JP2007506895A - ピストン・ポンプ - Google Patents
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Abstract
本発明は、上下のピストン面を介してポンプ・シリンダ(5)内の作業空間を両側で制限するピストン(4)を有するピストン・ポンプに関する。作業空間(c)は、レバー・システム(19、22、25、28、31)を介して2つの力で案内される吸い込み弁(14、16)および2つの力で案内される排出弁(10、12)に接合され、これはそれぞれピストンの両方の最終位置に到達すると、作業体積を充填または排出するために、交互に開閉する。ピストン棒の体積の部分だけ減少する追加の作業体積は、本発明で記載されたように作業工程ごとに2回作用を受けるピストンによって得られ、したがって効率がほぼ2倍になり、送出流の脈動が小さくなる。シリンダ内のピストンの両方の端位置に到達すると、弁が開から閉へと変化する短い期間でのみ、小さい残留脈動が残る。本発明によると、ピストン・ポンプの設計により、駆動レバー(31、40)を共通のピストン棒(35)に結合することによって、2つ以上のピストン・ポンプを同期して動作させることが可能であり、こうすることにより、レバー比率を変更することによって異なる行程の長さを設定することができる。
【選択図】 図1
【選択図】 図1
Description
本発明は、特許請求項1の前提部分に従って、ポンプ・ケーシングと、上昇動作を通してポンプ・シリンダの作業室を狭めるピストンとを有するピストン・ポンプに関する。本発明は、好ましくは、最もさまざまな性質の流体媒体を搬送するか、計量するピストン・ポンプを扱う。
ピストン・ポンプは、一般的に、多数の設計バージョンで構築され、非常に多様な搬送または駆動要求仕様(水力学)を満たす。プロセス工学で構築されたピストン・ポンプは、ポンプ媒体を充填し、排出するために、ピストンの1つの前面のみ利用する。これは結果として、吸い込みおよび作業行程用のクランク・アセンブリの場合における正弦波で起こる望ましくない脈動を生じ、有効吸い込みヘッド(有効入口ヘッド)およびキャビテーションにそれぞれマイナスの結果を生じる。これの他に、弁機能はこのようなポンプ・ピストンの場合に純粋に自動的であり、つまり、作業行程の吸い込み真空および圧力がそれぞれ、逆止弁を開閉する。ここでは、純粋で清浄な流体の場合のみ、弁機能の力学的性質(閉鎖時間遅れ角)が良好に制御される。しかしながら、その前提条件は、設置システムの圧力比が容易にカスタマイズされていることであり、さもないと供給の過剰または不足を回避できない。流体中にあるいかなるタイプの粒子も問題を引き起こし、漏れ気密性に、および場合によっては振動弁部品の可動性に悪影響を及ぼす。粒子のもとは様々であり、意図的には内容の物質(懸濁物)のようなものであったり、偶発的には設置システムからの「汚れ」やピストン・シールからの粗粒子のようなものである。もし動力学が都合良くカスタマイズできなかったり、及び/又は流体中の粒子が回避不可能であり及び/又は望ましい構成要素であったりした場合は、計量した流れの正確な測定を使用せずに、定量的計量のためにこのタイプのピストン・ポンプを使用してはならない。それに加えて、弁領域内にこのタイプのポンプを構築すると、もしそれが粒子を含む流体で使用すべき場合に、非常に複雑になる。
したがって、本発明の課題は、最初に記載されたタイプのピストン・ポンプを使用可能にすることであり、そのピストン・ポンプは脈動が小さく、1つのピストンのみで効率的に機能し、積極的に制御される吸引および圧力弁を有し、単純でコンパクトな設計を有する。
この課題は、本発明によって解決され、ピストンがその上下のピストン前面で2つの側部にてポンプ・シリンダの作業室を狭め、作業室が積極的制御される各吸い込み弁および積極的に制御される各排出弁に接続され、これらの弁は、各場合に交互に、作業室を充填および排出するためにピストンの2つの端位置に到達した場合に、それぞれ開閉する。ピストンの二重衝突(double impact)の結果、本発明によると、作業行程ごとのピストン棒の体積共用により、作業体積が追加的に減少し、それによって性能がほぼ2倍になり、その結果として脈動が小さい放出流になる。シリンダ内でピストンの2つの端位置に到達して、弁が「開」から「閉」へと変化する時の短期間のみ些細な残留脈動が存在する。この残留脈動は、弁の開き角と比較して相対的に大きいピストン行程を選択することによって最小にすることができる。ポンプ媒体の均一な流れは、例えば空気圧シリンダ、油圧シリンダ、行程磁石またはリニア・モータを使用することによって、ピストンの直線推進によって達成される。本発明による他の提案は、レバー・システムによって、ピストンの端位置の1つに到達した後に、各場合において強制的に、それぞれ一方の吸い込み弁および一方の排出弁が開き、他方の吸い込み弁と他方の排出弁が閉じるように、ピストンの他方の端位置に到達した後、強制的に、それぞれ一方の吸い込み弁および一方の排出弁が閉じ、他方の吸い込み弁および他方の排出弁が開くような方法で、吸い込み弁および排出弁をピストンに接続することである。レバー・システムによって2つの吸い込み弁と2つの排出弁を対で接続する本発明のこの単純な解決法は、ピストンの両側で衝突があるという問題を単純な方法で解決する。特に、ピストン・ポンプは、これによって二重駆動の吸い込みおよび排出弁をそれぞれ必要とせず、代わりに、吸入室および圧力室として交互に機能する2つの弁室を必要とするだけである。弁の強制的な開閉は、ポンプ媒体が圧力ソケットから吸入ソケットへ、およびその逆へと誤って流れるのをそれぞれ効果的に防止する。本発明による追加的な提案は、両方の吸い込み弁および両方の排出弁が、それぞれ、弁棒にて横方向に逆にそれぞれ配置されることである。弁運動を同期化させるという課題は、このように、ほんの2つの真空密封位置とたった2つの弁棒を持つ最小の可動部品とを備えた単純な方法で解決される。吸い込み弁および排出弁を強制的に交互に動作させるための別の提案は、弁棒が一方側で交互に弁、ポンプ・ケーシングおよび弁蓋を貫通し、端で補償器によって接続され、補償器の一方端は延在して弁棒を搬送レバーに板で移動自在に接続することである。脈動が小さい供給を達成して、供給量を調整するために、本発明によると、ピストン棒がシリンダを貫通するピストン装填シリンダを、推進レバーでポンプ蓋に接続し、この推進レバーを、その2つの旋回点の間の領域で推進棒に移動自在に組み込み、この推進棒を他方端で搬送レバーに移動自在に接続することが示唆される。推進は、ピストンの2つの端位置にある自動切り換え器具を装備した空気圧シリンダで行われることが好ましい。これにより、ピストン・ポンプはゾーン外でも使用することができる。コンパクト性および単純さのための本発明によるさらなる示唆は、ポンプ・ケーシングが軸線に存在する3つのボアを有し、これによって、ピストンの上昇運動のためにポンプの動作中に吸い込み弁と排出弁が一方端で交互にボアを開閉するような方法で、1つのボアが作業室を形成し、それぞれが十字穴を有する他の2つのボアが、それぞれ吸い込み路および排出路を形成することである。これにより、搬送レバーがポンプの長手方向軸線の中央に位置するようになり、これにより設計が単純でスペースを節約するものとなる。弁の強制的な動作は、本発明によると、弁棒がポンプ蓋に面するその側の端部にナットを備えたねじ山を持ち、そのナットを締めるか緩めることにより、横方向に逆転して配置された弁対の距離を、クリアランスを調節するために、小さくするか大きくするような方法で、設計される。これにより、弁座を平坦、円錐形またはテーパ状になるように設計することができる。必要な弁開口の断面が平坦な座の弁の場合に、最も最小の行程が達成される。粒子を含む流体の場合に確実な密封を保証するか及び/又は嵌め合いの精度を軽減するために、弁は、弾性コーティングを有するように設計することができる。本発明によると、ピストン・ポンプの構造は、2つ以上のピストン・ポンプを、その推進レバーを共通のピストン棒に結合することによって、同期して駆動することを可能にする。この点で、本発明によると、結合すべきポンプは、推進棒をその下にあるシリンダに直接接続することができ、それによって全てのポンプがその配置にて共通の推進力を有するような方法で、垂直方向に重なっていることが好ましい。スペースの制約がある場合は常に、2つまたは幾つかのポンプをお互いに並べて配置し、そのピストン棒を共通に接続することによって同期して動作させることもできる。推進のためには、フリップフロップ切り換え機構を有する空気圧シリンダが好ましい。しかしながら、接続するためにはいずれかのタイプの直線推進またはクランク・アセンブリが適切である。しかしながら、クランク・アセンブリの場合は、供給流が正弦波状であり、有効吸い込みヘッド(NPSH)に悪影響を及ぼす。一定行程周波数の場合の供給量は、本発明によると、結合した各ポンプの場合に、推進棒を推進レバーへと押すことにより、供給行程を個々に改造することによって調整できることが多い。
本発明を、1つの設計のみを使用して図と共にさらに詳細に説明する。
ポンプ・ケーシング1、2、3が、図1に図示されており、Oリング6で密封されたピストン・ポンプ4がピストン棒7によって駆動される、ポンプ・シリンダ5を有する。Oリング6およびガスケット9の棒によって密封されたピストンは、ポンプ・ピストン4から離れた端部でポンプ・ケーシング3および弁蓋8を貫通し、その端部で補償器19によって接続され、その補償器の一端は延在し、弁棒11、15を板22を介して移動自在に搬送レバー25に接続する。搬送レバー25は、減摩ブッシュ23、26、27で旋回し、推進棒28によって推進レバー31に接続されている。推進棒31は中央で切り裂かれ、それによって搬送レバー25はその適用点で着脱式ボルト32を使用して改造することができる。このように、ポンプ・ピストン4の行程を増減することができる。推進レバー31は、一方端でポンプ蓋2にジョイント接続され、他方端はボルト33、34によってピストン棒35に接続されている。ピストン棒35は、空気圧シリンダ36から突出し、この空気圧シリンダは永続的に前後に自動的に運動するような方法(フリップフロップ切り換え機構)で制御される。これは、2つの磁気スイッチおよび2つの空気圧弁を通して両方のピストン端位置で行われることが好ましい。弁蓋8は、4本の隔置棒30によって台板29から隔置される。補償器19は、2本の弁棒11、15の中央にて弁蓋8の高台上の減摩ブッシュ21によって支持される。補償器19は、ポンプ・ピストン4から離れた端部で多少延在し、減摩ブッシュ23、24で旋回して、板22に接続される。補償器19のこの延在部、つまり板22の力点と補償器19の旋回点21の間の距離は、旋回点18、20上で弁棒11、15を動作させるために必要なエネルギの消費量が、ポンプ・ピストンを動作させるために費やすエネルギより明らかに低くなるように選択する。こうしないと、搬送レバー25は、弁棒11、15を移動させずに旋回点23でのみ回転するからである。
図2は、吸い込み弁14、16の中央でピストン・ポンプを通る断面A−Aを示す。この断面図は、特に吸い込み口cを示し、これは横方向に逆転して上又は下に配置された2つの弁14、16の位置に応じて、それぞれ開閉する。
図3は、図1により重ねて接続された2つのピストン・ポンプの側面線図を示し、推進力を提供する共通の空気圧シリンダ36を備える。この空気圧シリンダ36のピストン棒35は、回転するボルト接続部37を通して延在棒38を駆動し、この棒はこの部分で、回転するボルト接続部39を通して第2ピストン・ポンプの搬送レバー40を推進する。ここで、搬送レバー40は窪みを有し、この窪みは推進棒44がジョイント固定されたその旋回点39、45の間でスピンドル・ナット43を持つスピンドルを挟む。ハンドル車42を回転することにより、スピンドル・ナット43およびそれに伴う推進棒44がピストン・ポンプの方向に、またはハンドル車42の方向に動く。結合された2つのポンプのピストン行程はこれによって改造され、これによって第1ポンプへの改造された供給量を、供給シリンダの同じボアによって設定することができる。
Claims (10)
- ポンプ・ケーシング(1、2、3)と、上昇運動によってポンプ・シリンダ(5)内の作業室(a)を狭めるピストン(4)とを備えたピストン・ポンプであって、前記ピストン(4)が、その上下の前面を持つ2つの側部で前記ポンプ・シリンダ(5)内の前記作業室(a)を広げ、前記作業室(a)が、作業体積をそれぞれ充填し、排出するために、前記ピストン(4)の2つの端位置に到達した後に、個々に交互にそれぞれ開閉する、1つの積極的に制御される吸い込み弁(14、16)および1つの積極的に制御される排出弁(10、12)によって接続されていることを特徴とするピストン・ポンプ。
- 前記ピストン(4)の端位置の一方に到達した後、各場合において強制的に、それぞれ、前記吸い込み弁(14)および前記排出弁(12)が開き、かつ前記吸い込み弁(16)および前記排出弁(10)が閉じるように、前記ピストン(4)の他方の端位置に到達した後、強制的に、それぞれ、前記吸い込み弁(14)および前記排出弁(12)が閉じ、かつ前記吸い込み弁(16)および前記排出弁(10)が開くような方法で、前記吸い込み弁(14、16)および前記排出弁(10、12)がレバー・システム(19、22、25、28、31)によってピストン(4)に接続されることを特徴とする、請求項1に記載のピストン・ポンプ。
- 前記2つの吸い込み弁(14、16)および前記2つの排出弁(10、12)が、それぞれ、横方向に逆転して各弁棒(11、15)に配置されることを特徴とする、請求項1または2に記載のピストン・ポンプ。
- 前記弁棒(11、15)が、一方側で弁(14、10)、前記ポンプ・ケーシング(3)および弁蓋(8)を貫通し、端部では補償器(19)によって接続されており、該補償器の一端は延在し、前記弁棒(11、15)を板(22)を通して搬送レバー(25)に移動自在に接続することを特徴とする、前述した請求項のいずれか1つに記載のピストン・ポンプ。
- ピストン棒(35)が貫通するピストンを装填したシリンダ(36)が、推進レバー(31)によってポンプ蓋(2)に接続され、この推進レバー(31)が、推進棒(28)をその端部旋回点の間の領域に移動自在に組み込み、該推進棒が他方の端で搬送レバー(25)に移動自在に接続されていることを特徴とする、前述した請求項のいずれか1つに記載のピストン・ポンプ。
- 前記ポンプ・ケーシング(1)が軸線に位置する3つのボア(a、b、c)を有し、これによって、ポンプの動作中に、前記吸い込み弁(14、16)および前記排出弁(10、12)が、それぞれ、交互に前記ピストン(4)の上昇運動をし、それぞれ、一方端でボア(b、c)を開閉するような方法で、1つのボア(a)が前記作業室を形成し、それぞれが十字穴を有する他の2つのボア(b、c)が、それぞれ、吸い込み路および排出路を形成することを特徴とする、前述した請求項のいずれか1つに記載のピストン・ポンプ。
- 前記弁棒(11、15)が、前記ポンプ蓋(2)に面するその側の端部にナット(13,17)を備えたねじ山を持ち、そのナットを締めるか、緩めることにより、横方向に逆転して配置された前記弁対(それぞれ10、12および14、16)の距離が、クリアランスを調節するために縮小されるか拡大されることを特徴とする、前述した請求項のいずれか1つに記載のピストン・ポンプ。
- 推進レバー(31、40)を共通のピストン棒に結合することによって、2つ以上のピストン・ポンプを同期して駆動できることを特徴とする、前述した請求項のいずれか1つに記載のピストン・ポンプ。
- 推進棒(28、44)をその下にある前記シリンダ(36)に直接接続できるような方法で、結合すべきポンプが垂直方向に重なって位置し、それによって全てのポンプがその配置にて共通の推進力を有することを特徴とする、請求項8に記載のピストン・ポンプ。
- 推進棒(28、44)を推進レバー(31、40)に移動することによって、結合したポンプごとに排出行程を個々に改造できることを特徴とする、請求項8又は9に記載のピストン・ポンプ。
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