JP2007524907A - 資源配分方法 - Google Patents
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Abstract
Description
1.発明の分野
本発明は、資源に対するリスクとリターンの十分なトレードオフが得られるように資源をそのいくつかの潜在的な用途間で配分する技術に関する。特に、本発明は、特定の用途のリスクとリターンのトレードオフを決定する改良された技術、資源の価値に対する不確実性の寄与を判定する技術、リスクを指定する技術、リスクとリターンのトレードオフに対するリスクの分散の効果および寄与と、各用途間での資源の所与の配分の評価を定量化する技術に関する。
2.関連技術の説明
資源は絶えず、いくつかの潜在的な用途間で配分されている。資源配分の範囲には、今週末に庭造りに2時間費やすにはどうすればいいかを思案する人から、委託された金をいくつかの種類の資産クラス間でどのように配分するかを検討する資金管理者までが含まれる。資源配分の決定の重要な要素は、リターンとリスクのトレードオフである。一般に、リターンが高いほどリスクが大きくなるが、リターンとリストの比は潜在的な用途のそれぞれで異なる。さらに、リスクのとる形態は潜在的な用途のそれぞれで異なる場合がある。このことが当てはまる場合、各用途間の資源配分を分散することによってリスクを少なくすることができる。
1.様々な種類のリスクを伴う1組の用途を選択する段階、
2.各用途ごとにリスク/リターンのトレードオフを決定する段階、および
3.全体的なリスクを最小限に抑えつつリターンを最大にするように各用途間で資源を配分する段階。
本発明の目的は、1つの局面において、ユーザによって選択された資産集合からの利益の信頼度を決定する技術によって達成される。新しい技術は、資産集合の平均失敗期間(MTTF)信頼度、即ち集合に属する一つまたは複数の資産が、資産について指示された所望最小利益を提供できない確率を決定する。
以下の詳細な説明ではまず、本来機械システム、電気システム、または電子システムの信頼性を定量化するために開発された技術を使用してリスクに対する分散の効果を定量化する方法について説明し、次いで、所与の信頼性を有する所与のリターンを実現する1組の用途間の資源の配分を実オプション分析および信頼性分析を使用して求める資源配分システムについて説明する。その後すぐに、次のことを含む資源配分システムへの改善が説明されるであろう。
・ 実質オプション分析を使用して最適化される資産のポートフォリオを選択するため、MTTF信頼度を使用すること、
・ 資源配分システムでロバスト最適化を使用すること、
・ 最適化で複数の制約を使用すること、
・ 最適化で様々な種類の制約を使用すること、および
・ 最適化で使用される目的関数を修正すること。
目的関数とは、資産の実質オプション値を計算するために使用される関数である。オリジナルの資源配分システムにおいて、利用できる唯一の目的関数は、ポートフォリオの標準偏差を使用してポートフォリオのボラティリティを表すBlack-Scholes式であった。改善の説明は、改善のためのグラフィカル・ユーザ・インタフェースの説明を含む。改善されたシステムの好ましい態様の実現方法についても説明される。
信頼性は、機械システム、電気システム、および電子システムの設計者にとって重要な問題である。一般に、システムは、正しく働く可能性が非常に高い場合には信頼性が高い。エンジニアは、故障の確率に関して信頼性を測定しており、故障の確率が低いほどシステムの信頼性は高くなる。システムの故障の確率は、システムを故障させるようにシステムの構成要素が故障する確率を分析することによって求められる。システムの信頼性は、冗長な構成要素を設けることによって高くすることができる。この技術の例として、スペースシャトルで3台のコンピュータを使用することが挙げられる。この場合、すべての計算が各コンピュータで実行され、各コンピュータはどの結果が正しいかを票決して互いに決定する。1台のコンピュータが繰り返し誤った結果を与える場合、このコンピュータは他の2台によってシャットダウンされる。このような構成を用いた場合、単一のコンピュータの故障によってスペースシャトルが使用不能に陥ることはなくなり、2台のコンピュータが故障しても致命的な結果にはならない。当然、すべての3台のコンピュータが同時にまたはほぼ同時に故障する確立は極めて低く、したがって、スペースシャトルのコンピュータ・システムは信頼性が高い。冗長な構成要素を設けることの一部は、他の場所での単一の故障によってすべての冗長な構成要素が同時に故障することをなくすことである。したがって、3台のコンピュータがそれぞれ独立の電源を有する。数学的には、3台のコンピュータの故障の可能な原因が互いに独立したものであり、各コンピュータが期間Tの間故障確率nを有する場合、Tで3台すべてが故障する確率はn3である。
好ましい態様の資源配分システムにおいて、資源は投資資金であり、資金の用途は、様々な資産クラスへの投資であり、資金の特定の配分の結果としての資産クラスの潜在的な評価は、実オプションを使用して算出され、各資産クラスのリスク間の相関を使用して、各資産クラスへの資金の特定の配分に対するリターンの信頼性が判定される。図1は、好ましい態様のシステムによって実行される処理のフローチャート101である。処理は103から始まる。次に、1組の資産クラスが選択される(105)。次いで、予想されるリターン率およびリスクが各資産クラスごとに指定される(107)。あるクラスに関する予想されるリターン率およびリスクは、履歴データに基づいて求めることができる。リスクの場合、履歴データは変動率データであってよい。他の態様では、予想されるリターン率を他の情報に基づいて求めることができ、リスクは、一般に経済的リスク、ビジネス・リスク、政治的リスク、または為替相場率リスクを含め、任意の定量可能な不確実性またはその組合せであってよい。
好ましい態様において、ポートフォリオ上のある平均リターンの信頼性は、ある期間Tにわたるポートフォリオの平均リターン率と、期間Tにわたるポートフォリオのリターンの標準偏差σとから求められる。ポートフォリオに関する標準偏差は、期間Tにわたるポートフォリオの資産の変動率を表す。ポートフォリオの標準偏差は、時間Tにわたる各資産の標準偏差と、各資産クラス対ごとの相関係数ρとから求めることができる。各資産クラス対A、Bごとに、その対のメンバーの標準偏差および相関係数を使用して、cov(A,B)T=ρA,BσA,TσB,Tにより時間Tにわたるこの対に関する共分散が算出される。さらに詳しく説明すると、1組Sの少なくとも2つまたはそれ以上の資産クラスを有する一般的なポートフォリオの場合、ポートフォリオ標準偏差およびポートフォリオのリターン率は以下のように表すことができる:
式中、σP,TはT期間にわたるポートフォリオの標準偏差(すなわち変動率)であり、
rp,Tは、T期間にわたるポートフォリオの平均リターン率であり、
XAは、ポートフォリオの、資産クラスAに投資される部分であり、
ρA,Bは、一対の資産クラスAおよびBに対するリスクの相関であり、
σA,Tは、T期間にわたる資産クラスAの標準偏差であり、
rA,Tは、T期間にわたる資産クラスAの平均リターン率であり、
Sは1組の資産クラスである。
式中、rP,TおよびδP,Tは、上記の数式から得られるそれぞれの値で置き換えられる。この制約は以下の数式を使用して推定することができる:
式中、δ2はシンプソンの法則を使用してαから得られる。δの計算については以下で詳しく説明する。
上記の信頼性の制約は、期間Tにわたってポートフォリオの実オプション値を最大にする、ポートフォリオへの資源の配分に適用される。ポートフォリオの実オプション値はBlack-Scholesの公式を使用して得られる。この公式において、TAは、資産クラスAが満期となる時間であり、xAiは、ポートフォリオの、期間iの間に資産クラスAに投資される部分である。この場合、TAは互いに等しい期間0...TA-1に分割される。
A、資産クラスの現在価値、
T、期間0から満期までの時間、
Ex、次の投資の価値、
rf、リスクのない利率、
σ 、変動率、
A=xA0P
Ex=xA0P(1+rmin,A)TA
前述した資源配分システムの改善されたバージョンの以下の概観は、その動作の概観から始まり、システム内の情報の流れの概観で継続し、システムのユーザ・インタフェースの概観で完了する。改善された資源配分システムは、資産ポートフォリオの信頼度について2つの尺度を使用する。第1の尺度は、「平均失敗期間」(MTTF)信頼度であり、第2の尺度は総利益信頼度である。改善されたシステムにおいて、MTTF信頼度は資産集合の信頼度を決定するために使用される。十分なMTTF信頼度を有する資産集合からなるポートフォリオは、次に、総利益信頼度の尺度に基づく制約を含んでよい制約を使用して最適化される。
図2のフローチャート201は、改善された資源配分システムのユーザがシステムをどのように使用するかの概観を与える。もし図2のフローチャート201が図1のフローチャート101と比較されるならば、改善されたシステムが多くのオプションをユーザに提供することが即座に分かるであろう。図1のシステムにおいて、ユーザはステップ105で資産クラスの集合を指定できるだけであった;その他のことは、全て資産クラスに関するシステム内の情報からシステムによって決定された。特に、利用できる目的関数はBlack-Scholes式だけであり、Black-Scholes式で使用できるボラティリティ尺度は期間Tにおけるポートフォリオ資産の標準偏差だけであった。更に、ポートフォリオ資産のウエートの最適化には単一の制約を使用できるだけであり、その制約は総利益信頼度に基づく信頼度制約でなければならなかった。
図3は、改善された資源配分システムにおける情報フローの概観を提供するブロック図301である。情報は、信頼度決定エンジン323で受け取られる。エンジン323は、ポートフォリオの所望信頼度に要求されるように、ポートフォリオ資産を配分する。改善された資源配分システムにおいて、信頼度決定エンジン323は2つの信頼度決定エンジンを含む;即ち、USSN 10/018,696で説明された一般的方法で最適化する基本信頼度決定エンジン325、およびユーザによって提供されたシナリオに従って最適化するロバスト信頼度決定エンジン327である。後で説明するように、ロバスト最適化の使用によって、最適化されるポートフォリオを計算するために使用される入力パラメータの確率的変動に対する最適化ポートフォリオの感度を決定することが可能になる。基本RDE 325を使用して最適化されたポートフォリオは、更にロバスト最適化を使用して微調整されることができる。または、最初からロバスト最適化を使用することができる。シナリオは、ユーザによって直接指定されるか、ユーザによる選択に応答してシステムによって自動的に生成されることが可能である。
改善された資源配分システムのトップレベル・ユーザ・インタフェースは、図4に示される。それは典型的なウィンドウ型ユーザ・インタフェースである。ユーザ・インタフェースのトップ・レベル・ウィンドウ401は、4つの主な部分を有する。資産ポートフォリオまたは基準ポートフォリオを選択するユーザが使用するポートフォリオ選択部分402、部分402でユーザが選択した資産ポートフォリオの最適化パラメータを提供する最適化部分404、および406のポートフォリオ分析ツールがある。最後に、モジュール選択部分408は、改善された資産配分システムをコンポーネントとして含む資産管理システムの他のモジュールの選択を可能にする。これらモジュールの中で、現在の文脈で重要なものは、資産および資産情報にアクセスする資産モジュール、および資産集合の詳細な行動分析を可能にするProfiler(商標)モジュールである。Profilerは、2002年2月5日に出願されたPCT特許出願、PCT/US02/03472, Hunter, System for facilitation of selection of investmentsの主題である。
定義および仮定
以下の説明は、次の定義および仮定を使用する。
最初、資産Aは、正規分布に従う利益を有する実在として単純に定義される。したがって、各々の資産は、その平均および分散によって表される。これは、ファイナンス理論における幾つかの技術の基本的仮定であり、Black-Scholesオプション評価技術で使用される仮定に必要であって、それと調和している。以下の理論的説明において、これは本発明者らが資産の性質について行う唯一の仮定である。
USSN 10/018,696において、ウエートされた資産のポートフォリオの信頼度は、ポートフォリオが所望の最小利益rMINを生じる確率に関して測定された。ポートフォリオが最適化されたとき、ポートフォリオが最適化されたときの制約は、rMINが所与の最小利益を生じる確率がaより大きくなることであった。以下で、信頼度のこの尺度は総利益信頼度と呼ばれる。改善された資産配分システムにおいて、信頼度の追加尺度が使用される。即ち、平均失敗期間(MTTF)信頼度である。資産集合のMTTF信頼度は、所与の期間の間に、集合内の一つまたは複数の資産が、資産について所望される最小利益を提供しない確率である。
そのような資産A、B、C...Nの母集団をUとする。
となる。
ポートフォリオ利益に関連づけられた確率変数を
とすれば、
ポートフォリオ利益の平均は
となり、
ポートフォリオ利益の分散は
となる。
を有する。Uの中の任意の他の資産に制約はない。したがって、考慮すべき唯一の関連資産利益分布は資産利益
の分布であり、これは図5で示される。利益は正規分布であるから、それらは鐘形曲線503を形成する。線505は最小所望利益を示す。
が
を超える確率は陰影部分507の区域によって表される。陰影部分507によって表された確率を確率pと呼ぶことにする。要素の確率はpの値を与える。それは単にrmin,Xで資産Xの累積分布に関連づけられた値である
である。
が相関せず、したがって独立である起こりそうもないシナリオへ限定することにする。双方の資産利益について最小利益規準が満たされる確率は、式
によって与えられる。
は独立であるから、条件つき確率式
は簡単な式
へ縮小する。こうして、双方の資産利益について最小利益規準が満たされる確率は式
によって与えられる。これは最初の例で引き出された式に類似する。
は多変量正規分布の確率密度関数である。したがって、pは、選択された資産の各々が投資期間中に所望最小利益を満たす確率である。正規分布するこれら資産の各々は相関しているから、全体としてのポートフォリオ利益は、多変量正規分布に従う。したがって、選択された集合内の各々の資産が「達成」する、即ちその資産の所望最小利益を満たす確率は、所望最小利益で評価されたポートフォリオ利益の多変量累積分布に関連づけられた値、即ち上記の方程式でpによって与えられた値である。
pを使用して、資産ポートフォリオのMTTF信頼度を計算することができる。正規性の仮定のもとで、事前確率分布
は図5で示されるような正規分布である。陰影区域507は、
が最小利益を超過する領域を与える。区域507は、更に、最小利益制約が満たされる全ての可能な将来の結果の数として解釈されてよい。目的関数は、資産オプションの権利行使価格が最小利益である仮定の下で、ポートフォリオ資産へウエートを割り当てるから、区域507は、目的関数の構築が正確である将来の結果のトータル数に比例する。この数をn(T)とする。ここで、n0(T)は、可能な将来の結果のトータル数を示す。この場合、目的関数の信頼度は
へ低減する。
MTTF=1-p
バリデータ321は次のように働く。即ち、ユーザはグラフィカル・ユーザ・インタフェースの選択部分402を使用して資産集合を選択し、次にMTTFツール・ボタン411をクリックする。資産配分システムは、これらの入力に応答して資産集合のMTTF信頼度を計算する。集合の信頼度は1-pであり、その式の値はボタン411上のパーセンテージとして現れる。現れる場所は、図4に存在する疑問符の場所である。例えば、もしpが値0を有するならば、100%がボタン411上に現れる。
緒言
基本信頼度決定エンジン325によって達成される最適化において、最適化は次の特徴を有する;
・ 資産ポートフォリオの実質オプション値は、非線形信頼度、各々の資産の上限および下限、資産の線形結合の上限および下限、ショーティングのあるなし、およびレバレッジのあるなしの制約を受けて最大化される。
・ 目的関数および制約は、ヒストリカル資産利益によって提供された平均および共分散を使用して計算される。
ロバスト最適化のシナリオ
ロバストRDE 327は、可能な極端シナリオの集合に基づいて資産集合のロバスト最適化を実行する。各々のシナリオは、資産集合について、平均利益μおよび共分散行列Σを使用して記述される。極端シナリオの各々は、更に、シナリオ生起の確率を含む。ロバストRDE 327は、シナリオの集合について資産ポートフォリオの最悪事態実質オプション値を最大化する。各々のシナリオは所与の生起確率を有する。RDE 327によって実行されるロバスト最適化の目的関数は:
ここでviおよびxiは、それぞれ、調整された実質オプション値および資産iへの配分であり、集合
は独立シナリオのトータル数であるシナリオ1からkを含み、共分散行列Σは半正値であって2つの確率変動制約に従って限界を定められる:
および
ここで、資産の平均利益の推定および共分散行列の元は、それぞれ平均および共分散の確率変動によって与えられる2つの極値の間にある。
好ましい態様において、ユーザは特定の資産集合についてシナリオを定義する。ユーザは次のようにシナリオの特性を指定することができる:
・ シナリオの所望のパフォーマンス;
・ シナリオの生起確率;
・ シナリオのダウンサイド・リスク;および
・ 資産間の相関の計算方法
1)資産間の平均および共分散が、ヒストリカル・データから計算されたパラメータと等しいシナリオ。このシナリオは、基本RDEエンジン325によって行われた最適化に対応するものである。
2)共分散行列が資産利益の異常値から推定されるシナリオ。これは、フルサンプルから推定された共分散行列よりも、市場混乱時の「真の」ポートフォリオ・リスクを特性化する。
ユーザは、全てまたは幾つかの資産間の相関が1になる自分自身のシナリオをセットアップしてよい。即ち、資産集合の相関行列へそのような相関を入力することによって、資産は高度に相関される(平均利益は、ヒストリカル平均利益に等しいと仮定されてよい)。他のタイプのシナリオについて平均および共分散を処理する能力は、ロバストRDE 327へ組み込まれてよい。
相関計算区域813内のボタンは、ユーザが、ヒストリカル利益データ内の異常値を、ポートフォリオ相関行列の源として指定することを可能にする。ロバストRDE 327は、次のように異常値相関行列を相関する。
として定義される。ここでnはポートフォリオ内の資産の数を示し、kはn個の資産に利用可能な共通データ点の数を示す。
S=rS{r1,r2,...,rn}s.t.dt(rS)≧ζ、ここでdtは次のように与えられる。
dt=(rk-μ)T・Σ-1・(rk-μ)
rk{r1,r2,...,rn}∈R、Σは所与のシナリオの共分散行列であり、μは資産の平均利益の推定ベクトルである。分かるように、S⊂R、即ちSはRの部分集合である。
好ましい態様において、ユーザは、最適化のために目的関数を選択するとき、ロバスト最適化または基本最適化を選択する。これを行うユーザ・インタフェースは、以下で説明する図10で示される。
総利益信頼度の制約
この制約は、USSN 10/018,696のシステムと同じように、改善された資源配分システムで使用される。それは基本RDE 325によって行われる全ての最適化で使用され、ロバスト最適化でシナリオを定義するために使用されてよい相関計算の1つである。
を考える。ここで、xAは資産Aに投資されたポートフォリオの割合である。
もし
がウエート
を有するポートフォリオ配分の利益であれば、
もしポートフォリオが所望の最小利益rMINを生じる確率が所望の信頼水準αよりも大きいという制約を置くならば、
したがって
図4は、431の総利益信頼度制約以外の制約を定義する好ましい態様で使用されるユーザ・インタフェースを示す。各々の資産は、そこで示される表の中に行を有し、行の中の列は、以下で詳細に説明される制約の定義を可能にする。
資産のショーティングおよびレバレッジを可能にする制約
RDEは、その最も基本的最適化バージョンにおいて、レバレッジまたはショーティングを想定しない。これはポートフォリオ内の全ての資産のウエートが全て非負であって、合計が1であることを意味する。
ショーティングなし 0≦xi≦1
レバレッジなし Σ(xi)=1
しかし、RDEの先進バージョンはショーティングおよびレバレッジの双方を許可する。
ショーティングが許可されるとき、資産の最小配分は負になるかもしれない。最適化アルゴリズムにおける前の非負制約は、ショート・ポジションを取ることが可能または望ましい任意の資産について緩和される。したがって、ポートフォリオ内の資産のウエートは、次の範囲にある。
s≦xi≦l
ここで、sおよびlは負、正、またはゼロであることができる。典型的には、sは-1未満でなく、lは+1よりも大きくないが、理論的には、それらは-1および1を超える値を取ることができる。
レバレッジが許可されるとき、資産配分の合計は1、即ち100%を超えることができる。ポートフォリオ資産のウエートに関するΣ(xi)=1の制約は、もはや有効でない。その代わりに、配分の合計の最大値は、許可されるレバレッジによって支配される。
S≦Σ(xi)≦L
ここで、SおよびLは、ショート側およびロング側で許可される最大レバレッジによって決定される。
資産のグループに限定を指定する制約も、RDE 323で使用されてよい。例えば、ユーザは、ポートフォリオ内の特定資産の合計が、必要な最小または許容最大値を有するという制約を指定することができる。任意数のそのような制約が最適化に付加されてよく、これは特定のアプリケーションで実現できる実用的ポートフォリオへの到達を可能にする。
幾つかの資産は、指定されたドル金額より下の配分を許容できないものにする最小投資閾値を有する。これは、(非線形最適化からの)最適配分が、資産への最小許容ドル投資に等しい最小閾値よりも小さいとき、値ゼロを取るバイナリ変数としてモデル化される。そのようなアプローチは、混合整数非線形プログラミングの領域へ最適化を押し込む。その場合、整数変数への限界締め付けによって多数の緩和MINLP問題を解く分岐・限界アプローチが使用される。基礎にあるMINLPモデルは凸であるから、緩和されたサブモデルは目的関数に有効な限界を提供してグローバル最適値へ集束させ、所与の資産集合について最小配分閾値を説明する配分を与える。
総利益信頼度の制約は、最小所望利益を超過するポートフォリオ利益の確率が、指定された信頼水準αよりも大きいことを確実にする。しかし、多数のポートフォリオ信頼制約を使用して、投資家の完全なリスク選好プロフィールをモデル化することも可能である。例えば、もし或る投資家が、8%よりも低い利益に耐えることはできないが、12%を超える利益を生じる確率が60%のポートフォリオに満足するならば、2つの利益信頼度制約を使用して、このリスク回避をモデル化することができる:
- 最小8%の利益の確率は非常に高くなければならない、例えば99%
- 最小12%の利益の確率は60%でなければならない。
RDE 323は、ポートフォリオのダウンサイド・リスクを評価する新規なリスク尺度を使用する。Catastrophic Meltdown Scenario(商標)またはCMSは、最悪1年ローリング利益に基づく各々のマネージャからのウエートおよび合計された最悪資金引き出しである。Uncertainty Cushion(商標)またはUCは、ポートフォリオの期待パフォーマンスの尺度を提供する。UCは、ポートフォリオの平均利益から、その標準偏差の3倍をマイナスしたものとして定義される。ポートフォリオの目標利益がUncertainty Cushion(商標)よりも小さくなる確率は0.5%である。
μP-3σP≧UC
ここで、μPおよびσPは、それぞれポートフォリオについて計算された平均および標準偏差である。
USSN 10/018,696で説明された資源配分システムにおいて、最適化で使用できる唯一の目的関数はBlack-Scholes式であり、Black-Scholes式で使用できる唯一のボラティリティ関数は標準偏差であった。改善された資源配分システムは、ユーザが、多数の異なった目的関数を選択し、選択した目的関数を資産利益の非正規分布に調整し、Black-Scholes式で使用されるボラティリティ関数を多数の異なったボラティリティ関数から選択することを可能にする。目的関数を選択するグラフィカル・ユーザ・インタフェースは、図10の1001で示される。ユーザがボタン413をクリックするとき、ウィンドウ1003が現れる。ウィンドウ1003は、基本RDE 325およびロバストRDE 327で使用できる利用可能および現在選択可能な目的関数のリストを含む。ユーザは、リストから1つの目的関数を選択してよい。選択された目的関数に関する情報はウィンドウ1005に現れ、ボタン413上のラベルは現在選択された目的関数を示す。ウィンドウ1003のリストから分かるように、目的関数の選択はロバストまたは非ロバスト最適化の選択を含む。
好ましい態様でサポートされる目的関数は次のとおりである。
基礎にある資産のボラティリティおよび最小利益ならびに投資期間は、最適化で使用される資産についてオプション値の集合を計算するために使用される。これらのオプション値は、グローバル目標ポートフォリオ利益によって課された信頼限界の内側で最適化するときの線形目的関数として使用される。このアプローチは、USSN 10/018,696で説明されたものである。
期待された利益、ボラティリティ、および相関は、グローバル・ポートフォリオ利益によって課された信頼限界内で、Sharpeレシオの古典的非線形最大化で使用される。
各々の資産の期待利益および最小目標利益は、ウエートされた最小利益を超えるリスク調整ポートフォリオ利益を測定する非線形目的関数を案出するため、資産のボラティリティおよび相関と一緒に使用される。このアプローチは、「移動する」Sortino目標を有するSortinoレシオとして考えてよい。このアプローチは、公式的にはユーザ・インタフェース内の「Hunterエスティメータ(Estimator)」と呼ばれる。その場合、「Hunterエスティメータ」はローリングSortinoレシオを表す。このアプローチは、この後で説明するHunterレシオと混同されてはならない。
古典的なBlack-Scholes方程式のボラティリティは、ローリングSortinoレシオまたは「Hunterエスティメータ」(期待利益と最小利益との差の資産ボラティリティに対する比)によって与えられる修正Black-Scholesボラティリティによって置換される。これは、線形目的関数内のウエートとして使用される修正Black-Scholesオプション値の集合を与える。
最適化における各々の資産のHunterレシオが、(ローリングSharpeレシオの平均の、それらレシオの標準偏差に対する比として)計算され、グローバル目標ポートフォリオ利益によって課される信頼制約の限界内で動作する線形目的関数内のウエートとして使用される。
古典的なBlack-Scholes方程式におけるボラティリティは、資産/マネージャのHunterレシオによって与えられる修正Black-Scholesボラティリティによって置換される。これは、線形目的関数内のウエートとして使用される修正Black-Scholesオプション値の集合を与える。
改善された資産配分システムは、資産利益の分布に影響を与える特別状況を処理するため、目的関数への多くの調整を可能にする。これらの非正規分布の中には、資産の流動性の程度の効果、利益データの信頼度、および資産の税金感応度がある。
好ましい態様における利益の非正規性は、尖度および非対称度またはオメガによって記述されてよい。これらの尺度によって記述される非正規性が資産について正であれば、ユーザは資産の実質オプション値へプレミアムを手作業で割り当てる。非正規性が負であれば、ユーザは資産の実質オプション値へディスカウントを手作業で割り当てる。資産についての非対称度、尖度、およびオメガの決定は、プロフィーラ(Profiler)モジュールを使用して行われる。
非対称度は分布の非対称の程度である。言い換えれば、それはデータ点が分布の1つの端に山積するかどうかの指標である。幾つかのタイプの非対称度が数学的に定義される。Fisher非対称度(最も普通のタイプの非対称度で、通常、単に「非対称度」と呼ばれる)は、次によって定義される。
ここで、μiはi番目の中心モーメントである。
ここで、μiはi番目の中心モーメントである。リスク回避投資家は非負の非対称度および低い尖度を有する利益分布を好む。
非正規分布を記述するためRDE 323で使用される他の尺度はオメガ(Ω)である。オメガは、Con Keating & William F Shadwick, 'A Universal Performance Measure' (2002), The Finance Development Centre, working paper で定義された統計値である。これは非常に直感的な尺度であって、投資家が、良好な利益と不良な利益との間の閾値を指定し、この閾値に基づいて、「良好」領域内の期待利益値と「不良」領域内の期待利益値との比として統計値オメガを識別することを可能にする。負の利益は許容されないと仮定すると、オメガは次のように定義される。
ここで、-∞から∞へ損失閾値を掃過し、損失閾値に対する統計値Ωをプロットすることができる。現実の損失閾値について2つのポートフォリオのΩプロットを比較することは、優位のポートフォリオ、即ち投資家のリスク選好によって定義された現実の損失閾値について高いΩを有するポートフォリオ、を決定するときの助けとなる。
USSN 10/018,696で説明された資源配分システムにおいて、目的関数は資産の流動特性を考慮に入れなかった。RDE 323は、流動性尺度の2つの集合を有する。即ち、標準尺度と危機時の尺度である。
公開で取り引される資産(例えば株式)については、流動性は、発行済み証券の割合としての平均および最低数量、時価総額の割合としての平均および最低取引額、証券市場の厚み、利用可能なデリバティブ、対応する派生証券の建玉および数量に関して数量化することができる。RDE 323は、新規な回帰モデルを使用して、前述した関連要因に基づく資産の流動性尺度を提供する。モデルは線形マルチファクタ線形回帰モデルであって、線形回帰の係数はソフトウェア・コンポーネントを使用してEntisoft(Entisoft Tools)から引き出される。
標準流動性の尺度は、広い市場で全体的な流動性逼迫が存在する危機時には有効でないことがある。RDE 323は、この危機時急落流動性という問題に特に対処する2つの新規な流動性尺度を定義する。
ヘッジ・ファンドのような資産の場合、前述したように流動性を数量化することは困難である。なぜなら、証券データの大部分は、最良で、公表された投資家および総合取引数量から抽出されるからである。そのような場合、RDE 323は、ヘッジ・ファンド・ポートフォリオ内の流動性および市場性資産のパーセンテージ、平均および最低取引数量の割合としてのパーセンテージ・ポジション、ポートフォリオの75%/90%/100%を売却する日数、およびヘッジ・ファンド・マネージャから得られる他の流動性情報から、ヘッジ・ファンド・ポートフォリオの平均流動性を決定する。次に、基礎となるオプションのプレミアムまたはディスカウントを決定するため、ポートフォリオの平均流動性が使用され、オプションのプレミアムまたはディスカウントは、実質オプション値への追加調整として使用される。
RDE 323は、信頼度プレミアムおよびディスカウントを目的関数に適用して、資産が利用可能であった期間を調整する。プレミアムまたはディスカウントは資産の「開始からの年数」を基礎とし、2〜3年は平坦で始まり、次に7〜8年は着実に増加し、「開始からの年数」が更に増加するにつれて平坦になるS字形プロットである。長期の情報が得られない資産を処理する他の方法は、それら資産を含むポートフォリオについてシナリオを作り、前述したようにしてロバストRDE 327をポートフォリオへ適用することである。
投資家によって受け取られる資産からの最終利益は、もちろん利益が課税される方法によって決定される。免税資産、税金繰り延べ資産からの利益、配当形式の利益、長期収益、および短期収益は、多くの租税体系で異なるように課税される。RDE 323において、資産の期待利益および共分散は、資産の課税効率および考慮される勘定の課税規準を想定して税引き後に計算される。最適化の間、目的関数内および制約内では税引き後の入力が使用される。
r修正課税 = [(1-T)+(T-D)[RLS(1-iL)+(1-RLS)(1-iS)]+D(1-iD)]r公表
各々のクライアント/勘定の税率は、勘定が免税か、繰り延べ税金か、またはその他に従って、カスタム化することができる。長期、短期、および配当税率を指定することによって、州税および代替のミニマム税率を課税することができる。次に、これらの税率は、ポートフォリオ資産について税引き後の利益および共分散を計算するために使用される。
RDE 323は、資産のリスクを数量化する3つのモードをユーザに提案する。次に、RDE 323は、選択されたモードに従って数量化されたリスクを使用し、実質オプション値を計算する。モードは次のとおりである。
1.均一リスク:均一リスクは、ポートフォリオ内の各々の資産について均一のリスク(例えば-10%)を仮定する。
2.平均-2*標準偏差:資産投資リスクの他の普通に使用される尺度は、資産利益分布の標準偏差の2倍を平均から差し引いたものである。統計的に、利益がこの尺度の下に入る確率は5%である(資産利益は正規分布であると仮定する)。
3.最悪1年ローリング利益:これは、資産投資に関連づけられたリスクの控えめな推定である。それは、資産開始以来の資産の最悪1年ローリング利益としてリスクを測定する。
改善された資産配分システムは、Microsoft Visual Basic、Microsoft COMおよび.NET順応コンポーネント、レポートを生成するExcelオートメーション、数値計算および最適化をサポートするMatlab最適化エンジン、およびデータを記憶するロバスト・バックエンドSQLサーバ・データベースを使用して作成されたGUIと共に実現される。図11は、改善された資産配分システム1109の機能的ブロック図である。ユーザ1103は、ビジュアル・ベーシック・プログラム1105を介してシステム1101と対話する。資産、ポートフォリオ、および最適化パラメータを記述するデータ、ならびに最適化の結果は、SQLサーバ・バックエンド1107内のデータベースとの間で読み書きされ、その間に数学計算が最適化エンジン1109によって実行される。したがって、最適化エンジン1109はRDE 323を実現する。好ましい態様で計算を実行するプログラムは、Math Works, Inc., Natick, MAから入手できるMatlabプログラム・スイートにある。
図12は、SQLサーバ1107のリレーショナル・データベース1201内のテーブルを示す。当座の説明を目的として、テーブルは4つのグループに入る。
・ 単一のテーブル、即ち勘定テーブル1205を含む勘定テーブル1203。このテーブルは、資産配分最適化が行われる勘定に関する情報を含む。
・ レポートの準備に必要な情報を含むレポート・テーブル1206。
・ 資産関連情報を含む資産テーブル1211。
・ RDE 323による資産ポートフォリオの最適化に関連した情報を含む最適化実行テーブル1221。
テーブル1211は資産を記述する。ここでの主なテーブルは資産テーブル1217である。資産テーブル1217は、RDE 323で使用される資産またはベンチマークの各々の種類についてエントリを有する。当座の文脈で関心対象となるエントリ内の情報は、資産の識別子、資産情報の信頼度に影響を与える情報、ならびに長期および短期収益および配当所得から来る資産利回りのパーセンテージに関する情報を含む。RDE 323は、エントリが資産を表すかベンチマークを表すかに依存して、資産テーブル1217内のエントリについて異なった情報を保持する。エントリが資産であるとき、追加情報が投資テーブル1215に含まれる。資産および勘定の各々の組み合わせについて、投資テーブル1215の中にエントリが存在する。エントリがベンチマークであるとき、資産をベンチマークに関連づけるベンチマーク資産テーブル1211に追加情報が含まれる。最後に、資産利益テーブル1213は、資産の現在の利益情報へ資産を関連づける。この情報は、RDE 323による各々の最適化の前に、現在の市場レポートから資産利益テーブル1213へロードされる。
ここでの主なテーブルはRDE実行テーブル1223である。RDE 323によって行われてシステムから削除されていない各々の最適化実行のエントリが、RDE実行テーブル1223の中に存在する。RDE実行テーブル・エントリ内の情報は2つのクラスへ入る。即ち、実行の識別情報および実行のパラメータである。識別情報は識別子、名前、および実行日付を含み、また実行が行われたクライアントのために勘定テーブル1205にあるレコードの識別子を含む。パラメータは次のものを含む。
・ 最適化を定義するパラメータ。これには、資産に関するヒストリカル・データの開始日付と終了日付、無リスク投資の予想金利、および投資期間が含まれる:
・ リスクが数量化されるモード;
・ ポートフォリオに所望される最小利益;
・ 信頼値が望まれる利益の範囲;
・ 最適化方法(即ち、最適化で使用される目的関数);
・ 実行のための税率情報;
・ 実行のための複数資産制約の数;
・ 最適化されるポートフォリオについての利益、リスク、Sharpeレシオ、税金効率、および信頼度に基づく制約。
前記の詳細な説明は、本明細書で開示される本発明が具体化される改善資源配分システムをどのように作成および使用するかを当業者へ開示し、また改善資源配分システムを作成する最良モードであって本発明者らに現在知られた最良モードを開示した。本明細書で開示された本発明の原理が、本明細者で開示された方法以外の方法で使用されてよいこと、および本発明の原理を組み込まれた資源配分システムが、多くの異なった方法で実現されてよいことが当業者へ即時に明らかであろう。例えば、本明細者で開示された原理は、ファイナンシャル資産以外の資源を配分するために使用されてよい。更に、本明細書で開示された技術は、本明細書で開示されたものとは異なる目的関数、目的関数上の制約、および目的関数への調整、ならびに本明細書で開示されたものとは異なるロバスト最適化シナリオと共に使用されてよい。最後に、本明細書で開示された本発明の原理を組み込まれた資源配分システムの多くの異なった実際の実装が行われてよい。実際に必要な全てのものは、データの記憶装置、および記憶装置へのアクセスを有して、ユーザ・インタフェースを生成すると共に数学計算を行うプログラムを実行することのできるプロセッサである。例えば、ウェブ内のサーバまたはどこかに記憶されたファイナンシャル・データへのアクセスを有するワールド・ワイド・ウェブ内のサーバによって計算およびユーザ・インタフェースの生成が行われ、ユーザが自分のPC内のウェブ・ブラウザを使用してサーバと対話する資源配分システムの実装を容易に行うことができる。
Claims (33)
- 複数の資産から選択された資産の集合を分析する方法であって、複数の資産のヒストリカル利益データが、プロセッサからアクセス可能な記憶装置に記憶され、
プロセッサの中で実行される以下の段階を含む方法:
集合のために選択される資産、および各々の資産について所望の最小利益を指示する入力を受け取る段階;
ヒストリカル利益データを使用して、選択された資産の少なくとも1つが、資産について指示された所望の最小利益を提供しない確率を決定する段階;および
確率を出力する段階。 - ヒストリカル利益を使用して確率を決定する段階が以下の段階を含む、請求項1記載の方法:
資産利益の多変量正規分布を使用して、選択された資産の各々が所望の最小利益を提供する確率を決定する段階;および
選択された資産の各々が所望の最小利益を提供する確率から、選択された資産の少なくとも1つが所望の最小利益を提供しない確率を決定する段階。 - 多変量正規分布を使用する段階において、選択された資産の各々が所望の利益を提供する確率が、資産の実質オプション値を使用して決定される、請求項2記載の方法。
- 資産の集合を最適化する方法であって、資産のヒストリカル利益データがプロセッサからアクセス可能な記憶装置に記憶され、
プロセッサの中で実行される以下の段階を含む方法:
資産集合のためにシナリオの集合を指示する入力を受け取り、各々のシナリオが値を有し、該値が、資産集合を最適化するために使用され、また2つの極値とシナリオの生起確率との間で確率的に変化する値を有する段階;および
資産集合の最悪事態値がシナリオ集合について最適化されるように資産集合のウエートを決定する段階。 - 資産集合の最悪事態値が資産集合の最悪実質オプション値であり、
最適化に使用される値が平均利益および共分散である、請求項4記載の最適化方法。 - シナリオ集合内のシナリオが、資産集合内の資産のヒストリカル利益データに対応することができる、請求項4記載の最適化方法。
- シナリオ集合内のシナリオが、高度に相関された資産集合内の或る資産を含むことができる、請求項4記載の最適化方法。
- シナリオ集合内のシナリオが、ヒストリカル利益データ内の異常値に対応することができる、請求項4記載の最適化方法。
- 更に、以下の段階を含む、請求項4記載の最適化方法:
最適化されている資産集合が受ける追加制約を指示する入力を受け取る段階;および
資産のウエートを決定する段階において、追加制約を受けたウエートを決定する段階。 - 複数の資産から資産の集合を選択し、集合内の資産のウエートを最適化する方法であって、資産のヒストリカル利益データが、プロセッサからアクセス可能な記憶装置に記憶され、
プロセッサの中で実行される次の段階を含む方法:
1)選択された集合内の少なくとも1つの資産が、資産について指示された所望の最小利益を提供しない確率に基づいて資産の集合を選択する段階;および
2)選択された集合内の資産のウエートを最適化する段階。 - 少なくとも1つの資産が所望の最小利益を提供しない確率が、資産の実質オプション値を使用して決定される、請求項10記載の方法。
- 資産のウエートの最適化が、資産の実質オプション値を使用して行われる、請求項10記載の方法。
- 資産のウエートの最適化が、ロバスト最適化を使用して行われる、請求項10記載の方法。
- ロバスト最適化が、ユーザによって指定されたシナリオの集合について最適化し、各々のシナリオが値を有し、該値が、資産集合の最適化に使用され、また2つの極値とシナリオの生起確率との間で確率的に変化する、請求項13記載の方法。
- 資産集合が所望の最小利益を生じる確率が、ユーザによって指定された値αよりも大きいという制約を受けて、資産のウエートの最適化が行われる、請求項10記載の方法。
- 最適化が複数の制約(1...n)を受けて行われ、資産集合が所望の最小利益を生じる確率が、ユーザによって指定された値αiよりも大きいことを制約ciが指定する、請求項15記載の方法。
- 集合内の資産のウエートの最適化が、ロバスト最適化を使用して行われる、請求項#C5記載の方法。
- ロバスト最適化が、ユーザによって指定されたシナリオの集合について最適化し、各々のシナリオが平均利益および共分散行列を含み、これらの各々が2つの極値とシナリオの生起確率との間で確率的に変化する、請求項17記載の方法。
- 資産が負のウエートを有することができる、請求項10記載の方法。
- 集合内の資産のウエートの合計が1を超えることができる、請求項10記載の方法。
- 資産のウエートの最適化が、一つまたは複数の追加制約を受けて行われる、請求項10記載の方法。
- 追加制約が、集合内の資産の選択された部分集合に属する資産のウエートの合計を限定する、請求項21記載の方法。
- 集合内の資産の数量が最小投資閾値の上にあるように、追加制約が資産のウエートを制約する、請求項21記載の方法。
- 資産のダウンサイド・リスクが所定値bよりも小さくなるように、追加制約が制約を制限する、請求項21記載の方法。
- 追加制約が、各々の資産について最悪引き出しから計算される、請求項24記載の方法。
- 追加制約が、集合の平均利益および標準偏差から計算される、請求項24記載の方法。
- 更に、以下の段階を含む、請求項12記載の方法:
資産について実質オプション値を計算するため複数の目的関数の1つを指示する入力を受け取る段階;および
資産のウエートを最適化する段階において、複数の中の指示された目的関数を使用して最適化が行われる段階。 - 資産のウエートを最適化する段階において、一つまたは複数の資産の実質値へプレミアムまたはディスカウントを割り当てることによって目的関数が調整される、請求項12記載の方法。
- 目的関数が、資産について非正規利益を考慮するように調整される、請求項28記載の方法。
- 目的関数が、資産の流動特性を考慮するように調整される、請求項28記載の方法。
- 目的関数が、資産の税金感応度を考慮するように調整される、請求項28記載の方法。
- 資産が利用可能であった期間の長さを考慮するように目的関数が調整される、請求項28記載の方法。
- 更に、以下の段階を含む、請求項12記載の方法:
資産のリスクを数量化する複数のモードの1つを指示する入力を受け取る段階;および
資産のウエートを最適化する段階において、複数の中の指示されたモードを使用して最適化が行われる段階。
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