JP2007524907A - 資源配分方法 - Google Patents

資源配分方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007524907A
JP2007524907A JP2006517503A JP2006517503A JP2007524907A JP 2007524907 A JP2007524907 A JP 2007524907A JP 2006517503 A JP2006517503 A JP 2006517503A JP 2006517503 A JP2006517503 A JP 2006517503A JP 2007524907 A JP2007524907 A JP 2007524907A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
asset
assets
optimization
profit
probability
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006517503A
Other languages
English (en)
Inventor
ブライアン エル. ハンター
アシシュ クルカーニ
ソウレイマン カチャーニ
Original Assignee
ストラテジック キャピタル ネットワーク エルエルシー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ストラテジック キャピタル ネットワーク エルエルシー filed Critical ストラテジック キャピタル ネットワーク エルエルシー
Publication of JP2007524907A publication Critical patent/JP2007524907A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06QINFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR ADMINISTRATIVE, COMMERCIAL, FINANCIAL, MANAGERIAL OR SUPERVISORY PURPOSES; SYSTEMS OR METHODS SPECIALLY ADAPTED FOR ADMINISTRATIVE, COMMERCIAL, FINANCIAL, MANAGERIAL OR SUPERVISORY PURPOSES, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G06Q10/00Administration; Management
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06QINFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR ADMINISTRATIVE, COMMERCIAL, FINANCIAL, MANAGERIAL OR SUPERVISORY PURPOSES; SYSTEMS OR METHODS SPECIALLY ADAPTED FOR ADMINISTRATIVE, COMMERCIAL, FINANCIAL, MANAGERIAL OR SUPERVISORY PURPOSES, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G06Q10/00Administration; Management
    • G06Q10/06Resources, workflows, human or project management; Enterprise or organisation planning; Enterprise or organisation modelling
    • G06Q10/063Operations research, analysis or management
    • G06Q10/0631Resource planning, allocation, distributing or scheduling for enterprises or organisations
    • G06Q10/06312Adjustment or analysis of established resource schedule, e.g. resource or task levelling, or dynamic rescheduling
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06QINFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR ADMINISTRATIVE, COMMERCIAL, FINANCIAL, MANAGERIAL OR SUPERVISORY PURPOSES; SYSTEMS OR METHODS SPECIALLY ADAPTED FOR ADMINISTRATIVE, COMMERCIAL, FINANCIAL, MANAGERIAL OR SUPERVISORY PURPOSES, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G06Q40/00Finance; Insurance; Tax strategies; Processing of corporate or income taxes
    • G06Q40/06Asset management; Financial planning or analysis

Landscapes

  • Business, Economics & Management (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Human Resources & Organizations (AREA)
  • Strategic Management (AREA)
  • Economics (AREA)
  • Entrepreneurship & Innovation (AREA)
  • Development Economics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Marketing (AREA)
  • Operations Research (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • General Business, Economics & Management (AREA)
  • Accounting & Taxation (AREA)
  • Finance (AREA)
  • Game Theory and Decision Science (AREA)
  • Tourism & Hospitality (AREA)
  • Quality & Reliability (AREA)
  • Technology Law (AREA)
  • Educational Administration (AREA)
  • Financial Or Insurance-Related Operations Such As Payment And Settlement (AREA)
  • Stored Programmes (AREA)
  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)

Abstract

資産集合内の少なくとも1つの資産が、或る期間の間に、所望される利益を達成しない確率を決定する技術を含む資源配分技術。技術は、最適化のために信頼できる資産集合を選択するために使用される。更に、資産集合のロバスト最適化技術が含まれる。これらの技術において、ユーザは、正規および/または極端条件を含む投資条件をモデル化するシナリオを定義または選択する。資産集合はシナリオで全般的に最適化され、資産の最悪事態値を最適化する集合内の資産のウエートが生成される。最初に、前述した選択技術を使用して最適化のために信頼できる資産集合を選択し、次に、信頼できる資産集合を最適化する資源配分システムが開示される。資産集合の最適化は、ロバストまたは非ロバスト最適化、多くの異なった種類の制約および/または複数の制約、異なった目的関数、および目的関数の異なった調整を含んでよい。資産集合の選択、および最適化の種類、制約、目的関数、および目的関数への調整の選択は、グラフィカル・ユーザ・インタフェースを使用して行われる。

Description

関連出願の相互参照
1.発明の分野
本発明は、資源に対するリスクとリターンの十分なトレードオフが得られるように資源をそのいくつかの潜在的な用途間で配分する技術に関する。特に、本発明は、特定の用途のリスクとリターンのトレードオフを決定する改良された技術、資源の価値に対する不確実性の寄与を判定する技術、リスクを指定する技術、リスクとリターンのトレードオフに対するリスクの分散の効果および寄与と、各用途間での資源の所与の配分の評価を定量化する技術に関する。
発明の背景
2.関連技術の説明
資源は絶えず、いくつかの潜在的な用途間で配分されている。資源配分の範囲には、今週末に庭造りに2時間費やすにはどうすればいいかを思案する人から、委託された金をいくつかの種類の資産クラス間でどのように配分するかを検討する資金管理者までが含まれる。資源配分の決定の重要な要素は、リターンとリスクのトレードオフである。一般に、リターンが高いほどリスクが大きくなるが、リターンとリストの比は潜在的な用途のそれぞれで異なる。さらに、リスクのとる形態は潜在的な用途のそれぞれで異なる場合がある。このことが当てはまる場合、各用途間の資源配分を分散することによってリスクを少なくすることができる。
資源配分は通常、以下の3つの段階を含む:
1.様々な種類のリスクを伴う1組の用途を選択する段階、
2.各用途ごとにリスク/リターンのトレードオフを決定する段階、および
3.全体的なリスクを最小限に抑えつつリターンを最大にするように各用途間で資源を配分する段階。
「全部の卵を1つのかごに入れるな(全資産を一事業にかけてしまうようなことはするな)」および「捕らぬたぬきの皮算用をするな」のようなことわざから明白なように、資源をどのように配分するかを決定するうえで、上記の3つの段階で概略的に示された種類の分析がずっと以前から用いられている。比較的新しい方法として、リスク/リターンのトレードオフを分析する際に数学的モデルが使用されている。リスク/リターンを分析するための最初のモデルの1つは正味現在価値であり、過去10年の間に、実オプション・モデルが使用されるようになった。これらのモデルは共に、ティモシー A. ルアーマン(Timothy A. Luehrman)著「実オプションとしての投資機会:数値から始めること(Investment Opportunities as Real Options: Getting Started on the Numbers)」(Harvard Business Review、1988年7月〜8月、3ページ〜15ページ)に記載されている。ポートフォリオ選択のモデル化に関する独創性に富んだ研究としては、ハリー M. マコーウィツ(Harry M. Markowitz)著「資源の有効な多様化(Efficient Diversification of Investments)」(第2版、Blackwell Pub、1991年)に記載されたハリー M. マコーウィツの研究がある。
実オプション・モデルの利点は、不確実性が比較的うまく考慮されることである。NPVモデルとマコーウィツのポートフォリオ・モデル化技術は共に、リターン変動率を一次元リスクとみなしている。しかし、状況が不確かである場合、将来取るべき処置のリスクおよびリターンは絶えず変化する。このため、同様に将来その処置を実際に取るか取らないかを選択する権利に価値を与える。このような権利をオプションと呼ぶ。オプションは、ずっと前から金融市場に導入され販売されている。オプションが重要である理由は、それによってリスクが少なくなることである。すなわち、この将来の時間に近くなればなるほど、この処置の潜在的なリスクおよびリターンに関して多くのことが分かってくる。したがって、実オプション・モデルでは、資源配分の潜在的な価値には、配分自体によってもたらされることだけでなく、現在の資源配分に基づいて将来ある処置を取ることができる価値も含まれる。たとえば、ある会社が新しい事業に参入するために特許ライセンスを購入する際、このライセンスの価値には、ライセンスを第3者に売却する際の値段だけでなく、この新しい事業に参入できるというオプションの、会社に対する価値が含まれる。会社がこの新しい事業に参入しない場合でも、他の場合には得られなかった選択肢が会社に与えられるため、このオプションには価値がある。実オプションおよびその用途についての他の議論については、キース J. レスリー(Keith J. Leslie)およびマックス P. マイケル(Max P. Michaels)「実オプションの実力(The real power of real options)」(The McKinsey Quarterly、1997年、第3号、4ページ〜22ページ)と、トーマス E. コップランド(Thomas E. Copland)およびフィリップ T. キーナン(Philip T. Keenan)著「実オプション作出の実際(Making real options real)」(The McKinsey Quarterly、1998年、第3号、128ページ〜141ページ)を参照されたい。
いくつかの異なる用途間で資源を配分する問題への数学の応用が進歩しているにもかかわらず、問題が残されている。第1に、実オプション・モデルは、個々の資源配分の分析のみに用いられており、ポートフォリオ選択には用いられていない。第2に、全体的なリスクに対する分散の効果を定量化するのに適切な方法がない。
USSN 10/018,696の資源配分システムによる経験は、システムの有用性を実証したが、それが不必要に制限されていることも示した。本明細書で開示される本発明の目的は、USSN 10/018,696の制限を克服し、改善された資源配分システムを提供することである。
発明の要約
本発明の目的は、1つの局面において、ユーザによって選択された資産集合からの利益の信頼度を決定する技術によって達成される。新しい技術は、資産集合の平均失敗期間(MTTF)信頼度、即ち集合に属する一つまたは複数の資産が、資産について指示された所望最小利益を提供できない確率を決定する。
本発明の目的は、他の局面において、ユーザによって選択または定義されたシナリオの集合に対して最適化を行うロバスト最適化技術によって達成される。1つのシナリオにおいて、最適化に使用される値は或る範囲にわたって確率的に変化するように定義され、そのシナリオに確率が関連づけられる。したがって、危機的状況で見られる極端な状態を表すようにシナリオをセットアップすることができ、最適化は、シナリオ集合について資産集合の最悪事態値を最適化する。シナリオの種類の例は、集合内の資産のヒストリカル利益データに対応するシナリオ、或る資産が高度に相関するようになるシナリオ、およびヒストリカル利益データ内の異常値に基づくシナリオを含む。
本発明の目的は、第3の局面において、最初にMTTF信頼度を使用してポートフォリオ内の資産を選択し、次にそのポートフォリオを最適化する最適化方法によって達成される。最適化は、USSN 10/018,696の技術またはロバスト最適化技術を使用して行われてよい。最適化において、ユーザは、資産集合が所望最小利益を生じる確率を指定する複数の制約を受ける最適化を指定してよい。更に、負のウエートを資産が有するポートフォリオ、または結合ウエートが1より多いポートフォリオに対して最適化を行ってよく、それによってショーテッド(shorted)資産またはレバレッジド(leveraged)資産を含むポートフォリオの最適化が許可される。資産の部分集合のウエートの合計を限定し、ポートフォリオのダウンサイド・リスクを制限する制約も可能である。最適化方法は、更に、多数の目的関数からの選択、および一つまたは複数の資産の実質値へプレミアムまたはディスカウントを割り当てることによる目的関数の調整を可能にする。本方法において、リスクを数量化する多数のモードから選択することも許される。
他の目的および利点は、以下の詳細な説明および図面が吟味されるとき、当業者に明らかであろう。
詳細な説明
以下の詳細な説明ではまず、本来機械システム、電気システム、または電子システムの信頼性を定量化するために開発された技術を使用してリスクに対する分散の効果を定量化する方法について説明し、次いで、所与の信頼性を有する所与のリターンを実現する1組の用途間の資源の配分を実オプション分析および信頼性分析を使用して求める資源配分システムについて説明する。その後すぐに、次のことを含む資源配分システムへの改善が説明されるであろう。
・ 実質オプション分析を使用して最適化される資産のポートフォリオを選択するため、MTTF信頼度を使用すること、
・ 資源配分システムでロバスト最適化を使用すること、
・ 最適化で複数の制約を使用すること、
・ 最適化で様々な種類の制約を使用すること、および
・ 最適化で使用される目的関数を修正すること。
目的関数とは、資産の実質オプション値を計算するために使用される関数である。オリジナルの資源配分システムにおいて、利用できる唯一の目的関数は、ポートフォリオの標準偏差を使用してポートフォリオのボラティリティを表すBlack-Scholes式であった。改善の説明は、改善のためのグラフィカル・ユーザ・インタフェースの説明を含む。改善されたシステムの好ましい態様の実現方法についても説明される。
資源配分への信頼性技術の適用
信頼性は、機械システム、電気システム、および電子システムの設計者にとって重要な問題である。一般に、システムは、正しく働く可能性が非常に高い場合には信頼性が高い。エンジニアは、故障の確率に関して信頼性を測定しており、故障の確率が低いほどシステムの信頼性は高くなる。システムの故障の確率は、システムを故障させるようにシステムの構成要素が故障する確率を分析することによって求められる。システムの信頼性は、冗長な構成要素を設けることによって高くすることができる。この技術の例として、スペースシャトルで3台のコンピュータを使用することが挙げられる。この場合、すべての計算が各コンピュータで実行され、各コンピュータはどの結果が正しいかを票決して互いに決定する。1台のコンピュータが繰り返し誤った結果を与える場合、このコンピュータは他の2台によってシャットダウンされる。このような構成を用いた場合、単一のコンピュータの故障によってスペースシャトルが使用不能に陥ることはなくなり、2台のコンピュータが故障しても致命的な結果にはならない。当然、すべての3台のコンピュータが同時にまたはほぼ同時に故障する確立は極めて低く、したがって、スペースシャトルのコンピュータ・システムは信頼性が高い。冗長な構成要素を設けることの一部は、他の場所での単一の故障によってすべての冗長な構成要素が同時に故障することをなくすことである。したがって、3台のコンピュータがそれぞれ独立の電源を有する。数学的には、3台のコンピュータの故障の可能な原因が互いに独立したものであり、各コンピュータが期間Tの間故障確率nを有する場合、Tで3台すべてが故障する確率はn3である。
物理的なシステムの冗長性と同じ機能を実行する資源配分の局面は分散である。いくつかの用途間での資源のインテリジェントな配分の一部は、各用途のリターンがそれぞれの異なるリスクを必ず受けるようにすることである。農業の例において、資源が土地であり、所望のリターンが家畜の餌としての最低限の量のトウモロコシであり、その土地のある部分が、雨の多い年に洪水が起こりやすい低地であり、他の部分が、雨の少ない年に干ばつが起こりやすい高地である場合、賢明な農場経営者なら、低地と高地のいずれかから単独で最低限の量のトウモロコシが得られるように両方の土地の十分な部分をトウモロコシに配分する。雨の多い年にも少ない年にも、最低限の量のトウモロコシが得られ、雨量が通常どおりの年には、余剰の量が得られる。
信頼性分析は、物理的なシステムに適用する場合と同様に資源配分に適用することができる。低地と高地は、そのいずれかが雨の多い年および少ない年のそれぞれに単独で最低限の量を産出することができ、したがって、最低限の量を得る確率が非常に高いという点で冗長なシステムである。数学的には、所与の年が雨の多い年と少ない年の両方であることはあり得ず、したがって、低地の収穫が失敗するリスクと高地の収穫が失敗するリスクとの相関は弱い。この例から分かるように、所与のリターンに対する様々な用途のリスク間の相関が弱いほど、このリターンの信頼性は高くなる。
実オプションおよび信頼性を使用して投資資金を配分するシステム:図1
好ましい態様の資源配分システムにおいて、資源は投資資金であり、資金の用途は、様々な資産クラスへの投資であり、資金の特定の配分の結果としての資産クラスの潜在的な評価は、実オプションを使用して算出され、各資産クラスのリスク間の相関を使用して、各資産クラスへの資金の特定の配分に対するリターンの信頼性が判定される。図1は、好ましい態様のシステムによって実行される処理のフローチャート101である。処理は103から始まる。次に、1組の資産クラスが選択される(105)。次いで、予想されるリターン率およびリスクが各資産クラスごとに指定される(107)。あるクラスに関する予想されるリターン率およびリスクは、履歴データに基づいて求めることができる。リスクの場合、履歴データは変動率データであってよい。他の態様では、予想されるリターン率を他の情報に基づいて求めることができ、リスクは、一般に経済的リスク、ビジネス・リスク、政治的リスク、または為替相場率リスクを含め、任意の定量可能な不確実性またはその組合せであってよい。
次に、各資産クラスごとに、この資産クラスに対するリスクと他のあらゆる資産クラスに対するリスクとの間の相関が判定される(108)。これらの相関は相関マトリックスを形成する。この段階の目的は、ポートフォリオの分散を定量化することである。その後、所定の時間にわたる資産クラスの実オプションの現在価値が算出される(109)。最後に、108で求められた相関に基づく信頼性の制約の下で、実オプションの現在価値を最大にする資金の配分が求められる(111)。
信頼性の計算の数学的な詳細
好ましい態様において、ポートフォリオ上のある平均リターンの信頼性は、ある期間Tにわたるポートフォリオの平均リターン率と、期間Tにわたるポートフォリオのリターンの標準偏差σとから求められる。ポートフォリオに関する標準偏差は、期間Tにわたるポートフォリオの資産の変動率を表す。ポートフォリオの標準偏差は、時間Tにわたる各資産の標準偏差と、各資産クラス対ごとの相関係数ρとから求めることができる。各資産クラス対A、Bごとに、その対のメンバーの標準偏差および相関係数を使用して、cov(A,B)TA,BσA,TσB,Tにより時間Tにわたるこの対に関する共分散が算出される。さらに詳しく説明すると、1組Sの少なくとも2つまたはそれ以上の資産クラスを有する一般的なポートフォリオの場合、ポートフォリオ標準偏差およびポートフォリオのリターン率は以下のように表すことができる:
Figure 2007524907
式中、σP,TはT期間にわたるポートフォリオの標準偏差(すなわち変動率)であり、
rp,Tは、T期間にわたるポートフォリオの平均リターン率であり、
XAは、ポートフォリオの、資産クラスAに投資される部分であり、
ρA,Bは、一対の資産クラスAおよびBに対するリスクの相関であり、
σA,Tは、T期間にわたる資産クラスAの標準偏差であり、
rA,Tは、T期間にわたる資産クラスAの平均リターン率であり、
Sは1組の資産クラスである。
以下では、本発明者らはポートフォリオPが平均rP,Tおよび標準偏差σP,T:N(rP,TP,T)を有する通常の分布に従うと仮定している。
したがって、信頼性の制約αは次式で与えられる:
Figure 2007524907
式中、rP,TおよびδP,Tは、上記の数式から得られるそれぞれの値で置き換えられる。この制約は以下の数式を使用して推定することができる:
Figure 2007524907
式中、δ2はシンプソンの法則を使用してαから得られる。δの計算については以下で詳しく説明する。
ポートフォリオの実オプション値の計算
上記の信頼性の制約は、期間Tにわたってポートフォリオの実オプション値を最大にする、ポートフォリオへの資源の配分に適用される。ポートフォリオの実オプション値はBlack-Scholesの公式を使用して得られる。この公式において、TAは、資産クラスAが満期となる時間であり、xAiは、ポートフォリオの、期間iの間に資産クラスAに投資される部分である。この場合、TAは互いに等しい期間0...TA-1に分割される。
Black-Scholesの公式により時間Tにわたる資産クラスAの実オプションを評価するには、以下の値が必要である;
A、資産クラスの現在価値、
T、期間0から満期までの時間、
Ex、次の投資の価値、
rf、リスクのない利率、
σ 、変動率、
A=xA0P
Ex=xA0P(1+rmin,A)TA
期間iについて、Black-Scholesの公式を用いた、時間iで資産クラスAを選択したことに対応する実オプションの値VA,iは次式で与えられる。
Figure 2007524907
上記の公式は、標準のBlack-Scholesの公式を適合させたものである。この公式は、標準のBlack-Scholesの公式と2つの点で異なる。第1に、リスクに関して中立な評価が仮定されていない。第2に、VA,iの第1の項に指数項が付加されており、この指数項はリターン率raの割引値に対応する。この2つの変更により、実オプション値は、資産配分の状況により適したものになっている。
ポートフォリオの実オプション値を最大にする資産クラスへの利用可能な資金の配分は、最適化プログラムを用いて求めることができる。
Figure 2007524907
このプログラムは、上記のような信頼性の制約を受ける。
改善された資源配分システムの概観
前述した資源配分システムの改善されたバージョンの以下の概観は、その動作の概観から始まり、システム内の情報の流れの概観で継続し、システムのユーザ・インタフェースの概観で完了する。改善された資源配分システムは、資産ポートフォリオの信頼度について2つの尺度を使用する。第1の尺度は、「平均失敗期間」(MTTF)信頼度であり、第2の尺度は総利益信頼度である。改善されたシステムにおいて、MTTF信頼度は資産集合の信頼度を決定するために使用される。十分なMTTF信頼度を有する資産集合からなるポートフォリオは、次に、総利益信頼度の尺度に基づく制約を含んでよい制約を使用して最適化される。
資産の配分において、ユーザは、投資家のリスク選好、ショーティング(shorting)、レバレッジ(leverage)、資産クラス制約、最小投資閾値、およびダウンサイド制約に基づく現実世界の制約を考慮に入れて、流動性、データ信頼度、およびデータの非正規行動に関連づけられたプレミアムまたはディスカウントを説明しながら、アップサイド潜在力を最大にする最適ポートフォリオを考え出すことができる。オリジナルのシステムで使用された単一目的関数およびボラティリティ尺度の代わりに、改善されたシステムは、多数の目的関数およびボラティリティ尺度の中から選択することをユーザに許可する。
改善された資産配分システムは、更に、ロバスト最適化、即ち、データにおける固有の不確実性およびパラメータ推定における確率的変動を認識して、ポートフォリオ内の資産およびポートフォリオ自体の可能性領域に及ぶ包括的シナリオの集合に基づいてロバストで信頼できるポートフォリオを提供する最適化を組み込んでいる。
動作の概観:図2
図2のフローチャート201は、改善された資源配分システムのユーザがシステムをどのように使用するかの概観を与える。もし図2のフローチャート201が図1のフローチャート101と比較されるならば、改善されたシステムが多くのオプションをユーザに提供することが即座に分かるであろう。図1のシステムにおいて、ユーザはステップ105で資産クラスの集合を指定できるだけであった;その他のことは、全て資産クラスに関するシステム内の情報からシステムによって決定された。特に、利用できる目的関数はBlack-Scholes式だけであり、Black-Scholes式で使用できるボラティリティ尺度は期間Tにおけるポートフォリオ資産の標準偏差だけであった。更に、ポートフォリオ資産のウエートの最適化には単一の制約を使用できるだけであり、その制約は総利益信頼度に基づく信頼度制約でなければならなかった。
図2で示されるように、対照的に、ステップ203から211は、最適化ステップ213のためにオプションの設定を含む。ステップ213は、図1のステップ107〜111に記載される動作と機能的に対応する動作を実行する。ステップ203において、ユーザは、ポートフォリオ資産の実質オプション値を計算する多数の式から選択することができ、ポートフォリオ上の税金効果についてパラメータを入力することができ、計算でリスクをどのように定義するかを選択することができる。ステップ205において、ユーザは最適化のための投資期間、所望最小利益、ポートフォリオに望まれる信頼水準、および投資期間上の期待平均無リスク金利を選択することができる。
ステップ207において、ユーザは、前に定義されたポートフォリオを最適化のために指定することができるか、最適化されるポートフォリオの中に含められる資産を選択することができる。ステップ209において、ユーザは、改善されたシステムの新しい能力を使用して、選択されたポートフォリオの様々な局面を分析することができる。この分析の中には、ポートフォリオ資産からの利益を集積する(これは全体としてのポートフォリオのリスクを増加する)ためのポートフォリオ分析、ポートフォリオ資産の相関行列の分析、およびポートフォリオ資産利益の平均失敗期間(MTTF)信頼度の分析が含まれる。
ステップ211は、ユーザが、ステップ209でポートフォリオに選択された資産の初期、最大、および最小の配分を指定し、またポートフォリオ内の資産によって満たされなければならない一つまたは複数の制約を指定することを許可する。これらの制約は、後で詳細に説明される。最後に、ステップ213は、ステップ205で選択されたパラメータを使用し、ステップ207および209で選択されたポートフォリオ上で、ステップ211で指定された配分および制約を使用して、ステップ203で選択された最適化を行う。所与の最適化について、ユーザは、ステップ203〜211でセットアップされた入力構成を保存し、その入力構成を更なる最適化の基礎として使用してよい。一般的に、ユーザがステップ203〜211で入力するものは、前に構成されたもの、および現在の環境で要求されるものに依存する。
改善された資源配分システムにおける情報フローの概観:図3
図3は、改善された資源配分システムにおける情報フローの概観を提供するブロック図301である。情報は、信頼度決定エンジン323で受け取られる。エンジン323は、ポートフォリオの所望信頼度に要求されるように、ポートフォリオ資産を配分する。改善された資源配分システムにおいて、信頼度決定エンジン323は2つの信頼度決定エンジンを含む;即ち、USSN 10/018,696で説明された一般的方法で最適化する基本信頼度決定エンジン325、およびユーザによって提供されたシナリオに従って最適化するロバスト信頼度決定エンジン327である。後で説明するように、ロバスト最適化の使用によって、最適化されるポートフォリオを計算するために使用される入力パラメータの確率的変動に対する最適化ポートフォリオの感度を決定することが可能になる。基本RDE 325を使用して最適化されたポートフォリオは、更にロバスト最適化を使用して微調整されることができる。または、最初からロバスト最適化を使用することができる。シナリオは、ユーザによって直接指定されるか、ユーザによる選択に応答してシステムによって自動的に生成されることが可能である。
ユーザからRDEへ提供される入力は、303、311、329および331で示される。入力329および331は双方の信頼度エンジンへ適用されてよい。入力303は基本RDE 325へ適用され、入力311はロバストRDE 327へ適用される。入力は一般的に2つのクラスへ入る;即ち、RDE 329がその計算をどのように実行するかを決定する入力、および最適化へ適用される制約を記述する入力である。入力305および329は前者のクラスに属し;入力307、313、317および331は後者に属する。これら入力の全ては、以下で詳細に説明されるであろう。オプションの信頼度MTTF制約321は、ユーザが、選択された資産を有するポートフォリオが所望MTTF信頼度を有するかどうかに従って、ポートフォリオ内の資産を選択することを可能にする。もしMTTF信頼度が、所望される信頼度でなければ、ポートフォリオの最適化は行われず、ユーザは異なった資産をポートフォリオのために選択する。
改善された資源配分システムのユーザ・インタフェースの概観:図4、図6〜図7、図13
改善された資源配分システムのトップレベル・ユーザ・インタフェースは、図4に示される。それは典型的なウィンドウ型ユーザ・インタフェースである。ユーザ・インタフェースのトップ・レベル・ウィンドウ401は、4つの主な部分を有する。資産ポートフォリオまたは基準ポートフォリオを選択するユーザが使用するポートフォリオ選択部分402、部分402でユーザが選択した資産ポートフォリオの最適化パラメータを提供する最適化部分404、および406のポートフォリオ分析ツールがある。最後に、モジュール選択部分408は、改善された資産配分システムをコンポーネントとして含む資産管理システムの他のモジュールの選択を可能にする。これらモジュールの中で、現在の文脈で重要なものは、資産および資産情報にアクセスする資産モジュール、および資産集合の詳細な行動分析を可能にするProfiler(商標)モジュールである。Profilerは、2002年2月5日に出願されたPCT特許出願、PCT/US02/03472, Hunter, System for facilitation of selection of investmentsの主題である。
ポートフォリオ選択部分402から始めると、ユーザは、最適化される資産集合の資産データが取られる期間を415で選択する。ユーザは、ポートフォリオを指定する方法を416で選択することができる;即ち、資産417またはベンチマーク419のリストから選択するか、ユーザのクライアントによって注文されたポートフォリオのリストから選択するか、指名されたポートフォリオのリストから選択する。ポートフォリオの名前は、改善された資源配分システムによって自動的に生成される。命名規約は、[クライアントのイニシャル]_[日付]_[期間]_[目標利益]_[ショートの追加制約]である。419で基準のリストが示され、その基準からポートフォリオが形成されてよい。即ち、基準の左にあるボックスをチェックすることによって、基準がポートフォリオへ追加される。
一度、ポートフォリオが選択されると、406のツールを使用してポートフォリオを分析することができる。入力分析ツール403は、ユーザが、分析されている資産集合の詳細分析を行うことを可能にする。好ましい態様において、利用可能な詳細分析の種類は、集合内の資産の利益および標準偏差の極値、利益および標準偏差の極限日付、資産集合の相関行列内の極値、および相関行列の極限日付を含む。視覚化ツール405は、ユーザがポートフォリオについて多変量正規分布の集積を視覚化することを可能にする。相関行列ツール409は、ユーザがポートフォリオについて相関行列を見ることを可能にする。信頼度ツール411は、ユーザがポートフォリオについてMTTF信頼度を計算することを可能にする。目的関数選択ツール413は、ユーザが多数の目的関数の1つを選択することを可能にする。選択された関数は最適化で使用される。これら関数の1つが選択された後、更なるユーザ入力が必要な場合、関数を選択すると、更なるユーザ入力のためのウィンドウが出現する。これは図6で示される。図6は、入力分析ツール403が選択されたときに生じる表示601を示す。ウィンドウ603が現れて、ユーザは所望の分析の種類を605で選択する。選択された関数の結果は他のウィンドウに現れる。図7の表示701は、グラフ705を含むウィンドウ703を示す。ウィンドウ703は、ポートフォリオについて多変量正規分布における利益の集積を示す。ウィンドウは、ユーザが視覚化ツール405をクリックしたときに現れる。
ユーザは、最適化を行うために必要な追加情報を最適化部分404で提供する。最適化部分404は2つの主な部分を有する。即ち、資産およびパラメータ421は、ユーザが投資期間、無リスク金利、ダウンサイド・リスク・オプション、利益が課税されるか否か、課税されるとすれば税率、および最適化が実行されている勘定について勘定情報からの自動税率抽出を指定することを可能にする。ユーザが資産およびパラメータ・タブ421をクリックしたときに現れるインタフェース1301が、図13で示される。1303では、ユーザは、最適化が実行されている投資期間の間に期待される利益の無リスク金利を指定する。1305では、ユーザは、投資期間、即ち最適化が実行されている期間を指定する。1307では、ユーザは、最適化が行われている勘定の税金情報を入力する。利益が課税されるかどうか、勘定の税率が長期収益に対するものか、短期収益に対するものか、配当に対するものかが含まれる。1309では、ユーザは、ダウンサイド・リスクを数量化する3つのモードの1つを選択する。即ち、ダウンサイド・リスクが全ての資産について均一に-10%であるかどうか、標準偏差に基づくかどうか、または資産の最悪年間ローリング利益に基づくかどうかである。1311では、ポートフォリオを作り上げている資産および資産利益に関する統計値がリストされる。最右欄のチェックボックスは、資産利益が課税されるかどうかをユーザが指示することを可能にする。
最適化部分423は、ユーザが、最適化への制約、例えばポートフォリオの目標利益を425で入力し、ポートフォリオが目標利益を提供する信頼水準を426で入力し、追加の制約を427で入力することを可能にする。429では、ユーザは、ロバスト最適化を行う目的関数を選択したときに使用するロバスト最適化シナリオを入力してよい。431には、ポートフォリオ内の資産のリストが存在する。リストを使用して、ユーザは、ポートフォリオ内の各々の資産について最大、最小、および初期配分を含む配分制約を指定することができ、更に、資産が「ショート」、即ち有志の貸し手から借用され、価格Aで売られ、望ましくはAよりも低い価格Bで買われ、貸し手へ戻されるかどうかを指示することができる。ショート資産は貸し手の「所有」であるから、ポートフォリオのショート資産最小配分は負である。
一度、最適化に必要な全ての情報が入力されると、ユーザは最適化実行ボタン433をクリックして、最適化を開始する。資産配分システムは、最適化されたポートフォリオを生成するまで実行する。最適化されたポートフォリオは、可能な範囲まで、ユーザによって指定された制約に適合している。図9は、最適化の結果を有するグラフィカル・ユーザ・インタフェース901を示す。最適化結果ウィンドウ903は3つの主な部分を有する。ポートフォリオ内の資産リスト909は、各々の資産の最適ウエートを有する。資産の幾つかについて、最適ウエートは0であることに注意されたい。905には、最適化で使用されるパラメータがリストされ、907には、ポートフォリオ最適化の結果が全体として示される。結果の中で特に関心対象のものは、後で説明する不確実性クッション(uncertainty cushion)および異常損失メルトダウン・シナリオ(catastrophic meltdown scenario)、および或る範囲の異なった利益率についての信頼水準のリストである。
最適化されたポートフォリオを保存する価値があるとユーザが思うならば、ユーザは実行保存ボタン435を押す。ボタン435は、実行から生じた最適化ポートフォリオ、およびそれを作るために使用された情報を保存する。最適化ポートフォリオは、更に、改善された資源配分システムを使用して分析可能である。例えば、一度、基本RDE 325を使用して満足的な最適化ポートフォリオが得られると、関心対象のシナリオおよびそれらの確率を指定することができ、ロバスト最適化で最適化ポートフォリオをシナリオとして使用することができる。ポートフォリオ資産またはポートフォリオの資産ウエートを変更すべきかどうかを決定するため、資産の利益および/またはリスクに関する最新データを使用して、保存されたポートフォリオをMTTF分析または再最適化へ定期的に供することができる。
MTTF信頼可能資産の集合を選択する
定義および仮定
以下の説明は、次の定義および仮定を使用する。
資産の定義
最初、資産Aは、正規分布に従う利益を有する実在として単純に定義される。したがって、各々の資産は、その平均および分散によって表される。これは、ファイナンス理論における幾つかの技術の基本的仮定であり、Black-Scholesオプション評価技術で使用される仮定に必要であって、それと調和している。以下の理論的説明において、これは本発明者らが資産の性質について行う唯一の仮定である。
資産の利益に関する仮定
本発明者らは、最初、資産の利益
Figure 2007524907
が正規分布する確率変数であると仮定する。
Figure 2007524907
この仮定は全ての資産に妥当とは言えないかもしれないが、3〜4年より多い経歴を有する資産については、資産利益の分布は疑似正規であることが分かる。
正規分布は、2つのパラメータ、即ち、平均および分散によって完全に記述可能な特性を有する。これらのパラメータは、それぞれ資産利益分布の第1および第2のモーメントである。確率変数が、相互に独立した多くの影響を受けるとき、確率変数は正規分布に従って分布する。確率超過程は完全に対称、即ち、確率の-50%は平均より上にある。正規分布では、(m-s)および(m+s)の制限の中にある確率変数の確率は68.27%であり、(m-2s)および(m+2s)の中にある確率は95.45%である。
ポートフォリオの信頼度を測定する
USSN 10/018,696において、ウエートされた資産のポートフォリオの信頼度は、ポートフォリオが所望の最小利益rMINを生じる確率に関して測定された。ポートフォリオが最適化されたとき、ポートフォリオが最適化されたときの制約は、rMINが所与の最小利益を生じる確率がaより大きくなることであった。以下で、信頼度のこの尺度は総利益信頼度と呼ばれる。改善された資産配分システムにおいて、信頼度の追加尺度が使用される。即ち、平均失敗期間(MTTF)信頼度である。資産集合のMTTF信頼度は、所与の期間の間に、集合内の一つまたは複数の資産が、資産について所望される最小利益を提供しない確率である。
ここで注意すべきは、資産集合のMTTF信頼度が、集合内の資産のウエートから独立しており、したがって図3の321で示されるように、ポートフォリオを作り上げている資産集合の選択を確認するため、ポートフォリオを最適化する前に使用できることである。改善された資産配分システムの重要な特徴は、RDEオプティマイザ(optimizer)323に加えて、そのような選択バリデータ(validator)321を含むことである。以下の説明は、資産集合のMTTF信頼度がどのように計算されるか、その計算が、改善された資産配分システムの中でどのように使用されるかを示す。総利益信頼度は、最適化に使用される他の制約と一緒に詳細に説明される。
本発明者らは、ポートフォリオの多変量正規分布をどのように使用して、ポートフォリオ内の各々の資産が資産上の所望最小利益を達成、即ち満足させる確率を決定できるかを示すことによって、MTTF信頼度の説明を始めることにする。
多変量正規分布を使用して、資産が達成する確率を決定する:図5
そのような資産A、B、C...Nの母集団をUとする。
Figure 2007524907
となる。
ポートフォリオ利益に関連づけられた確率変数を
Figure 2007524907
とすれば、
ポートフォリオ利益の平均は
Figure 2007524907
となり、
ポートフォリオ利益の分散は
Figure 2007524907
となる。
したがって、多変量正規分布は、次によって与えられる。
Figure 2007524907
Figure 2007524907
はポートフォリオ利益のランダムなベクトルである。
Figure 2007524907
はN個の確率変数の関数であって、各々の確率変数は正規分布に従うから、
Figure 2007524907
は多変量正規分布に従う。
多変量正規分布の構築の正当性は、次のとおりである。可能な資産の母集団Uから、追加の制約を置きたい資産の部分集合Q(Q⊆U)を識別する。或る投資家が、Qに属する各々の資産Aについて、その資産の利益が閾値最小利益rmin,Aより上であることを要求するものと考える。Q内の資産利益は一緒になって正規分布を示すから、この事象が起こる確率を事前に計算することができる。
Qが単一の資産Xを含むとき、この制約を例証することは容易である。示されたように、選択された資産Xは、平均μxおよび分散σx 2を有する正規分布の利益
Figure 2007524907
を有する。Uの中の任意の他の資産に制約はない。したがって、考慮すべき唯一の関連資産利益分布は資産利益
Figure 2007524907
の分布であり、これは図5で示される。利益は正規分布であるから、それらは鐘形曲線503を形成する。線505は最小所望利益を示す。
Figure 2007524907

Figure 2007524907
を超える確率は陰影部分507の区域によって表される。陰影部分507によって表された確率を確率pと呼ぶことにする。要素の確率はpの値を与える。それは単にrmin,Xで資産Xの累積分布に関連づけられた値である
Figure 2007524907
である。
ここで、この後では実質オプション値資産配分システムと呼ばれる資産配分システム、例えば、本明細書で開示されるシステムおよびUSSN 10/018,696で開示されるシステムでこの計算の重要性を理解するため、本発明者らの投資家へ戻ることにする。最も単純なレベルにおいて、pは、まさしく、資産Xの最小利益を超える資産利益の確率であるとして定義されたものである。しかし、この同じ数は他の意味を有する。実質オプション値資産配分システムにおいて、pは、更に、資産Xで引き出された実質オプションがオプション期間の終わりに「イン・ザ・マネー」確率を与える。この確率は重要である。なぜなら、実質オプション値資産配分システムは、資産の利益がその資産の最小利益と等しいか超過する世界の将来の状態を評価するだけだからである。言い換えれば、実質オプション値資産配分システムは、「イン・ザ・マネー」となるオプションを援助し、それによってアップサイド潜在力を最大にするからである。資産が最小より下を達成する世界の将来の状態は評価されず、最適化の間に使用される資産ウエートに寄与しない。
したがって、資産Xの投資が「達成」するか「イン・ザ・マネー」となる確率は、或る値を実質オプション値資産配分システムのユーザに与え、この値は最適化で使用される資産ウエートを確認するために使用可能である。後で分かるように、その値は、資産集合について信頼尺度を構築するためにも使用可能である。
直感を作り上げるため、この例をQ={X,Y}の場合に拡張することにするが、
Figure 2007524907
が相関せず、したがって独立である起こりそうもないシナリオへ限定することにする。双方の資産利益について最小利益規準が満たされる確率は、式
Figure 2007524907
によって与えられる。
Figure 2007524907
は独立であるから、条件つき確率式
Figure 2007524907
は簡単な式
Figure 2007524907
へ縮小する。こうして、双方の資産利益について最小利益規準が満たされる確率は式
Figure 2007524907
によって与えられる。これは最初の例で引き出された式に類似する。
残念ながら、この解の簡潔さは、資産利益間の独立性の非現実的仮定に基づいている。一般的な場合、資産利益間の相関は有意であり、このように相関を無視してはならない。
U={A,B,C...M}が資産利益の相関を有し、
Figure 2007524907
とする。
一般的な場合、
Figure 2007524907
上記の方程式において、
Figure 2007524907
は多変量正規分布の確率密度関数である。したがって、pは、選択された資産の各々が投資期間中に所望最小利益を満たす確率である。正規分布するこれら資産の各々は相関しているから、全体としてのポートフォリオ利益は、多変量正規分布に従う。したがって、選択された集合内の各々の資産が「達成」する、即ちその資産の所望最小利益を満たす確率は、所望最小利益で評価されたポートフォリオ利益の多変量累積分布に関連づけられた値、即ち上記の方程式でpによって与えられた値である。
pを使用してポートフォリオのMTTF信頼度を計算する
pを使用して、資産ポートフォリオのMTTF信頼度を計算することができる。正規性の仮定のもとで、事前確率分布
Figure 2007524907
は図5で示されるような正規分布である。陰影区域507は、
Figure 2007524907
が最小利益を超過する領域を与える。区域507は、更に、最小利益制約が満たされる全ての可能な将来の結果の数として解釈されてよい。目的関数は、資産オプションの権利行使価格が最小利益である仮定の下で、ポートフォリオ資産へウエートを割り当てるから、区域507は、目的関数の構築が正確である将来の結果のトータル数に比例する。この数をn(T)とする。ここで、n0(T)は、可能な将来の結果のトータル数を示す。この場合、目的関数の信頼度は
Figure 2007524907
へ低減する。
このために、pは、目的関数の信頼尺度でもある。バリデータ321は、所与の資産集合および所与の期間についてpを決定する。pは、資産の各々が所与の期間で達成する確率であり、ポートフォリオの所与の期間の平均失敗期間信頼度(MTTF)は、一つまたは複数の資産が所与の期間中に達成しない確率であるから、
MTTF=1-p
バリデータ321を使用してポートフォリオ資産を選択する
バリデータ321は次のように働く。即ち、ユーザはグラフィカル・ユーザ・インタフェースの選択部分402を使用して資産集合を選択し、次にMTTFツール・ボタン411をクリックする。資産配分システムは、これらの入力に応答して資産集合のMTTF信頼度を計算する。集合の信頼度は1-pであり、その式の値はボタン411上のパーセンテージとして現れる。現れる場所は、図4に存在する疑問符の場所である。例えば、もしpが値0を有するならば、100%がボタン411上に現れる。
資産自体の選択を最適化する努力が行われた。そのアイデアは、最適MTTF信頼度を有する資産集合を提供し、次に、その集合または資産から作り上げられたポートフォリオ内で資産のウエートを最適化することであった。しかし、MTTF信頼度の最適化は指数的な実行時間を有する。例えば、選択するn個の資産があるとする。これらのn個の資産の可能な集合の数は2nである。更に、これらは離散的状態であるから、これらの集合を詳細に考察して最適集合を得る知的な方法を案出することはできない。MTTF信頼度を最適化する実行時間が指数的であるとすれば、配分でユーザに資産を選択させ、選択された集合のMTTF信頼度をシステムに決定させることがはるかに効率的である。一度、ユーザが資産集合のMTTF信頼度に満足すれば、ユーザはユーザ・インタフェースの最適化部分404を使用して、満足的なMTTF信頼度を有する集合から作り上げられたポートフォリオの資産のウエートを最適化する。
ロバスト最適化
緒言
基本信頼度決定エンジン325によって達成される最適化において、最適化は次の特徴を有する;
・ 資産ポートフォリオの実質オプション値は、非線形信頼度、各々の資産の上限および下限、資産の線形結合の上限および下限、ショーティングのあるなし、およびレバレッジのあるなしの制約を受けて最大化される。
・ 目的関数および制約は、ヒストリカル資産利益によって提供された平均および共分散を使用して計算される。
この種の最適化の必要な制限は、これらの平均および共分散がヒストリカルであることである。それらは比較的長い期間にわたって資産のヒストリカル行動を記述し、それらの性質によって、危機時の資産の行動を記述することができない。例えば、平常時には広範囲のインデックスおよび相互との低い相関を有する資産が、危機時には高度に相関することが知られている。更に、危機時は、通常、重大な流動性逼迫に関連づけられ、その逼迫は、全ての資産相関が1へ向かって急速に成長するときに起こる。
ロバスト最適化は、資産または資産集合のヒストリカル・トレンドが将来へ継続するかどうか確かでない事実を処理する。ロバスト最適化は、その起源を制御システム・エンジニアリングに有する。ロバスト最適化の目的は、或るシステムの中で最適解に到達するとき、入力パラメータの平均値推定に存在する固有の不確実性を考慮に入れることである。前記の或るシステムは、本発明者らの場合、非線形方程式の集合によって定義される。標準的最適化プログラムが個々のパラメータを入力として取る場合、ロバスト最適化プログラムは、入力パラメータの中心傾向の或る尺度、およびその尺度から実際の入力パラメータが変動する確率変動の記述を期待する。RDE 323によって行われる最適化の文脈において、このアプローチは、最適化のパラメータとして役立つ平均、標準偏差、および相関へ適用される。したがって、ロバストRDE 327によって実行される最適化では、追加の入力が加えられる。即ち、利益分布を記述する平均、標準偏差、および相関パラメータに関連づけられた確率変動の尺度である。もちろん、RDE 325によって実行される基本最適化と同じ制約を、RDE 327によって実行されるロバスト最適化で使用することができる。
信頼度およびロバストネスの概念は、相互に直交していることに注意することが重要である。RDE 323の文脈において、信頼度は、構築された目的関数の有効性へのチェックであり、ロバストネスは入力パラメータの確率変動に対する最適化出力の感度の尺度である。
改善された資源配分システムにおけるロバスト最適化の詳細
ロバスト最適化のシナリオ
ロバストRDE 327は、可能な極端シナリオの集合に基づいて資産集合のロバスト最適化を実行する。各々のシナリオは、資産集合について、平均利益μおよび共分散行列Σを使用して記述される。極端シナリオの各々は、更に、シナリオ生起の確率を含む。ロバストRDE 327は、シナリオの集合について資産ポートフォリオの最悪事態実質オプション値を最大化する。各々のシナリオは所与の生起確率を有する。RDE 327によって実行されるロバスト最適化の目的関数は:
Figure 2007524907
ここでviおよびxiは、それぞれ、調整された実質オプション値および資産iへの配分であり、集合
Figure 2007524907
は独立シナリオのトータル数であるシナリオ1からkを含み、共分散行列Σは半正値であって2つの確率変動制約に従って限界を定められる:
Figure 2007524907
および
Figure 2007524907
ここで、資産の平均利益の推定および共分散行列の元は、それぞれ平均および共分散の確率変動によって与えられる2つの極値の間にある。
上記の最適化問題は全体的に凸であり、RDE 327は、この問題を、SIAM Review(38(1):49-45, March 1996)の中でL. Vandenberghe and S. Boydによって説明される円錐凸プログラミングの技術およびアルゴリズム、ならびに2004年6月現在で入手可能なS. Boydのwww.stanford.edu/〜boyd/SOCP.htmlの凸SCONEプログラミング・ソフトウェアを使用して解決する。
シナリオを定義するインタフェース:図8
好ましい態様において、ユーザは特定の資産集合についてシナリオを定義する。ユーザは次のようにシナリオの特性を指定することができる:
・ シナリオの所望のパフォーマンス;
・ シナリオの生起確率;
・ シナリオのダウンサイド・リスク;および
・ 資産間の相関の計算方法
図8は、これを行うユーザ・インタフェース801を示す。ユーザが「ロバスト最適化シナリオ入力」ボタン429をクリックすると、803で示されるウィンドウの集合が現れる。805には、シナリオのドロップダウン・リスト、フィールド806で現在定義されているシナリオの名前、ユーザがシナリオを追加し、フィールド806のシナリオが適用される資産を更新し、そのシナリオを削除することを可能にするシナリオ編集ボタンの集合が見える。ボックス806で指定されたシナリオの資産はリスト815で示される。
ウィンドウ807、815、および817は、フィールド806の名前を有するシナリオの最新情報を含む。809のフィールドは、ユーザが、無リスク金利、投資期間、所望のポートフォリオ利益、資産間の相関、およびポートフォリオの所望の信頼水準を含むシナリオ仮定を指定することを可能にする。810で、ユーザはシナリオの確率を入力する。ユーザは811のボタンを使用して、オプティマイザが計算で使用するダウンサイド・リスクを選択し、811のボタンを使用して、計算で使用される相関行列の値の源を選択する。
相関計算ボタン813は、好ましい態様において、次のタイプのシナリオの定義を可能にする。
1)資産間の平均および共分散が、ヒストリカル・データから計算されたパラメータと等しいシナリオ。このシナリオは、基本RDEエンジン325によって行われた最適化に対応するものである。
2)共分散行列が資産利益の異常値から推定されるシナリオ。これは、フルサンプルから推定された共分散行列よりも、市場混乱時の「真の」ポートフォリオ・リスクを特性化する。
ユーザは、全てまたは幾つかの資産間の相関が1になる自分自身のシナリオをセットアップしてよい。即ち、資産集合の相関行列へそのような相関を入力することによって、資産は高度に相関される(平均利益は、ヒストリカル平均利益に等しいと仮定されてよい)。他のタイプのシナリオについて平均および共分散を処理する能力は、ロバストRDE 327へ組み込まれてよい。
他のシナリオ・タイプの1つの例は、次のとおりである。即ち、もし幾つかの資産について平均/共分散行列を予測できれば、そのような予測の各々の集合は、可能性としてシナリオを構成する。趨勢、市場周期、市場成長率、財務指標、典型的信用拡張などに基づく利益の予測は、特定資産の無リスク金利、引き出しなどの予測と同じように、シナリオで使用することができる。予測は外部予測レポートから得ることができる。
ロバスト・オプティマイザが最適化しているシナリオで平均および共分散の異なった源を使用することに加えて、シナリオの異なったもので異なった目的関数を使用することもできる。特定のシナリオで使用される目的関数は、そのシナリオの特異性に最良に適したものである。
ポートフォリオについて定義された全てのシナリオのために、資産ポートフォリオの最悪事態実質オプション値を最大化することは、全てのアプリケーションに適しているとは言えないかもしれない。これが該当する1つの状況は、一つまたは複数のシナリオが非常に小さい生起確率を有する場合である。他のそのような状況は、ポートフォリオのために定義されたシナリオが、相互に排他的なシナリオまたは近排他的なシナリオを含むときである。これを処理するため、定義されたシナリオを相互排他的または近相互排他的なシナリオの集合へ分割し、集合内のシナリオの各々について生起確率を指定することができる。ロバスト目的関数は、選択された集合のシナリオの生起確率に基づいて最大化することができる。
異常値を使用するシナリオ生成
相関計算区域813内のボタンは、ユーザが、ヒストリカル利益データ内の異常値を、ポートフォリオ相関行列の源として指定することを可能にする。ロバストRDE 327は、次のように異常値相関行列を相関する。
RDE 323の好ましい態様において、相関行列は、通常、75%の「カットオフ」を使用して計算される。これは、もし利益の集合がn次楕円内のカットオフ点を超えるならば、それは異常値として処理されることを意味する。相関行列の計算に使用される利益の集合は、n次楕円集合
Figure 2007524907
として定義される。ここでnはポートフォリオ内の資産の数を示し、kはn個の資産に利用可能な共通データ点の数を示す。
異常値相関行列が計算されているとき、「カットオフ」は合成尺度ζを計算するために使用される。この尺度は、カットオフ値およびnの自由度によって特徴づけられるカイ二乗分布に関連づけられた逆カイ二乗値である。ここで、nは資産の数である。異常値相関行列は、kのデータ点の部分集合Sに基づいて構築される。
S=rS{r1,r2,...,rn}s.t.dt(rS)≧ζ、ここでdtは次のように与えられる。
dt=(rk-μ)T・Σ-1・(rk-μ)
rk{r1,r2,...,rn}∈R、Σは所与のシナリオの共分散行列であり、μは資産の平均利益の推定ベクトルである。分かるように、S⊂R、即ちSはRの部分集合である。
ロバスト最適化の実行
好ましい態様において、ユーザは、最適化のために目的関数を選択するとき、ロバスト最適化または基本最適化を選択する。これを行うユーザ・インタフェースは、以下で説明する図10で示される。
改善された資源配分システムで使用される制約
総利益信頼度の制約
この制約は、USSN 10/018,696のシステムと同じように、改善された資源配分システムで使用される。それは基本RDE 325によって行われる全ての最適化で使用され、ロバスト最適化でシナリオを定義するために使用されてよい相関計算の1つである。
この制約の式は次のように引き出される。配分ベクトル
Figure 2007524907
を考える。ここで、xAは資産Aに投資されたポートフォリオの割合である。
もし
Figure 2007524907
がウエート
Figure 2007524907
を有するポートフォリオ配分の利益であれば、
Figure 2007524907
もしポートフォリオが所望の最小利益rMINを生じる確率が所望の信頼水準αよりも大きいという制約を置くならば、
Figure 2007524907
したがって
Figure 2007524907
総利益信頼度の制約は、「ポートフォリオの利益」が「ポートフォリオの最小所望利益」を超過する確率が、信頼水準αよりも大きいことを確実にする。もしその信頼水準が、ポートフォリオの所望最小利益のために選択された資産集合によって達成可能でないならば、RDE 323は所与の所望最小ポートフォリオ利益について選択された集合によって達成可能なピーク信頼の周りで約5%区間を最適化する。
制約を定義するユーザ・インタフェース:図4
図4は、431の総利益信頼度制約以外の制約を定義する好ましい態様で使用されるユーザ・インタフェースを示す。各々の資産は、そこで示される表の中に行を有し、行の中の列は、以下で詳細に説明される制約の定義を可能にする。
ユーザが定義する制約の詳細
資産のショーティングおよびレバレッジを可能にする制約
RDEは、その最も基本的最適化バージョンにおいて、レバレッジまたはショーティングを想定しない。これはポートフォリオ内の全ての資産のウエートが全て非負であって、合計が1であることを意味する。
ショーティングなし 0≦xi≦1
レバレッジなし Σ(xi)=1
しかし、RDEの先進バージョンはショーティングおよびレバレッジの双方を許可する。
ショーティング
ショーティングが許可されるとき、資産の最小配分は負になるかもしれない。最適化アルゴリズムにおける前の非負制約は、ショート・ポジションを取ることが可能または望ましい任意の資産について緩和される。したがって、ポートフォリオ内の資産のウエートは、次の範囲にある。
s≦xi≦l
ここで、sおよびlは負、正、またはゼロであることができる。典型的には、sは-1未満でなく、lは+1よりも大きくないが、理論的には、それらは-1および1を超える値を取ることができる。
更に、ショート資産については、実質オプション値は、資産の平均利益の負、およびロング資産と同じ標準偏差を使用して計算されてよい。しかし、ショート資産のダウンサイド・リスクを評価する間、ロング資産の最良達成1年ローリング期間を、ショート資産の最悪可能ダウンサイドの基準として考えなければならない。または、最大年間底・ピーク(maximum annualized trough to peak)アプローチをダウンサイド尺度として使用することができる。
レバレッジ
レバレッジが許可されるとき、資産配分の合計は1、即ち100%を超えることができる。ポートフォリオ資産のウエートに関するΣ(xi)=1の制約は、もはや有効でない。その代わりに、配分の合計の最大値は、許可されるレバレッジによって支配される。
S≦Σ(xi)≦L
ここで、SおよびLは、ショート側およびロング側で許可される最大レバレッジによって決定される。
例えば、もし最大許可レバレッジが2Xまたは200%であれば、Lは2の値を取る。ポートフォリオが純ショートであることを望まない場合、Sはゼロの値を取る。更に、もし最大許可1.5Xレバレッジと共に少なくとも30%の純ロングでなければならないとすれば、S=0.3およびL=1.5となる。
複数の資産制約
資産のグループに限定を指定する制約も、RDE 323で使用されてよい。例えば、ユーザは、ポートフォリオ内の特定資産の合計が、必要な最小または許容最大値を有するという制約を指定することができる。任意数のそのような制約が最適化に付加されてよく、これは特定のアプリケーションで実現できる実用的ポートフォリオへの到達を可能にする。
更に、もし証券/資産のショート売りを許可すれば、1つの資産のショート売りによって累積された資源を、他の資産の買いに使用することができる。それによって、ショート売りされた資産のウエートは負となり、幾つかの他の資産のウエートは1よりも大きくなる。前のセクションで説明したように、レバレッジを許可するとき、類似の状況が起こる。
最小配分閾値の制約
幾つかの資産は、指定されたドル金額より下の配分を許容できないものにする最小投資閾値を有する。これは、(非線形最適化からの)最適配分が、資産への最小許容ドル投資に等しい最小閾値よりも小さいとき、値ゼロを取るバイナリ変数としてモデル化される。そのようなアプローチは、混合整数非線形プログラミングの領域へ最適化を押し込む。その場合、整数変数への限界締め付けによって多数の緩和MINLP問題を解く分岐・限界アプローチが使用される。基礎にあるMINLPモデルは凸であるから、緩和されたサブモデルは目的関数に有効な限界を提供してグローバル最適値へ集束させ、所与の資産集合について最小配分閾値を説明する配分を与える。
複数のα制約でポートフォリオ利益信頼度をモデル化する
総利益信頼度の制約は、最小所望利益を超過するポートフォリオ利益の確率が、指定された信頼水準αよりも大きいことを確実にする。しかし、多数のポートフォリオ信頼制約を使用して、投資家の完全なリスク選好プロフィールをモデル化することも可能である。例えば、もし或る投資家が、8%よりも低い利益に耐えることはできないが、12%を超える利益を生じる確率が60%のポートフォリオに満足するならば、2つの利益信頼度制約を使用して、このリスク回避をモデル化することができる:
- 最小8%の利益の確率は非常に高くなければならない、例えば99%
- 最小12%の利益の確率は60%でなければならない。
最適化において、最適解へ少しずつ進む間に、本発明者らは、最も制限的な利益信頼度制約が全ての繰り返しで考慮されることを確実にする。最も制限的な制約は、指定された利益信頼度制約の値を各々の繰り返しで比較することによって計算される。したがって、最も制限的な制約は、1つの繰り返しから他の繰り返しへ変化するかもしれない。一度、最も制限的な制約が満たされると、全ての他の信頼制約は、満たされたかどうかをチェックするため再計算される。これは、別個の制約関数としてMatlabでコード化される。最適化は各々の繰り返しで制約の間を前後に移動し、最も制限的な制約を変更するが、最適解の方へ遅々として進み、全てのこれらの信頼制約を満足させる。
Catastrophic Meltdown Scenario(商標)およびUncertainty Cushion(商標)の制約
RDE 323は、ポートフォリオのダウンサイド・リスクを評価する新規なリスク尺度を使用する。Catastrophic Meltdown Scenario(商標)またはCMSは、最悪1年ローリング利益に基づく各々のマネージャからのウエートおよび合計された最悪資金引き出しである。Uncertainty Cushion(商標)またはUCは、ポートフォリオの期待パフォーマンスの尺度を提供する。UCは、ポートフォリオの平均利益から、その標準偏差の3倍をマイナスしたものとして定義される。ポートフォリオの目標利益がUncertainty Cushion(商標)よりも小さくなる確率は0.5%である。
RDE 323は、更に、これらのリスク尺度を最適化制約として使用することを可能にする。例えば、主要市場の異常損失事象においても10%の損失に耐えられないリスク回避投資家のために、CMSが-10%より大きく、および/または不確実性クッションが-10%よりも大きい追加制約を有するポートフォリオを案出することができる。
CMSの制約は、次のように書くことができる線形制約である:
Figure 2007524907
ここで、Diは資産iの最悪1年資金引き出しを示す。
不確実性クッションの制約は、次によって与えられる非線形制約である:
μP-3σP≧UC
ここで、μPおよびσPは、それぞれポートフォリオについて計算された平均および標準偏差である。
改善された資源配分システムで使用される目的関数:図10
USSN 10/018,696で説明された資源配分システムにおいて、最適化で使用できる唯一の目的関数はBlack-Scholes式であり、Black-Scholes式で使用できる唯一のボラティリティ関数は標準偏差であった。改善された資源配分システムは、ユーザが、多数の異なった目的関数を選択し、選択した目的関数を資産利益の非正規分布に調整し、Black-Scholes式で使用されるボラティリティ関数を多数の異なったボラティリティ関数から選択することを可能にする。目的関数を選択するグラフィカル・ユーザ・インタフェースは、図10の1001で示される。ユーザがボタン413をクリックするとき、ウィンドウ1003が現れる。ウィンドウ1003は、基本RDE 325およびロバストRDE 327で使用できる利用可能および現在選択可能な目的関数のリストを含む。ユーザは、リストから1つの目的関数を選択してよい。選択された目的関数に関する情報はウィンドウ1005に現れ、ボタン413上のラベルは現在選択された目的関数を示す。ウィンドウ1003のリストから分かるように、目的関数の選択はロバストまたは非ロバスト最適化の選択を含む。
目的関数
好ましい態様でサポートされる目的関数は次のとおりである。
Black-Scholes
基礎にある資産のボラティリティおよび最小利益ならびに投資期間は、最適化で使用される資産についてオプション値の集合を計算するために使用される。これらのオプション値は、グローバル目標ポートフォリオ利益によって課された信頼限界の内側で最適化するときの線形目的関数として使用される。このアプローチは、USSN 10/018,696で説明されたものである。
Sharpeレシオ
期待された利益、ボラティリティ、および相関は、グローバル・ポートフォリオ利益によって課された信頼限界内で、Sharpeレシオの古典的非線形最大化で使用される。
ローリングSortinoレシオ
各々の資産の期待利益および最小目標利益は、ウエートされた最小利益を超えるリスク調整ポートフォリオ利益を測定する非線形目的関数を案出するため、資産のボラティリティおよび相関と一緒に使用される。このアプローチは、「移動する」Sortino目標を有するSortinoレシオとして考えてよい。このアプローチは、公式的にはユーザ・インタフェース内の「Hunterエスティメータ(Estimator)」と呼ばれる。その場合、「Hunterエスティメータ」はローリングSortinoレシオを表す。このアプローチは、この後で説明するHunterレシオと混同されてはならない。
修正されたBlack-Scholes(ローリングSortinoレシオ)
古典的なBlack-Scholes方程式のボラティリティは、ローリングSortinoレシオまたは「Hunterエスティメータ」(期待利益と最小利益との差の資産ボラティリティに対する比)によって与えられる修正Black-Scholesボラティリティによって置換される。これは、線形目的関数内のウエートとして使用される修正Black-Scholesオプション値の集合を与える。
Hunterレシオ
最適化における各々の資産のHunterレシオが、(ローリングSharpeレシオの平均の、それらレシオの標準偏差に対する比として)計算され、グローバル目標ポートフォリオ利益によって課される信頼制約の限界内で動作する線形目的関数内のウエートとして使用される。
修正されたBlack-Scholes(Hunterレシオ)
古典的なBlack-Scholes方程式におけるボラティリティは、資産/マネージャのHunterレシオによって与えられる修正Black-Scholesボラティリティによって置換される。これは、線形目的関数内のウエートとして使用される修正Black-Scholesオプション値の集合を与える。
目的関数への調整
改善された資産配分システムは、資産利益の分布に影響を与える特別状況を処理するため、目的関数への多くの調整を可能にする。これらの非正規分布の中には、資産の流動性の程度の効果、利益データの信頼度、および資産の税金感応度がある。
利益の非正規性の調整
好ましい態様における利益の非正規性は、尖度および非対称度またはオメガによって記述されてよい。これらの尺度によって記述される非正規性が資産について正であれば、ユーザは資産の実質オプション値へプレミアムを手作業で割り当てる。非正規性が負であれば、ユーザは資産の実質オプション値へディスカウントを手作業で割り当てる。資産についての非対称度、尖度、およびオメガの決定は、プロフィーラ(Profiler)モジュールを使用して行われる。
非対称度および尖度
非対称度は分布の非対称の程度である。言い換えれば、それはデータ点が分布の1つの端に山積するかどうかの指標である。幾つかのタイプの非対称度が数学的に定義される。Fisher非対称度(最も普通のタイプの非対称度で、通常、単に「非対称度」と呼ばれる)は、次によって定義される。
Figure 2007524907
ここで、μiはi番目の中心モーメントである。
尖度はデータ分布の尾部の太さの尺度である。言い換えれば、それは分布の「とがり」の程度である。数学的には、尖度は次式によって与えられる分布の第4中心モーメントの正規化形式である(γ2によって示される)。
Figure 2007524907
ここで、μiはi番目の中心モーメントである。リスク回避投資家は非負の非対称度および低い尖度を有する利益分布を好む。
オメガ
非正規分布を記述するためRDE 323で使用される他の尺度はオメガ(Ω)である。オメガは、Con Keating & William F Shadwick, 'A Universal Performance Measure' (2002), The Finance Development Centre, working paper で定義された統計値である。これは非常に直感的な尺度であって、投資家が、良好な利益と不良な利益との間の閾値を指定し、この閾値に基づいて、「良好」領域内の期待利益値と「不良」領域内の期待利益値との比として統計値オメガを識別することを可能にする。負の利益は許容されないと仮定すると、オメガは次のように定義される。
Figure 2007524907
ここで、-∞から∞へ損失閾値を掃過し、損失閾値に対する統計値Ωをプロットすることができる。現実の損失閾値について2つのポートフォリオのΩプロットを比較することは、優位のポートフォリオ、即ち投資家のリスク選好によって定義された現実の損失閾値について高いΩを有するポートフォリオ、を決定するときの助けとなる。
RDE 323は、平均Ω統計値および投資家のリスク選好に依存する新規な評価メカニズムを使用して、資産のΩ値を平均のΩ統計値に対して評価し、評価された値をオプションのプレミアムまたはディスカウントとして目的関数へ組み入れる。次に、Ω値は、前述した方法を使用すると共に投資家のリスク選好に基づいて、各々の資産について計算される。次に、全資産のΩの幾何平均が計算され、全資産のΩがこの平均によって評価される。1を超える値は、資産の実質オプション値へ加えられるオプション・プレミアム(評価値-1)を与え、1未満の値は、資産の実質オプション値から減じられるオプション・ディスカウント(1-評価値)を与える。
資産の流動性の調整
USSN 10/018,696で説明された資源配分システムにおいて、目的関数は資産の流動特性を考慮に入れなかった。RDE 323は、流動性尺度の2つの集合を有する。即ち、標準尺度と危機時の尺度である。
標準流動性尺度
公開で取り引される資産(例えば株式)については、流動性は、発行済み証券の割合としての平均および最低数量、時価総額の割合としての平均および最低取引額、証券市場の厚み、利用可能なデリバティブ、対応する派生証券の建玉および数量に関して数量化することができる。RDE 323は、新規な回帰モデルを使用して、前述した関連要因に基づく資産の流動性尺度を提供する。モデルは線形マルチファクタ線形回帰モデルであって、線形回帰の係数はソフトウェア・コンポーネントを使用してEntisoft(Entisoft Tools)から引き出される。
危機流動性の尺度
標準流動性の尺度は、広い市場で全体的な流動性逼迫が存在する危機時には有効でないことがある。RDE 323は、この危機時急落流動性という問題に特に対処する2つの新規な流動性尺度を定義する。
Elasticity of Liquidity(商標)は、価格のような外部要因または広い市場指数への資産流動性尺度の反応である。例えば、弾力的流動性特質を有する資産は、危機時に流動性を保持する。他方では、非弾力的流動性を有する資産は非流動的となり、したがって流動性逼迫の間に無価値となる。
Velocity of Liquidity(商標)は、流動性危機の間、期間の関数として流動性が影響を受けるスピードである。速度の尺度は、流動性低下について取られた期間に取り引きされた数量のピークから底への最悪低下である。
RDE 323は、ポートフォリオ内で考慮される資産について、流動性および速度の平均尺度に対して評価されたオプションのプレミアムまたはディスカウントによって、Elasticity of Liquidity(商標)およびVelocity of Liquidity(商標)の双方を目的関数の中へ組み込む。
ヘッジ・ファンドのような資産の流動性
ヘッジ・ファンドのような資産の場合、前述したように流動性を数量化することは困難である。なぜなら、証券データの大部分は、最良で、公表された投資家および総合取引数量から抽出されるからである。そのような場合、RDE 323は、ヘッジ・ファンド・ポートフォリオ内の流動性および市場性資産のパーセンテージ、平均および最低取引数量の割合としてのパーセンテージ・ポジション、ポートフォリオの75%/90%/100%を売却する日数、およびヘッジ・ファンド・マネージャから得られる他の流動性情報から、ヘッジ・ファンド・ポートフォリオの平均流動性を決定する。次に、基礎となるオプションのプレミアムまたはディスカウントを決定するため、ポートフォリオの平均流動性が使用され、オプションのプレミアムまたはディスカウントは、実質オプション値への追加調整として使用される。
資産が利用可能であった期間の調整
RDE 323は、信頼度プレミアムおよびディスカウントを目的関数に適用して、資産が利用可能であった期間を調整する。プレミアムまたはディスカウントは資産の「開始からの年数」を基礎とし、2〜3年は平坦で始まり、次に7〜8年は着実に増加し、「開始からの年数」が更に増加するにつれて平坦になるS字形プロットである。長期の情報が得られない資産を処理する他の方法は、それら資産を含むポートフォリオについてシナリオを作り、前述したようにしてロバストRDE 327をポートフォリオへ適用することである。
資産の税金感応度の調整
投資家によって受け取られる資産からの最終利益は、もちろん利益が課税される方法によって決定される。免税資産、税金繰り延べ資産からの利益、配当形式の利益、長期収益、および短期収益は、多くの租税体系で異なるように課税される。RDE 323において、資産の期待利益および共分散は、資産の課税効率および考慮される勘定の課税規準を想定して税引き後に計算される。最適化の間、目的関数内および制約内では税引き後の入力が使用される。
資産の税金感応度は、ファンド/マネージャによって公表される次の3つのパラメータによって測定することができる。
回転率
Figure 2007524907
長期/短期キャピタル・ゲイン
Figure 2007524907
配当
D=配当利回り
長期キャピタル・ゲイン、短期キャピタル・ゲイン、および配当への税率を、それぞれil、is、およびiDとする。これらの税率は、後で説明するように各々のクライアントおよび勘定のためにカスタム化することができる。マネージャのために修正課税された利益は、次式によって与えられる。
r修正課税 = [(1-T)+(T-D)[RLS(1-iL)+(1-RLS)(1-iS)]+D(1-iD)]r公表
例えば、もし或るマネージャの回転率が30%、長期と短期のキャピタル・ゲインの比率が40%、配当が2%とすれば、長期キャピタル・ゲインおよび配当が18%の税率、短期キャピタル・ゲインが38%の税率の場合、修正課税された利益は公表利益の91%となる。
マネージャの相対的税金効率は、次式によって与えられる税金効率ファクタによって評価することができる。
Figure 2007524907
上記で考察された仮定的マネージャについて、税金効率は0.3である。上記の式から分かるように、資産の税金効率は、実現利益内の長期キャピタル・ゲインの割合が増加するにつれて増加する。回転率が少なくなっても、資産の税金効率が増加する。これは、回転率が減少するにつれて、長期収益として実現される収益のパーセンテージが増加する事実によって説明することができる。
投資管理アプリケーションのために、より簡単な税金感応尺度が案出された。この尺度において、公表利益は、実現キャピタル・ゲイン(長期および短期)、所得(配当)、および未実現キャピタル・ゲインから構成されると仮定される。税引き後の利益は、長期および短期キャピタル・ゲインおよび配当に対するそれぞれの税金を公表利益から控除することによって見出される。税金効率を決定するために必要な情報を資産に関連づけるために、資産モジュールが使用される。
カスタム化可能なクライアント税率
各々のクライアント/勘定の税率は、勘定が免税か、繰り延べ税金か、またはその他に従って、カスタム化することができる。長期、短期、および配当税率を指定することによって、州税および代替のミニマム税率を課税することができる。次に、これらの税率は、ポートフォリオ資産について税引き後の利益および共分散を計算するために使用される。
資産のリスクを数量化するオプション
RDE 323は、資産のリスクを数量化する3つのモードをユーザに提案する。次に、RDE 323は、選択されたモードに従って数量化されたリスクを使用し、実質オプション値を計算する。モードは次のとおりである。
1.均一リスク:均一リスクは、ポートフォリオ内の各々の資産について均一のリスク(例えば-10%)を仮定する。
2.平均-2標準偏差:資産投資リスクの他の普通に使用される尺度は、資産利益分布の標準偏差の2倍を平均から差し引いたものである。統計的に、利益がこの尺度の下に入る確率は5%である(資産利益は正規分布であると仮定する)。
3.最悪1年ローリング利益:これは、資産投資に関連づけられたリスクの控えめな推定である。それは、資産開始以来の資産の最悪1年ローリング利益としてリスクを測定する。
好ましい態様の実現の詳細:図11〜図12
改善された資産配分システムは、Microsoft Visual Basic、Microsoft COMおよび.NET順応コンポーネント、レポートを生成するExcelオートメーション、数値計算および最適化をサポートするMatlab最適化エンジン、およびデータを記憶するロバスト・バックエンドSQLサーバ・データベースを使用して作成されたGUIと共に実現される。図11は、改善された資産配分システム1109の機能的ブロック図である。ユーザ1103は、ビジュアル・ベーシック・プログラム1105を介してシステム1101と対話する。資産、ポートフォリオ、および最適化パラメータを記述するデータ、ならびに最適化の結果は、SQLサーバ・バックエンド1107内のデータベースとの間で読み書きされ、その間に数学計算が最適化エンジン1109によって実行される。したがって、最適化エンジン1109はRDE 323を実現する。好ましい態様で計算を実行するプログラムは、Math Works, Inc., Natick, MAから入手できるMatlabプログラム・スイートにある。
SQLサーバ・データベースの詳細:図12
図12は、SQLサーバ1107のリレーショナル・データベース1201内のテーブルを示す。当座の説明を目的として、テーブルは4つのグループに入る。
・ 単一のテーブル、即ち勘定テーブル1205を含む勘定テーブル1203。このテーブルは、資産配分最適化が行われる勘定に関する情報を含む。
・ レポートの準備に必要な情報を含むレポート・テーブル1206。
・ 資産関連情報を含む資産テーブル1211。
・ RDE 323による資産ポートフォリオの最適化に関連した情報を含む最適化実行テーブル1221。
当座の文脈で重要なテーブルは、資産テーブル1211および最適化実行テーブル1221である。
RDE 323の各々の最適化実行は、資産集合の勘定について行われる。実行は特定の目的関数を使用し、一つまたは複数の制約を最適化へ適用する。テーブル1203、1211、および1221は、勘定、資産集合、および制約を実行へ関連づける。勘定テーブル1205から始めると、各々の勘定について1つのエントリが勘定テーブル1205の中に存在する。勘定についてエントリ内に含まれる情報の中で、エントリの識別子および勘定の税務取り扱い情報が当座の文脈で最も関心対象となる。エントリは、勘定が繰り延べ税金か、長期キャピタル・ゲイン税率か、および短期キャピタル・ゲイン税率かを指定する。
資産テーブル1211
テーブル1211は資産を記述する。ここでの主なテーブルは資産テーブル1217である。資産テーブル1217は、RDE 323で使用される資産またはベンチマークの各々の種類についてエントリを有する。当座の文脈で関心対象となるエントリ内の情報は、資産の識別子、資産情報の信頼度に影響を与える情報、ならびに長期および短期収益および配当所得から来る資産利回りのパーセンテージに関する情報を含む。RDE 323は、エントリが資産を表すかベンチマークを表すかに依存して、資産テーブル1217内のエントリについて異なった情報を保持する。エントリが資産であるとき、追加情報が投資テーブル1215に含まれる。資産および勘定の各々の組み合わせについて、投資テーブル1215の中にエントリが存在する。エントリがベンチマークであるとき、資産をベンチマークに関連づけるベンチマーク資産テーブル1211に追加情報が含まれる。最後に、資産利益テーブル1213は、資産の現在の利益情報へ資産を関連づける。この情報は、RDE 323による各々の最適化の前に、現在の市場レポートから資産利益テーブル1213へロードされる。
最適化実行テーブル1221
ここでの主なテーブルはRDE実行テーブル1223である。RDE 323によって行われてシステムから削除されていない各々の最適化実行のエントリが、RDE実行テーブル1223の中に存在する。RDE実行テーブル・エントリ内の情報は2つのクラスへ入る。即ち、実行の識別情報および実行のパラメータである。識別情報は識別子、名前、および実行日付を含み、また実行が行われたクライアントのために勘定テーブル1205にあるレコードの識別子を含む。パラメータは次のものを含む。
・ 最適化を定義するパラメータ。これには、資産に関するヒストリカル・データの開始日付と終了日付、無リスク投資の予想金利、および投資期間が含まれる:
・ リスクが数量化されるモード;
・ ポートフォリオに所望される最小利益;
・ 信頼値が望まれる利益の範囲;
・ 最適化方法(即ち、最適化で使用される目的関数);
・ 実行のための税率情報;
・ 実行のための複数資産制約の数;
・ 最適化されるポートフォリオについての利益、リスク、Sharpeレシオ、税金効率、および信頼度に基づく制約。
RDEMM制約資産テーブル1225内の一つまたは複数のRDEMM制約資産エントリは、各々のRDE実行エントリに関連づけられてよい。各々のRDEMM制約資産エントリは、多数の資産へ適用される制約集合の1つへRDE実行エントリを関連づける。最後に、RDE実行資産テーブル1227は、各々の資産・実行の組み合わせについてエントリを含む。実行によって最適化されるポートフォリオに属する特定の実行および特定の資産について、エントリは、実行で最適化されているポートフォリオ内の資産の初期ウエート、最適化されているポートフォリオ内の資産に許可される最小および最大ウエートの制約、および実行によって最適化されたポートフォリオ内の資産のウエートを示す。
データベース・スキーマ1201が、情報をRDE 323へ入力するグラフィカル・ユーザ・インタフェースの説明、最適化動作の説明、および最適化動作上の制約効果の説明と組み合わせて研究されるとき、システム1101がどのように動作するか、システム1101のユーザが、どのようにして、資産の異なったポートフォリオを容易に定義するか、資産集合のMMF信頼度に従ってポートフォリオ資産を選択するか、ポートフォリオを最適化して、総利益信頼度制約によって制約されたように資産の実質オプション値に従って行われるポートフォリオ資産のウエートを得るかが、即時に当業者へ明らかであろう。最適化は、標準最適化技術またはロバスト最適化技術のいずれかを使用して行われてよい。システム1101のユーザは、同じほど容易に、ポートフォリオ資産の実質オプション値を計算するために使用される目的関数への様々な調整を行ってよく、また更に、総利益信頼度制約に加えて多くの制約を最適化へ与えてよい。
結論
前記の詳細な説明は、本明細書で開示される本発明が具体化される改善資源配分システムをどのように作成および使用するかを当業者へ開示し、また改善資源配分システムを作成する最良モードであって本発明者らに現在知られた最良モードを開示した。本明細書で開示された本発明の原理が、本明細者で開示された方法以外の方法で使用されてよいこと、および本発明の原理を組み込まれた資源配分システムが、多くの異なった方法で実現されてよいことが当業者へ即時に明らかであろう。例えば、本明細者で開示された原理は、ファイナンシャル資産以外の資源を配分するために使用されてよい。更に、本明細書で開示された技術は、本明細書で開示されたものとは異なる目的関数、目的関数上の制約、および目的関数への調整、ならびに本明細書で開示されたものとは異なるロバスト最適化シナリオと共に使用されてよい。最後に、本明細書で開示された本発明の原理を組み込まれた資源配分システムの多くの異なった実際の実装が行われてよい。実際に必要な全てのものは、データの記憶装置、および記憶装置へのアクセスを有して、ユーザ・インタフェースを生成すると共に数学計算を行うプログラムを実行することのできるプロセッサである。例えば、ウェブ内のサーバまたはどこかに記憶されたファイナンシャル・データへのアクセスを有するワールド・ワイド・ウェブ内のサーバによって計算およびユーザ・インタフェースの生成が行われ、ユーザが自分のPC内のウェブ・ブラウザを使用してサーバと対話する資源配分システムの実装を容易に行うことができる。
全ての前記理由によって、詳細な説明は全ての点で例示的であって制限的でないと考えるべきであり、本明細書で開示された本発明の広さは、詳細な説明からではなく、特許法によって許可される完全な広さで解釈される特許請求の範囲から決定されるべきである。
図面中の参照番号は3桁またはそれ以上の数字である。右側の2桁の数字は、残りの数字によって示される図面中の参照番号である。したがって、参照番号203を有する項目は、最初に図2に項目203として表示されている。
USSN 10/018,696で説明される資源配分システムに従った資源配分のフローチャートである。 本明細書で開示された改善資源配分システムの動作のフローチャートである。 改善資源配分システムのデータ・フローのブロック図である。 改善資源配分システムのトップレベルのグラフィカル・ユーザ・インタフェースを示す。 単一の資産からの利益が最小値を超過する確率の確率分布を示す。 入力分析ツールのグラフィカル・ユーザ・インタフェースを示す。 視覚化ツールのグラフィカル・ユーザ・インタフェースを示す。 シナリオを定義するグラフィカル・ユーザ・インタフェースを示す。 RDE 323が最適化を完了したときに現れるウィンドウを示す。 目的関数を選択するグラフィカル・ユーザ・インタフェースを示す。 改善資源配分システムを実現するブロック図である。 実現で使用されるデータベースのスキーマである。 資産およびパラメータ・タブ421の内容を示す図である。

Claims (33)

  1. 複数の資産から選択された資産の集合を分析する方法であって、複数の資産のヒストリカル利益データが、プロセッサからアクセス可能な記憶装置に記憶され、
    プロセッサの中で実行される以下の段階を含む方法:
    集合のために選択される資産、および各々の資産について所望の最小利益を指示する入力を受け取る段階;
    ヒストリカル利益データを使用して、選択された資産の少なくとも1つが、資産について指示された所望の最小利益を提供しない確率を決定する段階;および
    確率を出力する段階。
  2. ヒストリカル利益を使用して確率を決定する段階が以下の段階を含む、請求項1記載の方法:
    資産利益の多変量正規分布を使用して、選択された資産の各々が所望の最小利益を提供する確率を決定する段階;および
    選択された資産の各々が所望の最小利益を提供する確率から、選択された資産の少なくとも1つが所望の最小利益を提供しない確率を決定する段階。
  3. 多変量正規分布を使用する段階において、選択された資産の各々が所望の利益を提供する確率が、資産の実質オプション値を使用して決定される、請求項2記載の方法。
  4. 資産の集合を最適化する方法であって、資産のヒストリカル利益データがプロセッサからアクセス可能な記憶装置に記憶され、
    プロセッサの中で実行される以下の段階を含む方法:
    資産集合のためにシナリオの集合を指示する入力を受け取り、各々のシナリオが値を有し、該値が、資産集合を最適化するために使用され、また2つの極値とシナリオの生起確率との間で確率的に変化する値を有する段階;および
    資産集合の最悪事態値がシナリオ集合について最適化されるように資産集合のウエートを決定する段階。
  5. 資産集合の最悪事態値が資産集合の最悪実質オプション値であり、
    最適化に使用される値が平均利益および共分散である、請求項4記載の最適化方法。
  6. シナリオ集合内のシナリオが、資産集合内の資産のヒストリカル利益データに対応することができる、請求項4記載の最適化方法。
  7. シナリオ集合内のシナリオが、高度に相関された資産集合内の或る資産を含むことができる、請求項4記載の最適化方法。
  8. シナリオ集合内のシナリオが、ヒストリカル利益データ内の異常値に対応することができる、請求項4記載の最適化方法。
  9. 更に、以下の段階を含む、請求項4記載の最適化方法:
    最適化されている資産集合が受ける追加制約を指示する入力を受け取る段階;および
    資産のウエートを決定する段階において、追加制約を受けたウエートを決定する段階。
  10. 複数の資産から資産の集合を選択し、集合内の資産のウエートを最適化する方法であって、資産のヒストリカル利益データが、プロセッサからアクセス可能な記憶装置に記憶され、
    プロセッサの中で実行される次の段階を含む方法:
    1)選択された集合内の少なくとも1つの資産が、資産について指示された所望の最小利益を提供しない確率に基づいて資産の集合を選択する段階;および
    2)選択された集合内の資産のウエートを最適化する段階。
  11. 少なくとも1つの資産が所望の最小利益を提供しない確率が、資産の実質オプション値を使用して決定される、請求項10記載の方法。
  12. 資産のウエートの最適化が、資産の実質オプション値を使用して行われる、請求項10記載の方法。
  13. 資産のウエートの最適化が、ロバスト最適化を使用して行われる、請求項10記載の方法。
  14. ロバスト最適化が、ユーザによって指定されたシナリオの集合について最適化し、各々のシナリオが値を有し、該値が、資産集合の最適化に使用され、また2つの極値とシナリオの生起確率との間で確率的に変化する、請求項13記載の方法。
  15. 資産集合が所望の最小利益を生じる確率が、ユーザによって指定された値αよりも大きいという制約を受けて、資産のウエートの最適化が行われる、請求項10記載の方法。
  16. 最適化が複数の制約(1...n)を受けて行われ、資産集合が所望の最小利益を生じる確率が、ユーザによって指定された値αiよりも大きいことを制約ciが指定する、請求項15記載の方法。
  17. 集合内の資産のウエートの最適化が、ロバスト最適化を使用して行われる、請求項#C5記載の方法。
  18. ロバスト最適化が、ユーザによって指定されたシナリオの集合について最適化し、各々のシナリオが平均利益および共分散行列を含み、これらの各々が2つの極値とシナリオの生起確率との間で確率的に変化する、請求項17記載の方法。
  19. 資産が負のウエートを有することができる、請求項10記載の方法。
  20. 集合内の資産のウエートの合計が1を超えることができる、請求項10記載の方法。
  21. 資産のウエートの最適化が、一つまたは複数の追加制約を受けて行われる、請求項10記載の方法。
  22. 追加制約が、集合内の資産の選択された部分集合に属する資産のウエートの合計を限定する、請求項21記載の方法。
  23. 集合内の資産の数量が最小投資閾値の上にあるように、追加制約が資産のウエートを制約する、請求項21記載の方法。
  24. 資産のダウンサイド・リスクが所定値bよりも小さくなるように、追加制約が制約を制限する、請求項21記載の方法。
  25. 追加制約が、各々の資産について最悪引き出しから計算される、請求項24記載の方法。
  26. 追加制約が、集合の平均利益および標準偏差から計算される、請求項24記載の方法。
  27. 更に、以下の段階を含む、請求項12記載の方法:
    資産について実質オプション値を計算するため複数の目的関数の1つを指示する入力を受け取る段階;および
    資産のウエートを最適化する段階において、複数の中の指示された目的関数を使用して最適化が行われる段階。
  28. 資産のウエートを最適化する段階において、一つまたは複数の資産の実質値へプレミアムまたはディスカウントを割り当てることによって目的関数が調整される、請求項12記載の方法。
  29. 目的関数が、資産について非正規利益を考慮するように調整される、請求項28記載の方法。
  30. 目的関数が、資産の流動特性を考慮するように調整される、請求項28記載の方法。
  31. 目的関数が、資産の税金感応度を考慮するように調整される、請求項28記載の方法。
  32. 資産が利用可能であった期間の長さを考慮するように目的関数が調整される、請求項28記載の方法。
  33. 更に、以下の段階を含む、請求項12記載の方法:
    資産のリスクを数量化する複数のモードの1つを指示する入力を受け取る段階;および
    資産のウエートを最適化する段階において、複数の中の指示されたモードを使用して最適化が行われる段階。
JP2006517503A 2003-06-20 2004-06-18 資源配分方法 Pending JP2007524907A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US48009703P 2003-06-20 2003-06-20
PCT/US2004/019860 WO2004114095A2 (en) 2003-06-20 2004-06-18 Improved resource allocation technique

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007524907A true JP2007524907A (ja) 2007-08-30

Family

ID=33539258

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006517503A Pending JP2007524907A (ja) 2003-06-20 2004-06-18 資源配分方法

Country Status (8)

Country Link
US (1) US7653449B2 (ja)
JP (1) JP2007524907A (ja)
KR (1) KR20060035627A (ja)
CA (1) CA2529339A1 (ja)
IL (1) IL172526A0 (ja)
MA (1) MA27895A1 (ja)
TW (1) TW200506648A (ja)
WO (1) WO2004114095A2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019150561A1 (ja) * 2018-02-02 2019-08-08 日本電気株式会社 最適化装置、最適化方法および最適化プログラム

Families Citing this family (65)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20040215551A1 (en) * 2001-11-28 2004-10-28 Eder Jeff S. Value and risk management system for multi-enterprise organization
US7346569B2 (en) * 2002-04-10 2008-03-18 Richard E. Oberuc Method and apparatus for producing time variant asset allocation
US7970640B2 (en) * 2002-06-12 2011-06-28 Asset Trust, Inc. Purchasing optimization system
US7702558B1 (en) * 2004-12-30 2010-04-20 Morgan Stanley Investment strategies utilizing principal protection of investments
CA2581443A1 (en) * 2006-01-27 2007-07-27 Constellation Energy Group, Inc. System for optimizing energy purchase decisions
US7912778B2 (en) * 2006-03-27 2011-03-22 Checkfree Corporation Systems, methods and computer program products for processing orders subject to investment restrictions
US8768810B2 (en) * 2006-05-19 2014-07-01 Gerd Infanger Dynamic asset allocation using stochastic dynamic programming
US20080140585A1 (en) * 2006-06-30 2008-06-12 Ronald Hylton Method for improving performance of constant leverage assets based on approximate payoffs
US7991674B2 (en) * 2006-08-24 2011-08-02 Sifeon Knowledge-Technology Investment allocation system for managing investment return and risk and method thereof
US7729942B2 (en) * 2006-09-29 2010-06-01 At&T Intellectual Property I, L.P. Consumer targeting methods, systems, and computer program products using multifactorial marketing models
US7822669B2 (en) * 2006-11-16 2010-10-26 General Electric Capital Corporation System and software for providing recommendations to optimize a portfolio of items
US7680719B1 (en) 2006-12-12 2010-03-16 Goldman Sachs & Co. Method, system and apparatus for wealth management
US8756253B2 (en) * 2007-01-22 2014-06-17 Xerox Corporation Two-level structured overlay design for cluster management in a peer-to-peer network
US8121916B2 (en) * 2007-03-22 2012-02-21 International Business Machines Corporation Method and system for risk-hedging in project management
US7769664B2 (en) * 2007-05-10 2010-08-03 George Egan Guaranteed principal investment system, product and method
US7917705B2 (en) * 2007-05-17 2011-03-29 International Business Machines Corporation Scalable performance-based volume allocation in large storage controller collections
US20080290181A1 (en) * 2007-05-24 2008-11-27 Edoardo Dimitri System and method for calculating a foreign exchange index
US10504175B2 (en) * 2007-11-09 2019-12-10 Refinitiv Us Organization Llc Method, system and machine readable program for mitigating effects of spikes in financial data
WO2009117742A1 (en) * 2008-03-21 2009-09-24 The Trustees Of Columbia University In The City Of New York Methods and systems of determining the effectiveness of capital improvement projects
WO2009117741A1 (en) * 2008-03-21 2009-09-24 The Trustees Of Columbia University In The City Of New York Decision support control centers
WO2009145960A1 (en) 2008-04-17 2009-12-03 Exxonmobil Upstream Research Company Robust optimization-based decision support tool for reservoir development planning
EP2291761A4 (en) 2008-04-18 2013-01-16 Exxonmobil Upstream Res Co MARKOV DECISION-MAKING DECISION-MAKING ASSISTANCE TOOL FOR TANK DEVELOPMENT PLANNING
BRPI0910333A2 (pt) 2008-04-21 2015-10-06 Exxonmobil Upstream Res Co métodos para planejamento de desenvolvimento de um reservatório, para suporte à decisão que considera o desenvolvimento de recursos de petróleo, para otimização do planejamento de desenvolvimento com base em computador para um reservatório de hidrocarboneto, e para produzir hidrocarbonetos, e, produto de programa de computador
US20090281864A1 (en) * 2008-05-12 2009-11-12 Abercrombie Robert K System and method for implementing and monitoring a cyberspace security econometrics system and other complex systems
US8762188B2 (en) 2008-05-12 2014-06-24 Ut-Battelle, Llc Cyberspace security system
WO2010096783A1 (en) 2009-02-20 2010-08-26 The Trustees Of Columbia University In The City Of New York Dynamic contingency avoidance and mitigation system
US8725625B2 (en) * 2009-05-28 2014-05-13 The Trustees Of Columbia University In The City Of New York Capital asset planning system
US8909890B2 (en) * 2010-02-22 2014-12-09 International Business Machines Corporation Scalable performance-based volume allocation for time-based storage access services
EP2539861A4 (en) 2010-02-24 2013-08-07 Univ Columbia METRIC MONITORING AND FINANCIAL VALIDATION SYSTEM FOR PURSUIT OF PERFORMANCE IN IMPROVING INFRASTRUCTURE
US8583405B2 (en) 2010-05-11 2013-11-12 Maggie Chow Contingency analysis information for utility service network
US20110307300A1 (en) * 2010-05-11 2011-12-15 Npa Vision, Inc. Method and system for identifying and then probabalistically projecting and aggregating difficult-to-predict industry operating statistics
MX2013000577A (es) 2010-07-16 2013-06-05 Univ Columbia Aprendizaje de maquina para redes electricas.
US20120059680A1 (en) * 2010-09-02 2012-03-08 Cox Communications, Inc. Systems and Methods for Facilitating Information Technology Assessments
US20120089434A1 (en) * 2010-10-06 2012-04-12 Schlitt John A Method and apparatus for chemical data repository
US8930166B1 (en) * 2011-12-06 2015-01-06 Lockheed Martin Corporation Method and apparatus for efficient extraction of information from signals
US10515412B2 (en) * 2012-09-11 2019-12-24 Sage Decision Systems, Llc System and method for calculating future value
JP6094595B2 (ja) * 2012-10-02 2017-03-15 日本電気株式会社 情報システム構築支援装置、情報システム構築支援方法および情報システム構築支援プログラム
US20140136295A1 (en) 2012-11-13 2014-05-15 Apptio, Inc. Dynamic recommendations taken over time for reservations of information technology resources
US20140278807A1 (en) * 2013-03-15 2014-09-18 Cloudamize, Inc. Cloud service optimization for cost, performance and configuration
US10515123B2 (en) 2013-03-15 2019-12-24 Locus Lp Weighted analysis of stratified data entities in a database system
US10417591B2 (en) 2013-07-03 2019-09-17 Apptio, Inc. Recursive processing of object allocation rules
US10325232B2 (en) 2013-09-20 2019-06-18 Apptio, Inc. Allocating heritage information in data models
US11244364B2 (en) 2014-02-13 2022-02-08 Apptio, Inc. Unified modeling of technology towers
US9818156B2 (en) 2015-01-20 2017-11-14 Fmr Llc Multiple modular asset constructor apparatuses, methods and systems
US11861712B1 (en) 2015-01-20 2024-01-02 Fmr Llc Multiple modular asset class constructor apparatuses, methods and systems
US9350561B1 (en) * 2015-05-27 2016-05-24 Apptio, Inc. Visualizing the flow of resources in an allocation model
GB2556504A (en) 2015-06-30 2018-05-30 Apptio Inc Infrastructure benchmarking based on dynamic cost modeling
US10268979B2 (en) 2015-09-28 2019-04-23 Apptio, Inc. Intermediate resource allocation tracking in data models
US10387815B2 (en) 2015-09-29 2019-08-20 Apptio, Inc. Continuously variable resolution of resource allocation
US9384511B1 (en) 2015-12-16 2016-07-05 Apptio, Inc. Version control for resource allocation modeling
US9529863B1 (en) 2015-12-21 2016-12-27 Apptio, Inc. Normalizing ingested data sets based on fuzzy comparisons to known data sets
US10726367B2 (en) 2015-12-28 2020-07-28 Apptio, Inc. Resource allocation forecasting
US20170323385A1 (en) * 2016-05-09 2017-11-09 Axioma, Inc. Methods and apparatus employing hierarchical conditional variance to minimize downside risk of a multi-asset class portfolio and improved graphical user interface
US10474974B2 (en) 2016-09-08 2019-11-12 Apptio, Inc. Reciprocal models for resource allocation
US10936978B2 (en) * 2016-09-20 2021-03-02 Apptio, Inc. Models for visualizing resource allocation
US10482407B2 (en) 2016-11-14 2019-11-19 Apptio, Inc. Identifying resource allocation discrepancies
US10157356B2 (en) 2016-12-14 2018-12-18 Apptio, Inc. Activity based resource allocation modeling
US10268980B1 (en) 2017-12-29 2019-04-23 Apptio, Inc. Report generation based on user responsibility
US11775552B2 (en) 2017-12-29 2023-10-03 Apptio, Inc. Binding annotations to data objects
US10324951B1 (en) 2017-12-29 2019-06-18 Apptio, Inc. Tracking and viewing model changes based on time
CN109598400B (zh) * 2018-10-12 2023-06-23 创新先进技术有限公司 一种基于分配模型的全局资源分配方法和装置
US11334950B1 (en) 2019-07-15 2022-05-17 Innovator Capital Management, LLC System and method for managing data for delivering a pre-calculated defined investment outcome in an exchange-traded fund
US20230153727A1 (en) * 2021-11-12 2023-05-18 Mckinsey & Company, Inc. Systems and methods for identifying uncertainty in a risk model
US20230236890A1 (en) * 2022-01-25 2023-07-27 Poplar Technologies, Inc. Apparatus for generating a resource probability model
WO2023169642A1 (ru) * 2022-03-10 2023-09-14 Иван Александрович ОБОЛЕНСКИЙ Система автоматического формирования алгоритмов управления финансовыми активами

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002109205A (ja) * 2000-09-27 2002-04-12 Nissay Asset Management Corp ポートフォリオの感応度分析システム

Family Cites Families (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7243081B2 (en) * 1995-10-30 2007-07-10 Efi Actuaries Method of determining optimal asset allocation utilizing asset cash flow simulation
US5884287A (en) * 1996-04-12 1999-03-16 Lfg, Inc. System and method for generating and displaying risk and return in an investment portfolio
US7349878B1 (en) * 1996-08-16 2008-03-25 Options Technology Company, Inc. Simulation method and system for the valuation of derivative financial instruments
US5930762A (en) * 1996-09-24 1999-07-27 Rco Software Limited Computer aided risk management in multiple-parameter physical systems
US6021397A (en) * 1997-12-02 2000-02-01 Financial Engines, Inc. Financial advisory system
US5918217A (en) * 1997-12-10 1999-06-29 Financial Engines, Inc. User interface for a financial advisory system
US6085216A (en) * 1997-12-31 2000-07-04 Xerox Corporation Method and system for efficiently allocating resources for solving computationally hard problems
US6078904A (en) * 1998-03-16 2000-06-20 Saddle Peak Systems Risk direct asset allocation and risk resolved CAPM for optimally allocating investment assets in an investment portfolio
US7546263B2 (en) * 1999-06-18 2009-06-09 Thomson Holdings Llc System, method and computer readable medium containing instructions for evaluating and disseminating securities analyst performance information
US7236953B1 (en) * 2000-08-18 2007-06-26 Athena Capital Advisors, Inc. Deriving a probability distribution of a value of an asset at a future time
US20020091605A1 (en) * 2000-11-01 2002-07-11 Labe Russell Paul Asset allocation optimizer
US7461021B2 (en) * 2000-11-29 2008-12-02 Amg National Trust Bank Method of ascertaining an efficient frontier for tax-sensitive investors
US7401041B2 (en) * 2000-12-15 2008-07-15 The Trustees Of Columbia University Systems and methods for providing robust investment portfolios
US7962384B2 (en) * 2001-04-13 2011-06-14 The Prudential Insurance Company Of America System, method, and computer program product for allocating assets among a plurality of investments to guarantee a predetermined value at the end of a predetermined time period
US7386850B2 (en) * 2001-06-01 2008-06-10 Avaya Technology Corp. Arrangement for scheduling tasks based on probability of availability of resources at a future point in time
US7376610B2 (en) * 2001-06-14 2008-05-20 International Business Machines Corporation Computerized method and system for score based evaluation of capital market investment decisions and strategies
GB2377040A (en) * 2001-06-25 2002-12-31 Secr Defence Financial portfolio risk management
EP1412835A4 (en) * 2001-07-31 2004-08-18 American Express Travel Relate SYSTEM AND METHOD FOR PROVIDING FINANCIAL PLANNING AND ADVICE
US7315842B1 (en) * 2001-08-06 2008-01-01 Wang Shaun S Computer system and method for pricing financial and insurance risks with historically-known or computer-generated probability distributions
US20030046212A1 (en) 2001-12-13 2003-03-06 Hunter Brian A. Resource allocation techniques
US20040138897A1 (en) * 2003-01-09 2004-07-15 Eapen Gill R. System and method for selecting projects and allocating capacity to departments to maximize incremental value gained within a desired level of execution risk
US7698188B2 (en) * 2005-11-03 2010-04-13 Beta-Rubicon Technologies, Llc Electronic enterprise capital marketplace and monitoring apparatus and method

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002109205A (ja) * 2000-09-27 2002-04-12 Nissay Asset Management Corp ポートフォリオの感応度分析システム

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019150561A1 (ja) * 2018-02-02 2019-08-08 日本電気株式会社 最適化装置、最適化方法および最適化プログラム
JPWO2019150561A1 (ja) * 2018-02-02 2021-01-07 日本電気株式会社 最適化装置、最適化方法および最適化プログラム

Also Published As

Publication number Publication date
WO2004114095A3 (en) 2005-03-24
KR20060035627A (ko) 2006-04-26
WO2004114095A2 (en) 2004-12-29
IL172526A0 (en) 2006-04-10
MA27895A1 (fr) 2006-05-02
US7653449B2 (en) 2010-01-26
CA2529339A1 (en) 2004-12-29
US20060200400A1 (en) 2006-09-07
TW200506648A (en) 2005-02-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007524907A (ja) 資源配分方法
US20100185557A1 (en) Resource allocation techniques
US8577791B2 (en) System and computer program for modeling and pricing loan products
Jobst Operational Risk: The Sting is Still in the Tail But the Poison Dependson the Dose
US7890409B2 (en) System and method for providing reallocation and reverse optimization of a financial portfolio using a parametric leptokurtic distribution
CN110880051A (zh) 企业价值评估云服务系统
Ai et al. Optimal enterprise risk management and decision making with shared and dependent risks
US20030195831A1 (en) Portfolio generation using resampled efficient frontiers and interval-associated groups
KR20060123116A (ko) 자산 배분을 위한 방법 및 시스템
US20150006433A1 (en) Resource Allocation Based on Available Predictions
Morgan Introduction to creditmetrics
CN102496126A (zh) 一种托管资产交易数据监控设备
Moenig Efficient valuation of variable annuity portfolios with dynamic programming
Crisóstomo et al. Financial density forecasts: A comprehensive comparison of risk‐neutral and historical schemes
Kleiven et al. Co-movements between forward prices and resource availability in hydro-dominated electricity markets
CN104321800A (zh) 价格目标生成器
US7974905B1 (en) Outlier trade detection for securities lending transactions
Amédée-Manesme et al. Mixed-asset portfolio allocation under mean-reverting asset returns
Dang et al. Dynamic importance allocated nested simulation for variable annuity risk measurement
US20030046212A1 (en) Resource allocation techniques
Athanasopoulou et al. Risk management for sovereign financing within a debt sustainability framework
Guo et al. Reliability assessment of scenarios generated for stock index returns incorporating momentum
Basnet et al. A Bayesian econometrics and risk programming approach for analysing the impact of decoupled payments in the European Union
Dai et al. Constructing Optimal Portfolio Rebalancing Strategies with a Two-Stage Multiresolution-Grid Model
Mitra Scenario generation for operational risk

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070530

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091116

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20100215

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20100222

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100728