JP2007507007A - 多モードピグテールを備えたファイバレンズ - Google Patents
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Abstract
ファイバレンズは、多モードファイバおよび多モードファイバの一端に配置される屈折レンズを備える。屈折レンズは、多モードファイバからのビームを回折限界スポットに集束する。一実施形態において、屈折率分布型レンズは、多モードファイバと屈折レンズとの間に挟まれる。一実施形態において、屈折率分布型レンズおよび屈折レンズの組合せにより、極度のアナモルフィックレンズ特性を可能にする。
Description
本発明は一般に、光学部品の間で光信号を結合するための光学デバイスに関する。さらに具体的に言えば、本発明は、光学部品の間で信号を結合するためのファイバレンズおよびそのファイバレンズの製造方法に関する。
光ファイバ、レーザダイオードおよび半導体光増幅器などの光学部品で光信号を結合するために、光通信において種々の手法が用いられている。1つの手法では、ピグテールファイバの一端に配置されるレンズを有するモノリシックデバイスであるファイバレンズを用いる必要がある。光は、レンズまたはピグテールファイバのいずれかを介してファイバレンズに入射またはファイバから出射することができる。異なるモードフィールドを有する光学部品の間で信号を効率的に結合するためには、ファイバレンズが、例えば、あるサイズから別のサイズへ、および/またはある形状から別の形状へモードフィールドを変換する機能を有することが望ましい。円形のモードフィールドを楕円形のモードフィールドにおよび楕円形のモードフィールドから円形のモードフィールドに変換できるファイバレンズは、アナモルフィックと呼ばれる。ファイバレンズの別の望ましい特性は、ピグテールファイバからの光を選択された作動距離で必要なサイズおよび強度を有するスポットに集束できる機能である。そのような用途の例としては、ワイドストライプ多モードレーザダイオードから光ファイバへ、高屈折率半導体または誘電体導波路から光ファイバへなどの光信号の結合が挙げられる。
広範囲の作動距離に関して小さなスポットサイズおよび必要な強度を有する集束ビームを形成することができるファイバレンズが求められている。ファイバレンズは、異なるモードフィールドおよびアスペクト比、すなわち楕円形状の光学部品間で信号の効率的な結合を可能にするために、アナモルフィックであり得る。
一態様において、本発明は、多モードファイバと、多モードファイバの一端に配置される屈折レンズと、を備え、多モードファイバからのビームを回折限界スポットに集束するファイバレンズに関する。
別の態様において、本発明は、多モードファイバと、多モードファイバの一端に配置される屈折率分布型レンズと、多モードファイバから遠い屈折率分布型レンズの一端に配置される屈折レンズと、を備え、多モードファイバからのビームを回折限界スポットに集束するファイバレンズに関する。
さらに別の態様において、本発明は、第1のファイバを所望の長さに切断するステップと、第1のファイバの先端にウェッジを形成するステップであって、ウェッジが第1のファイバの第1の平面に双曲線の漸近線によって画定される断面形状を有するものであるステップと、ウェッジの先端を丸めて、双曲線形状を形成するステップと、を有してなるファイバレンズの製造方法に関する。一実施形態において、双曲線形状の曲率半径が調整され、ビーム曲率を補償する補正率を有する近似双曲線形状を形成する。
本発明のこれらをはじめとする特徴および利点は、以下の図に関連して本発明の以下の詳細な説明において、さらに詳細に説明されている。
本発明を図面とともに例として説明するが、これらに限定するわけではない。類似の参照符号は、類似の要素を指す。
ここで、本発明は、添付図面に示されているように、いくつかの好ましい実施形態に関して詳細に説明される。以下の説明において、本発明の十分な理解を得るために、多数の具体的な詳細が記載される。しかし、本発明はこれらの特定の詳細の一部またはすべてがなくても実現されうることは当業者には明白であろう。他の事例において、公知のプロセスステップおよび/または特徴については、本発明を不必要に曖昧にすることを避けるために詳細に記載しない。本発明の特徴および利点は、図面および以下の説明を参照すれば、より十分に理解されるであろう。
本発明によれば、ファイバレンズは、多モードピグテールファイバおよび屈折レンズを備え、屈折レンズの形状は双曲線または近似双曲線のいずれかである。双曲線レンズは平行ビームすなわち平面波面を有するビームを回折限界スポットに集束し、近似双曲線レンズは非平行ビームを回折限界スポットに集束する。近似双曲線レンズは、双曲線レンズおよび球面レンズの機能を組み合わせており、球面レンズ機能を用いてビーム曲率のために生じる歪みを補償する。
本発明の一実施形態において、図1Aに示されているように、ファイバレンズ100は、多モードピグテールファイバ104の一端に配置される屈折レンズ102を備える。本発明の別の実施形態において、図1Bに示されているように、ファイバレンズ100はまた、屈折レンズ102と多モードピグテールファイバ104との間に挟まれる屈折率分布型(GRIN)レンズ106を備える。ファイバレンズ100を構成する構成要素を共に溶融してモノリシックデバイスを形成することが好ましい。屈折レンズ102の形状およびGRINレンズ106および/またはピグテールファイバ104の多モードパラメータの慎重な制御によって、ファイバレンズ100は、広帯域レーザダイオードなどの源からの出力を適合させる集束スポットを生成することができ、したがって効率的な光結合を可能にする。
GRINレンズ106は、コア108を有するGRIN多モードファイバから構成される。コア108は、クラッド110によって境界を形成してもよく、形成しなくてもよい。図面には示されていないが、GRINレンズ106には、テーパをつけてもよい。GRINレンズ106のコア108は、光軸から放射状にクラッド110に向かって減少する屈折率分布を有することが好ましい。たとえば、GRINレンズ106の屈折率分布は、放物線則または二乗則であってもよい。GRINレンズ106は、光の経路を曲げたり偏向したりする空気とレンズの境界面ではなく、レンズ媒体であることから、平面端面107、109を有する。端面107または109のいずれから見た場合も、GRINレンズ106は、円形断面形状であってもよく、対象用途に適した他の断面形状であってもよい。一実施形態において、GRINレンズ106は、1〜10の範囲のアスペクト比を有する断面形状である。図1Cは、円形断面形状であり、x軸およびy軸に沿ったGRIN半径に応じた屈折率分布の変動を伴うGRINレンズ106を示す。図1Dは、楕円断面形状であり、x軸およびy軸に沿ったGRIN半径に応じた屈折率分布の変動を伴うGRINレンズ106を示す。
図1Bに戻ると、GRINレンズ106の長さが1/4ピッチである場合には、GRINレンズ106の端面107におけるビームは、平面波面を有することになる。他方、GRINレンズ106の長さが1/4ピッチより短いかまたは長い場合には、GRINレンズ106の端面107におけるビームはそれぞれ発散または収束することになる。1/4ピッチQに関する公式は、
(1b)
であり、Lはピッチであり、n1はGRINレンズのコアの屈折率であり、n2はGRINレンズのクラッドの屈折率であり、ΔはGRINレンズのコアとクラッドとの間の屈折率差である。
であり、Lはピッチであり、n1はGRINレンズのコアの屈折率であり、n2はGRINレンズのクラッドの屈折率であり、ΔはGRINレンズのコアとクラッドとの間の屈折率差である。
GRINレンズ106は、必要な寸法および屈折率差および分布を有するGRINブランク(図示せず)から延伸されてもよい。GRINレンズのコア直径の範囲は約50〜500μmの範囲であり、外径が約60〜1,000μmの範囲であることが好ましい。相対的な屈折率差の値は、光通信システムに用いられるファイバへの融着に適合する高シリカ組成物では約0.5〜3%の範囲であることが好ましい。本発明によれば、GRINレンズ106の長さは、1/4ピッチまたは1/4ピッチに近い値にで設計されてもよく、または必要に応じて1/4ピッチとは異なることもありうる。本発明によれば、同一の屈折率分布を有する複数のGRINレンズは、同一のブランクから延伸されてもよい。ブランクの屈折率分布を変更する必要がないため、ブランク製造プロセスおよびGRINレンズ製造プロセスを簡素化してもよい。したがって、異なるモード変換用途に同一のブランクを用いることができる。異なる用途のために、ブランクを異なる外径に再延伸してもよく、結果として生じるGRINレンズを異なる長さに切断または劈開して、異なる用途の要件を満たしてもよい。この手法は、製造コストを削減する。
図1Aおよび図1Bを参照すると、屈折レンズ102はコア116を有する光ファイバから構成され、コア116はクラッド118によって包囲されても包囲されなくてもよい。理想的には、屈折レンズコア116は均一な屈折率であるが、GRINレンズ106(図1Bの場合)または多モードピグテールファイバ104(図1Aの場合)の端部に直接、屈折レンズ102を形成することがさらに好都合であると考えられ、そのような場合には屈折レンズコア116は不均一な屈折率であってもよい。屈折レンズ102は、平面の端面101および曲面103を有する。一実施形態において、ファイバレンズの少なくとも1つの平面では、曲面103は双曲線形状を有し、この双曲線形状は以下のように表すことができる。
(2a)
図1Eは、上記の式の幾何的な説明である。双曲線屈折レンズ102は、u−v座標系にある双曲線の枝であり、双曲線の枝の頂点は(a,0)でu軸上にある。双曲線の枝の焦点は(c,0)である。cは以下の式で与えられる。
図1Eは、上記の式の幾何的な説明である。双曲線屈折レンズ102は、u−v座標系にある双曲線の枝であり、双曲線の枝の頂点は(a,0)でu軸上にある。双曲線の枝の焦点は(c,0)である。cは以下の式で与えられる。
(2b)
双曲線の枝は、2つの漸近線の中に含まれ、以下の式で与えられる。
双曲線の枝は、2つの漸近線の中に含まれ、以下の式で与えられる。
bu±av=0 (2c)
漸近線の傾きは、+b/aおよび−b/aである。漸近線は原点(0,0)で交差し、頂角αを有するウェッジを形成する。頂角αは以下の式で与えられる。
漸近線の傾きは、+b/aおよび−b/aである。漸近線は原点(0,0)で交差し、頂角αを有するウェッジを形成する。頂角αは以下の式で与えられる。
α=2tan−1(b/a) (2d)
エドワーズ(Edwards)らによれば、入射球面波を平面波に正確に変換する理想的な双曲線形状の場合には、上記の式(2a)〜(2d)の項aおよびbは以下の式で与えられる。
エドワーズ(Edwards)らによれば、入射球面波を平面波に正確に変換する理想的な双曲線形状の場合には、上記の式(2a)〜(2d)の項aおよびbは以下の式で与えられる。
(3b)
式中、n1は双曲線レンズのコアの屈折率であり、n2は双曲線レンズのコアを包囲する媒体の屈折率であり、r2は双曲線レンズの先端の曲率半径である。(エドワーズ・クリストファー・A.(Edwards,Christopher A.)、プレスビー・ハーマン・M.(Presby,Herman M.)およびドラゴーネ・コラード(Dragone,Corrado)著、「Ideal Microlenses for Laser to Fiber Coupling」、『Journal of Lightwave Technology』、Vol 11,No.2,(1993):252)。この双曲線の分布によって、図1Eに示される平面(1)および(2)でモードフィールド半径が等しく、平面(2)の曲率半径は無限大である。すなわち平面(2)のビーム波面は平面である。
式中、n1は双曲線レンズのコアの屈折率であり、n2は双曲線レンズのコアを包囲する媒体の屈折率であり、r2は双曲線レンズの先端の曲率半径である。(エドワーズ・クリストファー・A.(Edwards,Christopher A.)、プレスビー・ハーマン・M.(Presby,Herman M.)およびドラゴーネ・コラード(Dragone,Corrado)著、「Ideal Microlenses for Laser to Fiber Coupling」、『Journal of Lightwave Technology』、Vol 11,No.2,(1993):252)。この双曲線の分布によって、図1Eに示される平面(1)および(2)でモードフィールド半径が等しく、平面(2)の曲率半径は無限大である。すなわち平面(2)のビーム波面は平面である。
図1Bに戻ると、上述の理想的な双曲線では、GRINレンズ106の長さが1/4ピッチである場合には、双曲線屈折レンズ102は、多モードピグテールファイバ104からのビームを回折限界スポットに集束する。GRINレンズ106の長さが1/4ピッチでない場合には、双曲線屈折レンズ102はすべての光線をスポットで等しくすることができないことから、ビームを回折限界スポットに集束することはない。本発明の別の実施形態によれば、GRINレンズ106の長さが1/4ピッチでない場合には、近似双曲線屈折レンズを用いて、回折限界スポットを形成する。近似双曲線屈折レンズでは、屈折レンズ102の曲面103は、双曲線分布ではなく、近似双曲線分布を有する。近似双曲線レンズは、双曲線レンズおよび球面レンズの機能を組合せて、残るビーム曲率を小さくする。
近似双曲線レンズ分布は、ビーム曲率を補償するために双曲線分布に対して行う必要がある光路長および物理的経路長の変化を計算することによって、かなりの精度で決定することができる。図2Aは、GRINレンズ長さが1/4ピッチまたは1/4ピッチに近い値である場合に形成される平面ビーム波面200と、GRINレンズ長さが1/4ピッチより短い場合に形成される発散ビーム波面202を示す。平面ビーム波面200の光路長に比べると、発散ビーム波面202の光路長は、光軸204から離れると小さくなる。光路長差Lopt(r)は、光軸204からの半径方向の距離に応じて、公式
Lopt(r)=R(1−cosφ) (4a)
を用いて計算することができる。式中、
φ=sin−1(r/R) (4b)
である。物理的経路長の差Lp(r)は、以下のように与えられる。
Lopt(r)=R(1−cosφ) (4a)
を用いて計算することができる。式中、
φ=sin−1(r/R) (4b)
である。物理的経路長の差Lp(r)は、以下のように与えられる。
(4c)
式中、nはレンズ材料の屈折率である。
式中、nはレンズ材料の屈折率である。
1/4ピッチより長いGRINレンズ長さ、すなわち収束ビーム波面の場合の光路長差は、上記に示したものと類似の式を用いて計算することができる。図2Bは、発散ビーム波面を回折限界スポットに集束することができる近似双曲線形状208を実現するために、双曲線形状206に対して行われる変化の概略図を示す。式(4a)〜(4c)のみが近似双曲線形状を決定する1つの可能な方法を提供することを留意すべきである。レンズ設計モデルを用いて、さらに正確な近似双曲線レンズ形状を決定することができる。
屈折レンズ102の形状は、2つの曲線、たとえば図1Fの曲線C1および図1Gの曲線C2によって画定されてもよい。曲線C1はy平面で形成され、曲線C2はx平面で形成される。曲線C1およびC2は、実質的に互いに直交しており、ファイバレンズ100の光軸またはその付近で交差することが好ましい。図1Fおよび図1Gにおいて、曲線C1およびC2は、同一の双曲線形状または近似双曲線形状および曲率半径を有し、いずれも双曲面または近似双曲面を画定する。しかし、本発明は、同一の形状および曲率半径を有する曲線C1およびC2によって画定される屈折レンズ102に限定されるわけではない。一般に、曲線C1およびC2の少なくとも1つは、双曲線形状または近似双曲線形状である必要があるが、他の曲線は、双曲線形状または近似双曲線形状、または円形または平坦な形状などの他の形状であってもよい。図1Hは、曲線C2が図1Fの曲線C1とは異なる形状および曲率半径を有する実施例を示す。曲線C1およびC2の曲率および形状の差と、これらの曲線の互いに対して実質的に直交する構成により、アナモルフィックレンズ効果を提供する。屈折レンズ102の曲線C1およびC2の曲率および形状を制御することによって、屈折レンズ102を通過する光信号モードフィールドの形状を制御してもよい。
図1Bに戻ると、多モードピグテールファイバ104は、クラッド114によって画定されるコア112を有する。一実施形態において、多モードピグテールファイバ104の特性は、GRINレンズ106の特性とは異なる。一般に、多モードピグテールファイバ104は、そのコア直径、形状および/または屈折率分布においてGRINレンズ106と異なる。GRINレンズ106に比べて、多モードピグテールファイバ104は、コア直径およびコアとクラッドとの間の相対的な屈折率差が小さくてもよい。さらに、多モードピグテールファイバ104の屈折率分布は、屈折率分布型、ステップインデックス型または他の適切な分布であってもよい。多モードピグテールファイバ104の全体的な直径は、GRINレンズ106の全体的な直径より小さくてもよく、実質的に同一であってもよい。また、多モードピグテールファイバ104は、テーパをつけてもよい。
ファイバレンズの用途の一つは、ピグテールファイバからの光を光学デバイスに、または光学デバイスからの光をピグテールファイバに結合することである。図1Iは、ファイバレンズ100がワイドストライプ多モードレーザダイオード116からピグテールファイバ104に光を結合する場合の実施例を示す。光学デバイス、たとえばレーザダイオード116と多モードピグテールファイバ104との間で結合することができるモードは複数あるため、1つの設計要件は、ファイバレンズ100の作動距離が屈折レンズ102の双曲線形状または近似双曲線形状によって決定されることである。別の設計要件は、GRINレンズ106のコア108の直径が屈折レンズ102の先端におけるモードフィールドのサイズ以上であることである。
GRINレンズ106および屈折レンズ102の組合せにより、極度のアナモルフィック、たとえば円形ビームから高度の楕円形形状または楕円形ビームから円形形状を生成することができる。放射領域が1×100μmなどの寸法を有する多モード広帯域レーザダイオードと結合する場合に、これは大きな利点である。屈折レンズ102およびGRINレンズ106の組合せはまた、組合せレンズのx方向およびy方向の焦点距離を独立に変化させることができ、ひいてはレンズのx軸およびy軸に沿って独立な拡大/縮小を可能にする。ファイバレンズ100は、ウェッジ研磨型多モードピグテールファイバに比べて、より長い作動距離を提供する。図1Iにおいて、作動距離WDは、結合効率が最大である場合のレーザダイオード116とファイバレンズ100の先端の距離である。
端部から見た場合、多モードピグテールファイバ104のコア112およびクラッド114の形状は、円形であってもよく、対象用途に適した別の形状であってもよい。たとえば、高出力ポンプ用途および他の高出力医療用途の場合には、効率的な結合を実現するために、ポンプレーザダイオードのアスペクト比を適合させるように多モードピグテールファイバ104のコア形状を設計することが好都合である。
図3A〜図3Dは、本発明の実施形態による種々の多モードピグテールファイバ断面を示す。図3Aにおいて、多モードピグテールファイバ304のコア300およびクラッド302は、矩形断面を有する。図3Bにおいて、多モードピグテールファイバ310のコア306およびクラッド308は、楕円形断面を有する。図3Cにおいて、多モードピグテールファイバ316のコア312およびクラッド314は、凸形端面を備える矩形断面を有する。図3Dにおいて、モードピグテールファイバ322のコア318およびクラッド320は、丸みを帯びた角を備えた矩形断面を有する。図3A〜図3Dに示される断面形状は、アスペクト比が大きく、高出力レーザ用途のために結合効率および結束効率が最適化される。一実施形態において、アスペクト比、すなわちコア形状の楕円率は、1〜10の範囲にある。
図3A〜図3Dのコア形状は、多モード広帯域レーザダイオード(BALD)および他の高アスペクト比のデバイスに結合するときに、大きな利点を提供する。GRINレンズ)図1Bの106)および屈折レンズ(図1Bの102)の組合せは、x方向およびy方向の焦点距離および縮小の独立した設計を可能にするため、レーザダイオードのきわめて小さな垂直寸法の像を最適化された多モードピグテールファイバのy寸法に適合するより大きな値まで拡大することが可能である。この拡大はまた、多モードピグテールファイバに当たるビームの発散角度および開口数も減少させる。したがって、多モードピグテールファイバの開口数は、レーザダイオードの垂直開口数よりはるかに小さくてもよい。たとえば、垂直方向において5〜10倍に像を拡大することができる。x方向または水平方向では、像は縮小される。したがって、たとえば、レーザダイオードからの120μmの水平ストライプを多モードピグテールファイバの100μmのコアに撮像することができる。これは、ピグテールの断面積および開口数の最適な使用をレーザダイオードの断面積および開口数に適合させることができる。プロセスおよび外部汚染物による損失に合わせられる最小のクラッド寸法はまた、ピグテールの断面積の使用も最適化する。
図3A〜図3Dに示されているような断面を有する多モードピグテールファイバは、個別のファイバレンズの結合効率に著しい影響を与えることなく効果的に結束されることができる。たとえば、図4Aは、図3Cに示される断面と類似の断面を有するピグテールファイバ400の結束を示す。比較のために、図4Bは、標準的な円形断面を有するピグテールファイバ402の結束を示す。図4Aにおけるピグテールファイバ400のコアの水平寸法は、図4Bにおけるピグテールファイバ402のコアの水平寸法と同一である。しかし、図4Aにおけるピグテールファイバ400の形状およびより小さい垂直寸法はピグテールファイバ間の無駄な空間を削減することから、図4Aにおけるピグテールファイバ400の結束効率は、図4Bにおけるピグテールファイバ402の結束効率よりよい。
図5A〜図5Cは、本発明の実施形態によるピグテールファイバの製造プロセスを示す。図5Aにおいて、プロセスは、必要な寸法および屈折率差および分布を有するコアブランク500から始まる。このコアブランク500は、外側蒸着プロセスなどの標準的なブランク製造技術を用いて製造されることができる。図5Bにおいて、コアブランク500は、必要な形状に研削し研磨することによって形成される。この実施例において、コアブランク500は、図3Cに示される断面に形成される。一般に、コアブランク500は、図3A〜図3Dに示される断面のいずれかまたは他の適切な形状に形成されうる。次に、コアブランク500は、研削ステップおよび研磨ステップ中に持ち込まれる汚染物を除去するために洗浄される。そのようなプロセスとしては、アルコールを用いた通常の洗浄が挙げられるが、酸エッチングおよび熱研磨などであってもよい。図5Cにおいて、コアブランク500は、たとえば、外側蒸着プロセスを用いて適切なクラッド層502でオーバクラッドしてもよい。クラッド層502を有するコアブランク500を今度は延伸してピグテールファイバを形成することができる。延伸作業中、ブランクの形状を維持するために、延伸温度を慎重に制御すべきである。ブランク製造プロセスにおける標準的なプロセスであることから、ステップのいくつかについては本願明細書に詳細に示さないことを留意すべきである。
プログラム可能な特徴を有するバイトラン2000(Vytran 2000)接続装置などの融着接続装置または類似の制御パラメータを有する他の熱源を用いて、ファイバレンズ100を製造することができる。別の熱源の一例は、CO2レーザである。製造には、ピグテールファイバとGRINファイバのストリッピング、洗浄および劈開並びにファイバの接続装置への装着が必要でする。劈開角は、仕様の範囲内であることが好ましい。図6Aに示されているように、ピグテールファイバ600およびGRINファイバ602は、たとえば、接続装置(図示せず)の中で整列される。図6Bにおいて、ピグテールファイバ600は、GRINファイバ602に接続される。ピグテールファイバ600およびGRINファイバ602は次に、熱研磨される。必要に応じて、接続接合部603がまっすぐであること、すなわちピグテールファイバ600およびGRINファイバ602の光軸が一致することを確実にするために、熱および張力がGRINファイバおよびピグテールファイバに適用される。このステップは、ピグテール600とGRINファイバ602との間の位置ずれを除去し、ファイバレンズの指す角度をゼロに近づけるために、重要である。図6Cにおいて、GRINファイバ602は、適切な長さにテーパをつけて切断または劈開される。図6Dにおいて、GRINファイバ602の先端でわずかに凸形状604にするために、予備溶融ステップが用いられる。凸形状により、GRINファイバ602の先端が屈折レンズに形成されるとき、水平方向において、均一な形状特性および半径特性にするのに役立ち得る。
図6Eにおいて、GRINファイバ602の先端は、研磨またはミクロ機械加工されて、所望の双曲線分布の漸近線によって画定される頂角を有するウェッジ606となる。図6Fにおいて、双曲線形状または近似双曲線形状608を含む屈折レンズ形状を得るために、ウェッジ606は次に再溶融される。再溶融ステップは、ウェッジ606を丸くする。研磨および再溶融のプロセスは、反復される。製法構築における変数としては、ピグテール600およびGRINファイバ602を保持するステージの移動、加熱するフィラメント源、フィラメントに供給される電流、加熱持続時間などが挙げられる。これらの変数を用いて、製法は、GRINファイバ602の先端形状が必要な形状に近づくように構築される。このプロセスを特徴付けるために用いられる診断法は、レンズ先端形状の幾何的な特徴付けのほか、出力の遠視野分散を含む。必要に応じて、必要な発散角度および強度分散および作動距離を実現するために、レンズ先端の再溶融もまた行われる。
GRINファイバの先端に屈折レンズを形成するのではなく、屈折レンズを個別に形成して、次に屈折レンズをGRINファイバに接着することも可能である。また、均一な屈折率を有するファイバまたはコアレスロッドをGRINファイバに接続し、次に、ファイバまたはロッドを屈折レンズに成形することも可能である。ピグテールファイバにGRINファイバを融着するのではなく、ピグテールファイバの一端を屈折レンズに成形してもよく、個別に形成された屈折レンズをピグテールファイバまたは均一な屈折率を有するファイバに接着してもよく、コアレスロッドをピグテールファイバに接続して、屈折レンズに成形してもよい。
本発明は複数の好ましい実施形態に関して説明してきたが、本発明の範囲を逸脱することなく、代替物、置換物および等価物が存在する。したがって、添付の請求の範囲は、本発明の真の精神および範囲内に包含されるそのような代替物、置換物および等価物を網羅するものと解釈するものとする。
Claims (11)
- 多モードファイバと、
前記多モードファイバの一端に配置され、前記多モードファイバからのビームを回折限界スポットに集束するための屈折レンズと、
を備えることを特徴とするファイバレンズ。 - 前記屈折レンズは、前記ファイバレンズの少なくとも第1の平面において双曲線形状または近似双曲線形状を有し、前記近似双曲線形状はビーム曲率を補償する補正率を有することを特徴とする請求項1に記載のファイバレンズ。
- 前記屈折レンズは、前記第1の平面に直交する前記ファイバレンズの第2の平面において双曲線形状または近似双曲線形状を有し、前記第2の平面における双曲線形状または近似双曲線形状の曲率半径は、前記第1の平面における双曲線形状または近似双曲線形状の曲率半径とは異なることを特徴とする請求項2に記載のファイバレンズ。
- 前記屈折レンズは、前記第1の平面に直交する前記ファイバレンズの第2の平面において双曲線形状または近似双曲線形状以外の形状を有することを特徴とする請求項2に記載のファイバレンズ。
- 前記多モードファイバは、約1〜10の範囲のアスペクト比を有する断面形状を有し、前記多モードファイバのコアは非円形断面形状であり、該非円形断面形状は、矩形、丸みを帯びた角を有する矩形、楕円形、凸形端面を備える矩形からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載のファイバレンズ。
- 前記多モードファイバの一端に配置される屈折率分布型レンズをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のファイバレンズ。
- 前記屈折レンズおよび前記屈折率分布型レンズは、アナモルフィックレンズ効果を提供することを特徴とする請求項6に記載のファイバレンズ。
- 第1のファイバを所望の長さに切断するステップと、
前記第1のファイバの先端にウェッジを形成するステップであって、前記ウェッジが前記ファイバレンズの第1の平面に双曲線の漸近線によって画定される断面形状を有するものであるステップと、
前記ウェッジの先端を丸めて、双曲線形状を形成するステップと、
を有してなることを特徴とするファイバレンズの製造方法。 - 前記第1のファイバは、多モードピグテールファイバ、コアレスロッドまたは屈折率分布型ファイバであることを特徴とする請求項8に記載の方法。
- 前記第1の平面に直交する前記ファイバレンズの第2の平面における前記ウェッジの断面形状は、双曲線の漸近線によって画定され、前記第1の平面に直交する前記ファイバレンズの第2の平面における前記ウェッジの断面形状は、前記第1の平面における前記ウェッジの断面形状とは異なることを特徴とする請求項8に記載の方法。
- 双曲線形状の曲率半径を調整して、ビーム曲率を補償する補正率を有する近似双曲線形状を形成するステップをさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
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