JP2007528228A - 脂質システムの生体高分子カプセル化および安定化、ならびにそれを利用する方法 - Google Patents
脂質システムの生体高分子カプセル化および安定化、ならびにそれを利用する方法 Download PDFInfo
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Abstract
実質的に疎水性の食品グレード成分と、少なくとも1種類の乳化剤成分と、1種または複数種の高分子成分と、を含有するエマルジョンシステム、ならびに脂肪および油成分の消化を制御する方法が提供され、乳化剤成分と高分子成分のうちの少なくとも1つが、非消化性食物繊維などの実質的に非消化性の食品グレード材料を含む。乳化剤成分および/または高分子成分は、界面膜全体が、ヒトおよび/または動物に対して非消化性であるように選択される。
Description
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2004年3月11日出願の出願番号60/552,165からの優先権特典を請求する。
アメリカ合衆国政府は、米国農務省のNRI Competitive Grants ProgramおよびCREES、IFAFS Programからの特許付与No.2002−35503−12296に準じて、本発明に対する特定の権利を有する。
アメリカ合衆国政府は、米国農務省のNRI Competitive Grants ProgramおよびCREES、IFAFS Programからの特許付与No.2002−35503−12296に準じて、本発明に対する特定の権利を有する。
本発明は、消化中の分解に対して不透過性の界面膜を有する、環境上安定なエマルジョンシステム中に提供されるカプセル化された液体成分、およびそれから製造される低脂肪および/または低カロリー食品を提供する方法に関する。
脂肪および油の過剰摂取は、肥満症、循環器疾患、高血圧症および癌などのヒトの様々な健康問題を引き起こすことは十分に確立されている。例えば、米国における肥満症の有病率は、過去十年間に30%以上増加している。これらの疾患は、関係する個人の生活の質をかなり低下させ、かつ全体的に見て社会に大きな経済的負担をかける。したがって、脂肪から摂取されるカロリーの割合を減らすことを目的に、脂肪および油の過剰摂取に伴う健康リスクについて人々を教育する多くの努力がなされている。食品業界は、多くの脂肪分の多い食品の低減脂肪、低脂肪または無脂肪タイプを開発および奨励することによって、この主要な健康問題に対応している。現在、低脂肪製品の製造は、食品品業界の主要な部門である。
それにもかかわらず、この種類の製品にまつわることが多い、望ましくない品質特性のために、多くの消費者が、食事に低脂肪製品を取り入れない。従来から、脂肪代替品(例えば、Olestra(商標))、低カロリー脂肪(例えば、Salatrim(商標)、Caprenin(商標))、脂肪擬似物(例えば、マルトデキストリン、生体高分子、Simplesse(商標))および脂肪増量剤などの多種多様な異なる技術が開発されている。これらの技術のそれぞれが、それ自体の利点および不利点を有し、有効な脂肪代替え方策では一般に、望ましい品質特性を有する最終製品を得るために、異なる機能特性を有する多くの脂肪代替物(fat replacer)を組み合わせることが必要とされる。
したがって、消費者にとってより望ましい品質特性を有する低脂肪製品を開発する必要に迫られている。食品において味、食感、外観および賞味期限を保持する低脂肪および/または低カロリー食品に食用油を組み込む必要があるだけでなく、高温、凍結融解サイクル、高ミネラル含有量、および機械攪拌などの、水中油型エマルジョンの不安定性を本質的に促進する環境条件に耐えることができる方法で油を提供しなければならない。
さらに、脂質の過剰摂取は、ネコおよびイヌなどの多くの家畜にとって重要な問題でもあり、そのため、ペットフードに使用することもできる技術を特定する取り組みがなされている。
発明の概要
前述のことに鑑み、本発明の目的は、少なくとも1つの不透過性および/または非消化性膜内でカプセル化された広範囲の脂質成分、およびその製造方法および低カロリーおよび/または低脂肪食品におけるその使用方法を提供することであり、それによって、上述のことを含む、従来技術の様々な欠陥および欠点が克服される。
発明の概要
前述のことに鑑み、本発明の目的は、少なくとも1つの不透過性および/または非消化性膜内でカプセル化された広範囲の脂質成分、およびその製造方法および低カロリーおよび/または低脂肪食品におけるその使用方法を提供することであり、それによって、上述のことを含む、従来技術の様々な欠陥および欠点が克服される。
脂質鋳型の物理化学的性質および感覚性を有するカプセル化脂質成分を提供し、それによって、脂肪調整なしまたはカロリー調整なしの食品の食感、味、安定性および外観を維持すると同時に、低カロリーおよび/または低脂肪食品中にかかるカプセル化脂質を組み込むことを可能とすることが本発明の目的である。
本発明の関連する目的は、ヒトまたは動物の消化器系への脂質成分の消化および/または吸収を制御するために、少なくとも1つの非消化性ポリマー/繊維成分を任意に含有する、単層または多層界面膜(1つまたは複数)のいずれかにおいて油、脂肪および/または脂質をカプセル化することである。
本発明の他の目的は、かかるカプセル化脂質成分を含む様々な安定化エマルジョンシステムを提供することであり、そのエマルジョンシステムは、高温、凍結融解サイクル、高ミネラル含有量、および機械攪拌および/または低カロリー/低脂肪食品に必要な環境条件に対して環境的に安定性である。
本発明の他の目的は、非消化性脂質成分を製造し、食品の加工および最終用途の要求条件に応じて少なくとも1種類の乳化剤成分を選択すること含み、かつ多種多様な食品および/または飲料にエマルジョンシステムを組み込むことを含む、エマルジョンシステムを具体的に設計する方法を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、可消化脂肪、カロリーまたはコレステロールを製品に添加することなく、製品の味、食感、外観および/または賞味期限を向上させるために、食品、飲料または医薬品を脂質強化し(lipid fortification)、それによって、製品の不溶性繊維含有量も増加するプロセスを提供することである。
したがって、本発明の目的は、種々のカプセル化脂質成分、安定化されたエマルジョンシステム、およびそれから製造される低脂肪/カロリー食品および/または飲料製品を提供することであり、それによって、上記のことを含む従来技術の種々の欠陥および欠点が克服される。本発明の1つまたは複数の態様によって特定の目的を達成することができ、1つまたは複数の態様が他の特定の目的を導くことは、当業者には理解されるだろう。すべての場合において、それぞれの目的が、本発明のすべての態様に等しく当てはまるわけではない。したがって、これらの目的および他の目的は、本発明のいずれか1つの態様に関する代替案において考察することができる。
本発明の他の目的、特徴、特典および利点は、この概要および好ましい実施形態の説明において明らかであり、食品科学および食品工学の分野における知識および経験を有する当業者には容易に理解されよう。かかる目的、特徴、特典および利点は、付随的な実施例、データおよびそれから導かれるすべての妥当な推論と共に解釈される上述のことから明らかであるだろう。
本発明の組成物および/または方法の目的では、「非消化性」という用語は、本明細書に記載の条件に実質的に対応する条件下にて、消化管への消化分解、吸収および/または摂取に対して実質的に抵抗性のある成分を意味することを理解されたい。
さらに、「食物繊維」および「非消化性繊維」という用語は、本明細書に記載の条件に実質的に対応する条件下にて、消化分解を防ぐ、または消化分解に対して抵抗性である、乳化剤成分および高分子成分を意味することを理解されたい。
したがって、本発明は一部、実質的に疎水性の成分と、少なくとも1種類の乳化成分と、1種または複数種の高分子成分と、を含む組成物であって、乳化剤成分および高分子成分のうち少なくとも1つが、実質的に非消化性の食品用材料を含む、組成物に関する。特に、乳化剤成分および/または高分子成分は、界面膜全体がヒトおよび/または動物に対して非消化性であるように選択される。特定の実施形態において、乳化剤および/または1つまたは複数種の高分子成分が、任意に疎水性成分に対して不透過性の非消化性食物繊維を含み得る。本発明のより広い態様と一致して、かかる組成物は、いずれかの食品用材料の複数の界面層を含むことができ、各層は、隣接するかかる材料の少なくとも一部の電荷と逆の実効電荷を保持する。
疎水性成分は、水性媒体に少なくとも部分的に不溶性であり、かつ/または水性媒体中でエマルジョンを形成することができる。好ましくは、疎水性成分は、限定されないが、当業者に公知のいずれかの食べられる食品(edible food)(例えば、コーン、ダイズ、カノーラ、ナタネ、オリーブ、ラッカセイ、藻類、堅果および/または植物油、魚油またはその組み合わせ)など、脂肪または油成分を含む。疎水性成分は、水素化または部分水素化された脂肪および/または油から選択することができ、かつ例えば乳脂肪などのいずれかの牛乳または動物脂肪または油を含み得る。さらに、疎水性成分は、香味、保存剤および/または栄養成分などの成分、例えばそれと少なくとも部分的に混和性である脂肪可溶性ビタミンをさらに含み得る。
本発明のより広い態様と一致して、所定の食品または飲料最終用途に必要とされるように、疎水性成分はさらに、限定されないが、脂肪酸(飽和または不飽和)、グリセロール、グリセリドおよびそれらそれぞれの誘導体、リン脂質およびそれらそれぞれの誘導体、糖脂質、植物ステロールおよび/またはステロールエステル(例えば、コレステロールエステル、植物ステロールエステルおよびその誘導体)、カロテノイド、テルペン、酸化防止剤、着色剤、および/または香味油(例えば、ペパーミント、シトラス、ココナツ、またはバニラ)などの天然および/または合成脂質成分を含み得ることは容易に理解されるだろう。したがって、本発明は、一定範囲の炭化水素(芳香族、飽和または不飽和)、アルコール、アルデヒド、ケトン、酸および/またはアミン部位または官能基を含む、様々な分子量の広範囲の油/脂肪および/または脂質成分を企図する。
乳化剤成分は、水相中で疎水性成分を少なくとも部分的に乳化することができる、当業者に公知の食品グレードの表面活性成分、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤および/または非イオン性界面活性剤を含み得る。乳化剤成分としては、小分子界面活性剤、リン脂質、タンパク質および多糖類が挙げられる。さらに、かかる乳化剤は、限定されないが、レシチン、キトサン、ペクチン、ゴム(例えば、イナゴマメゴム、アラビアゴム、ガーゴム等)、アルギン酸、アルジネートおよびその誘導体、およびセルロースおよびその誘導体を含み得る。タンパク質乳化剤は、乳タンパク質、野菜タンパク質、肉タンパク質、魚タンパク質、植物タンパク質、オボアルブミン、糖タンパク質、ムコタンパク質、リンタンパク質、血清アルブミン、コラーゲンおよびその組み合わせのうちのいずれか1つを含み得る。疎水性成分の周りの界面膜の全実効電荷を最適化し、したがって、得られたエマルジョンシステム中の疎水性成分の安定性が最適化されるように、そのアミノ酸残基(例えば、リジン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸等)に基づいて、タンパク質乳化成分が選択される。
実際には、乳化剤成分は、例えば、モノグリセリドの酢酸エステル(ACTEM)、モノグリセリドの乳酸エステル(LACTEM)、モノグリセリドのクエン酸エステル(CITREM)、モノグリセリドのジアセチル酸エステル(DATEM)、モノグリセリドののコハク酸エステル、ポリグリセロールポリリシノエート、脂肪酸のソルビタンエステル、脂肪酸のプロピレングリコールエステル、脂肪酸のショ糖エステル、モノおよびジグリセリド、フルーツ酸エステル、ステアロイルラクチレート、ポリソルベート、デンプン、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)および/またはその組み合わせなど、広範囲の乳化剤を含み得る。
好ましくは、乳化剤の能力に基づいて、ヒトまたは動物の消化器系によって少なくとも一部非消化性であり、かつ特定の食品に関係する必要な環境および/または処理条件下にてエマルジョン安定性を提供する、界面膜が形成されるように、乳化剤の選択が行われる。さらに、乳化剤成分は、均質化中に液体粒子のサイズを最小限にするように選択される。任意に、乳化剤の選択は、費用、利用の容易さ、処理必要条件、他の成分との相溶性、環境感受性および供給の確実性によって影響を受ける。
上述のように、高分子成分は、吸着、相互作用し、かつ/または疎水性成分液体粒子および/または下の隣接層に結合することができる、食品グレードの高分子材料を含み得る。したがって、食品グレード高分子成分は、限定されないが、タンパク質、イオン性またはイオン化可能な多糖類、例えばキトサンおよび/またはキトサンスルフェート、セルロース、ペクチン、アルジネート、核酸、グリコーゲン、アミロース、キチン、ポリヌクレオチド、アラビアゴム、アカシアゴム、カラゲナン、キサンタンガム、寒天、ジェランガム、トラガカントゴム、カラヤゴム、イナゴマメゴム、リグニンおよび/またはその組み合わせから選択される生体高分子であることができる。代替方法としては、食品グレードの高分子成分は、化工デンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルデキストランまたはリグニンスルホネートなどの変性ポリマーから選択することができる。
特定の実施形態において、疎水性成分をカプセル化するために使用される、乳化剤成分および食品グレード高分子成分のうちの少なくとも1つが、表面活性の非食用/非消化性食品グレード要素または成分を含み、その非消化性成分は、疎水性成分を囲む界面膜を形成することができ、体内の溶液条件(solution condition)および消化酵素によって実質的に影響されず、そのため、消化管内への吸収、摂取および/または放出が阻止される。好ましくは、非消化性食品グレードの成分は、非消化性繊維成分である。かかる成分としては、限定されないが、当業者に公知のいずれかの可溶性、部分可溶性、不溶性、粘性および/または発酵性食物繊維が挙げられる。食物繊維成分としては、限定されないが、多糖類、例えばキトサン、セルロースおよびその誘導体、メチルセルロース、イヌリンおよびその誘導体、リグニン、アミノ多糖類、ゴムおよび/またはその組み合わせが挙げられる。乳化剤成分および/または食品グレード高分子成分はさらに、当業者に公知のいずれかの表面活性非消化性の食品グレード食物繊維を含み得る。
任意に、疎水性成分は、共有結合型タンパク質−多糖類複合体を含む単一層/膜によって安定化することができる。例えば、乳化剤および高分子成分のうちの少なくとも1つが、タンパク質と多糖類とのメイラード反応生成物を含み得る。例えば、Benichow, et al., Protein-Polysaccharide Interactions for Stabilization of Food Emulsions. J. Disp. Sci. Tech. 2002, 23, 93;およびMoon, et al., Emulsifying Properties of Bovine Serum Albumin-Galactomannan Conjugates. J. Agric. Food Chem. 2003, 51, 1049を参照のこと。タンパク質が表面活性であり、多糖類が非消化性食物繊維である場合には、本発明の組成物は、かかる抱合体(conjugate)を単一界面膜として含むことができ、本明細書の他の部分で記述される種類の特典および利点が提供される。したがって、本発明のより広い態様に一致して、組成物は、疎水性成分−水性界面に吸着することができ、かつ/または水性媒体に疎水性成分を少なくとも部分的に分散することができる、限定されないが、脂質−多糖類複合体など、共有結合型変性(covalent alteration)の食物繊維および/または非消化性食品グレード成分の単層を含み得る。
本発明は、ヒトおよび特定の動物の消化器系に対して非消化性であり、かつ特定の食品に適用可能な環境条件または最終用途条件下で安定性である、油/脂肪および/または脂質を含む界面システムを形成する、界面層の組み合わせおよび数を企図する。したがって、疎水性成分は、pH、イオン強度、塩濃度、疎水性成分がその中に組み込まれるエマルジョンシステム/食品の温度および加工条件に応じて、多種多様な乳化剤/高分子成分でカプセル化し、かつ/または固定化することができる。本発明で使用される乳化剤/高分子成分については、かかる成分が実質的に安定なエマルジョンシステムを形成することができ、かつ/または静電気的に、または疎水性相互作用、水素結合および/または双極子−双極子相互作用などの他の相互作用によって、他の成分と実質的に安定な複合体を形成する能力を有するという条件で、制限はなく、特定の実施形態では、非消化性界面膜を提供する。例えば、所定の最終用途に応じて、逆に帯電した乳化剤/高分子成分の所望の数の界面層を組み込むことによって、より大きな(またはより小さな)多層組成物が得られる。
結果として、本発明の組成物は、特定の食品および/または最終用途に応じて、消化性または透過性に関係なく、単一または多界面成分を含み得る。例えば、特定の食品および用途は、カロリーおよび香味両方の事項を包含する。本発明は、非消化性食物繊維を含む、1種または複数種の実質的に不透過性の界面成分でカプセル化された可消化脂肪/油成分、ならびに1種または複数種のかかる界面成分によって安定化されているが、食品または用途に所望の香味を付与するのに十分な透過度を有する疎水性香味成分に関する両方の問題に対処することができる。かかる事項は、様々な透過度を有する同一または同等の乳化剤および/または高分子成分を使用して、またはその代わりに、同一製品または用途内に異なるエマルジョンシステムを組み込むことによって、かかる事項に対処することができる。
したがって、本発明は一部、水性媒体中に少なくとも部分的に分散された、少なくとも1つの単層または多層組成物を含有するエマルジョンシステムにも関する。制限されることなく、上述の実施形態の他に、多層組成物は、実効電荷を有する乳化剤成分によって乳化された疎水性成分と、乳化剤成分の少なくとも一部と逆の、または隣接する高分子成分の少なくとも一部と逆の全実効電荷を有する、1種または複数種の食品グレード高分子成分および/または食品グレード材料と、を含むことができる。エマルジョンシステムは、水性媒体に関係なく、本明細書に記載のいずれかの疎水性成分(例えば、脂肪、油および/または脂質)、乳化剤および/または高分子成分を含み得る。したがって、本発明は、本明細書における他の箇所で記載の種類の範囲のエマルジョン型食品と組み合わせて使用することができ、かかる製品としては、限定されないが、サラダドレッシング、ヨーグルト、ソース、スープ、ディップ(dip)、クリーム、乳または大豆飲料、グレービーソース、ペットフード等が挙げられる。
このように、本発明は一部、疎水性成分を提供し、その疎水性成分を乳化剤成分で乳化することを含む、実質的に非消化性の多層組成物を製造する方法であって、乳化剤成分の少なくとも一部が実効電荷を有する方法を含む。この方法はさらに、食品グレード高分子成分の複数の層を組み込むことを含むことができ、その少なくとも一部が、乳化剤成分および/または予め適用されている食品グレード高分子成分の実効電荷と逆の実効電荷を含む。したがって、特定の実施形態において、多層組成物の組立ては、組成物表面上に、逆に帯電した乳化剤および/または食品グレード高分子成分を交互に接触させる、または吸着させることによって行うことができ、各層は、続いて吸着または接触させられる、下の層と静電相互作用状態にある。この方法は任意に、形成された凝集またはフロックを破壊するために、多層組成物を機械攪拌および/または音波処理することを含む。
疎水性成分としては、本明細書に記載の成分が挙げられ、荷電または非荷電成分である。その後の層に使用される乳化剤成分および/または食品グレード高分子成分は、本明細書に記載の材料のうちのいずれか1つまたは複数であることができ、各層は、所望の実効電荷作用を提供し、かつ/または疎水性成分、続いて接触される層またはその両方と相互作用することができる、1種または複数種の乳化剤および/または食品グレード高分子成分または成分の混合物を含む。
制限されることなく、食物繊維を含有する多層成分界面膜によって安定化されるエマルジョンは、3つの方法:(1)油相および水相を均質化する前に、システム中に乳化剤および/または高分子成分を組み込む;(2)油相および水相を均質化した後に、システム中に乳化剤および/または高分子成分を組み込む;(3)油相および水相を均質化する間に、システム中に乳化剤および/または高分子成分を組み込む;のうちの1つによって製造することができる。
第2の場合では、多段階プロセスを使用して、エマルジョンを製造することができる(図1参照)。例えば、以下の手順を用いて、3つの層(例えば、乳化剤−生体高分子1−生体高分子2)によって被覆されたエマルジョンを形成することができる。最初に、油、水相およびイオン乳化剤を共に均質化することによって、乳化剤の層によって安定化された、帯電液体粒子を含有する第1エマルジョンを製造することができる。必要であれば、第1エマルジョンを機械攪拌または音波処理にかけて、形成したフロックを破壊することができ、エマルジョンの洗浄を行って、吸着されていない生体高分子を除去する(例えば、遠心または濾過によって)。第2に、生体高分子1を第1エマルジョンに組み込むことによって、乳化剤−生体高分子1膜によって安定化された帯電液体粒子を含有する第2エマルジョンを形成することができる。生体高分子1は、第1エマルジョンにおける液体粒子の少なくとも一部の実効電荷と逆の電荷を有する。必要であれば、第2エマルジョンを機械攪拌または音波処理にかけて、形成したフロックを破壊することができ、エマルジョンの洗浄を行って、吸着されていない生体高分子を除去する(例えば、遠心または濾過によって)。第3に、生体高分子2を第2エマルジョンに組み込むことによって、乳化剤−生体高分子1−生体高分子2の界面膜により安定化された液体粒子を含有する第3エマルジョンを形成することができる。生体高分子2は、第2エマルジョンにおける液体粒子の少なくとも一部の実効電荷と逆の電荷を有する。必要であれば、第3エマルジョンを機械攪拌または音波処理にかけて、形成したフロックを破壊することができ、エマルジョンの洗浄を行って、吸着されていない生体高分子を除去する(例えば、遠心または濾過によって)。この手順を続けて、界面膜に更なる層を加えることができる。層のうち少なくとも1つは、実質的に非消化性の食物繊維を含み、かつ/または液体粒子を囲む多層膜全体が実質的に非消化性である。
例えば、以下の実施例に関連して、食品グレード成分(レシチン、キトサン、ペクチン)および標準的製造手順(均質化、混合)を使用する方法を用いて、3層被覆脂質液体粒子を含有するエマルジョンを製造した。最初に、油、水およびレシチンを均質化することによって、小さなアニオンカプセルを含有する第1エマルジョンを製造した。次いで、キトサン溶液を第1エマルジョンと混合し、機械攪拌にかけて、形成したフロックを破壊することによって、レシチン−キトサン膜で被覆されたカチオンカプセルを含有する第2エマルジョンを製造した。次いで、ペクチン溶液を第2エマルジョンと混合し、機械攪拌にかけて、形成したフロックを破壊することによって、レシチン−キトサン−ペクチン膜で被覆されたアニオンカプセルを含有する第3エマルジョンを製造した。第3エマルジョンにおけるカプセルは、広範囲のpH値(0mM NaClでpH4〜8、100mM NaClでpH3〜8)にわたって凝集およびクリーミングに対して優れた安定性を有した。
さらに、実施例6Aおよび6Bに関連して、胆汁(pH5.3)をシステムに添加した後でさえ、SDS−キトサン−ペクチン膜により安定化された油液体粒子を含有するエマルジョン組成物は、消化中インタクト(intact)なままである。pHをpH7.5に調節した場合に、光学顕微鏡法によって、広範囲の凝集が認められ、油液体粒子は、食物繊維マトリックス内に固定化されていることが確認された。したがって、非消化性多糖類成分などの少なくとも1種類の実質的に非消化性の食品グレード成分を含有する界面膜は、疎水性成分、特に脂質成分を消化から保護するのに有用なだけでなく、凍結および加熱などの環境ストレスに対するエマルジョンの安定性を高めるのにも有用である。
本発明は一部、脂肪およびカロリーの消化および/または摂取を制御するために、カプセル化または乳化脂質組成物を使用する方法にも関し、かかる方法は、(1)少なくとも1種類の非消化性食品グレード成分によりカプセル化された、少なくとも1種類の脂肪/油成分を含有するエマルジョンシステムを提供すること、(2)食品および飲料品のうちの1つにエマルジョンシステムを組み込むこと、を含む。
本明細書に記述されるように、エマルジョンシステムは、1種または複数種の非消化性表面活性食物繊維成分を脂肪/油成分と接触させることによって、または代替方法としては、そのうちの少なくとも1つが非消化性食物繊維成分および/または非消化性食品グレード材料も含む、1種または複数種の乳化剤および/または高分子成分を接触させることによって、製造することができる。エマルジョンは、適切な環境条件下で安定化され、それによって、脂質、繊維、乳化剤および/または高分子成分は、食品および/または飲料品の加工および最終用途に適した温度、pH、塩濃度、およびイオン強度に基づいて、選択される。さらに、脂質成分をカプセル化する各界面膜について成分の広範囲の選択肢があり、そのため、カプセル化脂質の物理化学的性質および感覚性を変化させない材料を選択することが可能となり、製品の味、外観、食感および安定性に影響を及ぼすことなく、かかるカプセル化脂質を容易に、食品および飲料品に代用することが可能となる。
カプセル化脂質成分の界面膜の少なくとも1つが非消化性食品グレード材料であることから、脂質成分は食品または飲料品に組み込まれたとしても、消化(消化酵素による分解、および消化器系によるその後の吸収)に利用されないだろう。したがって、従来の可消化脂質成分の代わりに、かかるカプセル化脂質を組み込んだ食品または飲料品は、食物繊維のレベルが増加していると同時に、可消化脂肪およびカロリー含有量が著しく低減されている。
カプセル化脂質成分で代用するのに適している、かかる食品または飲料品は、本明細書に記載のいずれかのエマルジョンベースの食料品を含み、または当業者には知られているように、限定されないが、マヨネーズ、パンに塗るもの、飲料、プディング、スープ、コーヒー用クリームの代用品、およびデザート(アイスクリーム等)が挙げられる。しかしながら、この方法は、肉製品、ベーカリー、ケーキ、クッキー、チップスおよびクラッカーなどの他の種類の脂肪含有食品のカロリー含有量を減らすのに使用することもできる。
以下の非制限的な実施例およびデータは、カプセル化脂質複合体の合成および安定化乳化脂質システムおよび食品の合成におけるその使用を含む、本発明の組成物、複合体および方法に関連する種々の態様および特徴を示し、かかる組成物は、本明細書に記載の方法論によって得ることができる。従来技術と比較して、本発明の組成物および方法は、驚くべき、意外な、かつ予想に反する結果およびデータを提供する。当然のことながら、これらの実施例は、実例としてのみ含まれるものであり、本発明は、本明細書に記載の脂質、食物繊維または高分子電解質材料、条件、特性等の特定の組み合わせに制限されないことを理解されたい。本発明の範囲と一致する種々の他の方法論および/または組成の実施形態を用いて、同等な有用性および利点を達成することができる。
一般的方法
粉末キトサン(中程度の分子量;脱アセチル化81%;1重量%酢酸中の1重量%溶液の粘度286Cps;水分4.6重量%;灰分0.5重量%)をAldrich Chemical社(St.Louis,MO)から入手した。粉末レシチン(Ultralec P;アセトン不溶分97.5%;酸価27.9mg/g;過酸化物価0.9mEq/kg;水分0.77重量%)をADM−Lecithin社(Decatur,IL)から入手した。粉末ペクチン(TIC PRETESTED,予め水和されたペクチン,高メトキシル,急速沈澱粉末(rapid set powder))をTIC GUMS社(Belcamp,MD)から入手した。分析グレードの塩化ナトリウム、塩酸、水酸化ナトリウム、および酢酸をSigma Chemical社(St.Louis,MO)から購入した。溶液すべての調製に蒸留および脱イオン水を使用した。
粉末キトサン(中程度の分子量;脱アセチル化81%;1重量%酢酸中の1重量%溶液の粘度286Cps;水分4.6重量%;灰分0.5重量%)をAldrich Chemical社(St.Louis,MO)から入手した。粉末レシチン(Ultralec P;アセトン不溶分97.5%;酸価27.9mg/g;過酸化物価0.9mEq/kg;水分0.77重量%)をADM−Lecithin社(Decatur,IL)から入手した。粉末ペクチン(TIC PRETESTED,予め水和されたペクチン,高メトキシル,急速沈澱粉末(rapid set powder))をTIC GUMS社(Belcamp,MD)から入手した。分析グレードの塩化ナトリウム、塩酸、水酸化ナトリウム、および酢酸をSigma Chemical社(St.Louis,MO)から購入した。溶液すべての調製に蒸留および脱イオン水を使用した。
[溶液の調製]水に100mM酢酸を分散させ、次いで1M HClを使用してpHを3.0に調節することによって、ストックバッファー溶液を調製した。ストックバッファー溶液に0.2重量%粉末キトサンを分散させることによって、キトサン溶液を調製した。ストックバッファー溶液に粉末ペクチン0.4重量%を分散させることによって、ペクチン溶液を調製した。バッファー溶液にレシチン粉末1.0重量%を分散させることによって、乳化剤溶液を調製した。周波数20kHz、振幅40%、デューティサイクル0.5秒で30秒間、乳化剤溶液を超音波処理し(Model500,Sonic Disembrator,Fisher Scientific社,Pittsburgh,PA)、レシチンを分散させた。HClを使用して、その溶液のpHを調節して3.0に戻し、次いで、溶液を約1時間攪拌して、レシチンを完全に溶解させた。
エマルジョンの特徴付け
[粒径の測定]多重散乱作用を防ぐために、バッファー溶液を使用して、エマルジョンを液体粒子濃度約0.005重量%に希釈した。レーザー光散乱装置(Horiba LA−900,Irvine,CA)を使用して、エマルジョンの粒径分布を測定した。この装置は、希釈されたエマルジョンによって散乱されるレーザー光(λ=632.8nm)の強度の角依存性を測定し、次いで、理論的予想と実測との最善の一致を与える粒径分布を見つける。粒径分布の計算では屈折率比1.08を使用した。粒径分布の計算に使用される理論では、粒子が球形かつ均一であると想定しており、したがって、フロックを含有するエマルジョンで得られるデータは、粒子が非球形および非均一であるために注意して処理すべきであることを留意されたい。平均粒径は、少なくとも2つの試料で行われた測定の平均として計算され、標準偏差は10%未満である。
[粒径の測定]多重散乱作用を防ぐために、バッファー溶液を使用して、エマルジョンを液体粒子濃度約0.005重量%に希釈した。レーザー光散乱装置(Horiba LA−900,Irvine,CA)を使用して、エマルジョンの粒径分布を測定した。この装置は、希釈されたエマルジョンによって散乱されるレーザー光(λ=632.8nm)の強度の角依存性を測定し、次いで、理論的予想と実測との最善の一致を与える粒径分布を見つける。粒径分布の計算では屈折率比1.08を使用した。粒径分布の計算に使用される理論では、粒子が球形かつ均一であると想定しており、したがって、フロックを含有するエマルジョンで得られるデータは、粒子が非球形および非均一であるために注意して処理すべきであることを留意されたい。平均粒径は、少なくとも2つの試料で行われた測定の平均として計算され、標準偏差は10%未満である。
[ゼータ電位の測定]多重散乱作用を防ぐために、バッファー溶液を使用して、エマルジョンを液体粒子濃度約0.005重量%に希釈した。希釈されたエマルジョンを粒子電気泳動装置(ZEM5003,Zetamaster,Malvern Instruments社,Worcs.,UK)の測定チャンバに直接注入した。次いで、明確な電場における液体粒子の運動の方向および速度を測定することによって、ゼータ電位を決定した。ゼータ電位の測定値は、別々の注入2回の平均および標準偏差として報告され、注入1回につき5回の測定を行った。
[クリーミング安定性の測定]希釈したエマルジョン(油0.005重量%)の試料約3.5gを1cmパス長分光光度計キュベットに移し、次いで30℃で7日間保存した。次いで、紫外線可視分光光度計(Spectronic 21D,Milton Roy社,Rochester,NY)を使用して、エマルジョンの濁度(600nmでの)を測定した。光線は、キュベット底部から約10mmの高さで、つまりエマルジョンの高さの約30%の高さでエマルジョンを透過した。エマルジョン中の油液体粒子は、重力のために上向きに移動し、それによって、キュベットの底部に比較的透明な、液体粒子が枯渇した乳漿層が形成される。したがって、はっきり認められるほどのエマルジョンの濁度の低下は、乳漿層がエマルジョンの高さの少なくとも30%まで生じたという事実を表すものである。
実施例1
[エマルジョンの調製]高速ブレンダー(M133/1281−0,Biospec Products社,ESGC,Switzerland)において、トウモロコシ油5重量%を乳化剤水溶液95重量%と均質化し、続いて4,000psiで2段階高圧バルブホモジナイザー(LAB 1000,APV−Gaulin社,Wilmington,MA)に2回かけることによって、第1エマルジョンを調製した。第1エマルジョンを適切な量のキトサン溶液およびバッファー溶液と混合して、トウモロコシ油1重量%、レシチン0.2重量%、キトサン0.0155重量%、100mM酢酸(pH3.0)の最終濃度を得ることによって、第2エマルジョンを調製した。周囲温度にて電磁スターラーを使用して、これらのシステムを1時間攪拌した。先に述べられているように(8,9)、このエマルジョンにおいて形成されたフロックを、圧力4000psiにて高圧バルブホモジナイザーにそれを2回かけることによって破壊した。第2エマルジョンをペクチン水溶液で希釈することによって、第3エマルジョンを形成し、異なるペクチン濃度:トウモロコシ油0.5重量%、レシチン0.1重量%、キトサン0.0078重量%、100mM酢酸およびペクチン0〜0.02重量%(pH3.0)を有する一連のエマルジョンを生成した。周囲温度にて電磁スターラーを使用して、これらのシステムを1時間攪拌した。分析前に、第3エマルジョンを室温で24時間保存した。
[エマルジョンの調製]高速ブレンダー(M133/1281−0,Biospec Products社,ESGC,Switzerland)において、トウモロコシ油5重量%を乳化剤水溶液95重量%と均質化し、続いて4,000psiで2段階高圧バルブホモジナイザー(LAB 1000,APV−Gaulin社,Wilmington,MA)に2回かけることによって、第1エマルジョンを調製した。第1エマルジョンを適切な量のキトサン溶液およびバッファー溶液と混合して、トウモロコシ油1重量%、レシチン0.2重量%、キトサン0.0155重量%、100mM酢酸(pH3.0)の最終濃度を得ることによって、第2エマルジョンを調製した。周囲温度にて電磁スターラーを使用して、これらのシステムを1時間攪拌した。先に述べられているように(8,9)、このエマルジョンにおいて形成されたフロックを、圧力4000psiにて高圧バルブホモジナイザーにそれを2回かけることによって破壊した。第2エマルジョンをペクチン水溶液で希釈することによって、第3エマルジョンを形成し、異なるペクチン濃度:トウモロコシ油0.5重量%、レシチン0.1重量%、キトサン0.0078重量%、100mM酢酸およびペクチン0〜0.02重量%(pH3.0)を有する一連のエマルジョンを生成した。周囲温度にて電磁スターラーを使用して、これらのシステムを1時間攪拌した。分析前に、第3エマルジョンを室温で24時間保存した。
実施例2a
[液体粒子電荷へのペクチン濃度の影響]異なるペクチン濃度(0〜0.02重量%)を含有する第3エマルジョン(トウモロコシ油0.5重量%、レシチン0.1重量%、キトサン0.0078重量%、100mM酢酸、pH3.0)の電荷および液体粒子平均直径を測定した。キトサンの非存在下において、第2エマルジョン液体粒子上の電荷は+30mVであり(図2)、レシチン−キトサン膜がpH3で比較的高い正電荷を有することが示されている。エマルジョン中のペクチン濃度が増加するにしたがって、液体粒子上の電荷は、次第に正の電荷が低くなり、最終的に正から負の電荷へと変化した(図2)。ペクチン濃度が約0.003重量%である場合には液体粒子上に実効電荷はなく、そのことから、元の液体粒子上の電荷を中和するのに十分なペクチンが吸着されたことが示されている。ペクチン濃度が0.01重量%を超えると、液体粒子上の負電荷は、−14mVの一定値に達した。
[液体粒子電荷へのペクチン濃度の影響]異なるペクチン濃度(0〜0.02重量%)を含有する第3エマルジョン(トウモロコシ油0.5重量%、レシチン0.1重量%、キトサン0.0078重量%、100mM酢酸、pH3.0)の電荷および液体粒子平均直径を測定した。キトサンの非存在下において、第2エマルジョン液体粒子上の電荷は+30mVであり(図2)、レシチン−キトサン膜がpH3で比較的高い正電荷を有することが示されている。エマルジョン中のペクチン濃度が増加するにしたがって、液体粒子上の電荷は、次第に正の電荷が低くなり、最終的に正から負の電荷へと変化した(図2)。ペクチン濃度が約0.003重量%である場合には液体粒子上に実効電荷はなく、そのことから、元の液体粒子上の電荷を中和するのに十分なペクチンが吸着されたことが示されている。ペクチン濃度が0.01重量%を超えると、液体粒子上の負電荷は、−14mVの一定値に達した。
実施例2b
[粒径へのペクチン濃度の影響]ペクチンを第2エマルジョンと混合して24時間後に、第3エマルジョンの平均粒径を測定した(図3)。エマルジョンは、ペクチンの非存在下において液体粒子の凝集に対して安定性であった。ペクチン濃度0.002〜0.006重量%にて、エマルジョン中で大量の液体粒子凝集が認められた。液体粒子凝集が大量であったため、レーザー回折技術を用いて信頼できる粒子サイズ測定を行うことはできなかった。というのは、凝集塊が非常に大きいか、あるいはその濃度が非常に低く、バックグラウンドのパターンと十分に異なる散乱パターンが得られないためである。こららの試料中の個々の粒子は、目ではっきりと確認することができ、粒子が少なくとも100μmの直径であることが示唆されている。
[粒径へのペクチン濃度の影響]ペクチンを第2エマルジョンと混合して24時間後に、第3エマルジョンの平均粒径を測定した(図3)。エマルジョンは、ペクチンの非存在下において液体粒子の凝集に対して安定性であった。ペクチン濃度0.002〜0.006重量%にて、エマルジョン中で大量の液体粒子凝集が認められた。液体粒子凝集が大量であったため、レーザー回折技術を用いて信頼できる粒子サイズ測定を行うことはできなかった。というのは、凝集塊が非常に大きいか、あるいはその濃度が非常に低く、バックグラウンドのパターンと十分に異なる散乱パターンが得られないためである。こららの試料中の個々の粒子は、目ではっきりと確認することができ、粒子が少なくとも100μmの直径であることが示唆されている。
これらのエマルジョンにおける大量の液体粒子凝集の原因は2つあると考えられる。第一に、液体粒子上の実効電荷の大きさは比較的小さく(<5mV)、したがって、液体粒子間の静電反発力は凝集を防ぐのに十分ではないだろう。第二に、第3層エマルジョンの形成中に2つ以上のエマルジョン液体粒子の表面にペクチン分子が吸着し、このように、液体粒子を結合させるポリマー架橋として働く可能性がある。ペクチン濃度≧0.008〜0.02重量%では、粒径(d32約1.6〜0.9μm)は、キトサンの非存在下で認められる粒径(d32約0.7μm)よりも著しく高く、限られた程度の液体粒子の凝集があることが示されている。しかしながら、ペクチン0.002〜0.006重量%から確認される凝集よりもかなり少ない。多層エマルジョンにおけるフロックは、機械攪拌にかけることによって破壊することができることは、先の研究によって示されている。この研究において、ペクチン0.02重量%を含有する第3エマルジョンを4000psiにて高圧バルブホモジナイザーに2回かけることによって、ペクチンの非存在下で認められる粒径に近似して平均粒径(d32約0.7μm)が低減されることが見出されており、このことから、機械攪拌にかけることによってフロックを破壊することができることが示唆されている。
実施例3a
トウモロコシ油0.5重量%、レシチン0.1重量%、キトサン0.0078重量%、ペクチン0.02重量%、および100mM酢酸(pH3.0)の組成を有する第3エマルジョンを調製した。使用前に、このエマルジョンに形成したフロックを、4000psiにて高圧バルブホモジナイザーに2回かけることによって破壊した。第2および第3エマルジョンを蒸留水またはNaCl溶液で希釈し、次いでHClまたはNaOHでpHを調節することによって、異なるpH(3〜8)およびイオン強度(0または100mM NaCl)を有する一連の希釈エマルジョン(トウモロコシ油約0.005重量%)を形成した。これらのエマルジョンは、さらに希釈する必要なく、レーザー回折、粒子電気泳動および濁度技術によって直接分析することができる。次いで、希釈された第1、第2および第3エマルジョンを室温で1週間保存し、その電荷、液体粒子平均直径およびクリーミング安定性を測定した(図4〜6)。
トウモロコシ油0.5重量%、レシチン0.1重量%、キトサン0.0078重量%、ペクチン0.02重量%、および100mM酢酸(pH3.0)の組成を有する第3エマルジョンを調製した。使用前に、このエマルジョンに形成したフロックを、4000psiにて高圧バルブホモジナイザーに2回かけることによって破壊した。第2および第3エマルジョンを蒸留水またはNaCl溶液で希釈し、次いでHClまたはNaOHでpHを調節することによって、異なるpH(3〜8)およびイオン強度(0または100mM NaCl)を有する一連の希釈エマルジョン(トウモロコシ油約0.005重量%)を形成した。これらのエマルジョンは、さらに希釈する必要なく、レーザー回折、粒子電気泳動および濁度技術によって直接分析することができる。次いで、希釈された第1、第2および第3エマルジョンを室温で1週間保存し、その電荷、液体粒子平均直径およびクリーミング安定性を測定した(図4〜6)。
実施例3b
[液体粒子電荷への影響−第1エマルジョン]。第1エマルジョンにおける液体粒子のゼータ電位は、すべてのpH値で負であったが、低いpHよりも高いpHではかなり負が強かった(図4)。レシチン上のアニオンリン酸基のpKa値が約pH1.5であることから、吸着された少量のレシチン分子がイオン化されるため、液体粒子電荷はおそらく、低いpHでは負が弱い。第1エマルジョンにおける液体粒子上の電荷の大きさは、塩を添加すると減少し、例えば、NaClが0mMから100mMに増加した場合には、ゼータ電位はpH3で−42mVから−13mVへと変化した(図4aおよび4b)。この減少は、静電遮蔽作用が原因であり、その作用によって、イオン強度が増加するにしたがって、コロイド粒子の表面電荷電位が低下する。
[液体粒子電荷への影響−第1エマルジョン]。第1エマルジョンにおける液体粒子のゼータ電位は、すべてのpH値で負であったが、低いpHよりも高いpHではかなり負が強かった(図4)。レシチン上のアニオンリン酸基のpKa値が約pH1.5であることから、吸着された少量のレシチン分子がイオン化されるため、液体粒子電荷はおそらく、低いpHでは負が弱い。第1エマルジョンにおける液体粒子上の電荷の大きさは、塩を添加すると減少し、例えば、NaClが0mMから100mMに増加した場合には、ゼータ電位はpH3で−42mVから−13mVへと変化した(図4aおよび4b)。この減少は、静電遮蔽作用が原因であり、その作用によって、イオン強度が増加するにしたがって、コロイド粒子の表面電荷電位が低下する。
実施例3c
[液体粒子電荷への影響−第2エマルジョン]。アニオンレシチン被覆液体粒子の表面上にカチオンキトサン分子が吸着されるため、第2エマルジョンのゼータ電位は、pH3で高い正であった(約38mV)。pHが高くなるにしたがって、液体粒子上の電荷は正が弱くなり(pH4)、最終的には負となった(pH>5)。pHの増加に伴う液体粒子上の正電荷の減少はおそらく、キトサン上のNH3 +基が脱プロトン化した結果である。これらの基はpK値約6.3〜7を有し、したがって、pHが増加するにしたがって、キトサンは正に帯電しなくなる。キトサンがその正電荷を失うにしたがって、アニオンレシチン分子とカチオンキトサン分子との静電引力が減少する。その結果、キトサン分子は、それより高いpHで液体粒子表面から脱着される可能性があるが、このことは、観察される作用の説明には必要ではない。第2エマルジョンにおける液体粒子上の負電荷は、高いpH(pH6〜8)にて、第1エマルジョンにおける液体粒子上の負電荷よりも著しく低いことは非常に興味深い。考えられる、この現象の解釈は、残りの正電荷をまだ有する液体粒子表面に吸着されたいくらかのキトサンが存在するという解釈である。その代わりとしては、液体粒子表面に吸着キトサンが存在することによって、シュテルン層の厚さが増加し、それによって測定されるゼータ電位が低下する。おそらく、先に記述される静電遮蔽作用のために、NaCl濃度が0から100mMに増加すると、第2エマルジョンにおけるゼータ電位の大きさが減少した。
[液体粒子電荷への影響−第2エマルジョン]。アニオンレシチン被覆液体粒子の表面上にカチオンキトサン分子が吸着されるため、第2エマルジョンのゼータ電位は、pH3で高い正であった(約38mV)。pHが高くなるにしたがって、液体粒子上の電荷は正が弱くなり(pH4)、最終的には負となった(pH>5)。pHの増加に伴う液体粒子上の正電荷の減少はおそらく、キトサン上のNH3 +基が脱プロトン化した結果である。これらの基はpK値約6.3〜7を有し、したがって、pHが増加するにしたがって、キトサンは正に帯電しなくなる。キトサンがその正電荷を失うにしたがって、アニオンレシチン分子とカチオンキトサン分子との静電引力が減少する。その結果、キトサン分子は、それより高いpHで液体粒子表面から脱着される可能性があるが、このことは、観察される作用の説明には必要ではない。第2エマルジョンにおける液体粒子上の負電荷は、高いpH(pH6〜8)にて、第1エマルジョンにおける液体粒子上の負電荷よりも著しく低いことは非常に興味深い。考えられる、この現象の解釈は、残りの正電荷をまだ有する液体粒子表面に吸着されたいくらかのキトサンが存在するという解釈である。その代わりとしては、液体粒子表面に吸着キトサンが存在することによって、シュテルン層の厚さが増加し、それによって測定されるゼータ電位が低下する。おそらく、先に記述される静電遮蔽作用のために、NaCl濃度が0から100mMに増加すると、第2エマルジョンにおけるゼータ電位の大きさが減少した。
実施例3d
[液体粒子電荷への影響−第2エマルジョン]。第3エマルジョンにおけるゼータ電位は、pH3にて塩の非存在下でわずかに正であり(+8mV)、吸着されたペクチン分子上の負電荷が、レシチン−キトサン被覆液体粒子上の高い正電荷(+38mV)に打ち勝つのに不十分であることが示唆されている。ペクチン上のカルボキシル基のpKa値は通常、約pH4〜5であり、したがって、ペクチンは、高いpHよりも低いpHで小さな負電荷を有する。その結果、レシチン−キトサン被覆液体粒子上の正電荷を低減することでのその有効性は、この低いpHでは低下するだろう。興味深いことに、100mM NaClがpH3で存在する場合には、第3エマルジョンの電荷は負(−9mV)であり、そのことから、吸着されたペクチン上の負電荷は、塩の存在下でのレシチン−キトサン被覆液体粒子上のかなり低減された正電荷(+11mV)に打ち勝つのに十分であることが示唆されている。pH≧4では、第3エマルジョンは、塩の存在下および非存在下にてアニオン性であり、そのことは、吸着ペクチン分子上の負電荷が、レシチン−キトサン被覆液体粒子上の正電荷とバランスをとるのに十分すぎるほどであることを示唆している。高いpH値(pH6〜8)では、第3エマルジョンのゼータ電位は、塩の存在下および非存在下において第1エマルジョンにおけるゼータ電位よりも低い負であった。しかしながら、第3エマルジョンのゼータ電位は、塩の非存在下では第2エマルジョンのゼータ電位よりも低い負であったが、塩の存在下では高い負であった。これらの差異の明確な理由は現在不明であるが、pHおよびイオン強度と共に、第1、第2および第3エマルジョンの組成および構造の変化とおそらく関連している。おそらく、静電遮蔽作用のために、塩濃度が0mMから100mM NaClに増加すると、ゼータ電位の大きさが減少した。
[液体粒子電荷への影響−第2エマルジョン]。第3エマルジョンにおけるゼータ電位は、pH3にて塩の非存在下でわずかに正であり(+8mV)、吸着されたペクチン分子上の負電荷が、レシチン−キトサン被覆液体粒子上の高い正電荷(+38mV)に打ち勝つのに不十分であることが示唆されている。ペクチン上のカルボキシル基のpKa値は通常、約pH4〜5であり、したがって、ペクチンは、高いpHよりも低いpHで小さな負電荷を有する。その結果、レシチン−キトサン被覆液体粒子上の正電荷を低減することでのその有効性は、この低いpHでは低下するだろう。興味深いことに、100mM NaClがpH3で存在する場合には、第3エマルジョンの電荷は負(−9mV)であり、そのことから、吸着されたペクチン上の負電荷は、塩の存在下でのレシチン−キトサン被覆液体粒子上のかなり低減された正電荷(+11mV)に打ち勝つのに十分であることが示唆されている。pH≧4では、第3エマルジョンは、塩の存在下および非存在下にてアニオン性であり、そのことは、吸着ペクチン分子上の負電荷が、レシチン−キトサン被覆液体粒子上の正電荷とバランスをとるのに十分すぎるほどであることを示唆している。高いpH値(pH6〜8)では、第3エマルジョンのゼータ電位は、塩の存在下および非存在下において第1エマルジョンにおけるゼータ電位よりも低い負であった。しかしながら、第3エマルジョンのゼータ電位は、塩の非存在下では第2エマルジョンのゼータ電位よりも低い負であったが、塩の存在下では高い負であった。これらの差異の明確な理由は現在不明であるが、pHおよびイオン強度と共に、第1、第2および第3エマルジョンの組成および構造の変化とおそらく関連している。おそらく、静電遮蔽作用のために、塩濃度が0mMから100mM NaClに増加すると、ゼータ電位の大きさが減少した。
実施例4a
[液体粒子凝集への影響−第1エマルジョン]。第1エマルジョンにおける液体粒子は、すべてのpHおよびNaCl値で大量の液体粒子凝集に対して比較的安定性である(図5)。それにもかかわらず、低いpH値(pH3および4)で塩の存在下にて保存されたエマルジョン中の粒子(図5b)は、塩の非存在下で保存されたエマルジョン中の粒子(図5b)よりも著しく大きかった。例えば、pH3では、100mM NaClにて、d32=2.1±0.2μm、0mM NaClにて、0.91±0.09μmであった。低いpHおよび高い塩での液体粒子凝集は、静電遮蔽の増加と相まって、レシチン分子上の電荷の減少によって、液体粒子間の静電反発力が減少したことが理由である。さらに、塩は、極性脂質の有効な頭部グループ(head group)サイズを低減することによって、リン脂質膜の曲率を低減し、それは、エマルジョンにおける液体粒子の合体に有利に働く。
[液体粒子凝集への影響−第1エマルジョン]。第1エマルジョンにおける液体粒子は、すべてのpHおよびNaCl値で大量の液体粒子凝集に対して比較的安定性である(図5)。それにもかかわらず、低いpH値(pH3および4)で塩の存在下にて保存されたエマルジョン中の粒子(図5b)は、塩の非存在下で保存されたエマルジョン中の粒子(図5b)よりも著しく大きかった。例えば、pH3では、100mM NaClにて、d32=2.1±0.2μm、0mM NaClにて、0.91±0.09μmであった。低いpHおよび高い塩での液体粒子凝集は、静電遮蔽の増加と相まって、レシチン分子上の電荷の減少によって、液体粒子間の静電反発力が減少したことが理由である。さらに、塩は、極性脂質の有効な頭部グループ(head group)サイズを低減することによって、リン脂質膜の曲率を低減し、それは、エマルジョンにおける液体粒子の合体に有利に働く。
実施例4b
[液体粒子凝集への影響−第2エマルジョン]。添加NaClの非存在下にて、第2エマルジョン中の液体粒子は、低いpH値(pH3および4)および高いpH値(pH8)で液体粒子凝集に対して比較的安定性であるが、中間のpH値では非常に不安定であった(図5a)。液体粒子上の高い正電荷によって、液体粒子間に強い静電反発力が起こることから、液体粒子はおそらく、pH3では液体粒子凝集に対して安定性であった。pHが高くなるにしたがって、キトサン分子はその正電荷を失い始め(pKa約6.3〜7)、このため、液体粒子上の電荷が減少した。さらに、カチオンキトサン分子とアニオンレシチン分子との静電引力が低減されるであろうことから、キトサン分子は、レシチン被覆液体粒子の表面にそれほど強く保持されないだろう。したがって、キトサン分子のいくつかは、エマルジョン液体粒子の表面から完全または部分的に置き換えられている。次いで、これらのキトサン分子は負に帯電したレシチン被覆液体粒子を結合させるポリマー架橋として働き得る。したがって、架橋性フロキュレーションは、中間のpH値(pH5〜7)で認められる高度な液体粒子凝集の原因であり得る。キトサン分子が正電荷の大部分を失い、したがって、架橋性フロキュレーションの誘導に有効ではないことから、エマルジョンはpH8での液体粒子凝集に対してより安定性となる。100mM NaClの存在下にて、エマルジョンは、低いpH値(pH3および4)でのフロキュレーション対してまだ比較的安定性であるが、それより高いすべてのpH値で不安定性であった。塩を添加した場合に、液体粒子間の静電反発力が十分に遮蔽されることから、pH8のエマルジョンにおいて凝集が起こった。
[液体粒子凝集への影響−第2エマルジョン]。添加NaClの非存在下にて、第2エマルジョン中の液体粒子は、低いpH値(pH3および4)および高いpH値(pH8)で液体粒子凝集に対して比較的安定性であるが、中間のpH値では非常に不安定であった(図5a)。液体粒子上の高い正電荷によって、液体粒子間に強い静電反発力が起こることから、液体粒子はおそらく、pH3では液体粒子凝集に対して安定性であった。pHが高くなるにしたがって、キトサン分子はその正電荷を失い始め(pKa約6.3〜7)、このため、液体粒子上の電荷が減少した。さらに、カチオンキトサン分子とアニオンレシチン分子との静電引力が低減されるであろうことから、キトサン分子は、レシチン被覆液体粒子の表面にそれほど強く保持されないだろう。したがって、キトサン分子のいくつかは、エマルジョン液体粒子の表面から完全または部分的に置き換えられている。次いで、これらのキトサン分子は負に帯電したレシチン被覆液体粒子を結合させるポリマー架橋として働き得る。したがって、架橋性フロキュレーションは、中間のpH値(pH5〜7)で認められる高度な液体粒子凝集の原因であり得る。キトサン分子が正電荷の大部分を失い、したがって、架橋性フロキュレーションの誘導に有効ではないことから、エマルジョンはpH8での液体粒子凝集に対してより安定性となる。100mM NaClの存在下にて、エマルジョンは、低いpH値(pH3および4)でのフロキュレーション対してまだ比較的安定性であるが、それより高いすべてのpH値で不安定性であった。塩を添加した場合に、液体粒子間の静電反発力が十分に遮蔽されることから、pH8のエマルジョンにおいて凝集が起こった。
実施例4c
[液体粒子凝集への影響−第3エマルジョン]。第3エマルジョン中の液体粒子は、0mM NaClでのpH3のエマルジョンを除いては、塩の非存在下および存在下においてすべてのpH値で液体粒子凝集に対して安定性であった(図5a)。液体粒子は低いゼータ電位を有し(図4a)、そのため液体粒子間の静電反発力が比較的弱いことから、このエマルジョンにおいておそらく凝集が起こった。さらに、水相中の負に帯電したペクチン分子と正に帯電した液体粒子との架橋性フロキュレーションが存在した。これらの結果から、液体粒子の凝集に対して優れた安定性を有するエマルジョンを、レシチン−キトサン−ペクチン膜を使用して製造することができることが示されている。
[液体粒子凝集への影響−第3エマルジョン]。第3エマルジョン中の液体粒子は、0mM NaClでのpH3のエマルジョンを除いては、塩の非存在下および存在下においてすべてのpH値で液体粒子凝集に対して安定性であった(図5a)。液体粒子は低いゼータ電位を有し(図4a)、そのため液体粒子間の静電反発力が比較的弱いことから、このエマルジョンにおいておそらく凝集が起こった。さらに、水相中の負に帯電したペクチン分子と正に帯電した液体粒子との架橋性フロキュレーションが存在した。これらの結果から、液体粒子の凝集に対して優れた安定性を有するエマルジョンを、レシチン−キトサン−ペクチン膜を使用して製造することができることが示されている。
実施例5
[クリーミング安定性への影響]。1週間保存した後に、その高さの30%での濁度を測定することによって、希釈エマルジョンのクリーミング安定性を決定した(図6)。大量の液体粒子凝集が起こった場合、フロックは個々の液体粒子よりも速くクリーミングするため、濁度は低くなると予想される。すべてのエマルジョンが、塩の存在下よりも塩の非存在下において、クリーミングに対して安定性であった。これは主に、より高い塩濃度での帯電液体粒子間の静電反発相互作用のより大きな遮蔽に起因する。第1エマルジョンは、塩の非存在下において、すべてのpH値でクリーミングに対して比較的安定性であったが、塩の存在下では低いpH(pH3〜5)で多少のクリーミングを示した。第2エマルジョンは、塩の非存在下において中間のpH値(pH4〜7)にて、かつ塩の存在下においてすべてのpH値にて、非常にクリーミングを生じ易かった。0mM NaClでのpH3のエマルジョンを除いては、第3エマルジョンにおける液体粒子は、塩の非存在下および存在下において、すべてのpHでクリーミングに対して比較的安定性であった。したがって、クリーミング安定性の測定によって、レーザー解析を使用して行われた粒径測定がおおむね裏付けられた(図5)。
[クリーミング安定性への影響]。1週間保存した後に、その高さの30%での濁度を測定することによって、希釈エマルジョンのクリーミング安定性を決定した(図6)。大量の液体粒子凝集が起こった場合、フロックは個々の液体粒子よりも速くクリーミングするため、濁度は低くなると予想される。すべてのエマルジョンが、塩の存在下よりも塩の非存在下において、クリーミングに対して安定性であった。これは主に、より高い塩濃度での帯電液体粒子間の静電反発相互作用のより大きな遮蔽に起因する。第1エマルジョンは、塩の非存在下において、すべてのpH値でクリーミングに対して比較的安定性であったが、塩の存在下では低いpH(pH3〜5)で多少のクリーミングを示した。第2エマルジョンは、塩の非存在下において中間のpH値(pH4〜7)にて、かつ塩の存在下においてすべてのpH値にて、非常にクリーミングを生じ易かった。0mM NaClでのpH3のエマルジョンを除いては、第3エマルジョンにおける液体粒子は、塩の非存在下および存在下において、すべてのpHでクリーミングに対して比較的安定性であった。したがって、クリーミング安定性の測定によって、レーザー解析を使用して行われた粒径測定がおおむね裏付けられた(図5)。
比較的小さな粒子を有するエマルジョンは、クリーミングに対する安定性が高い傾向があった。比較的厚く、かつ帯電している3層界面膜に伴う静電および立体反発が比較的強いことから、第3エマルジョンは、液体粒子凝集に対して安定性であった。さらに、多重層が液体粒子の総密度を増加し、それによって、分散相と連続相との密度対比が低くなり、重力分離の推進力が減少することから、クリーミング安定性が改善された。
実施例6A
[材料]。トウモロコシ油(Mazola)、硫酸ラウリル(ナトリウム塩99%)(Sigma L4509,Sigma Chemical社(St.Louis,MO))、カニ殻由来キトサン(最低85%の脱アセチル化)(Sigma C3646)、柑橘類由来ペクチン(等級1)(Sigma P9135)、100mM酢酸(Fisher A38−212)バッファー(pH3)、100mM酢酸ナトリウム(Fisher S210−500)バッファー(pH7.5)、0.9M重炭酸ナトリウム(Fisher S6313)溶液、1N水酸化ナトリウム(Sigma S5881)溶液、胆汁抽出物(Sigma B8631)溶液(100mM/L重炭酸ナトリウム中の胆汁抽出物12mg/ml)。
[材料]。トウモロコシ油(Mazola)、硫酸ラウリル(ナトリウム塩99%)(Sigma L4509,Sigma Chemical社(St.Louis,MO))、カニ殻由来キトサン(最低85%の脱アセチル化)(Sigma C3646)、柑橘類由来ペクチン(等級1)(Sigma P9135)、100mM酢酸(Fisher A38−212)バッファー(pH3)、100mM酢酸ナトリウム(Fisher S210−500)バッファー(pH7.5)、0.9M重炭酸ナトリウム(Fisher S6313)溶液、1N水酸化ナトリウム(Sigma S5881)溶液、胆汁抽出物(Sigma B8631)溶液(100mM/L重炭酸ナトリウム中の胆汁抽出物12mg/ml)。
[一般法]。レーザー光散乱装置(Mastersizer,Malvern Instruments社,Worcs.,UK)を使用して、エマルジョンの粒径分布を測定した。次いで、粒子電気泳動装置(ZEM5003,Zetamaster,Malvern Instruments社,Worcs.,UK)を使用して、明確な電場における液体粒子の運動の方向および速度を測定することによって、ゼータ電位を決定した。
[エマルジョンの調製および特徴付け]。SDS−キトサン−ペクチン膜(SDS5mM/kg、キトサン0.225%、ペクチン0.5%、100mM酢酸緩衝液、pH3)によって安定化された、水中油(トウモロコシ)型エマルジョンを調製した。キトサンおよびペクチンは食物繊維であると見なし、したがって、これらのエマルジョン中の油液体粒子を囲む界面膜は、食物繊維からなる。多段階手順を用いて、エマルジョンを調製した。第一に、SDS膜によって安定化されたアニオン液体粒子(ζ約75mV、d32=0.44μm)を含有する第1エマルジョンを、超音波処理器を使用して調製した。第二に、第1エマルジョンをキトサン水溶液で希釈し、超音波処理してフロックを破壊することによって、SDS−キトサン膜によって安定化されたカチオン液体粒子(ζ約+66mV)を含有する第2エマルジョンを形成した。第三に、第2エマルジョンをペクチン水溶液で希釈することによって、SDS−キトサン−ペクチン膜によって安定化されたアニオン液体粒子(ζ約−10mV)を含有する第3エマルジョンを形成した。
実施例6B
インビトロ消化モデル。エマルジョンを以下のインビトロ消化モデルにかけた。最初に、エマルジョン9gを50mlねじ蓋ボトルに入れた。1N HCL約0.25mlを添加し、1N HCLを使用して、pHを約2に調節した。エマルジョンを95rpmで混合しながら、約37℃で約1時間インキュベートした。0.9M重炭酸ナトリウムでpHを約5.3に調節した。胆汁抽出物溶液2.25mlをエマルジョンに添加した(100mM重炭酸ナトリウム中の胆汁抽出物12mg/ml)。次いで、1N水酸化ナトリウムでpHを約7.5に調節した。エマルジョンを95rpmで混合しながら、約37℃で約2時間インキュベートした。ワークアップ後、粒径およびゼータ電位を測定した。その結果を表1に示す。
インビトロ消化モデル。エマルジョンを以下のインビトロ消化モデルにかけた。最初に、エマルジョン9gを50mlねじ蓋ボトルに入れた。1N HCL約0.25mlを添加し、1N HCLを使用して、pHを約2に調節した。エマルジョンを95rpmで混合しながら、約37℃で約1時間インキュベートした。0.9M重炭酸ナトリウムでpHを約5.3に調節した。胆汁抽出物溶液2.25mlをエマルジョンに添加した(100mM重炭酸ナトリウム中の胆汁抽出物12mg/ml)。次いで、1N水酸化ナトリウムでpHを約7.5に調節した。エマルジョンを95rpmで混合しながら、約37℃で約2時間インキュベートした。ワークアップ後、粒径およびゼータ電位を測定した。その結果を表1に示す。
この結果から、胆汁をシステム(pH5.3)に添加した後でさえ、SDS−キトサン−ペクチンによって安定化された液体粒子は、消化モデルにおいてインタクトなままであることが示されている(同様なゼータ電位および低い液体粒子平均サイズ)。pHをpH7.5に調節した場合には、大量の凝集が光学顕微鏡法によって観察され、脂肪液体粒子が、食物繊維マトリックス中に捕捉されていることが分かった。先の研究から、キトサンによって囲まれた液体粒子は、膵臓におけるリパーゼ/コリパーゼによる脂質加水分解を受けにくいことが示されている。したがって、これらの結果によって、少なくとも1種類の非消化性多糖類を含む界面膜により安定化された油液体粒子は、消化中インタクトなままであり、ヒトの体内での脂質吸収を防ぐであろうことが示唆されている。
Claims (23)
- 食品グレードの疎水性成分を送達するエマルジョンシステムであって:
水性媒体中の実質的に疎水性の成分;
少なくとも1種類の実質的に非消化性の食品グレード成分;を含むシステム。 - 前記疎水性成分が、トウモロコシ油、ダイズ油、ヒマワリ油、カノーラ油、ナタネ油、オリーブ油、ラッカセイ油、藻類油、堅果油、植物油、野菜油、魚油、香味油、動物脂肪、乳脂肪およびその組み合わせからなる群から選択される脂肪または油成分である、請求項1に記載のエマルジョンシステム。
- 前記疎水性成分が、少なくとも1種類の乳化剤成分で水性媒体中に少なくとも部分的に分散される、請求項1に記載のエマルジョンシステム。
- 前記非消化性食品グレード成分が、少なくとも1種類の多糖類成分を含む、請求項1に記載のエマルジョンシステム。
- 前記多糖類成分が、食物繊維である、請求項4に記載のエマルジョンシステム。
- 前記非消化性食品グレード成分が、共有結合型タンパク質−多糖類複合体を含む、請求項1に記載のエマルジョンシステム。
- 前記非消化性食品グレード成分が実効電荷を有し、さらに、非消化性食品グレード成分の実効電荷の逆の実効電荷を有する食品グレード高分子成分を含む、請求項1に記載のエマルジョンシステム。
- 水性媒体中の実質的に疎水性の成分;
実効電荷を有する乳化剤成分;
高分子成分;を含む、脂肪または油成分の消化を制御するためのエマルジョン組成物であって、前記高分子成分の少なくとも一部が、前記乳化剤成分の実効電荷の逆の実効電荷を有し、乳化剤成分および高分子成分のうちの少なくとも1つが、実質的に非消化性の多糖類成分を含む、エマルジョン組成物。 - 前記疎水性成分が、トウモロコシ油、ダイズ油、ヒマワリ油、カノーラ油、ナタネ油、オリーブ油、ラッカセイ油、藻類油、堅果油、植物油、野菜油、魚油、香味油、動物脂肪、植物性脂肪およびその組み合わせからなる群から選択される脂肪または油成分である、請求項8に記載の組成物。
- 前記疎水性成分が、1種または複数種の天然または合成脂質成分である、請求項8に記載の組成物。
- 前記乳化剤成分が、レシチン、キトサン、ペクチン、イナゴマメゴム、アラビアゴム、ガーゴム、アルギン酸、アルジネート、セルロース、修飾セルロース、化工デンプン、乳漿タンパク質、カゼイン、ダイズタンパク質、魚タンパク質、肉タンパク質、植物タンパク質、ポリソルベート、脂肪酸塩、DATEM、CITREM、小分子界面活性剤およびその組み合わせからなる群から選択される、請求項8に記載の組成物。
- 前記高分子成分が、1種または複数種のタンパク質成分、多糖類成分およびその組み合わせを含む、請求項8に記載の組成物。
- 前記非消化性多糖類成分が、キトサン、セルロースおよびその誘導体、メチルセルロース、イヌリンおよびその誘導体、リグニン、アミノ多糖類、ペクチン、カラゲナン、アルジネート、食用ガム(food gum)およびその組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項8に記載の組成物。
- 実効電荷を有する第2高分子成分をさらに含み、前記第2高分子成分が、前記乳化剤成分の少なくとも一部、前記高分子成分の少なくとも一部、またはその両方と静電相互作用する、請求項8に記載の組成物。
- 脂肪または油成分の消化を制御するために多層組成物を使用する方法であって:
水性媒体中の少なくとも1種類の実質的に疎水性の成分と、少なくとも1種類の非消化性食品グレード成分と、を含むエマルジョンシステムを提供する段階;
前記エマルジョンシステムを食品および飲料品のうちの1つに組み込む段階;を含む方法。 - 前記非消化性食品グレード成分が、疎水性成分に対して実質的に不透過性の食物繊維を含む、請求項15に記載の方法。
- 前記エマルジョンシステムが、各多層成分が実質的に疎水性の成分を含む、複数の多層成分と、各層が実効電荷を保持する、非消化性食品グレード成分の少なくとも1つの層と、を含み、各層が、その後に吸着される下にある層と静電相互作用する、請求項15に記載の層。
- ヒトまたは動物の消化管における脂肪または油の吸収を制御するために食物繊維を使用する方法であって:
水性媒体中の実質的に疎水性の成分を提供する段階;
前記疎水性成分を少なくとも1種類の非消化性食物繊維成分と接触させる段階;を含む方法。 - 前記疎水性成分が、脂肪、油またはその組み合わせから選択される、請求項18に記載の方法。
- 前記食物繊維が、キトサンである、請求項18に記載の方法。
- 前記食物繊維が、疎水性成分に対して実質的に不透過性である、請求項18に記載の方法。
- 前記疎水性成分を食品グレード高分子成分の1つまたは複数の層と接触させる段階をさらに含み、各層が、その後に接触される下にある層と静電相互作用する、請求項18に記載の方法。
- 疎水性成分の機械攪拌および音波処理のうちの1つをさらに含む、請求項18に記載の方法。
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