JP2007514933A - タンパク質相互作用の検出 - Google Patents

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Abstract

本発明は蛍光を用いて、相互作用、詳細にはペプチド対ペプチド相互作用を検出する方法に関する。蛍光タンパク質断片、対象のペプチド、ならびに、対象のペプチドと蛍光タンパク質断片のと間に挿入された、異なる長さのリンカー部分をコードする核酸を、ペプチド相互作用システムおよびそれを使用する方法と共に提供する。
【選択図】 図2

Description

発明の分野
本発明は相互作用を検出する方法に関する。詳細には、本発明は、蛍光を用いてタンパク質対タンパク質相互作用を検出する方法に関するが、これに限定されない。
発明の背景
タンパク質対タンパク質相互作用は、酵素の組み立て、タンパク質ホモ/ヘテロオリゴマー、細胞内輸送調節、遺伝子発現、受容体−リガンド相互作用、細胞内への病原体の進入、および小分子または薬物の作用を含めた多くの生物的過程で重要な役割を果たしている。
高分子相互作用の同定および特徴付けは、細胞溶解液および可溶化された膜からの免疫共沈降反応を用いて行うことができる。しかし、この技法は、タンパク質の捕捉および同定の両方に特異的な抗体を必要とし、相互作用を破壊するのに、さらに界面活性剤の使用を必要とすることがある。
より最近では、タンパク質対タンパク質相互作用を判定するための非侵襲性の技法が開発されている。
そのような非侵襲性の技法は、分裂酵母核転写因子の相補性に基づいた酵母ツーハイブリッド法によって開拓された。
酵母発現系を使用して哺乳類のタンパク質対タンパク質相互作用を同定するのには多くの不都合がある。哺乳類のタンパク質相互作用には、通常、ある種の翻訳後修飾が極めて重要であるが、それらは酵母細胞によるタンパク質の発現および/または翻訳後修飾によって実現することができない。例えばチロシンリン酸化は、シグナル伝達に関与する多くの哺乳類細胞内タンパク質結合イベントの鍵となっている。しかし、酵母ゲノムはチロシンキナーゼ遺伝子を含有しておらず、したがって、リン酸化チロシン依存性のタンパク質相互作用は、酵母2ハイブリット研究によって取り扱うことができない。
さらに、酵母2ハイブリッドスクリーニングでは、レポーター遺伝子の発現を引き起こすために、あるいはレポーター遺伝子の発現の引き金となる下流イベントを引き起こすために、タンパク質複合体が核に移行できなければならない。したがって、このスクリーニング法には、酵母の核から排除されるタンパク質を用いることができないであろう。
タンパク質相補性および分割ユビキチン法などのさらに別の方法は、2つのタンパク質(ベイトタンパク質およびプレイタンパク質)の相互作用の働きによってレポーター遺伝子が発現され、このレポーター遺伝子によって、相互作用イベントを検出可能なシグナルとして可視化するのが可能となるという点で、酵母2ハイブリッド法に類似した基本的概念を利用したものである。
検出可能なシグナルを生成するのに、酵素などのレポーター遺伝子の発現を利用したそのような方法には、検出されるタンパク質複合体の位置を細胞内で正確に可視化することができないという不都合がある。
近年、蛍光エネルギー移動(FRET)技法が、タンパク質対タンパク質相互作用を測定するのに使用されている。この技法では、2つの蛍光色素、すなわち吸光部分および蛍光部分の相互作用が、それらの密接な空間的近接性を示す。タンパク質対タンパク質相互作用をモニタリングするためには、吸光部分を第1のタンパク質パートナーに付加し、蛍光部分を第2の結合パートナーに付加する。吸光部分の放出スペクトルが蛍光部分の励起スペクトルとオーバーラップし、両方の部分が互いの100Å以内にある場合にはFRETが起こるであろう。
FRETは、クラゲAequorea victoria由来の緑色蛍光タンパク質(GFP)配列中の変異を利用することができ、それらの変異はGFPスペクトル発光の多様化を引き起こすことが示されている。これらの変異は、黄色蛍光タンパク質(YFP)などのGFP変種をもたらし、同様に、シアン(CFP)および青色(BFP)の蛍光を発する変種ももたらす。この技法は、相互作用タンパク質に融合した、これらの異なる色のGFP変種間における蛍光エネルギー移動を用いる。残念ながら、この方法は、蛍光のわずかな変化の定量化を可能にするためにGFP融合タンパク質の過剰発現を必要とする。FRETに関連した方法には、不可逆的な光脱色(FRAP)、または蛍光寿命イメージング測定が可能な高価な測定器(FLIM)の使用を必要とするものがある。
GFP分子の2つの別々の断片(ハプト−GFP(hapto−GFP))の機能的会合が、リンカーを介してハプト−GFPの新たなC’端およびN’末端に融合した1対のタンパク質の相互作用によって誘発された場合、この機能的会合に続いて蛍光が生成されうることが近年示されている(Ghoshら(2000年);Huら(2002年))。
これらの文献によって開示された方法は、特定のタンパク質間で相互作用が起こるかどうかを判定するのに用いることはできるが、結合の様式が明らかでないペプチドの相互作用をスクリーニングするのには適していない。
従来、使用されるリンカーの長さは、互いとの相互作用が試験されるペプチドに関する知識に基づいて選択される。この知識から、ペプチドの相互作用に続いて蛍光タンパク質断片が会合するのを可能にする適切なリンカーの長さを選択することができる。対象のペプチドに関する知識、または、それらが互いと結合する様式に関する知識が必要であると考えられている。
例えば、それらのペプチドが逆平行複合体を形成する(ハプト−GFP−N−>CがC−>N−ハプト−GFPに結合する)ように互いと相互作用し、蛍光断片が互いから空間的に離れた方向を向くように方向付けられている場合、蛍光タンパク質断片が相互作用するのを可能にするためには、長いリンカーが必要であろう。短いリンカーが使用された場合には、リンカーによる立体化学障害によって断片相互の会合が阻止されるであろうから、対象のペプチドの相互作用が存在するのにもかかわらず、これが検出されないかもしれない。これはアッセイ方法における偽陰性反応をもたらすであろう。
発明の概要
発明者らは、従来技術における多くの問題を克服し、かつ未知ペプチド間の相互作用を測定するのに使用できる一般的なスクリーニング法を初めて提供する強力なシステムを広範な研究を通して開発した。
本発明の第1の態様によると、タンパク質相互作用システムが提供され、このシステムは、
複数のベイト融合タンパク質であって、各融合タンパク質が、(i)第1の蛍光タンパク質断片、第1の対象のペプチド、ならびに、第1のペプチドと第1の蛍光断片との間に挿入されたリンカー部分を含み、各ベイト融合タンパク質のリンカー部分の長さが異なり、各ベイト融合タンパク質の第1の対象のペプチドが、他のベイト融合タンパク質それぞれにおける第1の対象のペプチドと同一である、複数のベイト融合タンパク質と、
(ii)前記第1の蛍光タンパク質断片に相補的な蛍光タンパク質断片、第2の対象のペプチド、ならびに、前記相補的な断片と第2のペプチドとの間に挿入された第2のリンカー部分を含む少なくとも1つのプレイ融合タンパク質と
を含み、第1の対象のペプチドが第2の対象のペプチドと相互作用した際に、蛍光タンパク質断片が機能的に会合して蛍光を増強する。
したがって、それぞれの蛍光タンパク質断片の会合を可能にするのに適した長さのリンカーを有する、ベイトおよびプレイ融合タンパク質の対象のペプチドが使用された場合にのみ蛍光が増強されるであろう。
ある範囲の長さのリンカーを介して蛍光断片に連結されている対象のペプチドの提供は、そのような範囲によって、対象のペプチド間の相互作用が検出される確率が最大となり、かつ、立体化学障害により蛍光断片が互いと会合できない、あるいは、リンカーが柔軟過ぎ(長過ぎ)て、そのため、対象のタンパク質が相互作用したにもかかわらず、断片が空間的に1箇所に集まらない確率が最小となるため、単一の長さのリンカーより有利である。
融合タンパク質の提供は、その融合タンパク質が異なる長さのリンカーを含む場合、初めて、既知および/または未知の構造のペプチド間の相互作用、ならびに、より嵩高い対象のペプチドの相互作用、および蛍光タンパク質断片が互いから離れた方向に向けられるように互いと相互作用する小さい対象のペプチドの相互作用、または未知構造のペプチドの相互作用を研究するのに使用できる一般的方法の提供を可能にする。
少なくとも3つの異なる長さのリンカーを提供することが好ましい。より好ましくは少なくとも4つ、さらにより好ましくは少なくとも5つの長さの異なるリンカーを提供する。
タンパク質相互作用システムの一実施形態において、このシステムはさらに、複数のベイト融合タンパク質によって提供されたベイト融合タンパク質のうちの1つに同一である少なくとも1つのベイト融合タンパク質を含みうる。
複数のプレイ融合タンパク質を提供してもよい。少なくとも2つのプレイ融合タンパク質のリンカー部分は、長さが異なるものでよい。例えば、それぞれが同一の対象のタンパク質および同一の蛍光断片を含むが、異なる長さ、例えば、それぞれ10アミノ酸残基および20アミノ酸のリンカーを有する2つのプレイ融合タンパク質を提供してもよい。
一実施形態では、リンカー部分が5〜60の範囲のアミノ酸残基を含み、より好ましくは5〜60の範囲のアミノ酸残基、さらにより好ましくは20〜60の範囲のアミノ酸残基を含む。
好ましい実施形態では、少なくとも1つのリンカー部分が少なくとも20アミノ酸を有する。
本発明の特定の実施形態では、リンカーは、長さが25を越えるアミノ酸、例えば、30を越えるアミノ酸、35を越えるアミノ酸、40を越えるアミノ酸、50を越えるアミノ酸、または55を越えるアミノ酸を含みうる。
リンカーは、最大60までのアミノ酸を含むことが好ましい。
リンカーは、最大45までのアミノ酸を含むことがより好ましい。
リンカーは、実質的に親水性のアミノ酸残基からなることが好ましい。
リンカーのうち少なくとも1つ、好ましくはそれぞれが、グリシル−グリシル−グリシル−グリシル−セリン(配列番号1)などのペンタペプチド配列を複数含むことがより好ましい。
その中に適当な分割部位を形成でき、かつ、その結果得られる断片が互いと会合して蛍光を発することのできるいかなる蛍光タンパク質も本発明で使用できる。蛍光タンパク質の例には、赤色蛍光タンパク質、ならびにGFPの青色、黄色、およびシアン変種が含まれる。さらに、蛍光が増強されているGFPの変種を用いてもよい。しかし、好ましい実施形態では、蛍光タンパク質断片は、緑色蛍光タンパク質、またはその変異体もしくは変種の断片である。
蛍光タンパク質は、ヒト化された形態の蛍光タンパク質、例えば、強化緑色蛍光タンパク質(EGFP)またはその変種であることがより好ましい。
ヒト化されたヌクレオチド配列では、コードされているアミノ酸に使用されているコドンがヒトで最も高頻度に現れるものとなるように、配列中の1つまたは複数のコドンが改変されている。これは、例えばヒト化された蛍光タンパク質コンストラクト(EGFP)は哺乳類細胞での発現レベルおよび発蛍光団の形成速度を最大にするので、有利である。これは、互いと機能的に会合した蛍光タンパク質断片(蛍光発生断片)によって生成された蛍光の検出を、より測定の容易なものにする。
好ましい実施形態では、蛍光タンパク質断片(蛍光発生断片)が、下記に示すヒト化された形態の緑色蛍光タンパク質(配列番号2)における位置157のアミノ酸と158のアミノ酸との間、または、(第2の実施形態では)位置172のアミノ酸と173のアミノ酸との間に分割点を導入することによって生成可能である。
配列番号2−EGFP(Clontech Inc.社)[Genebankアクセッション番号gb:AAB02574 gi 1377912]:
1 mvskgeelft gvvpilveld gdvnghkfsv sgegegdaty
41 gkltlkfict tgklpvpwpt lvttltygvq cfsrypdhmk
81 ghdffksamp egyvqertif fkddgnyktr aevkfegdtl
121 vnrielkgid fkedgnilgh kleynynshn vyimadkgkn
161 gikvnfkirh niedgsvgla dhyqqntpig dgpvllpdnh
201 ylstqsalsk dpnekrdhmv llefvtaagi tigmdelyk
位置157のアミノ酸残基と158のアミノ酸残基との間、または位置172のアミノ酸残基と173のアミノ酸残基との間の分割点の導入によって生成された蛍光発生的な断片は、それぞれハプト−EGFP1/157およびハプト−EGFP158/239、またはハプト−EGFP1/172およびハプト−EGFP173/239の産生をもたらす。
代替の分割点は、EGFPの残基23/24、38/39、50/51、76/77、89/90、102/103、116/117、132/133、142/143、190/191、211/212、または214/215の間である。
したがって、好ましい実施形態では、蛍光発生断片は、EGFPのアミノ酸残基1〜23、1〜38、1〜50、1〜76、1〜89、1〜102、1〜116、1〜132、1〜142、1〜157、1〜172、1〜190、1〜211、または1〜214の断片であり、それぞれの相補的な断片は、24〜239、39〜239、51〜239、77〜239、90〜239、103〜239、117〜239、133〜239、143〜239、158〜239、173〜239、191〜239、212〜239、または215〜239の断片である。
上記に論じた通り、蛍光タンパク質に2つの分割点を導入することによって、それぞれの断片が対象のペプチドに融合された3つ以上の蛍光断片を提供しうると考えることができる。それらのペプチドが相互作用した際に、3つ以上の蛍光断片が機能的に会合して、検出できる蛍光シグナルを生成できるように、それらが1箇所に集められる。
別の実施形態では、3つの蛍光断片のうち1つまたは複数を、金属イオンなどの小分子などの試験薬に融合させることができる。この様にして、小分子などの追加の試験薬の参加を必要とするタンパク質相互作用を検出することができる。
異なる長さのリンカーを含むプレイタンパク質に加えて、あるいはその代わりに複数のプレイ融合タンパク質が存在するシステムの一実施形態では、プレイ融合タンパク質における少なくとも2つの第2の対象のペプチドが、異なるアミノ酸配列を含みうる。
プレイ融合ペプチドは、ベイト融合タンパク質の蛍光断片に相補的な蛍光タンパク質断片に連結されている様々な対象のペプチドのライブラリーとして提供してもよい。このライブラリーは、発現ライブラリーでも、単一ペプチドの様々な変異のライブラリーでも、当技術分野で知られている他のペプチドライブラリーでもよい。
第1の対象のペプチドが第1の蛍光タンパク質断片のN末端に連結されていることもあれば、あるいは代わりに、第1のペプチドが第1の蛍光タンパク質断片のC末端に連結されていることもある。
第2の対象のペプチドが相補的な蛍光タンパク質断片のN末端に連結されていることもあれば、あるいは代わりに、第2のペプチドが相補的な蛍光タンパク質断片のC末端に連結されていることもある。
蛍光タンパク質断片に連結されている対象のペプチドは、アミノ酸配列の異なる小ペプチド、例えば、異なるアミノ酸組成を含むか、あるいは全体的な組成は同じであるが、アミノ酸が異なる順序で存在する九量体である場合がある。別法では、ペプチドは、例えばcDNAライブラリーに由来する完全な大きさのタンパク質でもよい。ペプチドは、当技術分野で広く利用可能な技法を用いて、合成によって産生しても、組換えによって産生してもよい。天然のものでも、誘導されたものでも、細胞で翻訳されたペプチドには、そのペプチドの翻訳後修飾、例えば、グリコシル化、脂質化、リン酸化が起こりうる。これらの翻訳後産物も、依然としてペプチドとみなされる。
一実施形態では、タンパク質相互作用システムが細胞ベースの相互作用システムである。
そのような細胞ベースシステムでは、各細胞が、1つの特定の長さのリンカーを有する1つのベイト融合タンパク質を含むことが好ましい。例えば、それぞれリンカーの長さが異なる3つのベイト融合タンパク質を提供する場合、第1の細胞は、第1のリンカー長のベイト融合タンパク質を含み、第2の細胞は、第2のリンカー長のベイト融合タンパク質を含み、第3の細胞は、第3のリンカー長の第3のベイト融合タンパク質を含むであろう。
タンパク質相互作用システムを細胞ベースのシステムとして提供する場合、生きた細胞の中で発現された際にタンパク質相互作用システムの構成要素を提供する核酸コンストラクトを用いてそれを産生してもよい。
本発明の第2の態様によると、核酸コンストラクトのライブラリーが提供され、各コンストラクトは、
(i)第1の蛍光タンパク質断片および相補的な断片の機能的な会合の際に蛍光が可能となるように、相補的な蛍光タンパク質断片と機能的に会合できる前記第1の蛍光タンパク質断片と、
(ii)対象のペプチドと
(iii)上記ペプチドと第1の蛍光タンパク質断片との間に挿入されたリンカー部分と
をコードし、各核酸コンストラクトによってコードされた対象のペプチドが同一であり、かつ、各コンストラクトのリンカー部分の長さが、相互のコンストラクトのリンカーと異なる。
好ましい実施形態では、少なくとも1つのリンカー部分が少なくとも20アミノ酸を含む。
発明者らは、グリシル−グリシル−グリシル−グリシル−セリンなどの複数のペンタペプチド配列を含むリンカーを提供することによって、より長い(例えば20アミノ酸超)リンカーをベイトおよび/またはプレイ融合タンパク質中に提供する経済的で比較的簡単な方法を決定した。そのような配列は、有利な柔軟性の特性を提供し、それによって、そのリンカー領域を容易に拡張して、強力なスクリーニング法を提供するのを可能にする。
本発明の第3の態様によると、本発明の第2の態様によって提供される複数のコンストラクトを含む発現ベクターが提供される。
本発明の第4の態様によると、複数の核酸コンストラクトのうちの少なくとも1つを含む発現ベクターが提供され、この少なくとも1つの核酸コンストラクトは、少なくとも20アミノ酸のリンカーを有する融合タンパク質をコードする。
発現ベクターは、リン酸カルシウム沈殿、リポフェクション、エレクトロポレーション、および同様のものなど、知られているいかなる技法を用いて細胞に導入してもよい。
本発明の実施形態では、本発明の第3または第4の態様のコンストラクトをコードする複数のベクター、および/または相補的な蛍光タンパク質断片を含むコンストラクトを、細胞ベースのシステムに導入してもよい。
本発明の第5の態様によると、ペプチド相互作用をモニターするためのアッセイ方法が提供され、この方法は、
本発明の第1の態様で提供されるタンパク質相互作用システムを用意するステップと、
蛍光タンパク質断片が互いに機能的な会合を引き起こす、第1および第2の対象のペプチドの相互作用によって生成された蛍光を検出するステップと
を含む。
特定の実施形態では、このアッセイ方法をin vitroで行う。
タンパク質相互作用システムの融合タンパク質を細胞ベースのシステムで提供することによって、あるいは、第1および第2の対象のタンパク質の融合タンパク質をin vitroで共に混合することによって、第1の対象のペプチドに結合する第2の対象のペプチド、またはその逆を同定するために、このアッセイを用いてタンパク質融合体ライブラリーをスクリーニングすることができる。
このアッセイの実施形態は、細胞における、第1および第2の対象のペプチドの相互作用の細胞下の位置を観測するステップを含みうる。このステップは、その相互作用が起こる細胞内の位置の詳細、例えば膜上か、細胞質内か、あるいは核内かを明らかにするので有利である。
相互作用の細胞下の位置を決定するのに、当技術分野で知られている任意の方法、例えば共焦点走査レーザー顕微鏡を用いてよい。
このアッセイ方法は、様々な時点で生成された蛍光のレベルを観測するステップをさらに含みうる。
このステップは、生きた細胞の蛍光観測によって可視化されるペプチド相互作用の細胞内動態の測定を可能にし、細胞周期のすべての部分にわたるペプチド相互作用の空間時間的な研究を可能にするであろう。例えば、そのような技法は、相互作用するペプチドの、例えば小胞体(ER)から原形質膜までの輸送を追跡するのを可能にするであろう。
このアッセイは、蛍光タンパク質の第1の断片および相補的な断片が互いを機能的に補完するのを可能にし、第1および第2の対象のタンパク質が相互作用した際に、蛍光を検出できるようにする融合タンパク質のリンカーの長さを決定するステップを含んでもよい。
そのような実施形態では、このアッセイ方法は、
本発明の第1の態様で提供されるタンパク質相互作用システムを用意するステップと、
蛍光タンパク質断片が互いに機能的な会合を引き起こす、第1および第2の対象のペプチドの相互作用によって生成された蛍光を検出するステップと、
蛍光がその中で検出された細胞を選択するステップと、
蛍光がその中で検出された細胞をクローンとして増幅するステップと、
前記細胞内のリンカーの長さをDNAシーケンシングによって決定するステップと
を含みうる。
蛍光がその中で観測された細胞から得られたリンカーの長さの発生頻度分布は、相互作用するペプチドの融合体末端の分離を橋渡しすることのできる最小のリンカーの長さを反映して、リンカーの長さの下限で急激なカットオフを示すはずなので、互いと相互作用する融合タンパク質のリンカーの長さの決定は有利でありうる。次に、延長されたバックボーンコンフォメーション中の各リンカーの長さに、各アミノ酸残基が3.7Å寄与することに基づいて、相互作用するペプチド間の距離の値をオングストロームで提供するのにこれを使用することができる。
このアッセイの実施形態は、蛍光タンパク質の第1の断片および相補的な断片が互いを機能的に補完するのを可能にし、第1および第2の対象のペプチドが相互作用した際に蛍光を検出できるようにするものとして決定された融合タンパク質を単離するさらなるステップを含んでもよい。
単離は、例えば、蛍光標示式細胞分取器またはレーザー顕微解剖を用いて実施してよい。
このアッセイの特定の実施形態では、相互作用して蛍光を引き起こす、対象のベイトおよび/またはプレイ融合タンパク質のリンカーの長さの決定を可能にし、それによって、対象のペプチドの結合点の最小の距離を示すのに、細胞のレーザー切除、コンストラクトの増幅、およびシーケンシングを使用することがある。
単離された細胞および融合タンパク質のさらなる分析、例えば相互作用するペプチドのシーケンシングを行ってもよい。その後、細胞から単離された相互作用ペプチドを同定または特徴付けするために、配列決定されたペプチドをデータバンク中の配列(完全長または部分配列)と比較してもよい。
相互作用ペプチドの配列は、別法として、選択された蛍光細胞をクローン化して、クローン化された細胞で、例えばPCR増幅およびDNAシーケンシングを行うとによって推測してもよい。その後、これらの配列を発現ベクターにクローニングして、タンパク質を発現させ、精製することができる。精製されたタンパク質は、さらに検査したり、例えば研究に使用したりすることができる。
このアッセイは、試験薬がペプチドの相互作用を増強または促進できるかどうか、あるいは代わりに、阻止または抑制できるかどうか判定するのに使用してよい。
そのような実施形態では、このアッセイは、
本発明の第1の態様で提供されるタンパク質相互作用システムを用意するステップと、
蛍光タンパク質断片の相互の機能的な補完を引き起こす、第1および第2の対象のペプチドの相互作用によって生成された蛍光のレベルを検出するステップと、
推定上の相互作用調節薬剤を提供するステップと、
前記推定上の調節薬剤の存在下で生成した蛍光のレベルを検出するステップと
を含むことがあり、推定上の調節薬剤の非存在下で蛍光が検出され、推定上の調節薬剤の存在下で検出されないことが、推定上の調節薬剤がペプチド相互作用を阻止するか、あるいはペプチド相互作用の阻害剤であることを示し、推定上の調節薬剤の存在下で蛍光が検出され、推定上の調節薬剤の非存在下で検出されないことが、推定上の調節薬剤がペプチド相互作用を促進または強化することを示す。
異なる細胞、または異なる条件下で生成された蛍光を比較できるように、検出された蛍光を定量的に測定してもよい。
例えば、推定上の調節薬剤の効果を試験する際に、検出されたいかなる蛍光も推定上の調節薬剤の非存在下および存在下で測定してよく、前記調節薬剤の存在下での蛍光が、前記候補調節薬剤の非存在下での蛍光と比較して低減していることは、調節薬剤による複合体形成の抑制を示し、蛍光の増大は、調節薬剤による複合体形成の促進または強化を示す。
ペプチド間の相互作用の調節は、ある特定の臨床症状の治療に、あるいはペプチド対ペプチド相互作用を研究するための研究道具として、望ましい結果を与えることがある。例えば、ペプチド対ペプチド相互作用の調節は、特定の相互作用を促進または抑制する手段を提供して、他のタンパク質の効果をより詳細に研究するのを可能にすることによって、複雑な経路のステップを決定する仕事を容易にしうる。
多くのペプチド対ペプチド相互作用が、小分子またはペプチドの参加を必要とする。そのような必要性は、小分子またはペプチドを、相互作用システムの融合タンパク質を含有する細胞ベースのシステムまたはin vitroの混合物に単純に添加して、これらの小分子またはペプチドが対象のペプチドの相互作用を調節するかどうかを、蛍光シグナルの変化の検出または測定によって判定するアッセイを上述の通りに行うことによって決定することができる。
したがって、本発明のアッセイの実施形態は、ペプチド対ペプチド相互作用を引き起こすか、安定化するか、あるいは不安定化することができる化合物を選択するのに用いることができる。本明細書に記載のアッセイ方法の実施形態は、例えば、受容体作用薬、受容体拮抗薬、タンパク質阻害剤、または、タンパク質対タンパク質相互作用の阻害剤をスクリーニングするのに用いてよい。
明らかであろうが、本発明のアッセイを、大規模スクリーニングに適したフォーマットで適用することができ、例えば、調節薬剤を試験するために、コンビナトリアル技法を用いて、小分子またはペプチドのコンビナトリアルライブラリーを構築することができる。
様々な薬剤を、それらが調節薬剤であるかどうか判定するために試験することによって、調節されるペプチド対ペプチド相互作用に関する構造情報を得ることが好ましい。
例えば、相互作用する対のそれぞれを、発現させ、精製して、その後、適当なin vitro条件で相互作用させることができる。相互作用するペプチドは、任意選択的に、架橋法または他の技法によって安定化させることができる。相互作用複合体は、X線結晶学、NMR、または質量分析などの様々な生物物理学の技法を用いて研究することができる。加えて、相互作用に関する情報は、変異導入実験、例えばアラニンスキャンニング、または、試験されるベイトまたはプレイペプチドにおける露出した表面の荷電アミノ酸もしくは疎水性残基の改変を通して得ることができる。
得られた構造情報に基づいて、相互作用するペプチド間、ならびに調節化合物と相互作用ペプチドとの間の構造関係を解明することができる。さらに、相互作用する部分の三次元構造および/または調節化合物の三次元構造から、相互作用を調節できる適当なリード化合物を判定するための情報を得ることができ、この医薬品化学を、同様の部分および構造を有する類似体化合物を設計するのに用いることができる。
本発明の第6の態様では、本発明のアッセイを用いて得られる新規の化合物を提供する。
本発明の方法に従って得られた調節化合物は、医薬調剤または医薬組成物として調製してよい。
そのような調剤は、調節化合物と、適当な担体、希釈剤、または賦形剤を含むであろう。これらの調剤は、様々な経路、例えば、経口経路、口腔内粘膜経路、局所経路、筋肉内経路、静脈内経路、皮下経路、または同様の経路で投与してよい。
本発明の第7の態様によると、本発明の第2の態様で提供にされる核酸コンストラクトと、このコンストラクトを発現する手段とを含むキットが提供される。
キットは、ペプチド相互作用を促進、増強、阻止、または抑制する候補調節薬剤をさらに含んでもよい。
キットは、少なくとも1つの相補的な蛍光タンパク質断片、少なくとも1つの第2の対象のペプチド、ならびに、相補的な断片と第2の対象のペプチドとの間に挿入された第2のリンカー部分をコードする核酸をさらに含んでもよい。
別の実施形態では、キットは、本発明の第2の態様のコンストラクトを含むベクターを発現できる細胞を含む。
キットは、相補的な蛍光タンパク質断片に連結されている異なるアミノ酸配列を有する複数の第2の対象のペプチドを含んでもよい。
さらに、キットは、キットを用いて本発明を実施するための説明書を含んでもよい。説明書は、有形形態の文書であるか、あるいは電気的に検索可能な形態で保存するべきである。
コンテクストによって別段のことが要求されない限り、本発明の各態様の好ましい特徴は、必要な変更を加えて、他の態様のそれぞれに関するものでもある。
別段に定義されない限り、本明細書で使用するすべての専門用語および学術用語は、本発明の分野における当業者が通常に理解する意味を有する。
本明細書全体を通して、コンテクストによって別段のことが要求されない限り、「含む」(「comprise」もしくは「include」)という用語、または「含み」もしくは「含んで」(「comprises」もしくは「comprising」、「includes」もしくは「including」)などの変化形は、言及された完全体(integer)または完全体の群の包含を意味し、他のいかなる完全体または完全体の群の除外も意味しないことが理解されよう。
コンテクストによって別段のことが要求されない限り、ペプチド、ポリペプチド、およびタンパク質という用語は、アミノ酸残基が共有結合性のペプチド結合、または代わりに(翻訳後プロセシングによって内部セグメントが除去されている場合)共有結合性のジスルフィド結合などによって連結されているアミノ酸を指すのに互換性をもって使用される。アミノ酸鎖は、いかなる長さの場合もあり、少なくとも2アミノ酸を含み、タンパク質のドメインまたは完全長タンパク質を含みうる。別段の言及がない限り、ペプチド、ポリペプチド、およびタンパク質という用語は、限定されるものではないが、グリコシル化形態、およびリン酸化形態などを含めたそれらの様々な修飾形態も包含する。
相互作用または相互作用するという用語は、本明細書で使用する場合、2つの実体、例えば、異なるペプチド、タンパク質のドメイン、または完全なタンパク質が、互いに対して十分な物理的な親和性を示し、それによって、2つの相互作用する実体を物理的に相互の近傍にもたらすことを意味する。相互作用の極端な事例は、2つの実体の継続的かつ安定的な近接をもたらす化学結合の形成である。物理的な親和性にのみ基づいた相互作用は、通常、化学結合による相互作用より動的であるが、独立した実体を共局在させるのに等しく効果的でありうる。物理的な親和性には、例えば、荷電の相違、疎水性、水素結合、ファンデルワールス力、イオン力、共有結合、およびこれらの組合せが含まれるが、これらに限定されない。相互作用する実体は、一時的に相互作用しても、恒久的に相互作用してもよい。相互作用は、可逆的でも、不可逆的でもよい。いかなる場合でも、相互作用は、2つの実体の自然でランダムな運動とは対照的であり、また識別可能である。相互作用の例には、抗原と抗体との間、およびリガンドと受容体との間などの特異的な相互作用が含まれる。
次に、本発明を以下の非限定的な実施例、および図を参照して説明する。
蛍光タンパク質断片に融合している、ペプチド対ペプチド相互作用に関してスクリーニングするペプチドの相互作用によって1箇所に集められた蛍光タンパク質断片の機能的会合では、融合しているペプチドが相互作用した後にのみこれらの断片が確実に機能的に会合する必要がある。蛍光は、当業者に知られている適当な方法、例えば、蛍光分析法、ルミネッセンス分光法、蛍光標識式細胞分析、蛍光標識式細胞分取、自動化顕微法、または自動化イメージングによって測定してよい。
確実な機能的結合はこれまで実現されておらず、それは、対象のペプチドと蛍光タンパク質断片との間に短すぎるリンカーが挿入されていることによって、嵩高なタンパク質が蛍光タンパク質断片と会合する際に、ハプト−FPの機能的会合における立体障害および立体構造上の制約の可能性があるためか、あるいはそれらの間に長過ぎるリンカーが挿入されていることによって柔軟すぎる可能性があるためである。
発明者らは、異なる長さのリンカー領域を含む様々なベイト融合タンパク質を提供する経済的かつ信頼できる方法を決定し、それによって強力なスクリーニング相互作用システムおよび方法を提供する。
これは、長いリンカーの存在によってかなりの柔軟性を有する対象のペプチドを提供し、また、短いリンカーが存在することによって蛍光タンパク質断片が相互と近接とした状態になることも保証するので、立体障害の問題を最小にする。それによって、偽陰性反応が得られる確率、すなわち、研究対象のペプチドが実際には結合する場合に、結合しないものとして見出す確率が低下する。
本発明の原理の概要を、蛍光断片としてハプト−EGFPを用いて、図2に示す。
図2に示す通り、タンパク質対タンパク質相互作用の探索をライブラリー検索によって行うことができる。相互作用について試験される2つのペプチドをベイト、および「プレイ」「W」と名付ける。2つのライブラリーを作製し(IおよびII)、第1のシリーズのコンストラクト(ここではT〜Zと名付ける、ライブラリーI、>10000メンバー)は、ハプト−EGFPをコードし、それに、「プレイ」、ここでは「W」をコードする遺伝子を含有するcDNAライブラリーの5’末端に結合した、60残基のリンカーをコードするDNA配列が続く。第2のシリーズのコンストラクト(ここではa〜e、ライブラリーII、<20メンバー)は、相補的なハプト−EGFPをコードし、それに、縮重リンカーDNA配列および「ベイト」遺伝子が続く。矢印は、すべてポリペプチド骨格(N−>C)の方向を示す。
A.「プレイ」の同定
「プレイ」ライブラリー(I)と、「ベイト」ライブラリー(II)からのコンストラクト「e」(長いリンカー、好ましくは60アミノ酸残基)とによる同時形質移入によって、「w」遺伝子(この場合)を有する、ライブラリー(I)からのベクターと、「e」ベイトコンストラクトを有する第2のベクターとを受取細胞が受取った場合に蛍光細胞が生成される。これらの蛍光細胞のクローン増殖によって遺伝子「W」の同定が可能となる。
B.近接度測定
ステップAで得られたクローンを「ベイト」ライブラリー(II)と共に同時形質移入する。図の左側に示すように、この場合、蛍光を示す細胞は、相補的なハプト−GFPの生産的な相互作用を可能にする十分に長いリンカーを有する相互作用タンパク質(この場合「d」または「e」)を合成する。図の右側部分の中空の矢印は、これら2つのコンストラクトと遺伝子産物との相互作用によって蛍光が生成され、遺伝子「W」の産物とベイトタンパク質との他の相互作用ではリンカーの長さが不十分であるため蛍光細胞が得られないことを示すものとする。
蛍光断片の作製
蛍光断片は、当技術分野で知られているいかなる方法によって提供してもよい。第1の蛍光タンパク質断片は、蛍光タンパク質、例えばGFPのアミノ酸番号1からアミノ酸Xまでの実質的に連続したアミノ酸のひと続きを含むN末端断片でよく、第2の断片は、蛍光タンパク質のX+1からC末端(例えばGFPのアミノ酸238)辺りまでの実質的に連続したアミノ酸のひと続きでよく、この場合、残基XとX+1との間の結合は、通常、蛍光タンパク質の親水性ループ領域に位置する。2つより多い数の蛍光タンパク質断片をアッセイ方法で使用するために産生する必要があって、3つ以上の蛍光タンパク質断片が対象のタンパク質に連結されている場合、N末端断片は、蛍光タンパク質のアミノ酸番号1からアミノ酸Xまでの実質的に連続したアミノ酸のひと続きを含むものでよく、第2の断片は、X+1から残基Yまでの実質的に連続したアミノ酸のひと続きとみなすことができ、第3の断片は、蛍光タンパク質のY+1からC末端(例えばアミノ酸238)辺りまでの実質的に連続したアミノ酸のひと続きによって提供されうる。そのような例では、残基XとX+1との間およびYとY+1との間の結合は、蛍光タンパク質の親水性ループ領域に位置するであろう。
リンカーの作製
図2に示す通り、異なる長さのリンカーを有する複数のベイト融合ペプチドを生成させてもよい。
異なる長さのリンカーを用意するためのリンカーの経済的な伸長を可能にするために、(GGGGS)ユニットの反復をコードするオーバーラップしたオリゴヌクレオチドを用いて各リンカーを生成させてもよく、このリンカーオリゴヌクレオチドは、コア発現ベクター、例えばpNEGFP(Sac)zipおよびpzip(Bam)CEGFP中に存在する特有な制限部位、例えば特有なSac IおよびBam HI制限部位を保持するように構築される(実施例2のヘキサパペプチド(hexapapeptide)にはSac I、テトラペプチドにはBamH I)。
これは、(GGGGS)の形態にあるさらに柔軟な親水性リンカー配列をコードする、適当な5’および3’粘着末端を有する合成オリゴヌクレオチドを挿入して、シグナルを発するハプトEGFPから結合ペプチド(例えばロイシンジッパー、実施例2を参照)を遠ざけるのを可能にする。
コンストラクトが調製されたならば、インサートの正しい方向性を確認するために、形質移入の前にコンストラクトの配列決定を行ってもよい。
さらに、図2に例示した通り、プレイ融合ペプチドのライブラリーを提供してもよく、この場合、プレイ融合ペプチドのリンカーは同じ長さのものであるが、相補的な蛍光タンパク質断片に融合したリンカー領域に、異なる第2の対象のペプチドを融合させる。
一般に、未知ライブラリー配列の融合タンパク質のライブラリーを調製する場合、cDNA中の下流に終止コドンが存在するため、ペプチドライブラリーの5’末端にハプト−EGFPをコードする配列を融合する。
タンパク質をコードする遺伝子配列が未知である場合、3つのリーディングフレームすべてのコンストラクトを作製して、そのうちの1つが正しいリーディングフレームとなることを保証する必要がある。
cDNA配列は、哺乳類DNAで非常にまれな制限部位への方向性クローニングを可能にする供給源から得るべきである。適当な配列は、ラージインサートcDNAライブラリー(Clontech社)中に見出されるかもしれない。
特定の実施形態では、コアパニングベクターは、CMVプロモーター、開始コドン、ハプト−EGFPをコードする配列、介在リンカー、Sfi IA部位およびSfi IB部位、終止コドン、ならびにSV40ポリアデニル化シグナルを含有するように既存のプラスミドから構築されたものでありうる。リーディングフレームを修正するために、リンカーとSfi IA部位との間に余分の1ヌクレオチドを含むもの、および、2ヌクレオチドを含むものの2つの追加のスクリーニングベクターを作製してもよい。ライブラリーから得られた、Sfi IA部位とSfi IB部位とに挟まれたcDNA断片を、最適化されたハプト−EGFPリンカーコンストラクトの下流にクローニングする。その後、ハプト−EGFPライブラリーを、適当な細胞、例えばCHO細胞に形質移入し、G418を用いて、混合した細胞集団の選択を行い、集密状態にまで継代させる。
スクリーニングされているペプチド間の相互作用が起こり、リンカーが蛍光タンパク質断片の会合を可能にするものである場合には、蛍光が生じる。
その後、蛍光レーザー顕微解剖によって、蛍光を発する任意の細胞を単離してよく、単一細胞RT PCRを行って、受容体分子の細胞質尾部と相互作用するペプチドをコードするmRNAを同定する。
実施例1−GFP断片の作製
長さ239残基のGFPタンパク質における様々な位置の分割点によって、機能的な会合が可能な、相互作用システムのGFP断片を生成させ、その結果、三次元においてベータ缶構造の上端および下端に位置する新たなC’末端およびN’末端が生成した。
分割点は、構造主導型のアプローチに基づいて、親水性残基の間に導入した。
図1に示す通り、EGFPのベータ缶トポロジーは、11鎖のベータ構造によって形成されている。この構造は、「缶」外縁をめぐって端から端に連結されている3例の三者構成(tripartite)逆平行シートモチーフを形成し、残り2本のβ鎖が筒状構造を完成させることを特徴とする。これまでに得られた中で最も成功した分割点は、3番目の三者構成モチーフ中で、親水性残基の間にあるもので、これは、隣接した疎水性側鎖がハプトGFPのリフォールディングを促進するのを可能にする。
表1の不完全なリストに示す通り、上記のアプローチを用いて多数の分割点を同定した。表1の各分割点は、単に、ある範囲の潜在的に有用な分割点のうちの1例にすぎないことが明らかとなろう。それらの範囲は、表1の括弧内に示す。
Figure 2007514933
ハプト−EGFP法の多用性を拡大するため、異種タンパク質の結合にC’およびN’を用いる代わりに、内因性の末端であるNまたはCを、新規のN’またはC’末端の1つと共に用いたコンストラクトを作製した(C’およびN’は、GFPタンパク質を断片に分割した際に生成されたNおよびC末端であり、したがって、C’は、第1の断片で生成された新規のC末端に等しく、N’は、相補的な断片で生成された新規のN末端に等しい)。この技法を用いて、蛍光発生断片に対するベイトペプチドおよびプレイペプチドの方向が、互いと同じ方向になるように、例えば、両方の対象のペプチドがGFPのβ缶構造の下端に結合するように、あるいは逆方向になるように、例えば、ベイトペプチドはGFPのβ缶構造の下端に結合し、一方、プレイタンパク質はGFPのβ缶構造の上端に結合するように、ベイトペプチドおよびプレイペプチドを付加した。図4の(A)および(B)に示す通り、ペプチドは互いと特定の方向性で相互作用するので、特定の状況では、ペプチドの相互作用に続く蛍光タンパク質断片の機能的な相互作用を可能にするために、蛍光発生断片のN、N、’C、またはC’末端へのペプチドの連結の方向性が重要となりうる。
実施例2
蛍光タンパク質の相補的な断片と、互いに結合することが知られているロイシンジッパータンパク質との間に挿入された介在親水性リンカーの長さを変えることの効果を判定するため、上記に詳述した一般的な方法を用いて、リンカーの長さをデカペプチド単位で経験的に増大させ、Sac I部位およびBamH I部位を有する相補的オリゴヌクレオチドの挿入によって、リンカーを10、20、30、および40残基延長して、N157(6)zipキメラの場合には16、26、36、および46残基となるように、相補的なzip(4)C158キメラの場合には14、24、34、および44残基になるように生成して、pN157(6)zipおよびpzip(4)C158の両方のリンカーを改変した。
この調査の結果を図3に示す。
親水性スペーサーをそれぞれ最大26アミノ酸および24アミノ酸延長させた場合には、蛍光レベルに有意な相違が観測されなかった。しかし、36および34アミノ酸のスペーサーでロイシンジッパーとハプトEGFP部分とを離した場合にはシグナルが増大し、一方、46および44アミノ酸を含むリンカーを導入した場合にはシグナルが低減した。
実施例3
ホモオリゴマー形成するモデル膜貫通糖タンパク質としてのMV Hの使用
このアプローチが現在のレポーターシステムより広範な適用に使用できることを実証するために、麻疹ウイルス(MV)の膜糖タンパク質を検討した。
麻疹ウイルス(MV)感染は、2つのウイルスエンベロープタンパク質、すなわちヘマグルチニン(H)糖タンパク質および融合(F)糖タンパク質の複合体によって媒介され、それらのタンパク質は互いに結合し、その後、表面受容体と複合体形成して、ウイルスが原形質膜と融合するのを補助する。H糖タンパク質は、小胞体中でニ量体形成し、細胞表面では四量体(二量体の二量体)として存在すると考えられている。融合(F)糖タンパク質は、高度に保存された約60kDaのI型膜貫通糖タンパク質である不活性前駆体(F)として合成され、それがトランスゴルジ内でフューリンによって切断され、ジスルフィド連結されている41kDa(f)および18kDa(f)の活性化Fタンパク質が産生される。麻疹ウイルスの感染は、細胞表面受容体とのF/H複合体の相互作用に依存している。
N157(16)MV−HおよびC158(14)MV−Hを発現した2つのコンストラクトは、最初、未知構造のII型膜糖タンパク質のホモダイマー形成を調査するために作製された。Sfi IAおよびSfi IB制限部位を含有するオーバーラップしたオリゴヌクレオチドを用いて、これらのコンストラクトのリンカー領域を作製し、pN1/157(16)zipおよびpC158/239(14)zipコンストラクトに導入した。これらのキメラは、第1のキメラはC’末端に融合したHを有し、第2のキメラは内因性のC末端を融合に利用している点で、ロイシンジッパーから生成されたものとは異なる。キメラタンパク質の発現は、EGFPに対して産生されたペプチド抗血清を用いて細胞溶解液の免疫ブロッティングを行うことよって検出した(結果は示さず)。これは、ハプトEGFPでタグ付けされたH糖タンパクが、形質移入された細胞で安定的に発現されたことを実証した。さらに、キメラタンパク質の電気泳動の易動度は、それらが正しくグリコシル化されていたことを示唆した。蛍光は生きた細胞で容易に検出され、必要な対照のすべてが、H糖タンパク質の二量体形成によってハプトEGFPの会合が特異的に誘発されることを実証した。蛍光は、核では不在であったが、細胞のERからゴルジを経由して原形質膜に至るまで明瞭であった。
既知のMV受容体と相互作用してそれによって下流のシグナル伝達イベントを開始しうる細胞質タンパク質を同定できるように、さらに、Hタンパク質と相互作用する膜受容体タンパク質を同定するのに、この方法論を使用できるであろうことは明白である。
実施例4
ハプトEGFPでタグ付けされた糖タンパクが、細胞膜で生物学的に活性な複合体を形成できたことを確認するため、多数の異なるHキメラおよびFキメラを発現するコンストラクトで細胞を形質移入した。最初に、無改変のF糖タンパク質を発現するプラスミドと共に同時形質移入することによって、Hキメラの生物活性を調査した。まず、N157(16)MV−H、C158(14)MV−H、およびFを発現する細胞で、細胞対細胞融合が2 d.p.t.に容易に検出された。
50より多くの数の細胞からなる多核の融合細胞が得られ、それらは位相差顕微鏡で容易に識別可能であった。
すべての融合細胞で、生体共焦点レーザー顕微鏡によって蛍光が検出され、それら融合細胞の大きさは、無改変のMV FおよびHの同時発現によって得られた大きさに匹敵するものであった。
形質移入の3日後までに、単層の広範な領域にわたって細胞対細胞融合が検出され、多数の融合細胞が200を超える数の個々の細胞からなっていた。局在する蛍光が融合細胞内に存在するかどうかを判定するために、共焦点走査レーザー顕微鏡を使用し、一連の画像を収集した。複合画像を作成し、x/z平面およびy/z平面における蛍光の局在性を検査した。核周囲領域で蛍光が検出され、また、蜂巣状格子でも検出されたが、これは、ERおよびゴルジにおけるこの糖タンパク質の存在と一致するものである。
x/zおよびy/zで原形質膜を検査した際には、単一切片中の蛍光個々の線を検出するのが困難であったが、蛍光の膜を有する1〜5μmの小さな小胞が細胞表面でしばしば検出された。これらの小胞は、出芽ウイルスを強く想起させるものであり、MVウイルス粒子より約10倍大きい。
融合細胞内での蛍光の細胞内局在をさらに高い倍率で検査するために、これらの同時形質移入された細胞を固定した。予測どおり、固定細胞内でも、ERおよびゴルジに蛍光が存在するころが明らかであった。しかし、蛍光が局在した領域は、融合細胞が周辺の細胞と接触する融合細胞外縁でも検出され、これは、H糖タンパク質二量体が原形質膜上で均一に分布しているのではなく、これらの蓄積は、H糖タンパク質が細胞受容体、この場合にはCD46と密接に接触する融合孔形成部位かもしれないことを示唆する。
H二量体の細胞外局在も、透過化処理されていない細胞で抗H MAbを用いた間接免疫蛍光法によって検査した。この生体免疫染色は、かなりの割合のニ量体Hキメラが正しくプロセシングされて細胞膜に輸送され、融合細胞の大きさから考えて、そこで明らかに機能的であったことを示した。蛍光が検出可能かつ定量化可能であるかどうか判定するために蛍光定量法を用いた。特定の期間にわたって形質移入された細胞では、融合細胞の形成が見出された。pN157(6)zipおよびpzip(4)C158で同時形質移入された細胞で得られた蛍光と同程度の蛍光シグナルが検出された。zip(14)C158をコードするコンストラクトで、C158(14)MV−Hを発現するコンストラクトを置換した場合にはシグナルが得られなかった。これは、H糖タンパク質の特異的会合が、ハプトEGFP部分を十分な近さに接近させ、それによって、蛍光色素の形成が可能となったことを示す。
本発明を特定の実施例に関して詳細に示し、かつ説明したが、本発明の範囲から逸脱することなく、それらの形式および詳細に様々な改変を行いうることが当業者には理解されよう。
(A)EGFPのリボンダイヤグラムである。(B)EGFPの分割点、およびこれらの分割点の周囲の関連配列を示す図である。 ベイトペプチドとそれぞれの蛍光発生断片との間に様々な長さのリンカーを有するハプト−EGFP、ならびに相補的な蛍光発生断片に連結されている複数のペプチドの描写を示す図である。 ハプトEGFP発現コンストラクトで一時的に同時形質移入されたベロ細胞の蛍光イメージを示す図である。(A)pN157(6)zipおよびpzip(4)C158で同時形質移入された細胞。これらの細胞では、機能的なロイシンジッパーがハプトEGFP1〜157とハプトEGFP158〜238との会合を媒介して蛍光が生じる。(B)pN157(6)およびp(4)C158を用いて同時形質移入された陰性対照。これらは、ロイシンジッパーをコードする配列をもたず、したがって蛍光を発しない。(D)pN172(6)zipおよびpzip(4)C173で同時形質移入された細胞。これらの細胞では、機能的なロイシンジッパーによって媒介されたハプトEGFP1〜172とハプトEGFP173〜238との会合が起こり、157/158分割点で観測された蛍光より強い強度の蛍光が生じる。(E)pN172(6)およびp(4)C173を用いて同時形質移入された陰性対照。これらは、ロイシンジッパーをコードする配列をもたず、したがって蛍光を発しない。(CおよびF)蛍光の細胞内局在性を示す、(A)および(D)の同時形質移入細胞の共焦点イメージ。長さが4〜26アミノ酸の範囲におよぶリンカーをコードするプラスミドでベロ細胞に同時形質移入し、形質移入の24時間後に、同一の露出時間を用いてUVイメージを収集した。(G)pN157(6)zipおよびpzip(4)C158。(H)pN157(16)zipおよびpzip(14)C158。(I)pN157(26)zipおよびpzip(24)C158。(J)pN157(26)zipおよびpzip(4)C158。(K)pN157(6)zipおよびpzip(24)C158。(L)非形質移入の陰性対照がバックグランド蛍光レベルを例示している(括弧内の斜字体の数字は親水性リンカーの長さを示す)。 ハプトEGFPおよび結合タンパク質の相対的方向性の重要性を示す図である。(A)は、膜タンパク質が会合する事例を図示する。この事例では、I型およびII型のタンパク質が結合し、これらの組合せでは、両方のハプトEGFP部分が膜障壁の同じ側になければならない。同じ型の膜タンパク質の会合も、同じ制限を受ける(B)。この場合、結合タンパク質の適切な(細胞質)末端への蛍光融合体を得るのに、両方のハプトEGFPの同じタイプの末端への融合を行う(すなわち、II型およびI型に、それぞれ、NおよびN’、またはCおよびC’)。

Claims (32)

  1. 複数のベイト融合タンパク質であって、各融合タンパク質が、(i)第1の蛍光タンパク質断片、第1の対象のペプチド、ならびに、第1のペプチドと第1の蛍光断片との間に挿入されたリンカー部分を含み、各ベイト融合タンパク質のリンカー部分の長さが異なり、各ベイト融合タンパク質の第1の対象のペプチドが、他のベイト融合タンパク質それぞれにおける第1の対象のペプチドと同一である、複数のベイト融合タンパク質と、
    (ii)前記第1の蛍光タンパク質断片に相補的な蛍光タンパク質断片、第2の対象のペプチド、ならびに、前記相補的な断片と第2のペプチドとの間に挿入された第2のリンカー部分を含む少なくとも1つのプレイ融合タンパク質と
    を含み、第1の対象のペプチドが第2の対象のペプチドと相互作用した際に、蛍光タンパク質断片が機能的に会合して蛍光を増強するタンパク質相互作用システム。
  2. 前記リンカー部分が5〜100の範囲のアミノ酸残基を含む、請求項1または2に記載のタンパク質相互作用システム。
  3. 少なくとも1つのリンカー部分が少なくとも20アミノ酸を含む、請求項2に記載のタンパク質相互作用システム。
  4. 前記蛍光タンパク質断片が、ヒト化された形態の緑色蛍光タンパク質(配列番号2)における位置157のアミノ酸と158のアミノ酸との間、または、(第2の実施形態では)位置172のアミノ酸と173のアミノ酸との間に分割点を導入することによって生成可能である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のタンパク質相互作用システム。
  5. 前記システムが複数のプレイ融合タンパク質を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のタンパク質相互作用システム。
  6. 少なくとも2つのプレイ融合タンパク質のリンカー部分の長さが異なる、請求項5に記載のタンパク質相互作用システム。
  7. プレイ融合タンパク質における少なくとも2つの第2の対象のペプチドが、異なるアミノ酸配列によって提供される、請求項5または6に記載のタンパク質相互作用システム。
  8. 第1のペプチドが第1の蛍光タンパク質断片のN末端に連結されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載のタンパク質相互作用システム。
  9. 第1のペプチドが第1の蛍光タンパク質断片のC末端に連結されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載のタンパク質相互作用システム。
  10. 第2のペプチドが相補的な蛍光タンパク質断片のN末端に連結されている、請求項1〜9のいずれか一項に記載のタンパク質相互作用システム。
  11. 第2のペプチドが、相補的な蛍光タンパク質断片のC末端に連結されている、請求項1〜9のいずれか一項に記載のタンパク質相互作用システム。
  12. 第1および/または第2の相補的な蛍光タンパク質断片に相補的な少なくとも第3の蛍光タンパク質断片を含む少なくとも第3の融合タンパク質をさらに含み、
    前記少なくとも第3の断片が、少なくとも第3の対象のペプチドに連結されていて、少なくとも第3のリンカーが少なくとも第3の断片と少なくとも第3の対象のペプチドとの間に挿入され、前記少なくとも第3の蛍光タンパク質断片が、第1の蛍光タンパク質断片および/または相補的な蛍光タンパク質断片と機能的に会合でき、それによって、前記断片の機能的会合の際に蛍光が可能となり、かつ、第1、第2、および第3の対象のペプチドの相互作用の際に前記断片が相互に機能的に補完して蛍光を増強する、請求項1〜11のいずれか一項に記載のタンパク質相互作用システム。
  13. 前記システムが細胞ベースのシステムである、請求項1〜12のいずれか一項に記載のタンパク質相互作用システム。
  14. 複数の核酸コンストラクトを含む、核酸コンストラクトのライブラリーであって、各コンストラクトが、
    (i)第1の蛍光タンパク質断片および相補的な断片の機能的な会合の際に蛍光が可能となるように、相補的な蛍光タンパク質断片と機能的に会合できる前記第1の蛍光タンパク質断片と、
    (ii)対象のペプチドと、
    (iii)前記ペプチドと第1の蛍光タンパク質断片との間に挿入されたリンカー部分と
    をコードし、各核酸コンストラクトによってコードされた対象のペプチドが同一であり、かつ、各コンストラクトによってコードされたリンカー部分の長さが、他の各コンストラクトによってコードされたリンカーと異なる核酸コンストラクトのライブラリー。
  15. 前記リンカー部分が5〜100の範囲のアミノ酸残基を含む、請求項14に記載のライブラリー。
  16. 少なくとも1つのリンカー部分が少なくとも20アミノ酸を含む、請求項14または15に記載のライブラリー。
  17. 前記蛍光タンパク質断片が、ヒト化された形態の緑色蛍光タンパク質(配列番号2)における位置157のアミノ酸と158のアミノ酸との間、または、(第2の実施形態では)位置172のアミノ酸と173のアミノ酸との間に分割点を導入することによって生成可能である、請求項14〜16のいずれか一項に記載のライブラリー。
  18. 請求項14〜17に記載の複数の核酸コンストラクトのうち少なくとも1つを含む発現ベクターであって、少なくとも20アミノ酸のリンカーを有する融合タンパク質を前記少なくとも1つの核酸コンストラクトがコードする発現ベクター。
  19. 請求項14〜17のいずれか一項に記載の複数の核酸コンストラクトを含む発現ベクター。
  20. 少なくとも1つの核酸コンストラクトが、少なくとも20アミノ酸のリンカーを有する融合タンパク質をコードする、請求項19に記載の発現ベクター。
  21. 請求項18〜20のいずれか一項に記載のベクターで形質転換された細胞。
  22. 請求項1〜13のいずれか一項に記載のタンパク質相互作用システムを含む細胞。
  23. 前記細胞が請求項21に記載の細胞である、請求項22に記載の細胞。
  24. ペプチド相互作用をモニターするためのアッセイ方法であって、
    (i)請求項1〜13のいずれか一項に記載のタンパク質相互作用システムを用意するステップと、
    (ii)ベイト融合タンパク質がプレイ融合タンパク質と接触するのを可能にするステップと、
    (iii)蛍光タンパク質断片の機能的な相互作用を引き起こす、第1および第2の対象のペプチドの相互作用によって生成された蛍光を測定するステップと
    を含むアッセイ方法。
  25. 前記アッセイが細胞ベースのアッセイである、請求項24に記載のアッセイ方法。
  26. 前記細胞ベースのアッセイが、請求項22または23に記載の1つまたは複数の細胞を用いて行われる、請求項25に記載のアッセイ方法。
  27. 前記アッセイが、少なくとも1つの細胞における第1および第2の対象のペプチドの相互作用の細胞下の位置を決定するステップをさらに含む、請求項25または26に記載の方法。
  28. 融合タンパク質のリンカーの長さを決定するステップであって、蛍光タンパク質の第1の断片および相補的な断片が相互に機能的に補完するのを可能にして、第1および第2の対象のペプチドが相互作用した際に、蛍光が検出されるのを可能にする長さを決定するステップを前記アッセイがさらに含む、請求項24〜27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記アッセイが、
    推定上の相互作用調節薬剤を用意するステップと、
    前記推定上の調節薬剤の存在下で生成した蛍光を測定するステップと、
    推定上の調節薬剤の存在下で測定された蛍光を、推定上の調節薬剤の非存在下で測定された蛍光と比較するステップと
    を含み、推定上の調節薬剤の存在下における蛍光の検出が、推定上の調節薬剤の非存在下と比較して低減していることは、推定上の調節薬剤がペプチド相互作用を阻止するか、あるいはペプチド相互作用の阻害剤であることを示し、かつ、推定上の調節薬剤の存在下における蛍光の検出が、推定上の調節薬剤の非存在下と比較して増大していることは、推定上の調節薬剤がペプチド相互作用を促進または強化することを示す、請求項24〜28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 請求項14〜17のいずれか一項に記載の、核酸コンストラクトのライブラリーと、前記コンストラクトを発現する手段とを含むキット。
  31. 相補的な蛍光タンパク質断片、第2の対象のペプチド、および前記相補的な断片と第2の対象のペプチドとの間に挿入された第2のリンカー部分をコードする少なくとも1つの第2の核酸コンストラクトをさらに含む、請求項30に記載のキット。
  32. 前記キットが複数の第2の核酸コンストラクトを含み、前記複数の第2の核酸コンストラクトによってコードされた第2の対象のペプチドのアミノ酸配列がそれぞれ異なる、請求項31に記載のキット。
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