JP2007525764A - 階層型選択的パーソナライゼーションの方法および装置、およびコンテンツを配信するための製造物およびシステム - Google Patents

Abstract

【課題】分散型データネットワークにおいて改良されたコンテンツ提供技術を提供する。
【解決手段】発明は、次のステップを有する。要求を取得し、クライアント・サーバシステムの少なくとも１つのサーバ又は少なくとも１つのキャッシュのパフォーマンス特性を判別し、要求に応答してクライアントに配信するべきデータの正確度レベルを判別し、データの正確度の判別は、（ｉ）判別した少なくとも１つのサーバ又は少なくとも１つのキャッシュのパフォーマンス特性、および（ｉｉ）クライアントに関連する少なくとも１つの嗜好に基づく。パフォーマンス特性は、少なくとも１つのサーバ又は少なくとも１つのキャッシュの負荷を有し、データの正確度レベルは、要求に応答してクライアントに配信するべきパーソナライゼーションのレベルを有し、クライアントに関連する少なくとも１つの嗜好は少なくとも１つのパーソナライゼーションの嗜好を有してもよい。
【選択図】図1

Description

本発明は分散型データ処理システムに関し、より具体的にはパーソナライズされたコンテンツを提供する分散型データ処理システムに関する。

クライアントとサーバ（インターネットやワールドワイドウエブなど）が関わる分散型データネットワークにおける「パーソナライゼーション」とは、一般に要求するクライアントに合わせて何らかの形でカスタマイズされたコンテンツを提供するプロセスをいう用語である。当該データネットワークにおけるパーソナライゼーションの基本的なメカニズムは、クライアントのアイデンティティの認識に基づきウエブサーバ上に提供されるウエブページの制作を含む。
Ｊ． Ｗａｎｇ、「Ａ Ｓｕｒｖｅｙ ｏｆ Ｗｅｂ Ｃａｃｈｉｎｇ Ｓｃｈｅｍｅｓ ｆｏｒ ｔｈｅ Ｉｎｔｅｒｎｅｔ」、ＡＣＭ Ｃｏｍｐｕｔｅｒ Ｃｏｍｍｕｎｉｃａｔｉｏｎ Ｒｅｖｉｅｗ（ＣＣＲ）、第２９巻、５号、１９９９年１０月 Ｊ． Ｃｈａｌｌｅｎｇｅｒ他、「Ｅｆｆｉｃｉｅｎｔｌｙ Ｓｅｒｖｉｎｇ Ｄｙｎａｍｉｃ Ｄａｔａ ａｔ Ｈｉｇｈｌｙ Ａｃｃｅｓｓｅｄ Ｗｅｂ Ｓｉｔｅ」、ＩＢＭ Ｒｅｓｅｒｃｈ Ｒｅｐｏｒｔ 第ＲＣ２２８２３号、２００３年６月

しかし、既存のパーソナライゼーション技術に伴う重要な問題は、コンテンツの制作に多大なオーバーヘッドがもたらされる可能性があることである。パーソナライズされたコンテンツはバックエンドデータベースにアクセスする必要があることがあり、中央処理装置（ＣＰＵ）のサイクルを大幅に費やす傾向がある。

多数の商業用ウエブサイトは何らかの形のパーソナライゼーションを利用する。例えば、あるウエブサイトは２レベルのサービス利用者を採用する。優先されるステータスレベルは、サーバにアクセスしてパーソナライズされたコンテンツを受けられる。サイトにどれほど負荷がかかるかは問題ではない。所定のレベルのクライアントは必ず同じサービスレベルを受けられる。システムに重い負荷がかかると、そのパフォーマンスは影響を受けるかもしれないが、専用サーバを使用するためその程度は軽微にとどまるであろう。優先されないユーザーは、負荷が重くても軽くてもシステムがサポートできればどのサービスも受けられる。「負荷」とは一般にウエブサイトの利用またはウエブサイトに対応するコンテンツに出される要求の数あるいはその両方をいう。

天候又はニュース関連の組織のウエブサイトは、典型的に「極端な天候」又は「大事件」の状況の概念をサポートする。当該組織はそのウエブサイトにかかる負荷が増えると、あらゆる種類のコンテンツを削減する。優先又は非優先顧客の概念をもたない場合、パーソナライズされるコンテンツはこのような状況では単に古くなる。

別のウエブサイトは、ある特定のカテゴリーのコンテンツに負荷がかかりすぎるようになると、サーバを切り換える概念を採用する。パーソナライゼーションや顧客の差別化は使わない。負荷は単に使用量に基づいて切り換えられる。

このように、分散化データネットワークにおいて改良されたパーソナライズされたコンテンツの提供の必要がある。

本発明は、分散化データネットワークにおいて改良されたコンテンツの提供技術を提供する。

発明の第１の側面では、クライアント・サーバシステムでクライアントからの要求に基づいてコンテンツを配信する技術は、次のステップ／動作を有する。要求を取得する。クライアント・サーバシステムの少なくとも１つのサーバ又は少なくとも１つのキャッシュのパフォーマンス特性を判別する。さらに、要求に応答してクライアントに配信するべきデータの正確度のレベルを判別する。データの正確度の判別は、（ｉ）判別した少なくとも１つのサーバ又は少なくとも１つのキャッシュのパフォーマンス特性、および（ｉｉ）クライアントに関連する少なくとも１つの嗜好に基づく。

パフォーマンス特性は、少なくとも１つのサーバ又は少なくとも１つのキャッシュの負荷を有することができる。データの正確度レベルは、要求に応答してクライアントに配信されるパーソナライゼーションのレベルを有することができる。クライアントに関連する少なくとも１つの嗜好は少なくとも１つのパーソナライゼーション嗜好を有することができる。少なくとも１つのサーバおよび少なくとも１つのキャッシュが階層を形成できる。クライアント・サーバシステムはワールドワイドウエブを有して、コンテンツが一又は複数のウエブページを有し、技術がさらに判別した正確度レベルに基づいてパーソナライズされたウエブページを制作するステップ／動作を有するようにすることができる。

発明の第２の側面では、クライアント・サーバシステムにおいてクライアントからの要求に基づいてコンテンツを配信する技術は、次のステップ／動作を有する。要求を取得する。クライアント・サーバシステムの少なくとも１つのサーバおよび少なくとも１つのキャッシュの特性を判別する。さらに、要求に応答してクライアントに配信するべきデータの正確度レベルを判別する。判別は、（ｉ）判別した少なくとも１つのサーバおよび少なくとも１つのキャッシュの特性、および（ｉｉ）クライアントに関連する少なくとも１つの嗜好に基づく。

発明の第３の側面では、クライアント・サーバシステムにおいてクライアントからの要求に基づいてコンテンツを配信する技術は、次のステップ／動作を有する。要求を取得する。クライアント・サーバシステムの少なくとも１つのサーバ又は少なくとも１つのキャッシュの特性を判別する。さらに、要求に応答してクライアントに配信するパーソナライゼーションのレベルを判別する。パーソナライゼーションの判別は、（ｉ）判別した少なくとも１つのサーバ又は少なくとも１つのキャッシュの特性、および（ｉｉ）クライアントに関連する少なくとも１つの嗜好に基づく。

発明の第４の側面では、データ提供サービスを提供する技術が、サービスプロバイダーが、（ｉ）クライアントの要求を取得する、（ｉｉ）クライアント・サーバシステムの少なくとも１つのサーバ又は少なくとも１つのキャッシュのパフォーマンス特性を判別する、および（ｉｉｉ）要求に応答してクライアントに配信するべきデータの正確度のレベルを判別するよう作動するデータ提供サービスを提供することを有し、判別が、（ｉ）判別した少なくとも１つのサーバ又は少なくとも１つのキャッシュのパフォーマンス特性、および（ｉｉ）クライアントに関連する少なくとも１つの嗜好に基づく。

本発明の上記およびその他の目的、特徴、および利点は、その例示的な実施例の以下詳細な説明を、添付の図面と合わせて読むと明らかになるであろう。

本発明をインターネット又はワールドワイドウエブの実施例の状況において以下説明していく。しかし、本発明はこのようなデータネットワークアーキテクチャに限られないことは理解されるべきである。むしろ、発明はより一般的に、クライアントにパーソナライズされたデータを提供するのに望ましいであろうあらゆる分散型データ環境に適用できる。

本明細書で例示的に利用する「クライアント」という用語は、一般にサーバに要求を出すことのできる（例、ネットワークに接続してデータを得ることにより）一又は複数のコンピューティングシステム（例、パーソナルコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント、携帯電話、ラップトップなど）をいう。「クライアント」は場合によりコンピューティングシステムを使う個人をいうこともある（これは状況から明らかになるであろう）。「サーバ」は一般に、クライアントの要求に応答できる（例、ネットワーク上で利用できるコンテンツを生成および提供することにより）一又は複数のコンピューティングシステムをいう。「キャッシュ」は一般に、データを効率的に格納し、また提供できる一又は複数のコンピューティングシステムをいい、典型的にはパフォーマンスを高めるために配備される。

以下例示的に説明するように、発明は、パーソナライズされたコンテンツを一又は複数のサーバおよび一又は複数のキャッシュから提供するクライアント・サーバ環境（ウエブ環境を含む）においてデータを提供する技術を提供する。システムはシステムへの負荷やクライアントのアイデンティティなどの特性に基づいてパーソナライゼーションを提供するのに相応しいサーバおよびキャッシュを選択する。一般に、キャッシュノードで達成できるウエブページのパーソナライゼーションの程度は、サーバノードで可能なものよりも劣る。しかし、キャッシュでのパーソナライゼーションに対して、サーバノードでパーソナライゼーションを向上すると価格に跳ね返る。キャッシュでパーソナライズされたページを提供するパフォーマンスは通常サーバノードよりも優れる。発明はこの違いを利用して、複数の要因に基づくパーソナライゼーションの程度と場所の選択によりパーソナライゼーションの程度を最適化する。

また、ある実施例では、発明は階層に構成された一又は複数のウエブキャッシュ（ウエブページのパーソナライゼーション能力は限られる）および一又は複数のウエブサーバ（様々なレベルで追加のウエブページのパーソナライゼーションの能力をもつ）で実現できることは認識されるべきである。ウエブキャッシュはデータネットワークとウエブサーバの間に置かれる。

ウエブ環境の階層キャッシングの分野においては多大な研究がなされてきた。非特許文献１および非特許文献２はこのような研究を記述している。これら開示を参照により本明細書に組み込む。しかし、階層キャッシングに関する過去の参考文献で、当該パーソナライゼーションのシステムの使用方法を記述しているものはない。

本発明に従い、いくつかの基準を組み合わせて、パーソナライゼーションを行う場所と採用するパーソナライゼーションの程度を判別できる。

本明細書で説明する例示的な方法論において、発明はパーソナライゼーションに基づき考慮すべき事項を利用してキャッシュからページを提供するときを判別する。このように、ウエブページがウエブキャッシュでキャッシュされたとしても、本方法論は、方法論が達成すると決めるパーソナライゼーションの程度により、ウエブサーバからページを提供することを決められる。ウエブページはキャッシュでパーソナライズできるが、キャッシュで入手できるクライアントに関する情報は少ないかもしれない。例えば、キャッシュで各クライアントについてのアクセス情報は限られたものしか入手できないか、又は履歴がないことがある。クライアントの発信元インターネットプロトコル（ＩＰ）アドレス（又はクライアントの要求が届くファイヤウォールのアドレス）は、キャッシュで分かる。キャッシュはクッキー、又はクライアントについてより多くの情報を提供できるユニフォーム・リソース・ロケーター（ＵＲＬ）のヘッダーを処理できる。

発明が採用できる選択的パーソナライゼーションのある基準は、キャッシュおよびサーバに対する現在の負荷である。ウエブサーバの負荷が軽い場合、発明の方法論はウエブサーバでのパーソナライゼーションを選好するであろう。一方、ウエブサーバの負荷が重い場合、発明の方法論は別のエンティティでのパーソナライゼーションを選好するであろう。サーバの負荷が中程度であれば、発明の方法論はそれでもサーバでのパーソナライゼーションを行うが、サーバの処理力をあまり使わないようにパーソナライゼーションの程度を制限することにするであろう。すべてのキャッシュとサーバの負荷が閾値を超えている場合、発明の方法論は使用するリソースを最小化するためにパーソナライゼーションをせずにウエブページを提供できる。

また、クライアントのアイデンティティとクラスはパーソナライゼーションの場所と程度を判別するために使用できる。周知のように、クライアントのアイデンティティは、隠しフィールドやウエブ要求の他のメカニズムにより、クッキー又はＵＲＬ拡張機能を使って伝達できる。パーソナライゼーションの優先順位が高いクライアントを優先順位の低いクライアントより優遇できる。このように、ウエブサーバへの負荷が許す限りであれば、優先順位の高いクライアントのパーソナライゼーションをウエブサーバ上で行える。一方、優先順位の非常に低いクライアントは全くパーソナライゼーションをされないこともあり、プレキャッシュしたページを供給されることもあろう。優先順位が中間のクライアントは、サーバの負荷が非常に高くなければサーバから提供されるし、サーバの負荷が高くなるとキャッシュでパーソナライズされることになる。

始めに図１を参照すると、ブロック図は本発明の一又は複数の実施例を実装できる分散型データネットワークアーキテクチャを図示する。図示されるように、アーキテクチャはネットワーク２０００（例、ワールドワイドウエブ）に接続される複数のクライアントノード１０００−１、・・・、１０００−ｎ）を含むことができる。アーキテクチャはまた一又は複数のキャッシュおよび一又は複数のサーバが形成する多層レベルの階層を含むことができる。図１に示す例では、レベル１（例、最も低い階層レベル）は複数のウエブキャッシュ３０００−１、・・・、３０００−ｍを含み、直接ネットワーク２０００に接続する。レベル２はレベル１のキャッシュに接続されるウエブキャッシュ４０００−１を含む。レベル３（例、最も高い階層レベル）はレベル２のキャッシュに接続されるウエブサーバ５０００−１を含む。各レベルが採用するキャッシュおよびウエブサーバはこれより多くても少なくてもよく、階層が含むレベルはこれより多くても少なくてもよいことは理解されるべきである。

ここで図２を参照すると、フロー図は本発明の実施例に従うパーソナライズされたコンテンツを提供する方法論を図示する。より具体的には、図２は、ウエブキャッシュでウエブページの要求のロジック６０００の処理を示す。当該方法論は階層のどのレベルにあるキャッシュでも実施できることは理解されるべきである。

ステップ６０１０で、ウエブ要求がウエブキャッシュで受け取られる。キャッシュが階層の最も低いレベルであれば、要求はクライアントから直接になることに留意する。そうでなければ、要求は階層の１つ低いレベルのキャッシュからになる。ステップ６０２０で階層の次のレベルの負荷を考慮する。負荷が高ければ（例、応答時間が少なくとも５０パーセント長くなるほど）、ステップ６０３０でクライアントの種類を点検する。クライアントの種類が低い優先順位であれば、ステップ６０６０でパーソナライゼーションをウエブキャッシュで行う。そうでなければ、ステップ６０４０でクライアントの要求を階層の次のレベルに送る。

ステップ６０５０で、パーソナライズされた応答が階層の次のレベルのキャッシュから返される。ステップ６０７０で、パーソナライズされたページをクライアントに戻す。これは、ウエブキャッシュが最も低いレベルでなければ、階層の１つ低いレベルのキャッシュで行う。

キャッシュ階層の最もレベルの高いキャッシュ（すなわち、システム全体の階層のうちキャッシュだけを含む部分）の場合、クライアントの種類の点検は行わない。キャッシュに送られるすべての要求に応える。これより低いレベルのキャッシュはよりレベルの高いキャッシュの負荷に関する情報を維持するため、よりレベルの高いキャッシュを過負荷にするのを回避できる。

クライアントは複数のレベルの優先順位をもてることも留意するべきである。１つ上のレベルのキャッシュに要求を転送する優先順位の閾値は負荷に依存する。例えば、クライアントの優先順位のレベルが４つあるとする。よりレベルの高いキャッシュの負荷が３０パーセント（％）以下の場合、すべての要求をよりレベルの高いキャッシュに転送できる。負荷が３０％から５０％の場合、優先順位のレベルが２以上のクライアントのみ、次のレベルに転送する。負荷が５０％から７０％の場合、優先順位の閾値は優先順位のレベル３になる。負荷が７０％を超えると、優先順位４のクライアントの要求だけを次のレベルに転送する。

発明を使用するある例は、極端な天候（例、ハリケーン）中に高い負荷を受ける天候のウエブサイトをパーソナライズすることに関係する。このようなウエブサイトは、地域のゴルフコースのコンディション、現在のローカルマップ、地域の気温等など、通常の状態では高度にパーソナライズして選択可能なコンテンツを顧客に提供できる。サイトの顧客は様々なサービスの質（ＱｏＳ）のクラスにされるであろう。ＱｏＳクラスの高い顧客はパーソナライズされたデータに優先的なアクセスを受けられる。極端な天候条件の間にサイトにアクセスする大量のユーザーがサイトに殺到すると、サイトはどの顧客に現在のパーソナライズされた情報を提供するか、パーソナライズしているかもしれないが古い情報を提供するかを選別できよう。

このように優先される顧客は、サイトに非常に高い負荷がかかっているときでも、常に最新のパーソナライズされたコンテンツを得ることができる。標準的な顧客は、サイトへの負荷が軽いときには最新のパーソナライズされた情報をすべて受け取るが、負荷が高くなると、受け取るコンテンツはパーソナライズされていてもある間隔でしか更新されず（例、１５分おき）、そのため古いものとなるであろう。

サイトはさらに様々な負荷に基づいてキャッシングの階層レベルをもつように設定できよう。そのため、一般の顧客が第１レベルのキャッシュから古い情報（１５分前）を受け取り、１つ上のレベルの顧客は次のレベルのキャッシュからより最新の情報（２分前）を受け取り、最も優先される顧客はほぼあらゆる条件でサーバから直接最新情報を受け取ることになるであろう。

パーソナライゼーションの場所と程度は要求されるウエブページまたはポートあるいはその両方に依存できる。例えば、オンラインビジネスの状況では、発注に関連する要求ページをディープパーソナライゼーションの対象とするべきと見なすことができる。あるいは、あるアイテムの在庫が過剰にあることがあるが、そうするとある他のカタログページのブラウザはそのアイテムを宣伝の格好の対象にして、おそらくサーバでパーソナライゼーションが要求されるであろう。当業者には、クライアントが要求するウエブページについて行うべきパーソナライゼーションの場所と程度を決めるにあたって、上記の基準に他の基準を組み合わせられることは容易に認識されるであろう。例えばパーソナライズされるデータの量よりも反応時間の短さを嗜好するなど、例えばパーソナライゼーションはクライアントの嗜好のプロファイルに依存できるであろう。あるいは、サイトにとどまることはそのサイトを好んでいるということを示すため、そのようなクライアントを優遇するよう、クライアントのセッションの長さとすることができるであろう。

パーソナライゼーションを行う決定はパーソナライゼーションの種類も考慮できる。すなわち、（ｉ）広告挿入、（ｉｉ）販促（サイト内リンク）、および（ｉｉｉ）ホストでしか行うべきでないページのフォーマットである。

パーソナライゼーションは発明の応用の単なる一例にすぎない。より一般的には、発明は情報の差別化した正確度を提供する方法論を提供する。ある場合には、情報の正確度はパーソナライゼーションの程度のこともあろう。別の場合には、全体的に異なる何かとなろう（例、画像の解像度の程度）。

最後に図３を参照すると、ブロック図は、本発明の実施例に従い、発明の一又は複数のコンポーネント／ステップ（例、図２の状況で説明した方法論は図１のアーキテクチャに従い実施できる）を実装できるコンピューティングシステムのハードウェアの実施例を図示する。また、図３のコンピュータシステムは図１に示すキャッシュとサーバを実装するために使える。図３のコンピュータシステムは複数のクライアントの各々を実装するためにも使える。

発明の個々のコンポーネント／ステップは１台の当該コンピュータシステムに、より好ましくは、複数の当該コンピュータシステムに実装できることは理解されるべきである。分散型コンピューティングシステムへの実装の場合、個々のコンピュータシステムまたはデバイスあるいはその両方は適切なネットワーク、例えばインターネットやワールドワイドウエブを介して接続できる。しかし、システムはプライベートネットワーク又はローカルネットワークを介しても実現できる。発明はある特定のネットワークに限定されない。

図示するように、コンピュータシステム７０００は、プロセッサ７０２０、メモリ７０４０、Ｉ／Ｏデバイス７０６０、ネットワークインターフェース７０８０を又は代替接続構成を介して連結して実施できる。

ここで使用する「プロセッサ」という用語は、例えば、ＣＰＵまたは他のプロセッシング回路あるいはその両方を内蔵するものなど、あらゆるプロセッシングデバイスを含むことを意図していることは認識されるべきである。また、「プロセッサ」という用語は複数のプロセッシングデバイスをいうこともあること、またあるプロセッシングデバイスに関連付けられる様々なエレメントを他のプロセッシングデバイスと共有することもあることは理解されるべきである。

ここで使用する「メモリ」という用語は、例えば、ＲＡＭ、ＲＯＭ、固定記憶装置（例、ハードドライブ）、取り外し可能記憶装置（例、ディスケット）、フラッシュメモリ等など、プロセッサ又はＣＰＵに関連付けられるメモリを含むことを意図している。

また、ここで使用する「入出力デバイス」もしくは「Ｉ／Ｏデバイス」という用語は、例えば、データを処理装置に入力する一又は複数の入力デバイス（例、キーボード、マウスなど）、または処理装置に関連付けられる結果を表示する一又は複数の出力デバイス（例、スピーカー、ディスプレイなど）あるいはその両方を含むことを意図している。

さらに、ここで使用する「ネットワークインターフェース」という用語は、例えば、コンピュータシステムが適切な通信プロトコルを介して別のコンピュータシステムと通信することを可能にする一又は複数のトランシーバーを含むことを意図している。

したがって、本明細書で説明する方法論を遂行する命令又はコードを内蔵するソフトウェアコンポーネントは関連記憶装置の１つ以上に格納でき（例、ＲＯＭ、固定又は取り外し可能メモリ）、利用の準備ができているとき、一部又は全体がロードされ（例、ＲＡＭに）、ＣＰＵが実行する。

発明はウエブに加えて異なる多様な状況でのキャッシングに適用できる。本発明は完全に機能するデータ処理システムにおいて説明してきたが、当業者には本発明のプロセスが命令のコンピュータ読取可能媒体の形や多様な形態で分散できること、また本発明は実際に分散を行うために使用した特定の種類の信号伝達媒体とは関係なく、同様に適用されることは認識されるであろうことに留意することが大切である。コンピュータ読取可能媒体の例には、フレキシブルディスク、ハードディスクドライブ、ＲＡＭ、ＣＤ−ＲＯＭ、ＤＶＤ−ＲＯＭなどの記録型媒体や、デジタルおよびアナログ通信リンク、例えば無線伝送や光波伝送などの伝送形態を使用するワイヤード又はワイヤレス通信リンクなどの伝送型媒体が含まれる。コンピュータ読取可能媒体は、あるデータ処理システムで実際に使用するときにはデコードされるコード化フォーマットの形をとることができる。

また、サービスプロバイダーは本発明の様々な側面を以下例示的な方法で提供できるであろうことは認識されるべきである。クライアントは異なるサービスの質（ＱｏＳ）クラスに属することができるであろう。高いＱｏＳクラスに属するクライアントはパーソナライズされた情報に優先的なアクセスを受ける。サービスプロバイダーはクライアントを異なるＱｏＳクラスにグループ化するために異なる選択肢を提供できるであろう。当該方法の一つが、サービスレベルをサービスレベル契約により規定することであろう。

負荷が軽い間、すべてのクライアントがパーソナライズされた情報を受け取ることができるであろう。より負荷が高くなっている間、クライアントの一部が受け取るコンテンツのパーソナライゼーションの程度を低くできるであろう。負荷が高まるにつれ、パーソナライゼーションの程度を低くした情報を受け取るクライアントの数が増えるであろう。属するＱｏＳクラスが高くなるほど、クライアントの受ける影響は最小になるであろう。反対に、負荷が減少してくるにつれ、パーソナライゼーションの程度を高めた情報を受け取るクライアントの数を増やすことができるであろう。

サービスプロバイダーはシステムにかかる負荷を監視し、変化する負荷に応じてパーソナライゼーションの程度を制御できるであろう。

本発明の例示的な実施例は添付の図面を参照して本明細書で説明してきたが、発明はこのままの実施例に限られたものではなく、発明の範囲又は精神を逸脱することなく、当業者により他にも様々な変更や改造が行えることは理解されるべきである。

本発明の実施例を実装できる分散型データネットワークアーキテクチャを図示するブロック図。 本発明の実施例に従いパーソナライズされたコンテンツを提供する方法論を図示するフロー図。 本発明の実施例を実装できるコンピューティングシステムを図示するブロック図。

符号の説明

２０００ ネットワーク
７０２０ プロセッサ
７０４０ メモリ
７０６０ Ｉ／Ｏデバイス
７０８０ ネットワークインターフェース
７１００ コンピュータバス

Claims (20)

1. クライアントからの要求に基づきクライアント・サーバシステムでコンテンツを配信する方法が、
   要求を取得するステップと、
   クライアント・サーバシステムの少なくとも１つのサーバ又は少なくとも１つのキャッシュのパフォーマンス特性を判別するステップと、
   要求に応答してクライアントに配信すべきデータの正確度レベルを判別するステップで、判別が（ｉ）判別した少なくとも１つのサーバ又は少なくとも１つのキャッシュのパフォーマンス特性、および（ｉｉ）クライアントに関連する少なくとも１つの嗜好に基づく、前記判別するステップと、
   を有する方法。
2. パフォーマンス特性を判別するステップが、少なくとも１つのサーバ又は少なくとも１つのキャッシュの負荷を判別するステップを有する請求項１の方法。
3. データの正確度レベルを判別するステップが、要求に応答してクライアントに配信するべきパーソナライゼーションのレベルを判別するステップを有する請求項１の方法。
4. データの正確度レベルの判別をクライアントに関連する少なくとも１つの嗜好に基づかせることがさらに、データの正確度レベルの判別を少なくとも１つのパーソナライゼーションの嗜好に基づかせることを有する請求項３の方法。
5. さらに、パフォーマンス特性を判別するステップの前に、少なくとも１つのサーバおよび少なくとも１つのキャッシュを有する階層を形成するステップを有する請求項１の方法。
6. クライアント・サーバシステムでコンテンツを配信することがワールドワイドウエブでコンテンツを配信することを有する請求項１の方法。
7. コンテンツの配信が一又は複数のウエブページの配信を有する請求項６の方法。
8. さらに、判別した正確度レベルに基づいてパーソナライズされたウエブページを制作するステップを有する請求項６の方法。
9. クライアントからの要求に基づいてクライアント・サーバシステムでコンテンツを配信する方法が、
   要求を取得するステップと、
   クライアント・サーバシステムの少なくとも１つのサーバおよび少なくとも１つのキャッシュの特性を判別するステップと、
   要求に応答してクライアントに配信するべきデータの正確度レベルを判別するステップで、判別が（ｉ）判別した少なくとも１つのサーバおよび少なくとも１つのキャッシュの特性、および（ｉｉ）クライアントに関連する少なくとも１つの嗜好に基づく、前記判別するステップと、
   を有する方法。
10. クライアントからの要求に基づいてクライアント・サーバシステムでコンテンツを配信する方法が、
    要求を取得するステップと、
    クライアント・サーバシステムの少なくとも１つのサーバ又は少なくとも１つのキャッシュの特性を判別するステップと、
    要求に応答してクライアントに配信するべきパーソナライゼーションのレベルを判別するステップで、判別が（ｉ）判別した少なくとも１つのサーバ又は少なくとも１つのキャッシュの特性、および（ｉｉ）クライアントに関連する少なくとも１つの嗜好に基づく、前記判別するステップと、
    を有する方法。
11. クライアントからの要求に基づいてクライアント・サーバシステムでコンテンツを配信する装置が、
    メモリと、
    メモリに連結され、（ｉ）要求を取得する、（ｉｉ）クライアント・サーバシステムの少なくとも１つのサーバ又は少なくとも１つのキャッシュのパフォーマンス特性を判別する、および（ｉｉｉ）要求に応答してクライアントに配信するべきデータの正確度レベルを判別するように作動する一又は複数のプロセッサで、判別が（ｉ）判別した少なくとも１つのサーバ又は少なくとも１つのキャッシュのパフォーマンス特性、および（ｉｉ）クライアントに関連する少なくとも１つの嗜好に基づく、前記一又は複数のプロセッサと、
    を有する装置。
12. パフォーマンス特性が少なくとも１つのサーバ又は少なくとも１つのキャッシュの負荷を有する請求項１１の装置。
13. データの正確度レベルが、要求に応答してクライアントに配信するべきパーソナライゼーションのレベルを有する請求項１１の装置。
14. 少なくとも１つのサーバおよび少なくとも１つのキャッシュが階層を形成する請求項１１の装置。
15. クライアント・サーバシステムがワールドワイドウエブを有する請求項１１の装置。
16. クライアントからの要求に基づいてクライアント・サーバシステムでコンテンツの配信をコンピュータに行わせるプログラムであって、前記プログラムが実行時に、コンピュータに、
    要求を取得するステップと、
    クライアント・サーバシステムの少なくとも１つのサーバ又は少なくとも１つのキャッシュのパフォーマンス特性を判別するステップと、
    要求に応答してクライアントに配信するべきデータの正確度レベルを判別するステップで、判別が（ｉ）判別した少なくとも１つのサーバ又は少なくとも１つのキャッシュのパフォーマンス特性、および（ｉｉ）クライアントに関連する少なくとも１つの嗜好に基づく、前記判別するステップと、
    を実行させるプログラム。
17. データ提供サービスを提供する方法が、
    サービスプロバイダーが、（ｉ）クライアントの要求を取得するステップと、（ｉｉ）クライアント・サーバシステムの少なくとも１つのサーバ又は少なくとも１つのキャッシュのパフォーマンス特性を判別するステップと、（ｉｉｉ）要求に応答してクライアントに配信するべきデータの正確度レベルを判別するステップを作動させるデータ提供サービスを提供し、判別が（ｉ）判別した少なくとも１つのサーバ又は少なくとも１つのキャッシュのパフォーマンス特性、および（ｉｉ）クライアントに関連する少なくとも１つの嗜好に基づく方法。
18. パフォーマンス特性を判別するステップが、少なくとも１つのサーバ又は少なくとも１つのキャッシュの負荷を判別するステップを有する請求項１７の方法。
19. データの正確度レベルを判別するステップが、要求に応答してクライアントに配信するべきパーソナライゼーションのレベルを判別するステップを有する請求項１７の方法。
20. クライアントからの要求に基づいて、クライアント・サーバシステムでコンテンツを配信するシステムが、
    少なくとも１つのキャッシュおよび少なくとも１つのサーバからなる階層を有し、
    少なくとも１つのキャッシュおよび少なくとも１つのサーバのうちの少なくとも１つが、（ｉ）要求を取得する、（ｉｉ）データネットワークの少なくとも１つのサーバおよび少なくとも１つのキャッシュの特性を判別する、および（ｉｉｉ）要求に応答してクライアントに配信するべきデータの正確度レベルを判別するよう作動し、判別が（ｉ）判別した少なくとも１つのサーバおよび少なくとも１つのキャッシュの特性、および（ｉｉ）クライアントに関連する少なくとも１つの嗜好に基づくシステム。

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