無線通信システムは、携帯情報端末(PDA)、携帯電話、ページャ、スマートフォンおよびある地理的エリア内を移動することができる他の適当なデバイスのような多数の無線装置にサービスを提供するために、ある地理的エリア内に散在している多数の基地局を含む。無線通信システム内の基地局間の通信は、セル間同期通信か、またはセル間非同期通信である。セル間同期システム内の基地局は相互に同期しているが、一方、セル間非同期システム内の基地局は相互に同期していない。さらに、セル間非同期システム内の基地局は共通の時間基準を共有していないので、これらの基地局は、相互に同期していない時間にメッセージを送信する。暫定標準IS−95−Aは、セル間同期システムの一例である。広帯域符号分割多元接続(WCDMA)規格はセル間非同期システムの一例である。
基地局は、通常、無線装置と各基地局との間にリンクが確立される無線通信システムでノードとしての働きをする。各基地局は、リンクに1つ以上の制御チャネル、および1つ以上の専用チャネルを割り当てることにより、無線装置とのリンクを確立することができる。制御チャネルは、基地局識別およびページング情報を送信するために使用される。専用チャネルは、例えば、無線装置と基地局との間で音声およびデータ情報を送信するためのトラヒック・チャネルを含むことができる。それ故、各リンクは、集合的に無線装置と各基地局との間で通信を行うための1つ以上の制御チャネルおよび1つ以上の専用チャネルを表す。
非同期通信システム内の無線装置の同期は、通常、各基地局から無線装置に1つ以上の同期信号を送信することにより行われる。送信した同期信号は、無線装置の逆拡散動作を同期させるためのタイミング基準となる。例えば、WCDMA適合システムにおいては、通常の同期手順は、対応するリンク上の制御チャネルに関連する同期チャネル(または一組のダウンリンク疑似雑音(PN)コードのような共通の一組の同期コードからのコード)を使用する。非同期無線通信システムは、システム内の各基地局に対する同期チャネルを保持する。さらに、各基地局は、各セル内での同報通信のために、隣接するセルおよびその対応する同期チャネルのリストを保持する。
ソフト・ハンドオーバを使用すれば、無線装置は複数の基地局とのリンクを同時に確立することができる。ソフト・ハンドオーバを容易にするために、無線ネットワークは、無線装置が各基地局と同時に通信することができるような整合状態で、無線装置へのその送信信号を調整するように各基地局に指示する。無線装置が無線通信システム内を移動する場合、無線装置は、当業者であれば周知のように、登録手順中のような任意の他の適当な時間中に基地局を絶えず走査し、無線装置は、ソフト・ハンドオーバ中に使用しているリンクに対応する能動リンク・セット・リストを維持する。無線装置は、信号強度、品質測定値、および能動リンク・セット・リスト内の各リンクのための基地局へのタイミング情報のような測定値を提供する。次に、基地局は、これら測定値を評価し、ソフト・ハンドオーバ中にリンクを追加または削除するために、無線装置に能動リンク・セット更新メッセージを提供する。
非同期システムは、無線装置との確立したリンクとそれぞれ対応する基地局間の通信を同期することによりソフト・ハンドオーバを容易にする。各基地局は、相互に非同期状態の時間に対応するリンクにより、各制御チャネル同期情報を送信する。基準リンクと整合するように他のリンクを時間調整するために、1つのリンクが基準リンクとして選択される。ソフト・ハンドオーバ中の無線装置は、現在の基準基地局に対応する現在の基準リンクと、新しい基地局に対応する新しいリンクとの間の時間差を計算して、無線通信システムに報告する。無線通信システムは、新しい基地局にリンク間の時間差を知らせる。次に、新しい基地局は、現在の基地局に関連する現在の基準リンクと新しい基地局に関連する新しいリンクとの間の時間差を補償するために、無線装置用の信号によりその受信および送信タイミングを調整することができる。
ソフト・ハンドオーバ手順中、無線装置は、時間の経過とともに変化する信号の品質、ユーザの移動、干渉レベルの変化、または伝搬環境内の変化に従って、無線装置削除リンク間の通信を最適化するためにリンクを追加したり、削除したりする。リンクの追加および削除は、能動リンク・セット・リストを修正するために、能動リンク・セット更新メッセージを周期的に送信することにより行うことができる。当業者であれば周知のように、新しく確立したリンクは、前のフレームからのリンク、および現在のフレームに対する任意の追加または削除に基づいて各フレームに対して決定される。
ある方法によれば、無線装置が能動リンク・セット更新メッセージを受信した場合、無線装置は、能動セットが満杯になっていない限り、能動リンク・セット更新メッセージ内のリンクの順序によりリンクを追加し削除する。能動リンク・セット更新メッセージが、無線装置に現在の基準リンクを削除するように要求している場合には、無線装置は、能動リンク・セット・リスト内の他のリンクを選択する。しかし、能動リンク・セット更新メッセージ内にその基準リンクも削除するようにとの指示がある場合には、無線装置は、能動リンク・セット更新メッセージに応じて、それを削除するためだけに基準リンクを選択する必要はない。それ故、次に、無線装置は、他の基準リンクを再度選択しなければならない。
添付の図面に本発明を示すが、これは例示としてのものであって本発明を制限するものではない。図面中、類似の参照番号は類似の要素を示す。
通信回路および方法は、非同期無線通信システム内で能動リンク・セット・リストを更新する。通信回路は無線装置であってもよいし、または任意の他の適当な通信装置であってもよい。通信回路は、能動リンク・セット更新メッセージを受信し、それに応じて能動リンク・セット・リストから基準リンクの候補リストを生成するための候補基準リンク決定回路を含む。候補基準リンク決定回路は、例えば、能動リンク・セット・リストからのリンクを保持するために、受信した能動リンク・セット更新メッセージ内の表示に基づいて、基準リンクの候補リストを生成する。
一実施形態の場合には、候補基準リンク決定回路は、例えば最も強力な信号強度表示に基づいて、基準リンクの候補リストから新しい基準リンクを選択する。別の方法としては、候補基準リンク決定回路は、品質表示または基地局への距離の表示、各候補基準リンクに関連するエージング表示、またはタイミング・オフセットに基づいて新しい基準リンクを選択することができる。それ故、能動リンク・セット更新メッセージが、能動リンク・セット・リストから現在の基準リンクを除去するように指示している場合には、候補基準リンク決定回路は、基準リンクの候補リストから適当な新しい基準リンクを選択することによりソフト・ハンドオーバを容易にすることができる。本発明の一実施形態によれば、通信回路は、新しい基準リンクが能動リンク・セット更新中に除去されないように、新しい基準リンクを選択するために能動リンク・セット更新メッセージを前処理する。
他にも種々の利点を有するが、本発明は基準リンクの選択を改善する。すでに説明したように、候補基準リンク決定回路があるリンクを基準リンクとして選択し、能動リンク・セット更新メッセージが、基準リンクとして選択したリンクを除去するように要求している場合には、候補基準リンク決定回路はもう1つの基準リンクを再度選択しなければならない。それ故、新しい基準リンクを選択すると、能動リンク・セット更新メッセージの受信に応じて2つ以上の基準リンクを選択することになる場合がある。すなわち、候補基準リンク決定回路は、能動セット更新中に2つ以上の基準リンクを選択する。
能動リンク・セット更新メッセージを前処理することにより、候補基準リンク決定回路は、能動リンク・セット更新メッセージ内に表示されているリンクの追加およびリンク削除の回数が何であれ、能動セット更新中に1回程度新しい基準リンクを選択することができる。さらに、基準リンクのそれぞれの変更は処理するのに時間がかかるので、新しい基準リンクを再度選択し、能動リンク・セット・リストを更新するための処理要件および処理時間が短くなる。さらに、基準リンク再選択プロセスはいくつかの測定を必要とするので、新しい基準リンクを間違って選択する確率が低減する。何故なら、各測定に関連するエラーの確率が存在するからである。それ故、必要な測定の数を低減すると、さらに、新しい基準リンクを間違って選択する確率が低減する。
図1は、本発明の一実施形態による基準リンクの候補リストを生成するための通信回路10の例示としての実施形態を示すブロック図である。通信回路10は、候補基準リンク決定回路30およびメモリ40を含む。メモリ40は、例えば、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)であっても、読出専用メモリ(ROM)であっても、光メモリであっても、またはサーバを介してのような局地的にまたは遠隔地に位置する任意の適当な記憶媒体であってもよい。さらに、メモリ40は、インターネット、ワイド・アクセス・ネットワーク(WAN)、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、無線ワイド・アクセス・ネットワーク(WWAN)、無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)、IEEE802.11無線ネットワーク、bluetoothを介して、基地局、スイッチング・システム、または任意の適当なネットワーク要素によりアクセスすることができ、基準リンク20および能動リンク・セット・リスト50の候補リストを含む。候補基準リンク決定回路30は、能動リンク・セット更新メッセージ60を受信し、それに応じて能動リンク・セット・リスト50および受信した能動リンク・セット更新メッセージ60に基づいて、基準リンク20の候補リストを生成する。
候補基準リンク決定回路30は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、またはデジタル信号プロセッサ(DSP)のような1つ以上の適当にプログラムしたプロセッサであってもよく、それ故、実行した場合、候補基準リンク決定回路30に本明細書に記載する動作を行わせる実行可能な命令を含むメモリ40のような関連メモリを含む。別の方法としては、本明細書で使用する場合、候補基準リンク決定回路30は、離散的論理、状態マシンまたはハードウェア、ソフトウェアおよび/またはファームウェアの任意の他の適当な組合せを含む。候補基準リンク決定回路30は、候補基準リンク情報70を生成し、メモリ40内に基準リンク20の候補リストを記憶する。同様に、候補基準リンク決定回路30は、能動リンク・セット・リスト情報80を生成し、メモリ40内に能動リンク・セット・リスト50を記憶する。
図2は、本発明の一実施形態による基準リンク20の候補リストを生成するための方法200の一例を示すフローチャートである。この方法200は、通信回路10内の候補基準リンク決定回路30により実行することができる。しかし、任意の他の適当な構造も使用することができる。ステップ210からスタートするこの方法200は、一連の動作として記述することができるが、動作は任意の適当な順序で実行することができ、任意の適当な組合せで反復することができることを理解することができるだろう。
ステップ220に示すように、候補基準リンク決定回路30は、能動リンク・セット更新メッセージ60を受信する。能動リンク・セット更新メッセージ60は、候補基準リンク決定回路30に、通信回路10と非同期無線通信システムとの間の通信を最適にするために、能動リンク・セット更新メッセージ60によりリンクを追加または削除するように指示することができる。能動リンク・セット更新メッセージ60は、候補基準リンク決定回路30に、例えば、時間の経過とともに変化する信号の品質、ユーザの移動、干渉レベルの変化、または伝搬環境内の変化、または任意の他の適当なパラメータに従って、リンクの追加またはリンクの削除を指示することができる。
ステップ230内に示すように、候補基準リンク決定回路30は、能動リンク・セット更新メッセージ60および能動リンク・セット・リスト50に基づいて、基準リンク20の候補リストを生成する。例えば、候補基準リンク決定回路30は、能動リンク・セット・リスト50からどのリンクを保持すべきかの決定に基づいて、基準リンク20の候補リストを生成することができる。このような決定は、能動リンク・セット・リスト50内の現在リンクを能動リンク・セット更新メッセージ60内の除去すべきリンクの1つ以上の表示と比較することにより行うことができる。図ではこの方法200はステップ240のところで終わっているが、一実施形態の場合には、プロセスは、ステップ220に戻り、必要に応じて反復することができる。
図3は、本発明の他の実施形態による基準リンク20の候補リストを生成するための方法300のもう1つの例を示すフローチャートである。この方法300は、候補基準リンク構造により実行することができる。ステップ310からスタートするこの方法300は、一連の動作として記述することができるが、動作は任意の適当な順序で実行することができ、任意の適当な組合せで反復することができることを理解することができるだろう。
ステップ320に示すように、候補基準リンク決定回路30は、現在の能動リンク・セット・リスト50を初期化し、現在の基準リンクリンクを選択する。例えば、通信回路10が基地局に登録している場合には、基地局は、当業者であれば周知のように、メモリ40内に記憶するために、候補基準決定回路30に能動リンク・セット・リスト50および基準リンクの表示を提供することができる。それ故、候補基準リンク決定回路30は、能動リンク・セット・リスト50に基づいて基準リンクを選択することができる。
ステップ330に示すように、候補基準リンク決定回路30は、図2のステップ220のところですでに説明したように、能動リンク・セット更新メッセージ60を受信する。すでに説明したように、能動リンク・セット更新メッセージ60は、リンク追加および/またはリンク削除を含む。
ステップ340に示すように、候補基準リンク決定回路30は、能動リンク・セット・リスト50から削除するリンクのリストを生成する。例えば、候補基準リンク決定回路30は、能動リンク・セット更新メッセージ60内にどのリンクを除去するように表示するのかを決定することにより、能動リンク・セット・リスト50から除去するリンクを決定することができる。
ステップ350に示すように、候補基準リンク決定回路30は、能動リンク・セット・リスト50から保持するリンクのリストを生成する。例えば、候補基準リンク決定回路30は、能動リンク・セット・リスト50から、能動リンク・セット・リスト50内のすべての現在のリンクの決定に基づいて、保持するリンクを決定することができ、次に、ステップ340のところですでに決定したように、除去するリンクを決定する。
ステップ360に示すように、候補基準リンク決定回路30は、現在の基準リンクを除去すべきかどうかを決定する。例えば、候補基準リンク決定回路30は、能動リンク・セット更新メッセージ60内に現在の基準リンクを除去するものとして表示するかどうかの決定に基づいて、現在の基準リンクを除去すべきかどうかを決定することができる。
ステップ370に示すように、能動リンク・セット更新メッセージ60が、現在の基準リンクを除去するように指示している場合には、候補基準リンク決定回路30は、基準リンク20の候補リストを生成する。本発明の一実施形態によれば、候補基準リンク決定回路30は、ステップ350のところで決定したように、能動リンク・セット・リスト50から保持するリンクのリストに基づいて、基準リンク20の候補リストを生成する。例えば、候補基準リンク決定回路30は、ステップ340のところですでに決定したように、能動リンク・セット・リスト50から除去するように指示されているリンクのリストを除去することにより、保持するリンクのリストを決定することができる。候補基準リンク決定回路30が、ステップ362に示すように、現在の基準リンクを除去すべきでないと決定した場合には、候補基準リンク決定回路30は、能動リンク・セット・リスト50内の現在の基準リンクを保持し、ステップ390に示すように処理が続行する。
ステップ380に示すように、候補基準リンク決定回路30が、例えば、基準リンク20の候補リスト内の各リンクに関連する信号強度表示、基準リンク20の候補リスト内の各リンクに関連する品質表示、および基準リンク20の候補リスト内の各リンクに関連する基地局への距離の表示、基準リンクの各候補リストに関連するエージング表示、基準リンク20の候補リスト内の各リンクに関連するタイミング・オフセットの表示、または任意の他の適当なパラメータに基づいて、基準リンク20の候補リストから新しい基準リンクを選択する。例えば、候補基準リンク決定回路30が新しい基準リンクが必要であると決定しているので、候補基準リンク決定回路30は、上記基準または任意の他の適当な基準に基づいてリンクのうちの1つを基準リンクとして選択する。一実施形態の場合には、候補基準リンク決定回路30は、候補基準リンク決定回路30が新しい基準リンクを選択するまで現在の基準リンクを維持する。新しい基準リンクが選択されるまで現在の基準リンクを維持することにより、通信回路10は同期を維持することができ、一方、候補基準リンク決定回路30は新しい基準リンクに移行する。
ステップ390に示すように、候補基準リンク決定回路30は、少なくとも受信した能動リンク・セット更新メッセージ60に基づいて能動リンク・セット・リスト50を更新する。一実施形態の場合には、候補基準リンク決定回路30は、ステップ380において選択した新しい基準リンクに基づいて能動リンク・セット・リスト50を更新する。さらに、候補基準リンク決定回路30は、ステップ340において決定した能動リンク・セット・リスト50から除去するリンクのリストに基づいて能動リンク・セット・リスト50を更新することができる。
ステップ392に示すように、通信回路10は、基準リンクをチェックしないで、能動リンク・セット更新メッセージ60を処理する。候補基準リンク決定回路30は、ステップ380において、すでに新しい基準リンクを選択しているので、通信回路10は、新しい基準リンクを選択しなくても、能動リンク・セット更新メッセージ60内の残りのリンクを追加および削除することができる。
図4は、図3のステップ370の基準リンク20の候補リストを生成するための方法400の詳細図である。この方法400は、通信回路10内の候補基準リンク決定回路30により実行することができるが、任意の他の適当な構造も使用することができる。ステップ410からスタートするこの方法400は、一連の動作として記述することができるが、動作は任意の適当な順序で実行することができ、任意の適当な組合せで反復することができることを理解することができるだろう。
ステップ420に示すように、候補基準リンク決定回路30は、新しい基準リンクが選択されるまで現在の基準リンクを維持する。それ故、候補基準リンク決定回路30は、ソフト・ハンドオーバのような現在進行中の専用接続動作をサポートするために、基準リンクが使用できない状況になる現在の基準リンクを、まだその時がきていないのに除去することはない。
ステップ430に示すように、候補基準リンク決定回路30は、能動リンク・セット・リスト50が満杯でない限りは、リスト削除を行う前にリンクの追加を行う。能動リンク・セット・リスト50は、少ない記憶容量しか有していないので、少数のリンクの追加および削除の表示しか記憶することができない。それ故、リンクの追加および削除表示の数が能動リンク・セット・リスト50の記憶容量に等しくなると、能動リンク・セット・リスト50は満杯になる。リンクを削除する前にリンクを追加すれば、リンクを除去したために、任意の時点で能動リンク・セット・リスト50内にリンクが存在しなくなるという事態が回避される。しかし、能動リンク・セット・リスト50が満杯である場合には、能動リンク・セット更新メッセージ内に表示されている1つ以上のリンクを削除することができる。何故なら、この状況ではリンクの追加を行うことができないからである。
ステップ440に示すように、候補基準リンク決定回路30は、能動リンク・セット・リスト50から少なくとも保持すべきリンクを含む基準リンク20の候補リストを生成する。ステップ450において、基準リンクの現在の候補リストが選択され、そのため基準リンク20の候補リストの処理が終了する。別の方法としては、基準リンク20の候補リストの処理を、例えば、図3に示すようにステップ380に継続することもできる。
図5は、本発明の一実施形態による新しい基準リンクを選択するための方法500である。この方法500は、通信回路10内の候補基準リンク決定回路30により実行することができる。しかし、任意の他の適当な構造も使用することができる。ステップ510からスタートするこの方法500は、一連の動作として記述することができるが、動作は任意の適当な順序で実行することができ、任意の適当な組合せで反復することができることを理解することができるだろう。
ステップ520に示すように、候補基準リンク決定回路30は、能動リンク・セット更新メッセージ60が能動リンク・セット・リスト50から現在の基準リンクの除去を指示している場合には、信号強度表示、品質表示、基地局への距離、基準リンクの各候補リストに関連するエージング表示、およびタイミング・オフセットの表示のうちの少なくとも1つに基づいて、基準リンク20の候補リストから新しい基準リンクを選択する。ステップに530示すように、候補基準リンク決定回路30は、すでに説明したように、能動リンク・セット・リスト内に少なくとも1つのリンクが残るように新しい基準リンクを選択する。
図6は、本発明のもう1つの例示としての実施形態による基準リンクの候補リストを生成するための無線装置600の一例を示すブロック図である。この実施形態の場合には、無線装置600は、プロセッサ610、トランシーバ620、およびメモリ40を含む。さらに、無線装置600は、アンテナ630と結合している。プロセッサ610は、アンテナ630およびトランシーバ620を介して能動リンク・セット更新メッセージ60を受信するための候補基準リンク決定回路30を含む。
プロセッサ610は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラまたはデジタル信号プロセッサ(DSP)のような1つ以上の適当にプログラムされたプロセッサであってもよく、それ故、実行した場合、プロセッサ610に本明細書に記載する動作を行わせる実行可能な命令を含むメモリ40のような関連メモリを含む。別の方法としては、本明細書で使用する場合、プロセッサ610は、離散的論理、状態マシンまたはハードウェア、ソフトウェアおよび/またはファームウェアの任意の他の適当な組合せを含む。無線装置600は、携帯電話であっても、携帯情報端末(PDA)であっても、衛星電話であっても、ページャであっても、無線ポータブル・コンピュータであっても、または能動リンク・セット・リスト50および受信した能動リンク・セット更新メッセージ60に基づいて基準リンクの候補リストを生成することができる任意の他の適当なデバイスであってもよい。
他にも種々の利点を有しているが、本発明は、基準リンクの選択を改善する。すでに説明したように、候補基準リンク決定回路30があるリンクを基準リンクとして選択し、能動リンク・セット更新メッセージ60が、基準リンクとして選択したリンクを除去するように要求している場合には、候補基準リンク決定回路30は、もう1つの基準リンクを再度選択しなければならない。それ故、新しい基準リンクを選択すると、能動リンク・セット更新メッセージ60の受信に応じて2つ以上の基準リンクを選択することになる場合がある。すなわち、候補基準リンク決定回路は、能動セット更新中に2つ以上の基準リンクを選択する。能動リンク・セット・リスト50を更新する前に、通信回路が、能動リンク・セット更新メッセージを前処理するので、候補基準リンク決定回路は、次の能動リンク・セット更新メッセージ60の前に、次に基準リンクとして除去される基準リンクのようなリンクを選択するのを避けることができる。
能動リンク・セット更新メッセージ60を前処理することにより、候補基準リンク決定回路30は、能動リンク・セット更新メッセージ60内に表示されているリンクの追加およびリンクの削除の回数にかかわらず、能動セット更新中に1回程度新しい基準リンクを選択することができる。さらに、基準リンクの各変更は、処理するのに時間がかかるので、新しい基準リンクを再度選択し、能動リンク・セット・リスト50を更新するための処理要件および処理時間が短くてすむ。さらに、基準リンク再選択プロセスは、いくつかの測定を必要とするので、新しい基準リンクを間違って選択する確率が低減する。何故なら、各測定に関連するエラーの確率が存在するからである。それ故、必要な測定の数を低減すると、さらに、新しい基準リンクを間違って選択する確率が低減する。
通常の当業者であれば本発明の他の種々の変形および変更およびその種々の態様の実施をすぐに思い付くことができること、本発明は上記特定の実施形態により制限されないことを理解されたい。それ故、本発明は、本明細書および特許請求の範囲に記載した基本的な原理の精神および範囲内に含まれる任意およびすべての修正および変更または等価物を含む。