JP2001356224A - レンズ付き光ファイバ及びldモジュール - Google Patents

レンズ付き光ファイバ及びldモジュール

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JP2001356224A
JP2001356224A JP2000181526A JP2000181526A JP2001356224A JP 2001356224 A JP2001356224 A JP 2001356224A JP 2000181526 A JP2000181526 A JP 2000181526A JP 2000181526 A JP2000181526 A JP 2000181526A JP 2001356224 A JP2001356224 A JP 2001356224A
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lens
plane
tip
planes
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Yukio Inoguchi
幸男 井野口
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  • Optical Couplings Of Light Guides (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザダイオードなどから偏平に放射される
光を高効率で結合し、かつ反射光や戻り光による損失ロ
スを低くすることのできるレンズ付き光ファイバ及びL
D用モジュールを提供する。 【解決手段】 先端にレンズが形成された光ファイバで
あって、前記レンズは、少なくとも光ファイバ先端に向
かうにつれて漸次接近する2つの傾斜平面と、前記2つ
の傾斜平面と交差し、かつ光ファイバの光軸に直交しな
い先端平面を2つ含み、前記傾斜平面と光ファイバの光
軸に直交する仮想平面との交差角度が前記先端平面と前
記仮想平面との交差角度よりも大きいことを特徴とする
レンズ付き光ファイバ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レンズ付き光ファ
イバに関する。より詳しくは光ファイバの端部に少なく
とも4つの平面を有するレンズを形成したシングルモー
ド光ファイバであって、加工性に優れ、レーザ光源の光
を高い効率で結合できるレンズ付き光ファイバに関す
る。また本発明は、レーザダイオード(以下、「LD」
という)とレンズ付き光ファイバを含むレーザダイオー
ドモジュールにも関する。
【0002】
【従来の技術】通信用光ファイバのうち端部にレンズ
(マイクロレンズ)を直接形成した光ファイバは、LD
光源に対して低コストで光結合できるという理由から、
これまで多くの技術が提案されている。
【0003】シングルモード光ファイバにおいては、断
面が楕円形状の光を放射するLD光源と円形断面を有す
るファイバのコアとの高い結合効率を実現するため、先
端側が凡そ先鋭に形成されたいわゆる楔形レンズが有効
である。例えば、特開平8−5865号公報には、光フ
ァイバ端部にダブルウェッジ状のレンズが形成された
「光ファイバ・マイクロレンズ」が開示されている。こ
のダブルウェッジ状のレンズは、ファイバ先端に先鋭な
稜線を形成する一対の傾斜面と、これら傾斜面に傾斜方
向に連続し、かつ光軸に対して前記の傾斜面よりも緩い
角度で設けられた一対の第2の傾斜面とを備えている。
ダブルウェッジ状のレンズを形成したファイバでは偏平
状に広がるLD光源からの光を効率よく結合することを
企図している。
【0004】また、特開平8−86923号公報には、
上記ダブルウェッジ状のレンズと同様の目的から、楔形
レンズの先端が曲面に形成された「レンズ付ファイバ」
が開示されている。この楔形レンズは、光ファイバの先
端に向かうに従って漸次接近する一対の傾斜面と、これ
ら傾斜面に連続してファイバ先端に形成された半円柱状
の曲面とを備えている。これらの楔形光ファイバは、L
Dにおける楕円形状の近視野像(Near Field Pattern:
以下、「NFP」という)のうち一つの軸方向(短軸方
向)に合わせることによって、従来より高い光結合効率
を得ることができる。しかしながら、それと同時に他の
軸方向(長軸方向)にも楔形光ファイバを合わせること
は意図されていなかった。
【0005】その一方で、NFPの長軸方向に合わせる
試みもなされており、光ファイバのNFPをLDのNF
Pに合わせたタイプの光ファイバが開発されるに至って
いる。また、光学レンズを組み合わせて倍率を制御する
ことによりLDのNFPの実像と光ファイバのNFPを
合わせる試みも行われている(特願平10−21189
4号公報)。
【0006】さらに、LDのNFPの短軸と長軸の両方
向を調節する試みもなされており、光ファイバ先端の縦
横にレンズ度の異なるファイバレンズ加工が開発されて
いる。例えば、断面が楕円形のLD光との結合効率を上
げるために、精密レーザ加工制御により縦横にレンズの
異なるファイバレンズを加工すしたファイバレンズが開
発されている(特開平6−43336号公報, Applied
Optics 1990年29巻18号P2692〜2695, “Laser microma
chining of efficient fiber microlens”,H.M.Presby,
A.F.Benner, and C.A.Edwards,特開昭57−5380
号公報)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、NFP
の長軸方向に合わせる技術では、LDにおけるNFPの
アスペクト比が2倍以上になると、結合効率を85%以
上にすることは困難であるという問題があった。また、
LDのNFPの長軸方向及び短軸方向の両方向を調節す
る技術では、縦横レンズ倍率の異なるファイバレンズを
作成する場合には、数μmずつ加工しなければならない
ため、高度の加工技術が必要となり、生産コストの低減
を図ることが困難となる。このため、大量生産に不向き
であるという問題があった。
【0008】特にレンズの先端部に丸みをもたせる場
合、製造工程における検査は容易ではなく、大量生産に
なるとさらに困難性を増す。加えて、上記のNFPを合
わせるための先行技術では、反射光や戻り光によるロス
が大きくなり、LDの安定性を損なうだけでなく、ポン
プ光モジュールの場合には光増幅器(EDFAなど)の
システムの安定性を損なうという問題もあった。したが
って、光ファイバにおけるLDにおけるNFPの短軸及
び長軸のいずれか一方又は両方向に着目して、光結合効
率を高めるというこれまでの技術では、光結合効率と生
産性の向上には限界がある。このため、これまでとは異
なる視点から光結合効率と生産性とを向上させるための
新しい技術の開発がかねてから望まれていた。
【0009】かくして本発明は、上記問題点を解決する
ためになされたものであり、端部に縦横のレンズ倍率の
異なるファイバレンズが形成された光ファイバであって
も、LDなどから偏平に放射される光を高効率で結合
し、かつ反射光や戻り光による損失ロスを低くすること
のできるレンズ付き光ファイバを提供することを課題と
する。また、本発明は加工性に優れるため、高い加工精
度を有し、大量生産に好適な高性能のレンズ付き光ファ
イバ及びLD用モジュールを提供することを課題とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、これまでの
先行技術の課題となっていたNFPの調節はもちろんの
こと、これまでの先行技術ではまったく採り上げられて
いなかった非点隔差に着目して鋭意検討を進めた。その
結果、この非点隔差を是正すれば、光結合のロスが少な
い光結合効率の優れた光ファイバレンズが得られること
を見出した。そこで、本発明者はさらに鋭意検討を重ね
た結果、端部のコア部に所定の条件を満たす少なくとも
4つの平面を形成することにより、LD光源などから偏
平に放射される光を高効率で結合し、かつリターンロス
を低くすることができることを見出した。
【0011】すなわち、本発明のレンズ付き光ファイバ
は、先端にレンズが形成された光ファイバであって、前
記レンズは、少なくとも光ファイバ先端に向かうにつれ
て漸次接近する2つの傾斜平面と、前記2つの傾斜平面
と交差し、かつ光ファイバの光軸に直交しない先端平面
を2つ含み、前記傾斜平面と光ファイバの光軸に直交す
る仮想平面との交差角度が前記先端平面と前記仮想平面
との交差角度よりも大きいことを特徴とする。
【0012】本発明のレンズ付き光ファイバの好ましい
態様として、傾斜平面と光ファイバの光軸に直交する仮
想平面との交差角度が、10°〜80°である態様;先
端平面と光ファイバの光軸に直交する仮想平面との交差
角度が、1°〜30°である態様;光ファイバの先端に
形成されたレンズが、2つの傾斜平面と2つの先端平面
のほかに、さらに少なくとも1つの傾斜平面と2つの先
端平面に交わる頂部平面を有し、該頂部平面は、光ファ
イバの光軸に直交せず、かつ、光ファイバの光軸に直交
する仮想平面との交差角度が前記2つの傾斜平面と仮想
平面との交差角度よりも小さい態様;前記頂部平面と光
ファイバの光軸に直交する仮想平面との交差角度が、1
°〜15°である態様;2つの傾斜平面が交差する仮想
直線と光ファイバの光軸との距離が1μm以下である態
様;傾斜平面、先端平面及び/又は頂部平面の辺の一部
若しくは全部に角取処理を施す態様;前記傾斜平面、前
記先端平面及び前記頂部平面に無反射コーティングを有
する態様が挙げられる。
【0013】また本発明は、LD光源と、該LD光源か
ら放射される光を結合する上記レンズ付き光ファイバを
有するレーザダイオードモジュールも提供する。LD光
源から放射される光の断面が楕円形状であるとき、LD
から放射される光の楕円断面の長軸と、レンズ付き光フ
ァイバの2つの傾斜平面が交差する仮想直線との角度は
0°〜20°であることが好ましい。
【0014】
【作用】先端に向かうにつれ漸次接近する2つの傾斜平
面を有する楔型レンズは、凸レンズとして機能する。こ
のような楔形レンズでは、レンズ度が低い場合は収差が
さほど問題にならないが、レンズ度が大きくなるに従っ
て収差の問題が深刻になってくる。これは、レンズ度が
大きくなると、収差のほとんどない理想的なレンズ形状
である双曲線からかなり外れた形状になってくるためで
ある。本発明のレンズ付き光ファイバは、2つの傾斜平
面とそれに挟まれた少なくとも2つの平面(本発明では
先端平面、頂部平面)を有しているために、レンズ度が
大きなNFPの短軸についても対応することができる。
一方、NFPの長軸については、光ファイバのNFPを
LD光源のNFPとほとんど同じにすればよいことか
ら、大きなレンズ度は必要とされない。このため、本発
明のレンズ付き光ファイバでは、傾斜平面よりも傾斜が
緩やかな先端平面を構成している。
【0015】一方、従来のLDモジュールが抱えていた
非点隔差の問題も、本発明のレンズ付き光ファイバを用
いることによって解決することができる。このことを図
6を参照しながら説明する。図6(a)は、光ファイバ
端部におけるレンズ度を曲率半径で表し、当該曲率半径
と焦点距離の関係を示したものである。レンズ焦点距離
は、曲率半径が小さい場合、すなわちレンズ度が大きい
場合には直線的に変化するが、ある値付近でピークに達
し、以後、曲率半径が大きくなる(レンズ度が小さくな
る)に従って焦点距離が小さくなる。一方、図6(b)
は、曲率半径とNFPの大きさの関係を示したものであ
る。NFPの大きさは、曲率半径が大きいときはほぼ一
定であるが、曲率半径が小さくなるに従って急激に小さ
くなる。
【0016】従来の技術では、LD光源と光結合させる
ために、楕円形状のNFPの短軸方向にレンズ度を持た
せて光ファイバのNFPを小さくする一方で(図6のA
点)、NFPの長軸方向ではレンズ度を持たせない(曲
率=0;曲率半径=無限大:図6のB点)構成を採用し
ていた。しかし、このような構成では、NFPの短軸方
向と長軸方向のビームウエストの位置関係とは反対の方
向にレンズの焦点を合わせているため、光結合の効率化
を図る上で限界があった。本発明のレンズ付き光ファイ
バでは、従来のレンズにおいてレンズ度を持たせていな
かった軸方向に少なくとも2つの先端平面を形成して、
そこにレンズ度の小さなレンズを構成している(図6の
C点)。これによって、NFPの大きさをあまり変化さ
せずに焦点距離を大きくすることができ、その結果、N
FPの短軸方向と長軸方向のビームウエストの位置関係
により適合した焦点位置を達成することができるように
なった。すなわち、本発明のレンズ付き光ファイバは、
非点隔差に起因する光結合ロスを効果的に抑えることが
できるという特徴を有している。さらに、本発明のレン
ズ付き光ファイバは、先端に形成された平面が光軸に直
交しないことから、リタンロスが小さく、LD光源に対
する反射戻り光も少なくすることができるという利点も
ある。
【0017】
【発明の実施の形態】以下において、本発明のレンズ付
き光ファイバ及びLDモジュールの詳細につき図面を参
酌しながら説明する。
【0018】図1は、本発明のレンズ付き光ファイバの
端部における基本的な形状を拡大して示す斜視図であ
り、図2は図1のレンズ付き光ファイバ端部をA、B及
びC方向から各々見た場合の形状を拡大して示す図であ
る。図1におけるレンズ付き光ファイバは、その端部に
楔形のレンズ1が形成されたシングルモード光ファイバ
であって、本発明の最も単純な実施態様を示すものであ
る。レンズ1は、コア部4とクラッド部5とからなり、
光ファイバ先端に向かうにつれて漸次接近する2つの傾
斜平面2a,2bと、該2つの傾斜平面に交差する2つ
の傾斜平面3a,3bとで構成されている。
【0019】傾斜平面2a,2bは、コア部4とクラッ
ド部5とからなるレンズ1において、該レンズ1外周か
ら光ファイバの光軸zに向けて所定の傾斜角度をもって
研削したときに形成される平面であり、通常、傾斜平面
2aと傾斜平面2bとが対向するように形成される。
【0020】傾斜平面2a,2bは、光ファイバに所望
のレンズ度を持たせるため、光軸zに直交する仮想平面
に対して傾斜させる。傾斜平面2a,2bと光軸zに直
交する仮想平面との交差角度は、結合すべきLD光源の
大きさと先端面3a,3bの寸法に応じて適宜設定する
ことができる。また、先端面3a,3bの傾きと組み合
わせて戻り光による問題が小さくなるように設定するこ
とが望ましい。
【0021】傾斜平面2a,2bと光軸に直交する仮想
平面との交差角度は、10〜80°であることが好まし
く、30〜60°であることがより好ましく、40〜5
0°であることが特に好ましい。なお、図1及び図2に
示す実施態様では、傾斜平面2aと光軸zに直交する仮
想平面との交差角度は、傾斜平面2bと光軸zに直交す
る仮想平面との交差角度と等しくしてあるが、これらの
角度は必ずしも等しくなくてもよい。
【0022】本発明のレンズ付き光ファイバでは、光結
合の効率を高くするために、2つの傾斜平面2a,2b
が交わる仮想交線と光軸zとの距離(軸ずれ)が小さい
ことが好ましい。仮想交線と光軸zとの距離は、1μm
以下であるのが好ましく、0.5μm以下であるのがよ
り好ましく、0.3μm以下であるのがさらにより好ま
しく、仮想交線と光軸zとが交差することが最も好まし
い。
【0023】本発明のレンズ付き光ファイバの先端平面
3aは、2つの傾斜平面2a,2bに交わるように研削
して形成される平面である。また、先端平面3bも、2
つの傾斜平面2a,2bに交わるように研削して形成さ
れる平面である。これらの先端平面3aと先端平面3b
は、互いに対向するように形成される。なお、本発明の
レンズ付き光ファイバが、シングルモードの光ファイバ
である場合は、先端面3a,3bはコア部4断面の少な
くとも一部を含むものでなければならない。
【0024】本発明のレンズ付き光ファイバは、先端平
面3a,3bが光軸zに直交しないことを特徴としてい
る。このような構成とすることにより、戻り光の問題に
対処でき、しかもLD光源の安定性を保持することが可
能となる。すなわち、レンズ付き光ファイバをLD光源
に向かって進む光が、光ファイバの先端で反射しても、
先端面が傾斜していれば反射光がそのまま光ファイバ内
を戻ることはない。このため、例えばファイバーアンプ
の励起光源に向かって進む信号光は、光ファイバの先端
で反射してアンプに戻るという現象が少なくなる。した
がって、本発明のレンズ付き光ファイバによれば、ノイ
ズの原因となる戻り光を大幅に減らし、ファイバーアン
プなどのシステムの安定動作を確保することが可能にな
る。
【0025】また、本発明のレンズ付き光ファイバを用
いれば、戻り光を大幅に減少できるため、通常LD光源
の安定性を保つ目的で行われる光ファイバ先端のレンズ
の無反射コーティング(ARコート)を省略することも
可能となる。このため製造工程が簡略化され、製造コス
トも抑えることができる。但し、本発明のレンズ付き光
ファイバにおいても、無反射コーティングを施して、よ
り確実に反射光による問題を解消してもよい。
【0026】先端平面3a,3bと光軸zに直交する仮
想平面との交差角度は、上記のLD光源から発せられた
レーザ光の先端面での反射の低減や、光ファイバ内での
戻り光の低減の作用を効果的に発揮し得る様に設定する
のが好ましい。
【0027】上記レーザ反射光低減のためには、先端平
面3a,3bと光軸zに垂直な仮想平面との交差角度は
1°以上が好ましく、6°以上がより好ましく、7°以
上がさらに好ましく、8°以上が最も好ましい。1°以
上であれば、少なくとも光ファイバ端レーザ出力120
mW程度までは電流−光出力特性の線形性が保たれ、問
題なく使用できる。また、レーザ反射戻り光も−50d
B以下を実現できるため、好ましい。このような関係を
考慮して、先端平面3a,3bと光軸zに垂直な仮想平
面との角度を適宜調節して、光ファイバ内での戻り光を
低減させることが好ましい。その一方で、先端平面3
a,3bと光軸zに垂直な仮想平面との角度が大きすぎ
ると、結合効率が悪化し、光出力が低下するおそれがあ
る。このため、角度は30°以下が好ましく、12°以
下がより好ましく、11°以下がさらに好ましく、10
°以下が最も好ましい。
【0028】本発明のレンズ付き光ファイバは、レンズ
1端部において2つの傾斜平面2a,2bと2つの先端
平面3a,3bを有するが、これらの平面のほかに、さ
らに別の平面を形成することもできる。この平面の数に
ついては、特に限定されるものではく、結合すべきLD
光源と戻り光などを考慮して適宜選択することができ
る。
【0029】図3は、本発明のレンズ付き光ファイバの
端部における別の態様を拡大して示す斜視図である。図
4は図3のレンズ付き光ファイバ端部を、D、E及びF
方向から各々見た場合の形状を拡大して示す図である。
【0030】図3に示す実施態様では、2つの傾斜平面
2a,2bと2つの先端平面3a,3bの他に、さらに
レンズ1端部に2つの頂部平面6a,6bを有し、頂部
平面6aと頂部平面6bとの交線が光軸z対して直交す
るように配置されている。頂部平面6aは、傾斜平面2
aと先端平面3a,3bの3面と交差し、また平面6b
は、傾斜平面2bと先端平面3a,3bの3面とそれぞ
れ交差する。
【0031】頂部平面6a,6bと光軸zと直交する仮
想平面との交差角度は、傾斜平面2a,2bと光軸zと
直交する仮想平面との交差角度よりも小さい。頂部平面
6a,6bと光軸zと直交する仮想平面との交差角度
は、LD光源に対する結合効率を考慮すれば1°〜15
°が好ましく、6°〜12°がより好ましく、8°〜1
0°がさらに好ましい。
【0032】また、頂部平面6は、図5のA及びBに示
すようにレンズ先端に1面のみで構成されていてもよ
い。この場合、頂部平面6は、2つの傾斜平面2a,2
bと2つの先端平面3a,3bと交わり、傾斜平面のい
ずれか一方側に傾斜するように形成される。また、頂部
平面6と光軸zと直交する仮想平面との交差角度は、前
記同様、傾斜平面2a又は2bの交差角度よりも小さく
なるように形成される。
【0033】図1〜4に示される実施態様では、傾斜平
面2a,2b、先端平面3a,3b及び頂部平面6は、
いずれも平面と平面の間の辺は直線状であるが、レーザ
ー光との結合効率を高めるため、これらの辺の一部又は
全部の角を取る処理(角処理)を施してもよい。特に、
先端平面3a,3b及び頂部平面6は、反射光や戻り光
の効果を減衰させない範囲で角取処理を施すのが好まし
い。各平面の角取処理の方法は、通常の研磨工程におけ
る研磨方法で行うことができる。例えば、パブ研磨、ベ
ルト研磨、バレル研磨、化学研磨、電解研磨、液体ホー
ニングなどを用いることができる。
【0034】本発明のレンズ付き光ファイバの製造方法
は特に制限されない。いずれの方法により製造されたレ
ンズ付き光ファイバであっても、特許請求の範囲に記載
される条件を満たすものである限り本発明の範囲内に包
含される。本発明のレンズ付き光ファイバの好ましい製
造方法について、以下に説明する。
【0035】まず、光ファイバを劈開して、好ましくは
光軸に対して垂直な平面を形成する。その後、ホルダー
で固定した光ファイバ端部を砥石(グラインダー)の表
面に当接させて研削することにより、レンズ1を作製す
る。
【0036】図1の態様について具体的に説明すると、
2つの傾斜平面2a,2bは、砥粒面に対して左右それ
ぞれに所定の角度傾斜させて研削することによって形成
する。この際、2つの傾斜平面2a,2bの交線からな
る稜線が光軸からずれないように注意しながら研削す
る。先端平面3a,3bを研磨する場合は、砥粒面に対
し光ファイバ端部を適当な方向に一定角度傾斜させて、
砥粒面に押し当てコア部中心における幅を確認しつつ研
削する。このとき、先端平面3a,3bの傾斜度に対す
る許容誤差を比較的大きく設定することができるため、
加工に困難は伴わない。また、平面の角取処理を行う場
合には、光ファイバ端部と砥石等を相対的に回動させつ
つ研削するなどの手段を用いることができる。なお、傾
斜平面2a,2b、先端平面3a,3b及び平面6の加
工方法としては、放電加工などの適宜の方法を採用し得
る。
【0037】図1のように先端平面が傾斜した楔形レン
ズ1は、最初に基準となる中心線を設定する2回の芯出
し操作と、4つの平面加工のみによって作製できるの
で、低コストで容易に高い加工精度を出すことができ
る。また、上記の製造方法によれば、最初の芯出し加工
によって、傾斜平面2a,2bが交わる交線となるべき
直線を画定することができるため、交線と光軸zとの間
の軸ずれを簡単に0.3μm以下の好ましい範囲内にす
ることができる。このため、高い歩留まりで高結合効率
を有するレンズ付き光ファイバを容易に製造することが
できる。
【0038】本発明のレンズ付き光ファイバの好ましい
具体例としては、例えば 図1及び図2に示すレンズ付
き光ファイバを作製する場合が挙げられる。先端平面3
aと先端平面3bのファイバ中心における稜線の幅を1
〜5μm、光軸zと直交する仮想平面に対する交差角度
を傾斜平面2a,2bについてそれぞれ45°、先端平
面3a,3bについてそれぞれ3°、モードフィールド
パターンを直径約6.6μmの円形として作製すると、
反射光や戻り光によるロスが少なく、光結合効率の良好
な光ファイバが得られる。なお、上記レーザ光源と上記
ファイバとを適当な倍率のレンズ系を通して結合させて
も同様な結果が得られる。
【0039】本発明のレンズ付き光ファイバは、LD光
源と組み合わせてLDモジュールにすることができる。
このとき、光結合効率を高めるためには、LD光源から
放射される光の楕円断面の長軸とレンズ付き光ファイバ
の2つの傾斜平面が交差する仮想直線との角度は0°〜
20°であることが好ましく、0°〜10°であること
がより好ましく、0°〜5°であることが特に好まし
い。このように設置することによって、非点隔差を最小
限にしつつ、反射光や戻り光を制御でき、しかも高性能
なLDモジュールを提供することが可能となる。
【0040】本発明のLDモジュールの製造方法は特に
限定されない。いずれの方法により製造されたLDモジ
ュールであっても特許請求の範囲に記載される条件を満
たすものである限り本発明の範囲内に包含される。
【0041】
【発明の効果】本発明のレンズ付き光ファイバは、光軸
に対し先端平面を傾斜させているので、光源に対する反
射光や戻り光による問題を大幅に軽減することができ
る。また、本発明のレンズ付き光ファイバは、LDにお
けるNFPの短軸及び長軸の両方向に合わせることがで
きると共に、非点隔差に起因する光結合ロスを効果的に
抑えることができる。さらに、本発明のレンズ付き光フ
ァイバは加工性に優れ、高精度で加工することができる
ため、LD光源の光に対する高い結合効率を確保するこ
とができる。また、本発明のレンズ付きファイバを用い
たモジュールであれば、高性能なLD用モジュールを提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のレンズ付き光ファイバの一実施態様
を示す斜視図である。
【図2】 図1のレンズ付き光ファイバをA、B及びC
方向から見た図である。
【図3】 本発明のレンズ付き光ファイバの別の実施態
様を示す説明図である。
【図4】 図3のレンズ付き光ファイバをD、E及びF
方向から見た図である。
【図5】 本発明のレンズ付き光ファイバのさらに別の
実施態様を示す説明図である。
【図6】 レンズの曲率半径と焦点距離、NFPの大き
さとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1: レンズ 2a: 傾斜平面 2b: 傾斜平面 3a: 先端平面 3b: 先端平面 4: コア部 5: クラッド部 6: 頂部平面 6a: 頂部平面 6b: 頂部平面 z: 光軸

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端にレンズが形成された光ファイバで
    あって、前記レンズは、少なくとも光ファイバ先端に向
    かうにつれて漸次接近する2つの傾斜平面と、前記2つ
    の傾斜平面と交差し、かつ光ファイバの光軸に直交しな
    い先端平面を2つ含み、前記傾斜平面と光ファイバの光
    軸に直交する仮想平面との交差角度が前記先端平面と前
    記仮想平面との交差角度よりも大きいことを特徴とする
    レンズ付き光ファイバ。
  2. 【請求項2】 前記傾斜平面と光ファイバの光軸に直交
    する仮想平面との交差角度が、10°〜80°であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のレンズ付き光ファイ
    バ。
  3. 【請求項3】 前記先端平面と光ファイバの光軸に直交
    する仮想平面との交差角度が、1°〜30°であること
    を特徴とする請求項1又は2に記載のレンズ付き光ファ
    イバ。
  4. 【請求項4】 前記光ファイバの先端に形成されたレン
    ズが、前記2つの傾斜平面と前記2つの先端平面のほか
    に、少なくとも1つの傾斜平面と前記2つの先端平面に
    交わる頂部平面をさらに有し、該頂部平面は、光ファイ
    バの光軸に直交せず、かつ、光ファイバの光軸に直交す
    る仮想平面との交差角度が前記2つの傾斜平面と前記仮
    想平面との交差角度よりも小さいことを特徴とする請求
    項1〜3のいずれかに記載のレンズ付き光ファイバ。
  5. 【請求項5】 前記頂部平面と光ファイバの光軸に直交
    する仮想平面との交差角度が、1°〜15°であること
    を特徴とする請求項4に記載のレンズ付き光ファイバ。
  6. 【請求項6】 2つの傾斜平面が交差する仮想直線と光
    ファイバの光軸との距離が1μm以下であることを特徴
    とする請求項1〜5のいずれかに記載のレンズ付き光フ
    ァイバ。
  7. 【請求項7】 前記傾斜平面、前記先端平面及び/又は
    前記頂部平面の辺の一部若しくは全部に角取処理を施し
    たことを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載のレ
    ンズ付き光ファイバ。
  8. 【請求項8】 前記傾斜平面、前記先端平面及び/又は
    前記頂部平面に無反射コーティングを有することを特徴
    とする請求項4〜7のいずかに記載のレンズ付き光ファ
    イバ。
  9. 【請求項9】 レーザダイオード光源と、該レーザダイ
    オード光源から放射される光を結合する請求項1〜8の
    いずれかのレンズ付き光ファイバを有するレーザダイオ
    ードモジュール。
  10. 【請求項10】 前記レーザダイオード光源から放射さ
    れる光の断面が楕円形状であって、該レーザダイオード
    光源から放射される光の楕円断面の長軸と、前記レンズ
    付き光ファイバの2つの傾斜平面が交差する仮想直線と
    の角度が0°〜20°であることを特徴とする請求項9
    に記載のレーザダイオードモジュール。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101911351B1 (ko) 2017-01-11 2018-10-25 재단법인 오송첨단의료산업진흥재단 타원형 리플렉터 및 이를 포함하는 광 신호 전달 모듈
CN112578572A (zh) * 2020-12-09 2021-03-30 西安炬光科技股份有限公司 一种光学元件和光学模组

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