JP2007514438A - 糖化分子を分析するための方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、一般に、糖化分子を含有する巨大分子の構造分析に関する。この巨大分子は、例えば、タンパク質(プロテオグリカン、糖タンパク質)、脂質に結合するかまたは遊離サッカライドとしてのいずれかで存在する。本発明は、糖化分子についての糖化分子フィンガープリントを決定するための方法であって、脱シアリル化またはN−グリコシダーゼF(PNGアーゼF)を用いた処理により改変されている糖化分子を提供する工程;糖化分子を、複数のサッカライド結合剤を含む基材に添加する工程;サッカライド結合剤に複数で結合した糖化分子を検出する工程;およびサッカライド結合剤への糖化分子の結合に基づき、糖化分子のフィンガープリントを得る工程を包含する方法、を提供する。

Description

(発明の背景)
本発明は、一般に、糖化分子(glycomolecule)の構造分析に関し、この糖化分子は、炭水化物を含む分子であり、そしてタンパク質(プロテオグリカン、糖タンパク質)に接続された炭水化物、脂質に接続された炭水化物、または遊離多糖類として存在する炭水化物が挙げられる。
(発明の背景)
哺乳動物の糖タンパク質オリゴサッカライドは、共通して限られた数の単糖類から構築される。それにもかかわらず、主に複雑な分枝様式に起因して、構造的多様性は膨大である。糖タンパク質上のグルコシル化部位は、共通して、微小不均一性を示し、これらの部位は、構造的に多様なオリゴサッカライドによって、完全にまたは部分的に占有され得る。結果的に、糖タンパク質は代表的には単一の構造上の実体としては単離されないが、むしろ糖化形態(glycoform)として公知の、グリコシル化変異体の一組として単離される。
糖タンパク質のインビトロ特性およびインビボ特性の両方が、占有率の変更によって、および/または特定の部位に接合された正確なオリゴサッカライドによって影響を受けるという証拠がある。異なる生物学的特性は、特定の糖化形態の存在と関連付けられている。
炭水化物含有分子(「糖化分子」)において、多糖類の組成および配列を決定するための方法は、記載されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3、および特許文献4)。この方法(UC−FINGERPRINTTM分析と称され、GMIDTM分析としても公知)において、炭水化物を含む分子は、サッカライド結合剤(代表的には抗体またはレクチン)のアレイを含む基材に添加される。糖化分子に結合したサッカライド結合剤が同定され、そしてその結合情報を使用して、その多糖類における単糖類サブユニットの組成および配列の情報を取得する。
国際公開第WO00/668688号パンフレット 国際公開第WO01/84147号パンフレット 国際公開第WO02/37106号パンフレット 国際公開第WO02/44714号パンフレット
(発明の要旨)
本発明は、UC−FINGERPRINTTM技術において、後に続く分析のため糖化分子の調製を容易にする方法の発見に部分的に基づく。この分析は、グリカンの組成および配列の情報を提供し、この情報はしばしば、糖化分子のフィンガープリントとして参照される。
この方法の利点の中で、簡略されたサンプルの調製および処理がある。本明細書中に記載される方法は、複数の前処理工程、処理工程、精製工程および緩衝液交換工程についての必要を排除する。さらに、これらの方法は、他の方法では分析するのが困難である糖化分子に対するアクセスを容易にする。これらのグリカンとしては、例えば、糖タンパク質のサブユニット内間隙におけるグリカン、または糖タンパク質のサブユニット間間隙におけるグリカンが挙げられる。
1つの局面において、本発明は、糖化分子についての糖化分子フィンガープリントを決定する決定するための方法を提供する。いくつかの実施形態において、この糖化分子は、未処理のグリカン構造が改変されているものである。この方法は、複数のサッカライド結合剤を含む基材に糖化分子を添加する工程を包含する。基材上でサッカライド結合剤に結合した糖化分子が検出される。このサッカライド結合剤に対する糖化分子の結合に基づき、その糖化分子についてのフィンガープリントが取得される。
いくつかの実施形態において、糖化分子は脱シアリル化によって改変されている。脱シアリル化の程度は調節され得る。その結果、いくつかの実施形態において、実質的に全てのシアリル酸残基がこの糖化分子から除去されている。他の実施形態において、全てに満たないシアリル酸が糖化分子から除去されている。
糖化分子を脱シアリル化するための適切な方法は、糖化分子をシアリダーゼと反応させることである。糖化分子は、必要に応じて、プロテアーゼインヒビターの存在下でシアリダーゼと反応され得る。
糖化分子は、代替的に、またはさらに、PNGアーゼFを用いた処理によって改変され得る。PNGアーゼFを用いた処理の程度は調節され得る。その結果、いくつかの実施形態において、最内側のGlcNAcと、糖タンパク質の高マンノース型オリゴサッカライド、混成型オリゴサッカライドおよび複合型オリゴサッカライドのアスパラギン残基との間の実質的に全ての結合が、切断されている。他の実施形態において、全てに満たないN−アセチルグルコサミン酸残基が切断されている。
いくつかの実施形態において、この方法は、糖化分子を還元剤と反応させる工程を包含し、そして好ましくは、フィンガープリントを取得する前にアルキル化剤と反応させる工程を包含する。適切な還元剤の例としては、メルカプトエタノール、ジチオトレイトール、およびメルカプトエチルアミンが挙げられる。適切なアルキル化剤の例は、ヨードアセトアミドおよびヨード酢酸である。
いくつかの実施形態において、本方法の全ての工程は、単一の容器内で実施される。
いくつかの実施形態において、糖化分子は、この糖化分子と結び付けられた標識を用いて検出される。適切な標識の例としては、例えば、蛍光標識が挙げられる。蛍光標識は、例えば、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、ローダミン、テキサスレッド、およびCy5であり得る。
標識は、糖化分子を基材に添加する前、その後またはその間に、糖化分子に添加される。
いくつかの実施形態において、標識は、糖化分子に直接結び付けられる。他の実施形態において、標識は、糖化分子に特異的に結合する第二のサッカライド結合剤と結び付けられる。この第二のサッカライド結合剤は、例えば、レクチンまたは抗体であり得る。いくつかの実施形態において、標識は、糖化分子の非炭水化物領域に特異的に結合する薬剤(例えば、抗体)と結び付けられる。
いくつかの実施形態において、本方法は、基材に糖化分子を添加する前にその糖化分子を精製する工程をさらに包含する。精製は、例えば、規定された質量(例えば、5,000kD)の分子量カットオフを有する、カラムクロマトグラフィーまたは透析により得る。
糖化分子は、任意のサッカライド含有分子であり得る。例としては、糖タンパク質、多糖類、または糖脂質が挙げられる。
いくつかの実施形態において、糖タンパク質は、細胞培養液から取得され得る。いくつかの実施形態において、糖タンパク質は使用される前に精製および/または濃縮され得る。他の実施形態において、糖タンパク質は培地から取得され、そして精製も濃縮もなしに使用される。
いくつかの実施形態において、本方法は、フィンガープリントを取得する前に界面活性剤を用いて糖化分子を処理する工程を包含する。この界面活性剤は、例えば、非イオン性界面活性剤またはアニオン性界面活性剤であり得る。適切な界面活性剤の例としては、例えば、硫酸ドデシル(docecyl)ナトリウム(SDS)、Triton、およびTween80が挙げられる。
適切な糖タンパク質の例としては、例えば、免疫グロブリン分子(IgAアイソタイプ、IgDアイソタイプまたはIgGアイソタイプまたはIgMアイソタイプを含む)または免疫グロブリン分子のフラグメントが挙げられる。例えば、このフラグメントとしては、免疫グロブリンのFc領域が挙げられる。
別の局面において、本発明は、選択された糖化分子改変剤(これは、デシアリダーゼおよび/またはPNGアーゼFである)、糖化分子を標識するための標識化剤、容器、および必要に応じてその糖化分子を改変するためにキットを使用するための指示書を備えるキットを提供する。指示は、キットの標識上に、またはキットの書き込みとして提供され得、これらは、本明細書中に記載される方法を使用して糖化分子を操作する方法を記載する。
このキットはさらに、複数のサッカライド結合剤、還元剤、界面活性剤およびアルキル化剤を含み得る。標識化剤は、糖化分子に直接結合し得る。あるいは、標識化剤は、糖化分子に結合する第二のサッカライド結合剤と共に存在するか、これと結び付けられ得る。第二のサッカライド結合剤は、例えば、レクチンまたは抗体であり得る。
他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する当業者によって通常理解されるのと同じ意味を有する。本明細書中に記載される方法および物質と同様または等価な方法および物質が本発明の実施または試験において使用され得るが、適切な方法および物質は以下に記載される。本明細書中に述べられる全ての刊行物、特許出願、特許または他の参考文献は、本明細書中でその全体が参考として援用される。これらとしては、WO00/68688、WO01/84147、WO02/37106、およびWO02/44714が挙げられるが、これらに限定されない。競合する場合、定義を含め、本明細書が支配する。さらに、物質、方法、および実施例は、単なる例示であり、そして限定していることは意図されない。
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および特許請求の範囲より明確である。
(発明の詳細な説明)
本発明は、炭水化物含有分子のグリカンの組成および配列を決定するための方法を提供する。いくつかの実施形態において、本方法は、糖化分子を改変する工程を包含する。これらの方法は、炭水化物含有分子の炭水化物含量が分析される場合に取得される情報を、増強する。
糖化分子を分析するための方法は、UC−FINGERPRINTTM法において分子を分析するのに特に適しており、このUC−FINGERPRINTTM法はまた、糖化分子同定(GMIDTM)法としても参照される。この方法において、糖化分子の炭水化物含量についての情報は、1つ以上のサッカライド結合剤(また本明細書中で第一のサッカライド結合剤として参照される)に接合された基材に、糖化分子を添加することにより取得される。この糖化分子を結合している第一のサッカライド結合剤が同定され、そして得られた結合情報を使用して、その糖化分子のフィンガープリントを作成する。
例えば、本方法を実施するための1手段は、4〜8個に複製した、メンブレンコーティングされたガラススライド上にプリントされた20〜30種のレクチンの組を用いることである。未処理の糖タンパク質サンプルは、アレイに適用され、そしてその結合パターンが、FITCを用いた糖タンパク質の直接の標識化によるか、またはFITC標識化プローブ(これは、例えば、タンパク質部分−抗体または炭水化物部分−レクチンのいずれかに指向される)を使用することによるかのいずれかにより、検出される。得られたフィンガープリントは、サンプルのグリコシル化パターンについて、高度に特徴的である。多くのレクチン(各々は特定の認識パターンを有する)は、グリコシル化パターンの変化に対して、高感度のフィンガープリントを確実にする。他の蛍光標識(例えば、Cy3、Cy5)もまた使用され得る。さらに、標識化は、当該分野で公知のビオチン−アビジン系を使用して達成され得る。
(フィンガープリント分析前の糖化分子の改変)
ここで、本明細書中に記載される改変は、UC−FINGERPRINTTM分析において取得され得る情報の型および量を増強することが、予期せず見出された。1つの改変は、UC−FINGERPRINTTM分析の前に、糖化分子からシアリル酸残基のいくらかまたは全てを除去すること(脱シアリル化として公知のプロセス)である。シアリル酸残基は、負に帯電した残基であり、これは糖タンパク質上の多くの部位に接合した炭水化物部分の先を覆う(cap)。シアリル酸残基は、酵素シアリダーゼ(これはまた、ノイラミニダーゼとしても公知である)を使用して除去され得る。脱シアリル化の程度は、シアリダーゼを用いた糖化分子の消化の範囲を調節することによって制御され得る。シアリダーゼに加え、糖化分子(糖タンパク質を含む)のシアリル酸含量を低減する任意の他の方法が、使用され得る。
UC−FINGERPRINTTM分析において解明される情報を増強することが見出された別の改変は、PNGアーゼFを用いた消化である。このPNGアーゼFは、N−グリコシダーゼFとしても公知である。PNGアーゼFは、最内側のGlcNAcと、高マンノース型オリゴサッカライドのアスパラギン残基、混成型オリゴサッカライドのアスパラギン残基および複合型オリゴサッカライドのアスパラギン残基との間のN−連結型糖タンパク質を切断する。O−連結型グリカン残基(例えば、N−GlcNAcおよびO−Fuc)は影響されず、そしてその後の分析に対して利用可能である。この改変は、糖タンパク質についてのO−連結型グリカン組成が目的である糖タンパク質に対して、特に適切である。このようなタンパク質の例は、エリスロポエチン(EPO)である。
PNGアーゼFに加え、当該分野で公知の他のグリコシダーゼ改変酵素(Endo F2、Endo F3、Endo H)を用いて、糖化分子は改変され得る。
UC−FINGERPRINTTM分析のために糖化分子を調製するためのさらなる改変は、還元剤およびアルキル化剤にこの糖化分子を曝すことである。還元剤への曝露は、鎖内(intra−chain)ジスルフィド結合および鎖間(inter−chain)ジスルフィド結合を破壊し得、そして他の場合では検出されないグリカンの分析に利用可能にさせ得る。適切な還元剤としては、例えば、β−メルカプトエタノール、ジチオトレイトール、およびメルカプトエチルアミンが挙げられる。アルキル化剤としては、例えば、ヨードアセトアミド、およびヨード酢酸が挙げられる。
UC−FINGERPRINTTM分析により取得される情報を増強することが見出されたなおさらなる改変は、変性状態に糖化分子を供することである。この改変は、例えばタンパク質の凝集により、隠されるかまたは覆われる(obscure)グリカンを含む糖化分子に適切である。例えば、糖タンパク質は、UC−FINGERPRINTTM分析を実施する前に、界面活性剤の存在下で加熱され得る。最適な条件(例えば、界面活性剤の選択、温度、緩衝液の組成および濃度、ならびにpHを含む)は、目的の糖化分子、基板上に固定される第一のサッカライド結合剤、および/または基板上でサッカライド結合剤に結合される糖化分子を検出するため使用される標識化スキームに基づき、選択され得る。
例えば、IgG分子についてのFcサブユニットと結び付けられたグリカンを検出するために、糖タンパク質は0.01%〜0.075%のSDS、より好ましくは0.04%〜0.06%のSDS、そして最も好ましくは約0.05%のSDS中で処理され得る。このサンプルは、さらに、95〜100℃で5〜15分間(例えば、100℃で10分間)またはその等価な量でボイルされる。
上記の改変は、単独でかまたは任意の所望の組合せで実施され得る。例えば、糖タンパク質は、シアリダーゼ(salidase)で処理され、次いでUC−FINGERPRINTTM分析に改変された糖タンパク質を提示する前に、還元状態に供される。
上記の方法は、シアリル酸残基によって覆われるグリカンを含む糖タンパク質、ならびに/またはそれ以外に糖タンパク質が現在多量体として存在することに起因して覆われるグリカンを含む糖タンパク質および/もしくは糖タンパク質がサブユニット間隙間またはサブユニット間隙内に存在することに起因して覆われるグリカンを含む糖タンパク質について、炭水化物情報の同定を容易にする。
本明細書中に記載される操作の多く(例えば、改変、標識化および還元)は緩衝剤の交換の必要性なしに実施され得ることが、さらに予期されることなく発見された。このことは、扱いにくい複数段階のプロセス処理に目的の糖化分子を供する必要性を排除する。さらに、この方法は、より少ない物質を使用して、より少ない物質損失で、そしてより短い時間で実施され得る。
所望の場合、上記の改変は、培養物の培地から直接単離された糖化分子(糖タンパク質を含む)に対して直接実施され得る。
(改変された糖化分子のフィンガープリントの決定)
「糖化分子フィンガープリント」とは、目的の糖化分子への1つ以上のサッカライド結合剤に対して検出された結合量によって提供される情報をいう。フィンガープリントは、複数のサッカライド結合剤についての相対的な結合強度をヒストグラムとして提供することにより、画像として表され得る。いくつかの実施形態において、糖化分子の分析は、糖化分子のマップを決定する工程を包含する。「マップ作成」とは、多糖類鎖についての特定の予め決定されたパターンの連続した順序を定義することを意味する。サッカライド結合剤に結合し、そして/またはグリコシド切断酵素に対する基質である糖化分子の位置のパターンと、予め決定されたパターンは一致し得る。
糖化分子は、糖部分を含む任意の分子を含み得る。例えば、糖化分子としては、炭水化物含有タンパク質(糖タンパク質)または糖脂質、および遊離の多糖類が挙げられ得る。糖タンパク質としては、例えば、フェチュイン、α酸性GP、およびtPAが挙げられる。
改変された糖化分子は、1つ以上の第一のサッカライド結合剤を含む基材に添加される。第一のサッカライド結合剤は、任意の分野で認識される方法を使用して基材に固定され得る。例えば、固定化は、タンパク質の官能基(例えば、アミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、またはチオール基)を利用し得る。例えば、ガラス支持体は、シランを用いた反応によってエポド基を官能化され得る。このエポド基は、リジン残基の遊離ε−アミノ基のようなアミノ基と反応する。別のメカニズムは、金のような求電子性物質で表面を覆うことにある。このような物質はチオール基と安定な結合体を形成するので、タンパク質はシステイン残基の遊離チオール基によって直接的にこのような物質と繋がれ得る。あるいは、チオール基はコンビナトリアル化学によってか、または1つ以上のチオール基および遊離アミノ基と反応性の基を含む分子(例えば、システインのN−ヒドロキシルスクシンイミジルエステル)との反応によって、タンパク質に導入され得る。また、チオール切断可能な架橋物(例えば、ジチオブリス(スクシンイミジルプロピオネート))が、タンパク質のアミノ基と反応され得る。次いで、スルフヒドリル剤を用いた還元は、架橋物の遊離チオール基を曝す。
いくつかの適用のため、目的の特定の糖化分子に結合することが公知であるかまたは結合することが推測される、複数のサッカライド結合剤を含む基材を設計することが好ましい。例えば、ヘパリン、ヘパリン硫酸、またはフラグメント(例えば、ヘパラナーゼ(heparanase)消化によって生成されるもの)およびこれら多糖類の改変体形態は、これらが以下のような1つ以上のタンパク質に結合する能力について、スクリーニングされ得る:例えば、αFGF、βFGF、PDGF、VEGF、VEGF−R、HGF、EGF、TGF−β、MCP−1、MCP−2およびMCP−3、IL−1、IL−2、IL−3、IL−6、IL−7、IL−8、IL−10およびIL−12、アネキシンIV、アネキシンVおよびアネキシンVI、MIP−1α、MIP−1β、エコタキシン、トロンボスポンジン、PF−4、IP−10、インターフェロンα、インターフェロンγ、セレクチンLおよびセレクチンP、抗トロンビン、プラスミノーゲンアクチベーター、ビトロネクチン、CD44、SOD、リポタンパク質リパーゼ、ApoE、フィブロネクチン、ならびにラミニン。これらの推定上の因子が、表面に接合され得る(すなわち、第一のサッカライド結合剤であり得る)。
基材は、簡便に、支持性表面上に配置されたメンブレン上に提供され得る。例えば、サッカライド結合剤は、ガラススライド上のニトロセルロースフィルター上に提供され得る。あるいは、基材はミクロスフェア、またはビーズであり得る。種々の実施形態において、1つ以上の別々のサッカライド結合剤が1つのミクロスフェア上に提供される。
(サッカライド結合剤)
適切なサッカライド結合剤は、糖化分子の炭水化物部分に特異的に結合する任意の因子である。適切なサッカライド結合剤としては、例えば、レクチン、炭水化物含有エピトープを認識する抗体、および炭水化物改変酵素(例えば、グリコシダーゼ)が挙げられる。
レクチンは、サッカライドを結合する植物から単離されたタンパク質である。本適用の目的のため、用語「レクチン」はまた、動物種由来のサッカライド結合タンパク質(例えば、「哺乳動物レクチン」)も包含する。レクチンの例としては、以下の植物から単離されたレクチンが挙げられる:Conavalia ensiformis、Anguilla anguilla、Tritium vulgaris、Datura stramonium、Galnthus nivalis、Maackia amurensis、Arachis hypogaea、Sambucus nigra、Erythtina cristagalli、Sambucis nigra、Erythrina cristagalli、Lens culinaris、Glycine max、Phaseolus vulgaris Allomyrina dichotoma、Dolichos biflorus、Lotus tetragonolobus、Ulex europaeus、およびRicinus commurcis。他の生物学的に活性な化合物(例えば、サイトカイン、ケモカインおよび増殖因子)もまた糖化分子を結合し、そしてこれによって本発明の目的のため、レクチンであるとみなされる。
グリコシダーゼの例としては、a−ガラクトシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、N−アセチルヘキソアミニダーゼ、α−マンノシダーゼ、β−マンノシダーゼ、およびα−フコシダーゼが挙げられる。
(結合した糖化分子の検出)
基材上のサッカライド結合剤に結合している糖化分子は、結合された糖化分子の検出を生じる任意の方法を使用して検出され得る。例えば、糖化分子は、この糖化分子が基材に添加される前、その間、またはその後に直接的に標識化され得る。直接の標識化の例としては、例えば、FITC標識化が挙げられる。
あるいは、結合した糖化分子は、結合した糖化分子を特異的に認識する因子と結び付けられた標識を用いて検出され得る。この因子は、分子の炭水化物含有領域を認識し得る。因子がこの特異性を有する場合、この因子は第二のサッカライド結合剤として参照される。この第二のサッカライド結合剤は、抗体またはレクチン(上記の抗体およびレクチンを含む)であり得る。
いくつかの実施形態において、薬剤は糖化分子の非炭化水素部分を認識する。このような薬剤の例としては、糖タンパク質におけるペプチドエピトープを認識する抗体である。
所望の場合、結合した糖化分子は、一連の薬剤を使用して検出され得る。例えば、グリカンと結合したデシアロダーベポエチンα(desialo darbepoetin alfa)(ARASNEPTM)は、抗ヒトEPOモノクローナルマウス抗体、その後、抗マウスIgG−FITC標識化抗体を使用して、検出され得る。
標識は、検出されるかまたは検出されることが可能である任意の標識であり得る。適切な標識の例としては、例えば、色素産生標識、放射性標識、蛍光標識、およびビオチン化標識が挙げられる。従って、標識は、例えば、呈色したレクチン、蛍光レクチン、ビオチン標識化レクチン、蛍光標識、蛍光抗体、ビオチン標識化抗体、および酵素標識化抗体が挙げられる。好ましい実施形態において、標識は色素産生標識である。用語「色素産生結合剤」は、サッカライドに結合し、そして異なる色が、またはそうでなければ検出可能なマーカーを有して、その結果サッカライドへの結合後にそのサッカライドが色または他のマーカーを獲得する、全ての因子である。可視領域で強く容易に観察可能な色を有する化学構造に加え、使用される他のマーカーとしては、蛍光群、ビオチンタグ、酵素(呈色産物の形成を生じる反応において使用され得る)、磁気マーカーおよび同位体マーカーなどが挙げられる。検出可能なマーカーの前述の列挙は、例示の目的のみのためであり、そして限定することも網羅することも決して意図しない。同様の文脈で、用語「色」とは、本明細書中で使用される場合(例えば、上記の方法の工程(e)の文脈において)、また、任意の検出可能なマーカーを含む。
標識は、当該分野で公知の方法を使用して因子へ結合され得る。標識は、糖化分子に接合された任意の検出可能な基、またはその機能を妨害しない検出剤を含む。標識は、酵素(例えば、ペルオキシダーゼおよびホスファターゼ)であり得る。原則的に、グルコースオキシダーゼおよびβ−ガラクトシダーゼのような酵素もまた使用され得る。次いで、サッカライドは、これらのような酵素と反応する単糖類単位を含む場合にこのサッカライドが改変され得ることを、考慮に入れなければならない。さらに、使用され得る標識としては、蛍光標識(例えば、フルオレセイン、テキサスレッド、ルシファーイエロー、ローダミン、ナイルレッド、テトラメチルローダミン−5−イソチオシアネート、1,6−ジフェニル−1,3,5−ヘキサトリエン、シスパリナリン酸、フィコエリトリン、アロフィコシアニン(Allophycocyanin)、4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール(DAPI)、ヘキスト33258、2−アミノベンズアミドなどが挙げられる。さらなる標識としては、電子高密度金属(electron dense metal)(例えば、金)、リガンド、ハプテン(例えば、ビオチン)、放射活性標識が、挙げられる。
因子は、酵素的標識を使用してさらに検出され得る。酵素的標識の検出は、当該分野で周知である。例としては、例えば、ELISA、および酵素的検出が慣用的に使用される他の技術が挙げられる。これらの酵素は、例えば、Pierceのような会社より市販される。
いくつかの実施形態において、標識は蛍光標識を使用して検出される。蛍光標識は、特定の波長での励起および異なる波長での検出を必要とする。蛍光検出のための方法は、当該分野で周知であり、そして多くの論文および教科書において出版されている。この題目についての刊行物の選択は、Pierceの1994カタログにおけるO−124〜O−126頁に見出され得る。蛍光標識は、SIGMAのような会社、または上記のPierceのカタログより市販される。
因子は、それ自体で炭水化物部分および/またはタンパク質を含み得る。タンパク質および糖に標識を結合することは、当該分野で周知の技術である。例えば、蛍光標識または放射性標識を用いた標識化サッカライドを標識するための商用キットは、Oxford Glycosystems,Abingdon,UKおよびProZyme,San Leandro,California USAより入手可能である。タンパク質を標識化するためのそれらの使用のための試薬および指示書は、上記のPierceのカタログより入手可能である。
結合は、通常、官能基(例えば、ヒドロキシル基、アルデヒド基、ケト基、アミノ基、スルフヒドリル基、カルボン酸基、または同様な基)を使用して実行される。これらの基と反応する多くの標識(例えば、蛍光標識)が市販される。さらに、一方の側で標識と反応し、そしてもう一方でタンパク質またはサッカライドと反応する両官能性の架橋物が、使用され得る。架橋物の使用は、タンパク質または糖化分子の機能損失を避けるのに利点があり得る。
標識化が改変された糖化分子に関して記載されているが、本発明はまた、非改変の糖化分子がUC−FINGERPRINTTM分析を実施するために使用される場合、これらの標識化方法を包含する。
(フィンガープリントの取得)
結合された糖化分子に結び付けられる標識の強度は、当該分野で公知の方法を使用して検出され得る。いくつかの検出方法が、WO93/22678に記載される。CCD検出器方法は、本発明の方法に特に適切である。この方法は、特定の振動数の光を吸収する標識と組み合わせて使用され得、そしてこれによりVLSI表面への試験光供給源の通路をブロックして、標識化薬剤が結合した領域中で減少された光量をCCDセンサーが検出する。この方法はまた、励起振動数で光を吸収するという事実を利用して、蛍光標識と共に使用される。あるいは、CCDセンサを使用して、蛍光標識の励起後の放射を検出し得る。励起光からの放射シグナルの分離は、別々の波長に対して別々の感度を有するセンサを使用することによるか、もしくは一過性の分解によるかのいずれか、またはその両者の組み合わせにより、達成され得る。
フィンガープリントは好ましくは、糖化分子が採取される培地のグルコース濃度に対して補正することによって決定される。
取得した結合情報は、例えば、結合バターンの視覚的検査に従って、直接的に使用され得る。あるいは、結合情報は、例えば、写真またはデジタル化画像として記憶され得る。所望の場合、結合情報はデーターベースに記憶される。結合情報の解釈はまた、例えば、WO00/68688、WO01/84147、WO02/37106、およびWO02/44714に論じられる。これらの内容は、その全体が本明細書中で参考として援用される。
(キット)
本発明はさらに、糖化分子を改変し、次いでそれら糖化分子をUC−FINGERPRINTTM分析に供するためのキットを提供する。キットの内容物としては、1つ以上の改変剤、サッカライド結合剤に結合した糖化分子を検出するための標識化試薬、および所望の場合、1つ以上のサッカライド結合剤を含むかまたはその結合剤に接合し得る基材が挙げられ得る。この基材は、例えば、ミクロスフェアであり得る。
各々のキットは、好ましくは、サッカライド結合剤(単数または複数)を備える。好ましくは、この試薬は、物品の保存に適し、そして後に試験が実施される場合に反応媒体中への交換または溶解のために、固形物形態または液体緩衝剤にて供給される。適切な包材が提供される。このキットは、必要に応じて、この手順において有用であるさらなる成分を提供し得る。これらの必要に応じた成分としては、緩衝剤、捕捉試薬、現像主薬、標識、反応性表面,検出のための手段,コントロールサンプル、指示書、および解説情報が挙げられる。
キットは、必要に応じて、検出可能な第二のサッカライド結合剤を備え得、そして所望の場合にこの第二の結合剤を検出するための試薬を備える。複数の第一のサッカライド結合剤は、好ましくは、基材上の予め定められた位置に接合され、そして検出可能な第二のサッカライド結合剤に接合される。他の実施形態において、キットは、基材およびこの基材に接合され得る第一のサッカライド結合剤、ならびに第二のサッカライド結合剤を備える。
所望の場合、図6に示されるようなスライドホルダがこのキットに備えられ得る。このホルダは、グローブを嵌めた指で届くように正確な間隔で、標準的な顕微鏡スライドよりわずかに大きいサイズでチャンバに分割される。このスライドは、前後および両側への動きを防止するため、ストッパーにより保持される。そしてその下側は、真空の形成およびスライトとチャンバ下側との間の層流力を避けるためのバンパーを取り付けられる。各々のチャンバは代表的に、5〜10mlの液体を保持し、そしてこれによってスライド洗浄およびインキュベーションのための容器である。典型的な足を有するカバーホルダは、スライドの保持表面に届き、そしてこれによってチャンバをひっくり返し、そしてより効率的な様式で溶液を廃棄することを可能にする。
本発明は、以下の非限定的な実施例において、さらに例示される。
(実施例1:脱シアリル化糖化分子および非脱シアリル化糖化分子についての比較的な糖化分子フィンガープリント)
脱シアリル化の前後のヒトミルクラクトフェリン(hmLF)の糖化分子フィンガープリントを検証した。hmLFは、比較的単純なグリコシレーション構造を有する糖タンパク質である(Spikら、Eur J Biochem.1982:121(2):413−9)。このhmLF構造は、任意の5つの主要なグリカンによって占有される2つのグリコシル化部位を含み、25個の可能性ある糖化形態を生じる。これらのグリカンの全ては、複合バイアンテナ型(bi−antennary type)であり、コアのフコースを含み、そしてそれらのシアリル化のレベルおよびアンテナ型フコースの可変の存在で異なる(図1A)。種々のグリカンは、(2,6)連結したシアリル酸残基の存在、および(1,3)連結したアンテナ型フコースの存在が異なる。
フィンガープリント(図1Bおよび図1C)を、プローブとして標識化抗ラクトフェリン抗体を使用することによって取得した。24個のアレイ結合性レクチンを使用し、そしてそれらの特異性によって横軸上にグループ分けした。複合N−連結型グリカンのグループは、単糖類に結合しないレクチンを含むが、むしろ少なくとも3個のアンテナを含む複合N−連結型グリカンを必要とする;図1Bに要約されたデータは、独立した3つの実験の結果である。各々のスライドについて、適用可能である場合、走査パラメーター(レーザー出力およびPMTゲイン)における差異について、およびプローブの蛍光レベルが実験間で異なる場合にプローブの蛍光レベルにおける差異について、シグナルを補正する。4〜8個に複製した、メンブレンでコーティングしたガラススライド上に、レクチンをプリントした。レクチンは、Vector Laboratories(Burlingame,CA)より購入した。これらのレクチンを、2〜4mg/mlの濃度でpH7.4のPBS中に溶解した。マクロアレイスポット用に高精度のロボット(MicroGrid,Biorobotics,Cambridge,UK)を用いて、ニトロセルロースでコーティングされたガラススライド(FAST Slides,Schleicher&Schull,Keene,NH)上に、直径0.4mmの固定ピンを使用し、0.9mmの中心間距離でレクチンをスポットした。1%BSA(Sigma)を用いてアレイをブロッキングした。1mM CaCl、1mM MgClおよび0.1mM MnClを含むPBS緩衝液でサンプルをインキュベートし、その後同じ緩衝液を使用して洗浄した。このプロセスを、Protein Array Workstation(Perkin Elmer,Wellesley,MA)上で完全自動化した。hmLFをアレイに適用し、そしてその結合パターンを、走査型共焦点レーザー顕微鏡(ScannArray Express,Perkin Elemer)を用いた走査によって検出し、そしてデータをArrayProソフトウェアパッケージ(Media Cybernetics,Silver Spring,MD)を使用して分析した。
図1Bは、標識化抗ラクトフェリン抗体プローブを用いて得られたhmLFのフィンガープリントを示す。ポリクローナル抗hmLF抗体を使用して、固定化レクチンに結合したhmLFを検出した。このポリクローナル抗体は、全てのhmLFの糖化形態を認識し、従って棒グラフにおける各々のバーはアレイ結合化レクチン(これらはその特異性によってグループ分けされる)のうちの1つにおいて観察された結合を表す。独立した3つの実験を示す。このことはこのプラットフォームの再現性を実証する。相対的に簡素なフィンガープリント(ほとんどシグナルを含まない)を観察する:1つの主要なシグナルは、マンノース/グルコース特異性グループ由来のレクチンにより生じ、そして複合グリカン特異性グループにおいては、シグナルを観察しなかった。この複合グリカン特異性グループは、トリアンテナ型およびより高次のアンテナ型構造を認識する。これらの結果は、全てのラクトフェリングリカンが複合バイアンテナ型であることを示す。非シアリル化アンテナの末端グルコースを認識するレクチンにより、2つのシグナルが生じる。一方はGal特異性グループ由来であり、そして別の一方はGal/GalNAcグループ由来である。そしてさらなるシグナルは、フコース(コア型およびアンテナ型の両方)を認識する2つのレクチンにより生じ、そしてシアリル酸を認識する1つのレクチンより生じる。
Arthrobacter ureafaciens由来の50mU/mlのノイラミニダーゼ(Roche、カタログ番号269611)を使用して、10mg/mlのhmラクトフェリンを脱シアリル化した。Streptococcus pneumoniae由来の20mU/mlのβ−1,4−ガラクトシダーゼ(Calbiochem,カタログ番号345806)を使用して、ガラクトースを除去した。Streptococcus pneumoniae由来の20U/mlのβ 1,2,3,4,6−N−アセチルグルコサミニダーゼ(Calbiochem,カタログ番号110116)を使用して、N−アセチルグルコサミンを除去した。全ての切断反応を、プロテアーゼインヒビター(PI Cocktail Set I−Calbiochem、カタログ番号539131)を含む、pH6の50mMリン酸緩衝液の存在下で、37℃で19時間実施した。
図1Cは、連続的なグリカンの酵素的トリミングの後、そして同じ抗体プローブを使用した、hmLFのフィンガープリントを示す。図1Cは、段階的なグリカンの酵素的トリミングの後(KEY−−未処理のhmLF(斜線を有するボックス);脱シアリル化の後(濃い影付ボックス);末端ガラクトース残基の除去後(薄い影付のボックス);末端GlcNAc除去後の、同じhmLFサンプルのフィンガープリントを示す(白抜きのボックス)。
未処理サンプルのフィンガープリントは、図1Bの実験において観察されたものと、実際に同一であった。脱シアリル化の後、グルコース/マンノース特異性グループのレクチン(これは、複合バイアンテナ型コアを認識する)由来のシグナル、およびフコース認識性レクチン由来のシグナルは、実際に変化のないままであり、一方、シアリル酸認識性レクチン由来のシグナルは消失した。これらの結果は、hmLFグリカンの構造について公知であるものを考慮して予想される。
ガラクトース認識型レクチンは、より複雑な挙動を実証する。これらのレクチンからのシグナルは、差次的に増加した。このことは、シアリル酸の存在に対するこれらの差次的な感度:レクチン11がモノシアリル化されたグリカンのうちの非シアリル化アンテナを結合し得、そしてこれによって脱シアリル化後のこのレクチン由来のシグナルにおける小さな増加が、未処理サンプルにおける低レベルの二重シアリル化(di−sialylated)構造示すことを、実証する。対照的に、レクチン15のモノシアリル化グリカンへのアフィニティーは、完全に脱シアリル化されたグリカンとの比較において、有意に減少され、そしてこれによってこのレクチンのシグナルにおける大きな増加は、未処理のタンパク質が低レベルの中性グリカンを含むことを意味する。さらに、脱シアリル化サンプルへの応答の際にこれらサンプルについて観察されたシグナルにおける大きな差異は、ガラクトースに対するこれらのアフィニティーが有意に異なることを実証する。
レクチン1由来のシグナルは、末端ガラクトースの除去後に増加する。このことは、トリマンノシルコアに対するレクチンのアクセス能力の増加を実証する。ガラクトース認識型レクチン由来のシグナルは消失し、そして新規に曝露された末端N−アセチルグルコサミン(GlcNAc)を認識するレクチン由来のシグナルは明確である。フコース認識型レクチン由来のシグナルは変化のないままである。GlcNAcの除去後、レクチン1(トリマンノシルコアを認識する)由来のシグナルおよびフコース認識型レクチン由来のシグナルのみを観察する。
これらの結果は、グリカンの構造における変化に対する、結合したレクチンの感度を明らかに実証する。図1Bおよび図1Cのフィンガープリントはまた、フィンガープリントを逆重畳積分することの複雑さ:シグナル強度が認識されるエピトープの存在量とは相関しないこと、を実証する。脱シアリル化されたアンテナの末端ガラクトースに対して異なるアフィニティーを有するレクチン11およびレクチン15の前述の実施例は、このことを例示する;さらなる例は、レクチン21およびレクチン22のシグナルを比較することによって明らかにされる。レクチン21は、コアのフコース(全てのラクトフェリングリカンにおいて存在する)を認識するが、一方、レクチン22(シグナルがレクチン21のシグナルより40%高い)は、グリカンのうちの約30%のみにあるアンテナ型フコースの認識する。従って、グリカンエピトープの定量化は、レクチンのグリカン認識についての総合的な理解を必要とする。
(実施例2:規則に基づくフィンガープリントの逆重畳積分)
フィンガープリントの逆重畳積分を、好ましくは、レクチンのグリカン認識についての詳細な理解を得ることによって実施する。これは、グリカンに対するレクチンの特異性の幅広さによって、そしてそのアフィニティー(そのグループ内とグループ間との両方)が明らかに異なりかつ未知であるという事実によって、複雑にされる。これらのアフィニティーの測定は、各々のグリカン型に対して単一グリカン型の糖タンパク質を取得することが不可能であることにより阻まれる。数学的に、これは、特定のグリカンの存在が既知である場合の、特定のレクチンに対するシグナルを観察することの条件付き確率における不確実性と解読する。これは、確率ベースのアルゴリズムの使用を制限する。
フィンガープリント逆重畳積分のために、規則に基づくエキスパートシステム(Castilloら,「Expert Systems and Probabilistic Network Models」−(Monographs in Computer Science)Springer−Verlag,New−York 1997)を使用する代替のアプローチを選択した。このルールの基礎は、レクチン−グリカン認識規則からなり、この規則は、文献より抜粋され、そしてさらに十分に特徴付けられた多数のセットの糖タンパク質について実行されるフィンガープリントの手動補正(manual curation)によってさらに洗練された。これらのルールの例としては、以下が挙げられる:
Figure 2007514438
この規則は、普通の言語型で記載され、そしてこれによって容易に編集および最適化される。上記例において、LEC1−LEC5は、特定のレクチンを表す:第一の規則は、「LEC1についてのシグナルが観察される場合、サンプル中にトリアンテナ型グリカンまたはテトラアンテナ型グリカンのどちらかが存在する」ことを読み取る。上記で強調されたように、これらエピトープの各々の相対確率についての知見は利用可能でなく、従って任意の特定のフィンガープリントに関連する規則のセットからの直接的な推論は可能ではない。
採用されるアルゴリズムの解法は、証拠についてのDempster−Shafer理論(Shafer,Probability judgment in artificial intelligence.L.N.KanalおよびJ.F.Lemmer共編,Uncertainty in Artificial Intelligence.North−Holland,New−York,1986;Lefevreら A Generic Framework for Resolving the Conflict in the Combination of Belief Structures.FUSION 2000−3rd International Conference on Information Fusion.2000年7月,Paris,France;Ronald R.Yager(編者),Janusz Kacprzyk(編者),Mario Fedrizzi(編者).Advances in the Dempster−Shafer Theory of Evidence.Wiley & Sons 1994)に基づく推測エンジンである。証拠(知見)の多くの部分が単一の最も確率の高いモデルを決定するために重み付けされなければならなく、そしてシステム中に不確実性が存在する状況において、このフレームワークは強力である。ここで、レクチンシグナルは証拠の一部であり、レクチンの幅広い特異性、ならびにグリカンの多様性、糖化形態の多様性、およびレクチン認識エピトープの多様性に由来する不確実性を有する。推測エンジンへの入力は、レクチン結合シグナル(フィンガープリント)および解読規則のセットである。この推測エンジンは、シグナル強度に基づき、この規則を「証拠」に解読する。上記例において示された3つの規則は、以下へと解読される:
Figure 2007514438
各々のレクチンは1つより多くのグリカンについての証拠を提供し得るので、これらのシグナルは、推測エンジンが以下のグリカンのプロフィールに収束するまで、反復して処理される:
Figure 2007514438
従って、出力は、分析されたサンプル中のグリカンの記述子のセットおよび各々の記述子の相対量についての定量的推定である。レクチンの注意深い選択は、フィンガープリント逆重畳積分についての十分なデータを可能にする。例えば、25個のレクチンのアレイの分析は、25個のシグナルを生じる。必要とされる出力は、通常、5〜10個のグリカン記述子のセット(主要なグリカン構造および種々のさらなるエピトープ)である。数学的に、このことは、方程式の数が変数の数より相当多い問題を示す。従って、レクチン結合パターンが十分に独特である場合、発明者らは、フィンガープリントが解答を出すことを期待し得る。
表1は、5つの十分に特徴付けられた糖タンパク質:ヒトミルクラクトフェリン(hmLF)、ウシフェチュイン、Bowesメラノーマ細胞株由来の組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)、ブタサイログロブリン、およびヒトα1酸性糖タンパク質についてのフィンガープリントの逆重畳積分を表にする。この解釈は、サンプルの直接的な標識化によって得られたフィンガープリントに基づく。これらフィンガープリントの逆重畳積分は、Dempster−Shafer規則ベースの推測アルゴリズムによる。区分の数は、文献において報告されそして質量分析によって確認された(データは示さず)、各々のエピトープの割合を示す。NAは適用可能でないことを示す。*は、O−連結型フコシル化の変動するレベルでの複数の標準の欠如に起因して、このエピトープの定量性がパラメーター化されず、従って出力がそのエピトープの存在を示すのみであることを、示す。**は、慣例通りであり、N−連結型グリカンおよびO−連結型グリカンの分布が独立して処理され;N−連結型グリカン/O−連結型グリカンの最終比率が、N−連結型グリカン特異的レクチンおよびO−連結型グリカン特異的レクチンから得られたシグナルの相対強度から直接見積もられる。***は、シアリル化グリカンの平均レベルの推定を示す。また、実測値と、文献からコンパイルされ、そして質量分析により確認された(データは示さず)値との比較を報告する。
Figure 2007514438
hmLFのフィンガープリントの解釈は、正確なグリカンプロフィールを生じる(表1の最も左の列)。このフィンガープリントの解釈は、シアリル酸、ガラクトースおよびGlcNAc除去後の同じ全体的なグリカン構造を実証し、そしてシアリル酸の除去および末端のGlcNAcの存在を検出する。ウシフェチュインは、常に占有される3つのN−連結型グリコシル化部位、および3つの部分的に占有されるO−連結型グリコシル化部位を含む(Greenら J Biol Chem.1988;263(34):18253−68;EdgeおよびSpiro,J Biol Chem.1987;262(33):16135−41;SpiroおよびBhoyroo,J Biol Chem.1974;249(18):5704−17;Yetら J Biol Chem.1988;263(1):111−7)。約80%のグリカンがN−連結型複合グリカンであり、残りの20%がO−連結型複合グリカンである。フェチュインのフィンガープリントの解釈は、N−連結型グリカンおよびO−連結型グリカン両方についての構造ならびにそれらの相対量の正確な同定をもたらす(慣例に従って別個に計算したN−連結型グリカンおよびO−連結型グリカンの各々、ならびにそれらの相対量は、N−連結型グリカンまたはO−連結型グリカンのどちらかを優先的に認識するレクチンの相対強度から見積もる)。
組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)(Pohlら Biochemistry.1984;23(16):3701−7;Jaquesら Biochem J.1996;316(Pt2):427−37;Chanら Glycobiology.1991 Mar;1(2):173−85)は、3つのN−連結型グリコシル化部位を含み、これらのうちの2つが完全に占有され、一方は常に高マンノースグリカンにより、そしてもう一方は複合グリカンにより占有される。三番目の部位は、さらなる複合グリカンによる部分的な占有を示す。分析した同じサンプル(Bowesメラノーマ細胞株由来)において、高マンノースグリカンの量から推測すると、三番目の部位の占有レベルは低い。さらに、O−連結型フコースも存在する。このことは、tPAグリカンのプロファイリングは正確であることを実証し、そしてO−連結型フコース(これは、標準的な質量分析方法を使用して容易には検出できない)の検出を含む。ブタサイログロブリン(Roninら J Biol Chem.1986;261(16):7287−93;de Waardら J Biol Chem.1991;266(7):4237−43;SpiroおよびBhoyroo,J Biol Chem.1984;259(15):9858−66)は、表1に詳説された主要な構造に加え、低レベルのGalα(1−3)Gal(これは高等哺乳動物およびヒトを除く全ての哺乳動物により産生されるエピトープであり、そしてこれはヒトにおいて高度に抗原性である)を含む。このエピトープの検出およびその定量化は、生物学的治療薬の製造に重要である。UC−FINGERPRINTTM技術は、正確に、このエピトープのレベルを検出する。α1−酸性糖タンパク質(Seiら J Chromatogr A.2002;958(1−2):273−81)は、バイアンテナ型グリカン、トリアンテナ型グリカンおよびテトラアンテナ型グリカンを含む。フィンガープリントがこれらのアンテナ型を解読する能力は、正確な推定(クロマトグラフィー技術および質量分析技術により得られる推定の10%以内の全て)により明らかである。
(実施例3:直接標識化した糖化分子を使用して得られる糖化分子フィンガープリントと、第二のサッカライド結合剤のように標識化レクチンを使用して得られる糖化分子フィンガープリントとの比較)
サンプルの直接標識化を使用して得られるフィンガープリントパターンを、基材に結合した糖化分子の検出のために標識化レクチンを使用して得られるフィンガープリントパターンと比較した。
図2A〜2Cは、Bowsメラノーマ細胞株由来の組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)についてのフィンガープリントを示す。サンプルの直接的な標識化(図2A);高マンノースグリカンおよび複合バイアンテナ型グリカンの両方を認識する、グルコース/マンノース認識レクチンプローブを用いた標識化(図2B);または高マンノース型グリカンのみを認識する、グルコース/マンノース認識レクチンプローブを用いた標識化(図2C)によって、フィンガープリントを得た。フィンガープリントの各々を異なるプローブを用いて得たので、標識化プローブ(または、図2Aに示される研究については、サンプル)の蛍光における変動について、そして走査パラメーターにおける変動性について、シグナルを補正した。レクチンプローブを使用して得られたフィンガープリントの逆重畳積分は、全てのレクチン由来のシグナルの正確な評価を確実にするため、各々が異なるプローブを用いて得られたいくつかのフィンガープリントを必要とする。サンプルのグリコシル化パターンの複雑さに依存して、通常、2〜4つの異なるプローブを必要とする。
図2Aにおけるフィンガープリントは、図2Bおよび図2Cに示されるフィンガープリントより強力なシグナルを示したが、より低いシグナル強度を示した。このことは、標識化プローブを用いて得られた、増加した感度および増加した特異性を実証する。図2Aにおけるフィンガープリントは、表1に示された解釈のための入力であり、そして複合グリカン(主にコアのフコースを含むバイアンテナ型グリカン、および高マンノース型グリカン)に対して予想されるシグナルを示す。図1Bに示されるフィンガープリントは、主に特異性の増加に起因した、より少ないシグナルを示す。図1Cのフィンガープリントは、さらに少ないシグナルを示す:レクチン2およびレクチン3由来のシグナルは、このフィンガープリントでは観察されない。
これらの結果は、プローブとしてレクチンを使用することの威力を実証し、そしてtPAにおける単一の高マンノース部位の存在を明らかにする。高マンノース型グリカンを認識するレクチン由来のシグナルが検出されないという事実は、これらのレクチンに結合した糖化形態(パネルaおよびbにおいて明確である)が、標識化プローブとの相互作用のために利用可能なさらなる高マンノース型レクチンを有しないことを示す。
図3A〜Cは、以下の3つのプローブを使用して得られた、脱シアリル化ウシフェチュインのフィンガープリントを図示する:末端ガラクトースを認識するプローブ(図3A)、トリアンテナ型およびテトラアンテナ型の複合N−連結型グリカンを認識するプローブ(図3B)、およびN−アセチルグルコサミン(GalNAc)を認識するプローブ(図3C)。この後者のプローブは、O−連結型グリカンを優先的に認識する。多数のレクチンがシアリル酸の存在に感受性であり(Yimら Proc Natl Acad Sci USA.2001;98(5):2222−2225;Tronchinら Infect Immun.2002;70(12):6891−6895)そしてそのシアリル酸除去は、アンテナの分解能の増加を可能にする。パネル図3Aのフィンガープリントとパネル図3Bのフィンガープリントとの間の高い相関関係は、複合N−連結型グリカンが3つのN−連結型グリカン部位においてほぼ均一に分散されることを示唆し、このことはこれまでの刊行物と一致する。O−連結型グリカン認識プローブを用いて得られたフィンガープリント(図3C)は、より少なくかつより低いシグナルを示す。このことは、フェチュイン上でのより少ない量のO−連結型グリカンと一致する。さらに、このフィンガープリントにおいて、Gal/GalNAc認識レクチンのグループ由来のシグナルについての完全な消失は、糖化形態の大部分が単一のO−連結型グリコシル化部位を占有されることを示唆する。このことは、フェチュインにおけるN連結型グリカン/O連結型グリカンの報告された割合と一致する(Yimら Proc Natl Acad Sci U S A.2001;98(5):2222−2225;Tronchinら Infect Immun.2002;70(12):6891−6895)。
(実施例4:馴化培地より直接得られた糖タンパク質について決定されたUC−FINGERPRINTTMプロフィール)
図4は、精製されたtPAのフィンガープリントと比較した、CHO馴化培地中での直接分析されたtPAのフィンガープリントを図示する。2%または10%のFCSを補充したDMEM中でCHO細胞を増殖させた。細胞培養物上清を、示されるように48時間後または1週間後に収集した。別々の細胞培養物上清に最終濃度0.7μMにヒトtPAをスパイクさせた。150μlのtPA含有培地を種々の時点に収集し、そしてレクチンアレイとのインキュベーションに使用した。
これらのフィンガープリントを、グルコース/マンノース認識レクチンプローブを使用して取得した。これらのフィンガープリントを、そのタンパク質の精製サンプルを用いて得たフィンガープリントと比較可能であった。
(実施例5:UC−FINGERPRINTTMプロフィール決定のための、少量の糖タンパク質の標識化)
少量の糖タンパク質がUC−FINGERPRINTTM技術を使用して標識される能力を試験した。
これらの結果を図5に示す。0.1μM(白抜きのボックス)、0.3μM(薄い影付)、0.7μM(濃い影付)、および1μM(斜線)の濃度におけるヒトポリクローナルIgGのフィンガープリントを示す。フィンガープリントは、0.1μMほどの糖タンパク質を検出可能である。
これらの結果は、最小限のサンプル前処理をしたインタクトな糖タンパク質についてのグリカン構造物を用いて、UC−FINGERPRINTTM技術を実施し得ることを実証する。従って、この方法は、タンパク質のグリコシル化についての正確な分析に対する高スループットの解答を提供し得る。増殖培地中の粗製サンプルについての分析をさらに実施し得る。これは、時間のかかる精製工程および分解工程の必要性を除く。タンパク質濃度0.3μM未満の200μl未満のサンプル量は、定量分析をもたらすのに十分である。このことは、タンパク質治療剤の開発のあらゆる段階:クローンの選択および最適化、プロセス開発、増殖条件のモニタリング、製造および品質管理に、この技術を適用可能にさせる。さらに、これらの方法を、精製工程なしに使用し得る。このことは、得られる糖化形態集団への偏りを導入し得る(Bondら Journal of Immunological Methods,1993;166:27−33)。
(実施例6:フルオレセイン標識化および脱シアリル化糖タンパク質の還元)
0.667μg/μlのFc−キメラタンパク質を、50mM NaAc(pH4.99)およびプロテアーゼインヒビターおよび100単位のシアリダーゼ中で、37℃で16.5間脱シアリル化した。次いで、脱シアリル化したタンパク質を、濃度約0.667μg/μlの500μlの容量で、光の非存在下で25℃で2時間撹拌しながら標識した。この反応物は、80μlの0.2M 2M KHPO(pH9.18)および21.5μg/μlのフルオレセイン(DMSO中2mg/ml)を含んだ。
脱シアリル化され標識されたFC−キメラタンパク質を、0.2M Tris−Cl(pH8.0)および1mM DTT中で作製し、そして80℃で10分間インキュベートした。次いで、ヨード酢酸を最終濃度22mMに添加した。
遊離のシアリル酸、フルオレセイン、DTTおよびヨード酢酸を、DG−10クロマトグラフィーにより除去した。タンパク質の標識化は、280nmでの吸収を測定することにより確認し、そして種々の収集された画分に対して495nmを測定した。
(実施例7:UC−FINGERPRINTTMプロフィール決定のための糖タンパク質のPNGアーゼ処理)
PNGアーゼ処理された未処理エリスロポエチン(EPO)またはPNGアーゼ処理された変性エリスロポエチンのUC−FINGERPRINTTMプロフィールを決定した。変性したEPOを、SDSおよびβ−メルカプトエタノールを用いて調製し、そして100℃で10分間加熱した。冷ました後、PNGアーゼF(0.5U/μl)と一緒にTriton1%を添加した。
未処理エリスロポエチンまたは変性エリスロポエチンに対して、そしてPNGアーゼF処理された未処理エリスロポエチンまたはPNGアーゼF処理された変性エリスロポエチンに対しての、複数のレクチンについてのUC−FINGERPRINTTMプロフィールを調製した。各々に対して得られたフィンガープリントは異なっていた。このことは、タンパク質を変性することおよびタンパク質をPNGアーゼF処理に供することが、未処理EPOまたは変性EPOが使用される場合には検出されない、EPOについてのグリカン情報を明らかにすることを実証する。
示された記載は、本発明の範囲を例示するためであるが、限定しないことが意図される。さらなる実施形態は、特許請求の範囲内である。
図1Aは、ヒトのミルクラクトフェリン(hmLF)の代表的なバイアンテナ型(bi−antennary)グリカンを示す概略図である。種々のグリカンは、(2,6)連結したシアル酸残基および(1,3)連結したアンテナ様フコースの存在が異なる。 図1Bは、プローブとして標識化された抗ラクトフェリン抗体を使用することにより取得されたフィンガープリントである。24個のアレイ結合したレクチンがこの実験に使用され、そして横軸上にそれらの特異性によりグループ化される。複合N−連結型グリカンのグループはレクチンを含み、このレクチンは単糖類とは結合せず、むしろ少なくとも3つのアンテナを含む複合N−連結グリカンを必要とする。3回の独立した実験についての結果が示される。シグナルは、適用可能である場合に各々のスライドに対する走査パラメーターにおける差異(レーザー出力およびPMTゲイン)について補正され、そしてプローブの蛍光のレベルが実験間で異なる場合にプローブの蛍光のレベルにおける差異について補正された。 図1Bは、プローブとして標識化された抗ラクトフェリン抗体を使用することにより取得されたフィンガープリントである。図1Cは、グリカンの段階的な酵素の調整後の、同じhmLFサンプルのフィンガープリントを示す。網掛け、天然のhmLF;濃い影付、脱シアリル化後のhmLF;濃い影付、末端ガラクトース残基除去後のhmLF;白抜き、末端GlcNAc除去後のhmLF。 図2A〜2Cは、Bowsメラノーマ細胞株由来の組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)のフィンガープリントである。図2Aにおいて取得されたフィンガープリントは、サンプルの直接の標識化を使用して取得された。各々のフィンガープリントは異なるプローブを使用して取得されたので、シグナルは、標識化プローブの蛍光のバリエーション(または、図2Aについてはサンプル)に対して、そして走査パラメーターの変動に対して補正された。レクチンプローブを使用して取得されたフィンガープリントの逆重畳積分は、全てのレクチンからのシグナルを確実にするため、異なるプローブを用いて各々が取得されたいくつかのフィンガープリントを必要とする。サンプルのグリコシル化パターンの複雑さに依存して、通常、2〜4種の異なるプローブが必要とされる。 図2A〜2Cは、Bowsメラノーマ細胞株由来の組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)のフィンガープリントである。図2Bにおいて取得されたフィンガープリントは、高マンノースグリカンおよび複合バイアンテナ型グリカンの両方を認識するグルコース/マンノース認識プローブの直接の標識化を使用して取得された。各々のフィンガープリントは異なるプローブを使用して取得されたので、シグナルは、標識化プローブ(または、図2Aについてはサンプル)の蛍光のバリエーションに対して、そして操作パラメーターの変動に対して補正された。レクチンプローブを使用して取得されたフィンガープリントの逆重畳積分は、全てのレクチンからのシグナルを確実にするため、異なるプローブを用いて各々が取得されたいくつかのフィンガープリントを必要とする。サンプルのグリコシル化パターンの複雑さに依存して、通常、2〜4種の異なるプローブが必要とされる。 図2A〜2Cは、Bowsメラノーマ細胞株由来の組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)のフィンガープリントである。図2Cにおいて示されるフィンガープリントは、高マンノース型グリカンのみを認識するグルコース/マンノース認識プローブを使用して取得された。各々のフィンガープリントは異なるプローブを使用して取得されたので、シグナルは、標識化プローブ(または、図2Aについてはサンプル)の蛍光のバリエーションに対して、そして操作パラメーターの変動に対して補正された。レクチンプローブを使用して取得されたフィンガープリントの逆重畳積分は、全てのレクチンからのシグナルを確実にするため、異なるプローブを用いて各々が取得されたいくつかのフィンガープリントを必要とする。サンプルのグリコシル化パターンの複雑さに依存して、通常、2〜4種の異なるプローブが必要とされる。 図3A〜3Cは、脱シアル化されたウシフェチュインのフィンガープリントである。図3Aにおけるフィンガープリントは、末端グルコース認識プローブを使用して取得された。シグナル補正は、図2A〜2Cに関するものと同様である。パネル図3Aのフィンガープリントとパネル図3Bのフィンガープリントとの間の高い相関は、3つのN−連結型グリコシレーション部位における複合N−連結型グリカンのほぼ均一な分布を実証する。 図3A〜3Cは、脱シアル化されたウシフェチュインのフィンガープリントである。図3Bにおけるフィンガープリントは、複合N−連結型グリカン認識プローブを使用して取得された。シグナル補正は、図2A〜2Cに関するものと同様である。パネル図3Aのフィンガープリントとパネル図3Bのフィンガープリントとの間の高い相関は、3つのN−連結型グリコシレーション部位における複合N−連結型グリカンのほぼ均一な分布を実証する。 図3A〜3Cは、脱シアル化されたウシフェチュインのフィンガープリントである。図3Cにおけるフィンガープリントは、O−連結型グリカンを優先的に認識するGal/GalNAc認識プローブを使用して取得された。シグナル補正は、図2A〜2Cに関するものと同様である。パネル図3Aのフィンガープリントとパネル図3Bのフィンガープリントとの間の高い相関は、3つのN−連結型グリコシレーション部位における複合N−連結型グリカンのほぼ均一な分布を実証する:図3Cにおける低シグナルは、サンプル中の低レベルのO−連結型グリカンと相関関係がある。 図4は、精製されたtPAからのフィンガープリントとの、馴化培地からのtPAのフィンガープリントの比較を示す。フィンガープリントは、グルコース/マンノース認識プローブを使用して取得された。このプローブは、高マンノース型グリカンおよびバイアンテナ型グリカンの両方を認識する。これらのフィンガープリントは、図2A〜2Cについて記載されるように補正される。斜線、精製されたtPA;濃い影付、培養物の増殖の48時間後に収集された、2%FCSを有するDMEM中にスパイクされたtPA;薄い影付、培養物の増殖の1週間後に、2%FCSを有するDMEM中にスパイクされたtPA:白抜き、培養物の増殖の1週間後に、10%FCSを有するDMEM中にスパイクされたtPA。 図5は、種々の濃度のヒトポリクローナルIgGについてのフィンガープリントの比較を示す。サンプル濃度の低減は、この技術が治療タンパク質開発の初期段階に適用され得ることを実証する。IgG濃度に関しては以下である:1μM(斜線);0.7μM(濃い影付);0.3μM(薄い影付);および0.1μM(白抜き)。 図6は、スライド洗浄のための手動のホルダの代表例である。

Claims (70)

  1. 糖化分子についての糖化分子フィンガープリントを決定するための方法であって、該方法は、以下:
    糖化分子を提供する工程であって、ここで、該糖化分子は脱シアリル化またはN−グリコシダーゼF(PNGアーゼF)を用いた処理により改変されている、工程;
    該糖化分子を、複数のサッカライド結合剤を含む基材に添加する工程;
    該サッカライド結合剤に複数で結合した糖化分子を検出する工程;および
    該サッカライド結合剤への該糖化分子の結合に基づき、該糖化分子のフィンガープリントを得る工程、
    を包含する、方法。
  2. 前記糖化分子が脱シアリル化によって改変されている、請求項1に記載の方法。
  3. 実質的に全てのシアリル酸残基が前記糖化分子から除去されている、請求項2に記載の方法。
  4. 前記脱シアリル化が、前記糖化分子とシアリダーゼとの反応によって達成される、請求項2に記載の方法。
  5. 前記糖化分子がプロテアーゼインヒビターの存在下で前記シアリダーゼと反応される、請求項4に記載の方法。
  6. 前記糖化分子がPNGアーゼFを用いた処理により改変されている、請求項1に記載の方法。
  7. 前記糖化分子において実質的に全てのAsn−アセチルグルコサミン結合が前記PNGアーゼFによって切断されている、請求項6に記載の方法。
  8. 前記糖化分子が脱シアリル化およびPNGアーゼFを用いた処理により改変されている、請求項1に記載の方法。
  9. 前記フィンガープリントを得る工程の前に、前記糖化分子と還元剤およびアルキル化剤とを反応させる工程さらに含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記糖化分子が脱シアリル化により改変されている、請求項9に記載の方法。
  11. 前記方法が、脱シアリル化後、前記糖化分子と前記還元剤およびアルキル化剤とを反応させる工程を含む、請求項10に記載の方法。
  12. 前記還元剤が、β−メルカプトエタノール、ジチオトレイトールおよびメルカプトエチルアミンからなる群より選択される、請求項9に記載の方法。
  13. 前記アルキル化剤がヨードアセトアミドおよびヨード酢酸からなる群より選択される、請求項9に記載の方法。
  14. 前記方法の全ての工程が単一容器内で実施される、請求項1に記載の方法。
  15. 糖化分子が該糖化分子と結び付いた標識を用いて検出される、請求項1に記載の方法。
  16. 前記標識が蛍光標識である、請求項15に記載の方法。
  17. 前記蛍光標識が、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、ローダミン、テキサスレッド、およびCy5からなる群より選択される、請求項16に記載の方法。
  18. 前記糖化分子を前記基材に添加する工程の前に、前記標識が該糖化分子に添加される、請求項15に記載の方法。
  19. 前記糖化分子を前記基材に添加する工程の後に、前記標識が糖化分子に添加される、請求項15に記載の方法。
  20. 前記糖化分子を前記基材に添加する工程の間に、前記標識が糖化分子に添加される、請求項15に記載の方法。
  21. 前記標識が前記糖化分子に直接結び付けられる、請求項15に記載の方法。
  22. 前記糖化分子に結合する第二のサッカライド結合剤に前記標識が結び付けられる、請求項15に記載の方法。
  23. 前記第二のサッカライド結合剤がレクチンである、請求項22に記載の方法。
  24. 前記第二のサッカライド結合剤が抗体である、請求項22に記載の方法。
  25. 前記糖化分子を前記基材に添加する工程の前に該糖化分子を精製する工程をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
  26. 前記精製する工程がカラムクロマトグラフィーによる、請求項25に記載の方法。
  27. 前記糖化分子が糖タンパク質である、請求項1に記載の方法。
  28. 前記糖タンパク質が細胞培養物培地由来である、請求項27に記載の方法。
  29. 前記糖タンパク質が、免疫グロブリンポリペプチドの少なくとも一部を含む、請求項27に記載の方法。
  30. 前記免疫グロブリンがIgGアイソタイプである、請求項29に記載の方法。
  31. 前記一部がFc分子である、請求項29に記載の方法。
  32. 前記方法が、前記フィンガープリントを得る工程の前に、界面活性剤を用いて前記糖化分子を処理する工程を包含する、請求項1に記載の方法。
  33. 前記界面活性剤がイオン性界面活性剤である、請求項32に記載の方法。
  34. 前記界面活性剤が硫酸ドデシルナトリウム(SDS)である、請求項33に記載の方法。
  35. 前記基材がミクロスフェアである、請求項1に記載の方法。
  36. 前記基材が複数のミクロスフェアを含む、請求項35に記載の方法。
  37. 1種のみのサッカライド結合剤が前記ミクロスフェア上に存在する、請求項35に記載の方法。
  38. 1種より多くのサッカライド結合剤が前記ミクロスフェア上に存在する、請求項35に記載の方法。
  39. 糖化分子についての糖化分子フィンガープリントを決定するための方法であって、該方法は、以下:
    複数のサッカライド結合剤を含む基材に糖化分子を添加する工程;
    該サッカライド結合剤に複数で結合した糖化分子を検出する工程;および
    該糖化分子の該サッカライド結合剤への結合に基づき、該糖化分子についてのフィンガープリントを得る工程、
    を包含する、方法。
  40. 前記糖化分子が標識と結び付けられ、そして結合した糖化分子が前記基材上で結合した標識を同定することにより検出される、請求項15に記載の方法。
  41. 前記標識が蛍光標識である、請求項40に記載の方法。
  42. 前記蛍光標識が、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、ローダミン、テキサスレッド、およびCy5からなる群より選択される、請求項41に記載の方法。
  43. 前記糖化分子を前記基材に添加する工程の前に、前記標識が糖化分子に添加される、請求項40に記載の方法。
  44. 前記糖化分子を前記基材に添加する工程の後に、前記標識が糖化分子に添加される、請求項40に記載の方法。
  45. 前記糖化分子を前記基材に添加する工程の間に、前記標識が糖化分子に添加される、請求項40に記載の方法。
  46. 前記標識が前記糖化分子に直接結び付けられる、請求項40に記載の方法。
  47. 前記糖化分子に結合する第二のサッカライド結合剤に前記標識が結び付けられる、請求項40に記載の方法。
  48. 前記第二のサッカライド結合剤がレクチンである、請求項47に記載の方法。
  49. 前記第二のサッカライド結合剤が抗体である、請求項47に記載の方法。
  50. 前記標識が、前記糖化分子上の非炭水化物分子に結合する薬剤と結び付けられる、請求項40に記載の方法。
  51. 前記糖化分子が糖タンパク質であり、そして前記薬剤が該糖タンパク質上のペプチドエピトープに結合する、請求項50に記載の方法。
  52. 前記基材が実質的に平面である、請求項49に記載の方法。
  53. 前記基材がミクロスフェアである、請求項40に記載の方法。
  54. 前記基材が複数のミクロスフェアを含む、請求項53に記載の方法。
  55. 各々のミクロスフェアが1つの型のサッカライド結合剤を含む、請求項53に記載の方法。
  56. 糖化分子を分析するためのキットであって、該キットは、以下:
    デシアリダーゼおよびPNGアーゼFからなる群より選択される、糖化分子改変剤;ならびに
    糖化分子を標識するための標識化剤
    を備える、キット。
  57. 複数のサッカライド結合剤を含む基材をさらに備える、請求項56に記載のキット。
  58. 還元剤およびアルキル化剤をさらに備える、請求項56に記載のキット。
  59. 前記標識化剤が糖化分子に直接結合する、請求項56に記載のキット。
  60. 前記標識化剤が第二のサッカライド結合剤および該第二のサッカライド結合剤と結び付けられる標識を含む、請求項56に記載のキット。
  61. 基材ホルダをさらに備える、請求項56に記載のキット。
  62. 糖化分子を分析するためのキットであって、該キットは、以下;
    糖タンパク質に特異的に結合する抗体;および
    糖化分子を標識するための標識化剤
    を備える、キット。
  63. デシアリダーゼおよびPNGアーゼFからなる群より選択される糖化分子改変剤をさらに含む、請求項62に記載のキット。
  64. 複数のサッカライド結合剤をさらに含む基材を備える、請求項62に記載のキット。
  65. 還元剤およびアルキル化剤をさらに含む、請求項62に記載のキット。
  66. 前記標識化剤が糖化分子に直接結合する、請求項62に記載のキット。
  67. 前記標識化剤が、第二のサッカライド結合剤および該第二のサッカライド結合剤と結び付けられる標識を含む、請求項62に記載のキット。
  68. 基材ホルダをさらに備える、請求項62に記載のキット。
  69. 前記抗体が前記糖タンパク質上のポリペプチドエピトープに結合する、請求項62に記載のキット。
  70. 前記抗体が前記糖タンパク質上の多糖類エピトープに結合する、請求項62に記載のキット。
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