JP2007518800A - Pth受容体アゴニストによる骨転移の治療 - Google Patents

Pth受容体アゴニストによる骨転移の治療 Download PDF

Info

Publication number
JP2007518800A
JP2007518800A JP2006551164A JP2006551164A JP2007518800A JP 2007518800 A JP2007518800 A JP 2007518800A JP 2006551164 A JP2006551164 A JP 2006551164A JP 2006551164 A JP2006551164 A JP 2006551164A JP 2007518800 A JP2007518800 A JP 2007518800A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bone
pth
cancer
use according
administration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006551164A
Other languages
English (en)
Inventor
リビエール,ピエール・ジ−エム
アキンサンヤ,カレン
Original Assignee
フェリング ベスローテン フェンノートシャップ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by フェリング ベスローテン フェンノートシャップ filed Critical フェリング ベスローテン フェンノートシャップ
Publication of JP2007518800A publication Critical patent/JP2007518800A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • A61K38/16Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • A61K38/17Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • A61K38/22Hormones
    • A61K38/29Parathyroid hormone, i.e. parathormone; Parathyroid hormone-related peptides
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P13/00Drugs for disorders of the urinary system
    • A61P13/08Drugs for disorders of the urinary system of the prostate
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P19/00Drugs for skeletal disorders
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P19/00Drugs for skeletal disorders
    • A61P19/08Drugs for skeletal disorders for bone diseases, e.g. rachitism, Paget's disease
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • A61P35/04Antineoplastic agents specific for metastasis
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Endocrinology (AREA)
  • Physical Education & Sports Medicine (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Oncology (AREA)
  • Neurosurgery (AREA)
  • Neurology (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Orthopedic Medicine & Surgery (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Rheumatology (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

骨量減少、骨折、及び疼痛等の骨転移癌又は骨原発癌の増殖に付随する症状はPTH、PTHフラグメント、もしくはそのアナログ又は副甲状腺ホルモン関連蛋白質、フラグメントもしくはそのアナログであり得るPTH受容体アゴニストを有効量投与することにより改善することができる。

Description

本発明は副甲状腺ホルモンアナログ及び副甲状腺ホルモン関連蛋白質アナログと、骨転移性癌の合併症の治療用薬剤の製造におけるその使用に関する。
前立腺癌と乳癌は有病率の高い骨転移性疾患である。例えば、米国で乳癌と診断される年間約180,000人の女性のうち、30%が転移を発症し、そのうちの70%が骨転移である。転移性骨疾患を特徴とする他の癌としては肺癌、腎臓癌及び甲状腺癌が挙げられる。
骨転移は一般に溶骨性又は造骨性に分類され、各々複数の異なる因子に起因する。最近のデータによると、溶骨性病変と造骨性病変は両極端であることが示唆されている。形態分析によると、大半の骨転移は造骨性病変と溶骨性病変の両方をもつことが分かっている。
転移性疾患では、骨破壊と骨形成の混合パターンが一般的である。転移性癌における骨リモデリング異常は骨芽細胞及び/又は破骨細胞の過剰活性化に起因し、場合によっては骨吸収に及ぼす癌細胞の複合作用により自然骨代謝回転の不均衡を生じるためである。骨密度に及ぼす破骨細胞及び/又は骨芽細胞活性増加の有害な作用とその後の骨の完全性の低下の結果、骨折したり、骨への圧迫や浸潤が増すだけでなく、骨転移に伴う疼痛は患者のクオリティ・オブ・ライフを実質的に悪化させる。転移性骨疾患をもつ個体は疼痛により起立や座位も困難になる。
骨髄腫、リンパ腫、及び原発性間葉性骨腫瘍(例えば軟骨肉腫、悪性線維性組織球腫、線維肉腫、骨肉腫、パジェット病における肉腫、及び放射線照射した骨の肉腫)等の原発性骨癌(骨に発生する癌)にも骨及び基礎疾患と同様の合併症が存在する。
副甲状腺ホルモン(PTH)、副甲状腺関連蛋白質(PTHrP)、及びそのアナログは骨組織量の減少と骨折の危険の増加を特徴とする疾患である骨粗鬆症の治療に提案されている多くの治療薬の1種である。
副甲状腺ホルモン(PTH)は副甲状腺から通常分泌される84アミノ酸ポリペプチドである。PTHは血清カルシウム値を狭い範囲内に維持するために重要な生理的役割を果たす。PTHは骨と腎臓に直接作用し、腸に間接的に作用する。健康な個体におけるPTH生産は血清イオン化カルシウム濃度により厳密に調節される。PTH値が増加すると、骨吸収率は増加し、骨から血液中へのカルシウム流の増加によってカルシウムの腎クリアランスが低下し、腸のカルシウム吸収効率が増加する。
139〜173アミノ酸残基ペプチドである副甲状腺ホルモン関連蛋白質(PTHrP)の生理的役割は完全には解明されていないが、主に傍分泌又は自己分泌因子として作用すると考えられている。PTHrPは胎児の発育と成人の生理に役割を果たす。成人では、PTHrPは疾患状態以外にカルシウムホメオスタシスにほとんど関係ないと考えられている。
PTHとPTHrPは別個の蛋白質であり、異なる遺伝子の産物である。しかし、類似の生物活性プロフィルと非常に限定された配列相同性をもつことから、共通の祖先遺伝子に由来すると思われる。最初から13番目までのN末端アミノ酸残基のうちの8個が一致している。PTHとPTHrPはいずれもPTH受容体(PTH/PTHrP受容体と言うことが多い)と結合し、同一の細胞内シグナル伝達経路を刺激する。
副甲状腺ホルモンの成熟循環形態は84アミノ酸残基から構成される。大半の骨関連活性に関して、PTHの短縮形であるPTH(1−34)は天然84アミノ酸ホルモンと同様の完全アゴニストである。アミノ末端短縮の結果、PTH刺激性アデニル酸シクラーゼの競合的アンタゴニストであるポリペプチドとなる(Rosenblattら,Endocrinol.(1980)107:545−50)。他方、PTH(1−34)のカルボキシル末端を短縮すると、親和性の漸減するアゴニストとなる。PTH(1−25)は本質的に不活性であることが報告されている(Rosenblatt,M.,in ENDOCRINOLOGY OF CALCIUM METABOLISM 103−42,Parsons,J.A.(ed.),Ravens Press(1982)参照)。PTHの主要受容体結合ドメインはアミノ酸残基25−34を含むことが報告されており、主要活性化ドメインはアミノ酸残基1−6を含むことが報告されている。
状況によっては、PTHは骨同化剤であり、骨形成を促進する。しかし、PTHは骨吸収を刺激する場合もある。PTHを持続的に投与すると、破骨細胞を含む骨細胞数が増加すると共に骨リモデリングが増加する。これらの増加はPTH投与後数時間以内に出現し、PTHの投与中止後も数時間持続する。ヒト及び動物にPTHを数日間断続投与すると、骨形成の純刺激を生じる。例えば、Neerら,N.Engl.J.Med.(2001)344:1434−41参照。他方、高レベルのPTHを持続投与すると、破骨細胞による骨吸収を生じる。骨粗鬆症治療薬としてのPTH及びPTHrPアナログの使用は特に米国特許第6,316,410号に記載されている。
商標名Forteo(登録商標)(Eli Lilly)で酢酸テリパラチド形態のPTH(1−34)が米国で骨粗鬆症の治療用に認可されている。ラットでの試験によると、酢酸テリパラチドは投与量と投与期間に応じて骨肉腫(悪性骨腫瘍)の危険が大きいことが判明した。従って、Forteo(登録商標)は骨肉腫の危険が大きいか又は骨癌もしくは骨に転移した他の癌をもつ個体には禁忌である。
骨量減少、骨折及び骨痛等の骨転移の合併症を治療するために使用することができる薬剤が必要とされている。このような薬剤は機能活性が改善され、副作用が最小限であることが好ましい。
本発明者らは副甲状腺ホルモン受容体アゴニストが骨転移癌又は原発骨癌の増殖に付随する骨量減少、骨折し易さ、及び骨痛に関連する症状を改善することを発見した。この発見は骨癌又は転移性疾患になり易い個体にPTH(1−34)等の副甲状腺ホルモンの使用を禁じる当分野での一般認識に反するものである。
従って、本発明は有効量のPTH受容体アゴニストを投与することにより骨転移癌又は原発骨癌に付随する症状を改善する方法を提供する。ある態様では、PTH受容体アゴニストはPTHもしくはそのフラグメントもしくはアナログ、又は副甲状腺ホルモン関連蛋白質(PTHrP)もしくはそのフラグメントもしくはアナログである。1好適態様では、PTH受容体アゴニストはPTH(1−34)であり、酢酸テリパラチドが最も好ましい。
1態様によると、治療する個体は骨転移性癌をもつ。骨転移性癌としては乳癌、前立腺癌、肺癌、腎臓癌、甲状腺癌又は骨髄腫が挙げられる。
別の態様によると、治療する個体は骨原発癌をもつ。骨原発癌は肉腫が好ましい。
更に別の態様によると、PTH受容体アゴニストを患者に毎日、1日おき、2日おき、週2回、3日おき、4日おき、5日おき、又は週1回投与する。
別の側面では、薬剤、特に骨転移癌又は原発骨癌の増殖に付随する骨量減少、骨折し易さ、及び骨痛の治療用薬剤の製造にPTH受容体アゴニストを使用する。
本発明の上記及び他の態様を以下に詳細に記載する。
本明細書全体を通してアミノ酸の名称は配列中のアミノ酸の位置を表す上付き数字を付ける場合がある。例えば、Glu22は22位にグルタミン酸が存在することを意味する。本明細書に記載するポリペプチド配列は一般に認められている慣習に従って記載し、N末端アミノ酸を左側に記載し、C末端アミノ酸を右側に記載する。ナンバリングはN末端から開始し、C末端に向かって進行する。従って、[Leu23,28,31]hPTHrPは野生型残基Phe23、Ile28、及びIle31を各々ロイシンで置換したhPTHrPの配列をもつポリペプチドを意味する。
「PTH受容体アゴニスト」はPTH受容体と結合してこれを活性化する天然及び非天然分子の両方を表すために本明細書で使用する用語である。この定義にはPTHペプチド及びペプチドアナログとPTHrPペプチド及びアナログが含まれる。PTH及びPTHrPペプチドとアナログはPTH受容体に対してPTH及びPTHrPと同様のアゴニスト特性をもつ全長及びフラグメントアナログを含む。PTHペプチド及びペプチドアナログとPTHrPペプチド及びアナログは定義によると排他的組成物である。
PTH受容体アゴニスト活性をもつPTHrPアナログとしては、例えば1個以上の置換、欠失、挿入、逆位又は環化により天然分子に対して改変されているが、全長副甲状腺ホルモンの生物活性を示す変異体が挙げられる。
これに関して「生物活性」なる用語は、ラット骨肉腫細胞によるPTH刺激アデニル酸シクラーゼ生産アッセイ等のPTH活性のバイオアッセイで十分な応答を誘発することであると理解すべきである。Rabbanら(1988)Endocrinol.123:2709参照。安定性を強化したPTH変異体は例えばPCT出願WO93/20203から公知であり、PTH受容体アゴニストの別の有用な形態を構成する。PTH変異体は例えば8位及び/又は18位のメチオニン残基の置換や16位のアスパラギンの置換等のPTH安定性及び半減期を改善するアミノ酸置換を組込むことができる。環化PTHアナログは特にPCT出願WO98/05683に開示されている。
PTH受容体アゴニストの範疇には天然ヒトPTH(1−84)、合成又は組換えPTH(rPTH)、及びPTHのフラグメントが含まれる。本発明は上記のような医薬製剤におけるPTH(1−84)と等価の生物活性を与える量のPTHフラグメントの使用を含む。同様に、PTH受容体アゴニストは天然PTHrP、この蛋白質の合成又は組換え形態、及びその生物学的に活性なフラグメントを含む。
本明細書で使用する「hPTH(1−34)」とは配列番号1に示すようなPTHの短縮ヒト配列(「hPTH」)を意味する。同様に、「bPTH(1−34)」とは配列番号2に示すようなPTHのウシ配列(「bPTH」)を意味する。「hPTHrP(1−34)」とは配列番号3に示すようなヒト副甲状腺ホルモン関連蛋白質(「hPTHrP」)の短縮形を意味する。hPTH(1−34)が好ましいPTH受容体アゴニストである。
PTH又はPTHrPアナログの長さは全長PTH又はPTHrPに対して1〜50アミノ酸以上を短縮することができる。PTH又はPTHrPアナログは30〜40アミノ酸を含むことが好ましい。34アミノ酸を含むことが最も好ましい。
本発明のPTH又はPTHrPアナログは任意種のPTH又はPTHrP配列に基づくことができるが、ヒトPTHもしくはPTHrP又はウシPTHもしくはPTHrPをアナログの基礎とすることが好ましい。
PTH受容体アゴニストは修飾カルボキシ末端をもつアナログも含む。好ましい修飾アナログとしては、末端カルボキシ基(−COOH)をカルボキサミド基(−C(O)NH)に変換したアミド化ポリペプチドが挙げられる。アルキルアミドアナログも考えられる。
従って、本明細書で使用する「hPTH(1−34)NH」とはカルボキシ末端にカルボキサミド基をもつヒト副甲状腺ホルモンの短縮形を意味する。「bPTH(1−34)NH」及び「hPTHrP(1−34)NH」も同様の意味である。
本明細書で使用する「Ψ(CHNH)」は2個の残基間の還元ペプチド結合を表す。例えば、配列番号4はAlaとValの間に還元ペプチド結合をもつ。表1は本明細書で使用する普通アミノ酸略称の一覧である。全キラルアミノ酸残基はS配置である。
Figure 2007518800
PTH受容体アゴニストのある態様では、PTH又はPTHrPの16−20位、好ましくは17−19位を置換する。この例として、指定アミノ酸を置換したbPTHのアナログを下表2に示す。比較のために野生型bPTHアミノ酸配列(配列番号2)を示す。同様に比較のために示すhPTH(配列番号1)及びhPTHrP(配列番号3)も同様に置換することができる。
従って、β−アミノ酸を含むアナログは以下の構造置換を単独又は組み合わせでもつことができ、場合により本明細書の他の箇所に記載するような別のアミノ酸置換ももつことができる。
16位:β−hAsn、β−hSer、β−hGln、β−hThr、β−hAla、β−Ala、β−hRaa、但し、β−hRaa=NH−CH(R)CHCO、R=Et、nPr、(CHCONH(n=0、3及び4)。
17位:β−hAsp、β−hSer、β−hGlu、β−hThr、β−hAla、β−Ala、β−hRaa、但し、β−hRaa=NH−CH(R)CHCO、R=Et、nPr、(CHCOH(n=0、3及び4)。
18位:β−hMet、β−hNle、β−hLeu、β−hIle、β−hVal、β−hAla、β−Ala、β−hRaa、但し、β−hRaa=NH−CH(R)CHCO、R=Et、nPr。
19位:β−hAsp、β−hSer、β−hGlu、β−hThr、β−hArg、β−hLys、β−hDap、β−hDbu、β−hOrn、β−hAla、β−Ala、β−hRaa、但し、β−hRaa=NH−CH(R)CHCO、R=(CHグアニジノ(n=1、2及び4)、(CHCOH(n=0、3及び4)。
20位:β−hArg、β−hLys、β−hDap、β−hOrn、β−hAla、β−Ala、β−hRaa、但し、β−hRaa=NH−CH(R)CHCO、R=(CHグアニジノ(n=1、2及び4)。
好ましい置換としては表2に記載する代表的アナログに示すように、16位のβ−Ala、17位のβ−Ala又はβ−hSer、18位のβ−Ala又はβ−hLeu、19位のβ−Ala又はβ−hGlu、及び20位のβ−Alaの各β−アミノ酸が挙げられる。18位にβ−アミノ酸が存在しないアナログでは、18位のメチオニン(Met)をノルロイシン(Nle)で置換することが好ましい。
Figure 2007518800
下記実施例に記載するように、h/bPTH及びhPTHrPの一連の好ましいアナログとしては以下のアナログが挙げられる。
Figure 2007518800
h/bPTH及びhPTHrPアナログにおける構造置換のその他の例としては、1個以上の擬ペプチド単位をもつアナログが挙げられる。好ましい擬ペプチド単位としては擬ジペプチド単位、擬トリペプチド単位等が挙げられ、h/bPTH及びhPTHrPアナログの任意アミノ酸系列に配置することができる。所定の好ましい態様では、擬ペプチド単位XxxΨ(CHNH)YyyはXxx=Ala、Gly、Thr、Ser及びYyy=Val、Leu、Nle、Ile、Pheの1種とすることができる。また、ある態様では、擬ペプチド単位を含むアナログは12位の2−アミノイソ酪酸残基置換(Aib12)を含む。擬ペプチド単位を含む代表的アナログとしては、
[AlaΨ(CHNH)Val、Nle8,18、Aib12、2−Nal23、Tyr34]bPTH(1−34)NH(配列番号4)、
[SerΨ(CHNH)Val、Nle8,18、Aib12、2−Nal23、Tyr34]hPT(1−34)NH(配列番号42)、
[SerΨ(CHNH)Val、Aib12]hPTHrP(1−34)NH(配列番号43)が挙げられる。
別の態様では、hPTH、bPTH及びhPTHrPアナログは付加又は別のアミノ酸置換を含む。例えば、上記置換Glu残基の代わりに、Asp、又はNHCH(R)CO[式中、Rは(CHCOHであり、n=0、3及び4である]を導入することができる。上記置換Leu残基の代わりに、Nle、Ile、Val、Ala、Met、又はNHCH(R)CO(式中、RはEt、又はnBuである)を導入することができる。上記置換Lys残基の代わりに、Dap、Dbu、又はNHCH(R)CO[式中、Rは(CHNHであり、n=5〜7である]を導入することができる。
更に他の態様では、本明細書に記載するアナログは更に5位にアミノ酸置換、好ましくはHis又はIle置換を含むことができる。このような置換はPTH及びPTHrPとその受容体の結合に影響を与えることが知られている(Beharら,Endocrinology(1996)137:4217−4224参照)。
ペプチドはMerrifield,J.Am.Chem.Soc.(1963)85:2149−2154の固相法等の当分野で公知の任意方法により合成することができ、あるいは、Applied Biosystems 430Aペプチド合成器でBoc/HOBt/NMP化学とp−メチルベンズヒドリルアミン・HCl樹脂を使用して合成することもできる。ペプチドの合成、精製及び特性決定の一般プロトコールは報告されている。代表的アプローチについては、Biselloら,J.Biol.Chem.(1998)273:22498−505及びPCT出願WO03/105772参照。
合成したペプチドの純度は分析RP−HPLCにより測定することができる。ペプチドの構造完全性はアミノ酸解析とエレクトロスプレー質量分析により確認することができる。
IC50で表したペプチドの生物活性は当分野で周知の細胞アッセイにより測定することができる。SaOS−2/B10細胞を使用する代表的アプローチはWO03/105772に記載されている。PTHペプチドのアデニル酸シクラーゼ活性も当分野で周知の方法により測定することができる。従来記載されているようにSaOS−2/B10細胞を使用することができる。Goldmanら,Endocrinology(1988)123:1468。Nakamotoら,Biochemistry(1995)34:10546−10552に記載されているように、安定にトランスフェクトされたHEK293/C21を使用してもよい。
受容体結合アッセイとIC50の測定は当分野で周知のように精製受容体を使用するか又は受容体を発現する細胞を使用して実施することができる。例えば、WO03/105772に記載されているようにHEK293/C21を使用してPTHペプチドに対するIC50受容体結合を測定することができる。
PTHペプチドのin vivo骨同化活性はペプチドを含有する製剤のペプチドを無傷の動物又は骨減少症の実験動物モデルに投与することにより測定することができる。従来記載されているように卵巣切除により誘発した骨粗鬆症のラットモデルを使用することができる。例えば、Wronskiら,Bone(1994)15:51−58;reviewed in Demsterら,Endocrine Rev.,(1993)14:690−709参照。
PTHペプチドの骨同化効果は処置の12〜60日後に二重エネルギーX線吸収法又は大腿骨乾燥重量もしくは総灰分重量により骨ミネラル密度の変化を試験することにより測定することができる。例えばHoriら,Bone Miner.,(1988)3:193−199参照。骨形成及び石灰化率の増加は代謝ラベル(例えばテトラサイクリン)を使用して試験することができる。Tamら,Endocrinology,(1982)110:506−512参照。小柱/皮質骨体積及び複雑さの変化の定性及び定量的評価は対照(未投与)と投与動物からの骨サンプルの標準組織形態解析(例えばPodbesekら,Endocrinology(1983)112:1000−1006参照)により測定することができる。
PTH受容体アゴニストは骨転移癌又は骨原発癌に付随する症状を改善するために有用である。「骨転移癌」は「二次」骨癌又は「骨転移」として知られ、別の身体領域から骨に転移した癌を意味する。骨転移における細胞は癌の起源の細胞に似ている。これらの細胞は原発性骨癌の場合のように癌性になった骨細胞ではない。癌腫に加えて形質細胞性腫瘍(骨髄腫)やリンパ腫等の多種多様の癌が転移性骨疾患の原因となり得る。より一般的な形態の転移性骨疾患は乳癌、前立腺癌、肺癌、腎臓癌、甲状腺癌及び骨髄腫に存在する。癌腫(臓器の内側又は外側を覆う組織に発生する癌)は肉腫(軟骨、脂肪又は筋肉等の結合組織に発生する癌)よりも著しく骨に転移し易い。肋骨、骨盤及び脊椎が一般に骨転移の影響を受ける最初の骨であり、中心骨格から遠位の骨のほうがしばしば影響を受けにくい。
「骨原発癌」は「原発性骨癌」として知られ、骨又は結合組織等の骨に隣接する組織に発生する癌である。最も一般的な型の原発性骨癌としては骨肉腫、軟骨肉腫、及びユーイング肉腫が挙げられる。骨肉腫は成長中の骨の新しい組織に発症し、幼児又は思春期に発症することが最も多い。軟骨肉腫は骨端間の保護層として機能する一種の結合組織である軟骨に発症する。ユーイング肉腫は骨髄内の未成熟神経組織に発症する。この種の骨癌も幼児や思春期に発症することが多い。あまり一般的でない骨癌としては、悪性線維性組織球腫と線維肉腫が挙げられる。これらの癌は成人に発症する点を除き、手足に発症する点で骨肉腫と同様である。
転移性癌をもつ個体にPTH受容体アゴニストを含有する医薬製剤ないし薬剤を投与すると、骨量減少を低減し、骨折を低減し、骨癌に付随する疼痛を軽減するのに有用である。医薬製剤ないし薬剤は単一PTH受容体アゴニストを含有するものでも複数のPTH受容体アゴニストを含有するものでもよい。
多くの転移性骨病変は明白に溶骨性であると思われるが、骨代謝回転の正常生理と減少する骨を修復しようとする機能を反映する局所骨形成応答が一般に存在する。これはアルカリホスファターゼ活性又は骨スキャン剤の取り込み増加として測定することができる骨芽細胞活性の増進を含む。しかし、この修復機能は一般に溶骨活性を上回るほどに十分ではなく、最終的に骨量減少と共に疼痛及び他の症状の悪化に至る。特定メカニズムに結び付けようとするものではないが、PTH受容体アゴニストは骨芽細胞の活性を更に増進して破骨細胞活性の増加に対抗することにより骨損傷を逆行させると考えられる。
このような治療を必要とする任意ヒト患者を含む患者に有効量のPTH受容体アゴニストを投与する。「有効量」とは治療する特定症状の発症を遅らせるか、進行を抑えるか、又は発症もしくは進行を完全に阻止するために必要な量を意味する。有効量は治療する特定症状、症状の重篤度、年齢、性別、健康状態、身長体重等の個体パラメーター、併用治療、投与頻度、及び投与方法による異なる。これらの因子は当業者に周知であり、日常的な実験で対処することができる。一般に最大用量、即ち何らかの医療判断による最高安全用量を使用することが好ましい。
本発明で使用する「骨量減少を低減」とは癌患者の骨密度が同一に維持されるか、又はPTH受容体アゴニストの非投与時ほど迅速に低下しないことを意味する。一般に、患者の骨密度は投与開始時に同一に維持され、その後、投与中に最小限しか低下しないことが好ましい。患者の骨密度低下を約85%、90%、95%、99%、又はそれ以上抑えることが好ましい(単なる「骨量減少の低減」に加え、患者の骨密度が実際に増加する骨成長増進の可能性を加えることが望ましいのか?あるいはこれは実際的ではないのか又は望ましくないのか?)。骨密度の変化率又は変化量を測定する際には、患者自身を対照としてもよいし、例えば臨床試験により測定した統計的に得られたレベルとその骨密度を比較してもよい。このような試験の1例はNeerら,N.Engl.J.Med.344:1434−41(2001)に記載されている。
骨密度は日常的方法を使用して容易に測定される。例えば、PTH及びアナログ及び/又はPTHrP及びアナログ等のPTH受容体アゴニストの投与効果の代表的分析方法を記載したNeerら,前出参照。
「骨折を低減」なる用語は非投与時よりも投与時のほうが骨折し易さが減ることを意味する。骨折し易さは非投与時に比較して投与後の最初の骨折までの時間の遅れとして測定することができる。骨折低減は通常の外傷性骨折ではなく、病的骨折の低減であることが好ましい。
本発明に関して「疼痛を軽減」とは骨における癌増殖に付随する疼痛レベルが投与により軽減することを意味する。疼痛軽減は座位又は起立もしくは着席動作で得られる。疼痛軽減は強度又は接続時間の低減として現れる。臨床的に有意義な疼痛軽減は視覚アナログスケール(VAS)、0〜10段階数値評価スケール(NRS)、口頭式評価スケール(VRS)、イタリア式疼痛質問表(マクギル疼痛質問表のイタリア版)(PRI)、及び疼痛強度及び持続時間を単一尺度で統合するようにミラノ国立癌研究所疼痛治療苦痛緩和部(Pain Therapy and Palliative Care Division of the National Cancer Institute of Milan)で設計された評価尺度である総合疼痛スコア(IPS)等の各種標準試験の任意のものを使用して当業者が決定することができる。De Connoら,Pain.1994;57(2):161−6。標準VASは可動ポインターを備える片側に0から10の目盛のスケールをもつ。「痛みなし」が0に対応し、「想像可能な最もひどい痛み」が10に対応する。VAS標準スケールにおける少なくとも2レベルの改善が有意とみなされる。
本発明の製剤は、状況に応じて医薬的に許容可能な塩、緩衝剤、防腐剤及び賦形剤を含ませた医薬的に許容可能な組成物として投与される。前記塩の例は無機酸又は有機酸、例えば塩酸、酢酸又はメタンスルホン酸の塩である。カルボン酸基のナトリウム又はマグネシウム塩等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩等の塩も考えられる。
適切な緩衝剤は酢酸(1−2%w/v)、クエン酸(1−3%w/v)、ホウ酸(0.5−2.5%w/v)、及びリン酸(0.8−2%w/v)の体系である。
適切な防腐剤としては塩化ベンズアルコニウム(0.003−0.03%w/v)、クロロブタノール(0.3−0.9%w/v)、パラベン(0.01−0.25%w/v)及びチメロサール(0.004−0.02%w/v)が挙げられる。
選択される投与方法は特に治療する症状の急性度及び重篤度と必要な用量に依存する。許容不能な副作用を生じずに所望の治療効果を生じる任意投与方法が本発明の実施で適当である。このような投与方法としては経口、直腸、局所、経皮、舌下又は筋肉内、輸液、非経口、静脈内、筋肉内、体腔内、エアゾール、口腔、耳、鼻腔内、吸入、又は皮下が挙げられる。患部への局所送達には直接注射も好ましい。
現時点ではPTH及び/又はPTHrP等の大半のPTH受容体アゴニストの投与には皮下投与が日常的に利用されているが、患者と投与スケジュールの簡便さにより経口投与が治療に好ましい。一般に、活性化合物の経口用量は約0.1〜1000μg/日である。0.5〜50μgを1日1回〜数回に分けて経口投与すると、所望結果が得られると予想される。静脈内投与は経口用量に比較して1〜数オーダー少ない用量とする。
PTHとアナログ、PTHrPとアナログの同化効力を促進することが当分野で知られていることから、PTH受容体アゴニストを断続的に投与することが好ましい。好ましい断続投与スケジュールとしては毎日、1日おき、2日おき、週2回、3日おき、4日おき、5日おき、及び週1回が挙げられる。
PTH受容体アゴニストは単位剤形の形態が簡便であり、製薬分野で周知の任意方法により製造することができる。いずれの方法も、1種以上の補助成分を構成するキャリヤーとPTH受容体アゴニストを混合する段階を含む。一般に、組成物はPTH受容体アゴニストを液体キャリヤー、微粉状固体キャリヤー、又はその両者と均質に混和した後、場合により製剤を成形することにより製造される。
非経口投与に適した組成物は好ましくはレシピエントの血液に等張である、本発明の化合物の滅菌水性製剤とすると適切である。この水性製剤は適切な分散剤又は湿潤剤と懸濁剤を使用して公知方法に従って製剤化することができる。適切な医薬製剤の代表例としては、ヒトPTH(1−34)を含有するForteo(登録商標)の注射用水性製剤が挙げられる。製剤は希釈剤又は溶媒で溶解等させた滅菌注射用溶液又は懸濁液でもよく、例えば1,3−ブタンジオール溶液が挙げられる。水、リンゲル液、及び等張塩化ナトリウム溶液が代表的な許容可能な希釈剤である。滅菌不揮発性油も溶媒又は懸濁媒体として使用することができる。合成モノ又はジグリセリド等の無刺激不揮発性油や、オレイン酸等の脂肪酸も使用することができる。
経口投与に適した組成物はカプセル剤、カシェ剤、錠剤、シロップ剤、エリキシル剤又はトローチ剤とすることができる。任意肺送達に適した組成物は一般にネブライザーに製剤化及び/又は収容される。
本発明により使用する組成物の製剤化については各種のアプローチがHANDBOOK OF PHARMACEUTICAL EXCIPIENTS,3rd ed.,American Pharmaceutical Association,USA and Pharmaceutical Press UK(2000)、及びPHARMACEUTICS−THE SCIENCE OF DOSAGE FORM DESIGN,Churchill Livingstone(1988)に記載されている。
本発明によると、PTH受容体アゴニストを投与することによる骨転移性癌及び骨原発性癌の増殖に起因する症状の改善は化学療法、外科手術、及び放射線照射等の慣習的な癌治療と併用することができる。
以下、実施例により本発明を例証するが、これらの実施例により本発明を限定するものではない。
転移性骨疾患の動物モデル
a)モデル樹立
Honoreら,Neuroscience.(2000)98(3):585−98に記載されているようにマウス肉腫細胞を使用して成体C3Hマウスで転移性骨疾患の動物モデルを樹立した(Clohisyら,J Orthop Res.(1996)14(3):396−402も参照)。要約すると、マウスCCL−11(NCTCクローン2472)溶骨性肉腫細胞を遠位大腿骨に移植した。移植部位を歯科用グレードアマルガムで補填した。傷口を外科用クリップで止めた。行動試験を妨げないように6日目に外科用クリップを外した。試験後から開始してビヒクル10μl/kg又は80μg/ml濃度のPTH(1−34)を含有するビヒクル10μl/kgを偽移植マウスと肉腫移植マウスに毎日皮下注射し、肉腫細胞移植後6日目に放射線写真を撮影した。移植後14日目にPTH(1−34)又はビヒクル投与を終了し、最終行動試験を実施し、動物を屠殺した。
b)骨の放射線解析
骨破壊を測定するために、骨癌誘導前(基線ないしBL)と、骨癌誘導後6、10、及び14日目にFaxitron X線撮影装置(Model MX−20)を使用してX線写真を撮影した。X線照射中にマウスが動かないように軽く麻酔した。マウス大腿骨のX線写真を最大解像度(2400dpi)でスキャンし、ディジタルグレースケールフォーマット(TIFF)で保存した。グレースケールレベルはアマルガム領域を白(グレースケール値255)に設定することにより全X線写真で標準化し、グレースケールの下限はスキャン画像の最も暗い画素に設定した。グレースケール値はスキャン画像の明度に対応する。
画像をMetamorph(Universal Imaging Corp,West Chester,PA)で分析した。骨を3領域に等分した。肉腫細胞を移植した部位の下部領域からのデータを採取した。グレースケール値2〜76の全画素を含むように閾値を標準化した。グレースケール値は明度に相関するので、閾値領域の増加はより暗い骨領域ないし密度の低い骨領域の増加に相当する。Metamorphで領域の積分強度値を測定した。ある領域の強度の有意低下は骨密度の有意低下を表す。動物の正常成長による骨密度の予想増加を考慮し、基線の全測定値を基線の対照群と比較し、14日目の全測定値を14日目の対照群と比較した。
c)行動分析
Lugerら(2001)により記載されているように自発四肢使用を評価した。マウスを空のマウスパンに入れ、連続動作でパンを横切って歩行する様子を観察した。右(肉腫移植)後肢について、ひきずる動作及び/又はかばう動作を以下の尺度で評価した。0=完全な不使用、1=部分的不使用、2=ひきずる動作とかばう動作、3=ひきずる動作、4=正常歩行。
フリンチ及びかばう動作を評価するために、右後肢のフリンチとかばう動作の観察用ワイヤーグリッド底を備える高設プレキシガラスチャンバーに動物を入れた。マウスを20分間チャンバーに馴化させた。各マウスのかばう動作とフリンチを2分間測定した。フリンチ数をカウントし、足をかばう(足を底から持ち上げる)ために費やした時間を測定した。
Chaplanら,J Neurosci Methods(1994)53(1):55−63に記載されているように触覚アロディニアを測定した。校正von Freyフィラメントによるプロービングに応答する足屈曲閾値を測定した。ワイヤーメッシュ底を備える吊り下げ型ケージにマウスを入れ、von Freyフィラメントが僅かに曲がるまでマウスの足の足底面に垂直に当て、2秒間保持した。急激な足屈曲を陽性応答とした。ディクソンのノンパラメトリック法(Dixon,Annu Rev Pharmacol Toxicol 20:441−462,1980)により50%足屈曲閾値を測定した。0.4gに等価の初期プローブを適用し、応答が陰性の場合には、陽性応答が得られるまで刺激を徐々に増加した後、陰性結果が得られるまで弱めた。このアップタウン法を更に4本のフィラメントで繰返した。陽性応答と陰性応答のパターンを集計した。(10[Xf+kδ])/10,000(式中、Xf=使用した最終von Freyフィラメントの値、k=陽性/陰性パターンのディクソン値、δ=刺激間の平均(対数)差)として50%足屈曲閾値を求めた。式:%抗アロディニア=100×(試験値−投与後基線値)/(投与前基線値−投与後基線値)によりデータを%抗アロディニアに変換した。
転移性骨疾患の症状の改善
転移性骨腫瘍動物と偽処置動物の大腿骨のX線写真評価を図1に示す。正常動物にPTH(1−34)を投与すると、14日目に多少の骨密度増加を示した。肉腫をもつ動物にビヒクルを投与すると、14日目に骨密度は著しく低下した。他方、肉腫をもつ動物にPTHを投与すると、14日目にほぼ正常な骨密度を示し、17日目に正常未投与動物よりも密度が増加した。従って、これらのデータによると、PTH(1−34)は骨転移性癌の増殖による骨密度低下を低減する。
転移性骨腫瘍動物におけるPTH投与による行動効果を図2に示す。転移性骨腫瘍動物で低下した四肢使用はPTH(1−34)投与後14日目にほぼ正常レベルに戻った。転移性骨腫瘍動物で観察された四肢をかばう動作はPTH(1−34)投与後14日目に有意に低減した。自発痛についても同様の結果が観察された。転移性骨腫瘍動物で悪化した触覚過敏にはPTH(1−34)投与後14日目に効果がなかった。従って、これらのデータによると、PTH(1−34)は自発型の疼痛を軽減するが、誘発痛は軽減しない。
本明細書に引用する全文献はその開示内容全体を参考資料として組込む。
転移性癌疾患をもつ動物にPTHを投与した場合と投与しない場合のX線写真の光学密度読み値を示すグラフである。スキャンを積分し、総骨密度を定量した。 転移性癌疾患をもつ動物にPTHを投与した場合と投与しない場合の疼痛評価を示す。骨腫瘍転移の樹立後14日目に四肢使用、四肢をかばう動作及び自発フリンチにより測定した場合にPTH(1−34)は疼痛を改善した。PTH(1−34)投与は触覚過敏(誘発痛)には無効であった。

Claims (10)

  1. 有効量を個体に投与すると骨量減少を低減するか、骨折を低減するか、又は疼痛を軽減する薬剤の製造における骨転移癌又は骨原発癌の増殖に付随する症状を改善するためのPTH受容体アゴニストの使用。
  2. 前記有効量を投与すると疼痛を軽減する請求項1に記載の使用。
  3. 前記PTH受容体アゴニストがPTH又はそのアナログである請求項1又は2に記載の使用。
  4. 前記PTH又はそのアナログがPTH(1−34)、好ましくは酢酸テリパラチドである請求項3に記載の使用。
  5. 前記PTH受容体アゴニストが副甲状腺ホルモン関連蛋白質又はそのアナログである請求項1又は2に記載の使用。
  6. 前記個体が骨転移癌をもつ請求項1又は2に記載の使用。
  7. 前記骨転移癌が乳癌、前立腺癌、肺癌、腎臓癌、甲状腺癌又は骨髄腫である請求項6に記載の使用。
  8. 前記個体が骨原発癌をもつ請求項1又は2に記載の使用。
  9. 前記骨原発癌が肉腫である請求項1又は2に記載の使用。
  10. PTH受容体アゴニストの有効量が0.1〜1000μg、好ましくは20〜200μgである請求項1から9のいずれか一項に記載の使用。
JP2006551164A 2004-01-26 2005-01-13 Pth受容体アゴニストによる骨転移の治療 Pending JP2007518800A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US53851204P 2004-01-26 2004-01-26
EP04001570A EP1557176A1 (en) 2004-01-26 2004-01-26 Treatment of bone metastases by means of PTH receptor agonists
PCT/US2005/001139 WO2005072770A1 (en) 2004-01-26 2005-01-13 Treatment of bone metastases by means of pth receptor agonists

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007518800A true JP2007518800A (ja) 2007-07-12

Family

ID=34626509

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006551164A Pending JP2007518800A (ja) 2004-01-26 2005-01-13 Pth受容体アゴニストによる骨転移の治療

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20080108562A1 (ja)
EP (2) EP1557176A1 (ja)
JP (1) JP2007518800A (ja)
CA (1) CA2544978A1 (ja)
WO (1) WO2005072770A1 (ja)

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
MXPA06013168A (es) 2004-05-13 2007-05-15 Johnson & Johnson Aparato y metodo para el suministro transdermico de agentes de la hormona paratiroidea.
CA2683862C (en) 2007-04-09 2016-08-02 The Board Of Trustees Of The University Of Arkansas Fusion protein of collagen-binding domain and parathyroid hormone
RU2010113988A (ru) * 2007-09-11 2011-10-20 Мондобайотек Лабораториз Аг (Li) Применение пептида в качестве терапевтического средства
US9259386B2 (en) 2010-12-23 2016-02-16 Rani Therapeutics, Llc Therapeutic preparation comprising somatostatin or somatostatin analogoue for delivery into a lumen of the intestinal tract using a swallowable drug delivery device
US8809269B2 (en) 2010-12-23 2014-08-19 Rani Therapeutics, Llc Therapeutic agent preparations comprising insulin for delivery into a lumen of the intestinal tract using a swallowable drug delivery device
US9402806B2 (en) 2010-12-23 2016-08-02 Rani Therapeutics, Llc Therapeutic agent preparations for delivery into a lumen of the intestinal tract using a swallowable drug delivery device
WO2013120060A1 (en) 2012-02-09 2013-08-15 The Board Of Trustees Of The University Of Arkansas Delivery of therapeutic agents by a collagen binding protein
EP2790717B1 (en) 2011-12-14 2018-05-30 The Board of Trustees of the University of Arkansas Delivery of therapeutic agents by a collagen binding protein
WO2014025785A2 (en) 2012-08-06 2014-02-13 Trustees Of Boston University Prion protein ligands as therapeutic agents for neurodegenerative disorders
US20200354428A9 (en) * 2013-06-23 2020-11-12 Wisconsin Alumni Research Foundation Analogues of parathyroid hormone (1-34) that function as agonists of the parathyroid hormone receptor-1 and display modified activity profiles
EP3016674A4 (en) * 2013-06-23 2017-03-15 Wisconsin Alumni Research Foundation Alpha-/beta-polypeptide analogs of parathyroid hormone (pth) and method of using same
JP7397440B2 (ja) 2017-02-10 2023-12-13 ザ ボード オブ トラスティーズ オブ ザ ユニバーシティ オブ アーカンソー コラーゲン結合薬剤組成物およびその使用方法
CN108276487B (zh) * 2017-12-28 2020-11-17 武汉大学 一种可促进成骨并抑制破骨的活性多肽及其应用
CN112940103A (zh) * 2019-12-10 2021-06-11 深圳翰宇药业股份有限公司 一种特立帕肽杂质f的合成方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09157294A (ja) * 1995-06-15 1997-06-17 Takeda Chem Ind Ltd 副甲状腺ホルモン誘導体
WO2001002011A1 (fr) * 1999-07-02 2001-01-11 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha REMEDES CONTRE LES MALADIES CAUSEES PAR PTH OU PTHrP
WO2001021198A1 (en) * 1999-09-20 2001-03-29 Eli Lilly And Company Method for reducing the risk of cancer
WO2003024486A1 (fr) * 2001-09-17 2003-03-27 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha Traitements de la perte osseuse
WO2003059291A2 (en) * 2002-01-10 2003-07-24 Osteotrophin Llc Treatment of bone disorders with skeletal anabolic drugs

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0813423B1 (en) * 1995-01-23 2002-07-03 Xenotech Incorporated Composition to inhibit osteolysis and metastasis
US6316410B1 (en) * 1999-09-22 2001-11-13 National Research Council Of Canada Parathyroid hormone analogues for the treatment of osteoporosis
WO2002028420A2 (en) * 2000-10-06 2002-04-11 Holick Michael F Regulation of cell proliferation and differentiation using topically applied nucleic acid molecules

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09157294A (ja) * 1995-06-15 1997-06-17 Takeda Chem Ind Ltd 副甲状腺ホルモン誘導体
WO2001002011A1 (fr) * 1999-07-02 2001-01-11 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha REMEDES CONTRE LES MALADIES CAUSEES PAR PTH OU PTHrP
WO2001021198A1 (en) * 1999-09-20 2001-03-29 Eli Lilly And Company Method for reducing the risk of cancer
WO2003024486A1 (fr) * 2001-09-17 2003-03-27 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha Traitements de la perte osseuse
WO2003059291A2 (en) * 2002-01-10 2003-07-24 Osteotrophin Llc Treatment of bone disorders with skeletal anabolic drugs

Also Published As

Publication number Publication date
US20080108562A1 (en) 2008-05-08
EP1711202A1 (en) 2006-10-18
WO2005072770A1 (en) 2005-08-11
CA2544978A1 (en) 2005-08-11
EP1557176A1 (en) 2005-07-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007518800A (ja) Pth受容体アゴニストによる骨転移の治療
JP4008825B2 (ja) 副甲状腺ホルモンの類似体
AU2003207512B2 (en) Treatment of bone disorders with skeletal anabolic drugs
US8603977B2 (en) Conformationally constrained parathyroid hormone (PTH) analogs
US6583114B2 (en) Fracture healing using pthrp analogs
JP3963482B2 (ja) 副甲状腺ホルモンの類似体
US7521528B2 (en) Conformationally constrained parathyroid hormone (PTH) analogs with lactam bridges
US7795220B2 (en) Conformationally constrained parathyroid hormones with alpha-helix stabilizers
AU2002339843A1 (en) Conformationally constrained parathyroid hormone (PTH) analogs
JP4871128B2 (ja) 高次構造的に制約された副甲状腺ホルモン(pth)アナログ
JPH10511095A (ja) 副甲状腺ホルモン又はその作動薬の低用量継続投与
EP1799240A2 (en) Treatment of bone disorders with skeletal anabolic drugs
CN1916025A (zh) 甲状旁腺素类似物
AU2012200156A1 (en) "Treatment of bone disorders with skeletal anabolic drugs"

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20090713

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20090724

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090929

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20091225

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20100112

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100329

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100622