JP2007520484A - シクロオキシゲナーゼ−2インヒビターとしてのジアリール−2−(5h)−フラノンの一酸化窒素放出プロドラッグ - Google Patents

シクロオキシゲナーゼ−2インヒビターとしてのジアリール−2−(5h)−フラノンの一酸化窒素放出プロドラッグ Download PDF

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Abstract

本発明は、シクロオキシゲナーゼ−2介在疾患の治療に有用なジアリール−2−(5H)フラノンの一酸化窒素放出プロドラッグである式Iの新規な化合物を包含する。
本発明はまた、シクロオキシゲナーゼ−2介在疾患を治療するための、式Iの化合物の使用を含むいくつかの医薬組成物及び治療方法を包含する。上記化合物は、慢性のシクロオキシゲナーゼ−2介在疾患または状態を治療するために低用量アスピリンとの併用療法として使用でき、しかも、血栓性心血管イベントのリスクを低下させる。

Description

シクロオキシゲナーゼ−2の選択的インヒビターは、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)として知られた薬物のクラスのサブクラスである。NSAIDは、プロスタグランジンに誘発される疼痛や炎症プロセスに付随する腫脹の軽減に有効であるが、炎症プロセスに関連しない他のプロスタグランジン調節プロセスに影響を与える活性も有している。従って、多くの普及したNSAIDは高用量で使用したときに命にかかわる腫瘍のような重篤な副作用を生じることがあり、このことがNSAIDの治療薬としての可能性を制限している。NSAIDに代わるものはコルチコステロイドの使用であるが、これらはもっと激しい副作用があり、特に長期間療法の場合に副作用が強い。
従来のNSAIDは、ヒトのアラキドン酸/プロスタグランジン経路で酵素シクロオキシゲナーゼ(COX)のような酵素を阻害することによってプロスタグランジンの産生を防止することが知見された。COX酵素に2つのアイソフォーム、即ち、生理的機能に関与する第一の酵素COX−1、及び、炎症組織で誘発される第二の酵素COX−2が存在するという発見が新しい研究方法をもたらした。慣用のNSAIDは酵素の双方の形態をブロックするものであるが、炎症に関与する誘導酵素COX−2の同定は、炎症をより効果的に軽減しかつ副作用の発生を減らしその程度を弱める有力な阻害ターゲットを提供した。ロフェコキシブ(VIOXXRTM)、エトリコキシブ(ARCOXIATM)、セレコキシブ(CELEBREXRTM)及びバルデコキシブ(BEXTRETM)などのCOX−2インヒビター活性を有している多くの化合物が同定され、この分野でいっそうの研究が続けられている。
慢性シクロオキシゲナーゼ−2介在疾患または状態に罹患している多くの患者は高齢であり、従って、卒中、心筋虚血、心筋梗塞、狭心症、一過性虚血発作(TIA;一過性黒内障)、可逆的虚血性神経性欠損のような血栓性心血管イベント、及び、いずれかの血管床(内臓、腎臓、大動脈、末梢血管など)の同様の血栓性イベントのリスクが高くなっている。更に、リウマトイド関節炎及び全身性ループスエリテマトーデスのような慢性炎症状態のある患者でも血栓性心血管イベントのリスクが高いという証拠がある。このような患者にはこのようなイベントのリスクを低下させる低用量アスピリン療法のような適正な治療を行うのが望ましい。しかしながら、ラットモデルにアスピリンと選択的COX−2インヒビターとを併用投与すると、どちらか一方の薬剤の単独投与の場合よりも実質的に重篤な胃傷害が生じることが報告されている。Fiorucciら,Gastroenterology,vol.123,pp.1598−1606,2002参照。従って、NSAIDよりも優れたCOX−2選択的インヒビターの利点の多くが、アスピリンと併用することによって相殺されてしまう。
非ステロイド系抗炎症薬のNO放出形態は当業界で公知であり、胃腸及び心血管の安全性プロフィルを慣用の対応NSAIDよりも改善すると報告されている。更に、シクロオキシゲナーゼ−2選択的インヒビターのNO放出形態は、2001年6月28日公開の国際特許WO01/45703に開示されている。
本発明は、シクロオキシゲナーゼ−2介在疾患または状態の治療に有用であり単独投与または低用量アスピリンと併用投与できる新規なシクロオキシゲナーゼ−2選択的インヒビターのニトロソ化プロドラッグを提供する。本発明は慢性シクロオキシゲナーゼ−2介在疾患または状態の治療に有効であり、血栓性心血管イベント及び潜在的腎副作用のリスクを効果的に低下させ、同時に、胃腸の潰瘍形成または出血のリスクを低下させる。
本発明は式Iの新規な化合物を包含する。化合物はシクロオキシゲナーゼ−2介在疾患の治療に有用なジアリール−2−(5H)−フラノンの一酸化窒素放出プロドラッグである:
Figure 2007520484
本発明はまた、シクロオキシゲナーゼ−2介在疾患を治療するための、式Iの化合物の使用を含むいくつかの医薬組成物及び治療方法を包含する。上記化合物は、慢性シクロオキシゲナーゼ−2介在疾患または状態を治療するために低用量アスピリンと共に併用療法として使用でき、しかも、血栓性心血管イベントのリスクを低下させる。
本発明は、シクロオキシゲナーゼ−2介在疾患の治療に有用なジアリール−2−(5H)−フラノンにin vivoで変換されるプロドラッグとして式I:
Figure 2007520484
の新規な化合物または医薬的に許容されるその塩を包含する。
式中の、
nは1−6の整数であり、
は、
(a)S(O)CH、及び
(b)S(O)NH
から成るグループから選択され、
及びRの各々は独立に、
(a)水素、
(b)ハロ、
(c)C1−6アルコキシ、
(d)C1−6アルキルチオ、
(e)CN、
(f)CF
(g)C1−6アルキル、及び、
(h)N
から成るグループから選択され、
は、
(a)1−3個のハロ基で場合によっては置換されているC1−4アルキル、
(b)フェニル、ナフチル、または、各々が1−3個のハロ基で場合によっては置換されている5−もしくは6−員環の芳香族複素環、
(c)−O−R、及び、
(b)−(CH−N(R)(R
から成るグループから選択され、
mは1−4の整数であり、
、R及びRの各々は独立に、水素、及び、1−3個のハロ基で場合によっては置換されているC1−4アルキル基から成るグループから選択される。
本発明の1つの実施態様は、RがS(O)CHであり、R及びRの双方が水素である式Iの化合物を包含する。
本発明の別の実施態様は、nが1、2または3である式Iの化合物を包含する。
本発明の別の実施態様は、RがC1−4アルキルである式Iの化合物を包含する。
本発明の別の実施態様は、Rがメチルである式Iの化合物を包含する。
本発明はまた、式Iの化合物と医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物を包含する。
本発明はまた、非ステロイド系抗炎症剤による治療に感受性の炎症性疾患を治療するために、当該治療が必要な患者に無毒性治療有効量の式1の化合物を投与する治療方法を包含する。この実施態様には、患者が血栓性心血管イベントのリスクもあり、患者が心血管イベントのリスクを低下させるアスピリン療法を受けている上記方法も含まれる。
本発明の別の実施態様は、COX−1よりもCOX−2を選択的に阻害する活性物質によって有利に治療されるシクロオキシゲナーゼ介在疾患を治療するために、当該治療が必要な患者に無毒性治療有効量の式Iの化合物を投与する治療方法を包含する。この実施態様には、患者が血栓性心血管イベントのリスクもあり、患者が心血管イベントのリスクを低下させるアスピリン療法を受けている上記方法も含まれる。
本発明の別の実施態様は、慢性シクロオキシゲナーゼ−2介在疾患または状態を治療しかつ血栓性心血管イベントのリスクを低下させるために、当該治療を必要としかつ血栓性心血管イベントのリスクがあるヒト患者に、シクロオキシゲナーゼ−2介在疾患または状態の治療に有効な量の式Iの化合物及び血栓性心血管イベントのリスク低下に有効な量のアスピリンを同時または順次に経口投与する方法を包含する。この実施態様には、式Iの化合物を1日1回の用法で経口投与する上記方法も含まれる。この実施態様には、式Iの化合物を1日2回の用法で経口投与する上記方法も含まれる。この実施態様には、シクロオキシゲナーゼ−2選択的介在疾患または状態が、骨関節炎、リウマトイド関節炎及び慢性疼痛から成るグループから選択される上記方法も含まれる。この実施態様には、アスピリンを約30mg−約1gの用量で投与する上記方法も含まれる。この実施態様には、アスピリンを約80mg−約650mgの用量で投与する上記方法も含まれる。この実施態様には、アスピリンを約81mg−約325mgの用量で投与する上記方法も含まれる。この実施態様には、アスピリンを1日1回経口投与する上記方法も含まれる。
本発明はまた、式Iの化合物とアスピリンとを医薬的に許容される担体と共に含む医薬組成物を包含する。
“ハロゲン”または“ハロ”という用語は、F、Cl、Br及びIを含む。
“アルキル”という用語は、指定された数の炭素原子を有している線状または分枝状の構造及びその組合せを意味する。従って、例えばC1−6アルキルは、メチル、エチル、プロピル、2−プロピル、s−及びt−ブチル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、1,1−ジメチルエチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルを含む。
“アルコキシ”という用語は、指定された数の炭素原子を有している直鎖状または分枝状構造のアルコキシ基を意味する。例えばC1−6アルコキシは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシなどを含む。
“アルキルチオ”という用語は、指定された数の炭素原子を有している直鎖状または分枝状構造のアルキルチオ基を意味する。例えばC1−6アルキルチオは、メチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオなどを含む。
“5−または6−員環の芳香族複素環”という用語は、例えば、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、トリアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、テトラゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン及びトリアジンを意味する。
本文中に記載の化合物のあるものは、オレフィン二重結合を含み、異なる記述がない限り、E及びZの双方の幾何異性体を含意する。式Iの化合物は、1つまたは複数の非対称中心を含むことができ、従って、ラセミ化合物及びラセミ混合物、単一鏡像異性体、ジアステレオマー混合物及び個々のジアステレオマーとして生じ得る。本発明は式Iの化合物のこのような異性体形態をすべて包含する。
“慢性シクロオキシゲナーゼ−2介在疾患または状態を治療する”という用語は、シクロオキシゲナーゼ−2酵素を阻害することによって有利に治療または予防できる慢性の疾患または状態の治療または予防を意味する。この用語は、リューマチ熱、インフルエンザまたは他のウイルス感染に付随する症状、普通の風邪、背中の下部及び首の痛み、月経困難症、頭痛、偏頭痛(急性及び予防的処置)、歯痛、捻挫及び挫傷、筋肉炎、神経痛、滑膜炎、リウマトイド関節炎のような関節炎、変性関節疾患(骨関節炎)、痛風及び強直性脊椎炎、急性、亜急性及び慢性の筋肉骨格疼痛症候群例えば粘液嚢炎、火傷、創傷、外科及び歯科処置後の痛みのような様々な状態の疼痛、発熱及び炎症の軽減、並びに、手術痛の先制処置を包含する。更にこの用語は、細胞の腫瘍性形質転換及び転移性腫瘍の増殖の阻害を包含し、従って癌の治療を包含する。この用語はまた、子宮内膜症及びパーキンソン病の治療を含み、また、糖尿病性網膜障害及び腫瘍起因性血管形成で生じるようなシクロオキシゲナーゼ介在増殖異常の治療を含む。“治療する”という用語は、患者の疾患または状態の徴候及び症状を軽減する治療だけでなく、無症状患者の疾患または症状の発症または進行を防ぐ予防的処置も意味する。
“血栓性心血管イベント”は、血小板凝集、血栓形成及びその後の虚血性臨床イベントによって生じることが知られているタイプの急激なイベントのいずれかであると定義される。このようなイベントの例は、血栓性または血栓塞栓性脳卒中、心筋虚血、心筋梗塞、狭心症、一過性虚血発作(TIA;一過性黒内障)、可逆的虚血性神経性欠損、いずれかの血管床(内臓、腎臓、大動脈、末梢血管など)の同様の血栓性イベントである。
“血栓性心血管イベントのリスクがある当該治療が必要な患者”という用語は、シクロオキシゲナーゼ−2介在疾患の治療を必要としており同時に血栓性心血管イベントのリスクがある患者を意味する。当業者は、シクロオキシゲナーゼ−2介在疾患または状態の治療を必要としており同時に血栓性心血管イベントに罹るリスクがある患者を診断できる。例えば、心筋梗塞の病歴がある50歳以上の骨関節炎患者がこのような患者に該当するであろう。血栓性心血管イベントの別の危険要因は、高血圧、高コレステロール血症、真性糖尿病、慢性腎障害、喫煙、及び、このようなイベントの個人的または家族的病歴である。患者への薬物の併用投与は、自己投与及び他者による患者への投与の双方を含む。
“治療有効量”という用語は、研究者、獣医師、内科医または他の臨床医が求める組織、系、動物またはヒトの生物学的または医学的応答を誘発する薬物または医薬の量を意味する。この用語はまた、組織、系、動物またはヒトで研究者、獣医師、内科医または他の臨床医が防止を求める生物学的または医学的イベントの発生リスクを防止または低減する医薬の量を包含する。シクロオキシゲナーゼ−2のインヒビターは、NSAIDの慣用の用量レベル以下の用量レベルで投与し得る。本発明に使用される式Iの化合物の適当な用量レベルは後述する。化合物は1日1回または2回の投与計画で投与し得る。
“リスク低下に有効な量”という用語は、組織、系、動物またはヒトで研究者、獣医師、内科医または他の臨床医が防止を求める生物学的または医学的イベントの発生リスクを防止または低減する医薬の量を意味する。アスピリンは、1日1回約30mg−約1gの用量、好ましくは約80mg−約65mgの用量で投与される。
“同時に投与する”という用語は、薬剤を実質的に同時に投与することを意味する。“同時に投与する”という用語は、単一の医薬剤形で2種類の薬剤を投与することだけでなく、各有効物質をそれ自体の個別の医薬投与配合物として投与することを含む。個別の投与配合物を使用する場合には、薬剤を本質的に同じ時期、即ち同時に投与できる。
“順次に投与する”という用語は、時間をずらせて薬剤を別々に投与することを意味する。例えば、アスピリンと本発明の化合物との有効な医薬効果が患者に実質的に同時に自覚されるように薬剤を順次に投与する。従って、例えば、本発明の化合物とアスピリンとを1日1回の用法で投与する場合、2つの薬剤の順次投与の間隔は12時間以内である。
本発明の医薬組成物は、式Iの化合物または医薬的に許容されるその塩を有効成分として含み、更に、医薬的に許容される担体及び場合によっては他の治療成分を含有し得る。“医薬的に許容される塩”という用語は、無機塩基及び有機塩基のような医薬的に許容される無毒性塩を生じる塩基から製造された塩を含む。無機塩基に由来の塩は、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、第二マンガン、第一マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛などの塩である。アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム及びナトリウムの塩が特に好ましい。医薬的に許容される無毒性有機塩基に由来の塩は、第一級、第二級及び第三級アミン、天然産生置換アミンのような置換アミン、環状アミンの塩、及び、塩基性イオン交換樹脂、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどである。
本発明の化合物が塩基性であるとき、塩は、無機及び有機の酸のような医薬的に許容される塩を生じる酸から製造し得る。このような酸は、酢酸、アジピン酸、アスパラギン酸、1,5−ナフタレン二スルホン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ショウノウスルホン酸、クエン酸、1,2−エタン二スルホン酸、エタンスルホン酸、エチレンジアミン四酢酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヨウ化水素酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムコ酸、2−ナフタレンスルホン酸、硝酸、シュウ酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、ピバル酸、プロピオン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸、ウンデカン酸、10−ウンデセン酸、などである。
式Iの化合物は、in vivoでジアリール−2−(5H)−フラノンに変換されるシクロオキシゲナーゼ−2選択的インヒビターのプロドラッグである。化合物はまた、in vivoで一酸化窒素を放出し、これは胃腸及び潜在的に腎の安全性プロフィルの改善に寄与すると考えられている。従って、本発明の化合物は、慢性のシクロオキシゲナーゼ−2介在疾患または状態を治療するために低用量アスピリンと併用投与でき、血栓性心血管イベント及び潜在的に腎副作用のリスクを効果的に低下させ、同時に、胃腸の潰瘍形成または出血のリスクを低下させる。従って、高血圧及び心血管疾患のある患者及び潜在的に腎機能不全の患者に本発明の化合物を投与すると、NSAID及び現用のシクロオキシゲナーゼ−2選択的インヒビターを上回る効果が実際に得られるであろう。
本発明のプロドラッグの活性部分にはシクロオキシゲナーゼ−2活性があり、従って式Iの化合物は、リューマチ熱、インフルエンザまたは他のウイルス感染に付随する症状、普通の風邪、背中の下部及び首の痛み、月経困難症、頭痛、偏頭痛(急性及び予防的処置)、歯痛、捻挫及び挫傷、筋肉炎、神経痛、滑膜炎、リウマトイド関節炎のような関節炎、変性関節疾患(骨関節炎)、痛風及び強直性脊椎炎、急性、亜急性及び慢性の筋肉骨格疼痛症候群例えば粘液嚢炎、火傷、創傷、外科及び歯科処置後の痛みのような様々な状態の疼痛、発熱及び炎症の軽減、並びに、手術痛の先制処置に有用である。更にこのような化合物は、細胞の腫瘍性形質転換及び転移性腫瘍の増殖を阻害し、従って癌の治療に使用できる。式Iの化合物はまた、子宮内膜症及びパーキンソン病の治療または予防に有用であろう。
式Iの化合物はまた、収縮性プロスタノイドの合成を防止することによってプロスタノイド誘発平滑筋収縮を阻害し、従って月経困難症、早産及び喘息の治療に有用であろう。
上記に定義の本発明のプロドラッグの活性部分が高いシクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)活性及び/またはシクロオキシゲナーゼ−1よりもシクロオキシゲナーゼ−2に選択性を有しているので、式Iの化合物は、特に慣用の非ステロイド抗炎症薬(NSAID)が患者に禁忌である場合の代替薬として有用であろう。このような患者は、消化性潰瘍、胃炎、限局性腸炎、潰瘍性大腸炎、憩室炎の患者、または、胃腸病変の再発病歴のある患者;胃腸出血、貧血を含む凝固異常、例えば、低プロトロンビン血症、血友病またはその他の出血問題(血小板機能の低下または損傷を含む)のある患者;腎臓病(例えば、腎機能損傷)患者;外科手術前または抗凝固剤が投与されている患者;NSAID誘発喘息に罹り易い患者、などである。
同様に式Iの化合物は、現在他の薬剤または成分と併用投与されている製剤中の慣用のNSAIDの部分的代替薬または全面的代替薬として有用であろう。従って別の特徴によれば本発明は、無毒性治療有効量の上記に定義の式Iの化合物と、1種または複数の成分、例えば、アセトミノフェンまたはフェナセチンなどの別の疼痛緩和剤;コデイン、フェンタニル、ヒドロモルホン、レボルファノール、メペリジン、メサドン、モルヒネ、オキシコドン、オキシモルフィン、プロポキシフェン、ブプレノルフィン、ブトルファノール、デゾシン、ナルブフィン及びペンタゾシンなどの麻薬性鎮痛薬;カフェインのような相乗因子;H2−アンタゴニスト;水酸化アルミニウムまたはマグネシウム;シメチコーン;フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、プソイドフェドリン、オキシメタゾリン、エフィネフリン、ナファゾリン、キシロメタゾリン、プロピルヘキセドリンまたはレボ−デオキシエフェドリンなど充血除去薬;コデイン、ヒドロコドン、カラミフェン、カルベタペンタンまたはデキストロメトルファンなどの鎮咳薬;利尿薬;鎮静性または非鎮静性の抗ヒスタミン;オメプラゾールのようなプロトンポンプインヒビターと、を含む上記に定義のシクロオキシゲナーゼ−2介在疾患の治療用医薬組成物を包含する。本発明はまた、偏頭痛の治療または予防のために、リザトリプタン、スマトリプタン、ゾルミトリプタン及びナラトリプタンのような5−HTアゴニストとの併用投与を含む。本発明は更に、無毒性治療有効量の式Iの化合物を、場合によっては1種または複数の上記に挙げたような成分との併用投与によって治療を要する患者に投与する、シクロオキシゲナーゼ介在疾患の治療方法を含む。
本発明の化合物は、シクロオキシゲナーゼ−2のインヒビターのプロドラッグであり、従って、上記に挙げたようなシクロオキシゲナーゼ−2介在疾患の治療に有用である。この活性は、シクロオキシゲナーゼ−1よりもシクロオキシゲナーゼ−2を選択的に阻害する化合物の能力によって示される。従って、本発明の化合物の活性化合物に変換される能力、従って、シクロオキシゲナーゼ介在疾患を治療する能力は、アラキドン酸、シクロオキシゲナーゼ−1またはシクロオキシゲナーゼ−2及び式Iの化合物の存在下で合成されたプロスタグランジンE(PGE)の量を後述のアッセイに説明する手順で測定することによって証明できる。IC50値は得られたPGE合成量を非阻害対照に比べて50%に戻すために必要なインヒビターの濃度を表す。これらのシクロオキシゲナーゼ介在疾患のいずれかを治療するために、式Iの化合物を、医薬的に許容される慣用の無毒性担体、アジュバント及び賦形剤を含有する投与単位配合物として、経口、局所、非経口、吸入スプレーまたは直腸内に投与するとよい。本発明の化合物は、口腔の頬側または舌下の粘膜経由で投与し得る。本文中に使用した非経口という用語は、皮下注射、静脈内、筋肉内、槽内への注射または注入技術を含む。本発明の化合物はまた、鼻腔、肺(吸入エアロゾル)または眼内経路で投与し得る。マウス、ラット、ウマ、ウシ、ヒツジ、イヌ、ネコなどの温血動物の治療に加えて、本発明の化合物はヒトの治療に有効である。
上記に記述したとおり、定義したようなシクロオキシゲナーゼ−2介在疾患を治療する医薬組成物は、場合によっては上記に挙げた1種または複数の成分を含み得る。
有効成分を含有している医薬組成物は、経口使用に適した形態、例えば、錠剤、トローチ剤、甘味入り錠剤、水性または油性の懸濁液、分散性の粉末または顆粒、エマルジョン、硬質または軟質のカプセル、または、シロップ剤もしくはエリキシル剤などの形態にすることができる。経口使用するための組成物は、当業界で公知の医薬組成物製造方法のいずれかによって調製すればよく、このような組成物は、医薬的にエレガントで服用し易い製剤とするために、甘味料、着香料、着色剤及び保存剤から成るグループから選択された1種または複数の補佐物質を含有し得る。錠剤は、錠剤の製造に適した医薬的に許容される無毒性賦形剤と混合された有効成分を含有している。これらの賦形剤は、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウムのような不活性希釈剤;例えばトウモロコシデンプンまたはアルギン酸のような造粒剤及び崩壊剤;例えばデンプン、ゼラチンまたはアラビアガムのような結合剤、及び、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクのような滑沢剤であろう。錠剤は剤皮なしでもよく、または、胃腸管での崩壊及び吸収を遅延させこれによって長期間にわたる持続作用を与えるように公知技術によって剤皮をかけてもよい。例えば、グリセリルモノステアレートまたはグリセリルジステアレートのような徐放材料を使用し得る。また、調節放出される浸透圧性治療用錠剤を形成するために米国特許第4,256,108号、第4,166,452号及び第4,265,874号に記載された技術によって錠剤に剤皮をかけてもよい。
経口使用する配合物はまた、有効成分を炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリンのような不活性固体希釈剤に混合した硬質ゼラチンカプセルにしてもよく、または、有効成分を水または油媒体例えばピーナツ油、液体パラフィンもしくはオリーブ油に混合した軟質ゼラチンカプセルにしてもよい。
水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に適した賦形剤と混合された活性物質を含有している。このような賦形剤は、例えばカルボキシメチル−セルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル−セルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニル−ピロリドン、トラガカントガム及びアラビアガムのような懸濁化剤であり、分散剤または湿潤剤は、天然産生ホスファチド例えばレシチン、または、アルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物、例えば、ポリオキシエチレンステアレート、または、エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えば、ヘプタデカエチレン−オキシセタノール、または、エチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトールに由来の部分エステルとの縮合生成物、例えば、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート、または、エチレンオキシドと脂肪酸及び無水ヘキシトールに由来の部分エステルとの縮合生成物、例えば、ポリエチレンソルビタンモノオレエートでよい。水性懸濁液はまた、エチルもしくはn−プロピル,p−ヒドロキシベンゾエートのような1種または複数の保存剤、1種または複数の着色剤、1種または複数の着香料、及び、スクロース、サッカリンもしくはアスパルテームのような1種または複数の甘味料を含有し得る。
液体配合物は、自己乳化性ドラッグデリバリーシステム及びNanoCrystalRTM技術の使用を含む。シクロデキストリン包接複合体も利用できる。
油性懸濁液は、有効成分を落花生油、オリーブ油、ゴマ油もしくはココヤシ油のような植物油または液体パラフィンのような鉱油に懸濁させることによって配合し得る。油性懸濁液は、増粘剤、例えば、蜜蝋、硬質パラフィンまたはセチルアルコールを含有し得る。呑み易い経口製剤を提供するために上記に挙げたような甘味料及び着香料を添加するとよい。これらの組成物は、アスコルビン酸のような抗酸化剤の添加によって保存可能になる。
水を加えて水性懸濁液を調製するための適当な分散性粉末及び顆粒は、分散剤または湿潤剤、懸濁化剤及び1種または複数の保存剤と混合された有効成分を提供する。適当な分散剤または湿潤剤及び懸濁化剤の例は上記に記載した。追加の賦形剤、例えば、甘味料、着香料及び着色剤も存在し得る。
本発明の医薬組成物はまた水中油型エマルジョンの形態でもよい。油相はオリーブ油もしくは落花生油のような植物油または液体パラフィンのような鉱油またはこれらの混合物でよい。適当な乳化剤は、天然産生ホスファチド、例えば、ダイズ、レシチン、及び、脂肪酸と無水ヘキシトールとに由来のエステルまたは部分エステル、例えば、ソルビタンモノオレエート、及び、上記部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートである。エマルジョンはさらに甘味料及び着香料を含有し得る。
シロップ剤及びエリキシル剤には、甘味料、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールまたはスクロースを配合するとよい。このような配合物は、粘滑薬、保存剤、着香料及び着色剤も含有し得る。医薬組成物は水性または油性の注射可能な滅菌懸濁液の形態でよい。この懸濁液は、上記に挙げたような適当な分散剤または湿潤剤及び懸濁化剤を使用して公知技術に従って配合し得る。注射可能な滅菌製剤はまた、非経口的に許容される無毒性希釈剤または溶媒中の注射可能な滅菌溶液または懸濁液でもよく、例えば1,3−ブタンジオールの溶液でよい。使用し得る適格なビヒクル及び溶媒は、リンゲル液及び等張塩化ナトリウム溶液である。更に、滅菌した不揮発油を溶媒または懸濁媒体として使用するのも便利である。このためには、合成のモノ−またはジグリセリドのような口当たりのよい不揮発油のいずれかを使用するとよい。更に、オレイン酸のような脂肪酸を注射剤の調製に使用できる。
式Iの化合物はまた薬物を直腸投与する座薬剤の形態で投与されてもよい。これらの組成物は、常温で固体であるが直腸温度で液体になり従って直腸内で融解して薬物を放出する適当な無刺激性賦形剤に薬物を混合することによって調製できる。このような材料はカカオ脂及びポリエチレングリコールである。
局部使用には、式Iの化合物を含有しているクリーム、軟膏、ゼリー、溶液または懸濁液などを使用する。(本願では局部使用に洗口剤及び含嗽剤を含める)。
本発明の医薬組成物はまた、トゥイーン80、トゥイーン20、ビタミンE TPGS(d−アルファ−トコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート)及びGelucireRTMのような吸収増進剤を使用してもよい。
上記に記述した状態の治療には、1日に体重1kgあたり約0.01mg−約140mg、あるいは、1日に患者あたり約0.5mg−約7gのオーダの用量レベルが有効である。例えば、1日に体重1kgあたり約0.01−約50mg、あるいは、1日に患者あたり約0.5mg−約3.5g、好ましくは1日に患者あたり2.5mg−1gの化合物を投与することによって炎症を効果的に治療し得る。
単一剤形を製造するために担体材料と組合せることができる有効成分の量は、治療される宿主、特定の投与モード次第で変更されるであろう。例えば、ヒトに経口投与される配合物は、全組成物の約5−約95パーセントの範囲の好適量の担体材料に配合された0.5mg−5gの活性物質を含有し得る。投与単位形態は一般に、約1mg−約500mgの有効成分、典型的には25mg、50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、800mg、または、1000mgの有効成分を含有しているであろう。
しかしながら、いずれか特定の患者の具体的な用量レベルは、年齢、体重、全身の健康状態、性別、食事、投与時間、投与経路、排泄速度、併用薬物、治療される特定疾患の重篤度のような多様な要因に左右されるであろう。
合成方法
シクロオキシゲナーゼ−2選択的インヒビターとして有用なスチルベン誘導体は米国特許第5,849,943号に開示されている。該特許の記載内容全体が参照によって本発明に含まれるものとする。
COX−2インヒビターとして有用なジアリール−2−(5H)−フラノンは当業界で公知であり、米国特許第5,474,995号に開示されている。該特許の記載内容全体が参照によって本発明に含まれるものとする。COX−2インヒビターとして有用なジアリール−2−(5H)−フラノンの製造方法は米国特許第5,840,924号に開示されている。該特許の記載内容全体が参照によって本発明に含まれるものとする。商品名VIOXXで販売されているロフェコキシブは当業界で公知であり、市販されている。
本発明の化合物は以下の合成スキームに従って合成できる。
Figure 2007520484
スキーム1に使用した略号
D.M.=Dess−Martin試薬
HF.pyr=フッ化水素ピリジン(70/30)
生物活性定量アッセイ
式Iの化合物は、それらの生物活性を定量するために以下のアッセイを使用して試験できる。
シクロオキシゲナーゼ活性の阻害
全細胞及びミクロソームのシクロオキシゲナーゼアッセイで化合物をシクロオキシゲナーゼ活性インヒビターとして試験する。これらのアッセイはいずれもアラキドン酸に応答したプロスタグランジンE(PGE)合成をラジオイムノアッセイによって測定する。全細胞アッセイに使用し、またミクロソームアッセイ用のミクロソームの作製に使用した細胞は、ヒト骨肉種143細胞(これはシクロオキシゲナーゼ−2を特異的に発現する)及びヒトU−937細胞(これはシクロオキシゲナーゼ−1を特異的に発現する)である。これらのアッセイでは、アラキドネート付加物の非存在下と存在下との間のプロスタグランジンE合成の差を100%活性と定義する。IC50値は、PGE合成を非阻害対照で得られた値に比べて50%に戻すために必要な推定インヒビターの濃度を表す。
A.ミクロソームシクロオキシゲナーゼアッセイ
Coxミクロソーム画分を従来の記載通りに調製する(Percivalら,Arch.Biochem.Biophys.(1994)315:111−118)。10μg/mlのCox−1またはCox−2の各々のミクロソーム画分を補充した50mMのKPi,pH8.0、1μMのヘム、1mMのフェノール中で酵素反応を行わせる。1μlのDMSOまたは試験化合物(DMSO中の100倍濃縮予製液)を100μlのバッファに加える。10μlの100μMアラキドン酸添加の15分後に酵素反応を開始させる。酵素反応を室温で5分間進行させた後、10μlの1NのHClを加えて反応停止させる。次いでEIA(Assay Designs)を製造業者の指示通りに使用してPGEレベルを定量する。
このアッセイは、転換前の本発明のプロドラッグがCOX−1及びCOX−2の双方に不活性であることを証明するために使用し得る。
B.ヒト全血シクロオキシゲナーゼアッセイ
理論
全血は、COX−2インヒビター及びNSAIDのような抗炎症性化合物の生化学的効能を研究するためのタンパク質及び細胞に富む培地を提供する。シクロオキシゲナーゼの2つのアイソフォーム(COX−1及びCOX−2)に対するこれらの化合物の阻害活性を試験するためには、ヒト血液をリポ多糖(LPS)で24時間刺激してCOX−2を誘発するか、または、血液を自然に凝固させてCOX−1を活性化する。インキュベーションの終了時にCOX−2及びCOX−1の活性の読出しとしてそれぞれプロスタグランジンE(PGE)及びトロンボキサンB(TXB)の産生をイムノアッセイによって測定する。
方法
従来技術(Brideauら,1996)に報告されたCOX−1及びCOX−2の活性を定量するヒト全血アッセイは以下に記載の手順で行う。
1.COX−2(LPS−誘発PGE 産生):
健康な男性供血者から静脈穿刺によって新鮮血液をヘパリン化した管に採取する。これらの被験者は明らかな炎症状態がなく、採血前の少なくとも7日間はNSAIDを全く服用していない。血液を先ず、100μg/mlの細菌性リポ多糖(LPS)(Sigma Chem,#L−2630大腸菌,血清型0111:B4;リン酸塩緩衝生食液中の0.1%w/vのウシ血清アルブミンに希釈)と共にプレインキュベートする。5分後、LPS−処理血液の500μLのアリコートを2μLのビヒクル(DMSO)またはDMSO中の2μLの試験化合物と共に37℃で24時間インキュベートする(COX−2誘発)。時点0の非刺激の(LPS非使用)対照血液をブランクとして使用する。24時間のインキュベーション終了後、血液を40℃、3,000rpmで10分間遠心して血漿を得る。エンザイムイムノアッセイキット(Assay Designs,901−001)を製造業者の指示通りに使用して血漿中のPGEを定量する。
2.COX−1(凝血誘発TXB 産生)
男性または女性の供血者から新鮮血液を凝固防止剤非含有の吸引容器に採取する。これらの被験者は明らかな炎症状態がなく、採血前の少なくとも7日間はNSAIDを全く服用していない。2μLのDMSOまたは2μLの試験化合物を予め充填したポリプロピレン管に500μLのアリコートを直ちに移す。管を旋回させ、37℃で1時間インキュベートして血液を凝固させる。インキュベーション終了後、遠心(40℃、3,000rpmで10分間)によって血清を採取する。エンザイムイムノアッセイキット(Assay Designs,901−002)を製造業者の指示通りに使用して採取した血清のTXBを定量する。
代表的なラット足浮腫アッセイ−プロトコル
理論
カラゲナン誘発ラット足浮腫アッセイは、急性炎症に対する慣用の非選択的NSAIDの効能を評価するための確立されたアッセイである(Winterand Flataker,1965;Mukherjeeら,1996;Vinegarら,1987)。
方法
雄のスプレーグ−ドーリーラット(200−250g)を16−18時間絶食させた後、ビヒクル(0.5%メトセル)または試験化合物を経口投与する。1時間後、片方の後足の踝の上方の処に耐久マーカーで線を引き、モニターすべき足領域を限定した。アルキメデスの水排除の原理に基づくプレスチモメーター(Ugo−Basile,Italy)を使用して足の体積(V)を測定する。次に1%のカラゲナン(Sigma Chem)を含む0.05mLの生食液を27−ゲージ針の付いた注射器でラットの足裏に注射する(即ち、片足あたり500μgのカラゲナン)。3時間後、足の体積(V)を再度測定し、足の体積増加(V−V)を計算する。足の浮腫をビヒクル対照群に比較し、対照群の値を0%として阻害パーセントを算定する。
ラットのNSAID−誘発胃障害
理論
慣用のNSAIDの顕著な副作用は、ヒトに胃病変を生じさせる能力である。ラットはNSAIDの作用に敏感であり、現在慣用のNSAIDの胃腸副作用を評価するためにこれまで常用されている。このアッセイでは、NSAID誘発胃腸損傷を、51Cr−EDTAの経口投与後の尿の51Cr排泄を測定することによって観察する。尿の51Cr排泄は、動物及びヒトの胃腸の健全性を検出するための確立された高感度技術である。
方法
雄のスプレーグ−ドーリーラット(150−200g)に試験化合物を一回(急性投与)または数日間で複数回(慢性投与)経口投与する。最終用量の投与後直ちに、ラットに51Cr−EDTA(10μCi/ラット)を経口投与する。動物を一匹ずつ代謝ケージに入れ、餌と水は自由に摂取させる。24時間の尿を収集し、尿の51Cr排泄を総摂取量のパーセントとして計算する。
リスザルのタンパク質喪失性胃障害
理論
タンパク質喪失性胃障害(胃腸管の循環性細胞及び血漿タンパク質の出現として示される)はNSAID用量限定性の重大な副作用である。これは、51CrCl溶液の静脈内投与によって定量的に測定できる。この同位体イオンは、細胞及び血清のグロビン及び細胞の小胞体に盛んに結合できる。従って同位体投与後の24時間に集めた糞便中に現れる放射能を測定すると、タンパク質喪失性胃障害の高感度で定量的な指数が得られる。
方法
雄のリスザル(0.8−1.4kg)のグループを1%メトセルまたは試験化合物を数日間多数回投与するガバージュによって処理する。最終の薬物ビヒクル投与の1時間後に51Cr(1ml/kgのPBS中で5μCi/kg)を静脈内投与し、代謝ケージ内の糞便を24時間収集し、排泄された51Crをガンマ−カウンティングによって測定する。糞便中の51Crの排泄を注射全量のパーセントとして計算する。
雄のスプレーグ−ドーリーラットのラット大動脈平滑筋輪
ラット大動脈平滑筋輪の作製
高用量(80−100mg/kg)のペントバルビトンナトリウムの腹腔内注射によって雄のスプレーグ−ドーリーラット(Charles River Laboratories(Wilmington,MA))を安楽死させる。胸大動脈を速やかに摘出し、酸素付加した(95%のO及び5%のCO)温かい(37℃)クレブスバッファ(1ミリモルあたりの組成:NaCI(119);KCI(4.69);CaCl.HO(2.52);MgSO.7HO(0.57);NaHCO(25);NaHPO.,.HO(1.01)及びブドウ糖(11.1))を収容したシャーレに直ちに入れる。立体解剖顕微鏡下で大動脈を清浄化し、付着している脂肪や結合組織を除去する。組織を各々が約2−3mm長さの輪状切片に裁断する。
種々の条件下の組織の緩和を測定する実験のために、ステンレススチールの組織ホルダーとステンレススチールのU形ワイヤとを大動脈輪の内腔に挿入する。組織ホルダーで器官槽の底部に輪を固定し、U形スチールワイヤの末端に細い絹糸を結びつけ、FT−202変換器に接続する。次に、組織ホルダーとスチールワイヤとを大動脈輪と共に、新しいクレブスバッファを満たした5ml容の二重ジャケットで温度制御したガラス製の器官槽(Radnoti Glass Technology,Inc.,Monrovia,CA)に吊り下げる。95%O及び5%COの混合物を槽の底部の多孔性焼結ディスクから吹き込む。輪に初期静止張力1.5gを与え、調製標本を初期張力で約90分間平衡させる。この平衡期間中は槽流体を15分毎に交換し、予め温めた(37℃)新しいクレブスバッファに入れ換える。低ノイズETH−400バイオアンプリファイア(CB Sciences,Inc,Milord,MA)によって初期増幅した後の静止時の大動脈筋のアイソメトリック張力と種々の刺激に対するその応答とを、Power Macintosh 6100コンピューターに、MacLab 8/Sコンピューターインターフェイス(CB Sciences,Inc,Milford,MA)を介して記録する。組織片の収縮性応答性を10TMのフェニレフリンで確定し、この組織片を薬物と共に20分間インキュベートして定常収縮レベルを確定する。
緩和効果を試験するために、組織槽のフェニレフリンで予め収縮させた組織片に試験化合物を累積濃度0.1μM−0.1mMで添加する。直前の濃度で緩和が平坦域レベルに到達したときだけ試験化合物の濃度を増加する。
ラットの胃糜爛モデル
アスピリンと併用投与された本発明の組合せの胃保護効果は以下のアッセイによって評価し得る。
雄のウイスター系ラット(200−250g)を実験前の16−18時間絶食させた。アスピリン、アスピリンと併用するロフェコキシブ(別々の投与)またはアスピリンと併用する試験化合物(別々の投与)を実験当日の朝、0.5%メトセル中で1ml/kgの用量で与えた。3時間後、CO吸入によって動物を安楽死させ、胃を摘出し、生食液で洗浄して、造影処理の準備をした。デジタルカメラを使用して胃の顕微鏡写真を撮影し、処理グループについて予備知識のない観察者が映像ソフトウェアを使用して胃の糜爛を測定した。胃の糜爛の長さをmmで測定し、各胃について、全部の糜爛の全長を計算し、胃損傷スコアとした。
このモデルは、S.Fiorucciら,Gastroenterology,vol.123,pp.1598−1606,2002及びM.Souza,ら,Am.J.Physiol.Gastrointest.Liver Physiol.,vol.285,pp.G54−G61,2003にも記載されている。
代表的実施例
次に本発明を以下の非限定実施例によって説明する。異なる記述がないならば実施例は以下の条件で行った。
すべての処理を室温または周囲温度、即ち、18−25℃の範囲の温度で行った。溶媒の蒸発は回転蒸発器を使用し、減圧下(600−4000パスカル:4.5−30mm.Hg)に60℃以下の浴温度で行った。反応の進行は薄層クロマトグラフィー(TLC)によって追跡し、反応時間は単なる代表例である。融点は補正しない値であり、“d”は分解を表す。融点は記載の手順で調製した材料で得られた値である。いくつかの調製物は多形性を有しているので異なる融点をもつ材料を単離し得る。すべての最終生成物の構造及び純度は以下の技術の少なくとも1つによって確認した:TLC、マススペクトロメトリー、核磁気共鳴(NMR)スペクトロメトリーまたは微量分析データ。収率は単なる代表例である。NMRデータが与えられているとき、該データは、指定溶媒を使用して300MHz、400MHzまたは500MHzで測定した主要診断プロトンのデルタ(δ)値を内部標準であるテトラメチルシラン(TMS)に対するppmで示している。シグナル形態には慣用の略号を使用する:s.一重項;d,二重項;t.三重項;m.多重項;br.broad;など。更に、“Ar” は芳香族シグナルを意味する。化学記号は常用の意味を有している。以下の略号も使用した:v(容量),w(重量),b.p.(沸点),m.p.(融点),L(リットル), mL(ミリリットル),g(グラム),mg(ミリグラム),mol(モル),mmol(ミリモル),eq(当量)。
使用した略号の意味を以下に示す:
Ac=アセチル
Boc−Glycine=N−tert−ブトキシカルボニル−グリシン
DIBAL=水素化ジイソブチルアルミニウム
DMAP=4−(ジメチルアミノ)ピリジン
DMF=N,N−ジメチルホルムアミド
EDCI=1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩
HF.pyr=フッ化水素ピリジン(70/30)
TBS=tert−ブチル(ジメチル)シリル
TBSCl=tert−ブチル(ジメチル)シリルクロリド
THF=テトラヒドロフラン
アルキル基略号
Me=メチル
Et=エチル
t−Bu=第三級ブチル
以下の構造:
Figure 2007520484
を有しているDess−Martin試薬は当業界で公知である。
Dess,D.B.;Martin,J.C.,J.Org.Soc.,1983,48,4155参照。
5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキシル(2Z)−4−(アセチルオキシ)−3−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−2−フェニルブト−2−エノエート
Figure 2007520484
段階1:(2Z)−2−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−3−フェニルブト−2−エン−1,4−ジオール
Figure 2007520484
−78℃で撹拌した1.5Lのジクロロメタン中の110gの4−(4−メタンスルホニル−フェニル)−3−フェニル−5H−フラン−2−オンの溶液に150mLのDIBALを滴下した。得られた混合物を室温に加温して一夜撹拌した。次に、反応混合物を−78℃に冷却し、1.2Lの1MのNaOH水溶液を滴下した。添加後、得られた混合物を室温に加温し、有機相を分離した。水相をジクロロメタンで抽出した。有機相を集めて、NaSOで乾燥した。蒸発後に110gの標題化合物が得られた。H NMR(アセトン−d6,500MHz):δ7.69(d,2H),7.36(d,2H),7.16−7.05(m,5H),4,66(d,2H),4.63(d,2H),4.19(t,1H,OH),4.17(t,1H,OH),3.04(s,3H)。
段階2:(2Z)−4−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−3−フェニルブト−2−エン−1−オール
Figure 2007520484
−78℃で撹拌した1LのTHF中の110gの(2Z)−2−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−3−フェニルブト−2−エン−1,4−ジオールと50gのイミダゾールとの溶液に、250mLのジクロロメタン中の51gのTBSClの溶液を滴下した。得られた混合物を−78℃で30分間撹拌した。次いでブラインを添加し、室温に加温した。有機相を分離し、水相をEtOAcで抽出した。有機相を集めて、NaSOで乾燥し、蒸発させた。得られた粗材料をフラッシュクロマトグラフィーによって精製すると、25.6gの標題化合物が白色固体として得られた。H NMR(アセトン−d6,500MHz):δ7.69(d,2H),7.37(d,2H),7.18−7.04(m,5H),4.77(s,2H),4.65(d,2H),3.96(t,1H,OH),3.03(s,3H),0.84(s,9H),0.01(s,6H)。
段階3:(2Z)−4−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−3−フェニルブト−2−エニルアセテート
Figure 2007520484
1Lのジクロロメタン中の46gの(2Z)−4−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−3−フェニルブト−2−エン−1−オールと120mmolのDMAPとの溶液に120mmolの無水酢酸を滴下した。得られた混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物をシリカゲルカラムに充填し、EtOAcによって溶出させると、50.5gの標題化合物が白色固体として得られた。H NMR(アセトン−d6,500MHz):δ7.68(d,2H),7.33(d,2H),7.15−7.04(m,5H),5.16(s,2H),4.75(s,2H),3.02(s,3H),1.92(s,3H),0.81(s,9H),−0.03(s,6H)。
段階4:(2Z)−4−ヒドロキシ−2−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−3−フェニルブト−2−エニルアセテート
Figure 2007520484
125mLのMeCN中の50.5gの(2Z)−4−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−3−フェニルブト−2−エニルアセテートの溶液に、10mLのPyHFを添加し、得られた混合物を室温で1.5時間撹拌した。反応混合物を600mLのトルエンで希釈し、シリカゲルカラムに充填し、EtOAcで溶出させた。溶媒を蒸発させると、38.3gの標題化合物が得られた。H NMR(アセトン−d6,500MHz):δ7.68(d,2H),7.32(d,2H),7.15−7.00(m,5H),5.20(s,2H),4.62(d,2H),4.09(t,1H,OH),3.02(s,3H),1.92(s,3H)。
段階5:(2Z)−4−(アセチルオキシ)−3−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−2−フェニルブト−2−エン酸
Figure 2007520484
500mLのジクロロメタン中の38.3gの(2Z)−4−ヒドロキシ−2−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−3−フェニルブト−2−エニルアセテートの溶液に、47gのDess−Martin試薬を添加し、得られた混合物を室温で2時間撹拌した。次に2mLの水を添加し、得られた混合物を室温で1時間撹拌した。次いで混合物を濾過し蒸発させた。このようにして得られた粗生成物を200mLのTHFと200mLのt−BuOHとの溶媒混合物に溶解した。得られた混合物に、30mLの2−メチル−2−ブテンを添加し、次いで200mLの1.2Mのリン酸及び200mLの1MのNaClOを添加した。得られた混合物を室温で30分間撹拌した。有機相を分離し、水相をEtOAcで抽出した。有機相を集めて、NaSOで乾燥し、濾過し、蒸発させた。粗生成物をエーテルから再結晶させることによって精製すると、37gの標題化合物が白色固体として得られた。H NMR(アセトン−d6,500MHz):δ7.76(d,2H),7.43(d,2H),7.18−7.12(m,3H),7.12−7.08(m,2H),5.24(s,2H),3.05(s,3H),1.88(s,3H)。
段階6:5,6−ジブロモヘキシルアセテート
Figure 2007520484
−78℃のCHCl(750mL,0.4M)中のヘキサ−5−エン−1−オール(30.9g,309mmol)及びDMAP(41.5g,340mmol,1.1当量)の溶液に、無水酢酸(32.1mL,340mmol,1.1当量)を添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。生成物を20%EA/Hexを使用するシリカゲルプラグに通すと、所望生成物(42.7g,収率=97%)が無色の油として得られた。この化合物を直接に臭素化に使用した。−78℃のCHCl(600mL,0.5M)中のヘキサ−5−エン−1−イルアセテート(42.7g,300mmol)の溶液に、臭素(330mL,330mmol,1.1当量)を添加した。反応混合物を−78℃で15分間撹拌し、次いで室温に加温した。溶媒を蒸発させると、所望生成物(89g,収率=98%)が帯黄色油として得られた。H NMR(500MHz,アセトン−d6):δ4.38−4.32(m,1H),4.04(t,2H),3.95−3.93(m,1H),3.84−3.80(m,1H),2.16−2.10(m,1H),1.98(s,3H),1.90−1.82(m,1H),1.72−1.62(m,3H),1.56−1.48(m,1H)。
段階7:5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキシルアセテート
Figure 2007520484
室温のCHCN(600mL,0.282M)中の5,6−ジブロモヘキシルアセテート(89g,295mmol)の溶液に硝酸銀(200g,1180mmol,4当量)を添加した。反応混合物を80℃で一夜撹拌し、次いで蒸発乾固した。残渣をEtOAcに懸濁させ、超音波処理し、シリカゲルプラグで濾過し、EAで洗浄した。勾配(5分間の0−5%、30分間の5−55%、10分間の55−70%のEA/Hex)を使用するコンビ−フラッシュ3×120gシリカゲルカートリッジによって生成物を精製すると、所望生成物(65.2g,収率=83%)が帯黄色油として得られた。H NMR(500MHz,アセトン−d6):δ5.52−5.46(m,1H),5.00(dd,1H),4.72(dd,1H),4.05−4.03(m,2H),1.96(s,3H),1.88−1.84(m,2H),1.71−1.65(m,2H),1.60−1.50(m,2H)。
段階8:6−ヒドロキシヘキサン−1,2−ジイルジニトレート
Figure 2007520484
0℃のTHF−EtOH(1:1,0.492M)中の5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキシルアセテート(31.3g,118mmol)の溶液に水酸化ナトリウム溶液(2N,126mL,251mmol,2.1当量)を5分間で滴下した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO溶液で反応停止させ、EAで3回抽出した。集めた有機相をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、蒸発させた。勾配(5分間の0−5%、30分間の5−55%、10分間の55−70%のEA/Hex)を使用するコンビ−フラッシュ2×120gシリカゲルカートリッジによって生成物を精製すると、所望生成物(24.5g,収率=92%)が淡黄色油として得られた。H NMR(500MHz,アセトン−d6):δ5.53−5.47(m,1H),5.00(dd,1H),4.72(dd,1H),3.55(d,2H),3.50(t,1H),1.88−1.80(m,2H),1.58−1.51(m,4H)。
段階9:5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキシル(2Z)−4−(アセチルオキシ)−3−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−2−フェニルブト−2− エノエート
Figure 2007520484
2.5gの(2Z)−4−(アセチルオキシ)−3−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−2−フェニルブト−2−エン酸、10mmolの5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサン−1−オール、15mmolのDMAP及び10mmolのEDCIの溶液を室温で3時間撹拌した。次に、AcOH(2mL)を添加し、混合物をシリカゲルパッドで濾過し、EtOAcで洗浄し、蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィー(15−50%のEtOAc/ヘキサン)によって精製すると、2.45gの所望生成物が白色固体として得られた。H NMR(アセトン−d6,500MHz):δ7.79(d,2H),7.45(d,2H),7.21−7.16(m,1H),7.13−7.08(m,2H),5.52−5.44(m,1H),5.21(s,1H),4.98(dd,1H),4.72(dd,1H),4.29(t,2H),3.09(s,3H),1.92(s,3H),1.89−1.74(m,4H),1.60−1.48(m2H)。
(5R)−5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキシル(2Z)−4−(アセチルオキシ)−3−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−2−フェニルブト−2−エノエート
Figure 2007520484
段階1:ヘキサ−5−エン−1−イル4−ニトロベンゾエート
Figure 2007520484
0℃のCHCl(350mL,0.57M)中のヘキサ−5−エン−1−オール(20.0g,200mmol)の溶液に、トリエチルアミン(33.7mL,240mmol,1.2当量)、DMAP(1.22g,10mmol,0.05当量)を添加し、次いで4−ニトロソベンゾイルクロリド(39g,210mmol,1.05当量)を添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を飽和NHCl溶液で反応停止させ、CHClで3回抽出した。集めた有機相をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、蒸発させた。勾配(5分間の0−5%、30分間の5−25%、10分間の25−40%のEA/Hex)を使用するコンビ−フラッシュ2×120gシリカゲルカートリッジによって生成物を精製すると、所望生成物(35g,収率=70%)が帯黄色油として得られた。H NMR(500MHz,アセトン−d6):δ8.36(d,2H),8.26(d,2H),5.87−5.79(m,1H),5.03(d,1H),4.94(d,1H),4.38(t,2H),2.14(m, 2H),1.84−1.78(m,2H),1.60−1.54(m,2H)。
段階2:(5R)−5,6−ジヒドロキシヘキシル4−ニトロベンゾエート
Figure 2007520484
0℃のt−BuOH−HO(1:1,0.077M)中のAD−mix−ベータ(34g)の溶液にヘキサ−5−エン−1−イル4−ニトロベンゾエート(6g,24.07mmol)を添加した。反応混合物を0℃で一夜撹拌した。反応混合物を250mLのEAで希釈し、10gのメタ亜硫酸ナトリウムを加えて反応停止させ、0℃で30分間撹拌した。混合物を室温で1時間撹拌し、次いでEtOAcによって3回抽出し、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、蒸発させた。化合物をエーテルで再結晶させ、低温室で一夜撹拌し、これを2回行うと、3.3gの標題化合物が白色固体として得られた(Mosher誘導体分析によれば99%超のe.e.)。H NMR(500MHz,アセトン−d6):δ8.36(d,2H),8.27(d,2H),4.38(t,2H),3.62−3.54(m,3H),3.49−3.45(m,1H),3.41−3.35(m,1H),1.87−1.77(m,2H),1.69−1.62(m,1H),1.59−1.49(m,2H),1.46−1.40(m,1H)。
段階3:(5R)−5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキシル4−ニトロベンゾエート
Figure 2007520484
−78℃のCHCl(20mL,0.565M)中の硝酸(8mL,178mmol,15.75当量)の溶液に、硫酸(2mL,37.5mmol,3.32当量)を添加し、次いで(5R)−5,6−ジヒドロキシヘキシル4−ニトロベンゾエート(2.5g,8.83mmol)のCHCl(10mL)溶液を添加した。反応混合物を0℃で2時間撹拌した。反応混合物を氷(約200g)に注ぎ、CHClで3回抽出した。集めた有機相を水、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、蒸発させた。勾配(5分間の0−5%、25分間の5−40%、10分間の40−70%のEA/Hex)を使用するコンビ−フラッシュ120gシリカゲルカートリッジによって生成物を精製すると、所望生成物(3.1g,収率=91%)が粘性の帯黄色油として得られた。H NMR(500MHz,アセトン−d6):δ8.35(d,2H),8.26(d,2H),5.56−5.52(m,1H),5.03(dd,1H),4.75(dd,1H),4.41(t,2H),1.98−1.88(m,4H),1.76−1.66(m,2H)。
段階4:(2R)−6−ヒドロキシヘキサン−1,2−ジイルジニトレート
Figure 2007520484
0℃のTHF−EtOH(1:1,0.5M)中の(5R)−5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキシル4−ニトロベンゾエート(3.1g,8.3mmol) の溶液に2Nの水酸化ナトリウム(10mL,20mmol,2当量)を5分間で滴下した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO溶液で反応停止させ、EtOAcで3回抽出した。集めた有機相をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、蒸発させた。勾配(5分間の0−5%、30分間の5−55%、10分間の55−70%のEA/Hex)を使用するコンビ−フラッシュ120gシリカゲルカートリッジによって生成物を精製すると、所望生成物(1.51g,収率=81%)が無色の油として得られた。H NMR(500MHz,アセトン−d6):δ5.52−5.48(m,1H),5.01(dd,1H),4.72(dd,1H),3.56−3.50(m,3H),1.88−1.81(m,2H),1.54−1.50(m,4H)。
段階5:(5R)−5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキシル(2Z)−4−(アセチルオキシ)−3−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−2−フェニルブト−2−エノエート
Figure 2007520484
40mLのジクロロメタン中の3gの(2Z)−4−(アセチルオキシ)−3−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−2−フェニルブト−2−エン酸、1.7gの(2R)−6−ヒドロキシヘキサン−1,2−ジイルジニトレート、10mmolのDMAP及び10mmolのEDCIの溶液を、室温で2時間撹拌した。次いで、無水酢酸(0.5mL)を添加し、混合物をシリカゲルパッドで濾過し、EtOAcで洗浄し、蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィー(15−50%のEtOAc/ヘキサン)によって精製すると、2.8gの所望化合物が白色固体として得られた。H NMR(アセトン−d6,500MHz):δ7.79(d,2H),7.45(d,2H),7.21−7.16(m,1H),7.13−7.08(m,2H),5.52−5.44(m,1H),5.21(s,1H),4.98(dd,1H),4.72(dd,1H),4.29(t,2H),3.09(s,3H),1.92(s,3H),1.89−1.74(m,4H),1.60−1.48(m,2H)。
4,5−ビス(ニトロオキシ)ペンチル(2Z)−4−(アセチルオキシ)−3−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−2−フェニルブト−2−エノエート
Figure 2007520484
段階1:4,5−ビス(ニトロオキシ)ペンチルアルコール
Figure 2007520484
25℃の150mLのEtOH中の18.7gの4,5−ビス(ニトロオキシ) ペンチルアセテートの溶液に2.96gのNaOHを添加した。混合物を90分間撹拌し、飽和NaHCOを添加して反応停止させ、EtOAcで抽出し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。フラッシュクロマトグラフィーによって精製すると、6.3gの所望化合物がオレンジ色の油として得られた。H NMR(アセトン−d6,500MHz):δ5.56(m,1H),5.01(dd,1H),4.73(dd,1H),3.68(t,1H),3.60(m,2H),1.93−1.86(m,2H),1.69−1.64(m,2H)。
段階2:4,5−ビス(ニトロオキシ)ペンチル(2Z)−4−(アセチルオキシ)−3−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−2−フェニルブト−2− エノエート
Figure 2007520484
0℃の20mLのCHCl中の1.72gの(2Z)−4−(アセチルオキシ)−3−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−2−フェニルブト−2−エン酸の溶液に、1.06gの4,5−ビス(ニトロオキシ)ペンチルアルコール、225mgのDMAP及び970mgのEDCIを添加した。混合物を室温で2時間撹拌し、次いで飽和NHClで反応停止させ、EtOAcで抽出し、飽和NaHCO、ブラインで洗浄し、硫酸カルシウムで乾燥した。フラッシュクロマトグラフィーによって精製すると、1gの標題化合物が白色固体として得られた。H NMR(アセトン−d6,500MHz):δ7.77(d,2H),7.43(d,2H),7.18−7.16(m,3H),7.08(dd,2H),5.53−5.50(m,1H),5.20(s,1H),4.97(dd,1H),4.69(dd,1H),4.31(m,2H),3.05(s,2H),1.89(m,7H)。
3,4−ビス(ニトロオキシ)ブチル(2Z)−4−(アセチルオキシ)−3−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−2−フェニルブト−2−エノエート
Figure 2007520484
段階1:3,4−ビス(ニトロオキシ)ブチルアルコール
Figure 2007520484
150mLのアセトン中の27.8gのブタン−1,2,4−トリオールの溶液に、27.3mLの2,2−ジメトキシプロパン及び10mgのPTSAを室温で添加した。反応混合物を3時間撹拌し、次いで200mgのNaHCOを加えて反応停止させた。15分間撹拌後、溶媒を蒸発させた。60%EtOAc/ヘキサンを使用し、シリカゲルパッドで粗化合物を濾過すると、30gの所望化合物が無色の油として得られた。この化合物を直接に次の段階で使用した。0℃の200mLのCHCl中の20gの2−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)エタノールの溶液に、33.5gのDMAP及び26mLの無水酢酸を添加した。混合物を室温で2時間撹拌し、次いで短いシリカゲルパッドで濾過することによって反応停止させた。フラッシュクロマトグラフィーによって精製すると、20.7gの所望化合物が無色の油として得られた。この化合物を直接に次の段階で使用した。−78℃で硫酸(40mL)を硝酸(20mL)に添加し、次いで0℃で10分間撹拌した。−78℃の20mLのCHCl中の10gの2−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)エチルアセテートの溶液を添加し、反応混合物を1時間撹拌した。1L容のエルレンマイヤーフラスコで反応混合物を500gの氷に加えて反応停止させた。次に化合物をCHClで抽出し、NaHCO、ブラインで洗浄し、流酸ナトリウムで乾燥した。粗化合物をより以上に精製することなく直接に次の段階で使用した。25℃の40mLのEtOH中の5.1gの3,4−ビス(ニトロオキシ)ブチルアセテートの溶液に、855mgのNaOHを添加した。混合物を1時間撹拌し、飽和NaHCOを加えて反応停止させ、EtOAcで抽出し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。フラッシュクロマトグラフィーによって精製すると、1gの所望化合物が帯黄色油として得られた。H NMR(アセトン−d6,500MHz):δ5.71−5.66(m,1H),5.07(dd,1H),4.76(dd,1H),3.97(t,1H),3.77−3.68(m,2H),2.02−1.95(m,2H)。
段階2:3,4−ビス(ニトロオキシ)ブチル(2Z)−4−(アセチルオキシ)−3−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−2−フェニルブト−2−エノエート
Figure 2007520484
0℃の30mLのCHC1中の1.72gの(2Z)−4−(アセチルオキシ)−3−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−2−フェニルブト−2−エン酸の溶液に、750mgの3,4−ビス(ニトロオキシ)ブチルアルコール、560mgのDMAP及び880mgのEDCIを添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌し、次いで飽和NHClを加えて反応停止させ、EtOAcで抽出し、飽和NaHCO、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。フラッシュクロマトグラフィーによって精製すると、930mgの標題化合物が白色固体として得られた。H NMR(アセトン−d6,500MHz):δ7.77(d,2H),7.43(d,2H),7.17−7.15(m,3H),7.08(dd,2H),5.56−5.52(m,1H),5.22(s,2H),4.95(dd,1H),4.69(dd,1H),4.47−4.41(m,2H),3.05(s,3H),2.32−2.19(m, 2H),1.89(s,3H)。

Claims (19)

  1. 式I:
    Figure 2007520484
    [式中、
    nは1−6の整数であり、
    は、
    (a)S(O)CH、及び
    (b)S(O)NH
    から成るグループから選択され、
    及びRの各々は独立に、
    (a)水素、
    (b)ハロ、
    (c)C1−6アルコキシ、
    (d)C1−6アルキルチオ、
    (e)CN、
    (f)CF
    (g)C1−6アルキル、及び、
    (h)N
    から成るグループから選択され、
    は、
    (a)1−3個のハロ基で場合によっては置換されているC1−4アルキル、
    (b)フェニル、ナフチル、または、各々が1−3個のハロ基で場合によっては置換されている5−もしくは6−員環の芳香族複素環、
    (c)−O−R、及び、
    (d)−(CH−N(R)(R
    から成るグループから選択され、
    mは1−4の整数であり、
    、R及びRの各々は独立に、水素、及び、1−3個のハロ基で場合によっては置換されているC1−4アルキル基から成るグループから選択される]
    の化合物または医薬的に許容されるその塩。
  2. がS(O)CHであり、R及びRの双方が水素である請求項1に記載の化合物。
  3. nが1、2または3である請求項1に記載の化合物。
  4. がC1−4アルキルである請求項1に記載の化合物。
  5. がメチルである請求項4に記載の化合物。
  6. 非ステロイド系抗炎症剤による治療に感受性の炎症性疾患を治療するために、当該治療が必要な患者に無毒性治療有効量の請求項1に記載の化合物を投与する治療方法。
  7. 患者が血栓性心血管イベントのリスクもあり、患者が心血管イベントのリスクを低下させるアスピリン療法を受けている請求項6に記載の方法。
  8. COX−1よりもCOX−2を選択的に阻害する活性物質によって有利に治療されるシクロオキシゲナーゼ介在疾患を治療するために、当該治療が必要な患者に無毒性治療有効量の請求項1に記載の化合物を投与する治療方法。
  9. 患者が血栓性心血管イベントのリスクもあり、患者が心血管イベントのリスクを低下させるアスピリン療法を受けている請求項8に記載の方法。
  10. 慢性シクロオキシゲナーゼ−2介在疾患または状態を治療しかつ血栓性心血管イベントのリスクを抑えるために、当該治療を必要としかつ血栓性心血管イベントのリスクがあるヒト患者に、シクロオキシゲナーゼ−2介在疾患または状態の治療に有効な量の請求項1に記載の化合物及び血栓性心血管イベントのリスク低下に有効な量のアスピリンを同時または順次に経口投与する方法。
  11. 化合物を1日1回の用法で経口投与する請求項10に記載の方法。
  12. 化合物を1日2回の用法で経口投与する請求項10に記載の方法。
  13. シクロオキシゲナーゼ2−選択的介在疾患または状態が、骨関節炎、リウマトイド関節炎及び慢性疼痛から成るグループから選択される請求項10に記載の方法。
  14. アスピリンを約30mg−約1gの用量で投与する請求項10に記載の方法。
  15. アスピリンを約80mg−約650mgの用量で投与する請求項14に記載の方法。
  16. アスピリンを約81mg−約325mgの用量で投与する請求項15に記載の方法。
  17. アスピリンを1日1回経口投与する請求項10に記載の方法。
  18. 請求項1に記載の化合物とアスピリンとを医薬的に許容される担体と共に含む医薬組成物。
  19. 請求項1に記載の化合物と医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物。
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