JP2007512442A - 径方向小型のシンカリングを備えた中径又は大径のシングルシリンダ丸編機 - Google Patents

Abstract

鉛直な軸（１ａ）を有するニードルシリンダ（１）と、ニードルシリンダの上端近傍でニードルシリンダ（１）に同軸的に結合されているシンカリング（６）とを備え、シンカリング（６）は夫々が少なくとも１つのシンカ（８）を収容する複数の径方向スロット（７）を有する中径又は大径の径方向小型のシンカリングを備えるシングルシリンダ丸編機において、シンカリング（６）は、ニードルシリンダ（１）の径方向の寸法の内側に配置されており、シンカ（８）はニードルシリンダ（１）の軸（１ａ）の方向に向けられている嘴部（８ａ）を有する。

Description

本発明は径方向小型のシンカリングを備えた中径又は大径のシングルシリンダ丸編機に関する。

「中径又は大径のシングルシリンダ丸編機」という表現は、ニードルシリンダの直径が４．５インチ（１１．４３ｃｍ）を超える編機を示すために用いられる。

公知のように、シングルシリンダ丸編機においてシンカリング（後に「シンカ」と称する）は一般的に、ニードルシリンダの上端に同軸的に固定され、ニードルシリンダの寸法の外側まで延在している。

シンカリングのこの配置によって、例えば特許文献１に開示されている型の特殊な針を用いることが困難となる。そのような針は、オープンニットの編物の供給及び伝線しない編み方での編成を可能とする。また、例えば針の制御及び作動装置のような、ニードルシリンダに横方向に面しなければならない装置を配する際、公知の型の編機において、ニードルシリンダの外側にシンカリングがあることは、どんな場合でも、それをより困難にする障害となる。
国際公開第０２／０７０７９９号パンフレット

本発明のねらいは、シンカリングがニードルシリンダの周囲できわめて小さい空間しか占有しないか又は空間を全く占有しない、メリヤス編み等のための中径又は大径のシングルシリンダ丸編機を提供することによって上述の問題を解決することである。

このねらいの下、本発明の目的は、ニードルシリンダの周囲に突出する部分及び／又はニードルシリンダの上端近傍で該ニードルシリンダに横方向に面するように配置された装置を設けられている特殊な針を用いることに関連した問題を軽減することを可能とする編機を提供することである。

本発明の他の目的は、操作において高い信頼性を有し、且つニードルシリンダの高速回転時であってもシンカの動作の優れた制御性を有する編機を提供することである。

以降でより明らかになるこのねらい及びこれらの及びその他の目的は、鉛直な軸を有するニードルシリンダと、ニードルシリンダの上端近傍でニードルシリンダに同軸的に結合されているシンカリングとを備え、シンカリングは夫々が少なくとも１つのシンカを収容する複数の径方向スロットを有する中径又は大径のシングルシリンダ丸編機において、シンカリングは、ニードルシリンダの径方向の寸法の内側に配置されており、シンカはニードルシリンダの軸の方向に向けられている嘴部を有することを特徴とする編機によって達成される。
本発明の更なる特徴と利点は、限定されない例によって添付図に示された望ましいが排他的ではない、本発明に係る実施の形態の記述からより明らかになるであろう。

図を参照すると、簡潔のため部分のみ示されており、複数の軸方向スロット２が設けられた横方向外側の表面上に、対応する軸方向スロット２に沿って、編成のため実質的に公知の方法で摺動することができる少なくとも１つの針３が収容されている、鉛直な軸１ａを有するニードルシリンダ１を、本発明に係る編機は備える。例えば副針４及び選択器５のような、針３を作動するための、公知の型で簡潔のため更に述べられることのない他の要素は、軸方向スロット２に配置されることが可能である。

本発明に係る編機は、ニードルシリンダ１の上端近傍に同軸的に固定されているシンカリング６もまた備える。シンカリング６は、夫々が内部に摺動可能に少なくとも１つのシンカ８を収容する複数の径方向スロット７を有する。

本発明によれば、シンカリング６はニードルシリンダ１の径方向の寸法の内側に配置されており、言い換えれば、それは、ニードルシリンダの径方向の全寸法内に収まり、且つ含まれるような径方向の広がりを有する。シンカ８は、ニードルシリンダ１の軸１ａの方向に向けられ、且つ針３によって編まれる糸を掛けるように設計された嘴部８ａを有する。

シンカ８は、その上側に沿って作動ヒール８ｂを設けられた薄板体であり、該作動ヒールは、対応する径方向スロット７から上向きに突出し、且つ作動カム９と係合可能であり、該作動カムは、上向きの領域でシンカリング６と面するシンカキャップ１０に結合している。シンカキャップ１０は、ニードルシリンダ１及び、シンカキャップ１０に対して軸１ａを中心として回転作動できるシンカリング６の回転とは独立している。

より詳細には、シンカキャップ１０は、公知の型のシングルシリンダ編機におけるようにニードルシリンダ１に対して内部に同軸的に配置されているゴブレット（脚付き杯）状の要素１１に固定されている。

好ましくは、シンカキャップ１０は、ゴブレット状の要素１１の周囲の縁として設けられ、その上面は、ゴブレット状の要素１１の上面の延長として、上向きに広がる円錐形の表面を画定している。

シンカリング６の径方向スロット７は、対応するシンカ８が載っている底部７ａを有し、該シンカは好ましくは、軸１ａに対して略垂直であり且つニードルシリンダ１の上端に対して凹ませた平面上に配置されている。

利便的には、夫々が針３を収容する２つの連続する軸方向スロット２の間において、ニードルシリンダ１の上端に、径方向スロット１２が設けられている。該径方向スロットは、シンカリング６の対応する径方向スロット７と一直線に並んでおり、対応するシンカ８の一部分を摺動可能に収容し、シンカ８の他部分が載る底部７ａの表面に加えて、シンカが載る他の表面を形成する。該他の表面は、底部７ａよりも高いレベルにある。

より詳細には、シンカ８の下側は、シンカ８のための２つの載置面（ｒｅｓｔｉｎｇ ｓｕｒｆａｃｅ）を有する段状をしている。夫々、シンカリング６に形成された径方向スロット７の底部７ａに係合する下部載置面８ｃであり、ニードルシリンダ１の上端に形成された径方向スロット１２の底部に係合する上部載置面８ｄである。

各シンカ８は、好ましくは、下部載置面８ｃまでを下方領域の範囲とし、上方領域にヒール８ｂを有する第１部分８ｅと、上部載置面８ｄまでを下方領域の範囲とし、嘴部８ａを有する第２部分８ｆとを有している。ここで、上方と下方は、図６に示すシンカの可能な位置を指しており、動作中の構成に配置されているとしてよい。第１部分８ｅには、ヒール８ｂに対向して配置されている肩８ｇがある。このようにして、カム９に係合されるように設計された座部１３がヒール８ｂと肩８ｇとの間に形成されている。

カム９は、好ましくは、シンカキャップ１０の下方に固定され、シンカリング６に対して同軸的に置かれている環状カム１４で構成されている。シンカ８が本質的に公知の方法で縫製中に針３と共働できるように、環状カム１４に対する軸１ａを中心としたニードルシリンダ１およびシンカリング６の回転の結果として生じる軸１ａに対して近づきそこから遠ざかる往復運動をシンカ８に伝達するために、環状カム１４は、軸１ａに接近する部分と遠ざかる部分を有すべく突出部１５を備える。

示された実施例は、４つのフィード又はドロップを有する丸編機に関する。よって、環状カム１４は突出部１５を４つ有し、編機のフィード又はドロップと夫々一対一に対応している。

利便的には、シンカキャップ１０の延長部に沿って及び環状カム１４の延長部に沿って、夫々参照符号１０ａ及び１４ａで指示される着脱可能な部分を設けることが可能である。これにより、損傷した又は使い古されたシンカ８を容易に取り出し、新しいシンカ８と交換することが可能となる。

実用的には、公知の型のシングルシリンダ編機が装備するシンカに対して、本発明に係る編機のシンカ８は、フック形状をしており、ヒール８ｂに対して向いている嘴部８ａを有する。

本発明に係る編機において、シンカキャップ１０及びゴブレット状の要素１１の上端は、シンカリング６の内側に配置された、シンカリング６に対して同軸的であるベアリング２１によって結合されている支持リング２０に固定されている。それにより、シンカリング６はニードルシリンダ１と共に軸１ａを中心として回転することが可能であり、一方、ゴブレット状の要素１１及びシンカキャップ１０は静止したままである。

記載を完全とするため、本発明に係る編機には、径方向スロット７及びベアリング２１のための潤滑路が設けられていることに注意すべきである。図３に示すように、第１潤滑管２２が支持リング２０に結合され、そして支持リング２０内に形成され径方向スロット７に出口２３ａを有する分配管２３に通じている。前記潤滑路は、支持リング２０に結合された、ベアリング２１を収容する空隙中に導く管２５に通じている第２潤滑管２４を備えている。

本発明に係る編機の操作は以下の通りである。

ニードルシリンダ１及びシンカリング６が軸１ａを中心として回転作動される場合、 シンカ８は、突出部１５においてシンカ８を軸１ａから遠ざけるように動作する環状カム１４の側面に沿って動作する。一方、針３は、編機のフィード又はドロップで編糸を掛けた後、嘴部８ａの近傍に配置されている編成表面８ｈ上に編糸を置くように編成の新しいループを形成するために下方向に動作する。新しい編糸を掛けるための針３の上方向の動作中に、シンカ８は環状カム１４の形状に基づいて、再び軸１ａに対して近づくように動作し、それにより、公知の型の丸編機におけるのと同様に、対応する夫々の針３の軸上に、それらの針によって既に形成された編みのループを張る。

シンカ８の載置面がスロット１２の底部にもあると、嘴部８ａと編成表面８ｈ（即ち、編糸とシンカとの間で交換される力が放出されるシンカの領域）との直ぐ近傍に載置があるため、高速でニードルシリンダ１が作動する場合でも、針３によって編まれる糸に係る張力が高い場合でも、シンカ８の高い安定性が達成されることに注意すべきである。

また、シンカ８は、ニードルシリンダ１の軸１ａに垂直な平面上を動作するので、シンカ８の動作において高い精度が達成される。

シンカリングをニードルシリンダの寸法の範囲内に配することにより、ニードルシリンダの外側に突起を有する特殊な針を用いるのに問題とならず、且つニードルシリンダのその上端近傍全体の領域が開放されているので、実際に本発明に係る編機は意図されたねらいと目的を達成したことが分かった。

想到される方法は、数々の修正や変型が可能であり、それらの全ては付随する請求項の範囲に含まれる。さらに、全ての詳細は他の技術的に等価な要素と置換可能である。

実際上、寸法だけでなく、用いられる材料（素材）は、技術の要求及び水準に応じた如何なるものでもよい。

本出願が優先権を請求する伊国特許出願第ＭＩ２００３Ａ００２３００号の開示は、ここで参照によって援用される。

本発明に係る編機のニードルシリンダの軸方向断面略示図である。 本発明に係る編機のシンカキャップの底部平面略示図である。 図２に示されたIII−III線に沿った、本発明に係る編機のニードルシリンダの一部の断面図である。 図２に示されたIV−IV線に沿った、本発明に係る編機のニードルシリンダの一部の断面図である。 図２に示されたV−V 線に沿った、本発明に係る編機のニードルシリンダの一部の断面図である。 本発明に係る編機のシンカの側部立面図である。

Claims (15)

1. 鉛直な軸（１ａ）を有するニードルシリンダ（１）と、ニードルシリンダ（１）の上端近傍でニードルシリンダ（１）に同軸的に結合されているシンカリング（６）とを備え、シンカリング（６）は夫々が少なくとも１つのシンカ（８）を収容する複数の径方向スロット（７）を有する中径又は大径のシングルシリンダ丸編機において、
   シンカリング（６）は、ニードルシリンダ（１）の径方向の寸法の内側に配置されており、
   シンカ（８）はニードルシリンダ（１）の軸（１ａ）の方向に向けられている嘴部（８ａ）を有する
   ことを特徴とする編機。
2. 夫々のシンカ（８）はその延長部に沿って、対応する径方向スロット（７）から上方向に突出し、且つ上方領域でシンカリング（６）に面するシンカキャップ（１０）に結合するシンカ作動カム（９）に係合される、少なくとも１つの作動ヒール（８ｂ）を有し、
   ニードルシリンダ（１）及びシンカリング（６）は、シンカキャップ（１０）に対して、それらの自軸（１ａ）を中心とした回転動作にあっては連動して作動可能である
   ことを特徴とする請求項１に記載の編機。
3. シンカ作動カム（９）は、作動カム（９）に対するシンカリング（６）の回転の結果として、シンカリング（６）の軸（１ａ）に対して近づき且つそこから遠ざかるようにシンカ（８）を動作すべく成型されていることを特徴とする請求項１及び２に記載の編機。
4. シンカキャップ（１０）は、ニードルシリンダ（１）に対して内部に同軸的に配置されているゴブレット状の要素（１１）に固定されていることを特徴とする請求項１乃至３のいずれかに記載の編機。
5. シンカキャップ（１０）は、ゴブレット状の要素（１１）の周囲の縁として設けられ、上向きに広がる円錐形の表面に類似した形状の上面を有することを特徴とする請求項４に記載の編機。
6. 径方向スロット（７）は、対応するシンカ（８）が載っている底部（７ａ）を有し、底部（７ａ）はシンカリング（６）の軸（１ａ）に対して略垂直である平面上に配置されていることを特徴とする請求項１乃至５のいずれかに記載の編機。
7. シンカリング（６）の径方向スロット（７）の底部（７ａ）は、ニードルシリンダ（１）の上端に対して凹ませてあることを特徴とする請求項６に記載の編機。
8. 径方向スロット（１２）が、夫々が針（３）を収容する２つの連続する軸方向スロット（２）の間において、ニードルシリンダ（１）の上端に設けられており、
   シンカリング（６）の対応する径方向スロット（７）と一直線に並んでおり、そして
   対応するシンカ（８）の一部分を摺動可能に収容する
   ことを特徴とする請求項１乃至７のいずれかに記載の編機。
9. ニードルシリンダ（１）に形成された径方向スロット（７）の底部（７ａ）は、シンカリング（６）の径方向スロット（７）の底部（７ａ）よりも高位に配置されており、
   シンカ（８）の下側は、２つの載置面を有する段状をしており、
   前記２つの載置面は、夫々シンカリング（６）に形成された径方向スロット（７）の底部（７ａ）に係合する下部載置面（８ｃ）、及びニードルシリンダ（１）の上端に形成された径方向スロット（１２）の底部に係合する上部載置面（８ｄ）である
   ことを特徴とする請求項６乃至８のうち１つ又はそれ以上に記載の編機。
10. シンカ（８）は、下部載置面（８ｃ）までを下方領域の範囲とし、上方領域にヒール（８ｂ）を有する第１部分（８ｅ）と、
    上部載置面（８ｄ）までを下方領域の範囲とし、上方領域に嘴部（８ａ）を有する第２部分（８ｆ）とを備え、
    肩（８ｇ）が第１部分（８ｅ）に設けられ、作動ヒール（８ｂ）に対向して配置され、シンカ作動カム（９）と係合可能である
    ことを特徴とする請求項９に記載の編機。
11. 少なくとも一部がシンカリング（６）の軸（１ａ）に対して突出し、少なくとも一部が引込む部分（１５）を含む側面を有し、シンカリング（６）に対して同軸的に配置されている環状カム（１４）を、シンカ作動カム（９）は有しており、
    環状カム（９）はシンカヒール（３ｂ）と肩（８ｇ）との間でシンカ（８）に係合する
    ことを特徴とする請求項１０に記載の編機。
12. その端部のうち第１端部の近傍に嘴部（８ａ）を設けられた薄板体を備える中径又は大径の丸編機のためのシンカ（８）において、前記嘴部（８ａ）は該薄板体の対向する第２端部の方向を向いていることを特徴とするシンカ。
13. 前記薄板体はシンカ作動ヒール（８ｂ）を設けられた上側を有し、嘴部（８ａ）は前記上側から突出し、作動ヒール（８ｂ）の方向を向いていることを特徴とする請求項１２に記載のシンカ。
14. 作動ヒール（８ｂ）が設けられている前記上側に対して反対に位置する前記薄板体の下側は、略平坦であり互いに平行な２つのシンカ載置面を有する段状の側面を備え、
    該２つの載置面は、夫々下部載置面（８ｃ）、及び下部載置面（８ｃ）に対し上方向に離間した上部載置面（８ｄ）である
    ことを特徴とする請求項１２及び１３に記載のシンカ。
15. 前記薄板体は、下部載置面（７）までを下方領域の範囲とし、上方領域にヒール（８ｂ）を有する第１部分（８ｅ）と、
    上部載置面（８ｄ）までを下方領域の範囲とし、上方領域に嘴部（８ａ）を有する第２部分（８ｆ）とを備え、
    肩（８ｇ）が第１部分（８ｅ）に設けられ、作動ヒール（８ｂ）に対向して配置されている
    ことを特徴とする請求項１２乃至１４のいずれかに記載のシンカ。

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