JP2007507913A - 信号復号方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
この発明は一般に、特にsphere decoderなどの複数の最尤硬判定器を使用することによる、信号復号のための方法、装置およびプロセッサ制御コードに関係する。チャネル上で送られたシンボルの列を含み、各シンボルが1ビット以上を含む送信信号によって提供された受信信号を復号する復号器であって、復号器は、ビットが定義された値を有するシンボルの列について最小のビット依存距離メトリックを決定し、距離メトリックが列およびチャネルの応答から決定される推定された受信信号から受信信号の距離に依存しているようにそれぞれ構成された複数の最大尤度復号器と、それぞれ最大尤度推定器に接続され、最小の距離メトリックに依存している列の各ビットについてビット尤度値を決定するように構成されたビット尤度推定器とを含む。
【選択図】図3
【選択図】図3
Description
この発明は一般に信号を復号するための方法、装置及びプロセッサ制御コードに関係し、特にsphere decoderのような複数の最尤硬判定器を採用した復号方法、装置及びプロセッサ制御コードに関係する。
信号処理の分野における一般的な問題はチャネル上で送信機から受信機への伝送に関係し、その問題は受信信号から送信信号を決定することである。受信信号は連続して送信されるシンボル間で干渉の原因となり得るチャネル・インパルス応答、またはチャネルの“メモリ”による影響を受ける。受信機における復号器または検知器は送信機において符号化された元の伝送データ及び/または元のデータを復号、もしくは検知する問題を有する。最適な復号器は全ての可能な送信シンボル(または、送信シンボルの列)の全探索を行う事後確率(a posteriori probability:APP)復号器であり、全ての可能な受信信号の集合を決定するためにそれぞれをチャネル応答によって修正し、その後で最尤な送信及び/または符号化信号として実際に受信された信号に対する最も近いユークリッド距離によって1つもしくはそれ以上の送信系列を選択する。しかしながら、そのような手段の計算量は符号器のメモリ容量、チャネル・インパルス応答長、シンボル当たりのビット数、及び考慮すべき送信シンボルの数(列の長さ)に伴い指数的に増大する。従って次善の手段が技術的にも営利的にも求められる。
APPの複雑さを低減した近似のひとつが所謂max-log近似である。広義では、この手段に従ってビット尤度値を決定することは2つの項について最大値を決定することを含み、その1つは第一の論理値、例えば+1を有するビットに対応し、他の1つは第二の論理値、例えば−1に対応する。これらの項の各々を最大にすることは、好しくはその処理手順に対して軟判定入力として働く或る事前知識(a priori knowledge)を考慮して、送信シンボルの候補列について関連の距離メトリックを最小限にすることに相当することが認識されている。発明の態様の実施例において、sphere decodingshere decodingがそのような最小メトリックの探索に用いられ得る。
増加するデータ伝送率の送信および同等に既存のデータ伝送率での周波数帯域の効率的な使用の要求がある。現在、ヨーロッパにおけるHiperlan/2および米国におけるIEEE802.11aのようなWLAN(Wireless Local Area Network)規格は、最大54メガビット/秒のデータ伝送率を提供する。複数の送信及び受信アンテナの使用はこれらのデータ伝送率を劇的に増加させる可能性を有するが、MIMOチャネルを通って受信される信号を復号することは、単一の受信アンテナがすべての送信アンテナからの信号を受信するので困難である。次に、異なったチャネル上で送信されるシンボルは非相関であるが、同様の問題は多ユーザシステムにおいて起こる。したがって、MIMOシステムのための改良された復号技術が必要である。これらの技術は無線LAN、第四世代携帯電話ネットワーク、および他の多くの型の通信システムにも潜在的に応用を有する。
ここで、特定の参照がMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)チャネル上で受信される信号を含む応用で、および時空間復号でなされるであろう。しかしながら、ここに記述される発明の実施例はマルチユーザシステムなどの関連するシステム、他の型の復号、例えば、CDMA(Code Division Multiple Access)復号にも採用される。
図1は典型的なMIMOデータ通信システム100を示す。データ源102は(情報ビットまたはシンボルを含む)データをチャネル符号器104に提供する。チャネル符号器は一般的に再帰的畳込み(recursive systematic convolutional:RSC)符号器のような畳込み符号器、またはさらに強力な所謂ターボ符号器(インタリーバを含む)を具備する。入力より出力のビット数が多く、一般的に符号化率は二分の一または三分の一である。チャネル符号器104にはチャネル・インタリーバ106、そして例では時空間符号器108が続く。時空間符号器108は複数の各送信アンテナ110から同時伝送のために複数の符号シンボルとして入来シンボル(または複数のシンボル)を符号化する。
時空間符号化は符号化マシンの表現で記述され、空間及び時間伝送ダイバシティを提供するためデータに作用する符号化行列(coding matrix)によって記述される;これは送信のための符号化シンボルを提供するために変調器に続く。空間‐周波数符号化が追加して(または代わりに)使用される。このように 、広い意味では、入来シンボルはダイバシティ増加のための空間及び時間及び/または周波数座標を有する格子(grid)の中に分配される。空間‐周波数符号化が使われる所で、個別の周波数チャネルはOFDM(直交周波数分割多重化)搬送波上に変調され、巡回指数(cyclic prefix)がチャネル分散の影響を緩和するために各送信シンボルに付加される。
符号化送信信号はMIMOチャネル112を経由して受信アンテナ114に伝播し、アンテナは複数の入力を空間‐時間(及び/または周波数)復号器116へ提供する。復号器は符号器108及びMIMOチャネル112の影響を取除くという役目(task)を持ち、sphere decoderによって実施される。復号器116の出力は複数の信号ストリームを各送信アンテナについて1つ含み、各々は特定の値を有する送信シンボルの確率に基づき所謂軟判定、または尤度データを搬送する。このデータはチャネル・インタリーバ106の結果を反転するチャネル逆インタリーバ118に提供され、そして畳込み符号を復号するビタビ(Viterbi)復号器のようなチャネル復号器120に提供される。一般的に、チャネル復号器120はSISO(soft-in soft-out)復号器であり、それはシンボル(または、ビット)尤度データを受信しており、例えば硬判定が行われたデータというより出力として同様な尤度データを提供する。チャネル復号器120の出力はある所望の方法においてデータをさらに処理するためにデータ・シンク122に提供される。
所謂ターボ復号化はチャネル復号器120からの軟判定出力がチャネル・インタリーバ124に提供されるいくつかの通信システムにおいて使用され、チャネル・インタリーバ106に対応し、それは反復空間‐時間(及び/または周波数)及びチャネル復号化のために復号器116に軟判定(尤度)データを順に提供する。(そのような配置ではチャネル復号器120は完全な送信シンボルを復号器116に提供し、それは例えば誤り検査ビットを含むことは理解されるであろう)。
ここで、我々は受信された信号から送信されたシンボルの列を推定する一般的な問題を考える。シンボルの列は例えば、多数の送信アンテナによって空間、時間に(例えば、多数の周波数チャネルまたは搬送波が採用されるところで、例えば、空間時間ブロック、または格子符号化器、及び/又は周波数で)分配される。ここに記述される技術の実施例はすべてこれらの問題に適用可能である。
例えば、ビタビ復号器のような格子ベースの復号器(最大尤度(ML)、アプローチの変形)、zero-forcingおよび最小平均二乗誤差(MMSE)推定器のような線形復号器、V- BLAST(Vertical- Bell labs LAyered Space Time) 復号器、およびブロック決定帰還等化器のような多くの知られている型の復号器がある。
sphere decoderはかなり少ない複雑さでAPP復号器に匹敵する性能を提供することができる。概してチャネル応答(および、時空間符号化器) によって変更された送信信号の候補は、可能な(雑音のない)受信信号に対応する点で格子として表される。球形復号手順は実際に受信された信号の最も近い1つまたはいくつかの格子点を見つけることを目的とする。手順は実際に受信された信号を中心とした多次元の球体領域で探索を実行する。手順は格子点が要求された探索半径(雑音レベル及び/又はチャネル状態に応じて調整される)内にあることを確認するための技術を提供する。初期の探索半径の選択は手順に含まれる複雑さ(計算の数)にかなり影響する。
この点で、sphere decoding処理手順の操作の概要を与えることは有用である。N送信シンボルの列について、N次元格子が探索され、(列の第一のシンボルに対応する)N番目次元層によって始まる。シンボルは使用される集団からこの層について選択され、受信信号からの生成格子点の距離が検査される。格子点がこの距離の中にあれば、その処理手順は列における次のシンボルに関する値を選択し、N−1次元における受信信号から生成格子点の距離を検査する。その処理手順は順に連続する各シンボルを検査し続け、全てが範囲の中にあれば、それは1つの次元における格子点に最終的に収斂する。シンボルが選ばれた半径の外にあれば、その処理手順は上の層(次元)に戻り、検査のためその層(次元)における次の可能なシンボルを選択する。このように、その処理手順は最も低い節点(nodes)がシンボルの完全な列に対応するツリーを作り、且つツリーのn番目のレベルの節点の数が関連のn番目次元の球の内部の格子点の数に対応する。
シンボルの完全な候補列が見出されるとき、受信信号からのシンボルの列から生成された格子点の距離が見出され、そしてツリーは高くなるので最大尤度解により近い列のみが識別されるように初期半径はこの距離まで減少する。ツリーが完成されたとき、受信信号に最も近い格子点を選択することによって、復号器は硬判定出力、即ち、最大尤度解を提供するために使用することができる。代りに、軟判定出力は受信信号に最も近い格子点の選択を用いて、例えば関連する尤度値として受信信号からこれらの各々の距離を使用して提供することができる。
sphere decodingに関する背景従来技術は以下に見出すことができる:
E.Agrell、T.Eriksson、A.Vardy及びK.Zeger、“Closest Point Search in Lattices”、IEEE Trans. on Information Theory第48巻、第8号、2000年8月; E.Viterbo及びJ.Boutros、“A universal lattice code decoder for fading channels”、IEEE Trans. on Information Theory、第45巻、第5号、1639〜1642頁、1999年7月; O.Damen、A.Chkeif及びJ.C.Belfiore、“Lattice code decoder for space-time codes”、IEEE Comms. Letter、第4巻、第5号、161〜163頁、2000年5月; B.M.Hochwald及びS.T.Brink、“Achieving near capacity on a multiple-antenna channel ”http://mars.bell-labs.com/cm/ms/what/papers/listsphere/ 、2002年12月;H.Vikalo及びB.Hassibi,“Low-complexity iterative detection and decoding of multi-antenna systems employing channel and space-time codes”,Conference Record of the Thirty-Sixth Asilomar Conference on Signals and Systems and Computers,第1巻、2002年11月3-6日、294-298頁;A.Wiesel, X. Mester, A. Pages及びJ.R. Fonollosa, “Efficient Implementation of Sphere Demodulation”,Proceedings of IV IEEE Signal Processing Advances in Wireless Communications, 535頁、ローマ、2003年6月15-18日;L. Brunel, J. J. Boutros,“Lattice decoding for joint detection in direct-sequence CDMA systems”、IEEE Transactions on Information Theory, 第49巻、2003年4月4日発行、1030-1037頁;米国特許出願 US2003/0076890,2002年7月26日出願、B.M. Hochwald, S. Ten Brink,“Method and apparatus for detection and decoding of signals received from a linear propagation channel”,Lucent Technologies, Inc; 米国特許出願 US2002/0114410, 2002年8月22日出願、L. Brunel,“Multiuser detection method and device in DS-CDMA mode”,Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha; H. Vikalo, “Sphere Decoding Algorithms for Digital Communications”,PhD Thesis, Standford University, 2003年;及びB.Hassibi及びH. Vikalo,“Maximum-Likelihood Decoding and Integer Least-Squares: The Expected Complexity,”in Multiantenna Channels: Capacity, Coding and Signal Processing, (editors J. Foschini 及びS.Verdu)。
E.Agrell、T.Eriksson、A.Vardy及びK.Zeger、“Closest Point Search in Lattices”、IEEE Trans. on Information Theory第48巻、第8号、2000年8月; E.Viterbo及びJ.Boutros、“A universal lattice code decoder for fading channels”、IEEE Trans. on Information Theory、第45巻、第5号、1639〜1642頁、1999年7月; O.Damen、A.Chkeif及びJ.C.Belfiore、“Lattice code decoder for space-time codes”、IEEE Comms. Letter、第4巻、第5号、161〜163頁、2000年5月; B.M.Hochwald及びS.T.Brink、“Achieving near capacity on a multiple-antenna channel ”http://mars.bell-labs.com/cm/ms/what/papers/listsphere/ 、2002年12月;H.Vikalo及びB.Hassibi,“Low-complexity iterative detection and decoding of multi-antenna systems employing channel and space-time codes”,Conference Record of the Thirty-Sixth Asilomar Conference on Signals and Systems and Computers,第1巻、2002年11月3-6日、294-298頁;A.Wiesel, X. Mester, A. Pages及びJ.R. Fonollosa, “Efficient Implementation of Sphere Demodulation”,Proceedings of IV IEEE Signal Processing Advances in Wireless Communications, 535頁、ローマ、2003年6月15-18日;L. Brunel, J. J. Boutros,“Lattice decoding for joint detection in direct-sequence CDMA systems”、IEEE Transactions on Information Theory, 第49巻、2003年4月4日発行、1030-1037頁;米国特許出願 US2003/0076890,2002年7月26日出願、B.M. Hochwald, S. Ten Brink,“Method and apparatus for detection and decoding of signals received from a linear propagation channel”,Lucent Technologies, Inc; 米国特許出願 US2002/0114410, 2002年8月22日出願、L. Brunel,“Multiuser detection method and device in DS-CDMA mode”,Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha; H. Vikalo, “Sphere Decoding Algorithms for Digital Communications”,PhD Thesis, Standford University, 2003年;及びB.Hassibi及びH. Vikalo,“Maximum-Likelihood Decoding and Integer Least-Squares: The Expected Complexity,”in Multiantenna Channels: Capacity, Coding and Signal Processing, (editors J. Foschini 及びS.Verdu)。
本発明の第1の態様によると、チャネル上で送られるシンボルの列を含み、各前記シンボルが1ビット以上を含む送信信号によって提供された受信信号を復号する復号器であって、ビットが定義された値を有するシンボルの列について最小のビット依存距離メトリックを決定し、距離メトリックが列およびチャネルの応答から決定される推定された受信信号から受信信号の距離に依存しているようにそれぞれ構成された複数の最大尤度復号器と、それぞれ最大尤度推定器に接続され、最小の距離メトリックに依存している列の各ビットについてビット尤度値を決定するように構成されたビット尤度推定器とを含む復号器が提供される。
最大尤度復号器はハードウェア、またはソフトウェア、あるいはそれらの組み合わせで実施され、それらは例えば、ソフトウェア処理の別々の例を含む。復号器の構成はそれ自身並行な実施に適している。その上、復号器の実施例は、それぞれの可能な送信シンボルの多くの候補を決定する必要がない、事実上硬判定検出決定に基づく軟判定、尤度値出力を提供する。実施例において、あるビットのための最小距離メトリックは、ビットの2つの可能な値のそれぞれについて決定され、したがって2つの候補と考えられるその送信シンボルのみが列の各ビットのために要求される。これらは並行最大尤度復号器または単一復号器を繰り返し使うことによって決定される。より一般的に、複数の最大尤度復号器を用いることは専門家により認められており、単一のソフトウェアまたはハードウェアが適切な最小の距離メトリックを決定するために繰り返して使用される。
距離メトリックは、望ましくは、推定されるべき列のビットおよび/またはシンボルの尤度に関連する任意に利用可能な事前知識を考慮に入れる。
好ましい実施例において、最大尤度検知器の1つは、最大尤度距離メトリック、特にシンボルの完全で、最大尤度列の各ビットについて(共通)の距離メトリックを決定するように構成される。そして、1つのさらなる最大尤度検知器が、関連ビットについて最小距離メトリックを決定するために、シンボルの列の各ビットについて提供され、これらの最大尤度復号器の各々はシンボルの最大尤度列におけるその値と異なったビットの値について距離メトリックを決定する。望ましくは、シンボルの最大尤度列は、シンボルの列に関連する事前データ、特に列の各ビットの事前確率値を考慮に入れ、従って前述したように軟判定入力を容易にするように決定される。
好ましい実施例において、最大尤度検知器の1つは、最大尤度距離メトリック、特にシンボルの完全で、最大尤度列の各ビットについて(共通)の距離メトリックを決定するように構成される。そして、1つのさらなる最大尤度検知器が、関連ビットについて最小距離メトリックを決定するために、シンボルの列の各ビットについて提供され、これらの最大尤度復号器の各々はシンボルの最大尤度列におけるその値と異なったビットの値について距離メトリックを決定する。望ましくは、シンボルの最大尤度列は、シンボルの列に関連する事前データ、特に列の各ビットの事前確率値を考慮に入れ、従って前述したように軟判定入力を容易にするように決定される。
好ましい実施例では、最大尤度検知器または復号器はsphere decoderを含む。この場合、関連ビットのための最小距離メトリックを決定する1つ以上のsphere decoderのための初期探索半径は、シンボルの最大尤度送信列の距離メトリックに関連して決定される。例えば半径はアプリケーションによって要求される制限しているLLR(Log-Likelihood Ratio)に従って設定される。代わりに、シンボルの最大尤度送信列を決定するために探索され、最大尤度距離メトリックに対応しているシンボルの一組の候補列が決定されるところでは、それらの1つがsphere decoderの別のもののために初期球形半径を設定するために使用することができる。さらに代わりに、特定のビットのために(最小)距離メトリックを決定しているsphere decoderは、逆にされた、即ち“はじき出された” 関連する特定のビットを有するシンボルの最大尤度列によって与えられる(すなわち、ビットはその代替の論理値をそれがシンボルの最大尤度列に有する論理値に与えられている)メトリックの値に設定されたその初期半径を有する。望ましくは、シンボルの最大尤度列を決定するように構成された復号器は、少なくとも1つの格子点が常に見出されるように、無限の球形半径に初期化される。
実施例では、チャネルはMIMOチャネルを含み、復号器はMIMO復号器を含む。他の実施例では、送信列のシンボルは異なったユーザによって送信されたシンボルを含み、復号器は多ユーザ復号器または検知器を含む。また他の実施例では、復号器は周波数選択性フェージングのためのブロック等化器を含む。
関連する態様において、発明は、チャネル上で送られるシンボルの列を含み、各シンボルが1つ以上のビットを含む送信信号によって提供される受信信号を復号する方法であって、方法は列の各ビットに1つずつ割り当てられた複数の復号器を使用し、ビットに割り当てられた復号器を使用して列の各ビットについて、ビットが定義された値を有するシンボル列のための最小のビット依存距離メトリックを決定し、距離メトリックは列とチャネルの応答から決定された推定された受信信号からの受信信号の距離に依存しており、最小の距離メトリックに依存して列の各ビットのビット尤度値を決定することを含む方法を提供する。
発明はさらにこの方法を実施するように構成された復号器、およびそのような復号器を含む受信機を提供する。
発明はさらに、一組の送信シンボルを含む受信信号を復号化する軟判定イン・軟判定アウト復号器であって、送信シンボルの組のビットの尤度値のmax-log近似に従って、送信シンボルの候補の組について距離メトリックを決定するようにそれぞれ構成された複数の硬判定復号器を含み、硬判定復号器が出力段に接続され、決定された距離メトリックに応答して送信シンボルの組の各ビットのためのビット尤度値を提供することを含む復号器を提供する。
発明はさらに、一組の送信シンボルを含む受信信号を復号化する軟判定イン・軟判定アウト復号器であって、送信シンボルの組のビットの尤度値のmax-log近似に従って、送信シンボルの候補の組について距離メトリックを決定するようにそれぞれ構成された複数の硬判定復号器を含み、硬判定復号器が出力段に接続され、決定された距離メトリックに応答して送信シンボルの組の各ビットのためのビット尤度値を提供することを含む復号器を提供する。
上述された復号器および方法は、例えば、繰り返しブロック(または他の)コード復号化およびチャネル復号化を有するターボ復号器において使用されることが認識されるであろう。
上述された方法および復号器がプロセッサ制御コードを使用して実施され、及び/又はプロセッサ制御コードにおいて具体化されることが熟練者により認識されるであろう。したがって、さらなる態様では、発明は、例えばディスク、CD- ROMまたはDVD- ROM、リードオンリーメモリ(ファームウェア)のようなプログラムされたメモリなどの担体媒体、または光学的または電気的信号担体のようなデータ担体上のそのようなコードを提供する。発明の実施例はDSP (ディジタル信号プロセッサ)、ASIC(特定用途向け集積回路)、またはFPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)で実行される。したがって、コードは従来のプログラムコード、またはマイクロコード、または例えばASICかFPGAを設定または制御するためのコードを含む。いくつかの実施例では、コードはVerilog(商標)またはVHDL(超高速集積回路ハードウェア記述言語) などのハードウェア記述言語のためのコードを含む。発明の実施例のためのプロセッサ制御コードは、通信における複数の接続された構成要素間で互いに分配されてもよいことが、熟練者によって認識されるであろう。
上述された方法および復号器がプロセッサ制御コードを使用して実施され、及び/又はプロセッサ制御コードにおいて具体化されることが熟練者により認識されるであろう。したがって、さらなる態様では、発明は、例えばディスク、CD- ROMまたはDVD- ROM、リードオンリーメモリ(ファームウェア)のようなプログラムされたメモリなどの担体媒体、または光学的または電気的信号担体のようなデータ担体上のそのようなコードを提供する。発明の実施例はDSP (ディジタル信号プロセッサ)、ASIC(特定用途向け集積回路)、またはFPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)で実行される。したがって、コードは従来のプログラムコード、またはマイクロコード、または例えばASICかFPGAを設定または制御するためのコードを含む。いくつかの実施例では、コードはVerilog(商標)またはVHDL(超高速集積回路ハードウェア記述言語) などのハードウェア記述言語のためのコードを含む。発明の実施例のためのプロセッサ制御コードは、通信における複数の接続された構成要素間で互いに分配されてもよいことが、熟練者によって認識されるであろう。
発明のこれら及び他の態様は付随の図面を参照して例についてのみここでさらに記述される。
例えば、nT送信及びnR受信アンテナを有する、nTの送信信号及びnRの受信信号による空間‐時間伝送方式を考察する。時間kの瞬間における1×nRの受信信号は:
全ての線型空間‐時間ブロック符号化伝送方式は式1の形式で書くことができる。例えば、BLAST(G.J.Foschini、“Layered space-time architecture for wireless communication in a fading environment when using multi-element antennas”、Bell Labs. Tech. J.、第1巻、第2号、41〜59頁、1996年)は階層化構造の信号を送信するために送信アンテナを使用し、従ってnTは送信アンテナの数を表し、nRは受信アンテナの数を表し、
ここに、我々は各ビットxj nについて式10のmax-log近似を評価する有効な方法を記述する:
i)格子表現への多入力多出力(MIMO)チャネルの変換。
ii)硬判定検知の場合には受信信号に最も近い格子点を探索し、そして軟判定検知の場合には受信信号の周囲の格子点の集合を探索する探索処理手順。軟判定入力が利用可能なところでは、送信信号または符号語の推定確率を提供すると、これは探索を補助するために利用することができる(また、例えば、H.Vikalo及びB.Hassibi,“Low-Complexity Iterative Detection and Decoding of Multi-Antenna Systems Employing Channel and Space-Time Codes”,C0nference Record of the Thirty-Sixth Asilomer Conference on Signals, Systems and Computers,第1巻、2002年11月3〜6日、294〜298頁、及びH.Vikalo及びB.Hassibi,“Towards Closing the Capacity Gap on Multiple Antenna Channels”,ICASSP‘02、第3巻、III‐2385〜III‐2388頁、参照)。
iii)軟判定出力が必要とされるところでは、軟判定入力及び探索範囲において見つかった格子点の集合に基づいて軟判定出力を提供する。
n‐次元格子は(n−1)‐次元格子層に分解することができる。n‐次元格子の探索アルゴリズムは有限個の(n−1)‐次元探索アルゴリズムとして再帰的に記述することができる。Viterbo及びBoutros(同書)は探索の3つの異なる状態、または場合に関して探索アルゴリズムを記述した:
チャネル行列のQR分解またはコレスキー因数分解(時折、行列の平方根を取ることを意味する)から導かれる下方三角行列UTが格子のための生成行列として使用されれば、探索処理手順は単純化される。例えば、QR分解が使用されれば(例えば、G.H.Golub及びC.F.von Loan、“Matrix Computations”,ジョン・ホプキンス大学出版、1983年、参照)、下方三角行列UT(及び上方のU)はUTU=HTHにより定義される。
簡潔にsphere decoderの概念を述べてきたので、我々は今これ(および他の復号化手順)がいかにmax-log MAP(最大事後確率)準拠の復号器を提供するために適用できるかを述べる。このようにここで我々は式11における最大の{・}項を満足する2つの候補を探索することによってmax-log MAP解を提供する。従って、探索処理手順は次の最適化を満足させる2つの候補を見付けるために全てのビットxj nについて行われる:
ビットxj n=+1については
ビットxj n=+1については
図2を参照すると、これは式15のmax-log近似に従ってビット尤度値を決定するために構成されたmax-log MAP復号器200のブロック図を示す。復号器は複数の硬判定検知器もしくは復号器202a〜c、204a〜cを含み、各々はr、H、σに関する入力値及び、そこで利用可能な、LA(x)に基づき、それぞれの式13及び14に従って、特定ビットの可能な値xj nについて距離メトリックd2 n,j,+、d2 n,j,−を検知器/復号器202については+1、検知器/復号器204については−1に決定するために構成される。この実施例では、nは送信アンテナに亘っており、jは集団シンボルのビットに亘る。これらの検知器/復号器202、204の各々は式15に従って送信シンボルの列の各ビットに関するビット尤度値を決定する出力段206に距離メトリックd2 n,j,+、d2 n,j,−を提供する。尤度値は“外部の(extrinsic)”及び/または事後のビット尤度値を含む。検知器/復号器202、204は、例えばソフトウェア処理の繰返しの例として連続して実施されるか、もしくは並行して、もしくは連続及び並行処理の組合せで実施されることを当業者は理解するであろう。
雑音変化は総合的なシステム設計によって、任意の便利な方法で得られる。例えば、雑音変化はトレーニング期間中、チャネル・インパルス応答が推定されるところで得られる。トレーニング期間中、送信されたシンボル系列は既知である。推定されたチャネル・インパルス応答と共に、“雑音のない”受信信号が入手される。雑音変化は、“雑音のない”受信信号の系列を知っていて、“トレーニング期間”中受信された信号の系列の雑音統計値を評価することから推定される。
検知器/復号器202、204は硬判定出力を提供する必要のみあり、それは+1または−1である特定のビット値xj nをもつ最尤候補を確認し、及び/または最小距離メトリックd2 n,j,+、d2 n,j,−を提供する出力である。このように、図2の配置は適切な距離メトリックを提供することができる最尤硬判定器/復号器を用いていることを当業者は理解するであろう。しかしながら、好ましい実施例では、硬判定検知器/復号器202、204はひとつ以上のsphere decoderを使用して実施される。
図3はこのようにビット尤度値を決定するために構成され、且つ硬判定検知器としてsphere decoderを用いるmax-log復号器300のブロック図を示す。
図4は二段のmax-log MAPsphere decoder310の他の実施例のブロック図を示し、その中で図3のものと類似の要素は同様な参照数字によって示される。図4の復号器では、第一の段は予定のビット(第一のビット)について最小距離メトリックを決定するために構成された2つの最大尤度復号器を含み、これらの最大尤度復号器の各々は第一及び第二の論理レベルの1つを持つ予定のビット(第一のビット)について距離メトリックを決定する。ここで、短い距離メトリックに対応するシンボルの列は最大尤度送信シンボルを提供する。第二の段は互いに(次に続く)ビットについて提供される最大尤度検知器をさらに含み、これらの最大尤度復号器はシンボルの最大尤度列におけるその値と異なるビットの値について距離メトリックを決定する。最大尤度検知器のいずれか、または双方の段は並列処理を用いて実施される。
図5は図2の検知器/復号器202、204の1つ、または図3または図4の検知器/復号器の1つのような最尤硬判定器を実施するための球形復号手順に関するフローチャート400を示す。手順は従来の球形復号手順の、特にステップ402の距離メトリックの計算における変更である。利用可能な軟判定入力を考慮しない従来の手順(例えば図3の最大尤度sphere decoder302を実施するため)において、ステップ402で実行される距離メトリックの更新における最後の項が見落とされている。図5の手順において、関数L(・)はL(sn,LA(xn),σ2)=σ2xn TLA,nおよびxnがsn=map(xn)の関係から得られるsnについて、式12で与えられる距離メトリックで事前LLR項を提供する。
図5をより詳細に参照すると、格子の生成行列H(F=H−1、ここでFは三角行列であり、Hは、例えばQR分解を使って三角行列になるように前処理される)は通信システムの格子表現であり、受信信号はr(生成行列と同じ方法で探索処理手順のために前処理される)であり、LA(xn)は事前LLR値を含み、σ2は雑音変化である。
関数SortedList(en,n)はen,nからの増加する距離に従って探索される格子入力の順序付けされた集団を提供し、Mは検索される格子入力の数(集団における可能なシンボルの数)であり、ベクトルslistn ( slistはN × M行列であり、stepnが1からMまでカウントする)の長さである。その結果、順序付けすることは、すべての可能な組み合わせを記憶している索引表を使用して、例えば、c×M行列Φ(ここでc=2Mはシンボル探索組み合わせの数である)を使用して、実行される。
上述されたように、3つのケースA、B、およびCがある;概して、探索半径ρ2の外にあるとき、およびツリーの先端に戻るとき(nがNに等しいとき)に層の上に動いて(ケースC)、 すべてが試験される (slistnのすべてのシンボルがn番目の次元探索で試験されたとき、examined_allは真である)まで、望ましくはslist 順序において手順はn=Nを初期化してシンボルを試験する。
索引表を用いて探索されるシンボルを順序付けする方法は、A.Wiesel、X.Mestre、A.Pages及びJ.R.Fonollosa、“Efficient Implementation of Sphere Demodulation”、IV IEEE Signal Processing Advances in Wireless Communications,535頁、ローマ、2003年6月15〜18日、にさらに詳細に記述されており、これによって引用文献として組込まれている。
図3の復号器の動作を示すために例を考える。我々は、最大尤度推定値がxML=[-1 +1 +1 -1]および距離メトリックdML 2でsML=[-1 3]として見出されるところの、ビット{-1-1, -1+1, +1+1, +1-1}のシンボル写像に対応している、4PAM(パルス振幅変調)シンボル集団C={-3,-1,1,3}を有する2送信アンテナシステムのケースを取る。
最大尤度距離メトリックdML 2を入手した後にビットに関する球形復号の速度を上げるために、ビットに関する球形復号の初期探索半径が予め決定されることができる。我々はこれからこれを達成するためのいくつかの方法を説明する。
ビットに関するsphere decoderの球形半径の別の代替アプローチは、検出された変化、即ち“はじき出された” ビットの符号を有する最大尤度ビット系列の距離メトリックに設定されることであり、それは以下の式17を使用している:
図6は上述の処理手順の実施例を実施するために構成された復号器を組込んだ受信機500を示す。
受信機500はひとつ以上の受信アンテナ502a、b(例示の実施例にはその2つが示されている)を含み、各々はそれぞれのRFフロントエンド(高周波前置部)504a、bに接続され、そこからそれぞれのアナログ・ディジタル変換器506a、b及びディジタル信号プロセッサ(DSP)に接続されている。DSP508は一般的にひとつ以上のプロセッサ508a及び作業用メモリ508bを含む。DSP508はデータ出力510、及びDSPをフラッシュRAMまたはROMといった永久的プログラム・メモリ514に接続するアドレス、データ及び制御バス512を持っている。永久的プログラム・メモリ514はDSP508のためにコード及び随意的にデータ構造或いはデータ構造定義を記憶する。
受信機500はひとつ以上の受信アンテナ502a、b(例示の実施例にはその2つが示されている)を含み、各々はそれぞれのRFフロントエンド(高周波前置部)504a、bに接続され、そこからそれぞれのアナログ・ディジタル変換器506a、b及びディジタル信号プロセッサ(DSP)に接続されている。DSP508は一般的にひとつ以上のプロセッサ508a及び作業用メモリ508bを含む。DSP508はデータ出力510、及びDSPをフラッシュRAMまたはROMといった永久的プログラム・メモリ514に接続するアドレス、データ及び制御バス512を持っている。永久的プログラム・メモリ514はDSP508のためにコード及び随意的にデータ構造或いはデータ構造定義を記憶する。
例示されたように、プログラム・メモリ514は、MLシンボル列復号器コード(例えば、行列チャネル推定値、およびツリー形成/探索コードから格子を生成するためのコードを含むsphere decoder)、復調器コード、ビットに関する復号器コードおよびmax-logMAP計算コードを含むmax-logMAP復号器コード514aを含む。このコードは、DSP508上で作動しているとき、上述のように対応する機能を実行する。プログラム・メモリ514はまた、MIMOチャネル推定値H、及び、随意的に、逆インタリーバコード514c、インタリーバコード514d、チャネル復号器コード514eを提供するMIMOチャネル推定コード514bを含む。逆インタリーバコード、インタリーバコード、及びチャネル復号器コードの実装は当業者には周知である。随意的に、永久的プログラム・メモリ514内のコードは光学もしくは電気信号担体または、図6に例示されたように、フロッピ・ディスク516といった担体上で提供される。
DSP508からのデータ出力510は要望どおりさらに受信機500(図6には示されてない)のデータ処理要素に提供される。これらは高レベルのプロトコルを実施するためのベースバンド・データ・プロセッサである。
受信機の前置部(front-end)は一般にハードウェアに実装され、一方、ひとつ以上のASIC及び/またはFPGAもまた使用されるが、受信機処理は少なくとも部分的にソフトウェアに実装される。受信機の全ての機能はハードウェアにおいて行うことができること、及び信号がソフトウェア無線機においてディジタル化される厳密な採点基準は一般に費用/複雑さ/電力消費の取捨選択によって決まることを当業者は認識するであろう。
受信機の前置部(front-end)は一般にハードウェアに実装され、一方、ひとつ以上のASIC及び/またはFPGAもまた使用されるが、受信機処理は少なくとも部分的にソフトウェアに実装される。受信機の全ての機能はハードウェアにおいて行うことができること、及び信号がソフトウェア無線機においてディジタル化される厳密な採点基準は一般に費用/複雑さ/電力消費の取捨選択によって決まることを当業者は認識するであろう。
他の実施例では、復号器は、例えば軟判定・イン/軟判定・アウト時空間復号器を実装する信号処理モジュールとして提供される。
図 7は、ブロック-不変非相関レイリーフェージングチャネル上で、100と25の最大LLRの大きさを有する上述されたmax-log MAPsphere decoderの実施で、すべての候補の徹底的な評価に基づいた従来のmax-log MAP復号器の性能を比較している、1/2伝送率(5、7)oct畳込みコード化4-送信アンテナ×4-受信アンテナ16QAM(直角振幅変調)MIMOシステムについて、送信情報ビット(Eb/No) あたりの信号対雑音パワー比に対するビット誤り率(BER)を示す。図7の3つの曲線は、上述の復号器のBER性能が徹底的な探索方法のものに同等であることを示す偶然の一致である。
図 7は、ブロック-不変非相関レイリーフェージングチャネル上で、100と25の最大LLRの大きさを有する上述されたmax-log MAPsphere decoderの実施で、すべての候補の徹底的な評価に基づいた従来のmax-log MAP復号器の性能を比較している、1/2伝送率(5、7)oct畳込みコード化4-送信アンテナ×4-受信アンテナ16QAM(直角振幅変調)MIMOシステムについて、送信情報ビット(Eb/No) あたりの信号対雑音パワー比に対するビット誤り率(BER)を示す。図7の3つの曲線は、上述の復号器のBER性能が徹底的な探索方法のものに同等であることを示す偶然の一致である。
図8は、送信情報ビットごとの様々な信号対雑音パワー比(SNR)について、非相関レイリーフェージングチャネル上で、4x4 16QAMシステムのための上述されたmax-logMAPsphere decoderの実施により実行された距離メトリック計算の数の確率密度関数(PDF)を示す(曲線700、705、710、715、および720はそれぞれ0、5、10、15および20dBのSNRに関連する)。フェードはフレーム不変である。max-logMAPsphere decoderの最大LLRの大きさは100に設定された。徹底的な探索に基づくmax-logMAP復号器は164×4×2=524288の距離メトリック計算を必要とするが、上述されたmax-logMAPsphere decoderの実施はほとんど10000の距離メトリック計算を必要とした。したがって、上述されたmax-logMAPsphere decoderの実施例は50回以上の計算量減少を提供する一方で同等なBER性能を提供することができる。
図9は、25、50、および100の最大LLRの大きさについて(それぞれ曲線800、802、および804)、非相関レイリーフェージングチャネル上で、4x4 16QAMシステムのための上述されたmax-log MAP sphere decoderの実施を行う距離メトリック計算の数の確率密度関数(PDF)に示す。送信された情報ビットあたりの信号対雑音パワー比は10dBに固定された。フェードはフレーム不変である。距離メトリック計算の数は最大ログMAP sphere decoderによって利用される最大LLRの大きさとして減少されることを見ることができる。
図10は縦続チャネル符号器を持つ送信機のブロック図を示す;周波数選択的チャネルは“符号器”であると考えることができる。図10において、符号器2は従来のチャネル符号器を含み、符号器1はチャネルと組合わされたSTBC符号器である。
図11は図10の送信機と共に使用するのに適した、縦列チャネル復号器及び検知器を持つ受信機のブロック図を示す。図11において、検知器または復号器1は上述のsphere decoderを含み、復号器2は従来のチャネル復号器を含む。図12は受信機の反復または“ターボ(turbo)”復号化を用いる縦列復号器または検知器をもつ、図11は受信機の変形のブロック図を示す。図13は復号器1が2つの場合を含む受信機のブロック図を示し、それは、例えば、時空間復号器を含む。図13において、1つの復号器の出力は他の復号器に関する事前知識を提供する。このように、復号器構成要素は検知データの信頼性を向上させるために反復して有効にそれ自身と軟判定情報を交換する。受信信号は双方の復号器に提供され、随意的に(送信機のインタリーブ配置に応じて)1つの場合ではインタリーブされる。
概要において、発明の実施例は、max-log事後(MAP)検出を提供するために既存のsphere decoder手順に基づいた低複雑さ時空間復号器を提供する。発明の実施例の複雑さは実用的なケースにおいてほとんど3乗のオーダであるが、従来のmax-logMAP検知器のものは共同で検出されたビットの数に関して指数的に増加する(例えば、B.Hassibi およびH.Vikalo,“On the Expected Complexity of Sphere Decoding , Conference Record of the Thirty-Fifth Asilomar Conference on , Systems and Computers,第2巻、1051-1055頁、2001年11月4-7日参照)。その上、上述された技術は図2、3および4に示されるように送信ビットLLR 値を得るための並列処理を容易にする。
実施例では、2つの候補の可能な送信シンボルだけが、式15によって示されるようにmax-logMAP性能を得るために送信ビット単位で要求される。2つの候補がビットに関する最大尤度sphere decoderを使用して得られる。ビットに関する球形復号の球形の半径が式16で示されるようにアプリケーションによって必要とされる最大LLRの大きさによって範囲を定められる。さらに、または代わりに、最大尤度sphere decoderにより探索される各候補の距離メトリックは、ビットに関するsphere decoderの球形の半径を制限するために使用されることができる。また、最大尤度解が式17に示されるようにビットに関するsphere decoderのための初期探索半径を提供するために使用することができる。
発明の実施例は繰り返しまたは、連結された復号化のために使用することができる軟判定イン/軟判定アウトmax-logMAP復号器を提供する。事前LLR値の形における軟判定入力の使用は式13と14で示され、それは球形復号のための距離メトリックを提供するために使用される。軟判定出力は式15を使用して評価される。図3および4は軟判定入力が他のパラメタと共に探索手順でいかに使用されるかを示す。
可能な送信シンボルのリストが軟判定出力を計算するために必要でないので、手順の実施例は他の技術に比較して必要とするメモリが少ない。対照的に、既存のsphere decoderの性能は候補リストのサイズによる−候補リストのサイズが大きければ大きいほど、既存のsphere decoderの性能はより良い。しかしながら、候補リストのサイズを増加させると、また既存のsphere decoderの計算量が増加する。したがって、max-logMAP性能は、送信アンテナの増加する数に伴う指数関数の代わりに、しばしばサブ立方体の多項式計算量を提供することができる(例えばB.Hassibi 及びH.Vikalo ,“Maximum-Likelihood Decoding and Integer Least-Squares: The Expected Complexity”,in Multiantenna Channels: Capacity, Coding and Signal Processing,(Editors J.Foschini及びS.Verdu),http://www.its.caltech.edu/〜hvikalo/dimacs.ps 参照)。
発明の実施例は、MIMOと多ユーザシステム、例えば、無線のコンピュータまたは電話ネットワークを含む多くの型の通信システムにアプリケーションがある。多ユーザシステムで、例えば、生成行列または等価的なチャネル行列はユーザに関する拡散及びチャネル効果の組合せを表す(例えば、ここに引用文献として組込まれているL.Brunel,“Optimum Multiuser Detection for MC-CDMA Systems Using Sphere Decoding”,12th IEEE International Symposium on Personal, Indoor and Mobile Radio Communications,第1巻、A16〜A20頁、2001年9月30日〜10月3日、参照)。
いくつかの応用において、復号器は周波数選択性フェージングのためのブロック等化器として用いられる。ここで、式5のチャネル・モデルは以下に示すようにチャネル・メモリを考慮するように修正される:
発明の実施例はチャネル符号器が線形生成行列Gによって表されるところでチャネル復号器として適用することができる。その例は、符号語xがx=sGを通して情報ビットsから生成行列Gによって生成され、ベクトルsが情報ビットを含むところのハミング符号(Hamming code)及び線形密度パリティ検査(Linear Density Parity Check:LDPC)符号化といったブロックチャネル符号である(“Digital Communications: Fundamentals and Applications”,Bernard Sklar, Prentice Hall International Editions 1999年、0‐13‐212713‐X参照)。LDPCについて、例えば、生成行列Gは直交条件GHT=0を満たすパリティ検査行列Hから得られ、或る正当な符号語はxHT=0を満足させるであろう。ここで、情報及び符号語ブロック、s及びx、それぞれは二進数、即ち1及び0から成り、行列操作は二値領域にある。
本発明の実施例は式7に基づいて最大尤度符号語または軟判定出力を提供する。実施の例では、入力rを持ち、生成行列Gを使用するsphere decoderは受信信号rとその探索における可能な送信符号語の各々との間の距離を決定する。最小の距離を持つ符号語は最大尤度符号語である。これは二元領域{0,1}から符号のついた値{−1,+1}への情報及び符号語の変換を用い、そして算術演算が使用される。
熟練者は、上述された技術が例えば、基地局、アクセスポイント及び/又は移動体端末で使われることを認識するであろう。概して発明の実施例は、性能の損失のない安価な受信機、また同様に複雑さと費用との増加をなしにデータレートを増加することを容易にする。また、発明の実施例は潜在的に非無線システム、例えば、事実上多送信機として作動する多読取りヘッドと多データ記録層を有するディスクドライブにアプリケーションを見出す。
勿論、他の多くの効果的な選択肢が当業者には頭に浮かぶであろう。本発明が記述された実施例に限定されず、これに関して付加された請求項の意図及び範囲内にある当業者に明白な修正を包含することは理解されるであろう。
Claims (32)
- チャネル上で送られるシンボルの列を含み、各前記シンボルが1ビット以上を含む送信信号によって提供された受信信号を復号する復号器であって、
ビットが定義された値を有するシンボルの列について最小のビット依存距離メトリックを決定し、前記距離メトリックが前記列および前記チャネルの応答から決定される推定された受信信号から前記受信信号の距離に依存しているようにそれぞれ構成された複数の最大尤度復号器と、
それぞれ前記最大尤度推定器に接続され、前記最小の距離メトリックに依存している前記列の各ビットについてビット尤度値を決定するように構成されたビット尤度推定器とを含む復号器。 - 前記距離メトリックが前記列のビットについて事前確率値に応答して決定される請求項1に記載の復号器。
- 最大尤度検知器が、シンボルの前記送信列の各ビット、一対の最小のビット依存距離メトリック、前記ビットの各可能な値の1つについて決定するように構成された請求項1または2記載の復号器。
- 前記列の各ビットのために前記最大尤度復号器の少なくとも1つを含んでいる請求項1乃至3のいずれか1項に記載の復号器。
- 前記ビットの各論理的な値について1つずつ、前記列の各ビットのための2つの前記最大尤度復号器をさらに含んでいる、請求項4に記載の復号器。
- シンボルの最大尤度列の各ビットについて、共通の最大尤度距離メトリックを決定するように構成された最大尤度検知器をさらに含んでいる請求項1乃至3のいずれか1項に記載の復号器。
- シンボルの前記最大尤度列がシンボルの前記列に関連する事前データに応答して決定される請求項6に記載の復号器。
- 前記最大尤度復号器の少なくともいくつかが並行動作のために構成される請求項1乃至7のいずれか1項に記載の復号器。
- 前記最大尤度復号器がsphere decoderを含む請求項1乃至8のいずれか1項に記載の復号器。
- 前記共通の最大尤度距離メトリックに依存する前記sphere decoderの1つ以上について、初期探索半径を決定するようにさらに構成された、請求項6に従属するときの請求項9に記載の復号器。
- シンボルの前記最大尤度列について探索中に決定される1つ以上の候補距離メトリックに依存して、1つ以上の前記sphere decoderについて初期探索半径を決定するようにさらに構成された、請求項6に従属するとき請求項9に記載の復号器。
- 逆に定義された値のビットを有するシンボルの前記最大尤度列について、ビットが前記距離メトリックを決定することにより定義された値を有するシンボルの列について、ビット依存距離メトリックを最小にするように構成されたsphere decoderのための初期探索半径を決定するようにさらに構成された請求項6に従属するとき請求項9に記載の復号器。
- 前記チャネルがMIMOチャネルを含み、前記受信信号が複数の受信アンテナで受信された信号を含み、前記送信されたシンボル列が複数の送信アンテナから送信される請求項1乃至12のいずれか1項に記載の復号器。
- シンボルの前記送信列のシンボルが複数の異なるユーザによって送信され、前記受信信号が異なるユーザにより送信された前記シンボルの組み合わせを含む請求項1乃至12のいずれか1項に記載の復号器。
- チャネル上で送られるシンボルの列を含み、各前記シンボルが1つ以上のビットを含む送信信号によって提供される受信信号を復号する方法であって、方法は前記列の各ビットに1つずつ割り当てられた複数の復号器を使用し、
ビットに割り当てられた復号器を使用して前記列の各ビットについて、ビットが定義された値を有するシンボルの列のための最小のビット依存距離メトリックを決定し、前記距離メトリックは前記列と前記チャネルの応答から決定された推定された受信信号からの前記受信信号の距離に依存しており、
前記最小の距離メトリックに依存して前記列の各ビットのためにビット尤度値を決定することを含む方法。 - 前記距離メトリックが前記列のビットについて事前確率値に応答して決定される請求項15に記載の方法。
- 前記ビットの各可能な値あたり1つずつ各前記ビットについて2つの前記復号器を使用し、シンボルの前記送信された列の各ビットについて、ビットに割り当てられた2つの復号器を使用して前記ビットのそれぞれの前記可能な値あたり1つずつ、一対の最小ビット依存距離メトリックを決定する、請求項15または16に記載の方法。
- 前記決定がシンボルの最大尤度列の各ビットについて、共通の最大尤度距離メトリックを決定することを含む請求項15乃至17のいずれか1項に記載の方法。
- 前記共通の距離メトリックの決定のために少なくとも1つのさらなる復号器を使用することを含む請求項18に記載の方法。
- 前記復号器がsphere decoderを含む請求項15乃至19のいずれか1項に記載の方法。
- 少なくともいくつかの前記距離メトリックの決定が並行して実行される請求項15乃至20のいずれか1項に記載の方法。
- 実行するとき請求項15乃至21のいずれか1項の方法を実行するプロセッサ制御コード。
- 請求項22のプロセッサ制御コードを搬送する担体。
- 請求項23の担体を含む受信機または復号器。
- 一組の送信シンボルを含む受信信号を復号化する軟判定イン・軟判定アウト復号器であって、前記組の送信シンボルのビットの尤度値のmax-log近似に従って、前記送信シンボルの候補集団について距離メトリックを決定するようにそれぞれ構成された複数の硬判定復号器を含み、前記硬判定復号器が出力段に接続され、前記決定された距離メトリックに応答して前記組の送信シンボルの各ビットのためのビット尤度値を提供することを含む軟判定イン・軟判定アウト復号器。
- 前記硬判定復号器が、送信シンボルの前記組の各ビットのそれぞれの論理値について距離メトリックを決定するように構成された請求項25に記載の軟判定イン・軟判定アウト復号器。
- 前記硬判定復号器の1つが、送信シンボルの前記組の各ビットあたり1つずつ、一組の距離メトリックを決定するように構成された請求項25または26に記載の軟判定イン・軟判定アウト復号器。
- 距離メトリックの前記組が、単一の、共通の距離メトリックを含む請求項27に記載の軟判定イン・軟判定アウト復号器。
- 少なくともいくつかの前記硬判定復号器が並行して作動するように構成された請求項25乃至28のいずれか1項に記載の軟判定イン・軟判定アウト復号器。
- 前記距離メトリックが前記復号器の軟判定入力に受信された事前確率データに依存している、請求項25乃至29のいずれか1項に記載の軟判定イン・軟判定アウト復号器。
- 前記硬判定復号器がsphere decoderを含む請求項25乃至30のいずれか1項に記載の軟判定イン・軟判定アウト復号器。
- 前記硬判定復号器の1つ以上が、前記硬判定復号器の別のものからの出力に応答して決定された初期球形半径または探索範囲を使用するように構成された請求項31に記載の軟判定イン・軟判定アウト復号器。
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