JP2007530009A - ポリペプチドを産生する方法 - Google Patents

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Abstract

サイトカインアンタゴニストポリペプチドを産生する方法が開示され、この方法は、そのサイトカインアンタゴニストポリペプチドについての複合体化ポリペプチドをコードする核酸とそのサイトカインアンタゴニストポリペプチドを、同時発現することによる。本発明はまた、上記方法によるサイトカインアンタゴニストポリペプチドを含む薬学的組成物、ならびに患者に治療有効量のこの薬学的組成物を投与する工程を含包する、患者のサイトカイン(例えば、IL−13)のレベルを減少させる方法を提供する。

Description

(発明の分野)
本発明は、一般的にはポリペプチドに関し、そしてより具体的にはサイトカインアンタゴニストポリペプチド、およびサイトカインアンタゴニストポリペプチドを産生する方法に関する。
(発明の背景)
サイトカインは、免疫系の細胞により分泌されるポリペプチドであり、そして免疫系の細胞に対して調節効果を及ぼす。サイトカインは、アレルギー性鼻炎、アトピー皮膚炎、アレルギー性喘息、何種類かの寄生虫感染および癌を含む、多数の疾患の病因において重要な役割を果たすと報告されている。
サイトカインへの細胞の応答は、応答可能な細胞の表面に見出されるレセプターを通して媒介されている。そのサイトカインレセプターは、細胞内の構成要素、膜を貫通する構成要素および細胞外の構成要素を含み得る。いくつかのサイトカインレセプターポリペプチドの細胞外の部分は、可溶性形態で発現し得る。同系のサイトカインに応答可能であることが公知である細胞の集団に添加される場合、可溶性サイトカインレセプターポリペプチドは、サイトカインの機能を阻害し得る。例えば、IL−13レセプターの細胞外の部分を含むポリペプチドは、インビトロおよびインビボでIL−13機能を阻害すると報告されている。
しかし、細胞培養物中のIL−13レセプターポリペプチドの細胞外の部分に基づくインヒビターを含む、可溶性サイトカインアンタゴニストの発現レベルは、低い。このことは、サイトカインアンタゴニストを産生する商業上の実行可能性を制限し得る。従って、細胞培養から高レベルの可溶性サイトカインアンタゴニストを産生する有効な方法に対する需要がある。
(発明の要旨)
本発明は、部分的にIL−13アンタゴニストポリペプチドを産生するための改良された方法の発見に基づく。上記方法によって産生されたIL−13アンタゴニストポリペプチドは、高い収率かつ安定的な形態で回収される。上記方法は、さらに高い割合のダイマー形態のIL−13アンタゴニストポリペプチドの産生を生じ、そのダイマー形態は、アンタゴニストポリペプチドの最も活性的な形態である。
本発明はまた、この方法によるサイトカインアンタゴニストポリペプチドを含む薬学的組成物、ならびに患者に治療有効量のこの薬学的組成物を投与する工程を含包する、患者のサイトカイン(例えば、IL−13)のレベルを減少させる方法を提供する。
1つの局面において、本発明は、IL−13アンタゴニストポリペプチドを産生する方法を提供する。上記方法において、宿主細胞を含む培養培地が、提供される。上記宿主細胞は、上記IL−13アンタゴニストポリペプチドをコードする核酸を発現し、そして、上記宿主細胞は、IL−13アンタゴニストポリペプチドについての複合体化ポリペプチドをコードする核酸を発現する。上記宿主細胞は、IL−13アンタゴニストポリペプチドおよび複合体化ポリペプチドの発現を可能にする条件下で培養される。IL−13アンタゴニストポリペプチドは、培養培地から回収され、それによってIL−13アンタゴニストポリペプチドを産生する。
適切な複合体化ポリペプチドの例としては、IL−13(ヒトIL−13ポリペプチドのアミノ酸配列を有するIL−13ポリペプチドを挙げられる)、IL−13ポリペプチドのIL−13レセプター結合フラグメント、IL−13レセプターポリペプチドに対する抗体およびIL−6(ヒトIL−6ポリペプチドのアミノ酸配列を有するIL−6ポリペプチドを挙げられる)、が挙げられる。
ある実施形態において、上記IL−13アンタゴニストポリペプチドをコードする核酸は、宿主細胞に対して内因性の核酸である。
ある実施形態において、上記複合体化ポリペプチドをコードする核酸は、外因性の核酸である。
上記方法は、必要に応じて上記外因性核酸を宿主細胞へ導入する工程を含包する。
ある実施形態において、上記IL−13アンタゴニストポリペプチドが複合体化ポリペプチドの非存在下で発現される場合よりも、IL−13アンタゴニストポリペプチドが複合体化ポリペプチドと共に発現される場合の方が、多くのアンタゴニストポリペプチドが回収される。
ある実施形態において、上記宿主細胞は、上記IL−13アンタゴニストポリペプチドおよび複合体化ポリペプチドをコードする核酸を発現する場合に、約29℃から約39℃までの温度で培養される。例えば、その温度は、例えば、約30℃、約32℃、約34℃、約36℃または約37℃または約38℃であり得る。
上記宿主細胞は、例えば、安定的にトランスフェクトされた細胞(例えば、安定的にトランスフェクトされたチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞)であり得る。あるいは、上記宿主細胞は、一過性にトランスフェクトされた細胞(例えば、一過性にトランスフェクトされたCOS細胞)であり得る。
ある実施形態において、上記IL−13アンタゴニストポリペプチドは、免疫グロブリンポリペプチドの少なくとも一部分に融合したIL−13レセプターポリペプチドの細胞外の部分を含む。IL−13レセプターポリペプチドの例としては、IL−13Rα1レセプターポリペプチド鎖、IL−13Rα2レセプターポリペプチド鎖またはIL−4レセプターポリペプチド鎖が挙げられる。
ある実施形態において、上記IL−13アンタゴニストポリペプチドとしては、免疫グロブリンγ1ポリペプチドのFc領域が挙げられる。
IL−13アンタゴニストポリペプチドの例は、IL−13 Rα2.Fcである。
ある実施形態において、上記発現されたIL−13アンタゴニストポリペプチドの凝集は、上記IL−13ポリペプチドについての複合体化ポリペプチドをコードする核酸を発現していない宿主細胞において発現されたIL−13アンタゴニストポリペプチドの凝集と比較して、減少する。例えば、種々の実施形態において、凝集は、上記IL−13ポリペプチドの複合体化ポリペプチドをコードする核酸を発現していない宿主細胞において発現されたIL−13アンタゴニストポリペプチドの凝集と比較して、少なくとも約10%、約30%、約50%、約70%、約80%、約90%またはそれ以上、減少される。
さらなる局面において、本発明は、ある細胞を含む培養培地を提供することによって、IL−13 Rα2.Fcポリペプチドを産生する方法を提供し、ここで、その細胞は、IL−13 Rα2.Fcポリペプチドをコードする核酸およびIL−13 Rα2.Fcポリペプチドの複合体化ポリペプチドをコードする核酸を発現する。上記細胞は、IL−13 Rα2.Fcポリペプチドおよび複合体化ポリペプチドの発現を可能にする条件下で培養される;そして、上記IL−13 Rα2.Fcポリペプチドは、培養培地から回収され、それによってIL−13 Rα2.Fcポリペプチドを産生する。
また、上記IL−13 Rα2.Fcポリペプチドをコードする核酸およびIL−13ポリペプチドをコードする核酸を発現する細胞を含む、培養培地を提供することによって、IL−13 Rα2.Fcポリペプチドを産生する方法は、本発明の範囲内である。上記細胞は、IL−13 Rα2.FcポリペプチドおよびIL−13ポリペプチドの発現を可能にする条件下で培養される。IL−13 Rα2.Fcポリペプチドは、培養培地から回収され、それによってIL−13 Rα2.Fcポリペプチドを産生する。
ある実施形態において、上記IL−13 Rα2.FcポリペプチドがIL−13の非存在下で発現される場合よりも、IL−13 Rα2.FcポリペプチドがIL−13と共に発現される場合の方が、より多くのIL−13 Rα2.Fcポリペプチドが回収される。
さらなる局面において、本発明は、本明細書中に記載された方法によって産生されたIL−13アンタゴニストポリペプチド(例えば、IL−13 Rα2.Fcポリペプチド)をおよび薬学的に受容可能なキャリア提供する。
なおさらなる局面において、本発明は、可溶性IL−13アンタゴニストポリペプチドの精製された調製物を提供し、ここで、そのポリペプチドのうちの少なくとも40%は、4℃にて少なくとも1週間のインキュベーションの後に、モノマーまたはダイマーとして存在する。ある実施形態において、上記ポリペプチドの少なくとも50%、60%、70%、80%、90%または95%は、モノマーまたはダイマーとして存在する。
また、本明細書に記載されたサイトカインアンタゴニストポリペプチド(IL−13アンタゴニストポリペプチドを含む)を含む、治療有効量の組成物を患者に投与する工程を包含する、上記患者のサイトカインのレベルを減少させる方法が、本発明の範囲内にある。
他に規定されない限り、本明細書において使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明の属する分野において通常の技術を有する者によって共通に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載された方法および材料と類似もしくは同等の方法と材料が、本発明の実施もしくは試験に使用され得るが、適切な方法および材料が、以下に記載される。本明細書において言及される全ての刊行物、特許出願、特許および他の参考文献は、その全体が参考として援用される。対立の場合には、本明細書(定義を含む)が、調節する。さらに、上記材料、方法および実施例は、例示のみのものであって、限定することを意図されない。
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明と特許請求の範囲から明白である。
(発明の詳細な説明)
サイトカインアンタゴニストポリペプチドは、そのサイトカインアンタゴニストポリペプチドと複合体化する、複合体化ポリペプチドとして公知のポリペプチドをコードする核酸に沿ってアンタゴニストポリペプチドをコードする核酸を同時発現することにより産生される。同時発現は、上記複合体化ポリペプチドの非存在下におけるサイトカインアンタゴニストポリペプチドの産生量と比較して、サイトカインアンタゴニストポリペプチドの収率を増加させる。加えて、同時発現は、上記サイトカインアンタゴニストポリペプチドが複合体化ポリペプチドの非存在下において発現される場合に観察される高分子量形態の量に比較して、サイトカインアンタゴニストポリペプチド調製物中に存在するサイトカインアンタゴニストポリペプチドの高分子量形態の量を、減少させる。
(サイトカインアンタゴニストポリペプチド)
本明細書で使用される場合、用語「サイトカインアンタゴニストポリペプチド」とは、その同系のサイトカインの一以上の生物活性を阻害する任意のポリペプチドという。それゆえ、サイトカインアンタゴニストポリペプチドは、対応するサイトカインの活性を阻害するポリペプチドを含み得る。上記阻害される活性は、(1)サイトカインもしくはそのフラグメント(例えば、生物学的に活性なそのフラグメント)に結合する能力;および/または(2)サイトカインレセプターの2番目の非サイトカイン結合鎖と相互作用し、サイトカインレセプターへのサイトカインの結合のシグナル特性を産生する能力、を含み得る。ある実施形態において、上記サイトカインアンタゴニトは、サイトカインレセプターの細胞外部分を含む。上記サイトカインアンタゴニストはまた、サイトカイン結合免疫グロブリンポリペプチド(例えば、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体またはそれらのフラグメント)であり得る。
一般に、核酸配列が公知であり、かつ同系のリガンドが公知である、任意のサイトカインアンタゴニストポリペプチドが、使用され得る。1つの適切なサイトカインアンタゴニストポリペプチドは、IL−13レセプター融合ポリペプチドであり、そのポリペプチドは、非IL−13レセプターポリペプチド(例えば、免疫グロブリンフラグメント)に融合したIL−13レセプターポリペプチドの部分(例えば、細胞外部分)を含み得る。上記IL−13レセプター由来の部分は、IL−13Rα1レセプター鎖またはIL−13Rα2レセプター鎖に由来し得る。上記IL−13レセプター部分は、さらに、ヒトおよびげっ歯類(例えば、ラットまたはマウス)を含む、任意の哺乳動物IL−13レセプターポリペプチド鎖のアミノ酸配列に由来し得る。
(マウスサイトカインIL−13レセプターアンタゴニストポリペプチド配列およびヒトサイトカインIL−13レセプターアンタゴニストポリペプチド配列)
マウスIL−13Rα1核酸配列およびそのコードされた424個のアミノ酸のポリペプチド配列が、以下に配列番号1および配列番号2として、それぞれ、提示される。これらの配列は、Hiltonら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、93:497−501、1996に記載されている。
Figure 2007530009
マウスIL−13Rα2ポリペプチド配列をコードする核酸配列およびそのコードされた配列が、以下に配列番号3および配列番号4として、それぞれ、提示される。上記コードされたポリペプチドは、383個のアミノ酸の長さを有する。配列番号4のアミノ酸1〜332は、マウスIL−13Rα2ポリペプチドの細胞外ドメインに対応する。IL−13Rα2をコードする配列もまた、Donaldsonら、J.Immunol.、161:2317−24、1998の中で議論される。
Figure 2007530009
ヒトIL−13Rα2ポリペプチド配列をコードする核酸配列およびそのコードされた配列が、以下に配列番号5および配列番号6として、それぞれ、提示される。上記コードされたポリペプチドは、380個のアミノ酸の長さを有する。ヒトIL−13Rα2ポリペプチド鎖をコードする核酸配列が、以下に示され、そしてGenbank登録番号U70981.1ならびにCaputら、J.Biol.Chem.271:16921−26、1996;Zhangら、J.Biol.Chem.272:9474−78、1997;およびGuoら、Genomics 42:141−45、1997においても見られる。上記IL−13Rα2ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームは、強調されたATGコドンから始まり、そして強調されたTGAコドンで終わる。上記コードされたポリペプチドの始めの27個のアミノ酸は、アミノ末端シグナル配列に対応する。上記IL−13レセプターの細胞外部分を含む適切なポリペプチドは、アミノ酸28〜340(太字で示されている)を含む、313個のアミノ酸のポリペプチドフラグメントを含む。
Figure 2007530009
(サイトカインアンタゴニストポリペプチドの中に存在する非サイトカインレセプターポリペプチド)
上記サイトカインアンタゴニストポリペプチドは、免疫グロブリン部分(例えば、免疫グロブリンγ−1ポリペプチドのFc領域;Caputら、J.Biol.Chem.271:16921−29、1996;Donaldsonら、J.Immunol.161:2317−24、1998)を含み得る。他の適切な非IL−13レセプターポリペプチド配列としては、例えば、GST部分、Lex−A部分もしくはMBP部分、が挙げられる。融合ポリペプチドは、さらに、その安定性を高める改変(例えば、ペグ化された部分)を含み得る。
ヒトIg γ−1鎖定常領域アミノ酸配列の、ヌクレオチド配列およびコードされた330個のアミノ酸配列が、以下に配列番号7および配列番号8として、それぞれ、示される。これらもまた、Ellisonら、Nucleic Acids Res.、10:4071−9、1982に記載されている。
Figure 2007530009
サイトカインアンタゴニストポリペプチドは、さらにそのアミノ末端の異種のリーダー配列(例えば、ミツバチメリチンリーダー(HBL)配列由来のシグナルペプチド配列)を含み得る。加えて、サイトカインアンタゴニストポリペプチドをコードする核酸は、上記IL−13レセプター由来の配列と異種の非IL−13ポリペプチドとの間に付加的なアミノ酸を含むように操作され得る。
IL−13サイトカインアンタゴニストポリペプチドhIL−13Rα2.Fcをコードする核酸の構築物と配列が、実施例1に示される。
(複合体化ポリペプチド)
複合体化ポリペプチドは、上記サイトカインアンタゴニストポリペプチドおよび複合体化ポリペプチドをコードする核酸の同時発現の間にサイトカインアンタゴニストポリペプチドに結合する任意のポリペプチドを含み、サイトカインアンタゴニストポリペプチドの発現を促進する。それゆえ、複合体化ポリペプチドは、対応するサイトカインアンタゴニストポリペプチドをコードする核酸と同時発現された場合、複合体化ポリペプチドの非存在下のサイトカインアンタゴニストの凝集の状態(すなわち、凝集の量または凝集の速度)と比較して、サイトカインアンタゴニストポリペプチドの凝集の状態を減少するポリペプチドを含む。
適切な複合体化ポリペプチドは、例えば、同系のサイトカインポリペプチド、または上記サイトカインポリペプチドのサイトカインアンタゴニスト結合フラグメントを含む。サイトカインアンタゴニストポリペプチドが、IL−13レセプターポリペプチドに由来する場合、複合体化ポリペプチドは、例えば、IL−13レセプターポリペプチドに結合するIL−13、IL−6もしくはフラグメントまたは変異体であり得る。ヒトIL−13ポリペプチドのアミノ酸配列は、GenBank登録番号P35225およびMintyら、Nature 362:248−250、1993において開示される。上記配列もまた、以下に示される:
Figure 2007530009
もう1つの適切な複合体化ポリペプチドは、127位のアルギニンをその他の19個のコードされたアミノ酸の中の任意のアミノ酸に置換された、IL−13改変体ポリペプチドである。ある実施形態において、上記アルギニンは、アスパラギン酸、グルタミン酸またはプロリン残基と置換される(本明細書においてはR127D改変体、R127E改変体およびR127P改変体といわれる)。R127D改変体およびR127P改変体は、127位にアルギニンを有する対応するポリペプチドよりも、容易に精製過程の間にIL−13レセプターから分離され、可溶化されることが、予測外にも発見された。
さらなる適切な複合体化ポリペプチドは、サイトカインアンタゴニストポリペプチドに結合する抗体である。上記抗体は、ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体のいずれかであり得る。サイトカインアンタゴニストに対する抗体は、当該分野に公知の技術によって産生され得る。例えば、サイトカインアンタゴニストの細胞外部分は、動物を免疫するために使用されて、サイトカインアンタゴニストタンパク質に特異的に反応するポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体を得られ得る。そのような抗体は、全体のサイトカインアンタゴニストを免疫原として使用することによって、またはサイトカインアンタゴニストのフラグメント(例えば、サイトカインレセプター(例えば、IL−13Rα2)のフラグメント)を使用することによって得られ得る。サイトカインアンタゴニストのより小さいフラグメントもまた、動物を免疫するために使用され得る。そのようなペプチドを合成する方法は、例えば、Merrifield、J.Amer.Chem.Soc.、85:2149−2154,1963に記載されているように当該分野において公知である。
(ベクター)
サイトカインアンタゴニストおよびサイトカインアンタゴニストについての複合体化ポリペプチドを発現する核酸は、ベクターの中に提供されて、宿主細胞の核酸の複製を増加させ得る。ベクターは、代表的に、選択マーカーを含み、そのマーカーは、宿主細胞の遺伝子の検出および/または選択を可能にする。マーカーとしては、例えば、抗生物質耐性遺伝子および代謝反応を触媒する酵素をコードする遺伝子が挙げられ得る。
上記ベクターは、染色体外にあってもよいし、宿主細胞の細胞内の染色体の中へと配列の組み込みを導いてもよい。上記ベクターは、さらに連鎖した配列の複製を促進する配列を含み得る。そのような配列の例は、複製起点または自律複製配列(ARS)である。サイトカインアンタゴニストを発現する核酸は、その複合体化ポリペプチドをコードする核酸と同じ核酸に存在し得る;あるいは、上記核酸は、違う核酸に存在し得る。
発現ベクターは、上記サイトカインアンタゴニストおよび複合体化ポリペプチドをコードする核酸を発現するために使用され得る。上記配列は、翻訳開始配列および翻訳終止配列を有する適切な相に集められる。もし所望ならば、翻訳されたタンパク質の産生をペリプラズム間隙または細胞外媒体への分泌を導くことの可能なリーダー配列が、組み込まれ得る。必要に応じて、異種の配列が、所望の特徴(例えば、発現された組み換え産生物の安定化または簡略化された精製)を与えるアミノ末端同定ペプチドを含む、融合タンパク質をコードし得る。
発現ベクターは、サイトカインアンタゴニスト核酸および複合体化ポリペプチド核酸の、転写、RNAプロセシングおよび/または翻訳、を調節する一以上の発現制御配列を含む。そのような発現制御配列は、当該分野において公知であり、例えば、プロモーター、エンハンサー、リボソーム結合部位、RNAスプライス部位、ポリアデニル化部位、転写ターミネーター配列およびmRNA安定化配列、が挙げられる。適切なエンハンサーおよび他の発現制御配列は、例えば、Enhancers and Eukaryotic Gene Expression、Cold Spring Harbor Press、Cold Spring Harbor、N.Y.(1983)、米国特許第5,691,198号;第5,735,500号;第5,747,469号および第5,436,146号の中で議論されている。発現制御配列としては、例えば、SV40由来の初期プロモーターおよび後期プロモーター、レトロウイルス長い末端反復(マウスモロニー白血病ウイルス、マウス腫瘍ウイルス、トリ肉腫ウイルスを含む)由来のプロモーター配列、アデノウイルスII配列、ウシ乳頭腫ウイルス配列、ポリオーマウイルス配列、CMV最初期の配列、HSVチミジンキナーゼ配列およびマウスメタロチオネインI転写エンハンサー配列、が挙げられ得る。さらなるプロモーターは、発現性の高い遺伝子(例えば、糖分解酵素(3−ホスホグリセリン酸キナーゼ(PGK)が挙げられる)、酸性ホスファターゼまたは熱ショックタンパク質に関しての遺伝子)由来のプロモーター、が挙げられる。
適切なベクターおよびプロモーターは、当業者に公知であり、そして、これらとしては、例えば、Kaufmanら、Nucleic Acids Res.19:4485−90、1991で開示されたpWLneo発現ベクター、pSV2cat発現ベクター、pOG44発現ベクター、PXTI発現ベクター、pSG発現ベクター(Stratagene)、pSVK3発現ベクター、pBPV発現ベクター、pMSG発現ベクター、pSVL発現ベクター(Pharmacia)、pMT2発現ベクターまたはpED発現ベクター、が挙げられる。pTMED発現ベクターまたはpHTOP発現ベクターもまた、使用され得る。発現ベクターは、標準組み換え技術(例えば、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Press:New York)を参照のこと)を使用して、代替的に調製され得る。
所望される場合、上記サイトカインアンタゴニストポリペプチドをおよび/またはその複合体化ポリペプチドをコードする核酸は、細胞の中でコピー数が増加され得る、遺伝子と連結され得る。そのような遺伝子の例は、ジヒドロ葉酸レダクターゼである。
(細胞)
本発明はまた、上記サイトカインアンタゴニストおよび複合体化ポリペプチドをコードする核酸を運搬するベクターを含む細胞を含む。細胞は、サイトカインアンタゴニストをコードする配列と複合体化ポリペプチドをコードする核酸配列との両方を含む核酸を含み得る。あるいは、細胞は、サイトカインアンタゴニストをコードする配列と複合体化ポリペプチドをコードする配列について別々の核酸を含み得る。
一般に、どの細胞の型でも、それが機能的なサイトカインアンタゴニストおよび複合体化ポリペプチドタンパク質を、サイトカインアンタゴニストのその後の精製を促進するような形で相互作用するように発現することが可能な限り、使用され得る。上記細胞は、原核細胞もしくは真核細胞であり得る。適切な真核細胞は、例えば、哺乳動物細胞、昆虫細胞(Sf9細胞を含む)もしくは酵母細胞を含む。適切な哺乳動物宿主細胞としては、例えば、Gluzman、Cell 23:175、1981に記載されているサル腎臓繊維芽細胞のCOS−7株;C127サルCOS細胞;チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、ヒト腎臓293細胞、ヒト表皮A431細胞、ヒトColo205細胞、3T3細胞、CV−1細胞、他の形質転換された霊長類細胞株、通常の二倍体細胞、一次組織のインビトロ培養由来の細胞株、一次外植片、HeLa細胞、マウスL細胞、BHK細胞、HL−60細胞、U937細胞、HaK細胞もしくはJurkat細胞、COS細胞、Rat2細胞、BaF3細胞、32D細胞、FDCP−1細胞、PC12細胞、M1x細胞もしくはCSC12細胞、が挙げられる。ある実施形態において、上記宿主細胞は、通常上記サイトカインアンタゴニストおよび/もしくは複合体化ポリペプチドを発現しないか、もしくはそれを低いレベルで発現する。
酵母株の例は、Saccharomyces cerevisiae、Schizosaccharomyces pombe、Kluyveromyces spp.株およびCanadida spp.が挙げられる。細菌株の例は、Esherichia coli、Bacillus subtilisおよびSalmonella typhimuriumが挙げられる。
発現されたタンパク質は、もし所望すれば、例えば、リン酸化もしくは糖付加によって、タンパク質の機能を促進するよう、翻訳後に改変され得る。そのような共有結合は、公知の化学的方法もしくは酵素的方法を使用して達成され得る。
上記細胞は、上記サイトカインアンタゴニストポリペプチドおよびその複合体化ポリペプチドをコードする核酸を用いて一過性にトランスフェクトされ得るかもしくは永久にトランスフェクトされ得る。
(複合体化ポリペプチドの存在下でサイトカインアンタゴニストポリペプチドを発現する)
サイトカインアンタゴニストポリペプチドは、上記サイトカインアンタゴニストポリペプチドおよび複合体化ポリペプチドの発現を可能にする培養条件下で形質転換された宿主細胞の培養を増殖することによって調製される。その結果発現されたサイトカインアンタゴニストポリペプチドは、次いで上記培養培地または細胞抽出物から精製される。上記サイトカインアンタゴニストポリペプチドは、単独でまたは他のタンパク質の複合体(上記複合体化ポリペプチドを含む)の一部として分離され得る。
膜に結合した形態のサイトカインアンタゴニストポリペプチドが、上記発現した細胞由来の全膜画分を調製し、そして非イオン洗浄剤(例えば、Triton X−100)で膜を抽出することによって精製される。タンパク質精製の種々の方法が、当該分野で周知であり、そしてDeutscher編集、Guide to Protein Purification、Methods in Enzymology、182巻、1990に記載されるものを含む。その結果発現されたタンパク質は、次いで公知の精製プロセス(例えば、ゲルろ過およびイオン交換クロマトグラフィー)を使用して回収され得る。あるいは、上記ポリペプチドは、Donaldsonら、J.Immunol.161:2317−24、1998に記載されるように免疫親和性クロマトグラフィーによって精製され得る。
上記サイトカインアンタゴニストポリペプチドは、例えば、濃縮ろ過器(例えば、Amicon限外ろ過ユニットまたはMillipore Pellicon限外ろ過ユニット)を使用して濃縮され得る。上記濃縮工程の後、上記濃縮物は、精製マトリックス(例えば、ゲルろ過媒体)に適用され得る。あるいは、陰イオン交換樹脂が、サイトカインアンタゴニストポリペプチドを精製するために使用され得る。適切な樹脂としては、例えば、ペンダントジエチルアミノエチル(DEAE)基またはポリエチレンイミン(PEI)基を有する母型または基質、が挙げられる。上記母型は、アクリルアミド、アガロース、デキストラン、セルロースまたは通常タンパク質精製に使用される他の型であり得る。あるいは、陽イオン交換工程が、使用され得る。適切な陽イオン交換体は、スルホプロピル(例えば、S−セファロースカラム)基またはカルボキシメチル基を含む、種々の不溶性母型、を含む。培養上清からのサイトカインアンタゴニストの精製もまた、コンカナバリンA−アガロース、ヘパリントヨパール(heparintoyopearl)もしくはCibacrom blue 3GAセファロースのような親和性樹脂をで;または、フェニルエーテル、ブチルエーテルもしくはプロピルエーテルのような親和性樹脂を使用した疎水性相互作用クロマトグラフィーによって;または、免疫親和性クロマトグラフィーによって、一以上のカラム工程を含み得る。最後に、疎水性の逆相高速液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)媒体(例えば、ペンダントメチル基または他の脂肪族基を有するシリカゲル)を利用した一以上のRP−HPLCの工程は、さらに上記サイトカインアンタゴニストポリペプチドを精製するために使用され得る。サイトカインアンタゴニストもしくはそのフラグメントを含む、またはサイトカインアンタゴニストに対する抗体ならびにプロテインAセファロース(例えば、免疫グロブリンポリペプチドを含む融合タンパク質の精製を促進するために)に対する抗体を含む、親和性カラムはまた、公知の方法に基づき精製に使用され得る。いくつかのまたは全ての前述の精製工程はまた、種々の組み合わせで、または他の公知の方法と一緒に、相当に精製され単離された組み換えタンパク質を提供するため使用され得る。ある実施形態において、上記単離されたサイトカインアンタゴニストは、ポリペプチドを発現する細胞の中でその単離されたサイトカインアンタゴニストが関連する他のタンパク質が実質的になくなるように、精製される。
上記サイトカインアンタゴニストタンパク質および/またはその同系のリガンドもまた、それらの次の精製を促進するような形態で発現され得る。例えば、サイトカインアンタゴニストをコードする核酸は、インフレームで非サイトカインアンタゴニスト配列(例えば、マルトース結合タンパク質(MBP)、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)、チオレドキシン(TRX)、ヒスタグまたは血球凝集素(HA)タグ)に融合され得る。後者のタグは、インフルエンザ血球凝集素タンパク質(Wilsonら、Cell、37:767(1984))由来のエピトープと対応する。そのような融合タンパク質の発現および精製用のキットは、New England BioLab(Beverly、Mass.)、Pharmacia(Piscataway、N.J.)およびInvitrogenから、それぞれ商業的に入手可能である。上記タンパク質はまた、代替的にエピトープを用いてタグ化され得、そして続いてこのエピトープに向けられた特異的な抗体を使用して精製され得る。このエピトープの例は、FLAG(登録商標)エピトープ(Kodak、New Haven、Conn.)である。タグ化アンタゴニスト複合体は、適切なタグ特異的方法を使用して培養培地から精製され得る。上記サイトカインアンタゴニストは、続いてその複合体化ポリペプチドから分離され得る。
本明細書において記載された方法により産生された上記サイトカインアンタゴニストタンパク質は、対応するサイトカインの活性の阻害が望まれる、任意の状態を処理するために使用され得る。上記サイトカインアンタゴニストタンパク質が、IL−13アンタゴニストである場合、そのタンパク質は、IL−13が関係するか、またはIL−13の活性(集合的に「IL−13に関連する状態」)によって影響される種々の医療状態の処理または調節のために使用され得る。IL−13に関連する状態としては、限定ではないが、Ig媒介性の状態およびIg媒介性疾患、特にIgE媒介性の状態(限定ではなく、アレルギー状態、喘息、免疫複合体の疾患(例えば、狼瘡、ネフローゼ症候群、腎炎、糸球体腎炎、甲状腺炎およびグレーブス病)が挙げられる)、線維症(肝臓線維症が挙げられる);免疫欠損症、特に造血前駆細胞の欠損またはそれに関する障害;癌および他の疾患、が挙げられる。そのような病理学的状態は、疾患、放射線または薬物への曝露から生じ得、そしてこれらとしては、例えば、白血球減少症、細菌感染およびウイルス感染、貧血、B細胞欠損症またはT細胞欠損症(例えば、骨髄移植後の免疫細胞欠損症または造血細胞欠損症)が挙げられ得る。本明細書に記載されている方法によって産生されるIL−13サイトカインアンタゴニストポリペプチドはまた、マクロファージ活性(すなわち、予防接種、ミコバクテリアもしくは細胞内の微生物の処理または寄生虫感染における)を高めることに関しても有用である。
上記サイトカインアンタゴニストポリペプチドはまた、薬学的に受容可能なキャリアと組み合される場合、薬学的組成物として使用され得る。そのような組成物は、IL−13またはインヒビターおよびキャリアに加えて、当該分野に周知の種々の希釈剤、充填剤、塩、緩衝剤、安定剤、溶解剤および他の物質を含み得る。用語「薬学的に受容可能な」は、活性成分の生物活性の有効性に干渉しない非毒性物質を意味する。上記キャリアの特徴は、投与経路に依存する。
上記薬学的組成物はまた、さらなる試薬(他のサイトカイン、リンホカインまたは他の造血因子(例えば、M−CSF、GM−CSF、IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−14、IL−15、G−CSF、幹細胞因子およびエリスロポイエチン)が挙げられる)を含み得る。上記薬学的組成物はまた、抗サイトカイン抗体を含み得る。上記薬学的組成物は、血栓溶解性因子または抗血栓症因子(例えば、プラスミノーゲンアクチベーターおよび因子VIII)を含み得る。上記薬物学的組成物は、さらに他の抗炎症試薬を含み得る。そのような付加的な因子および/または試薬は、上記サイトカインアンタゴニストポリペプチドと相乗的な効果を産生するためか、またはサイトカインアンタゴニストポリペプチドが原因の副作用を縮小するために薬学的組成物に含まれ得る。
上記薬学的組成物は、他の薬学的に受容可能なキャリアに加えて、サイトカインアンタゴニストポリペプチドが、両親媒性試薬(例えば、水溶液中においてミセル、不溶性単層、液晶または板状の層のような凝集形態で存在する脂質)に組み合わされる、リポソームの形態であり得る。リポソーム処方物のための適切な脂質としては、限定ではなく、モノグリセリド、ジグリセリド、スルファチド、リゾレシチン、リン脂質、サポニン、肝汁酸などが挙げられる。そのようなリポソーム処方物の調製は、例えば、米国特許第4,235,871号;同第4,501,728号;同第4,827,028号;および同第4,737,323号において開示されるように、当該分野の技術水準の範囲内であり、それらの特許の全ては、本明細書中において参考として援用される。
本明細書で使用される場合、用語「治療有効量」は、有意義な患者の利益(例えば、そのような状態)の症状の回復、治癒または治癒の速度の増加)を示すに十分な薬学的組成物または方法の各活性成分の合計量を意味する。個々の活性成分に適用され、単独で投与される場合、上記用語は、単独の成分量をいう。組み合わせて適用される場合、上記用語は、組み合わせてか、連続的にかまたは同時に、投与されようとも、治療効果を生じる活性成分の組み合わせた量をいう。
本発明の処置方法または使用を実施する際に、上記サイトカインアンタゴニストポリペプチドの治療有効量が、哺乳動物に投与される。サイトカインアンタゴニストポリペプチドは、単独でかまたは他の治療(例えば、サイトカイン、リンホカインまたは他の造血因子を使用する処置)との組み合わせのいずれかで投与され得る。一つ以上のサイトカイン、リンホカインまたは他の造血因子と同時投与される場合、サイトカインアンタゴニストポリペプチドは、サイトカイン、リンホカイン、他の造血因子、血栓溶解性因子もしくは抗血栓因子と、同時にかまたは連続的に投与され得る。連続的に投与される場合、主治医は、サイトカイン、リンホカイン、他の造血因子、血栓溶解性因子または抗血栓因子との組み合わせにおいて、サイトカインアンタゴニストポリペプチドを投与する適切な順序を決定する。
上記薬学的組成物において使用されるサイトカインアンタゴニストポリペプチドの投与または本発明の方法を実施するために使用されるサイトカインアンタゴニストポリペプチドの投与は、種々の従来の方法(例えば、経口摂取、吸入、または皮膚注射(cutaneous injection)、皮下注射もしくは静脈注射)において実行され得る。
治療有効量のサイトカインアンタゴニストポリペプチドが、経口的に投与される場合、そのサイトカインアンタゴニストポリペプチドは、錠剤、カプセル、散剤、溶液またはエリキシル剤の形態で提供される。錠剤形態で投与される場合、本発明の薬学的組成物は、さらに固体のキャリア(例えば、ゼラチンまたはアドジュバンド)を含み得る。錠剤、カプセルおよび散剤は、約5%から約95%のサイトカインアンタゴニストポリペプチド(例えば、約25%から約90%のサイトカインアンタゴニストポリペプチド)を含む。液状形態で投与される場合、液状キャリア(例えば、水、石油、動物起源の油または植物起源の油(例えば、ピーナッツ油、鉱油、大豆油、またはゴマ油または合成石油))が添付され得る。上記薬学的組成物の液状形態は、さらに生理食塩水、ブドウ糖もしくは他の糖類溶液またはグリコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコール)を含み得る。液状形態で投与される場合、上記薬学的組成物は、約0.5重量%から約90重量%のサイトカインアンタゴニストポリペプチドまたはサイトカインアンタゴニストポリペプチドを含む。例えば、ある実施形態において、それは、約1%から約50%のサイトカインアンタゴニストポリペプチドを含む。
治療有効量のサイトカインアンタゴニストポリペプチドが、静脈注射、皮膚注射または皮下注射によって投与される場合、サイトカインアンタゴニストポリペプチドインヒビターは、発熱性物質を含まない、非経口的に受容可能な水溶液の形態である。pH、等張性、安定性などを十分考慮してのそのような非経口的に受容可能なタンパク質溶液の調製は、当該分野の技術の範囲内である。ある実施形態において、静脈注射、皮膚注射または皮下注射のための薬学的組成物は、サイトカインアンタゴニストポリペプチドインヒビターに加えて、等張性ビヒクル(例えば、塩化ナトリウム注射液、リンガー注射液、ブドウ糖注射液、ブドウ糖および塩化ナトリウム注射液、乳酸リンガー注射液または当該分野に公知の他のビヒクル)を含む。本発明の薬学的組成物はまた、安定剤、保存剤、緩衝剤、抗酸化物質または当業者に公知の他の添加物を含み得る。
上記薬学的組成物中のサイトカインアンタゴニストポリペプチドの量は、処置される状態の性質および重症度、ならびに患者が経験した先の処置の性質に依存する。本発明の方法を実施するために使用される種々の薬学的組成物は、1kgの体重あたり約0.1μgから約100mgのサイトカインアンタゴニストポリペプチドを含むと企図される。
本発明の薬学的組成物を使用する静脈治療の期間は、処置される疾患の重症度ならびに各患者個人の状態および潜在的な特異体質性の応答に依存して変動する。サイトカインアンタゴニストポリペプチドの各適用の期間は、連続的な静脈投与の12時間から24時間の範囲になると企図される。究極的には、主治医が、本発明の薬学的組成物を使用する静脈治療の適切な期間を決定する。
本発明は、さらに次の非限定的な実施例において説明される。
(実施例1)
(ヒトIL−13Rα2.Fc発現の調製、発現および特徴)
組み換え可溶性ヒトIL−13Rα2融合タンパク質を構築し、そしてhIL−13Rα2.Fcと名付けた。
第一に、ヒトIL−13レセプター配列をコードする核酸を、マウスIL−13レセプター配列をプローブとして使用して同定した。マウスIL−13Rα2の同定、クローニングおよび配列決定は、以前に記載されている(Donaldsonら、J.Immunol.、161:2317−24、1998)。上記マウス配列由来のオリゴヌクレオチドプライマーを使用して、AMPLITAQTMポリメラーゼ(Promega)を用いたポリメラーゼ連鎖反応によりヒトホモログの部分的なフラグメントを単離した。cDNAを、Clonetechから得られたヒト精巣ポリA+RNAを使用して調製した。274bpフラグメントを、プライマーATAGTTAAACCATTGCCACC(配列番号9)およびプライマーCTCCATTCGCTCCAAATTCC(配列番号10)を使用した増幅後に同定した。増幅されたフラグメントの配列を使用して、cDNAライブラリーからさらなるhIL−13Rα2配列を同定するためのさらなるオリゴヌクレオチドを設計した。調製されたオリゴヌクレオチドの配列は、AGTCTATCTTACTTTTACTCG(配列番号11)およびCATCTGAGCAATAAATATTCAC(配列番号12)である。
32Pを用いて標識した後、上記オリゴヌクレオチドを用い、ヒト精巣cDNAライブラリーを(Clontech)をスクリーニングした。スクリーニングされた400,000以上のクローンの中で、両方のオリゴヌクレオチドプローブにハイブリダイズした22のクローンを同定した。DNA配列分析を、これらのクローンの4つ対して実行し、そして4つ全てが同じ配列をコードした。hIL−13Rα2 cDNAの全長の配列をGenBank(登録番号U70981)に寄託した。
hIL−13Rα2 cDNAは、N−末端細胞外ドメイン、短い膜貫通型領域および短いC−末端細胞質尾部を有するレセプター鎖をコードすると予測される。
hIL−13に結合する能力を保持する可溶性hIL−13Rα2レセプターを、hIL−13Rα2の細胞外ドメイン由来の313NH−末端アミノ酸を、ヒンジ−CH2−CH3領域を含むヒトIg γ−1重鎖のCOOH−末端231アミノ酸に、融合することによって構築した(「hIL−13Rα2.Fc」)。融合タンパク質(「L2I」と称される)をコードする配列を、COS細胞一過性トランスフェクションアッセイの評価のためにpEDの中にクローニングし、そしてCHO安定細胞株の発現の評価のためにpHTOPベクターの中に、クローニングした。
CHO細胞の中の上記hIL−13Rα2.Fcポリペプチドの発現は、異種のNH2−末端シグナル配列プロセシングを生じた。天然のリーダー配列を、それゆえ、シグナルペプチドの効率的なプロセシングを導くと示されている(Tessierら、Gene 98:177−83、1991)、ミツバチメリチン遺伝子由来のリーダー配列で置き換えた。ミツバチリーダー配列、hIL−13Rα2の細胞外ドメインおよびヒトIg γ−1重鎖のCOOH−終点、を含む分子を、CHO細胞によってプロセシングし、可溶性hIL−13Rα2.Fcポリペプチドを産生した。
上記hIL−13Rα2.Fc構築物を、発現ベクターpTMEDの中へサブクローニングし、CHO細胞の中の高レベルの遺伝子発現を可能にし、そしてトランスフェクション後の安定細胞株の選択および増幅を可能にした。pHTOP−L2Iプラスミドを、制限酵素NotIを用いて消化し、クレノウ酵素を用いたインキュベーションによって平滑末端にし、次いで制限酵素ApaIを用いて消化し、全体のhIL−13Rα2.Fcコード領域およびEMCV内部リボソーム進入配列の一部を含む1836 bpフラグメントを遊離した。そのフラグメントを、予めXbaIで消化され、クレノウで平滑末端し、そしてApaIで消化したpTMEDプラスミドに結合し、発現プラスミドpTMED−L2Iを産生した。全体のプラスミドのDNA配列決定から、意図された構築物が産生されたと確認された。pTMED−L2I発現プラスミドの完全なDNA配列およびhIL−13Rα2.Fc遺伝子の予測された翻訳産生物を、上に示す。
上記hIL−13Rα2.Fc遺伝子を、hIL−13Rα2.Fc遺伝子が脳心筋炎(EMC)ウイルス内部リボソーム進入部位(IRES)および選択可能な/増幅可能なマーカー遺伝子であるジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)の上流に置かれているバイシストロン性メッセージ(bicistronic message)の一部として転写した。DHFR遺伝子は、トランスフェクトされたCHO dhfr細胞が外因的に添加されるヌクレオシドの非存在下で増殖する能力を与えた。バイシストロン性メッセージの転写を、hIL−13Rα2.Fc遺伝子の上流のマウスサイトメガロウイルス(CMV)エンハンサー配列およびCMVプロモーター配列によって促進した。アデノウイルスの三部分からなる(tripartite)リーダー配列とハイブリッド介在配列が、CMVエンハンサー/プロモーター配列に続き、バイシストロン性メッセージの効率な翻訳を促進する。ミツバチメリチン遺伝子由来のシグナルペプチド配列を、hIL−13Rα2.Fcコード領域の直ぐ上流に配置した。
ノザンブロット分析およびウェスタンブロット分析は、約200個のヌクレオチドのポリ(A)尾部および精製されたhIL−13Rα2.Fcタンパク質を用いて実行された機能的評価が、このタンパク質が特異的にhIL−13に結合し、そしてインビトロでの細胞レセプターとのhIL−13の相互作用を妨害することを示したことを前提として、発現プラスミドが予測されたサイズ(すなわち、約3800個のヌクレオチド)のメッセージおよびタンパク質を産生したことを確認した。サザンブロット分析およびゲノムDNA配列決定は、宿主細胞ゲノムへの発現プラスミドの挿入を確認した。合わせて、これらの結果は、産生細胞株が予測されたhIL−13Rα2.Fcタンパク質を発現することを示した。
pTMED−L2I発現プラスミドのヌクレオチド配列を、以下に示す。hIL−13Rα2.Fcコード領域およびDHFRコード領域に対応するヌクレオチド配列に、下線を引く。hIL−13Rα2.Fcのコードされたアミノ酸配列を、各コドンの下に示す。ミツバチメリチンリーダー(HBL)由来のシグナルペプチド配列に、下線を引く。hIL−13Rα2の細胞外領域に対応するアミノ酸配列を、太字で示す。
Figure 2007530009
Figure 2007530009
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(実施例2)
(可溶性IL−13アンタゴニスト、ヒトIL−13Rα2.FcおよびヒトIL−13、をコードするプラスミドを用いたCOS細胞の一過性の同時トランスフェクションは、IL−13Rα2.Fc発現のレベルを増加させる)
L2I発現ベクターによってコードされたhIL−13Rα2.Fcに対するhIL−13の効果を、COS細胞発現系において評価した。以下に示されているものは、一過性にトラスフェクトされたCOS細胞の馴化培地の酵素結合イムノアッセイ(ELISA)結果の結果である。
Figure 2007530009
hIL−13Rα2.Fcポリペプチドは、偽トランスフェクトされた細胞の中には検出されなかった。3つの異なるhIL−13発現プラスミド(すなわち、pXMT2(DD);pXMT2(PMR);pEMC3(SK))の各々とのL2Iの同時トランスフェクションは、L2I+pEDベクター処理グループ(0.52μg/ml)またはL2Iコントロール(0.39μg/ml)のいずれかに観察されたhIL−13Rα2.Fcポリペプチド産生量のレベルよりも有意に高い、hIL−13Rα2.Fcポリペプチド発現(1.25μg/mlから3.93μg/ml)を生じた。
hIL−13を発現する組み換えE.coli株(rE:coli hIL−13(R&D))またはIL−13を発現するCHO細胞株(rCHOmIL−13(DD))のいずれかから由来する外因性hIL−13(1μg/ml)を、L2Iをトランスフェクトされた細胞に添加しても、L2I+pEDベクターコントロール(0.52μg/ml)のhIL−13Rα2.Fcポリペプチド産生量のレベルと比較して、hIL−13Rα2.Fcポリペプチド産生量を有意に増加しなかった。この結果は、hIL−13は、細胞外の相互作用によってではなく、Fc融合ポリペプチドの合成および分泌のプロセスにおける相互作用によって、馴化培地の中に蓄積されるhIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチドのレベルに影響することを示す。
L2IとhIL−13の両方を同時トランスフェクトされたCOS細胞の発生期hIL−13Rα2.Fcのレベルは、発生期IL−13Rα1.Fcのレベルに似ていたが、後者の融合ポリペプチドは、馴化培地の中で、hIL−13Rα2.Fcと比較して、通常20倍の高い蓄積を示す。hIL−13Rα2.Fc分泌の欠損は、hIL−13との同時発現によって訂正されるように現れる。理論に束縛されることは望まないが、hIL−13Rα2.Fc単独よりも、細胞によりhIL−13Rα2.Fc−IL−13複合体を効率的に分泌することを示すことによって、上記結果を説明し得る。
以下にまとめたように、その後の研究は、hIL−13をCOS細胞発現系のhIL−13Rα2.Fcポリペプチドと同時発現した場合のhIL−13Rα2.Fcポリペプチド産生量の増強を実証した。
Figure 2007530009
pL2Iおよび非IL−13レセプターリガンドを用いてトランスフェクトされた細胞由来の培地の中のhIL−13Rα2.Fcポリペプチド産生量の効果をまた、試験した。L2IプラスミドおよびhIL−6(1.2μg/ml〜1.3μg/ml)の発現を導くプラスミドまたはM−CSF(約0.86μg/ml)の産生を導くプラスミドの同時トランスフェクションは、L2I+pEDベクター(約0.5μg/ml)を用いてトランスフェクトされた細胞中に検出された融合ポリペプチドの産生レベルと比較して、hIL−13Rα2.Fcポリペプチドの増加した産生量を産生した。しかし、hIL−13Rα2.Fcポリペプチド産生におけるhIL−6およびM−CFSポリペプチド発現の効果は、hIL−13リガンド(3.32μg/ml〜4.6μg/ml)を同時発現する細胞中で観察されたhIL−13Rα2.Fcポリペプチド産生量の約6倍から約9倍未満の増加だった。
トランスフェクトされたCOS細胞の培地の中の蓄積されたhIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチドをまた、トランスフェクトされたCOS細胞のパルス−追跡放射標識化によって試験した。トランスフェクトされたCOS細胞を、15分間のパルスにおいて35Sメチオニンおよびシステインの合成的取り込みによって放射標識化した。サンプルを、SDS PAGEによって分析し、そして35Sタンパク質を次いで、オートラジオグラフィーを使用して視覚可能とした。細胞の全馴化培地の分析を、図1Aに示す。SDS PAGEおよびオートラジオグラフィーの前のプロテインA沈殿によって全培地から濃縮された放射標識化hIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチドの分析を、図1Bに示す。ELISAデータと一致して、融合ポリペプチドの増加したレベルを、L2Iプラスミド、hIL−13プラスミドを用いて同時トランスフェクトされた細胞またはL2I+hIL−6もしくはL2I+M−CSFを用いて同時トランスフェクトされた細胞と比較して、L2I+hIL−13をコードするプラスミドを用いて同時トランスフェクトされた細胞の馴化培地の中で検出した。
(実施例3)
(可溶性IL−13アンタゴニスト、IL−13Rα2.FcおよびIL−13をコードするプラスミドを用いたCHO細胞の安定的な同時トランスフェクションは、IL−13Rα2.Fc発現のレベルを増加させる)
COS細胞一過性トランスフェクションアッセイ(実施例1)を使用したIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチド発現の研究を、hIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチドを発現する安定的なCHO細胞株を使用して拡大した。
(A.hIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチドおよびhIL−13ポリペプチドを同時発現する安定的なCHO細胞の調製)
株安定的なhIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチドを発現するCHO細胞を、hIL−13遺伝子およびネオマイシン耐性マーカーを含む発現プラスミドを用いて安定的にトランスフェクトした(図2)。図2に詳述されるように、hIL−13発現プラスミドpTMNhIL13H6EKの転写を、マウスサイトメガロウイルス(mCMV)由来のエンハンサー配列およびプロモーター配列によって駆動した。アデノウイルス主要後期プロモーター由来の三部分からなるリーダー(TPL)配列は、翻訳の効率を向上させた。hIL−13コード領域を、6×ヒスタグを用いてインフレームでクローニングし、金属親和性カラムでのタンパク質の一工程精製を可能にした。エンテロキナーゼ切断部位を、6×ヒスタグとhIL−13コード領域との間に操作し、6×ヒスタグの精製後の除去を可能にした。hIL−13遺伝子を、ネオマイシン耐性(neo)マーカーと共にバイシストロン性メッセージの一部として発現した。neo遺伝子の翻訳を、脳心筋炎ウイルス内部リボソーム進入部位(EMCV IRES)から媒介した。トランスフェクション後に、hIL−13を発現する細胞を、抗生物質G418の存在下で培養することによって選択した。
(B.hIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチドおよびhIL−13の同時発現は、CHO細胞のhIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチドの発現を促進する)
COS細胞系のように、hIL−13を同時発現するCHOクローン中のhIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチドの発現を、hIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチドを単独で発現するCHO細胞株に対して比較した(図3)。hIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチド(6FD3)を発現する安定的な細胞株を、pTMNHIL13H6EKプラスミドを用いてトランスフェクトし、hIL−13を発現する細胞を、抗生物質G418を含む培地の中で増殖することによって選択した。クローンを選択し、そして31℃にて7日間の分泌アッセイでアッセイし、そして滴定量をプロテインA−HPLCによって測定した。上記結果を図3に示し、そこにおいて、4個の6FD3コントロールの産生性を矢印で示し、そして全ての他のデータポイントはhIL−13を同時発現する細胞の個々のクローンを示す。図に詳述されるように、分析された全てのクローンは、親細胞株よりもhIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチドの高い発現レベルを有した。ウェスタンブロット分析は、上記クローンがhIL−13を発現することを確認した。37℃にてhIL−13を同時発現する細胞株(31B5)の中のhIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチドの発現をまた、14日間の流加(fed−batch)アッセイで評価した。
(C.低温度でhIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチドおよびhIL−13を同時発現するCHO細胞を増殖させることは、hIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチドの産生量を改良する)
hIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチドの発現に対する温度の効果を、6FD3親細胞およびhIL−13を同時発現する細胞株31B5を14日間の流加アッセイで評価した。図4Aに示されるように、hIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチドの時間依存的な増加を、14日間の研究期間に渡って6FD3親細胞とhIL−13を同時発現する細胞株31B5の両方で観察した。さらに、37℃と31℃の両方で、hIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチドおよびhIL−13を同時発現する31B5細胞株は、6FD3親細胞株よりも高レベルのhIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチドを発現した。図4Bに示されるように、31B5同時発現細胞株の中のhIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチドの特異的な細胞産生量は、6FD3親細胞株よりも高かった。さらに、31℃で増殖した細胞の産生量は、37℃で増殖した細胞の産生量よりも高かった。これは、31℃で培養されるCHO 31B5同時発現細胞は、これらの細胞が37℃で増殖される場合に観察されるhIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチド発現と比較して、有意に高レベルのhIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチド発現および/または馴化培地への分泌を示している。
(D.hIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチドおよびhIL−13の同時発現は、hIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチドの分子凝集を減少させる)
分子凝集に起因して、可溶性IL−13アンタゴニスト、hIL−13Rα2.Fcの発現レベルは低い。hIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチドの分子凝集に対するhIL−13を同時発現する効果を、サイズ排除クロマトグラフィーHPLC(SEC−HPLC)を使用して、hIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチドおよびhIL−13を同時発現する31B5細胞株の培地の中のhIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチドの分子凝集の状態を、6FD3親細胞株によって産生されたhIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチドの分子凝集の状態と比較することによって、評価した。簡潔に言えば、テスト細胞株由来の細胞培養培地を集め、そしてプロテインAセファロースビーズ上のサンプルを精製することによってSEC−HPLC用に調製した。
hIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチドおよびhIL−13を同時発現する37A4細胞株由来のサンプルのSEC−HPLCクロマトグラムならびに6FD3親細胞株由来のサンプルのクロマトグラムのSEC−HPLCクロマトグラムの重なりは、2つの細胞株から示されるダイマーおよび高分子量の種の相対分布を示した(図5A)。図5Aに示されるように、6FD3親細胞株から得られた馴化培地を含むhIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチドの代表的なクロマトグラフは、hIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチドの複数のピーク(例えば、ピーク保持時間=約6.1分〜約6.7分)を示し、これは、hIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチドダイマー(ピーク保持時間=約7.2分)と比較して、高分子量の種を示す。対照的に、細胞株を同時発現する31B5 hIL−13から作成されたSECプロフィールは、上記ダイマーピークと比較して、高分子量の種のより低いピークを示した(ピーク保持時間=約7.4分)。
hIL−13を同時発現する細胞株の馴化培地に見られる低レベルの凝集は、長い培養期間にわたって維持され、そしてhIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチド産生細胞を、31℃または37℃のいずれかで増殖した場合に(図5B)、上記低レベルの凝集を観察された。hIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチドおよびhIL−13を同時発現する31B5細胞株由来のサンプルのSEC−HPLCクロマトグラムならびに6FD3親細胞株由来のサンプルの上記クロマトグラムを示したダイマーおよび高分子量の種の相対分布を比較した。6FD3親細胞株から得られた馴化培地を含むhIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチドのクロマトグラムは、3つの主要なピークを示した。2つのピーク(HMW1およびHMW2と命名された)は、ダイマー化されたhIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチドを含むピークに先行する。すなわち、1番目に溶出したピーク(保持時間=約8.2分)を、「HMW2」と命名し、2番目のピーク(保持時間=約8.4分〜約8.6分)を「HMW1」と命名し、そして3番目のピーク(保持時間=約9.4分〜約9.7分)をhIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチドダイマーと示した。対照的に、31B5 hIL−13同時発現細胞株から作成されたSECプロフィールは、上記ダイマーピークと比較して、より低いHMW1ピークおよびHMW2ピークを示した。
図5Bに示されるように、31℃にて6日目および31℃にて9日目、または37℃にて6日目の条件培地に存在する各々の主要なhIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチド種の相対パーセントは、細胞培養の6日目および9日目の間では有意に変化しなかった。同じように、増殖温度は、研究期間にわたってhIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチドの分子凝集の状態に有意に影響するとは見られなかった。
(E.hIL−13と共に同時発現されたhIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチドは、冷凍保管に対し安定的である)
精製されたhIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチドダイマーは、保管に際し高分子量の凝集を形成しやすいことを示した。hIL−13およびhIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチドを同時発現する37A4細胞から得られたhIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチドの分子凝集の状態に対する6日間の冷凍保管(4℃)の効果を、SEC−HPLCを使用して6FD3親細胞株によって産生されたhIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチドの分子凝集に対する冷凍保管の効果と比較した。簡潔に言うと、6FD3親細胞株由来の精製されたhIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチドまたはIL−13を同時発現する細胞株37A4を、6日間4℃にて保持した。上記物質を、0日目、3日目および6日目にSEC−HPLCによって分析した。クロマトグラフを重ね、主要なhIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチド種の相対分布を示した(図6)。
図6Aに示されるように、HMW1ピークおよびHMW2ピークは、6FD3親細胞株から産生された物質において長期にわたり増加する。対照的に、図6Bは、HMW1ピークおよびHMW2ピークが、37A4 hIL−13同時発現細胞株において産生されたhIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチド含有物質の中で低いままであることを示す。
6FD3親細胞株または37A4 hIL−13同時発現細胞株由来のプロテインA精製物質をまた、SDS−PAGE(4%〜20%アクリルアミド勾配ゲル、その後銀で染色)によって分析した。図7に示されるように、親細胞株と比較した場合、同時発現細胞株中に産生された物質中に観察された汚染されたバンドはより少なかった。これらの結果は、サイズ排除クロマトグラフィーを使用して得られたデータと一致する。
(実施例4)
(hIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチドと共にhIL−13の変異体形態(R127DまたはR127P)を同時発現する細胞は、低レベルの融合ポリペプチドを表す)
hIL−13の野生型またはhIL−13の変異体形態との同時発現に続いて発現された融合hIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチドの量を、試験した。テストされた変異体形態は、hIL−13R127DおよびhIL−13R127Pを含んでいた。発現を、31℃および37℃の両方で決定した。
37℃または31℃にて、hIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチドをhIL−13の野生型またはhIL−13の変異体形態と共に同時発現した結果を、図8Aに示す。hIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチドのみを発現する細胞は、37℃または31℃(「IL−13なし」)の両方で培養された場合、高レベルの凝集を示した。野性型hIL−13をhIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチドと共に同時発現する細胞は、両方の培養温度において低レベルの凝集を表す。hIL−13の変異体形態(R127DまたはR127P)をhIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチドと共に同時発現する細胞は、これらの実験ではより低い培養温度においてのみ低レベルの融合ポリペプチドを表す。
同時発現した野生型IL−13リガンド、同時発現したR127D IL−13リガンドまたは同時発現したR127P IL−13リガンドから分離するhIL−13Rα2.Fcの能力を、次に試験した。分離を、IL−13−hIL−13Rα2.Fc複合体からIL−13を分離する塩化マグネシウムの能力を決定することによって評価した。hIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチドを野生型hIL−13または変異体hIL−13と共に同時発現する細胞由来の馴化培地を、濃度を増加した塩化マグネシウムの存在下においてプロテインAカラム上で精製した。各塩化マグネシウム濃度において分離されたIL−13の量を、次いで測定した。
上記結果を、図8Bに示す。このグラフは、上記複合体が変動する塩化マグネシウム濃度でSDSによって完全に分離された場合にhIL−13ピークに対して正規化された、SEC−HPLCクロマトグラフ上のhIL−13ピーク範囲を示す。塩化マグネシウムレベルを増加した洗浄緩衝剤は、hIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチド由来の変異体hIL−13ポリペプチドを効果的に分離し得る(しかし、野生型IL−13ポリペプチドを効果的に分離しない)。
(他の実施形態)
本発明は、その詳細な説明と共に記載されているが、前述の説明は、説明することを意図し、本発明の範囲を限定するものではない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって規定される。他の局面、利点および改変は、上記特許請求の範囲の範囲内である。
図1Aは、COS細胞株からの35S−標識化ポリペプチドを示すオートラジオグラムである。図1Bは、プロテインA沈殿によって調製されたCOS細胞株からの35S−標識化ポリペプチドを示すオートラジオグラムである。 図2は、IL−13発現プラスミドpTMNhIL13H6EKの環状地図を示す模式図である。 図3は、上記pTMNhIL13H6EKプラスミドを有する選択クローンのIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチド産生レベルを示すグラフである。 図4Aは、6fd3細胞株および31b5細胞株における、IL−13Rα2.Fc融合ポリペプチドの、時間依存的な産生に対する温度の効果を示すグラフである。図4Bは、sIL−13Rを発現した6fd3細胞株、およびsIL−13RとIL−13とを同時発現した31b5細胞株における、sIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチドの、時間依存的な産生に対する温度の効果を示すヒストグラムである。各細胞株および各温度において、3日目、5日目、10日目および14日目におけるsIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチドの産生量が(もし検出されれば)、示される。14日目の産生量は、6fd3細胞もしくは31b5細胞に対して、37℃では検出されなかった。 図5Aは、SEC−HPLCによって精製されたIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチド分子凝集体の溶出プロフィールを比較する略図である。図5Bは、6fd3親細胞株およびIL−13を同時発現する31b5細胞株によって産生された、主要なIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチド種の相対量に対する、時間および温度の効果を示すヒストグラムである。各細胞株、各日および各温度において、HMW2形態のレベルが、1番目のヒストグラムとして示され、HMW1形態のレベルを示すヒストグラムが続く。示された日および温度における各細胞株について、ダイマー形態のレベルが、丸で示される。 図6Aは、6fd3親細胞株由来のプロテインA精製されたIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチドの調製における、主要なIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチド種の相対分布に対する、4℃で6日間の保管の効果のグラフ図である。図6Bは、上記IL−13を同時発現する37A4細胞株由来のプロテインA精製されたIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチドの調製における、主要なIL−13Rα2.Fc融合ポリペプチド種の相対分布に対する、4℃で6日間の保管の効果のグラフ図である。 図7は、6df3親細胞株およびIL−13を同時発現する37A4細胞株由来のプロテインA精製された調製物の組成物を示すSDS−PAGEゲルである。 図8Aは、IL−13の非存在下、野生型ヒトIL−13、R127DヒトIL−13およびR127PヒトIL−13の存在下で37℃もしくは31℃における同時発現後、9日目の条件培地の中のHMW1形態、HMW2形態およびダイマーヒトs13Rα2.Fc形態の相対量を示すヒストグラムである。各データセットについて、ヒストグラムの順序は、(左から右へ)HMW1形態、HMW2形態そしてダイマー形態の量を表す。 図8Bは、野生型ヒトIL−13、R127DヒトIL−13もしくはR127PヒトIL−13の存在下のヒトs13Rα2.Fcの発現後、増加する塩化マグネシウムの濃度において検出したIL−13レベル(SDSを用いた可溶化の後に検出されたIL−13レベルに対して正規化されたパーセントとして表される)を示すグラフ図である。

Claims (38)

  1. インターロイキン13(IL−13)アンタゴニストポリペプチドを産生する方法であって、該方法は、
    宿主細胞を含む培養培地を提供する工程であって、該宿主細胞は、該IL−13アンタゴニストポリペプチドをコードする核酸を発現し、該宿主細胞は、該IL−13アンタゴニストポリペプチドについての複合体化ポリペプチドをコードする核酸を発現する、工程;
    該宿主細胞を、該IL−13アンタゴニストポリペプチドの発現と該複合体化ポリペプチドの発現とを可能にする条件下で培養する工程;および
    該IL−13アンタゴニストポリペプチドを該培養培地から回収し、それによって該IL−13アンタゴニストポリペプチドを産生する、工程、
    を包含する、方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、前記複合体化ポリペプチドは、IL−13である、方法。
  3. 請求項1に記載の方法であって、前記複合体化ポリペプチドは、配列番号17のヒトIL−13ポリペプチドのアミノ酸配列を含むか、または配列番号17の改変体アミノ酸配列を含み、該改変体アミノ酸配列において、アミノ酸126におけるアルギニンがアスパラギン酸、グルタミン酸、もしくはプロリンで置換されている、方法。
  4. 請求項1に記載の方法であって、前記複合体化ポリペプチドは、IL−6である、方法。
  5. 請求項1に記載の方法であって、前記IL−13アンタゴニストポリペプチドをコードする核酸は、前記宿主細胞にとって外因性核酸である、方法。
  6. 請求項5に記載の方法であって、前記外因性核酸を前記宿主細胞中に導入する工程をさらに包含する、方法。
  7. 請求項1に記載の方法であって、前記複合体化ポリペプチドをコードする核酸は、外因性核酸である、方法。
  8. 請求項7に記載の方法であって、前記外因性核酸を前記宿主細胞中に導入する工程をさらに包含する、方法。
  9. 請求項1に記載の方法であって、前記IL−13アンタゴニストポリペプチドが前記複合体化ポリペプチドの非存在下で発現される場合よりも、該IL−13アンタゴニストポリペプチドが該複合体化ポリペプチドと共に発現される場合の方が、多くのIL−13アンタゴニストポリペプチドが回収される、方法。
  10. 請求項1に記載の方法であって、前記宿主細胞は、前記IL−13アンタゴニストポリペプチドおよび前記複合体化ポリペプチドをコードする核酸を発現する場合に、約29℃から約39℃までの温度で培養される、方法。
  11. 請求項1に記載の方法であって、前記IL−13アンタゴニストポリペプチドおよび前記複合体化ポリペプチドをコードする核酸を発現する場合に、前記宿主細胞における該IL−13アンタゴニストポリペプチドの発現は、約31℃の温度で実行される、方法。
  12. 請求項1に記載の方法であって、前記IL−13アンタゴニストポリペプチドおよび前記複合体化ポリペプチドをコードする核酸を発現する場合に、前記宿主細胞における該IL−13アンタゴニストポリペプチドの発現は、約37℃の温度で実行される、方法。
  13. 請求項1に記載の方法であって、前記宿主細胞は、安定的にトランスフェクトされた細胞である、方法。
  14. 請求項1に記載の方法であって、前記宿主細胞は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞である、方法。
  15. 請求項1に記載の方法であって、前記宿主細胞は、一過性にトランスフェクトされた細胞である、方法。
  16. 請求項15に記載の方法であって、前記宿主細胞は、COS細胞である、方法。
  17. 請求項1に記載の方法であって、前記IL−13アンタゴニストポリペプチドは、免疫グロブリンポリペプチドの少なくとも一部と融合したIL−13レセプターポリペプチドの細胞外部分を含む、方法。
  18. 請求項17に記載の方法であって、前記IL−13レセプターポリペプチドは、IL−13Rα2ポリペプチドである、方法。
  19. 請求項18に記載の方法であって、前記IL−13アンタゴニストポリペプチドは、免疫グロブリンγ1ポリペプチドのFc領域を含む、方法。
  20. 請求項19に記載の方法であって、前記IL−13アンタゴニストポリペプチドは、IL−13Rα.2Fcである、方法。
  21. 請求項1に記載の方法であって、前記IL−13アンタゴニストポリペプチドについての複合体化ポリペプチドは、IL−13ポリペプチドのIL−13レセプター結合フラグメントである、方法。
  22. 請求項1に記載の方法であって、前記IL−13アンタゴニストポリペプチドについての複合体化ポリペプチドは、天然に存在しないIL−13ポリペプチドのアミノ酸配列を含む、方法。
  23. 請求項1に記載の方法であって、前記IL−13アンタゴニストポリペプチドについての複合体化ポリペプチドは、IL−13レセプターポリペプチドに対する抗体である、方法。
  24. 請求項1に記載の方法であって、前記発現されたIL−13アンタゴニストポリペプチドの凝集は、前記IL−13ポリペプチドについての複合体化ポリペプチドをコードする核酸を発現していない宿主細胞において発現された該IL−13アンタゴニストポリペプチドの凝集と比較して、減少される、方法。
  25. 請求項24に記載の方法であって、前記発現されたIL−13アンタゴニストポリペプチドの凝集は、前記IL−13ポリペプチドについての複合体化ポリペプチドをコードする核酸を発現していない宿主細胞において発現された該IL−13アンタゴニストポリペプチドの凝集と比較して、少なくとも約10%減少される、方法。
  26. 請求項24に記載の方法であって、前記発現されたIL−13アンタゴニストポリペプチドの凝集は、前記IL−13ポリペプチドについての複合体化ポリペプチドをコードする核酸を発現していない宿主細胞において発現された該IL−13アンタゴニストポリペプチドの凝集と比較して、少なくとも約30%減少される、方法。
  27. 請求項24に記載の方法であって、前記発現されたIL−13アンタゴニストポリペプチドの凝集は、前記IL−13ポリペプチドについての複合体化ポリペプチドをコードする核酸を発現していない宿主細胞において発現された該IL−13アンタゴニストポリペプチドの凝集と比較して、少なくとも約90%減少される、方法。
  28. 請求項1の方法によって産生されたIL−13アンタゴニストポリペプチドと薬学的に受容可能なキャリアとを含む、薬学的組成物。
  29. 患者のIL−13のレベルを減少する方法であって、該方法は、該患者に、治療有効量の請求項28に記載の組成物を投与する工程を包含する、方法。
  30. IL−13 Rα2.Fcポリペプチドを産生する方法であって、該方法は、
    細胞を含む培養培地を提供する工程であって、該細胞は、該IL−13 Rα2.Fcポリペプチドをコードする核酸を発現し、該細胞は、該IL−13 Rα2.Fcポリペプチドについての複合体化ポリペプチドをコードする核酸を発現する、工程;
    該細胞を、該IL−13 Rα2.Fcポリペプチドの発現と該複合体化ポリペプチドの発現とを可能にする条件下で培養する工程;および
    該IL−13 Rα2.Fcポリペプチドを該培養培地から回収し、それによって該IL−13 Rα2.Fcポリペプチドを産生する、工程、
    を包含する、方法。
  31. IL−13 Rα2.Fcポリペプチドを産生する方法であって、該方法は、
    細胞を含む培養培地を提供する工程であって、該細胞は、該IL−13 Rα2.Fcポリペプチドをコードする核酸を発現し、該細胞は、IL−13ポリペプチドをコードする核酸を発現する、工程;
    該細胞を、該IL−13 Rα2.Fcポリペプチドの発現と該IL−13ポリペプチドの発現とを可能にする条件下で培養する工程;および
    該IL−13 Rα2.Fcポリペプチドを該培養培地から回収し、それによって該IL−13 Rα2.Fcポリペプチドを産生する、工程、
    を包含する、方法。
  32. 請求項1に記載の方法であって、前記IL−13 Rα2.FcポリペプチドがIL−13の非存在下で発現される場合よりも、該IL−13 Rα2.FcポリペプチドがIL−13と共に発現される場合の方が、多くのIL−13 Rα2.Fcポリペプチドが回収される、方法。
  33. 請求項31に記載の方法によって産生されたIL−13 Rα2.Fcポリペプチドと薬学的に受容可能なキャリアとを含む、薬学的組成物。
  34. 患者のサイトカインのレベルを減少する方法であって、該方法は、該患者に、治療有効量の請求項33に記載の組成物を投与する工程を包含する、方法。
  35. 可溶性IL−13アンタゴニストポリペプチドの精製された調製物であって、該可溶性IL−13アンタゴニストポリペプチドのうちの少なくとも40%は、4℃にて少なくとも1週間のインキュベーションの後に、モノマー形態もしくはダイマー形態で存在する、調製物。
  36. 請求項35に記載の調製物であって、前記可溶性IL−13アンタゴニストポリペプチドのうちの少なくとも60%は、4℃にて少なくとも1週間のインキュベーションの後に、モノマー形態もしくはダイマー形態で存在する、調製物。
  37. 請求項35に記載の調製物であって、前記可溶性IL−13アンタゴニストポリペプチドのうちの少なくとも80%は、4℃にて少なくとも1週間のインキュベーションの後に、モノマー形態もしくはダイマー形態で存在する、調製物。
  38. 請求項35に記載の調製物であって、前記可溶性IL−13アンタゴニストポリペプチドのうちの少なくとも90%は、4℃にて少なくとも1週間のインキュベーションの後に、モノマー形態もしくはダイマー形態で存在する、調製物。
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