JP2007513865A - 前立腺癌を処置および予防するベンゾジオフェンの使用 - Google Patents

前立腺癌を処置および予防するベンゾジオフェンの使用 Download PDF

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Abstract

前立腺癌、特にアンドロゲン非依存性前立腺癌を処置および予防するための方法。本方法は、哺乳動物に式(I)を有するベンゾチオフェンまたはその薬学的に受容可能な塩またはそのプロドラッグを投与する工程を包含する。RおよびRは、独立に水素、−COR、−CORおよびRからなる群より選択され;Rは、水素、C1〜C14アルキル、C1〜C3クロロアルキル、C1〜C3フルオロアルキル、C5〜C7シクロアルキル、C1〜C4アルコキシおよびフェニルからなる群より選択され;Rは、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、ヒドロキシ、ニトロ、クロロ、フルオロ、トリクロロメチルおよびトリフルオロメチルからなる群より選択される少なくとも一置換基を有するフェニルであり;Rは、C1〜C4アルキル、C5〜C7シクロアルキルおよびベンジルからなる群より選択され;Rは、酸素および−C=Oからなる群より選択される。

Description

本出願は、米国特許出願第10/412,087号(2002年5月9日出願)の一部継続出願であり、その内容は、本明細書中に参考として援用される。
(発明の分野)
本発明の実施形態は、患者に、ベンゾチオフェン(benziothiopene)(例えば、ラロキシフェンまたはアルゾキシフェン(arzoxifene))を投与することによって、前立腺癌、特にアンドロゲン非依存性前立腺癌を処置および予防するための方法に関する。
(発明の背景)
いくつかの型の癌(腺癌、肉腫、扁平上皮癌、および腺管移行性癌を含む)が、前立腺に影響を与え得る。腺癌は、これらのうち最も一般的な癌であり、50代を過ぎた男性において最も一般的な悪性疾患のうちの1つである。米国において、200,000名を超える男性が、毎年、この型の癌であると診断されている。
前立腺の癌の大部分は、アンドロゲンレセプターを有する。それら癌は、それら癌の増殖がテストステロンおよび他のアンドロゲンに依存する。ホルモン除去療法 (Hormone ablative therapy)(アンドロゲンまたはアンドロゲンを生成する器官を化学的に妨害する治療)は、従って、前立腺癌の処置における標準である。このような治療は、前立腺癌を有する男性の生存を、3年から5年、またはそれ以上、長期化し得る。
化学的ホルモン除去療法は、アンドロゲン合成をもたらすホルモン経路をブロックする薬物の投与を包含する。男性において、視床下部は、ゴナドトロピン放出ホルモン(「GnRH」)を分泌し、ゴナドトロピン放出ホルモンは、下垂体を刺激して、黄体形成ホルモン(「LH」)を分泌させる;続いて、LHは、精巣を 刺激して、テストステロンを生成させる。従って、GnRHおよびLHの合成アナログは、体内を循環するアンドロゲンのレベルを低下させるために投与される。これらアナログは、GnrHレセプターへの結合について天然の対応物と競合し、それにより、レセプターをダウンレギュレートし、テストステロン生成回路を妨害する。エストロゲンもまた、アンドロゲン生成をブロックするが、心血管の健康状態を損ない得るので、滅多に使用されない。抗アンドロゲン薬物(例えば、フルタミド、ビカルタミド(bicalutamide)、またはニルタミド)もまた、利用可能である。これらは、前立腺癌 細胞上のアンドロゲンレセプターに結合し、それらの活性化を妨げ、それにより、天然のアンドロゲンの作用を制限する。
外科的ホルモン除去療法は、男性におけるテストステロン生成器官である、片方または両方の精巣の外科的除去(精巣摘除術)を包含する。この処置の有効性は、抗アンドロゲンと組み合わせることによりなおさらに増大し得る。
アンドロゲン非依存性前立腺癌(ホルモン難治性(hormone refractory)前立腺癌ともいわれる)は、その増殖がアンドロゲンに依存しない;結果として、ホルモン除去療法は、アンドロゲン非依存性前立腺癌に対してはほとんど効果がない。アンドロゲン依存性癌を処置する際に非常に有効な治療でさえ、アンドロゲン非依存性癌を有する患者に適用した場合、効果がないことが示されている。
アンドロゲン非依存性癌は、処置することが困難である。癌と関連する前立腺炎症のサイズが、例えば、コルチコステロイドおよび他の抗炎症薬剤によって、減少され得るが、このような処置 は、癌自体に対する効果はない。この理由のために、基本的な医学書はなお、「ホルモン難治性前立腺癌に対する標準的治療法はない」(M.H.BeersおよびR.Berkow(編),Merck Manual of Diagnosis and Therapy,1658(1999))と教示している。この医学書によれば、細胞傷害性薬剤および生物学的薬剤は、「研究中」であるが、「コルチコステロイド単独に対するその優位性は、証明されていない」。
従って、当該分野では、アンドロゲン非依存性前立腺癌の満足いく処置への大きな必要性が存在する。このような処置は、前立腺癌がよく起こる高齢男性の健康状態に対して劇的な影響を有し得る。
(発明の要旨)
本発明の目的は、前立腺癌の処置のための治療、特に、ホルモン除去療法にあまり応答しないかまたはそのような治療に全く応答しない前立腺癌の処置のための治療を提供することである。言い換えると、本発明の目的は、最後の望み、すなわち、患者が長期間生存する望みが未だにほとんどない症例において、前立腺癌の処置のための治療を提供することである。
アンドロゲン非依存性前立腺癌を処置する際に驚くほど有効な、数ヶ月しか生存できないと以前に診断された患者において、疾患の進行を劇的に逆転させる前立腺癌を処置する方法が、本明細書中に開示される。この方法は、患者に、有効量の、以下の式
Figure 2007513865
を有する化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはプロドラッグを投与する工程を包含する。好ましい実施形態において、その化合物は、ラロキシフェン(RおよびRが、ともに水素であり、Rが、−C=Oである式Iの化合物)である。別の好ましい実施形態において、その化合物は、アルゾキシフェン(RおよびRはがともに水素であり、Rが酸素である式Iの化合物)である。エストロゲン低下薬(薬)が、本発明の化合物(特に、患者が約30pg/ml以上の血清エストラジオールレベルを示す例)に加えて投与され得る。
本願のファイルは、カラーで作成された図面を少なくとも一つ含む。カラー図面を有する本特許のコピーは、要求および必要な料金の支払いがあればすぐに、米国特許商標庁により提供される。
(発明の詳細な説明)
本発明の方法は、患者に、有効量の、以下の式:
Figure 2007513865
を有する化合物またはその薬学的に受容可能な塩を投与する工程を包含し、ここで、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、−COR、−COR、およびRからなる群より選択され;Rは、水素、C1〜C14アルキル、C1〜C3クロロアルキル、C1〜C3フルオロアルキル、C5〜C7シクロアルキル、C1〜C4アルコキシ、およびフェニルからなる群より選択され;Rは、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、ヒドロキシ、ニトロ、クロロ、フルオロ、トリクロロメチル、およびトリフルオロメチルからなる群より選択される、少なくとも1つの置換基を有するフェニルであり;Rは、C1〜C4アルキル、C5〜C7シクロアルキル、およびベンジルからなる群より選択され;そしてRは、酸素および−C=Oからなる群より選択される。このような化合物、およびこの化合物を調製する方法は、米国特許第4,418,068号(「‘068特許」)に詳細に記載され、その開示は、本明細書中に参考として援用される。この‘068特許は、このような化合物が、それらの抗エストロゲン特性および抗アンドロゲン特性のために有用であることを述べている。
本発明者は、式Iの化合物(基本的に、それらの抗エストロゲン特性については公知)が、アンドロゲン非依存性前立腺癌を処置するために使用され得る;すなわち、このような化合物が、アンドロゲンレセプターを欠いているか、さもなければ癌の増殖がアンドロゲンに依存しない癌を処置するために使用され得るという驚くべき発見をした。この発見は、同様の抗エストロゲン、最も明白にはタモキシフェン(クエン酸タモキシフェンは、商標NOLVADEXのもとで、AstraZenica Pharmaceuticals LP;Wilmington,DEから入手可能である)が、臨床試験におけるアンドロゲン非依存性前立腺癌に効果を示さないという以前のいくつかの証拠の観点から、特に驚くべきことである。しかし、本発明の方法は、アンドロゲン依存性前立腺癌の処置においてもまた使用され得る。
本発明者は、前立腺癌細胞が、エストロゲンレセプターのβアイソフォームを発現することを実証し、式Iの化合物の作用機構が、そのエストロゲンレセプターのβアイソフォームを通じてシグナル伝達しているという仮説を立てた。従って、本発明の好ましい化合物は、エストロゲンレセプターのβアイソフォームをブロックする際に有効な式Iの化合物である。タモキシフェンは、上記エストロゲンレセプターのα型アイソフォームと優先的に相互作用することが公知である。
本発明の方法で使用するための特に好ましい化合物は、ラロキシフェン(Eli Lilly&Co.;Indianapolis,INより、商標品名EVISTAのもとで入手可能である)、すなわち、式
Figure 2007513865
を有するベンゾチオフェン、およびその薬学的に受容可能な塩である。塩酸ラロキシフェン(ラロキシフェンHCl)は、式IIの化合物の好ましい塩である。
本発明の方法で使用するための別の特に好ましい化合物は、アルゾキシフェン、すなわち、式
Figure 2007513865
を有するベンゾチオフェン、およびその薬学的に受容可能な塩である。塩酸アルゾキシフェン(アルゾキシフェンHCl)は、式IIIの化合物の好ましい塩である。
本発明の別の実施形態において、式Iの化合物のプロドラッグ、または好ましくは、式IIもしくは式IIIの化合物のプロドラッグが、哺乳動物に投与される。
本明細書中で使用される場合、用語「プロドラッグ」とは、体内での代謝プロセスにより活性なベンゾチオフェンに変換される任意の化合物をいう。式I、IIもしくはIIIの化合物自体よりむしろ、式I、IIもしくはIIIの化合物のプロドラッグを投与することが、なぜ望ましいことであり得るかということには、種々の理由がある。使用される特定の化合物(またはその塩)に依存して、プロドラッグは、可溶性、吸収性、安定性、放出、毒性、および患者の受容性が考慮される限り、優れた特徴を有し得る。本発明の任意の化合物のプロドラッグをどのように生成し得るかは、当業者に容易に明らかであるはずである。そのために多くのストラテジーがある。
本発明のプロドラッグとしては、式
Figure 2007513865
を有する化合物またはその薬学的に受容可能な塩が挙げられる。RおよびRは、独立して、水素(このようなプロドラッグは、インビボで、酵素的ヒドロキシル化により活性なベンゾチオフェンへと転換される)、ヒドロキシおよび−ORからなる群より選択され、ここで、Rは、式I、式II、または式IIIに関して上で記載されているように、体内で代謝的に切断されて本発明の対応する化合物を生成する任意の適切なヒドロキシ保護基である。ヒドロキシ保護基は、T.W.Greeneら、Protective Groups in Organic Synthesis、第2版、1991の第2章に記載されている。1例として、簡単なエーテル基および簡単なエステル基は、本発明の実施形態に従う適切なヒドロキシ保護基として使用され得る。一連の適切な保護基は、当業者にとって容易に明らかになるが、Rは、代表的な保護基(C1〜C4アルキル、置換されたC1〜C4アルコキシもしくは置換されていないC1〜C4アルコキシ、置換されたC1〜C6アルキルもしくは置換されていないC1〜C6アルキル、SO−(C4〜C6アルキル)および−(CO)Arが挙げられるが、これらに決して限定されない)よりさらに選択され得、ここで、Arは、ベンジルまたは置換されたフェニル(すなわち、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、ヒドロキシ、ニトロ、ブロモ、クロロ、フルオロ、ヨード、トリクロロメチルおよびトリフルオロメチルからなる群より選択される1個以上の置換基を有するフェニル基)である。本発明の方法に関連して使用された化合物の例示的な化合物の調製は、PCT国際特許公開番号WO 98/45288において記載されており、この文献の開示は、本明細書中で参考として援用される。この刊行物は、アンドロゲン依存性前立腺癌の処置における本発明の化合物に関連する化合物の使用を記載する。
式I、式II、式IIIまたは式IVの化合物(これらの塩およびこれらの式のプロドラッグを包含する)の投与は、単一の薬剤療法として、または確立された治療(例えば、化学療法、外科手術、またはアンドロゲン非依存性の前立腺癌を処置するための当該分野で公知の任意の他の治療)の補助として、使用され得る。
本発明の化合物の適切な投薬量は、処置される個体の年齢および体重、この化合物が、単一薬剤としてまたは補助治療として使用されているか否か、アンドロゲン非依存性癌の型(例えば、腺癌、肉腫、扁平上皮癌、移行性腺管癌、または他の前立腺癌であるか否か)、癌の進行(例えば、癌が転移性か、局在性か)、そのサイズ、位置、および腫瘍学分野の当業者に周知の他の要因に依存する。一般に、10mg〜300mg/日の用量が使用され得る。一日当たり60mgの投薬量は、幾人かの患者において、臨床的に十分な結果を生み出すのに(すなわち、根本的な疾患状態を処置するか、または、単に根本的な疾患状態の悪化を防ぐために)十分であるが、患者が一日当たり60mgの投薬量に反応しない場合、より高投薬量が、望ましくあり得る。この患者は、このレベルの処置に対して耐性であり得るか、またはそうでなければ非反応性である。一日当たり約180mgの、より高い投薬量は、このような場合に好ましくあり得るが、患者は、増加した投薬量が有効または適切になるために、低投薬量に対する耐性または非反応性を最初に示す必要はない。一日当たり60mgまたは180mgの単回用量での、ラロキシフェンHCl、アルゾキシフェンHCl、またはこれらのプロドラッグのいずれかの投与は、本発明の種々の実施形態において特に好ましい。
任意の特定の理論に縛られることなく、本発明の化合物は、内因性エストロゲンと競合的にβアイソフォームのエストロゲンレセプター(ER−β)に結合すると考えられている。従って、本発明のさらなる実施形態では、エストロゲン低下薬が、処置レジメンにおいてかまたは薬学的生成物と組み合わせてのいずれかで、本発明の化合物に加えて投与され得る。適切なエストロゲン低下薬は、すぐに当業者により認識される。適切なエストロゲン低下薬としては、1例として、アロマターゼインヒビターとして公知の化合物のクラスが挙げられ得る。エストロゲン低下薬のさらなる投与は、患者が約30pg/mlよりも大きい血清エストラジオールレベルを示す場合(正常な男性は、約50pg/ml〜70pg/mlのエストラジオールの血清レベルを有する)、特に望ましくあり得る。後の実施例においてより詳細に記載されている前臨床研究は、エストラジオールの非存在下または低レベルのエストラジオール(例えば、約30pg/ml未満)の存在下においてのみ、ER−β標的化療法の有効性を示した。エストラジオールが全く存在しないことは、本明細書中に記載されているベンゾチオフェン化合物を用いた本発明の方法を達成するために必要とされているわけではないが、血清エストラジオールレベルの減少(すなわち、約30pg/ml以下)のおかげで、抗腫瘍特性を達成するためのベンゾチオフェン化合物の著しく優れた性能が得られると考えられている。
本発明の化合物を経口投与するのが好ましいが、静脈内注射および筋肉内注射によっても本発明の化合物は投与され得る。特に好ましい実施形態では、ラロキシフェンHClは、60mgのラロキシフェンHClおよび賦形剤を含有する固形錠剤または180mgのラロキシフェンHClおよび賦形剤を含有する固形錠剤として投与される。特に好ましい別の実施形態では、アルゾキシフェンHClは、60mgのアルゾキシフェンHClおよび賦形剤を含有する固形錠剤または180mgのアルゾキシフェンHClおよび賦形剤を含有する固形錠剤として投与される。
本発明の化合物は、一般的に、式I、式II、式IIIまたは式IVの化合物を、薬学的に受容可能な液体キャリア、微細に分割した固体キャリア、またはその両方と均一に合わせ、次いで、必要であればこの生成物を成形することにより調製される。本明細書中で使用される場合、「薬学的に受容可能なキャリア」とは、処方物の他の成分と適合性であり、かつ投与される被験体に害を与えないキャリアをいう。そのような適切なキャリアとしては、例えば、水、アルコール、天然油もしくは硬化油および蝋、炭酸カルシウムおよび炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、カオリン、タルク、ならびに乳糖が挙げられる。
本発明に従う処方物は、好ましくは、1種以上の賦形剤(例えば、以下:防腐剤(例えば、エチル−p−ヒドロキシベンゾエート);懸濁剤(例えば、メチルセルロース、トラガカント、およびアルギン酸ナトリウム);湿潤剤(例えば、レシチン、ポリオキシエチレンステアレート、およびポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート);造粒剤および崩壊剤(例えば、デンプンおよびアルギン酸);結合剤(例えば、デンプン、ゼラチン、およびアカシアガム);滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸およびタルク);矯味矯臭剤および着色剤、ならびに薬学的処方物に従来から添加されている任意の他の賦形剤)と合わせられる。
経口投与のために適切な本発明の処方物は、以下の形態:カプセル剤、カシェ剤、または錠剤などの別個の単位(各々が、活性成分の所定の量を含有する);散剤もしくは顆粒剤;水溶性液体もしくは非水溶性液体中の溶液もしくは懸濁液;または水中油型液体エマルジョンもしくは油中水型エマルジョン、および経口投与に適切な任意の他の形態、のいずれかにおいて提示され得る。
以下の実施例は、本発明の方法に従って、アンドロゲン非依存性前立腺癌に罹患している患者を処置するために使用され得る手順、またはこのような患者を処置するために使用され得る本発明の化合物の効率を評価するために使用され得る手順を代表する。これら実施例の改変は、本明細書中に記載される状態とは異なる状態の患者を処置しようとしている当業者に容易に明らかである。
(実施例1)
(アンドロゲン非依存性前立腺癌を有する男性患者の処置)
3名の男性患者を、前立腺癌の確立された診断に基づいて、処置するために選択した。3名の患者は全て、標準的なアンドロゲン除去療法に失敗していた。処置開始時の各患者についての平均的な前立腺癌特異的抗原(「PSA」)レベルは、約20〜30ng/mlであった。ホルモン除去療法は、36ヶ月程度の期間積極的に投与したいくつかの症例においては、失敗し、各患者においてPSAレベルが明らかに上昇し続けた。このような治療に対する応答がないことは、各患者における前立腺癌が、アンドロゲン非依存性(またはアンドロゲン非依存性になった)ことを示した。各患者は、黄体形成ホルモン放出ホルモン(「LHRH」)−アゴニスト療法を行っても腫瘍が増殖しているにもかかわらず、この治療を受け続けた。これは、標準的な治療法と考えられる。なぜなら、これらの患者においてテストステロンのレベルが正常に回帰した場合、腫瘍の増殖は、より積極的(aggressive)になる可能性があるからである。
各患者に、60mgのラロキシフェンHClを1日に1回、最低30日間にわたり経口的に与えた。各患者のPSAレベルは、この期間の後の各患者において50%未満に低下した。このことは、ラロキシフェンHClが、アンドロゲン非依存性前立腺癌に罹患した患者において劇的に有益な結果を生じ得ることを実証する。本出願の出願当時、最長期間処置した患者は、治療の開始から17ヶ月であり、PSAは、0.4ng/ml未満である状態が続いており、この患者の骨のスキャンにおいて改善がみられている。ラロキシフェンで処置された患者の大部分において、腫瘍の安定化が起こり(非進行)、これは、前に上昇した血清PSAのレベルが安定化したことによって明らかになった。
(実施例2)
(アンドロゲン非依存性異種移植片モデルにおける腫瘍増殖の阻害)
本発明者は、ヒト前立腺腫瘍細胞(CWR22R)のアンドロゲン非依存性異種移植片モデルを使用して、雄のヌードマウスおよび雌のヌードマウスにおいて腫瘍を作った。腫瘍は、2〜3週間の期間で触知可能な塊にまで成長した。10匹のマウスを、処置群に無作為に割り当て、そして10匹のマウスをコントロール群に割り当てた。
0.85mg/kgのラロキシフェンHClを、上記処置群の各マウスに皮下注射にて毎日投与した。コントロール群のマウスには、生理食塩水の注射を与えた。30日後、生存マウスからの腫瘍を外科手術により取り出し、目視検査した。腫瘍サイズは、コントロール群のマウスおよび雌の宿主と比較して、処置群のマウスにおいて60%減少した。
(実施例3)
(臨床研究用の動物被験体の準備)
異種移植片研究を、D.B.Agusら、「Response of prostate cancer to anti−Her−2/neu antibody in androgen−dependent and −independent human xenograft models」、Cancer Res.59(19):4761〜4764(1999)において記載されているように行った。精巣摘除された7週齢〜8週齢のヌード胸腺欠損BALB/c雄マウスを、国立癌研究所(National Cancer Institute)から得、そして病原体の存在しない条件で維持した。マウスに、細かく刻んだ腫瘍組織を、MATRIGEL再構成基底膜(BD Bioschiences Discovery Labware:Bedford,MAから入手可能)と一緒に皮下接種(「s.c.」)した。このMATRIGEL再構成基底膜は、アンドロゲン非依存性(「AI」)と立証されたMSKPC9異種移植片細胞株由来であった;細胞株は、M.Nagabhushanら、「CWR22:the first human prostate cancer xenograft with strongly androgen−dependent and relapsed strains both in vivo and in soft agar」Cancer,Res.56(13)3042〜3046(1996)、およびD.B.Agusら、「Prostate cancer cell cycle regulators:response to androgen withdrawal and development of androgen independence」、J.Natl.Cancer Inst.91(21):1869〜76(1999)に記載されている。
少なくとも100mmの容積の確立した腫瘍を有する動物を、処置群と名付けた。この処置は、同一の用量計画にて、0.2%のTWEEN−20(Sigma Chemical,Co.St.Louis,MOより入手)を含む1.5%のカルボキシメチルセルロース中のラロキシフェン(経口強制栄養法(「p.o.」)により、40mg/kg 5×/wk)またはビヒクル単独のいずれかから構成された。腫瘍を、ノギスで週に2回測定し、そして腫瘍の容積を、式(π/6)×(より大きな直径)×(より小さな直径)により計算した。この式は、M.F.Pressら、「Her−2/neu gene amplification characterized by fluorescence in situ hybridization:poor prognosis in node−negative breast carcinomas」、J.Clin Oncol.15(8):2894〜2904(1997)に記載されている。動物を、腫瘍接種後25日目に屠殺し、そして腫瘍組織を、分析のために、素早く凍結させ、またはパラフィン中に固定した。結果を、図1に例示する。図1は、ラロキシフェンで処理した動物では、腫瘍がより小さかったことを示す。
(実施例4)
(血清PSAレベルの決定)
移植した動物の血液中のPSAレベルを、酵素免疫アッセイキット(American Qualex;San Clemente,CAより入手)を使用して決定した。血液サンプルを、血清分離チューブ(serum−separator tube)を使用してまたは50μlの血液を回収するための背側の尾の静脈の小切開により屠殺時の心臓の摘出(cardiac draw)を介して、処置前に得た。これらのアッセイの結果を図3に示す。図3は、ラロキシフェンで処置された動物における上昇したPSAレベルを示す。
(実施例5)
(免疫ブロットアッセイ)
タンパク質を、タンパク質抽出緩衝液(放射性免疫沈降(「RIPA」)緩衝液、5μl/ml NaF、5μl/ml NaVO、1μl/ml プロテアーゼインヒビターカクテルおよび5μl/mlフッ化フェニルメチルスルホニル(「PMSF」))中で、凍結腫瘍組織をホモジナイズして短時間超音波破砕することにより、その組織から抽出した。LNCaP細胞およびMCF−7細胞を回収し、同じタンパク質抽出緩衝液中に溶解した。タンパク質濃度を、Bradfordアッセイを使用して決定した。そのサンプルを、5分間煮沸し、各レーンにおいて全量50μgのタンパク質を使用して、ゲル電気泳動を実施した。電気泳動後、タンパク質を0.45μm PVDF膜(Pall Corp.;Ann Arbor,MIより入手)に移した。
移した後、非特異的結合部位を、1×TBST(すなわち、TWEENを含むTris緩衝化生理食塩水)の5%ミルク中で1時間インキュベートすることによりブロックした。その後、膜を、適切な抗体(アンドロゲンレセプター(「AR」)1:1000、ER−α 1:250、ER−β 1:250、β−アクチン 1:10,000;全ての抗体は、Santa Cruz Biotechnology,Inc.;Santa Cruz,CA;以下、「Santa Cruz Biotechnology」より入手した)を含む1×TBST中の5%ウシ血清アルブミン(「BSA」)と一晩4℃にてインキュベートした。1×TBSTで洗浄した後、膜を、ウサギ2次抗体(ER−α、もしくはER−β)、またはマウス2次抗体(AR、β−アクチン)の存在下で、1:10,000の希釈で1時間インキュベートし、次いでECL Western Blotting Analysis System(Amersham Biosciences,UKより入手)を使用して測定した。
(実施例6)
(RNA抽出およびリアルタイムRT−PCR)
全RNAを、TRIZOL試薬(Invitrogen Corporation;Carlsbad,CAより入手可能)を使用して前立腺腫瘍より抽出した。DNアーゼI(Ambion,Inc.;Austin,TXより入手)を使用して反応に干渉する任意の抽出DNAのサンプルを除去した。収量を、分光光度的に定量した。全量RNAを、cDNAに逆転写し、PCRを、同じ反応においてTAQMAN One−Step RT−PCR Master Mix Reagents Kit(Applied Biosystems;Foster City,CA;以下「Applied Biosystems」より入手)を使用することにより、実施した。プローブを、その5’末端に対して6−FAMで、そして3’末端に対してTAMRAで標識した。β−アクチンを、内因性コントロールおよび正規化群として使用した。使用したプライマー対を、以下のように表1に示す。
Figure 2007513865
PCRサイクル条件を、全てのサンプルについて以下のとおりに実施した:RT工程について48℃にて30分間;AMPLITAQ GOLD(Applied Biosystemsより入手可能)活性化について95℃にて10分間;そして融解工程(95℃で15秒間)およびアニーリング/伸長工程(60℃で1分間)について40サイクル。各テンプレートについてのPCR反応を、サンプルあたり全量1μgのmRNAを使用してトリプリケートで行った。各々の遺伝子特異的プライマー対を、標準384ウェルプレート上で試験した。標準カーブを、基準CWR22R腫瘍株より調製された全量10〜1000ngのmRNAを使用して構築した。全ての実験をトリプリケートの反応からの閾値サイクル(「C」)が1サイクル数よりも広がらないように最適化した。
比較C法(PE Applied Biosystems)を使用して、β−アクチンコントロールと比較した各遺伝子についての遺伝子発現の相対量を決定した。この方法は、PCR Applications:Protocols for Functional Genomics,M.Innisら編,Acad.Press.(1999)に記載される。まず、β−アクチン反応からのC値を、各々の3工程について平均した。次に、目的の遺伝子の反応からのC値を、平均した。全量RNAの可変性を考慮するために、目的の遺伝子の平均をβ−アクチンの平均で除算した。最終的に、ラロキシフェン処理された腫瘍についての遺伝子発現の値を、いかなる化合物も投与されていない動物由来の腫瘍からの値と比較した。
(実施例7)
(組織病理学)
ヒト組織および異種移植片組織を10%緩衝化ホルマリン中で固定し、パラフィン中に包埋し、そして5μmの切片を、DAKO Target Retrieval Solution、High pH(Dako Corp.;Carpinteria,CA;以下「Dako」より入手)中で20分間インキュベートし、1:100 マウス抗ヒトAR(Dakoより入手)、ウサギ抗ER−α抗体(BioGenex Laboratories,Inc.;San Ramon,CAより入手)またはウサギ抗ER−β抗体(Santa Cruz Biotechnologyより入手)で染色した。次いで、スライドを、DAKO EnVision System HRP Mouse またはDAKO EnVision System HRP Rabbit(Dakoより入手)で30分間インキュベートし、DAB Peroxidase Substrate Kit(Vector Laboratories,Inc.;Burlingame,CAより入手)にさらした。陽性の領域を、異なる領域で500より多い細胞の数を数えることにより評点付けした。データを、染色された細胞のパーセンテージとして連続して記録し、染色の強度を、以下のとおりに等級付けした:0、検出されない;1+、中程度の染色;2+、強力な検出。細胞の少なくとも10%以上が核染色を有する場合、標本を、「陽性」結果と見なした。本実施例および上述の実施例に従って得られたデータを、図4〜図7に示した。
(実施例8)
(臨床研究のための患者の選別)
以下の実施例で実施されるプロトコールを、Cedars−Sinai Institutional Review Boardにより改良した。この研究において登録された全ての患者には、任意の研究手順を実施する前に、書面のインフォームドコンセントを提供した。
2001年8月と2002年7月の間で、21人の患者を、 Los Angeles,CariforniaのCedars−Sinai Medical CenterのProstate Cancer Centerにおける研究に登録した。この研究に適格な患者は、組織学的に前立腺癌が確認され、ホルモン治療後、疾患の進行が確認された男性であった。患者は、抗アンドロゲン治療の中止後に、CTスキャンにより証明される疾患の進行を有すること、すなわち2回の連続した測定においてPSAが上昇していることが必要とされた。さらに、その最後の治療形態としてアンドロゲンレセプターブロッキング剤を投与される患者は、投薬中止後に疾患の進行が確認されなければならなかった。非外科的に去勢された患者は、研究に対して去勢レベルの血清テストステロンを維持する間、LHRHアゴニストを連続して受容した。
骨スキャンまたはCTスキャンのどちらかにより測定可能な疾患を有する患者、およびPSAの上昇により証明される評価可能な疾患を有する患者の両方が、この研究に含まれる。疾患進行の証明がPSAの上昇のみである患者は、少なくとも2週間間隔で測定された任意の2つの定量値に対し、基準値からの20%より多くの増加を有しているPSAを有さなければならなかった。他の適格な判断基準としては、以下が挙げられた:カルノフスキーパフォーマンスステータス>70%;寿命>12週(主要な外科手術または放射線治療より少なくとも4週間);およびストロンチウム−89、レニウム、またはサマリウム−153を用いた処置に対して少なくとも12週間。必要とされる研究の値としては、3000/μLより多い白血球細胞(「WBC」)数、1,500/μLより多い顆粒球、100,000/μLより多い血小板、9.0g/dLより多いヘモグロビン、正常体の上限(「ULN」)の1.5倍未満のクレアチニン、UNLの2倍未満のアスパラギン酸トランスアミナーゼ(「AST」)、およびアラニントランスアミナーゼ(「ALT」)、130mmol/L〜148mmol/Lのナトリウム、3.3mmol/L〜5.2mmol/Lのカリウム、90mmol/L〜110mmol/Lの塩素、ならびに8.0mg/dL〜10.5mg/dLの間のカルシウムが挙げられた。制御されない心血管疾患、または重篤な心血管疾患の病歴(例えば、不適切な制御されない高血圧、うっ血性心不全、アンギナ、または前年内の心筋梗塞)、血栓塞栓症の病歴、胆石仙痛、または未処置の胆石症の病歴を有する患者は、除外した。脳転移、脳が関与する疾患または軟髄膜疾患(leptomenigeal disease)の臨床サイン、痴呆症、精神病、または他の精神状態の著しい障害を有する患者は、除外した。過去5年の間に別の悪性疾患(非黒色腫性皮膚癌または、インサイチュ段階のT1a膀胱癌以外)の病歴を有する患者、抗生物質を必要とする活性な感染症を有する患者、または同時に販売段階もしくは研究段階の抗腫瘍性治療を受けている患者は、除外した。プロステートパルメットまたはソーパルメット(prostata or saw plametto)の同時使用は、許可しなかった。
(実施例9)
(応答の判断基準)
治療に対する応答を、治療の最初の2ヵ月後、次いでそれ以降毎月評価した。毒性を、各研究の来診において毎月評価した。完全寛解(「CR」)は、少なくとも1ヶ月間の間、疾患の全ての徴候の消散を必要とした(すなわち、PSAの正規化;物理試験または新しい病変の出現を伴わないX線研究による全ての指標病変(indicator lesion)の消散;前立腺を切除した患者における0.1ng/ml未満の血清PSAの減少および前立腺の放射線治療を行った患者における0.5mg/ml未満の血清PSAの減少;全ての異常な生物化学的パラメータが、正常に戻り、そしてこの期間の間、体重、パフォーマンスステータスまたは症状において癌関連の悪化が存在すべきでない)。部分的寛解(「PR」)は、全ての測定可能な病変について少なくとも1ヶ月間続く直行する直径の積和の縮小、新しい病変が出現しないこと、および少なくとも1ヶ月あいた2回の連続した機会に対する>50%の血清PSAの>50%の減少を必要とした。骨転移により評価されている患者について、PRは、少なくとも1ヶ月間離れた、2回の連続した機会に対する>50%の血清PSAの減少、骨スキャンにおける改善(1つ以上の転移性の病巣の強度または大きさの減少、および単純X線、CTスキャン、またはMRIスキャンにおいて実証された破骨治癒(osteoclastic healing)に起因しない限り、放射性核種を取り込む新しい病巣がないこと)を必要とした。この期間の間、体重、パフォーマンスステータスまたは症状において癌関連の悪化がみられなかった。進行(「PD」)は、以下のいずれかにより規定した:(1)1次元的に測定可能な病変の横行する直径の合計における、2次元的に測定可能な病巣の垂行する直径の積和の25%を超える増加;(2)新しい病巣の出現;および(3)28日よりはなれた2回の連続した測定で実証されたような、基準線を超えて50%よりも大きい血清PSAの増加。骨転移を有する患者について、PRはまた、基準の骨スキャンで以前見られた病巣の放射性核種の取り込みの大きさおよび強度に対する増加、または異常な取り込みの2つ以上の新しい病巣の出現(上記のような破骨治療に起因しない限り)、あるいは患者がラロキシフェンを用いた処置を開始した後、骨領域に対する放射性治療についてのいずれかの指標より規定され得た。PSA判定基準のみにより評点付けされたPDについて、確証的なPSA決定が必要であり、そしてその値が50%より大きい増加を示した2週間後に得られた。1つの目的のパラメータにおける改善がみられる一方、別のパラメータにより、PDについての判定基準を満たす患者は、PDを有するとして評点付けした。寛解を経験しないかまたはPDを示さない患者は、その患者が少なくとも3ヶ月間臨床的に安定したままであった場合、不変(「SD」)として評点付けした。
(実施例10)
(Wisconsin疼痛簡便質問表(Brief Pain Inventory))
基準において、各々の患者を、前立腺癌に関する骨疼痛を有するかどうかを質問した。肯定的に答えた患者に、基準、およびその後の毎月の追跡来診においてWisconsin簡便質問表を記入するように要求した。
(実施例11)
(処置)
処置は、毎日の60mgの経口ラロキシフェン(Eli Lilly & Company;Indianapolis,INより入手)で構成した。処置を、毎月の研究室への訪問(lab draw)および、医師による追跡来診(follow−up visit)でほどこした。ラロキシフェンのエストロゲン特性が与える深刻な静脈血栓症の危険性の増加を回避するために、患者に、低用量のCOUMADIN(ワルファリンナトリウム;DuPont Pharma;Wilmington,DEより入手可能)レジメンをほどこした。患者は、毎日1mgの経口COUMADINを受容した(または、患者がすでにアスピリンを摂取している場合、毎日0.5mgの経口COUMADINを受容した)。
(実施例12)
(臨床研究における患者の特徴付け)
患者の特徴付けを表2に列挙する。前立腺癌に罹患した、平均年齢73歳の全21人の患者を、この研究に登録した。患者は、平均90%(範囲、70%〜100%)のカルノフスキーパフォーマンスステータスを有した。15/21人(71%)の患者は、骨疾患の証拠を有した。6人(28.6%)の患者は、測定可能な疾患の証拠を有し、9人(42.8%)の患者は、骨転移を含む評価可能測定不可能な疾患を有し、そして6人(28.6%)の患者は、PSAレベルが上昇しただけであった。患者の大部分(67%)は、生検時に、グリーソン腫瘍分類8〜10を有した。前立腺の検体は、生検材料(14.67%)、または前立腺切除(7.33%)のどちらか由来であった。前立腺癌の診断から患者を研究するまでの平均時間は、83.3ヶ月(範囲、16.6〜209.5ヶ月)であった。
Figure 2007513865
前処置を、表3に列挙する。全ての患者は、組み合わされたアンドロゲン遮断を使用して前処地を受けた。19人(95%)が、2回のホルモン治療を受け、13人(62%)の患者は、研究前に2回よりも多くホルモン治療を受けた。以前の非ホルモン処置には、局所的な外科手術(57%)、局所的な放射線照射(38%)、および化学療法(33%)が含まれた。患者は、平均4.0(範囲、1〜9)の全身の前処置を受けた。この研究において登録された全ての患者は、前処置に失敗し、そしてAIPCを有することが決定された。
Figure 2007513865
(実施例13)
(毒性)
以前の臨床研究は、ラロキシフェンには、十分に耐性であり、報告された最も共通の有害な事象は、のぼせおよび脚部の痙攣であったことを示している(EVISTA添付文書;Eli Lilly & Co.)。同様に、本発明者らは、ラロキシフェンが、適度であると報告されたほとんどの薬物関連毒性に関して十分に耐性であったことを観察した(等級1〜2)。毒性を、表4に列挙する。報告された尿路感染症(「UTI」)(1)および血尿(1)は、患者の基礎疾患(underlying disease)に関すると考えられた。2つの等級3の事象を報告した:患者の最近の損傷に関すると考えられる等級3の関節痛/筋痛、および患者の疾患の進行に寄与した等級3の上昇クレアチニン。しかし、等級4の高血糖については、患者が、処置の開始前に等級3と実証された高血糖を有したことが報告された;従って、高血糖は、この薬物の研究に寄与しない。
Figure 2007513865
(実施例14)
(患者の応答および生存)
登録された21人の患者のうち、17人(81%)の患者が、最初の評価時点に到達し、そして効力分析に含まれた。4人の患者は、評価時点に到達しなかった;2人は、情動性副作用(1)、および医療の変化(1)に起因して本人達の希望でこの研究から除外された。3番目の患者は、ノンコンプライアンス(1)に起因してこの研究から除外され、そして4番目の患者は、その患者が、疼痛緩和のための骨領域に対する放射線照射を希望したことから、除外された(ただし、この4番目の患者は、効力分析には含まれ、そして疾患が進行しているとみなされた)。
第一の評価の時点において、18人の患者のうち13人は疾患の進行を有し、この研究を中止したが、18人の患者のうち5人は、疾患の安定を有し、ラロキシフェンを続行した。疾患の進行を、PSAの上昇(12)、および骨領域に対する放射線照射の必要性(1)として規定した。軟組織疾患または骨疾患の進行は、観察されなかった。疾患の安定を有する5人の患者のうち、4人の患者は、第2の評価において疾患の進行(すなわち、PSAの上昇)に起因して中止した。他の患者は、疾患が安定したまま、研究を維持した。軟組織または骨疾患における改善は、観察されなかった。
ラロキシフェンに関する疾患の進行時間の中央値は、8.3週間(範囲、2.9〜24.71)であった。分析の時点(2002年11月)において、見込まれる経過観察時間(potential off study follow−up time)の中央値は、9.0ヶ月であった。生存期間の中央値は、10.5ヶ月であった。2003年7月において、21人中19人(90%)が、生存している。
(実施例15)
(組織病理学)
この研究において登録された21人の患者のうち、13人は、ER−α、ER−β、AR発現の分析に利用できる現存する前立腺組織を有した。ER−βおよびARの強力な発現に対する緩和は、全ての場合(100%、13/13)において検出された。ER−α核染色のほとんど完全な消失が、13人の患者のうち2人(15%)を除いて全てに見られた。周囲の間質組織のうち50%が、全ての患者において、両エストロゲンレセプターについて、陽性で染色された。利用可能な標本数が少ないことに起因して、処置の第一の周期の間に疾患が進行した患者の群と、疾患の安定を示した患者の群との間に、有意な差は検出されなかった。
上記は、本発明の特定の実施形態に言及するが、多くの改変が本発明の精神から逸脱することなくなされ得ることが、当業者に容易に理解されるべきである。添付の特許請求の範囲は、本発明の真の精神および範囲内に含まれるような改変を網羅すると意図される。従って、本開示の実施形態は、あらゆる観点において,上述の記載ではなく、添付の特許請求範囲により示される本発明の範囲の例示と見なされるべきであり、それを限定するものとして見なされるべきではない。特許請求の範囲の意義およびその等価な範囲に含まれる全ての改変は、特許請求の範囲内に包含されると意図される。
図1は、本発明の実施形態に従うラロキシフェンによる、アンドロゲン非依存性MSKPC9腫瘍異種移植片の増殖の阻害を示す。図1Aは、ラロキシフェンで処理された腫瘍についての、コントロール群の平均腫瘍体積と比較した平均腫瘍体積の減少を図示する。同様に、図1Bは、ラロキシフェンで処理された腫瘍についての、コントロール群の平均腫瘍重量と比べた平均腫瘍重量の減少を図示する。 図2は、本発明の実施形態に従って、ラロキシフェンで処理された腫瘍およびコントロールの腫瘍における、MSKPC9腫瘍異種移植片におけるタンパク質の発現を示す。ER−αタンパク質の発現は、処置群において観察されず、そしてアンドロゲンレセプター(「AR」)においてもER−β mRNAにおいても、処置群の間で相違点は、観察されなかった。 図3は、本発明の実施形態に従って、MSKPC9腫瘍異種移植片におけるラロキシフェン処理と共に増加するPSA(腫瘍体積あたり)を示す。 図4は、カラーで作成され、そしてラロキシフェンの臨床研究の過程の間に進行した疾患を有する代表的な患者の染色を示し、これは、本発明の実施形態に従って、本明細書中で議論される後の実施例において、より詳細に記載される。代表的な患者は、ER−β(図4A;90%(1+)および10%(2+))およびAR(図4C;80%(1+)、12%(2+)、8%(0))の、中程度〜強度の発現を示したが、ER−αに対する核染色は、ほぼ完全に存在しなかった(図4B;99%(0))。 図5は、カラーで作成され、そしてラロキシフェンの臨床研究の過程の間に安定な疾患を有する代表的な患者の染色を示し、これは、本発明の実施形態に従って、本明細書中で議論される後の実施例において、より詳細に記載される。図5Aは、上記患者のER−βの発現(50%(1+)および50%(2+))を図示し;図5Bは、上記患者のER−αの発現(26%(1+)、15%(2%+)、59%(0))を図示し;そして図5Cは、上記患者のARの発現(42%(1+)、16%(2+)、43%(0))を図示する。 図6は、カラーで作成され、そして本発明の実施形態に従うポジティブコントロール関する免疫組織化学を示す。図6Aは、染色していない腫瘍組織を図示し;図6Bは、ER−αを発現している腫瘍組織を図示し;そして図6Cは、ER−βを発現している腫瘍組織を図示する。 図7は、カラーで作成され、そして本発明の実施形態に従う、MSKPC9異種移植片腫瘍についての免疫組織化学を示す。図7Aは、ER−βに対する染色を図示し;図7Bは、ER−αに対する染色を図示し;そして図7Cは、ARに対する染色を図示する。

Claims (56)

  1. アンドロゲン非依存性前立腺癌を有する哺乳動物を処置する方法であって、該方法は、該哺乳動物に、有効量の以下の式
    Figure 2007513865
    を有する化合物またはその薬学的に受容可能な塩を投与する工程を包含する方法であって、
    ここで、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、−COR、−COR、およびRからなる群より選択され、
    は、水素、C1〜C14アルキル、C1〜C3クロロアルキル、C1〜C3フルオロアルキル、C5〜C7シクロアルキル、C1〜C4アルコキシ、およびフェニルからなる群より選択され、
    は、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、ヒドロキシ、ニトロ、クロロ、フルオロ、トリクロロメチル、およびトリフルオロメチルからなる群より選択される、少なくとも1つの置換基を有するフェニルであり、
    は、C1〜C4アルキル、C5〜C7シクロアルキル、およびベンジルからなる群より選択され、そして
    は、酸素および−C=Oからなる群より選択される、方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、前記化合物は、1日あたり、約10mgと300mgとの間の有効量で投与される、方法。
  3. 請求項1に記載の方法であって、前記化合物は、1日あたり、約60mgの有効量で投与される、方法。
  4. 請求項1に記載の方法であって、前記化合物は、1日あたり、約180mgの有効量で投与される、方法。
  5. 請求項4に記載の方法であって、前記化合物は、1日あたり約60mgの量での該化合物による処置に対して前記哺乳動物が応答しない後のみ、1日あたり、約180mgの有効量で投与される、方法。
  6. 請求項1に記載の方法であって、前記方法は、
    前記哺乳動物におけるエストラジオールの血清レベルを低めるために有効量で、エストロゲン低下薬を該哺乳動物に投与する工程、
    をさらに包含する、方法。
  7. 請求項6に記載の方法であって、前記エストロゲン低下薬は、前記哺乳動物におけるエストラジオールの血清レベルを約30pg/ml以下の量まで低めるために有効量で投与される、方法。
  8. 請求項1に記載の方法であって、前記化合物は、経口投与される、方法。
  9. 請求項1に記載の方法であって、RおよびRは、ともに水素である、方法。
  10. 請求項1に記載の方法であって、Rは酸素である、方法。
  11. 請求項1に記載の方法であって、Rは、−C=Oである、方法。
  12. アンドロゲン非依存性前立腺癌を有する哺乳動物を処置する方法であって、該方法は、該哺乳動物に、有効量の以下の式
    Figure 2007513865
    を有するプロドラッグまたはその薬学的に受容可能な塩を投与する工程を包含する方法であって、
    ここで、Rは、酸素および−C=Oからなる群より選択され、
    およびRは、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、および−ORからなる群より選択され、
    は、ヒドロキシ保護基であり、そして、
    およびRうちの少なくとも一つは、該プロドラッグの投与後、該哺乳動物によって代謝的に処理されて、該プロドラッグをアンドロゲン非依存性前立腺癌の処置に有効な薬学的化合物に変える、方法。
  13. 請求項12に記載の方法であって、前記化合物は、1日あたり、約10mgと300mgとの間の有効量で投与される、方法。
  14. 請求項12に記載の方法であって、前記化合物は、1日あたり、約60mgの有効量で投与される、方法。
  15. 請求項12に記載の方法であって、前記化合物は、1日あたり、約180mgの有効量で投与される、方法。
  16. 請求項15に記載の方法であって、前記化合物は、1日あたり約60mgの量での該化合物による処置に対して前記哺乳動物が応答しない後のみ、1日あたり、約180mgの有効量で投与される、方法。
  17. 請求項12に記載の方法であって、
    前記哺乳動物におけるエストラジオールの血清レベルを低めるために有効な量で、エストロゲン低下薬を該哺乳動物に投与する工程、
    をさらに包含する、方法。
  18. 請求項17に記載の方法であって、前記エストロゲン低下薬は、前記哺乳動物におけるエストラジオールの血清レベルを約30pg/ml以下の量まで低めるために有効量で投与される、方法。
  19. 請求項12に記載の方法であって、前記化合物は、経口投与される、方法。
  20. 請求項12に記載の方法であって、RおよびRは、該プロドラッグの投与後、ともに該哺乳動物によって代謝的に処理され、その結果、該代謝過程に続いて、第一のヒドロキシル基は、該代謝過程前にRによって占められていた部位に残り、そして、第二のヒドロキシル基は、該代謝過程前にRによって占められていた部位に残る、方法。
  21. 請求項12に記載の方法であって、Rは酸素である、方法。
  22. 請求項12に記載の方法であって、Rは、−C=Oである、方法。
  23. アンドロゲン非依存性前立腺癌を有する哺乳動物を処置する方法であって、該方法は、該哺乳動物に、有効量の、以下の式
    Figure 2007513865
    を有する化合物またはその薬学的に受容可能な塩を投与する工程を包含する、方法。
  24. 請求項23に記載の方法であって、前記化合物は、1日あたり、約10mgと300mgとの間の有効量で投与される、方法。
  25. 請求項23に記載の方法であって、
    前記哺乳動物におけるエストラジオールの血清レベルを低めるために有効な量でエストロゲン低下薬を該哺乳動物に投与する工程、
    をさらに包含する、方法。
  26. アンドロゲン非依存性前立腺癌を有する哺乳動物を処置する方法であって、該方法は、該哺乳動物に、有効量の、以下の式
    Figure 2007513865
    の化合物のプロドラッグまたはその薬学的に受容可能な塩を投与する工程を包含する、方法。
  27. 請求項26に記載の方法であって、前記化合物は、1日あたり、約10mgと300mgとの間の有効量で投与される、方法。
  28. 請求項26に記載の方法であって、
    前記哺乳動物におけるエストラジオールの血清レベルを低めるために有効量の、エストロゲン低下薬を該哺乳動物に投与する工程、
    をさらに包含する、方法。
  29. アンドロゲン非依存性前立腺癌を有する哺乳動物を処置する方法であって、該方法は、該哺乳動物に、有効量の、以下の式
    Figure 2007513865
    を有する化合物またはその薬学的に受容可能な塩を投与する工程を包含する、方法。
  30. 請求項29に記載の方法であって、前記化合物は、1日あたり、約10mgと300mgとの間の有効量で投与される、方法。
  31. 請求項29に記載の方法であって、
    前記哺乳動物におけるエストラジオールの血清レベルを低めるために有効な量で、エストロゲン低下薬を該哺乳動物に投与する工程、
    をさらに包含する、方法。
  32. アンドロゲン非依存性前立腺癌を有する哺乳動物を処置する方法であって、該方法は、該哺乳動物に、有効量の、以下の式
    Figure 2007513865
    の化合物のプロドラッグまたはその薬学的に受容可能な塩を投与する工程を包含する、方法。
  33. 請求項32に記載の方法であって、前記化合物は、1日あたり、約10mgと300mgとの間の有効量で投与される、方法。
  34. 請求項32に記載の方法であって、
    前記哺乳動物におけるエストラジオールの血清レベルを低めるために有効な量で、エストロゲン低下薬を該哺乳動物に投与する工程、
    をさらに包含する、方法。
  35. アンドロゲン非依存性前立腺癌を有する哺乳動物を処置する方法であって、該方法は、該哺乳動物に、有効量の、以下の式
    Figure 2007513865
    を有する化合物またはその薬学的に受容可能な塩の有効量を投与する工程を包含する方法であって、
    ここで、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、−COR、−COR、およびRからなる群より選択され、
    は、水素、C1〜C14アルキル、C1〜C3クロロアルキル、C1〜C3フルオロアルキル、C5〜C7シクロアルキル、C1〜C4アルコキシ、およびフェニルからなる群より選択され、
    は、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、ヒドロキシ、ニトロ、クロロ、フルオロ、トリクロロメチル、およびトリフルオロメチルからなる群より選択される、少なくとも1つの置換基を有するフェニルであり、
    は、C1〜C4アルキル、C5〜C7シクロアルキル、およびベンジルからなる群より選択され、そして
    は、酸素および−C=Oからなる群より選択される、方法。
  36. 請求項35に記載の方法であって、前記化合物は、1日あたり、約10mgと300mgとの間の有効量で投与される、方法。
  37. 請求項35に記載の方法であって、前記化合物は、1日あたり、約60mgの有効量で投与される、方法。
  38. 請求項35に記載の方法であって、前記化合物は、1日あたり、約180mgの有効量で投与される、方法。
  39. 請求項38に記載の方法であって、前記化合物は、1日あたり約60mgの量での該化合物による処置に対して前記哺乳動物が応答しない後のみ、1日あたり、約180mgの有効量で投与される、方法。
  40. 請求項35に記載の方法であって、
    前記哺乳動物におけるエストラジオールの血清レベルを低めるために有効な量で、エストロゲン低下薬を該哺乳動物に投与する工程、
    をさらに包含する、方法。
  41. 請求項40に記載の方法であって、前記エストロゲン低下薬は、前記哺乳動物におけるエストラジオールの血清レベルを約30pg/ml以下の量まで低めるために有効な量で投与される、方法。
  42. 請求項35に記載の方法であって、前記化合物は、経口投与される、方法。
  43. 請求項35に記載の方法であって、RおよびRは、ともに水素である、方法。
  44. 請求項35に記載の方法であって、Rは酸素である、方法。
  45. 請求項35に記載の方法であって、Rは、−C=Oである、方法。
  46. アンドロゲン依存性前立腺癌を有する哺乳動物を処置する方法であって、該方法は、該哺乳動物に、有効量の、以下の式
    Figure 2007513865
    を有するプロドラッグまたはその薬学的に受容可能な塩を投与する工程を包含する方法であって、
    ここで、Rは、酸素および−C=Oからなる群より選択され、
    およびRは、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、および−ORからなる群より選択され、
    は、ヒドロキシ保護基であり、そして、
    およびRうちの少なくとも一つは、該プロドラッグの投与後、該哺乳動物によって代謝的に処理されて、該プロドラッグをアンドロゲン依存性前立腺癌の処置に有効な薬学的化合物に変える、方法。
  47. 請求項46に記載の方法であって、前記化合物は、1日あたり、約10mgと300mgとの間の有効量で投与される、方法。
  48. 請求項46に記載の方法であって、前記化合物は、1日あたり、約60mgの有効量で投与される、方法。
  49. 請求項46に記載の方法であって、前記化合物は、1日あたり、約180mgの有効量で投与される、方法。
  50. 請求項49に記載の方法であって、前記化合物は、1日あたり約60mgの量での該化合物による処置に対して前記哺乳動物が応答しない後のみ、1日あたり、約180mgの有効量で投与される、方法。
  51. 請求項46に記載の方法であって、
    前記哺乳動物におけるエストラジオールの血清レベルを低めるために有効な量で、エストロゲン低下薬を該哺乳動物に投与する工程、
    をさらに包含する、方法。
  52. 請求項51に記載の方法であって、前記エストロゲン低下薬は、前記哺乳動物におけるエストラジオールの血清レベルを約30pg/ml以下の量まで低めるために有効な量で投与される、方法。
  53. 請求項46に記載の方法であって、前記化合物は、経口投与される、方法。
  54. 請求項46に記載の方法であって、RおよびRは、該プロドラッグの投与後、ともに該哺乳動物によって代謝的に処理され、その結果、該代謝過程に続いては、第一のヒドロキシル基は、該代謝過程前にRによって占められていた部位に残り、そして、第二のヒドロキシル基は、該代謝過程前にRによって占められた部位に残る、方法。
  55. 請求項46に記載の方法であって、Rは酸素である、方法。
  56. 請求項46に記載の方法であって、Rは、−C=Oである、方法。
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