JP2007513631A - 核酸およびポリペプチドを選択する系ならびに方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、一般に核酸およびポリペプチドを同定かつ選択するための組成物ならびに方法に関する。
リガンド−受容体の相互作用は、基本的な生物学的な部位認識機構の解明から薬物スクリーニングおよび合理的な薬物設計までの数々の理由で興味がもたれている。長年の間、選択された標的に選択的に結合する分子を大集団から選択し、その後それらを増幅および突然変異させて後に再選択することによって核酸のin vitro進化を駆動することが可能であった(本明細書中に参考として組み込まれているTuerkおよびGold、Science、249:505(1990))。
本発明の実施形態は、タンパク質および核酸の所望の特性(properties)を選択かつ進化させる組成物ならびに方法を提供する。様々な実施形態では、本発明は、修飾されたtRNAおよびtRNA類似体を提供する。他の実施形態には、ポリペプチドの産生方法、所望の特徴(characteristics)を有するポリペプチドの集団の個々のメンバーの選択を可能にするアッセイ、このような選択されたポリペプチドをコードしている核酸の増幅方法、および増強された特性のスクリーニングを行うための新しい変異体の生成方法が含まれる。
一部の実施形態では、この方法は、複数の同族対を提供すること、複数の同族対のうちの少なくとも1つを1つまたは複数の結合因子と結合させること、1つもしくは複数の結合因子に対する反応または反応を欠くことに基づいて所望のまたはタンパク質核酸分子を選択することで第1の所望の同族対を選択することをさらに含む。いくつかの実施形態では、この方法は、第1の所望の同族対を回収して、回収した同族対を生成すること、回収した同族対の第1の核酸成分を増幅すること、1つまたは複数の変異を有する前記第1の核酸成分を含む第2の核酸成分を生成すること、第2の核酸成分を翻訳することによって第2のタンパク質を生成すること、第2のタンパク質を第2の核酸成分に連結させて第2の所望の同族対を生成すること、および、少なくとも1つの所望の特性に基づいて第2の所望の同族対を再選択することによって所望のタンパク質配列を得ることを、さらに含む。好ましい実施形態では、所望の配列は、SARSウイルスの1つまたは複数の配列の配列である。
図1は、修飾されたtRNAまたは類似体によって連結された場合における、mRNAおよびそのタンパク質産物によって形成された複合体の一例を示す模式図である。図のように、mRNAのコドンは修飾されたtRNAのアンチコドンと対を成し、UV照射によってソラレンモノ付加体、または非ソラレン架橋剤もしくはアリールアジドと共有結合的に架橋結合する。翻訳されたポリペプチドは、リボソームのペプチジルトランスフェラーゼを介して修飾されたtRNAに連結される。いずれの連結も、mRNAおよび新生タンパク質がリボソームによって適所に保持されている間に起こる。
本発明の様々な態様は、メッセンジャーRNA(mRNA)をその翻訳されたタンパク質産物に連結させて「同族対」を形成するtRNA機構を用いる。いくつかの実施形態では、配列が知られていないmRNAを発現させることができ、所望のまたは選択された特性を有するリガンドに対する選択過程によって特徴づけられたタンパク質および、タンパク質の進化をもたらす核酸の進化をin vitroで行って、増強された特性を有する分子に達することができる。同族対は、tRNA分子を介して結合していることが好ましい。
ランダムまたは疑似ランダムmRNAライブラリの作製方法。
NNNpトリプレットで開始する
一部の実施形態では、ソラレン架橋結合は、相補的5’ピリミジン−プリン3’配列、特にUAまたはTA配列を含む配列間で優先的に生じられる(本明細書中に参考として組み込まれているCimino他、Ann.Rev.Biochem.、54:1151(1985))。一部の実施形態では、非ソラレン架橋剤またはアリールアジドが用いられ、特定の実施形態では、その要件においてストリンジェンシーがより低く、可能なコドン−アンチコドン対が増加するので特に有利である。
効率的な進化のための複製の公称最小回数は、以下の式を用いて推定してもよい。長さがn配列であり、選択的改善が突然変異r離れており、突然変異率pである配列がある場合、複製において選択的改善が生じる確率は以下のように決定してもよい:
r=1では、正しい点で突然変異が起こる確率(p)×開始点とは異なる、3個のヌクレオチドのうち正しいものへと突然変異する確率(1/3)×他のn−1箇所の部位が突然変異されないままである確率((1−p)(n-r))、または
P3=1.51×10-9
したがって、有利である次のアミノ酸に合理的に達するために予測するためには、その突然変異率において:
精製に対する制限
BおよびCがAに対して競合する可逆的結合において:
AB←→A+B AC←→A+C
[B]T=[B]+[AB] (3)
[C]T=[C]+[AC] (4)
(3)を(4)で割り算し:
以下の方程式において:
分子の集団を扱う場合は、選択基準はしばしば、標的リガンドへの親和性または結合強度である。この選択における制限は何であろうか。標的リガンドTへの結合に関して競合する分子集団、Ai(iは様々な結合親和性に対応する)を検討されたい。
反応は
[Ai]tot=[Ai]+[AiT]
[Ai]=[Ai]tot−[AiT]
代入および再度整理すると、結合しているAiの合計の分率を以下のように表すことができる:
[T]total=[T]+Σ[TAi]
[T]は、試験者が選択する遊離のTであり、Σ[TAi]は上述のように最初の分布を知ることによって算出される曲線下の量である。多くの場合、曲線より下の面積は選択された[T]よりも小さく、全Tは、遊離のまたは結合していないTによって近い近似を得ることができる。
当業者は、いくつかの異なる方法でSATAを生成することができること理解するであろう。以下の実施例中に記載したプロトコルは、tRNA上にピューロマイシンおよび架橋剤をどちらも有するSATA、またはtRNA上にピューロマイシンを有しmRNA上に架橋剤を有するSATAに用いることができる。架橋剤がmRNA上にあるものは、以下の実施例4に指針が提供されている。また、以下のプロトコルは、連結tRNA類似体も好ましい実施形態ではtRNA上に架橋剤を有するという意味で、連結tRNA類似体についても指示する。
その後、本明細書中に参考として組み込まれているSastry他、J.Photochem.Photobiol.B Biol.、14:65〜79に記載のHPLCによってモノ付加体を精製した。一般に25量体以上のモノ付加体の精製は困難であるので、断片2が断片3から分離されることにより精製ステップが容易となった(本明細書中に参考として組み込まれているSpielmann他、PNAS、89:4514〜4518)。
T4 RNAリガーゼを用いて断片2を断片3にライゲーションさせた。3’末端のピューロマイシンは保護基として役割を果たした。これは、本明細書中に参考として組み込まれているRomaniukおよびUhlenbeck、Methods in Enzymology、100:52〜59(1983)のように行う。断片2+3と断片1の3’末端との結合は、本明細書中に参考として組み込まれているUhlenbeck、Biochemistry、24:2705〜2712(1985)に記載の方法に従って行った。断片2+3をポリヌクレオチドキナーゼによって5’リン酸化し、2つの半分子のアニーリングを行った。
ソラレン化したフラン側鎖のモノ付加体の生成
RNA:DNAハイブリッドのUV露光
いずれも50mMのNaClを含む、等体積の3ng/mlのRNA:cRNAハイブリッドセグメントおよび10μg/mlのHMTを新しい1.5mlのキャップ付ポリプロピレンマイクロ遠心チューブに移し、37℃で30分間、暗所でインキュベーションした。その後、これを新しい清浄な培養皿に移した。これを、照射量が〜6.5mW/cm2であるように約12.5cmの距離で光化学反応器(419nmのピーク、Southern New England Ultraviolet Co.)内に配置し、60〜120分間照射した。
100μlのクロロホルム−イソアミルアルコール(24:1)をピペットで入れ、渦攪拌によって混合した。混合物をマイクロ遠心チューブ中で、5分間、15000×gで遠心分離した。クロロホルム−イソアミルアルコール層をマイクロピペットで除去した。クロロホルム−イソアミルアルコールによる抽出を再度繰り返した。清浄なRNAが溶液から沈殿した。
2倍体積(〜1000μl)氷冷無水エタノールを混合物に加えた。チューブを15分間、15,000×gで、マイクロ遠心機内で遠心分離した。上清をデカンテーションして廃棄し、沈殿したRNAを再度100μlのDEPCで処理した水に溶かし、その後、再度RNA+8−MOPに曝した。
すべての成分、ガラス器具および試薬は、RNAaseを含まないように調製した。HPLCはDionex DNA PA−100パッケージカラムを用いてセットアップした。ソラレン化したRNA:DNAハイブリッドを4℃まで暖めた。ソラレン化したRNAをHPLCにかけ、次いで「HPLCによるオリゴヌクレオチド解析」という表題の以下のセクションに記載のように、オリゴヌクレオチド解析を行った。採取された画分は以下を表した:
・5’CUAGAΨCUGGAGG3’(ここで、Ψは疑似ウリジンである)(配列番号1)
・フラン側鎖の5’CUソラレンAGAΨCUGGAGG3’モノ付加体(配列番号2)
・5’XXXXXCCUCCAGAUCUAGXXXXX3’(配列番号3)
・5’XXXXXCCUCCAGAUCUソラレンAGXXXXX3’(配列番号4)
画分を新しい、RNAaseを含まないスナップ付マイクロ遠心チューブ中に4℃で貯蔵し、4週間を超える貯蔵が必要な場合は−20℃で貯蔵した。
ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)を用いた、HPLCによって採取された各ピーク画分に表されるRNA断片の同定
電気泳動ユニットを4℃の冷蔵庫内にセットアップした。2mmのスペーサーを有するゲルを選択した。各HPLC画分の5μlをローディングバッファーで10μlまで希釈した。10μlの各希釈した画分を適切に標識した試料ウェルに載せた。追跡用色素を別のレーンに載せ、「ソラレン化したRNA断片のポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)」という表題の以下のセクションに記載のように電気泳動を行った。電気泳動の実行が完了したあと、追跡用色素がゲルの端に達したら電気泳動を停止した。装置を解体した。ゲル−ガラスパネルのユニットをUV光ボックス上に置いた。UV光を点けた。RNAのバンドを同定した。バンドはUV光条件下でより濃い影として現れた。
各バンドを殺菌され、RNAaseを含まない新しいメスの刃を用いて切り出し、新しい1.5mlのスナップキャップ付マイクロ遠心チューブに移した。メスの刃の側面を用いて、各ゲルをマイクロ遠心チューブの壁でつぶした。各試料に新しい刃を用いた。1.0mlの0.3M酢酸ナトリウムを各チューブに加え、少なくとも24時間、4℃で溶出させた。マイクロピペットを用いて溶出液を新しい0.5mlのスナップキャップ付ポリプロピレンマイクロ遠心チューブに移した。各チューブに新しいRNAaseを含まないピペットチップを用い、RNAをエタノールで沈殿させた。
2倍体積の氷冷エタノールを各溶出液に加え、マイクロ遠心機内で、15,000×gで15分間遠心分離した。上清を排出し、沈殿したRNAを再度100μlのDEPCで処理した脱イオン水に溶かした。RNAは必要時まで4℃でマイクロ遠心チューブに貯蔵した。貯蔵が2週間を超える場合、チューブは2−0℃で貯蔵した。以下が、各断片の移動速度の順(速いものから遅いものの順)であった:
・5’CUAGAΨCUGGAGG3’(配列番号1)
・フラン側鎖の5’CUソラレンAGAΨCUGGAGG3’モノ付加体(配列番号2)
・5’XXXXXCCUCCAGAUCUAGXXXXX3’(配列番号3)
・5’XXXXXCCUCCAGAUCUソラレンAGXXXXX3’(配列番号4)
各画分の残りを含むチューブを標識し、−20℃で貯蔵した。
RNAオリゴヌクレオチド断片を沈殿させ、RNaseの痕跡をすべて取り除くために、すべてのガラス器具を「装置上、消耗品上、および液剤中のRNaseの不活性化」という表題の以下のセクションに記載のように清浄にした。すべての溶液はRNAaseを含まないガラス器具中で貯蔵し、ヌクレアーゼの導入が防がれた。無水エタノールは使用時まで0℃で貯蔵した。マイクロピペットを用いて、2倍体積の氷冷エタノールをマイクロ遠心チューブ内で沈殿させる核酸に加えた。キャップ付マイクロ遠心チューブをマイクロ遠心器内に入れ、15,000×gで15分間遠心した。上清を廃棄し、沈殿したRNAを再度DEPCで処理した脱イオン水に溶かした。RNAは使用の準備ができるまでマイクロ遠心チューブ中に4℃で貯蔵した。
RNaseの痕跡をすべて取り除くために、すべてのガラス器具を「装置上、消耗品上、および液剤中のRNaseの不活性化」という表題の以下のセクションに記載のように清浄にした。100〜1000μlのピペットを用いて以下を新しい1.5mlのポリプロピレンスナップキャップ付マイクロ遠心チューブに加え、各溶液に新しい殺菌されたピペットチップを用いた:
断片2(3.0nM) 125.0μl
断片3(3.0nM) 125.0μl
反応バッファー 250.0μl
RNA T4リガーゼ(9〜12U/ml) 42μl
反応バッファー
RNaseを含まない脱イオン水 90.00ml
トリス−HCl(50mM) 0.79g
MgCl2(10mM) 0.20g
DTT(5mM) 0.078g
ATP(1mM) 0.55g
HCLを用いて、pHは7.8
RNaseを含まない脱イオン水 QSは100.00ml
混合物を穏やかに混合し、混合物を温度制御した冷蔵チャンバ内で、16℃で1時間インキュベートすることによってRNAを融解させた。インキュベーション完了後、RNAをすぐに溶液から沈殿させた。
2倍体積(〜1000μl)の氷冷無水エタノールを反応混合物に加えた。マイクロ遠心チューブを15,000×gで15分間マイクロ遠心機内に置いた。上清をデカンテーションして廃棄し、沈殿したRNAを再度100μlのDEPCで処理した水に溶かした。混合物を「ソラレン化したRNA断片のポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)」という表題の以下のセクションに記載のように電気泳動した。以下が、各断片の移動速度の順(速いものから遅いものの順)であった:
a)断片2
5’CUAGAΨCUGGAGG3’−OHソラレン(配列番号5)
b)断片3
5’UCCUGUGTΨCGAUCCACAGAAUUCGCACC−ピューロマイシン(配列番号6)
c)断片2+3
ソラレン75’CUソラレンAGAYCUGGAGGUCCUGUGTΨCGAUCCACAGAAUUCGCACCピューロマイシン(配列番号7)
各画分をUVシャドーイングによって単離し、バンドを切り出し、RNAをゲルから溶出させ、RNA溶出液を「ソラレン化したRNA断片のポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)」という表題の以下のセクションに記載のように沈殿させた。残留のライゲーションしていない断片2および3の画分すべてを用いてライゲーション手順を繰り返した。ライゲーションした画分2および3をプールし、少ない体積のRNaseを含まない脱イオン水に4℃で貯蔵した。
RNA断片1と断片2+3とのライゲーション
RNaseの痕跡をすべて取り除くために、すべてのガラス器具を「装置上、消耗品上、および液剤中のRNaseの不活性化」という表題の以下のセクションに記載のように清浄にした。以下を新しい1.5mlのポリプロピレンスナップキャップ付マイクロ遠心チューブに加えた。各溶液に100〜1000μlのピペットおよび新しいチップを用いた:
断片2+3(3.0nM) 125.0μl
反応バッファー 250.0μl
T4ポリヌクレオチドキナーゼ(5〜10U/ml) 1.7μl
反応バッファー
RNaseを含まない脱イオン水 90.00ml
トリス−HCl(40mM) 0.63g
MgCl2(10mM) 0.20g
DTT(5mM) 0.08g
ATP(1mM) 0.006g
HCLを用いて、pHは7.8
RNaseを含まない脱イオン水 QSは100.00ml
RNAを穏やかに混合し、その後、加熱ブロック内で、混合物を70℃まで5分間加熱し、融解した。混合物を2時間かけて室温まで冷却し、RNAをtRNAの立体配置でアニーリングさせた。RNAを溶液から沈殿させた。
2倍体積(〜1000μl)の氷冷無水エタノールを反応混合物に加えた。マイクロ遠心チューブを15,000×gで15分間マイクロ遠心機内に置いた。上清をデカンテーションして廃棄し、沈殿したRNAを再度100μlのDEPCで処理した水に溶かした。混合物を「ソラレン化したRNA断片のポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)」という表題の以下のセクションに記載のように電気泳動した。以下が、各断片の移動速度の順(速いものから遅いものの順)であった:
a)断片1
5’GCGGAUUUAGCUCAGUUGGGAGAGCGCCAGACU3’(配列番号8)
b)断片2+3
ソラレン
5’CUソラレンAGAYCUGGAGGUCCUGUGTΨCGAUCCACAGAAUUCGCACCピューロマイシン(配列番号6)
c)断片1+2+3
ソラレン
5’GCGGAUUUAGCUCAGUUGGGAGAGCGCCAGACUCUソラレンAGAΨCUGGAGGUCCUGUGTΨCGAUCCACAGAAUUCGCACCピューロマイシン(配列番号9)
各画分をUVシャドーイングによって単離し、バンドを切り出し、RNAをゲルから溶出させ、RNA溶出液を「ソラレン化したRNA断片のポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)」という表題の以下のセクションに記載のように沈殿させた。ライゲーションしていない断片1および2+3画分を用いてライゲーション手順を繰り返した。ライゲーションした画分2+3をプールし、少ない体積のRNaseを含まない脱イオン水に4℃で貯蔵した。
以下を新しい1.5mlのポリプロピレンスナップキャップ付マイクロ遠心チューブに加えた。各溶液に100〜1000μlのピペットおよび新しいチップを用いた:
断片1+2+3(3.0nM) 250μl
反応バッファー 250μl
RNA T4リガーゼ(44μg/ml) 22μg
混合物を温度制御した冷蔵庫内で、17℃で4.7時間インキュベーションした。インキュベーションの直後、上記ステップ6.2に記載のようにtRNAを沈殿させ、「ソラレン化したRNA断片のポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)」という表題の以下のセクションに記載したように電気泳動によってtRNAを単離した。tRNAを少ない体積のRNaseを含まない水にプールし、2週間までは4℃で、または2週間より長い期間は−20℃で貯蔵した。
ソラレン化したRNA断片のポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)
アクリルアミドゲルの調製
すべての試薬およびガラス器具は、「装置上、消耗品上、および液剤中のRNaseの不活性化」という表題の以下のセクションに記載のようにRNAaseを含まないようにした。ゲル装置を組み立てて厚さ4mmの20cm×42cmの四角いゲルを生成した。RNAaseを含まない厚肉エルレンマイヤーフラスコ内で、29部のアクリルアミドおよび1部のアンモニウム架橋剤と適切な量のアクリルアミド溶液とを室温で混合した。
尿素(7M) 420.42g
TBE(1×) 1LまでQS
5×TBE
0.455M トリス−HCl 53.9g
10mM EDTA 0.5Mを20ml
RNAaseを含まない脱イオン水 900ml
pHはホウ酸を用いて pH9
QSはRNAaseを含まない脱イオン水で 1L
混合物を真空圧で1分間脱気した。適切な量のTEMEDを加え、穏やかに混合し、その後、ゲル混合物をガラスプレートの間に上部から0.5cm以内まで注いだ。すぐにガラスシートの間のゲル混合物内に櫛を挿入した。RNAaseを含まないゲル用櫛を用いた。櫛により、5mm幅の色素レーンおよび135mmの試料レーン用のウェルが生じた。ゲルを約30〜40分間重合させ、その後、注意しながら櫛を取り外した。新しいピペットチップを備えたマイクロピペットを用いて試料ウェルをランニングバッファーですすいだ。その後、ウェルにランニングバッファーを満たした。
試料のアリコートをスナップキャップ付マイクロ遠心チューブ中のローディングバッファーに懸濁させ、ボルテックスした。指示色素は試料に加えなかった。
尿素(7M) 420.42g
トリスHCl(50mM) 7.85g
QSはRNAaseを含まないD−H2Oで 1L
電気泳動の実行
最大体積のRNA/ローディングバッファー溶液を135mmの試料ウェルに載せ、適切な体積の追跡用色素を5mmの追跡用レーンに載せた。試料は5℃の冷蔵庫で電気泳動した。追跡用色素がゲルの端に達したら電気泳動を停止した。その後、装置を解体した。ガラスパネルはゲルから外さなかった。ゲル−ガラスパネルのユニットをUV光ボックス上に置いた。UVフィルタリングゴーグルを装着してUV光を点けた。RNAのバンドを同定した。バンドはUV光条件下でより濃い影として現れた。RNAをゲルから抽出した。各バンドを新しい無菌的かつRNAaseを含まないメスの刃を用いて切り出し、各バンドを新しい1.5mlのスナップキャップ付マイクロ遠心チューブに移した。メスの刃の側面を用いて、各ゲルをマイクロ遠心チューブの壁でつぶした。各試料に新しい刃を用いた。1.0mlの0.3M酢酸ナトリウムを各チューブに加え、少なくとも24時間、4℃で溶出させた。各チューブに新しいRNAaseを含まないピペットチップを備えたマイクロピペットを用いて、溶出液を新しい0.5mlのスナップキャップ付ポリプロピレンマイクロ遠心チューブに移した。2倍体積の氷冷エタノールを各溶出液に加え、マイクロ遠心分離器内で、15,000×gで15分間遠心分離した。上清を廃棄し、沈殿したRNAを再度100μlのDEPCで処理した脱イオン水に溶かした。RNAは必要時までマイクロ遠心チューブに4℃で貯蔵した。
RNAオリゴヌクレオチドのHPLC精製は陰イオン交換クロマトグラフィーを用いて行った。2’−保護または2’−脱保護の型のクロマトグラフィーのいずれも行い得る。2’−保護の型により、二次構造効果を最小限にし、ヌクレアーゼ耐性をもたらすという利点が提供された。RNAが完全に脱保護されていた場合は、精製中に無菌的な条件が必要であった。
装置上、消耗品上、および液剤中のRNaseの不活性化
ガラス器具は、180℃で少なくとも8時間ベーキングすることによって処理した。プラスチック器具は、クロロホルムですすぐことによって処理した。あるいは、すべてのものを0.1%のDEPCに浸した。
0.1%のDEPCを調製した。脱イオン水を0.2μMの膜フィルターで濾過した。水を15psiで15分間、液体サイクルでオートクレーブした。1.0g(wt/v)のDEPC/1リットルの無菌的な濾過水を加えた。
すべてのガラス器具およびプラスチック器具は、2時間、37℃で0.1%のDEPCに浸した。ガラス器具を無菌的な脱イオン水で少なくとも5回すすいだ。ガラス器具を100℃まで15分間加熱するか、または15分間15psiで、液体サイクルでオートクレーブした。
RNAの電気泳動に用いる電気泳動タンク
タンクを洗剤で洗浄し、水、次いでエタノールですすぎ、空気乾燥させた。タンクに3%(v/v)の過酸化水素(30ml/L)を満たし、10分間室温で静置した。タンクをDEPCで処理した水で少なくとも5回すすいだ。
すべての溶液は、Rnaseを含まないガラス器具、プラスチック器具、オートクレーブした水、RNAとの作業のために確保されている化学薬品、およびRNaseを含まないヘラを用いて作製した。使い捨ての手袋を用いた。可能な場合は、溶液を0.1%のDEPCで少なくとも12時間、37℃で処理し、その後、100℃まで15分間加熱するか、または15分間15psiで、液体サイクルでオートクレーブした。
20μl/mlの濃度の腸阻害ペプチド(GIP)mRNA、2μlを、250μlのスナップキャップポリプロピレンマイクロ遠心チューブに入れた。35μlのウサギ網状赤血球溶解物(Promegaから購入可能)を加えた。メチオニンを含まないアミノ酸混合物(Promegaから購入可能)を1μl加えた。35Sメチオニンまたは非標識のメチオニンを1μl加えた。32P GIPのmRNAまたは非標識のGIPのmRNAを2μl加えた。任意選択で、対照として役割を果たすために2mlのルシフェラーゼを一部のチューブに加えてもよい。好ましい実施形態では、GIPのmRNAの代わりにルシフェラーゼを用いた。当業者は、実際、適切な配列を含む任意のmRNA断片を用い得ることを理解するであろう。
上述のように、当業者は、SATA、連結tRNA類似体およびナンセンスサプレッサーtRNAを多くの異なる方法によって生成することができることを理解するであろう。図5はウリジンおよび疑似ウリジンの化学構造を示す。疑似ウリジンは、ウリジンと同じように水素結合を形成するが、ソラレンの標的である5−6二重結合を欠く、tRNA中に見つかる天然に存在する塩基である。本明細書中で用いる疑似ウリジンには、天然に存在する塩基および任意の合成類似体または修飾体が含まれる。好ましい実施形態では、疑似ウリジンを用いてSATAを生成した。連結tRNA類似体も疑似ウリジンを用いて生成することができる。具体的には、好ましい実施形態では、3つの断片(図1)を市販源(Dharmacon Research Inc.、Boulder,CO)から購入した。それぞれの3’末端にピューロマイシンおよびPO4を事前に結合させた、修飾された塩基および断片3(「断片3」)が含まれ、これらはすべて市販されている。3つの断片は、モノ付加体の形成において断片2(「断片2」)の操作を容易にするために用いた。一部の実施形態によれば、3つの断片の配列は以下のとおりである(各断片に2つずつの配列例を提供する):
断片1
5’PO4GCGGAUUUAGCUCAGUUGGGAGAGCGCCAGACOH3’(配列番号10)
5’PO4GCGGAUUUAGCUCAGUUGGGAGAGCGCCAGACOH3’(配列番号16)
断片2
5’OHΨCUAACΨCOH3’(配列番号11)
5’OHΨCUAAAΨCOH3’(配列番号17)
断片3
5’PO4UGGAGGUCCUGUGTΨCGAUCCACAGAAUUCGCACCピューロマイシン3’(配列番号12)
5’PO4UGGAGGUCCUGUGTΨCGAUCCACAGAAUUCGCACCピューロマイシン3’(配列番号18)
断片3に記載した上記配列はSATAに適用可能である。連結tRNA類似体では、ピューロマイシンがアデノシンで置き換えられる以外は配列は類似している。
5’XXXXXXGAΨΨΨAGAXXXXXXX3’(配列番号30):
CCCΨCCAGAGΨΨAGACCC(配列番号13)
5’CCCCCCGAΨΨΨAGACCCCCCC3’(配列番号19)
ステップ1:断片2へのソラレンのフラン側鎖のモノ付加体
断片2の標的ウリジンを用いたフラン側鎖のソラレンモノ付加体の形成を以下のように行った。
反応バッファーを以下のように調製した:
トリスHCL 25mM
NaCl 100mM
EDTA 0.32mM
pH 7.0
その後、4’ヒドロキシメチル−4,5’,8’−トリエチルソラレン(HMT)を最終濃度0.32mMまで加え、等モル量の断片2およびcRNAを断片2:cRNA:ソラレンの最終モル比=1:1:1000まで加えた。合計100μlの体積を一度に照射した。
1)PCRサーモサイクラーを用いて、85℃まで60秒間加熱し、次いで4℃まで15分間かけて冷却した。
1)反応混合物を高速真空(speed vacuum)で10分間乾燥させ、その後、2μlの0.1MのTEAA、pH7.0の緩衝液に溶かした。
0.1M TEAA、pH7.0の緩衝液
酢酸 5.6ml
トリエチルアミン 13.86ml
H2O(RNAaseを含まない) 950ml
酢酸でpH7.0に調製
1Lまで水を加えた
2)試料を、バッファーA(0.1MのTEAA、pH7.0中5%wt/wtのアセトニトリル)で事前に平衡化したWaters Xterra MS C18、2.5μm、4.5×50mmの逆相カラムに載せた。試料は、バッファーAに対して0〜55%のバッファーB(0.1MのTEAA、pH7.0中15%wt/wtのアセトニトリル)の勾配で、35分間の時間フレームをかけて、1ml/分の流速で溶出させた。カラム温度は60℃であり、狭帯域フィルターによって設定した検出波長は340nmであった。フラン側鎖のソラレンモノ付加体は340nmで吸収するが、RNAおよび任意のピロン側鎖のモノ付加体は吸収しない。緩衝溶液は使用前に濾過および脱気した。
乾燥した試料をプールし、その後、0.5×TE緩衝液に溶かした。約0.4吸光単位の試料を、バッファーC(25mMのトリス−HCl、pH8.0)で事前に平衡化したDionex DNAPac PA−100(4×250mm)カラムに載せ、カラム温度は85℃であった(陰イオン交換HPLC)。
C:25mMのトリス−HCl、pH8.0;
D:25mMのトリス、pH8.0の緩衝液中250mMのNaClO4。
TE:10mMのトリス−HCl、pH8.0および1mMのEDTA
ステップ4:精製した2MAオリゴの脱塩、沈殿および採取
乾燥した画分を再度100μlのRnaseを含まない蒸留水に溶かした。0.5Mの(NH4)2CO3を含む500μlの100%冷エタノールを加え、混合物を手短にボルテックスした。その後、混合物を60分間ドライアイス上で凍結させるか、または−20℃で終夜貯蔵した。
以下のステップを行った。
ヌクレアーゼを含まない水(Promega)
ポリエチレングリコール(PEG8000、Sigma)40%(水中のwt/wt)
RNasin(登録商標)リボヌクレアーゼ阻害剤(Promega)
フェノール:クロロホルム
無菌的な1.5mlマイクロ遠心チューブ
100%のエタノール
70%のエタノール
ドライアイスまたは−20℃の冷凍庫
室温および+4℃のマイクロ遠心機
PCRサーモサイクラーまたは水浴
B.以下の反応条件を用いた:
50mMのトリス−HCl(pH7.8)
10mMのMgCl2、
10mMのDTT
1mMのATP
18〜20%のPEG
C.以下の反応混合物を無菌的なマイクロ遠心チューブ内で構築した:
断片3(ドナー)1μl(6μg)(必要な場合は、ドナーとして用いる前に精製した)2MA(アクセプター)1μl(1.5μg)。
10×リガーゼ緩衝液 4μl
10mMのATP 4μl
Rnase OutまたはRnasin(40単位/μl)Promega
0.5μl
PEG、40%(Sigma) 20μl
T4 RNAリガーゼ(10単位/μl)(NEB) 1μl
ヌクレアーゼを含まない水を最終体積40μlまで加えた。混合物を16℃で終夜(16時間)インキュベートした。混合物を手短に遠心分離し、その後、氷上に置いた。
60μlのDEPC RNaseを含まない蒸留水を混合物に加え、その後、150μlのフェノール/クロロホルムを加えた。混合物を30秒間激しくボルテックスした。その後、沈殿物をマイクロ遠心分離機内で、最大速度で5分間、室温で遠心分離して除去した。水相を新しいマイクロ遠心チューブに移した(>95μl)。
乾燥した試料を再度0.5×TE緩衝液に溶かし、バッファーCで平衡化したDNAPac PA−100カラムに載せた。カラム温度は85℃であり、検出器は、RNAを有する画分の同定には254nmで作動させ、2MaFを有する画分の同定には340nmで作動させた。オリゴは、最初の20分間は30%〜70%のバッファーDの凸型勾配で、0.8ml/分の流速で溶出させ、次いでさらに20分間、70%の〜98%のDの直線勾配で、同じ流速で溶出させた。溶出は、100%のDで7分間および100%のCでさらに10分間、1.0ml/分の流速で洗浄することによって完了した。画分は254または260nmの波長の光を用いて検出した。ライゲーションしたオリゴ(2MA−断片3)は34分より後に、90%を超えるバッファーBで溶出された。254nmでの吸光度を有する画分(A254nm>0.01)を採取し、高速真空で終夜乾燥させた。
乾燥した画分を再度100μlのRnaseを含まない蒸留水に溶かし、0.5Mの(NH4)2CO3を含む500μlの100%冷エタノールを加え、混合物を手短に渦攪拌した。その後、混合物を60分間ドライアイス上で凍結させるか、−20Cで終夜貯蔵した。
A.RNAオリゴの5’リン酸化
1.試薬および器具:
・ヌクレアーゼを含まない水(カタログ番号P1193、Promega)
・RNasin(登録商標)リボヌクレアーゼ阻害剤(カタログ番号N2511、Promega)
・フェノール:クロロホルム
・無菌的なマイクロ遠心チューブ
・100%のエタノール
・70%のエタノール
・室温および4℃のマイクロ遠心機
・PCRサーマルサイクラーまたは水浴
2.以下の反応混合物を無菌的なマイクロ遠心チューブ内で構築する:
成分 体積
・アクセプターRNA <200ng
・T4リガーゼ10×反応バッファー* 4μl
・RNasin(登録商標)リボヌクレアーゼ阻害剤(40単位/μl)
20単位
・T4キナーゼ(9〜12単位/μl) 2μl
・10mMのATP 4μl
・ヌクレアーゼを含まない水 最終体積40μlまで
37℃で30分間、PCRサーモサイクラーまたは水浴中でインキュベートする。非放射性のリン酸化には、1×T4ポリヌクレオチドキナーゼ反応バッファー、1mMのATPおよび10〜20単位のT4ポリヌクレオチドキナーゼを含む30〜40μlの反応で、300pmolまでの5’末端を用いる。37℃で30分間インキュベートする。1×T4 DNAリガーゼ反応バッファーは1mMのATPを含み、非放射性のリン酸化において置き換えることができる。T4ポリヌクレオチドキナーゼはこの緩衝液中で100%の活性を示す)。最適な活性には新しい緩衝液が必要である(古い緩衝液では、酸化によるDTTの減少が活性を低下させる。
1.試薬および器具:
・PCRサーモサイクラー装置または水浴
・100μg/mlのヌクレアーゼを含まないアルブミン
・100mMのMgCl2
2.以下の反応混合物を無菌的なマイクロ遠心チューブ内で構築する:
・アクセプターRNAオリゴ(1E) <200ng
・ドナーRNAオリゴ(3G−2Gのライゲーションしたオリゴ) <200ng
・(ステップAからの5’リン酸化されたオリゴ)
適切な比は、断片1の自己ライゲーションを回避するために、アクセプターオリゴ:ドナーオリゴ(断片1:2MA−断片3)のモル比が1:1.1であるべきである。MgCl2を最終濃度20mMまで、T4リガーゼ緩衝液(50mMのトリス−HCl、(pH7.8)、10mMのMgCl2、10mMのDTTおよび1mMのATP)に加えた。Rnaseを含まないアルブミンを最終5μg/mlまで加える。最終体積は100μlを超えないべきである。溶液を70℃まで5分間加熱し、その後、70℃から26℃まで2時間かけて冷却し、26℃から0℃まで40分間かけて冷却した。PCR装置を用いて16℃で16〜17時間インキュベートする。
・アニーリングしたオリゴ <15μl
・10mMのATP 2μl
・40%のPEG 18μl
・T4リガーゼ10×緩衝液 2μl
・RNasin(登録商標)リボヌクレアーゼ阻害剤(40単位/μl)
0.5μl
・T4リガーゼ(9〜12単位/μl)(NEB) 1μl
・ヌクレアーゼを含まない水 最終体積40μlまで
D.tRNA断片の沈殿
ライゲーションの後、50μlのDEPC水および150μlのフェノール:クロロホルムを加え、30秒間激しくボルテックスした。その後、これをマイクロ遠心機内で、最大速度で5分間、室温で遠心分離した。水相を新しいマイクロ遠心チューブ(〜100μl)に移した。これに、2μlの10mg/mlのイガイ(mussel)グリコーゲン、10μlの3Mの酢酸ナトリウム、pH5.2を加えた。これをよく混合した。その後、220μlの95%のエタノールを加え、手短にボルテックスした。その後、混合物を30分間ドライアイス上で凍結させた。この時点で、混合物を終夜−20℃で貯蔵してもよいし、または先に進んでもよい。一実施形態では、RNAは好ましくはDEPC水中に貯蔵すべきでなく、エタノール中に−20℃で貯蔵すべきである。
SATAのアンチコドンによって認識されるものに対応するストップコドン(今回の場合UAG)を有するように修飾されたルシフェラーゼmRNAが、1μlの濃度1μg/μlを推奨する標準のPromega in vitro翻訳キットで用いられた。当業者は、実際、適切な配列を含む任意のmRNA断片を用いてもよいことを理解するであろう。
上述のように、所望しないモノ付加体および架橋結合の形成を最小限にするために、疑似ウリジンを一部の実施形態で用いることができる。一実施形態では、架橋剤で修飾されたモノヌクレオチドを形成して用いる。架橋剤で修飾されたモノヌクレオチドの1つの利点は、これが望ましくないモノ付加体および架橋結合の形成を最小限にすることである。
修飾されたヌクレオチドの生成
ピューロマイシンを有するまたは有さない4−チオU、5−ヨードおよび5−ブロモUが80塩基対までの長さのカスタムヌクレオチド内に既に組み込まれた状態で、購入することができる(Dharmacon,Inc)。したがって、SATA、およびこれらの架橋剤が既に適所に存在する連結tRNA類似体、ならびに類似の架橋剤を、Dharmacon,Incから直接購入することができる。ナンセンスサプレッサー類似体もDharmacon,Incから購入することができる。
AUAUAUAUAUAUAUAUAUAUGGGGGG(配列A1)(配列番号20)(Dharmacon,Inc.から入手可能)
CCCCCCATATATATATATATATATAT(配列A2)(配列番号21)(南カリフォルニア大学のサービスから入手可能)。
反応バッファーを調製する。pH7.0を有する反応バッファーは、25mMのトリスHCL、100mMのNaCl、および0.32mMのEDTAを含む。
以下のステップを行う:(1)高速真空内でオリゴを乾燥させる;(2)ペレットを10μLの1×ハイブリッド混合物に再懸濁させる;(3)68℃で10分間加熱する;(4)ゆっくりと30℃まで冷却する。律動的に遠心沈殿させる;(5)10μLの2×RNase H緩衝液を加える。混合する。(6)30℃で60分間インキュベートする;(7)130μLの停止混合液を加える。
pU架橋剤をCUAストップアンチコドン内に組み込むために以下のプロトコルを用いることができる。しかし、当業者は、本明細書中に記載の方法に従って、他のストップアンチコドンおよび疑似ストップアンチコドンを生成するために他のヌクレオチドも用いることができることを理解するであろう。
CUC+pUソラレン→CUCUソラレン
一実施形態では、ソラレン化したUおよびより長いソラレン化した7量体を確実に分離するために、逐次的な陰イオン交換および逆相HPLCによって生成物を精製する。その後、pApとライゲーションすることによって7量体を3’保護してCUCU架橋剤Ap(断片2B)を得る。
断片2Bと1Bもしくは1B1との第1のライゲーション
この2B断片は、安定したアクセプターを有するtRNA類似体または、天然のエステル化されたアクセプターを有するtRNA類似体において用いることができる。一実施形態では、天然のAA−tRNA合成酵素によって、天然の3’末端をアミノアシル化できることを保証するために、その類似体のバージョンにおいてアクセプター基部を修飾する。SATAのバージョンでは、一実施形態では、3’断片は市販の調製されたピューロマイシンをアクセプターとして維持する。したがって、一実施形態では、異なる2つの5’末端において以下を用いる:
5’OHGCGGAUUUAGCUCAGUUGGGAGAGCGCCAGA3’配列1B(配列番号22)(安定したピューロマイシンアクセプターを有するtRNA類似体と共に用いる)および
5’OHGGGGCUUUAGCUCAGUUGGGAGAGCGCCAGA3’配列1B1(配列番号23)(、天然のエステル化されたアクセプターと共に用いる)。
5’OHGCGGAUUUAGCUCAGUUGGGAGAGCGCCAGA3’+CUCU架橋給合剤APO43’(配列番号22)→
5’OHGCGGAUUUAGCUCAGUUGGGAGAGCGCCAGACUCU架橋給合剤APO4 3’(配列番号24)
配列1B1については:
5’OHGGGGCUUUAGCUCAGUUGGGAGAGCGCCAGA+CUCU架橋給合剤APO43’(配列番号23)→
5’OHGGGGCUUUAGCUCAGUUGGGAGAGCGCCAGACUCU架橋給合剤APO43’(配列番号25)
tRNA類似体の2つの半分子のライゲーション
3’リン酸を除去して5’リン酸を付加するために、上記生成物を、T4ポリヌクレオチドキナーゼを用いて2つの個別のステップで処理する。
配列1B:(Ψ=疑似ウリジン)
5’PO4GCGGAUUUAGCUCAGUUGGGAGAGCGCCAGACUCU架橋剤A3’(配列番号24)、3’の半分に対応:
5’PO4UGGAGGUCCUGUGTΨCGAUCCACAGAAUUCGCACCPur3’(配列番号31)、3B
および配列1B1、
5’OHGGGGCUUUAGCUCAGUUGGGAGAGCGCCAGACUCU架橋給合剤AP04(配列番号25)
3’の半分に対応
5’PO4UGGAGGUCCUGUGTΨCGAUCCACAGAAUCUCCACCA3’(配列番号32)。
いくつかの実施形態では、架橋剤(ソラレンまたは非ソラレン架橋剤など)はtRNA上に配置されず、mRNA上に位置する。たとえば、一実施形態では、SATAはtRNA上に位置するピューロマイシンを含み、一方で架橋剤はmRNA上にある。さらに別の実施形態では、ナンセンスサプレッサーtRNAを用い、これはピューロマイシンを有さないtRNAを含み、架橋剤はmRNA上にある。架橋剤のメッセージ(mRNA)上への配置は、以下に示すように成すことができる。関連する配列は以下のとおりである:
GGGUUAACUUUAGAAGGAGGUCGCCACCAUG GUU AAA AUG AAA AUG AAA AUG AAA AUG U架橋給合剤AG(配列番号26)
利便上だけを考えると、一実施形態では、多数の35S標識のためのメチオニンコドンを有する、コザック配列およびシャインダルガノ配列をどちらも有するメッセージを用いる。
AUG+pU架橋剤→AUGU架橋剤は、pN架橋剤の3’保護が存在しないことによるAUGの優位点を用いたこと以外は上述したプロトコルと同様のプロトコルを用いて達成した。生成物を陰イオン交換HPLCによって過剰のAUGから精製した。その後、T4 RNAリガーゼを用いて5’pAGビオチン3’を付加した。3’ビオチンは、単にDharmaconから入手可能であった便利な3’ブロッキング基である。生じたAUGU架橋剤AGヒ゛オチンを再度精製し、次いで5’リン酸化し、
GGGUUAACUUUAGAAGGAGGUCGCCACCAUGGUUAAAAUGAAAAUGAAAAUGAAA(配列 MI)(配列番号27)
にライゲーションして以下を得た:
GGGUUAACUUUAGAAGGAGGUCGCCACCAUGGNNAAAAUGAAAAUGAAAAUGAAAAUGU架橋剤AGヒ゛オチン*(配列番号28)
収率は精製が不要となるほど十分に高い。したがって、上述のプロトコルを用いて、本発明のいくつかの実施形態に従ってSATAおよびナンセンスサプレッサーtRNAを作製および使用することができる。
本発明のいくつかの実施形態は、ピューロマイシン、ピューロマイシン類似体、または他のアミドリンカーを必要としない系および方法を提供する。一実施形態では、連結tRNA類似体およびナンセンスサプレッサーtRNAはピューロマイシンを必要とせず、以下の例に従って作製および使用することができる。
a)GGGUUAACUUUAGAAGGAGGUCGCCACCAUG GUU AAA AUG AAA AUG AAA AUG AAA AUGU架橋給合剤AGヒ゛オチン(配列番号28)および
b)GGGUUAACUUUAGAAGGAGGUCGCCACCAUG GUU AAA AUG AAA AUG AAA AUG AAA AUGUAG(配列番号29)
上述のように生成した3mcgのアンバーサプレッサーtRNAを第1配列に加える。3mcgの、アンチコドン上に架橋剤を有するサプレッサーを第2配列に加える。35S−メチオニンを両方に加え、その後、混合物を37℃で30分間インキュベーションする。その後、反応液を氷浴に入れることによって迅速に冷却し、平らなペトリ皿に移し、混合物が〜350nm光源から1.5cmだけ下方にあるように氷浴中に浮かべる。これらを〜20J/cm15分間露光させる。
好ましい実施形態では、上述の実施例1に記載した断片1、2および3は、以下の代替配列を有する:
断片1(配列番号13):
5’PO4GCGGAUUUAGCUCAGUUGGGAGAGCGCCAGAN3−メチル−U3’
断片2(配列番号14):
5’UCUAAGΨCΨGGAGG3’
断片3−上に記載した配列から変化なし(配列番号6):
5’PO4UCCUGUGTΨCGAUCCACAGAAUUCGCACCピューロマイシン3’
上述の方法を用いると、代替断片1+2+3の配列は(配列番号15)であった。
SARSウイルスの診断試験
一実施形態では、SARSウイルスの診断試験を提供する。SARSゲノムの配列は知られており、ゲノム上の関連する構造タンパク質であるスパイク(S)、膜(M)、ヌクレオカプシド(N)およびエンベロープ(E)の位置が知られている(すべて本明細書中に参考として組み込まれているMarra他、Sciencexpress/www..sciencexpress.org/1May2003/Page1/10.1126/science.1085953およびRota他、Sciencexpress/www..sciencexpress.org/1May2003/Page1/10.1126/science.1085952))。
試験試薬の調製
一実施形態では、以下のように試薬を調製する:
A.精製した「S」タンパク質の調製
1.SARS−CoVゲノム配列はGenebank(寄託番号AY274119−3)から得られ、ここから「S」タンパク質をコードする配列の一部分が得られる。
連結tRNA類似体およびナンセンスサプレッサーtRNAには、上記配列が類似しているが、アデノシンを用いてピューロマイシンを置き換える。
さらなる応用
現在まで、タンパク質のmRNA配列の解読は、タンパク質のmRNA配列の最良の推測を行うためのN末端解析を実施するために時間、労力、およびお金の非常に顕著な投資を伴うので、プロテオミクス業界において大きなボトルネックとなっていた。N末端解析は、タンパク質を化学的解離して、そのアミノ酸およびタンパク質中でのその順序を決定することを含む。一実施形態では、本発明は、翻訳過程中に正確なmRNAメッセージをその同族タンパク質と連結させ、これによりユーザにそのタンパク質をさらに生成するためのすぐに利用可能な設計図を提供し、N末端解析の必要性を不要とすることによって、このボトルネックの問題を解決する。たとえば、「S」タンパク質のプローブとして結合タンパク質を用いる一方法は、以下のように行うことができる:
1.最初のmRNAライブラリはコドンの反復によって作製する。
a)ストップコドンを含まないランダムコドンから、読み枠を作製するために用いる1組のメッセージを構築する、独自の方法。
b)適切なストップコドンを付加する。3’および5’非翻訳領域も各オリゴに付加する。
c)これにより、それぞれが平均128個のコドン以上の、>1014の桁数の異なるメッセージが作製される。
一実施形態では、特定の目的のための新規タンパク質は、連結系の実施形態を用いて上記図14(B)示したようにmRNAライブラリの実施形態をin vitroで翻訳することによって迅速に作製することができる。生じたタンパク質−リンカー−mRNA複合体のライブラリの数は兆の桁数(1014)のタンパク質変異体となり、ここから所望の特性を有するものを選択することができる。一実施形態では、その後、選択されたタンパク質−リンカー−mRNA複合体のmRNAを複合体から化学的に切断し、バイオリアクター培養によってまたは大量in vitro翻訳によって大量のタンパク質を生成するために用いることができる。別の実施形態では、タンパク質のより優れた変異型が所望される場合は、mRNAを確立された高速タンパク質進化技法に供することができ、その後、生じたmRNAライブラリをリンカー系で再度翻訳してタンパク質変異体の巨大なライブラリを迅速に進化させることができる。その後、増強された特徴を有するタンパク質を残りから選択してもよい。別の実施形態では、最良の候補タンパク質に対するmRNAはすべてその対応するタンパク質に結合しており、したがって、繰り返しサイクルのために容易に収穫することができるので(図15)、その後、所望の特性を強化する、または追加の特性をタンパク質に加えるためにこの過程を複数回繰り返すことができる。したがって、好ましい実施形態は、好ましくは、まず目的のタンパク質をコードしている正確なmRNA配列を同定する、現在当業界で用いられている高価かつ時間のかかる従来の手順を不要にする。
一実施形態では、天然タンパク質もその同族mRNAに連結させ、上述の新規タンパク質と同じ方法で容易に選択することができる。一実施形態では、任意の生物または未知の由来元から採取したmRNAを、上記図14(A)に示したように、SATA試薬および連結系を用いてin vitroで翻訳する。その後、目的のタンパク質を生じたタンパク質−リンカー−mRNA複合体のライブラリから選択する。
一実施形態では、結合すると細胞死を誘発させる悪性細胞などの疾患細胞上に見つかるものを含めた任意の信頼性のある細胞表面マーカーに結合する結合タンパク質を素早くかつ容易に作製することができる。別の実施形態では、タンパク質結合によって失活するとI型糖尿病の発症を防ぐマクロファージ遊走阻害因子などの主要な生化学的標的対して結合タンパク質を作製することもできる。さらに、好ましい結合タンパク質は治療的細胞成長因子として用いることができ、たとえば潰瘍性大腸炎は、腸上皮の再増殖および治癒を刺激する表皮成長因子様タンパク質を用いて有効に治療することができる。
本発明の一実施形態は、高度に正確かつ安定した診断試験の作製に理想的に適している。好ましい実施形態は、病状または任意の目的条件を反映する最良の標的を同定するために用いることができ、後に、捕捉および/またはシグナル伝達試薬として用いる新規結合タンパク質を生成するために用いることができる。好ましい結合タンパク質は、この目的のために生成するモノクローナル抗体に関連する費用、時間および労力なしに、モノクローナル抗体よりも優れた感度、特異性および/または安定性の特性を有するように選択することができる。
全般的に、FDAはmAbに基づいた保健医療製品の認可過程を早める試みを行っている。しかし、mAbおよびその標的の特徴づけが不十分であること、拡大した産生中にmAbが変化すること、ならびにmAbに免疫原性があることなど、mAbに問題があることが見つかる。免疫原性反応は、ネズミmAbよりも低いが、キメラmAbでは約8%に留まる。また、植物中で産生させたmAb由来の植物グリカンは免疫反応を引き起こすことができ、組織培養物で用いる動物血清および他の動物性製品は、狂牛病(プリオン)および口蹄病などに関連する汚染が原因でFDAにとって特に重大な懸案事項である。その結果、安全性を実証する非常に高価な監視がFDAによって必要とされる。これは、欧州の畜牛に関連する狂牛「プリオン」問題が原因で、mAb製品のFDA認可を取得しようとしている欧州企業にとって特に重大な問題である。一実施形態では、この問題の解決法は、動物性製品を含まない合成によって配合した翻訳混合物を使用するin vitro翻訳系を用いて生産量の好ましい結合タンパク質を生成する、好ましい方法を用いることである。これにより、FDAは、このような抗体代用物の認可過程はmAb製品よりも速くなる可能性が高いことを指摘している(私信、2003年4月13日)。このように、一実施形態では、結合タンパク質は、同じ標的に対する認可されたmAbと比較した場合に安全かつ効果的でさえあればよい。
別の実施形態では、好ましい方法は、セルロースを十分にグルコースへと分解する酵素を生成する。食品および飲料の生産者らは、酵素アミラーゼを用いてトウモロコシの穀粒由来の食用コーンスターチをグルコースへと変換する。グルコースは食品およびソフトドリンクにおいて甘味料として用いられ、また、アルコール飲料またはガソリン添加剤として用いるエチルアルコールを生成するために発酵過程において用いられる。
セルラーゼは、現在デンマークの企業であるNovozyme Corporationによって研究目的で生成されている。彼らは2種の微生物、すなわちAspergillus nigerおよびTrichoderma reeseiから、液中発酵と呼ばれるバイオリアクター過程で酵素を単離している。Novozymeは、植物の食用でない部分を大規模に有効に分解する、これら生物由来のセルラーゼの単離を試みているが、成功していない。好ましい実施形態では、本発明を用いて、任意のセルロースをグルコースへと消化するセルラーゼのファミリーを迅速に作製し得る。別の実施形態では、その後、好ましい酵素の遺伝子配列を任意の好都合の生物内に挿入して大量生成することができる。
一実施形態では、本発明を完全にin vitroで実施することができ、また、巨大なmRNAライブラリを提供し得る。好ましい実施形態ではタンパク質アクセプターとして作用するリンカーを用い、連結はタンパク質が完全に合成されたあとにのみ起こる。したがって、好ましい実施形態では、正しいmRNAメッセージは正しいタンパク質に結合され、mRNAメッセージ全体が翻訳されたあとにのみ合成が停止するので、正常よりも短いタンパク質または誤ったタンパク質上のメッセージが得られることは事実上不可能である。一実施形態では、本発明、好ましくは競合相手の技術の有用性を制限するものと同じ問題に苦労することはなく、したがって、はるかに高いかつ広範囲の応用性を有する。好ましい実施形態は、市販するため、ならびにマイクロアレイにおけるその潜在的な使用のためのタンパク質を作製および選択するはるかにより強力な技術である。
標的の同定
最も広い意味で、好ましい実施形態は、単一の患者で、またはより広くは特定の疾患に罹患している患者のすべてもしくはほとんどによって過剰発現されている標的を同定するために用いることができる。好ましい実施形態は、好ましくは、mRNAとそれがコードしているタンパク質とを連結させる能力を活用する。たとえば、標的を同定するためには、特定の癌に罹患している患者または複数の患者の血清から単離したすべてのmRNAを、標準の真核または原核in vitro翻訳系およびSATAリンカー系を用いて、in vitroで翻訳することができる。生じたmRNA−SATA−タンパク質の複合体のタンパク質プロファイルによって、正常な患者と比較して過剰発現されているタンパク質を同定することができる。このようなタンパク質プロファイルの確立は、現在治療的プロテオミクスで用いられているよく確立された技法である。この好ましい実施形態の手法の利点の1つは、mRNAがタンパク質に結合しており、したがって、アッセイをさらに開発するために、これらを選択されたタンパク質から外して収穫できることである。拡大量の選択されたmRNAは、mRNAの逆転写および生じたcDNAのPCRによって生成することができる。cDNAを宿主生物(たとえば大腸菌、酵母、CHO細胞など)内に形質転換させることができ、ここからタンパク質が収穫される。これらのタンパク質は標的であり、これから、疾患を最も良好に同定するものを経験的に選択し、アッセイの標準物質として用いる。
一実施形態では、課題は、標的タンパク質(T)上にあって他の血清タンパク質上にはない2つの異なる結合部位に特異性の高く、また試験系の条件下で高度に安定している、2種の結合タンパク質を同定することである。
1.最初のmRNAライブラリは、2つの方法のうち1つによって構築することができる。
開始配列
・AUG開始コドンにつながる5’UTR領域を含むRNAオリゴは、市販の手段によって構築することができる。これは、RNAトリプレットのランダムな組立てから構築したmRNAライブラリと後にライゲーションさせる試薬として用いる。このオリゴ配列は翻訳の開始に必要である。
・すべてのセンスコドンを構成する61種までの一連のRNAトリプレットは、企業用に商業的に合成することができる。合成物は、すべてのトリプレットの5’および3’末端の両方にOH基を含む。
・すべてのオリゴを高度に精製して、潜在的な読み枠のシフトを排除する。
・これらのトリプレットオリゴの一部分を、市販されている3’保護基のうち任意のもので3’保護する。
・保護したオリゴの一部分を、ランダムな様式で保護していないオリゴの一部分と、T4 RNAリガーゼを用いてライゲーションさせる。
○この第1のライゲーションにより、最初の2つのコドン配列を含むオリゴが形成される。その後、この材料の半量を5’リン酸化し、残りの半量を3’脱保護する。その後、前述のようにT4 RNAリガーゼを用いて2つのプールを互いにライゲーションさせる。
○この第2のライゲーションにより、4つのコドン配列を含むオリゴが形成される。この手順を7回繰り返した結果、128個までのランダムコドンを含むmRNAライブラリが生じる。
その後、ランダムな128個のコドンのオリゴを5’UTR開始配列上にライゲーションさせることができる。この時点で、ストップコドンおよび3’UTRも結合させることができる。
ランダムDNAライブラリ
・この方法は、ランダムなDNAライブラリを構築するために高度に精製したホスホロアミダイト三量体を用いることを含む。
・利用可能な三量体は以下のとおりである:AAA、AAC、ACT、ATC、ATG、CAG、CAT、CCG、CGT、CTG、GAA、GAC、GCT、GGT、GTT、TAC、TCT、TGC、TGG、TTC。
・高度に精製したホスホロアミダイト三量体は、Glen Research Corporation、バージニア州Sterlingなどの企業から購入することができる。
・ランダムなライブラリは上述と同じ原理を用いて構築することができ、読み枠も上述のようにT4 DNAリガーゼを用いて5’および3’UTRの間に挿入することができる。
a)ライブラリは、市販されている原核または真核翻訳系を用いてin vitroで翻訳する。
b)mRNAは、SATAリンカー技法および約320〜400nmのUV照射の系を用いてそのペプチド配列と結合させる。
A.一実施形態では、アッセイは以下のステップを含む:
・捕捉プローブ、患者の試料、およびシグナル伝達プローブをすべて一緒に反応ウェル内で反応させる。
・SARSウイルスが存在する場合は、捕捉プローブとシグナル伝達プローブとの間にSARSウイルスが、曝された「S」タンパク質を介して挟まれたものからなる複合体が形成される。
・複合体を結合していない成分から磁気的に単離する。結合していない成分を0.1Mのリン酸緩衝生理食塩水で洗い流す。
・一本鎖DNAバーコード配列を遊離するためにNANOpure水を用いて、ハイブリダイズしたDNAオリゴヌクレオチドのハイブリダイズを外す。
・バーコード配列の濃度は、スキャンを用いたDNA読取り機を使用して測定する。
・ウイルス力価は、「S」タンパク質の検量線からの外挿によって定量する。
・アッセイは、磁気ビーズを中心として設計した自動試験装置を用いた大量試験に適応させる。
・この試験系は、他者によって10μlの試験体積中300fM〜3aMほど低い濃度のPSAを検出するために用いられている。このアッセイに関連する極度の感度および特異性により、疾患の初期段階にあるSARSに感染した患者の痰に見つかる低いウイルスレベルを検出することを可能にする。
1.付加価値および有効性を確立するために、SATAに基づいたアッセイを同じ試料のR−PCRアッセイと比較する。
2.臨床的設定における特異性を決定するために、A型およびB型インフルエンザ、アデノウイルス呼吸器系合胞体ウイルスならびに1、2、および3型パラインフルエンザウイルスなどの一般的な呼吸器系ウイルスの感染症に罹患している患者由来の痰について試験を用いる。
一実施形態では、SARSウイルスに対するワクチンを提供する。本明細書中に記載するワクチンの産生方法は予言的である。一実施形態では、所定の分布内で最も高い結合親和性を有する数種のタンパク質を選択するよりも、異なる配列をより多くするためにストリンジェンシーがより低い選択を用い、また、高い結合親和性を有するタンパク質の大集団を進化させるためにストリンジェンシーを徐々に増して複数回の突然変異を用いることができる。このようなタンパク質はワクチンの作製において貴重である。その論理は、ただ1つの表面エピトープのみが免疫系と反応することができること以外は抗イディオタイプワクチンと類似している。タンパク質ファミリーによって免疫系に提示される「S」タンパク質の凝集濃度は、T細胞およびB細胞応答を刺激するのに必要な閾値レベルに達するほど十分に高い。しかし、ファミリー内の任意の単一のタンパク質の濃度は、そのタンパク質に対する応答を刺激するのに必要な閾値よりも低くなる。したがって、ワクチンは「S」エピトープに対する抗体産生のみを刺激し、タンパク質ファミリー上に存在する他のエピトープのどれに対する抗体産生も刺激しない。これにより、ワクチンを失活させる可能性のある抗体の産生が防がれる。別の実施形態では、ワクチンは、「S」エピトープおよび「S」エピトープの活性と中性または相乗の効果のどちらかを有する1つまたは複数の他のエピトープに対する抗体産生を刺激するように合成される。
1.準備
a)主要組織適合複合体クラスII(MHC−II)の配列をランダムmRNAライブラリのすべてのcDNAに付加する。MHC II結合配列は、適切なT細胞、および最終的にはB細胞の応答を可能にする。
図22に示したスキームは、タンパク質上のMHC−IIによって活性化される「S」受容体を有するB細胞を例示し、一実施形態では、それぞれの試薬の生産量のロットをバイオリアクター培養または任意の選択した宿主生物で生産することができる。関与する反応の迅速性により、好ましい試薬を数カ月または数年ではなく数週間で、またモノクローナル抗体のハイブリドーマの生成に必要であるよりも相当に低い費用で生産することができる。上記実施例ではSARSについて述べているが、当業者は、上述の方法に従って他のワクチンも生成することができることを理解するであろう。
所望の結合特徴を有するタンパク質の大集団対小集団の増殖の選択戦略
一実施形態では、in vitroでのタンパク質進化を用いて新規タンパク質を開発する。いくつかの実施形態では、用いる方法は結合親和性による選択に基づく。一部の実施形態では、これは、標的リガンドとの結合に対するタンパク質分子間の競合に依存し、最も密に結合しているタンパク質が選択および複製される。このin vitro選択のストリンジェンシーは、結合していない標的リガンドの濃度によって決定される:
[T]tot=[T]+Σ[AiT]
合計のTがタンパク質濃度よりも十分に大きい場合は、これは結合していないTと本質的に等価である。もう1つは、タンパク質のk値の分布を知ること、所望の[T]値を仮定すること、および上記式(1)を用いて必要な[T]totを見出すことである。用いる[T]値の選択は、所望する最終結果に依存する。一部の目的には、突然変異を有するまたは有さない非常にストリンジェントな選択(低い[T]値)が最も有用であり得る。これにより、少数の密に結合したタンパク質が所望される場合に希少な数のタンパク質が見つかる。別の極限は、突然変異と結びついたストリンジェンシーがはるかに低い選択を反復様式で用いることである。これにより、高親和性タンパク質の集団全体が増殖される。もちろん、実際にはおそらく組合せが用いられる。
ここで、10-9対10-12の[T]値の効果を用いて、
一実施形態では、生物戦争の薬剤として用いられる毒素(感染性生物によって生成されたもの、または兵器化した生物戦争の薬剤として生成されたもののどちらに対しても)を中和する結合タンパク質も作製することができる。このような薬剤には、それだけには限定されないが、ボツリヌス毒素、リシン、および炭疽毒素が含まれてもよい。別の実施形態では、それだけには限定されないが、ソマン、VX、およびセリンを含めた神経ガスを中和する酵素タンパク質も作製することができる。好ましい中和タンパク質は、薬剤が身体と接触する前にそれを失活させるために衣類などの物品に組み込むことができ、また、表面上の薬剤および/または薬剤がまだ空気中にある間にそれを失活させるためにエアロゾルとして用いることができる。
別の実施形態では、ヒトの治療剤と同様、食用作物および家畜において疾患を引き起こす生物上の確立された表面マーカーに結合するタンパク質を作製することができる。好ましい実施形態は、たとえば、それだけには限定されないが、炭疽、畜牛の口蹄病および狂牛病、ならびに家禽のニューカッスル病を含めた疾患に対する安価な診断試験、治療的処置ならびにワクチンを作製するために用いることができる。さらに、口蹄病を引き起こすものなどの感染性の高い生物の別の実施形態では、納屋、畜舎、飼葉入れ、飼養場および輸送装置などの様々な表面を汚染除去して、好ましくは疾患の発症または他の動物もしくは部位への拡大を予防する、広範囲の用途において使用するために、好ましいタンパク質産物を安価に作製することができる。
別の実施形態では、好ましくは特定の産業反応に最適な温度、圧力および/または化学的条件で機能することによって最大の生産効率を提供する酵素タンパク質を作製することもできる。現在、より良好な酵素の選択肢の欠如により、産業は多くの場合最適未満の生産条件で機能する酵素を用いることを強いられている。たとえば、Novozymeはすべての形態のセルロースを消化する酵素を開発しようと試みている。しかし、彼らが販売している酵素は限定されたセルロース活性しか有さない。
一実施形態では、好ましい方法は、好ましくは現在臨床医学で用いられている既存のモノクローナル抗体よりも優れた、癌の治療剤として有用な新規の結合タンパク質をもたらす。これらのタンパク質の実施形態は、好ましくは従来の抗体を超える優れた結合および/または特異性の特性を実証し、好ましくは現在用いられているヒト化マウスモノクローナル抗体に関連するアレルギー性および/または毒性の特性を有さない。
モノクローナル抗体(mAb)を特効薬として用いることは、初期のmAbは完全にネズミ由来であり、したがってヒトに注射した場合に問題を引き起こしたので(高熱、アレルギー反応、肝臓および腎臓毒性)、約10年前に支持が下がった。また、これらはレシピエントによって産生される抗mAb抗体によって急速に失活し、その結果、半減期が許容できないほど短かった。最近の技術的進歩により、マウス−ヒトキメラmAbおよび数種の完全にヒト由来のmAbの作製が可能となった。これらの進歩により初期のネズミ由来mAbに関連する問題が顕著に低減されており、それは現在、病状を治療する真の特効薬であるという最初の期待を実現し始めるまでになっている。したがって、臨床社会は現在、mAbに基づいた治療を用いることに非常に意欲的であるが、依然として副作用に悩まされてもいる。したがって、風潮は、好ましくはmAbが標的とするものと同じ確立された癌エピトープに結合するが、好ましくは負の副作用を有さない、1つまたは複数の実施形態を用いて作製した好ましい結合タンパク質の許容に好都合である。
Claims (38)
- ストップコドン上またはその近隣に位置する架橋剤を含み、tRNA分子に架橋結合することができる、修飾されたmRNA分子。
- 前記架橋剤が、活性化されることにより前記tRNAと1つまたは複数の共有結合を形成することができる作用物質である、請求項1に記載の修飾されたmRNA分子。
- 前記架橋剤が、光を用いて活性化されることにより前記tRNAと1つまたは複数の共有結合を形成する作用物質である、請求項1に記載の修飾されたmRNA分子。
- 前記架橋剤が、前記mRNA内に直接組み込まれている修飾された塩基である、請求項1に記載の修飾されたmRNA分子。
- 前記架橋剤が、2−チオシトシン、2−チオウリジン、4−チオウリジン、5−ヨードシトシン、5−ヨードウリジン、5−ブロモウリジンおよび2−クロロアデノシン、アリールアジド、ならびにそれらの修飾体または類似体のうちの1つまたは複数からなる群から選択される、請求項1に記載の修飾されたmRNA分子。
- 前記架橋剤がソラレンである、請求項1に記載の修飾されたmRNA分子。
- 疑似ストップコドン上またはその近隣に位置する架橋剤を含み、tRNA分子に架橋結合することができる、修飾されたmRNA分子。
- 前記架橋剤が、活性化されることにより前記tRNAと1つまたは複数の共有結合を形成することができる作用物質である、請求項7に記載の修飾されたmRNA分子。
- 前記架橋剤が、光を用いて活性化されることにより前記tRNAと1つまたは複数の共有結合を形成する作用物質である、請求項7に記載の修飾されたmRNA分子。
- 前記架橋剤が、前記mRNA内に直接組み込まれている修飾された塩基である、請求項7に記載の修飾されたmRNA分子。
- 前記架橋剤が、2−チオシトシン、2−チオウリジン、4−チオウリジン、5−ヨードシトシン、5−ヨードウリジン、5−ブロモウリジンおよび2−クロロアデノシン、アリールアジド、ならびにそれらの修飾体または類似体のうちの1つまたは複数からなる群から選択される、請求項7に記載の修飾されたmRNA分子。
- 前記架橋剤がソラレンである、請求項7に記載の修飾されたmRNA分子。
- 付加のない安定したアミノアシルtRNA類似体に結合した少なくとも1つのソラレンモノ付加体、またはオリゴヌクレオチドに結合した少なくとも1つのソラレンモノ付加体、を含む同族対を生成するキット。
- 少なくとも2つの候補mRNA分子であって、前記mRNA分子のうちの少なくとも1つがストップコドンおよび疑似ストップコドンからなる群から選択された少なくとも1つのコドンを含むもの、を提供する事と;
前記候補mRNA分子のうちの少なくとも2つを翻訳して、少なくとも1つの翻訳されたタンパク質を生成する事と;
前記候補mRNA分子のうちの少なくとも1つであって、前記候補mRNA分子のうちの少なくとも1つが架橋剤によってtRNA分子に結合しているものを、前記tRNA分子を介してその対応する翻訳されたタンパク質と連結して、少なくとも1つの同族対を形成する事と;
前記翻訳されたタンパク質または前記mRNA分子の特性に基づいて前記同族対のうちの1つもしくは複数を同定する事と;
前記選択された同族対のmRNA分子、前記mRNA分子に相補的な核酸分子および前記mRNA分子に相同的な核酸分子のうちの1つまたは複数からなる群から選択された分子を同定することによって、前記所望のタンパク質または前記所望の核酸分子を同定する事と;
複数の同族対を提供し、前記複数の同族対のうちの少なくとも1つを1つまたは複数の結合因子と結合させる事と;
前記1つまたは複数の結合因子に対する反応または反応を欠くことに基づいて前記所望のタンパク質または核酸分子を選択することで第1の所望の同族対を選択する事と;
前記第1の所望の同族対を回収して、回収した同族対を生成する事と;
前記回収した同族対の第1の核酸成分を増幅する事と;
1つまたは複数の変異を有する前記第1の核酸成分を含む、第2の核酸成分を生成する事と;
前記第2の核酸成分を翻訳することによって第2のタンパク質を生成する事と;
前記第2のタンパク質を前記第2の核酸成分と連結させて第2の所望の同族対を生成する事と;
少なくとも1つの所望の特性に基づいて前記第2の所望の同族対を再選択することによって前記所望のタンパク質配列を得る事と、
を含む所望のタンパク質配列を進化させる方法。 - 前記所望の特性が、結合特性、酵素反応および化学修飾のうちの1つまたは複数からなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
- 前記所望の特性が結合、酵素反応または化学修飾、に抵抗する能力である、請求項14に記載の方法。
- 前記第1の所望の同族対を選択するステップが、
所望の結合特徴を有する第1のリガンドを提供する事と;
前記第1の同族対のうちの1つまたは複数を前記第1のリガンドと接触させて、結合していない複合体および結合した複合体を生成する事と;
前記結合した複合体または前記結合していない複合体のどちらかを回収する事と;
前記回収した複合体の少なくとも1つの核酸成分を増幅する事と;
前記回収した複合体の前記核酸成分の配列に変異を導入する事と;
前記核酸成分から1つまたは複数の第2のタンパク質を翻訳する事と、
前記第2のタンパク質のうちの少なくとも1つを前記第2の核酸成分のうちの少なくとも1つと連結させて、1つまたは複数の第2の同族対を生成する事と;
前記第2の同族対のうちの前記少なくとも1つを、少なくとも1つの第2のリガンドであって、前記第2のリガンドは前記第1のリガンドと同じまたは異なるもの、と接触させて、前記第2の同族対のうちの1つまたは複数を選択することにより所望のタンパク質配列を得る事と、
を含む、請求項14に記載の方法。 - 第1の核酸および第2の核酸であって、前記第1の核酸および前記第2の核酸は実質的に互いに相補的であり、前記第1の核酸は1つまたは複数のウリジンモノ付加体標的物を含み、前記第2の核酸が少なくとも1つの疑似ウリジンを含むもの、を提供する事と、
ソラレンの存在下で前記第1の核酸と前記第2の核酸とをハイブリダイズさせてハイブリッドを形成する事と;
前記ハイブリッドを紫外光で照射して前記第1の核酸上に前記ソラレンモノ付加体を形成する事と、
を含む、核酸上にソラレンモノ付加体を形成する方法。 - 前記1つまたは複数のウリジンモノ付加体標的物がアデノシンに隣接して位置するウリジンを含む、請求項18に記載の方法。
- 前記1つまたは複数のウリジンモノ付加体標的物がアデノシンに隣接してその3’側に位置するウリジンを含む、請求項18に記載の方法。
- 第1の核酸および第2の核酸であって、前記第1の核酸および前記第2の核酸は実質的に互いに相補的であり;前記第1の核酸は1つもしくは複数のウリジンモノ付加体標的物または架橋結合標的物ならびに1つもしくは複数のウリジンモノ付加体非標的物または架橋結合非標的物を含み;前記ウリジンモノ付加体非標的物または架橋結合非標的物は1つまたは複数の疑似ウリジンで置き換えることができるもの、を提供する事と;
前記ウリジンモノ付加体非標的物または架橋結合非標的物のうちの1つもしくは複数を疑似ウリジンで置き換える事と;
ソラレンの存在下で前記第1の核酸と前記第2の核酸とをハイブリダイズさせてハイブリッドを形成する事と;
前記ハイブリッドを照射することによって、前記非標的物を保護しながら、前記第1の核酸上の前記標的物上に前記ソラレンモノ付加体または前記架橋結合を形成する事と、
を含む、ソラレンモノ付加体または架橋結合の生成方法。 - 前記所望のタンパク質がSARSウイルスの1つまたは複数のタンパク質である、請求項14に記載の方法。
- 少なくとも2つの候補mRNA分子であって、前記mRNA分子のうちの少なくとも1つがストップコドンおよび疑似ストップコドンからなる群から選択された少なくとも1つのコドンを含むもの、を提供する事と;
前記候補mRNA分子のうちの少なくとも2つを翻訳して、少なくとも1つの翻訳されたタンパク質を生成する事と;
前記候補mRNA分子のうちの少なくとも1つをその対応する翻訳されたタンパク質に連結させて少なくとも1つの同族対を形成する事と;
前記翻訳されたタンパク質または前記mRNA分子の特性に基づいて前記同族対のうちの1つまたは複数を選択する事と;
前記選択された同族対のmRNA分子、前記mRNA分子に相補的な核酸分子および前記mRNA分子に相同的な核酸分子からなる群から選択された分子を同定する事を含む、前記翻訳されたタンパク質または前記所望の核酸分子を選択する事と、
を含む、所望のタンパク質または核酸分子の選択方法。 - 少なくとも2つの候補mRNA分子であって、前記mRNA分子のうちの少なくとも1つがストップコドンおよび疑似ストップコドンからなる群から選択された少なくとも1つのコドンを含むもの、を提供する事と;
前記候補mRNA分子のうちの少なくとも2つを翻訳して少なくとも1つの翻訳された第1のタンパク質を生成する事と;
前記候補mRNA分子のうちの少なくとも1つをその対応する翻訳された第1のタンパク質と連結させて少なくとも1つの第1の同族対を形成する事と;
前記翻訳された第1のタンパク質または前記mRNAの少なくとも1つの所望の特徴に基づいて前記第1の同族対のうちの少なくとも1つを選択する事と;
前記所望の特徴を有する前記第1の同族対のうちの少なくとも1つを回収して少なくとも1つの回収した同族対を生成する事と;
前記回収した同族対のうちの1つまたは複数の第1の核酸成分を増幅する事と;
1つまたは複数の変異を有する前記第1の核酸成分のうちの少なくとも1つを含む、少なくとも1つの第2の核酸成分を生成する事と;
前記第2の核酸成分のうちの少なくとも1つを翻訳することによって少なくとも1つの第2のタンパク質を生成する事と;
前記第2のタンパク質のうちの少なくとも1つを前記第2の核酸成分のうちの少なくとも1つと連結させて、1つまたは複数の第2の同族対を生成する事と;
少なくとも1つの所望の特性であって前記所望の特徴と同じかまたは異なるもの、に基づいて前記第2の同族対のうちの1つまたは複数を再選択することによって前記所望のタンパク質配列を得る事と、
を含む、所望のタンパク質配列を進化させる方法。 - 少なくとも1つのウリジンおよび少なくとも1つの修飾されたウリジンを含む標的オリゴヌクレオチドを提供する事と、
前記標的オリゴヌクレオチドをソラレンと接触させる事と、
前記ソラレンを前記標的オリゴヌクレオチドとカップリングさせてモノ付加体を形成する事と、
を含む、モノ付加体の形成方法。 - 少なくとも2つの候補mRNA分子であって、前記mRNA分子のうちの少なくとも1つがストップコドンおよび疑似ストップコドンからなる群から選択された少なくとも1つのコドンを含むもの、を提供する事と;
前記候補mRNA分子のうちの少なくとも2つを翻訳して、少なくとも1つの翻訳されたタンパク質を生成する事と;
前記候補mRNA分子のうちの少なくとも1つであって、架橋剤によってtRNA分子に結合しているものを、前記tRNA分子を介してその対応する翻訳されたタンパク質と連結して、少なくとも1つの同族対を形成する事と;
前記翻訳されたタンパク質または前記mRNA分子の特性に基づいて前記同族対のうちの1つもしくは複数を同定する事と;
前記選択された同族対のmRNA分子、前記mRNA分子に相補的な核酸分子および前記mRNA分子に相同的な核酸分子のうちの1つまたは複数からなる群から選択された分子を同定することによって、前記所望のタンパク質または前記所望の核酸分子を同定する事と;
複数の同族対を提供し、前記複数の同族対を1つまたは複数の結合因子と結合する事と;
前記1つまたは複数の結合因子に対する反応または反応を欠くことに基づいて前記所望のタンパク質または核酸分子を選択する事と、
を含む、所望のタンパク質または核酸分子の同定および選択方法。 - 2つ以上のDNA配列のアレイであって、前記2つ以上のDNA配列が事前に決定された位置に配置されるもの、を提供する事と;
前記1つまたは複数の同族対であって、mRNA部分およびタンパク質部分を含むもの、に前記アレイを曝す事と;
前記1つまたは複数の同族対の前記mRNA部分を前記アレイ上にハイブリダイズさせる事と;
前記1つまたは複数の同族対の前記タンパク質部分を結合因子に曝すことで反応を生じさせるまたは生じさせない事と;
前記結合因子に対する前記反応が存在するまたは存在しないことに基づいて前記所望のタンパク質を選択することで前記翻訳されたタンパク質のDNA配列を決定する事と、
を含む前記翻訳されたタンパク質のDNA配列を決定する事をさらに含む、請求項26に記載の方法。 - 少なくとも2つの候補mRNA分子であって、前記mRNA分子のうちの少なくとも1つがストップコドンおよび疑似ストップコドンからなる群から選択された少なくとも1つのコドンを含むもの、を提供する事と;
前記候補mRNA分子のうちの少なくとも2つを翻訳して、少なくとも1つの翻訳されたタンパク質を生成する事と;
前記候補mRNA分子のうちの少なくとも1つであって、架橋剤によってtRNA分子に結合しており、前記tRNA分子は実質的に修飾されていない天然tRNAであり、前記架橋剤は少なくとも1つのmRNA分子上のみに位置するもの、をtRNA分子を介してその対応する翻訳されたタンパク質と連結して、少なくとも1つの同族対を形成する事と;
前記翻訳されたタンパク質または前記mRNA分子の特性に基づいて前記同族対のうちの1つもしくは複数を同定する事と;
前記選択された同族対のmRNA分子、前記mRNA分子に相補的な核酸分子および前記mRNA分子に相同的な核酸分子のうちの1つまたは複数からなる群から選択された分子を同定することによって、前記所望のタンパク質または前記所望の核酸分子を同定する事と、
を含む、所望のタンパク質または核酸分子の同定方法。 - 少なくとも2つの候補mRNA分子であって、前記mRNA分子のうちの少なくとも1つがストップコドンおよび疑似ストップコドンからなる群から選択された少なくとも1つのコドンを含むもの、を提供する事と;
前記候補mRNA分子のうちの少なくとも2つを翻訳して、少なくとも1つの翻訳されたタンパク質を生成する事と;
前記候補mRNA分子のうちの少なくとも1つであって、架橋剤によってtRNA分子に結合しているもの、を前記tRNA分子を介してその対応する翻訳されたタンパク質と連結して、少なくとも1つの同族対を形成する事と;
前記翻訳されたタンパク質または前記mRNA分子の特性に基づいて前記同族対のうちの1つもしくは複数を同定する事と;
前記選択された同族対のmRNA分子、前記mRNA分子に相補的な核酸分子および前記mRNA分子に相同的な核酸分子のうちの1つまたは複数からなる群から選択された分子を同定することによって、前記所望のタンパク質または前記所望の核酸分子を同定する事と;
核酸が事前に決定された位置に配置された核酸アレイを提供する事と;
前記同族対のうちの少なくとも1つを前記アレイ上にハイブリダイズさせる事と;
前記同族対のうちの前記少なくとも1つを1つまたは複数の結合因子と反応させる事と;
前記1つまたは複数の結合因子に対する反応または反応を欠くことに基づいて前記所望の核酸分子を選択する事と、
を含む、所望のタンパク質または核酸分子の同定および選択方法。 - 少なくとも2つの候補mRNA分子であって、前記mRNA分子のうちの少なくとも1つがストップコドンおよび疑似ストップコドンからなる群から選択された少なくとも1つのコドンを含むもの、を提供する事と;
前記候補mRNA分子のうちの少なくとも2つを翻訳して、少なくとも1つの翻訳されたタンパク質を生成する事と;
前記候補mRNA分子のうちの少なくとも1つであって、tRNA分子と結合しており、前記tRNA分子はリボソームと結合し、ペプチド鎖を受容し、かつ、次のペプチド転移においてドナーとして働かない部分を含み、前記部分が3’デオキシアデノシン上の2’エステル、アミノアシルtRNAox-redおよびピューロマイシンのうちの1つまたは複数からなる群から選択されるもの、をtRNA分子を介してその対応する翻訳されたタンパク質と連結して、少なくとも1つの同族対を形成する事と;
前記翻訳されたタンパク質または前記mRNA分子の特性に基づいて前記同族対のうちの1つもしくは複数を同定する事と;
前記選択された同族対のmRNA分子、前記mRNA分子に相補的な核酸分子および前記mRNA分子に相同的な核酸分子のうちの1つまたは複数からなる群から選択された分子を同定することによって、前記所望のタンパク質または前記所望の核酸分子を同定する事と、
を含む、所望のタンパク質または核酸分子の同定方法。 - 少なくとも2つの候補mRNA分子あって、前記mRNA分子のうちの少なくとも1つがストップコドンおよび疑似ストップコドンからなる群から選択された少なくとも1つのコドンを含むもの、を提供する事と;
前記候補mRNA分子のうちの少なくとも2つを翻訳することであって、前記翻訳がin situで行われること、により少なくとも1つの翻訳されたタンパク質を生成する事と;
前記候補mRNA分子のうちの少なくとも1つであって、tRNA分子と結合しているものを、前記tRNA分子を介してその対応する翻訳されたタンパク質と連結して、少なくとも1つの同族対を形成する事と;
前記翻訳されたタンパク質または前記mRNA分子の特性に基づいて前記同族対のうちの1つもしくは複数を同定する事と;
前記選択された同族対のmRNA分子、前記mRNA分子に相補的な核酸分子および前記mRNA分子に相同的な核酸分子のうちの1つまたは複数からなる群から選択された分子を同定することによって、前記所望のタンパク質または前記所望の核酸分子を同定する事と、
を含む、所望のタンパク質または核酸分子の同定方法。 - 少なくとも2つの候補mRNA分子であって、前記mRNA分子のうちの少なくとも1つがストップコドンおよび疑似ストップコドンからなる群から選択された少なくとも1つのコドンを含むもの、を提供する事と;
前記候補mRNA分子のうちの少なくとも2つを翻訳して、少なくとも1つの翻訳されたタンパク質を生成する事と;
前記候補mRNA分子のうちの少なくとも1つであって、架橋剤によってtRNA分子と結合しているもの、を前記tRNA分子を介してその対応する翻訳されたタンパク質と連結して、少なくとも1つの同族対を形成する事と;
前記翻訳されたタンパク質または前記mRNA分子の特性に基づいて前記同族対のうちの1つもしくは複数を同定する事と;
前記選択された同族対のmRNA分子、前記mRNA分子に相補的な核酸分子および前記mRNA分子に相同的な核酸分子のうちの1つまたは複数からなる群から選択された分子を同定することによって、前記所望のタンパク質または前記所望の核酸分子を同定する事と;
複数の同族対を提供し、前記複数の同族対のうちの少なくとも1つを1つまたは複数の結合因子と結合させる事と;
前記1つまたは複数の結合因子に対する反応または反応を欠くことに基づいて前記所望のまたはタンパク質核酸分子を選択することで第1の所望の同族対を選択する事と;
前記第1の所望の同族対を回収して、回収した同族対を生成する事と;
前記回収した同族対の第1の核酸成分を増幅する事と;
1つまたは複数の変異を有する前記第1の核酸成分を含む、第2の核酸成分を生成する事と;
前記第2の核酸成分を翻訳することによって第2のタンパク質を生成する事と;
前記第2のタンパク質を前記第2の核酸成分と連結させて第2の所望の同族対を生成する事と;
少なくとも1つの所望の特性に基づいて前記第2の所望の同族対を再選択することによって前記所望のタンパク質配列を得る事と、
を含む、所望のタンパク質配列を進化させる方法。 - 前記第1の所望の同族対を選択するステップが、
所望の結合特徴を有する第1のリガンドを提供する事と;
前記第1の同族対のうちの1つまたは複数を前記第1のリガンドと接触させて、結合していない複合体および結合した複合体を生成する事と;
前記結合した複合体または前記結合していない複合体のどちらかを回収する事と;
前記回収した複合体の少なくとも1つの核酸成分を増幅する事と;
前記回収した複合体の前記核酸成分の配列に変異を導入する事と;
前記核酸成分から1つまたは複数の第2のタンパク質を翻訳する事と、:
前記第2のタンパク質のうちの少なくとも1つを前記第2の核酸成分のうちの少なくとも1つと連結させて、1つまたは複数の第2の同族対を生成する事と;
前記第2の同族対のうちの前記少なくとも1つを、少なくとも1つの第2のリガンドであって、前記第1のリガンドと同じまたは異なるもの、と接触させて、前記第2の同族対のうちの1つまたは複数を選択することにより前記所望のタンパク質配列を得る事と、
を含む、請求項32に記載の方法。 - 第1の核酸および第2の核酸であって、前記第1の核酸および前記第2の核酸は実質的に互いに相補的であり、前記第1の核酸は1つまたは複数のウリジンモノ付加体標的物を含み、前記第2の核酸が少なくとも1つの疑似ウリジンを含むもの、を提供する事と、
ソラレンの存在下で前記第1の核酸と前記第2の核酸とをハイブリダイズさせてハイブリッドを形成する事と;
前記ハイブリッドを紫外光で照射して前記第1の核酸上に前記ソラレンモノ付加体を形成する事と、
を含む、核酸上にソラレンモノ付加体を形成する方法。 - 第1の核酸および第2の核酸であって、前記第1の核酸および前記第2の核酸は実質的に互いに相補的であり、前記第1の核酸は1つもしくは複数のウリジンモノ付加体標的物または架橋結合標的物ならびに1つもしくは複数のウリジンモノ付加体非標的物または架橋結合非標的物を含み、前記ウリジンモノ付加体非標的物または架橋結合非標的物は1つまたは複数の疑似ウリジンで置き換えることができるもの、を提供する事と;
前記ウリジンモノ付加体非標的物または架橋結合非標的物のうちの1つもしくは複数を疑似ウリジンで置き換える事と;
ソラレンの存在下で前記第1の核酸と前記第2の核酸とをハイブリダイズさせてハイブリッドを形成する事と;
前記ハイブリッドを照射することによって、前記非標的物を保護しながら、前記第1の核酸上の前記標的上に前記ソラレンモノ付加体または前記架橋結合を形成する事と、
を含む、ソラレンモノ付加体または架橋結合の生成方法。 - 少なくとも2つの候補mRNA分子であって、前記mRNA分子のうちの少なくとも1つがストップコドンおよび疑似ストップコドンからなる群から選択された少なくとも1つのコドンを含むもの、を提供する事と;
前記候補mRNA分子のうちの少なくとも2つを翻訳して、少なくとも1つの翻訳されたタンパク質を生成する事と;
前記候補mRNA分子のうちの少なくとも1つであって、架橋剤によってtRNA分子に結合しているもの、を前記tRNA分子を介してその対応する翻訳されたタンパク質と連結して、少なくとも1つの同族対を形成する事と;
前記翻訳されたタンパク質または前記mRNA分子の特性に基づいて前記同族対のうちの1つもしくは複数を同定する事と;
前記選択された同族対のmRNA分子、前記mRNA分子に相補的な核酸分子および前記mRNA分子に相同的な核酸分子のうちの1つまたは複数からなる群から選択された分子を同定することによって、前記所望のタンパク質または前記所望の核酸分子を同定する事と;
複数の同族対を提供し、前記複数の同族対を1つまたは複数の結合因子と結合する事と;
前記1つまたは複数の結合因子に対する反応または反応を欠くことに基づいて前記所望のタンパク質または核酸分子を選択する事と、
を含む、所望のタンパク質または核酸分子の同定および選択方法。 - 請求項14に記載の方法によって産生したワクチン。
- 主要組織適合複合体クラスII(MHC−II)の配列をランダムmRNAライブラリのcDNAに付加させることにより、適切なT細胞の応答および最終的にはB細胞の応答を可能にする、MHC−II結合配列とする事と、
前記ライブラリを転写および翻訳することによって、その同族mRNAに対応するタンパク質を生成する事と;
前記タンパク質を前記同族mRNAと連結させる事と;
「S」エピトープに特異的なプローブであって、SPR膜に化学的に連結されているもの、を用いて前記ライブラリから1つまたは複数の所望のタンパク質を選択する事と;
抗S抗体に対して高い親和性を有するタンパク質を選択する事と、
を含む、SARSワクチンの産生方法。
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