JP2007514664A - 低分子量デキストランを含む粉末及びこれらの粉末の製造方法 - Google Patents

低分子量デキストランを含む粉末及びこれらの粉末の製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は医薬活性物質及び賦形剤としての低分子量デキストランを含む粉末、好ましくは噴霧乾燥粉末に関する。また、本発明はこのような粉末を調製するための特別な方法及びそれらを吸入により投与する方法に関する。

Description

本発明は医薬活性物質を含む粉末の調製及び安定化のための低分子量デキストラン(Mw:≦10,000ダルトン)の使用に関する。粉末は噴霧乾燥により製造されることが好ましい。また、本発明は低分子量デキストラン及び医薬活性物質を含む粉末、好ましくは噴霧乾燥粉末に関する。特に、本発明はタンパク質又はペプチドを含む粉末及びそれらの製造方法に関する。
水溶液中で製剤化された活性物質/活性物質製剤は或る場合に低下された生物活性及び増大された不適合性をもたらし得る不安定になる傾向がある。安定化の一つの可能な方法は、例えば、噴霧乾燥により提案され、この場合、医薬活性物質が熱空気の流れ中で噴霧により乾燥される。医薬活性物質は一方で活性物質の安定性を維持すべきであり、他方で噴霧乾燥粉末の性質を改良すべきである賦形剤の存在下で通常噴霧される。
噴霧乾燥により安定化するのに重要な因子は無定形マトリックス中の活性物質の固定である。無定形の状態は低い分子移動性と低い反応性とともに高粘度を有する。噴霧乾燥粉末のガラス転移温度が重要なパラメーターである。何とならば、それは安定な、無定形の状態からそれ程安定ではないゴムのような状態への転移が起こる温度範囲を示すからである。有利な賦形剤は活性物質が封入される最高の可能なガラス転移温度を有する無定形マトリックスを形成し得る必要がある。低いガラス転移温度を有する物質は低温でさえも流動することができ、不安定な粉末製剤をもたらす。こうして、賦形剤の選択は特にそれらの安定化特性に依存する。しかしながら、加えて、賦形剤の医薬許容性並びに粒子形成、分散性及び流動性に関するその影響の如き因子が決定的な役割を果たす。
噴霧乾燥はペプチド/タンパク質型の医薬活性物質の化学的かつ物理的安定性を増大するのに適した方法である(Maaら, 1998, Pharmaceutical Research, 15(5), 768-775を参照のこと)。特に肺治療の分野では、噴霧乾燥がペプチド/タンパク質を含む粉末薬物を製造するのに使用される(米国特許第5,626,874号;同第5,972,388号;Broadheadら, 1994, J. Pharm Pharmacol., 46(6), 458-467)。吸入によるペプチド/タンパク質の投与が全身性疾患における投与の従来の方法の別法である。何とならば、吸入により服用された医薬品が局所活性だけでなく、全身の活性を発生し得るからである(WO 99/07340)。これの前提条件は、粒子が肺に深く侵入し、こうして血流に入ることができるように、平均粒子サイズが1-10μm、好ましくは1-7.5μmの範囲であることである。例えば、DE-A-179 22 07は医療適用(吸入)に充分に分散性である相当する噴霧乾燥粒子の調製を記載している。しばらくして、吸入可能な粒子を製造する幾つかの方法が記載されていた(WO 95/31479; WO 96/09814; WO 96/32096; WO 96/32149; WO 97/41833; WO 97/44013; WO 98/16205; WO 98/31346; WO 99/66903; WO 00/10541; WO 01/13893; Maaらの1998年の上記文献; Vidgrenら, 1987, Int. J. Pharmaceutics, 35, 139-144; Nivenら, 1994, Pharmaceutical Research, 11(8), 1101-1109)。
糖及びそのアルコール、例えば、トレハロース、ラクトース、サッカロース又はマンニトール並びに種々のポリマーが賦形剤として適していると判明した(Maaら, 1997, Pharm. Development and Technology, 2(3), 213-223; Maaらの1998年の上記文献; Dissertation Adler, 1998, University of Erlangen; Costantinoら, 1998, J. of Pharm. Sciences, 87(11), 1406-1411)。
しかしながら、主として使用される賦形剤は種々の欠点を有する。例えば、トレハロース及びマンニトールの添加は噴霧乾燥製剤の流動性を損なう(C. Bosquillonら, 2001 Journal of Controlled Release, 70(3), 329-339)。更に、マンニトールは20重量%以上の量で再結晶する傾向を有し(Costantinoらの1998年の上記文献)、その結果として、その安定化効果が著しく低下される。頻繁に使用される賦形剤であるラクトースは噴霧乾燥製剤の流動性を改良する(C. Bosquillonらの2001年の上記文献)が、ペプチド/タンパク質を含む活性物質の製剤化に特に問題がある。何とならば、ラクトースはその低下特性の結果としてペプチド/タンパク質との不安定化マイラード反応に入り得るからである。
40〜512kDaの分子量を有するデキストランがペプチド/タンパク質を含む活性物質の凍結乾燥に主として使用される。それらは同時に高いガラス転移を有する性質により無定形である。これらの高分子デキストランのみがそれらの剛性骨格のために制限された程度でペプチド/タンパク質との適当な水素ブリッジ結合に入ることができ、こうして凍結乾燥中の適当な安定化を確実にする。この欠点を相殺するために、それらはしばしば二糖類と合わされる(Allisonら, 2000, J. Pharm. Sci., 89(2), 199-214)。高分子デキストランの更なる欠点はそれらの高いアレルギー潜在性(デキストランアナフィラキシー)にある。
本発明の一つの目的は粉末医薬製剤の製造のための新規賦形剤を提供することであった。相当する粉末製剤は、とりわけ、貯蔵時の良好な安定性そして、可能な場合には、吸入可能であることを特徴とすべきである。
本発明の更なる目的は噴霧乾燥医薬製剤の調製のための新規賦形剤を提供することであった。相当する粉末医薬製剤は再度良好な長期安定性そして、可能な場合には、吸入可能であることを特徴とすべきである。
本発明の更なる目的は、特に噴霧乾燥により製造される製剤のための、ペプチド/タンパク質を含む医薬製剤の調製のための新規賦形剤を提供することであった。相当するペプチド/タンパク質を含む医薬製剤は再度良好な長期安定性そして、可能な場合には、吸入可能であることを特徴とすべきである。
本発明の別の目的は乾燥粉末もしくは噴射剤を含む計量投薬エアロゾル又は無噴射剤吸入剤溶液の形態の、吸入による投与のための医薬製剤を提供することであった。
本発明が基づいている目的は以下に記載される実施態様及び特許請求の範囲に記載された物体/方法により達成される。
本発明は医薬活性物質及び約500〜10,000ダルトン(Da)、好ましくは約500〜5,000Da、特に好ましくは約500〜1,500Daの分子量を有する低分子量デキストランを含む粉末、好ましくは噴霧乾燥粉末に関する。驚くことに、噴霧乾燥された後の相当する粉末はi)無定形構造を形成し、ii)比較的高い収率(使用された固体を基準として少なくとも75%の)をもたらし、iii)非常に高いガラス転移温度(65℃まで)を有し、かつiv)再結晶する低い傾向を有することがわかった。例えば、噴霧乾燥されたトレハロースに対する別の重要な利点として、低分子量デキストランを含む相当する噴霧乾燥粉末は改良された流動性を有する。従来技術に記載された粉末医薬製剤、特に既知の粉末の噴霧乾燥医薬製剤に対する別の利点は、本明細書に記載された発明の特に有利な方法及びデキストラン含有粉末の貯蔵安定性にある。
低分子量デキストランの量は粉末の乾燥質量に関して50〜99.99重量%(w/w)であることが好ましく、別の好ましい実施態様によれば55〜99.99%(w/w)、好ましくは60〜99.99%(w/w)である。
医薬活性物質は生物学的巨大分子(これはポリペプチド又はタンパク質、例えば、成長因子、酵素又は抗体であってもよい)であることが好ましい。それ故、本発明は特に(a)50〜99.99%、好ましくは60〜99.99%(w/w)の比率の低分子量デキストラン(粉末の乾燥質量に対して)及び(b)再度粉末の乾燥質量に対して、好ましくは0.01〜40%(w/w)の濃度の、医薬活性物質としての生物学的巨大分子を含む噴霧乾燥粉末(低分子量デキストランと生物学的巨大分子の重量%の合計はせいぜい100%(w/w)である)に関する。
本発明の噴霧乾燥粉末は低分子量デキストランに加えてその他の賦形剤、例えば、アミノ酸、ペプチド、タンパク質又は糖を含んでもよい。安定化低分子量デキストラン及び医薬活性物質に加えて少なくとも一種のアミノ酸、ジペプチド、トリペプチド及び/又は塩を含む粉末が特に有利である。好ましい実施態様によれば、本発明はそれらの乾燥質量に対し(a)60〜98.99%(w/w)の低分子量デキストラン、(b)1〜20%(w/w)の更なる賦形剤としての少なくとも一種のアミノ酸及び/又は少なくとも一種のペプチド及び(c)少なくとも0.01%(w/w)の医薬活性物質を含む噴霧乾燥粉末に関する。更なる賦形剤はアミノ酸イソロイシン又は少なくとも一つのイソロイシン基を含むジ-もしくはトリペプチドであることが好ましい。特別な実施態様によれば、本発明はそれらの乾燥質量に関して(a)約60〜89.99%(w/w)の低分子量デキストラン、(b)約10〜20%(w/w)のアミノ酸、好ましくはイソロイシン及び(c)約0.01〜30%(w/w)の医薬活性物質、好ましくはペプチド/タンパク質、例えば、抗体を含む噴霧乾燥粉末に関する。別の特別な実施態様によれば、本発明はそれらの乾燥質量に関して(a)約60〜98.99%(w/w)の低分子量デキストラン、(b)約1〜20%(w/w)のイソロイシン含有トリペプチド、好ましくはトリイソロイシン及び(c)約0.01〜39%(w/w)の医薬活性物質、好ましくはペプチド/タンパク質、例えば、抗体を含む噴霧乾燥粉末に関する。
別の実施態様によれば、本発明は特に低分子量デキストラン及び少なくとも一種の医薬活性物質を含む噴霧乾燥粉末に関するものであり、その噴霧乾燥粉末は40℃以上、好ましくは45℃以上、更に好ましくは50℃以上、更に好ましくは55℃以上、特に好ましくは60℃以上のガラス転移温度を有する。添加される賦形剤の量、特に粉末中の低分子量デキストランの量が、主として相当するガラス転移温度の原因となる。
別の実施態様によれば、本発明は吸入による投与のための医薬組成物に関するものであり、これらは本明細書に記載された発明の粉末の一種を含み、又はこれらの粉末からなる。この目的に好ましい医薬組成物は噴射剤を含む計量投薬エアロゾル又は無噴射剤の吸入可能な溶液として本発明の粉末を含むものである。医薬組成物を調製するのに使用される本発明の噴霧乾燥粉末は別の実施態様によれば10μm未満、好ましくは0.5-7.5μm、更に好ましくは0.5-5.5μm、最も好ましくは0.5-5.0μmの平均空気力学的粒子直径(MMAD)を有する高比率の吸入可能な粒子を特徴とする。
また、本発明は、少なくとも一種の低分子量デキストラン及び医薬活性物質を含む溶液又は懸濁液を製造し、これを好適な条件下で噴霧することを特徴とする、本発明の相当する噴霧乾燥粉末の調製方法を提供する。噴霧方法についての温度は50〜200℃(流入温度)及び30〜150℃(流出温度)であることが好ましい。
定義
本明細書の範囲内で使用される用語及び表示は以下に定義される以下の意味を有する。重量及び重量%の詳細は、特にことわらない限り、粉末の乾燥質量又は噴霧すべき溶液/懸濁液の固形分に基づく。
“デキストラン1”又は“デキストラン1000”という用語は約1,000ダルトンの平均分子量を有する低分子量デキストランを表す。デキストランについてこの特許明細書に示された分子量は夫々の場合に平均分子量に関する。これは使用されるデキストランが一般に多形であることを意味する。平均分子量はデキストランの少なくとも50%、好ましくは60%、更に好ましくは70%、更に好ましくは80%、更に好ましくは90%、更に好ましくは92%、更に好ましくは94%、更に好ましくは96%、更に好ましくは98%、更に好ましくは99%がその数値に相当する分子量を有することを示す。
“噴霧乾燥粉末製剤”又は“乾燥粉末製剤”という用語は通常約10%(w/w)未満の残留水分、好ましくは7%(w/w)未満の残留水分、最も好ましくは3%(w/w)未満の残留水分、更に好ましくは2%(w/w)未満の残留水分を含む粉末製剤を表す。残留水分は本質的に粉末製剤中の医薬活性物質の型及び量に依存する。
“無定形”という用語は粉末製剤が10%未満、好ましくは7%未満、更に好ましくは5%未満、最も好ましくは4、3、2、又は1%未満の結晶性フラクションを含むことを意味する。
“吸入可能な”という用語は粉末が肺投与に適していることを意味する。吸入可能な粉末は粒子が肺に入り、必要により肺胞により全身の活性を発生することができるように吸入器により分散され、吸入し得る。吸入可能な粒子は、例えば、0.4-10μm、通常0.5-5μm、好ましくは1-3μmの平均粒子直径(MMD=質量メジアン直径)及び/又は0.5-10μm、好ましくは0.5-7.5μm、更に好ましくは0.5-5.5μm、更に好ましくは1-5μm、特に好ましくは1-4.5μmの平均空気力学的粒子直径(MMAD=質量メジアン空気力学的直径)を有し得る。
“質量メジアン直径”即ち“MMD”は本発明の粉末が一般に多分散される際の平均粒子サイズ分布の測定である。これらの結果は50%の全流量における全体積分布の直径として表される。MMD値は、例えば、レーザー回折測定(例えば、実施例の章、方法を参照のこと)により測定し得るが、勿論、あらゆるその他の通常の方法(例えば、電子顕微鏡、遠心分離沈降)が使用されてもよい。
平均空気力学的粒子直径(=質量メジアン空気力学的直径(MMAD))という用語は粉末の粒子の50%が通常一層小さい空気力学的直径を有する空気力学的粒子サイズを示す。疑わしき場合、MMADを測定するための基準方法はこの特許明細書に明記された方法(実施例の章、方法を参照のこと)である。
“微粒子フラクション”(FPF)という用語は5μm以下のMMADの粒子サイズを有する粒子からなる粉末の吸入可能な部分を記載する。良い分散性である粉末では、FPFが20%以上、好ましくは30%以上、更に特別には40%以上、更に好ましくは50%以上、更に好ましくは55%以上である。この状況で使用される“カットオフ直径”という表現はFPFを測定する場合に粒子が考慮されることを示す。5μmのカットオフ直径を有する30%のFPF(FPF5)は粉末中の全ての粒子の少なくとも30%が5μm未満の平均空気力学的粒子直径を有することを意味する。
“噴霧溶液”という用語は医薬活性物質が少なくとも一種の賦形剤と一緒に溶解/懸濁される水性の溶液又は懸濁液を意味する。
“飛行時間”という用語は実施例の章に更に詳しく記載されるような、通常の測定の方法の名称である。飛行時間測定において、MMAD及びFPFが同時に測定される(実施例の章、方法を参照のこと)。
“医薬上許される賦形剤”、“担体”又は“マトリックス”という用語は必要により本発明の範囲内の製剤に含まれてもよい賦形剤を表す。賦形剤は、例えば、対象又は対象の肺に重大な不利な毒物学的作用を有しないで肺に投与し得る。
“医薬上許される塩”という用語は、例えば、以下の塩を含むが、これらに限定されない:無機酸の塩、例えば、塩化物、硫酸塩、リン酸塩、二リン酸塩、臭化物及び硝酸塩。また、有機酸の塩、例えば、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、エチルコハク酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、メタンスルホン酸塩、安息香酸塩、アスコルビン酸塩、パラ-トルエンスルホン酸塩、パルモエート(palmoate)、サリチル酸塩及びステアリン酸塩、そしてまたエストラート塩、グルセプタート塩及びラクトビアネート(lactobianate)塩。
“医薬上許される陽イオン”という用語は、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アルミニウム及びアンモニウム(置換アンモニウムを含む)を含むが、これらに限定されない。
“医薬活性物質”は活性物質が生物、臓器又は細胞と接触させられる場合に生物、臓器及び/又は細胞に薬理学的な、通常陽性の効果を有する物質、薬物、組成物又はこれらの組み合わせを意味する。患者に導入された場合、その効果は局所又は全身であってもよい。
“生物学的巨大分子”という用語はペプチド、タンパク質、脂肪、脂肪酸又は核酸を表す。
“ペプチド”又は“ポリペプチド”という用語は2〜100のアミノ酸基からなるアミノ酸のポリマーを表す。“ペプチド”又は“ポリペプチド”という用語は仮名として使用され、ホモペプチド及びヘテロペプチドの両方、即ち、同一又は異なるアミノ酸基からなるアミノ酸のポリマーを含む。こうして、“ジペプチド”は二つのペプチド結合されたアミノ酸からつくられ、“トリペプチド”は三つのペプチド結合されたアミノ酸からつくられる。ここで使用される“タンパク質”という用語は100以上のアミノ酸基を有するアミノ酸のポリマーを表す。
“類似体”という用語は一つ以上のアミノ酸が置換され、脱離され(例えば、フラグメント)、付加され(例えば、C末端延長又はN末端延長を含む誘導体)、又はそれ以外に天然(野生型)配列から修飾されたペプチド/タンパク質を表す。また、天然タンパク質を、例えば、糖、ポリエチレングリコール等により誘導体化することが可能である。類似体は天然の、非合成タンパク質の100%生物活性の少なくとも10、20、30又は40%、好ましくは少なくとも50、60又は70%、特に好ましくは少なくとも80、90、95、100%又はそれ以上の生物活性を有する。
“アミノ酸”という用語は少なくとも一つのアミノ基及び少なくとも一つのカルボキシル基を含む化合物を表す。アミノ基は通常カルボキシル基に対しα位にあるが、分子中のあらゆるその他の配置がまた可能である。アミノ酸はまたその他の官能基、例えば、アミノ基、カルボキサミド基、カルボキシル基、イミダゾール基、チオ基及びその他の基を含んでもよい。種々の立体異性比を含むラセミ活性又は光学活性(D-又はL-)の、天然源又は合成源のアミノ酸が使用される。例えば、イソロイシンという用語はD-イソロイシン、L-イソロイシンの両方、ラセミ体のイソロイシン及び種々の比のその二つの鏡像体を含む。
“純粋なタンパク質製剤”という用語は一種以上のタンパク質そして必要により好適な緩衝剤(乾燥粉末の重量に対し典型的には0〜15%(w/w))からなる噴霧乾燥粉末を表す。粉末は基本的にはその他の賦形剤を含まず、即ち、その他の賦形剤の含量は乾燥粉末の重量に対し1%(w/w)未満である。
“表面活性”物質はそれが溶解される溶液の表面張力を下げることができる。表面活性は、例えば、Lecomte du Nouy (Bauer, Fromming, Fuhrer, 第6編)に従って張力計方法により測定される。
本発明の粉末
本発明は医薬活性物質/活性物質製剤を安定化するための新規賦形剤の調製に関する。本発明により、粒子安定性、特に低凝集物及び高モノマー含量を特徴とする粉末活性物質を調製することが可能である。明細書の後半に、これらの新規かつ驚く程に優れた活性物質の安定化が記載され、更に詳しく特徴づけられるであろう。
デキストランは通常高分子グルコースポリマーである。それは、例えば、サッカロースの存在下でロイコノストック・メセンテロイデス(Leuconostoc Mesenteroides)B512Fを培養することにより調製されてもよい。天然デキストランは所望の分子量フラクション中の相当する精製工程後に部分酸加水分解により得られる。デキストランはO-3位に結合された側鎖を有する(1→6)結合α-D-グルカンである。分岐の程度は通常約5%である。分岐は通常1-2グルコース単位の長さである。通常使用されるデキストランは10,000Daよりかなり高い平均分子量(通常、40,000、70,000又は512,000Da)を有する。本発明の実施例に記載されたデキストランは、一方で、10,000Daまで、好ましくは5,000Daまで、最も好ましくは1,500Daまでの平均分子量を有するにすぎない。本発明の範囲内で、約1,000Daの平均分子量を有するデキストランは特に粒状粉末の調製における安定剤として適していることがわかった。
医薬デキストランの利点:
・USP及びPh. Eur.にモノグラフを書かれている
・ロイコノストック抗原を含まない
・i.v.投与について許される
・二酸化炭素及び水に充分に生分解できる
・5年間にわたって周囲温度で安定である
低分子量デキストラン(約1,000Da)の特別な利点
・低抗原性
それ故、本発明は医薬活性物質及び約500〜10,000ダルトン(Da)、好ましくは約500〜5,000Da、特に好ましくは約500〜1,500Daの分子量を有する低分子量デキストランを含む粉末、好ましくは噴霧乾燥粉末に関する。特に好ましい実施態様によれば、本発明は医薬活性物質に加えて約1,000Daの平均分子量を有するデキストランを含む粉末、好ましくは噴霧乾燥粉末に関する。
特に有利と判明した粉末は、粉末の乾燥質量に関する低分子量デキストランの含量が50〜99.99%(w/w)、好ましくは55〜99.99%(w/w)、更に好ましくは60〜99.99%(w/w)、例えば、50、50.1、50.2、50.3、...50.7、50.8、50.9等;51、52、53、...58、59、60等;61、62、63、...68、69、70等;71、72、73、...78、79、80等;81、82、83、...88、89、90等;91、92、93、...98、等;99.1、99.2、99.3...99.8、99.9等;99.91、99.92、99.93...99.98、99.99%(w/w)である粉末、好ましくは噴霧乾燥粉末である。総体的に、低分子量デキストランの量は噴霧乾燥粉末が少なくとも部分的に無定形、好ましくは完全に無定形であるように選ばれるべきである。低分子量デキストランの量はまた50%(w/w)未満に減少されてもよく、但し、その他の安定化賦形剤が好適な量で粉末に添加されることを条件とする。その他の安定化賦形剤の例がこの特許明細書のいずれかに見られる。
本発明の粉末の乾燥質量中の医薬活性物質の量は一般に0.01〜50%(w/w)、好ましくは0.33〜50%(w/w)、更に好ましくは0.33〜45%(w/w)、更に好ましくは0.33〜40%(w/w)である。別の好ましい実施態様によれば、本発明の粉末の固形分中の医薬活性物質の量は0.33〜35%(w/w)、好ましくは0.33〜30%(w/w)、更に好ましくは0.33〜25%(w/w)、更に好ましくは0.33〜10%(w/w)である。こうして、その量は、例えば、0.01、0.02、0.03...0.08、0.09等;0.1、0.2、0.3、...0.8、0.9等;1、2、3、...8、9、10等;11、12、13、...18、19、20等;21、22、23、...28、29、30等;31、32、33、...38、39、40等;41、42、43、...48、49等;49.1、49.2、49.3、...49.8、49.9等;49.91、49.92、49.93、...49.98、49.99%(w/w)である。
それ故、本発明は、例えば、50/50、51/49、52/48、53/47、54/46、55/45、56/44、57/43、58/42、59/41、60/40、61/39、62/38、63/37、64/36、65/35、66/34、67/33、68/32、69/31、70/30、71/29、72/28、73/27、74/26、75/25、76/24、77/23、78/22、79/21、80/20、81/19、82/18、83/17、84/16、85/15、86/14、87/13、88/12、89/11、90/10、91/9、92/8、93/7、94/6、95/5、96/4、97/3、98/2、99/1、99.1/0.9、99.2/0.8、99.3/0.7、99.4/0.6、99.5/0.5、99.6/0.4、99.66/0.33、99.7/0.3、99.8/0.2、99.9/0.1、99.99/0.01(w/w)の低分子量デキストラン対活性物質の比を有する粉末に関する。特別な粉末が一種以上の付加的な賦形剤を含む場合、低分子量デキストランの量、医薬活性物質の量又はその両方はそれ故減少でき、粉末の乾燥質量に対する低分子量デキストランの量は50〜99.99%(w/w)の値の一つを有することが好ましい。
本発明の目的のための医薬活性物質として、一般の定義により含まれるものに加えて、抗生物質、坑ウイルス活性物質、坑癲癇薬、痛み軽減薬(鎮痛薬)、坑炎症性活性物質又は気管支拡張薬が挙げられる。それらはまた、例えば、末梢神経系、アドレナリン作用性受容体、コリン作用性受容体、骨格筋、心血管系、平滑筋、血液循環系、シナプス位置、神経エフェクター結合位置、内分泌系、免疫系、増殖系、骨格系、オータコイド系、食事系及び排泄系、ヒスタミン系及び中枢神経系に作用する活性物質を含む。好適な活性物質として、また、例えば、催眠薬及び鎮静剤、心的エネルギー薬、トランキライザー、坑痙攣薬、筋肉弛緩薬、坑パーキンソン活性物質、痛み軽減薬、坑炎症性活性物質、筋肉収縮薬、抗菌性活性物質、ホルモン性活性物質、例えば、避妊薬、交感神経様作用薬、利尿薬、脂肪代謝調節活性物質、坑アンドロゲン作用性活性物質、駆虫薬、腫瘍薬、坑腫瘍薬及び血糖低下薬が挙げられる。
医薬活性物質という用語はまた、例えば、下記の病気の一つに対して、呼吸系に作用する活性物質を含む:喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気腫性慢性気管支炎、気管支肺形成不全(BPD)、新生児呼吸困難症候群(RDS)、細気管支炎、クループ、抜管後のぜん鳴、肺繊維症、肺炎又は膵のう胞性繊維症(CF)。
気管支拡張薬の代表例として、その他のベータ-アゴニストの中でも、坑コリン作用薬又はメチルキサンチンが挙げられる。坑炎症性活性物質の例はステロイド、クロモリン、ネドクロミル及びロイコトリエンインヒビターである。ステロイドの例として、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ビクロメタゾン、デキサメタゾン、トリアムシノロン、ブデソニド、ブチキソコルト、シクルソニド、フルチカゾン、フルニソリド、イコメタゾン、モメタゾン、チキソコルトール及びロテプレドノールが挙げられる。その他の例はブデソニド、フルチカゾンプロピオネート、ベクロメタゾンジプロピオネート、ホルメテロール及びトリアムシノロンアセトニドである。
抗菌性活性物質の例はエリスロマイシン、オレアンドマイシン、トロレアンドマイシン、ロキシスロマイシン、クラリスロマイシン、ダベルシン、アジスロマイシン、フルリスロマイシン、ジリスロマイシン、ジョサマイシン、スピロマイシン、ミデカマイシン、ロイコマイシン、ミオカマイシン、ロキタマイシン、アンダジスロマイシン及びスウィノリドA;フルオロキノロン、例えば、シプロフロキサシン、オフロキサシン、レボフロキサシン、トロバフロキサシン、アラトロフロキサシン、モキシフロキシン、ノルフロキサシン、エオキサシン、グレパフロキサシン、ガチフロキサシン、ロメフロキサシン、スパルフロキサシン、テマフロキサシン、ペフロキサシン、アミフロキサシン、フレオキサシン、トスフロキサシン、プルリフロキサシン、イルロキサシン、パズフロキサシン、クリナフロキサシン及びシタフロキサシン;アミノグリコシド、例えば、ゲンタマイシン、ネチルマイシン、パラメシン、トブラマイシン、アミカシン、カナマイシン、ネオマイシン;ストレプトマイシン、バンコマイシン、テイコプラニン、ランポラニン、ミデプラニン、コリスチン、デプトマイシン、グラミシジン、コリスチメテート;ポリミキシン、例えば、ポリミキシンB、カプレオマイシン、バシトラシン、ペネメ、ペニシリナーゼ感受性活性物質を含むペニシリン、例えば、ペニシリンG、ペニシリンV、ペニシリナーゼ耐性活性物質、例えば、メチシリン、オキサシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、フロキサシリン、ナフシリン;グラム陰性細菌に対し活性な物質、例えば、アンピシリン、アモキシシリン、ヘタシリン、シリン及びガラムピシリン;坑シュードモナスペニシリン、例えば、カルベニシリン、チカルシリン、アズロシリン、メズロシリン、アンドピペラシリン;セファロスポリン、例えば、セフポドキシム、セフプロジル、セフトブテン、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セファロチン、セファピリン、セファレキシン、セフラドリン、セフォキシチン、セファマンドール、セファゾリン、セファロリジン、セファクロールセファドロキシル、セファログリシン、セフロキシム、セフォラニド、セフォタキシム、セファトリジン、セファセトリル、セフェピム、セフィキシム、セフォニジド、セフォペラゾン、セフォテタン、セフメタゾール、セフタジジム、ロラカルベフ及びモキサラクタム;モノバクタム、例えば、アズトレオナム;並びにカルバペネム、例えば、イミペネム、メロペネム、ペンタミジンイセチオネート、アルブテロールスルフェート、リドカイン、メタプロテレノールスルフェート、ベクロメタゾンジプロピオネート、トリアムシノロンアセトアミド、ブデソニドアセトニド、フルチカゾン、イプラトロピウムブロミド、フルニソリド、クロモリンナトリウム、エルゴタミンタートレート及び、適用可能な場合には、これらの類似体、アゴニスト、アンタゴニスト、インヒビター及び医薬上使用できる塩形態等である。
医薬活性物質は別の実施態様によれば生物学的巨大分子であることが好ましい。先に示された定義によれば、これは、例えば、ペプチド、タンパク質、脂肪、脂肪酸又は核酸を含むことが意図されている。
生物医薬上重要なタンパク質/ポリペプチドとして、例えば、抗体、酵素、成長因子、例えば、ステロイド、サイトカイン、リンホカイン、付着分子、受容体及びこれらの誘導体又はフラグメントが挙げられるが、これらに限定されない。一般に、アゴニスト又はアンタゴニストとして作用し、かつ/又は治療適用又は診断適用を有する全てのポリペプチドが有益である。
本発明の目的に適したペプチド又はタンパク質として、例えば、インスリン、インスリン様成長因子、ヒト成長ホルモン(hGH)及びその他の成長因子、組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)、エリスロポイエチン(EPO)、サイトカイン、例えば、インターロイキン(IL)、例えば、IL-1、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-8、IL-9、IL-10、IL-11、IL-12、IL-13、IL-14、IL-15、IL-16、IL-17、IL-18、インターフェロン(IFN)-α、-β、-γ、-ω又は-τ、腫瘍壊死因子(TNF)、TNF-α、-β又は-γ、TRAIL、G-CSF、GM-CSF、M-CSF、MCP-1及びVEGFが挙げられる。その他の例はモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多特異性抗体及び一本鎖抗体並びにこれらのフラグメント、例えば、Fab、Fab'、F(ab')2、Fc及びFc'フラグメント、L鎖免疫グロブリン及びH鎖免疫グロブリン並びにこれらの定常領域、可変領域又は超可変領域だけでなく、Fvフラグメント及びFdフラグメントである(Chamovら, 1999, 抗体融合タンパク質, Wiley-Liss Inc.)。抗体はヒト起源又は非ヒト起源であってもよい。これらとして、例えば、ヒトで知られているクラス:IgA、IgD、IgE、IgG及びIgMと、それらの種々のサブクラス、例えば、IgA1、IgA2並びにIgG1、IgG2、IgG3及びIgG4が挙げられる。ヒト化抗体及びキメラ抗体がまた可能である。例えば、種々の表面抗原、例えば、CD4、CD20又はCD44、種々のサイトカイン、例えば、IL2、IL4又はIL5に対する抗体を含む粉末製剤が特に治療上重要であり、それ故、本発明の主題である。その他の例は免疫グロブリンの特別なクラスに対する抗体(例えば、坑IgE抗体)又はウイルスタンパク質に対する抗体(例えば、坑RSV抗体、坑CMV抗体等)である。
Fabフラグメント(フラグメント抗原結合=Fab)は隣接定常領域により一緒に保持される両方の鎖の可変領域からなる。その他の抗体フラグメントはペプシンでタンパク質分解消化により生成し得るF(ab')2フラグメントである。遺伝子クローニングにより、H鎖の可変領域(VH)及びL鎖の可変領域(VL)のみからなる短くされた抗体フラグメントを調製することがまた可能である。これらはFvフラグメント(フラグメント可変=可変部のフラグメント)として知られている。このような抗体フラグメントはまた一本鎖Fvフラグメント(scFv)と称される。scFv抗体の例が知られており、例えば、Hustonら, 1988, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 16, 5879ffに記載されている。
過去何年かにわたって、種々の戦略が多量体のscFv誘導体、例えば、ジアボディ、トリボディ及びペンタボディを生成するために開発されていた。ジアボディという用語は2価のホモダイマーのscFv誘導体を表すのに当業界で使用される。scFv分子中のペプチドリンカーを5〜10アミノ酸に短くすることはVH/VL鎖を重ねることによりホモダイマーの生成をもたらす。ジアボディは挿入されたジスルフィドブリッジにより更に安定化されてもよい。ジアボディの例が文献、例えば、Perisicら, 1994(構造2, 2, 1217ff)に見られる。ミニボディという用語は2価のホモダイマーのscFv誘導体を表すのに当業界で使用される。それは二量体化領域として免疫グロブリン、好ましくはIgG、最も好ましくはIgG1のCH3領域を含む融合タンパク質からなる。これはまたIgGのヒンジ領域、及びリンカー領域によりscFvフラグメントを連結する。このようなミニボディの例がHuら, 1996, Cancer Res., 56, 3055ffにより記載されている。トリアボディという用語は3価のホモダイマーのscFv誘導体を表すのに当業界で使用される(Korttら, 1997, Protein Engineering, 10, 423ff)。リンカー配列を使用しないVH-VLの直接の融合が3量体の生成をもたらす。
2価、3価又は4価の構造を有するミニ抗体として当業界で知られているフラグメントがまたscFvフラグメントの誘導体である。多量体化は二量体、三量体又は四量体の超らせん構造により得られる(Pack. P.ら, 1993, Biotechnology, 11, 1271ff; Lovejoy, B.ら, 1993, Science, 259, 1288ff; Pack, P.ら, 1995, J. Mol. Biol., 246, 28ff)。
本発明の特に好ましい実施態様は抗体のクラス、更に正確には型1免疫グロブリンGからのタンパク質に関する。これは95%のヒト抗体配列及び5%のマウス抗体配列を含む、ヒト化モノクローナル抗体である。その抗体は約148キロダルトン(kDa)の分子量を有し、二つのL鎖及び二つのH鎖並びに合計四つのジスルフィドブリッジからなる。
活性物質としてペプチドもしくはタンパク質又はペプチド/ペプチド、ペプチド/タンパク質もしくはタンパク質/タンパク質の組み合わせを含む粉末が特に有利である。相当する生物学的巨大分子は粉末の乾燥質量の0.01〜50%(w/w)を構成し得る。こうして、その量は、例えば、0.01、0.02、0.03...0.08、0.09、0.1、0.2、0.3...0.8、0.9等;1、2、3、...8、9、10等;11、12、13、...18、19、20等;21、22、23、...28、29、30等;31、32、33、...38、39、40等;41、42、43、...48、49、49.1、49.2、49.3、...49.8、49.9等;49.91、49.92、49.93、...49.98、49.99%(w/w)である。
本発明の特に有利な粉末は50/50、51/49、52/48、53/47、54/46、55/45、56/44、57/43、58/42、59/41、60/40、61/39、62/38、63/37、64/36、65/35、66/34、67/33、68/32、69/31、70/30、71/29、72/28、73/27、74/26、75/25、76/24、77/23、78/22、79/21、80/20、81/19、82/18、83/17、84/16、85/15、86/14、87/13、88/12、89/11、90/10、91/9、92/8、93/7、94/6、95/5、96/4、97/3、98/2、99/1、99.1/0.9、99.2/0.8、99.3/0.7、99.4/0.6、99.5/0.5、99.6/0.4、99.66/0.33、99.7/0.3、99.8/0.2、99.9/0.1、99.99/0.01(w/w)の低分子量デキストラン対活性物質の比を有する粉末、好ましくは噴霧乾燥粉末である。相当する粉末が一種以上の付加的な賦形剤を含む場合、低分子量デキストランの量、医薬活性物質の量、又は両方の量はそれ故減少でき、低分子量デキストランの量は50〜99.99%(w/w)の値の一つを有することが好ましい。
本発明の粉末が10kDa未満、好ましくは5kDa未満の分子量を有する非常に小さいタンパク質/ペプチド、例えば、成長因子、例えば、サイトカインを含む場合、その量は好ましくは粉末の合計重量の0.1〜10%(w/w)、更に好ましくは0.2〜5%(w/w)である。それ故、サイトカインの量が0.2、0.3、0.4...0.8、0.9等;1、2、3、...等;4.1、4.2、4.3、...4.8、4.9等;4.91、4.92、4.93、...4.98、4.99%(w/w)である粉末が好ましい。
一方、医薬活性物質が一種以上の抗体又はその誘導体を含む場合(好ましい実施態様)、粉末の固形分中の活性物質の比率は0.01〜50%(w/w)、好ましくは0.1〜50%(w/w)、更に好ましくは0.33〜50%(w/w)、例えば、0.1、0.2、0.3、0.33、...0.66、0.7、0.8、0.9等;1、2、3、...8、9、10等;11、12、13、...18、19、20等;21、22、23、...28、29、30等;31、32、33、...38、39、40等;41、42、43、...48、49等;49.1、49.2、49.3、...49.8、49.9等;49.91、49.92、49.93、...49.98、49.99%(w/w)である。
特別な実施態様によれば、粉末の固形分中の抗体の比率は10〜50%(w/w)、更に好ましくは10〜30%(w/w)、更に好ましくは10〜20%(w/w)である。本発明は、特に有利には、50/50、51/49、52/48、53/47、54/46、55/45、56/44、57/43、58/42、59/41、60/40、61/39、62/38、63/37、64/36、65/35、66/34、67/33、68/32、69/31、70/30、71/29、72/28、73/27、74/26、75/25、76/24、77/23、78/22、79/21、80/20、81/19、82/18、83/17、84/16、85/15、86/14、87/13、88/12、89/11又は90/10(w/w)の低分子量デキストラン対抗体の比を有する粉末、好ましくは噴霧乾燥粉末に関する。
別の実施態様によれば、本発明は噴霧乾燥粉末の乾燥質量がa)少なくとも50%(w/w)、好ましくは55〜99.99%(w/w)、最も好ましくは60〜99.99%(w/w)の低分子量デキストラン及びb)30%(w/w)までの生物学的巨大分子を含むことを特徴とする粉末、好ましくは噴霧乾燥粉末に関するものであり、低分子量デキストラン及び生物学的巨大分子の重量%の合計はせいぜい100%(w/w)である。当業者はこのような粉末を調製する状態にある。こうして、当業者は、低分子量デキストランの量が99.99%(w/w)である場合に、彼が噴霧すべきである溶液の合計固形分に対しせいぜい0.01%(w/w)の医薬活性物質を添加し得ることを知っている。
本発明の粉末はまたその他の賦形剤、例えば、アミノ酸、ペプチド、非生物学的ポリマー又は生物学的ポリマー、及び/又は一種以上の糖を含んでもよい。当業界で知られているその他の賦形剤は、例えば、脂質、脂肪酸、脂肪酸エステル、ステロイド(例えば、コレステロール)又はキレート剤(例えば、EDTA)だけでなく、種々の陽イオンである(上記を参照のこと)。高いガラス転移温度、例えば、40℃以上、好ましくは45℃以上、又は55℃以上を有する賦形剤が、特に好ましい。好適な賦形剤のリストが、例えば、Kippe(編集),“医薬賦形剤のハンドブック”第3編, 2000に見られる。
好適なタンパク質含有賦形剤として、例えば、アルブミン(起源がヒト又は組換え)、ゼラチン、カゼイン、ヘモグロビン等が挙げられる。糖は単糖、二糖、オリゴ糖もしくは多糖又はこれらの組み合わせであることが好ましい。単糖の例はフラクトース、マルトース、ガラクトース、グルコース、d-マンノース、ソルボース等である。本発明の目的に適した二糖として、例えば、ラクトース、蔗糖、トレハロース、セロビオース等が挙げられる。使用し得る多糖として、特にラフィノース、メレシトース、デキストリン、澱粉等が挙げられる。糖アルコールとして、賦形剤として、マンニトールに加えて、キシリトール、マルチトール、ガラクチトール、アラビニトール、アドニトール、ラクチトール、ソルビトール(グルチトール)、ピラノシルソルビトール、イノシトール、ミオイノシトール等が挙げられる。好適なアミノ酸として、例えば、アラニン、グリシン、アルギニン、ヒスチジン、グルタメート、アスパラギン、システイン、ロイシン、リシン、イソロイシン、バリン、トリプトファン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、シトルリン、L-アスパルチル-L-フェニルアラニン-メチルエステル(=アスパルテーム)、トリメチルアンモニオアセテート(=ベタイン)等が挙げられる。
緩衝剤として作用するアミノ酸(例えば、グリシン又はヒスチジン)及び/又は分散剤として作用するアミノ酸が使用されることが好ましい。これらの後者のグループとして、特に主として疎水性のアミノ酸、例えば、ロイシン、バリン、イソロイシン、トリプトファン、アラニン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン又はプロリンが挙げられる。本発明の範囲内で、低分子量デキストランに加えて、好ましくは5〜20%(w/w)、最も好ましくは10〜20%(w/w)、更に好ましくは12〜20%(w/w)の濃度のイソロイシンを使用することが特に有利と判明した。また、更なる賦形剤としてジペプチド、トリペプチド、オリゴペプチド又はポリペプチド(これらは一つ以上のこれらの主として疎水性のアミノ酸基を含む)を使用することが特に有利である。トリペプチドの好適な例として、例えば、一種以上の下記のトリペプチドが挙げられる:Leu-Leu-Gly、Leu-Leu-Ala、Leu-Leu-Val、Leu-Leu-Leu、Leu-Leu-Met、Leu-Leu-Pro、Leu-Leu-Phe、Leu-Leu-Trp、Leu-Leu-Ser、Leu-Leu-Thr、Leu-Leu-Cys、Leu-Leu-Tyr、Leu-Leu-Asp、Leu-Leu-Glu、Leu-Leu-Lys、Leu-Leu-Arg、Leu-Leu-His、Leu-Gly-Leu、Leu-Ala-Leu、Leu-Val-Leu、Leu-Met-Leu、Leu-Pro-Leu、Leu-Phe-Leu、Leu-Trp-Leu、Leu-Ser-Leu、Leu-Thr-Leu、Leu-Cys-Leu、Leu-Try-Leu、Leu-Asp-Leu、Leu-Glu-Leu、Leu-Lys-Leu、Leu-Arg-Leu及びLeu-His-Leu。一般式:Ile-X-X;X-Ile-X;X-X-Ile(式中、Xは下記のアミノ酸:アラニン、グリシン、アルギニン、ヒスチジン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、ロイシン、リシン、イソロイシン(Ile)、バリン、トリプトファン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、チロシン、L-アスパルチル-L-フェニルアラニン-メチルエステル(=アスパルテーム)、トリメチルアンモニオ-アセテートの一種であってもよい)のトリペプチドを使用することが特に有利と判明した。式(Ile)2-X、例えば、Ile-Ile-X、Ile-X-Ile、又はX-Ile-Ile(式中、Xは再度先にリストされたアミノ酸の一種を表してもよい)の相当するトリペプチドが特に好ましい。これらとして、例えば、トリペプチド:Ile-Ile-Gly、Ile-Ile-Ala、Ile-Ile-Val、Ile-Ile-Ile、Ile-Ile-Met、Ile-Ile-Pro、Ile-Ile-Phe、Ile-Ile-Trp、Ile-Ile-Ser、Ile-Ile-Thr、Ile-Ile-Cys、Ile-Ile-Tyr、Ile-Ile-Asp、Ile-Ile-Glu、Ile-Ile-Lys、Ile-Ile-Arg、Ile-Ile-His、Ile-Gly-Ile、Ile-Ala-Ile、Ile-Val-Ile、Ile-Met-Ile、Ile-Pro-Ile、Ile-Phe-Ile、Ile-Trp-Ile、Ile-Ser-Ile、Ile-Thr-Ile、Ile-Cys-Ile、Ile-Try-Ile、Ile-Asp-Ile、Ile-Glu-Ile、Ile-Lys-Ile、Ile-Arg-Ile、Ile-His-Ileが挙げられる。Ile-Ile-Ileを使用することが特に有利である。
好適なポリマーとして、例えば、賦形剤として上記されたポリビニルピロリドン、誘導体化セルロース、例えば、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース又はヒドロキシプロピルエチルセルロース、ポリマーの糖、例えば、フィコール、澱粉、例えば、ヒドロキシエチル澱粉又はヒドロキシプロピル澱粉、デキストリン、例えば、シクロデキストリン(2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン)、ポリエチレン、グリコール及び/又はペクチンが挙げられる。
塩は、例えば、無機塩、例えば、塩化物、硫酸塩、リン酸塩、二リン酸塩、臭化水素酸塩及び/又は硝酸塩であってもよい。更に、本発明の粉末はまた有機塩、例えば、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、エチルコハク酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、メタンスルホン酸塩、安息香酸塩、アスコルビン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩、パルモエート、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、エストラート、グルセプタート又はラビオネート塩を含んでもよい。同時に、相当する塩は医薬上許される陽イオン、例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アルミニウム、リチウム又はアンモニウムを含んでもよい。タンパク質の安定化と連係して相当する陽イオンを使用することが特に好ましい。従って、別の実施態様によれば、本発明はまた低分子量デキストラン及び医薬活性物質に加えて医薬上許される塩を含む粉末、好ましくは噴霧乾燥粉末に関する。
こうしてまた、本発明は低分子量デキストラン及び医薬活性物質に加えて一種以上の医薬上許される賦形剤及び/又は一種以上の塩を含む噴霧乾燥粉末に関する。賦形剤は、例えば、上記アミノ酸、ペプチド及びそれらの塩、糖、ポリオール、有機酸の塩及び/又はポリマーであってもよい。
別の実施態様によれば、本発明は低分子量デキストラン及び医薬活性物質に加えて更なる賦形剤として、一種以上のアミノ酸、好ましくは一種のアミノ酸を含む粉末、好ましくは噴霧乾燥粉末に関する。この状況で、本発明はまたそれらの乾燥質量に関して少なくとも50%(w/w)、好ましくは55〜98.99%(w/w)、最も好ましくは60〜98.99%(w/w)の低分子量デキストラン、及び1〜20%(w/w)のアミノ酸並びに0.01〜49%(w/w)の医薬活性物質、好ましくは生物学的巨大分子を含む粉末に関するものであり、重量基準の量の合計はせいぜい100%(w/w)であってもよい。好ましい実施態様によれば、低分子量デキストランの量は粉末の乾燥質量に関して少なくとも60%(w/w)、好ましくは70〜89.99%(w/w)である。相当する製剤中で、アミノ酸の量は10〜20%(w/w)であることが好ましく、医薬活性物質の量は0.01〜10%(w/w)である。
従って、別の実施態様によれば、本発明はまた、例えば、80%(w/w)の低分子量デキストラン/19%(w/w)のアミノ酸/1%(w/w)の医薬活性物質(80/19/1);(80/18/2);(80/17/3);(80/16/4);(80/15/5);(80/14/6);(80/13/7);(80/12/8);(80/11/9);(80/10/10);(70/19/11);(70/18/12);(70/17/13);(70/16/14);(70/15/15);(70/14/16);(70/13/17);(70/12/18);(70/11/19);(70/10/20);(60/20/20);(60/19/21);(60/18/22);(60/17/23);(60/16/24);(60/15/25);(60/14/26);(60/13/27);(60/12/28);(60/11/29);(60/10/30)又は(70/20/10)を含み、又はそれらからなる粉末に関する。活性物質の比率が20%(w/w)から0.01%(w/w)に、例えば、9.99、...9.9、9.8、9.7...9.3、9.2、9.1...9、8、7、6、5、4、3、2、1、...0.9、0.8、0.7、...0.66、...0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.09、0.08、0.07、0.06、0.05、0.04、0.03、0.02、0.01に低下され、アミノ酸の比率が一定に留まる場合、低分子量デキストランの量は従って、例えば、80.01、...80.1、80.2、80.3...80.8、80.9、81、82、83、84、85、86、87、88、89、...89.1、89.2、89.3、...89.33、...89.4、89.5、89.6、89.7、89.8、89.9、...89.91、89.92、89.93、...89.97、89.98、89.99(w/w)に低下され、その結果、粉末の乾燥質量に関する個々の粉末成分の重量基準の量の合計が100%(w/w)である。その他の賦形剤又は塩を添加することにより、低分子量デキストラン、アミノ酸/ペプチド及び/又は医薬物質の量が従って調節/低下でき、その結果、個々の成分の重量部が合計100%(w/w)まで加わる。
添加されるアミノ酸がイソロイシンである場合、別の実施態様によれば、本発明の粉末はa)少なくとも50%(w/w)、好ましくは55〜89.99%(w/w)、最も好ましくは60〜89.99%(w/w)の低分子量デキストラン、b)5〜20%(w/w)の比率のイソロイシン及びc)少なくとも0.01%(w/w)、好ましくは0.01〜せいぜい45%(w/w)の本発明の医薬活性物質、好ましくはペプチド/タンパク質の量を含む。イソロイシンの量は粉末の合計固形分の好ましくは10〜20%(w/w)、更に好ましくは12〜20%(w/w)である。ここで再度、個々の成分の重量%の合計は100%(w/w)を越えない。また、本発明は下記の組成の粉末に関する:85%(w/w)の低分子量デキストラン/5%のアミノ酸又はペプチド/10%(w/w)の医薬活性物質(85/5/10);(84/6/10);(83/7/10);(82/8/10);(81/9/10);(80/10/10);(79/11/10);(78/12/10);(77/13/10);(76/14/10);(75/15/10);(74/16/10);(73/17/10);(72/18/10);(71/19/10);(70/20/10)。一方、活性物質の量がまた10%(w/w)から0.01%(w/w)に、例えば、9.99、...9.9、9.8、9.7...9.3、9.2、9.1...9、8、7、6、5、4、3、2、1、...0.9、0.8、0.7、...0.66、...0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.09、0.08、0.07、0.06、0.05、0.04、0.03、0.02、0.01に低下されてもよく、従って、低分子量デキストランの量が、例えば、80.01、...80.1、80.2、80.3...80.8、80.9、81、82、83、84、85、86、87、88、89、...89.1、89.2、89.3、...89.33、...89.4、89.5、89.6、89.7、89.8、89.9、...89.91、89.92、89.93、...89.97、89.98、89.99(w/w)に増加されてもよく、その結果、粉末の乾燥質量に関する重量部の合計が100%(w/w)を構成する。それ故、本発明はまた下記の組成を有する粉末に関する:80%(w/w)の低分子量デキストラン/19%(w/w)のイソロイシン/1%(w/w)の医薬活性物質(80/19/1);(80/18/2);(80/17/3);(80/16/4);(80/15/5);(80/14/6);(80/13/7);(80/12/8);(80/11/9);(80/10/10);(70/19/11);(70/18/12);(70/17/13);(70/16/14);(70/15/15);(70/14/16);(70/13/17);(70/12/18);(70/11/19);(70/10/20);(60/19/21);(60/18/22);(60/17/23);(60/16/24);(60/15/25);(60/14/26);(60/13/27);(60/12/28);(60/11/29);(60/10/30)。その他の賦形剤又は塩が添加される場合、低分子量デキストラン、イソロイシン及び/又は医薬物質の量は従って個々の成分の量(重量基準)が合計100%(w/w)まで加わるように調節されるべきである。
本発明の別の実施態様は医薬活性物質、好ましくはペプチド、タンパク質、又はこれらの混合物を含む粉末を安定化するための低分子量デキストラン及びトリペプチドの使用に関する。本明細書は例として本発明の粉末を調製するために低分子量デキストランと一緒に使用し得る幾つかのトリペプチドを記載する。特別な実施態様によれば、トリペプチドは少なくとも一つのイソロイシン、好ましくは二つのイソロイシンを含み、又は特に有利な実施態様によれば、三つのイソロイシンからなるものである。
これに関して、本発明はa)少なくとも50%(w/w)、好ましくは55〜98.99%(w/w)、最も好ましくは60〜98.99%(w/w)の量の低分子量デキストラン、b)1〜20%(w/w)の比率のトリペプチド、好ましくはトリイソロイシン及びc)0.01%(w/w)〜せいぜい49%(w/w)の医薬活性物質、好ましくはペプチド/タンパク質を含む粉末に関する。ここで再度、個々の固体の合計は100%(w/w)を越えることができない。また、本発明は下記の組成の粉末に関する:89%(w/w)の低分子量デキストラン/1%のトリペプチド、好ましくはイソロイシンを含むトリペプチド、最も好ましくはトリイソロイシン/10%(w/w)の医薬活性物質(89/1/10);(88/2/10);(87/3/10);(86/4/10);(85/5/10);(84/6/10);(83/7/10);(82/8/10);(81/9/10);(80/10/10);(79/11/10);(78/12/10);(77/13/10);(76/14/10);(75/15/10);(74/16/10);(73/17/10);(72/18/10)又は(71/19/10)。一方、医薬活性物質の量がまた10%(w/w)から0.01%(w/w)に、例えば、9.99、...9.9、9.8、9.7...9.3、9.2、9.1...9、8、7、6、5、4、3、2、1、...0.9、0.8、0.7、...0.66、...0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.09、0.08、0.07、0.06、0.05、0.04、0.03、0.02、0.01%(w/w)に低下でき、従って、低分子量デキストランの量が、例えば、80.01、...80.1、80.2、80.3...80.8、80.9、81、82、83、84、85、86、87、88、89、...89.1、89.2、89.3、...89.33、...89.4、89.5、89.6、89.7、89.8、89.9、...89.91、89.92、89.93、...89.97、89.98、89.99(w/w)に増加してもよく、その結果、粉末の乾燥質量に関する量(重量基準)の合計が100%(w/w)になる。それ故、本発明はまた下記の組成を有する粉末に関する:80%(w/w)の低分子量デキストラン/19%(w/w)のトリペプチド、好ましくはトリイソロイシン/1%(w/w)の医薬活性物質(80/19/1);(80/18/2);(80/17/3);(80/16/4);(80/15/5);(80/14/6);(80/13/7);(80/12/8);(80/11/9);(80/10/10);(70/19/11);(70/18/12);(70/17/13);(70/16/14);(70/15/15);(70/14/16);(70/13/17);(70/12/18);(70/11/19);(70/10/20);(60/19/21);(60/18/22);(60/17/23);(60/16/24);(60/15/25);(60/14/26);(60/13/27);(60/12/28);(60/11/29);(60/10/30)。一方、トリペプチド、好ましくはトリイソロイシンの量がまた10%(w/w)から1%(w/w)に、例えば、9.99、...9.9、9.8、9.7...9.3、9.2、9.1...9、8、7、6、5、4、3、2、1.9、1.8、1.7、...1.66、...1.6、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1、1%(w/w)に低下でき、従って医薬活性物質、好ましくはペプチド/タンパク質の量が、例えば、30.1、30.2、30.3...30.8、30.9、31、32、33、34、35、36、37、38、38.1、38.2、38.3、...38.33、...38.4、38.5、38.6、38.7、38.8、38.9、...39(w/w)に増加されてもよく、その結果、粉末の乾燥質量に関する量(重量基準)の合計が100%(w/w)になる。トリペプチドの量が、ここに示されるように、10から1(w/w)に低下される場合、粉末中の低分子量デキストランの比率がまた増加し得る。活性物質の比率が一定、例えば、10%(w/w)に留まる場合、粉末は80.1、80.2、80.3...80.8、80.9、81、82、83、84、85、86、87、88、88.1、88.2、88.3、...88.33、...88.4、88.5、88.6、88.7、88.8、88.9又は89(w/w)のデキストラン含量で製造し得る。
本発明の別の実施態様によれば、粉末は更に表面活性剤、例えば、トゥイーン20、40、60、80、Brij 35、プルロニックF88及びプルロニックF127を含んでもよい。これらは0.01-0.1%(w/w)の濃度で使用されることが好ましい。賦形剤として低分子量デキストラン更に表面活性剤として、好ましくは0.01-0.1%(w/w)の濃度の、トゥイーン20を含む噴霧乾燥粉末が特に好ましい。
別の実施態様によれば、本発明はまた上記噴霧乾燥粉末の一種を含む医薬組成物に関する。
本発明の粉末の調製
本発明はまた上記噴霧乾燥粉末の一種の調製方法を提供する。その方法は医薬活性物質及び低分子量デキストランを含む、噴霧すべき溶液/懸濁液を200/120℃(流入/流出温度)の温度以下、好ましくは150-185/70-95℃で噴霧することを特徴とする。本発明の方法が“実施例”の節中の幾つかの実施例により更に充分に記載される。
基本的には、本発明の粉末は当該活性物質の溶解性条件に応じて、医薬活性物質、好ましくはペプチド又はタンパク質の形態の生物学的巨大分子を水溶液に溶解することにより調製し得る。通常、3-11、好ましくは3.5-9のpHを有する緩衝溶液が使用される。吸入可能な粉末を調製する場合、4-7.8のpHを有する水溶液が特に有利である。充分な溶解性を確実にするために、溶液のpHはペプチド/タンパク質のpI以下であるべきである。水溶液は必要により付加的な水溶性有機溶媒、例えば、アセトン、アルコール等を含んでもよい。低級アルコール、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、(n又はiso-プロパノール)等が特に適している。この種の混合溶媒系は通常10-20%(w/w)の水溶性有機溶媒を含む。噴霧すべき溶液中の固形分は通常0.01-20%(w/w)、好ましくは0.05-10%(w/w)、特に好ましくは0.1-5%(w/w)である。本発明の範囲内で、噴霧乾燥粉末が10%(w/w)又は3.33%(w/wt.%)の固形分を有する水溶液から出発して調製された。
通常、例として上記された、賦形剤又は好適な賦形剤の混合物が第二容器中で高度に純粋な水又は3〜11、好ましくは3.5〜9、特に好ましくは4.0〜7.8のpHを有する好適な緩衝溶液に溶解され、第二工程で活性物質溶液と混合される。次いで溶液/懸濁液が純粋な水又は3〜11、好ましくは3.5〜9、特に好ましくは4.0〜7.8のpHを有する好適な緩衝溶液で所望の固形分に調節される。
従って、本発明は
a) 医薬活性物質を水性溶液/懸濁液に溶解し、
b) 低分子量デキストランを水性溶液/懸濁液に溶解し、
c) 活性物質及び低分子量デキストランが異なる溶液/懸濁液に溶解される場合には、これらを一緒に混合し、
d) 低分子量デキストラン及び医薬活性物質を含む溶液/懸濁液を200/120℃以下の温度、好ましくは175/95℃以下で噴霧することを特徴とする噴霧乾燥粉末の調製方法に関する。
噴霧すべきである溶液/懸濁液中の低分子量デキストランの賦形剤含量は噴霧溶液の固形分に関して50%〜99.99%(w/w)、好ましくは55%〜99.99%(w/w)、最も好ましくは60〜99.99%(w/w)である。活性物質濃度は噴霧すべきである溶液又は懸濁液の固形分に関して通常0.01〜50%(w/w)、好ましくは0.01〜40%(w/w)、最も好ましくは0.01〜30%(w/w)である。上記本発明の粉末組成物から出発して、当業者は噴霧後に相当する粉末組成物をもたらす噴霧のための溶液/懸濁液を調製することができる。
従って、本発明はまた噴霧すべきである溶液/懸濁液の固形分が50〜99.99%(w/w)、好ましくは60〜99.99%(w/w)の低分子量デキストランを含むことを特徴とする上記噴霧乾燥粉末の調製方法に関する。別の好ましい実施態様によれば、本発明は噴霧すべきである溶液/懸濁液の固形分が0.01〜50%(w/w)、好ましくは0.01〜30%(w/w)、最も好ましくは0.33〜30%(w/w)の医薬活性物質を含むことを特徴とする相当する方法に関する。
本方法の別の実施態様によれば、a)少なくとも50%(w/w)、例えば、60〜99.99%(w/w)の低分子量デキストラン及びb)少なくとも0.01%(w/w)、好ましくは0.01〜50%(w/w)の医薬活性物質、好ましくは生物学的巨大分子の固形分を有する噴霧溶液/懸濁液が、調製され、噴霧され、その重量%の合計はせいぜい100%(w/w)である。好ましい実施態様によれば、a)少なくとも60%(w/w)、例えば、60〜99.99%(w/w)の低分子量デキストラン、及びb)0.01〜40%(w/w)の医薬活性物質、好ましくは生物学的巨大分子の固形分を有する噴霧溶液/懸濁液が、調製され、噴霧され、その溶液又は懸濁液の重量%の合計はせいぜい100%(w/w)である。
上記本発明の粉末に相当して、別の実施態様によれば、噴霧すべき溶液/懸濁液が更に一種以上の医薬上許される賦形剤及び/又は一種以上の塩を含む。賦形剤はアミノ酸、ペプチド又はそれらの塩、糖、ポリオール、有機酸の塩及び/又はポリマーであることが好ましい。
噴霧溶液は医薬活性物質及び低分子量デキストランに加えて一種以上のアミノ酸及び/又はペプチドもしくはタンパク質をその他の賦形剤として含むことが好ましい。従って、本発明はまた噴霧すべき溶液/懸濁液が、その固形分に関して、a)少なくとも50%(w/w)、好ましくは少なくとも60%(w/w)の低分子量デキストラン、b)1〜20%(w/w)の少なくとも一種のアミノ酸及び/又は少なくとも一種のペプチドを含むことを特徴とする噴霧乾燥粉末の調製方法に関する。医薬上許される塩、ペプチド及びアミノ酸を含む好適な賦形剤の例がこの明細書中の見出し“本発明の粉末”の下に見られる。
別の好ましい実施態様によれば、噴霧溶液はまた低分子量デキストランに加えて一種以上のアミノ酸を更なる賦形剤として含む。固形分がa)少なくとも50%(w/w)、好ましくは60〜98.99%(w/w)の低分子量デキストラン、b)1〜20%(w/w)のアミノ酸、及びc)少なくとも0.01%(w/w)の医薬活性物質、好ましくはペプチド/タンパク質、例えば、抗体を含む噴霧溶液/懸濁液が、有利である。医薬活性物質の量は0.01〜せいぜい30%(w/w)であることが好ましく、固体成分の合計はせいぜい100%(w/w)である。当業者は相当する粉末を調製し、固体成分の合計が100%(w/w)を越えないようにその量(重量基準)を適合することができる。医薬活性物質の量(合計固形分に対し)が、例えば、30%(w/w)であり、低分子量デキストランの量が60%(w/w)である場合、当業者は彼がせいぜい10%(w/w)のアミノ酸を噴霧溶液/懸濁液に添加し得ることを知っている。
別の好ましい実施態様によれば、噴霧溶液はまた低分子量デキストランに加えてイソロイシンを更なる賦形剤として含む。固形分がa)少なくとも50%(w/w)、好ましくは60〜89.99%(w/w)の低分子量デキストラン、b)10〜20%(w/w)のイソロイシン、及びc)少なくとも0.01%(w/w)の医薬活性物質、好ましくはペプチド/タンパク質、例えば、抗体を含む噴霧溶液/懸濁液が、有利である。医薬活性物質の量は0.01〜せいぜい30%(w/w)であることが好ましく、固体成分の合計はせいぜい100%(w/w)である。当業者は相当する粉末を調製し、固体成分の合計が100%(w/w)を越えないようにその量(重量基準)を適合することができる。医薬活性物質の量(合計固形分に対し)が、例えば、30%(w/w)であり、低分子量デキストランの量が60%(w/w)である場合、当業者は彼がせいぜい10%(w/w)のイソロイシンを噴霧溶液/懸濁液に添加し得ることを知っている。
別の実施態様によれば、噴霧すべき溶液が低分子量デキストランに加えて一種以上のトリペプチド、好ましくはイソロイシンを含むトリペプチド、最も好ましくはトリイソロイシンを含む。固形分がa)少なくとも50%(w/w)、好ましくは60〜98.99%(w/w)の低分子量デキストラン、b)1〜19%(w/w)のトリペプチド、好ましくはトリイソロイシン、及びc)少なくとも0.01%(w/w)の医薬活性物質、好ましくはペプチド/タンパク質、例えば、抗体を含む噴霧のための溶液/懸濁液が、有利であり、固体成分の合計はせいぜい100%(w/w)である。医薬活性物質の量は0.01〜せいぜい39%(w/w)であることが好ましい。当業者は相当する粉末を調製し、固体成分の合計が100%(w/w)を越えないようにその量(重量基準)を適合することができる。医薬活性物質の量(合計固形分に対し)が、例えば、30%(w/w)であり、低分子量デキストランの量が60%(w/w)である場合、当業者は彼がせいぜい10%(w/w)のトリペプチド、好ましくはトリイソロイシンを噴霧すべきである溶液/懸濁液に添加し得ることを知っている。
前記のように、噴霧すべきである溶液を3〜11、好ましくは3.5〜9、最も好ましくは4.0〜7.8のpHで調製し、噴霧することが有利である。好適な緩衝系が当業者に知られている。通常、無機塩又は有機塩を緩衝系として使用することが特に有利である。
典型的には、夫々のタンパク質又はペプチドに最適の賦形剤及びタンパク質含量が実験により決められる。本発明の好ましい製剤はまた粉末特性、例えば、分散性及び流動性を改良するとともに優れた凝集抑制特性を保持するために少なくとも一種のその他の賦形剤を含んでもよい。
噴霧は通常の噴霧乾燥機、例えば、Niro A/S社(ソエボルグ、DK)、Buchi Labortechnik GmbH (フラウィル、CH)等によりつくられた装置中で行なわれる。噴霧乾燥に最適の条件は夫々の場合に相当する製剤に依存し、実験により決められるべきである。使用されるガスは典型的には空気であるが、窒素又はアルゴンの如き不活性ガスがまた好適である。加えて、噴霧乾燥温度、即ち、入口温度及び出口温度は、使用される活性物質の温度感受性に従って決められ、夫々の場合に使用される安定剤に依存する。50-200℃の入口温度が通常であり、一方、出口温度は通常30-150℃である。本発明の範囲内で、約170-185℃の入口温度及び80-100℃の出口温度が使用された。しかしながら、かなり高い温度、例えば、安定剤の量に依存して、200℃まで、好ましくは90-185℃の入口温度及び120℃まで、好ましくは90-105℃の出口温度がまた可能である。噴霧は一般に約20-150psi(1.4-10.5kg/cm2)、好ましくは約30又は40-100psi(2.1又は2.8-7.0kg/cm2)、例えば、30、40、50、60、70、80、90又は100psi(2.1、2.8、3.5、4.2、4.9、5.6、6.3又は7.0kg/cm2)の圧力で行なわれる。
ビュッヒ噴霧機に関して、“液体供給速度”は通常0.1〜100ml/分、好ましくは0.1〜30ml/分、例えば、約3ml/分である。これに関して、20-40m3/時間、好ましくは30-40m3/時間、例えば、35m3/時間のアスピレーター流量及び0.3-2.5m3/時間、好ましくは約0.67m3/時間の噴霧化流量が特に好適と判明した。
噴霧乾燥活性物質製剤、好ましくは粉末タンパク質製剤は、必要により第二の穏やかな乾燥(後乾燥)にかけられてもよい。その目的は2%(w/w)未満の製剤中の一様な残留含水量を得、それにより活性物質安定性を改良するとともに粉末の性質、例えば、ガラス転移温度、流動性及び分散性を改良するためである。後乾燥のプロセスの条件は活性物質の凝集物形成がかなり増大されないように選ばれる必要がある。これは特に生物学的巨大分子の使用、例えば、ペプチド/タンパク質の使用に適用される。噴霧乾燥粉末活性物質製剤は乾燥条件下で(低い相対湿度で)調製され、加工され、貯蔵されることが好ましい。後乾燥のプロセスは粉末を比較的高い湿度レベルで調製し、デカントすることを可能にする。驚くことに、本発明が関する賦形剤は非最適の加工条件及び貯蔵条件下でさえもタンパク質を好ましい製剤中で安定化する。
噴霧乾燥された乾燥粉末製剤の性質
本発明の範囲内で調製された乾燥粉末タンパク質製剤は15%(w/w)未満、通常10%(w/w)未満、好ましくは6%(w/w)未満の残留含水量を有する。噴霧乾燥粉末タンパク質製剤は更に好ましくは3%(w/w)未満、最も好ましくは2%(w/w)未満、最も好ましくは0.2〜2.0%(w/w)の残留含水量を有する。低い残留含水量を有する製剤は一般に未包装及び貯蔵中の改良された安定性を示す。更に、本発明の乾燥粉末タンパク質製剤は主として吸湿性であり、即ち、それらはそれらの環境から水分を吸収する傾向を有する。これを避けるために、この種の粉末は通常水分を排除してブリスターパックの如き容器中に包装される。
ここに記載された賦形剤の安定化効果は噴霧乾燥及び貯蔵中にタンパク質を苛酷なストレスから保護することができる。賦形剤の不在下では、噴霧乾燥された純粋なタンパク質製剤はかなりの程度に凝集物を形成する。プロセス関連因子、例えば、熱、せん断応力及び空気/水界面における変性が噴霧乾燥中に凝集を生じ(約3.7%までの凝集物)、続いて乾燥後に凝集を生じる(約4.0%までの凝集物)。貯蔵中に、大量の凝集物形成がタンパク質の安定化水和物被覆の不在の結果として起こる(約11.8%から約18.9%までの凝集物)。
本発明の好ましい噴霧乾燥製剤は、純粋なタンパク質製剤と違って、凝集物の形成を噴霧乾燥後に減少するとともにまたそれを異なる貯蔵条件下で非常に低いレベルに保つことができる。噴霧乾燥の結果として、わずかに約1.1%〜約1.4%の凝集物が好ましい製剤中で形成され、これに対して純粋なタンパク質製剤中では約4.0%の凝集物が形成される。第二の穏やかな乾燥にかけられる好ましい製剤は、増大された凝集物形成の傾向を示さない。特に挑戦的な貯蔵条件(40℃、75%の相対湿度)下では、好ましい製剤(約5.1%〜約10.1%の凝集物)は純粋なタンパク質製剤(約18.9%の凝集物)及び賦形剤としてトレハロースを含む同様の参考製剤よりも明らかに優れている。
特に不安定な条件(40℃、75%の相対湿度で1週間)下の比較的短い貯蔵中でさえも混入されたタンパク質について有意な安定化効果を有する製剤はまた一層穏やかな通常の貯蔵条件下で長期にわたってタンパク質を安定化する(例えば、約25℃で、乾燥条件で、1年)。
噴霧乾燥条件を変えることにより、好ましくは20μm未満、好ましくは10μm未満の平均粒子サイズ(MMD)を有する粉末を製造することが可能である。特に好ましい実施態様によれば、本発明のこれらの粒子は7.5μm未満、好ましくは5μm未満の平均粒子サイズを有する。4μm未満、更に好ましくは3.5μm未満の平均粒子サイズを有する粒子が特に好ましい。一般に、0.1-5μm、好ましくは0.2-4μmの平均粒子直径を有する粒子を調製することがまた可能である。別の実施態様において、少なくとも40μm、好ましくは40〜200μmの粒子サイズを有する吸入できない粒子が、相当する粉末と混合される。
平均粒子サイズ(MMD)とは別に、吸入性は本質的に平均空気力学的粒子直径(MMAD)に依存する。本発明の粒子は好ましくは10μm未満、更に好ましくは7.5μm未満のMMADを有する。5.5μm未満、好ましくは5μm未満、更に好ましくは4.5μm未満のMMADを有する粒子からなる粉末が特に有利である。実施例に記載された粉末は最適の噴霧乾燥条件並びに本発明の賦形剤の選択及び濃度の組み合わせにより相当する粒子サイズで製造し得る。特に、アミノ酸及び/又はトリペプチドの添加は7.5未満、好ましくは5.5未満のMMADを有する吸入可能な粒子の増大された比率により改良された粒子性能をもたらす。イソロイシン又はトリイソロイシンの添加により、30%以上、好ましくは40%以上、更に好ましくは50%以上、更に好ましくは55%以上のFPFを有する吸入可能な粉末が調製し得る(実施例を参照のこと)。
本発明の粉末はまた少なくとも45℃、好ましくは少なくとも50℃、更に好ましくは少なくとも55℃、更に好ましくは少なくとも60℃のガラス転移温度を特徴とする。特に好ましい粉末は少なくとも65℃のガラス転移温度を有する。一般に、本発明のデキストランを含む粉末のガラス転移温度は60〜65℃である。それ故、本発明はまた医薬活性物質及び低分子量デキストランを含む粉末、好ましくは噴霧乾燥粉末に関するものであり、そのガラス転移温度は45℃以上、好ましくは45〜70℃である。別の好ましい実施態様によれば、ガラス転移温度が55℃以上、好ましくは55〜70℃である。
噴霧乾燥粉末の使用
本発明の粉末は医薬組成物の調製、好ましくは吸入のための薬物の調製に適している。
本発明の粉末の投与
基本的に、本発明の粉末製剤は所謂乾燥粉末吸入器を使用して乾燥粉末として直接に、又は所謂ネブライザーを使用してエアロゾルの形態で再生後に投与されてもよい。本発明の吸入可能な粉末は従来技術により知られている吸入器を使用して投与されてもよい。
本発明の吸入可能な粉末は、例えば、米国特許第4570630A号に記載された測定チャンバーを使用して単一用量を供給源から送出する吸入器により、又はDE 36 25 685Aに記載されたようなその他の手段により投与されてもよい。本発明の吸入可能な粉末は、例えば、WO 94/28958に記載されたような吸入器中に使用されるカプセルに詰められることが好ましい(所謂インハレットを製造するために)。
好適な吸入器のその他の例がとりわけ米国特許第5,458,135号、同第5,785,049号又はWO 01/00263に見られるかもしれない。その他の好適な吸入器がWO 97/41031、米国特許第3,906,950号及び同第4,013,075号により知られている。乾燥粉末製剤のためのその他の分散吸入器がEP 129 985、EP 472 598、EP 467 172及び米国特許第5,522,385号に記載されている。
本発明の吸入可能な粉末は、例えば、製品名ターブハラー(登録商標)(アストラゼネカLP)により知られている吸入器を使用して、又は、例えば、EP 237 507 Aに開示された吸入器で投与されてもよい。その他の好適な吸入器はロータハラー(登録商標)又はディスカス(登録商標)(両方ともグラクソスミスクライン社製)、スピロスTM吸入器(デュラ・ファーマシューティカルズ)及びスピンハラー(登録商標)(フィスコン)である。
本発明のインハレット中の医薬組み合わせを投与するのに特に好ましい吸入器が図12に示されている。カプセルから粉末医薬組成物を吸入するためのこの吸入器(ハンディハラー)は二つのウィンドー2を含むハウジング1、空気入口ポートがあり、スクリーンハウジング4により固定されたスクリーン5を備えているデッキ3、デッキ3に連結された吸入チャンバー6(その上に二つの鋭いピン7を備え、かつばね8にカウンター移動できるプッシュボタン9がある)、及びマウスピース12(これはスピンドル10によりハウジング1、デッキ3及びカバー11に連結されてそれが開閉してはじかれることを可能にする)だけでなく、流れ抵抗を調節するための通気穴13を特徴とする。
本発明の吸入可能な粉末は上記の好ましい使用のためにカプセル(インハレット)に詰められる場合、夫々のカプセルに詰められる量は1〜30mgであるべきである。
本発明の粉末はまた噴射剤を含む吸入可能なエアロゾルとして投与されてもよい。このために、本発明の粉末は水溶液中で再生される。好適な溶液が当業界で知られている。例えば、粉末を3-11、好ましくは4-9のpHを有する生理学的溶液中で再生することが有利である。5.5-7.8のpHを有する水溶液中の再生が特に有利である。本発明の粉末を再生するための溶液はまた安定剤、乳化剤、表面活性剤又は水溶性有機溶媒の形態の更なる賦形剤を含んでもよい。相当する物質が当業者に知られており、例えば、Bauer, Lehrbuch der Pharmazeutischen Technologie, Wissenschaftl, Verlagsgesellschaft mbH, Stuttgart, 178-184; Adler, 1998, Journal of Pharmaceutical Sciences, 88(2), 199-208に記載されている。
本発明の粉末を再生することにより調製される相当する吸入可能なエアロゾルがまた本発明の主題である。
本発明の吸入可能なエアロゾルを調製するのに使用し得る噴射剤ガスがまた従来技術により知られている。好適な噴射剤ガスは炭化水素、例えば、n-プロパン、n-ブタン又はイソブタン及びハロ炭化水素、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、シクロプロパン又はシクロブタンの好ましくは塩素化され、フッ素化された誘導体の中から選ばれる。上記噴射剤ガスはそれら自体で使用されてもよく、又はそれらの混合物中で使用されてもよい。特に好ましい噴射剤ガスはTG11、TG12、TG134a(1,1,1,2-テトラフルオロエタン)、TG227(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン)及びこれらの混合物から選ばれたハロゲン化アルカン誘導体であり、噴射剤ガスTG134a、TG227及びこれらの混合物が好ましい。
本発明の噴射剤ガスを含む吸入可能なエアロゾルは5%(w/w)までの活性物質を含んでもよい。本発明のエアロゾルは、例えば、0.002〜5重量%、0.01〜3重量%、0.015〜2重量%、0.1〜2重量%、0.5〜2重量%又は0.5〜1重量%の医薬活性物質を含む。この範囲の活性物質濃度を有する吸入可能なエアロゾルは相当する量の溶媒中の本発明の粉末の調節された再生により調製されてもよい。
上記本発明の噴射剤誘導吸入エアロゾルは当業界で知られている吸入器(MDI=計量投薬吸入器)を使用して投与されてもよい。ここでベントリン(登録商標)(ベントリン・ファーマシイ)又は米国特許第5,32,094号もしくは同第5,672,581号に記載された吸入器が参考にされるかもしれない。それ故、別の局面において、本発明はこれらのエアロゾルを投与するのに適した一つ以上の吸入器と組み合わされた前記のような噴射剤誘導エアロゾルの形態の医薬組成物に関する。加えて、本発明はそれらが本発明の上記された噴射剤ガスを含むエアロゾルを含むことを特徴とする吸入器に関する。
本発明はまた好適な弁を取り付けられ、好適な吸入器中で使用でき、本発明の上記噴射剤ガスを含む吸入エアロゾルの一種を含むカートリッジに関する。好適なカートリッジ及びこれらのカートリッジに本発明の噴射剤ガスを含む吸入可能なエアロゾルで充填する方法は従来技術により知られている。
本発明の粉末はまた噴射剤を含まない吸入可能な溶液又は懸濁液中で再生されてもよい。相当する噴射剤を含まない吸入可能な溶液は、例えば、水性又はアルコール性、好ましくはエタノール性の溶媒、必要により水性溶媒と混合されてもよいエタノール性溶媒を含む。水性/エタノール性溶媒混合物の場合、水と較べられたエタノールの相対比率は制限されないが、その最大量は好ましくは70容量%まで、更に特別には60容量%までのエタノールである。容積の残部は水で構成される。上記補助溶媒及び/又はその他の賦形剤が本発明の噴射剤を含まない溶液に添加されてもよい。好ましい補助溶媒はヒドロキシル基又はその他の極性基を含む補助溶媒、例えば、アルコール、特にイソプロピルアルコール、グリコール、特にプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリコエーテル、グリセロール、ポリオキシエチレンアルコール及びポリオキシエチレン脂肪酸エステルである。この状況で賦形剤及び添加剤という用語は活性物質ではないが、活性物質製剤の定性的性質を改良するために薬理学上好適な溶媒中で一種以上の活性物質とともに製剤化し得るあらゆる薬理学上許される物質を表す。これらの物質は薬理学的効果を有さず、又は、所望の治療と関連して、認められる望ましくない薬理学的効果を有しないか、もしくは望ましくない薬理学的効果を少なくとも有しないことが好ましい。賦形剤及び添加剤として、上記のものに加えて、例えば、表面活性剤、例えば、大豆レシチン、オレイン酸、ソルビタンエステル、例えば、ポリソルベート、ポリビニルピロリドン、その他の安定剤、錯生成剤、酸化防止剤及び/又は防腐剤(これらは完成医薬製剤の貯蔵寿命を保証又は延長する)、矯味矯臭薬、ビタミン及び/又は当業界で知られているその他の添加剤が挙げられる。添加剤としてまた、薬理学上許される塩、例えば、等張剤としての塩化ナトリウムが挙げられる。好ましい賦形剤として、酸化防止剤、例えば、アスコルビン酸(但し、それがpHを調節するために既に使用されていないことを条件とする)、ビタミンA、ビタミンE、トコフェロール及び同様のビタミン並びに人体中で生じるプロビタミンが挙げられる。防腐剤が製剤を病原体による汚染から保護するのに使用されてもよい。好適な防腐剤は当業界で知られているもの、特にセチルピリジニウムクロリド、ベンズアルコニウムクロリドもしくは安息香酸又はベンゾエート、例えば、従来技術により知られている濃度の安息香酸ナトリウムである。上記防腐剤は好ましくは50mg/100mlまで、更に好ましくは5〜20mg/100mlの濃度で存在する。それ故、本発明はまた本発明の粉末を再生することにより調製される噴射剤を含まない吸入可能なエアロゾルを含む。
本発明の噴射剤を含まない吸入可能な溶液は少量の液体製剤を治療用量で数秒以内に噴霧して治療吸入に適したエアロゾルを生じることができる種類の吸入器を特に使用して投与される。本発明の範囲内で、好ましい吸入器は100μL未満、好ましくは50μL未満、更に好ましくは10〜30μLの量の活性物質溶液が好ましくは1回の噴霧作用で噴霧されて20μm未満、好ましくは10μm未満の平均粒子サイズを有するエアロゾルを生成することができ、その結果、エアロゾルの吸入可能な部分が治療有効量に相当する吸入器である。
計量された量の吸入のための液体医薬組成物の無噴射剤送出のためのこの種の装置が、例えば、国際特許出願WO 91/14468そしてまたWO 97/12687(特に図6a及び6bを参照のこと)に記載されている。本発明の範囲内でその記載の関連部分を含むWO 97/12687の相当する図6a及び6bが特別に参考にされる。その中に記載されたネブライザー(装置)がまた名称レスピマット(登録商標)(ベーリンガー・インゲルハイム・ファーマ)により知られている。その円筒形の形状及び長さ9〜15cmかつ幅2〜4cm未満のハンディサイズのために、この装置は常時患者により運ばれる。そのネブライザーは吸入可能なエアロゾルを生じるように小さいノズルを通って高圧を使用して特定容積の医薬製剤を噴霧する。
好ましいアトマイザーは
−上部ハウジング部分に固定され、ノズル又はノズル配置を有するノズルボディを一端に含むポンプハウジング、
−弁ボディを有する中空プランジャー、
−中空プランジャーが固定され、上部ハウジング部分に位置される出力テークオフフランジ、
−上部ハウジング部分に位置されたロッキングメカニズム、
−その中にばねが含まれたばねハウジング(これは回転ベアリングにより上部ハウジング部分に回転可能に取り付けられている)、
−軸方向にばねハウジングにフィットされている下部ハウジング部分
を特徴とする、上部ハウジング部分、ポンプハウジング、ノズル、ロッキングメカニズム、ばねハウジング、ばね及び貯蔵容器から実質的になる。
弁ボディを有する中空プランジャーはWO 97/12687に開示された装置に相当する。それは部分的にポンプハウジングのシリンダーに突き出ており、シリンダー内で軸方向に移動可能である。特に図1〜4、特に図3、及びその記載の関連部分が参考にされる。ばねが始動される瞬間に、弁ボディを有する中空プランジャーが5〜60MPa(約50〜600バール)、好ましくは10〜60MPa(約100〜600バール)の圧力を液体、即ち、測定された量の活性物質溶液にその高圧端部で加える。10〜50マイクロリットルの容積が好ましく、10〜20マイクロリットルの容積が特に好ましく、噴霧当り15マイクロリットルの容積が最も特に好ましい。
弁ボディは弁ボディに面する中空プランジャーの端部に取り付けられることが好ましい。
ノズルボディ中のノズルは微小構造にされ、即ち、ミクロテクノロジーにより製造されることが好ましい。微小構造にされたノズルボディが、例えば、WO 94/07607に開示されている。この明細書の内容、特にそこに開示された図1及び関連記載がここに参考にされる。ノズルボディは、例えば、一緒にしっかりと結合されたガラス及び/又はシリコンの2枚のシートからなり、少なくともその一つがノズル入口端部をノズル出口端部に連結する一つ以上の微小構造にされたチャンネルを有する。ノズル出口端部に、深さ2〜10ミクロン及び幅5〜15ミクロンの少なくとも一つの丸形又は非丸形開口部があり、その深さは4.5〜6.5ミクロンであることが好ましく、長さは7〜9ミクロンであることが好ましい。複数、好ましくは二つのノズル開口部の場合、ノズルボディ中のノズルの噴霧の方向は互に平行に延びてもよく、又はノズル開口部の方向に互に対し傾斜されてもよい。出口端部に少なくとも二つのノズル開口部を有するノズルボディでは、噴霧の方向が互に対し20〜160°、好ましくは60〜150°、最も好ましくは80〜100°の角度で傾斜されてもよい。ノズル開口部は好ましくは10〜200ミクロンの間隔、更に好ましくは10〜100ミクロンの間隔、最も好ましくは30〜70ミクロンの間隔で配置される。50ミクロンの間隔が最も好ましい。
それ故、噴霧の方向はノズル開口部の付近で出会うであろう。
液体医薬製剤は600バールまで、好ましくは200〜300バールの入口圧力でノズルボディに当たり、ノズル開口部により吸入可能なエアロゾルに噴霧される。エアロゾルの好ましい粒子サイズ又は液滴サイズは20ミクロンまで、好ましくは3〜10ミクロンである。
ロッキングメカニズムは機械エネルギーの貯蔵として、ばね、好ましくは円筒形らせんの圧縮ばねを含む。ばねは始動部材として出力テークオフフランジに作用し、その移動はロッキング部材の位置により決められる。出力テークオフフランジの移動は上部ストップ及び下部ストップにより正確に制限される。ばねは上部ハウジング部分が下部ハウジング部分中のばねハウジングに対し逆回転される場合に生じられる外部トルクにより、出力ステップアップギヤ、例えば、らせんスラストギヤを介して、バイアスされることが好ましい。この場合、上部ハウジング部分及び出力テークオフフランジは単一又は多数のV字形ギヤを有する。
かみ合いロッキング表面を有するロッキング部材が出力テークオフフランジのまわりのリング中に配置される。それは、例えば、本来軸方向に弾性変形可能であるプラスチック又は金属のリングからなる。リングはアトマイザーの軸に対し直角に平面に配置される。ばねのバイアス後に、ロッキング部材のロッキング表面が出力テークオフフランジの通路に移動し、ばねが弛緩することを防止する。ロッキング部材はボタンにより始動される。始動ボタンはロッキング部材に連結又は結合される。ロッキングメカニズムを始動させるために、始動ボタンが環の平面に平行に、好ましくはアトマイザーに移動され、これが変型可能なリングを環平面中で変形させる。ロッキングメカニズムの構造の詳細がWO 97/20590に示されている。
下部ハウジング部分は軸方向にばねハイジングに押しやられ、マウンティング、スピンドルのドライブ及び液体のための貯蔵容器を覆う。
アトマイザーが始動される場合、上部ハウジング部分が下部ハウジング部分に対し回転され、下部ハウジング部分がそれとともにばねハウジングを取る。ばねがそれにより圧縮され、らせんスラストギヤによりバイアスされ、ロッキングメカニズムが自動的にかみ合う。回転の角度は360度の全数分率、例えば、180度であることが好ましい。ばねがバイアスされると同時に、上部ハウジング部分中の出力テークオフ部分が所定の距離だけ沿って移動され、中空プランジャーがポンプハウジング中のシリンダー内で取り出され、その結果として、液体の一部が貯蔵容器からノズルの前の高圧チャンバーに吸引される。
所望により、噴霧すべき液体を含む幾つかの交換可能な貯蔵容器が次々とアトマイザーに押しやられ、連続して使用されてもよい。貯蔵容器は本発明の水性エアロゾル製剤を含む。
噴霧方法は始動ボタンを軽く押すことにより開始される。結果として、ロッキングメカニズムは出力テークオフ部材のための通路を開ける。バイアスされたばねがプランジャーをポンプハウジングのシリンダーに押し付ける。液体が噴霧形態でアトマイザーのノズルを出る。
構造の更なる詳細がPCT出願WO 97/12683及びWO 97/20590に開示されており、これらの内容がここに参考にされる。
アトマイザー(ネブライザー)の構成部分はその目的に適している材料からつくられる。アトマイザーのハウジング及び、その運転が許す場合には、その他の部分が同様に、例えば、射出成形により、プラスチックからつくられることが好ましい。医療目的のために、生理学上安全な材料が使用される。
ここにもう一度参考にされる関連記載を含む、WO 97/12687の図6a/bは、相当するネブライザー(レスピマット(登録商標))を示す。これは本発明の噴射剤を含まない吸入可能なエアロゾルを投与するのに特に適している。
WO 97/12687の図6aは張力下のばねを含むアトマイザーの長さ方向の断面を示し、WO 97/12687の図6bは弛緩されたばねを含むアトマイザーの長さ方向の断面を示す。上部ハウジング部分51はポンプハウジング52を含み、その端部にアトマイザーノズルのためのホルダー53が取り付けられている。ホルダー中に、ノズルボディ54及びフィルター55がある。ロッキングクランピングメカニズムの出力テークオフフランジ56に固定された中空ピストン57がポンプハウジングのシリンダーに部分的に突き出ている。中空ピストンはその一端に弁ボディ58を運ぶ。
中空ピストンはガスケット59によりシールされている。上部ハウジング部分内に、ばねが弛緩される場合に出力テークオフフランジが載るストップ60がある。ばねが張力下にある場合に出力テークオフフランジが載るストップ61が出力テークオフフランジに配置される。ばねの引っ張り後に、ロッキング部材62がストップ61と上部ハウジング部分中の支持体63の間で摺動する。始動ボタン64がロッキング部材に連結される。上部ハウジング部分はマウスピース65中で終端し、除去可能な保護キャップ66により閉じられる。圧縮ばね68を含むばねハウジング67がスナップフィットラグ69及び回転ベアリングにより上部ハウジング部分に回転可能に取り付けられる。下部ハウジング部分70がばねハウジングに押し付けられる。ばねハウジング内に、噴霧されるべきである液体72のための交換可能な貯蔵容器71がある。貯蔵容器がストッパー73により閉じられ、その中に中空ピストンが貯蔵容器に突き出て、その端部を液体(活性物質溶液の供給)中に浸漬する。機械カウンターのためのスピンドル74がばねハウジングの外部に取り付けられる。駆動ピニオン75が上部ハウジング部分に面するスピンドルの端部に配置される。スピンドル上に、スライダー76がある。
本発明の製剤が上記方法(レスピマット(登録商標))を使用して噴霧される場合、吸入器の全ての始動(パフ)の少なくとも97%、好ましくは少なくとも98%で排出される質量は、この量の25%、好ましくは20%以下のトレランスの範囲の特定量に相当すべきである。製剤好ましくは5〜30mg、製剤更に好ましくは5〜20mgがパフ当たりの特定質量として送出される。
しかしながら、本発明の製剤はまた上記吸入器以外の吸入器、例えば、ジェット流吸入器又はその他の固定吸入器を使用して噴霧し得る。
それ故、別の局面において、本発明はこれらの製剤を投与するのに適した装置と連係して、好ましくはレスピマット(登録商標)と連係しての前記噴射剤を含まない吸入可能な溶液又は懸濁液の形態の医薬組成物に関する。好ましくは、本発明はレスピマット(登録商標)として知られている装置と連係しての、本発明の粉末の一種を含む、噴射剤を含まない吸入可能な溶液又は懸濁液に関する。更に、本発明は、それらが上記本発明の噴射剤を含まない吸入可能な溶液又は懸濁液を含むことを特徴とする、吸入のための上記装置、好ましくはレスピマット(登録商標)に関する。
本発明によれば、単一製剤中に本明細書に記載された発明の粉末の一種を含む吸入可能な溶液が好ましい。
本発明の噴射剤を含まない吸入可能な溶液又は懸濁液は使用に供される濃厚液又は無菌の吸入可能な溶液もしくは懸濁液だけでなく、レスピマット(登録商標)中の使用について設計された上記溶液及び懸濁液の形態をとってもよい。使用に供される製剤は、例えば、等張塩溶液の添加により濃厚液から生成されてもよい。使用に供される無菌製剤はエネルギー運転式の固定ネブライザー又はポータブルネブライザー(これらは超音波又はベンチュリ原理もしくはその他の原理による圧縮空気により吸入可能なエアロゾルを生じる)を使用して投与されてもよい。
それ故、別の局面において、本発明は装置が超音波又はベンチュリ原理もしくはその他の方法による圧縮空気により吸入可能なエアロゾルを生じるエネルギー運転式の自立ネブライザー又はポータブルネブライザーであることを特徴とする、これらの溶液を投与するのに適した装置と組み合わされた、使用に供される濃厚液又は無菌製剤の形態をとる前記噴射剤を含まない吸入可能な溶液又は懸濁液の形態の医薬組成物に関する。
再生されたエアロゾルを吸入するのに適したその他の好適なネブライザーはAERxTM(アラダイム)、ウルトラベント(登録商標)(マリンクロット)及びアコンII(登録商標)(マクエスト・メディカル・プロダクツ)である。
装置及び方法
物質
約148kDaの分子量を有するヒト化モノクローナル抗体をIgG1として使用した。その抗体をマウス抗体から誘導し、この場合、マウス抗体の相補性決定領域をヒト免疫グロブリン構造に導入した。キメラ抗体を95%のヒト含量及び5%のマウス含量で生成した。抗体をマウスミエローマ細胞系により発現する。細胞をタンジェンシャル・フロー・ミクロフィルトレーションにより除去し、細胞を含まない溶液を種々のクロマトグラフィー方法により精製する。その他の工程はヌクレアーゼ処理、低pHにおける処理及びナノフィルトレーションを含む。抗体を含むバルク溶液は25mMヒスチジン及び1.6mMグリシンを緩衝剤として含み、噴霧乾燥のための溶液の調製のために、ジアフィルトレーションにより約100mg/mlに濃縮した。噴霧溶液の調製のためのバルクは0.8%の凝集物を含んでいた。完成薬物は少なくとも2年にわたって2-8℃で貯蔵し得る。約1000Daの平均分子量を有する低分子量デキストラン1又はデキストラン1000をアメーシャム・バイオサイエンシィズAB(アップセラ、スウェーデン)から入手する。トレハロースをゲオルグ・ブロイエルGmbH(ドイツ)から得る。L-イソロイシンをシグマ-アルドリッヒ・ケミイGmbH(ドイツ)から得た。トリイソロイシンをアイリス・バイオテクGmbH(ドイツ)から得た。ニワトリアルブミンリゾチーム(リゾチーム)、135500U/mgを、SERVAエレクトロフォレシスGmbH(ドイツ)から得た。合成サケカルシトニン(カルシトニン)をバイオトレンド・ケミカリエンGmbH(ドイツ)から得た。
ビュッヒB-290による噴霧乾燥
ビュッヒ・ラボルテクニク社(AG、CH)製ビュッヒ・ミニ噴霧乾燥機B-290を使用して、噴霧乾燥を行なった。製剤の噴霧乾燥を主として“噴霧乾燥ハンドブック”, 第5編, K. Masters, John Wiley and Sons, Inc., NY, NY (1991)に記載されたようにして行なった。
その噴霧乾燥機は加熱システム、フィルター、アスピレーター、乾燥タワー、サイクロン、入口温度及び出口温度を測定するための温度センサー並びに回収容器からつくられている。噴霧すべき溶液をぜん動ポンプにより2物質ノズルにポンプ輸送する。そこで、圧縮空気を使用して溶液を小液滴に噴霧する。加熱空気(これはアスピレーターにより直接流方法により噴霧タワーに吸引される)を使用して、噴霧タワー中の乾燥を行なう。生成物をサイクロンに通した後に回収容器中で回収する。
2種の異なるサイクロンを使用した:
・サイクロンI:ビュッヒサイクロン (製品番号4189)
・サイクロンII:ビュッヒ高性能サイクロン (製品番号46369)。
噴霧溶液の固形分は50ml中で10%(w/v)、300ml中で3.33%及び600ml中で3.33%であった。入口温度は約170〜185℃であり、液体供給速度は約3ml/分であり、アスピレーター流量は35m3/時間であり、アトマイザー流量は0.67m3/時間であった。これは約80-95℃の出口温度を生じた。
X線回折測定(広角X線回折測定(WAXS))
乾燥サンプルの結晶性を測定するために、サンプルを22℃の制御温度のチャンバー中でザイフェルトX線ディフラクトメーターXRD3000TT(ザイフェルト社、アーレンズブルグ、DE)で調べた。X線チューブCuアノード、λ=0.15418mmを有するCu-Kα放射線(Niプライマリーフィルター)を40kVのアノード電圧及び30mAの電流強さで運転した。サンプル皿をその装置に入れた後に、サンプルを夫々の角度で2秒の測定時間で2θ=0.05°のスキャン速度で5〜40°の範囲で測定した。
粉末回折図をSC1000V検出器でスキャンX-レイフレックスアプリケーション、バージョン3.07装置XRD3000(スキャン)、又はレイフレックスバージョン2.1、1996(アナリシス)で撮影した。
サイズ排除クロマトグラフィー(SEC-HPLC)
a)可溶性IgG1タンパク質凝集物
SEC-HPLCを使用して再生粉末中のIgG1-タンパク質凝集物を定量した。SEC-HPLCをアギレント社製HP1090で行なった。分離に使用したカラムはトーソー・バイオセプ社(トーソー・バイオサイエンス、シュタットガルト、DE)製TSK3000SWXLカラム(300x7.8mm)であった。使用した溶離剤は0.1Mリン酸水素二ナトリウム二水和物、0.1M硫酸ナトリウムからなる緩衝剤(これは脱水され、85%のオルトリン酸でpH6.8に調節された)であった。入れられたサンプルの量は2-10mg/mlのタンパク質濃度で25μlであった。アギレント社製ダイオードアレイ検出器を280nmで使用してタンパク質を検出した。アギレント製ケムステーションソフトウェアを使用してクロマトグラフを評価した。
b)可溶性カルシトニンタンパク質凝集物
再生粉末中のカルシトニンタンパク質凝集物を定量するために、SEC-HPLCを行なった。アギレント社製HP1100を使用してSEC-HPLCを行なった。分離に使用したカラムはトーソー・バイオセプ社(トーソー・バイオサイエンス、シュタットガルト、DE)製TSK3000SWXLカラム(300x7.8mm)であった。使用した溶離剤は約6のpHを有する0.25硫酸ナトリウムからなる緩衝剤(Windischらの1997年の文献)であった。入れられたサンプルの量は0.5-2mg/mlのタンパク質濃度で20μlであった。アギレント社製UV検出器を210nmで使用してタンパク質を検出した。アギレント製HP-ケムステーションソフトウェアを使用してクロマトグラフを評価した。
c)リゾチーム残留モノマー含量
再生リゾチーム製剤中のリゾチーム残留モノマー含量を定量するために、改良SEC-HPLCを行なった(van de Weertの2000年の文献)。アギレント社製HP1100を使用してSEC-HPLCを行なった。分離に使用したカラムはトーソー・バイオセプ社(トーソー・バイオサイエンス、シュタットガルト、DE)製TSK2000SWXLカラム(300x7.8mm)であった。使用した溶離剤は0.05Mリン酸水素二ナトリウム二水和物及び0.2M塩化ナトリウムからなる緩衝剤(85%のオルトリン酸でpH7.0に調節された)であった。入れられたサンプルの量は2-10mg/mlのタンパク質濃度で25μlであった。アギレント社製UV検出器を280nmで使用してタンパク質を検出した。アギレント製ケムステーションソフトウェアを使用してクロマトグラフを評価した。
製剤を評価するために、残存する可溶性モノマーを以下の方法により定量した。最初に、2.5mg/ml、5.0mg/ml及び10mg/mlの濃度を有するリゾチーム標準溶液を使用して較正線を描いた。モノマーピークのAUCを研究下の標準溶液中の相当するリゾチーム濃度に関して研究した。
較正線を使用して、研究下の種々のリゾチーム製剤の残留モノマー含量を計算した。製剤の残留モノマー含量が高い程、タンパク質安定性が良好である。
粒子サイズ(MMD)の測定
シンパテクGmbH社(クラウシュタール-ツェーレルフェルト、DE)製シンパテク・ヘロスを使用して、粒子の質量メジアン直径又は平均粒子サイズを測定した。測定原理はヘリウムネオンレーザーを使用する、レーザー回折に基づく。粉末1-3mgを2バールの空気圧で分散させ、フーリエレンズ(50mm)の前の平行レーザービームに通した。フラウンホッファーモデルを使用して、粒子サイズ分布を評価した。2回の測定を夫々の粉末について行なった。
質量メジアン直径(MMAD)及び微粒子フラクション(FPF)
測定のために、粉末12-18mgを硬質ゼラチンカプセル(サイズ3)に移し、ハンディハラー(ベーリンガー・インゲルハイム社製粉末吸入器)に入れた。アダプターを使用して、ハンディハラーを測定装置のインパクター入口のUSP EP/スロートに結合し、粉末を6.15秒の摂取時間で39.0リットル/分の速度で送出した。空気スループットを外部制御壁により制御した。少なくとも三つのカプセルを夫々の粉末について測定した。
TSI社(MN、米国)のAPS 3321をインパクトリンレット3306と連係して使用して1工程インパクター(39L/分における有効カットオフ直径:5.0μm)を使用して飛行時間及び微粒子フラクション(FPF)を測定することにより空気力学的粒子サイズ(MMAD)を同時に測定する。EP/USPスロート又はサンプル誘導ポートにより放出した後に、粉末が細いキャピラリーに到達し、そこで飛行時間を測定するために粉末の0.2%を等速条件下で除去することができる。光バリヤーと同様に特定距離について飛行時間を検出する2レーザービームにキャピラリーを通した後に飛行時間を測定する。結果として、分布数値を得、次いでこれを質量分布ひいては質量メジアン空気力学的直径(MMAD)に変換する。
次いで1工程インパクターを使用して、キャピラリーを過ぎて移動した粉末集団の残りの99.8%を分離する。5.0μmより大きいフラクションを質量慣性の結果としてインパクター中のじゃま板の上に付着する。微粒子フラクション(FPF)は空気流に追随し、最後に深部フィルター上に付着される。微粒子フラクションを重量測定により測定する。微粒子フラクションを使用した粉末、即ち、夫々のカプセルについて計量された粉末の合計量に対するフィルター上に付着された粉末の量から計算する。
残留含水量
乾燥製品中の残留含水量を電量滴定(703滴定スタンドを含むメトローム737KF電量計、ドイツ)により測定した。測定のために、粉末をメタノール(ヒドラナール−乾燥メタノール、VWR/メルク・ユーロラブ)に溶解又は分散した。メトローム電量計の測定溶液(ヒドラナール−クーロマット溶液、VWR/メルク・ユーロラブ)を測定の開始時に調節し、即ち、測定溶液を水のゼロ含量に較正した。サンプルを滴定セルに注入し、測定した。
安定性の測定
粉末を噴霧乾燥後に異なる安定性について調べた。IgG1及びカルシトニンの場合、タンパク質凝集物の%量を製剤の安定性の測定として使用した。リゾチームの場合、残留モノマー含量の%量を製剤の安定性の測定として使用した。本発明に記載された革新的賦形剤を基準としての純粋なタンパク質製剤及び必要により同様のトレハロース製剤と比較した。凝集物を検出するための分析をUV検出(DAD)とともに有効化サイズ排除クロマトグラフィー(SEC-HPLC)で行なった。これのために、前処理した粉末を最初に高度に純粋な水(pH6〜8)中で再生した。
選ばれた製剤を開放ガラスバイアル中で約40℃及び約75%の相対湿度(40℃、75%rh)で1週間の開放貯蔵後にそれらの安定性について調べた(強制貯蔵安定性)。
選ばれた製剤を噴霧乾燥及び真空乾燥後に窒素下でシールされたガラスバイアル中で2-8℃、25℃及び40℃で貯蔵した。製剤を1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月及び12ヶ月後に除去し、それらの安定性について試験した(1年にわたる安定性)。
(実施例1)
10%(w/v)IgG1製剤の噴霧乾燥
グリシンヒスチジン緩衝液、pH6(物質を参照のこと)中で製剤化された、約109mg/mlの濃度の純粋なIgG1を、脱イオン水(pH約7.5)で100mg/mlの含量に希釈し、サイクロンIを使用して上記のその他の賦形剤の不在下で噴霧乾燥した。溶液の容積は50mlであった。凝集物の含量を上記のように調べた。強制貯蔵後に、再生粉末の溶液は約18.9%の凝集物を含んでいた。
9%(w/v)トレハロース1%(w/v)IgG1を含む製剤の噴霧乾燥
トレハロース4.5gを脱イオン水(pH約7.5)約40mlに溶解した。次に、グリシンヒスチジン緩衝液、pH6(物質を参照のこと)中で製剤化された、約109mg/mlの濃度の純粋なIgG1約4.6mlを、脱イオン水(pH約7.5)で50mlの容積に希釈した。こうして得られた溶液は約9%(w/v)の賦形剤又はマトリックス及び1%(w/v)のタンパク質を含み、サイクロンIを使用してこれを上記のように噴霧乾燥した。凝集物の含量を上記のように調べた。強制貯蔵後に、再生粉末の溶液は約12.6%の凝集物を含んでいた。
9%(w/v)のデキストラン10001%(w/v)のIgG1を含む製剤の噴霧乾燥
デキストラン1000 4.5gを脱イオン水(pH約7.5)約40mlに溶解した。次に、グリシンヒスチジン緩衝液、pH6(物質を参照のこと)中で製剤化された、約109mg/mlの濃度の純粋なIgG1約4.6mlを、脱イオン水(pH約7.5)で50mlの容積に希釈した。こうして得られた溶液は約9%(w/v)の賦形剤又はマトリックス及び1%(w/v)のタンパク質を含み、サイクロンIを使用してこれを上記のように噴霧乾燥した。凝集物の含量を上記のように調べた。下記の凝集物含量を貯蔵安定性について得た。強制貯蔵後に、再生粉末の溶液は約5.1%の凝集物を含んでいた。
2.00%(w/v)のデキストラン1000 1.33%(w/v)のIgG1を含む製剤の噴霧乾燥
デキストラン1000 3.0gを脱イオン水(pH約7.5)約120mlに溶解した。次に、グリシンヒスチジン緩衝液、pH6(物質を参照のこと)中で製剤化された、約102.8mg/mlの濃度を有する純粋なIgG1約19.5mlを、脱イオン水(pH約7.5)で150mlの容積に希釈した。こうして得られた溶液は約2.0%(w/v)の賦形剤又はマトリックス及び1.33%(w/v)のタンパク質を含み、サイクロンIIを使用してこれを上記のように噴霧乾燥した。凝集物の含量を上記のように調べた。下記の凝集物含量を貯蔵安定性について得た。強制貯蔵後に、再生粉末の溶液は約11.1%の凝集物を含んでいた。
(実施例2)
8%(w/v)のトレハロース1%(w/v)のL-イソロイシン1%(w/v)のIgG1を含む製剤の噴霧乾燥
トレハロース4g及びL-イソロイシン0.5gを超音波浴中で脱イオン水(pH約7.5)約40mlに溶解した。次に、グリシンヒスチジン緩衝液、pH6(物質を参照のこと)中で製剤化された、約109mg/mlの濃度を有する純粋なIgG1約4.6mlを添加し、脱イオン水(pH約7.5)で50mlの容積に希釈した。こうして得られた溶液は約9%(w/v)の賦形剤又はマトリックス及び1%(w/v)のタンパク質を含み、サイクロンIを使用してこれを上記のように噴霧乾燥した。凝集物の含量を上記のように調べた。強制貯蔵後に、再生粉末の溶液は約22.2%の凝集物を含んでいた。
8%(w/v)のデキストラン1000 1%(w/v)のL-イソロイシン1%(w/v)のIgG1を含む製剤の噴霧乾燥
デキストラン1000 4g及びL-イソロイシン0.5gを超音波浴中で脱イオン水(pH約7.5)約40mlに溶解した。次に、グリシンヒスチジン緩衝液、pH6(物質を参照のこと)中で製剤化された、約109mg/mlの濃度を有する純粋なIgG1約4.6mlを添加し、脱イオン水(pH約7.5)で50mlの容積に希釈した。こうして得られた溶液は約9%(w/v)の賦形剤又はマトリックス及び1%(w/v)のタンパク質を含み、サイクロンIを使用してこれを上記のように噴霧乾燥した。凝集物の含量を上記のように調べた。強制貯蔵後に、再生粉末の溶液はわずかに約10.1%の凝集物を含んでいた。第二の大きい混合物中で、同様の製剤(固体20g及び容積200ml)を同じ条件下で噴霧乾燥した。凝集物の含量を上記のように調べた。40℃で12ヶ月の貯蔵(1年の安定性)後に、再生粉末の溶液は約2.5%の凝集物を含んでいた。25℃で3ヶ月の貯蔵(3ヶ月の安定性)後に、再生粉末の溶液は約2.2%の凝集物を含んでいた。2-8℃で3ヶ月の貯蔵(3ヶ月の安定性)後に、再生粉末の溶液は約2.0%の凝集物を含んでいた。得られた粉末をMMD、MMAD及びFPFについて測定した。粉末のMMDを上記のように測定した。粉末のMMDは5.11μmであった。粉末のMMAD及びFPFを上記のように測定した。MMADは6.8μmであり、微粒子フラクションはカプセル中に入れられた粉末の重量に対し34.8%であった。
2.833%(w/v)のデキストラン1000、0.166%(w/v)のL-イソロイシン、0.33%(w/v)のIgG1を含む製剤の噴霧乾燥
デキストラン1000 8.5g及びL-イソロイシン0.5gを超音波浴中で脱イオン水(pH約7.5)約280mlに溶解した。次に、グリシンヒスチジン緩衝液、pH6(物質を参照のこと)中で製剤化された、約102.8mg/mlの濃度を有する純粋なIgG1約9.7mlを、添加し、脱イオン水(pH約7.5)で300mlの容積に希釈した。こうして得られた溶液は約3%(w/v)の賦形剤又はマトリックス及び0.33%(w/v)のタンパク質を含み、サイクロンIIを使用してこれを上記のように噴霧乾燥した。
凝集物の含量を上記のように調べた。強制貯蔵後に、再生粉末の溶液は約6.3%の凝集物を含んでいた。粉末のMMDを上記のように測定した。粉末のMMDは2.98μmであった。粉末のMMAD及びFPFを上記のように測定した。MMADは5.3μmであり、微粒子フラクションはカプセルに入れられた粉末の重量に対し35.2%であった。
2.66%(w/v)のデキストラン1000、0.33%(w/v)のL-イソロイシン、0.33%(w/v)のIgG1を含む製剤の噴霧乾燥
デキストラン1000 8.0g及びL-イソロイシン1gを超音波浴中で脱イオン水(pH約7.5)約280mlに溶解した。次に、グリシンヒスチジン緩衝液、pH6(物質を参照のこと)中で製剤化された、約102.8mg/mlの濃度を有する純粋なIgG1約9.7mlを添加し、脱イオン水(pH約7.5)で300mlの容積に希釈した。こうして得られた溶液は約3%(w/v)の賦形剤又はマトリックス及び0.33%(w/v)のタンパク質を含み、サイクロンIIを使用してこれを上記のように噴霧乾燥した。
凝集物の含量を上記のように調べた。強制貯蔵後に、再生粉末の溶液は約7.1%の凝集物を含んでいた。40℃で12ヶ月の貯蔵(1年の安定性)後に、再生粉末の溶液は約3.3%の凝集物を含んでいた。25℃で12ヶ月の貯蔵(1年の安定性)後に、再生粉末の溶液は約2.3%の凝集物を含んでいた。2-8℃で12ヶ月の貯蔵(1年の安定性)後に、再生粉末の溶液は約1.9%の凝集物を含んでいた。粉末のMMDを上記のように測定した。粉末のMMDは2.75μmであった。粉末のMMAD及びFPFを上記のように測定した。MMADは5.3μmであり、微粒子フラクションはカプセル中に入れられた粉末の重量に対し39.2%であった。
2.33%(w/v)のデキストラン1000、0.66%(w/v)のL-イソロイシン、0.33%(w/v)のIgG1を含む製剤の噴霧乾燥
デキストラン1000 7.0g及びL-イソロイシン2gを超音波浴中で脱イオン水(pH約7.5)約280mlに溶解した。次に、グリシンヒスチジン緩衝液、pH6(物質を参照のこと)中で製剤化された、約102.8mg/mlの濃度を有する純粋なIgG1約9.7mlを、添加し、脱イオン水(pH約7.5)で300mlの容積に希釈した。こうして得られた溶液は約3%(w/v)の賦形剤又はマトリックス及び0.33%(w/v)のタンパク質を含み、サイクロンIIを使用してこれを上記のように噴霧乾燥した。
凝集物の含量を上記のように調べた。強制貯蔵後に、再生粉末の溶液は約10.6%の凝集物を含んでいた。粉末のMMDを上記のように測定した。粉末のMMDは2.71μmであった。粉末のMMAD及びFPFを上記のように測定した。MMADは5.1μmであり、微粒子フラクションはカプセルに入れられた粉末の重量に対し36.4%であった。
(実施例3)
2.66%(w/v)のデキストラン1000、0.33%(w/v)のトリイソロイシン及び0.33%(w/v)のIgG1を含む製剤の噴霧乾燥
デキストラン1000 16.0g及びトリイソロイシン2gを超音波浴中で脱イオン水(pH約7.5)約560mlに溶解した。次に、グリシンヒスチジン緩衝液、pH6(物質を参照のこと)中で製剤化された、約96.55mg/mlの濃度を有する純粋なIgG1約20.7mlを、添加し、脱イオン水(pH約7.5)で600mlの容積に希釈した。こうして得られた溶液は約3%(w/v)の賦形剤又はマトリックス及び0.33%(w/v)のタンパク質を含み、サイクロンIを使用してこれを上記のように噴霧乾燥した。
凝集物の含量を上記のように調べた。40℃で3ヶ月の貯蔵(3ヶ月の安定性)後に、再生粉末の溶液は約3.2%の凝集物を含んでいた。25℃で3ヶ月の貯蔵(3ヶ月の安定性)後に、再生粉末の溶液は約1.2%の凝集物を含んでいた。2-8℃で3ヶ月の貯蔵(3ヶ月の安定性)後に、再生粉末の溶液は約0.9%の凝集物を含んでいた。40℃で12ヶ月の貯蔵(1年の安定性)後に、再生粉末の溶液は約7.3%の凝集物を含んでいた。25℃で12ヶ月の貯蔵(1年の安定性)後に、再生粉末の溶液は約2.0%の凝集物を含んでいた。2-8℃で12ヶ月の貯蔵(1年の安定性)後に、再生粉末の溶液は約1.3%の凝集物を含んでいた。粉末のMMAD及びFPFを上記のように測定した。MMADは4.6μmであり、微粒子フラクションはカプセル中に入れられた粉末の重量に対し55.7%であった。
2.66%(w/v)のデキストラン1000、0.33%(w/v)のトリイソロイシン及び0.33%(w/v)のIgG1を含む製剤の噴霧乾燥
デキストラン1000 8.0g及びトリイソロイシン1gを超音波浴中で脱イオン水(pH約7.5)約280mlに溶解した。次に、グリシンヒスチジン緩衝液、pH6(物質を参照のこと)中で製剤化された、約96.55mg/mlの濃度を有する純粋なIgG1約10.36mlを、添加し、脱イオン水(pH約7.5)で300mlの容積に希釈した。こうして得られた溶液は約3%(w/v)の賦形剤又はマトリックス及び0.33%(w/v)のタンパク質を含み、サイクロンIIを使用してこれを上記のように噴霧乾燥した。
安定性を測定しなかった。何とならば、その製剤が直前に記載されたものと正確に同じであるからである。異なるサイクロンの使用はタンパク質安定性に効果を有しない。粉末のMMDを上記のように測定した。粉末のMMDは2.96μmであった。粉末のMMAD及びFPFを上記のように測定した。MMADは3.9μmであり、微粒子フラクションはカプセルに入れられた粉末の重量に対し58.4%であった。
(実施例4)
本発明のその他の粉末の調製
3.33%(w/v)のリゾチームを含む製剤の噴霧乾燥
リゾチーム5gを脱イオン水(pH約7.5)約140mlに溶解し、脱イオン水(pH約7.5)で150mlの容積に希釈した。サイクロンIIを使用して、こうして得られた溶液を上記のように噴霧乾燥した。残留モノマー含量を上記のように調べた。強制貯蔵後に、再生粉末の溶液は35.3%の残留モノマー含量を含んでいた。粉末のMMDを上記のように測定した。粉末のMMDは3.23μmであった。粉末のMMAD及びFPFを上記のように測定した。MMADは4.0μmであり、微粒子フラクションはカプセルに入れられた粉末の重量に対し70.4%であった。
デキストラン1000 3.00%(w/v)、リゾチーム0.33%(w/v)製剤を含む製剤の噴霧乾燥
デキストラン1000 9.0gを超音波浴中で脱イオン水(pH約7.5)約280mlに溶解した。次に、リゾチーム1gを添加し、その混合物を脱イオン水(pH約7.5)で300mlの容積に希釈した。サイクロンIIを使用して、こうして得られた溶液を上記のように噴霧乾燥した。
残留モノマー含量を上記のように調べた。強制貯蔵後に、再生粉末の溶液は49.8%の残留モノマー含量を含んでいた。粉末のMMDを上記のように測定した。粉末のMMDは2.82μmであった。粉末のMMAD及びFPFを上記のように測定した。MMADは4.2μmであり、微粒子フラクションはカプセル中に入れられた粉末の重量に対し34.7%であった。
2.66%(w/v)のデキストラン1000、0.33%(w/v)のイソロイシン及び0.33%(w/v)のリゾチームを含む製剤の噴霧乾燥
デキストラン1000 8.0g及びイソロイシン1gを超音波浴中で脱イオン水(pH約7.5)約280mlに溶解した。次に、リゾチーム1gを添加し、その混合物を脱イオン水(pH約7.5)で300mlの容積に希釈した。サイクロンIIを使用して、こうして得られた溶液を上記のように噴霧乾燥した。
残留モノマー含量を上記のように調べた。強制貯蔵後に、再生粉末の溶液は50.7%の残留モノマー含量を含んでいた。粉末のMMDを上記のように測定した。粉末のMMDは3.01μmであった。粉末のMMAD及びFPFを上記のように測定した。MMADは4.2μmであり、微粒子フラクションはカプセル中に入れられた粉末の重量に対し36.6%であった。
2.66%(w/v)のデキストラン1000、0.33%(w/v)のトリイソロイシン及び0.33%(w/v)のリゾチームを含む製剤の噴霧乾燥
デキストラン1000 8.0g及びトリイソロイシン1gを超音波浴中で脱イオン水(pH約7.5)約280mlに溶解した。次に、リゾチーム1gを添加し、その混合物を脱イオン水(pH約7.5)で300mlの容積に希釈した。サイクロンIIを使用して、こうして得られた溶液を上記のように噴霧乾燥した。
残留モノマー含量を上記のように調べた。強制貯蔵後に、再生粉末の溶液は43.9%の残留モノマー含量を含んでいた。粉末のMMDを上記のように測定した。粉末のMMDは2.53μmであった。粉末のMMAD及びFPFを上記のように測定した。MMADは3.2μmであり、微粒子フラクションはカプセル中に入れられた粉末の重量に対し58.6%であった。
3.33%(w/v)のカルシトニンを含む製剤の噴霧乾燥
カルシトニン1gを脱イオン水(pH約7.5)約25mlに溶解し、脱イオン水(pH約7.5)で30mlの容積に希釈した。サイクロンIIを使用して、こうして得られた溶液を上記のように噴霧乾燥した。
凝集物の含量を上記のように調べた。強制貯蔵後に、再生粉末の溶液は約32.6%の凝集物を含んでいた。粉末のMMAD及びFPFを上記のように測定した。MMADは3.9μmであり、微粒子フラクションはカプセル中に入れられた粉末の重量に対し59.0%であった。
3.166%(w/v)のデキストラン1000及び0.166%(w/v)のカルシトニンを含む製剤の噴霧乾燥
デキストラン1000 4.750gを超音波浴中で脱イオン水(pH約7.5)約140mlに溶解する。次いで、カルシトニン0.250gを添加し、脱イオン水(pH約7.5)で150mlの容積に希釈する。サイクロンIIを使用して、こうして得られた溶液を上記のように噴霧乾燥する。
凝集物の含量を上記のように調べた。強制貯蔵後に、再生粉末の溶液は約27.5%の凝集物を含んでいた。粉末のMMDを上記のように測定した。粉末のMMDは3.00μmであった。粉末のMMAD及びFPFを上記のように測定した。MMADは4.6μmであり、微粒子フラクションはカプセル中に入れられた粉末の重量に対し42.6%であった。
2.833%(w/v)のデキストラン1000、0.33%(w/v)のイソロイシン及び0.166%(w/v)のカルシトニンを含む製剤の噴霧乾燥
デキストラン1000 4.250g及びイソロイシン0.50gを超音波浴中で脱イオン水(pH約7.5)約140mlに溶解する。次いでカルシトニン0.250gを添加し、脱イオン水(pH約7.5)で150mlの容積に希釈する。サイクロンIIを使用して、こうして得られた溶液を上記のように噴霧乾燥する。
凝集物の含量を上記のように調べた。強制貯蔵後に、再生粉末の溶液は約23.2%の凝集物を含んでいた。粉末のMMDを上記のように測定した。粉末のMMDは2.86μmであった。粉末のMMAD及びFPFを上記のように測定した。MMADは4.5μmであり、微粒子フラクションはカプセル中に入れられた粉末の重量に対し57.1%であった。
2.866%(w/v)のデキストラン1000、0.33%(w/v)のトリイソロイシン及び0.166%(w/v)のカルシトニンを含む製剤の噴霧乾燥
デキストラン1000 4.250g及びトリイソロイシン0.50gを超音波浴中で脱イオン水(pH約7.5)約140mlに溶解する。次いでカルシトニン0.250gを添加し、脱イオン水(pH約7.5)で150mlの容積に希釈する。サイクロンIIを使用して、こうして得られた溶液を上記のように噴霧乾燥する。
粉末のMMDを上記のように測定した。粉末のMMDは2.60μmであった。粉末のMMAD及びFPFを上記のように測定した。MMADは3.7μmであり、微粒子フラクションはカプセル中に入れられた粉末の重量に対し62.5%であった。
噴霧乾燥、強制貯蔵及び再生後の凝集物形成を示す。a)10%(w/w)のIgG含量、b)1%(w/w)のIgG及び9%のトレハロース含量及びc)1%(w/w)のIgG及び9%のデキストラン1000含量を含む、水溶液を噴霧した。デキストランを含む粉末は低含量の凝集物を特徴とする。 噴霧乾燥、強制貯蔵及び再生後の凝集物形成を示す。a)10%(w/w)のIgG含量、b)1%(w/w)のIgG、1%(w/w)のイソロイシン及び8%のトレハロース含量及びc)1%(w/w)のIgG、1%(w/w)のイソロイシン及び8%(w/w)のデキストラン1000含量を含む、水溶液を噴霧した。デキストランを含む粉末は低含量の凝集物を特徴とする。 デキストラン1000、イソロイシン及びIgGを含む水溶液を噴霧乾燥することにより製造された異なる粉末の質量平均空気力学的直径(MMAD)を示す。溶液を実施例に記載されたように調製し、噴霧した。全ての粉末は7.5μm未満のMMADを有する。図は一定の全固体濃度及び噴霧パラメーターでのMMADに関するイソロイシン含量の影響を示す。製剤中の高いイソロイシン含量はMMADを減少する。全固体:噴霧溶液中の固体の比率。サイクロンI:ビュッヒサイクロン。サイクロンII:ビュッヒ高性能サイクロン。
デキストラン1000、イソロイシン及びIgGを含む水溶液を噴霧乾燥することにより調製された種々の粉末に関する5μm未満のカットオフ直径を有する微粒子フラクション(FPF)を示す。溶液を実施例に記載されたように調製し、噴霧した。全ての粉末が30%以上、又は35%以上のFPFを有する。全固体:噴霧溶液中の固体の比率。サイクロンI:ビュッヒサイクロン。サイクロンII:ビュッヒ高性能サイクロン。 デキストラン1000、トリイソロイシン及びIgGを含む水溶液を噴霧乾燥することにより調製された種々の粉末の質量平均空気力学的直径(MMAD)を示す。溶液を実施例に記載されたように調製し、噴霧した。両方の粉末が5μm未満、又は4μm未満のMMADを有する。全固体:噴霧溶液中の固体の比率。サイクロンI:ビュッヒサイクロン。サイクロンII:ビュッヒ高性能サイクロン。 デキストラン1000、トリイソロイシン及びIgGを含む水溶液を噴霧乾燥することにより調製された種々の粉末に関する5μm未満のカットオフ直径を有する微粒子フラクション(FPF)を示す。溶液を実施例に記載されたように調製し、噴霧した。両方の粉末が55%以上、又は58%以上のFPFを有する。全固体:噴霧溶液中の固体の比率。サイクロンI:ビュッヒサイクロン。サイクロンII:ビュッヒ高性能サイクロン。 噴霧乾燥、2-8℃、25℃及び40℃における1年までの貯蔵、続いて再生後の凝集物の形成を示す。1%(w/w)のIgG、1%(w/w)のイソロイシン及び8%(w/w)のデキストラン1000を含む水溶液を噴霧した(実施例2を参照のこと)。デキストランを含む粉末は2-8℃、25℃、40℃で3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月及び12ヶ月後の凝集物の低含量を特徴とする。
噴霧乾燥、2-8℃、25℃及び40℃における1年までの貯蔵、続いて再生後の凝集物の形成を示す。0.33%(w/w)のIgG、0.33%(w/w)のイソロイシン及び2.66%(w/w)のデキストラン1000を含む水溶液を噴霧した(実施例2を参照のこと)。デキストランを含む粉末は2-8℃、25℃、40℃で1年の貯蔵後に凝集物の低含量を特徴とする。 噴霧乾燥、2-8℃、25℃及び40℃における1年までの貯蔵、続いて再生後の凝集物の形成を示す。0.33%(w/w)のIgG、0.33%(w/w)のトリイソロイシン及び2.66%(w/w)のデキストラン1000を含む水溶液を噴霧した(実施例3を参照のこと)。デキストランを含む粉末は2-8℃、25℃、40℃で1年の貯蔵後に凝集物の低含量を特徴とする。 噴霧乾燥、強制貯蔵及び再生後の残留モノマー含量を示す。a)3.33%(w/w)のリゾチーム、b)0.33%(w/w)のリゾチーム及び3.0%のデキストラン1000、c)0.33%(w/w)のリゾチーム、0.33%(w/w)のイソロイシン及び2.66%(w/w)のデキストラン1000並びにd)0.33%(w/w)のリゾチーム、0.33%(w/w)のトリイソロイシン及び2.66%(w/w)のデキストラン1000を含む、水溶液を噴霧した。デキストランを含む粉末は高い残留モノマー含量を特徴とする。 噴霧乾燥、強制貯蔵及び再生後の凝集物含量を示す。a)3.33%(w/w)のカルシトニン、b)0.33%(w/w)のカルシトニン及び3.0%のデキストラン1000並びにc)0.33%(w/w)のカルシトニン、0.33%(w/w)のイソロイシン及び2.66%(w/w)のデキストラン1000を含む、水溶液を噴霧した。デキストランを含む粉末は低い凝集物含量を特徴とする。 吸入による乾燥粉末製剤の投与のための吸入器を示す。

Claims (55)

  1. 医薬活性物質及び500〜10,000Daの分子量を有する低分子量デキストランを含むことを特徴とする噴霧乾燥粉末。
  2. 低分子量デキストランが500〜5,000Daの分子量を有することを特徴とする請求項1記載の噴霧乾燥粉末。
  3. 低分子量デキストランが500〜1,500Daの分子量を有することを特徴とする請求項1記載の噴霧乾燥粉末。
  4. 粉末がその乾燥質量に対して50〜99.99%(w/w)の低分子量デキストランを含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の噴霧乾燥粉末。
  5. 粉末がその乾燥質量に対して60〜99.99%(w/w)の低分子量デキストランを含むことを特徴とする請求項4記載の噴霧乾燥粉末。
  6. 医薬活性物質が生物学的巨大分子であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の噴霧乾燥粉末。
  7. 生物学的巨大分子がポリペプチド又はタンパク質であることを特徴とする請求項6記載の噴霧乾燥粉末。
  8. ポリペプチド又はタンパク質が成長因子、酵素又は抗体であることを特徴とする請求項7記載の噴霧乾燥粉末。
  9. 医薬活性物質の量が粉末の乾燥質量の0.01〜50%(w/w)であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の噴霧乾燥粉末。
  10. 噴霧乾燥粉末の乾燥質量が少なくとも50%(w/w)の低分子量デキストラン及び50%(w/w)までの生物学的巨大分子を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の噴霧乾燥粉末。
  11. 噴霧乾燥粉末の乾燥質量が少なくとも60%(w/w)の低分子量デキストラン及び40%(w/w)までの生物学的巨大分子を含むことを特徴とする請求項10記載の噴霧乾燥粉末。
  12. 噴霧乾燥粉末が一種以上の医薬上許される賦形剤及び/又は一種以上の塩を含むことを特徴とする請求項1から11のいずれか1項記載の噴霧乾燥粉末。
  13. 賦形剤がアミノ酸、ペプチド及びそれらの塩、糖、ポリオール、有機酸の塩及び/又はポリマー、又はこれらの混合物であることを特徴とする請求項12記載の噴霧乾燥粉末。
  14. 塩が医薬上許される塩であることを特徴とする請求項12記載の噴霧乾燥粉末。
  15. 噴霧乾燥粉末が低分子量デキストラン及び医薬活性物質に加えて賦形剤としての一種以上のアミノ酸を含むことを特徴とする請求項12記載の噴霧乾燥粉末。
  16. 噴霧乾燥粉末が低分子量デキストラン及び医薬活性物質に加えて賦形剤としてのイソロイシンを含むことを特徴とする請求項15記載の噴霧乾燥粉末。
  17. 噴霧乾燥粉末が低分子量デキシトラン及び医薬活性物質に加えて賦形剤としてのトリペプチドを含むことを特徴とする請求項13記載の噴霧乾燥粉末。
  18. トリペプチドがイソロイシン含有トリペプチドであることを特徴とする請求項17記載の噴霧乾燥粉末。
  19. トリペプチドがトリイソロイシンであることを特徴とする請求項17記載の噴霧乾燥粉末。
  20. 噴霧乾燥粉末の乾燥質量が少なくとも50%(w/w)の低分子量デキストラン及び1〜20%(w/w)の少なくとも一種のアミノ酸及び/又は少なくとも一種のペプチドを含むことを特徴とする請求項13記載の噴霧乾燥粉末。
  21. 噴霧乾燥粉末の乾燥質量が少なくとも50%(w/w)の低分子量デキストラン及び10〜20%(w/w)のイソロイシンを含むことを特徴とする請求項16記載の噴霧乾燥粉末。
  22. 噴霧乾燥粉末の乾燥質量が少なくとも50%(w/w)の低分子量デキストラン及び1〜20%(w/w)のトリペプチドを含むことを特徴とする請求項17から19のいずれか1項記載の噴霧乾燥粉末。
  23. 粉末中の粒子が1〜10μmのMMADを有することを特徴とする請求項1から22のいずれか1項記載の噴霧乾燥粉末。
  24. 粉末中の粒子が1〜7.5μmのMMADを有することを特徴とする請求項23記載の噴霧乾燥粉末。
  25. 粉末中の粒子が1〜5.5μmのMMADを有することを特徴とする請求項24記載の噴霧乾燥粉末。
  26. 噴霧乾燥粉末が無定形であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の噴霧乾燥粉末。
  27. 噴霧乾燥粉末が45〜65℃のガラス転移温度を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の噴霧乾燥粉末。
  28. 噴霧乾燥粉末が55〜65℃のガラス転移温度を有することを特徴とする請求項27記載の噴霧乾燥粉末。
  29. 請求項1から28の1項記載の噴霧乾燥粉末を含むことを特徴とする医薬組成物。
  30. a) 医薬活性物質を水性溶液/懸濁液に溶解し、
    b) 低分子量デキストランを水性溶液/懸濁液に溶解し、
    c) 活性物質及び低分子量デキストランが異なる溶液/懸濁液に溶解される場合には、これらを一緒に混合し、
    d) 低分子量デキストラン及び医薬活性物質を含む溶液/懸濁液を200/120℃以下の温度(流入/流出温度)、好ましくは150-185/80-95℃で噴霧することを特徴とする請求項1から3記載のいずれか噴霧乾燥粉末の調製方法。
  31. 医薬活性物質が生物学的巨大分子であることを特徴とする請求項30記載の方法。
  32. 生物学的巨大分子がポリペプチド又はタンパク質であることを特徴とする請求項31記載の方法。
  33. ポリペプチド又はタンパク質が成長因子、酵素又は抗体であることを特徴とする請求項32記載の方法。
  34. 溶液又は懸濁液が一種以上の賦形剤及び/又は一種以上の塩を更に含むことを特徴とする請求項30から33のいずれか1項記載の方法。
  35. 賦形剤がアミノ酸、ペプチド又はそれらの塩、糖、ポリオール、有機酸の塩及び/又はポリマー、又はこれらの混合物であることを特徴とする請求項34記載の方法。
  36. 溶液又は懸濁液が低分子量デキストラン及び医薬活性物質に加えて賦形剤としての一種以上のアミノ酸を含むことを特徴とする請求項34記載の方法。
  37. 溶液又は懸濁液が低分子量デキストラン及び医薬活性物質に加えて賦形剤としてのイソロイシンを含むことを特徴とする請求項34記載の方法。
  38. 溶液又は懸濁液が低分子量デキシトラン及び医薬活性物質に加えて賦形剤としてのトリペプチドを含むことを特徴とする請求項34記載の方法。
  39. 溶液又は懸濁液が低分子量デキストラン及び医薬活性物質に加えて賦形剤としての少なくとも一種のイソロイシン含有トリペプチドを含むことを特徴とする請求項38記載の方法。
  40. 溶液又は懸濁液が低分子量デキストラン及び医薬活性物質に加えて賦形剤としてのトリイソロイシンを含むことを特徴とする請求項39記載の方法。
  41. 塩が医薬上許される塩であることを特徴とする請求項34記載の方法。
  42. 溶液又は懸濁液が3.0〜9.0のpHを有することを特徴とする請求項34記載の方法。
  43. 低分子量デキストランの量が溶液又は懸濁液の乾燥質量の50〜99.99%(w/w)であることを特徴とする請求項30から42のいずれか1項記載の方法。
  44. 低分子量デキストランの量が溶液又は懸濁液の乾燥質量の60〜99.99%(w/w)であることを特徴とする請求項30から42のいずれか1項記載の方法。
  45. 医薬活性物質の量が溶液又は懸濁液の乾燥質量の0.01〜50%(w/w)であることを特徴とする請求項30から42のいずれか1項記載の方法。
  46. 溶液又は懸濁液の乾燥質量が少なくとも50%(w/w)の低分子量デキストラン及び0.01〜50%(w/w)の生物学的巨大分子を含むことを特徴とする請求項30から42のいずれか1項記載の方法。
  47. 溶液又は懸濁液の乾燥質量が少なくとも60%(w/w)の低分子量デキストラン及び0.01〜40%(w/w)の生物学的巨大分子を含むことを特徴とする請求項46記載の方法。
  48. 溶液又は懸濁液の乾燥質量が少なくとも50%(w/w)の低分子量デキストラン及び1〜20%(w/w)の少なくとも一種のアミノ酸及び/又は少なくとも一種のペプチドを含むことを特徴とする請求項30から36のいずれか1項記載の方法。
  49. 溶液又は懸濁液の乾燥質量が少なくとも60%(w/w)の低分子量デキストラン及び1〜20%(w/w)の少なくとも一種のアミノ酸を含むことを特徴とする請求項48記載の方法。
  50. 溶液又は懸濁液の乾燥質量が少なくとも60%(w/w)の低分子量デキストラン及び10〜20%(w/w)のイソロイシンを含むことを特徴とする請求項37記載の方法。
  51. 溶液又は懸濁液の乾燥質量が少なくとも50%(w/w)の低分子量デキストラン及び1〜20%(w/w)のトリイソロイシンを含むことを特徴とする請求項40記載の方法。
  52. 溶液又は懸濁液を噴霧して粉末を形成し、粉末中の粒子が1〜10μmのMMADを有することを特徴とする請求項30から51のいずれか1項記載の方法。
  53. 溶液又は懸濁液を噴霧して粉末を形成し、粉末中の粒子が1〜7.5μmのMMADを有することを特徴とする請求項52記載の方法。
  54. 薬物を調製するための請求項1から29の1項記載の噴霧乾燥粉末の使用。
  55. 吸入用の薬物を調製するための請求項25記載の噴霧乾燥粉末の使用。
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