JP2007525431A - 出血を制御するための方法およびキット - Google Patents

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Abstract

バニロイド受容体アゴニストが、出血を制御するために十分な量で、血管の損傷部位に投与される、損傷した血管からの出血を制御するための方法およびキット。

Description

発明の詳細な説明
発明の分野
本発明は、損傷した血管からの出血を制御するために使用される化学薬剤の分野に関する。
本発明の背景
バニロイド受容体は、感覚神経および脳だけでなく腎臓、肺および脾臓などの非感覚神経組織でも高度に発現される。これらの受容体は、カルシウムおよびナトリウムイオンに選択的に透過し得る非特異的膜チャンネルに結合される。このチャンネルは、従来のイオンチャンネルブロッカーによるものではなく、ルテニウムレッドによって遮断される。
バニロイド受容体のいくつかのサブタイプは同定されている。これらのサブタイプは、VR−1、VR−2、VR−3およびVR−4と呼ばれる。VR−1受容体は、哺乳動物の種間で高度に保存されていることが示されてきた。ヒトおよびラット両方のVR−1受容体は、838個のアミノ酸、分子量約94kDを有する。
多様なVR受容体サブタイプの内部結合ドメインに対して非選択的に相互作用するいくつかの化合物が同定されている。かかる化合物の例は、カプサイシン、レシニフェラトキシンおよびアルビニルを包含する。さらに、テトラヒドロカンナビノール(THC)および他のカンナビノイド、例えばアナンダミドは、バニロイド受容体と交差反応する。天然のバニロイド受容体アゴニストは、α,β-不飽和1,4ジアルデヒド(3-ホルミル-3ブテナール)官能基を含有するテルペノイドである。これらの化合物の約80%は、植物、真菌、節足動物、海綿動物および軟体動物由来のものから同定されている。VRAは、抗菌活性を示すか、または哺乳類などの動物に対する忌避薬であることが判っている。すなわち、天然のVRAは微生物および捕食体に対する防御機構として機能し得る。
「VRA」として本明細書に示したバニロイド受容体アゴニスト、例えばカプサイシンなどは、痛覚伝達および神経性炎症においてはたらく緻密な求心性感覚神経繊維を活性化する。これは、熱さから灼熱痛までの範囲を知覚させる。VRAとの接触を理由とする興奮は、カプサイシンに対するさらなる感受性をなくさせ、有害な熱および化学的刺激に対して無感覚にし、神経伝達や炎症に関与する感覚神経化学物質の放出能を失わせる。これらの効果は、鎮痛性および抗炎症剤としてカプサイシンの用途についての可能性の根拠をなすものである。
カプサイシンおよび他のVRAは、局所的痛覚制御剤として、また慢性的痒みを制御するためのために使用されてきた。また、レシニフェラトキシンは、不安定な排尿、尿漏れの重大な原因を抑制するために使用されてきた。その他のVRAは、種々の薬理学的使用、例えば血中コレステロールレベルを低下させること、または血小板凝集を阻害することを見出された。
バニロイド受容体アゴニストについて、別の有力な薬理学的または他の有用性を決定できれば非常に意義深いものであるだろう。
本発明の詳細な説明
バニロイド受容体アゴニスト(VRA)を血管損傷部位へ投与することによって、予想外に、損傷した血管からの出血が停止され得るか、または血流が顕著に低下され得ることを発見した。そのため、一実施態様において、本発明は損傷した血管からの出血を制御するための方法である。この実施態様に従って、VRAは、出血を制御するために、損傷部位へ有効量を投与される。第二態様において、本発明は、血管からの出血を制御するように、血管損傷部位に投与のためのVRAおよび医薬的に許容し得る担体を含有するキットである。
本明細書で使用される用語「出血を制御する」は、血管壁における損傷により血管を出る血液の速度を大きく遅延させることを意味する。好ましくは、損傷した血管を出る血液の速度遅延とは、出血の完全および永続的休止である。あまり好ましくないが、損傷部位からの血流の低下があり、それが、出血を停止するか、あるいは制御するために執られる他の処置を可能にするのに十分な時間維持させるのが好ましい。かかる処置には、創傷部の湿布、止血帯の適用、出血している血管の結紮または修復、または他の機械的または化学的処置が包含され得る。
用語「損傷した血管」は、血管壁の構造的完全性が失われ、それにより損傷前の血管内の血流が血管外部に流れ得るような創傷されている血管を指す。かかる損傷は、いかなる形態であってもよい。創傷は、ギザギザであるか、または滑らかであり得るし、血管の長い軸に対していかなる配向、例えば血管の長い軸に対して並行、血管の長い軸に対して垂直、または中間にあるいかなる配向であってもよい。
本発明の方法は、いかなるサイズの血管創傷に用いてもよい。本発明に従って、創傷部に適用されたVRAの投与量に依存して、出血は、約2.5 mmの直径までの全体的に重症な動脈において、完全かつ永続的に停止する。直径が2.5 mm以上の血管において、本発明の方法は、完全に全ての出血を停止させるかもしれないが、より一般的には、出血は継続するが速度は大きく低下する。このことは、その他の救命処置が適用され、このような他の処置に関する成功の見込みを大きく増加させる時間を提供する。
出血している血管は、身体内のいかなる血管であってもよく、動脈、細動脈、静脈、小静脈および毛細血管も包含する。この血管は、四肢などの身体部分、胴体、首、頭部または体腔、例えば腹膜腔、などのいかなる部分であってもよい。
血管への創傷原因は重要ではなく、例えば、手術用メスまたはナイフなどの鋭利な物品による裂傷、銃弾などの発射物による穿刺、爆発による損傷または強い張力による血管の傷が理由であってもよい。従って、該方法は、いかなる状況、とりわけ緊急時において、いかなる原因によるいかなる血管からの出血を制御するために有用である。
本発明の方法に従って、VRAは、損傷部位からの出血を制御するために有効量で損傷した血管に投与される。本発明に関する投与されるVRAは、バニロイド受容体アゴニストであると現在知られているか、後に発見されるすべての化学的化合物であり得る。VRAであると知られており、本発明の方法に適している化合物には、次のものが包含される。
カプサイシン:N[(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)メチル]-8-メチル-6-ノネンアミド
オルバニル: N−バニリルオレオイルアミド
PPAHV: ホルボール12-フェニルアセテート 13-アセテート 2-ホモバニレート
レシニフェラトキシン: 4-ヒドロキシ-3-メトキシ [(2S,3aR,6aR,9aR,9bR,10R,11R)-3a,3b,6,6a,9a,10,11,11a-オクタヒドロ-6a-ヒドロキシ-8,10-ジメチル-11α-(1-メチルエトニル)-7-オキソ-2-(フェニルメチル)-7H−2,9β-エポキシアズレノ[5,4−e]-1,3−ベンゾジオキソール-5ウル]ベンゼン酢酸。
その他の既知のVRAは、バニリル様部分、例えばアルビニル(arvinil)、ヌバニル、ピペリンおよびジンゲロンを有する化合物を包含する。他の既知のVRAは、例えばポリゴジアール、ワルブガナール(warbuganal)、イソベレラール(isovelleral)、メルリジアール(merulidial)、シンナモジアール、シンナモスモライド、シンナモライド、スカララジアール(scalaradial)、アンシストロジアール(ancistrodial)、スクチゲラル(scutigeral)、アフラモジアール(aframodial)およびβ-アカルジディアル(acardidial)などのバニリル様部分を欠いた化合物を包含する。さらに、アゴニストとしてバニロイド受容体に結合するカンナビノイド、例えばアナンダアミドおよびアラカドニル(arachadonyl)グリセロールは、本発明にとって、また、かかるカンナビノイドがバニロイド受容体アゴニストであるという程度まで適当であり、それらは本発明に適当なVRAに包含される。
かかるVRAの適用は、出血を制御するために十分な量で血管の損傷部位に存在しうるいかなる様式であり得る。
一般的に、適用様式は、損傷した出血している血管が暴露されるか、暴露されないかどうかを基にして選択される。本明細書で使用される用語「暴露される」は、血管からの出血部位が、VRAの局所適用に到達可能であるという意味で使用される。通常、暴露される血管からの出血により、血管から体外に血液が損失される。例えば腹壁切開または腹腔鏡の際の腹膜腔内での外科的創傷もまた、そのような創傷部からの出血が体外に血流を生じなくても、一般的には暴露される創傷である。
暴露される創傷については、VRAは出血部位に局所適用されるのが好ましい。局所投与のための適用に好適な様式は、VRAが出血部位に直接適用され得るいかなる方法、例えば損傷部位を接触させるかまたは触れさせる方法(例えば該部位を軽く押し当てるかまたは塗りつける)を包含する。あるいは、該適用は、例えば噴霧状、噴流または液流などのVRAを含有する液体噴射物を損傷部位に到達させ得る、例えば該部位にスプレーするか、霧状にすることなどにより到達させ得る。
かかる局所適用については、出血部位に適用されたVRAの投与量は、出血を制御するのに有効であるいかなる量であってよい。通常、局所適用については、出血を制御するのに必要な量以上に適用されたいかなる量でも、通常、全身的効果を引き起こさないので、適用される投与量に関する最大量はない。
上記に対する一つの例外は、VRAの相当量が全身循環に入り得る表面上または表面付近に位置する暴露された創傷についてである。これは、内部の外科的創傷または深い外傷性傷害、例えば爆発や穿通性弾動創傷により生じ得る。かかる環境では、下記に示したように、ケアは全身循環に入るVRAの量を最小にするように利用されるべきである。
十分量で全身投与された場合に、VRAは、急死に導く完全かつ不可逆的循環虚脱を引き起こし得る。そのため、暴露される内部創傷を局所処置する場合に、出来る限り狭い面積にVRAを適用すること、および好ましくはその有益な出血制御効果のために必要な量以上のVRAは適用しないことが肝要である。そのため、腹膜腔の広範な噴霧は好ましくないが、下記に説明したように、そのような広い噴霧は、特定の環境下では安全に使用され得る。むしろ、可能であれば、暴露される内部血管からの出血を制御するために、本発明の方法を利用する場合、VRAの適用は、噴流または液流または触れさせる(touch)適用が好ましい。
非暴露部位からの出血を制御するために本発明の方法を用いる場合、類似環境が存在する。このような非暴露部位の例は、閉鎖された腹膜または胸膜空間への出血、または肺、肝臓または中枢神経系内などの臓器内の出血を包含する。これらの例において、VRAは、例えば血管内注射、スプレー式点鼻または腹膜内注射によって全身投与されうる。全身導入に関するかなりのリスクが存在する場合、暴露された出血部位については、出血を制御するのに必要な程度の低い容量を投与するのが好ましい。
さらに、VRAの全身投与については、「ラピッド・オンセット・VRA」でないVRAを使用することが好ましい。高い全身濃度では、VRAは、神経細胞の持続的脱分極および細胞内カルシウムの枯渇および酸化呼吸の停止をもたらすカルシウムチャンネルの開口を引き起こす神経毒として作用する。このような破滅的影響は、ラピッド・オンセット・VRAの投与によって最も生じやすく、「スロー・オンセット・VRA」では生じにくい。ラピッド・オンセット・VRAはカルシウムチャンネルを即座に開くものであり、一方スロー・オンセット・VRAは、これらのチャンネルの開始を延期させるかまたは遅延させる。このように、ゆっくりと作用するVRAは、全身投与に好まれる。迅速に作用するVRAは使用され得るが、しかし投与される用量が患者を傷つけたり、死亡させるような量よりも少ないように多大な注意が払われなければならない。
ラピッド・オンセット・VRAおよびスロー・オンセット・VRAは、試験用VRAの作用に関する即時性を決定し得るいかなる試験によって区別されてもよい。例えば、VRAが迅速またはゆっくりと開始するかどうかを決定する1つの試験は、試験するVRAが神経にカルシウム流入をもたらす速度を決定することによる。これは、細胞内カルシウム濃度に感受性のある蛍光染色剤を用いて細胞を標識することによって行い得る。カルシウムイオンおよび蛍光性標識されたニューロンを含有する培地に試験化合物を添加して、細胞へのカルシウム流入速度が決定され得る。VRAに暴露した後に、蛍光開始を観察することによって、該VRAが「迅速;ラピッド」な開始か「ゆっくりとした;スロー」な開始かに分類され得る。
同様に、脱分極の速度を決定する試験が、VRAが「ラピッド」か「スロー」な開始かどうかを決定し得るのに用いられる。1つの例はパッチクランプ試験である。小さな穴を細胞膜にあけて、試験VRAへの暴露前および後の膜電位の差違を測定する。即時または遅延した脱分極の存在を観察することによって、VRAを「ラピッド」または「スロー」な開始に分類され得る。
ラピッド・オンセット・VRAの例は、カプサイシンおよびアルビニルを包含する。レシニフェラトキシンは、スロー・オンセット・VRAである。従って、過剰用量を避けるようにケアされれば、カプサイシンまたはアルビニルは全身投与されてもよいが、全身投与のためには、レシニフェラトキシンが、カプサイシンまたはアルビニルよりも好ましい。
別の実施態様において、本発明は、上記方法に従って、損傷した血管からの出血を制御するために有用なキットを含む。本発明のキットは、化学的化合物であるVRAおよび医薬的に許容し得る担体を収納する容器を含有する。該キットは、VRAを損傷した血管に投与するためのアプリケーターをさらに包含する。該アプリケーターは、損傷部位に触れさせるか、接触するかによってVRAを投与し得る。すなわち、例えばアプリケーターは、はけや回転ボールであってもよい。別の態様において、アプリケーターは、VRAを含有する液体噴射物を損傷部位に放出することによって投与し得る。すなわち、例えば、アプリケーターは、スポイトや噴霧器であってもよい。好ましくは、キットは、血管からの出血を制御するために、損傷した血管にVRAを投与するための説明指示書をさらに含有する。
本発明の方法およびキットは、出血、とりわけ血管外傷による出血の迅速な制御において重要な効用を有する。すなわち、本発明は、様々な外傷、例えば自動車事故および鋭利な物品または発射物による裂傷を扱う際に有用であると考えられる。本発明によって提供される出血に関する迅速な制御のために、本発明は、爆発装置などによるようなグループの個人によってこうむった複数損傷の扱いにおいて有用である。本発明は、例えば腹膜または胸膜腔、または中枢神経系の手術中に生じる出血を制御する際に、さらに有用である。
本発明の方法は、ヒトまたはその他の動物、例えば、愛玩動物などのイヌおよびネコ、および家畜などのウシ、ウマ、ブタ、ヤギ、ヒツジ、ラマおよび野生動物を包含する獣畜被験体に行い得る。バニリン受容体は、種間でよく保存されているので、本発明を説明するマウスでの下記実施例は、当分野の技術者が他の哺乳動物において、想像では他の脊椎動物種においても、得られると期待されるような結果を示すものである。
本発明は、さらに下記実施例において説明される。
実施例1
約4〜6週令の白色マウス(約20g)を、麻酔薬(ケタミン+キシラジン)(50μl)を用いて腹膜麻酔した。鼠蹊部領域付近のエリア(足関節1.75cm付近)の毛を刈り取り、左大腿部動脈を切断するために0.5〜1cm切開した。切開部を通常の生理食塩水で洗浄した。試験動物が、創傷上にVRA溶液で浸したコットン・チップ・アプリケーターを用いて局所投与されるVRA(アルビニル)(約500μlの0.8 mmol 溶液)により処理されている間、コントロール動物を生理食塩水で処理した。その後、該アプリケーターを、5秒後に取り出し、該創傷部を出血の徴候について評価した。
実施例2
コントロールマウスでは、創傷を生理食塩水により連続洗浄した。動物は、創傷後約3分後にショックの徴候を示した。5分後、2回目の切開を先の切断部上部の大腿部動脈で行い、第2回目の切開では血液は基本的には観察されなかった。心臓穿刺を介する飽和KClを用いる安楽死は、心臓がほとんどの血液を放血していることを示した。
実施例3
動物処理群では、創傷を、綿棒を用いてアルビニルによる処理を行い、生理食塩水で1回洗い流した。生理食塩水を流した後に出血は観察されなかった。実験の間、ショックの徴候を示さなかった。10分間後に、2回目の切断を、ひどい出血を生じた前の切開上部の大腿部動脈で行った。2回目の切開部にアルビニルを適用することにより、出血の停止を生じた。心臓穿刺を介する飽和KClによる安楽死は、心臓が完全に灌流されたことを示した。
実施例4
大腿部動脈を切断する15分間前に、マウスを500units/kgのヘパリンナトリウムで腹膜内的に前処理し、VRAを含有するコットン・アプリケーターの適用が30秒であったこと以外は実施例1のプロトコールをくり返した。実施例3のとおり、VRAにより処理したマウスは、創傷にもかかわらず生き残り、ショックの徴候を示さなかった。大腿部動脈のより近位部分での2回目の切断により、死亡に導くおびただしい出血がおきた。ヘパリンにより前処理したコントロールマウスでは、VRAによる処理に供さなかった大腿部動脈の切開は、放血により、死亡へと導く急激なショックを生じた。
これらの結果により、本発明の方法が、抗凝血剤を用いて処理されていた患者であっても損傷した血管からの出血を首尾良く制御することを確立した。すなわち、本発明は、抗凝血剤療法を受けている患者および例えば静脈注射のために血管の開放性を維持するように抗凝血剤を投与されている手術患者またはその他の患者であっても、出血を制御するために有用である。
本明細書に記載の本発明に関するさらなる修飾、用途および適用は、当業者には明白である。かかる修飾は、特許請求の範囲の内容に包含されると意図される。

Claims (24)

  1. 出血を制御するために、損傷部位に有効量のバニリン受容体アゴニスト(VRA)を投与することを含む、損傷した血管からの出血を制御するための方法。
  2. 投与が局所適用である、請求項1記載の方法。
  3. 適用が、VRA含有液体噴射物を損傷部位へ到達させることによる、請求項2記載の方法。
  4. 適用が、VRAを含有するアプリケーターと損傷部位とを接触させることによる、請求項2の方法。
  5. 血管が動脈血管である、請求項2記載の方法。
  6. 血管が静脈血管である、請求項2記載の方法。
  7. VRAが、カプサイシン、オルバニル、PPAHV、レシニフェラトキシン、アルビニル(arvinil)、ヌバニル(nuvanil)、ピペリン、ジンゲロン、ポリゴジアール、ワルブガナール(warbuganal)、イソベレラール(isovelleral)、メルリジアール(merulidial)、シンナモジアール、シンナモスモライド、シンナモライド、スカララジアール(scalaradial)、アンシストロジアール(ancistrodial)、スクチゲラル(scutigeral)、アフラモジアール(aframodial)、β−アカルジディアル(acardidial)およびカンナビノイドからなる群から選択される、請求項2の方法。
  8. VRAが、カプサイシン、オルバニル、PPAHV、レシニフェラトキシン、アルビニル、ヌバニル、ピペリン、ジンゲロン、ポリゴジアール、ワルブガナール、イソベレラール、メルリジアール、シンナモジアール、シンナモスモライド、シンナモライド、スカララジアール、アンシストロジアール、スクチゲラル、アフラモジアールおよびβ-アカルジディアルからなる群から選択される、請求項7記載の方法。
  9. VRAが、カプサイシン、オルバニル、PPAHV、レシニフェラトキシン、アルビニル、ヌバニル、ピペリンおよびジンゲロンからなる群から選択される、請求項8記載の方法。
  10. VRAがアルビニルである、請求項9記載の方法。
  11. 損傷した血管が、損傷前に2.5mm以下の断面直径を有する、請求項2記載の方法。
  12. 損傷した血管が、損傷前に2.5mmを超える断面直径を有する、請求項2記載の方法。
  13. 血管損傷が外科的切開によるものである、請求項2記載の方法。
  14. 出血が抗凝血剤を以前から投与されている患者からのものである、請求項2記載の方法。
  15. VRAの投与が全身投与である、請求項1記載の方法。
  16. VRAがスロー・オンセット・VRAである、請求項15記載の方法。
  17. VRAがレシニフェラトキシンである、請求項16記載の方法。
  18. バニリン受容体アゴニスト(VRA)を収納する容器、医薬的に許容し得る担体、損傷した血管にVRAを局所投与するためのアプリケーター、および損傷した血管にVRAを投与するための説明指示書を含む、損傷した血管からの出血を制御するためのキット。
  19. VRAが、カプサイシン、オルバニル、PPAHV、レシニフェラトキシン、アルビニル、ヌバニル、ピペリン、ジンゲロン、ポリゴジアール、ワルブガナール、イソベレラール、メルリジアール、シンナモジアール、シンナモスモライド、シンナモライド、スカララジアール、アンシストロジアール、スクチゲラル、アフラモジアール、β-アカルジディアルおよびカンナビノイドからなる群から選択される、請求項18記載のキット。
  20. VRAが、カプサイシン、オルバニル、PPAHV、レシニフェラトキシン、アルビニル、ヌバニル、ピペリン、ジンゲロン、ポリゴジアール、ワルブガナール、イソベラル、メルリジアール、シンナモジアール、シンナモスモライド、シンナモライド、スカララジアール、アンシストロジアール、スクチゲラル、アフラモジアールおよびβ-アカルジディアルからなる群から選択される、請求項19記載のキット。
  21. VRAが、カプサイシン、オルバニル、PPAHV、レシニフェラトキシン、アルビニル、ヌバニル、ピペリンおよびジンゲロンからなる群から選択される、請求項20記載のキット。
  22. VRAがアルビニルである、請求項21記載のキット。
  23. アプリケーターが、損傷した血管にアプリケーターを触れさせると同時に、VRAが投与される、請求項18記載のキット。
  24. VRAを含有する液体噴射物を損傷した血管に放出することによって、アプリケーターによりVRAが投与される、請求項18記載のキット。
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