JP2007508419A - 超低温冷却システムに用いる非hcfc混合冷媒 - Google Patents

超低温冷却システムに用いる非hcfc混合冷媒 Download PDF

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Abstract

非HCFC混合冷媒を十分に循環させるのに役立つ冷却熱交換器セクションのための方法または装置であって、コンプレッサ手段と、補助コンデンサと、第1のコンデンサと、第2のコンデンサと、第3のコンデンサと、過冷却器(サブクーラー)と、気液分離器と、を含んで構成され、気液分離器の下部からに取り出された液体混合冷媒(過冷却液)は、第1、第2の膨張手段によって分配されて膨張し、それぞれ第1、第2の膨張冷媒流を形成する。ここで、第1の膨張冷媒流は、コンプレッサ手段のオーバーヒートを回避するように、補助コンデンサおよびコンプレッサへと戻される。

Description

本出願は、2002年11月27日出願の米国出願第10/305,188号の利益を主張した一部継続出願である2003年10月10日出願の米国出願第10/682,723号(発明の名称:超低温冷却システムに用いる非HCFC混合冷媒)に基づく優先権を主張する。また、その開示は参照により本明細書に組み込まれるものとする。
本発明は、一般に、低温冷却システムのための装置に関し、より詳しくは、超低温冷却システムに用いられ、その構成要素にHCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)系冷媒を含まない非HCFC(non-HCFC)混合冷媒の設計に関する。
冷却システムにおいて、冷媒ガスはコンプレッサユニットで圧縮される。圧縮により発生する熱は、一般に、この圧縮ガスを水冷式または空冷式のコンデンサコイル(condenser coil)を通過させることによって除去される。冷却されて凝縮した冷媒ガスは、その後、急速に膨張して蒸発コイル(evaporating coil)に流入し、該冷媒ガスはこの蒸発コイルでさらに冷たくなる。このようにして、コイルおよびコイルが周囲に配置された冷却システム・ボックスの内部を冷却する。
−95(℃)から−150(℃)までの間のいわゆる超低温が、一系統の蒸気コンプレッサ(vapor compressor)を用いた冷却システムにおいて実現されている。通常、このようなシステムは、一つのコンプレッサを用いており、このコンプレッサによって−60(℃)という低温で蒸発温度に到達する冷媒を含む4つあるいは5つのクロロフルオロカーボン(CFC)からなる混合物(混合冷媒)を循環させている。
ところで、オゾン層の減少に伴う環境問題は、冷凍庫等の製造業者にとって冷却システム内におけるCFCを含む冷媒(CFC系冷媒)の使用レベルを大幅に低減させる必要性を増加させてきており、これまでもその構成要素にCFC系冷媒を含まない非CFC混合冷媒(non-CFC refrigerant mixtures)が開発されてきた。しかしながら、そのような混合冷媒のほとんどが、その熱力学的特性の相違等によって、現在使用されている冷却システムにおいて、簡単にはCFC冷媒に代替することができないことが分かっている。
また、本発明の発明者は、従来の超低温システムに非CFC冷媒を使用すると、冷却経路において冷媒の不均衡な流れを引き起こすこととなって、冷媒のコンプレッサに対する冷却性能を低下させてしまうことを確認している。このようにコンプレッサの冷却レベルが低下してしまうと、コンプレッサのオーバーヒートによってシステム(全体)の故障を引き起こしてしまうおそれがある。
さらに、HCFC系冷媒は塩素を含んでおり、CFC系冷媒と同様に、時間とともにオゾン層に影響を及ぼすことになる。このようなことから、本発明の発明者は、HCFC系冷媒を含まない非HCFC混合冷媒によって運転が可能な新規の自動カスケード(autocascade)超低温冷却システムを開発した。この非HCFC混合冷媒は、毒性がなく、化学的に安定し、市販されている(すなわち、入手が容易な)ものであり、また、標準的な冷却オイルの大部分およびコンプレッサに適合するものである。
通常、非CFC混合冷媒、すなわち、HCFC系冷媒の構成要素の一つは、オゾンを減少させる化学物質であり、規制の対象となっているものである。
しかし、本発明では、オゾンを減少させる特性を全く有していない非HCFC混合冷媒を使用する。すなわち、混合冷媒は、主として、HFC(ハイドロフルオロカーボン)および炭化水素からなるものである。
本発明の発明者は、非HCFC混合冷媒を用いる非HCFC冷媒システムでは、コンプレッサのオーバーヒートを生じさせることのないCFC冷却システムとは異なり、コンプレッサのオーバーヒートおよびその結果として起こるシステムの故障を回避するために、実質的に、コンプレッサにさらなる多くの液体を戻さなければならないことを見出した。
そして、本発明の発明者は、一つのコンプレッサを備える自動カスケード冷却システムにおいて実質的に非HCFC冷媒を用いた場合でも、コンプレッサがオーバーヒートすることを回避することを可能とした。これは、特別に設計され、第1の気液分離器の下流側に配置される毛細管(capillary tube)または膨張手段(expansion means)を備え、液体冷媒が補助コンデンサ(auxiliary condenser)に直接戻され、そして、コンプレッサに戻されるようにすることによって達成される。この特徴は、より沸点の高い冷媒を通常よりも多量に、そして急速にコンプレッサに戻すことを可能とし、その結果、コンプレッサの優れた動作条件となって、そのオーバーヒートを回避する。
このように、非HCFC系の自動カスケードシステムの全体的な性能は、CFC系の自動カスケードシステムと比べても遜色がないものであり、このことは、標準的な90(°F)環境において、プルダウン時の冷却速度およびコンプレッサの動作状態が両システムでほとんど同じであるという事実によって明らかとなっている。
本発明はまた、さらに多くの効果を提供するものであり、そのことは、以下の記載によって明らかになるであろう。
本発明は、冷媒の混合物(すなわち、混合冷媒)の構成要素に冷媒R14、R134a、R508a、R508b、R600、R600aおよびR740を使用することによって、冷却システムにCFC系冷媒やHCFC系冷媒を使用しなければならなかったという従来の課題を克服する。これらの冷媒は、所望の特性を達成するために、いわゆる「カクテル」混合物(cocktail mixture)の状態で用いられる場合もある(例えば、R14、R134a、R508aまたはR508b、R600aまたはR600、及びR740の混合物である)。
したがって、本発明の特徴は、CFC系またはHCFC系の超低温冷媒に関連するリスクを回避しつつ、必要に応じて当該分野において安全に適用し得る超低温用の非HCFC混合冷媒を提供することである。
また、本発明の他の特徴は、非HCFC混合冷媒を実質的に循環させることのできる冷却熱交換器セクション(refrigeration heat exchanger section)を提供することであり、この冷却熱交換器セクションは、コンプレッサ手段(compressor means)と、補助コンデンサ(auxiliary condenser)と、第1のコンデンサ(first condenser)と、第2のコンデンサ(second condenser)と、第3のコンデンサ(third condenser)と、過冷却(サブクール))手段(subcooler means)と、気液分離器(liquid/gas separator)とを含んで構成されており、過冷却された液体混合冷媒、すなわち、サブクール(過冷却)液を、前記気液分離器から第1、第2の膨張冷媒流(expanded stream)をそれぞれ形成する第1、第2の膨張手段へと分配する手段と、前記第1の膨張冷媒流を前記補助コンデンサおよび前記コンプレッサ手段へと戻す第1の流路手段(first conduit means)と、前記第2の膨張冷媒流を前記第1のコンデンサに供給する第2の流路手段(second conduit means)と、を備えることを特徴とする。
より具体的には、好ましくは、前記冷却熱交換器セクションは、コンプレッサ手段と、該コンプレッサ手段から流出した混合冷媒を受け取って冷却するように接続される補助コンデンサと、該補助コンデンサから流出した混合冷媒を受け取るように接続されて、過冷却された液体混合冷媒が底部に、気体混合冷媒が上側に取り込まれる第1の気液分離器と、第1、第2の膨張冷媒流をそれぞれ形成するように、前記過冷却された液体混合冷媒を第1、第2の膨張手段に分配する手段と、前記第1の膨張冷媒流を前記補助コンデンサおよび前記コンプレッサ手段に戻す第1の流路手段と、を含んで構成される。
前記熱交換回路における高圧冷媒流路は、前記気液分離器から気体混合冷媒を受け取るように接続される第1のコンデンサと、該第1のコンデンサから前記気体混合冷媒を受け取るように接続され、過冷却されて液化した液体混合冷媒が底部から取り出され、気体混合冷媒が上方から取り出される第2の気液分離器と、該第2の気液分離器の上側から取り出された気体混合冷媒を受け取るように接続される第2のコンデンサと、該第2のコンデンサから取り出される気体混合冷媒の少なくとも一部を受け取るように接続される第3のコンデンサと、該第3のコンデンサから気体混合冷媒を受け取るように接続される過冷却(サブクール)手段と、をさらに含んで構成される。
また、前記熱交換回路における低圧冷媒流路は、前記過冷却手段から前記混合冷媒を受け取るように接続され、受け取った混合冷媒を第1の冷媒流と第2の冷媒流とに分離できる分配手段と、前記第1の冷媒流を受け取るように接続され、第3の膨張冷媒流を形成する第3の膨張手段と、前記第3の膨張冷媒流を前記過冷却手段に供給する第3の流路手段と、前記第2の冷媒流を受け取るように接続され、第4の膨張冷媒流を形成する第4の膨張手段と、前記第4の膨張冷媒流を貯蔵タンクに供給する第4の流路手段と、前記第4の膨張冷媒流を前記貯蔵タンクから前記第3のコンデンサへと供給する第5の流路手段と、前記第3のコンデンサからの前記第4の膨張冷媒流が前記第2の流路手段に供給されるように、前記第3のコンデンサと前記第2のコンデンサとの間に配置される第6の流路手段と、前記第2の気液分離器から過冷却された液体混合冷媒を受け取るように接続され、第5の膨張冷媒流を形成する第6の膨張手段と、前記第5の膨張冷媒流を前記第2のコンデンサに供給する第7の流路手段と、前記第5の膨張冷媒流を前記第2のコンデンサから前記第1のコンデンサへと供給する第8の流路手段と、前記第2の膨張冷媒流を前記第1のコンデンサに供給する第2の流路手段と、前記第2の膨張冷媒流および前記第5の膨張冷媒流を前記第1のコンデンサから前記補助コンデンサへと供給する第9の流路手段と、前記第1、第2および第5の膨張冷媒流を前記補助コンデンサから前記コンプレッサへと供給する第10の流路手段と、をさらに含んで構成される。
以上では、後述の詳細な説明がより良く理解され、また、この発明の当該技術への貢献がより良く理解されるように、本発明の重要な特徴を、かなり大まかに概説してきたが、以下に記載されるように、本発明には更なる特徴があり、これらも添付の特許請求の範囲の記載(クレーム)の主題を形成することはもちろんである。
この点において、本発明の少なくとも一つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その適用において、以下の記載の説明や添付図面で示した詳細な構成や要素配置に限定されるものではないことを理解すべきである。本発明は、他の実施形態とすることができ、各種の方法により実施され又遂行され得るものである。また、本明細書で使用されている表現並びに用語は、要約書と同様、説明を目的としたものであって、それらに限定するものと解されるべきではないことを理解すべきである。
よって、当業者であれば、この開示の基礎となる技術思想が、本発明のいくつかの目的を達成するための他の構造、方法及びシステム等を設計する際の基礎として容易に利用できることが理解できるであろう。したがって、特許請求の範囲の記載(クレーム)は、本発明の精神と範囲とを逸脱しない限り等価な構成をも包含するものとみなすことが重要である。
図面を参照して説明する。図1は、シングル・コンプレッサ方式の超低温冷却システムを示している。図1に示すように、この超低温冷却システムは、冷媒を、閉回路内のコンデンサ、熱交換器セクション(heat exchanger section)および蒸発コイル(evaporator coils)を介して循環させて約−150(℃)という低温を提供する。図1に示される熱交換器セクションおよび蒸発コイルは、図2に詳細に記載されている。ただし、コンプレッサおよびコンデンサについては従来と同様であり、図2には示されていない。
空冷式または水冷式のコンデンサは、コンプレッサを冷却するとともに、混合冷媒を気体から液体へと部分的に変化させることによって該混合冷媒から熱(BTU)を取り去る。一方、気液分離器は、気体冷媒と液体冷媒とを分離し、潤滑油(すなわち、液体冷媒)をコンプレッサへと戻す。熱交換器セクションは、冷媒の熱物性を利用して冷却プロセスを達成する。蒸発コイルは、超低温の冷媒流が冷凍庫の内部から熱を吸収することを可能とし、この吸収した熱をコンデンサに供給して除去する。
例えば、この冷却システムとともに用いられる非HCFC混合冷媒は、5つの冷媒の組み合わせであり、その5つの冷媒は、容量で混合冷媒全体の約20%を占めるR134a(CFCFH)、約22%を占めるR508(R23+R116b)、約19.3%を占めるR14(CF)、約22%を占めるR600(C4F10)またはR600a(CH(CH3)3)、約16.5%を占めるR740(アルゴン、Ar)である。なお、−95(℃)での冷却を行うシステムにおいても、これに類似する熱交換構成を用いている。下記表1は、冷媒を通常(すなわち、大気圧での)の沸点(NBP:Normal Boiling Point)によって配列し、グループ化したものである。
他の可能な非HCFC混合冷媒の組み合わせは、表1から以下の通りである。
混合冷媒 1:A+C+D+E+F+G
混合冷媒 2:A+C+D+E+G
混合冷媒 3:A+C+D+F+G
混合冷媒 4:B+C+D+E+F+G
混合冷媒 5:B+C+D+E+G
混合冷媒 6:B+C+D+F+G
混合冷媒 7:A+B+D+E+F+G
混合冷媒 8:A+B+D+E+G
混合冷媒 9:A+B+D+F+G
混合冷媒10:A+B+C+D+E+F+G
混合冷媒11:A+B+C+D+E+G
混合冷媒12:A+B+C+D+F+G
ここで、G(R740)が上記非HCFC混合冷媒の全てにおいて必要とされている点に留意すべきである(表1参照)。これらの組み合わせは、−140(℃)または−150(℃)という超低温で運転する冷凍庫のためのものであるが、より現実的な混合を行うために、アルファベットA〜Gの各グループから1つの冷媒を抜くこともあり得る。
−60〜−95(℃)で運転する冷凍庫については、混合冷媒の組み合わせは、グループG(R740)を除外してもよい。各混合冷媒は、1冷媒当たり±10%程度の組成許容幅を有する。例えば、混合冷媒が5つの構成要素の混合物である場合(混合冷媒8:A+B+D+E+G等)には、各構成要素はそれぞれ容量で混合冷媒全体の約10〜30%を占めることになる。
図2は、−150(℃)用の非HCFC混合冷媒を用いた自動カスケード冷却システムの熱交換器セクションの概略図である。図2において、非HCFC混合冷媒は、図1に示されるコンデンサから引き出される液体ライン1からロウ付けプレート式熱交換器3(brazed plate heat exchanger)を介して供給され、圧力が225(psi)、温度が室温の状態において気体と液体が混じりあった二相混合冷媒を生成する。ロウ付けプレート式熱交換器3は、過熱低減器(desuperheater)および補助熱変換機(auxiliary heat exchanger)の機能を兼ね備える。熱交換器3によって生成された二相混合冷媒は、それから流路(conduit)5を介して補助コンデンサ7へと供給され、流路9を介して補助コンデンサ7から流出する。補助コンデンサ7を通過した二相混合冷媒の温度は、およそ−10(°F)になる。
例えば、温度が−10(°F)、圧力が約220(psi)にて、冷媒R600、R134aおよびR23は、過冷却液(サブクール液)となり、ほぼ垂直に取り付けられた気液分離機11の下側に溜まる(落ちる)。過冷却液となった混合冷媒は、それから分配されて、2つの毛細管(capillary tube)13、15によって膨張する。膨張した液体冷媒(膨張液体冷媒)は、毛細管13、15から流路17、21へとそれぞれ流れて、低圧冷媒のリターン流に合流する。
一方、冷媒R14およびR740は、沸点の高い微量の他の冷媒とともに、流路25を介して第1のコンデンサ23のチューブ側を流れ続ける。なお、第1のコンデンサ23を通過した後の冷媒R14およびR740の温度は、約−67(°F)である。微量のR−23は、第1のコンデンサ23を通過した後に液相へと過冷却(サブクール)されて流路35、37から気液分離器39へと流れる。液体冷媒R−23といくらかの気体は毛細管41によって膨張し、流路43、45を介して第2のコンデンサ47のチューブ側に供給される。第2のコンデンサ47を通過した後に、液体冷媒R37は、流路27において流路21からの膨張液体冷媒と混合され、第1のコンデンサ23のシェル側へと戻される。
流路35を介して第1のコンデンサ23から流出したR14およびアルゴンガス(R740)は、流路49を介して第2のコンデンサ47のシェル側へと供給され、典型的には−130(°F)の温度で、流路51を介して第2のコンデンサ47から流出する。この温度および215(psig)以上の圧力によってR14の一部が過冷却されることになり、流路53を介して毛細管55に送られる。この毛細管55において、R14は膨張し、流路57を介して供給されて第3のコンデンサ59のチューブ側を冷却する。しかしながら、R14およびR740の大部分は、第3のコンデンサ59のシェル側から流路61へと流れ、過冷却器(サブクーラー)63のチューブ側に流入する。R14およびR740のほとんどは、−220(°F)の温度で過冷却器63から流路65を介して流出する。これらの気体は、流路67、68を介して、毛細管69、70にそれぞれ分配され、そこで膨張して最終的な温度である−260(°F)を実現する。膨張したR14およびR740は、毛細管70から流路72を介して過冷却器63のシェル側に流入し、過冷却器63のチューブ側を通過する気体冷媒を冷却する。これらの気体冷媒は、その後、過冷却器63から流路74を介して流出し、流路57において、リザーバまたは貯蔵タンク76(すなわち、これは図1の蒸発コイルを構成する)に収容されていた膨張ガスおよび第3のコンデンサ59のチューブ側を通過する前に毛細管55からの膨張ガスと合流する。
第2のコンデンサ47から流路51を介して流出したR14およびR740の一部は、必要に応じて、プルダウン時や重負荷状態にあるときに、システムに過度の圧力がかかることを防止するため、流路80を介して膨張タンクセクション(図示せず)に迂回させられる。
同時に、毛細管15からの膨張した液体冷媒は、流路21から流路27へと続く流路21を経て膨らみ、第1のコンデンサ23のシェル側を流れる。第1のコンデンサ23のシェル側の液体冷媒は、その後、流路29において、流路17からの膨張した液体冷媒と合流し、補助コンデンサ7のシェル側へと送られる。流路29からの膨張した液体冷媒は、補助コンデンサ7から流路31を介して流出し、ロウ付けプレート式の熱交換器3のシェル側に沿って流れて、吸込管33を経て単一のコンプレッサ(すなわち、図1に示すコンプレッサ)に送られる。図1に示すコンプレッサは、膨張した液体冷媒を圧縮し、この圧縮した液体冷媒を図1のコンデンサに供給して図1の閉回路を完成させる。毛細管13を用いることは、液相冷媒R600およびR134aが補助コンデンサ7およびロウ付けプレート熱交換器3内で蒸発し続けることを可能にし、また、適当なリターン条件を与えてコンプレッサ(図示せず)がオーバーヒートするのを防止する。同時に、毛細管15は、第1のコンデンサ23を冷却するのに十分な量の液体を送る。冷媒R600およびR134aをコンプレッサへと戻す追加の毛細管13を用いることにより、非HCFC冷媒のいろいろな熱力学的特性を満たす。そうでなければ、コンプレッサのオーバーヒート、ひいては、冷却システムの故障を招くことを回避するために、十分な量の液体冷媒をコンプレッサに戻すことができない。
図3は、図2に示す非HCFCシステムと類似する従来のCFC系自動カスケード熱交換器セクションを示している。かかる従来のCFC系システムでは、第1のコンデンサ、第2のコンデンサおよびコンプレッサを冷却するために、気液分離器11からの冷却液が、第1のコンデンサのシェル側へと続く一つの毛細管を介して供給され、膨張するだけである点が図2に示す非HCFCシステムと相違している。図3に示すような従来のCFC系システムに非HCFC冷媒が使用されると、コンプレッサのオーバーヒートの原因となり、その結果、最終的には、システムの故障に至る。
反対に、本発明に係る非HCFC自動カスケード冷却システムにCFC系冷媒が加えられると、あまりに多くの液体を補助コンデンサに戻すことになり、このため、コンプレッサがあふれて、最終的には故障を招くこととなって、システムの熱力学的な運転が完全に崩壊する。
図4は、本発明に係る非HCFC自動カスケードシステムに関して、35〜30(℃)の環境で、冷凍庫が−150(℃)に到達する性能、すなわち、−150(℃)での冷却性能を有することを明示している。コンプレッサの吐出温度は、図5に示すように、約112(℃)の安全なレベルにある。コンプレッサの油受(oil sump)もまた、図5に示すように、約80(℃)の安全なレベルにある。このように、本発明によれば、効率的で安全な方法で、望ましい温度−150(℃)に到達することができること、すなわち、−150(℃)での冷却が可能であることが示されている。なお、−140〜−150(℃)の冷凍庫を実現するためには、混合冷媒が、R600a(22オンス)、R134a(20オンス)、R508bまたはR508a(18〜20オンス)、R14(15.7〜19.3オンス)及びR740(13.5〜16.5オンス)で構成されるのが望ましい。
また、非HCFCシステムに示されるように、コンプレッサの吸込温度は低いほど望ましいことに留意すべきである。それは、この低い温度がコンプレッサの冷却をアシストするからである。
上記説明および図面は、本発明の目的、特徴および効果を実現する好ましい実施形態を単に示しているに過ぎず、本発明がそれに制限されることを意図するものではない。特許請求の範囲に記載した発明の精神および範囲内で生じるいかなる改良も本発明の一部であると考慮される。
本発明の実施形態に係るシングル・コンプレッサ方式の冷却システムを示すブロック図である。 非HCFC混合冷媒を用いた自動カスケード冷却システムの熱交換器セクションを示す図である。 従来のCFC径冷媒を用いた自動カスケード冷却システムの熱交換器セクションを示す図である。 本発明の実施形態に係る自動カスケード冷却システムにおける混合冷媒の35〜30(℃)環境での動作時間−温度特性を表す図である。一般的なGSM端末機の音声コーデック装置の構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る自動カスケード冷却システムにおける混合冷媒の35〜30(℃)環境での動作時間−圧力/温度特性を表す図である。
符号の説明
1…液体ライン、3…ロウ付けプレート式熱交換器、7…補助コンデンサ、11,39…気液分離器、13,15,41,55,69,70…毛細管、23…第1のコンデンサ、47…第2のコンデンサ、59…第3のコンデンサ、63…過冷却器、76…貯蔵タンク

Claims (36)

  1. 約−150(℃)での低温冷却を可能とする非HCFC混合冷媒(non-hydrochlorofluorocarbon refrigerant mixture)の製造方法であって、
    非HCFC冷媒を冷媒R740に添加するステップを含んで構成される非HCFC混合冷媒の製造方法。
  2. 前記非HCFC混合冷媒が、
    冷媒R14と、
    冷媒R134aと、
    冷媒R600と冷媒R600aとからなるグループから選択された任意の一冷媒と、
    冷媒R508aと冷媒R508bとからなるグループから選択された任意の一冷媒と、
    を含んで構成される請求項1記載の非HCFC混合冷媒の製造方法。
  3. 前記冷媒R740が、容量で前記非HCFC混合冷媒の約16.5%を占める請求項2記載の非HCFC混合冷媒の製造方法。
  4. 前記冷媒R14が、容量で前記非HCFC混合冷媒の約19.3%を占める請求項3記載の非HCFC混合冷媒の製造方法。
  5. 前記冷媒134aが、容量で前記非HCFC混合冷媒の約20%を占める請求項4記載の非HCFC混合冷媒の製造方法。
  6. 冷媒R508aと冷媒R508bとからなるグループから選択された前記任意の一冷媒が、容量で前記非HCFC混合冷媒の約22%を占める請求項5記載の非HCFC混合冷媒の製造方法。
  7. 冷媒R600と冷媒R600aとからなるグループから選択された前記任意の一冷媒が、容量で前記非HCFC混合冷媒の約22%を占める請求項6記載の非HCFC混合冷媒の製造方法。
  8. 前記冷媒R740が、前記非HCFC混合冷媒のうちの約13.5〜16.5オンスである請求項2記載の非HCFC混合冷媒の製造方法。
  9. 前記冷媒R14が、前記非HCFC混合冷媒のうちの約15.7〜19.3である請求項8記載の非HCFC混合冷媒の製造方法。
  10. 前記前記冷媒134aが、前記非HCFC混合冷媒のうちの約20オンスである請求項9記載の非HCFC混合冷媒の製造方法。
  11. 冷媒R508aと冷媒R508bとからなるグループから選択された前記任意の一冷媒が、前記非HCFC混合冷媒のうちの約18〜22オンスである請求項10記載の非HCFC混合冷媒の製造方法。
  12. 冷媒R600と冷媒R600aとからなるグループから選択された前記任意の一冷媒が、前記非HCFC混合冷媒のうちの約22オンスである請求項11記載の非HCFC混合冷媒の製造方法。
  13. 約−150(℃)での低温冷却を可能とする冷却システムに使用される非HCFC混合冷媒であって、冷媒R740および少なくとも4つの非HCFC冷媒を含んで構成される非HCFC混合冷媒。
  14. 冷媒R14と、
    冷媒R134aと、
    冷媒R600と冷媒R600aとなるグループから選択された任意の一冷媒と、
    冷媒R508aと冷媒R508bとからなるグループから選択された任意の一冷媒と、
    を含んで構成される請求項13記載の非HCFC混合冷媒。
  15. 前記冷媒R740が、容量で混合冷媒全体の約16.5%を占める請求項14記載の非HCFC混合冷媒。
  16. 前記冷媒R14が、容量で混合冷媒全体の約19.3%を占める請求項15記載の非HCFC混合冷媒。
  17. 前記冷媒R134aが、容量で混合冷媒全体の約20%を占めることを特徴とする請求項16記載の非HCFC混合冷媒。
  18. 冷媒R508aと冷媒R508bとからなるグループから選択された前記任意の一冷媒が、容量で混合冷媒全体の約22%を占める請求項17記載の非HCFC混合冷媒。
  19. 冷媒R600と冷媒R600aとからなるグループから選択された前記任意の一冷媒が、容量で混合冷媒全体の約22%を占める請求項18記載の非HCFC混合冷媒。
  20. 前記冷媒R740が、混合冷媒全体のうちの約13.5〜16.5オンスである請求項14記載の非HCFC混合冷媒。
  21. 前記冷媒R14が、混合冷媒全体のうちの約15.7〜19.3である請求項20記載の非HCFC混合冷媒。
  22. 前記冷媒R134aが、混合冷媒全体のうちの約20オンスである請求項21記載の非HCFC混合冷媒。
  23. 冷媒R508aと冷媒R508bとからなるグループから選択された前記任意の一冷媒が、混合冷媒全体のうちの約18〜22オンスである請求項22記載の非HCFC混合冷媒。
  24. 冷媒R600と冷媒R600aとからなるグループから選択された前記任意の一冷媒が、混合冷媒全体のうちの約22オンスである請求項23記載の非HCFC混合冷媒。
  25. コンプレッサ手段と、
    前記コンプレッサ手段に接続される補助コンデンサと、
    前記補助コンデンサに接続される気液分離機と、
    前記気液分離器に接続される第1のコンデンサと、
    前記第1のコンデンサに接続される第2のコンデンサと、
    前記第2のコンデンサに接続される第3のコンデンサと、
    前記第3のコンデンサに接続される過冷却器と、を含んで構成され、非HCFC混合冷媒の循環に利用できる冷却熱交換器セクション(refrigeration heat exchanger section)であって、
    過冷却された非HCFC混合液体冷媒を、前記気液分離器から第1、第2の膨張冷媒流をそれぞれ形成する第1、第2の膨張手段へと分配する手段と、
    前記第1の膨張冷媒流を前記補助コンデンサおよび前記コンプレッサ手段へと戻す第1の流路手段と、
    前記第2の膨張冷媒流を前記第1のコンデンサに供給する第2の流路手段と、を備え、
    前記気液分離器がロウ付けプレート式熱交換器(blazed plate heat exchanger)であることを特徴とする冷却熱交換器セクション。
  26. 前記非HCFC混合冷媒は、
    冷媒R14と、
    冷媒R134aと、
    冷媒R740と、
    冷媒R600と冷媒R600aとからなるグループから選択された任意の一冷媒と、
    冷媒R508aと冷媒R508bとからなるグループから選択された任意の一冷媒と、
    を含んで構成される請求項25記載の冷却熱交換器セクション。
  27. 前記冷媒R740が、容量で前記非HCFC混合冷媒の約16.5%を占める請求項26記載の冷却熱交換器セクション。
  28. 前記冷媒R14が、容量で前記非HCFC混合冷媒の約19.3%を占める請求項27記載の冷却熱交換器セクション。
  29. 前記冷媒134aが、容量で前記非HCFC混合冷媒の約20%を占める請求項28記載の冷却熱交換器セクション。
  30. 冷媒R508aと冷媒R508bとからなるグループから選択された前記任意の一冷媒が、容量で前記非HCFC混合冷媒の約22%を占める請求項29記載の冷却熱交換器セクション。
  31. 冷媒R600と冷媒R600aとからなるグループから選択された前記任意の一冷媒が、容量で前記非HCFC混合冷媒の約22%を占める請求項30記載の冷却熱交換器セクション。
  32. 前記冷媒R740が、前記非HCFC混合冷媒のうちの約13.5〜16.5オンスである請求項26記載の冷却熱交換器セクション。
  33. 前記冷媒R14が、前記非HCFC混合冷媒のうちの約15.7〜19.3オンスである請求項32記載の冷却熱交換器セクション。
  34. 前記前記冷媒134aが、前記非HCFC混合冷媒のうちの約20オンスである請求項33記載の冷却熱交換器セクション。
  35. 冷媒R508aと冷媒R508bとからなるグループから選択された前記任意の一冷媒が、前記非HCFC混合冷媒のうちの約18〜22オンスである請求項34記載の冷却熱交換器セクション。
  36. 冷媒R600と冷媒R600aとからなるグループから選択された前記任意の一冷媒が、前記非HCFC混合冷媒のうちの約22オンスである冷却熱交換器セクション。
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