem.266:17467−17477頁)により記載のフコシルトランスフェラーゼ7をコードするプラスミドpCDM8−FUT7、次いで、プラスミドpSec16Rでトランスフェクトした。先に記載の条件でのゼオシンおよびネオマイシンによる選択後、得られるクローンをCHO−F7−16Rと命名した。
FAPP(6R)のC末端ペプチドを発現する中間クローンを調製するために、プラスミドpSec16Rの代わりにプラスミドpSec−6Rで細胞系統または細胞クローンCHO−K1、CHO−C2およびCHO−F3をトランスフェクトすることによって、上記の方法を用いた(調製7に記載の方法を参照のこと)。しかし、J28グリコシル化エピトープを組み立てるのに必要なグリコシルトランスフェラーゼC2GnTおよびフコシルトランスフェラーゼ3のみを、細胞系統の調製中に使用した。
従って、上記の条件での抗生物質選択後に、3つの中間細胞のクローンCHO−6R、CHO−C2−6RおよびCHO−F3−6Rを得た。
調製7:細胞クローンCHO−16R
CHO−K1細胞を、BSDLのC末端ドメインをコードするcDNAがクローニングされた(調製2を参照のこと)プラスミドpSec−Tag(Invitrogen、Leek、蘭国)に対応するプラスミドpSec−16Rでトランスフェクトした。これは、調製6におけるクローンCHO−C2の調製について行われた。
pSec−Tagプラスミドは、マウス免疫グロブリンκ軽鎖のV−J2C領域をコードする配列を担持する。前記配列は、プラスミドにおいてクローニングされたcDNAによってコードされるタンパク質を、それがトランスフェクトされている真核細胞の分泌経路に指向する。
プラスミドpSec−16RによるCHO−K1細胞の形質転換から生じるクローンはCHO−16Rと命名し、対応する(糖)ペプチド[(糖)ペプチド16R]の発現について選択した。
調製8:細胞クローンCHO−C2−F3−16R
調製6由来のクローンCHO−C2を、プラスミドpCDM7−FUT3およびハイグロマイシン耐性を付与するプラスミドpLSVHg(R&D Systems)でトランスフェクトし、細胞クローンCHO−C2−F3を得た。
CHO−C2−F3細胞系統を調製7におけるようなプラスミドpSec−16Rでトランスフェクトした。プラスミドpSec−16RによるCHO−C2−F3細胞の形質転換から生じるクローンを、CHO−C2−F3−16Rと命名した。
CHO−C2−F3−16Rは、シアリルルイスxモチーフを発現し、抗体pAbL64に対する反応性を示す。
調製9:細胞クローンCHO−C2−F7−16R
これは、調製8におけるように得られたが、但し、プラスミドpCDM7−FUT3の代わりにプラスミドpCDM8−FUT7を使用した。
プラスミドpSec−16RによるCHO−C2−F7細胞の形質転換から生じるクローンをCHO−C2−F7−16Rと命名し、対応する細胞系統を、2004年3月16日に番号I−3189でパリのCollection Nationale de Culture de Microorganismes(CNCM)に寄託した。
調製8ならびに9で得られたクローンCHO−C2−F3−16RおよびCHO−C2−F7−16Rは、シリアルルイスxモチーフを発現し、抗体pAbL64に対する反応性を示す。
調製10:細胞クローンCHO−C2−F3−6R
調製8由来のクローンCHO−C2−F3は、調製6および7について記載のとおりに、プラスミドpSec−6R(調製3を参照のこと)でトランスフェクトし、クローンCHO−C2−F3−6Rを得た。このクローンは、中でもモノクローナル抗体J28によって認識されるグリコシル化エピトープを有するペプチドを発現する。
調製11:細胞クローンCHO−C2−F3−GT−6R
調製10由来のクローンCHO−C2−F3−6Rを、先に記載のように、プラスミドpBK−αGT(調製4を参照のこと)でトランスフェクトし、モノクローナル抗体J28によって認識されるグリコシル化エピトープならびにヒト血液における天然の循環抗体によって認識されるグリコシル化エピトープαGalを有するクローンCHO−C2−F3−GT−6Rを得た。
実施例1:BSDLのC末端(CHO−16R)に対応するサイズおよび特徴を有する組換え糖ペプチド
組換え糖ペプチドは、適切な選択的抗生物質を補充した2mM L−グルタミン、100U/mlペニシリン、100mg/mlストレプトマイシンおよび0.1%フォンギゾン(fongizone)を含有するOpti−MEM培地(Invitrogen)における恒湿、5%CO大気中16時間、37℃で細胞クローンCHO−16R(調製7)の日常的培養によって、産生される。細胞を、2×10細胞/cmの密度で接種した。
培養培地を48時間ごとに交換した。細胞がコンフルエンスに到達したら、それらをCaClおよびMgClを伴わないリン酸緩衝液(PBS)で洗浄し、次いで、トリプシン/0.05%EDTAで脱離させ、低速遠心分離(400g、3分間)により沈降させ、5mlの培養培地に再懸濁した。
細胞内免疫蛍光およびフローサイトメトリーを使用して、細胞クローンが目的の組換え糖ペプチドを発現することを確認した。
組換え糖ペプチドを、液体クロマトグラフィー、続いて、アフィニティークロマトグラフィーによって精製し、SDS−PAGEによって分析した。
ゲル上で、分泌されたペプチドが約78kDaおよび83kDaの異なる2つの分子量バンドに分離することを認めることができた。
83kDaのバンドは、おそらく、グリコシル化ペプチドに対応する一方、78kDaのバンドは、非グリコシル化形態またはそれ程グリコシル化されていない形態のいずれかであり得る。
従って、上記のクローンは、BSDLのC末端に対応するサイズおよび特徴を有する糖ペプチドを発現すると思われる。
実施例2:BSDLのC末端(CHO−C2−16R)に対応するサイズおよび特徴を有する組換え糖ペプチド
実施例1に記載の方法を用いたが、但し、細胞クローンCHO−C2−16R(調製6)を培養した。
得られた組換え糖ペプチドを、液体クロマトグラフィー、続いて、アフィニティークロマトグラフィーによって精製し、SDS−PAGEによって分析した。
ゲル上で、分泌されたペプチドが約78kDaおよび83kDaの異なる2つの分子量バンドに分離することを認めることができた。
従って、上記のクローンは、BSDLのC末端に対応するサイズおよび特徴を有する糖ペプチドを発現すると思われる。
実施例3:BSDLのC末端(CHO−F3−16R)に対応するサイズおよび特徴を有する組換え糖ペプチド
実施例1に記載の方法を用いたが、但し、細胞クローンCHO−F3−16R(調製6)を培養した。
得られた組換え糖ペプチドを、液体クロマトグラフィー、続いて、アフィニティークロマトグラフィーによって精製し、SDS−PAGEによって分析した。
ゲル上で、分泌されたペプチドが約78kDaおよび83kDaの異なる2つの分子量バンドに分離することを認めることができた。
従って、上記のクローンは、BSDLのC末端に対応するサイズおよび特徴を有する糖ペプチドを発現すると思われる。
実施例4:BSDLのC末端(CHO−C2−F3−16R)に対応するサイズおよび特徴を有する組換え糖ペプチド
実施例1に記載の方法を用いたが、但し、細胞クローンCHO−C2−F3−16R(調製8)を培養した。
得られた組換え糖ペプチドを、液体クロマトグラフィー、続いて、アフィニティークロマトグラフィーによって精製し、SDS−PAGEによって分析した。
ゲル上で、分泌されたペプチドが約78kDaおよび83kDaの異なる2つの分子量バンドに分離することを認めることができた。
従って、上記のクローンは、BSDLのC末端に対応するサイズおよび特徴を有する糖ペプチドを発現すると思われる。
実施例5:BSDLのC末端(CHO−F7−16R)に対応するサイズおよび特徴を有する組換え糖ペプチド
実施例1に記載の方法を用いたが、但し、細胞クローンCHO−F7−16R(調製6)を培養した。
得られた組換え糖ペプチドを、液体クロマトグラフィー、続いて、アフィニティークロマトグラフィーによって精製し、SDS−PAGEによって分析した。
分子量83kDaの単一のバンドがゲル上で認められた。
実施例6:BSDLのC末端(CHO−C2−F7−16R)に対応するサイズおよび特徴を有する組換え糖ペプチド
実施例1に記載の方法を用いたが、但し、細胞クローンCHO−C2−F7−16R(調製9)を培養した。
得られた組換え糖ペプチドを、液体クロマトグラフィー、続いて、アフィニティークロマトグラフィーによって精製し、SDS−PAGEによって分析した。
ゲル上で、分泌されたペプチドが約78kDaおよび83kDaの異なる2つの分子量バンドに分離することを認めることができた。
従って、上記のクローンは、BSDLのC末端に対応するサイズおよび特徴を有する糖ペプチドを発現すると思われる。
従って、上記のクローン(16R)は、BSDLのC末端に対応するサイズおよび特徴を有する糖ペプチドを発現すると思われる。
実施例7〜13:FAPPのC末端に対応するサイズおよび特徴を有する組換え糖ペプチド
クローンCHO−K1(コントロール)、CHO−6R(Ex7)、CHO−C2−6R(Ex8)、CHO−F3−6R(Ex9)、CHO−C2−F3−6R(Ex10)、CHO−GT−6R(Ex11)、CHO−C2−GT−6R(Ex12)およびCHO−C2−F3−GT−6R(Ex13)により産生される組換えポリペプチドを、ポリアクリルアミドゲルあるいはそうでなければ液体および/またはアフィニティークロマトグラフィー上で精製し、アボウアキル(Abouakil)ら、1988年、Biochim.Biophys.Acta、961:299−308頁により記載の抗体pAbL64、およびmAbJ28を使用する免疫検出によって分析した。FAPPの癌胎児性形態のO−グリコシル化から誘導されるフコシル化J28糖ペプチドに特異的なマウスモノクローナル抗体mAbJ28については、パニコット(Panicot)らGlycobiology、1999年、9:935−946頁に記載されている。
抗BSDLポリクローナル抗体pAbL64は、ヒト膵液から抗原を精製した後ウサギを免疫することによって得られた。前記抗体は、FAPP、BSDLの癌胎児性形態を完全に認識する。
アンチペプチドと命名されたBSDLタンパク質コアに特異的なポリクローナル抗体は、位置346のセリン残基とヘモシアニンに結合した位置370のグルタミンとの間に含まれるBSDLのペプチド配列に対応する合成ペプチドでウサギを免疫することによって得られた。
前記2つの抗体を、タンパク質A−Sepharose4Bカラム(Pharmacia)上で精製した。アンチペプチドを、Sepharoseゲルに結合したキーホールリンペットヘモシニアン(KLH)のカラム上でのアフィニティークロマトグラフィーによる第2の精製工程に供し、抗KLH抗体を排除した。
6R型の異なるクローンによって産生される組換えペプチドを、10%ポリアクリルアミドゲル上に1レーンあたり100μgで充填し、分離し、次いで、ニトロセルロース膜にエレクトロトランスファーした。次いで、膜を、一方で抗体pAbL64、および他方で抗体mAbJ28の存在下でインキュベートし、展開させた。
両方の場合において、用いた抗体は、ネガティブコントロールとして使用されたトランスフェクトされていないCHO−K1細胞系統の場合を除いて、FAPPのC−末端糖ペプチドの予想されるサイズに対応する50kDaのサイズを有するポリペプチドに特異的に結合した。
実施例14〜19:抗糖ペプチドモノクローナル抗体
FAPPのC末端に対応するサイズおよび特徴を有する組換え抗糖ペプチド抗体を、以下の通りに調製した。
段階A−マウスの免疫化。
6週齢雄性Balb/cマウスを、以下のプロトコルに従って免疫した。
0日目:50:50エマルジョン(150μl NaCl/150μl完全フロイントアジュバント)における正常および病的ヒト膵液(以下にBSDL−FAPP 抗原と命名される)から精製されたFAPPおよびBSDLの25μgの混合物の腹腔内注入。
15日目:50:50エマルジョン(150μl NaCl/150μl不完全フロイントアジュバント)における25μgのBSDL−FAPP抗原での腹腔内チャレンジ
− 30日目:50:50エマルジョン(150μl NaCl/150μl不完全フロイントアジュバント)における25μgのBSDL−FAPP抗原での腹腔内チャレンジ
− 110日目:50:50エマルジョン(150μl NaCl/150μl不完全フロイントアジュバント)における20μgのBSDL−FAPP抗原での腹腔内チャレンジ
− 140日目:50:50エマルジョン(150μl NaCl/150μl不完全フロイントアジュバント)における20μgのBSDL−FAPP抗原での腹腔内チャレンジ
− 215日目:50:50エマルジョン(150μl NaCl/150μl不完全フロイントアジュバント)における20μgのBSDL−FAPP抗原での腹腔内チャレンジ
− 244日目:100μlの滅菌NaClにおける10μgのBSDL−FAPP抗原の静脈内注入。
− 247日目:細胞融合。
段階B−コーレル(Kohler)およびミルステイン(Milstein)のプロトコルに従う細胞融合
a)247日目に、選択したマウスを屠殺し、脾臓を取り出し、グループ分けした。脾臓の細胞をRPMI1640培地で洗浄した。20%ウシ胎児血清(FCS)、1%グルタミン、1%非必須アミノ酸および1%ピルビン酸ナトリウムを含有するRPMI1640培地において予め増殖されたP3.X63.Ag8 653骨髄腫細胞もまた、同じ培地で洗浄した。
同時に、RPMIによる非免疫Balb/cマウスの腹腔洗浄により、腹膜マクロファージを回収した。
ハイブリドーマ形成のために、1個の骨髄腫細胞に対して5個の脾臓細胞の割合で、チューブにおいて脾臓細胞および骨髄腫細胞を混合した。遠心分離後、細胞ペレットを、75mM Hepes緩衝液pH7.5中50%ポリエチレングリコール1500の800μlに再懸濁した。37℃での1分間の接触後、20mlのRPMI1640培地を緩徐に融合細胞に添加した。
b)初期培養は、20%ウシ胎児血清(FCS)を含有し、5×10−3Mヒポキサンチン、2×10−5Mアミノプテリンおよび8×10−4Mチミジンを補充したRPMI培地の存在下、96ウェルマイクロタイタープレート上で行った。次に、5×10腹膜マクロファージ、続いて10融合細胞を各ウェルに堆積させた。
段階C−クローニングおよびサブクローニング
以下の段階Dに記載の方法によって選択される各ハイブリドーマは、10、5、2、1および0.5細胞が腹膜マクロファージを含有するマイクロウェルに統計的に分配される限界希釈技術によるクローニングから生じた。従って、行われた2つのサブクローニング、複製されている各クローンおよびサブクローンを、90%FCSおよび10%ジメチルスルホキシド(DMSO)中に凍結した。次いで、最後の作製由来のサブクローンを、インビボで拡大し、Balb/cマウスにおいて腹水を得、続いて、プロテインAカラム上での免疫グロブリン精製を行った。
段階D−ハイブリッド細胞選択方法
選択は、培養上清を使用する液相ELISA方法によって、行った。100μlの炭酸緩衝液pH8.5中5マイクログラムのBSDL−FAPP抗原を、96ウェルELISAプレートのウェルに堆積させた。プレートを12時間、4℃で活性化し、300μlの1mg/mlウシアルブミンを2時間、飽和させた。次いで、プレートを洗浄し、BSDL−FAPP抗原に対して指向された抗体を潜在的に含有する100μlの細胞培養上清と共にインキュベートした。2時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、アルカリホスファターゼ標識第二抗体と共に2時間、インキュベートした。インキュベーションの終了時に、プレートを再度洗浄し、パラ−ニトロフェニルリン酸(100μl、0.2M Tris/HCl緩衝液pH8.2および1mM CaCl中1mg/ml)と共にインキュベートした。37℃で1時間後、プレートを、マイクロプレートリーダー上、410nmで読み取った。
ELISA試験におけるそれらの応答について、約15抗体を選択した。免疫原タンパク質としてFAPPを使用するウエスタンブロット(イムノインプリンティング)によるさらなる分析は、ハイブリドーマ7B4(実施例14)、11D7(実施例15)、14H9(実施例16)、14H10(実施例17)、16D10(実施例18)および8H8(実施例19)の選択を可能にした。
IgM抗体16D10を産生する細胞は、2004年3月16日に番号I−3188でパリのCollection Nationale de Culture de Microorganismes(CNCM)に寄託された。
実施例20.天然由来の膜糖ペプチドの調製
実施例14〜19に記載のモノクローナル抗体によって認識されるエピトープを担持する膜糖ペプチドを、以下の様式で調製した。膵臓腫瘍細胞を、プラスチック製支持体上で培養し、次いで、それから非酵素的解離溶液(Sigma)で脱離させた。遠心分離(1000rpmで2分間)によって得られる細胞ペレットを、音波処理(2×15秒間)し、再度遠心分離した(20分間、14,000rpm、4℃)。リン酸緩衝液に懸濁されたペレットは、実施例14〜19に記載のモノクローナル抗体によって認識されるエピトープを担持する膜糖ペプチドに対応する。
実施例21
以下の組成を有するワクチンを調製した。
− HaPT−1膵臓細胞から単離された実施例20由来の膜糖ペプチド、20μg
− ALU−gel−serアジュバント(Serva) 150μl
− 注射用水を含む賦形剤 150μl
ワクチン化は、腫瘍細胞を動物の横腹に移植する2週間前、次いで1週間前の腹腔内注入によって、行った。前記ワクチン化の結果を、プラセボ(等張液の注入)の結果と比較した。
実施例22
実施例18由来の抗体(16D10)の0.5mg/ml注射用等張液を調製した。
コントロール実施例1:BSDLのC末端に対応するサイズおよび特徴を有する組換え糖ペプチド
実施例1に記載の方法を用いたが、但し、細胞クローンCHO−K1を培養した。
ゲルは、分子量78kDaまたは83kDaで任意のバンドを示さなかった。
薬学的研究
実験1:膵外分泌癌の細胞免疫療法におけるBSDLおよびFAPPの組換えC−末端糖ペプチドの使用
操作プロトコル:
ハムスター(90〜100g)をいくらかの群に分け、30分間のUV曝露によって不活化したHaPT−1細胞を接種した。ハムスターに、実施例20由来の糖ペプチドおよび2週間の間週1回の腹腔内注入によってALU−gel−serアジュバントと混合された不活化細胞を接種した。最後の接種の2週間後、ハムスターにHaPT−1細胞の転移移植(皮下、横腹上)を行った。
腫瘍増殖を毎週モニターし、腫瘍容積を、プラセボ(PBSのみ)を接種したコントロール群と比較した。
結果:
腫瘍増殖曲線は、実施例20由来の糖ペプチド(BSDLおよび/またはFAPPのC末端ドメインに対して指向されたモノクローナル抗体J28および16D10(実施例18)によって認識される構造によって、大きな部分において提示される抗原)で免疫されるハムスターでは、有意に遅かった。
実験の終了時、不活化された細胞を接種された群の腫瘍容積は、コントロール群より80%低かった。
ハムスターを屠殺し、免疫組織化学分析のために、膵臓および腫瘍組織サンプルを取り出した。モノクローナル抗体J28および16D10ならびにポリクローナル抗体L64を使用して、(それぞれ、モノクローナル抗体J28および16D10によって認識される)16D10およびJ28エピトープならびにFAPPタンパク質コアの発現について試験した。
腫瘍組織スライスの検査により、不活化された細胞を接種された群とコントロール群との間で、16D10およびJ28エピトープの発現の減少(後者の減少の方が小さい)が示された。
従って、本発明に従うBSDLおよびFAPPのC−末端糖ペプチドは、膵外分泌癌の細胞免疫療法において使用することができる。
実験2:糖尿病の病状診断における本発明に従う糖ペプチドの使用
操作プロトコル:
多様な膵臓および他の病状を患う患者由来の血清におけるELISA方法によって行われる一連の実験は、ELISAプレートを活性化するために抗原として使用されるBSDLが、I型糖尿病患者由来の血清の約80%に存在する抗体によって特異的に認識される一方、コントロール患者由来の血清で反応性であったのは10%未満であったことを示した。膵臓炎、膵臓癌またはグレーブス病のような他の病状の患者由来の血清は反応性ではなかった(パニコット(Panicot)ら1999年、Diabetes,48:2316−2323頁)。
実施例2、5および6由来の組換え糖ペプチドを、ウエスタンブロット(またはイムノインプリンティング)によって試験した。
結果:
BSDL、および特にそのC末端ドメインは、糖尿病患者由来の血清によって認識される一方、BSDLは、正常なコントロール患者由来の血清によって認識されなかった。
実施例2および6由来の組換え糖ペプチドは、糖尿病(I型)患者由来の血清によって認識された。
コントロール血清(健康な患者由来)は、前記3つの糖ペプチドのいずれも認識しなかった。
従って、実施例に記載の本発明の正常および組換えC−末端糖ペプチドは、糖尿病の病状の診断に使用することができる。
実験3:膵臓癌の診断におけるFAPPおよび/またはBSDLのC末端ドメインに対して指向されたモノクローナル抗体の使用
操作プロトコル:
ヒト膵臓腫瘍細胞系統SOJ−6およびBx−PC−3ならびにヒト非膵臓腫瘍細胞系統Caco−2およびHep−G2を、モノクローナル抗体J28、16D10(実施例18)、および8H8(実施例19)ならびにBSDLおよびFAPPのC末端ドメインに特異的なポリクローナル抗体(pAb)L64で処置した。それぞれの抗原−抗体複合体を、蛍光ウサギまたはマウスフルオレセイン結合N−イソチオシアネート抗IgG抗体の援助で検出した。FACS分析を使用して、それらの表面で、FAPPおよびBSDLのC末端ドメインと会合した抗原の存在を検出した。
結果:
モノクローナル抗体J28および16D10(実施例18)、ならびにポリクローナル抗体(pAb)L64は、ヒト膵臓腫瘍細胞系統SOJ−6の表面を特異的に認識し、Bx−PC−3はCaco−2およびHep−G2細胞のような試験したヒト非膵臓腫瘍細胞系統の表面を認識しなかった。
従って、FAPPおよびBSDLのC末端ドメイン上に特異的に発現されるグリコシル化エピトープに対して指向されたモノクローナル抗体J28および16D10は、膵臓腫瘍細胞を非膵臓腫瘍細胞から区別することが可能である。
従って、FAPPおよびBSDLのC末端ドメイン上で特異的に発現されるグリコシル化エピトープに対して指向されたモノクローナル抗体は、膵臓癌の診断に使用することができる。
特に、前記抗体は、二次腫瘍(転移)が、膵臓由来であるかまたは別の由来の原発性腫瘍由来であるかどうかを決定することができる。
実験4:本発明のモノクローナル抗体による膵臓新生物細胞の標的化
A−ヒト膵臓組織切片に関する研究
操作プロトコル:
FAPPおよび/またはBSDLのC末端ドメインに対して指向されたモノクローナル抗体によって認識されるグリコシル化エピトープの組織発現を、正常および癌ヒト膵臓組織切片に対する本発明の多様なモノクローナル抗体で行った免疫組織化学研究において、試験した。
第1の工程では、膵臓組織を、4例の膵臓癌患者および5例の正常膵臓から得た。組織切片を、実施例18(16D10)および19(8H8)由来の抗体共にインキュベートした。
第2の工程では、7例のヒト膵腫瘍組織サンプルおよび5例の非腫瘍組織(病理学者によって診断された)を5μm厚の切片にスライスし、アセトン中、4℃で乾燥し、Tris/HCl緩衝液pH7.6において再水和した。次いで、切片を、1時間、25℃(mAbJ28およびmAb8H8、実施例19)または1晩、4℃(mAb16D10、実施例18)のいずれかとインキュベートし、抗体は、Dako希釈液(EnVision System、Dako、Copenhagen、丁国)中1:50で希釈した。次いで、切片を適切なアルカリホスファターゼ標識第二抗体と共にインキュベートした。次いで、抗原−抗体複合体を、発色基質Fast−Redで検出した。共焦点レーザー走査顕微鏡法による定量分析の場合、適切な第二抗体は、ストレプトアビジン−フルオロセインで標識された。次いで、切片を、顕微鏡下または共焦点レーザー蛍光顕微鏡により調べた。
結果:
最初の実験では、実施例18(16D10)由来のモノクローナル抗体は、4つの膵腫瘍組織サンプル由来の新生物細胞を特異的に認識した。
5例の正常な膵臓組織では、反応は観察されなかった。
実施例19(8H8)由来のモノクローナル抗体は、正常な膵臓組織を好適に認識した。
第2の実験では、研究した全部で7つの組織サンプルのうち、7つがmAb16D10(実施例18)および5つがmAbJ28によって認識された。免疫組織化学的結果を、図1ならびに表1および2に示す。mAb16D10(実施例18)は、腫瘍組織に対して極めて高い特異性を示す一方、mAb8H8(実施例19)は、正常な膵臓組織のみを認識した。mAbJ28は、腫瘍組織を好適に認識したが、いくつかの正常組織もまた認識したため、中間的な特異性を示した。表2は、抗体によって標識された組織切片上の蛍光強度を規定する共焦点レーザー顕微鏡の結果を示す。これらの抗体のうち、試験した他の腫瘍組織:肝臓、肺、胃、結腸、食道および甲状腺を認識したものは認められなかったことに留意すべきである。
抗腫瘍活性な物質に結合した本発明のモノクローナル抗体は、膵臓腫瘍細胞を標的化および破壊するための膵臓癌の処置に使用することができる。
同様に、放射性(または他の)元素を前記抗体と結合させ、原発性腫瘍および転移の正確な局在化を可能にすることができる。前記抗体はまた、正常組織と腫瘍組織との間の明確かつ鋭敏な区別を付与することができる。
Figure 2007531722
Figure 2007531722
B−J28グリコトープを担持する組換え糖ペプチドに対するmAbJ28とmAb16D10(実施例18)との間のELISA競合研究
操作プロトコル:
癌胎児性糖型J28の形成に関与するグリコシルトランスフェラーゼを特徴付け、前記グリコトープを、遺伝子操作によって、エクスビボで再生した。それは、CHO細胞おいて、前記構造を組み立てるのに必要なFAPPの組換えC末端ペプチド(6反復配列よりなる)ならびに2つのグリコシルトランスフェラーゼ、α(1−3/4)フコシルトランスフェラーゼFUT3およびコア2β(1−6)N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼから再構築した。J28糖型(実施例10)を担持するFAPPの組換えC末端糖ペプチドを、この細胞系統の培養上清に分泌させた。
競合実験は、前記抗体の特異性を実証する目的で、J28糖型を担持するFAPPの組換えC末端糖ペプチド(実施例10)を含有する培養上清、ビオチン化mAbJ28および競合物としての上昇濃度のmAb16D10(実施例18)の存在下で、ELISA試験により行った。
プロトコルの原理は以下のとおりである。
1.ウェルの底部を、1:10、1:20、1:50、1:100に希釈された組換えJ28糖ペプチドを含有する濃縮された培養上清で被覆する。
2.ビオチン化mAbJ28を、ウェルあたり10ng(Exp.1)またはウェルあたり5ng(Exp.2)で、上昇濃度の精製されたmAb16D10と共に添加した。
3.ビオチン化mAbJ28は、アルカリホスファターゼ結合抗ビオチン抗体(mAb16D10に対する抗ビオチンAbコントロール=0)の援助により、認識された。
結果:
2つの実験の結果を示す図2は、競合物として使用される上昇濃度のmAb16D10(実施例8)(4倍過剰量をも伴う)の存在下で、ウェルの底部で被覆されたそのグリコトープに対するmAbJ28の反応性の有意な消失が認められたことを示す。
C−ヒト膵臓腫瘍細胞系統SOJ−6に対する抗体mAbJ28とmAb16D10との間のFACS競合研究
操作プロトコル:
モノクローナル抗体mAbJ28およびmAb16D10は、ヒト膵臓腫瘍細胞系統SOJ−6、Bx−PC−3を特異的に認識し、試験したヒト非膵臓腫瘍細胞系統を認識しなかった。
FACSによる予備競合試験は、蛍光色素(Alexa488)に結合したモノクローナル抗体mAbJ28および腹水の形態で競合物として使用される上昇濃度のモノクローナル抗体mAb16D10(実施例18)の存在下で、ヒト膵臓腫瘍細胞系統SOJ−6に対して行った。
プロトコルの重要事項は以下のとおりである。
1.ヒト膵臓腫瘍SOJ−6細胞を脱離させ、固定化し、4℃でBSAで飽和させた。
2.蛍光標識モノクローナル抗体mAbJ28を、サンプルあたり2ngで、1:100、1:40、1:20、1:20、1:10、1:4および1:2希釈でmAb16D10を含有する上昇濃度の腹水の存在下で添加した。
3.細胞をFACSで分析した。
結果:
結果を図3に示す。細胞のきわめて低い標識化(Alexa−488標識mAbJ28による最初の実験のため)にもかかわらず、競合物として使用される上昇濃度の抗体mAb16D10の存在下で、その糖型に対する抗体mAbJ28の反応性の有意な消失は、観察されなかった。
実験5:膵外分泌癌の処置における本発明のモノクローナル抗体の使用
実験プロトコル:
6週齢ヌードマウス(NMRIマウス)の2群に、−1日目に、実施例18由来のモノクローナル抗体16D10を、150μlの0.5mg/mg等張抗体溶液の用量で、または等張プラセボ溶液のいずれかを腹腔内接種した。
0日目、2×10SOJ−6ヒト膵臓腫瘍細胞を、右横腹に皮下注入した。次いで、動物に、+1、+3、+6、+8および+10日目に、(上記の量で)モノクローナル抗体16D10または等張液を接種した。
明白な皮下の腫瘍の容積を、各動物において、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10週目に測定した。
結果:
実施例18由来のモノクローナル抗体で処置した動物における腫瘍増殖速度は、プラセボ処置動物より10倍低かった。
実験終了時(接種10週間後)、コントロール動物から取り出した腫瘍のメジアン容積は1.25であり、対して、処置された動物では0.15cmの顕著に低いメジアン値であった。
従って、FAPPおよび/またはBSDLのC末端ドメインに対して指向されるモノクローナル抗体ならびに特に、実施例18由来のモノクローナル抗体は、膵臓癌の治療に使用することができる。
実験6:膵臓癌の尿診断におけるFAPPおよび/またはBSDLのC末端ドメインに対して指向されたモノクローナル抗体の使用
操作プロトコル:
ウエスタンブロット、液体クロマトグラフィーおよび質量分析特徴付けによって行われる一連の実験により、健康な患者の尿における無傷(intact)なBSDLの同定がもたらされた。これの所見に照らし合わせて、BSDL/FAPPのC末端ドメインによって行われ、膵腺癌において出現する異なるグリコシル化エピトープJ28、16D10はまた、この癌を患う患者の尿に存在し得るものであった。
結果:
予備ウエスタンブロット実験において得られる最初の結果を示す図4は、膵腺癌患者由来の尿サンプルにおけるBSDL/FAPPによって担持されるグリコシル化J28エピトープの存在、および健康な個体由来の尿サンプルにおけるその非存在を示す。
図4は、健康な被験体および癌患者の両方が、110kDaに局在するpAbL64およびmAb8H8(実施例19)に免疫活性を示す1つもしくは2つのバンドを有することを示す。一方、2つの群は、癌患者に認められるが健康な被験体には認められない110kDaでmAbJ28、mAbJ28−免疫反応性バンドに対する異なる反応性を示した。
実験7:膵外分泌癌の細胞免疫療法におけるBSDLおよびFAPPの尿C−末端糖ペプチドの使用
操作プロトコル:
予備の結果は、BSDL/FAPPによって担持されるグリコシル化J28エピトープが、現時点で試験した膵腺癌患者由来の尿サンプル中に存在する一方、それは、健康な個体由来の尿サンプルには存在しないことを示した。侵襲的方法を伴わずに大量に得ることができる尿における前記腫瘍マーカーの存在は、ラマナタン(Ramanathan)ら、Cancer Immunol Immunoth、2004年、54:254−64頁、オネイル(O’Neill)ら、Blood、2004年、104:2235−46頁、ブラド(Vlad)ら、J Exp Med、2002年、196:1435−46頁、シュミット(Schmidt)ら、Cancer Res、2003年、63:8962−67頁により記載のような異なる有効な免疫療法プロトコルを開発するために、抗原の供給源としての役割を果たすことができる。そのような手段の1つは、それらの膵臓腫瘍が切除されている患者由来の樹状細胞を使用して、(ヤマナカ(Yamanaka)ら、Br J Cancer、2003年、89:1172−9頁、スバネ(Svane)ら、Cancer Immunol Immunother、2004年、53:633−41頁、ユ(Yu)ら、Cancer Res、2004年、64:4973−9頁により記載のような)自家細胞免疫療法プロトコルを開発することである。次いで、患者の樹状細胞は、前記の同じ抗原を発現する残存腫瘍病巣に対して指向される免疫応答を誘導するために患者に再注入される前に、患者自体の抗原、即ち、尿から得られるJ28グリコトープ(およびおそらくまた、16D10グリコトープ)を担持するBSDL/FAPPのC末端糖ペプチドでエクスビボで充填される。
今回、腫瘍抗原として、グリコシル化J28エピトープを担持するFAPPの組換えC末端糖ペプチド(実施例10)を使用する評価のもとでのヒト樹状細胞活性化の前記ストラテジーはまた、前記グリコシル化エピトープを担持するBSDL/FAPPの尿中C末端糖ペプチドを使用することによって、行うことができる。健康な個体の尿におけるBSDLを精製および特徴付けるために開発された精製プロトコル(除外およびアフィニティーカラム上での液体クロマトグラフィーと組み合わされた、遠心分離、限外ろ過および濃縮の異なる工程)は、膵腺癌患者の尿サンプル由来のJ28グリコトープ(およびまた16D10のグリコトープ)を担持するBSDL/FAPPを精製するために使用される。プロトコルは以下のとおりである。生来の尿は遠心分離されて、細胞破砕物が排除され、Centripreps(登録商標)YM−10上での限外ろ過によって部分的に脱塩され、次いで、Sephadex(登録商標)G−25カラム上で完全に脱塩される。回収した画分は、凍結乾燥され、次いで、10mM Tris−HCl溶出緩衝液、pH7.8、400mM NaCl中に採取され、SephacrylTMS−200ゲル上に充填されて、それらの分子量に従ってタンパク質が分離される。J28グリコトープ(および/または16D10糖型)を担持するBSDL/FAPPを含有する画分は回収され、透析され、凍結乾燥される。分子篩後に得られる凍結乾燥物は、PBSにおいて再水和され、J28グリコトープ(およびおそらくまた16D10グリコトープ)を担持するBSDL/FAPPは、アガロース−mAbJ28カラムまたはヘパリンSepharoseカラム上でのイムノアフィニティークロマトグラフィーのいずれかによって精製される。J28グリコトープ(および/または16D10糖型)を担持する精製されたBSDL/FAPPは、トリプシンまたは臭化シアンで消化されて、前記グリコトープを担持するBSDL/FAPPのC末端糖ペプチドが得られ、他に記載のようにBSDL/FAPPのC末端ドメインが単離される(マス(Mas)ら、1997年、Glycobiology,7:745−752)。膵腺癌患者の樹状細胞は、患者自体の尿から精製されるJ28グリコトープ(および/または16D10糖型)を担持する前記糖ペプチドの存在下で、培養される。パルスされた成熟樹状細胞の表面上の糖ペプチドの存在は、細胞が患者に再注入されて、抗腫瘍応答が誘導される前に、共焦点顕微鏡によって、確認される。
2つの膵臓腫瘍組織(PDAC=ADK1ならびにPDAC4=ADK4)におけるmAbJ28およびmAb16D10の反応性を比較する研究を表す。 糖ペプチドJ28に対する抗体mAbJ28とmAb16D10との間の競合試験を表す。 SOJ−6細胞における抗体mAbJ28とmAb16D10との間の競合試験を表す。 ポリクローナル抗体pAbL64、モノクローナル抗体mAb8H8およびモノクローナル抗体mAbJ28の援助による健康な被験体(サンプル29〜36)および膵臓癌を伴う被験体(サンプル1〜5)由来の尿における競合免疫検出分析を表す。尿タンパク質を10%ポリアクリルアミドゲル上で分離し、次いで、ニトロセルロース膜にエレクトロトランスファーした。膜をpAbL64、mAb8H8またはmAbJ28と共にインキュベートした。左のレーン(Std)は分子量マーカーに該当する。

Claims (40)

  1. モノクローナル抗体16D10、そのフラグメントもしくは誘導体、およびモノクローナル抗体16D10と同じエピトープに本質的に結合する抗体から選択されるモノクローナル抗体。
  2. ヒト化されているか、キメラかまたはヒト抗体である、請求項1に記載の抗体。
  3. IgG型である、請求項1または2に記載の抗体。
  4. 一本鎖抗体である、請求項1または2に記載の抗体。
  5. インビボまたはインビトロで膵臓の病状を検出するために使用し得る診断組成物を調製するための請求項1〜4のいずれか1項に記載の抗体の使用。
  6. 膵臓の病状が膵臓癌である、請求項5に記載の使用。
  7. 被験体由来の生物学的サンプルと請求項1〜4のいずれか1項に記載の抗体とを接触させ、前記抗体と前記生物学的サンプルとの間の免疫反応から生じる免疫複合体の形成を検出することを含んでなる、膵臓の病状を患う被験体のインビトロでの検出方法。
  8. 前記生物学的サンプルが膵臓組織のサンプルである、請求項7に記載の方法。
  9. 前記生物学的サンプルが、膵液、血清および尿の中から好適に選択される生物学的液体である、請求項7に記載の方法。
  10. 膵臓癌を患う被験体の検出を可能にする、請求項7〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の抗体、および場合により、生物学的サンプルと前記抗体との間の免疫反応から生じる免疫複合体を検出するための手段を含んでなる、膵臓の病状の診断のためのキット。
  12. 被験体の尿を回収し、前記尿と、配列番号14に記載され、コア2β(1−6)N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ(C2GnT)、α(1−3)およびα(1−4)フコシルトランスフェラーゼ活性を有するフコシルトランスフェラーゼFUT3、またはα(1−3)フコシルトランスフェラーゼ活性を有するフコシルトランスフェラーゼFUT7よりなる群において選択されるオース−トランスフェラーゼ活性を有する1つもしくはそれ以上の酵素によってグリコシル化されるペプチド配列の1〜40反復を含んでなる糖ペプチドを特異的に認識し得る抗体とを接触させ、前記抗体と前記尿との間の免疫反応から生じる免疫複合体の形成を検出することを含んでなる、膵臓の病状を患う被験体のインビトロでの検出方法。
  13. 前記抗体が、抗体J28、そのフラグメントもしくは誘導体、または前者と同じエピトープまたは決定基に本質的に結合する抗体である、請求項12に記載の方法。
  14. 前記抗体が、抗体16D10、そのフラグメントもしくは誘導体、または前者と同じエピトープまたは決定基に本質的に結合する抗体である、請求項12に記載の方法。
  15. 膵臓癌を患う被験体の検出を可能にする、請求項12〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 配列番号14に記載され、コア2β(1−6)N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ(C2GnT)、α(1−3)およびα(1−4)フコシルトランスフェラーゼ活性を有するフコシルトランスフェラーゼFUT3、またはα(1−3)フコシルトランスフェラーゼ活性を有するフコシルトランスフェラーゼFUT7よりなる群において選択されるオース−トランスフェラーゼ活性を有する1つもしくはそれ以上の酵素によってグリコシル化されるペプチド配列の1〜40反復を含んでなる糖ペプチドを含んでなる医薬組成物またはワクチン組成物。
  17. 前記糖ペプチドが、酵素C2GnTおよびFUT3によってグリコシル化される、請求項16に記載の医薬組成物またはワクチン組成物。
  18. 前記糖ペプチドが、酵素C2GnTおよびFUT7によってグリコシル化される、請求項16に記載の医薬組成物またはワクチン組成物。
  19. 前記糖ペプチドが、酵素C2GnT、FUT3およびFUT7によってグリコシル化される、請求項16に記載の医薬組成物またはワクチン組成物。
  20. 前記糖ペプチドが、α(1−3)ガラクトシルトランスフェラーゼ(GT)によってさらにグリコシル化される、請求項16〜19のいずれか1項に記載の医薬組成物またはワクチン組成物。
  21. 前記糖ペプチドが、1〜15の間の前記反復を含んでなる、請求項16〜20のいずれか1項に記載の医薬組成物またはワクチン組成物。
  22. 前記糖ペプチドが組換え体である、請求項16〜21のいずれか1項に記載の医薬組成物またはワクチン組成物。
  23. 前記糖ペプチドが生物学的液体から精製される、請求項16〜22のいずれか1項に記載の医薬組成物またはワクチン組成物。
  24. 前記生物学的液体が尿である、請求項23に記載の医薬組成物またはワクチン組成物。
  25. 前記尿は、膵臓の病状を患う被験体由来である、請求項24に記載の医薬組成物またはワクチン組成物。
  26. 前記尿が、膵臓癌を患う被験体由来である、請求項25に記載の医薬組成物またはワクチン組成物。
  27. 前記糖ペプチドが抗原提示細胞上に充填される、請求項16〜26のいずれか1項に記載の医薬組成物またはワクチン組成物。
  28. 抗原提示細胞が樹状細胞である、請求項27に記載の医薬組成物またはワクチン組成物。
  29. 膵臓疾患の予防的または治療的処置を目的とする医薬品を調製するための請求項16〜28のいずれか1項に記載の医薬組成物の使用。
  30. 膵臓疾患が膵臓癌である、請求項29に記載の使用。
  31. 配列番号14に記載され、コア2β(1−6)N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ(C2GnT)、α(1−3)およびα(1−4)フコシルトランスフェラーゼ活性を有するフコシルトランスフェラーゼFUT3、またはα(1−3)フコシルトランスフェラーゼ活性を有するフコシルトランスフェラーゼFUT7よりなる群において選択されるオース−トランスフェラーゼ活性を有する1つもしくはそれ以上の酵素によってグリコシル化されるペプチド配列の1〜40反復を含んでなる糖ペプチドを特異的に認識し得る抗体を含んでなる医薬組成物。
  32. 前記糖ペプチドが、酵素C2GnTおよびFUT3によってグリコシル化される、請求項31に記載の医薬組成物。
  33. 前記糖ペプチドが、酵素C2GnTおよびFUT7によってグリコシル化される、請求項31に記載の医薬組成物。
  34. 前記糖ペプチドが、酵素C2GnT、FUT3およびFUT7によってグリコシル化される、請求項31に記載の医薬組成物。
  35. 前記糖ペプチドが、1〜15の間の前記反復を含んでなる、請求項31〜34のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  36. 前記抗体が、抗体J28、そのフラグメントもしくは誘導体、または前者と同じエピトープまたは決定基に本質的に結合する抗体である、請求項31〜35のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  37. 前記抗体が、抗体16D10、そのフラグメントもしくは誘導体、または前者と同じエピトープまたは決定基に本質的に結合する抗体である、請求項31〜35のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  38. 膵臓疾患の予防的または治療的処置を目的とする医薬品を調製するための請求項31〜37のいずれか1項に記載の医薬組成物の使用。
  39. 膵臓疾患が膵臓癌である、請求項38に記載の使用。
  40. 配列番号14に記載され、コア2β(1−6)N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ(C2GnT)、α(1−3)およびα(1−4)フコシルトランスフェラーゼ活性を有するフコシルトランスフェラーゼFUT3、またはα(1−3)フコシルトランスフェラーゼ活性を有するフコシルトランスフェラーゼFUT7よりなる群において選択されるオース−トランスフェラーゼ活性を有する1つもしくはそれ以上の酵素によってグリコシル化されるペプチド配列の1〜40反復を含んでなる組換え体の、単離または精製された糖ペプチドであって、α(1−3)ガラクトシルトランスフェラーゼ(GT)によってさらにグリコシル化される、糖ペプチド。
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