JP2007526918A - 抗酸化組成物およびその使用方法 - Google Patents

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Abstract

酸化安定性、エマルジョンの安定性、および健康上の利益が向上した抗酸化組成物。この組成物は、非還元糖、糖ポリオール、中鎖脂肪酸トリグリセリド、多糖類、ポリフェノール、リン脂質、キトサン、およびαカゼイン、βカゼイン、κカゼインまたはタンパク断片、グリコペプチド、リン酸化ペプチドの、個々の成分または相乗作用を持つブレンドを含むことができる。この組成物は、場合によってはさらに、高コレステロール血症または骨塩の損失を防止するために使用することもできる。

Description

本発明は、抗酸化組成物、詳細には天然成分から形成される組成物、および前記組成物を使用して高度多価不飽和脂質を含有するエマルジョンを安定化する方法に関する。
脂肪および油は、どんな種類および由来のものであろうとその安定性に限界があることが知られている。保存中に、油脂は、それらの栄養価を減少させ、不快な臭いおよび風味を発する揮発性化合物をも生成する様々な劣化反応を受ける。一般に酸敗という用語は、脂質の性質を変質させる機構を記述するために使用されてきた。この機構は、生物起源のものでも化学起源のものでもよい。生物的な性質の変質には、保存剤の添加によって抑制することができる微生物(例えば、バクテリア、真菌、および酵母)によって生じる変質、ならびに酵素によって生じる変質、主として加水分解性の酸敗または脂肪分解が含まれる。後者は、熱処理、低温での保存、または水の割合を減らすことによって抑制することができる。
化学的な性質の変質は、酸素の作用によるものである。自動酸化で知られる脂質の酸化反応は、一般に不飽和脂肪酸の含有量の多い脂質中で起こり、最も一般的な油脂の変敗となっている。しかし、不飽和脂肪酸だけが食品中で酸化を受ける成分であるというわけではない。一部のビタミン類のように、食品に色および味を与える化合物も酸化を受けやすい。
不飽和脂肪酸の酸化は、脂肪フリーラジカルの形成を意味する開始段階または導入段階と、脂肪フリーラジカルが脂質から水素原子を除去して、比較的安定なヒドロペルオキシドおよび新規の不安定な脂肪フリーラジカルを形成する伝播段階とから基本的になる連鎖反応によって生じることが示されている。こうしたヒドロペルオキシドは、タンパク質、色素、および他の食品成分と相互に作用して、その化学的な性質がヒトの健康に対して有害となり得る物質を生じるおそれがある。自動酸化の最終段階で、ヒドロペルオキシドは分解されて、酸敗した油脂に特徴的な異臭および腐臭の原因となるアルデヒド、ケトン、アルコール、酸などのより小さい短鎖有機化合物になる。
植物では、最も広範囲に及ぶ多価不飽和脂肪酸は、リノール酸(ω−6)およびα−リノレン酸(ω−3)である。多くの植物油は、ω−6脂肪酸(リノール酸)を含有している。ただし、他の多くの植物油とは異なり、亜麻仁油はかなりの量(一般に約55から65パーセント)のω−3脂肪酸(α−リノレン酸)も含有している。食品にこれらが存在することは非常に重要である。というのは、これらはヒトおよび動物の組織によって合成することができず、したがって食事により供給すべきものだからである。これらの必須脂肪酸は、細胞内で、魚油に比較的多量に存在するアラキドン酸(AA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)など、より長鎖でより不飽和度の高いω−6およびω−3ファミリーの脂肪酸に変換される。リノール酸、α−リノレン酸、AA、EPA、およびDHAの健康上の利益は、諸文献で十分に記載されている。こうした利益としては、抗高脂血症、抗血栓、および抗炎症性特性が挙げられる。これらはまた、成長、脳の機能、および視力、特に幼児にとって必須の脂肪である。
高度不飽和脂肪酸の不飽和度のゆえに、これらは極度に酸化しやすくなり、その結果過酸化脂質が生じ、次いで腐臭、異臭、および暗色が発生し、これによって多価不飽和油および関連食品の栄養価が低下する。酸化反応が進行する速度は、温度、脂質の不飽和度、酸素レベル、紫外線暴露、酸化促進性の微量金属(すなわち、鉄、銅、ニッケル)の存在、リポキシダーゼ酵素などの幾つかの要素によって決まる。亜麻仁油および魚油は、冷蔵保存されていても数週間以内に酸敗することがある。
ある種の化合物が存在すると、脂質の酸化プロセスを抑制することができる。食品中の「抗酸化剤」という用語は、通常、自動酸化に関与する連鎖反応を中断させる化合物に適用される。主要な抗酸化剤は、主として、フリーラジカルの連鎖を遮断するフェノール系抗酸化剤であり、その中でもトコフェロール、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、tert−ブチル化ヒドロキノン(TBQH)、没食子酸プロピルなどの天然および合成抗酸化剤が見出されている。これらは全て電子の供与体として作用する。
様々な酸およびその誘導体のいくつかは、植物油に加えられると明らかな抗酸化効果をもたらすことが久しく以前から認識されている。一般に、これらは酸型抗酸化剤と呼ばれる。ただしこれらの酸は、主要な抗酸化剤を含有しない油に単独で加えられる場合、油の酸化安定性に対して実質的には効果を示さない。これらの酸は、正確には抗酸化剤であるというよりは、油中に自然に存在する主要な抗酸化剤(トコフェロールなど)の活性、または加えられる合成抗酸化剤の活性をなんらかの形で強化することによって機能している可能性が高いと考えられている。一般的な酸型抗酸化剤には、アスコルビン酸、パルチミン酸アスコルビル、およびエリソルビン酸が含まれる。アスコルビン酸およびパルチミン酸アスコルビルは、電子供与体として機能する主要な抗酸化剤とは全く異なる酸素除去機構によって機能する。
酸化促進は、ある種の金属イオンおよび還元剤を含有する脂質ベースの系中で生じる。カゼインは、鉄をその第1鉄から第2鉄の形に酸化させることによって非還元剤として作用することが示されている(非特許文献1参照)。多様な植物種、例えば紅茶、コーヒー、ココア、ワイン、アロエベラ、ならびにオークの葉および樹皮からのポリフェノールに富む抽出物は、酸敗を抑制することによって製品の貯蔵寿命を延長することが知られている。
ポリフェノールは、遷移金属イオン、特に鉄および銅のイオンをキレート化することによって、フリーラジカルの形成およびフリーラジカル反応の伝播を抑制する(非特許文献2参照)。クエン酸、アミノ酸、およびエチレンジアミン四酢酸も、銅や鉄などの金属イオンとキレートを形成し、したがって脂質の酸化に対するそれらの触媒作用を回避する。これらのキレート剤の大部分は、単独で使用される場合、抗酸化活性をほとんどまたは全く示さず、したがって他の抗酸化剤の相乗剤とみなされる。すなわち、これらは主要な抗酸化剤の作用を大いに増大させる。
ローズマリー、セージ、タイム、オレガノ、クローブ、ジンジャー、メース(mace)、ナツメグなどの植物およびスパイスからの数多くの抽出物が抗酸化活性を示す。しかし、これらの天然抗酸化剤はあまり効果がなく、ハーブおよびスパイスの強い特徴的な風味を有し、そのため、いくつかの適用例ではその使用が制限されるかもしれないという欠点がある。
多種の天然抗酸化組成物が長年にわたって開発されてきた。天然抗酸化組成物は、一般に、アスコルビン酸(ビタミンC)、トコフェロール(ビタミンE)、クエン酸、ローズマリー抽出物、およびリン脂質(すなわち、大豆レシチン、卵黄レシチン)のブレンドである。パルチミン酸アスコルビルもこれらの天然抗酸化剤中で使用される。例えば、特許文献1には、油の酸化を防止するのに有用な、トコフェロール、アスコルビン酸、クエン酸、およびリン脂質の複合物が開示されている。特許文献2には、酸敗を非常に受け易いビタミン/栄養補助食品の貯蔵寿命を延長するのに有用な、パルチミン酸アスコルビル、ミックストコフェロール濃縮物、およびローズマリー抽出物の複合物が開示されている)。特許文献3には、多価不飽和油を安定にするためのアスコルビン酸複合物が開示されている。特許文献4には、酸化から保護するための、アスコルビン酸およびリン脂質と併用したコエンザイムQの使用が開示されている。特許文献5には、脂質を酸化から保護するための、トコフェロール、レシチン、およびアスコルビン酸の混合物の使用が開示されている。
これら天然の抗酸化組成物も、その有用性が限られているという問題がある。すなわち、アスコルビン酸とレシチン(イオン性リン脂質)の組合せは、油中に望ましくない赤色を生ずることが知られている。多量のレシチンが、生成物に望ましくない臭いおよび風味を与えることもある。アスコルビン酸は、疎水性基質中の抗酸化剤としては無効である。代わりに、アスコルビン酸と飽和脂肪酸のエステル、特にパルミチン酸アスコルビルおよびステアリン酸アスコルビルが使用される。ただし、これらの脂溶性エステル誘導体は非常にコストが高く、狭義としての天然には該当しない。こうした天然抗酸化組成物中に存在する、油に不溶性の化合物を溶かすのに使用される好ましくない溶媒を除去するのにもコストがかかってしまう。
酸化を受け易い多くの製品はエマルジョンであり、あるいはエマルジョンに製造することができるものである。エマルジョンとは、油と水など2種類の非混和液の、液滴の形のコロイド分散液である。油滴が水中に微細に分散している場合、これは水中油型すなわち「O/W」エマルジョンである。水滴が油中に微細に分散している場合、これは油中水型すなわち「W/O」エマルジョンである。O/WおよびW/Oエマルジョンは、食品、医薬品、および化粧品を含めた様々な製品の調製に大きな役割を果たしている。したがって、O/WおよびW/Oエマルジョン中の高度多価不飽和油中で起こる酸化反応を効果的に低減するための、天然成分から形成された抗酸化組成物および方法を提供することが望ましいはずである。
米国特許第5,077,069号明細書 米国特許第5,102,659号明細書 米国特許第5,230,916号明細書 米国特許第5,258,179号明細書 米国特許第5,427,814号明細書 Emery T. in Biochem. Biophys. Res. Comm. 182, 1047-1052 (1992) Brown et al. in Biochem. J330, 1173-1178 (1998) Anthony et al. in J. Food Sci. 67, 1719-1724 (2002) Wijewickreme A. N. and Kitts D. D. in J. Agric. Food Chem. 45, 4571-4576 (1997) McGookin, B. J. and Augustin, M. A. in J. Dairy Res. 58, 313-320 (1991) Tarladgis et al., A Distillation Method for the Quantitative Determination of Malonaldehyde in Rancid Foods, Am. Oil Chemists' Soc. 1960, Vol.37, pp.44-48 Makinen, K. K. in Internat. Dent. J. 35, 23-35 (1985) Dreosti I. E. in Nutrition 16, 692-694 (2000) Malone et al. in Flavor Release, ACS Symposium Series, American Chemical Society, pp. 212-217 (2000) Kitts, D. D. in Can. J. Physiol. Pharmacol. 72, 423-434 (1994) Mora-Gutierrez et al. in J. Dairy Sci. 74, 3303-3307 (1991) Vanderhoof et al. in J. Parenter. Enteral Nutr. 8, 685-689 (1984) Babayan V. K. in J. Amer. Oil Chem. 59, 49A-51A (1981) Lopez-Alliaga et al. in J. Dairy Sal. 86, 2958-2966 (2003) Cerbulis J. in J. Agric. Food Chem. 15, 784-786 (1967) No et al. in J. Food Sci. 65, 1134-1137 (2000) Mora-Gutierrez et a1. in J. Agric. Food Chem. 46, 4987-4996 (1998) Singlenton et al., Analysis of Total Phenols and Other Oxidation Substrates and Antioxidants by Means of Folin-Ciocalteu Reagent, Methods in Enzymology, Oxidants and Antioxidants, 1998, pp. 152-178 Frankel E. N., In Search of Better Methods to Evaluate Natural Antioxidants and Oxidative Stability in Food Lipids, Trends in Food Sci. Technol. 1993, Vol. 4, pp 220-225 Tarladgis et al., A Distillation Method for the Quantitative Determination of Malonaldehyde in Rancid Foods, Am. Oil Chemists' Soc. 1960, Vol. 37, pp. 44-48 Tarladgis et al. 1960. J. Ame. Oil Chem. Soc. 37:44 Van Dokkun et al. in Ann. Nutr. Metab. 27, 361-367 (1983) Alferez et al. in J. Dairy Res. 68, 451-461 (2001) Pallares et al, in J. Agric. Food Chem. 44, 1816-1820 (1996)
本発明は、O/WおよびW/Oエマルジョン中の高度多価不飽和脂質中で起こる酸化の抑制を強化するための組成物および方法に関する。本発明の個々の実施形態は、トコフェロール、βカロチン、卵黄または大豆のリン脂質、およびスクロースまたはソルビトールの有効量を、ホモジナイズすることによってO/WおよびW/Oエマルジョン中に取り込むことを特徴とする、高度多価不飽和脂質を含有するO/WおよびW/Oエマルジョンの酸化を防止する方法に関する。
本発明のいくつかの実施形態は、ヤギカゼインホスホペプチド、ナス(LBJ10)、およびクエン酸の存在下で使用されると、強化された抗酸化活性を示す。さらに抗酸化組成物は、(1)動物体内でコレステロールを下げる活性を有する不溶性かつ非吸収性の、カルシウムおよびマグネシウムと脂肪酸のキレート、ならびに(2)動物体内の骨塩の損失を防止するカルシウムおよびマグネシウムの可溶性複合体の形成を含めた、栄養面での利益をもたらすことができる。
本発明の特定の実施形態を、以下の詳細な説明でさらに説明する。
本発明は、酸化の抑制を強化するための組成物および方法を含む。これらの抗酸化組成物は、高度多価不飽和脂質の酸化を抑制することができる。これらは、非還元糖、糖ポリオール、中鎖脂肪酸トリグリセリド、硫酸化多糖類、カゼインホスホノペプチド、リン脂質、キトサン、およびポリフェノールを含むことができる。これらの抗酸化組成物は、O/WまたはW/Oエマルジョン中で使用することができる。
選択された実施形態は、硫酸化多糖類を含む。これらは、硫酸基に共有結合した少なくとも1つのポリマー糖部分を含有する化合物を含むことができる。硫酸化多糖類の一例は、カラゲナンクラスの化合物である。硫酸化多糖類の他の例には、コンドロイチン硫酸、硫酸化シクロデキストリン、硫酸デキストラン、およびヘパリン硫酸が含まれる。
これらの抗酸化組成物は、非還元糖、糖ポリオール、中鎖脂肪酸トリグリセリド、多糖類、αカゼイン、βカゼイン、κカゼインまたはタンパク断片、グリコペプチド、リン酸化ペプチド、α、β、γまたはδトコフェロール、α、β、γまたはδトコトリエノール、トコフェロール、トコトリエノール、βカロチン、リン脂質、およびキトサン、あるいはそれらの組合せからなる群から選択された成分も含むことができる。
抗酸化組成物は、クエン酸、アスコルビン酸、グルコン酸、およびクエン酸を含めたキレート剤、またはそれらの組合せを含むpH調整剤を含むこともできる。
抗酸化組成物は、ナス(Solanum melongena)の実に由来するポリフェノールを含むことができる。
選択された実施形態では、抗酸化組成物には、還元糖、糖ポリオール、またはそれらの組合せ;変性デンプン;多糖類;酵素で改質された油、脂肪、ならびにモノ、ジおよびトリグリセリドの脂肪酸から選択されるグリセリド;脂肪分解した改質された油、脂肪、並びに、モノ、ジおよびトリグリセリドの脂肪酸から選択されるグリセリド;デキストロース当量(D.E.)が最大で約25の加水分解デンプンのブレンドを含む、湿潤剤としての果実濃縮甘味料;可溶性固形物が少なくとも約40%で不溶性固形物が約0%であり、したがって複合糖質約40から約65%、果汁または果実シロップ濃縮物からの単糖約35から約55%、および果汁または果実シロップ濃縮物中に自然に存在する栄養成分約0から約5%からなる乾燥重量組成を有する液汁を形成する果汁または果実シロップ濃縮物;ココア粉末;スクラロース;ならびにそれらの組合せを含めた成分を有するマイクロエマルジョンまたはナノエマルジョンが含まれる。
他の実施形態では、抗酸化組成物は、カルシウム塩およびマグネシウム塩からなる、哺乳動物の高コレステロール血症を防止する製品;カルシウム塩およびマグネシウム塩からなる、哺乳動物の骨塩損失を防止する製品;カルシウム塩およびマグネシウム塩からなる、ω−3生成物に富んだ油;油溶性風味製品;油溶性のビタミン剤、栄養補助食品、または医薬品;ω−3もしくは共役リノール酸に富む、ぬか油、亜麻、チーア(chia)、麻、ヒマシ、大豆、アブラナ(lesquerella)、水素化ヒマシ油を含めた植物油、またはω−3もしくは共役リノール酸に富む、魚、卵、鶏、および牛油を含めた動物油、あるいはそれらの組合せを有する製品;カルシウム塩およびマグネシウム塩からなる透明な飲料製品;クリーミーさが改善され、苦味が低減し、酸化が低減されたココア製品;タンパク質の沈殿および沈降を低減させた、高メトキシルペクチンまたはアルギン酸ペクチン、あるいはそれらの組合せからなるタンパク質に富む製品;タンパク質の沈殿および沈降を低減させた、タンパク質に富む製品;エマルジョンの安定性および酸化安定性を増大させた、水中油型マイクロまたはナノエマルジョン;あるいはエマルジョンの安定性および酸化安定性を増大させた、油中水型マイクロまたはナノエマルジョンを含む製品に製造することができる。
本発明は、様々な方式で抗酸化剤として機能することができる。例えば、スクロースは、プロビタミンA(βカロチン)やビタミンE(トコフェロール)などの天然ビタミン、ならびにポリフェノール化合物およびヤギカゼインホスホペプチドに対する脂溶剤として、また脂肪エマルジョン中の抗酸化剤(転化糖)としての潜在能力を示している。転化糖は、スクロースの加水分解によって得られるグルコース(デキストロース)約50%とフルクトース(果糖)50%の混合物である。スクロースの加水分解は、酸または酵素を使用して行うことができる。蜂蜜は、大部分が転化糖である。15%の蜂蜜をシチメンチョウの挽肉に加えると、蜂蜜0および5%のサンプルと比較して、酸化速度の減少を示した(非特許文献3参照)。メイラード反応生成物(MRP)は、抗酸化作用の発生源であることが理論付けられている。
還元糖と、アミノ酸、ペプチド、またはタンパク質との間の非酵素的な相互作用は、メイラード褐変反応(MR)と呼ばれてきた。MRでは、多数の中間体が生成することが知られており、まとめてメイラード反応生成物(MRP)と呼ばれる。MRPの形成は、反応物の供給源および反応物の状態の両方によって大きな影響を受け、固定された反応物および反応条件でも、様々なMRPを生成することが知られている。MRPは、還元糖−アミノ酸化合物の熱分解によって得られ、抗酸化活性および酸化促進活性の両方を有することが示されている(非特許文献4参照)。
スクロースを、本発明のカゼインホスホペプチド−キトサン複合物と反応させることによって形成されるMRPの酸化挙動は、Fe2+イオンを含有するO/Wエマルジョン系中で評価し、酸素電極法で決定すると、スクロース濃度3%では抗酸化活性が低く、スクロース濃度6%では酸化促進活性を有する、MRPから成っていた。本発明のカゼインホスホペプチド−キトサン複合物およびスクロースを120℃で2時間加熱した後に形成されるMRPは、抗酸化活性の低減に寄与する。逆に、本発明のカゼインホスホペプチド−キトサン複合物をソルビトールで処理すると、MRPの形成が抑制された。したがって、ソルビトールを、Fe2+イオンを含有するO/Wエマルジョン系に3および6%のレベルで加えたとき、本発明のカゼインホスホペプチド−キトサン複合物の抗酸化活性が非常に効果的に維持された。
抗酸化組成物をある濃度に固定したとき、スクロースの濃度が高まるにつれて視覚的に評価して褐変が増大したとの観測から、より大きな程度のメイラード反応が生じたことが示唆され、したがって酸生成の速度および程度が増大したことが予想される。メイラード反応中に酸が形成されることは知られている(非特許文献5参照)。スクロースが、より大規模にグルコースおよびフルクトース(転化糖)へと酸加水分解されると、本発明のカゼインホスホペプチド−キトサン複合物の酸化防止能が低下する。グルコース−カゼインホスホペプチド/キトサンおよびフルクトース−カゼインホスホペプチド/キトサン反応のどちらからMRPが形成されても、120℃で2時間加熱後に、本発明の潜在的抗酸化能力が損なわれる。
TBA(チオバルビツール酸)試験を使用してサンプルの過酸化物価を分析することによって、TBAデータが集められた(非特許文献6参照)。サンプルは(10%スクロースまたはスクロース−ソルビトールのブレンドの存在下で)60℃で7日間保存されたが、これはメイラード反応の初期段階を反映するものである。非酵素的な褐変(メイラード反応)の初期段階中に無色の生成物が形成され、さらなる反応(後期または進行期と呼ばれる)によって様々な化合物が生じる。これらの反応は、あるプロセス(焙焼、焼成)においては望ましいものの、他のプロセス(保存、滅菌)では、望ましくない色および風味、栄養価の減少、ならびに潜在的に毒性の化合物の生成を引き起こすことがある。
スクロースの酸加水分解は、還元糖を増加させる主要な原因となる。還元糖は、本発明のいくつかの実施形態の抗酸化組成物(例えば、カゼインホスホペプチド−キトサン複合物)とは相容性がない。フルクトース−グルコースの比は、スクロースの転化によって決まる割合で増加する。スクロースの酸加水分解の程度は温度に応じて決まる。温度が上昇するにつれて、スクロースの酸加水分解の程度も増大する。したがって、本発明のいくつかの方法では、カゼインホスホペプチド−キトサン複合物によって示される抗酸化活性を保持するために、スクロースの酸加水分解の程度はある一定の温度範囲内とすべきである。
低温殺菌は、病原性(植物性)バクテリア、酵母、および真菌を駆除するために、流動食(すなわち、乳汁、果汁、卵黄)に適用される従来のプロセスである。微生物の駆除は、流動食を61.1℃で4分間、72℃で15秒間、または127℃で4秒間の殺菌にかけることにより実現することができる。低温殺菌プロセスは、脂肪エマルジョン中のスクロースの酸加水分解を最小限に抑え、それによって本発明のある種の天然成分(すなわち、カゼインホスホペプチドキトサン複合物)の全体的な潜在的抗酸化能力に寄与する。脂肪エマルジョンを10%ソルビトールを用いて調製する場合、TBAアッセイ方法によって示されるように、60℃で14日間の保存期間後もMRPは形成されない。
事実上全ての糖アルコールは、他の天然の食品性炭水化物と同じタイプの炭素骨格を有し、これらの糖アルコールは、化学的全糖分析で糖としてアッセイすることさえもできる。全ての糖アルコールは、対応するアルドースおよびケトースに化学的または酵素的に変換することができ、それらは糖アルコールの形に還元可能である。
糖アルコールが生物学的にユニークなものになっている共通の特徴のいくつかは、以下の通りである。
還元性カルボニル基がない:このため、糖アルコールは、対応するアルドースおよびケトースよりも化学的にいくらか反応性が低くなる。したがって、糖アルコールは、数種のアルドースおよびケトースでは高い割合で生じるいくつかの化学反応を起こさない。この相対的な化学的不活性は、糖アルコールがヒトの口腔内で反応性が低くなり、通常、歯のプラークでの大規模な酸形成には関与しないことにも反映されている。
錯体形成:多くの糖アルコールは、そのポリオキシの性質の故に、化学的に弱いとはいえ注目に値する錯体を、いくつかの多価カチオンと間で形成する。一般に、様々な生理的および栄養上の目的にとっては、Ca2+、Fe2+、Fe3+、Cu2+、および場合によっては数種の微量元素との錯体が重要である。
親水性:炭水化物構造中に、可能な限り多数のヒドロキシル基が存在するので(ガラクチトールおよびD−マンニトールの水に対する溶解度は低いものの)、事実上全ての糖アルコールが高度に親水性になっている。少なくとも一部の低級同族体は、タンパク質(およびペプチド)、他の生体分子、ならびに金属カチオンの水和層をめぐって(実際の複合物形成なしに)水分子と競うことができる。このことの結果は、水溶液中で糖アルコールが、タンパク質間(およびペプチド間)の疎水性相互作用を間接的に強化し、それによって熱および他の変性、または損傷目的に対して安定にすることにみられる(非特許文献7参照)。グルコースおよびスクロースは多価アルコールである。
右配置を有するいくつかの糖アルコール(例えば、D−マンニトール)は、それらがポリオールの性質をもつので、生物系および実験系でフリーラジカル捕捉剤として作用することができる(非特許文献7参照)。
したがって本発明のいくつかの実施形態では、抗酸化組成物は、中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)、特にカプロン酸(C6.0)、カプリル酸(C:8.0)、およびカプリン酸(C10:0)のトリグリセリドを含む。
抗酸化組成物は、硫酸化多糖類などの多糖類を含有することもできる。硫酸化多糖類には、ι、κ、またはλカラゲナン、あるいはそれらの組合せが含まれ得る。
本発明の組成物はまた、αカゼイン、βカゼイン、κカゼインまたはタンパク断片、グリコペプチド、リン酸化ペプチド、およびそれらの組合せを含むことができる。リン酸化ペプチドは、αS2カゼインと中鎖脂肪酸トリグリセリドに富む、カゼインホスホペプチドなどのリン酸化ペプチドを含むことができる。ヤギの乳汁からカゼインホスホペプチドを単離して、ヤギカゼインホスホペプチドを生成することができる。カゼインホスホペプチドは、カルシウムとの可溶性複合物を形成する特に強力な能力を有する。
抗酸化組成物はさらに、α、β、γまたはδトコフェロール、α、β、γまたはδトコトリエノール、トコフェロール、トコトリエノール、βカロチン、リン脂質、キトサン、あるいはそれらの組合せを含むことができる。
抗酸化組成物はまた、ナス(Solanum melongena)の実に由来するポリフェノールを含むことができる。
スクロースまたはソルビトールを含有する脂肪エマルジョン粒子は、亜麻仁油中に存在するトコフェロール(ビタミンE)およびβカロチン(プロビタミンA)の可溶性(したがって、分散性)を高める。スクロースまたはソルビトールを含有する脂肪粒子はまた、ココア(ポリフェノール化合物)、ナス−カラゲナン複合物(ポリフェノール化合物)、およびヤギカゼインホスホペプチド−キトサン複合物の可溶性(分散性)を高める。カナダ亜麻仁油(Canadian flaxseed oil)を含有するO/Wエマルジョン中で観察される強化された抗酸化活性は、トコフェロール、βカロチン、リン脂質、ソルビトール、各社独自開発の(proprietary)ココアミックス、および本発明の選択された抗酸化剤組成物の協同作用から生ずる。
トコフェロールは、フェノール性ヒドロキシル基の水素を与えることによって、酸化変敗のフリーラジカル連鎖を遮断するフリーラジカル停止剤である。βカロチンは、連鎖を破壊させる抗酸化剤として機能する。(脂質の過酸化の開始を防止するのではなく、フリーラジカルを捕捉することによって連鎖反応を停止させて、フリーラジカル活性の進行を中断させる。)TBAデータは、アメリカ有機亜麻仁油(Organic American flaxseed oil)が、カナダ有機亜麻仁油(Organic Canadian flaxseed oil)よりも脂質酸化を受けやすいことをはっきり示している。これは、遺伝子操作生物に由来する可能性が高い有機アメリカ亜麻仁油のトコフェロールおよびβカロチンの含有量が少ないことに帰することができる。
本発明の諸実施形態で使用されるリン脂質は、卵黄、大豆リン脂質、またはそれらの組合せからなる群からのリン脂質を含むことができる。TBA研究により、大豆リン脂質(レシチン)、βカロチン(プロビタミンA)、トコフェロール(ビタミンE)、および亜麻仁油のエマルジョン中のソルビトール(糖アルコール)またはスクロース(非還元糖)の間の相乗的な抗酸化効果が確認される。得られる亜麻仁油のエマルジョン、および大豆リン脂質、ソルビトールまたはスクロースをホモジナイズしてさらに使用することにより、ω−3、ω−6、ω−9脂肪酸の脂質酸化が最小限に抑えられる。したがって、O/Wエマルジョン中のこれらの必須多価不飽和脂肪酸(ω−3、ω−6、ω−9)の貯蔵寿命は、本発明のいくつかの抗酸化組成物によって大幅に延長される。各社独自開発のココアミックスを使用し、引き続きホモジナイズしても同じ利益が得られる。
レシチンは、抗酸化相乗剤として脂質ベースの食品に幅広く使用されている。リン脂質分子の構造により、レシチンが油滴の表面上に保護用コーティングを確立することが可能になる。ホモジナイズのプロセスにより、リン脂質分子だけでなく、脂質の酸化に対する保護力を向上させる油滴中のトコフェロールおよびβカロチン分子も捕捉される。低脂肪製品の製造は、本発明の選択された抗酸化組成物および卵黄のリン脂質を組み込んで、低脂肪製品に豊かでクリーミーな口当たり特性を付与する方法によってさらに改善される。
さらに、クエン酸、アスコルビン酸、グルコン酸、またはそれらの組合せを含めたpH調整剤を加えることにより、酸化安定性を改善することができる。その上、クエン酸を含むキレート剤を加えることによって、酸化安定性をさらに強化することもできる。クエン酸は、スクロースの転化糖への変換を抑制するものの、加速貯蔵条件(すなわち、60℃の温度で7日間を超える)によって転化糖(グルコースとフルクトースの混合物)を形成させることができる。
特定の一実施形態では、本発明は、非還元糖、糖ポリオール、またはそれらの組合せ;変性デンプン;多糖類;酵素で改質された油、脂肪、ならびにモノ、ジおよびトリグリセリドの脂肪酸から選択されるグリセリド;脂肪分解し改質された油、脂肪、ならびにモノ、ジおよびトリグリセリドの脂肪酸から選択されるグリセリド;デキストロース当量(D.E.)が最大で約25の加水分解デンプンのブレンドを含む、湿潤剤としての果実濃縮甘味料;可溶性固形物が少なくとも約40%で不溶性固形物が約0%であり、したがって複合糖質約40から約65%、果汁または果実シロップ濃縮物からの単糖約35から約55%、および果汁または果実シロップ濃縮物中に自然に存在する栄養成分約0から約5%からなる乾燥重量組成を有する液汁を形成する果汁または果実シロップ濃縮物;ココア粉末;スクラロース;あるいはそれらの組合せからなる群から選択される成分を有するマイクロエマルジョンまたはナノエマルジョン組成物を含む。
ココア粉末は、粗タンパク質約20%を含有している。アミノ酸、ペプチド、またはタンパク質の遊離アミノ基と、還元糖のカルボニル基との間の縮合によってメイラード反応が開始されて、N置換グリコシル−アミノ化合物が得られ、次いでシッフ塩基が可逆的に形成され、それが環化されてNB置換グリコシルアミンとなり、次いでそれがアマドリ化合物に変換される。アマドリ転位は、弱酸によって触媒され、メイラード反応の重要な過程であると考えられている。メイラード反応の初期段階中に形成されるアマドリ化合物は、アミノ酸およびタンパク質の栄養価喪失の原因である。というのは、それらの生物学的活性がアマドリ化合物の形成によって低減されるからである。ココア粉末はまた、抗酸化効果のあるポリフェノール約10%を含有している(非特許文献8参照)。スクロース(pH6.6)を加えたO/Wエマルジョン系中でのココア粉末の脂質酸化抑制能は、熱処理によって影響を受ける。加熱によるスクロースの大規模な酸加水分解は、ココア粉末の抗酸化能力に有害である。しかし、ソルビトール(pH6.6)を有する調製されたO/Wエマルジョンの場合、ココア粉末は60℃で28日間の保存中、強化された酸化安定性を示す。
低温殺菌加熱は、脂肪エマルジョン中のスクロースの酸加水分解を最小限に抑える手段を提供する。したがって、ホモジナイズした各社独自開発のココアミックス、大豆リン脂質、ソルビトール、またはスクロースを含む、低温殺菌された亜麻仁油のエマルジョンは、ω−3、ω−6、およびω−9脂肪酸の脂質酸化を最小限に抑える。したがって、O/Wエマルジョン中のこれらの必須多価不飽和脂肪酸(ω−3、ω−6、ω−9)の貯蔵寿命は、各社独自開発のココアミックスにより大幅に延長される。本発明の抗酸化組成物および/または各社独自開発のココアミックスの組合せは、さらなる相乗効果を示す。
カルシウム塩およびマグネシウム塩の群から選択される塩を含む、哺乳動物の高コレステロール血症を防止する製品;カルシウム塩およびマグネシウム塩の群から選択される塩を含む、哺乳動物の骨塩損失を防止する製品;ω−3生成物に富み、さらにカルシウム塩およびマグネシウム塩の群から選択される塩からなる油;油溶性風味製品;油溶性のビタミン剤、栄養補助食品、または医薬品;ω−3もしくは共役リノール酸に富む、ぬか油、亜麻仁油、チーア(chia)油、大麻油、ヒマシ油、大豆油、レスクェレラ油(lesquerella)、水素化ヒマシ油を含めた植物油、またはω−3もしくは共役リノール酸に富む、魚、卵、鶏、および牛油を含めた動物油、あるいはそれらの組合せを有する生成物;カルシウム塩およびマグネシウム塩の群から選択される塩を含む透明な飲料製品;クリーミーさが改善され、苦味が低減し、酸化が低減されたココア製品;タンパク質の沈殿および沈降を低減させた、高メトキシルペクチンまたはアルギン酸ペクチン、あるいはそれらの組合せを含むタンパク質に富む製品;タンパク質の沈殿および沈降を低減させた、タンパク質に富む製品;エマルジョンの安定性および酸化安定性を増大させた、水中油型マイクロまたはナノエマルジョン;あるいはエマルジョンの安定性および酸化安定性を増大させた、油中水型マイクロまたはナノエマルジョンを含む本発明の抗酸化組成物を含めることによって、多種多様な製品を製造することができる。
製品の範囲には、菓子類、焼き菓子、スプレッド、ドレッシング、サラダ用ドレッシング、栄養補助食品、機能食品、アイスクリーム製品、種子の液汁、乳製品、薬用錠剤、シロップ、ならびに医薬品、機能性菓子製品、およびミネラル強化飲料が含まれるが、これらには限定されない。
本発明の組成物は、ω−3または共役リノール酸に富んだ、ぬか油、亜麻仁油、チーア(chia)油、大麻油、大豆油、レスクェレラ油、ヒマシ油、水素化ヒマシ油、メンヘーデン(menhaden)油、イワシ油、ニシン油、サーモン油、アンチョビ油、他の油など、高度多価不飽和脂肪酸をかなりの量含有する植物油および動物油で調製されたO/WおよびW/Oエマルジョンを含むことができる。O/WおよびW/Oエマルジョンの油の含有量は、使用される油の種類の成分および他の成分によって変わり得るが、0.1〜95w/v%、好ましくは1〜85w/v%の範囲内とすることができる。本発明の実施形態は、果実およびハーブ風味の油、チーズ風味の油、バター風味の油などの香味油、ならびに油溶性ビタミン剤、栄養補助食品、または医薬品に適用される場合にも効果を有することができる。
水性媒体中に分散された小さい脂質液滴を含む水中油型(O/W)エマルジョンは、多くの種類の食品、例えば、乳汁、クリーム、飲料、ドレッシング、ディップ、ソース、バター、およびデザートの基礎材料を形成する。エマルジョンは、油相と水相の間の望ましくない接触のために、また油相および水相が異なる密度であるために熱力学的に不安定な系であり、したがって時間が経つと必ず分解することになる。乳化剤は界面活性成分であり、それはホモジナイズ中に新規に形成される脂質液滴の表面に吸収され、通常エマルジョンの分解を遅らせる。それらは吸収された後に界面張力を低下させ、それによってホモジナイズ中に生成される液滴の寸法を縮小することによって液滴の分裂をさらに促進する。乳化剤はまた、保護膜を形成し、かつ/または液滴間に斥力を生じさせることによって、液滴が凝集する傾向を低減する。良好な乳化剤は、ホモジナイズ中に形成される脂質液滴の表面に急激に吸着し、界面張力を急激に相当程度低下させ、かつエマルジョンの加工、保存、および使用中に凝集しないよう液滴を保護するはずである。
卵黄リン脂質と本発明の抗酸化組成物を使用して調製されるエマルジョンは、相の分離および粒子の凝集に対する安定性が改善されている。風味の放出を強化するための最近の研究により、咀嚼中、O/Wエマルジョンからの無極性の風味の放出が、生体高分子の粒子内に油滴を封入することによって制御されることが分かってきた(非特許文献9参照)。この手法を使用して、高脂肪食品と類似の風味を放出する特徴を有する低脂肪食品を作製することができる(非特許文献9参照)。風味の放出を強化するための基準となる方法は、強化された酸化安定性をもたらす本発明の抗酸化組成物によって実証される。生体高分子の粒子は、本発明の抗酸化組成物の実施形態である、ヤギカゼインホスホペプチド−キトサン複合物およびナス−カラゲナン複合物によって作製される。
本発明の抗酸化組成物として使用されるカゼインホスホペプチドは、ヤギの乳汁から単離されたαS2カゼインを含むことができる。カゼイン類とカゼインホスホペプチドはリン酸化反応の程度が異なり、リン酸化反応の程度とミネラルをキレート化する活性との間の直接的な関係が記載されている(非特許文献10参照)。したがって、リン酸化反応の程度に基づくと、αS2カゼイン>αS1カゼイン>βカゼイン>κカゼインとなる。αS2カゼイン(αS2カゼイン=全カゼインの29.2%)に富むヤギの乳汁から単離したカゼインホスホペプチドは、牛乳(αS2カゼイン=全カゼインの12.1%)から単離したカゼインホスホペプチドよりもミネラルをキレート化する活性が高い。αS2カゼインに富んだヤギの乳汁からのカゼインホスホペプチド中に存在する、ホスホセリンのリン酸基および酸性アミノ酸のカルボキシル基は、特定の理論に拘泥するものではないが、鉄や銅などの酸化促進性の金属イオンと錯体を形成する可能性が高い。当分野の技術者には、αS2カゼインに富んだ他の乳汁も本発明に適することが理解されるはずである。乳汁の選択は、とりわけ経済的要素および特定の乳汁の入手しやすさの影響を受ける。αS1カゼインが少なく、高レベルのαS2カゼインを含有する乳汁の選択は、逆相高速液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)によって行うことができる(非特許文献11参照)。ヤギカゼインホスホペプチドのカゼインの組成は、通常以下の通りである。αS2カゼイン含有量=29.2%、αS1カゼイン含有量=5.9%、βカゼイン含有量=50.5%、およびκカゼイン含有量=14.4%。
ヤギの乳汁中の脂肪はまた、腸上部で吸収され、吸収されるのに胆汁酸塩を必要としない中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)(C6:0カプロン酸、C8:0カプリル酸、およびC10:0カプリン酸)に富んでいる(非特許文献12参照)。こうしたMCTは、ヒトの多くの代謝性疾患におけるその独特の利益によって、医療専門家にとって相当の関心事となっている(非特許文献13参照)。骨(大腿骨および胸骨)は、ヤギの乳汁食を与えられた哺乳動物でマグネシウムの沈着が優先的に行われる器官であり、このことは、脂質組成物(MCTに富む)に関するヤギの乳汁食の特別な特徴によるとされてきた(非特許文献14参照)。脂質は乳汁中ではタンパク質(カゼイン)に随伴しており、結合脂質画分中のその含有量は多い(非特許文献15参照)。本発明の抗酸化組成物中で使用されるヤギカゼインホスホペプチドのMCT含有量は多い。というのは、このヤギカゼインホスホペプチドは、脂肪含有量1%のヤギの乳汁からキトサンの酵素的加水分解および酸沈殿によって産生されるからである。キトサンは、酸性のpHではポリカチオン性質を有すると推測され、高い脂肪結合能力を示す(非特許文献16参照)。
本発明の例示的な一実施形態では、αS2カゼイン含有量が多いことを特徴とするヤギの乳汁(脂肪含有量1%)が、本発明の方法で開始材料として使用される。この方法では、(a)ほぼ中性のpHで、トリプシン0.01%(w/v)を有するαS2カゼインに富むヤギの乳汁に存在するカゼインを消化して粗カゼインホスホペプチドを生成し、(b)クエン酸10%(w/v)に溶かしたキトサン (70%が脱アセチル化されたSEACURE L 110;Pronova Biopolymer,Inc.,Oslo,Norway)2%(w/v)を使用してpHを4.5に低下させ、(c)遠心分離によって上清から未反応のカゼインを除去し、(d)上清を4℃で20時間静置し、(e)上清のpHを約6.0に調節し、次いで塩化カルシウム(0.2%w/v)およびエタノール(40%v/v)を加えて、カルシウムと結合したカゼインホスホペプチドを沈殿させ、それを遠心分離によって回収する。このカルシウムと結合したカゼインホスホペプチドを、脱イオン水で洗浄し、凍結乾燥によって乾燥させることができる。凍結乾燥させた生成物の組成物を、表1に示す。
Figure 2007526918
酸に可溶性のヤギカゼインホスホペプチドを加える前に、食品グレードの酸味料を脂肪エマルジョンに加えることができる。酸に可溶性のヤギカゼインホスホペプチドは、pH約2.0から5.7の範囲の酸性環境に加えることができる。食品グレードの酸味料は、クエン酸、アスコルビン酸、グルコン酸、およびそれらの組合せでよい。脂肪エマルジョン中の酸味料は、大部分はクエン酸でよい。クエン酸は、色、風味の劣化、およびビタミンAの含有量の低下を加速する有害な微量金属、特に銅および鉄を封鎖する。
本明細書では、LBJという用語は、ナス(Solarium melongena)に由来する糖および可溶性繊維の混合物を示す。一例では、LBJを製造するために、クエン酸とιカラゲナンを加えた水でナス全体をスラリー化する。この混合物を、制御された条件の下、高温で特定の時間反応させる。その後、生成した糖/可溶性繊維(LBJ)のスラリーを、糖/可溶性繊維(LBJ)から苦味成分、色、および臭い成分を除去する機能を有する吸着性樹脂で処理する。望むなら、処理した糖/可溶性繊維(LBJ)溶液を濃縮し乾燥させて、粉末の形にしてもよい。さらに、ポリフェノール、具体的にはナス(Solanum melongena)の実に由来するポリフェノールを加えることも可能である。
より具体的には、例示的な一実施形態では、クエン酸0.50%とιカラゲナン0.25%を含有する水溶液を、撹拌し続けながら45℃で6時間加熱する。ナスのサンプルは、地元の食品店または他のいかなる供給源からも得ることができ、必要により使用するまで約4℃で冷蔵保存することができる。使用の約1時間前に、ナスのサンプルを冷蔵状態から取り出し、室温約22℃で均衡化する。ナス(0.7kg)を水ですすぎ、皮を剥き、次いで厚さ4〜5mmの薄片に薄切りする。すぐに、クエン酸とιカラゲナンの酸性混合溶液を入れた処理浴に浸す。次いで、薄切りのナスと、クエン酸およびιカラゲナンの酸性混合溶液とを入れた処理浴を、70℃から80℃の範囲内でよい温度、一般に75℃まで加熱する。この高温は、少なくとも2時間維持することができるが、このような高温でより長く、例えば約4時間保持することも可能であり、次いで0℃および50℃の間、特定の一実施形態では約4℃まで、ある一定の時間、典型的には約12時間冷却する。最後に、混合物をデカントしてワットマン濾紙No.4または類似の濾過媒体を通す。
例示的な一実施形態では、スラリー水溶液(LBJ)を吸着性樹脂のカラムに通す。吸着性樹脂は、スラリー水溶液(LBJ)から苦味、臭い、および色を除去する機能を有するポリマー樹脂でよい。使用に適するあるクラスの吸着性樹脂は、アンバーライトシリーズの樹脂、例えばBellefonte,PAのSupelcoから市販のアンバーライトXAD−2、アンバーライトXAD−4、アンバーライトXAD−16など、スチレンおよびジビニルベンゼンからなるポリマー性架橋樹脂である。本発明による使用に適した他のスチレンおよびジビニルベンゼンの吸着性ポリマー性架橋樹脂は、ミシガン州ミッドランド、Dow Chemical Company製のXFS−4257、XFS−4022、XUS−40323、およびXUS−40322、ならびに他の類似の樹脂である。
本発明によるスラリー水溶液(LBJ)の処理は、バッチ処理、あるいはスラリー水溶液(LBJ)を吸着性樹脂が入ったカラムに通すなど様々なやり方で行うことができる。選択されるカラムの寸法は、サンプルの寸法およびスラリー水溶液(LBJ)の濃度によって決まる。
例示的な一実施形態では、より具体的にはアンバーライトXAD−2約100gのバッチを水中でスラリー化し、テフロン(登録商標)製コックをはめたガラス製オープンクロマトグラフィーカラム(2×30cm)に注入する。次いでカラムを、2回蒸留水2リットル、蒸留メタノール(試薬用)2リットル、および最後に蒸留水2リットルで洗浄することによって使用のために調製した。カラム内で処理されるスラリー水溶液(LBJ)は、カラムを詰まらせる、または流れを妨害することのないように、不溶性材料を含まないことが好ましい。一般に、処理されるナスの濃度は、約50から70重量%の範囲とすることができる。スラリー水溶液(LBJ)のpHは、pH3から4の範囲とすることができる。好ましくは、スラリー水溶液(LBJ)をカラムに通す流速は、望ましくない苦味、色、および臭いを吸着性樹脂に吸着させるに十分な時間を与え得るほどの遅い速度とすることができる。一般に、1時間当たり1から5床体積のカラム流速で十分である。
本発明によるあるスラリー水溶液(LBJ)は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で決定して、フルクトース部分3.7%およびスクロース部分1.5%を含有している。したがって、この天然組成物は高い吸湿性を示す。この天然組成物の製造においては噴霧乾燥の補助剤として糖ポリマーを使用することができる。この組成物は、マルトデキストリン約5から10重量%を含んでよい。マルトデキストリンは、一般に約10を超えない低DEである。スラリー水溶液(LBJ)を吸着性樹脂のカラムに通した後、スラリー水溶液(LBJ)を6%(重量)濃度のマルトデキストリンDE=10と混合する。次いで、スラリー水溶液(LBJ10)を噴霧乾燥等によって乾燥すると、脂肪エマルジョン用の天然抗酸化成分として使用するのに十分適した生成物が得られる。この生成物の組成を表2に示す。
Figure 2007526918
炭水化物、粗タンパク質、脂肪分、灰分、食物繊維分、可溶性繊維分、および糖分の数値は、一般分析によるものである。
カラゲナンは、増粘効果、すなわち粘度を増大させる効果を示す。ιカラゲナン0.25%を有する表2のLBJ10組成物の粘度はかなり低く、すなわち約11cps(1%、22℃)であり、わずかに甘味があり無臭である。κカラゲナンやλカラゲナンなどのカラゲナンも、LBJ10の調製に使用することができる。カラゲナンは、カゼイン(およびそれから誘導されたたリン酸化ペプチド)と相互作用して、水を保持する能力を改善することによって食品の質感を改質することが知られている(非特許文献17参照)。本発明のいくつかの実施形態では、卵黄のリン脂質、ヤギカゼインホスホペプチド、およびLBJ10の組合せが、脂肪を低減させたエマルジョンに、豊かさ、潤滑性、およびクリーミーさを与える。抗酸化活性は食品のフェノール系物質の含有量と相関関係があるので、LBJ10のフェノール系物質の総含有量を、記載される方法を使用して決定した(非特許文献18参照)。LBJ10のフェノール系物質の総含有量は 、LBJ10 1g当たりの没食子酸当量45μmolであった。
本発明は、トコフェロール、βカロチン、卵黄または大豆のリン脂質、スクロースまたはソルビトール、ヤギカゼインホスホペプチド、ナス(LBJ10)、およびクエン酸を含む天然の抗酸化剤の組成物を含む。
本発明の特定の抗酸化成分は、脂質含有量でトコフェロール約0.01から約0.03%、脂質含有量でβカロチン約0.01から約0.03%、卵黄または大豆のリン脂質のエマルジョン約0.05から約0.5重量%、スクロースまたはソルビトールのエマルジョン約2から約20重量%、ヤギカゼインホスホペプチドのエマルジョン約0.01から約0.05重量%、ナス(LBJ10)のエマルジョン約0.01から約0.2重量%、およびクエン酸のエマルジョン約0.05から約0.5重量%を含むことができる。
ある特定の組成物は、エマルジョンの総重量に対して、トコフェロール約0.01重量%、βカロチン0.01重量%、卵黄または大豆のリン脂質0.1重量%、ソルビトール10重量%、ヤギカゼインホスホペプチド約0.05重量%、ナス(LBJ10)約0.1重量%、およびクエン酸約0.5重量%を含む。
精製されていないカナダ亜麻仁油(Canadian flaxseed oil)は、トコフェロールおよびβカロチンに富む。特にカナダ亜麻仁油を使用して調製されたO/Wエマルジョンに効果的な、本発明の組成物の特定の一実施形態は、以下の通りである。ヤギカゼインホスホペプチド0.05%、ナス(LBJ10)0.1%、およびクエン酸0.5%。
脂肪エマルジョンは、通常の技術によって生成することができる。例示的な生成プロセスは、所定の量の油成分に適切な量の卵黄または大豆のリン脂質を加えること、その混合物をホモジナイズすること、適切な量のソルビトール、ヤギカゼインホスホペプチド、ナス(LBJ10)、およびクエン酸を所定の量の水成分に加えること、ならびに従来のホモミキサー、ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、圧力式ホモジナイザーなどのホモナイズ用機械を使用して混合物全体を乳化することを含む。この混合物は、好ましくは、確実に天然抗酸化組成物を全ての油粒子中に均質に等しく分散させるために、ホモジナイズによって微細に分散させることができる。脂肪エマルジョン粒子の平均粒径は、5〜50nmの範囲内である。乳化された混合物は、従来の方法を使用して低温殺菌することができる。
本発明のいくつかの天然抗酸化組成物は、従来の組成物または合成抗酸化剤よりも優れた抗酸化活性を示すことができる。本発明のいくつかの天然抗酸化組成物はまた、カルシウムおよびマグネシウムの吸収を増進させることによって骨の健康の促進を助け、血清のコレステロール値を低下させることによって正常な心臓血管系の助けとなることを含めて、多くの健康上の利益を提供することができる。したがって、ある特定の実施形態では、ヤギカゼインホスホペプチドおよびナス(LBJ10)の量は、油を酸化に対して安定させる、すなわち有効性を安定させることになる最小量から、少なくとも動物またはヒトの体内で骨の健康を促進し、心臓疾患を防止することになる量までの範囲とすることができる。一般に、使用されるヤギカゼインホスホペプチドおよびナス(LBJ10)の量は、ヤギカゼインホスホペプチド0.01から0.05重量%、ナス(LBJ10)0.01重量%から0.1重量%の範囲とすることができる。
実施例
以下の実施例は、本発明の特定の実施形態を示すために含まれる。以下の実施例で開示される技術は、本発明の実施において良好に機能することを本発明者らが発見した技術を表していることを、当分野の技術者なら理解するはずである。しかし本発明の開示に照らせば、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、開示された特定の実施形態に様々な変更を加えることができ、それでも同等または類似の結果が得られることを当分野の技術者なら理解するはずである。
実施例1から3は、本発明の特定の組成物が、高度多価不飽和脂質を含有するO/Wエマルジョン中での酸敗の防止において従来の合成抗酸化剤の組成物よりも優れていることを示している。28日間の保存後、組成物の酸化安定性の指標としてチオバルビツール酸(TBA)の値を求めた。
本発明のいくつかの実施形態の健康上の利益を、実施例4から6で詳細に説明する。
これらの実施例で使用した材料は以下の通りであった。トコフェロールおよびβカロチンを高レベル有する亜麻仁油;カナダ、アルバータ州エドモントンのGold Top Organicsから商品名Huile de Linで提供される未精製の亜麻仁油。大豆リン脂質;イリノイ州DecaturのLucas Meyer,Inc.から提供される商品名LECI−PS40Pの、ホスファチジルセリン40%を含有する粉末大豆レシチン。卵黄リン脂質;ミズーリ州セントルイスのSigma Chemical Companyから提供される、ホスファチジルコリン60%を含有する粉末卵黄レシチン。ミズーリ州セントルイスのSigma Chemical Companyから提供される没食子酸プロピル。水溶性のローズマリー粉末抽出物は、フランスのBoulogneのBiolandes Aromesから提供された。アルカリ性ココア粉末(カカオ脂約14%)、果汁および穀類のデキストリン、変性デンプン、改質されたカカオ脂、ならびにスクラロースからなる各社独自開発のココアミックス。
ソルビトールおよび卵黄リン脂質を含有するO/Wエマルジョン
亜麻仁油(30ml)、ソルビトール(10g)、卵黄リン脂質(0.1g)、ヘモグロビン(0.02g)、および脱イオン水(59.88mL)を、Biohomogenizer Mixer(Biospec Products,Inc.、オクラホマ州Bartlesville)を使用して5分間ホモジナイズした。この水中油型(O/W)エマルジョンを、対象(サンプルA)として使用した。サンプルBは、ヤギカゼインホスホペプチド0.05%、ナス(LBJ10)0.1%、およびクエン酸0.5%をO/Wエマルジョンのアリコート50mLに加えることによって作成した。サンプルBを5分間ホモジナイズした。サンプルCおよびDは、没食子酸プロピルおよび水溶性のローズマリー粉末抽出物をそれぞれ0.01%加えることにより作成した。サンプルCおよびDを5分間ホモジナイズした。
サンプルは、テフロン(登録商標)で裏打ちしたねじ口を用いてしっかりと締めたガラス製の試験管内に保存した。60℃で28日間保存した後、サンプルを過酸化物含有量について評価した。60℃の温度によって、酸化速度を加速させ、同時に周囲温度での酸化機構の進行を助長させ、アーチファクトを形成する反応を最小限に抑えた。(非特許文献19参照)脂質の過酸化は、基本的な変敗反応および病理学的反応においてヘムタンパク質(例えば、ヘモグロビン、シトクロムC、ミオグロビン)によって触媒されるので、このような過酸化を防止するのに本発明が有効であるかどうか評価した。記載されるTBA(チオバルビツール酸)試験を用いて(非特許文献20参照)、サンプルを過酸化物価について分析した。測定は、14日間隔で行った。本発明の一実施形態による組成物の抗酸化活性は、表3の結果によって実証される。
Figure 2007526918
データから明らかであるように、本発明の実施形態による組成物(サンプルB)の抗酸化活性は、合成抗酸化剤である没食子酸プロピルおよび天然抗酸化剤であるローズマリー抽出物(それぞれ、サンプルCおよびD)が示す活性よりも優れている。この活性の増強は、トコフェロール、βカロチン、リン脂質、ソルビトール、ヤギカゼインホスホペプチド、ナス(LBJ10)、およびクエン酸の間の協同作用から生ずる可能性が高い。卵黄リン脂質およびソルビトールの添加、ならびにホモジナイズのプロセスによって、O/Wエマルジョン(サンプルA)の酸化が実際に低減されることに留意されたい。
ソルビトールおよび大豆リン脂質を含有するO/Wエマルジョン
亜麻仁油(30mL)、ソルビトール(10g)、大豆リン脂質(0.1g)、ヘモグロビン(0.02g)、および脱イオン水(59.88mL)を、Biohomogenizer Mixer(Biospec Products,Inc.、オクラホマ州Bartlesville)を使用して5分間ホモジナイズした。この水中油型(O/W)エマルジョンを、対照(サンプルA)として使用した。サンプルBは、ヤギカゼインホスホペプチド0.05%、ナス(LBJ10)0.1%、およびクエン酸0.5%をO/Wエマルジョンのアリコート50mLに加えることによって作成した。サンプルBを5分間ホモジナイズした。サンプルCおよびDは、没食子酸プロピルおよび水溶性のローズマリー粉末抽出物をそれぞれ0.01%加えることによって作成した。サンプルCおよびDを5分間ホモジナイズした。
サンプルは、テフロン(登録商標)で裏打ちしたねじ口を用いてしっかりと締めたガラス製の試験管内に保存した。60℃で28日間保存した後、サンプルを過酸化物含有量について評価した。抗酸化効果について、一般的な指針として記載される手順に従い(非特許文献21参照)、化学的なTBA(チオバルビツール酸)法によって評価した。表4に示した結果は、本発明の一実施形態による組成物の抗酸化活性がより優れていることをはっきり示している。
Figure 2007526918
ソルビトールおよび卵黄リン脂質を含有するチョコレート風味のO/Wエマルジョン
ココアミックス(2g)、亜麻仁油(30mL)、ソルビトール(10g)、卵黄リン脂質(0.1g)、ヘモグロビン(0.02g)、および脱イオン水(57.88mL)を、Biohomogenizer Mixer(Biospec Products,Inc.、オクラホマ州Bartlesville)を使用して5分間ホモジナイズした。この水中油型(O/W)エマルジョンを、対照(サンプルA)として使用した。サンプルBは、ヤギカゼインホスホペプチド0.05%、ナス(LBJ10)0.1%、およびクエン酸0.1%をO/Wエマルジョンのアリコート50mLに加えることによって作成した。サンプルBを5分間ホモジナイズした。サンプルBのpHを約6.6から5.7に下げた。pHはタンパク質が変性、沈殿する時点を過ぎるまで維持されたことに留意されたい。サンプルCおよびDは、没食子酸プロピルおよび水溶性のローズマリー粉末抽出物をそれぞれ0.01%加えることにより作成した。サンプルCおよびDを5分間ホモジナイズした。
サンプルは、テフロン(登録商標)で裏打ちしたねじ口を用いてしっかりと締めたガラス製の試験管内に保存した。60℃で28日間保存した後、サンプルを過酸化物含有量について評価した。抗酸化効果について、一般的な指針として記載される手順に従い(非特許文献21参照)、化学的なTBA(チオバルビツール酸)法によって評価した。本発明の一実施形態による組成物および市販の抗酸化剤を含まない状態、ならびにこれらが存在する状態で、ココアをO/Wエマルジョンに加えた結果を表5にまとめて示す。
Figure 2007526918
ココアを加えると、全てのO/Wエマルジョン(サンプルAからD)の過酸化レベルが著しく低下し、本発明の一実施形態による組成物(サンプルB)を加えると、没食子酸プロピルまたはローズマリーの抽出物(それぞれサンプルCおよびD)を加えるよりも過酸化物の低減に効果があった。
ラットにおけるコレステロール低下活性
ラット(Sprague−Dawleyタイプ、7週齢、雄)に、カルシウムが少なく動物脂肪に富んだ食餌を摂取させた。これらのラットを、それぞれ平均200〜205グラムの類似した体重の12匹のラットから形成される3つの群に分けた。次いで、加熱殺菌した3種類のO/Wエマルジョン、すなわちカルシウム(300ppm)を補充した、ヤギカゼインホスホペプチド0.05%(w/v)およびナス(LBJ10)0.01%(w/v)のO/Wエマルジョンと、カルシウム(300ppm)を補充したO/Wエマルジョンと、カルシウムを補充していないO/Wエマルジョンとを、それぞれ飲料水として食餌用の瓶からラットに与えた。これらのO/Wエマルジョンの組成は、亜麻仁油(1g/L)、大豆リン脂質(0.1g/L)、スクロース(4g/L)、およびクエン酸(5.0g/L)の含有量に関しては同じとした。各O/Wエマルジョンにグルコン酸カルシウム(3g/L)を補充した。
3群のラットに、21日間の処理期間中、食餌および水を自由に摂取させた。21日目にラットを終夜断食させ、ペントバルビタールナトリウム(体重1kg当たり40mg)を腹腔内投与することによって麻酔を行った。心臓穿刺によって採血を行った。分析に関しては、Beckman製DU−530分光光度計を使用して比色法により行った。
血清の総コレステロールの測定結果を表6に示す。
Figure 2007526918
上記の結果によれば、カルシウムが少なく動物脂肪に富んだ食餌を摂取させた雄のSprague−Dawleyラットの血清コレステロールの増加は、カルシウムを補充したO/Wエマルジョンに、本発明の一実施形態による抗酸化組成物(ヤギカゼインホスホペプチドに、ナス(LBJ10)およびクエン酸をそれぞれ0.05%(w/v)、0.01%(w/v)および0.5%(w/v)のレベルで組み合わせた)を加えることによって抑えられた。
したがって、この天然抗酸化組成物は、生理的機能を持つ要素としてO/Wエマルジョンに適用することができる。
ラットにおけるカルシウムおよびマグネシウムの生体利用能
ラット(Sprague−Dawleyタイプ、7週齢、雄)に、カルシウムが少ない卵白の食餌を摂取させた。酸化クロム(Cr、食餌1kg当たり0.5g)、すなわち不溶性かつ非吸収性のマーカーを卵白の食餌に加えて、食餌および糞中のCaとCrの比およびMgとCrの比を求めることによって、見かけ上のCaおよびMgの吸収を推定できるようにした。これらのラットを、それぞれ平均200〜205グラムの類似した体重の12匹のラットから形成される4つの群に分けた。次いで、加熱殺菌した3種類のO/Wエマルジョン、すなわちカルシウム(300ppm)を補充した、ヤギカゼインホスホペプチド0.05%(w/v)およびナス(LBJ10)0.01%(w/v)のO/Wエマルジョンと、カルシウム(300ppm)を補充したO/Wエマルジョンと、カルシウムを補充していないO/Wエマルジョンとを、それぞれ飲料水として食餌用の瓶からラットに与えた。これらのO/Wエマルジョンの組成は、亜麻仁油(1g/L)、大豆リン脂質(0.1g/L)、スクロース(4g/L)、およびクエン酸(5.0g/L)の含有量に関しては同じとした。各O/Wエマルジョンにグルコン酸カルシウム(3g/L)を補充した。
3群のラットに、21日間の処理期間中、食餌および水を自由に摂取させた。食餌摂取量を毎日測定した。糞を少なくとも3日間収集し、冷凍乾燥させた。21日目にラットを終夜断食させ、ペントバルビタールナトリウム(体重1kg当たり40mg)を腹腔内投与することによって麻酔を行った。CaおよびMg含有量の測定のために右大腿骨を切除した。食餌および糞中のCa、Mg、およびCrの量を、酸混合物(HNO 16mol/L:HC1O 9mol/L=3:1)を用いて湿式灰化させた後に、原子吸光分析計(Varian Analytical Instruments、カリフォルニア州Walnut Creek)によって定量化した。右の大腿骨を1N HNOで処理し、550℃で灰化した。CaおよびMg含有量は、食餌および糞の場合と同じやり方で求めた。見かけ上のCaの吸収率は、以下の式で求めた。見かけ上のCaの吸収率(%)=100[(摂取Ca/摂取Cr)−(糞中のCa/糞中のCr)]/(摂取Ca/摂取Cr)。見かけ上のMg吸収率も同様にして計算した。
3種類の異なるO/Wエマルジョンを摂取させたラットの、見かけ上のCaおよびMg吸収率と、大腿骨のCaおよびMg含有量とを表7に示した。
Figure 2007526918
このデータは、本発明の一実施形態による抗酸化組成物を含有するO/Wエマルジョンによって、CaおよびMgの生物学的利用能が向上したことを示している。
ラットにおける骨代謝および骨の動的強度
ラット(Sprague−Dawleyタイプ、7週齢、雄)に、カルシウムが少ない食餌を摂取させた。これらのラットを、それぞれ平均200〜205グラムの類似した体重の12匹のラットから形成される4つの群に分けた。次いで、加熱殺菌した3種類のO/Wエマルジョン、すなわちカルシウム(300ppm)を補充した、ヤギカゼインホスホペプチド0.05%(w/v)およびナス(LBJ10)0.01%(w/v)のO/Wエマルジョンと、カルシウム(300ppm)を補充したO/Wエマルジョンと、カルシウムを補充していないO/Wエマルジョンとを、それぞれ飲料水として食餌用の瓶からラットに与えた。これらのO/Wエマルジョンの組成は、亜麻仁油(1g/L)、大豆リン脂質(0.1g/L)、スクロース(4g/L)、およびクエン酸(5.0g/L)の含有量に関しては同じとした。各O/Wエマルジョンにグルコン酸カルシウム(3g/L)を補充した。
3群のラットに、21日間の処理期間中、食餌および水を自由に摂取させた。21日目にラットを終夜断食させ、ペントバルビタールナトリウム(体重1kg当たり40mg)を腹腔内投与することによって麻酔を行った。動物から左大腿骨を収集し、軟部組織を除去した。各動物からの左大腿骨を、二重エネルギーX線吸収計(DEXA)を使用して骨塩量(BMC)、骨密度(BMD)、および骨の機械的強度(BMS)の測定にかけたが、これは骨の成長の状態を研究するために使用される典型的な方法である。表8は、ラットの骨代謝および骨の動的強度に対する、本発明の一実施形態による抗酸化組成物の有益な効果を示している。
Figure 2007526918
このデータは、本発明の一実施形態による抗酸化組成物を含有するO/Wエマルジョンが、骨に保持されるマグネシウムの量を増加させることによって(実施例5)ラットの大腿骨を増強すること、およびこのことが見かけ上のマグネシウムの吸収の増大(実施例5)から生じることをはっきり示している。
本発明の実施形態による上記の抗酸化組成物中に存在する、ヤギカゼインホスホペプチド−キトサン−MCTが結合した複合物は、熱的に安定であり、マグネシウムが吸収される部位である腸上部に多量のマグネシウムを送達する。したがって、複合物はそれ自体、熱処理加工した低pHのタンパク質ベースの飲料および透明な飲料に、マグネシウムの生理活性を与えることができる。この複合物を高メトキシルペクチンまたはアルギン酸ペクチンと併用すると、低pH(3.5〜4.2)の飲料中でタンパク質が沈降するのを防止する。
ヤギカゼインホスホペプチドを含有する透明な低pH(3.0〜4.2)の飲料
米国でのカルシウムおよびマグネシウム消費低下の大きな要因は、米国の食生活において清涼飲料が乳汁に取って代わってきたことである。乳汁はカルシウムの優れた供給源であり(1,310mg/L)、マグネシウムも含有している(120mg/L)。2000年後期に行われた消費者の飲料消費(Consumer Beverage Consumption)の研究では、成人(19〜64歳、男性320/女性358)および若年(12〜18歳、男子326/女子375)の2つの年齢群の参加者計1,379人が調査対象となった。成人は、好みの飲料が「冷たく、清涼感があり、満足感が得られる」ものであると報告し、若年は「冷たく、清涼感があり、美味である」飲料をより好んでいる。この調査では、若年および成人で乳汁を飲む者も飲まない者も、健康上の問題、添加物、化学物質、取扱い、および腐敗に対する関心についてコメントを述べている。
今や拡大しつつある調査により、若年者がより多くの清涼飲料を消費するほど、骨折および晩年の骨粗しょう症の危険性が増大することが示されている。1970年以来、米国人の清涼飲料の消費は2倍以上となり、より乳汁を飲まなくなってきている。消費者は、冷たく、清涼感があり、満足感が得られ、持ち運びができ、かつ健康に良い飲料を求めている。ヤギカゼインホスホペプチドを、カルシウムおよびマグネシウムで強化した透明で低pH(3.0から4.2)の飲料に使用して、骨からカルシウムおよびマグネシウムのミネラルが失われるのを防止し、それによって骨折の危険性を低減することができる。
ヤギカゼインホスホペプチドはまた、乳糖分解酵素活性が持続しない、すなわち乳糖を代謝する能力が低下した個人向けに調整した、低pHのミネラル強化飲料用の構成要素となることができる。乳汁中の乳糖の存在は、乳糖不耐症に罹っているこうした個人にとって有害である。1杯から2杯の乳汁の摂取が、このような個人では腹部不快感および下痢を招くおそれがある。多くの研究で、乳糖不耐症の発症率に顕著な人種差がみられる。米国では、白色人種の成人の10〜15%のみが乳糖と悪影響をもたらす反応を起こすが、アフリカ系アメリカ人では70%が乳糖不耐性であると推測されている。アジア人の成人では、乳糖不耐性の発症率は95%である。飲食業界は、極東への輸出向けに、ヤギカゼインホスホペプチドを含有する、カルシウムおよびマグネシウムを強化した飲料を調製することができよう。
コーティング付きナッツ
ナッツはその脂肪含有量により食事制限をしている人に長らく避けられてきたが、ナッツが一流食品を復活させた。近年の疫学研究は、ナッツの頻繁な消費によって心臓疾患および他の慢性疾患から保護できることを示唆している。上述のように、脂肪酸はマグネシウムよりもカルシウムとの鹸化物を形成する傾向が強いことから、食事の脂肪レベルはマグネシウムの吸収に影響を及ぼす(非特許文献22参照)。
最近の調査研究により、食事の脂質の割合が増加すると、吸収不良症候群の臨床例でマグネシウムの消化利用率が改善されることがわかってきた(非特許文献23参照)。食事のタンパク質の割合の増加も、マグネシウムの吸収を助ける(非特許文献24参照)。ナッツは、脂肪、タンパク質、およびマグネシウムに富んでいる。本発明の抗酸化組成物は、マグネシウム吸収の著しい増大を促進し、それを反映して、このミネラルが大腿骨中により多量に貯蔵される。丈夫な骨にはマグネシウムがつきものである。本発明の抗酸化組成物でコーティングしたナッツを摂取する人々は、骨折の危険性を低下させることができる。
本発明の単に例示的な実施形態を具体的に上述したが、本発明の精神および所期の範囲から逸脱しない限り、これら実施例の改変および変更が可能であることが理解されよう。

Claims (43)

  1. 非還元糖または糖ポリオールの少なくとも一方を含み、水中油型または油中水型エマルジョン中の高度多価不飽和脂質の酸化を抑制するように操作可能であることを特徴とする、抗酸化組成物。
  2. 硫酸化多糖類をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  3. ιカラゲナン、κカラゲナン、λカラゲナン、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される硫酸化多糖類をさらに含むことを特徴とする、請求項2に記載の組成物。
  4. 中鎖脂肪酸トリグリセリドをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  5. カプロン酸(C:6.0)、カプリル酸(C:8.0)、およびカプリン酸(C:10.0)のトリグリセリド、ならびにそれらの任意の組合せからなる群から選択される中鎖脂肪酸トリグリセリドをさらに含むことを特徴とする、請求項4に記載の組成物。
  6. カゼインまたはその断片をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  7. αカゼイン、βカゼイン、κカゼイン、それらの断片、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、カゼインまたはその断片をさらに含むことを特徴とする、請求項6に記載の組成物。
  8. 前記カゼインまたはその断片が、ヤギカゼインまたはその断片を含むことを特徴とする、請求項6に記載の組成物。
  9. リン酸化ペプチドをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  10. 多量のαS2カゼインを有するリン酸化ペプチドおよび中鎖脂肪酸トリグリセリドをさらに含むことを特徴とする、請求項9に記載の組成物。
  11. カゼインホスホペプチドをさらに含むことを特徴とする、請求項10に記載の組成物。
  12. ヤギカゼインホスホペプチドをさらに含むことを特徴とする、請求項11に記載の組成物。
  13. グリコペプチドをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  14. α、β、γまたはδトコフェロール、α、β、γまたはδトコトリエノール、トコフェロール、トコトリエノール、βカロチン、リン脂質、キトサン、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される成分をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  15. 卵黄リン脂質、大豆リン脂質、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択されるリン脂質をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  16. pH調整剤をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  17. クエン酸、アスコルビン酸、グルコン酸、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択されるpH調整剤をさらに含むことを特徴とする、請求項16に記載の組成物。
  18. キレート剤をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  19. 前記キレート剤がさらにクエン酸を含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  20. ナスの実に由来するポリフェノールをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  21. 非還元糖または糖ポリオールの少なくとも一方を含み、前記抗酸化組成物がエマルジョン中の高度多価不飽和脂質を抑制するように操作可能であることを特徴とする、抗酸化マイクロエマルジョンまたはナノエマルジョン。
  22. 変性デンプンをさらに含むことを特徴とする、請求項21に記載のマイクロエマルジョンまたはナノエマルジョン。
  23. 硫酸化多糖類をさらに含むことを特徴とする、請求項21に記載のマイクロエマルジョンまたはナノエマルジョン。
  24. グリセリドをさらに含むことを特徴とする、請求項21に記載のマイクロエマルジョンまたはナノエマルジョン。
  25. 酵素的に改質された油、脂肪、ならびにモノ、ジおよびトリグリセリドの脂肪酸;脂肪分解した改質された油、脂肪、ならびにモノ、ジおよびトリグリセリドの脂肪酸;ならびにそれらの任意の組合せからなる群から選択されるグリセリドをさらに含むことを特徴とする、請求項24に記載のマイクロエマルジョンまたはナノエマルジョン。
  26. 果実濃縮甘味料をさらに含むことを特徴とする、請求項21に記載のマイクロエマルジョンまたはナノエマルジョン。
  27. 前記果実濃縮甘味料が、
    デキストロース当量(D.E.)が最大で約25の加水分解デンプンのブレンド、
    可溶性固形物が少なくとも約40%の果汁または果実シロップ濃縮物、および
    不溶性固形物約0%を含み、
    前記デンプン、前記果汁または濃縮物、および前記固形物が、複合糖質約40から約65%、果汁または果実シロップ濃縮物からの単糖約35から約55%、および果汁または果実シロップ濃縮物中に自然に存在する栄養成分約0から約5%の乾燥重量組成を有する液汁を形成することを特徴とする、請求項26に記載のマイクロエマルジョンまたはナノエマルジョン。
  28. ココア粉末をさらに含むことを特徴とする、請求項21に記載のマイクロエマルジョンまたはナノエマルジョン。
  29. スクラロースをさらに含むことを特徴とする、請求項21に記載のマイクロエマルジョンまたはナノエマルジョン。
  30. カルシウム塩またはマグネシウム塩、あるいはそれらの組合せをさらに含み、哺乳動物の高コレステロール血症を防止するように操作可能であることを特徴とする、請求項21に記載のマイクロエマルジョンまたはナノエマルジョン。
  31. カルシウム塩またはマグネシウム塩、あるいはそれらの組合せをさらに含み、哺乳動物の骨塩の損失を防止するように操作可能であることを特徴とする、請求項21に記載のマイクロエマルジョンまたはナノエマルジョン。
  32. カルシウム塩またはマグネシウム塩、あるいはそれらの組合せ、および
    ω−3生成物に富んだ油
    をさらに含むことを特徴とする、請求項21に記載のマイクロエマルジョンまたはナノエマルジョン。
  33. 油溶性の風味生成物をさらに含むことを特徴とする、請求項21に記載のマイクロエマルジョンまたはナノエマルジョン。
  34. 油溶性ビタミン剤、栄養補助食品、または医薬品をさらに含むことを特徴とする、請求項21に記載のマイクロエマルジョンまたはナノエマルジョン。
  35. ω−3または共役リノール酸に富む、ぬか油、亜麻仁油、チーア油、大麻油、ヒマシ油、大豆油、レスクェレラ油、水素化ヒマシ油を含めた植物油;ω−3または共役リノール酸に富む、魚、卵、鶏、および牛油を含めた動物油;ならびにそれらの任意の組合せからなる群から選択される食用油をさらに含むことを特徴とする、請求項21に記載のマイクロエマルジョンまたはナノエマルジョン。
  36. カルシウム塩またはマグネシウム塩、あるいはその組合せをさらに含み、透明な飲料製品中に存在することを特徴とする、請求項21に記載のマイクロエマルジョンまたはナノエマルジョン。
  37. クリーミーさが改善され、苦味が低減し、酸化が低減されたココア製品中に存在するマイクロエマルジョンまたはナノエマルジョンをさらに含むことを特徴とする、請求項21に記載のマイクロエマルジョンまたはナノエマルジョン。
  38. タンパク質の沈殿および沈降を低減させた、タンパク質に富む製品中に存在するマイクロエマルジョンをさらに含むことを特徴とする、請求項21に記載のマイクロエマルジョンまたはナノエマルジョン。
  39. 高メトキシルペクチンまたはアルギン酸ペクチン、あるいはそれらの組合せを含む、タンパク質に富む製品をさらに含むことを特徴とする、請求項38に記載のマイクロエマルジョンまたはナノエマルジョン。
  40. エマルジョンの安定性および酸化安定性を増大させた、水中油型マイクロエマルジョンまたはナノエマルジョンをさらに含むことを特徴とする、請求項21に記載のマイクロエマルジョンまたはナノエマルジョン。
  41. エマルジョンの安定性および酸化安定性を増大させた、油中水型マイクロエマルジョンまたはナノエマルジョンをさらに含むことを特徴とする、請求項21に記載のマイクロエマルジョンまたはナノエマルジョン。
  42. 抗酸化組成物が、水中油型または油中水型エマルジョン中の高度多価不飽和脂質の酸化を抑制するように操作可能であることを特徴とする、非還元糖または糖ポリオールの少なくとも一方を含む生成物。
  43. ココア製品、高コレステロール血症予防薬、骨塩損失予防薬、ω−3に富んだ油製品、油溶性風味を有する生成物、油溶性ビタミンを有する生成物、栄養補助食品または医薬品、タンパク質の沈殿および沈降を低減させたタンパク質に富む生成物、透明な飲料製品、ω−3もしくは共役リノール酸に富むぬか油、亜麻仁油、チーア油、大麻油、ヒマシ油、大豆油、レスクェレラ油、水素化ヒマシ油を含めた植物油、ω−3もしくは共役リノール酸に富む魚、卵、鶏、および牛油を含めた動物油、ならびにそれらの任意の組合せからなる群から選択されることを特徴とする、請求項42に記載の生成物。
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