JP2007514420A - 飽和脂肪酸のレベルが低減されたトランスジェニック植物およびその製造方法 - Google Patents

飽和脂肪酸のレベルが低減されたトランスジェニック植物およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007514420A
JP2007514420A JP2006544192A JP2006544192A JP2007514420A JP 2007514420 A JP2007514420 A JP 2007514420A JP 2006544192 A JP2006544192 A JP 2006544192A JP 2006544192 A JP2006544192 A JP 2006544192A JP 2007514420 A JP2007514420 A JP 2007514420A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plant
seq
delta
transgenic plant
saturated fatty
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006544192A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4755109B2 (ja
Inventor
シャー,セールハザーマン
ウェーゼレイク,ランダル
Original Assignee
アルバータ リサーチ カウンシル インコーポレーテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by アルバータ リサーチ カウンシル インコーポレーテッド filed Critical アルバータ リサーチ カウンシル インコーポレーテッド
Publication of JP2007514420A publication Critical patent/JP2007514420A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4755109B2 publication Critical patent/JP4755109B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
    • C12N15/79Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts
    • C12N15/82Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for plant cells, e.g. plant artificial chromosomes (PACs)
    • C12N15/8241Phenotypically and genetically modified plants via recombinant DNA technology
    • C12N15/8242Phenotypically and genetically modified plants via recombinant DNA technology with non-agronomic quality (output) traits, e.g. for industrial processing; Value added, non-agronomic traits
    • C12N15/8243Phenotypically and genetically modified plants via recombinant DNA technology with non-agronomic quality (output) traits, e.g. for industrial processing; Value added, non-agronomic traits involving biosynthetic or metabolic pathways, i.e. metabolic engineering, e.g. nicotine, caffeine
    • C12N15/8247Phenotypically and genetically modified plants via recombinant DNA technology with non-agronomic quality (output) traits, e.g. for industrial processing; Value added, non-agronomic traits involving biosynthetic or metabolic pathways, i.e. metabolic engineering, e.g. nicotine, caffeine involving modified lipid metabolism, e.g. seed oil composition

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Nutrition Science (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Plant Pathology (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Breeding Of Plants And Reproduction By Means Of Culturing (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Fats And Perfumes (AREA)
  • Storage Of Fruits Or Vegetables (AREA)
  • Fertilizers (AREA)
  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

【課題】 低減されたレベルの飽和脂肪酸を含有する種油を提供することのできる植物を提供する。
【解決手段】 本発明は、種油中の飽和脂肪酸のレベルが低減されたトランスジェニック植物およびその製造方法を提供する。この方法により発生したトランスジェニック植物は種油中に低減されたレベルの飽和脂肪酸を含有するが、この低減されたレベルは小胞体保留および回収シグナル配列に機能的に連結された原核生物のデルタ-9不飽和化酵素(すなわち飽和脂肪酸のデルタ-9位にcis二重結合を導入する酵素)の発現に起因するものである。本発明の一つの例はシアノバクテリアであるAnacystis nidulans由来の異種デルタ-9不飽和化酵素を発現する植物であるが、この酵素はKKSS(配列番号5)小胞体保留および回収シグナル配列と機能的に連結されており、脂質結合型16:0および18:0脂肪酸をそれぞれ16:1および18:1へと変換するものである。
【選択図】 なし

Description

関連出願への相互参照
本出願は、「METHOD OF CREATING PLANTS WITH REDUCED LEVEL OF SATURATED FATTY ACID IN SEED OIL」と題され、2003年12月18日に出願された、カナダ特許出願番号第2,450,000号からの優先権を主張するものである。
発明の分野
本発明は広くは、トランスジェニック植物の分野に関する。より詳細には、本発明は、植物によって産生される種油の飽和脂肪酸含量を低減させるために、植物中の脂肪酸代謝を変更する分子技術に関する。この技術は、例えば油産生植物と比較して栄養価の改善された種油の量産において有用である。
発明の背景
特定の目的のために設計された植物由来の油を創り出すために、植物中の脂肪酸(FA)代謝を変更することには特別な関心が寄せられてきた。油の性質はその脂肪酸組成によって決まり、脂肪酸組成は栄養組成と酸化安定性の両方に影響を及ぼす。
各種の油脂中の飽和FAのレベルは、重要な健康上の関心事である。それ故、より低い飽和FA含量の植物油が提供されることに対して、市場では圧力が高まっている。殆どの植物油に含まれる飽和脂肪酸の主な成分は、16:0(パルミチン酸)および18:0(ステアリン酸)である。
植物油市場では、飽和FA含量が7%未満の油は「低-飽和(low-sat)」と表示することでき、飽和FA含量が3.5%未満の油は「無-飽和(no-sat)」と表示することできる。キャノーラ(セイヨウアブラナ(Brassica napus))種油は一般的に飽和脂肪酸が少ないが、しかし飽和脂肪酸レベルを「低-飽和」閾値である7%飽和FA含量より低く維持することは困難である。
この問題に対処しようとこれまでにも試みが成されてきた。例えば、脂肪酸代謝に関連する異種植物遺伝子を含んだトランスジェニック植物が作製された(例えばShah S, Weselake R (2003) Farming For the Future, AARI プロジェクト番号19990032, 最終レポート, pp.1-82;およびYao ら Plant Biotech J 2003, 1:221を参照されたい)。しかしながら、これらのトランスジェニック植物中の飽和脂肪酸はほとんどあるいは全く低減しなかった。例えば、Yaoら(2003)はArabidopsis由来のADS1遺伝子をカラシナ(B. juncea)種子中で発現させたことに伴い飽和FAレベルが1〜2%減少したと報告した。
この文脈において、原核生物遺伝子は植物遺伝子に代わる魅力的な手段を提供するが、しかしながら原核生物タンパク質はしばしば植物バックグラウンド中では限定的な活性しか示さないかあるいは全く活性を示さない(例えばHahn JJ, Eschenlauer AC, Narrol MH, Somers DA, Srienc F (1997) Growth kinetics, nutrient uptake, and expression of the Alcaligenes eutrophus poly(β-hydroxybutyrate) synthesis pathway in transgenic maize cell suspension cultures. Biotech Prog 13: 347-354を参照されたい)。
これまでに、植物種油の栄養価は、異種デルタ-6不飽和化酵素(シアノバクテリア、ボリジまたは月見草に由来)を発現して多不飽和脂肪酸であるリノール酸(C18Δ9,12)をガンマ-リノレン酸(GLA、C18Δ6,9,12)へと変換するトランスジェニック植物を作製することにより改善することができる、ということが示されている(米国特許第5552306号;第5614393号;第5663068号;第5789050号;第6355861号;第6683232号;および米国特許出願公開第20040078845号を参照されたい)。リノール酸(C18Δ9,12)は、脊椎動物が合成することの出来ない必須の食事成分であり、通常は植物性供給源から得られる。脊椎動物細胞は、脂肪酸のデルタ-9位に二重結合を導入することはできるものの、デルタ-9二重結合と脂肪酸鎖のメチル末端の間には追加の二重結合を導入することができない。リノール酸は哺乳動物によりガンマ-リノレン酸(GLA、C18Δ6,9,12)に変換され得るが、ガンマ-リノレン酸は次に、ほとんどのプロスタグランジンの必須の前駆体であるアラキドン酸(20:4)へと変換され得る。
従って、より低いレベルの飽和脂肪酸を含有する種油を提供することのできるトランスジェニック植物が依然として必要とされている。
発明の概要
本発明は、植物により産生される種油中の飽和脂肪酸のレベルを低減させるための分子技術を提供する。より詳細には、本発明の分子技術は、植物により産生される種油中の飽和脂肪酸含量を低減させるのに有効なレベルで、植物中にデルタ-9不飽和化酵素活性を有する酵素(すなわちデルタ-9位で脂肪酸を不飽和化する酵素)を発現させる。
このことから、ある態様において、本発明は、小胞体保留および回収シグナル配列と機能的に連結された、原核生物由来のデルタ-9不飽和化酵素を含む組換えポリペプチドを提供する。
デルタ-9不飽和化酵素は、例えばシアノバクテリアなどの原核生物(例えばAnacystis nidulans)由来である。
ある実施形態において、デルタ-9不飽和化酵素は、
(a) 配列番号2に示されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、
(b) (a)において定義したポリペプチドの変異体または相同体であって、該ポリペプチドと少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%または95%の同一性を有し、かつデルタ-9不飽和化酵素活性を有するもの、あるいは
(c) (a)において定義したポリペプチドの断片であって、該ポリペプチドと同一の少なくとも連続した50アミノ酸を有し、かつデルタ-9不飽和化酵素活性を有するもの、
を含む。
ある実施形態において、デルタ-9不飽和化酵素は、配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含み、小胞体膜保留および回収シグナルはアミノ酸配列KKSS(配列番号5)を有する。
本発明はまた、上記に定義した組換えポリペプチドをコードする核酸分子、プロモーターと機能的に連結された該核酸分子を含むベクター、該ベクターで形質転換された宿主細胞、およびトランスジェニック植物中で組換えポリペプチドの発現をもたらすプロモーターと機能的に連結された上述の核酸分子を含有するトランスジェニック因子を含むトランスジェニック植物細胞を提供する。
本発明はさらに、トランスジェニック植物を製造する方法であって、(a)上記核酸分子、またはそのような核酸を含むベクターで植物細胞を形質転換すること(ここで前記核酸は植物細胞中で組換えポリペプチドの発現をもたらすプロモーターと機能的に連結されている)、(b) ステップ(a)で作製された形質転換植物細胞から植物を再生すること、を含む前記方法を提供する。
本発明はさらに、トランスジェニック植物中で組換えポリペプチドの発現をもたらすプロモーターと機能的に連結された上述の核酸分子を含有するトランスジェニック因子を含んでなるトランスジェニック植物を提供する。
本発明のトランスジェニック植物および植物細胞は、例えば、同じ種の野生型植物と比較して飽和脂肪酸含量の低減された種油の産生において有用である。
詳細な説明
本発明の一例として、本出願人らは、トランスジェニックキャノーラ植物を開発し、現行の商用品種と比較して飽和脂肪酸含量%が約40%低減されたことを実証した。この低減は、キャノーラ植物中で、小胞体(ER)保留および回収シグナルであるKKSS(配列番号5)に融合された配列番号2に記載のデルタ-9不飽和化酵素を含む組換えポリペプチドを発現させることにより達成された。KKSS(配列番号5)に融合された不飽和化デルタ-9酵素の発現はキャノーラ種油の飽和FA含量を著しく低減させるのに対して、不飽和化酵素遺伝子単独(すなわちKKSS(配列番号5)に融合されていないもの)はキャノーラ種油中の飽和脂肪酸レベルを低減させるのにさほど効果的ではないことを本出願人らは見出した。野生型キャノーラからの種油中の飽和脂肪酸含量約7.2%と比較して、本明細書に記載するトランスジェニックキャノーラ系統は約4.3%もの少なさの飽和脂肪酸しか含有しなかった。キャノーラ中の両方の主要な飽和脂肪酸(16:0と18:0)がこれらの系統で低減された。
本明細書の文脈において、脂肪酸における二重結合の位置は、記号「Δ(デルタ)」の後に、カルボキシ末端から二重結合を有する炭素までの炭素数によって示される。二重結合の総数は、炭素の総数の次にくるコロンの後に示される。例えば、リノール酸は18:2Δ9,12と表され、次の構造式で表される:CH3(CH2)4CH=CHCH2CH=CH(CH2)7COOH。また一方、当技術分野で使用される脂肪酸を命名するための他の慣習も存在する。例えば、二重結合の位置を記号「ω(オメガ)」の後ろに、脂肪酸のメチル末端から二重結合を有する炭素までの炭素数で示すこともできる。
本明細書の文脈において、「本発明のポリペプチド」とは、小胞体保留および回収シグナル配列と機能的に連結された原核生物由来のデルタ-9不飽和化酵素を含む組換えポリペプチドのことである。
本明細書の文脈において、「本発明の核酸分子」とは、本発明のポリペプチドをコードする組換え核酸分子のことである。
本明細書の文脈において、「野生型」植物または植物細胞とは、本発明のポリペプチドを発現するように遺伝子操作されてはいない植物または植物細胞のことである。
本明細書の文脈において、「デルタ-9不飽和化酵素活性」とは、飽和脂肪酸(例えば16:0、18:0、20:0もしくは22:0飽和脂肪酸またはこれらの任意の組み合わせ)のデルタ-9位に二重結合を導入する能力を意味する。
「組換え」という用語は、何かしらが組換えられたことを意味し、このことから核酸構築物に関連して用いられた場合、この用語は分子生物学的技術の手段により一緒に接続されたかまたは作製された核酸配列を含んでなる分子を言う。「組換え」という用語は、タンパク質またはポリペプチドに関連して用いられた場合、分子生物学的技術の手段により創作された組換え核酸構築物を用いて発現させたタンパク質またはポリペプチド分子を言う。遺伝的組成物に関連して用いられた場合、「組換え」という用語は親のゲノムでは生じなかった対立遺伝子の新しい組み合わせを有する配偶子もしくは子孫もしくは細胞もしくはゲノムを言う。組換え核酸構築物には、天然では連結されていないもしくは天然では異なる位置に連結されている核酸配列に、連結されているかもしくは連結されるように操作されているヌクレオチド配列が含まれ得る。このことから核酸構築物を「組換え」と呼ぶことは、その核酸分子が遺伝子工学を用いて、すなわち人的介入により、操作されたものであることを表す。組換え核酸構築物は例えば形質転換により宿主細胞に導入することができる。このような組換え核酸構築物には、単離され宿主生物種の細胞へと再導入された、同じ宿主細胞種または異なる宿主細胞種由来の配列が含まれ得る。組換え核酸構築物配列は、宿主細胞の最初の形質転換の結果として、または、その後の組換えおよび/もしくは修復事象の結果として、宿主細胞ゲノム内に組込まれ得る。
デルタ-9不飽和化酵素
本実施例で用いるデルタ-9不飽和化酵素は、シアノバクテリアであるAnacystis nidulans (Ishizaki-Nishizawaら1996)由来であり、配列番号2に記載のアミノ酸配列を有する。このタンパク質は、脂質に結合した飽和脂肪酸のデルタ-9位にcis-二重結合(すなわち不飽和化)を導入する。このタンパク質は、16:0脂肪酸に対してより高い特異性を有するが、例えば18:0などのより長い飽和脂肪酸も不飽和化する。このタンパク質は、Nishizawaらの米国特許第6,043,411号およびNature Biotechnology 14: 1003-1006に詳細に記載されており、EMBL GeneBankに登録番号X77367として登録されているが、これらの引用物の全てを参照により本明細書に組み入れる。この不飽和化酵素をコードする遺伝子を本明細書では「Anacystis nidulans由来のdes9遺伝子(配列番号1)」と呼ぶが、ときには同酵素は当技術分野ではDSG遺伝子と呼ばれる。
他の原核生物供給源由来のデルタ-9不飽和化酵素を本発明に使用することも可能である。例えば、本発明に有用であり得るデルタ-9不飽和化酵素の適当な原核生物供給源としては、限定するものではないが、細菌、例えばAnacystis、Synechocystis、Anabaena、Aphanocapsa、Mastigocladus、Nitzchia、SynechococcusおよびSpirulinaの属に属するシアノバクテリアが挙げられる。
高等植物は18:0 FAよりも多い量の16:0 FAを含有する。従って、16:0 FA基質に対する高い親和性を有するデルタ-9不飽和化酵素が、本発明を実施するのに好ましい。
本発明のポリペプチドのデルタ-9不飽和化酵素構成要素は、天然デルタ-9不飽和化酵素の変異体であり得るが、例えば、末端切断化および断片化されたものを含む欠失体、タグ化ポリペプチドおよび融合タンパク質を含む挿入体および付加体、ならびに例えば部位特異的突然変異誘発体などの置換体、ならびに、対立遺伝子変異体が挙げられる。変異体は、例えば、天然デルタ-9不飽和化酵素またはその断片のアミノ酸配列中の1以上のアミノ酸残基を、置換、欠失または付加して生物学的活性についてスクリーニングすることにより、作製することができる。
本発明を実施するのに適当な変異体は、例えば、天然の不飽和化酵素と少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%または95%の同一性を有し、かつデルタ-9不飽和化酵素活性を有し得る。
デルタ-9不飽和化酵素はまた、既知のデルタ-9不飽和化酵素(例えばAnacystis nidulans由来のデルタ-9不飽和化酵素(配列番号2)など)の相同体であり得る。相同体は、標準的な分子生物学技術を用いることにより、または遺伝子データベースに提供された配列について相同配列を検索することにより同定することができる。
本発明を実施するのに適当な相同体は、例えば、天然の不飽和化酵素(例えばAnacystis nidulans由来のデルタ-9不飽和化酵素(配列番号2)など)と少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%または95%の同一性を有し、かつデルタ-9不飽和化酵素活性を有し得る。
本発明を実施するのに適当な断片は、天然のデルタ-9不飽和化酵素と同一の少なくとも連続した50アミノ酸を有し、かつデルタ-9不飽和化酵素活性を有するものであり得る。例えば、適当な断片は、天然のデルタ-9不飽和化酵素と同一の少なくとも連続した約50、100、150、200、または250アミノ酸を有し得る。
小胞体保留および回収シグナル
油産生植物においては、油の合成と脂質結合型脂肪酸の不飽和化は、とりわけ種子では、細胞の小胞体で行われる。従って、真核細胞中では、脂肪酸代謝に関わる原核生物酵素(例えば不飽和化酵素)の活性を、その酵素をERに標的化することにより、増加させることができるかもしれない。
多くの膜貫通型タンパク質は、真核細胞においてはプロセシングされ細胞表面へと輸送される。こうしたタンパク質のうちのいくつかは、タンパク質に適当なシグナル配列を付加することにより小胞体(ER)に回収され保持され得る。例えば以下のアミノ酸配列はER保留および回収シグナル配列として機能し得る:
(a) KDEL(配列番号4)(例えばVan den Broeckら(1985) Nature 313, 358;およびMichaelisら(1982) Ann. Rev. Microbiol. 36, 425を参照されたい)、
(b) KKXX(配列番号3)、ここでXは任意のアミノ酸であり、特にKKSS(配列番号5)(Vincentら(1998) J. Biol. Chem. 273:950-6)、
(c) HDEF(配列番号6)(Lehmann K.ら(2001) Plant Physiol. Oct;127(2):436-49)、
(d) KEEL(配列番号7)およびKDQL(配列番号8)(Manabu Murakami, Takayoshi Ohba, Feng Xu, Seiji Shida, Eisaku Satoh, Kyoichi Ono, Ichiro Miyoshi, Hiroyuki Watanabe, Hiroshi Ito, and Toshihiko Iijima「Genomic organization and functional analysis of murine PKD2L1」(2004) JBC印刷中の論文。原稿番号M411496200として、2004年11月17日に刊行された)。
本実施例は次のことを実証した。すなわち、植物(例えばキャノーラ)中の原核生物のデルタ-9不飽和化酵素(例えば配列番号2のもの)の活性は、この酵素をER保留および回収シグナル配列(例えばKKSS(配列番号5))に機能的に連結することにより増大させることができ、植物により産生される種油中の飽和脂肪酸レベルを著しく低減させることができる。
本実施例はER保留および回収シグナル配列としてKKSS(配列番号5)を用いるが、タンパク質をER中に保持および回収するために、他のER保留および回収シグナル配列(例えばKKXX、ここでXは「S」とは別のアミノ酸である)を使用することも可能である。本発明の範囲は、何ら特定の原核生物デルタ-9不飽和化酵素または何ら特定のシグナル配列、あるいはそれらのどのような特定の組み合わせにも限定されるものではない。言い換えると、他のデルタ-9不飽和化酵素ならびに他のER保留および回収シグナル配列を本発明に用いることができる。
従って、本発明を実施するのに適当なER保留および回収シグナル配列の例としては、限定するものではないが、KDEL(配列番号4)、KKSS(配列番号5)、HDEF(配列番号6)、KEEL(配列番号7)およびKDQL(配列番号8)が挙げられる。
「機能的に連結された」という用語は、コード配列ならびにER保留および回収シグナル配の発現に必要な制御配列が、遺伝子の発現をもたらすように、DNA構築物中でコード配列に対して適切な位置に、かつ合致したリーディングフレームに配置されていることを意味する。
機能的に連結されているためには、ER保留および回収シグナル配列をデルタ-9不飽和化酵素のカルボキシ末端に付加する。ER保留および回収シグナル配列は、本発明のポリペプチドのカルボキシ末端部分の極端に有ってもよく、または追加のアミノ酸がその後ろに有ってもよい。シグナル配列は、デルタ-9不飽和化酵素をコードする遺伝子を遺伝子操作することにより付加することができる。
核酸分子
本明細書において「DNA構築物」という用語は、細胞を形質転換するために用いる遺伝子のDNA配列を言う。
本明細書において「発現カセット」という用語は、形質転換された植物細胞において遺伝子および遺伝子産物の正常な発現が達成されるように、その5'および3'末端がプロモーターおよびターミネーター制御配列に連結されたコード領域を含むDNAの配列を言う。
本実施例において、出願人らは2つの発現カセットを含んだDNA構築物を構築した:第1のカセットは、シグナルKKSS(配列番号5)をコードするヌクレオチド配列、Brassica由来の種子特異的ナピン(napin)プロモーターおよびエンドウ豆由来のrbcs3'転写ターミネーターに機能的に連結されたAnacystis nidulans由来のdes9遺伝子(配列番号1)を含み、第2の発現カセットは、形質転換植物細胞および植物の特定と選択を助ける適当な遺伝子産物を発現する、プロモーター、コード領域、およびターミネーターを含む。第2の発現カセットは任意選択的である、なぜならば形質転換体を特定し選択するために他の方法を使用することが可能だからである。
選択は、任意の適当な選択手段を用いて行うことができ、手段は例えば、抗生物質選択(例えばカナマイシン、ゲンタマイシン、ハイグロマイシン)、植物中に存在しない特定の糖に対する代謝マーカー遺伝子(例えばSyngentaからのPositech(商標)選択系、およびホスホマンノース異性化酵素)、除草剤マーカー遺伝子(例えばBayerからのpatおよびbarならびにMonsantoからのEPSPS)、可視的選択マーカー、例えば緑色蛍光タンパク質などである。本実施例については、選択はカナマイシン耐性を利用して行った。
本実施形態において、出願人らは強力な種子特異的貯蔵タンパク質ナピンプロモーターを用いた。しかしながら他の種子特異的プロモーターも本発明に使用可能であり、その例としては、限定するものではないが、クルシフェリンプロモーター、ヒドロキシラーゼプロモーター、レグミンプロモーター(Shasany AKら(2000) Indian J Exp Biol. Apr;38(4):363-72)、ファセオリン(phaseolin)プロモーター、およびツェイン(zein)プロモーターが挙げられる。種子特異的ではないプロモーターを使用することも可能ではあるかもしれないが、そのようなプロモーターは植物種油産物の飽和FA含量の低減にさほど有効ではない可能性がある。
本実施例において、コード領域はまた、3'末端において制御配列としてのrbcs3'転写ターミネーターと機能的に連結されている。本発明においてやはり使用することができる他の有用な3'制御領域としては、限定するものではないが、ノパリン合成酵素ポリアデニル化領域(NOS)およびオクトピンポリアデニル化領域(OCS)が挙げられる。
DNA構築物は、細菌宿主で増殖させるのに適当な第1のベクター中で都合よく構築し、その後切断して植物宿主へと導入するための第2のベクターに連結することができる。植物宿主への導入に適当なベクターの例としては、pCAMBIA系のベクター(Center for the Application of Molecular Biology to International Agriculture (CAMBIA))およびpBI系のベクター(BD Biosciences Clontech)、ならびにpKYLX71に基づくベクター(Schardlら(1987))が挙げられる。ベクターの選択は、部分的には、意図される形質転換の機構、すなわちアグロバクテリウム仲介形質転換か直接遺伝子導入かによって決まる。
形質転換およびトランスジェニック植物および植物細胞
本発明の核酸を含む形質転換植物細胞およびトランスジェニック植物は、当業者に知られた任意のDNA送達法(例えば「Plant genetic transformation and gene expression; a laboratory manual」, Draper J. ら 編 Blackwell Scientific Publications, 1988を参照されたい)を用いて作製することが出来る。こうした方法としては、限定するものではないが、アグロバクテリウム仲介トランスフェクション法、遺伝子銃(biolistic)DNA送達法、プロトプラストのエレクトロポレーション法、直接DNA取り込み法、プロトプラストのPEG処理法、UVレーザーマイクロビーム照射法、ジェミニウイルスベクター法、リポソーム仲介DNA取り込み法、プロトプラストのリン酸カルシウム処理法、および形質転換するDNAでコーティングされた微粒子との細胞懸濁物の撹拌法が挙げられる。これらの方法のなかでも、キャノーラのような双子葉植物についてはアグロバクテリウムの使用が好ましい。なぜならばアグロバクテリウム法は安定な形質転換を保証するからである。アグロバクテリウムを用いる方法としては、野生型腫瘍プラスミドを用いる中間ベクター法(nature, 287(1980) p. 654; Cell, 32 (1983) p.1033; EMBO J., 3 (1984) p. 1525)、T-DNAの腫瘍形成遺伝子領域を欠失したベクターを用いる中間ベクター法(EMBO J., 2 (1983) p. 2143; Bio/Technoloy, 3(1985) p. 629)、バイナリーベクター法(Bio/Technology, 1 (1983) p. 262; Nature, 303 (1983) p. 179; Nucl. Acids Res., 12 (1984) p. 8711)などが挙げられる。これらの方法のうちのどれを用いてもよい。アグロバクテリウムを植物に感染させる方法としては、培養細胞への直接接種法、プロトプラスト共存培養法(co-cultivation)、およびリーフディスク法が挙げられる。リーフディスク法は、直接的かつ簡便に、多数の形質転換植物を作製するのに、多くの場合都合がよい。
植物は、形質転換植物細胞を既知の培地、例えばムラシゲ・スクーグ培地(選択抗生物質および/または植物成長ホルモンを添加したものであってもよい)で培養することにより再生することができる。根付いた苗は土に移し換えられ、再生植物体へと成長するように栽培される。
以下に記載する実施例において、上記のDNA構築物を、アグロバクテリウムT-DNA仲介植物形質転換を用いてキャノーラ植物のゲノムに導入した。手短に述べると、アグロバクテリウムバイナリーベクター系を用いて、植物核の形質転換は次のステップにより行った:a) Anacystis nidulans由来のdes9遺伝子(配列番号1)ならびに保留および回収シグナルKKSS(配列番号5)をベクターに挿入すること、b)ベクターをアグロバクテリウムに導入すること、c)組換えアグロバクテリウムの懸濁物と、苗から切断した子葉を共存培養し、その後非選択的培地でインキュベートすること、d)形質転換された組織を同定するために植物組織を選択培地に移し換えること、e)形質転換された組織を同定すること、ならびにf)形質転換された組織から植物を再生すること。
導入遺伝子の発現レベルは、遺伝子を核ゲノムへと挿入した位置および数によって変化しうる。従って複数の形質転換体を再生し、導入遺伝子の発現および変更された脂肪酸特性について検査すべきである。脂肪酸特性は、当技術分野における任意の適当な技術でアッセイしてもよく、例えば次のものが挙げられる:
(a) ガスクロマトグラフィー(GS):脂肪酸メチルエステル(FAME)、ブチル/ブタノールエステル、プロパン-2-オールエステル(例えば国際標準化機構の手法参照番号ISO 5508:1990 (E)、「Animal and vegetable fats and oils - Analysis by gas chromatography of methyl esters of fatty acids」を参照されたい)、
(b) 高速液体クロマトグラフィー(HPLC):吸着クロマトグラフィー、キラルクロマトグラフィー、銀イオンクロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、
(c) 質量分析法(MS):ピコリニルエステル、ジメチルオキサゾリン(DMOX)、ピロリジド、ジメチルジスルフィド誘導体(DMSO)、
(d) 赤外分光法(IR)、および
(e) フーリエ変換赤外分光法(FTIR)。
一般に、種油の飽和脂肪酸含量が著しく低減されたことを示すトランスジェニック植物のみ(すなわち、種油の飽和脂肪酸含量が、同じ品種の野生型植物と比較して約10%、約15%、約20%、約30%、約40%、約50%またはそれ以上低減されるもの)が望まれ、さらなる栽培のために選択される。
本実施例は、ER保留および回収シグナルと機能的に連結されたシアノバクテリアのデルタ-9不飽和化酵素を用いてキャノーラ(セイヨウアブラナ)を形質転換することが、種油中の総飽和脂肪酸含量の低減を結果的にもたらすことを実証する。また一方、油合成の生化学(例えば脂肪酸の不飽和化)およびこれらの代謝反応の細胞内局在性は、他の脂肪種子作物でも類似している。従って、本発明の分子技術は、単子葉および双子葉の両方の、他の脂肪種子植物(限定するものではないが、大豆、コーン、落花生、ヒマワリ、オリーブ、パーム、ココナッツ、紅花、綿実、カラシ、ゴマ、麻、ヒマ、アボカド、および亜麻が挙げられる)にも適用可能である。
本発明はまた、前述のトランスジェニック植物の細胞および組織(特に種子)を提供する。
前述のトランスジェニック植物およびその子孫は、交雑育種および選択を通して、他の遺伝子型種、栽培変種、品種などへと対象の遺伝子を導入するために使用することが可能である。このことから、本発明により進歩せしめられた分子技術は、飽和脂肪酸レベルが低減された種油を産生する目的で、本発明の組換え核酸分子を有する多種多様のハイブリッド植物を製造するために使用することができる。
本明細書に引用した全ての刊行物および特許出願は、あたかも各々の刊行物または特許出願が具体的にそして個別に参照により組み入れられるように示されるかの様に、参照により本明細書に組み入れられる。
本願の出願日より前の記載についてのあらゆる刊行物の参照は、本発明が先発明の規定により、かかる刊行物に先行する権利がないことを認めたものと理解されてはならない。
以下の実施例によって、本発明をここでより詳細に説明するが、これらの実施例は決して発明の範囲を限定することを意図するものではない。
実施例1:ERシグナルを有しない遺伝子構築物
des9遺伝子(配列番号1、837bp)のオープンリーディングフレーム(ORF)を、Anacystis nidulans(Synechococcus sp.、ATCC番号33912)から増幅したが、これには、両方のプライマーについて、開始コドンおよび終止コドンのすぐ外側にXhoIサイトを導入した次のプライマーを用いた:
DSG-XhoI-5’:
CCCCCCTCGAGATGACCCTTGCTATCCGACCCAAG(配列番号9)
およびDSG-XhoI-3’:
CCCCCCTCGAGTTAGTTGTTTGGAGACGCCACTTTG(配列番号10)
PCR産物をゲル精製し、XhoIで消化し、大腸菌(E. coli)ベクターpBluescript(BS/KS)に連結して、その正体を確認するために配列決定した。その後、des9遺伝子(配列番号1)をXhoIでBS/KSから切り出し、植物ベクターpKYLX-Napinに連結させた。このベクターpKYLX-Napinは、pKYLX71ベクター(Schardl ら 1987)の二重35Sプロモーターをセイヨウアブラナ由来の種子特異的ナピン(napin)プロモーターで置き換えることにより創作されたものである。複数の組換えベクターを制限酵素消化により解析して、プロモーターおよびターミネーターに対して正しい方向のdes9遺伝子挿入物を有するクローンを特定した。組換えベクター(pC7)を配列決定し、適当な連結が行われたこと、および導入されたdes9遺伝子挿入物が植物ベクター中で再配置されていないことを確認した。
実施例2:ERシグナルを有する遺伝子構築物
des9遺伝子(配列番号1)のORF(837bp)を、Anacystis nidulans(Synechococcus sp.、ATCC 番号33912)から増幅したが、これには、両方のプライマーについて開始コドンおよび終止コドンのすぐ外側にXhoIサイトを導入した次のプライマーを用いた:
DSG-XhoI-5’:
CCCCCCTCGAGATGACCCTTGCTATCCGACCCAAG (配列番号9)
およびdes9-3’-ER:
CCCCCCCTCGAGTTAAGAAGACTTTTTGTTGTTTGGAGACGCCAC (配列番号11)
des9-3’-ERプライマーについては、des9遺伝子の終止コドンをアミノ酸Kに変え、その後ろにさらに3つのアミノ酸(KSS)を付加し、その後に新たな終止コドンおよびXhoIサイトを追加した。PCR産物(4アミノ酸の付加のため849bpとなった)をゲル精製し、XhoIで消化し、BS/KSに連結して、その正体を確認するために配列決定した。その後、des9遺伝子をXhoIでBS/KSから切り出し、植物ベクターpKYLX-Napinに連結させた。複数の組換えベクターを解析して、プロモーターおよびターミネーターに対して正しい方向のdes9遺伝子挿入物を有するクローンを特定した。組換えベクター(pC8)を配列決定し、適当な連結が行われたこと、および導入されたdes9遺伝子挿入物が植物ベクター中で再配置されていないことを確認した。
実施例3:アグロバクテリウムへのベクター導入
両方の構築物(pC7およびpC8)をその後、Triparental mating法により大腸菌(E. coli)DH5α株からAgrobacterium tumefacience GV3101株へと導入した。大腸菌(E. coli)HB101中のpRK2013(Dittaら, 1980)をヘルパープラスミドとして用いた。トランス接合個体を、数サイクルに渡り50 mg/L リファンピシン(rifampicin)、20 mg/Lゲンタマイシンおよび15 mg/L テトラサイクリンプレート上で選択した。再配置が起こらなかったことを確認にするために、トランス接合個体からプラスミドを抽出し、制限酵素で消化し、大腸菌(E. coli)DH5αから精製されたプラスミドと比較した。
実施例4:キャノーラ形質転換
キャノーラの品種である「ウェスター(Wester)」を、Moloney ら (1989)により開発されたプロトコールを用いて、pC7およびpC8遺伝子構築物で形質転換した。手短に述べると、5日齢の苗からの完全に開いた子葉を、鋭利なメスを用いて頂端分裂組織を含むことなく可能な限り頂端分裂組織の近くで、葉柄が含まれるように切り落とした。葉柄の切断された端を、des9遺伝子構築物を有するAgrobacterium tumefaciensの液体培地(光学密度約0.5)1mlに短時間浸けた。次に葉柄を、外植体が直立するように、ペトリ皿上でMMO-BA共存培養培地(ベンジルアデニン(BA)を添加したMurashige Minimal Organics (MMO, Invitrogen Corp., Burlington, Canada)培地)に埋め込んだ。プレートを外科手術用テープで密封し、2〜3日間25℃で16時間明/8時間暗、70〜80mEで、栽培室に置いた。カルスの誘導は、外植体を300mg/L チメンチン(Timentin)(GlaxoSmithKline, Missisauga, Canada)を含有するMMO-BA培地へと移し換えることにより行った。
実施例5:完全体植物の選択と再生
カルスからの芽形成は、外植体を300mg/Lチメンチン(Timentin)および20mg/Lカナマイシンを含有するMMO-BA培地のプレートへと移し換えることにより誘導した。これらの芽を外植体から切り離し、芽の発達のために、(BAを含まないものの)抗生物質を含むMMO培地を含有するマゼンタの容器に入れた。正常な形態でそして頂芽優勢で芽が伸び出た場合は、芽を根誘導培地(抗生物質およびナフタレン酢酸(NAA)を含有するムラシゲ・スクーグ(MS)培地)へと移し換えた。一旦良好な根系が形成されたら、植物を容器から取り出し、流水下で大部分の寒天を洗い落とし、乾燥を避けるためにジャーで覆われた湿った鉢植え用土に移し換えた。その後、これらを湿度室に入れ、覆いを徐々に外してより多くの空気が入るのを可能にし、植物を寒さに慣れさせた。
実施例6:形質転換体の特徴付け
再生された植物体は、des9遺伝子特異的プライマーを用いたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によってトランスジェニックであることを確認した。再生された形質転換植物体由来のT1種子の胚芽を小片へと刻み、カナマイシンを含有する選択プレートに配置した。トランスジェニック植物由来の胚芽は、全体が緑であるか、または緑と淡色の組み合わせ(比率は組込まれた導入遺伝子の数に依存する)であったのに対して、非トランスジェニック植物由来の種子は全て淡色であった。これは、バイナリーベクターがdes9遺伝子とタンデムにネオマイシン・ホスホトランスフェラーゼ(NptII)遺伝子を有するように遺伝子操作されていたためである。
キャノーラゲノムへのdes9遺伝子の組込みは、サザンブロット解析により確認した。若葉由来のゲノムDNAをDellaporta ら (1983)に従って単離した。10μgのゲノムDNAを、バイナリーベクター中の発現カセットの一つの端のみを切断する制限酵素で消化した。消化したDNAをその後1%アガロースゲル上で電気泳動し、製造業者の説明書(Amersham Canada Ltd., Oakville, ON)に従ってナイロンメンブレンに移し取り、ランダムプライム標識法(Life Technologies, Grand Island, NY)により[α-32P]-dCTPで標識されたdes9遺伝子を用いてプローブした。ハイブリダイゼーションおよび65℃でのブロットの洗浄は、Sambrook ら 1989に従って行った。
トランスジェニックキャノーラ植物中でのdes9遺伝子の発現は、RT-PCR法およびノーザンブロット法を用いたRNA解析により確認した。全RNAはVerwoerdら(1989)に記載の手法に従って、若葉から抽出した。RNAをホルムアルデヒド含有アガロースゲルで電気泳動し、ナイロンメンブレン上にブロットし、des9遺伝子プローブとハイブリダイズさせた。ハイブリダイゼーションおよび洗浄条件はサザンハイブリダイゼーションと同じであった。
実施例7:種子の脂肪酸解析:
成熟種子由来の総アシル脂質の脂肪酸組成は、国際標準化機構の手法参照番号ISO 5508:1990 (E)、 「Animal and vegetable fats and oils - Analysis by gas chromatography of methyl esters of fatty acids」に従って測定した。50〜100mgの種子を、鋼棒を用いて5 mLポリプロピレン製バイアル内で石油エーテル1 mLで粉砕した。ひいた粉が沈んだら、上清0.5 mLを、メチル化溶液(メタノール中の2%ナトリウムメトキシド)が1.2 mL入ったガラス管に移した。十分に混合した後、溶液を室温で30分間インキュベートした。1 mLの再蒸留水(ddH20)を溶液に添加し、よく混合して、相を分離させるために室温で10分間静置した。分離した後、上層からの200μLを、さらに石油エーテル300μLで、GCオートサンプラーバイアル中に希釈し、1μLをGCカラムに注入した。
FAMEの分離は、炎イオン化ガスクロマトグラフィー(モデル6890, Hewlett Packard, Mississauga, ON)に30m×0.25 mm(i.d.)カラム(HP-INNOWAX、架橋されたポリエチレングリコール)をはめ、ヘリウムをキャリアガスとして28.0 mL/分の流速で行った。オーブンの温度は5℃/分の割合で180℃〜230℃とし、13分間230℃のままに維持した。ピークは、FAME標準物質のピークの保持時間との比較により割り当て、FAMEの相対的な比率は合計したピーク面積のパーセンテージとして決定した。
表1:ER保留および回収シグナルKKSS(配列番号5)をコードするヌクレオチド配列と連結されたAnacystis nidulans由来のdes9遺伝子(配列番号1)を有するトランスジェニックキャノーラ植物(C8-19.1)、des9遺伝子のみを有するトランスジェニック植物(C7-15)、および形質転換されていない植物(WT)の種子の脂肪酸含量(mol %)
Figure 2007514420
引用文献
「Plant genetic transformation and gene expression; a laboratory manual」, Draper J. ら 編 Blackwell Scientific Publications, 1988.
Nature, 287(1980) p. 654.
Cell, 32 (1983) p.1033.
EMBO J., 3 (1984) p. 1525.
EMBO J., 2 (1983) p. 2143.
Bio/Technoloy, 3(1985) p. 629.
Bio/Technology, 1 (1983) p. 262.
Nature, 303 (1983) p. 179.
Nucl. Acids Res., 12 (1984) p. 8711.
Dellaporta SL, Wood J, Hicks JB (1983) A plant DNA mini-preparation: version II. Plant Mol Biol Rep 1: 19-21.
Ditta M.J., S. Stanfield, D. Corbin and D.R. Helsinki, 1980. Broad host range DNA cloning system for Gram negative construction of a gene bank of Rhizobium meliloti. Proc Natl Acad Sci USA 27, 7347-7351.
Hahn JJ, Eschenlauer AC, Narrol MH, Somers DA, Srienc F (1997) Growth kinetics, nutrient uptake, and expression of the Alcaligenes eutrophus poly(β-hydroxybutyrate) synthesis pathway in transgenic maize cell suspension cultures. Biotech Prog 13: 347-354.
Horsch, R.B., J. Fry, N. Hofmann, J. Neidermeyer, S.G. Rogers and R.T. Fraley, 1988. Leaf disc transformation. Plant Molecular Biology Manual, A5/1-A5/9. Kluwer Academic Publishers, Dordrecht/Boston/London.
Lehmann K. ら (2001) Plant Physiol. Oct;127(2):436-49.
Manabu Murakami, Takayoshi Ohba, Feng Xu, Seiji Shida, Eisaku Satoh, Kyoichi Ono, Ichiro Miyoshi, Hiroyuki Watanabe, Hiroshi Ito, and Toshihiko Iijima 「Genomic organization and functional analysis of murine PKD2L1」(2004) JBC印刷中の論文。原稿番号M411496200として、2004年11月17日に刊行された
Michaelis ら (1982) Ann. Rev. Microbiol. 36, 425.
Moloney M, Walker JM and Sharma KK 1989 High efficiency transformation of Brassica napus using Agrobacterium vectors, Plant Cell Rep. 8, 238-242.
Nishizawa O, Toguri T (1996) Gene for fatty acid desaturase, vector containing said gene, plant transformed with said gene, and process for creating said plant. 米国特許第6,043,411号
Nishizawa O, Fujii T, Azuma M, Sekiguchi K, Murata N, Ohtani T, Toguri T (1996) Low-temperature resistance of higher plants is significantly enhanced by a nonspecific cyanobacterial desaturase. Nature Biotechnology 14: 1003-1006.
Sambrook, J., E.F. Fritsch, and T. Maniatis, 1989. Molecular Cloning: A Laboratory Manual. Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y.
Schardl C.L., A.D. Byrd, G. Benzion, M.A. Altschuler, D.F. Hildebrand and A.G. Hunt, 1987. Design and construction of a versatile system for the expression of foreign genes in plants. Gene 61, 1-11.
Shah S, Weselake R (2003) Farming For the Future, AARI プロジェクト番号19990032, 最終レポート、pp.1-82.
Shasany AK ら (2000) Indian J Exp Biol. Apr;38(4):363-72.
Van den Broeck ら (1985) Nature 313, 358.
Verwoerd TC, Dekker BMM and Hoekema A (1989) A small-scale procedure for the rapid isolation of plant RNAs. Nuclic Acid Research, 17: 2362.
Vincent MJ, Martin AS, Compans RW (1998) Function of the KKXX (SEQ ID NO:3) motif in endoplasmic reticulum retrieval of a transmembrane protein depends on the length and structure of the cytoplasmic domain. J Biol Chem. 273:950-6.
米国特許第5,552,306号
米国特許第5,614,393号
米国特許第5,663,068号
米国特許第5,789,050号
米国特許第6,355,861号
米国特許第6,683,232号
米国特許出願公開第20040078845号

Claims (33)

  1. 小胞体保留および回収シグナル配列と機能的に連結された、原核生物由来のデルタ-9不飽和化酵素を含む組換えポリペプチド。
  2. 原核生物が細菌である、請求項1に記載の組換えポリペプチド。
  3. 原核生物が、Anacystis、SynechocystisおよびAnabaenaからなる群より選択される属に属するシアノバクテリア藍藻である、請求項1に記載の組換えポリペプチド。
  4. シアノバクテリアが、Anacystis nidulansである、請求項3に記載の組換えポリペプチド。
  5. デルタ-9不飽和化酵素が、
    (a) 配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチド、
    (b) (a)において定義されたポリペプチドと少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%または95%の同一性を有し、かつデルタ-9不飽和化酵素活性を有する、(a)において定義されたポリペプチドの変異体または相同体、および
    (c) (a)において定義されたポリペプチドと同一な少なくとも連続した約50アミノ酸を有し、かつデルタ-9不飽和化酵素活性を有する、(a)において定義されたポリペプチドの断片、
    を含むものである、請求項1に記載の組換えポリペプチド。
  6. デルタ-9不飽和化酵素が配列番号2に記載のアミノ酸配列を有する、請求項1に記載の組換えポリペプチド。
  7. 小胞体膜保留および回収シグナルが、
    (a) KDEL(配列番号4)、
    (b) KKXX(配列番号3)、Xは任意のアミノ酸である、
    (c) HDEF(配列番号6)、
    (d) KEEL(配列番号7)、および
    (e) KDQL(配列番号8)、
    からなる群より選択されるアミノ酸配列を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組換えポリペプチド。
  8. 小胞体膜保留および回収シグナルが、KKSS(配列番号5)のアミノ酸配列を有する、請求項7に記載の組換えポリペプチド。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の組換えポリペプチドをコードする核酸分子。
  10. プロモーターと機能的に連結された請求項9に記載の核酸分子を含むベクター。
  11. 請求項10に記載のベクターにより形質転換された宿主細胞。
  12. 脂肪種子植物由来である、請求項11に記載の宿主細胞。
  13. 脂肪種子植物が、キャノーラ、大豆、コーン、落花生、ヒマワリ、オリーブ、パーム、ココナッツ、紅花、綿実、カラシ、ゴマ、麻、ヒマ、アボカド、および亜麻からなる群より選択される、請求項12に記載の宿主細胞。
  14. 脂肪種子植物がキャノーラである、請求項12に記載の宿主細胞。
  15. トランスジェニック植物細胞中での組換えポリペプチドの発現をもたらすプロモーターと機能的に連結された請求項9に記載の核酸分子を含有するトランスジェニック因子を含む、トランスジェニック植物細胞。
  16. 脂肪種子植物由来である、請求項15に記載のトランスジェニック植物細胞。
  17. 脂肪種子植物が、キャノーラ、大豆、コーン、落花生、ヒマワリ、オリーブ、パーム、ココナッツ、紅花、綿実、カラシ、ゴマ、麻、ヒマ、アボカド、および亜麻からなる群より選択される、請求項16に記載のトランスジェニック植物細胞。
  18. 脂肪種子植物がキャノーラである、請求項16に記載のトランスジェニック植物細胞。
  19. トランスジェニック植物の製造方法であって、
    (a) 植物細胞を、請求項9に記載の核酸または該核酸を含むベクターで形質転換するステップ、ただし該核酸は植物細胞中での組換えポリペプチドの発現をもたらすプロモーターと機能的に連結されており、および
    (b) ステップ(a)で作製された形質転換植物細胞から植物を再生させるステップ、
    を含む前記方法。
  20. 植物細胞が、脂肪種子植物由来である、請求項19に記載の方法。
  21. 脂肪種子植物が、キャノーラ、大豆、コーン、落花生、ヒマワリ、オリーブ、パーム、ココナッツ、紅花、綿実、カラシ、ゴマ、麻、ヒマ、アボカド、および亜麻からなる群より選択される、請求項20に記載の方法。
  22. 脂肪種子植物がキャノーラである、請求項20に記載の方法。
  23. トランスジェニック植物中での組換えポリペプチドの発現をもたらすプロモーターと機能的に連結された請求項9に記載の核酸分子を含有するトランスジェニック因子を含む、トランスジェニック植物。
  24. 脂肪種子植物である、請求項23に記載のトランスジェニック植物。
  25. 脂肪種子植物が、キャノーラ、大豆、コーン、落花生、ヒマワリ、オリーブ、パーム、ココナッツ、紅花、綿実、カラシ、ゴマ、麻、ヒマ、アボカド、および亜麻からなる群より選択される、請求項24に記載のトランスジェニック植物。
  26. 脂肪種子植物がキャノーラである、請求項24に記載のトランスジェニック植物。
  27. 同じ種の野生型植物と比較して飽和脂肪酸含量が低減された油を産生する、請求項23〜26のいずれか1項に記載のトランスジェニック植物。
  28. 前記野生型植物と比較して、種油の飽和脂肪酸含量が、約10%、約15%、約20%、約30%、約40%、約50%またはそれより多く低減されている、請求項27に記載のトランスジェニック植物。
  29. 同じ種の野生型植物と比較して飽和脂肪酸含量が低減された種油を産生するための、請求項23〜28のいずれか1項に記載のトランスジェニック植物の使用。
  30. 前記野生型植物と比較して、種油の飽和脂肪酸含量が、約10%、約15%、約20%、約30%、約40%、約50%またはそれより多く低減されている、請求項29に記載の使用。
  31. トランスジェニック植物がキャノーラである、請求項29に記載の使用。
  32. 種油の飽和脂肪酸含量が、約7mol%未満である、請求項31に記載の使用。
  33. 種油の飽和脂肪酸含量が、約4.0%〜約4.5%である、請求項31に記載の使用。
JP2006544192A 2003-12-18 2004-12-17 飽和脂肪酸のレベルが低減されたトランスジェニック植物およびその製造方法 Expired - Fee Related JP4755109B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
CA002450000A CA2450000A1 (en) 2003-12-18 2003-12-18 Method of creating plants with reduced level of saturated fatty acid in seed oil
CA2,450,000 2003-12-18
PCT/CA2004/002156 WO2005059140A1 (en) 2003-12-18 2004-12-17 Transgenic plants with reduced level of saturated fatty acid and methods for making them

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007514420A true JP2007514420A (ja) 2007-06-07
JP4755109B2 JP4755109B2 (ja) 2011-08-24

Family

ID=34658541

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006544192A Expired - Fee Related JP4755109B2 (ja) 2003-12-18 2004-12-17 飽和脂肪酸のレベルが低減されたトランスジェニック植物およびその製造方法

Country Status (9)

Country Link
US (1) US8063269B2 (ja)
EP (1) EP1709179B1 (ja)
JP (1) JP4755109B2 (ja)
CN (1) CN1930293B (ja)
AT (1) ATE442442T1 (ja)
AU (1) AU2004299534B2 (ja)
CA (2) CA2450000A1 (ja)
DE (1) DE602004023126D1 (ja)
WO (1) WO2005059140A1 (ja)

Families Citing this family (27)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9617555B2 (en) 2004-10-08 2017-04-11 Dow Agrosciences Llc Generation of transgenic canola with low or no saturated fatty acids
DK2491119T3 (en) * 2009-10-20 2016-09-12 Bayer Cropscience Nv METHODS AND MEANS FOR MODULATION OF lipid biosynthesis BY TARGETING MULTIPLE ENZYMES AGAINST SUBORGANELDOMÆNER
ES2623454T3 (es) * 2010-06-24 2017-07-11 Dow Agrosciences Llc Reducción del contenido de ácidos grasos saturados en semillas de plantas
US9713332B2 (en) 2013-03-13 2017-07-25 Pioneer Hi-Bred International, Inc. Glyphosate application for weed control in Brassica
MX369750B (es) 2013-03-14 2019-11-20 Pioneer Hi Bred Int Composiciones y metodos para controlar plagas de insectos.
EP2971000A4 (en) 2013-03-15 2016-11-23 Pioneer Hi Bred Int PHI-4 POLYPEPTIDES AND METHOD FOR THEIR USE
US10006045B2 (en) 2013-08-16 2018-06-26 Pioneer Hi-Bred International, Inc. Insecticidal proteins and methods for their use
CA3175967A1 (en) 2013-09-13 2015-03-19 Pioneer Hi-Bred International, Inc. Insecticidal proteins and methods for their use
US20160289647A1 (en) * 2013-10-31 2016-10-06 Washington State University Prokaryotic desaturases modified by directed evolution to reduce saturated and increase unsaturated fatty acids in eukaryotes
CA2939156A1 (en) 2014-02-07 2015-08-13 Pioneer Hi-Bred International, Inc. Insecticidal proteins and methods for their use
WO2015120270A1 (en) 2014-02-07 2015-08-13 Pioneer Hi Bred International, Inc. Insecticidal proteins and methods for their use
WO2016044092A1 (en) 2014-09-17 2016-03-24 Pioneer Hi Bred International Inc Compositions and methods to control insect pests
CN113372421A (zh) 2014-10-16 2021-09-10 先锋国际良种公司 杀昆虫蛋白及其使用方法
US20170359965A1 (en) 2014-12-19 2017-12-21 E I Du Pont De Nemours And Company Polylactic acid compositions with accelerated degradation rate and increased heat stability
BR112017011810A2 (pt) * 2014-12-19 2018-02-27 Dow Agrosciences Llc geração de canola transgênica com baixo ou sem ácidos graxos saturados
CN116333064A (zh) 2015-05-19 2023-06-27 先锋国际良种公司 杀昆虫蛋白及其使用方法
US10647995B2 (en) 2015-06-16 2020-05-12 Pioneer Hi-Bred International, Inc. Compositions and methods to control insect pests
US11198709B2 (en) 2015-08-06 2021-12-14 E. I. Du Pont De Nemours And Company Plant derived insecticidal proteins and methods for their use
CA2992488A1 (en) 2015-08-28 2017-03-09 Pioneer Hi-Bred International, Inc. Ochrobactrum-mediated transformation of plants
EP3390431A1 (en) 2015-12-18 2018-10-24 Pioneer Hi-Bred International, Inc. Insecticidal proteins and methods for their use
MX2018013249A (es) 2016-05-04 2019-02-13 Pioneer Hi Bred Int Proteinas insecticidas y metodos para sus usos.
NZ748562A (en) * 2016-06-09 2020-05-29 Dow Agrosciences Llc Methods and systems using ftir for plant trait detection and trait introgression
US20190185867A1 (en) 2016-06-16 2019-06-20 Pioneer Hi-Bred International, Inc. Compositions and methods to control insect pests
US11155829B2 (en) 2016-07-01 2021-10-26 Pioneer Hi-Bred International, Inc. Insecticidal proteins from plants and methods for their use
WO2018013333A1 (en) 2016-07-12 2018-01-18 Pioneer Hi-Bred International, Inc. Compositions and methods to control insect pests
US11021716B2 (en) 2016-11-01 2021-06-01 Pioneer Hi-Bred International, Inc. Insecticidal proteins and methods for their use
US20230235352A1 (en) 2020-07-14 2023-07-27 Pioneer Hi-Bred International, Inc. Insecticidal proteins and methods for their use

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1995018222A1 (fr) * 1993-12-28 1995-07-06 Kirin Beer Kabushiki Kaisha Gene pour acide gras-desaturase, vecteur contenant ledit gene, vegetal contenant ledit gene lui ayant ete transfere, et procede pour creer ledit vegetal
WO2000011012A1 (en) * 1998-08-24 2000-03-02 Rutgers, The State University Of New Jersey Synthetic fatty acid desaturase gene for expression in plants

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5614393A (en) 1991-10-10 1997-03-25 Rhone-Poulenc Agrochimie Production of γ-linolenic acid by a Δ6-desaturase
US6683232B1 (en) 1991-10-10 2004-01-27 Rhone-Poulenc Agrochimie Production of γ linolenic acid by a Δ6-desaturase
US6355861B1 (en) 1991-10-10 2002-03-12 Rhone-Poulenc Agrochimie Production of gamma linolenic acid by a Δ6-desaturase
PH31293A (en) 1991-10-10 1998-07-06 Rhone Poulenc Agrochimie Production of y-linolenic acid by a delta6-desaturage.
WO1996021002A1 (en) 1995-01-04 1996-07-11 Northeastern University Methods for producing improved strains of seaweed, and resultant seaweeds and phycocolloids
CA2708605C (en) 2000-08-22 2013-04-23 E.I. Dupont De Nemours And Company Nucleotide sequences of a new class of diverged delta-9 stearoyl-acp desaturase genes
CA2510462A1 (en) 2002-12-19 2004-07-08 University Of Bristol Method for producing polyunsaturated fatty acids in a transgenic plant or microorganism comprising an introduced delta-9-elongase and a delta-8-desaturase

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1995018222A1 (fr) * 1993-12-28 1995-07-06 Kirin Beer Kabushiki Kaisha Gene pour acide gras-desaturase, vecteur contenant ledit gene, vegetal contenant ledit gene lui ayant ete transfere, et procede pour creer ledit vegetal
WO2000011012A1 (en) * 1998-08-24 2000-03-02 Rutgers, The State University Of New Jersey Synthetic fatty acid desaturase gene for expression in plants

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6010057259, Nat Biotechnol.(1996),Vol.14,No.8,p.1003−1006 *

Also Published As

Publication number Publication date
AU2004299534A1 (en) 2005-06-30
US8063269B2 (en) 2011-11-22
AU2004299534B2 (en) 2011-06-23
WO2005059140A1 (en) 2005-06-30
JP4755109B2 (ja) 2011-08-24
CA2550028A1 (en) 2005-06-30
EP1709179B1 (en) 2009-09-09
DE602004023126D1 (de) 2009-10-22
CN1930293B (zh) 2012-08-29
CN1930293A (zh) 2007-03-14
EP1709179A1 (en) 2006-10-11
EP1709179A4 (en) 2007-08-08
US20080092254A1 (en) 2008-04-17
ATE442442T1 (de) 2009-09-15
CA2450000A1 (en) 2005-06-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4755109B2 (ja) 飽和脂肪酸のレベルが低減されたトランスジェニック植物およびその製造方法
CA2803098C (en) Lowering saturated fatty acid content of plant seeds
AU763296B2 (en) Limanthes oil genes
US20090138992A1 (en) Limnanthes oil genes
JP2004511224A (ja) 緑色植物中でのパラヒドロキシ安息香酸の高レベル生産
CA2148358A1 (en) Plant fatty acid synthases
JP2009291204A (ja) 植物における脂肪酸代謝の改変
CZ20024144A3 (cs) Způsob změny obsahu maloobjemových chemikálií v organismech s geneticky modifikovanou šikimátovou cestou
US6586658B1 (en) Modification of fatty acid metabolism in plants
US6864077B1 (en) Membrane-bound desaturases
JP2007525966A (ja) 緑色植物および微生物におけるアルブチンの高レベル産生
Bagheri et al. Expression of human interferon gamma in Brassica napus seeds

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071205

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101005

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20101220

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20101228

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20110131

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20110207

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110404

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110426

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110526

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140603

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees