JP2007527276A5 - - Google Patents
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Description
本発明はディスペンサ用ドーズカウンタに関し、特には、往復動手段例えばバルブさらに具体的にはバルブステムを有する計量バルブを備えた薬剤用容器を備えて、その容器から1回分の薬剤を分注する吸入器と共に用いるドーズカウンタに関する。
定量加圧吸入器が1950年代半ばに導入されたため、吸入は気管支拡張剤薬物およびステロイドを喘息患者の気道に送出するために広範囲に用いられる手段になった。最近では加圧吸入器からの吸入は、主に気管支疾患の治療には関連しない他の薬物の投与に対して選択される手段になってきた。
定量吸入器は一般に定量分注バルブを装備した容器を備えている。この容器は一般に液化推進薬と、界面活性剤と、製剤と場合により溶剤とを含む加圧エアゾール薬剤を含有している。この薬剤はエアゾール製剤内の分散液の形状または溶液の形状であり得る。定量分注バルブは一般に容器に対して内側に移動して定量エアゾール製剤を分注するバルブステムを備える。バルブがその休止位置にあるときに容器から内容物を受け取るようにバルブの計量室は普通開放しているが、バルブの設計によってはバルブステムが戻される際または押下されて発射する際にのみ計量室を開放させ得る。バルブステムは一般に戻りばねによってその休止位置に付勢されている。
基本的な定量吸入器は、普通プレスアンドブレス吸入器と称されるが、一般に円筒状筐体、ならびに筐体内に含まれたマウスピースおよびノズルブロックを備える。エアゾール容器はバルブステムがノズルブロック内にある状態で筐体内に挿入される。使用時には患者は唇をマウスピース上に置いてエアゾール容器の基部を押下することにより、容器をバルブステムに対して移動させ、マウスピースを介して1回分の薬剤を発射させる。
さらに高性能タイプの吸入器は吸入に応じて自動的にエアゾールを発射する。このような装置は一般にトリガ機構でエアゾール容器に発射力を印加できる機構を備え、トリガ機構はマウスピースを介して吸入が検出されるまで発射力が容器に作用しないようにする。
このような既知の吸入器の使用から生じる不利益の1つは、患者がいつでも容器内の薬剤の量を容易に判断できないことである。極端な場合これは1回分の薬剤を必要とする患者が、内容物がすでに使い切ってしまったため吸入器が1回分を分注することができないことに気付くということをも意味する。加圧エアゾール吸入器と共に用いられるドーズカウンタに対して数多くの提案がなされている。経済的且つ信頼性の高いこのようなドーズカウンタを作製することが困難であることは分かっている。このようなドーズカウンタに付随する問題の1つは、1回分の薬剤が分注されたときのみ1回分を計数しなければならないということである。このためバルブステムがバルブを発射するのに十分に押下されない場合には計数が誘発されてはならず、さらに発射周期中に例えばバルブの戻り周期が妨害された場合には1回分より多く計数してはならない。さらにまた吸入器がポケット、バッグ等内で持ち運ばれる過酷状態に置かれた時に計数を変えることがないように、カウンタは十分に頑丈でなければならない。さらにまたカウンタはエアゾール容器から分注される服用回数に耐えるために十分な寿命を有していなければならない。またさらにドーズカウンタは、バルブが誘発される前のバルブステムの進行長さが若干異なることもある吸入器の生産における標準的な製造ばらつきを補償できなければならない。
カウンタ・リングまたは割り送り機構が2段階で前進し、第1の計数動作が容器とバルブステムとの間の相対動作中に発生して薬剤を分注し、第2の計数動作が吸入器がその休止位置に戻るときに発生する、ドーズカウンタの様々な構成が提案されている。このような構成例は国際公開第98/56444号パンフレット、国際公開第98/56445号パンフレット、国際公開第98/56446号パンフレット、国際公開第00/59806号パンフレット、国際公開第02/69252号パンフレット、国際公開第02/69253号パンフレット、欧州特許第269496号明細書、欧州特許第949584号明細書、および米国特許第5,611,444号明細書に開示されている。
米国特許第4565302号明細書は、各作動行程中に定量物質を例えば噴霧状に分注する手動動作単動式ピストンポンプの形状の、カウンタを備える投与機構を開示している。作動行程の軸方向に移動できないように固定された計数リングは投与機構の基部上で回転動作するように取り付けられているとともに、割り送り装置によって作動行程中に前進する。割り送り装置および計数リングは、作動行程中に協働して計数リングを回転させる対応勾配付きリブを有する。計数リングに、計数リングから内側に突出する弾性プラスチック片と協働する基部上の外歯形状の切り欠き星形状部を備える安全装置を設けてもよい。プラスチック片は切り欠き星形と爪式に協働する。歯谷部に非対称切り欠きを有する比較的浅い傾斜歯輪郭を備えるこの歯の形状の結果、確実にプラスチック片が計数リングを自動的に回転させて計数を完了する。また安全装置は計数リングの逆回転を防止する。
本発明は加圧エアゾール吸入器と共に用いるのに特に適したドーズカウンタの代替構成を提供する。
本発明によれば、往復動手段を備えた薬剤用容器を有し、該容器から1回分の薬剤を分注する吸入器と共に用いるドーズカウンタであって、固定されたラチェット部材と、前記往復動手段と前記容器との間の往復動と同調し、往行程および復行程を含む往復動をするように構成されたトリガ部材と、1回分が分注される毎に所定の計数移動をするように構成されたカウンタ部材と、を備え、前記カウンタ部材は、前記ラチェット部材および前記トリガ部材に向かって付勢されているとともに、前記トリガ部材の往復動の方向に略直交する方向の計数動作が可能であり、前記カウンタ部材は、前記トリガ部材と相互作用する第1の領域および前記ラチェット部材と相互作用する第2の領域を備え、前記第1の領域は、前記トリガ部材の往行程中に前記トリガ部材に係合して前記カウンタ部材に計数動作させる少なくとも1つの傾斜面を備え、前記第2の領域は、前記トリガ部材の復行程中に前記ラチェット部材に係合して前記カウンタ部材にさらなる計数動作させることにより前記所定の計数移動を完成させる少なくとも1つの傾斜面を備える、ドーズカウンタが提供される。
本発明のカウンタ機構は、通常カウンタ・リングの形状であるカウンタ部材を部分的にトリガの往行程でさらに部分的に復行程で前進させることにより正確な計数を可能にするように設計されている。従来の吸入器の場合、トリガの往行程はバルブの発射を生じる容器内のバルブステムの押下に対応するとともに、トリガの復行程はその戻りばねの作用により次の1回分の計量を可能にするバルブステムの休止位置への戻りに対応することになる。しかし本発明は他の往復動装置、例えば容器内で押下されると両方が内容物を計量するとともに発射するステムを有するバルブ、またはバルブステムが容器から外方向に移動すると内容物を計量するとともに発射するバルブに同等に適用可能である。
カウンタ部材が例えばコイルスプリングまたはリーフスプリングによってラチェット部材およびトリガ部材に向かって弾性的に付勢されていても好都合である。
ドーズカウンタは、トリガの往行程が中断されて逆進される場合には、カウンタ部材が付勢されてその前回の計数位置に戻るように構成且つ配置されていることが好ましい。この装置は、トリガの復行程が中断されて逆進される場合には、カウンタ部材がトリガの前回の往行程の端部におけるその位置に戻るように構成且つ配置されていることが好ましい。
カウンタ部材がラチェットおよびトリガ部材に向かって弾性付勢されているため、ドーズカウンタの構成では空転が本質的に許容される。ドーズカウンタをトリガ部材が復行程中にカウンタ部材から離脱するように構成且つ配置することより空転をさらに容認し得る。カウンタ部材の弾性付勢による空転の容認および/または前述のトリガ部材の離脱により、カウンタ機構は、往復動手段(例えばバルブステム)したがってトリガの移動を1回分を分注するために必要とされよりはるかに良好に適応させることができるとともに、カウンタに誤計数させることなくカウンタを前進させることができる。
ドーズカウンタは破壊または変形しやすい精巧な部品は必要とせず、プラスチック材料から容易に作製し得る頑丈な部品で構成し得る。
好適な実施形態においてドーズカウンタのカウンタ部材はリング状である。リングは開いていても閉じていてもよいが、典型的には閉じている。以下においてカウンタ部材に関してカウンタ・リングが好ましいことは理解されよう。カウンタ部材は通例筐体内に回転するように装着されるとともに、円筒側面上に筐体内の窓を通して視認して計数を判断し得るマーキング、例えば整数または色分けされたマーキングを有する。カウンタ部材上の前進計数の方向において、前述のマーキングは服用回数のカウントアップおよび/またはカウントダウンを示し得る。カウンタ部材は、トリガと相互作用する第1の領域と、ラチェット部材と相互作用する第2の領域と、を備える。各領域は通例一連の歯を規定する一連の傾斜面を備える。本発明の一実施形態においてカウンタ部材は、トリガと係合する第1の組の歯と、ラチェット部材と係合する第2の歯と、を備える。本発明の第2の実施形態においてカウンタ部材はトリガおよびラチェット部材の両方に係合される1組の歯を備える。
ラチェット部材は、例えばドーズカウンタのカウンタ部材および/またはトリガ部材に対して固定されており、少なくとも1つの突起または歯を備え得る。ラチェット部材は例えばドーズカウンタの筐体に(直接的または間接的に)固定し得る、および/またはドーズカウンタ筐体内に例えば筐体蓋体から下方に突出する突起または歯として好都合に形成し得る。代替的には使用される特定の往復動手段および/または吸入器に応じて、ラチェット部材を(直接的または間接的に)吸入器の筐体に固定および/または筐体内に形成および/または容器に固定し得る。カウンタ部材の歯と協働するために、複数のラチェット部材が円周上に離間してもよい。
トリガ部材は、作動装置(例えばバルブ)と容器との間の往復動と協働した往復動を行うように配置されており、使用される特定の往復動手段および/または吸入器に応じて、バルブフェルールおよび/または容器および/またはバルブのバルブステムに(直接的または間接的に)固定し得る。ある場合には例えば容器が固定保持されるとともにバルブステムが移動されているシャトルバルブにおいて、トリガ部材はバルブステムの一部であることもある。例えば従来のプレスアンドブレス吸入器の場合、容器は通例バルブステムが下方に配向されるとともにノズルブロック内に配置された状態で垂直配置され、容器を下方に移動させることにより吸入器が作動されるが、トリガをフェルールおよび/または容器に固定し得るため、容器が押下されてバルブを発射するとともにバルブばねの作用により解放されてその休止位置に戻ると、トリガがフェルールおよび/または容器と共に移動する。代替的にはトリガを吸入器筐体ならびにフェルールおよび/または容器に固定されたドーズカウンタの他の部分に直接的/間接的に固定し得る。トリガはカウンタ部材の歯の表面と係合する1つまたは複数の歯を備え得る。このようにトリガがバルブフェルールおよび/または容器に直接的/間接的に取り付けられた従来のプレスアンドブレス吸入器の場合、エアゾール容器が押下されると、トリガはその往行程中に通例下方に移動するとともにカウンタ部材の上方に向いている歯に係合することになるとともに、エアゾール容器がバルブの戻りばねの作用により解放されてその休止位置に戻るとき、トリガはその復行程中にカウンタ部材の歯から離れるように上方に、通例最終的には離脱するように移動することになる。
カウンタ部材は固定ラチェット部材およびトリガ部材に向かって弾性的に付勢されている、すなわちトリガ部材がバルブフェルールおよび/または容器に直接的/間接的に取り付けられている状態の従来のプレスアンドブレス吸入器の場合、カウンタ部材は通例上方に付勢されている。例えばカウンタ部材の底部で動作する従来の吸入器の場合、カウンタ部材をコイルスプリングまたはリーフスプリングによって好都合に付勢し得る。
吸入器の休止位置では、カウンタ部材は弾性的に付勢されてラチェット部材と接していることが望ましい。歯を有するカウンタ部材を含むこれらの実施形態の場合、ラチェット部材がカウンタ部材上の歯の歯谷部に完全に係合されることがさらに望ましい。この接触および/または係合はカウンタ部材(例えばカウンタ・リング)の両方向の回転動作の防止を容易にする。
本発明の好適な実施形態においてカウンタ部材(例えばカウンタ・リング)上の歯谷部は、鈍角、90°または鋭角を規定する2つの傾斜面間、または鋭角を規定する傾斜面と垂直面との間(傾斜面の後に垂直面が続くカウンタ部材上の前進計数方向(すなわち傾斜面が非計数側にある一方で垂直面が歯谷部の計数側にある))、または水平面と垂直面との間(水平面(非計数側)の後に垂直面(歯谷部の計数側)が続く計数部材上の前進計数方向)、または鈍角を規定する水平面と傾斜面との間(水平面(非計数側)の後に傾斜面(歯谷部の計数側)が続くカウンタ部材上の前進計数方向)に規定される。水平面を含むこれらの実施形態の場合、カウンタ部材上の前進計数方向を説明すると、水平面の前に傾斜面があり、傾斜面と水平面とが鈍角を規定するようになっていることが望ましい。計数側に少なくとも1つの垂直面により規定される歯谷部を有する実施形態は、このような垂直面とラチェット部材とがカウンタ部材(例えばカウンタ・リング)の計数方向の移動を防止するラチェットを規定するためより好適である。カウンタ・リングがラチェット部材に付勢されているため、歯谷部の非計数側または付近に傾斜面がある場合、ラチェット部材を係合して非計数方向の動作を防止するため有利である。吸入器の休止位置ではトリガは通例カウンタ部材と係合しておらず、例えばカウンタ部材(例えばカウンタ・リング)の歯から離間している。
本発明の好適な実施形態において、カウンタ部材(例えばカウンタ・リング)上の歯頂点は、鈍角、90°または鋭角を規定する2つの傾斜面間、または鋭角を規定する垂直面と傾斜面との間(垂直面の後に傾斜面が続くカウンタ部材上の前進計数方向(すなわち垂直面が非計数側にある一方で傾斜面が歯頂点の計数側にある))に規定される。
以下に従来のプレスアンドブレス吸入器用のドーズカウンタの好適な実施形態の動作を説明する。エアゾール容器が発射位置に向かって押下されると、容器の下方移動によりトリガの下方移動を生じてトリガが、歯の頂点付近且つ計数側でカウンタ・リングの直立歯の傾斜面に接触する。トリガと関連する歯の傾斜面の接触角により水平合成力成分があるが、ラチェット部材とその関連する歯との間の係合のためカウンタ・リングの回転動作は防止される。
容器とトリガとがさらに押下されると、カウンタ・リングは例えばばねを圧縮することにより弾性付勢に逆らって下方に移動される。このさらなる下方移動中、ラチェット部材は関連歯との係合を維持して計数方向の動作を防止することになる。
バルブの発射を生じるのに十分なエアゾール容器のさらなる押下により、ラチェット部材が関連する歯から離脱することによってカウンタ・リングの計数方向の回転動作を可能にする程度のトリガおよびカウンタ・リングの下方移動を生じる。発射点後のエアゾールのさらなる押下により、歯の傾斜面上で作用するとトリガのさらなる下方移動が生じて、トリガ部材が歯谷部に達する時まで歯の回転を生じる。この進行の限界において、カウンタ・リングはその計数動作の第1の部分を完了するとともに、ラチェット部材がラチェット部材と係合する状態になっている次の歯(「次のラチェット歯」)の傾斜面上に位置するようにカウンタ・リングは十分に移動している。
エアゾール容器が解放されると、エアゾール容器はバルブの戻りばねの作用によりその休止位置に戻り、この移動はカウンタ・リングの歯から離れるトリガの上方移動も生じることになる。トリガが上方に移動する(さらに最終的には歯を離脱する)と、カウンタ・リングは上方にラチェット部材に付勢される。トリガの初期の上方移動中、ラチェット部材は上記次のラチェット歯の傾斜面を係合する。弾性付勢の作用により水平合力があり、カウンタ・リングの計数方向のさらなる回転を生じる。エアゾール容器が十分に移動してエアゾールバルブ内の計量室が補充されると、カウンタ・リングは計数方向に十分な距離移動して次の歯がトリガと係合する状態に位置決めされることになる。エアゾール容器がその休止位置に戻ると、ラチェット部材は上記次のラチェット歯の谷部内に完全に係合されることになる。
バルブを発射するには不十分なエアゾールの部分押下(および解放)は通常、カウンタ・リングの動作をまったく生じないことは理解されよう。発射後、エアゾール容器が休止位置に戻らずに部分的に解放された後押下された場合には、カウンタ・リングは通常中間位置に戻るとともにその後のエアゾール容器が解放されて休止位置に戻ることにより、ラチェット部材の作用により計数移動が完了することになる。このためトリガの復行程の妨害があっても二重計数はない。
ラチェット部材と係合する歯の谷部が、例えば鈍角90°または鋭角を形成する2つの傾斜面によって規定される本発明の実施形態において、トリガが下方に移動してカウンタ・リングの傾斜面と係合すると、カウンタ・リングが押下されることによりラチェット部材が歯谷部の計数側の傾斜面上にずり上がり、それによりカウンタ・リングの計数方向の回転動作を生じる。エアゾール容器が発射前に解放される場合には、弾性付勢によりトリガが上方に移動するとともにカウンタ・リングが上方に移動して、ラチェット部材を傾斜面に沿って追跡降下させて歯の谷部へ戻すことにより、カウンタ・リングを回転させてその元の位置に戻す。
前述の説明においてドーズカウンタの実施形態を従来のプレスアンドブレス吸入器と共に使用することに関して説明した。しかしドーズカウンタを乾燥粉体吸入器、ポンプスプレー装置、および他の液体スプレー装置などの、往復動手段を有する他の装置と共に使用するように構成し得ることは容易に理解されよう。
カウンタ・リングは少数の個々の服用回数、例えば10、20、30服用回数等を計数するには便利である。1つのカウンタ・リング上で多数の服用回数を計数するには、相当する多数の歯を設けることが必要であるが、カウンタ・リング上に収容するためにはより小さくする必要がある。ほとんどの吸入器は多数の服用回数、例えば200回を含んでいるため、本発明のドーズカウンタは一般に「10の位」の桁または「100の位」および「10の位」の桁を提供する第2の計数リングを含むことになる。第3の計数リングを組み込んで「100の位」を計数してもよい。第2の計数リングを主カウンタ・リングの下方に配置して、主カウンタ・リングの10増分に対して1単位前進する、例えば主カウンタ・リングの歯数に応じて主カウンタ・リングの完全回転、半回転、完全回転の三分の一回転等毎に第2の計数リングを前進させるように駆動すると好都合である。この駆動は、主カウンタ・リングの回転中に主カウンタ・リング上の突起が間歇的に係合する時に回動されるはめ歯によって係合される内歯を第2の計数リング上に設けることにより好都合に達成し得る。
ここで添付の図面を参照して本発明を説明する。
図1A〜1Hは本発明によるドーズカウンタの動作を概略的に図示する。ドーズカウンタは、ラチェット部材2とトリガ部材4とを備える。リング形状のカウンタ部材(完全には図示せず)は、2組の歯、すなわちトリガ4と相互作用する1組の歯6と、ラチェット部材2と相互作用する1組の歯8と、を備える。
トリガ4と係合する1組の歯6は、点または頂点14と谷部16とを規定する一連の傾斜面10および12を備える。ラチェット部材2と係合する1組の歯8は、点または頂点24と谷部26とを規定する一連の傾斜面18と垂直面20とを備える。1組の歯6はカウンタ・リングの上面上の1組の歯8の円周方向に内側に支障なく位置し得る。図1A〜1Hを参照すると、カウンタ部材またはリングは1つの計数または歯で二段階に右から左へ回転する。カウンタ部材またはリングの外面には通例計数用の標識またはマーキングが設けられているため、カウンタ部材が右から左へ(例えば図1に示すように)回転すると、外面カウンタ・リング上の標識は、左から右へ(「前進計数の方向」)のカウンタ・リングの表面上の前進計数(カウントアップおよび/またはカウントダウンであり得る)を示すことになる。
図1Aに示す休止位置において、トリガ4は1組の歯6から離間している。固定ラチェット部材2は谷部26内に位置した状態で歯8と係合されている。カウンタ・リングがラチェット部材2に対して弾性的に上方に付勢されているとともに、カウンタ・リングの回転動作が、ラチェット部材2と歯8の垂直面20との間の係合により一方向(右から左へすなわち回転の計数方向)で、および傾斜面18のラチェット部材2との係合により他方向(左から右へすなわち回転の非計数方向)で防止される。
前述したようにトリガ部材4をフェルールまたは容器またはバルブのバルブステムに(直接的または間接的に)固定可能であるため、その場合トリガ部材は例えば作動手段のバルブステムと容器との間の往復動と同調した往復動をすることになる。以下では従来のプレスアンドブレス(press−and−breath)吸入器について述べるが、この吸入器ではバルブステムが通例吸入器筐体のノズル内に固定されているとともに容器が押下されてバルブの作動を生じるため、ここではトリガ4をフェルールおよび/または容器(図示せず)に適当に固定してもよい。図1Bはバルブを作動させるエアゾール容器の押下の初期段階中のトリガ部材4の位置を示している。エアゾール容器の押下はトリガの下方移動を生じて歯6の傾斜面10と接触させる。
図1Cはエアゾール容器をさらに押下した後の構成要素の位置を示している。トリガ4をさらに押下すると弾性的付勢に逆らってカウンタ・リングの押下(そのため両方の組の歯6、8の下方移動)を生じる。カウンタ・リングの押下により歯8の傾斜面18がラチェット部材2から離間する。計数方向の回転動作は垂直面20とラチェット部材2との係合によりまだ防止される。
図1Dはバルブのほぼ発射点における構成要素の位置を示している。トリガ4がさらに押下されてラチェット部材2が垂直面20との分離点に達するまでカウンタ・リングの下方移動を生じている。なお図1Cの段階、または図1Dにより表わされるような分離点まで(分離点は含まず)のドーズカウンタの移動後にエアゾール容器を解放する場合には、カウンタ・リングは弾性的バイアスにより垂直に上方に付勢されるとともに図1Aの位置へ戻ることになる。
図1Eはバルブを発射した直後の構成要素の移行位置を示している。カウンタ・リングの動作がラチェット部材2により妨害されなくなるため、トリガ4が傾斜面10を圧迫する作用によりカウンタ・リングが計数方向に(右から左に)回転する。
図1Fはトリガ4が歯6の谷部16に位置した状態の計数機構の進行の制限を示している。これはバルブが完全に圧縮される際に付随する位置である。
図1Gはバルブの戻しばねの作用によりエアゾール容器がその休止位置に戻ることができる構成要素の位置を示している。エアゾール容器およびバルブがその休止位置に戻る際、トリガ4が垂直に上方に移動することによりカウンタ・リングは垂直上方および計数方向の両方に移動することができる。カウンタ・リングの垂直移動により歯8が傾斜面18をラチェット部材2に押し付けることにより水平力成分を生じ、カウンタ・リングの計数方向のさらなる回転を生じる。トリガ4は、バルブの計量室が補充される点の直前である図1Gに示す位置に達するまで傾斜面12に沿って進む。図1Gに示す点を通過する前(すなわちトリガ4が頂点14上方を通過して傾斜面12から離脱する前)にエアゾール容器が再度押下された場合には、計数装置は図1Fに示す位置に戻ることになる。
図1Hを参照すると、エアゾール容器が休止位置に戻されているため、トリガ4は傾斜面12から離れ、故に歯6から離脱している。カウンタ・リングは、ラチェット部材2が谷部26内に位置するまで傾斜面18がラチェット部材2に付勢される際に生成された水平力成分の作用により計数方向に回転し続ける。カウンタ・リングが歯1つ分だけ計数方向に前進した状態で構成要素が図1Aに示す休止位置に戻っている。
図1A〜1Hに示す例示的実施形態から分かるように、本発明のドーズカウンタにおいてトリガは吸入器のアクチュエータおよび容器と連携して通例垂直に上下に(例えば往復動方向に)移動する(例えば図1B〜1Gを参照)一方、ラチェット部材はカウンタ部材の回転動作に対して固定状態を保つ(例えば図1E〜1Hを参照)。さらにまたラチェット部材は通例カウンタ部材の計数動作の方向に概して平行な方向に(トリガ部材の往復動の方向に概して直交する方向に)固定されているため、カウンタ部材(例えばカウンタ・リング)はラチェット部材に対して回転することができる。またラチェット部材は弾性的に付勢されたカウンタ部材の垂直な上下動作に対して好適に固定されるということが図1A〜1H(特に図1B〜1G)から分かる。換言すればラチェット部材はカウンタ部材の計数動作の方向に概して垂直な方向に(トリガ部材の往復動の方向に概して平行な方向に)好適に固定されている。トリガ部材がフェルールおよび/または容器に固定された従来のプレスアンドブレス吸入器を参照すると、例えばラチェット部材をドーズカウンタの筐体に固定し、ドーズカウンタを吸入器の筐体に固定することにより、ラチェット部材を吸入器の筐体に適切に(直接的または間接的に)固定し得る。
さらに図1A〜1Hに示す例示的実施に見られるように、ドーズカウンタのトリガ部材もカウンタ部材の回転動作に対して固定されていることが望ましい(例えば図1E〜1Hを参照)。換言すればトリガ部材がカウンタ部材の計数動作の方向に概して平行な方向に(トリガ部材の往復動の方向に概して直交する方向に)固定されていることが望ましい。
また図1から分かるように、本発明のドーズカウンタはトリガ部材の往行程に関連する「引き返し限界点」を有することが望ましく、2つの「引き返し限界点」、一方がトリガ部材の往行程に関連し、他方がトリガ部材の復行程に関連するものを有することがより望ましい。さらにまたトリガ部材の往行程中、ラチェット部材が計数方向のカウンタ部材の次の連続頂点をちょうど通過する(例えば図1DおよびEを参照するとラチェット部材2が頂点24をちょうど通過することにより垂直面20から離脱するとともに後続の傾斜面18に係合する)時点前にエアゾール容器を早く解放すると、カウンタ部材はその休止位置(例えば図1Aに示すような)に戻ることになる。ドーズカウンタのこの引き返し限界点が吸引器による1回分の発射に一致または可能な限り厳密に一致することが好ましい。トリガの復行程中、トリガが計数方向のカウンタ部材の次の連続頂点をちょうど通過する(例えば図1GおよびHを参照するとトリガ部材4が頂点14をちょうど通過することにより傾斜面12から離脱する)時点前にエアゾール容器をさらに押下すると、カウンタ部材は通例トリガ部材が谷部内に係合される中間位置(例えば図1Fに示すような)に戻る。トリガ部材の復行程に関連するドーズカウンタのこの引き返し限界点が1回分の再計量に一致または可能な限り厳密に一致することが好ましい。
図2は本発明によるさらなるドーズカウンタの動作原理を示す概略図である。
ドーズカウンタはまた、ラチェット部材2およびトリガ部材4を備える。またリング形状(完全には図示せず)であることが望ましいカウンタ部材3は、点または頂点34と谷部36とを規定する傾斜面30、32から形成された1組の歯を有する。カウンタ部材3は例えばドーズカウンタの筐体の基部40上に支持されたリーフスプリング38手段によりラチェット部材2に向かって弾性的に付勢されている。前実施形態と同様に、例えば従来のプレスアンドブレス吸入器について述べると、トリガ部材4はバルブフェルールおよび/またはエアゾール容器(図示せず)に間接的または直接的に取り付けられて一緒に往復動し得る。ラチェット部材2をドーズカウンタの筐体5に固定し、筐体5を吸入器の筐体(図示せず)に固定してもよい。
図1に示す実施形態のように、カウンタ部材3は1つの計数または歯で二段階に右から左に回転されるため、カウンタ部材の外面上の標識(図示せず)は左から右への前進計数のマーキングを示すことになる。図2に概略的に図示するドーズカウンタは、エアゾール容器の押下の直後であるが吸入器の作動前のラチェット部材2およびトリガ4の位置を示す。押下前であって吸入器が休止していた時、ラチェット部材2は第1の谷部36(図において左側の谷部)内に位置しているととともに、トリガ4は上方に離間するとともに第1の頂点34(図において左側の頂点)のすぐ右側に位置していた。ドーズカウンタは以下ように動作する。バルブを発射するエアゾール容器の完全移動の場合、トリガ4はカウンタ部材3の第1の傾斜面30に接触するとともにカウンタ部材3を計数方向に(右から左に)回転させるとともに、カウンタ部材3をばね38に逆らって押し下げる。一方ラチェット部材2は第2の傾斜面32を追跡しつつ上昇している。本実施形態は図1に開示されたものとは、歯谷部の計数側上の表面が垂直面ではなく傾斜面であるという点で異なるため、本実施形態では図1に示したものとは違い、第2の傾斜面32に沿ったラチェット部材2の追跡動作は計数方向のカウンタ・リングの移動を含む。トリガ4をさらに押下すると、カウンタ部材3はラチェット部材2が歯付き輪郭の点または頂点34の上方を通過するような位置に移動する。ラチェット部材2が点または頂点34、第1の引き返し限界点の上方をちょうど通過する際、ばね38とトリガ4の複合効果により、カウンタ部材3はトリガ4が歯付き輪郭の第2の谷部36’内に収まるまで前進する。
エアゾール容器を解放してその休止位置に戻すと、トリガ4は第2の谷部36’から離れるように第2の傾斜面32’に沿って移動し、ラチェット部材2は第1の傾斜面30に係合して追跡下降する。ばね38がカウンタ部材を計数方向にさらに回転させた作用によりカウンタ部材はラチェット部材2に付勢される。トリガ4が第2の傾斜面32’の上部に達して第2の点または頂点34’、第2の引き返し限界点の上方をちょうど通過するとき、トリガ4はカウンタ部材3から離脱する。第1の傾斜面30上のラチェット部材2とばね38の複合動作により、カウンタ部材3はラチェットが歯付き輪郭の第2の谷部36’内に収まるまで前進する。この第2の引き返し限界点を超える動作は、トリガの移動ではなくばねと傾斜面の相互作用とのため比較的迅速であることは理解されよう。
トリガ4は第1の傾斜面30と係合しているがラチェット部材2は第1の頂点34の上方を通過していない、すなわち第1の引き返し限界店に達していないトリガ4の往(または図2に示すような下方への)行程の不完全移動の場合、エアゾール容器の早期解放とそのためトリガ4の後続の復行程時には、第2の傾斜面32と係合するとともに追跡下降して戻るラチェット部材2により、計数部材3は計数方向と反対方向に移動して計数部材をその休止に戻し、ラチェット部材2は谷部36内に収まる。
トリガ4の復(または図2に示すような上方への)行程が不完全移動の場合、トリガ4が第2の頂点34’上方を通過する前に、すなわち第2の引き返し限界点前に、エアゾール容器の第2の押下およびトリガの第2の下降行程は、トリガ4が第2の傾斜面32’を戻る追跡下降を生じ、カウンタ部材3はトリガ4が第2の谷部36’と係合する中間位置へ向かうまたは戻る、計数方向と反対方向に移動する。その後のエアゾール容器の完全な解放とそのためトリガの完全な復行程とにより、ドーズカウンタとカウンタ部材とは計数とその休止位置(すなわちラチェット部材2は第2の谷部36’内に収まる状態)への移動とを完了することができる。
添付の図面の図3A〜3Dは本発明によるさらなるドーズカウンタの動作を示す概略図を表わしている。図3に示す装置はリング形状のカウンタ部材が1つのリング状の歯を備えるという点で図2に示す装置と同様であるが、この実施形態では歯は垂直面と傾斜面とにより形成されている。
図3A〜3Dを参照すると、計数装置は固定ラチェット部材2と、ラチェット部材に弾性的に付勢されたカウンタ・リング3と、エアゾール容器(図示せず)とともに移動可能なトリガ4とを備えている。カウンタ・リング3(完全には図示せず)は点34と谷部36とを規定する傾斜面30と垂直面31とから形成された1つのリング状の歯を備え、特に歯頂点を参照すると垂直面31が各歯頂点34の非計数側にあるとともに傾斜面30が各歯頂点34の計数側にある。カウンタ・リング3上の小さな円は標識マーキングを表わす。
動作モードは図1および図2を参照して説明したものと同様である。
図3Aはラチェット部材2がカウンタ・リング3の歯に完全に係合するとともにトリガ部材4がカウンタ・リングから離れた状態の休止位置にあるカウンタを示す。
図3Bは概してバルブの発射位置に対応する進行位置にあるカウンタを示し、この位置でカウンタ部材3は、トリガ4が傾斜面30に対して押圧されたことにより、ラチェット部材2が頂点34をちょうど通過した、すなわち第1の引き返し限界点をちょうど通過した程度押下されるとともに、歯の垂直面31から外される。
図3Cは、吸入器の作動手段(例えばバルブ)のバルブステムの完全進行に対応する位置にあるカウンタを示し、この位置でトリガ4も完全進行位置にあり、トリガが歯に完全に係合している。
図3Dは概してバルブの再計量位置に対応する第2の引き返し限界点直前のカウンタを示す。トリガ4は頂点34の上方を通過して歯の垂直面31から離脱するところである。カウンタ部材3は付勢手段の作用によりラチェット部材2と接触するように付勢されている。エアゾール容器がその休止位置に戻るとともにトリガ4が頂点34の上方を通過すると、ドーズカウンタは(さらに右から左に回転することにより)その休止位置(例えば図3Aに示すようなカウンタ・リングが歯1つ分だけ前進した状態)に戻ることになる。
ドーズカウンタがカウンタ部材上に1組の歯を有する場合、歯のピッチはリング上に印刷される任意の数または標識のサイズ、およびリングの周囲に嵌合する切りのいい歯数(例えば20または他の10の倍数)を有する要求により決定される。歯の大きさは主としてバルブの作動中のバルブステム変位差、例えば再計量と1回分の発射との間に相当する距離によって決定される。第1の傾斜面の角度は(歯頂点に関して第1の傾斜面は、各歯頂点の計数側に対する傾斜面、例えば図2および3に参照番号30で印された傾斜面であると考えられる)、トリガまたはラチェットとの相対動作によりリングが前進できるように十分に急峻であることが必要であるが、ピッチおよび大きさの必要寸法を満たすことができないほど急峻すぎてはいけない。第2の傾斜または垂直面上の角度(歯頂点に関して第2の傾斜または垂直面は、各歯頂点の非計数側に対する傾斜または垂直面、例えば図2および3に参照番号31および32で印された表面であると考えられる)はカウンタ・リングの前進に関して重要ではない。例えば垂直面は引き返し限界点に達するまでリングの前進を防止するため、移動が不完全である場合にはリングを戻すために戻り移動は必要ない。第1の傾斜面は通例リングの周囲上に、トリガとラチェット部材との間の相当する距離分離より大きい投影長さを有することが必要であり、これは通例第2の傾斜面の相当する投影より大きい。これによりトリガおよびラチェットは第2の傾斜面をまたぐことができるが第1の傾斜面をまたぐことができない。
傾斜面の角度を増す1つの可能な方法はリング上の歯数を増やすことである。しかし各リング上の歯数およびユーザに明瞭に見えるようにリングの外側に印刷できる標識数には限界がある。傾斜面の傾斜を増す代替方法は、歯の輪郭を変更して歯間に平坦な領域、特に歯の谷部内に平坦または水平な領域を提供することである。ラチェット部材および/またはトリガの輪郭はカウンタ部材のそれぞれの歯の輪郭に適合するように構成し得る。
図4A〜4Dは本発明によるドーズカウンタのさらなる実施形態の動作原理を示す。このドーズカウンタは、ラチェット部材2と協働する1組の歯8の各歯が、カウンタ部材またはリング上の前進計数の方向に傾斜面18と、水平面または平坦化面21と垂直面20とによって規定される輪郭を有すること以外は図1A〜1Hを参照して説明したものと同様である。歯の谷部26は水平または平坦化面21と垂直面20との間に規定される。
ドーズカウンタの動作モードは図1A〜1Hに図示したドーズカウンタと同一である。
図4Aはその休止位置にあるドーズカウンタを表わし、図4Bは吸入器のバルブの発射間近にあるドーズカウンタの位置を表わし、図4Cはトリガ部材4の完全進行したドーズカウンタを表わし、図4Dはバルブの再計量位置の間近にあるドーズカウンタの位置を表わしている。
添付の図面の図5は図1A〜1Hに図示した原理で動作する本発明のドーズカウンタの分解図を表わす。
ドーズカウンタはエアゾール吸入器のバルブのフェルールの周囲に圧力嵌めを提供するような寸法に形成された円筒状スカート102を有するトリガ部100を備える。トリガ部100は、カウンタ・リング124上の歯132に対応するように構成された下方に延びる歯またはトリガ部材106の3つの部分104を有する。トリガ部100としたがって歯またはトリガ部材106とは、エアゾール容器およびそれが取り付けられたバルブフェルールと一緒に移動することになる。
ドーズカウンタは下部108と蓋体110とで構成される筐体を備える。下部108は基部112と円筒状側壁114とを備える。側壁114はカウンタ・リング124および計数リング120上の標識を視認可能な窓116を含むが、これは下部が透明な材料で作製されている場合には必要でないこともある。下部には図6に部分的に示すようにエアゾール作動装置内に位置するように足部145が設けられているとともに、これらの構成要素をスナップ式に設計することにより正しい位置に保持し得る。
筐体は「10の位」計数リング120と、ばね122と、カウンタ・リング124とはめ歯126とを収容する。
カウンタ・リング124は上に適当なマーキングまたは標識(図示せず)が印刷された円筒状側壁128を備える。その上面においてカウンタ・リング124は2つのリング状の直立歯を備える。ラチェット部材136と係合するための外側リングの歯130は図1の歯8に相当する。トリガまたはトリガ部材106と係合するための内側リングの歯132は図1の歯6に相当する。カウンタ・リング124はさらにカウンタ・リングの内部から内側に向かって半径方向に突出して互いに対角線上に配置された2組の突起134を備える。この突起ははめ歯126と係合するためのものであり、その機能を以下に説明する。
筐体蓋体110は蓋体から下方に延びる3つの固定ラチェット部材136を備える。ラチェット部材136は、図1に(歯8と噛合するラチェット部材2に関して)示すとともに説明したように、カウンタ・リング124上の外側リングの歯130と噛合するように構成されている。蓋体110は、下部108の凹部140内でスナップ式接続を提供する突起138によって筐体の下部108に固く固定し得るか、もしくは下部に圧力嵌めまたは超音波溶接し得る。
はめ歯126は一端が筐体の基部112内の開口144内にあるとともに他端が蓋体(図示せず)上の対応する開口内に位置した状態で回転するように取り付けられる心棒142を備える。はめ歯126の歯は「10の位」計数リング120上の半径方向に内側に突出しているリングの歯146と係合する。
図6は、図5のドーズカウンタを組み込んだプレスアンドブレス・エアゾール吸入器の一部を通る縦断面図を示す。表示は残っている服用回数または分注数を示し得る。標識は分注服用回数の連続カウントアップまたはカウントダウンを提供する、または「満(Full)」または「空(Empty)」などのより一般的な表示を提供する、アルファベット、数字、英数字、または色記号であることが適当である。標識は作動装置の円筒状側壁内の窓170を通して視認可能であり得るが、代替的には側壁は少なくとも透明な材料で作製された部分を有し得る。プレスアンドブレス吸入器は、エアゾール容器168とマウスピース154とを収容する円筒状本体152(図示された缶を指し示す)を有する筐体150を備える。ノズルブロック156がバルブステム158とスプレー穴160とを収容する、開口を有する筐体内に配置されている。
エアゾール容器の計量バルブは、バルブフェルール162と、バルブステム158と、計量室164と、戻りばね166とを備える。
ドーズカウンタの部品は図5内と同一の参照番号で標識付けされている。
図5および図6に図示されたドーズカウンタの動作モードを図1を参照して詳述する。各1回分が分注されると、カウンタ・リング124が1増加(1つの歯)分だけ前進して、視認窓170を通して適正な服用回数が見られる。「10の位」計数リング120は、カウンタホイール124が突起134をはめ歯ホイール126と係合するのに十分に回転する時まで静止したままである。カウンタ・リング124のさらなる回転によりはめ歯126が回転して、相当する「10の位」計数リング120の過渡回転を生じる。その後カウンタ・リングがさらに180°回転したときしか「10の位」計数リングが再度回転しない、すなわちカウンタ・リングが20個の歯を有する場合には「10の位」計数リングは10回の服用回数毎にのみ回転する。「10の位」計数リングはカウンタ・リングより小さい径を有し得るが、図6に図示したように径がより大きい「10の位」計数リングを有することが好ましい。これによってより大きな空間が「10の位」計数リングの外面上に2桁を提供することができる。加えて「10の位」リングは、「空」計数標識に達すると「単位」リングの表示を覆うように上方に延びる側板を組み込むこともできる。この点を超えて分注されたさらなる数回分は、どのような表示標識が「10の位」計数リング上に印刷されていようともその標識を変化させない。
作動装置内への代替空気入口を組み込んで、カウンタアセンブリに起因する僅かな空気流の閉塞を補償することがさらに望ましい場合がある。これは作動装置の基部内に一連の平行なスロットを形成することにより達成し得る。
添付の図面の図7は、図3を参照して説明した原理により動作するドーズカウンタ用のカウンタ・リング124を図示している。カウンタ・リング124は、点または頂点34および谷部36を形成する傾斜面30および垂直面31により規定された1組の歯を備える。
ドーズカウンタの構成は他の点では、トリガ部100の歯106および蓋体110のラチェット部材136がカウンタ・リング上の歯と適合するように構成される以外は、図5および図6に開示したものと同一である。またカウンタ・リングが30個の歯を備えるため、はめ歯126と協働して「10の位」計数リング120を割り送る3組の突起134がある。
添付の図面の図8は、図4で説明した原理により動作するドーズカウンタに用いられるカウンタ・リングを図示している。カウンタ・リング124は、外側リングの歯130と内側リングの歯132とを備え、各リングは20個の歯を有する。
外側リングの歯130は、傾斜面18と、垂直面20と、水平面または平坦領域21とを備える。内側リングの歯132は傾斜面10および12を備える。
ドーズカウンタの他の部分は、蓋体110上のラチェット部材136が外側リングの歯130と噛合するように構成されていること以外は、図5および図6を参照して開示したものと同一である。カウンタ・リング124は、はめ歯126と協働して「10の位」リングを割り送る正反対の2組の突起134を備える。
Claims (7)
- 往復動手段を備えた薬剤用容器を有し、該容器から1回分の薬剤を分注する吸入器と共に用いるドーズカウンタであって、
固定されたラチェット部材と、
前記往復動手段と前記容器との間の往復動と同調し、往行程および復行程を含む往復動をするように構成されたトリガ部材と、
1回分が分注される毎に所定の計数移動をするように構成されたカウンタ部材と、
を備え、
前記カウンタ部材は、前記ラチェット部材および前記トリガ部材に向かって付勢されているとともに、前記トリガ部材の往復動の方向に略直交する方向の計数動作が可能であり、
前記カウンタ部材は、前記トリガ部材と相互作用する第1の領域および前記ラチェット部材と相互作用する第2の領域を備え、
前記第1の領域は、前記トリガ部材の往行程中に前記トリガ部材に係合して前記カウンタ部材に計数動作させる少なくとも1つの傾斜面を備え、
前記第2の領域は、前記トリガ部材の復行程中に前記ラチェット部材に係合して前記カウンタ部材にさらなる計数動作させることにより前記所定の計数移動を完成させる少なくとも1つの傾斜面を備える、
ドーズカウンタ。 - 前記カウンタ部材がリングの形状を有する請求項1に記載のドーズカウンタ。
- 前記リングが少なくとも1組の歯の形状の傾斜面を備える請求項2に記載のドーズカウンタ。
- 前記リングが、前記トリガ部材と相互作用する1組の歯と、前記ラチェット部材と相互作用する第2の組の歯と、を備える請求項3に記載のドーズカウンタ。
- 前記リングが、前記トリガ部材および前記ラチェット部材の双方と相互作用する単一組の歯を備える請求項3に記載のドーズカウンタ。
- 請求項1〜5のいずれか一項に規定されるドーズカウンタを内蔵する吸入器。
- 前記トリガ部材が、前記吸入器の容器およびバルブフェルールの少なくとも一方に取り付けられている請求項6に記載の吸入器。
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