JP2007527728A - 正確に画定された冷凍切除のための装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は外科医が選択された冷凍切除ターゲットを正確に切除できる能力を増強し、冷凍切除をその選択されたターゲットに限定するために使用可能な、正確な冷凍切除のためのシステム及び方法である。冷凍切除容積の周囲の組織に対する損傷を最小にするための冷凍切除容積を正確に画定するための装置及び方法が提供される。また、冷凍切除時の組織を穏やかに加熱するための方法、及び第一組織を冷却すると同時に第二組織を加熱するように作動可能な冷凍プローブ(200)も提供される。
【選択図】 図17
【選択図】 図17
Description
本発明は不要な身体組織の正確に画定された冷凍切除のための装置及び方法に関する。特に、本発明は冷凍破壊の容積の画定の正確性を増強し、選択されたターゲット容積外の組織の容積を冷凍冷却によって損傷することを最小にするように、ターゲット容積を穏やかに加熱された組織の保護エンベローペで包囲又は部分的に包囲しながら、身体組織の選択されたターゲット容積を冷凍切除するための方法及び装置に関する。
近年、組織の冷凍切除は種々の病的状態のための益々人気のある治療方法になりつつある。胸部、前立腺、腎臓、肝臓、及び他の器官の如き身体器官の悪性疾患は冷凍切除によってうまく治療され、良性前立腺肥大症、良性乳房腫瘍、及び同種増殖物の如き種々の非悪性の病的状態もまた、望ましくない組織の冷凍切除によって良好に治療されている。難治性の慢性の痛みのあるケースもまた、選択された神経組織の冷凍切除によって冷凍手術で治療可能である。
病的組織又は他の望ましくない組織の冷凍切除は一般に、X線、超音波、CT、及びMRIなどの画像形成技術を利用して切除治療のための部位を確認し、次いでその選択された治療部位へ一つ以上の冷凍プローブを挿入し、次いで治療ヘッドの周囲の組織を一般に約−40℃以下の冷凍切除温度に到達させるように挿入された冷凍プローブの治療ヘッドを冷却することによって達成される。
かくして冷却された組織はそれによってそれらの機能的及び構造的完全性を失わされる。癌細胞は成長と増殖を停止し、そして冷凍切除された腫瘍組織物質は、悪性腫瘍由来であろうと良性腫瘍由来であろうと、それらの構造的完全性を失い、続いて身体から離れるか又は身体に吸収される。
しかしながら、冷凍外科切除治療の主な危険性と欠点は治療部位近くの健康な組織の機能と構造の完全性が部分的に又は完全に破壊され、それによって患者の外科手術からの回復を損ない、患者の健康と生活の質に対して深刻かつ長期間の有害な作用を潜在的に生じるという危険があることである。
特に、現在知られている冷凍切除技術に固有の二つの良く知られた制限は主に、病的組織を冷凍切除しながら健康な組織に生じる損傷に対してある。
以下で規定された用語を使用して、第一の問題は全ての冷凍切除において「切除容積」、即ち組織構造及び機能性が破壊される第一容積が「損傷エンベローペ」、即ち組織構造及び機能性が損傷される第二容積によって不可避的に包囲されることであることを我々は述べるだろう。損傷エンベローペにおける組織は、それらの組織を完全に冷凍切除し、それらの生理学的機能性を全体的に破壊するのに十分なほど低温ではないが、それらの組織に対して有意な損傷を与え、それらの機能性を損ない、その中の細胞及び他の構造を有意に変えるのに十分なほど低温である温度にさらされる。組織の第一の選択されたターゲット容積を信頼性高く切除するために、第一の選択された容積を包囲する組織の第二容積を損傷することを不可避的に余儀なくされている。
第二の問題は、切除容積及び損傷エンベローペの間の境界がいずれの公知の画像形成技術下でも直接見ることができないので、冷凍外科は制御が困難であることである。機能する冷凍プローブの低温手術チップのまわりに形成するアイスボールの境界は超音波又はMRI画像形成技術下では見ることができるが、切除容積、即ち細胞機能性が信頼性高く破壊される容積はそれ自体、公知の画像形成技術下では直接見ることができず。その位置、見ることができるアイスボール内の場所は推定されるか又は間接的に検出又は推測されなければならない。
非病的組織の損傷を抑制しながら病的組織を冷凍切除できる各種の装置と方法が提案されている。これらの装置と方法は大まかに次の二つの範疇に入る。すなわち、組織の近くで冷凍切除を行っている間その組織を過剰冷却することを防止することによってその組織を保護する装置と方法、及び冷凍切除に使用する冷凍プローブの冷却作用を病的組織中に又は病的組織の近くにうまく集中させて非病的組織の不要な冷却を最小限にするため前記冷凍プローブを正確に配置できるようにする装置と方法の範疇に入る。
前者の範疇の一例は、前立腺の部分を冷凍切除している間、患者の尿道中に加熱装置又は加熱流体を導入して尿道及び尿道に隣接する組織を加熱し、近くの前立腺組織を冷凍切除温度まで冷却しながら尿道を損傷しないように保護するのに役立つ周知の方法である。Mikusらの米国特許第6505629号は前立腺の冷凍切除中、対象、即ち神経血管束を保護するために加熱プローブを使用してその対象と冷却している冷凍プローブの間に加熱プローブを介在させる同種の方法を教示する。
後者の範疇の一例はSchatzbergerの米国特許第6,142,991号が提供している。Schatzbergerは患者の前立腺を治療する高解像度の冷凍外科の方法と装置を記載しており、その方法と装置は、以下のステップ、すなわち(a)複数の冷凍外科プローブを前立腺に導入し、そのプローブは直径が実質的に小さくかつ前立腺を横切って分布させて前立腺の周縁に隣接するプローブの外側配列及び尿道前立腺部に隣接するプローブの内側配列を形成させ、(b)前記冷凍外科プローブの各々の末端にアイスボールを生成させて前立腺の組織セグメントを局所的に凍結させるステップを含んでいる。
Schatzbergerの装置は、(a)直径が小さい複数の冷凍外科プローブであって、患者の器官中に挿入されかつアイスボールを生成して器官の選択された部分を局所的に凍結するプローブ、(b)冷凍外科プローブを通して挿入するための穴のネットを有する案内要素、及び(c)一組の画像を提供する画像形成装置であって、その画像は器官中の特定の深さに位置する特定の平面の情報を提供するためのものであり、前記画像の各々は前記案内要素の穴のネットに関連するマークのネットを有し、そのマークは冷凍外科プローブが前記案内要素の前記穴を通して器官内の前記特定の深さまで導入されると形成できるアイスボールの位置を示す画像形成装置を備えている。
従って、Schatzbergerの方法と装置によって、外科医は一組の冷凍切除プローブを前立腺内に比較的高い精度で配置し、そのプローブを操作して切除部位の近くの健康な組織の不測の望ましくない切除を大きく避けながら選択された組織を切除できる。Schatzbergerはまた、多数の小さな冷凍プローブを密な配列で使用することによって損傷エンベローペの容積をある程度減少しうることを示す。
しかし、Schatzbergerの方法又は他の公知の方法は、一般に周縁組織の損傷を十分正確に防止することを立証していない。Schatzbergerの方法に従って切除された切除ターゲットは損傷した組織の広いエンベローペによってなお包囲されている。さらに、Mikusの発明は特定の対象に対する望ましくない損傷の特定の問題を解決するが、冷凍切除方法の全体的な「ずさんさ(sloppiness)」の一般的な問題に対処していない。冷凍切除は全ての公知の従来技術の方法の下で実施されるように、意図した冷凍切除ターゲットにほぼ一致するにすぎない第一容積の冷凍切除を生じるが、その第一容積は不可避的に損傷された健康な組織の第二容積によって包囲される。
選択された冷凍切除ターゲットの周囲の損傷した組織の容積を減少し、しかも選択されたターゲットの十分かつ信頼性のある冷凍切除を可能にする冷凍切除のための装置と方法の必要性が広く認識されており、これを持つことは極めて有利であろう。
上述のように、冷凍外科技術における第二の基本的な問題は所定の冷凍切除方法によって切除される組織の正確な範囲を知るときに外科医によって経験される困難性に関する。機能する冷凍プローブによって生成されるアイスボールは超音波及び他の画像形成技術の下で見ることができるが、そのアイスボール内の冷凍切除容積(全細胞破壊領域)の画定は公知の画像形成技術下では直接見ることができない。悪性疾患の治療の場合に注意力のない外科医は本当に必要な組織より多くの組織を切除し、本当に必要な組織より多い追加の組織を損傷することが多い。なぜならば彼は彼が作る破壊容積の正確な画定を正確に行なうことができず、さらに彼の冷凍切除介入によって作られる破壊容積の実際の境界をリアルタイムに正確に観察することはできないからである。
従って、切除容積の正確な画定を実現する冷凍外科装置及び方法に対する必要性が広く認識されており、それを持つことは極めて有利であるだろう。
本発明の別の側面に関係する従来技術に関して、Mikusは引用書中でプローブへの熱を供給するために、ジュール−トムソンオリフィスを有する冷凍プローブに供給された低圧ヘリウムの使用を教示する。Mikusによれば、組織を破壊するような温度を越えて組織が加熱されないことを確実にするために高圧ヘリウムの代わりに低圧ヘリウムが使用される。
ジュール−トムソンプローブを加熱するための低圧ヘリウムの使用は実際に、プローブの望ましい最大温度を越えないことを確実にする。しかしながら、かかるプローブを加熱するための低圧ヘリウムの使用に対して欠点がある。即ち、そのように加熱されたプローブの加熱容量は幾分制限される。小さな直径のガス供給管を通って供給された供給ヘリウムの低い圧力の使用は、単位時間あたり比較的少ない量のヘリウムガスだけがジュール−トムソンオリフィスを通過することを保証する。この制限はその方法が小さな寸法のプローブに適用されるときに特に顕著である。しかし、引用書中でSchatzbergerによって教示されるように、小さな直径の冷凍外科装置が多くの冷凍外科情況において望ましく、小さな直径の冷凍プローブはずっと小さな直径のガス流入供給管を含む。従って、今日の小型化された冷凍プローブを加熱するための低圧ヘリウムの使用はかかるプローブの加熱能力を実質的に制限する。
従って、加熱された組織を過剰加熱されないように保護するような上限の温度までの加熱を与え、高い処理量のガスを与え、それゆえ低圧ヘリウムガスの膨張によって加熱されたジュール−トムソンプローブによって与えられたものより高い加熱能力を与える、プローブのジュール−トムソン加熱のための装置及び方法に対する必要性が広く認識されており、それを持つことは極めて有利であるだろう。
ここで与えられた装置と方法に共通する要素を持つか、又は以下で与えられた新しい使用法を有する装置を与える三つの追加の従来技術の文献について注意されたい。
第一に、Zvuloniらは米国特許出願No.10/255834(公開No.2003−0060762−A1)において冷凍冷却ガスとヘリウムの如き加熱ガスの両方を含むガス混合物の冷却冷凍プローブにおける使用を教示する。Zvuloniは冷却の微細な制御を可能にし、ヘリウムの痕跡量の検出に基づいてバルーンカテーテルにおける漏れ検出を可能にするようにかかるガスの使用を考慮する。
第二に、PCT出願IL 02/01062においてZvuloniらはプローブのシャフトに隣接する組織を保護するように作動可能な、冷却チップ及び加熱シャフトを有する冷凍プローブの使用を教示するが、そのシャフトはシャフトに加熱又は断熱効果を持たないので、ある状況下ではプローブの冷却チップからの排出冷却ガスの内部の通過によって十分に冷却され、そのシャフトに隣接する健康な組織を冷却によって損傷する危険があるだろう。
第三に、米国特許第6074412号においてMikusらは加熱要素及び冷却要素を有するプローブを教示するが、Mikusのプローブの加熱要素及び冷却要素は同時ではなく順次使用するように設計され、順次使用できるにすぎない。
本発明は選択された冷凍切除ターゲットを正確に冷凍切除し、冷凍切除をその選択されたターゲットに制限する外科医の能力を増強することができる正確な冷凍切除のためのシステム及び方法である。本発明は、(a)冷凍切除容積を正確に画定するための装置及び方法;(b)冷凍切除容積の周囲の組織に対する損傷を最小にするための装置及び方法;(c)冷凍切除時の冷凍切除容積の境界のリアルタイムの視覚化のための装置及び方法;(d)冷凍切除時に組織を穏やかに加熱するための装置及び方法;(e)第一組織を冷却して同時に第二組織を加熱するように作動可能な冷凍プローブ;及び(f)選択されたターゲットの正確な冷凍切除のための方法を包含する。
本発明の一つの側面によれば、患者の身体における選択された冷凍切除ターゲットを冷凍切除するときに冷凍切除容積を明確に画定するための方法であって、冷凍切除ターゲットの境界として三次元形状を規定し;少なくとも一つの治療モジュールを各々含む複数のプローブを患者に挿入し;第一組の治療モジュールが規定された形状境界に隣接しかつ選択された冷凍切除ターゲットの内部であり、第二組の治療モジュールが規定された形状境界に隣接しかつ選択された冷凍切除ターゲットの外部であるようにプローブを位置決めし;第一組の治療モジュールを冷凍切除温度まで冷却して冷凍切除ターゲット内で境界に隣接する組織を冷凍切除し;そして第一組の治療モジュールの冷却時に第二組の治療モジュールを加熱して冷凍切除ターゲットの形状境界の近くで明確な温度勾配を作り、それによって冷凍切除容積を明確に画定することを含む方法が提供される。
本発明の好ましい実施態様におけるさらなる特徴によれば、複数のプローブの少なくとも一つは少なくとも二つの独立制御可能な治療モジュールを含む。
記載された好ましい実施態様におけるさらなる特徴によれば、方法はさらに、第一の独立制御可能な治療モジュールを加熱しながら第二の独立制御可能な治療モジュールを冷却すること、好ましくは冷却ガスと加熱ガスの混合物のジュール−トムソンオリフィスによる膨張によって第一の独立制御可能な治療モジュールを加熱することを含む。
記載された好ましい実施態様におけるさらなる特徴によれば、方法はさらに、患者の外部でかつ冷凍切除ターゲットに対して既知の空間的関係を有する位置に、テンプレートに対して予め決められた角度で穴を通るようにプローブを配向するように各々作動できる穴の配列を有するテンプレートを位置決めすることによって冷凍切除ターゲットに対してプローブを配向し;そして複数のプローブを穴の配列の一つずつに通し、そこから患者に到達し、それによって冷凍切除ターゲットに対して挿入されたプローブを配向することを含む。テンプレートは患者の会陰部に位置付けられてもよい。好ましくはテンプレートはそこに挿入された複数の冷凍プローブの平行な配向を確実にするように設計及び構成される。好ましくは少なくとも一つのプローブはテンプレートを通るプローブの挿入深さを手術者に見えるように設計及び構成された、プローブ上の外部マーキングを含む。好ましくは、第二組の治療モジュールは冷凍切除ターゲットを包囲する。
本発明の別の側面によれば、冷凍切除ターゲットを冷凍切除するときに冷凍切除ターゲットの周囲の組織に対する損傷を最小にするための方法であって、冷凍切除ターゲットの境界として三次元形状を規定し;少なくとも一つの治療モジュールを各々含む複数のプローブを患者に挿入し;第一組の治療モジュールが冷凍切除ターゲットの内側であり、第二組の治療モジュールがターゲットの外部でありかつターゲットの少なくとも一部を包囲するようにプローブを位置決めし;第一組の治療モジュールを冷凍切除温度まで冷却してターゲット内の組織を切除し;そして第一組の治療モジュールの冷却時に第二組の治療モジュールを加熱し、それによって冷凍切除ターゲットの周囲の組織の冷却を防止し、それによって冷凍切除ターゲットを冷凍切除している間の冷凍切除ターゲットの周囲の組織に対する損傷を最小化することを含む方法が提供される。
本発明の好ましい実施態様におけるさらなる特徴によれば、第二組の治療モジュールは冷凍切除ターゲットを完全に包囲する。第一組の治療モジュールの冷却は前立腺の如き器官を完全に切除してもよく、又は腫瘍を完全に切除してもよい。
好ましくは、第一組の治療モジュールの各治療モジュールは第二組の治療モジュールの少なくとも一つの治療モジュールに隣接して位置付けられる。
本発明のさらに別の側面によれば、冷凍切除容積を正確に画定するための装置であって、冷凍切除ターゲット内及びそのまわりに複数の冷凍プローブを位置決めするための位置決め装置、及び冷凍切除ターゲットの境界に隣接するターゲットの外部の組織を加熱し、一方冷凍切除ターゲットの境界に隣接するターゲットの内部の組織を冷却するように作動可能な少なくとも一つのプローブを含む装置が提供される。
好ましくは、前記少なくとも一つのプローブは複数の独立制御可能で同時に作動可能な治療モジュールを含み、モジュールの各々は隣接組織を冷却するように作動可能であり、また隣接組織を加熱するように作動可能である。独立制御可能な治療モジュールはジュール−トムソン冷却によって冷却可能であるか及び/又はジュール−トムソン加熱によって加熱可能である。プローブは、プローブがその縦方向に延びた区域の第一面に沿って冷却し、一方その縦方向に延びた区域の第二面に沿って加熱するように、横方向に位置付けられた二つの治療モジュールを含む。あるいは、プローブは、プローブが近位治療モジュールを加熱しながら遠位治療モジュールを冷却するように作動可能であり、さらに遠位治療モジュールを加熱しながら近位治療モジュールを冷却するように作動可能であるように、縦方向に位置付けられた二つの治療モジュールを含む。
位置決め装置はプローブを中に挿入するための穴の配列を与えるテンプレートを含んでもよく、穴は冷凍切除ターゲット内及びそのまわりにプローブの位置を案内するように作動可能である。装置はさらに、各々が患者の身体への挿入前に穴の一つを通るように作動可能である複数のプローブを含んでもよく、さらに穴の一つを通るプローブの挿入の度合いを手術者が見ることができるように設計及び構成された外部マーキングを有してもよい。
好ましくは、装置はプローブの各々へのガスの供給を個々に制御するように作動可能なガス供給システムを含む。
好ましくは、プローブの少なくとも一つは複数の治療モジュールを含む。
ガス供給システムは複数の治療モジュールを含む冷凍プローブにガスを供給するように作動可能であってもよく、さらに複数の治療モジュールの各モジュールへのガスの供給を個々に制御するように作動可能であってもよい。
装置はプローブの一つに冷却ガスと加熱ガスの混合物を供給するか、又は治療モジュールの一つに冷却ガスと加熱ガスの混合物を供給するように作動してもよい。好ましくは装置はさらに、制御モジュールの制御下で冷却ガスと加熱ガスの選択された混合物を供給するように作動可能である。
本発明のさらに別の側面によれば、冷凍切除ターゲットの冷凍切除時の冷凍切除容積の境界のリアルタイムの視覚化のための方法であって、組織を冷凍切除温度まで冷却するように作動可能な治療モジュールを各々有する複数のプローブを冷凍切除ターゲットに挿入することによって、良く規定された画定表面を有する冷凍切除容積を作り;組織を加熱するように作動可能な治療モジュールを各々有する複数のプローブを患者の冷凍切除ターゲットのまわりに挿入し;そして前記治療モジュールのうちターゲットの外側に位置されたものを加熱し、一方前記治療モジュールのうちターゲットの内側に位置されたものを冷凍切除温度まで冷却し、それによって複数の加熱されたモジュールと複数の冷却されたモジュールの間に延びる画定された表面を有する冷凍切除容積を作り、それによってプローブの治療モジュールに対して既知の位置関係を有し;そして視覚化技術を使用して冷却及び加熱治療モジュールの少なくとも幾つかの位置を手術者に表示し、それによって冷却及び加熱モジュールの位置の表示を見ている手術者が画定された冷凍切除境界の位置を正確に推測することを含む方法が提供される。
方法は冷凍切除ターゲットの境界を表示することをさらに含んでもよい。ターゲット境界は超音波装置、MRI装置、X線装置、及び透視装置を含む群から選択された装置を使用して視覚化されてもよい。ターゲット境界はターゲットの数学的モデルのデジタル表示によって視覚化されてもよい。好ましくは、複数のプローブのうち少なくとも幾つかのプローブはプローブの第一治療モジュールとプローブの第二治療モジュールの間の境界をマークする、画像形成技術下で視覚化可能なマーカーを含む。
本発明の追加の側面によれば、身体組織の調整可能な加熱のための装置であって、ジュール−トムソン加熱によって加熱されるように作動可能な治療モジュールを含むプローブ;及び選択された割合の冷却ガスと加熱ガスの混合物を治療モジュールに供給するように作動可能なガス供給源を含む装置が提供される。ガス供給源は熱センサによって蓄積された温度データに反応するアルゴリズムに従って治療モジュールに供給された加熱及び冷却ガスの割合を選択するように作動可能な処理器を含むことが好ましい。センサはプローブ内に又は患者の組織の中に位置されてもよい。
本発明のさらに追加の側面によれば、第一組織を冷凍切除温度まで冷却しながら第二組織を加熱するように作動可能な冷凍プローブが提供される。冷凍プローブはさらに、第一組織を冷却するように作動可能な第一治療モジュール及び第二組織を加熱するように作動可能な第二治療モジュールを含んでもよい。好ましくは、第一治療モジュールはまた、組織を加熱するように作動可能であり、第二治療モジュールはまた、組織を冷却するように作動可能である。最も好ましくは、第一治療モジュール及び第二治療モジュールはともに、組織の加熱及び組織の冷却の両方を行なうように作動可能であり、第一治療モジュール及び第二治療モジュールの各々は冷却及び加熱において独立制御されるように作動可能である。
第一治療モジュールは第二治療モジュールに対して横方向に位置させてもよく、又は第二治療モジュールに対して縦方向に位置させてもよい。プローブは加熱及び冷却するように作動可能な第三治療モジュールをさらに含んでもよい。第一、第二、及び第三治療モジュールは互いに縦方向に位置されてもよい。加熱はジュール−トムソン加熱であってもよく、冷却はジュール−トムソン冷却であってもよい。
本発明のさらに追加の側面によれば、ターゲットの正確に画定された冷凍切除のための方法であって、複数の冷凍プローブを患者に挿入し、冷凍プローブの各々は少なくとも一つの治療モジュールを含み、冷凍プローブの少なくとも幾つかは複数の治療モジュールを含み;第一の複数の治療モジュールがターゲット内に位置され、第二の複数の治療モジュールがターゲットの外部であるがターゲットに隣接して位置されるように冷凍プローブを位置させ;そして第二の複数の治療モジュールを暖めながら第一の複数の治療モジュールを冷凍切除温度まで冷却し、それによってターゲットを冷凍切除している間、ターゲットのまわりに暖かいエンベローペを作り、それによってターゲットの正確に画定された冷凍切除を実行することを含む方法が提供される。方法は画像形成技術を利用してターゲット及び冷凍プローブを視覚化することをさらに含んでもよい。第一の複数の治療モジュールの治療モジュールはジュール−トムソン冷却によって冷却されてもよく、第二の複数の治療モジュールの治療モジュールはジュール−トムソン加熱によって加熱されてもよく、それらは冷却ガスと加熱ガスの混合物の膨張によって与えられてもよい。
本発明のさらなる側面によれば、ターゲットを包囲する組織に対する損傷を最小にしながらターゲットを冷凍切除するための方法であって、冷凍冷却を実施するように作動可能な複数の第一治療モジュールをターゲットに導入し;組織を加熱するように作動可能な複数の第二治療モジュールでターゲットを包囲し;第一治療モジュールを使用してターゲットの組織を冷凍切除温度まで冷却し;そして第二治療モジュールを使用して第一治療モジュールの冷却時にターゲットを包囲する組織を加熱し、それによってターゲットの冷凍切除時に加熱された組織のエンベローペでターゲットを包囲し、それによってターゲットを包囲する組織に対する損傷を最小にしながらターゲットを冷凍切除することを含む方法が提供される。
本発明のさらなる側面によれば、冷凍切除容積の境界を所望の部位に正確に配置するための方法であって、第一治療モジュールを冷凍切除ターゲット内に位置させ;第二治療モジュールを第一治療モジュールの近くでかつ冷凍切除ターゲットの外側に位置させ;冷凍切除容積の境界の所望の部位からの第一及び第二治療モジュールの距離を測定又は推定し;第一治療モジュールを包囲する冷凍切除容積を作り、その冷凍切除容積が所望の部位まで延びるがそれを越えないように、第一治療モジュールの冷却のため及び第二治療モジュールの加熱のための時間及び温度を計算し;そして計算された温度及び時間に従って第一治療モジュールを冷却し第二治療モジュールを加熱し、それによって所望の部位に位置された正確に配置された境界を有する冷凍切除容積を作ることを含む方法が提供される。
本発明は選択された冷凍切除ターゲットを包囲する損傷された組織の容積を減少し、しかもその選択されたターゲットの十分でかつ信頼性のある冷凍切除を実現する冷凍切除のための装置及び方法を提供することによって現在知られている構成の欠点を首尾よく対処する。方法は冷凍切除ターゲットの少なくとも一部の形状に一致するように形成されかつその冷凍切除ターゲットを少なくとも部分的に包囲するように位置された、優しく加熱された組織の保護エンベローペを確立しながら、そのターゲットを冷凍切除し、それによってそのターゲットの冷凍切除時に組織損傷を意図した冷凍切除ターゲットに実質的に制限することを含む。
本発明はさらに、切除容積の正確な画定を実現する冷凍外科のための装置及び方法を提供することによって現在知られている構成の欠点に首尾よく対処する。方法は冷凍切除ターゲットの境界において急な温度勾配を確立し、画像形成技術で視覚化可能な装置を使用し、それによって外科医がリアルタイムで冷凍切除手術の明確に画定された境界の位置を直接観察することができることを含む。
本発明はさらに、プローブのジュール−トムソン加熱のための装置及び方法を提供し、その装置及び方法が加熱された組織を過剰加熱から保護するように温度の上限まで加熱し、しかも低圧ヘリウムガスの膨張によって加熱されたジュール−トムソンプローブによって与えられるものより大きな加熱能力を有することによって現在知られている構成の欠点を首尾よく対処する。
本明細書で使用される技術用語と科学用語はすべて、特に断らない限り、本発明の属する技術分野の当業者が共通して理解しているのと同じ意味を持っている。本明細書に記載されているのと類似の又は均等の方法と材料は本発明を実施又は試験するのに使用できるが、適切な方法と材料は以下に述べる。争いが生じた場合、定義を含めて本特許明細書が基準である。さらに、本明細書の材料、方法及び実施例は例示することだけを目的とし本発明を限定するものではない。
本発明の方法及びシステムを実行することは、選択されたタスク又はステップを、手動操作で、自動的に又はそれらを組み合わせて実行又は完了することを含んでいる。さらに、本発明の方法とシステムの好ましい実施態様の実際の機器や装置によって、いくつもの選択されたステップを、いずれかのファームウェアのいずれかのオペレーティングシステムのハードウェア又はソフトウェア又はそれらの組合せによって実行できる。例えば本発明の選択されたステップはチップ又は回路のようなハードウェアとして実施できる。本発明の選択されたステップは、コンピュータが適切なオペレーティングシステムを使って実行する複数のソフトウェアの命令のようなソフトウェアとして実施できる。いずれにしろ、本発明の方法とシステムの選択されたステップは、データプロセッサ、例えば複数の命令を実行する計算プラットホームで実行されると言える。
図面の説明
本明細書では本発明を単に例示し図面を参照して説明する。特に詳細に図面を参照して、示されている詳細が例示として本発明の好ましい実施態様を例示考察することだけを目的としており、本発明の原理や概念の側面の最も有用でかつ容易に理解される説明であると考えられるものを提供するために提示していることを強調するものである。この点について、本発明を基本的に理解するのに必要である以上に詳細に本発明の構造の詳細は示さないが、図面について行う説明によって本発明のいくつもの形態を実施する方法は当業者には明らかになるであろう。
本明細書では本発明を単に例示し図面を参照して説明する。特に詳細に図面を参照して、示されている詳細が例示として本発明の好ましい実施態様を例示考察することだけを目的としており、本発明の原理や概念の側面の最も有用でかつ容易に理解される説明であると考えられるものを提供するために提示していることを強調するものである。この点について、本発明を基本的に理解するのに必要である以上に詳細に本発明の構造の詳細は示さないが、図面について行う説明によって本発明のいくつもの形態を実施する方法は当業者には明らかになるであろう。
図1は従来技術の方法による典型的な冷凍プローブの概略図である。
図2は従来技術の方法による複数の冷凍外科プローブを共通のガス源に接続するマニホルド構造の概略図である。
図3は従来技術の方法による予備冷却要素の別の配置構成の概略図である。
図4は従来技術の方法による超音波プローブ及び複数の冷凍プローブの患者の身体への挿入を案内する案内要素を備えた装置の概略図である。
図5は従来技術の方法による図4に示す装置の使用法を示す概略図である。
図6は従来技術の方法による図4に示す装置を使用する際のさらなるステップを示す概略図である。
図7Aは冷凍外科プローブの先端に形成されたアイスボール内の温度分布のプロファイルを示すグラフである。
図7Bは温度の関数として、組織破壊の百分率で与えた冷凍外科治療の効果を示すグラフである。
図8Aは本発明の一実施態様による、隣接部位の穏やかな加熱とともに選択された部位で冷凍外科冷却する効果を示す概略的なグラフである。
図8Bは本発明の一実施態様による、冷凍冷却が隣接部位の穏やかな加熱と関連されるときに生成される急な温度勾配を示す概略的なグラフである。
図9は本発明の一実施態様による、隣接部位の穏やかな加熱とともに三つの選択された部位で冷凍外科冷却する効果を示す概略的なグラフである。
図10は本発明の一実施態様による、三つの隣接部位の穏やかな加熱とともに三つの選択された部位で冷凍外科冷却する効果を示す概略的なグラフである。
図11は本発明の一実施態様による、三つの隣接部位の穏やかな加熱とともに三つの選択された部位で冷凍外科冷却する効果を示す別の概略的なグラフである。
図12は従来技術の方法による、冷凍切除ターゲットの境界と損傷エンベローペの境界を比較する概略的なグラフである。
図13は本発明の一実施態様による、冷凍切除ターゲットの境界と損傷エンベローペの境界を比較する概略的なグラフである。
図14はターゲットの横方向境界の治療を強調した、本発明の一実施態様によるターゲットの冷凍切除のための手順の三段階の概略図である。
図15はターゲットの近位又は遠位境界の治療のための方法を示す、本発明の一実施態様によるターゲットの冷凍切除のための手順の一段階の概略図である。
図16はターゲットの近位又は遠位境界の治療のための追加の方法を示す、本発明の一実施態様によるターゲットの冷凍切除のための手順の一段階の概略図である。
図17は本発明の一実施態様による、複数の独立制御可能な治療モジュールを有する冷凍プローブの手術区域の概略図である。
図18A,18B、及び18Cは本発明の実施態様による、マルチモジュール冷凍プローブの代替構成の概略図である。
図19は複数の独立制御可能な治療モジュールを各々有する複数の冷凍プローブを含み、選択された時間に各プローブの各モジュールに独立して選択されたガスの混合物を供給するように作動可能な、冷凍切除のためのシステムの概略図である。
図20は複数の独立制御可能な手術モジュールを各々有する複数の冷凍プローブを使用する、本発明の一実施態様によるターゲットの冷凍切除のための手順の三段階を示す概略図である。
図21は本発明の一実施態様による、複数の独立制御可能な手術モジュールを各々有する複数の冷凍プローブを使用し、冷凍切除ターゲットの近位又は遠位境界の治療のための追加の方法を与える、ターゲットの冷凍切除のための手順における一段階の概略図である。
図2は従来技術の方法による複数の冷凍外科プローブを共通のガス源に接続するマニホルド構造の概略図である。
図3は従来技術の方法による予備冷却要素の別の配置構成の概略図である。
図4は従来技術の方法による超音波プローブ及び複数の冷凍プローブの患者の身体への挿入を案内する案内要素を備えた装置の概略図である。
図5は従来技術の方法による図4に示す装置の使用法を示す概略図である。
図6は従来技術の方法による図4に示す装置を使用する際のさらなるステップを示す概略図である。
図7Aは冷凍外科プローブの先端に形成されたアイスボール内の温度分布のプロファイルを示すグラフである。
図7Bは温度の関数として、組織破壊の百分率で与えた冷凍外科治療の効果を示すグラフである。
図8Aは本発明の一実施態様による、隣接部位の穏やかな加熱とともに選択された部位で冷凍外科冷却する効果を示す概略的なグラフである。
図8Bは本発明の一実施態様による、冷凍冷却が隣接部位の穏やかな加熱と関連されるときに生成される急な温度勾配を示す概略的なグラフである。
図9は本発明の一実施態様による、隣接部位の穏やかな加熱とともに三つの選択された部位で冷凍外科冷却する効果を示す概略的なグラフである。
図10は本発明の一実施態様による、三つの隣接部位の穏やかな加熱とともに三つの選択された部位で冷凍外科冷却する効果を示す概略的なグラフである。
図11は本発明の一実施態様による、三つの隣接部位の穏やかな加熱とともに三つの選択された部位で冷凍外科冷却する効果を示す別の概略的なグラフである。
図12は従来技術の方法による、冷凍切除ターゲットの境界と損傷エンベローペの境界を比較する概略的なグラフである。
図13は本発明の一実施態様による、冷凍切除ターゲットの境界と損傷エンベローペの境界を比較する概略的なグラフである。
図14はターゲットの横方向境界の治療を強調した、本発明の一実施態様によるターゲットの冷凍切除のための手順の三段階の概略図である。
図15はターゲットの近位又は遠位境界の治療のための方法を示す、本発明の一実施態様によるターゲットの冷凍切除のための手順の一段階の概略図である。
図16はターゲットの近位又は遠位境界の治療のための追加の方法を示す、本発明の一実施態様によるターゲットの冷凍切除のための手順の一段階の概略図である。
図17は本発明の一実施態様による、複数の独立制御可能な治療モジュールを有する冷凍プローブの手術区域の概略図である。
図18A,18B、及び18Cは本発明の実施態様による、マルチモジュール冷凍プローブの代替構成の概略図である。
図19は複数の独立制御可能な治療モジュールを各々有する複数の冷凍プローブを含み、選択された時間に各プローブの各モジュールに独立して選択されたガスの混合物を供給するように作動可能な、冷凍切除のためのシステムの概略図である。
図20は複数の独立制御可能な手術モジュールを各々有する複数の冷凍プローブを使用する、本発明の一実施態様によるターゲットの冷凍切除のための手順の三段階を示す概略図である。
図21は本発明の一実施態様による、複数の独立制御可能な手術モジュールを各々有する複数の冷凍プローブを使用し、冷凍切除ターゲットの近位又は遠位境界の治療のための追加の方法を与える、ターゲットの冷凍切除のための手順における一段階の概略図である。
本発明は不要な身体組織の正確に画定された冷凍切除のための装置及び方法に関する。特に、本発明は冷凍破壊の容積を明確に画定し、冷凍切除法によって損傷される選択された冷凍切除ターゲット外の健康な組織の容積を最小にし、冷凍切除の明確に画定された実際の容積の境界と意図した冷凍切除ターゲット容積の外科医による整合を容易にするように、穏やかに加熱された組織の保護エンベローペでターゲット容積を包囲又は部分的に包囲しながら身体組織の選択されたターゲット容積を冷凍切除するための方法及び装置に関する。
本発明の少なくとも一つの実施態様を詳細に説明する前に、本発明は以下の説明に記載されているか又は図面に例示されている要素の構造の詳細と配置にその用途が限定されないと解すべきである。本発明にはその他の実施態様があり又は種々の方法で実行もしくは実施できる。また、本明細書に使用される用語と語句は説明を目的とするものであり本発明を限定するとみなすべきではないと解すべきである。
以下の説明を一層明確にするため最初に以下の用語と語句を規定する。
語句「熱交換配置構成」は、本明細書で使用する場合、「熱交換器」として伝統的に知られている要素の配置構成、すなわち熱を一つの要素から別の要素へ移行しやすくする方式で設置された要素の配置構成を意味する。要素の「熱交換配置構成」の例としては、要素間の熱交換を容易に行えるようにするために使用される多孔質マトリックス、多孔質マトリックス内にトンネルを組み合わせた構造体、多孔質マトリックス内に渦巻管路を含む構造体、第二管路の周りに巻きついた第一管路を含む構造体、一つの管路内に別の管路を有する構造体又はこれらに類似の構造体がある。
語句「ジュール−トムソン熱交換器」は、本明細書で使用するとき、一般に低温冷却又は加熱を行うのに使う装置を意味し、その装置は、ガスが高圧に保持されているその装置の第一領域からガスを膨張させて低圧にすることができるその装置の第二領域に、ガスを送る。ジュール−トムソン熱交換器は簡単な管路であるか又はガスが装置の高圧の第一領域から装置の低圧の第二領域へ移動するオリフィスを備えてもよい。ジュール−トムソン熱交換器はさらに、熱交換配置構成、例えばガスを装置の第一領域内で冷却したのち装置の第二領域に入れて膨張させるために使用する熱交換配置構成を備えてもよい。
語句「冷却ガス」は本明細書で使用する場合、ジュール−トムソン熱交換器を通過するとき一層低い温度になる特性を有するガスを意味する。当該技術分野で良く知られているように、アルゴン、窒素、空気、クリプトン、CO2、CF4、キセノン及びN2Oなどのガス並びに他の各種ガスがジュール−トムソン熱交換器の高圧領域から低圧領域へ移動すると、これらのガスは冷却し、ある程度液化して液化ガスの低温プールを作る。この工程はジュール−トムソン熱交換器自体を冷却しかつその熱交換器に接触する熱伝導性物質も冷却する。ジュール−トムソン熱交換器を通過するとき一層低温になる特性を有するガスは以後「冷却ガス」と呼称する。
語句「加熱ガス」は本明細書で使用する場合、ジュール−トムソン熱交換器を通過するとき一層高い温度になる特性を有するガスを意味する。ヘリウムがこの特性を有するガスの一例である。ヘリウムが高圧領域から低圧領域へ移動すると加熱される。従って、ヘリウムにジュール−トムソン熱交換器を通過させるとヘリウムを加熱する作用が起こり、ジュール−トムソン熱交換器自体を加熱しその熱交換器に接触する熱伝導性物質も加熱する。この特性を有するヘリウムなどのガスは以後「加熱ガス」と呼ぶ。
用語「ジュール−トムソン冷却器」は本明細書で使用する場合、冷却に使用するジュール−トムソン熱交換器を意味する。用語「ジュール−トムソン加熱器」は本明細書で使用する場合、加熱に使うジュール−トムソン熱交換器を意味する。
用語「切除温度」は本明細書で使用する場合、細胞の機能性及び構造が冷却によって破壊される温度である。約−40℃より低い温度は一般に切除温度であると考えられる。
用語「切除ターゲット」又は「冷凍切除ターゲット」は切除されることが望ましい組織の容積に関する。
「切除容積」又は「実際の切除容積」は冷凍切除工程時に実際に切除される組織の容積である。これは機能する冷凍プローブによって冷凍切除温度まで冷却される容積である。切除容積内の細胞構造は機能的にかつ構造的に破壊される。実際の切除容積が意図した冷凍切除ターゲットにできるだけ近く対応することが冷凍切除外科の一般的な目標である。
用語「損傷エンベローペ」は本明細書で使用する場合、健康な組織の構造及び機能性が冷凍切除工程によって損傷される切除容積を包囲する組織の容積である。
以下に記載する各種図面を考察する際、同じ番号は同じ部品を意味する。
図8−21に示す本発明をより十分に理解するために、まず図1−7に示す従来(すなわち従来技術)の冷凍外科装置と冷凍外科治療法の構造と作動について述べる。
図1−3に示す従来技術の方法による冷凍外科装置は複数の冷凍外科プローブを備えている。
図1は従来技術の方法による典型的な冷凍プローブの概略図を示す。
図1は、患者の組織を凍結するジュール−トムソン冷却器を有する手術チップ52及び外科医が保持する保持部材72を備えた冷凍プローブ50を示す。図1に示すように、手術チップ52は、その末端に配置されたオリフィス80に高圧ガスを提供するため手術チップを通って延びる少なくとも一つの流路78を有し、そのオリフィス80は手術チップ52を冷却してその末端90にアイスボールを生成するためそれを通じて高圧冷却ガスを送る。
アルゴンなどの高圧冷却ガスはオリフィス80を通過させて膨張させると液化して手術チップ52のチャンバー82内に低温プールを形成し、その低温プールは手術チップ52の表面84を効果的に冷却する。手術チップ52の表面84は、手術チップの末端90にアイスボールを形成できるように金属などの熱伝導性材料で製造することが好ましい。
あるいは、逆ジュール−トムソン法に従って、ヘリウムなどの高圧加熱ガスを使用して手術チップ52を加熱し、冷却−加熱のサイクルで治療を行えるようにすることができ、そしてさらにプローブを患者の身体から引き出すときプローブが組織に粘着するのを防いで必要なときに迅速に引き出せるようにすることができる。
ヘリウムなどの高圧加熱ガスはオリフィス80を通過して膨張するとチャンバー82を加熱して手術チップ52の表面84を加熱する。
手術チップ52は、ガスを手術チップ52から大気中に排出するため中を通って延びる少なくとも一つの排気流路96を備えている。
図1に示すように、保持部材72は流路78を通じて流れるガスを予備冷却する熱交換器を備えてもよい。特に、流路78の上部は排気流路96の周りに巻きつけられた螺旋チューブ76の形態であり、その螺旋チューブはチャンバー98内に収納されている。従って、流路96を通じて排出されるガスは、螺旋チューブ76を通じて流入するガスを予備冷却してもよい。
さらに図1に示すように、保持部材72は、熱交換器を外部環境から断熱する断熱体92を備えてもよい。
さらに、手術チップ52はチャンバー82内の温度を感知する少なくとも一つの熱センサ87を備えてもよく、そのワイヤ89は排気流路96又は専用の通路(図示せず)を通じて延びている。プローブ50はさらに1又は2以上の外部熱センサ86を備えてもよく、そのセンサは、手術チップ52を冷却することによって周りの組織にもたらされた温度を報告できるように手術チップ52からいくらか距離を置いて配置することが好ましい。
さらに、保持部材72は外科医がプローブ50の作動を手動操作で制御するために使う複数のスイッチ99を備えてもよい。このようなスイッチは、オン/オフ、加熱、冷却、及び流入流路70を冷却ガスもしくは加熱ガスの入っている適切な外部ガス容器に選択的にかつ制御可能に連通させることによる加熱と冷却の予め定められたサイクルを提供できる。
ここで図2に移るが、図2は従来技術の方法によって複数の冷凍外科プローブ50を共通ガス源に接続するガス分布モジュールの概略図を示す。
図2は、各冷凍外科プローブ50の各々がハウジング要素58上の接続部位56に可撓性接続ライン54を通じて、好ましくは連結要素51によって接続されているガス分布モジュール40を示す。冷凍外科プローブ50は接続部位56に着脱自在に接続されることができる。
好ましくは、排気流路96は接続ライン54を通じて延び、その結果送出ガスは連結要素51又は他の適切な部位、例えばマニホルド55(以下の説明を参照のこと)に位置する開口を通じて排出される。好ましくは、ライン54はさらに、電気信号を熱センサやスイッチ(図示せず)に送る電線を備えている。
各冷凍外科プローブ50は、ハウジング58内に収容されているマニホルド55と流体連通しており、そしてマニホルド55は流入する高圧ガスをライン57を通じて冷凍外科プローブ50に分布させる。
図に示すように、ハウジング58は、ガスチューブ(図示せず)を含む可撓性ケーブル60を通じてコネクタ62に接続され、そのコネクタ62は装置を高圧ガス源と電源に接続する。
装置はさらに電源と冷凍外科プローブ50の間の電気連通を行うためケーブル60とハウジング58を通って延びる電線(図示せず)を備えている。
好ましくは、ハウジング58は冷凍外科プローブ50に流れる高圧ガスを予備冷却する一般に番号61で示す予備冷却要素を備えている。予備冷却要素61は好ましくはジュール−トムソン冷却器であり、この冷却器はチャンバー49内に収容された管状部材48を有し、その管状部材48は、高圧ガスを通過させてチャンバー49を冷却して、管状部材48を通じてマニホルド55に流入するガスを冷却するオリフィス59を備えている。
ここで図3に移るが、図3は従来技術の方法による予備冷却要素61の別の配置構成を示し、そこでは管状部材48は、その部材とチャンバー49内の冷却ガスとの間の接触面積を増やすため円筒形要素47の周りに巻きつけられた螺旋チューブの形態である。
さらに別の配置構成(図示せず)によれば、ハウジング58は第一高圧ガスをマニホルド55に供給する第一管状部材及び第二高圧ガスを予備冷却要素61に供給する第二管状部材を備えている。このような管状部材を通じて流れているガスを冷却及び/又は加熱するために組み合わせたガスを使用できる。
あるいは、液体窒素のような冷凍流体を使用してハウジング58を通って流れるガスを予備冷却できる。あるいは、電気予備冷却要素を使用してガスを予備冷却できる。
好ましくは、熱センサ(図示せず)をケーブル60とマニホルド55の中に配置してその中を流れるガスの温度を測定する。
ここで図4〜6に移るが、図4〜6は画像形成装置を使用して患者の被治療器官、例えば前立腺の三次元グリッドを形成する従来技術の方法と装置を示し、その三次元グリッドは、三次元の形態の器官に関する情報を提供する働きをする。次に上記グリッドの提供した情報に従って、一組の冷凍外科プローブの各々を器官内の特定の深さまで挿入する。
図4は、超音波プローブ及び複数の冷凍プローブの患者身体への挿入を案内する案内要素を備えた従来技術の方法による装置の概略図である。与えられた例は前立腺の冷凍切除のために適応された装置のものである。
図4に示すように、超音波プローブ530は患者の直腸に挿入するためのものであり、超音波プローブ530はハウジング要素128内に収容されている。案内要素115が接続アーム126によってハウジング要素128に接続されている。図に示すように、案内要素115は穴121のネット又は配列を有するプレート110(「ガイド110」又は「テンプレート110」とも称する)の形態であり、各穴はそれを通して冷凍外科プローブを挿入するためのものである。隣接する穴121の各対の間の距離は好ましくは約2mm〜約5mmである。
ここで図4に示す装置の使用法を示す概略図である図5に移る。
図5に示すように、超音波プローブ530が患者の直腸3内に特定の深さ113まで導入される。得られた超音波画像114上にマーク112のネットが提供され、その画像114上のマーク112のネットは、案内要素115上の穴121のネットに正確に合致している。
従って、画像114上のマーク112は、穴120を通じて患者の前立腺2に挿入された冷凍外科プローブの末端に形成されるアイスボールの中心の正確な位置を示し、画像114は冷凍外科プローブが前立腺2中に挿入された特定の挿入深さ113に関連している。
図5に示すように、超音波プローブ530を直腸3の各種の深さ113まで徐々に導入して一組の画像114を作り、各画像は前立腺2へのそれぞれの挿入深さに関連している。従って、各画像114は、冷凍外科プローブの挿入軸線に垂直な特定の平面に関連している。
上記一組の画像114は上記前立腺の三次元グリッドを提供する。次にこのような三次元グリッドを使って冷凍外科の手順を計画する。
例えば、冷凍外科プローブを所定の挿入軸線に沿って第一深さまで導入すると前立腺組織のセグメントを効果的に破壊し、そしてそのプローブを第二深さまで導入すると前立腺尿道をひどく損傷することができる。
アイスボールは冷凍外科プローブの末端に局所的に形成されるので、各プローブを特定の深さまで導入して、他の挿入深さに位置する前立腺以外の組織又は前立腺の組織の損傷を避けながら前立腺の限定された部分に有効な治療を局所的に行うことができる。
ここで、従来技術の方法による図4に示す装置を使用する際のさらなるステップを示す概略図である図6に移る。
図6は冷凍外科プローブ50の手術チップ52を案内要素115の穴を通じて患者の前立腺2に挿入しているところを示している。
好ましくは、複数の冷凍外科プローブが案内要素115の穴120を通じて患者の前立腺中に順次挿入され、各プローブは特定の深さまで導入されて、他の前立腺の組織又は前立腺以外の組織のセグメントの損傷を避けながら前立腺組織の別個のセグメントに有効な実質的に局所の治療を行う。
好ましくは、各冷凍外科プローブの各々は前立腺中への挿入の深さを示す尺度を備えている。
従って、図1〜6に示した従来技術の装置と方法が、前立腺内の治療すべき領域の診断地図を作ることができ、さらに冷凍プローブが上記地図を作成された計画治療領域に従って配置される方式で複数の冷凍プローブを前立腺中に案内できることは分かるであろう。図1〜6に示した従来技術の方法が適切な改変で身体の他の種々の器官の冷凍切除に適応されうることは当業者に明らかであるだろう。
次に冷凍外科プローブの先端に形成されたアイスボールを横切る温度分布のプロファイルの概略図である図7Aに移る。図に示すように、アイスボールの表面104の温度は0℃である。約−40℃の等温表面102が一般にアイスボールの中心とその外部表面104の間のほぼ半分付近のアイスボール内に位置されるように、温度は−170℃の値に達するのが好ましいアイスボールの冷却された中心100に向かって指数関数的に低下する。従って、もしアイスボールが半径Rを有するなら、そのとき−40℃の等温表面102の半径は約R/2である。等温表面102内に含まれる組織容積は一般に上で規定した「切除容積」に相当する。
次に温度の関数として(組織破壊の百分率で与えられる)冷凍外科治療の効果を示すグラフである図7Bに移る。図に示すように、組織を効果的に破壊するために必要な温度は少なくとも約−40℃である。従って、組織を効果的に破壊するためには、−40℃の等温表面(図7Aで表面102としてマークした)は治療される組織の全容積が冷凍切除温度、即ち−40℃以下の温度にさらされるように治療される組織の周囲に位置されるべきである。
図7A及び7Bはともに、ある容積の組織が冷凍切除温度にさらされることによって治療されるとき、その容積はここで「損傷エンベローペ」と称される第二容積の組織によって包囲され、アイスボールの外部にさらされる健康な組織及び器官は−40℃〜0℃の温度を受けることを示す。
従って、図7Aに示された「切除容積」120は表面102内に含まれる組織の容積にほぼ相当し、図7Aに示された「損傷エンベローペ」130はアイスボールの−40℃の等温表面102と0℃の等温表面104の間の組織の容積にほぼ相当する。(実際には、実際の切除容積の正確な寸法及び位置付けは温度だけでなく、凍結時間、凍結/解凍サイクルなどに依存する)。
図7Bは0℃〜−40℃に冷却された組織が損傷を受け、その損傷が健康な組織の壊死及び健康な器官の機能の一時的又は永続的な障害を生じうることを明らかにする。
図1〜7に先に説明して示した従来技術の装置と方法の典型的な例を利用して、本発明の好ましい実施態様をここで説明する。しかし、上記従来技術の例は例示だけを目的として説明しているものであることに注意される。本明細書に開示されている発明は典型的な例に限定されない。特に、X線マッピング、造影剤の使用あり又はなしのCTマッピング、MRIマッピング、上記肛門プローブを利用しない超音波マッピングなどの別の診断マッピング法を利用できる。図1に示す冷凍プローブ50と異なる冷凍プローブは、組織を冷凍切除温度まで冷却できるならば本発明の実施態様に利用できる。以下に説明するように、図3〜6に描かれているものと異なる装置と方法を利用して、組織を冷凍切除するために選択された部位に1又は2以上の冷凍プローブを正確に送達することができかつ選択された部位に1又は2以上の加熱プローブを正確に送達することができる。
次に冷凍外科冷却が冷凍切除部位の隣接部位の組織の穏やかな加熱と組み合わされるときの冷凍切除部位における効果を示す概略図である図8Aに移る。冷却の機能をする冷凍プローブ111であってもよい冷却源100は損傷エンベローペ130によって包囲される切除容積120を作る。等温表面102Aは切除容積120Aの限界をマークし、それは冷却源100が冷凍切除温度まで冷却され全く加熱されないときに生成される切除容積である。従って、切除容積120Aは図7Aの切除容積120として示される形状と同様の形状を与える。
加熱源140が冷却源100と結合して使用されるとき、それらの近くの組織は冷却源100によって冷却され、加熱源140によって加熱されるだろう。結果として、かかる組織の温度は冷却源100と加熱源140からのそれらの距離の及びそれらの二つの源の経過時間ごとの温度の関数であるだろう。等温線102Bは適切な形で、加熱源140並びに冷却源100の影響下での切除容積の形状を示す。切除容積120Bは加熱源140にさらされた側で平坦にされるように見られる。
同様に、等温表面104Aは冷却源100が活性化され加熱源140が不活性化されるときの損傷エンベローペ130Aの外部境界を示し、結果として図7Aに描かれた損傷エンベローペ130の形状に類似する。等温表面104Bは適切な形で、加熱源140並びに冷却源100の影響下での損傷エンベローペ130Bの外部境界の形状を示す。損傷エンベローペ130Bは加熱源140にさらされた側で平坦にされているように見られる。
冷却源100と切除容積120Aの境界の間の距離が加熱源140に面する側で冷却源100と切除容積120Bの境界の間の距離より小さいことがさらに注目される。換言すれば、加熱ありの切除容積120Bは加熱なしの切除容積120Aよりかなり薄い。
同様に、等温表面102Bと等温表面104Bの間の距離がまた、等温表面102Aと等温表面104Aの間の距離よりかなり小さいことがさらに注目される。等温表面102Bは損傷エンベローペ130Bの内部境界であり、等温表面104Bはその外部境界であるが、等温表面102Aは損傷エンベローペ130Aの内部境界であり、等温表面104Aはその外部境界である。従って、加熱下の損傷エンベローペ130Bは加熱器140の側上で、加熱のない損傷エンベローペ130Aよりかなり薄い。
次に本発明の一実施態様による、第一部位における冷凍冷却が第二隣接部位の穏やかな加熱と関連するときに生成される急な温度勾配を示す概略図である図8Bに移る。
図8Bの勾配132は図7Aの勾配132を再現する。(図8Bの縮尺は画像の明確化のため水平方向に少し拡大されている。)従って、勾配132は冷却の中心100からの距離の指数関数として温度の上昇を描く。点X1Aはその勾配と−40℃等温線の交差点であり、点X1Bはその勾配と0℃の等温線の交差点である。従って、冷却の中心100はグラフの起源であるようにとられ、X1Aは冷却の中心から切除容積の境界までの距離であり、(X2A−X1A)は損傷エンベローペの厚さであり、それは図7Aの点102と104の間の距離に相当する。
勾配134は図8Bでは、図8Aの加熱器140の如き加熱要素が冷凍冷却と結合して作動されるときに生成される温度勾配を表わす。もし加熱器140が冷却の中心100から距離X3Bで作動されるなら、勾配134と同様の勾配が生成されるだろう。図8Bの視察から観察されうるように、勾配134は、損傷エンベローペの示された厚さ(X2B−X1B)が(関連する加熱のない)勾配132によって生成されたものと比較して多く減少され、かつ冷却の中心100から切除容積の境界までの距離が勾配132によって生成されたものと比較すると多く減少されるようなものである。即ち、((X2A−X1A)>(X2B−X1B))かつ(X1A>X1B)である。
冷却器100から加熱器140までの距離は位置X3Bに任意に設定されるが、X3BがX=0の位置に近づくように移動するにつれて、勾配134は対応して急になり、距離X1B(その点における切除容積の半径)及びその点における損傷エンベローペの厚さ(X2B−X1B)は対応して減少されるだろう。換言すれば、ある実際の限界内では、冷却源100の近くに温暖源140を適切に置くことによって、勾配134は段階的な温度変化に近づくようになり、距離X1B及び(X2B−X1B)は図7A及び8Bに示された従来技術の勾配132の距離X1A及び(X2A−X1A)と比較して実質的に減少されることができる。
次に図9〜11に移ると、それらはともに、選択された位置に置かれかつ選択された時間で選択された温度に冷却される冷却プローブと加熱プローブの組み合わせが組み合わされた切除容積を作るように作動し、その切除容積の形状が特別に造形された器官又は腫瘍の如き所望の冷凍切除ターゲットの三次元形状に実質的に一致するように巧みに作られうることを示す。
図9は本発明の一実施態様による、三つの選択された部位を、単一の隣接部位の穏やかな加熱とともに冷凍外科冷却する効果を示す概略図である。図9では、実線として示される等温線102A及び104Aはそれぞれ、加熱部位140の加熱のない場合に三つの表示された冷却部位100の冷凍冷却下で得ることを期待される、−40℃及び0℃の等温表面を表わす。等温線102Aは切除容積120Aの外部境界及び損傷エンベローペ130Aの内部境界を構成し、損傷エンベローペ130Aの外部境界は等温線104Aである。
図9では、図8Aのように、破線は示された冷却部位100での冷却が加熱部位140での加熱を伴うときに得られた、−40℃及び0℃における等温表面をそれぞれ表わす等温線102B及び104Bを示すために使用されている。等温線102Bは部位100の冷却が部位140の加熱を伴うときに得られた、切除容積120Bの外部境界を構成する。部位140を加熱しながら部位100を冷却している間に同様に得られた損傷エンベローペ130Bは−40℃の等温線102Bによって形成された内部境界、及び0℃の等温線104Bによって形成された外部境界を有する。図9の視察からわかるように、部位100の冷却時の加熱器140の加熱は部位140の近くの切除容積をくぼませ、その近くの損傷エンベローペの厚さを減少する効果を持つ。
次に本発明の一実施態様による、三つの選択された部位を、三つの隣接部位の穏やかな加熱とともに冷凍外科冷却する効果を示す概略図である図10及び図11に移る。
図10及び11は、一つだけの加熱部位140が図9に与えられ、三つの加熱部位140が図10及び11に与えられ、結果として、示されているように切除容積120B及び損傷エンベローペ130Bのサイズ及び形状が変更されていることを除いて図9と同様である。
図10の視察から、冷却のための部位100及び加熱のための部位140の適切な配置が実質的なセグメントに沿って実質的に直線でありかつ冷却部位100に比較的近い切除容積境界102Bを得ることを可能にすることが認識されうる。同様に図11の視察から、冷却部位100及び加熱部位140の代替配置がほとんど90°くぼませかつその領域で極端に薄い損傷エンベローペを有する切除容積境界を生成することが認識されうる。
まとめると、図9〜11は第一の選択された配置構成における複数の冷却している冷凍プローブの使用がそれらの冷却プローブの近くで第二の選択された配置構成における複数の加熱プローブの使用とともに所望の三次元形状に一致する境界を切除容積120Bを巧みに作ることを可能にし、その境界が所望の冷凍切除ターゲットのサイズ及び三次元形状に実質的に一致するように巧みに作られうることを示す。
様々な利益がそれによって得られる。上で既に述べた二つの利益は(i)所望の冷凍切除ターゲットに冷凍切除を実質的に限定すること、及び(ii)冷凍切除容積を包囲する損傷エンベローペを実質的に減少することである。
第三の利益も注目され、その意義を説明する。図10及び11は一般的な態様で、複数の冷却部位に結合した複数の加熱部位の使用が等温線102Bを動かし、複数の冷却プローブ111又は他の冷却部位100の各々に比較的近い切除容積120Bの外部境界を動かす効果を持ちうることを示す。
重要な利益がそれによって得られる。上の背景技術の部分で述べたように、従来技術で知られた冷凍切除法と関連した一つの有意な問題は冷凍切除容積120の境界102が公知の画像形成技術下では直接見ることができないことである。例えば超音波は境界104、凍結された組織のアイスボールの縁に相当する0℃等温表面を容易に見ることができるが、有意な等温線102、組織が信頼性高く冷凍切除される領域の境界を直接見ることができず、その存在及び位置は境界104の位置の如き公知の事実から計算又は推測又は推論されなければならない。
この従来技術の制限は例えば図10及び11の例によって示される条件下ではかなり軽減される。部位100のプローブ111、及び境界104B、冷凍切除時に形成されるアイスボール縁の両方は超音波、透視装置、又はMRIの如き適切な画像形成技術又はそれらの組み合わせの使用によって見えるようにしてもよい。プローブ111と境界104の間の距離が大きいとき、プローブ111と境界104の間のどこかの境界102の位置はほぼ推測されることができるにすぎない。しかし、図10及び11に示すようにプローブ111と境界104の間の距離が実質的に減少されるとき、そのとき境界102、冷凍切除容積の境界の正確な位置に関する手術者の不確実性は比例的に減少される。
図8B,9,10,及び11によって概略的に示されるように、複数の冷却部位の近くの複数の加熱部位の適切な選択及び配置は選択された造形された三次元部位で温度の段階的な低下に近似する急な温度勾配を生成する効果を持ちうる。従って、かかる部位は冷凍切除ターゲットの三次元形状に一致させるようにされそのように設計されうるだけでなく、生じた冷凍切除容積の効果的な境界は使用された加熱及び冷却プローブの両方に近づき、冷凍切除時に作られたアイスボールの縁に近づくようにされうる。しかし、加熱プローブ、冷却プローブ、及びアイスボール縁は全て超音波及び他の画像形成技術下で見ることができうる。従って、ここに記載された技術を使用して、手術者は洗練された三次元形状の冷凍切除容積を設計できるだけでなく、彼の切除介入が実際に行なわれる場所をリアルタイムに見ることもできる。
次に従来技術の方法による、損傷エンベローペの境界と冷凍切除ターゲットの境界を比較する概略図である図12に移る。それは本発明の一実施態様による、損傷エンベローペの境界と冷凍切除ターゲットの境界を比較する概略図を与える図13と対比されるべきである。
図12では、線145は所望の冷凍切除ターゲット146の境界を表わす。複数の冷凍プローブ又は他の冷却源100は冷凍切除ターゲット145内に置かれ、冷却されて境界102Aを有する切除容積120A、及び外部境界104Aを有する損傷エンベローペ130Aを作る。図12は従来技術の方法による、切除容積120Aのターゲット境界145への適度に良好な整合と一般に考えられうるものを表わす。
図12は、本発明の一実施態様による、損傷エンベローペの境界と冷凍切除ターゲットの境界を比較する概略図を表わす図13と対比されてもよい。図13では、複数の加熱プローブ140は複数の冷却プローブ100の近くに置かれ、加熱プローブ140は冷却プローブ100の冷却時に加熱される。境界102Bは切除容積120Bの境界の近似表現であり、境界104Bは損傷エンベローペ130Bの外部境界の近似表現である。
加熱プローブ140を冷却プローブ100に極めて接近させることは各冷却プローブ100と近くの加熱プローブ140の間の急な温度勾配をもたらす。生じた急な勾配はターゲット境界145の比較的近くのプローブ100の配置を可能にし、図12に示される損傷エンベローペ130Aと比較すると損傷エンベローペ130Bを比較的薄いエンベローペに圧縮する効果を持つ。従って、ターゲット146の切除の精度が増強され、ターゲット146外の組織の損傷が最小にされる。
本発明の好ましい実施態様では、上の図8〜13を参照して述べた原理は特に図4,5,及び6を参照して上で記載された従来技術の装置を利用して実施される。従って、その従来技術の装置は本発明の実施態様における新しい利用に適応されてもよい。
一般に言うと、本発明の方法は冷凍切除ターゲットを三次元空間に(典型的には画像形成技術の使用によって)配置し、次いでプローブ位置決め機構を利用して複数の冷凍プローブをその冷凍切除ターゲット内に配置し、また複数の加熱プローブをその冷凍切除ターゲットを部分的に包囲する、好ましくは完全に包囲するように配置し、次いでその加熱プローブを加熱しながらその冷凍プローブを冷凍してターゲットを正確に冷凍切除することを要求する。
特に図4,5,及び6を参照して上で記載された装置及び方法はこの目的のために使用されてもよい。例えば超音波プローブ130(図4)を利用して腫瘍の如き冷凍切除ターゲットの三次元マッピングを可能にする情報を集めてもよい。次いでガイドテンプレート110を使用してここで記載した治療戦略に従って冷却及び加熱プローブを三次元空間の適切な位置に案内してもよい。特に、テンプレート110は加熱及び冷却プローブの両方の三次元の位置を案内するように作動可能である。
次に本発明の一実施態様による、ターゲットの横方向の境界の治療を強調した、ターゲットの冷凍切除のための手順の三段階の概略図である図14に移る。
図14は業界で「引き戻し」手順と称されるものを与える:加熱及び冷却の両方の作動が可能な100A〜100Fで表示される複数の冷凍プローブはテンプレート110を通過して患者の身体に入り、超音波プローブ130又は他の良く知られた診断ツールの如き画像形成技術を使用して予め識別され局部的に制限された冷凍切除ターゲット146中に及びそのまわりに到達する。業界で良く知られているように、引き戻し手順は幾つかの段階でターゲット146の切除を伴う。典型的には、複数の冷凍プローブが前立腺の如きターゲット中に選択された深さまで導入され、それらの冷凍プローブが冷凍切除温度まで冷却され、次いで好ましくは凍結した組織への接着からプローブを自由にするために加熱される。プローブは次いで典型的には挿入深さを小さくするように引き抜かれ、それによってそれらは再び冷却されてターゲット146の追加層などを切除し、ターゲット全体を治療するのに必要な回数だけ繰り返される。
本発明の好ましい実施態様によれば、冷凍プローブ100A〜100Fは組織を冷凍切除温度まで冷却し、また組織を加熱するように作動可能である。例えば、図1に示す冷凍プローブは冷却ガス又は加熱ガスがその中のジュール−トムソンオリフィスを通って供給されるかどうかによって加熱及び冷却の両方を作動可能である。
本発明の好ましい実施態様によれば、段階Aにおいて、複数の冷凍プローブが患者の身体中に第一深さまで挿入され、その複数の冷凍プローブのうちの手術チップがターゲット146内に位置され、挿入された冷凍プローブのうち他のものの手術チップが冷凍切除ターゲット146の近くでそれの外側に配置される。従って、図14に示す概略図では、段階Aにおいてプローブ100Bの手術チップはターゲット146内に位置され、プローブ100A,100C,及び100Dはターゲット146の近くでそれの外側に位置される。この段階において、プローブ100Bは冷却され、プローブ100A及び100Cは加熱され、それによってプローブ100Bによるターゲット146の部分の冷凍切除時の保護加熱エンベローペでターゲット146の遠位部分を包囲する。
一つ以上の凍結及び解凍の繰り返しが段階Aとして示された位置で行なわれた後、外科医は、プローブ110を部分的に引き出し、それらを段階Bとして示された位置にもたらす。この点において、プローブ100B及び100Cはターゲット146内にあり、プローブ100A及び100Dはターゲットの側面に位置する。この位置では、プローブ100B及び100Cは冷凍切除温度まで冷却され、一方プローブ100A及び100Dは優しく加熱される。
一つ以上の凍結及び解凍の繰り返しが段階Bとして示された位置で行なわれた後、外科医はさらに、プローブ110を部分的に引き出し、それらを段階Cとして示された位置にもたらす。この点において、プローブ100B,100C及び100Dはターゲット146内にあり、プローブ100A及び100Eはターゲットの側面に位置する。その位置では、プローブ100B,100C及び100Dは冷凍切除温度まで冷却され、一方プローブ100A及び100Eは優しく加熱される。
従って、各段階において、ターゲット146内のプローブは冷凍切除温度まで冷却され、一方ターゲット146を包囲する(部分的に包囲する)プローブは優しく加熱される。
段階Aにおけるプローブ100Cは少し特別な場合を与える。プローブCの手術チップはターゲット146の外であるがターゲット146に極めて近くにあるものとして示されている。一般に、冷凍プローブ位置決め機構のフレキシビリティ及び外科手順の固有の不正確性の両方に実際の制限を与えるなら、加熱及び冷却プローブを最適な位置に正確に配置することは困難であるし実際的ではない。本発明の好ましい実施態様では、画像形成技術を使用してプローブ100の実際の位置をリアルタイムに決定してもよく、その情報を使用して各プローブに対する選択された温度の適切な組み合わせ、及び/又はそれらのプローブの加熱及び冷却のためのタイミング表を計算し、冷凍切除容積120の境界を冷凍切除ターゲット146の境界145に接近して形成させてもよい。従って、例えば図14の段階Aのプローブ100Cの場合において、プローブ100Cはわずかにだけ加熱され、プローブ100Aはより強く加熱され、図14に示されるように、切除容積境界102Bをプローブ100Cの近くでプローブ100Aから少し遠くに形成されうる。あるいは、可能な間欠的な冷却及び加熱を含む、冷却及び加熱のタイミングの制御は個々のプローブの影響を望むように微調整するために(例えばジュール−トムソンプローブにおけるガス圧の可変制御によって)個々のプローブの冷却の強さの制御の代わりに又はそれに加えて使用されてもよい。
図14は冷凍切除ターゲット146の横方向境界に本発明の方法を適用するための戦略を示す。冷凍切除ターゲットの近位及び遠位境界を取り扱うための戦略は以下の図15〜21に与えられるだろう。
次にターゲットの遠位又は近位境界の治療のための方法を示す、本発明の一実施態様によるターゲットの冷凍切除のための手順における一段階の概略図である図15に移る。
図15は冷凍切除ターゲット146、第一角度から患者の身体に挿入し、かつターゲット146内に位置された手術チップを有する第一プローブ100A、及び第二角度から患者の身体に挿入し、かつプローブ100Aの手術チップの近くであるが、ターゲット146の外側に位置された手術チップを有する第二プローブ100Bを与える。この配置構成において、プローブ100Aは冷却され、プローブ100Bは加熱されてもよく、それによって冷凍切除容積の境界をターゲット146の境界145と実質的に一致させる。
不幸にも、図15によって示される配置構成は必ずしも実際的ではない。例えば前立腺の冷凍切除の場合には、前立腺への最も実際的なアプローチは会陰部を通してである。しかし、全てのプローブを会陰部を通して導入する場合は、図15に示すような冷凍プローブの全く異なる配向は認められない。同様に、図4及び14に示すようなガイドプレート110の使用はかかる配置構成を許さない。
次にターゲットの近位又は遠位境界の治療の追加の方法を示す、本発明の一実施態様によるターゲットの冷凍切除のための手順における一段階の概略図である図16に移る。
図16はそれがガイドテンプレート110を通して患者の身体中に挿入された複数のプローブを表示する点で図14と同様である。図16に示された実施態様では、複数のプローブ100が冷凍切除ターゲット146の三次元形状遠位境界での切除のために適切な配置構成で位置される。図16に示されるように、第一の選択された組のプローブ100はターゲット146内に位置されてもよく、第二の選択された組のプローブ100はターゲット146の境界145に隣接するがターゲット146外に位置されてもよい。この配置構成では、第一の選択された組のプローブは冷凍切除温度まで冷却されてもよいが、第二の選択された組のプローブは穏やかに加熱される。好ましくは、第一組のプローブが図16に示されるように第二組のプローブと交互になるような組にプローブが選択される。
図16に示された方法は平行な方向に配向された複数のプローブを患者の身体中に導入するように作動可能な図4〜6に与えられた装置を利用して実施されてもよい。従って、方法は例えば会陰部を通して前立腺を切除するために適切である。
図16に与えられた方法の下で切除容積120の境界102の位置の微調整に関して、我々は二つの選択肢が利用可能であることに注目する。別個の穴の配列を含むテンプレート110はテンプレート110の面を横切る「X」及び「Y」方向と称しうるものにおける位置の全体的な自由度を提供しないし、「Z」方向、即ち患者の身体への挿入方向における移動を制限しない。テンプレート110における穴を通して挿入されたプローブはいかなる所望の深さまで挿入されてもよい。従って、図16に示された配置構成は境界145の遠位部分からの全ての手術チップの距離が全てのプローブ100を横切って等しくされうるような方法で代替的に記載されることができるだろう。代わりに、図16は所望のターゲット境界からの種々の手術チップの距離の変動性を持つものとして描かれ、加熱及び冷却の温度及びタイミングが位置の小さな違いを補償するために変更されてもよいことが理解される。
しかしながら、我々は実際に、考慮されなければならない一つの制限に注目する:冷却温度の大きな変動性は利用可能であり、プローブ100内の熱センサ及びプローブなしの熱センサによって監視されてもよいが、加熱温度は上限を持つ:組織の過剰加熱は冷却からの望ましくない損傷を防ぐが、熱による同等の又は一層悪い損傷を生ずる危険がある。上記の背景技術の部分で述べたMikusらの米国特許第6505629号では、Mikusは組織の過剰加熱を避けるために制限された圧力の圧縮ヘリウムが使用されるジュール−トムソン加熱を教示することが述べられた。高圧よりむしろ低圧のヘリウムを使用する加熱の方法は前に述べた欠点を持ち、特に高度に小型化されたシステムにおける低圧ガスの使用はかかるシステムから想定されうる制限されたガス処理量のため制限された加熱容量を生じるだろう。第一の代替法は加熱ガスでのジュール−トムソン加熱を使用するが、熱交換器を使用せずにそのガスを予熱することであるだろう。これは高圧ヘリウムの使用を可能にし、結果として予熱が使用されたら得られたであろう高温を避けながら増大したガス処理量を可能にする利点を持つだろう。しかしながら、この方法は加熱(予熱のための熱交換器なし)及び冷却(予冷のための熱交換器あり)のための別個のチャンバーを必要とする欠点を持つ。
本発明の好ましい実施態様による好ましい解決策は必要な程度の加熱(又は冷却)を達成するようにガスの混合物、即ち選択された割合の冷却ガスと加熱ガスを含む混合物のジュール−トムソンオリフィスによる膨張によってプローブを加熱することである。加熱ガスと冷却ガスの混合物の使用は加熱及び冷却の微細な制御を可能にし、しかも低下したガス圧及びガスの結果的に制限された処理量を要求しない。この目的のためのガス供給を含むシステムは以下の図19に与えられる。
図16によって示された冷凍切除ターゲットの近位又は遠位境界の治療のための方法は図1に示された従来技術の冷凍プローブの如き標準的な冷却可能及び加熱可能な冷凍プローブを使用して実施することを可能にする利点を持つ。図16に示された方法の欠点は加熱のために使用されるプローブを冷却のために使用されるプローブと交互にすることが加熱及び冷却の両方における「低分解能」と称するものを生成し、それによって方法の精度に上限を与えることである。図17〜21は冷凍切除ターゲットの遠位及び近位境界を治療するためのさらに別の方法を示し、その方法は図16の方法と比較すると「高分解能」の結果を与える。
次に加熱及び冷却のために各々作動可能な複数の独立制御可能な手術モジュールを含む冷凍プローブの手術部分の概略図である図17に移る。
図17は第一手術モジュール180及び第二手術モジュール190を有するマルチモジュール冷凍プローブ200を示す。手術モジュール180及び190はまた、以下において「治療モジュール」と称される場合がある。
手術モジュール180はガス流入管182、チャンバー184、ジュール−トムソンオリフィス186、ガス排出管188、及び熱交換配置構成189を含む。加圧された冷却ガスがガス流入管182を通って供給されるとき、その加圧された冷却ガスはジュール−トムソンオリフィス186を通ってチャンバー184、即ち冷却チャンバー184中に膨張する。膨張された冷却ガスは次いでガス排出管188を通って排出され、それはガス流入管182に入って来る冷却ガスを予冷するための熱交換配置構成189を含むことが好ましい。加圧された加熱ガスがガス流入管182を通って供給されるとき、その加圧された加熱ガスはジュール−トムソンオリフィス186を通ってチャンバー184、即ち加圧チャンバー184中に膨張する。膨張された加熱ガスは次いでガス排出管188を通って排出され、それはガス流入管182に入って来る加熱ガスを予熱するための熱交換配置構成189を含むことが好ましい。
手術モジュール190は手術モジュール180と機能において同様であり、構成においても同様でありうる。
手術モジュール190はガス流入管192、チャンバー194、ジュール−トムソンオリフィス196、ガス排出管198、及び熱交換配置構成199を含む。加圧された冷却ガスがガス流入管192を通って供給されるとき、その加圧された冷却ガスはジュール−トムソンオリフィス196を通ってチャンバー194、冷却チャンバー194中に膨張する。膨張された冷却ガスは次いでガス排出管198を通って排出され、それはガス流入管192に入って来る冷却ガスを予冷するための熱交換配置構成199を含むことが好ましい。加圧された加熱ガスがガス流入管192を通って供給されるとき、その加圧された加熱ガスはジュール−トムソンオリフィス196を通ってチャンバー194、即ち加熱チャンバー194中に膨張する。膨張された加熱ガスは次いでガス排出管198を通って排出され、それはガス流入管192に入って来る加熱ガスを予熱するための熱交換配置構成を含むことが好ましい。
マルチモジュールプローブ200は二つの治療モジュールを有するものとして図17に示されているが、代替的にプローブ200は三つ又はそれより多くの治療モジュールを含んでもよい。
プローブ200の各治療モジュールは加熱及び冷却において独立制御されるように設計及び構成される。制御は以下の図19に示されるように、各モジュールに送出されたガスの供給を制御することによって実施されることが好ましい。従って、モジュール180及びモジュール190、及び追加のモジュール(もし存在するなら)は選択された時間で選択された程度で各々他から独立して冷却又は加熱するように作動されてもよい。熱センサ187及び197は外部制御システムにリアルタイムのフィードバックを与えることが好ましく、そのフィードバックはプローブを最良の効果で使用するのに有用である。従って、モジュール180及びモジュール190は冷却、又はともに加熱、又は一方を加熱して他方を冷却するように、いずれかの順序で、同時に又は異なる時間に作動されてもよい。マルチモジュールプローブ200は各モジュールの作動の独立性をさらに増強するためにモジュール180及び190(及び任意に存在する他のモジュール)を各々他から断熱するように作用する断熱体を含むことが好ましい。
次に本発明の実施態様によるマルチモジュール冷凍プローブの代替配置構成の概略図である図18A,18B,及び18Cに移る。図18Aはモジュール180及び190が縦方向に配置される(即ち、一つが遠く一つが近くに配置される)図17のマルチモジュール冷凍プローブ200とは対照的に、モジュール180及び190が横方向に配置される(即ち、並んで配置される)マルチモジュール冷凍プローブ202を示す。
図18Bは二つより多い独立制御可能な治療モジュールを含むマルチモジュール冷凍プローブ204を示す。
図18Cは、独立制御可能な治療モジュール180及び190を含み、さらにプローブ206の近位部位の近くの組織をプローブ206のシャフト部分226との接触によって誘導される冷却によって損傷されることから保護するように設計及び構成されたシャフト絶縁要素220を含むマルチモジュール冷凍プローブ206を示す。そのシャフト部分はモジュール180から、又はモジュール190から、又は両方から排出する冷却排出ガスのシャフト部分の通過によって偶然に冷却されやすい。好ましい構成では、シャフト絶縁要素220は断熱材料222である。別の好ましい構成では、シャフト絶縁要素220は電気抵抗加熱器224である。
次に冷凍切除のためのシステムの概略図である図19に移る。システム250は図では冷凍プローブ260,262及び264によって表わされる複数の冷凍プローブを含み、冷凍プローブの各々は図ではモジュール270,272,274,276,278,及び280,282,284及び288によって表わされる複数の独立制御可能な手術モジュールを有する。これらの選択された表示は任意に選択されることを理解されなければならない。システム250の冷凍プローブは図1,17又は18に示された配置構成のいずれか、又は他の配置構成を持ってもよい。
システム250はガスの独立して選択された混合物を各プローブの各治療モジュールに選択された時間に供給するように作動可能である。
システム250は加熱ガスの源300及び冷却ガスの源302を含む。システム250は加熱ガス源300から加熱ガス制御弁310及び逆止め弁312を通ってプローブ260,262,264,及び所望により他のプローブにおける複数の治療モジュールのガス流入管に加熱ガスを供給するように作動可能である。システム250はさらに、冷却ガス源302から冷却ガス制御弁314及び逆止め弁316を通ってプローブ260,262,264,及び所望により他のプローブにおける複数の治療モジュールのガス流入管に冷却ガスを供給するように作動可能である。
弁310及び314は手動弁であってもよいが、それらは制御モジュール320の制御下で遠隔制御された弁であることが好ましい。
制御モジュール320は熱センサ187及び197の如きセンサからのデータ、好ましくはシステム250の種々の部分及び患者の組織における温度を報告し、システム250の種々の部分における圧力を報告するように作動可能な追加の熱及び圧力センサに応答するように設計及び構成されることが好ましい。制御モジュール320は好ましくはメモリー322及び処理器326を含み、上述のセンサからの入力データに応答し、オペレータの命令に応答し、メモリー322に貯蔵されたアルゴリズム324の制御下で弁310及び314を制御するように作動可能である。
好ましい実施態様では、システム250は冷却ガス、加熱ガス、又は冷却ガスの混合物をシステムの各冷凍プローブの各治療モジュールに供給するように作動可能であり、従ってシステム250が様々な配置構成において加熱モジュール及び冷却モジュールの種々の組み合わせを実施することを可能にする。
次に複数の独立制御可能な手術モジュールを各々有する複数の冷凍プローブを使用して、本発明の一実施態様によるターゲットの冷凍切除のための手順における三段階を示す概略図である図20に移る。
図20はそれが冷凍切除ターゲット146の治療時の「引き戻し」の三段階を示す点で図14と同様である。図20に描かれた好ましい実施態様では、複数のプローブ(プローブ361〜366のように示される)はガイドテンプレート110を通過され、患者の身体の冷凍切除ターゲット146及びその付近に位置される。
プローブ361〜366は各々が371a,371b,372a,372b,373a,373b,374a,374b,375a,375b,376a及び376bの番号を付けられた二つの独立制御可能な治療モジュールを有するものとして示されている。もちろん、描かれた特定の配置構成が例示にすぎないこと及び本発明が種々の代替配置構成下で実施されうることを理解すべきである。
一般に、治療方法は上で詳細に記載されているように、治療モジュール371a〜376bを冷凍切除ターゲット146及びその付近に位置させ、ターゲット146内に位置されたそれらのモジュールをターゲット146を冷凍切除するための冷凍切除温度まで冷却し、ターゲット146外でかつターゲット146に隣接して位置されたそれらのモジュールを加熱し、それによってターゲット146の正確に画定された冷凍切除を実施することを含む。
従って、段階Aでは、モジュール372a及び372bは冷凍切除温度まで冷却され、モジュール371a,371b,372b,373b,374a及びおそらく374bはそれらの近くの組織を加熱するために活性化されるだろう。
段階Bでは、モジュール372a,372b,373a,373b及び374aは冷却され、一方モジュール371a,371b,374b,375a及びおそらく375bは加熱されるだろう。
段階Cでは、モジュール372a,372b,373a,373b,374a及び374bは冷却され、一方モジュール371a,371b,375a,375b及びおそらく376aは加熱されるだろう。
各段階における効果は冷凍切除ターゲットの境界の部分の三次元形状に一致するように形成された選択された三次元形状の内側を冷却し、その外側を暖めることであり、それによって生じた冷凍切除容積の境界はその意図した冷凍切除ターゲットの形態に密接に一致させることである。
次に多数の治療モジュールを各々有する複数の冷凍プローブによる冷凍切除ターゲットの治療(治療は引き戻しを要求されない)の概略図である図21に移る。
図21では、図ではプローブ400,410,420,及び430として表わされた複数のプローブはガイドテンプレート110を通って患者の身体中に挿入されて示され、そこではプローブは冷凍切除ターゲット146を通って及びそのまわりに延びる。各プローブは五つの治療モジュールを有するものと示されている。好ましくは、各モジュールは加熱又は冷却の独立制御が可能であるが、これは本発明の要求事項ではない。例えば、最も遠い及び最も近いモジュール(我々の例ではモジュール400A,410A,420A,430A,400E,410E,420E,及び430E)が加熱するが冷却しないように設計及び構成されるプローブを使用することは好都合であるか又は経済的であるだろう。かかるモジュールは電気抵抗加熱の如き加熱方法を利用してもよく、それは例えばジュール−トムソン加熱及び冷却を利用して冷却及び加熱の両方を作動可能であるように設計及び構成されうるモジュールB,C,及びDに対してあまり適切でない。
図14及び図20に示された例では、冷凍切除ターゲット146は描かれた複数の冷凍プローブによって示された利用可能な冷却表面とは対照的に大きい。結果として、ターゲット146の冷凍切除は数段階で実施され、それらの段階の幾つかは図14及び20に示されている。
対照的に、図21によって示された冷凍切除ターゲット146は描かれた冷凍プローブ
400,410,420,及び430に対して相対的に小さい。さらに、冷凍プローブ400,410,420,及び430は各々、多数の二重目的の治療モジュールを含む。結果として、図21によって示される好ましい実施態様による冷凍プローブは多段階の引き戻し切除プロセスの必要性なしでターゲット146を正確に冷凍切除するように作動可能である。図を参照すると、モジュール410C,410D,及び420Bがターゲット146内に全体的に又は実質的に位置され、本実施態様によれば、ターゲット146を切除するために冷凍切除温度まで冷却されることが観察されうる。モジュール400C,400D,400E,410A,410E,420A,420C,420D,420E,及び430Bは各々、ターゲット146の外部であるが、それに近く、この実施態様によれば冷凍切除プロセス時に加熱され、それによって上で一般的に記載された種々の積極的な効果を生みだすだろう。
400,410,420,及び430に対して相対的に小さい。さらに、冷凍プローブ400,410,420,及び430は各々、多数の二重目的の治療モジュールを含む。結果として、図21によって示される好ましい実施態様による冷凍プローブは多段階の引き戻し切除プロセスの必要性なしでターゲット146を正確に冷凍切除するように作動可能である。図を参照すると、モジュール410C,410D,及び420Bがターゲット146内に全体的に又は実質的に位置され、本実施態様によれば、ターゲット146を切除するために冷凍切除温度まで冷却されることが観察されうる。モジュール400C,400D,400E,410A,410E,420A,420C,420D,420E,及び430Bは各々、ターゲット146の外部であるが、それに近く、この実施態様によれば冷凍切除プロセス時に加熱され、それによって上で一般的に記載された種々の積極的な効果を生みだすだろう。
モジュール410Bは部分的にターゲット146内で部分的にターゲット146外の特別なケースを示す。一つの代替法では、モジュール410は不活性なままであってもよく、加熱も冷却もされない。第二の代替法では、コマンドモジュール320によって示されるものの如き計算手段を使用してモジュール410のための最適な温度を計算し、例えばターゲット146の完全な切除を保障し、一方ターゲット146外の組織の切除を最小にしてもよい。一般に、意図される方法は好ましくは各モジュールのための最適な温度、及び/又は時間あたりの各モジュールの温度の変化表を計算して、ターゲット146の完全な切除を保障し、一方ターゲット146外の組織の切除及びそれに対する損傷を最小にすることを含む。従って、例えば、モジュール420Dが好ましくはモジュール410Eより少ない程度に、又は少ない時間加熱されることが注目されるだろう。ターゲット146の境界の部分440はモジュール410Dとモジュール410Eの間の界面の近くにあり、その境界はモジュール410Dの近くでプローブ410を横切る。結果として、モジュール410Dは周囲の組織を強く冷却するために使用されることができ、モジュール410Eは周囲の組織を加熱するために使用されることができ、それによってターゲット146の形状に十分に対応する温度の階段状の低下をうまく生成する。対照的に、ターゲット146の境界の部分442はモジュール420Dの近くにあり、その境界内の全ての組織を切除するために十分な冷却を与えなければならないモジュール410Dから比較的遠い。モジュール420Dがターゲット146の外であっても、モジュール420Dの強い加熱は部分442の近くでターゲット146内の組織の切除を防ぐだろう。従って、本発明の好ましい実施態様によれば、制御モジュール320によって与えられるような計算手段を使用して、ターゲット146の組織及びその周囲の熱センサーから、及び所望によりプローブ、ターゲット、及び冷凍切除プロセスによって作られたアイスボールの実際の位置に関するリアルタイムな画像のコンピュータ処理された解釈から収集された又は手術者から受けたリアルタイムな情報から、ターゲット146及びモジュール400A〜430Eの位置について知られたものに基づいて、さらにプローブ400,410,420及び430内の熱センサから収集されたリアルタイムな情報に基づいて、時間あたりの最適な温度を計算することが好ましいだろう。
明確にするため別個の実施態様で説明されている本発明の特定の特徴は単一の実施態様に組み合わせて提供することもできることは分かるであろう。逆に、簡潔にするため単一の実施態様で説明されている本発明の各種の特徴は別個にまたは適切なサブコンビネーションで提供することもできる。
本発明はその特定の実施態様によって説明してきたが、多くの別法、変更及び変形があることは当業者には明らかであることは明白である。従って、本発明は、本願の請求項の精神と広い範囲の中に入るこのような別法、変更及び変形すべてを包含するものである。本願で挙げた刊行物、特許及び特許願はすべて、個々の刊行物、特許及び特許願が各々あたかも具体的にかつ個々に引用提示されているのと同程度に、全体を本明細書に援用するものである。さらに、本願で引用又は確認したことは本発明の先行技術として利用できるという自白とみなすべきではない。
Claims (59)
- 患者の身体における選択された冷凍切除ターゲットを冷凍切除するときに冷凍切除容積を明確に画定するための方法であって、
(a)冷凍切除ターゲットの境界として三次元形状を規定し;
(b)少なくとも一つの治療モジュールを各々含む複数のプローブを前記患者に挿入し;
(c)第一組の前記治療モジュールが前記規定された形状境界に隣接しかつ前記選択された冷凍切除ターゲットの内部であり、第二組の前記治療モジュールが前記規定された形状境界に隣接しかつ前記選択された冷凍切除ターゲットの外部であるように前記プローブを位置決めし;
(d)前記第一組の治療モジュールを冷凍切除温度まで冷却して前記冷凍切除ターゲット内で前記境界に隣接する組織を冷凍切除し;そして
(e)前記第一組の治療モジュールの前記冷却時に前記第二組の治療モジュールを加熱して前記冷凍切除ターゲットの前記形状境界の近くで明確な温度勾配を作り、それによって前記冷凍切除容積を明確に画定すること、
を含む方法。 - 前記複数のプローブの少なくとも一つは少なくとも二つの独立制御可能な治療モジュールを含む請求項1に記載の方法。
- 第一の前記独立制御可能な治療モジュールを加熱しながら第二の前記独立制御可能な治療モジュールを冷却することをさらに含む請求項2に記載の方法。
- 冷却ガスと加熱ガスの混合物のジュール−トムソンオリフィスによる膨張によって前記第一の独立制御可能な治療モジュールを加熱することをさらに含む請求項3に記載の方法。
- (f)患者の外部でかつ前記冷凍切除ターゲットに対して既知の空間的関係を有する位置に、テンプレートに対して予め決められた角度で穴を通るようにプローブを配向するように各々作動できる穴の配列を有するテンプレートを位置決めし;そして
(g)複数の前記プローブを前記穴の配列の一つずつに通し、そこから前記患者に到達し、それによって前記冷凍切除ターゲットに対して前記挿入されたプローブを配向すること、
によって前記冷凍切除ターゲットに対して前記プローブを配向することをさらに含む請求項1に記載の方法。 - 前記テンプレートは患者の会陰部に位置付けられる請求項5に記載の方法。
- 前記テンプレートはそこに挿入された複数の冷凍プローブの平行な配向を確実にするように設計及び構成される請求項5に記載の方法。
- 前記プローブのうち一つは前記テンプレートを通る前記プローブの挿入深さを手術者に見えるように設計及び構成された、前記プローブ上の外部マーキングを含む請求項7に記載の方法。
- 前記第二組の治療モジュールは前記冷凍切除ターゲットを包囲する請求項1に記載の方法。
- 冷凍切除ターゲットを冷凍切除するときに前記冷凍切除ターゲットの周囲の組織に対する損傷を最小にするための方法であって、
(a)冷凍切除ターゲットの境界として三次元形状を規定し;
(b)少なくとも一つの治療モジュールを各々含む複数のプローブを患者に挿入し;
(c)第一組の前記治療モジュールが前記冷凍切除ターゲットの内側であり、第二組の前記治療モジュールが前記ターゲットの外部でありかつ前記ターゲットの少なくとも一部を包囲するように前記プローブを位置決めし;
(d)前記第一組の治療モジュールを冷凍切除温度まで冷却して前記ターゲット内の組織を切除し;そして
(e)前記第一組の治療モジュールの冷却時に前記第二組の治療モジュールを加熱し、それによって前記冷凍切除ターゲットの周囲の組織の冷却を防止し、それによって前記冷凍切除ターゲットを冷凍切除している間の前記冷凍切除ターゲットの周囲の組織に対する損傷を最小化すること、
を含む方法。 - 前記第二組の治療モジュールは前記冷凍切除ターゲットを完全に包囲する請求項10に記載の方法。
- 前記第一組の治療モジュールの冷却は器官を完全に切除する請求項10に記載の方法。
- 前記器官は前立腺である請求項12に記載の方法。
- 前記第一組の治療モジュールの冷却は腫瘍を完全に切除する請求項10に記載の方法。
- 前記第一組の治療モジュールの各治療モジュールは前記第二組の治療モジュールの少なくとも一つの治療モジュールに隣接して位置付けられる請求項10に記載の方法。
- 冷凍切除容積を正確に画定するための装置であって、
(a)冷凍切除ターゲット内及びそのまわりに複数の冷凍プローブを位置決めするための位置決め装置、及び
(b)前記冷凍切除ターゲットの境界に隣接する前記ターゲットの外部の組織を加熱し、一方前記冷凍切除ターゲットの前記境界に隣接する前記ターゲットの内部の組織を冷却するように作動可能な少なくとも一つのプローブ、
を含む装置。 - 前記少なくとも一つのプローブは複数の独立制御可能で同時に作動可能な治療モジュールを含み、前記モジュールの各々は隣接組織を冷却するように作動可能であり、かつまた隣接組織を加熱するように作動可能である請求項16に記載の装置。
- 前記独立制御可能な治療モジュールはジュール−トムソン冷却によって冷却可能である請求項17に記載の装置。
- 前記独立制御可能な治療モジュールはジュール−トムソン加熱によって加熱可能である請求項17に記載の装置。
- 前記プローブは、前記プローブがその縦方向に延びた区域の第一面に沿って冷却し、一方その前記縦方向に延びた区域の第二面に沿って加熱するように、横方向に位置付けられた二つの治療モジュールを含む請求項17に記載の装置。
- 前記プローブは、前記プローブが近位治療モジュールを加熱しながら遠位治療モジュールを冷却するように作動可能であり、さらに前記遠位治療モジュールを加熱しながら前記近位治療モジュールを冷却するように作動可能であるように、縦方向に位置付けられた二つの治療モジュールを含む請求項17に記載の装置。
- 前記位置決め装置は前記プローブを中に挿入するための穴の配列を与えるテンプレートを含み、前記穴は冷凍切除ターゲット内及びそのまわりに前記プローブの位置を案内するように作動可能である請求項16に記載の装置。
- 各々が患者の身体への挿入前に前記穴の一つを通るように作動可能である複数のプローブをさらに含む請求項22に記載の装置。
- 前記穴の一つを通る前記プローブの挿入の度合いを手術者が見ることができるように設計及び構成された外部マーキングを有するプローブをさらに含む請求項23に記載の装置。
- 前記プローブの各々へのガスの供給を個々に制御するように作動可能なガス供給システムをさらに含む請求項16に記載の装置。
- 前記プローブの少なくとも一つは複数の治療モジュールを含む請求項23に記載の装置。
- 前記ガス供給システムは複数の治療モジュールを含む冷凍プローブにガスを供給するように作動可能であり、さらに前記複数の治療モジュールの各モジュールへのガスの供給を個々に制御するように作動可能である請求項25に記載の装置。
- 前記プローブの一つに冷却ガスと加熱ガスの混合物を供給するように作動可能である請求項25に記載の装置。
- 前記治療モジュールの一つに冷却ガスと加熱ガスの混合物を供給するように作動可能である請求項27に記載の装置。
- 制御モジュールの制御下で冷却ガスと加熱ガスの選択された混合物を供給するようにさらに作動可能である請求項28に記載の装置。
- 制御モジュールの制御下で冷却ガスと加熱ガスの選択された混合物を供給するようにさらに作動可能である請求項29に記載の装置。
- 冷凍切除ターゲットの冷凍切除時の冷凍切除容積の境界のリアルタイムの視覚化のための方法であって、
(a)(i)組織を冷凍切除温度まで冷却するように作動可能な治療モジュールを各々有する複数のプローブを冷凍切除ターゲットに挿入し;
(ii)組織を加熱するように作動可能な治療モジュールを各々有する複数のプローブを患者の前記冷凍切除ターゲットのまわりに挿入し;そして
(iii)前記治療モジュールのうち前記ターゲットの外側に位置されたものを加熱し、一方前記治療モジュールのうち前記ターゲットの内側に位置されたものを冷凍切除温度まで冷却し、それによって前記複数の加熱されたモジュールと前記複数の冷却されたモジュールの間に延びる画定された表面を有する冷凍切除容積を作り、それによって前記プローブの前記治療モジュールに対して既知の位置関係を有すること
によって良く規定された画定表面を有する冷凍切除容積を作り;そして
(b)視覚化技術を使用して前記冷却及び加熱治療モジュールの少なくとも幾つかの位置を手術者に表示し、それによって前記冷却及び加熱モジュールの前記位置の表示を見ている手術者が前記画定された冷凍切除境界の位置を正確に推測すること、
を含む方法。 - 冷凍切除ターゲットの境界を表示することをさらに含む請求項32に記載の方法。
- 前記ターゲット境界は超音波装置、MRI装置、X線装置、及び透視装置を含む群から選択された装置を使用して視覚化される請求項33に記載の方法。
- 前記ターゲット境界は前記ターゲットの数学的モデルのデジタル表示によって視覚化される請求項32に記載の方法。
- 前記複数のプローブのうち少なくとも幾つかのプローブは前記プローブの第一治療モジュールと前記プローブの第二治療モジュールの間の境界をマークする、画像形成技術下で視覚化可能なマーカーを含む請求項32に記載の方法。
- 身体組織の調整可能な加熱のための装置であって、
(a)ジュール−トムソン加熱によって加熱されるように作動可能な治療モジュールを含むプローブ;及び
(b)選択された割合の冷却ガスと加熱ガスの混合物を前記治療モジュールに供給するように作動可能なガス供給源
を含む装置。 - 前記ガス供給源は熱センサによって蓄積された温度データに反応するアルゴリズムに従って前記治療モジュールに供給された加熱及び冷却ガスの割合を選択するように作動可能な処理器を含む請求項37に記載の装置。
- 前記センサは前記プローブ内に位置される請求項38に記載の装置。
- 前記センサは患者の組織の中に位置される請求項38に記載の装置。
- 第一組織を冷凍切除温度まで冷却しながら第二組織を加熱するように作動可能な冷凍プローブ。
- 前記第一組織を冷却するように作動可能な第一治療モジュール及び前記第二組織を加熱するように作動可能な第二治療モジュールをさらに含む請求項41に記載の冷凍プローブ。
- 前記第一治療モジュールはまた、組織を加熱するように作動可能である請求項42に記載の冷凍プローブ。
- 前記第二治療モジュールはまた、組織を冷却するように作動可能である請求項42に記載の冷凍プローブ。
- 前記第一治療モジュール及び前記第二治療モジュールはともに、組織の加熱及び組織の冷却の両方を行なうように作動可能である請求項42に記載の冷凍プローブ。
- 前記第一治療モジュール及び前記第二治療モジュールの各々は冷却及び加熱において独立制御されるように作動可能である請求項45に記載の冷凍プローブ。
- 前記第一治療モジュールは前記第二治療モジュールに対して横方向に位置される請求項42に記載の冷凍プローブ。
- 前記第一治療モジュールは前記第二治療モジュールに対して縦方向に位置される請求項42に記載の冷凍プローブ。
- 加熱及び冷却するように作動可能な第三治療モジュールをさらに含む請求項42に記載の冷凍プローブ。
- 前記第一、第二、及び第三治療モジュールは互いに縦方向に位置される請求項49に記載の冷凍プローブ。
- 前記加熱はジュール−トムソン加熱である請求項41に記載の冷凍プローブ。
- 前記冷却はジュール−トムソン冷却である請求項41に記載の冷凍プローブ。
- ターゲットの正確に画定された冷凍切除のための方法であって、
(a)複数の冷凍プローブを患者に挿入し、前記冷凍プローブの各々は少なくとも一つの治療モジュールを含み、前記冷凍プローブの少なくとも幾つかは複数の治療モジュールを含み;
(b)第一の複数の前記治療モジュールが前記ターゲット内に位置され、第二の複数の前記治療モジュールが前記ターゲットの外部であるが前記ターゲットに隣接して位置されるように、前記冷凍プローブを位置させ;そして
(c)前記第二の複数の治療モジュールを暖めながら前記第一の複数の治療モジュールを冷凍切除温度まで冷却し、それによって前記ターゲットを冷凍切除している間、前記ターゲットのまわりに暖かいエンベローペを作り、それによって前記ターゲットの正確に画定された冷凍切除を実行すること、
を含む方法。 - 画像形成技術を利用して前記ターゲット及び前記冷凍プローブを視覚化することをさらに含む請求項53に記載の方法。
- 前記第一の複数の治療モジュールの治療モジュールはジュール−トムソン冷却によって冷却される請求項53に記載の方法。
- 前記第二の複数の治療モジュールの治療モジュールはジュール−トムソン加熱によって加熱される請求項53に記載の方法。
- 前記ジュール−トムソン加熱は冷却ガスと加熱ガスの混合物の膨張によって与えられる請求項56に記載の方法。
- 前記ターゲットを包囲する組織に対する損傷を最小にしながらターゲットを冷凍切除するための方法であって、
(a)冷凍冷却を実施するように作動可能な複数の第一治療モジュールを前記ターゲットに導入し;
(b)組織を加熱するように作動可能な複数の第二治療モジュールで前記ターゲットを包囲し;
(c)前記第一治療モジュールを使用して前記ターゲットの組織を冷凍切除温度まで冷却し;そして
(d)前記第二治療モジュールを使用して前記第一治療モジュールの冷却時に前記ターゲットを包囲する組織を加熱し、それによってターゲットの冷凍切除時に加熱された組織のエンベローペで前記ターゲットを包囲し、それによって前記ターゲットを包囲する組織に対する損傷を最小にしながら前記ターゲットを冷凍切除すること、
を含む方法。 - 冷凍切除容積の境界を所望の部位に正確に配置するための方法であって、
(a)第一治療モジュールを冷凍切除ターゲット内に位置させ;
(b)第二治療モジュールを前記第一治療モジュールの近くでかつ前記冷凍切除ターゲットの外側に位置させ;
(c)前記冷凍切除容積の境界の前記所望の部位からの前記第一及び前記第二治療モジュールの距離を測定又は推定し;
(d)前記第一治療モジュールを包囲する冷凍切除容積を作り、その冷凍切除容積が前記所望の部位まで延びるがそれを越えないように、前記第一治療モジュールの冷却のため及び前記第二治療モジュールの加熱のための時間及び温度を計算し;そして
(e)前記計算された温度及び時間に従って前記第一治療モジュールを冷却し前記第二治療モジュールを加熱し、それによって前記所望の部位に位置された正確に配置された境界を有する冷凍切除容積を作ること、
を含む方法。
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