JP2007506675A - 新規フシジン酸誘導体 - Google Patents

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Abstract

本発明は、下記式Iで示される新規フシジン酸誘導体、その医薬的に許容される塩および易加水分解性エステル、該誘導体を含有する医薬組成物、ならびに医療におけるそれらの使用に関する:
Figure 2007506675

[式中、
Xは、ハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、アルキル、アルケニルまたはアリールを表し、該アルキル、アルケニルまたはアリールは、アルキル、アルケニル、アリール、アルコキシ、ニトロ、アルキルチオ、ハロゲン、アジド、トリフルオロメチルおよびシアノから成る群から選択される1個またはそれ以上の同じかまたは異なる置換基によって任意に置換されていてもよく;
YおよびZは、両方とも水素を表すか、またはC-17/C-20結合と一緒にC-17とC-20の間に二重結合を形成するか、または一緒にメチレンであり、C-17およびC-20と共にシクロプロパン環を形成し;
Aは、結合、O、SまたはS(O)を表し;
Bは、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C1~6アシル、C3~7シクロアルキルカルボニルまたはベンゾイルを表し、これらは全て、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アリール、ヘテロアリールおよびアジドから成る群から選択される1個またはそれ以上の置換基で任意に置換されていてもよく、または、Aが結合を表す場合は、Bは水素を表してもよく;
Q1およびQ2は、独立に、-CH2-、-C(O)-、-(CHOH)-、-(CHOR)-、-(CHSH)-、-(NH)-、-(CHNH2)-または-(CHW)-を表し、ここで、RはC1~6アルキルを表し、Wはハロゲン、シアノ、アジドまたはトリフルオロメチルを表し;
Q3は、-CH2-、-C(O)-または-CHOH-を表し;
Gは、水素、OHまたはO-CO-CH3を表し;
五員環における2つの結合は実線および点線で示されて、2つの結合のどちらかが二重結合でありうることを示し、そのような場合には、Yは存在せず、Zは水素を表し;
C-1とC-2の間の結合は、単結合または二重結合である]。

Description

本発明は、新規フシジン酸誘導体、該誘導体を含んで成る医薬組成物、ならびに医療におけるその使用に関する。
フシジン酸は、天然抗生物質の小ファミリーであるフシダンに属する。
Figure 2007506675
フシダンは、独特の椅子-舟-椅子型立体配座を有する四環系を共通に有し、これによってステロイドから区別される。従って、ステロイドとのいくつかの構造的類似性、即ち四環系にもかかわらず、フシダンはどのようなホルモン活性も有さない。フシダンは、C-17において二重結合によって環系に結合しているカルボン酸含有側鎖、およびC-16において結合しているアセテート基も共通に有する。
Fusidium coccineumの発酵産物であるフシジン酸は、最も抗生物質作用的に活性なフシダンの化合物であり、感染性疾患の治療に臨床的に使用されている唯一のフシダンである。フシジン酸(Fucidin(登録商標))は、急性および難治性の両疾患形態の、重度ブドウ球菌性感染症、特に骨および関節感染症の治療に、臨床的に使用されている(The Use of Antibiotics、第5版、A. KucersおよびN. McK. Bennett編、Butterworth 1997、p.580-587、およびそれに引用されている文献)。フシジン酸は、ブドウ球菌に対して最も一般的に使用されているが、いくつかの他のグラム陽性種に対しても使用されている。フシジン酸の臨床的有用性はまた、種々の組織におけるその効率的分布、低度の毒性およびアレルギー反応、および他の臨床使用抗生物質との交差耐性の不存在にある。フシジン酸は、ブドウ球菌によって生じる多くの皮膚および眼の感染症の局所療法に広く使用されている。それは、ペニシリン類、エリスロマイシン類またはクリンダマイシンのような一般的な抗生物質と併用して一般に投与される。それは、Clostridium difficileの抑制用のバンコマイシンの代替薬としても使用されている。
ブドウ球菌と比較して、いくつかの他のグラム陽性球菌は、フシジン酸に対して、より低い感受性を示す場合が多い。例えば、連鎖球菌種は一般に、フシジン酸感受性がブドウ球菌の100分の1までも低い(前記のKuchersらの文献)。他の感受性細菌は、グラム陽性嫌気性球菌、例えば、PeptococcusおよびPeptostreptococcus spp.、好気性または嫌気性グラム陽性細菌、例えば、Corynebacterium diphtheriae、Clostridium tetani、Clostridium difficileおよびClostridium perfringensを包含する。グラム陰性細菌は、Neisseria spp.およびLegionella pneumophilaを除いて、耐性である。フシジン酸は、細胞内および細胞外M. lepraeの両方に対して極めて有効である。
フシジン酸の構造活性相関(SAR)は広く研究されており、多くの類似体が製造されている。しかし、ごくわずかの類似体しか、フシジン酸の活性と比肩しうる活性を示していない。広範囲なSAR研究にもかかわらず、側鎖修飾の可能性は充分に探求されていない。
他の抗生物質と比較して、フシジン酸は、薬剤耐性についての重大な臨床問題を現在生じていない(Turnidge, Int. J. Antimicro. Agents, 12, S35-S44, 1999)。しかし、前記のように、その物質自体は、極めて限定された抗生物質作用スペクトルを有し、従って、より広い範囲の病原性微生物(特に連鎖球菌)に対して抗生物質活性を示す、フシジン酸に基づく新規類似体を開発することが望ましい。
側鎖を変更することによってフシダンの治療特性を向上させる試みが以前からなされている。例えば、WO 02/070537は、メチレン基の導入によってC17-C20二重結合をシクロプロパン成分に変換させたフシジン酸誘導体を開示している。
WO 01/29061は、C17-C20二重結合を飽和させたフシジン酸誘導体を開示している。
本願発明者らは、意外にも、C-24を置換したフシジン酸誘導体が、ブドウ球菌に対する活性を保持し、連鎖球菌に対し有意に向上した活性を示すことを見出した。すなわち本発明は、一般式Iの化合物、およびその医薬的に許容される塩および易加水分解性エステルに関する:
Figure 2007506675
[式中、
Xは、ハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、アルキル、アルケニルまたはアリールを表し、該アルキル、アルケニルまたはアリールは、アルキル、アルケニル、アリール、アルコキシ、ニトロ、アルキルチオ、ハロゲン、アジド、トリフルオロメチルおよびシアノから成る群から選択される1個またはそれ以上の同じかまたは異なる置換基によって任意に置換されていてもよく;
YおよびZは、両方とも水素を表すか、またはC-17/C-20結合と一緒にC-17とC-20の間に二重結合を形成するか、または一緒にメチレンであり、C-17およびC-20と共にシクロプロパン環を形成し;
Aは、結合、O、SまたはS(O)を表し;
Bは、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C1~6アシル、C3~7シクロアルキルカルボニルまたはベンゾイルを表し、これらは全て、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アリール、ヘテロアリールおよびアジドから成る群から選択される1個またはそれ以上の置換基で任意に置換されていてもよく、または、Aが結合を表す場合は、Bは水素を表してもよく;
Q1およびQ2は、独立に、-CH2-、-C(O)-、-(CHOH)-、-(CHOR)-、-(CHSH)-、-(NH)-、-(CHNH2)-または-(CHW)-を表し、ここで、RはC1~6アルキルを表し、Wはハロゲン、シアノ、アジドまたはトリフルオロメチルを表し;
Q3は、-CH2-、-C(O)-または-CHOH-を表し;
Gは、水素、OHまたはO-CO-CH3を表し;
五員環における2つの結合は実線および点線で示されて、2つの結合のどちらかが二重結合でありうることを示し、そのような場合には、Yは存在せず、Zは水素を表し;
C-1とC-2の間の結合は、単結合または二重結合である]。
他の態様において、本発明は、医療に使用される式Iの化合物に関し、および、特に、医薬的に許容される添加剤または賦形剤と共に式Iの化合物を含んで成る医薬組成物に関する。
他の態様において、本発明は、感染症を治療、予防または改善する方法に関し、該方法は、有効量の式Iの化合物を、それを必要とする患者に投与することを含んで成る。
さらに他の態様において、本発明は、感染症の阻止、治療、改善または予防用の医薬の製造における式Iの化合物の使用に関する。
さらに他の態様において、本発明は、微生物増殖の抑制、および動物飼育の際の細菌感染の阻止または予防における、式Iの化合物の使用に関する。
さらに他の態様において、本発明は、式Iaの化合物の製造法に関する:
Figure 2007506675
[式中、
Xは、ブロモを表し;
YおよびZは、両方とも水素を表すか、またはC-17/C-20結合と一緒にC-17とC-20の間に二重結合を形成するか、または一緒にメチレンであり、C-17およびC-20と共にシクロプロパン環を形成し;
Aは、結合、O、SまたはS(O)を表し;
Bは、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C1~6アシル、C3~7シクロアルキルカルボニルまたはベンゾイルを表し、これらは全て、ハロゲン、ヒドロキシ、C1~6アルコキシ、アリール、ヘテロシクリルおよびアジドから成る群から選択される1個またはそれ以上の置換基で任意に置換されていてもよく、または、Aが結合を表す場合は、Bは水素を表してもよく;
Q1およびQ2は、独立に、-C(O)-、-(CHOH)-、-(CHSH)-、または-(CHW)-を表し、ここで、Wはハロゲン、シアノ、アジドまたはトリフルオロメチルを表す]。
該方法は、下記の工程を含んで成る:
(a) フシジン酸または好適なフシジン酸類似体を、好適な有機溶媒に溶解し、次に、臭素で処理して、一般構造Ib:
Figure 2007506675
[式中、
XおよびX'は、ブロモを表し;
Rは、水素を表し;
C-24とC-25の間の結合は単結合であり;
Y、Z、A、B、Q1およびQ2は、前記のように定義される]
で示される24,25-ジブロモ中間体を得;
(b) 好適な溶媒中の24,25-ジブロモ中間体の溶液を、好適な塩基の存在下に処理して、塩の形態の式Iaの脱臭化水素化合物を得;
(c) 工程(b)で得た塩を酸性化して、遊離酸形態の式Iaの化合物を得る。
さらに他の態様において、本発明は、一般構造Ibの化合物に関する:
Figure 2007506675
[式中、
XおよびX'は、ブロモを表し、
Rは水素であり;
C-24とC-25の間の結合は単結合であり;
YおよびZは、両方とも水素を表すか、またはC-17/C-20結合と一緒にC-17とC-20の間に二重結合を形成するか、または一緒にメチレンであり、C-17およびC-20と共にシクロプロパン環を形成し;
Aは、結合、O、SまたはS(O)を表し;
Bは、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C1~6アシル、C3~7シクロアルキルカルボニルまたはベンゾイルを表し、これらは全て、ハロゲン、ヒドロキシ、C1~6アルコキシ、アリール、ヘテロシクリルおよびアジドから成る群から選択される1個またはそれ以上の置換基で任意に置換されていてもよく、または、Aが結合を表す場合は、Bは水素を表してもよく;
Q1およびQ2は、独立に、-C(O)-、-(CHOH)-、-(CHSH)-、または-(CHW)-を表し、ここで、Wはハロゲン、シアノ、アジドまたはトリフルオロメチルを表す]。
定義
本発明に関して、「アルキル」という用語は、任意の炭素原子から水素原子を除去することによってアルカンから誘導される一価の基を意味するものとし、第一級、第二級および第三級アルキル基のサブクラスを包含し、その例は、C1〜C12アルキル、例えばC1〜C8アルキル、例えばC1〜C6アルキル、例えばC1〜C4アルキル、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ノニル、ドデカニル、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルである。アルカンは、非環式または環式、分岐鎖または非分岐鎖飽和炭化水素を意味し、従って、水素原子および炭素原子だけから成る。
「アルケニル」という用語は、適用可能であればEまたはZ立体化学の、1個またはそれ以上の炭素-炭素二重結合を有する直鎖または分岐鎖非環式炭化水素を意味するものとする。この用語は、例えば、C2〜C12アルケニル、例えばC2〜C8アルケニル、C2〜C6アルケニル、ビニル、アリル、1-ブテニル、2-ブテニル、および2-メチル-2-プロペニルを包含する。
「アシル」という用語は、式-CO-R(Rは前記のように定義されるアルキルである)で示される基を意味するものとし、例えばC1〜C6アシル、例えば、アシル、プロピオニル、ブチリルまたはピバロイルである。
「アルコキシ」という用語は、式-OR(Rは前記のように定義されるアルキルである)で示される基を意味するものとし、例えばC1〜C5アルコキシ、C1〜C3アルコキシ、メトキシ、n-プロポキシ、t-ブトキシ等である。
「ハロゲン」という用語は、周期系の第7主族の構成員、即ち、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを意味する。
「シクロアルキルカルボニル」という用語は、式-C(O)-R'(R'は前記のような環式アルキルを表す)で示される基を意味するものとする。
「アリール」という用語は、環式、任意に縮合二環式の基を意味するものとし、それにおいて、全ての環原子は炭素であり、環は芳香族であり、または縮合環系の場合は、少なくとも1個の環が芳香族である。アリールの例は、フェニル、ナフチルおよびテトラリニルである。
「アルキルチオ」という用語は、式-S-R'(R'は前記のようなアルキルである)で示される基を意味するものとする。
「ヘテロアリール」という用語は、1〜6個のヘテロ原子(O、SおよびNから選択される)および1〜20個の炭素原子、例えば1〜5個のヘテロ原子および1〜10個の炭素原子、例えば1〜5個のヘテロ原子および1〜6個の炭素原子、例えば1〜5個のヘテロ原子および1〜3個の炭素原子を有する複素環式芳香族環、特にO、SおよびNから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5または6員環、または任意に、少なくとも1個の環が芳香族である1〜4個のヘテロ原子を有する縮合二環式環、例えば、フラニル、ピリジル、キノリル、イソキノリル、インドリル、テトラゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チエニル、ピラジニル、イソチアゾリル、ベンズイミダゾリルおよびベンゾフラニルを包含するものとする。
「易加水分解性エステル」という語句は、本明細書において、アルカノイルオキシアルキル、アラルカノイルオキシアルキル、アロイルオキシアルキル、例えば、アセトキシメチル、ピバロイルオキシメチル、ベンゾイルオキシメチルエステルおよび対応する1'-オキシエチル誘導体、またはアルコキシカルボニルオキシアルキルエステル、例えばメトキシカルボニルオキシメチルエステルおよびエトキシカルボニルオキシメチルエステル、および対応する1'-オキシエチル誘導体、またはラクトニルエステル、例えばフタリジルエステル、またはジアルキルアミノアルキルエステル、例えばジエチルアミノエチルエステルを意味する。「易加水分解性エステル」という語句は、本発明化合物の生体内加水分解性エステルを包含する。そのようなエステルは、当業者に既知の方法を使用して製造しうる(参照として本明細書に組み入れられるGB特許第1490852号参照)。
式Iの化合物の好ましい態様
好ましい態様において、本発明は、一般式Iaの化合物、およびその医薬的に許容される塩および易加水分解性エステルに関する:
Figure 2007506675
[式中、
Xは、ハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、C1~7アルキル、C2~9アルケニルまたはアリールを表し、該C1~6アルキル、C2~6アルケニルまたはアリールは、C1~7アルキル、C2~9アルケニル、アリール、C1~6アルコキシ、ニトロ、アルキルチオ、ハロゲン、アジド、トリフルオロメチルおよびシアノから成る群から選択される1個またはそれ以上の同じかまたは異なる置換基によって任意に置換されていてもよく;
YおよびZは、両方とも水素を表すか、またはC-17/C-20結合と一緒にC-17とC-20の間に二重結合を形成するか、または一緒にメチレンであり、C-17およびC-20と共にシクロプロパン環を形成し;
Aは、結合、O、SまたはS(O)を表し;
Bは、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C1~6アシル、C3~7シクロアルキルカルボニルまたはベンゾイルを表し、これらは全て、ハロゲン、ヒドロキシ、C1~6アルコキシ、アリール、ヘテロアリールおよびアジドから成る群から選択される1個またはそれ以上の置換基で任意に置換されていてもよく、または、Aが結合を表す場合は、Bは水素を表してもよく;
Q1およびQ2は、独立に、-C(O)-、-(CHOH)-、-(CHSH)-、-または-(CHW)-を表し、ここで、Wはハロゲン、シアノ、アジドまたはトリフルオロメチルを表す]。
式I、IaまたはIbの化合物の好ましい態様において、YおよびZは両方とも水素であり、C-17およびC-20の両方において立体化学配置がSである。
式I、IaまたはIbの化合物の他の好ましい態様において、YおよびZは一緒にメチレンであり、C-17およびC-20と共にシクロプロパン環を形成し、C-17およびC-20の両方において立体化学配置がSである。
式I、IaまたはIbの化合物の他の好ましい態様において、YおよびZは、C-17/C-20結合と一緒にC-17とC-20の間に二重結合を形成する。最も好ましくは、C-17とC-20の間の二重結合の配置は、フシジン酸と同じである。
他の好ましい態様において、Xは、クロロ、ブロモ、ヨード、フルオロ、メチル、エチル、プロピル、フェニル、ビニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、ノネニル、ビフェニルまたはナフチルを表し、該メチル、エチル、プロピル、フェニル、ビニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、ノネニル、ビフェニルまたはナフチルは、フルオロ、クロロ、ブロモ、フェニル、ビニル、シアノ、メトキシ、トリフルオロメチル、ニトロ、メチルチオ、ブチル、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルおよびヘプチルから成る群から選択される1個またはそれ以上の同じかまたは異なる置換基によって任意に置換されていてもよい。
特に好ましい態様において、Xは、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、トリフルオロメチル、フェニル、4-ブロモフェニル、4-クロロフェニル、3,5-ジフルオロフェニル、トランス-1-ヘキセン-1-イル、トランス-1-ブテン-3,3-ジメチル-1-イル、トランス-1-ノネン-1-イル、トランス-5-クロロ-1-ペンテン-1-イル、トランス-2-フェニル-1-ビニル、2-フェニル-1-エチル、4-n-プロピルフェニル、4-ビニルフェニル、4-tert-ブチルフェニル、4-シアノフェニル、3-ビフェニル、4-(トリフルオロメチル)フェニル、4-メトキシフェニル、3-シアノフェニル、2-メトキシフェニル、3-ニトロフェニル、3-ブロモフェニル、4-(メチルチオ)フェニル、2-ナフチル、3,5-ビス-(トリフルオロメチル)フェニル、3,4-ジメトキシフェニルまたは3,5-ジブロモフェニルを表す。
Q1およびQ2は、-C(O)-および-(CHOH)-から成る群から選択するのが好ましい。Q1は、CHF、CHCl、CHBr、CHIまたはCHN3を表すのも好ましい。
本発明の他の態様は、下記のように定義される式Iaの化合物を提供する:
Q1およびQ2は両方とも-(CHOH)-基を表すか、またはQ1またはQ2の1つは-(CO)-を表すか、またはQ1はCHF、CHCl、CHBr、CHIまたはCHN3を表し;
Xは、クロロ、ブロモ、ヨード、トリフルオロメチル、アジドまたはシアノを表し;
ZおよびYは、C-17/C-20結合と一緒にC-17とC-20の間に二重結合を形成し;
Aは、O、SまたはS(O)を表し;
Bは、C1~4アルキル基を表し、該基は、アジド、ヒドロキシ、フルオロ、クロロおよびブロモから成る群から選択される1個またはそれ以上の置換基で任意に置換されていてもよく、またはBは、C1~4アシル基またはベンゾイル基を表し、両基は、1個またはそれ以上のハロゲン原子、例えばフルオロおよびクロロで任意に置換されていてもよい。
特に好ましい態様において、Aは、OまたはS(O)を表す。
他の好ましい態様において、Bは、アシル、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、プロペニルまたはシクロペンチルを表し、これらは全て、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フルオロ、ビニル、ヒドロキシ、フェニル、フルフリルおよびメトキシから成る群から選択される1個またはそれ以上の置換で任意に置換されていてもよい。
特に好ましい態様において、Bは、アセチル、イソプロピル、エチル、2,2,2-トリフルオロエチル、ビニル、1-ペンチル、2-メチル-1-ブチル、3-メチル-1-ブチル、シクロペンチル、2-ヒドロキシエチル、ベンジル、フルフリル、フェニル、2-フルオロエチル、2-メトキシエチル、2,2,2-トリクロロエチル、2-アジドエチル、2-ヒドロキシエチル、プロピル、tert-ブチル、1,3-ジフルオロ-イソプロピル、プロピオニル、クロロアセチルまたはトリフルオロアセチルである。
特に好ましい態様において、Q1またはQ2、またはQ1およびQ2の両方が、-(COH)-を表す。
式I、IaまたはIbにおけるQ1および/またはQ2が-(COH)-を表す場合、立体化学配置はそれぞれ3αおよび11αであるのが好ましい。
本発明の化合物の特定の例を下記に示す:
24-トリフルオロメチルフシジン酸ナトリウム塩(化合物101);
24-トリフルオロメチルフシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物102);
24-クロロ-フシジン酸(化合物103);
24-クロロ-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物104);
24-クロロ-フシジン酸ナトリウム塩(化合物105);
24-トリフルオロメチルフシジン酸(化合物106);
24-ブロモ-フシジン酸アセトキシメチルエステル(化合物107);
24-ブロモ-フシジン酸(化合物108);
24-ブロモ-フシジン酸ナトリウム塩(化合物109);
24-ブロモ-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物110);
24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-チオアセチル-フシジン酸アセトキシメチルエステル(化合物111);
24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-イソプロピルチオ-フシジン酸(化合物112);
24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-イソプロピルスルフィニル-フシジン酸(化合物113);
24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-チオアセチル-フシジン酸(化合物114);
24-ブロモ-17S,20S-ジヒドロフシジン酸(化合物115);
24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-エトキシ-フシジン酸(化合物116);
24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-エトキシ-フシジン酸アセトキシメチルエステル(化合物117);
24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-(2',2',2'-トリフルオロエトキシ)-フシジン酸アセトキシメチルエステル(化合物118);
24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-(2',2',2'-トリフルオロエトキシ)-フシジン酸(化合物119);
24-ブロモ-17S,20S-フシジン酸アセトキシメチルエステル(化合物120);
24-ブロモ-17S,20S-メチレン-フシジン酸アセトキシメチルエステル(化合物121);
24-ブロモ-17S,20S-メチレン-フシジン酸(化合物122);
3-デオキシ-3β,24-ジブロモ-フシジン酸(化合物123);
3α-アジド-24-ブロモ-3-デオキシ-フシジン酸(化合物124);
24-ヨード-フシジン酸(化合物125);
24-ヨード-フシジン酸アセトキシメチルエステル(化合物126);
24-ヨード-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物127);
24-フェニル-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物136);
24-フェニル-フシジン酸(化合物137);
24-(4-ブロモフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物138);
24-(4-ブロモフェニル)-フシジン酸(化合物139);
24-(4-クロロフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物140);
24-(4-クロロフェニル)-フシジン酸(化合物141);
24-(3,5-ジフルオロフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物142);
24-(3,5-ジフルオロフェニル)-フシジン酸(化合物143);
3-デオキシ-3β,24-ジブロモ-フシジン酸アセトキシメチルエステル(化合物144);
24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-エチルチオ-フシジン酸(化合物146);
24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-エチルスルフィニル-フシジン酸(化合物147);
24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-アリルチオ-フシジン酸(化合物148);
24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-(1-ペンチルチオ)-フシジン酸(化合物149);
24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-(1-ペンチルスルフィニル)-フシジン酸(化合物150);
24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-(2-メチル-1-ブチルチオ)-フシジン酸(化合物151);
24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-(2-メチル-1-ブチルスルフィニル)-フシジン酸(化合物152);
24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-(3-メチル-1-ブチルチオ)-フシジン酸(化合物153);
24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-(3-メチル-1-ブチルスルフィニル)-フシジン酸(化合物154);
24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-シクロペンチルチオ-フシジン酸(化合物155);
24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-(2,2,2-トリフルオロエチルチオ)-フシジン酸(化合物156);
24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-(2-ヒドロキシエチルチオ)-フシジン酸(化合物157);
24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-ベンジルチオ-フシジン酸(化合物158);
24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-ベンジルスルフィニル-フシジン酸(化合物159);
24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-(2-フリルメチルチオ)-フシジン酸(化合物160);
24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-フェニルチオ-フシジン酸(化合物161);
24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-ベンゾイルチオ-フシジン酸(化合物162);
24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-イソプロポキシ-フシジン酸(化合物163);
24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-(2-フルオロエトキシ)-フシジン酸(化合物164);
24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-(2-メトキシエトキシ)-フシジン酸(化合物165);
24-(トランス-1-ヘキセン-1-イル)-フシジン酸(化合物166);
24-(トランス-1-ブテン-3,3-ジメチル-1-イル)-フシジン酸(化合物167);
24-(トランス-1-ノネン-1-イル)-フシジン酸(化合物168);
24-(トランス-5-クロロ-1-ペンテン-1-イル)-フシジン酸(化合物169);
24-(トランス-2-フェニル-1-ビニル)-フシジン酸(化合物170);
24-(2-フェニル-1-エチル)-フシジン酸(化合物171);
24-(4-n-プロピルフェニル)-フシジン酸(化合物172);
24-(4-ビニルフェニル)-フシジン酸(化合物173);
24-(4-tert-ブチルフェニル)-フシジン酸(化合物174);
24-(4-シアノフェニル)-フシジン酸(化合物175);
24-(3-ビフェニル)-フシジン酸(化合物176);
24-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-フシジン酸(化合物177);
24-(4-メトキシフェニル)-フシジン酸(化合物178);
24-(3-シアノフェニル)-フシジン酸(化合物179);
24-(2-メトキシフェニル)-フシジン酸(化合物180);
24-(3-ニトロフェニル)-フシジン酸(化合物181);
24-(3-ブロモフェニル)-フシジン酸(化合物182);
24-(4-(メチルチオ)フェニル)-フシジン酸(化合物183);
24-(2-ナフチル)-フシジン酸(化合物184);
24-(3,5-ビス-(トリフルオロメチル)フェニル)-フシジン酸(化合物185);
24-(3,4-ジメトキシフェニル)-フシジン酸(化合物186);
24-(3,5-ジブロモフェニル)-フシジン酸(化合物187);
24-ブロモフシジン酸、コリン塩(化合物188);
24-ブロモフシジン酸、L-アルギニン塩(化合物189);
24-ブロモフシジン酸、2-(ジメチルアミノ)-エタノール塩(化合物190);
24-ブロモフシジン酸、4-(2-ヒドロキシエチル)-モルホリン塩(化合物191);
24-ブロモフシジン酸、L-リジン塩(化合物192);
24-ブロモフシジン酸、N-(2-ヒドロキシエチル)-ピロリジン塩(化合物193);
24-ブロモフシジン酸、エタノールアミン塩(化合物194);
24-ブロモフシジン酸、カリウム塩(化合物195);
24-ブロモフシジン酸、テトラブチルアンモニウム塩(化合物196);
24-ブロモフシジン酸、ベンジルトリメチルアンモニウム塩(化合物197);
24-ブロモフシジン酸、セチルトリメチルアンモニウム塩(化合物198);
24-ブロモフシジン酸、テトラメチルアンモニウム塩(化合物199);
24-ブロモフシジン酸、テトラプロピルアンモニウム塩(化合物300);
24-ブロモフシジン酸、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩(化合物301);
24-ブロモフシジン酸、N-メチル-D-グルカミン塩(化合物302);
24-ブロモフシジン酸、銀塩(化合物303);
24-ブロモフシジン酸、ベンゼトニウム塩(化合物304);
24-ブロモフシジン酸、トリエタノールアミン塩(化合物305);
24-(トランス-1-ヘキセン-1-イル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物306);
24-(トランス-1-ブテン-3,3-ジメチル-1-イル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物307);
24-(トランス-1-ノネン-1-イル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物308);
24-(トランス-5-クロロ-1-ペンテン-1-イル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物309);
24-(トランス-2-フェニル-1-ビニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物310);
24-(2-フェニル-1-エチル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物311);
24-(4-n-プロピルフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物312);
24-(4-ビニルフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物313);
24-(4-tert-ブチルフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物314);
24-(4-シアノフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物315);
24-(3-ビフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物316);
24-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物317);
24-(4-メトキシフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物318);
24-(3-シアノフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物319);
24-(2-メトキシフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物320);
24-(3-ニトロフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物321);
24-(3-ブロモフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物322);
24-(4-(メチルチオ)フェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物323);
24-(2-ナフチル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物324);
24-(3,5-ビス-(トリフルオロメチル)フェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物325);
24-(3,4-ジメトキシフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物326);および
24-(3,5-ジブロモフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物327)。
本発明化合物は、それ自体で、または塩または易加水分解性エステル(前記のように定義される)の形態で、使用することができる。特に、本発明化合物の塩は、医薬的に許容される塩、例えばアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩、例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウムまたはカルシウム塩、および銀塩、ならびに塩基との塩、例えば、アンモニアまたは好適な非毒性アミン、例えば低級アルキルアミン、例えばトリエチルアミン、ヒドロキシ-低級アルキルアミン、例えば2-ヒドロキシエチルアミン、ビス-(2-ヒドロキシエチル)-アミン、シクロアルキルアミン、例えばジシクロヘキシルアミン、またはベンジルアミン、例えばN,N'-ジベンジルエチレンジアミンおよびジベンジルアミンとの塩である。本発明化合物の銀塩は、局所処置に特に有効でありうる。
現在好ましい態様において、一般式IまたはIaの化合物の医薬的に許容される塩は、ナトリウム塩、コリン塩、L-アルギニン塩、2-(ジメチルアミノ)-エタノール塩、4-(2-ヒドロキシエチル)-モルホリン塩、L-リジン塩、N-(2-ヒドロキシエチル)-ピロリジン塩、エタノールアミン塩、カリウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、ベンジルトリメチルアンモニウム塩、セチルトリメチルアンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩、テトラプロピルアンモニウム塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩、N-メチル-D-グルカミン塩、銀塩、ベンゼトニウム塩およびトリエタノールアミン塩から成る群から選択される。
式Iaの化合物の製造の好ましい態様において、工程(a)でフシジン酸を溶解するのに使用される溶媒は、酢酸、またはC1~4カルボン酸のC1~3アルキルエステル、特に酢酸エチルである。
式Iaの化合物の製造の好ましい態様において、工程(b)で24,25-ジブロモ中間体を溶解するのに使用される溶媒は、C1~6アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノールまたはブタノール、または水、またはそれらの溶媒の混合物である。
式Iaの化合物の製造の好ましい態様において、工程(b)で24,25-ジブロモ中間体を脱臭化水素するのに使用される塩基は、炭酸、燐酸または硼酸のような弱酸のアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩、例えば炭酸カリウムまたはナトリウム、または塩基、例えばアンモニアまたはC1~8置換アンモニア、例えば、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンまたはピペリジン、またはアルカリまたはアルカリ土類金属水酸化物、例えば、希水酸化ナトリウム、水酸化カルシウムまたは希水酸化カリウムである。
本発明の化合物は、立体異性形を生じさせるキラル炭素原子および炭素-炭素二重結合を有する場合がある。本発明は、純粋形態または混合物形態の、全てのそのような異性体に関する。本発明化合物の純粋立体異性形は、当分野で既知の方法を適用することによって得られる。ジアステレオ異性体は、物理的分離法、例えば選択結晶化およびクロマトグラフィー法、例えばキラル固定相を使用する液体クロマトグラフィーによって分離しうる。反応が立体選択的または立体特異的に起こることを条件として、該純粋立体異性形を、適切な出発物質の対応する純粋立体異性形から誘導することもできる。特定立体異性体が所望される場合は、立体選択的または立体特異的製造法によって該化合物を合成するのが好ましい。
本発明の化合物は、哺乳動物を包含する患者、特にヒト患者の感染を治療、予防または軽減するのに有用である。本発明の化合物で処置しうる動物はとりわけ、家畜、例えばウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、家禽、魚、ネコ、イヌおよび動物園動物を包含する。本発明の化合物は、細菌感染、例えば皮膚感染もしくは二次皮膚感染、または眼感染の処置に特に有用でありうる。本発明の化合物はさらに、単純膿腫、膿痂疹性病変、フルンケルまたはセルライトの処置にも有用でありうる。本発明の化合物は、接触感染性の皮膚表面感染、例えば非水泡性膿痂疹(伝染性膿痂疹)または水泡性膿痂疹の処置(例えば局所的処置)に特に有用でありうる。
したがって、本発明は、細菌感染を治療、予防または軽減する方法であって、有効量の式Iの化合物を、場合により他の処置活性化合物と共に患者に投与することを含んでなる方法を提供する。
そのような他の処置活性化合物の例は、次のものを包含する:抗生物質、例えばβ−ラクタム、例えばペニシリン系(フェノキシメチルペニシリン、ベンジルペニシリン、ジクロキサシリン、アンピシリン、アモキシシリン、ピバンピシリン、フルクロキサシリン、ピペラシリンおよびメセリナム(mecellinam))、セファロスポリン系(セファレキシン、セファロチン、セフェピム、セフォタキシム、セフタジジム、セフトリアゾンおよびセフロキシム)、モノバクタム系(アズトレオナム)およびカルバペネム系(メロペネム);マクロライド系(アジスロマイシン、クラリスロマイシン、エリスロマイシンおよびロキシスロマイシン);ポリミキシン系(コリスチン);テトラサイクリン系(テトラサイクリン、ドキシサイクリン、オキシテトラサイクリンおよびリメサイクリン(lymecyclin));アミノグリコシド系(ストレプトマイシン、ゲンタマイシン、トブラマイシンおよびネチルマイシン);フルオロキノロン系(ノルフロキサシン、オフロキサシン、シプロフロキサシンおよびモキフロキサシン);クリンダマイシン、リンコマイシン、テイコプラニン、バンコマイシン、オキサゾリドン系(リネゾリド)、リファマイシン、メトロニダゾールおよびフシジン酸。とりわけ局所的処置のために、本発明の化合物と組み合わせるのが有利でありうる他の化合物は、例えば、コルチコステロイド、例えばヒドロコルチゾン、ベタメタゾン-17-バレレートおよびトリアムシノロンアセトニドを包含する。化合物は同時に投与しても、逐次に投与してもよい。
本発明の化合物はさらに、動物の細菌感染の防止または予防にも有用であり、したがって、家畜、例えば哺乳動物、例えばウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、家禽、魚、ネコ、イヌおよび動物園動物を飼育する際にも有用である。
処置に使用するためには、本発明の化合物を通例、医薬組成物の形態とする。したがって本発明は式IまたはIaの化合物を、場合により他の処置活性化合物と共に、医薬的に許容できる賦形剤または担体と共に含む医薬組成物に関する。賦形剤は、その組成物の他の成分と適合し、その受容者にとって有害でないという意味で、「許容できる」ものでなければならない。
好ましくは、活性成分は製剤の0.05〜99.9重量%を占める。
化合物を用量単位の形態で1日に1回またはそれ以上、適当な間隔を置いて投与しうる。ただしそれは必ず患者の状態に応じ、医師の処方に従って行う。製剤の用量単位は50〜5000mg、好ましくは200〜1000mgの式IまたはIaの化合物を含むとよい。
局所的処置に関しては「使用単位」と称する方がより適切かも知れないが、これは、活性物質そのものまたは活性物質と固形もしくは液状の医薬希釈剤もしくは医薬担体との混合物から構成される物理的化学的に安定な単位用量であって、容易に取り扱い、包装することができる、患者に投与することが可能な単回量を意味する。
局所的使用に関する用語「使用単位」は、感染部分1cm2当たり、活性成分0.1〜10mg、好ましくは0.2〜1mgを適用するように患者に局所的に投与することができる単位量、すなわち単回量を意味する。
また、ある種の投与計画では、より間隔を置いて、例えば1日置き、1週間毎、またはより長期間の間隔を置いて投与することも有益でありうると考えられる。
処置が別の処置活性化合物の投与を伴う場合は、そのような化合物の有用な用量に関して、Goodman & Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics, 第9版, J.G. HardmanおよびL.E. Limbird(編), McGraw-Hill 1995 を参照されたい。
製剤には、例えば経口投与(徐放性または持効性を含む)、経直腸投与、非経口投与(皮下、腹腔内、筋肉内、関節内および静脈内投与を含む)、経皮投与、経眼投与、局所投与、経鼻投与または経口腔粘膜投与に適した形状を持つものなどが包含される。
製剤は用量単位形で提供するとよく、例えばRemington「The Science and Practice of Pharmacy」第20版、2000年に開示されているような、薬学分野で周知の任意の方法によって製造することができる。どの方法にも、1つまたは複数の補助成分を構成する担体と活性成分とを混合する工程が含まれる。一般に製剤は、活性成分を液状担体もしくは微細固形担体またはその両者と均一かつ充分に混合した後、必要であればそれを所望の製剤に造形することによって製造される。
経口投与に適した本発明の製剤は、それぞれが所定の量の活性成分を含むカプセル剤、分包剤、錠剤または口中錠などの個々の単位の形、または散剤もしくは顆粒剤の形、または水性もしくは非水性液体(例えばエタノールまたはグリセロール)中の溶液剤もしくは懸濁液剤の形、または水中油型エマルションもしくは油中水型エマルションの形をとることができる。これらの油は例えば綿実油、ゴマ油、ヤシ油またはラッカセイ油などの食用油であることができる。水性懸濁液剤用の好適な分散または懸濁化剤には、合成または天然ゴム、例えばトラガカント、アルギナート、アラビアゴム、デキストラン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ゼラチン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボマーおよびポリビニルピロリドンなどがある。活性成分はボーラス、舐剤またはペースト剤の形で投与することもできる。
錠剤は、活性成分を、要すれば1つまたは複数の補助成分と共に圧縮または成形することによって製造することができる。圧縮錠剤は、粉末または顆粒などの流動性活性成分を、要すれば結合剤(例えばラクトース、グルコース、デンプン、ゼラチン、アラビアゴム、トラガカントゴム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロール、ポリエチレングリコール、ロウなど)、滑沢剤(例えばオレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなど)、崩壊剤(例えばデンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスポビドンなど)または分散剤(例えばポリソルベート80など)と混合して、適切な機械で圧縮することによって製造することができる。湿製錠剤は、不活性液状希釈剤で湿らせた粉末状の活性成分と適切な担体との混合物を、適切な機械で成形することによって製造することができる。
経直腸投与用の製剤は、本発明の化合物が低融点の水溶性または水不溶性固体、例えばカカオ脂、水素化植物油、ポリエチレングリコールまたはポリエチレングリコールの脂肪酸エステルなどと混合されている坐剤の形をとることができ、一方、エリキシル剤はパルミチン酸ミリスチルを使って製造することができる。
非経口投与に適した製剤は活性成分の滅菌油性または水性調製物からなるとよく、これは受容者の血液と等張性であること、すなわち等張食塩水、等張グルコース溶液または緩衝溶液などが好ましい。製剤は、例えば細菌保持膜を通した濾過、製剤への滅菌剤の添加、製剤の放射線照射、または製剤の加熱などによって、便利に滅菌することができる。例えば「Encyclopedia of Pharmaceutical Technology」第9巻, 1994などに開示されているリポソーム製剤も非経口投与に適している。
もう一つの選択肢として、式Iの化合物は、使用直前に滅菌溶媒に容易に溶解する滅菌固体調製物、例えば凍結乾燥粉末として提供することもできる。
経皮製剤は硬膏またはパッチ剤の形をとることができる。
経眼投与に適した製剤は、微結晶型をとりうる活性成分の滅菌水性調製物の形、例えば水性微結晶懸濁液剤の形を取ることができる。例えば「Encyclopedia of Pharmaceutical Technology」第2巻, 1989などに開示されているリポソーム製剤または生分解性ポリマー系も、活性成分を経眼投与するために使用することができる。
局所投与または経眼投与に適した製剤としては、液状または半液状の製剤、例えばリニメント剤、ローション剤、ゲル剤、アプリカント剤、水中油型もしくは油中水型エマルション、例えばクリーム剤、軟膏もしくはペースト剤など、または溶液剤もしくは懸濁液剤、例えば滴剤などが挙げられる。
経鼻投与または経口腔粘膜投与に適した製剤には、散剤、自噴式製剤、およびスプレー製剤、例えばエアロゾルおよびアトマイザーなどがある。そのような製剤は、Modern Pharmaceutics, 第2版, G.S. BankerおよびC.T. Rhodes(編), 第427-432頁, Marcel Dekker, ニューヨーク;Modern Pharmaceutics, 第3版, G.S. BankerおよびC.T. Rhodes(編), 第618-619および718-721頁, Marcel Dekker, ニューヨーク;およびEncyclopedia of Pharmaceutical Technology, 第10巻, J SwarbrickおよびJ.C. Boylan(編), 第191-221頁, Marcel Dekker, ニューヨークに、より詳細に記載されている。
式IまたはIaの化合物の製剤は、上述した成分の他に、1つまたは複数の追加成分、例えば希釈剤、緩衝剤、着香剤、着色剤、界面活性剤、増粘剤、ヒドロキシ安息香酸メチルなどの保存剤(酸化防止剤を含む)、乳化剤などを含むことができる。
処置に対する応答が速やかであることが望ましい状態の処置においては特に、非経口製剤が有用である。感染性疾患患者の継続的処置においては、錠剤またはカプセルが、その薬物(特に徐放性錠剤の形態で)の経口投与によってもたらされる持続的効果の故に、適当な医薬製剤形態でありうる。活性成分を医薬的に許容しうる無毒性酸または塩基との塩の形態で投与する場合、好ましい塩は例えば、ある適当な吸収率を達成するために、易水溶性または難水溶性である。
上述のように、本発明の組成物は、感染性疾患の処置において本発明の化合物と共に適切に投与することのできる他の処置活性成分、例えば他の適当な抗生物質、特に活性を増強しおよび/または耐性発現を抑制しうる抗生物質を含有しうる。コルチコステロイドを本発明の組成物に含めることも有益でありうる。
特にそのような他の活性成分は、次のものを包含しうる:β−ラクタム、例えばペニシリン系(フェノキシメチルペニシリン、ベンジルペニシリン、ジクロキサシリン、アンピシリン、アモキシシリン、ピバンピシリン、フルクロキサシリン、ピペラシリンおよびメセリナム)、セファロスポリン系(セファレキシン、セファロチン、セフェピム、セフォタキシム、セフタジジム、セフトリアゾンおよびセフロキシム)、モノバクタム系(アズトレオナム)およびカルバペネム系(メロペネム);マクロライド系(アジスロマイシン、クラリスロマイシン、エリスロマイシンおよびロキシスロマイシン);ポリミキシン系(コリスチン);テトラサイクリン系(テトラサイクリン、ドキシサイクリン、オキシテトラサイクリンおよびリメサイクリン);アミノグリコシド系(ストレプトマイシン、ゲンタマイシン、トブラマイシンおよびネチルマイシン);フルオロキノロン系(ノルフロキサシン、オフロキサシン、シプロフロキサシンおよびモキフロキサシン);クリンダマイシン、リンコマイシン、テイコプラニン、バンコマイシン、オキサゾリドン系(リネゾリド)、リファマイシン、メトロニダゾールおよびフシジン酸。とりわけ局所的処置のために、本発明の化合物と組み合わせるのが有利でありうる他の化合物は、例えば、コルチコステロイド、例えばヒドロコルチゾン、ベタメタゾン-17-バレレートおよびトリアムシノロンアセトニドを包含する。
他の処置活性化合物は、その処置活性化合物を同時投与または逐次投与するのに適した同一または別個の容器に入れることができる。
感染性疾患の処置に際しては、しばしば、処置を実際に開始する前に、処置に対してその疾患が抵抗性または不応性であるかを調べる。例えば、患者から感染性微生物を含有する試料(例えば血液または尿)を採ることができ、その後その試料を培養し、処置に付して、該感染性微生物が処置に応答するかを調べる。したがって、本発明は、ある微生物に対して有効な化合物を同定する方法であって、式Iまたは式Iaの化合物を、場合により他の処置活性剤と共に、微生物に投与し、その微生物に対し該化合物または化合物混合物が毒性作用または抑制作用を示すかどうか調べることを含んで成る方法をも提供する。
本発明の組成物は医薬に限定されず、非医療的にも微生物増殖の抑制に使用することができる。例えば、本発明の組成物または化合物は、(例えば発酵過程において)微生物増殖を抑制する添加剤として有用でありうる。例えば、抗微生物剤はその選択性の故に、複数の種の培養において特定の微生物の増殖を促進し他の微生物は抑制するのに有用である。
生物学的活性
インビトロ実験により、本発明の化合物が、さまざまな皮膚および眼感染に関与する最も病原性の高い細菌であるブドウ球菌株および連鎖球菌株のいずれに対しても高い効力を示すことがわかった。生物学的試験によると、本発明の化合物はブドウ球菌に対してフシジン酸と同等または場合によってはやや高い抗菌活性を示し、より重要なことには、連鎖球菌に対しては顕著により高い抗菌活性を示した。このことは、ブドウ球菌および連鎖球菌に対するいくつかの式Iaの化合物のMIC値を示す表Aから明らかである。
化合物:
本発明のフシジン酸類似体並びに参照化合物201(フシジン酸(ナトリウム塩として))、207、205、203および206(表Aの註参照)を、+4℃で粉末状態で保存した。それらをアッセイに使用する時に95%EtOHに溶解し(3.84mg/ml)、-20℃で最長1箇月間保存し、その期間を過ぎたものは廃棄した。
生物学的試験に使用した細菌株:
Figure 2007506675
培地:
LB培地(ddH2O 1000ml当たり:10g Bacto−トリプトン、5g酵母エキス、10gNaCl)。THB(todd-Hewitt Broth)培地、SIGMA、製品番号:T1438(ddH2O 1000ml当たり:50gウシ心臓浸出物、20gカゼインペプトン、2gデキストロース、2gNaHCO3、2.5gNaCl、0.4gNa2HPO4)。寒天濃度1.5%でプレートを調製した。血液−寒天プレートは、ウプサラのSLU(Swedish Agricultural University)から購入した脱線維素ウマ血液5%(v/v)を更に含有した。
MIC(最小抑制濃度)測定:
96ウェルマイクロタイタープレート(Thermo Labsystems)内で化合物のMIC試験を行った。128μg/mlから始めて連続希釈(希釈ファクター2、例えば128μg/ml、64μg/ml、……、0.016μg/ml)した試験化合物を含有する増殖培地(黄色ブドウ球菌にはLB培地、化膿連鎖球菌にはTH培地)0.4mlに、細菌4×10を接種した。感受性の尺度は、37℃で24時間好気的培養後に目に見える増殖のないことである。各化合物を少なくとも2回試験し、実験対照としてフシジン酸を常に使用した。
Figure 2007506675
表Aの註:
t=0における細胞濃度: 〜10/ml。細菌は37℃の培地中で好気的に培養。
n.t.=試験せず
Ref. comp.=参照化合物
表A中の参照化合物は、既知のフシジン酸誘導体である。各参照化合物は、同じ欄内でその上に記載した本発明化合物に対応する。参照化合物はC-24において不置換であり、C-24とC-25の間に二重結合を有する。参照化合物のそれ以外の構造的特徴はすべて、同じ欄内でその上に記載した対応する本発明化合物のものと同じである。
Figure 2007506675
上記データからわかるように、フシジン酸を24位で置換すると、化膿連鎖球菌に対する活性が顕著に高まり(2〜15倍)、黄色ブドウ球菌に対する活性は実質的に保たれる。
略語
下記の標準的略語を、本発明の開示を通して使用する:
AcOH = 酢酸
Ac2O = 無水酢酸
Ac = アセチル
aq. = 水性
Bu = n-ブチル
tBu、tBu = tert-ブチル
Comp. = 化合物
DBU = 1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン
DMF = ジメチルホルムアミド
eq. = 当量
Et = エチル
Ether = ジエチルエーテル
EtOAc = 酢酸エチル
EtOH = エタノール
Ex. = 実施例
FA = フシジン酸またはフシジン酸類似体環-A、B、C、D基礎構造
FCC = フラッシュカラムクロマトグラフィー
Fu = フシジン酸環-A、B、C、D基礎構造
HMPA = ヘキサメチル燐酸トリアミド
HPLC = 高性能液体クロマトグラフィー
iPr = イソプロピル
Me = メチル
MeOH = メタノール
m.p. = 融点
MRSA = メチシリン耐性黄色ブドウ球菌
Pet.ether = 石油エーテル
Ph = フェニル
Phenac = フェナシル
Piv = ピバロイル
Prep. = 製造例
THF = テトラヒドロフラン
TLC = 薄層クロマトグラフィー
rt = 室温
sat.NaCl = 塩化ナトリウム飽和水溶液
TMS = トリメチルシリル
v = 体積
本発明化合物の製造
個々の化合物Iに必要な条件、例えば、出発物質の入手可能性、感受性置換基の一時的保護、合成段階における純度および収量、および好ましい合成段階順序の選択に依存して、種々の合成経路によって、既知の出発物質から式Iの化合物を合成しうる。
例示するものであって限定するものでない、式IまたはIaの種々の化合物の合成の方法および実施例を下記に示す。当業者によって好都合であると判断されるように、種々の合成法を相互に組み合わせて、環A、CおよびDにおいて、側鎖の24-位において、および遊離酸、塩または易加水分解性エステルに関して、所望の置換を有する式IまたはIaの所望の化合物を生成しうる。
FA(フシジン酸/フシジン酸類似体)環-A、B、C、D基礎構造を有する一般式Iの24-ブロモ化合物を、出発物質201〜206(同じ環-A、B、C、D基礎構造を有する)から合成する一般法を、反応式1に示す:
Figure 2007506675
例示的フシジン酸およびフシジン酸類似体環-A、B、C、D基礎構造、FA:
Figure 2007506675
条件:
(a)ClCH2O(CO)R'、Et3N、DMF(R'=MeまたはC(CH33)、室温
(b)Br2、CCl4、0℃
(c)DBU、CCl4またはCH3CN、室温
(d)DBU/MeOH水溶液またはK2CO3/MeOH、室温
ジメチルホルムアミドのような好適な溶媒中で、トリエチルアミンのような好適な塩基の存在下に、例えば酢酸クロロメチルまたはピバル酸クロロメチルを使用して、フシジン酸またはフシジン酸類似体をエステル化しうる。次に、四塩化炭素またはアセトニトリルのような好適な溶媒中で、エステルを臭素で臭素化することができる。得られた二臭化物(一般に、24-ジアステレオ異性体の混合物である)を、四塩化炭素またはアセトニトリルのような好適な溶媒中で、DBUのような好適な塩基で処理することによって脱臭化水素して、主に24-ブロモフシジン酸-またはフシジン酸類似体-エステルを得ることができる。所望であれば、例えば易加水分解性エステル基を有する場合に、エステルを、対応する遊離酸Iのプロドラッグとして使用することができる。または、水を含有するメタノールまたはエタノールのような好適な溶媒中で、DBUまたはK2CO3のような好適な塩基でエステルを加水分解して、一般構造I(X=ブロモ)の所望の化合物を遊離酸または塩として得ることができる。
本発明の他の態様において、例えば前記の方法を使用して、二臭化物を一段階で脱臭化水素し加水分解して、所望の化合物Iを遊離酸または塩として得る。他の好ましい態様において、フシジン酸またはフシジン酸類似体を、前記の方法によって直接的に臭素化して、対応するジブロモ酸(一般に、24-ジアステレオ異性体の混合物である)を得る。次に、ジブロモ酸を、例えば前記の方法によって、脱臭化水素して、一般構造I(X=ブロモ)の所望の化合物を、遊離酸として、任意に塩として、得る。
式Ia(式中、Q1、Q2、AおよびBは前記の通りであり、YおよびZはC-17/C-20結合と一緒にC-17とC-20の間に二重結合を形成するか、または一緒にメチレンであるか、または両方とも水素を表し、Xはブロモである)の化合物の現在好ましい製造法を、反応式1a(式中、FAは、反応式1に示したフシジン酸またはフシジン酸類似体環-A、B、C、D基礎構造である)に示した反応によって示す。
Figure 2007506675
フシジン酸またはフシジン酸類似体を、好適な溶媒、例えば、酢酸、またはC1~4カルボン酸のC1〜4アルキルエステル、例えば、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸tert-ブチルに溶解し、同じ溶媒に溶解しているのが好ましい臭素を使用して-10℃〜20℃、好ましくは0℃〜10℃、例えば5℃で処理して、24,25-ジブロモ中間体を得る。任意に水性塩基および/または還元剤、例えばNa2SO3を添加し、有機溶媒の蒸発によって相を分離して、24,25-ジブロモ中間体を分離しうる。
次に、好適な溶媒、例えばC1~6アルコール、例えば、メタノール、エタノール、1-プロパノール、イソプロパノールまたはブタノール、または水またはそれらの溶媒の混合物中の24,25-ジブロモ中間体の溶液を、例えば還流温度、または例えば50℃〜120℃、例えば60℃〜90℃、例えば70℃〜80℃において、好適な塩基と反応させることによって、24,25-ジブロモ中間体(分離または精製工程を行っていない場合もある)を式Iaの化合物に脱臭化水素して、塩形態の式Iaの脱臭化水素化合物を得る。式Iaの脱臭化水素化合物を生成するのに使用される塩基は、下記から選択するのが好適である:炭酸、燐酸または硼酸のような弱酸のアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩、例えば、炭酸カリウムまたはナトリウム、または塩基、例えばアンモニアまたはC1~8-置換アンモニア、例えば、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンまたはピペリジン、またはアルカリまたはアルカリ土類金属水酸化物、例えば、希水酸化ナトリウム、水酸化カルシウムまたは希水酸化カリウム。
次に、燐酸または酢酸水溶液のような好適な酸で酸性化することによって、塩から遊離酸形態の式Iaの化合物が得られる。次に、化合物Iaを、下記の実施例8および45に記載のように精製し再結晶して、純粋化合物Iaを得るか、または例えば製造例1および2に記載する手順を使用して、易加水分解性エステルに変換するか、または例えば下記の実施例9に記載するように、ナトリウム塩のような好適な塩に変換しうる。
化合物108の変換によって例示される、一般式I(X=ブロモ)の化合物の24-ブロモ置換基を変換して一般式I(Xはブロモでない)の24-置換化合物を得る一般的な方法を、反応式2に示す。
Figure 2007506675
条件:
(a)ClCH2O(CO)R'、Et3N、DMF(R'=MeまたはC(CH33)、室温
(d)DBU/MeOH水溶液またはK2CO3/MeOH、室温
(e)CuI、KI、HMPA、120℃
(f)(R'=-CH2COPh)BrCH2COPh、KF、DMF、室温
(g)CuI、LiCl、HMPA、120℃
(h)CF3Cu、HMPA、室温
(i)ArB(OR'') 、Pd(PPh34、K2CO3、EtOH+トルエン、90℃
(Fu = フシジン酸環A、B、C、D基礎構造)
ArおよびArB(OR'')2の例について、実施例36〜43参照
24-ブロモ-フシジン酸-または24-ブロモ-フシジン酸類似体-アセトキシメチルエステルまたは-ピバロイルオキシメチルエステルを、例えばメタノールおよび水性塩基での処理によって、対応する遊離酸に加水分解しうる。そのブロモ酸を、HMPA中の沃化銅(I)および沃化カリウムと共に120℃で加熱して、式Iの対応する24-ヨード酸が得られる。その酸を、DMF中の臭化フェナシルおよび弗化カリウムでの処理によって、対応するフェナシルエステルにエステル化することができる。そのフェナシルエステルは、例えばHMPA中のトリフルオロメチル銅の溶液との反応によって、対応する24-トリフルオロメチルエステルを生じる。最後に、そのエステルを、アルカリ加水分解のような加水分解によって、式Iの遊離24-トリフルオロメチルフシジン酸(またはフシジン酸類似体)に変換しうる。
または、反応式2に示すように、24-ヨード酸を前記のようなそのアセトキシメチルエステルまたはピバロイルオキシメチルエステルにエステル化することができ、それらを、好適なカップリング反応、例えばアリールボロン酸もしくはエステルまたは置換アリールボロン酸もしくはエステルとのSuzuki型カップリングによって、対応する24-アリールまたはアルケニルエステルなどに変換することができる。最後に、エステルの加水分解、例えばアルカリ加水分解によって、一般式Iの化合物の対応する遊離酸が得られる。
他の態様において、24-ブロモ-フシジン酸-または24-ブロモ-フシジン酸類似体-アセトキシメチルエステルまたはピバロイルオキシメチルエステルを、HMPA中で沃化銅(I)および塩化リチウムと共に加熱して、対応する24-クロロエステルが得られる。このエステルは、アルカリ加水分解のような加水分解後に、一般式Iの化合物の遊離24-クロロ酸を生じる。
化合物123、124および144の合成について例示される、合成手順の間に環Aの修飾を含む化合物Iの一般的合成法を、反応式3に示す。
Figure 2007506675
条件:
(j)Ph3P、CBr4、ベンゼン、室温
(k)K2CO3、MeOH、室温
(l)LiN3、DMF、室温
例えば24置換基の導入後の、フシジン酸環-A、B、C、D基礎構造の環の1つにおける置換の修飾の非制限的な例を、環Aの修飾についての反応式3に示す。例えば、24-ブロモ-フシジン酸-または24-ブロモ-フシジン酸類似体-アセトキシメチルエステルまたはピバロイルオキシメチルエステルを、トリフェニルホスフィンおよびテトラブロモメタンで臭素化して、立体配置の反転を伴って、対応する3-β-ブロモエステルを得ることができる。そのエステルを、式Iの遊離酸に任意に加水分解することができる。この酸を、例えば反応式に示すようにアジ化リチウムでの処理によって、さらに修飾して、さらなる立体配置反転を伴って、式Iの対応する3-α-アジドエステルを得ることができる。
化合物112および113の合成について例示される、合成手順の間に環Aおよび環Dの修飾を含む化合物Iの一般的合成法を、反応式4に示す。
Figure 2007506675
条件:
(m)Ac2O、ピリジン、室温
(n)(1)1当量NaOH水溶液、MeOH、室温;(2)NaHCO3水溶液、100℃
(o)(1)1当量NaOH水溶液、MeOH、室温;(2)ClCH2(CO)C(CH33、DMF、室温
(p)Cl(CO)OPh、NaBr、DMF、0℃
(q)Br2、CCl4、室温
(r)DBU、CH3CN、還流
(s)(1)iPrSH、NaOH、DMF、室温;(2)NaOH水溶液、60℃
(t)(1)1当量NaOH水溶液、MeOH、室温;(2)NaIO4、MeOH、室温
フシジン酸で開始する化合物112および113の合成は、一般式Iの化合物の合成の間に環Dにおける16-置換基を16-β-立体化学を有するアルキルチオ-またはアルキルスルフィニル-基に変換しうる非制限的手順を示す。3-ヒドロキシ基およびカルボキシ基の一時的保護を適用することが好都合な場合があり、24位における臭素を、合成手順の適切な段階で導入しうる:フシジン酸(201)を、C3において無水酢酸およびピリジンでアセチル化して、化合物(4)を得ることができる。次に、化合物(4)の対応するナトリウム塩を、炭酸水素ナトリウム水溶液と共に加熱して、16-α-ヒドロキシ化合物(5)を得ることができる(C16における立体配置の反転を伴う)。
(5)のナトリウム塩を、例えば、ピバル酸クロロメチルでエステル化して、(6)を得ることができる。化合物(6)を、フェニルクロロホルメート、ジメチルホルムアミドおよび臭化ナトリウムで処理して、16-α-ブロモ化合物(11)を得ることができる(C16における立体配置を維持している)。化合物(11)を臭素化して、24,25-ジブロモ化合物(12)を得ることができ、これを、例えばDBUで、脱臭化水素して、24-ブロモ化合物(13)を得ることができる。化合物(13)をナトリウムイソプロピルチオレートでアルキル化して、16-β-イソプロピルチオ中間体を得(C16における立体配置の反転を伴う)、これを、例えば水性塩基で、加水分解して、式Iの24-ブロモ-3-α-ヒドロキシ-16-β-イソプロピルチオカルボン酸(112)が得られる。所望であれば、化合物(112)を酸化して(例えば、過沃素酸ナトリウムを使用)、対応するスルホキシド(113)を得ることができる。
製造例および実施例
全般
全ての融点は補正されていない。1H(300MHz)および 13C(75.6MHz)核磁気共鳴(NMR)スペクトルについて、特に記載しなければ、化学シフト値(δ)(ppm)を、内部テトラメチルシラン(δ=0.00)またはジュウテリオクロロホルム(13C NMRについてδ=76.81)に対して、ジュウテリオクロロホルム溶液について示す。特定された(二重線(d)、三重線(t)、四重線(q))またはされていない(m)多重線の値は、範囲を示していない場合はおよその中間点を示す(s=一重線、b=ブロード)。
反応混合物を一般に下記によってワークアップした:水および/または(指示された)塩または酸の溶液と共に振とうした、(指示された)有機溶媒で抽出し;その有機溶液を硫酸ナトリウムまたはマグネシウムで一般に乾燥し、回転蒸発器で減圧濃縮した。クロマトグラフィーは、酢酸エチルおよび低沸点石油エーテルを溶離剤として一般に使用して、シリカゲル上で行った。使用した溶媒比率を、体積比/パーセント(v:v)として示す。適切な画分を合わし、濃縮し、ある場合には、次に結晶化または凍結乾燥を行った。溶媒:使用の数日前に、分析用溶媒を4Å分子篩上で保存することによって、無水溶媒を一般に調製した。
化合物Iの合成用の中間体の製造
一般式Ibの中間体を表1に示す:
Figure 2007506675
Figure 2007506675
Figure 2007506675
式Ibおよび表1の註
Prep.=製造例
Prep.(イタリック体)=その手順を他の製造例または実施例に使用する
Comp.=化合物
Comm.Proced.=一般手順
Q2=CH-OH(α)
X:
X'を有しない化合物について、C#24およびC#25の立体配置は式Iaと同じであり、即ち、C24およびC25は二重結合によって結合している。X=X'=Brである化合物については、C24およびC25の両方が臭素原子で置換され、C24およびC25は単結合によって結合し、その化合物は2つのC24ジアステレオ異性体の混合物である。
R:
H=遊離酸
Na=ナトリウム塩
CH2OAc=アセトキシメチルエステル
CH2OPiv=ピバロイルオキシメチルエステル
phenac=フェナシルエステル
Y、Z:
Bd=炭素-炭素結合、即ち、C17およびC20が二重結合によって結合している;
H,H=17S-H,20S-H、即ち、C17およびC20が単結合によって結合している;
-CH2-=[Y,Z]-C17-C20が17S,20S-立体化学を有するシクロプロパン環を形成する。
製造例
製造例1: フシジン酸アセトキシメチルエステル(2a)
DMF(375mL)中のフシジン酸(201)(128.6g、250mmol)の溶液に、Et3N(45mL、33g、320mmol)を添加し、混合物を室温で30分間撹拌した。次に、酢酸クロロメチル(49mL、55g、500mmol)を添加し、反応混合物を室温で一晩撹拌し、次に、ワークアップして(EtOAc、水)、粗生成物を得た。粗エステル(2a)をイソプロピルエーテルから結晶化して、純粋化合物(2a)を無色粉末状物として得た。融点103〜105℃。
13C NMR (CDCl3): 170.4, 169.6, 168.4, 150.6, 132.7, 129.3, 122.9, 79.4, 74.4, 71.4, 68.2, 49.2, 48.7, 44.3, 39.5, 39.0, 37.1, 36.2, 36.2, 35.5, 32.4, 30.3, 30.0, 28.8, 28.3, 25.7, 24.2, 22.8, 20.9, 20.8, 20.7, 17.9, 17.7, 15.9
製造例2: フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(2b)
製造例1に記載した手順によって、酢酸クロロメチルの代わりに、ピバル酸クロロメチルを使用し、50℃で一晩反応を行って、フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(2b)を無色非晶質粉末状物として得た。
13C NMR (CDCl3): 177.0, 170.2, 168.1, 150.9, 132.6, 129.3, 123.0, 79.8, 74.3, 71.4, 68.2, 49.3, 48.8, 44.3, 39.5, 39.0, 38.8, 37.0, 36.3, 36.1, 35.6, 32.3, 30.2, 30.0, 28.8, 28.3, 26.9, 25.7, 24.1, 22.9, 20.8, 17.9, 17.8, 15.9.
製造例3: 24R,S,25-ジブロモフシジン酸アセトキシメチルエステル(3a)
フシジン酸アセトキシメチルエステル(2a)(6g、10mmol)をCCl4(40mL)に溶解し、CCl4(40mL)中の臭素(0.56mL、1.76g、11mmol)の溶液を、連続撹拌し氷浴で冷却しながら1時間にわたって添加した。得られた僅かに黄色の溶液を、さらに精製せずに次の段階に使用した。
1H NMR (CDCl3): 5.91(m, 1H), 5.78(bs, 2H), 4.36(bs, 1H), 4.20(m, 1H), 3.75(bs, 1H), 3.16(m, 1H), 2.80-1.00(m, 20H), 2.10(s, 3H), 1.97(bs, 6H), 1.80(s, 3H), 1.38(s, 3H), 0.96(s, 3H), 0.95(s, 3H), 0.91(d, 3H).
製造例4: 24R,S,25-ジブロモフシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(3b)
製造例3に記載した手順によって、フシジン酸アセトキシメチルエステル(2a)の代わりに、フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(2b)を使用し、反応混合物を濃縮し、粗生成物をFCC(ヘキサン:EtOAc 50:50を溶離剤として使用)によって精製して、標記化合物3bを無色泡状物として得た。
13C NMR (CDCl3): 177.0, 170.2, 170.2, 167.7, 167.6, 153.0, 153.0, 127.7, 80.1, 80.0, 74.3, 71.4, 68.5, 68.4, 68.2, 68.1, 66.2, 65.8, 60.4, 49.3, 49.2, 48.9, 48.9, 44.5, 39.5, 39.0, 38.8, 37.0, 36.3, 36.1, 35.8, 35.2, 35.1, 32.3, 31.6, 30.2, 30.0, 28.5, 28.2, 28.2, 27.7, 26.9, 24.1, 24.1, 22.8, 22.7, 20.8, 20.8, 18.1, 18.0, 16.0, 14.2.
製造例5: 3-アセチル-フシジン酸(4)
フシジン酸(201)(74.3g、0.144mol)をピリジン(75mL、74g、0.93mol)および無水酢酸(75mL、81g、0.79mol)に溶解し、得られた反応混合物を室温で3時間撹拌し、次に、反応を終了させた。アセチル化生成物を氷および水の添加によって沈殿させた。メタノール/水から再結晶して、純粋化合物(4)を得た。
13C NMR (CDCl3): 174.5, 171.0, 170.6, 151.1, 132.7, 129.7, 123.0, 74.4, 74.2, 68.3, 49.1, 48.8, 44.3, 39.4, 39.0, 37.8, 37.0, 35.8, 34.8, 32.7, 31.1, 28.7, 28.4, 27.4, 25.7, 24.4, 22.6, 21.3, 20.6, 20.6, 18.1, 17.8, 15.5.
製造例6: 3-アセチル-16-デアセトキシ-16α-ヒドロキシフシジン酸(5)
3-アセトキシ-フシジン酸(4)(9.95g、17.8mmol)をMeOH(250mL)に溶解し、当量のNaOH水溶液(約9mL、2M)で中和した。溶媒を蒸発させ、残渣に水(150mL)を添加した。混合物を加熱還流し、NaHCO3飽和水溶液(約1M)20mLを30分間にわたって添加した。得られた透明溶液を100℃に8時間加熱して、不溶性副生成物(対応するラクトン)を形成した。ラクトンを濾過によって除去し、濾液をHCl(20mL、4M)で酸性化し、EtOAcで抽出した。有機相を水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮して、標記化合物(5)を得、これをさらに精製せずに次の段階に使用した。
13C NMR (CDCl3): 174.2, 171.2, 164.7, 132.5, 127.6, 123.2, 74.2, 72.2, 68.4, 49.1, 47.4, 43.9, 39.5, 39.2, 37.7, 36.9, 35.9, 34.9, 32.6, 31.0, 29.1, 28.4, 27.3, 25.7, 24.5, 22.7, 21.4, 20.7, 18.4, 17.9, 15.5.
製造例7: 3-アセチル-16-デアセトキシ-16α-ヒドロキシフシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(6)
3-アセチル-16-デアセトキシ-16α-ヒドロキシフシジン酸(5)(39.7g、77mmol)をMeOH(250mL)に溶解し、1当量のNaOH水溶液で中和した。溶媒を蒸発させ、残渣をDMF(450mL)に再び溶解させた。ピバル酸クロロメチル(13.4mL、13.9g、92mmol)を、連続撹拌し氷冷却しながら30分間にわたって添加した。得られた混合物を室温で一晩撹拌し、次に、ワークアップし(EtOAc、CaCl2水溶液、水、NaCl飽和溶液)、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮して、標記化合物(6)を油状物として得、これをさらに精製せずに次の段階(製造例11)に使用した。
13C NMR (CDCl3): 177.2, 171.0, 168.6, 164.6, 132.6, 127.2, 123.1, 80.0, 74.1, 72.1, 68.4, 49.1, 47.4, 43.7, 39.5, 39.4, 38.8, 37.7, 36.9, 36.0, 34.9, 32.6, 31.0, 28.9, 28.0, 27.4, 26.9, 25.7, 24.5, 22.6, 21.3, 20.7, 18.4, 17.8, 15.5.
製造例8: 16-デアセトキシ-16β-チオアセチル-フシジン酸アセトキシメチルエステル(8)
製造例1に記載した手順によって、フシジン酸の代わりに、16-デアセトキシ-16β-チオアセチル-フシジン酸(202)(von Daehne, W.ら、Adv.Appl. Microbiol., 1979, 第25巻, p.95-146)を使用し、各10当量のEt3Nおよび酢酸クロロメチルを使用し、粗生成物をFCC(石油エーテル:EtOAc 1:1を溶離剤として使用)によって精製して、標記化合物(8)を得た。
13C NMR (CDCl3): 194.9, 169.5, 168.4, 151.3, 132.7, 129.5, 122.9, 80.0, 71.4, 68.3, 49.2, 49.0, 45.7, 43.7, 41.4, 39.7, 37.2, 36.3, 35.9, 35.7, 32.7, 30.4, 30.0, 29.9, 29.3, 28.3, 25.7, 24.4, 22.4, 20.7, 20.6, 18.6, 17.7, 16.0.
製造例9: 16-デアセトキシ-16β-エトキシ-フシジン酸アセトキシメチルエステル(9)
製造例1に記載した手順によって、フシジン酸の代わりに、16-デアセトキシ-16β-エトキシ-フシジン酸(203)のカリウム塩(von Daehne, W.ら、Adv.Appl. Microbiol., 1979, 第25巻, p.95-146)を使用し、Et3Nを使用せず、10当量の酢酸クロロメチルを使用し、粗生成物をFCC(石油エーテル:EtOAc 1:1を溶離剤として使用)によって精製して、標記化合物(9)を得た。
13C NMR (CDCl3): 169.7, 169.6, 151.2, 132.4, 128.6, 123.2, 79.6, 78.8, 71.4, 68.4, 65.2, 49.2, 49.0, 43.3, 39.5, 37.0, 36.3, 36.2, 35.8, 35.5, 32.5, 30.2, 30.0, 28.8, 28.2, 25.7, 24.1, 22.8, 20.9, 20.8, 17.8, 17.7, 16.0, 15.3.
製造例10: 16-デアセトキシ-16β-(2',2',2'-トリフルオロエトキシ)-フシジン酸アセトキシメチルエステル(10)
製造例1に記載した手順によって、フシジン酸の代わりに、16-デアセトキシ-16β-(2',2',2'-トリフルオロエトキシ)-フシジン酸(204)(von Daehne, W.ら、Adv.Appl. Microbiol., 1979, 第25巻, p.95-146)を使用し、各10当量のEt3Nおよび酢酸クロロメチルを使用し、粗生成物をFCC(石油エーテル:EtOAc 1:1を溶離剤として使用)によって精製して、標記化合物(10)を得た。
13C NMR (CDCl3): 169.7, 169.1, 151.0, 132.6, 129.9, 123.7, 123.0, 80.1, 79.5, 71.4, 68.3, 67.8, 49.1, 49.0, 43.8, 39.5, 37.1, 36.3, 36.2, 35.8, 35.5, 32.6, 30.3, 30.0, 28.6, 28.2, 25.7, 24.3, 22.7, 20.8, 20.7, 17.7, 17.6, 15.9.
製造例11: 3-アセチル-16α-ブロモ-16-デアセトキシ-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(11)
3-アセチル-16-デアセトキシ-16α-ヒドロキシフシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(6)(22.8g、36.2mmol)をDMF(200mL)に溶解し、アルゴン雰囲気下に、連続撹拌しながら氷浴で冷却した。臭化ナトリウム(18.6g、181mmol)をその溶液に添加し、得られた混合物を1時間撹拌した。フェニルクロロホルメート(22.8mL、28.3g、181mmol)を0℃で1時間にわたって添加し、次に、室温で18時間撹拌した。反応混合物をワークアップし(EtOAc、CaCl2水溶液、水、NaCl飽和溶液)、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物をFCC(石油エーテル中10%〜30%のEtOAcを溶離剤として使用)によって精製して、純粋な標記化合物(11)を油状物として得た。
13C NMR (CDCl3): 177.3, 171.0, 167.5, 154.8, 132.6, 129.5, 123.0, 79.8, 74.1, 68.2, 50.6, 49.3, 48.8, 43.5, 42.0, 39.5, 38.9, 37.6, 36.9, 35.8, 35.0, 32.5, 30.9, 28.6, 28.3, 27.3, 27.0, 25.7, 24.3, 22.8, 21.3, 20.7, 17.8, 17.4, 15.5.
製造例12: 3-アセチル-16-デアセトキシ-16α-24,25-トリブロモフシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(12)
製造例3に記載した手順によって、フシジン酸アセトキシメチルエステル(2a)の代わりに、3-アセチル-16α-ブロモ-16-デアセトキシ-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(11)を使用して、標記化合物(12)を無色泡状物として得た
1H NMR (CDCl3): 5.87(m, 2H), 5.64(bt, 1H), 4.93(bs, 1H), 4.35(bs, 1H), 4.14(dd, 1H), 3.46(bd, 1H), 2.80-1.00(m, 20H), 2.07(s, 3H), 1.97(s, 3H), 1.84(s, 3H), 1.49(s, 3H), 1.22(s, 9H), 0.98(s, 3H), 0.83(d, 3H), 0.78(s, 3H).
製造例13: 3-アセチル-16-デアセトキシ-16α,24-ジブロモフシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(13)
3-アセチル-16デアセトキシ-16α-24,25-トリブロモフシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(12)(14.4g、16.4mmol)およびDBU(7.4mL、7.6g、49mmol)を、アセトニトリル(200mL)に溶解し、得られた溶液を、アルゴン雰囲気下に、連続撹拌しながら50℃で5時間加熱した。反応混合物を減圧濃縮し、ワークアップした(EtOAc、水、NaCl飽和溶液)。粗生成物をFCC(石油エーテル中10%〜15%のEtOAcを溶離剤として使用)によって精製して、純粋な標記化合物(13)を結晶質生成物として得た。
1H NMR (CDCl3): 5.87(d, 1H), 5.84(d, 1H), 5.64(bt, 1H), 4.94(bs, 1H), 4.36(bs, 1H), 3.45(bd, 1H), 2.75-2.50(m, 5H), 2.30-1.00(m, 15H), 2.07(s, 3H), 1.85(s, 3H), 1.78(s, 3H), 1.46(s, 3H), 1.23(s, 9H), 0.98(s, 3H), 0.83(dd, 3H), 0.77(s, 3H).
製造例14: 17S,20S-ジヒドロフシジン酸アセトキシメチルエステル(14)
製造例1に記載した手順によって、フシジン酸の代わりに、17S,20S-ジヒドロフシジン酸(205)(Duvold, T.ら、J. Med. Chem., 2001, 第44巻, p.3125-3131)を使用し、各10当量のEt3Nおよび酢酸クロロメチルを使用し、粗生成物をFCC(石油エーテル:EtOAc 1:1を溶離剤として使用)によって精製して、標記化合物(14)を得た。
13C NMR (CDCl3): 173.8, 170.0, 169.8, 132.4, 123.3, 78.7, 76.5, 71.4, 68.8, 49.3, 45.7, 44.1, 40.6, 38.3, 37.1, 36.3, 34.3, 32.7, 32.5, 30.3, 30.0, 25.7, 25.2, 23.7, 22.8, 21.0, 20.9, 20.7, 17.7, 17.2, 16.0.
製造例15: 17S,20S-メチレン-フシジン酸アセトキシメチルエステル(15)
製造例1に記載した手順によって、フシジン酸の代わりに、17S,20S-メチレン-フシジン酸(206)(Duvold, T.ら、Bioorg. Med. Chem. Lett., 2002, 第12巻, p.3569-3572)を使用し、各10当量のEt3Nおよび酢酸クロロメチルを使用し、粗生成物をFCC(石油エーテル:EtOAc 1:1を溶離剤として使用)によって精製して、標記化合物(15)を得た。
13C NMR (CDCl3): 171.5, 170.1, 169.6, 132.2, 123.6, 79.1, 78.8, 71.4, 68.3, 49.7, 48.5, 42.6, 40.1, 39.9, 38.6, 37.1, 36.4, 36.3, 36.1, 34.6, 32.3, 31.8, 30.3, 29.9, 26.0, 25.7, 24.1, 22.9, 20.7, 20.7, 18.9, 18.0, 17.6, 16.0.
製造例16: 24-ヨード-フシジン酸フェナシルエステル(7)
臭化フェナシル(0.42g、2.1mmol)、弗化カリウム(0.27g、4.6mmol)およびDMF(10mL)の混合物を、アルゴン雰囲気下に、90℃で5分間撹拌した。24-ヨード-フシジン酸(125)(1.35g、2.1mmol)を添加し、得られた混合物を90℃で1時間撹拌した。反応混合物をワークアップし(エーテル、水、NaCl飽和溶液、MgSO4)、減圧濃縮して、標記化合物(7)を非晶質粉末状物として得た。
13C NMR (CDCl3): 171.1, 170.5, 168.6, 152.3, 137.4, 134.3, 133.8, 128.9, 128.2, 127.8, 100.3, 74.4, 71.4, 68.2, 65.8, 60.4, 49.3, 48.9, 44.7, 41.6, 39.5, 39.1, 37.0, 36.4, 36.1, 36.0, 32.2, 31.7, 30.2, 30.0, 28.9, 24.0, 22.9, 21.0, 20.9, 19.4, 18.0, 16.0, 14.2.
製造例17: 24-トリフルオロメチル-フシジン酸フェナシルエステル(16)
HMPA(1.5mL)中の沃化トリフルオロメチル(0.43g、2.2mmol)および銅粉末(0.32g、5mgAt)から製造したHMPA中のトリフルオロメチル銅錯体の溶液(Kobayashi Y.ら, Tetrahedron. Lett., 1979, 第42巻, p.4071-4072)を、24-ヨード-フシジン酸フェナシルエステル(7)(190mg、0.25mmol)に添加した。得られた混合物を、アルゴン雰囲気下に、密閉バイアル中で室温で3日間撹拌し、次に、EtOAc、水およびNaCl飽和溶液でワークアップし、乾燥し、減圧濃縮した。粗生成物を、FCC(石油エーテル中20%〜40%のEtOAcを溶離剤として使用)、次に、分取HPLC(Lichrospher(登録商標)-100 RP18;アセトニトリル:水 9:1中の0.01M NH4 +HCOOと混合した0.01M NH4 +HCOO水溶液の50%〜0%の勾配を溶離剤として使用)によって精製した。適切な画分を合わし、減圧濃縮し、EtOAcで抽出し、EtOAc溶液を減圧濃縮して、標記化合物(16)を油状物として得た。
1H NMR (CDCl3): 7.88(dd, 2H), 7.58(t, 1H), 7.48(t, 2H), 5.98(d, 1H), 5.48(d, 1H), 5.11(d, 1H), 4.36(s, 1H), 3.75(bs, 1H), 3.10(bd, 1H), 2.75-1.00(m, 21H), 2.01(s, 3H), 1.88(,3H), 1.83(,3H),1.38(s, 3H), 0.98(s, 3H), 0.93(s, 3H), 0.92(d, 3H).
製造例18: 24,25-ジブロモ-フシジン酸(17)
酢酸エチル(100mL)中の臭素(16.0g、0.1mol)の溶液を、酢酸エチル(1000mL)中のフシジン酸(51.6g、0.1mol)の撹拌溶液に75分間にわたって添加した。氷浴で冷却することによって温度を5℃に維持した。KH2PO4(100mL、1M水溶液)およびNa2S2O3(50mL、1M水溶液)を数分間で添加した。EtOAc相を分離し、KH2PO4(200mL、0.5M水溶液)および水(100mL)で抽出し、次に、減圧濃縮して、(17)の固体残渣を得、これをさらに精製せずに次の段階(実施例45)に使用した。
1H NMR (CDCl3): 5.81(d, 1H), 4.32(m, 1H), 4.26(t, 1H), 3.66(m, 1H), 3.09(m, 1H), 3.0-1.0(m, 19H), 1.82(s, 3H), 1.81(s, 3H), 1.39(s, 3H), 1.00(s, 3H), 0.99(s, 3H), 0.94(s, 3H), 0.89(d, 3H).
本発明の化合物I
一般式Iの例示的化合物を表2に示す(Q2=CH-OH(α)である一般式Iaの化合物):
Figure 2007506675
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Figure 2007506675
Figure 2007506675
Figure 2007506675
Figure 2007506675
表2の註: 表1の記号と共通する表2の記号は同じ意味を有する。Ex.=実施例;Ex.(イタリック体)=その手順は他の実施例に使用される。
一般式Iの化合物の例示的易加水分解性エステルを、表3-a(アセトキシメチルエステル)および表3-b(ピバロイルオキシメチルエステル)に示す(一般式Ia(Q2=CH-OH(α))の化合物のエステル):
Figure 2007506675
Figure 2007506675
Figure 2007506675
Figure 2007506675
Figure 2007506675
表3-aおよび3-bの註: 表1の記号と共通する表3-aおよび表3-bの記号は、同じ意味を有する。Ex.=実施例;Ex.(イタリック体)=その手順は他の実施例に使用される。
Figure 2007506675
一般式Iの化合物の例示的塩を、表4に示す(一般式Ic(Q2=CH-OH(α))の塩):
Figure 2007506675
Figure 2007506675
表4の註: 表1の記号と共通する表3aおよび3bの記号は、同じ意味を有する。Ex.=実施例;Ex.(イタリック体)=その手順は他の実施例に使用される。
実施例
24-トリフルオロメチル-フシジン酸ナトリウム(化合物101)
標記化合物(101)は、実施例9の手順によって、24-ブロモ-フシジン酸(108)の代わりに、24-トリフルオロメチルフシジン酸(106)を使用して得られる。
24-トリフルオロメチル-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物102)
標記化合物(102)は、製造例2の手順によって、フシジン酸の代わりに、24-トリフルオロメチルフシジン酸(106)を使用し、生成物を凍結乾燥して得られる。
24-クロロ-フシジン酸(化合物103)
24-クロロ-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(104)(140mg、0.21mmol)およびK2CO3(60mg、0.43mmol)を、MeOH(2mL)中で、室温で3時間撹拌した。濃縮反応混合物のFCC(石油エーテル:EtOAc:HCOOH、90:10:1〜10:90:1を溶離剤として使用)によって、純粋な標記化合物(103)を得た。
13C NMR (CDCl3): 174.0, 170.6, 152.5, 128.5, 126.8, 74.5, 71.5, 68.2, 49.3, 48.8, 44.6, 39.5, 39.0, 37.0, 36.3, 36.0, 35.6, 32.2, 30.2, 29.9, 27.3, 24.0, 22.9, 21.9, 20.8, 20.6, 20.3, 17.9, 15.9.
24-クロロ-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物104)
24-ブロモ-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(10)(283mg、0.40mmol)、CuI(240mg、1.26mmol)、LiCl(30mg、0.7mmol)およびHMPA(1.2mL)を、密閉バイアル中で、120℃で3時間振とうした。反応混合物をワークアップして(EtOAcおよびNaCl飽和溶液)、粗生成物を得た。これをFCC(石油エーテル:EtOAc(90:10〜10:90)を溶離剤として使用)によって精製して、純粋な標記化合物(104)を得た。
13C NMR (CDCl3): 177.0, 170.2, 167.8, 152.8, 128.5, 128.0, 126.7, 80.0, 74.4, 71.4, 68.2, 49.3, 48.8, 44.6, 39.5, 39.0, 38.8, 37.0, 36.4, 36.0, 35.5, 35.4, 32.2, 30.2, 29.9, 27.2, 26.9, 24.0, 22.9, 21.9, 20.8, 20.4, 17.9, 16.0, 14.2.
24-クロロ-フシジン酸ナトリウム塩(化合物105)
実施例9の手順によって、24-ブロモ-フシジン酸(108)の代わりに、24-クロロフシジン酸(103)を使用し、生成物を凍結乾燥して、標記化合物(105)を得た。
24-トリフルオロメチルフシジン酸(化合物106)
乾燥DMF(0.5mL)中の、24-トリフルオロメチル-フシジン酸フェナシルエステル(17)(15mg、0.021mmol)およびナトリウムチオフェノレート(20mg、0.15mmol)を、アルゴン下に100℃で5時間撹拌した。EtOAc(15mL)を添加し、有機溶液を抽出した(3M CaCl2水溶液(10mL)+1M H3PO4水溶液(0.25mL)、および各10mLの3M CaCl2水溶液、水およびNaCl飽和溶液)。乾燥し、濃縮した後、粗生成物をFCC(石油エーテル:EtOAc:HCOOH(60:40:1/2)を溶離剤として使用)によって精製し、凍結乾燥して、標記化合物(106)を非晶質粉末状物として得た。
1H NMR (CDCl3): 5.87(d, 1H), 4.34(s, 1H), 3.75(s, 1H), 3.06(bd, 1H), 2.70-0.80(m, 22H), 1.98(s, 3H), 1.85(q, 3H), 1.83(q, 3H), 1.37(m, 3H), 0.97(s, 3H), 0.91(s, 3H), 0.90(d, 3H).
24-ブロモ-フシジン酸アセトキシメチルエステル(化合物107)
CCl4(280mL)およびDBU(6.64mL、6.77g、44.5mmol)中の24-R,S,25-ジブロモフシジン酸アセトキシメチルエステル(3a)(22.3mmolフシジン酸アセトキシメチルエステルより)を、16時間還流させた。反応混合物を綿フィルターによって粘土状沈殿物から濾過し、フィルターを石油エーテルおよびEtOAcで洗浄した。合わした濾液および洗液を濃縮して、標記化合物(107)を粗生成物(NMRにより約70%の純度)として得、これをさらに精製せずに化合物(108)の製造(実施例8)に使用することができる。純粋試料を、FCC(石油エーテル中の30%〜50%のEtOAcを溶離剤として使用)によって得た。
13C NMR (CDCl3): 170.3, 169.6, 167.9, 152.6, 131.6, 127.9, 120.0, 79.5, 74.4, 71.4, 68.2, 49.3, 48.8, 44.6, 39.5, 39.0, 37.8, 37.0, 36.3, 36.0, 35.6, 32.2, 30.2, 29.9, 27.8, 25.3, 24.0, 22.9, 20.8, 20.7, 20.4, 18.0, 16.0.
24-ブロモ-フシジン酸(化合物108)
粗24-ブロモ−フシジン酸アセトキシメチルエステル(107)またはピバロイルオキシメチルエステル(110)(44.4mmolフシジン酸アセトキシメチルエステル(2a)またはピバロイルオキシメチルエステル(2b)より)、をMeOH(250mL)に溶解し、DBU(3mL)を添加して、塩基性反応を確実にした。MeOH:水 1:1(300mL)を室温で2時間にわたって撹拌しながら添加し、撹拌をさらに2時間継続した。1M KH2PO4溶液(100mL)を添加し、必要であれば燐酸も添加して、pHを約4〜5にし、形成した沈殿物を、EtOAcで2回抽出することによって溶解した。有機相を水およびNaCl飽和溶液で抽出し、MgSO4で乾燥し、濃縮して、粗生成物を得た。これをFCC(石油エーテル中50%のEtOAc+0.5%HCOOHを溶離剤として使用)、次に、EtOAc+トルエンからの再結晶(部分蒸発を伴う)によって精製して、純粋な標記化合物(108)を得た。
13C NMR (CDCl3): 173.0, 170.5, 152.6, 131.5, 128.1, 120.1, 74.5, 71.4, 68.2, 49.2, 48.8, 44.6, 39.5, 39.0, 37.8, 37.1, 36.2, 36.2, 35.7, 32.4, 30.2, 29.9, 28.0, 25.3, 24.1, 22.8, 20.8, 20.7, 20.4, 18.0, 15.9.
24-ブロモ-フシジン酸ナトリウム塩(化合物109)
24-ブロモ-フシジン酸(108)(2.38g、4.00mmol)をMeOH(30mL)に溶解した。pHメーターによって測定されるpHが約8.5になるまで、当量の1N NaOH溶液(4mL)を少しずつ添加した。得られた溶液を濃縮し、残渣をEtOH(15mL)に溶解した。EtOAc(25mL)を添加し、結晶化が起こるまで、溶媒を蒸発させ、EtOHおよびEtOAcを添加し、もう一度溶媒を蒸発させた。次に、残渣をEtOH+EtOAcから結晶化して、標記化合物(109)を無色結晶として得た。
13C NMR (CDCl3): 179.1, 173.5, 138.8, 138.2, 131.3, 122.6, 76.0, 72.5, 68.9, 50.8, 50.0, 43.8, 40.7, 40.3, 38.5, 38.3, 37.8, 37.5, 36.9, 33.0, 31.1, 31.0, 30.2, 25.4, 23.8, 23.8, 22.5, 21.1, 20.5, 17.9, 16.5.
24-ブロモ-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物110)
実施例7に記載した手順によって、24R,S,25-ジブロモフシジン酸アセトキシメチルエステルの代わりに、24R,S,25-ジブロモフシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(3b)を使用して、粗標記化合物(110)を得た。これを加水分解し、さらに精製せずに化合物(108)を得ることができる。粗生成物の試料をFCC(石油エーテル中30%〜50%のEtOAcを溶離剤として使用)にかけて、純粋な標記化合物(110)を淡黄色非晶質泡状物として得た。
13C NMR (CDCl3): 177.0, 170.2, 167.8, 152.8, 131.5, 127.9, 120.1, 80.0, 74.4, 71.4, 68.2, 49.3, 48.8, 44.6, 39.5, 39.0, 38.8, 37.7, 37.0, 36.3, 36.0, 35.7, 32.3, 30.2, 30.0, 27.8, 26.9, 25.3, 24.0, 22.9, 20.8, 20.4, 18.0, 16.0.
24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-チオアセチル-フシジン酸アセトキシメチルエステル(化合物111)
CCl4(5mL)中の臭素(45μL、140mg、0.88mmol)の溶液を、CCl4(10mL)中の16-デアセトキシ-16β-チオアセチル-フシジン酸アセトキシメチルエステル(8)(0.48g、0.8mmol)の溶液に、アルゴン下に、撹拌し氷浴で冷却しながら2時間にわたって添加した。撹拌を、氷浴で15分間、室温でさらに15分間継続した。DBU(0.66mL、0.67g、4.4mmol)を添加し、混合物を12時間にわたって還流させながら沸騰させた。反応混合物を濾過助剤を用いて濾過し、真空濃縮した。残渣を、FCC(石油エーテル中0%〜70%のEtOAcを溶離剤として使用)によって精製して、標記化合物(111)を得た。
13C NMR (CDCl3): 194.8, 169.5, 168.0, 153.0, 131.7, 128.1, 120.0, 79.9, 71.4, 68.2, 49.3, 49.0, 45.9, 43.8, 41.4, 39.7, 37.6, 37.2, 36.4, 35.9, 35.8, 32.8, 30.4, 30.1, 29.9, 28.3, 25.3, 24.5, 22.4, 20.7, 20.6, 20.4, 18.8, 16.0.
24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-イソプロピルチオ-フシジン酸(化合物112)
2-プロパンチオール(1.4mL、1.13g、15mmol)を乾燥DMF(12.5mL)に溶解し、アルゴン下に室温で撹拌しながら、水素化ナトリウム(油中60%の分散系、0.6g、約15mmol)、次に、3-アセチル-16-デアセトキシ-16α,24-ジブロモフシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(13)(0.45g、0.6mmol)を添加した。撹拌を2時間継続し、反応混合物をワークアップし(EtOAc、水、HCl水溶液(約pH4に)、水、NaCl飽和溶液)、濃縮して油状物を得た。これをEtOH(20mL)に溶解し、2N NaOH水溶液(10mL)を添加し、混合物を60℃に2時間加熱した。加水分解混合物を前記のようにワークアップし、粗生成物をFCC(石油エーテル中10%〜20%のEtOAc+1%AcOHを溶離剤として使用)によって精製して、標記化合物(112)を得た。
1H NMR (CDCl3): 4.30(m, 1H), 4.15(m, 1H), 3.75(m, 1H), 3.10(m, 1H), 1.82(s, 3H), 1.75(s, 3H), 1.35(s, 3H), 1.24(d, 3H, J=6Hz), 1.18(d, 3H, J=6Hz), 0.99(s, 3H), 0.98(s, 3H), 0.88(d, 3H, J=6Hz), 2.9-1.0(m, 23H).
24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-イソプロピルスルフィニル-フシジン酸(化合物113)
MeOH(10mL)中の24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-イソプロピルチオ-フシジン酸(112)(0.29g、0.47mmol)の溶液に、2N NaOH水溶液(0.5mL)、および水(40mL)中の過沃素酸ナトリウム(0.23g、1.1mmol)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、HCl水溶液で酸性化して、酸を沈殿させた。これを濾過によって取り、水で洗浄し、EtOAcから再結晶して、標記化合物(113)を結晶として得た。融点166〜168℃。
13C NMR (CDCl3): 173.7, 159.6, 131.3, 125.8, 120.2, 71.5, 68.3, 60.2, 51.8, 49.5, 48.2, 47.5, 39.7, 38.2, 37.2, 36.3, 36.1, 35.6, 32.6, 30.4, 30.0, 28.0, 26.6, 25.3, 24.6, 22.7, 20.7, 20.4, 18.3, 17.8, 16.0, 13.5.
24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-チオアセチル-フシジン酸(化合物114)
24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-チオアセチル-フシジン酸アセトキシメチルエステル(111)(40mg、0.059mmol)を、MeOH(2.5mL)に溶解し、炭酸カリウム(17mg、0.12mmol)を添加し、混合物を3時間撹拌した(空気中の水蒸気に接触させながら)。水(10mL)を添加し、混合物をHCl水溶液でpH約4に酸性化し、それによって酸が沈殿した。混合物をEtOAc、水およびNaCl飽和溶液でワークアップし、Na2SO4で乾燥し、濃縮して、粗生成物を得た。これをFCC(ジクロロメタン中0%〜10%のMeOHを溶離剤として使用)によって精製して、標記化合物(114)を得た。
13C NMR (CDCl3): 202.7, 175.6, 133.0, 131.6, 120.4, 71.4, 68.0, 54.5, 50.4, 48.5, 40.8, 40.6, 37.1, 37.0, 36.7, 36.0, 35.2, 32.7, 31.7, 30.2, 29.9, 25.3, 23.4, 23.3, 21.0, 20.4, 19.5, 16.0.
24-ブロモ-17S,20S-ジヒドロフシジン酸(化合物115)
実施例14に記載した手順によって、24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-チオアセチル-フシジン酸アセトキシメチルエステル(111)の代わりに、24-ブロモ-17S,20S-ジヒドロフシジン酸アセトキシメチルエステル(化合物120)を使用して、標記化合物(115)を得た。
13C NMR (CDCl3): 180.7, 170.1, 130.9, 120.5, 76.3, 71.5, 68.8, 49.4, 49.4, 44.9, 44.2, 40.6, 38.3, 37.2, 36.4, 36.2, 35.1, 34.3, 32.5, 31.3, 30.3, 29.9, 25.4, 23.8, 22.8, 21.0, 20.8, 20.3, 17.2, 15.9.
24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-エトキシ-フシジン酸(化合物116)
実施例14に記載した手順によって、24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-チオアセチル-フシジン酸アセトキシメチルエステル(111)の代わりに、24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-エトキシ-フシジン酸アセトキシメチルエステル(化合物117)を使用して、標記化合物(116)を得た。
13C NMR (CDCl3): 171.0, 151.7, 132.6, 131.6, 120.2, 80.9, 71.5, 68.4, 64.8, 49.5, 49.0, 44.2, 39.8, 37.6, 37.2, 36.5, 35.9, 35.9, 35.1, 32.8, 30.4, 30.1, 28.9, 25.3, 24.4, 22.3, 20.6, 20.5, 18.6, 16.0, 14.7.
24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-エトキシ-フシジン酸アセトキシメチルエステル(化合物117)
実施例11に記載した手順によって、16-デアセトキシ-16β-チオアセチル-フシジン酸アセトキシメチルエステル(8)の代わりに、16-デアセトキシ-16β-エトキシ-フシジン酸アセトキシメチルエステル(9)を使用して、標記化合物(117)を得た。
13C NMR (CDCl3): 169.7, 152.8, 131.2, 127.3, 120.4, 79.6, 78.8, 71.4, 68.4, 65.3, 49.2, 49.1, 43.4, 39.5, 37.7, 37.1, 36.3, 36.3, 35.8, 35.5, 32.5, 30.3, 30.0, 27.8, 25.3, 24.2, 22.8, 20.8, 20.9, 20.3, 17.9, 16.0, 15.3.
24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-(2',2',2'-トリフルオロエトキシ)-フシジン酸アセトキシメチルエステル(化合物118)
実施例11に記載した手順によって、16-デアセトキシ-16β-チオアセチル-フシジン酸アセトキシメチルエステル(8)の代わりに、16-デアセトキシ-16β-(2',2',2'-トリフルオロエトキシ)-フシジン酸アセトキシメチルエステル(10)を使用して、標記化合物(118)を得た。
13C NMR (CDCl3): 169.6, 168.7, 152.6, 131.4, 128.5, 123.8, 120.2, 80.1, 79.4, 71.4, 68.2, 67.8, 67.6, 49.1, 49.1, 44.0, 39.5, 37.6, 37.1, 36.2, 35.8, 35.6, 32.5, 30.3, 30.0, 27.6, 25.3, 24.2, 22.8, 20.7, 20.8, 20.3, 17.7, 16.0.
24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-(2',2',2'-トリフルオロエトキシ)-フシジン酸(化合物119)
実施例14に記載した手順によって、24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-チオアセチル-フシジン酸アセトキシメチルエステル(111)の代わりに、24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-(2',2',2'-トリフルオロエトキシ)-フシジン酸アセトキシメチルエステル(118)を使用して、標記化合物(119)を得た。
13C NMR (CDCl3): 175.3, 151.9, 131.4, 129.0, 123.6, 120.2, 80.5, 77.2, 71.5, 68.3, 67.8, 49.1, 49.0, 43.9, 39.6, 37.7, 37.1, 36.2, 35.8, 35.6, 32.5, 30.3, 30.0, 28.0, 25.3, 24.2, 22.8, 20.8, 20.2, 17.7, 16.0.
24-ブロモ-17S,20S-ジヒドロ-フシジン酸アセトキシメチルエステル(化合物120)
実施例11に記載した手順によって、16-デアセトキシ-16β-チオアセチル-フシジン酸アセトキシメチルエステル(8)の代わりに、17S,20S-ジヒドロ-フシジン酸アセトキシメチルエステル(14)を使用して、標記化合物(120)を得た。
13C NMR (CDCl3): 173.6, 169.9, 169.7, 130.8, 120.4, 78.8, 76.5, 71.4, 68.8, 49.4, 49.3, 45.4, 43.9, 40.6, 40.6, 38.3, 37.2, 36.4, 36.2, 35.0, 34.2, 32.6, 31.2, 30.4, 30.0, 25.3, 23.8, 22.7, 20.9, 20.9, 20.7, 20.3, 17.2, 16.0.
24-ブロモ-17S,20S-メチレン-フシジン酸アセトキシメチルエステル(化合物121)
実施例11に記載した手順によって、16-デアセトキシ-16β-チオアセチル-フシジン酸アセトキシメチルエステル(8)の代わりに、17S,20S-メチレン-フシジン酸アセトキシメチルエステル(15)を使用して、標記化合物(121)を得た。
13C NMR (CDCl3): 171.5, 169.9, 169.6, 130.9, 120.9, 79.2, 79.0, 71.4, 68.3, 49.6, 48.5, 43.3, 40.4, 39.9, 39.2, 37.1, 36.3, 36.2, 35.9, 35.7, 34.6, 32.4, 30.3, 30.0, 29.5, 25.4, 24.2, 22.8, 21.1, 20.9, 20.7, 20.2, 19.4, 17.9, 15.9.
24-ブロモ-17S,20S-メチレン-フシジン酸(化合物122)
実施例14に記載した手順によって、24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-チオアセチル-フシジン酸アセトキシメチルエステル(111)の代わりに、24-ブロモ-17S,20S-メチレン-フシジン酸アセトキシメチルエステル(化合物121)を使用して、標記化合物(122)を得た(FCC溶離剤は、石油エーテル中50%のEtOAc+1%HCOOHであった)。
13C NMR (CDCl3): 178.3, 170.0, 130.8, 120.9, 79.6, 71.5, 68.3, 49.3, 48.6, 44.5, 40.8, 40.3, 39.8, 37.1, 36.2, 36.1, 35.9, 34.7, 32.5, 30.3, 29.9, 29.0, 25.3, 24.4, 22.7, 21.4, 20.8, 20.4, 20.2, 17.6, 15.9.
3-デオキシ-3β,24-ジブロモ-フシジン酸(化合物123)
実施例14に記載した手順によって、24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-チオアセチル-フシジン酸アセトキシメチルエステル(111)の代わりに、3-デオキシ-3β,24-ジブロモ-フシジン酸アセトキシメチルエステル(化合物144)を使用して、標記化合物(123)を得た(FCC溶離剤は、石油エーテル中10%のEtOAc+1%HCOOHであった)。
13C NMR (CDCl3): 173.8, 170.4, 153.0, 131.7, 128.2, 120.0, 74.4, 68.2, 62.7, 49.0, 48.8, 45.5, 44.5, 41.3, 39.4, 39.0, 37.7, 37.2, 36.8, 36.1, 35.1, 32.5, 27.9, 25.4, 23.9, 23.8, 22.0, 20.6, 20.4, 18.9, 17.9.
3α-アジド-24-ブロモ-3-デオキシ-フシジン酸(化合物124)
3-デオキシ-3β,24-ジブロモ-フシジン酸(123)(100mg、0.15mol)をDMF(2.5mL)に溶解し、アジ化リチウム(30mg、0.6mmol)を添加した。混合物をアルゴン下に室温で11日間撹拌した。EtOAcおよび水(各5mL)をAcOHと共に添加して、僅かに酸性のpHにした。ワークアップ(EtOAc、水、NaCl飽和溶液)し、Na2SO4で乾燥し、濃縮して、粗生成物を得、これをFCC(溶離剤:石油エーテル中0%〜50%のEtOAc+1%HCOOH)によって精製して、標記化合物(124)を得た。
13C NMR (CDCl3): 174.1, 170.5, 153.1, 131.6, 128.2, 120.0, 74.5, 68.1, 65.4, 49.1, 48.8, 44.6, 39.4, 39.0, 37.8, 37.4, 36.9, 35.9, 35.5, 32.4, 30.8, 27.9, 26.9, 25.4, 24.2, 23.0, 20.6, 20.5, 20.4, 18.1, 16.7.
24-ヨード-フシジン酸(化合物125)
24-ブロモフシジン酸(108)(17.0g、28.5mmol)、CuI(27.2g、143mmol)、KI(43.4g、285mmol)およびHMPA(100mL)を、アルゴン下に、油浴において120℃で20時間にわたって、撹拌し還流冷却器を使用しながら加熱した。水(400mL)を添加し、得られた粘性混合物をEtOAc(合計400mL)で4回抽出した。有機相を濾過助剤を用いて濾過し、EtOAcで洗浄した。合わした有機相を、20%Na2S2O5水溶液、水(2回)およびNaCl飽和溶液で抽出した。MgSO4で乾燥した後、溶媒を蒸発させ、残渣をトルエン(300mL)と共に3時間撹拌した。沈殿物を濾過によって分離し、トルエンおよび石油エーテルで洗浄し、乾燥して、ほぼ純粋な標記化合物125をベージュ色結晶として得た。
13C NMR (CDCl3): 173.8, 170.6, 152.3, 137.4, 128.0, 99.9, 74.5, 71.5, 68.2, 60.4, 49.3, 48.8, 44.5, 41.7, 39.5, 39.0, 37.0, 36.4, 36.0, 32.1, 31.6, 30.2, 29.9, 24.0, 23.0, 20.9, 20.7, 19.5, 17.9, 15.9, 14.2.
24-ヨード-フシジン酸アセトキシメチルエステル(化合物126)
実施例25に記載した手順によって、化合物108の代わりに、24-ブロモフシジン酸アセトキシメチルエステル(107)を使用して、粗生成物126を得た。これをFCC(石油エーテル中40%のEtOAcを溶離剤として使用)によって精製して、標記化合物126を非晶質物質として得た。
13C NMR (CDCl3): 170.3, 169.6, 168.0, 152.5, 137.5, 127.6, 99.8, 79.5, 74.4, 71.4, 68.1, 49.4, 48.8, 44.6, 41.7, 39.5, 39.0, 36.9, 36.5, 35.8, 32.0, 31.6, 30.1, 29.9, 28.6, 23.9, 23.1, 20.9, 20.8, 20.8, 19.4, 17.9, 16.0, 14.2.
24-ヨード-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物127)
24-ヨード-フシジン酸(125)(0.84g、1.31mmol)およびトリエチルアミン(0.19mL、0.14g、1.35mmol)をDMF(5mL)に溶解し、室温で20分間撹拌した。ピバル酸クロロメチル(0.30mL、0.32g、2.1mmol)を添加し、混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を、3M CaCl2水溶液、水およびNaCl飽和溶液での抽出によってワークアップし、MgSO4で乾燥し、濃縮した。残渣をFCC(石油エーテル中40%のEtOAcを溶離剤として使用)によって精製して、標記化合物(127)を非晶質物質として得た。
13C NMR (CDCl3): 177.0, 170.2, 167.8, 152.8, 137.5, 127.7, 99.7, 80.1, 74.4, 71.4, 68.2, 60.4, 49.3, 48.8, 44.6, 41.6, 39.5, 39.0, 38.8, 37.1, 36.3, 36.1, 36.0, 32.3, 31.6, 30.2, 30.0, 28.6, 26.9, 24.1, 22.8, 20.8, 20.8, 19.5, 18.0, 16.0, 14.2.
クリーム剤
Figure 2007506675
ワセリン、パラフィン、鯨蝋、ソルビタンモノパルミテートおよびポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテートを70℃に加熱し、連続撹拌しながら水をゆっくり添加する。クリームが冷めるまで撹拌を継続する。そのクリームベースに、24-ブロモ-フシジン酸ナトリウム塩を合わせ摩砕し、ロールミルを使用して均質化する。クリームをアルミニウムコラプシブルチューブに充填する。
軟膏剤
Figure 2007506675
パラフィン、セタノール、ラノリンおよびワセリンを70℃で溶融させる。40℃未満に冷却した後、24-ブロモ-フシジン酸ナトリウム塩を合わせ摩砕する。軟膏をラッカー被覆コラプシブルアルミニウムチューブに充填する。
カプセル剤
Figure 2007506675
成分を60メッシュの篩に通し、10分間混合する。その混合物を、400mgのカプセル充填重量で硬ゼラチンカプセルに充填する。
錠剤
Figure 2007506675
16-デアセトキシ-16β-(2',2',2'-トリフルオロエトキシ)-17S,20S-メタンスルホン酸ナトリウム塩、Avicel(商標)およびSTA-Rxを混合し、0.7mmの篩に通し、次に、ステアリン酸マグネシウムと混合する。混合物を各500mgの錠剤にプレスする。
懸濁剤
Figure 2007506675
結晶を超微粉砕し、水10ml中のクエン酸、燐酸一水素ナトリウム、スクロース、ソルビン酸カリウムおよびTween(商標)80の溶液に、必要であれば僅かに加温して、懸濁させる。カルボキシメチルセルロース−Naを4mlの熱湯に溶解する。冷却した後、他の成分に添加する。懸濁液をブレンダーで均質化し、最後に水を添加して合計体積100mlとする。
軟膏剤
Figure 2007506675
パラフィン、セタノール、ラノリンおよびワセリンを70℃で溶融させる。40℃未満に冷却した後、AおよびBを摩砕する。その軟膏をラッカー被覆コラプシブルアルミニウムチューブに充填する。
軟膏剤
Figure 2007506675
パラフィン、セタノール、ラノリンおよびワセリンを70℃で溶融させる。40℃未満に冷却した後、AおよびBを摩砕する。その軟膏をラッカー被覆コラプシブルアルミニウムチューブに充填する。
眼用ゲル
Figure 2007506675
攪拌機およびビルトインホモジナイザーを取り付けたステンレススチール容器において、エデト酸二ナトリウムおよびマンニトールを注射用水に溶解する。カルボマー934Pを添加し、容器を排気し、分散液をゆっくり撹拌し高速で均質化しながらオートクレーブ処理する。70℃に冷却し、攪拌機およびホモジナイザーを停止する。微粉砕し滅菌した24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-(2',2',2'-トリフルオロエトキシ)-フシジン酸ナトリウム塩を添加し、容器を滅菌排気し、24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-(2',2',2'-トリフルオロエトキシ)-フシジン酸をゆっくり撹拌しながら沈める。70℃で10分間にわたって高速で均質化する。撹拌および低速での均質化の間に30℃未満に冷却する。注射用水中の塩化ベンザルコニウムの滅菌溶液を、ゆっくり撹拌しながら添加する。注射用水中1.050kgの水酸化ナトリウムの滅菌溶液を添加することによって、カルボマー934Pを中和する。撹拌し、低速で5分間にわたって均質化する。必要であればpHを5.4〜5.8に調節する。窒素圧および低速均質化トランスファーシステムを使用して、眼用ゲルを保存タンクに移す。充填するまで室温で保存する。眼用ゲルを、充填重量3.5gで滅菌チューブに無菌充填する。
24-フェニル-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物136)
フェニルボロン酸(50mg、0.4mmol)およびEtOH(0.25mL)を、トルエン(1.5mL)中の24-ヨード-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(127)(150mg、0.2mmol)の溶液に添加し、その混合物にアルゴンを2分間泡立たせた。K2CO3(2M水溶液、0.3mL)およびPd(PPh34(11.5mg、0.01mmol)を添加し、混合物をアルゴン下に90℃で20時間振とうした。反応混合物をEOAc、水およびNaCl飽和溶液でワークアップし、乾燥し、濃縮した。得られた粗生成物をFCC(石油エーテル中20%のEtOAcを溶離剤として使用)によって精製して、純粋な標記化合物(136)を得た。
13C NMR (CDCl3): 177.0, 170.2, 167.7, 152.7, 144.1, 133.9, 129.6, 128.9, 128.4, 127.9, 125.9, 80.0, 74.3, 71.4, 67.9, 48.9, 48.7, 44.4, 39.4, 39.0, 38.8, 36.9, 36.3, 36.1, 35.4, 35.0, 32.2, 30.0, 27.4, 26.9, 23.9, 22.7, 22.0, 20.8, 20.8, 20.0, 17.9, 15.9.
24-フェニル-フシジン酸(化合物137)
実施例3の手順によって、24-クロロ-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(104)の代わりに、24-フェニル-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(136)を使用し、FCCの前に水性ワークアップ手順(EtOAc、水 + pH約2にするHCl水溶液、およびNaCl飽和溶液)を加えて、純粋な標記化合物(137)を得た。
13C NMR (CDCl3): 173.9, 170.6, 151.7, 144.1, 134.0, 129.6, 129.5, 128.4, 127.9, 74.4, 71.5, 67.9, 48.9, 48.6, 44.3, 39.4, 39.0, 36.8, 36.3, 36.1, 35.4, 35.0, 32.2, 30.0, 30.0, 27.4, 23.8, 22.8, 22.0, 20.8, 20.7, 20.0, 17.9, 15.9.
24-(4-ブロモフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物138)
実施例36の手順によって、フェニルボロン酸の代わりに、[2-(4-ブロモフェニル)-5,5-ジメチル-1,3,2-ジオキサボリナン]を使用して、標記化合物(138)を得た。
13C NMR (CDCl3): 177.0, 170.2, 167.7, 152.5, 142.9, 132.9, 131.3, 131.1, 129.0, 128.6, 119.9, 80.0, 74.3, 71.4, 68.0, 49.0, 48.6, 44.5, 39.4, 39.0, 38.8, 37.0, 36.2, 35.1, 35.0, 32.4, 30.1, 30.0, 27.4, 26.9, 24.1, 22.7, 22.0, 20.8, 20.7, 20.0, 18.0, 15.9
24-(4-ブロモフェニル)-フシジン酸(化合物139)
実施例3の手順によって、24-クロロ-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(104)の代わりに、24-(4-ブロモフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(138)を使用し、FCCの前に水性ワークアップ手順(EtOAc、水 + pH約2にするHCl水溶液、およびNaCl飽和溶液)を加えて、純粋な標記化合物(139)を得た。
13C NMR (CDCl3): 174.0, 170.6, 152.1, 142.9, 133.0, 131.3, 131.1, 129.1, 128.4, 119.8, 74.3, 71.5, 68.0, 49.0, 48.6, 44.4, 39.4, 39.0, 37.0, 36.2, 35.1, 35.0, 32.3, 30.1, 30.0, 27.4, 24.0, 22.7, 22.1, 20.8, 20.6, 20.0, 17.9, 15.9.
24-(4-クロロフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物140)
実施例36の手順によって、フェニルボロン酸の代わりに、[2-(4-クロロフェニル)-5,5-ジメチル-1,3,2-ジオキサボリナン]を使用して、標記化合物(140)を得た。
13C NMR (CDCl3): 177.0, 170.2, 167.8, 152.3, 142.4, 132.9, 131.8, 130.9, 129.1, 128.7, 128.2, 80.0, 74.2, 71.4, 68.0, 49.0, 48.6, 44.5, 39.4, 39.0, 37.0, 36.2, 36.1, 35.1, 35.0, 32.3, 30.1, 30.0, 27.4, 26.9, 24.0, 22.7, 22.0, 21.3, 20.8, 20.8, 20.0, 17.9, 15.9
24-(4-クロロフェニル)-フシジン酸(化合物141)
実施例3の手順によって、24-クロロ-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(104)の代わりに、24-(4-クロロフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(140)を使用し、FCCの前に水性ワークアップ手順(EtOAc、水 + pH約2にするHCl水溶液、およびNaCl飽和溶液)を加えて、純粋な標記化合物(141)を得た。
13C NMR (CDCl3): 173.9, 170.6, 151.9, 142.4, 133.0, 131.8, 130.9, 129.2, 129.1, 128.1, 74.3, 71.6, 71.5, 68.0, 49.0, 48.6, 44.4, 39.4, 39.0, 37.0, 36.2, 36.1, 35.0, 32.3, 30.0, 27.4, 24.0, 22.7, 22.1, 21.3, 20.8, 20.6, 20.0, 17.9, 15.9.
24-(3,5-ジフルオロフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物142)
実施例36の手順によって、フェニルボロン酸の代わりに、[2-(3,5-ジフルオロフェニル)-5,5-ジメチル-1,3,2-ジオキサボリナン]を使用して、標記化合物(142)を得た。
13C NMR (CDCl3): 177.0, 170.2, 167.8, 162.9, 162.7, 152.2, 147.2, 132.3, 130.1, 128.5, 112.2, 112.0, 101.4, 80.1, 74.2, 71.4, 68.1, 49.1, 48.6, 44.5, 39.4, 39.0, 38.8, 37.0, 36.2, 35.3, 34.4, 32.4, 30.2, 30.0, 27.6, 26.9, 24.2, 22.6, 22.1, 20.8, 20.7, 20.2, 18.0, 15.9.
24-(3,5-ジフルオロフェニル)-フシジン酸(化合物143)
実施例3の手順によって、24-クロロ-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(104)の代わりに、24-(3,5-ジフルオロフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(142)を使用し、FCCの前に水性ワークアップ手順(EtOAc、水 + pH約2にするHCl水溶液、およびNaCl飽和溶液)を加えて、純粋な標記化合物(143)を得た。
13C NMR (CDCl3): 174.1, 170.6, 162.8, 162.7, 152.0, 147.2, 132.3, 130.2, 129.0, 112.2, 101.4, 74.3, 71.5, 68.1, 49.1, 48.6, 44.4, 39.4, 39.0, 37.0, 36.2, 36.2, 35.3, 34.5, 32.4, 30.2, 29.9, 27.5, 24.1, 22.7, 22.1, 20.7, 20.6, 20.1, 17.9, 15.9.
3-デオキシ-3β,24-ジブロモ-フシジン酸アセトキシメチルエステル(化合物144)
24-ブロモ-フシジン酸アセトキシメチルエステル(107)(0.45g、0.67mmol)を乾燥ベンゼン(10mL)に溶解し、アルゴン下に室温で撹拌した。トリフェニルホスフィン(0.7g、2.7mmol)およびテトラブロモメタン(1.1g、3.3mmol)を添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。エーテル(50mL)を添加し、沈殿した物質を濾過によって除去した。濾液を濃縮し、残渣をFCC(溶離剤:石油エーテル中0%〜50%のEtOAc)によって精製して、標記化合物(144)を得た。
13C NMR (CDCl3): 170.3, 169.6, 167.8, 152.3, 131.8, 128.1, 119,9, 79.5, 74.3, 68.1, 62.7, 49.0, 48.8, 45.5, 44.4, 41.3, 39.4, 39.0, 37.7, 37.2, 36.8, 36.1, 35.1, 32.5, 27.8, 25.3, 23.9, 23.9, 22.0, 20.8, 20.7, 20.4, 18.9, 17.9.
24-ブロモ-フシジン酸(化合物108)
24,25-ジブロモ-フシジン酸(17)(0.1molフシジン酸からの粗生成物)を、EtOH(900mL)に溶解し、水(25mL)およびK2CO3(30g、0.22mol)を添加した。この混合物を、30分間にわたって連続撹拌しながら還流し、室温に冷却し、水(4L)に注いだ。(108)のカリウム塩のアルカリ性溶液を、連続撹拌下に、H3PO4水溶液(350mL、1M)の添加によって酸性化してpH4.0にし、これによって沈殿物が形成した。生成物を濾過によって集め、水で洗浄し、乾燥して、粗(108)を得た。次に、粗化合物108を、例えば実施例8に記載したように、精製し再結晶して純粋化合物108を得るか、または例えば製造例1および2に記載した手順を使用して、易加水分解性エステルに変換するか、または例えば実施例9に記載したように、ナトリウム塩のような好適な塩に変換しうる。化合物108のナトリウム塩を製造する利点は、クロマトグラフィー精製を必要とせずに、特に純粋な結晶質ナトリウム塩を直接的に形成できることである。このナトリウム塩から遊離酸を遊離させることによって(例えば、カリウム塩に関して先に記載したのと同じ方法による)生成物を得、これを直接的に結晶化して(例えば、酢酸エチルおよびトルエンから)、純粋な結晶質化合物(108)を得ることができる。
24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-エチルチオ-フシジン酸(化合物146)
実施例12に記載した手順によって、2-プロパンチオールの代わりに、エタンチオールを使用して、標記化合物(146)を得た。
13C NMR (CDCl3): 176.3, 154.8, 131.3, 128.3, 120.4, 71.5, 68.4, 49.4, 48.9, 46.1, 45.6, 41.0, 39.7, 37.9, 37.1, 36.4, 36.0, 35.8, 32.7, 30.4, 30.0, 29.6, 28.6, 25.3, 24.4, 22.5, 20.7, 20.4, 18.8, 16.0, 14.7.
24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-エチルスルフィニル-フシジン酸(化合物147)
実施例13に記載した手順によって、24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-イソプロピルチオ-フシジン酸(112)の代わりに、24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-エチルチオ-フシジン酸(化合物146)を使用して、標記化合物(147)を得た。
1H NMR (CDCl3): 4.40(d, 1H), 4.37(m, 1H), 3.76(m, 1H), 3.18(d, 1H), 2.90-2.40(m, 5H), 2.25-1.0(m, 19H), 1.84(bs, 3H), 1.77(bs, 3H), 1.45(s, 3H), 1.25(t, 3H), 0.97(s, 3H), 0.93(d, 3H), 0.79(s, 3H).
24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-アリルチオ-フシジン酸(化合物148)
実施例12に記載した手順によって、2-プロパンチオールの代わりに、アリルメルカプタンを使用して、標記化合物(148)を得た。
13C NMR (CDCl3): 175.5, 154.7, 134.4, 131.3, 128.4, 120.4, 117.0, 71.5, 68.4, 49.4, 48.9, 45.6, 39.7, 37.9, 37.1, 36.4, 36.0, 34.7, 32.7, 30.9, 30.3, 29.7, 29.0, 28.6, 25.4, 24.4, 22.5, 20.7, 20.4, 18.9, 16.0.
24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-(1-ペンチルチオ)-フシジン酸(化合物149)
実施例12に記載した手順によって、2-プロパンチオールの代わりに、1-ペンタンチオールを使用して、標記化合物(149)を得た。
13C NMR (CDCl3): 176.0, 155.0, 131.3, 128.3, 120.4, 71.5, 68.4, 49.4, 48.9, 46.6, 45.6, 41.0, 39.7, 38.0, 37.1, 36.3, 36.0, 35.9, 35.9, 32.7, 31.4, 30.3, 30.0, 29.4, 28.7, 25.3, 24.3, 22.5, 22.3, 20.7, 20.4, 18.8, 16.0, 14.0.
24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-(1-ペンチルスルフィニル)-フシジン酸(化合物150)
実施例13に記載した手順によって、24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-イソプロピルチオ-フシジン酸(112)の代わりに、24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-(1-ペンチルチオ)-フシジン酸(化合物149)を使用して、標記化合物(150)を得た。
13C NMR (CDCl3): 173.6, 159.2, 131.3, 125.9, 120.2, 71.5, 68.3, 49.5, 48.2, 47.6, 39.8, 38.1, 37.1, 36.2, 35.5, 32.5, 31.0, 30.3, 29.9, 27.9, 25.8, 25.3, 24.5, 22.8, 22.7, 22.4, 20.7, 20.4, 17.8, 16.0, 14.0.
24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-(2-メチル-1-ブチルチオ)-フシジン酸(化合物151)
実施例12に記載した手順によって、2-プロパンチオールの代わりに、2-メチル-1-ブタンチオールを使用して、標記化合物(151)を得た。
13C NMR (CDCl3): 175.8, 155.0, 131.3, 128.3, 120.4, 71.6, 68.4, 49.4, 48.9, 47.2, 46.8, 45.7, 45.6, 43.4, 42.9, 40.8, 40.4, 39.7, 38.0, 37.1, 36.4, 36.0, 35.9, 34.9, 34.6, 32.8, 30.4, 30.0, 29.3, 28.7, 25.3, 24.4, 22.5, 20.7, 20.4, 19.3, 19.0, 18.9, 16.0, 11.3.
24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-(2-メチル-1-ブチルスルフィニル)-フシジン酸(化合物152)
実施例13に記載した手順によって、24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-イソプロピルチオ-フシジン酸(112)の代わりに、24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-(2-メチル-1-ブチルチオ)-フシジン酸(化合物151)を使用して、標記化合物(152)を得た。
13C NMR (CDCl3): 173.9, 131.3, 126.0, 120.2, 71.5, 68.3, 49.6, 48.3, 47.8, 39.8, 38.2, 37.1, 36.2, 36.1, 35.5, 32.4, 30.3, 29.9, 28.0, 27.9, 25.3, 24.5, 22.8, 20.8, 20.4, 19.5, 17.9, 16.0, 11.2.
24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-(3-メチル-1-ブチルチオ)-フシジン酸(化合物153)
実施例12に記載した手順によって、2-プロパンチオールの代わりに、3-メチル-1-ブタンチオールを使用して、標記化合物(153)を得た。
13C NMR (CDCl3): 176.0, 155.0, 131.2, 128.3, 120.5, 71.6, 68.4, 49.4, 48.9, 46.6, 45.7, 40.9, 39.7, 38.5, 38.0, 37.1, 36.3, 36.1, 35.9, 33.9, 32.6, 30.3, 30.0, 28.7, 27.7, 25.3, 24.3, 22.6, 22.4, 22.3, 20.8, 20.4, 18.8, 16.0.
24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-(3-メチル-1-ブチルスルフィニル)-フシジン酸(化合物154)
実施例13に記載した手順によって、24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-イソプロピルチオ-フシジン酸(112)の代わりに、24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-(3-メチル-1-ブチルチオ)-フシジン酸(化合物153)を使用して、標記化合物(154)を得た。
13C NMR (CDCl3): 173.6, 131.3, 120.2, 71.5, 68.3, 49.5, 48.2, 39.8, 38.2, 37.1, 36.2, 35.6, 32.5, 31.5, 30.3, 29.9, 27.8, 25.3, 24.5, 22.8, 22.6, 2.3, 20.8, 20.4, 17.8, 16.0.
24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-シクロペンチルチオ-フシジン酸(化合物155)
酢酸エチル(0.6mL)中の臭素(12.0mg、0.150mol)の溶液を、酢酸エチル(4mL)中の16-デアセトキシ-16β-シクロペンチルチオ-フシジン酸(von Daehne, Wら, Adv. Appl. Microbiol., 1979, 第25巻, p.95-146)(76.0mg、0.136mmol)の溶液に、2分間にわたって、撹拌し氷浴で冷却しながら添加した。1M KH2PO4水溶液(0.2mL)および1M Na2S2O3水溶液(0.1mL)を5分間にわたって撹拌しながら添加した。EtOAc相を分離し、0.5M KH2PO4水溶液(0.5mL)および水(0.5mL)で抽出し、濃縮して、中間体24,25-ジブロモフシジン酸類似体を油状物として得、これをさらに精製せずに脱臭化水素に使用した。中間体24,25-ジブロモフシジン酸類似体をエタノール(3mL)に溶解し、水(0.06mL)およびK2CO3(40mg、0.3mmol)を添加し、混合物を撹拌しながら30分間還流させ、室温に冷却し、水(15mL)に注いだ。(155)のアルカリ性溶液を、撹拌しながら、1M H3PO4水溶液の添加によって酸性化して、pH4.0にし、ワークアップして(EtOAc、NaCl飽和溶液)、粗生成物を得た。粗生成物をFCC(石油エーテル中10%〜50%のEtOAc + 1%AcOHを溶離剤として使用)によって精製して、純粋な標記化合物(155)を得た。
13C NMR (CDCl3): 175.3, 155.0, 131.3, 128.2, 120.4, 71.5, 68.4, 49.4, 48.8, 47.7, 46.2, 45.6, 41.1, 39.7, 38.0, 37.2, 36.5, 35.9, 34.6, 32.9, 32.5, 30.4, 30.1, 28.8, 25.3, 24.8, 24.6, 24.5, 22.3, 20.7, 20.4, 19.0, 16.0.
24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-(2,2,2-トリフルオロエチルチオ)-フシジン酸(化合物156)
実施例12に記載した手順によって、2-プロパンチオールの代わりに、2,2,2-トリフルオロエタンチオールを使用して、標記化合物(156)を得た。
13C NMR (CDCl3): 175.6, 155.6, 131.5, 128.9, 120.2, 71.5, 68.3, 49.1, 48.9, 45.9, 41.2, 39.6, 38.9, 37.8, 37.1, 36.3, 36.0, 35.8, 32.7, 30.4, 30.0, 28.5, 25.3, 24.4, 22.5, 21.1, 20.6, 20.4, 18.9, 16.0.
24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-(2-ヒドロキシエチルチオ)-フシジン酸(化合物157)
実施例55に記載した手順によって、16-デアセトキシ-16β-シクロペンチルチオ-フシジン酸の代わりに、16-デアセトキシ-16β-(2-ヒドロキシエチルチオ)-フシジン酸(von Daehne, Wら, Adv. Appl. Microbiol., 1979, 第25巻, p.95-146)を使用して、標記化合物(157)を得た。
13C NMR (CDCl3): 174.4, 153.3, 131.3, 129.0, 120.5, 71.6, 68.3, 59.0, 49.4, 48.9, 45.7, 43.9, 39.9, 39.8, 37.9, 37.1, 36.7, 36.3, 36.1, 35.8, 32.6, 30.3, 30.0, 28.5, 25.4, 24.3, 22.6, 20.7, 20.4, 18.9, 16.0.
24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-ベンジルチオ-フシジン酸(化合物158)
実施例12に記載した手順によって、2-プロパンチオールの代わりに、ベンジルメルカプタンを使用して、標記化合物(158)を得た。
13C NMR (CDCl3): 175.9, 155.0, 138.4, 131.3, 129.0, 128.4, 128.3, 126.8, 120.4, 71.6, 68.4, 49.3, 48.9, 46.0, 45.7, 40.1, 39.9, 39.7, 38.0, 37.1, 36.3, 36.0, 35.8, 32.5, 30.3, 30.0, 28.7, 25.3, 24.2, 22.5, 20.7, 20.4, 18.9, 16.0.
24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-ベンジルスルフィニル-フシジン酸(化合物159)
実施例13に記載した手順によって、24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-イソプロピルチオ-フシジン酸(112)の代わりに、24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-ベンジルチオ-フシジン酸(化合物158)を使用して、標記化合物(159)を得た。
1H NMR (CDCl3): 7.30(m, 5H), 4.54(d, 1H), 4.35(bs, 1H), 4.04(d, 1H), 3.76(d, 1H), 3.76(m, 1H), 3.15(bd, 1H), 2.80-2.4(m, 4H), 2.20-1.0(m, 18H), 1.84(bs, 3H), 1.76(bs, 3H), 1.38(s, 3H), 0.96(s, 3H), 0.92(d, 3H), 0.75(s, 3H).
24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-(2-フリルメチルチオ)-フシジン酸(化合物160)
実施例12に記載した手順によって、2-プロパンチオールの代わりに、フルフリルメルカプタンを使用して、標記化合物(160)を得た。
13C NMR (CDCl3): 175.6, 154.8, 151.9, 141.9, 131.3, 128.4, 120.4, 110.5, 107.5, 71.6, 68.4, 60.4, 49.3, 48.9, 46.6, 45.6, 40.4, 39.7, 37.9, 37.0, 36.2, 36.1, 35.8, 32.4, 32.2, 30.3, 30.0, 25.3, 24.2, 22.6, 21.0, 20.7, 20.4, 18.7, 16.0.
24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-フェニルチオ-フシジン酸(化合物161)
実施例12に記載した手順によって、2-プロパンチオールの代わりに、チオフェノールを使用して、標記化合物(161)を得た。
13C NMR (CDCl3): 176.6, 175.2, 153.1, 138.3, 131.5, 129.1, 129.0, 128.8, 126.0, 120.2, 71.6, 68.4, 49.5, 48.8, 48.5, 45.8, 39.8, 37.9, 37.1, 36.4, 35.9, 35.8, 32.8, 30.3, 30.0, 28.6, 25.3, 24.4, 22.4, 20.7, 20.4, 19.3, 16.0.
24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-ベンゾイルチオ-フシジン酸(化合物162)
実施例55に記載した手順によって、16-デアセトキシ-16β-シクロペンチルチオ-フシジン酸の代わりに、16-デアセトキシ-16β-ベンゾイルチオ-フシジン酸(von Daehne, Wら, Adv. Appl. Microbiol., 1979, 第25巻, p.95-146)を使用して、標記化合物(162)を得た。
13C NMR (CDCl3): 191.4, 173.6, 154.1, 137.0, 133.0, 131.5, 128.5, 128.3, 127.3, 120.2, 71.5, 68.3, 49.3, 49.0, 46.1, 43.9, 41.5, 39.7, 37.8, 37.2, 36.4, 35.9, 32.7, 30.4, 30.0, 28.4, 25.3, 24.5, 22.4, 20.6, 20.4, 19.0, 16.0.
24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-イソプロポキシ-フシジン酸(化合物163)
実施例55に記載した手順によって、16-デアセトキシ-16β-シクロペンチルチオ-フシジン酸の代わりに、16-デアセトキシ-16β-イソプロポキシ-フシジン酸(von Daehne, Wら, Adv. Appl. Microbiol., 1979, 第25巻, p.95-146)を使用して、標記化合物(163)を得た。
13C NMR (CDCl3): 171.6, 151.7, 131.9, 131.5, 120.2, 71.5, 70.1, 68.4, 49.3, 49.0, 44.2, 39.7, 37.6, 37.2, 36.4, 35.9, 35.3, 32.8, 30.3, 30.1, 28.9, 25.3, 24.3, 23.2, 22.4, 20.7, 20.5, 20.0, 18.4, 16.0.
24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-(2-フルオロエトキシ)-フシジン酸(化合物164)
実施例55に記載した手順によって、16-デアセトキシ-16β-シクロペンチルチオ-フシジン酸の代わりに、16-デアセトキシ-16β-(2-フルオロエトキシ)-フシジン酸(von Daehne, Wら, Adv. Appl. Microbiol., 1979, 第25巻, p.95-146)を使用して、標記化合物(164)を得た。
13C NMR (CDCl3): 174.0, 151.8, 131.4, 129.6, 120.3, 82.5, 80.1, 71.5, 69.1, 68.4, 49.2, 49.1, 43.8, 39.6, 37.7, 37.1, 36.3, 36.1, 35.7, 32.6, 30.3, 30.0, 28.3, 25.3, 24.3, 22.6, 20.8, 20.4, 18.0, 16.0.
24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-(2-メトキシエトキシ)-フシジン酸(化合物165)
実施例55に記載した手順によって、16-デアセトキシ-16β-シクロペンチルチオ-フシジン酸の代わりに、16-デアセトキシ-16β-(2-メトキシエトキシ)-フシジン酸(von Daehne, Wら, Adv. Appl. Microbiol., 1979, 第25巻, p.95-146)を使用して、標記化合物(165)を得た。
13C NMR (CDCl3): 172.1, 151.3, 131.4, 131.0, 120.3, 80.7, 71.6, 71.5, 68.8, 68.4, 59.0, 49.4, 49.1, 43.9, 39.7, 37.6, 37.1, 36.3, 36.1, 35.8, 35.3, 32.6, 30.3, 30.1, 28.6, 25.3, 24.2, 22.6, 20.8, 20.4, 18.2, 16.0.
24-(トランス-1-ヘキセン-1-イル)-フシジン酸(化合物166)
MeOH(1mL)中の24-(トランス-1-ヘキセン-1-イル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(306)(50mg、0.070mmol)の懸濁液を、氷浴で冷却し、K2CO3(20mg、0.14mmol)を添加した。混合物を室温で3時間撹拌し、次に、ワークアップして(EtOAc、水 + pH約2にするHCl水溶液、およびNaCl飽和溶液)、粗生成物を得た。粗生成物をFCC(石油エーテル:EtOAc:HCOOH、90:10:0〜0:99:1を溶離剤として使用)にかけて、純粋な標記化合物(166)を得た。
13C NMR (CDCl3): 174.1, 170.6, 149.9, 129.9, 129.8, 129.7, 128.5, 127.9, 74.5, 71.5, 68.2, 49.2, 48.7, 44.2, 39.5, 39.0, 37.0, 36.2, 36.2, 35.7, 33.2, 32.4, 32.1, 30.3, 29.9, 28.0, 27.8, 24.2, 22.8, 22.3, 21.5, 20.8, 20.6, 20.4, 17.8, 15.9, 14.0.
24-(トランス-1-ブテン-3,3-ジメチル-1-イル)-フシジン酸(化合物167)
実施例66に記載した手順によって、24-(トランス-1-ヘキセン-1-イル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(306)の代わりに、24-(トランス-1-ブテン-3,3-ジメチル-1-イル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(307)を使用して、標記化合物(167)を得た。
13C NMR (CDCl3): 171.1, 139.2, 130.0, 129.9, 122.5, 74.5, 71.5, 68.2, 49.2, 48.7, 44.1, 39.4, 39.0, 37.0, 36.3, 36.2, 35.7, 33.4, 32.4, 30.2, 30.0, 27.9, 24.2, 22.8, 21.6, 20.8, 20.5, 17.8, 15.9.
24-(トランス-1-ノネン-1-イル)-フシジン酸(化合物168)
実施例66に記載した手順によって、24-(トランス-1-ヘキセン-1-イル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(306)の代わりに、24-(トランス-1-ノネン-1-イル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(308)を使用して、標記化合物(168)を得た。
13C NMR (CDCl3): 173.8, 170.6, 149.9, 129.9, 129.8, 129.7, 128.5, 127.9, 74.5, 71.4, 68.3, 49.2, 48.7, 44.2, 39.5, 39.0, 37.1, 36.2, 35.7, 33.6, 32.4, 31.9, 30.3, 30.0, 29.9, 29.3, 28.0, 27.8, 24.2, 22.7, 21.5, 20.8, 20.6, 20.4, 17.8, 15.9, 14.1.
24-(トランス-5-クロロ-1-ペンテン-1-イル)-フシジン酸(化合物169)
実施例66に記載した手順によって、24-(トランス-1-ヘキセン-1-イル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(306)の代わりに、24-(トランス-5-クロロ-1-ペンテン-1-イル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(309)を使用して、標記化合物(169)を得た。
13C NMR (CDCl3): 174.1, 170.6, 150.2, 130.6, 129.6, 129.3, 125.9, 74.5, 71.5, 68.2, 49.2, 48.7, 44.6, 44.3, 39.5, 39.0, 37.1, 36.2, 35.7, 32.6, 32.4, 30.5, 30.3, 29.9, 27.9, 27.8, 24.2, 22.8, 21.5, 20.8, 20.6, 20.4, 17.8, 15.9.
24-(トランス-2-フェニル-1-ビニル)-フシジン酸(化合物170)
実施例66に記載した手順によって、24-(トランス-1-ヘキセン-1-イル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(306)の代わりに、24-(トランス-2-フェニル-1-ビニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(310)を使用して、標記化合物(170)を得た。
13C NMR (CDCl3): 174.4, 170.6, 150.6, 138.5, 133.6, 130.4, 129.5, 128.6, 127.2, 126.9, 126.3, 126.1, 74.5, 71.5, 68.1, 49.2, 48.7, 44.3, 39.4, 39.0, 37.0, 36.3, 36.1, 35.9, 32.3, 30.1, 29.9, 27.9, 24.0, 22.8, 21.9, 20.8, 20.7, 20.6, 17.8, 15.9.
24-(2-フェニル-1-エチル)-フシジン酸(化合物171)
実施例66に記載した手順によって、24-(トランス-1-ヘキセン-1-イル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(306)の代わりに、24-(2-フェニル-1-エチル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(311)を使用して、標記化合物(171)を得た。
13C NMR (CD3OD): 174.5, 172.6, 147.8, 144.2, 144.1, 132.8, 129.4, 129.4, 129.3, 126.6, 75.7, 72.4, 68.5, 50.7, 44.8, 44.3, 40.7, 40.0, 38.2, 37.8, 37.4, 37.3, 36.7, 35.0, 34.8, 33.7, 33.3, 32.8, 31.6, 31.6, 31.0, 30.9, 30.3, 30.2, 28.1, 23.9, 23.8, 22.4, 20.7, 19.7, 19.7, 19.5, 19.4, 18.0, 16.5.
24-(4-n-プロピルフェニル)-フシジン酸(化合物172)
実施例66に記載した手順によって、24-(トランス-1-ヘキセン-1-イル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(306)の代わりに、24-(4-n-プロピル-フェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(312)を使用して、標記化合物(171)を得た。
13C NMR (CDCl3): 173.3, 170.6, 152.0, 141.4, 140.5, 133.9, 129.4, 128.2, 127.8, 74.5, 71.5, 67.9, 48.9, 48.7, 44.3, 39.4, 39.0, 37.7, 36.9, 36.3, 36.1, 35.5, 35.0, 32.2, 30.1, 30.0, 27.5, 24.7, 23.8, 22.7, 22.1, 20.8, 20.7, 19.9, 18.0, 15.9, 14.0.
24-(4-ビニルフェニル)-フシジン酸(化合物173)
実施例66に記載した手順によって、24-(トランス-1-ヘキセン-1-イル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(306)の代わりに、24-(4-ビニルフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(313)を使用して、標記化合物(173)を得た。
13C NMR (CDCl3): 173.5, 170.5, 152.5, 143.8, 136.4, 135.4, 133.7, 129.9, 129.0, 128.5, 125.8, 113.5, 74.4, 71.5, 67.8, 48.9, 48.6, 44.4, 39.4, 39.0, 36.9, 36.3, 36.0, 35.3, 35.1, 32.1, 30.0, 27.4, 23.8, 22.7, 22.1, 20.8, 20.7, 19.9, 17.9, 15.9.
24-(4-tert-ブチルフェニル)-フシジン酸(化合物174)
実施例66に記載した手順によって、24-(トランス-1-ヘキセン-1-イル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(306)の代わりに、24-(4-tert-ブチルフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(314)を使用して、標記化合物(174)を得た。
13C NMR (CDCl3): 173.6, 170.6, 151.8, 149.0, 141.0, 133.8, 129.6, 129.1, 128.3, 124.6, 74.5, 71.5, 67.9, 48.9, 48.8, 44.2, 39.4, 39.0, 36.9, 36.2, 36.1, 35.5, 34.9, 34.5, 32.3, 31.5, 30.3, 29.9, 27.6, 23.9, 22.7, 22.1, 20.8, 20.7, 19.9, 18.0, 15.9.
24-(4-シアノフェニル)-フシジン酸(化合物175)
実施例66に記載した手順によって、24-(トランス-1-ヘキセン-1-イル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(306)の代わりに、24-(4-シアノフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(315)を使用して、標記化合物(175)を得た。
13C NMR (CDCl3): 173.4, 170.6, 151.6, 148.9, 132.9, 131.9, 130.4, 130.2, 129.2, 119.0, 109.8, 74.3, 71.4, 68.2, 49.1, 48.7, 44.4, 39.4, 39.0, 37.1, 36.3, 36.1, 35.0, 34.4, 32.6, 30.3, 30.0, 27.6, 24.3, 22.6, 22.2, 20.7, 20.2, 18.0, 15.9.
24-(3-ビフェニル)-フシジン酸(化合物176)
実施例66に記載した手順によって、24-(トランス-1-ヘキセン-1-イル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(306)の代わりに、24-(3-ビフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(316)を使用して、標記化合物(176)を得た。
13C NMR (CDCl3): 173.8, 170.5, 152.2, 144.4, 140.9, 140.7, 134.0, 129.1, 128.9, 128.7, 128.6, 128.5, 128.0, 127.4, 126.9, 124.5, 74.4, 71.5, 67.9, 48.8, 48.6, 44.4, 39.3, 39.0, 36.8, 36.2, 36.0, 35.5, 34.9, 32.2, 29.9, 27.6, 23.9, 22.6, 22.2, 20.8, 20.6, 20.0, 17.9, 15.9.
24-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-フシジン酸(化合物177)
実施例66に記載した手順によって、24-(トランス-1-ヘキセン-1-イル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(306)の代わりに、24-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(317)を使用して、標記化合物(177)を得た。
13C NMR (CDCl3): 173.5, 170.6, 152.3, 147.8, 133.0, 129.8, 129.7, 129.0, 125.0, 74.3, 71.4, 67.9, 49.0, 48.6, 44.4, 39.4, 39.0, 37.0, 36.2, 36.1, 35.0, 34.9, 32.5, 30.0, 27.5, 24.2, 22.5, 22.1, 20.6, 20.0, 18.0, 15.9.
24-(4-メトキシフェニル)-フシジン酸(化合物178)
実施例66に記載した手順によって、24-(トランス-1-ヘキセン-1-イル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(306)の代わりに、24-(4-メトキシフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(318)を使用して、標記化合物(178)を得た。
13C NMR (CDCl3): 173.6, 170.7, 157.9, 151.3, 136.4, 133.5, 130.6, 129.7, 128.2, 113.2, 74.4, 71.5, 68.0, 55.2, 49.0, 48.6, 44.2, 39.4, 39.0, 36.9, 36.3, 36.0, 35.3, 35.1, 32.1, 30.0, 27.4, 23.8, 22.8, 22.1, 20.8, 20.7, 20.0, 17.9, 15.9.
24-(3-シアノフェニル)-フシジン酸(化合物179)
実施例66に記載した手順によって、24-(トランス-1-ヘキセン-1-イル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(306)の代わりに、24-(3-シアノフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(319)を使用して、標記化合物(179)を得た。
13C NMR (CDCl3): 173.2, 170.5, 152.3, 144.9, 134.0, 132.9, 132.2, 130.6, 129.7, 128.9, 128.8, 119.0, 112.1, 74.3, 71.4, 68.1, 49.1, 48.7, 44.5, 39.4, 39.0, 37.1, 36.3, 36.1, 35.2, 34.4, 32.5, 30.3, 30.0, 27.5, 24.3, 22.6, 22.1, 20.7, 20.2, 18.0, 15.9.
24-(2-メトキシフェニル)-フシジン酸(化合物180)
実施例66に記載した手順によって、24-(トランス-1-ヘキセン-1-イル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(306)の代わりに、24-(2-メトキシフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(320)を使用して、標記化合物(180)を得た。
1H NMR (CDCl3): 7.23(m, 1H), 6.95(m, 3H), 5.83(d, 1H), 3.81(bs, 1H), 3.79(s, 3H), 3.74(bs, 1H), 2.81(dd, 1H), 2.65-0.95(m, 22H), 1.95(s, 3H), 1.84(bs, 3H), 1.50(bs, 3H), 1.27(s, 3H), 0.92(bs, 3H), 0.92(d, 3H), 0.81(bs, 3H).
24-(3-ニトロフェニル)-フシジン酸(化合物181)
実施例66に記載した手順によって、24-(トランス-1-ヘキセン-1-イル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(306)の代わりに、24-(3-ニトロフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(321)を使用して、標記化合物(181)を得た。
13C NMR (CDCl3): 173.1, 170.5, 152.5, 148.2, 145.3, 135.8, 132.1, 130.9, 128.9, 128.6, 124.1, 121.1, 74.3, 71.4, 68.1, 49.1, 48.6, 44.5, 39.4, 38.9, 37.0, 36.2, 36.1, 35.2, 34.4, 32.5, 30.2, 30.0, 27.5, 24.2, 22.6, 22.2, 20.6, 20.3, 18.0, 15.9.
24-(3-ブロモフェニル)-フシジン酸(化合物182)
実施例66に記載した手順によって、24-(トランス-1-ヘキセン-1-イル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(306)の代わりに、24-(3-ブロモフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(322)を使用して、標記化合物(182)を得た。
13C NMR (CDCl3): 173.8, 170.7, 151.7, 146.1, 132.9, 132.2, 129.6, 129.5, 129.3, 129.0, 128.4, 122.0, 74.3, 71.5, 68.1, 49.0, 48.6, 44.4, 39.4, 39.0, 36.9, 36.3, 36.1, 35.5, 34.8, 32.2, 30.0, 27.6, 24.0, 22.8, 22.1, 20.8, 20.7, 20.0, 17.9, 15.9.
24-(4-(メチルチオ)フェニル)-フシジン酸(化合物183)
実施例66に記載した手順によって、24-(トランス-1-ヘキセン-1-イル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(306)の代わりに、24-(4-(メチルチオ)フェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(323)を使用して、標記化合物(183)を得た。
13C NMR (CDCl3): 173.6, 170.7, 151.5, 140.9, 135.9, 133.5, 130.1, 129.5, 128.5, 126.0, 74.4, 71.5, 68.0, 49.0, 48.6, 44.3, 39.4, 39.0, 36.9, 36.3, 36.1, 35.3, 35.0, 32.2, 30.0, 27.4, 23.9, 22.8, 22.1, 20.8, 20.7, 19.9, 17.9, 15.9, 15.7.
24-(2-ナフチル)-フシジン酸(化合物184)
実施例66に記載した手順によって、24-(トランス-1-ヘキセン-1-イル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(306)の代わりに、24-(2-ナフチル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(324)を使用して、標記化合物(184)を得た。
13C NMR (CDCl3): 174.4, 170.8, 151.6, 141.7, 134.0, 133.4, 131.9, 129.6, 128.7, 128.6, 127.8, 127.6, 127.4, 126.2, 125.6, 74.3, 71.5, 67.5, 48.7, 48.4, 44.2, 39.3, 38.9, 36.6, 36.3, 35.8, 35.2, 35.1, 31.9, 29.9, 29.7, 27.4, 23.6, 22.7, 22.2, 20.8, 20.6, 19.9, 17.8, 15.9.
24-(3,5-ビス-(トリフルオロメチル)フェニル)-フシジン酸(化合物185)
実施例66に記載した手順によって、24-(トランス-1-ヘキセン-1-イル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(306)の代わりに、24-(3,5-ビス-(トリフルオロメチル)フェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(325)を使用して、標記化合物(185)を得た。
13C NMR (CDCl3): 173.1, 170.5, 152.9, 145.9, 131.7, 131.4, 129.5, 128.4, 125.3, 121.7, 120.0, 74.3, 71.4, 67.9, 49.0, 48.6, 44.6, 39.4, 38.9, 37.0, 36.2, 36.1, 35.3, 34.6, 32.5, 30.2, 30.0, 27.6, 24.2, 22.4, 22.1, 20.6, 20.2, 18.0, 15.9.
24-(3,4-ジメトキシフェニル)-フシジン酸(化合物186)
実施例66に記載した手順によって、24-(トランス-1-ヘキセン-1-イル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(306)の代わりに、24-(3,4-ジメトキシフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物326)を使用して、標記化合物(186)を得た。
13C NMR (CDCl3): 173.4, 170.5, 152.2, 148.5, 147.3, 136.6, 133.7, 129.1, 128.2, 121.7, 113.1, 110.6, 74.4, 71.5, 68.0, 56.1, 55.9, 49.0, 48.6, 44.4, 39.4, 39.0, 36.9, 36.3, 36.1, 35.2, 35.0, 32.2, 30.0, 27.5, 23.9, 22.7, 22.2, 20.8, 20.6, 20.0, 17.9, 15.9.
24-(3,5-ジブロモフェニル)-フシジン酸(化合物187)
実施例66に記載した手順によって、24-(トランス-1-ヘキセン-1-イル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(306)の代わりに、24-(3,5-ジブロモフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(327)を使用して、標記化合物(187)を得た。
13C NMR (CDCl3): 173.3, 170.5, 152.9, 147.4, 131.8, 131.5, 131.2, 130.7, 128.5, 122.4, 74.4, 71.5, 68.1, 49.1, 48.6, 44.6, 39.4, 39.0, 37.0, 36.2, 36.1, 35.6, 34.6, 32.3, 30.2, 30.0, 27.6, 24.1, 22.8, 22.2, 20.8, 20.7, 20.1, 18.0, 15.9.
24-ブロモフシジン酸、コリン塩(化合物188)
メタノール中の水酸化コリンの溶液(45%、0.4mL、0.18g、1.5mmol)を、エタノール(10mL)中の24-ブロモフシジン酸(108)(893mg、1.5mmol)の溶液に、撹拌しながら少しずつ添加した。得られた溶液を減圧濃縮し、残渣をエーテルから結晶化した。標記化合物(188)を濾過によって収集した。
13C NMR (CD3OD): 179.1, 173.3, 138.5, 138.3, 131.3, 122.6, 76.0, 72.5, 69.1, 68.9, 57.1, 54.7, 50.8, 50.0, 43.7, 40.7, 40.3, 38.5, 38.3, 37.8, 37.5, 36.9, 33.0, 31.1, 31.0, 30.3, 25.4, 23.8, 22.5, 21.1, 20.5, 17.9, 16.5.
24-ブロモフシジン酸、L-アルギニン塩(化合物189)
実施例88に記載した手順によって、水酸化コリンの代わりに、L-アルギニン(261mg、1.5mmol;水(10mL)中)を使用して、標記化合物(189)を非晶質粉末状物として得た(酢酸エチルから)。
13C NMR (CD3OD): 179.2, 174.7, 173.3, 158.9, 139.9, 137.6, 131.5, 122.4, 75.9, 72.5, 68.8, 55.6, 50.8, 50.0, 43.9, 41.9, 40.7, 40.2, 38.6, 38.3, 37.9, 37.5, 36.9, 33.0, 31.1, 31.0, 30.1, 29.5, 25.8, 25.4, 23.8, 22.5, 21.1, 20.5, 17.9, 16.5.
24-ブロモフシジン酸、2-(ジメチルアミノ)-エタノール塩(化合物190)
実施例88に記載した手順によって、水酸化コリンの代わりに、2-(ジメチルアミノ)-エタノール(151μL、134mg、1.5mmol)を使用して、標記化合物(190)を結晶として得た(エーテルから)。
13C NMR (CD3OD): 178.1, 173.1, 141.6, 136.4, 131.6, 122.3, 75.9, 72.5, 68.8, 66.9, 60.9, 57.5, 50.8, 50.0, 44.1, 40.7, 40.2, 38.7, 38.3, 37.9, 37.5, 36.9, 33.0, 31.1, 31.0, 30.0, 25.4, 23.8, 22.5, 21.1, 20.5, 17.9, 16.5, 15.5.
24-ブロモフシジン酸、4-(2-ヒドロキシエチル)-モルホリン塩(化合物191)
実施例88に記載した手順によって、水酸化コリンの代わりに、4-(2-ヒドロキシエチル)-モルホリン(184μL、197mg、1.5mmol)を使用して、標記化合物(191)を非晶質粉末状物として得た(ジ-イソプロピルエーテルから)。
13C NMR (CD3OD): 175.0, 172.7, 147.7, 132.4, 132.2, 121.7, 75.8, 72.5, 68.6, 66.9, 61.3, 58.7, 54.6, 50.7, 49.9, 44.9, 40.7, 40.1, 38.8, 38.2, 37.8, 37.4, 36.8, 32.9, 31.1, 31.0, 29.3, 25.5, 23.9, 23.1, 22.4, 20.8, 20.6, 18.0, 16.5.
24-ブロモフシジン酸、L-リジン塩(化合物192)
実施例88に記載した手順によって、水酸化コリンの代わりに、L-リジン(219mg、1.5mmol;水(5mL)中)を使用して、標記化合物(192)を結晶として得た(酢酸エチルから)。
13C NMR (CD3OD): 179.1, 175.1, 173.2, 139.4, 137.9, 131.4, 122.5, 75.9, 72.5, 68.8, 55.9, 50.8, 50.0, 43.9, 40.7, 40.4, 40.3, 38.6, 38.3, 37.9, 37.5, 36.9, 33.0, 32.0, 31.1, 31.0, 30.2, 28.5, 25.4, 23.8, 23.2, 22.5, 21.2, 20.6, 17.9, 16.5.
24-ブロモフシジン酸、N-(2-ヒドロキシエチル)-ピロリジン塩(化合物193)
実施例88に記載した手順によって、水酸化コリンの代わりに、N-(2-ヒドロキシエチル)-ピロリジン(177μL、173mg、1.5mmol)を使用して、標記化合物(193)を結晶として得た(ジ-イソプロピルエーテルから)。
13C NMR (CD3OD): 178.5, 173.1, 140.7, 137.0, 131.5, 122.4, 75.9, 72.5, 70.1, 68.8, 58,3, 55.2, 50.8, 50.0, 44.0, 40.7, 40.2, 38.6, 38.3, 37.8, 37.5, 36.9, 33.0, 31.1, 31.0, 30.1, 25.4, 24.0, 23.8, 23.1, 22.5, 21.1, 20.5, 17.9, 16.5.
24-ブロモフシジン酸、エタノールアミン塩(化合物194)
実施例88に記載した手順によって、水酸化コリンの代わりに、エタノールアミン(90μL、92mg、1.5mmol)を使用して、標記化合物(194)を非晶質粉末状物として得た(エーテルから)。
13C NMR (CD3OD): 178.9, 173.3, 139.7, 137.6, 131.4, 122.5, 75.9, 72.5, 68.8, 59.4, 50.8, 50.0, 43.9, 43.0, 40.7, 40.2, 38.6, 38.3, 37.8, 37.5, 36.9, 33.0, 31.1, 31.0, 30.1, 25.4, 23.8, 22.5, 21.1, 20.5, 17.9, 16.5.
24-ブロモフシジン酸、カリウム塩(化合物195)
水酸化カリウムの水溶液(0.82M、1.8mL、1.5mmol)を、エタノール(10mL)および水(2.5mL)中の24-ブロモフシジン酸(108)(893mg、1.5mmol)の溶液に少しずつ添加した。溶液のpHをpHメーターよって監視した。pH約7において、水(7.5mL)をさらに添加した。得られた溶液(最終pH10)を減圧濃縮し、残渣をアセトンから結晶化した。標記化合物(195)を濾過によって収集した。
13C NMR (CD3OD): 179.2, 173.4, 138.6, 138.4, 131.3, 122.6, 75.9, 72.5, 68.9, 50.8, 50.0, 43.7, 40.7, 40.3, 38.5, 38.3, 37.8, 37.5, 36.9, 33.0, 31.1, 31.0, 30.3, 25.4, 23.8, 22.5, 21.2, 20.5, 17.9, 16.5, 8.1.
24-ブロモフシジン酸、テトラブチルアンモニウム塩(化合物196)
実施例95に記載した手順によって、水酸化カリウムの代わりに、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(約25%、1.8mL、1.5mmol;最終pH=9)を使用して、標記化合物(196)を結晶として得た(エーテルから)。
13C NMR (CD3OD): 178.3, 173.2, 140.3, 137.1, 131.4, 122.5, 76.0, 72.5, 68.8, 59.5, 50.8, 50.0, 43.9, 40.7, 40.2, 38.6, 38.3, 37.8, 37.5, 36.8, 32.9, 31.1, 31.0, 30.1, 25.4, 24.8, 23.8, 22.5, 21.1, 20.7, 20.5, 17.9, 16.5, 14.0.
24-ブロモフシジン酸、ベンジルトリメチルアンモニウム塩(化合物197)
実施例95に記載した手順によって、水酸化カリウムの代わりに、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド(メタノール中約40%;最終pH=9)を使用して、標記化合物(197)を結晶として得た(アセトンから)。
1H NMR (CD3OD): 7.55(m, 5H), 5.74(d, 1H), 4.53(s, 2H), 4.30(br, 1H), 3.64(br, 1H), 3.10(s, 9H), 3.00(d, 1H), 2.8-2.0(m, 8H), 1.99(s, 3H), 1.91-1.40(m, 7H), 1.83(s, 3H), 1.80(s, 3H), 1.38(s, 3H), 1.2-1.0(m, 3H), 0.99(s, 3H), 0.95(s, 3H), 0.89(d, 3H).
24-ブロモフシジン酸、セチルトリメチルアンモニウム塩(化合物198)
実施例95に記載した手順によって、水酸化カリウムの代わりに、セチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド(水中約10%;最終pH=10)を使用して、標記化合物(198)を結晶として得た(メチルエチルケトンから)。
13C NMR (CD3OD): 179.2, 173.3, 138.4, 138.3, 131.2, 122.6, 76.0, 72,5, 68.9, 67.9, 53.5, 50.8, 50.0, 43.7, 40.7, 40.3, 38.5, 38.3, 37.8, 37.5, 36.8, 33.1, 32.9, 31.1, 31.0, 30.8, 30.7, 30.6, 30.5, 30.3, 27.4, 25.4, 24.0, 23.9, 23.8, 22.5, 21.1, 20.5, 17.9, 16.5, 14.5.
24-ブロモフシジン酸、テトラメチルアンモニウム塩(化合物199)
実施例95に記載した手順によって、水酸化カリウムの代わりに、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(水中約10%;最終pH=10)を使用して、標記化合物(199)を結晶として得た(アセトン/エーテルから)。
13C NMR (CD3OD): 179.2, 173.3, 138.4, 138.3, 131.2, 122.6, 76.0, 72.5, 68.9, 55.9, 50.8, 50.0, 43.7, 40.7, 40.3, 38.5, 38.3, 37.8, 37.5, 36.8, 32.9, 31.1, 31.0, 30.3, 25.4, 23.8, 23.8, 22.5, 21.1, 20.5, 17.9, 16.5.
24-ブロモフシジン酸、テトラプロピルアンモニウム塩(化合物300)
実施例95に記載した手順によって、水酸化カリウムの代わりに、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド(水中約10%;最終pH=9.5)を使用して、標記化合物(300)を結晶として得た(アセトン/エーテルから)。
13C NMR (CD3OD): 179.2, 173.3, 138.4, 138.3, 131.2, 122.7, 76.0, 72.5, 68.9, 61.3, 50.8, 50.0, 43.7, 40.7, 40.3, 38.5, 38.3, 37.8, 37.5, 36.9, 33.0, 31.1, 31.0, 30.3, 25.4, 23.8, 23.8, 22.5, 21.1, 20.5, 17.9, 16.5, 16.4, 10.9.
24-ブロモフシジン酸、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩(化合物301)
実施例88に記載した手順によって、水酸化カリウムの代わりに、エタノール(12mL)および水(8mL)に溶解したトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(82mg、1.5mmol)を使用して、標記化合物(301)を非晶質粉末状物として得た(エーテルから)。
13C NMR (CD3OD): 178.8, 173.3, 140.1, 137.4, 131.4, 122.4, 76.0, 72.5, 70.1, 68.8, 61.8, 50.8, 50.0, 43.9, 40.7, 40.2, 38.6, 38.3, 37.8, 37.5, 36.9, 32.9, 31.1, 31.0, 30.1, 25.4, 23.8, 23.1, 22.5, 21.1, 20.5, 17.9, 16.5.
24-ブロモフシジン酸、N-メチル-D-グルカミン塩(化合物302)
実施例88に記載した手順によって、水酸化カリウムの代わりに、エタノール(5mL)および水(5mL)に溶解したN-メチル-D-グルカミン(293mg、1.5mmol)を使用して、標記化合物(302)を非晶質粉末状物として得た(エーテルから)。
13C NMR (CD3OD): 179.2, 173.3, 139.5, 137.8, 131.4, 122.5, 75.9, 73.0, 72.5, 72.2, 70.1, 68.8, 64.8, 61.6, 53.0, 50.8, 50.0, 43.9, 40.7, 40.3, 38.6, 38.3, 37.8, 37.5, 36.9, 34.2, 33.0, 31.0, 30.2, 25.4, 23.8, 22.5, 21.2, 20.9, 20.6, 17.9, 16.5, 14.5.
24-ブロモフシジン酸、銀塩(化合物303)
水(10mL)中の24-ブロモフシジン酸ナトリウム塩(109)(926mg、1.5mmol)の溶液を、水(30mL)中の酢酸銀(250mg、1.5mmol)の溶液に添加した。エタノール(25mL)を添加し、1時間後に、微粒沈殿物を濾過(小孔ガラスフィルター)によって収集し、水で洗浄し、暗所で数日間にわたってシリカゲル上で真空乾燥した。銀塩(303)は淡灰色非晶質粉末状物であった。
1H NMR (DMSO): 5.68(d, 1H), 4.14(br, 1H) 4.00(m, 2H), 3.51(br, 1H), 2.9-0.93(m, 20H), 1.90(s, 3H), 1.79(s, 3H), 1.78(s, 3H), 1.27(s, 3H), 0.89(s, 3H), 0.82(s, 3H), 0.79(d, 3H).
24-ブロモフシジン酸、ベンゼトニウム塩(化合物304)
水(5mL)中の塩化ベンゼトニウム(672mg、1.5mmol)の溶液を、水(10mL)中の24-ブロモフシジン酸ナトリウム塩(109)(926mg、1.5mmol)の溶液に添加し、それによってベンゼトニウム塩の粘性沈殿物が形成した。水性相をデカントし、沈殿物をデカンテーションによって水で洗浄した。沈殿物をアセトンに溶解し、濃縮し、酢酸エチルで蒸発させて(3回)、水を除去した。エーテルでの処理によって、塩を粘性塊状物として得、これを濾過によって取り、空気中に一晩置いて、標記化合物(304)を脆性非晶質粉末状物として得た。
13C NMR (CD3OD): 179.0, 173.3, 157.8, 143.6, 138.7, 138.2, 134.4, 132.0, 131.3, 130.4, 128.9, 128.4, 122.6, 114.8, 76.0, 72.5, 71.0, 70.4, 68.9, 68.3, 66.9, 65.9, 64.7, 58.0, 51.4, 50.8, 50.0, 43.7, 40.7, 40.3, 38.9, 38.5, 38.3, 37.8, 37.5, 36.8, 33.1, 32.9, 32.4, 32.3, 31.1, 31.0, 30.3, 25.4, 23.8, 23.8, 22.5, 21.1, 20.5, 17.9, 16.5, 15.5.
24-ブロモフシジン酸、トリエタノールアミン塩(化合物305)
実施例88に記載した手順によって、水酸化コリンの代わりに、トリエタノールアミン(209μL、234mg、1.5mmol;正味)を使用して、標記化合物(305)を結晶質粉末状物として得た(エタノール/エーテルから)。
13C NMR (CD3OD): 176.4, 172.9, 144.7, 134.3, 131.9, 122.0, 75.8, 72.5, 68.7, 58.7, 57.6, 50.8, 50.0, 44.5, 40.7, 40.1, 38.7, 38.2, 37.8, 37.5, 36.8, 32.9, 31.0, 29.6, 25.5, 23.8, 22.4, 20.9, 20.5, 18.0, 16.5.
24-(トランス-1-ヘキセン-1-イル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物306)
実施例36に記載した手順によって、フェニルボロン酸の代わりに、トランス-1-ヘキセン-1-イルボロン酸を使用して、標記化合物(306)を得た。
13C NMR (CDCl3): 177.0, 170.3, 168.4, 149.9, 129.8, 129.7, 129.6, 128.4, 127.8, 80.0, 74.4, 71.4, 68.2, 49.2, 48.7, 44.2, 39.4, 39.0, 38.8, 37.1, 36.2, 36.2, 35.7, 33.2, 32.5, 32.1, 30.3, 30.0, 27.8, 27.6, 26.9, 24.3, 22.7, 22.4, 21.5, 20.8, 20.7, 20.4, 17.9, 15.9, 14.0.
24-(トランス-1-ブテン-3,3-ジメチル-1-イル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物307)
実施例36に記載した手順によって、フェニルボロン酸の代わりに、トランス-1-ブテン-3,3-ジメチル-1-イルボロン酸を使用して、標記化合物(307)を得た。
13C NMR (CDCl3): 177.0, 170.3, 168.5, 149.9, 139.2, 130.1, 129.7, 129.5, 122.5, 80.0, 74.4, 71.4, 68.2, 49.2, 48.7, 44.2, 39.4, 39.0, 38.8, 37.1, 36.2, 36.2, 35.6, 33.4, 32.5, 30.3, 30.0, 29.0, 27.8, 27.7, 26.9, 24.3, 22.7, 21.6, 20.8, 20.7, 20.4, 17.8, 15.9.
24-(トランス-1-ノネン-1-イル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物308)
実施例36に記載した手順によって、フェニルボロン酸の代わりに、トランス-1-ノネン-1-イルボロン酸を使用して、標記化合物(308)を得た。
13C NMR (CDCl3): 177.0, 170.3, 168.4, 149.9, 129.8, 129.7, 129.6, 128.5, 127.8, 80.0, 74.4, 71.4, 68.2, 49.2, 48.7, 44.2, 39.4, 39.0, 38.8, 37.1, 36.3, 36.1, 35.7, 33.6, 32.5, 31.9, 30.3, 30.0, 30.0, 29.4, 29.3, 27.8, 27.6, 26.9, 24.3, 22.7, 22.7, 21.5, 20.8, 20.7, 20.4, 17.9, 15.9, 14.1.
24-(トランス-5-クロロ-1-ペンテン-1-イル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物309)
実施例36に記載した手順によって、フェニルボロン酸の代わりに、トランス-5-クロロ-1-ペンテン-1-イルボロン酸を使用して、標記化合物(309)を得た。
13C NMR (CDCl3): 177.0, 170.2, 168.4, 149.9, 130.7, 129.6, 129.5, 129.3, 125.9, 80.0, 74.4, 71.4, 68.2, 49.2, 48.7, 44.6, 44.2, 39.4, 39.0, 38.8, 37.1, 36.3, 36.1, 35.7, 32.6, 30.5, 30.3, 30.0, 27.8, 27.6, 26.9, 24.3, 22.6, 21.5, 20.8, 20.7, 20.4, 17.9, 15.9.
24-(トランス-2-フェニル-1-ビニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物310)
実施例36に記載した手順によって、フェニルボロン酸の代わりに、トランス-2-フェニル-1-ビニルボロン酸を使用して、標記化合物(310)を得た。
13C NMR (CDCl3): 177.0, 170.2, 168.4, 150.4, 138.4, 133.6, 130.3, 129.3, 128.6, 127.1, 126.9, 126.3, 126.1, 80.1, 74.4, 71.4, 68.1, 49.2, 48.7, 44.3, 39.4, 39.0, 38.8, 37.0, 36.2, 36.1, 35.9, 32.4, 30.2, 29.9, 27.9, 27.6, 26.9, 24.1, 22.7, 21.9, 20.8, 20.8, 20.7, 17.8, 15.9.
24-(2-フェニル-1-エチル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物311)
24-(トランス-2-フェニル-1-ビニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(310)(230mg、0.3mmol)をエタノール(5mL)に溶解し、炭素上パラジウム(25mg、5%)を添加した。フラスコを排気し、水素ガスを含有するバルーンをフラスコに取り付け、次に、電磁撹拌しながら一晩おいた。触媒を濾過助剤を用いて濾過して除去し、濾液を濃縮した。粗生成物をFCC(溶離剤:石油エーテル:EtOAc、90:10〜50:50)によって精製して、純粋な標記化合物(311)を得た。
13C NMR (CD3OD): 178.2, 172.1, 169.7, 152.1, 152.1, 144.1, 143.9, 130.9, 130.8, 129.4, 129.3, 126.6, 81.0, 75.6, 72.3, 68.4, 50.6, 45.5, 44.8, 44.4, 40.6, 40.0, 39.7, 38.1, 37.8, 37.4, 37.3, 36.7, 35.0, 34.8, 33.6, 33.3, 32.8, 31.9, 31.0, 30.2, 28.2, 27.3, 23.9, 23.0, 22.3, 20.9, 19.6, 19.5, 18.2, 16.5.
24-(4-n-プロピルフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物312)
実施例36に記載した手順によって、フェニルボロン酸の代わりに、4-n-プロピルフェニルボロン酸を使用して、標記化合物(312)を得た。
13C NMR (CDCl3): 177.0, 170.2, 167.6, 152.5, 141.4, 140.5, 133.8, 129.5, 129.0, 128.2, 127.8, 80.0, 74.4, 71.4, 67.9, 48.9, 48.7, 44.4, 39.4, 39.0, 38.8, 37.7, 36.9, 36.3, 36.1, 35.5, 35.0, 32.2, 30.1, 30.0, 27.4, 26.9, 24.7, 23.8, 22.7, 22.1, 20.9, 20.8, 19.9, 18.0, 15.9, 14.0.
24-(4-ビニルフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物313)
実施例36に記載した手順によって、フェニルボロン酸の代わりに、4-ビニルフェニルボロン酸を使用して、標記化合物(313)を得た。
13C NMR (CDCl3): 177.0, 170.2, 167.7, 152.6, 143.8, 136.4, 135.4, 133.7, 129.9, 128.8, 128.5, 125.8, 113.6, 80.0, 74.3, 71.4, 67.8, 48.9, 48.6, 44.4, 39.4, 39.0, 38.8, 36.9, 36.3, 36.0, 35.3, 35.0, 32.2, 30.0, 27.3, 26.9, 23.9, 22.7, 22.1, 20.8, 20.8, 19.9, 17.9, 15.9.
24-(4-tert-ブチルフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物314)
実施例36に記載した手順によって、フェニルボロン酸の代わりに、4-tert-ブチルフェニルボロン酸を使用して、標記化合物(314)を得た。
13C NMR (CDCl3): 177.0, 170.2, 167.6, 152.5, 149.0, 140.9, 133.7, 129.1, 129.0, 128.3, 124.6, 80.0, 74.4, 71.4, 67.9, 48.9, 48.8, 44.3, 39.4, 39.0, 38.8, 36.9, 36.2, 36.1, 35.5, 34.8, 34.5, 32.3, 31.5, 30.3, 30.0, 27.5, 26.9, 23.9, 22.6, 22.1, 20.9, 20.7, 20.0, 18.1, 15.9.
24-(4-シアノフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物315)
実施例36に記載した手順によって、フェニルボロン酸の代わりに、4-シアノフェニルボロン酸を使用して、標記化合物(315)を得た。
13C NMR (CDCl3): 177.0, 170.1, 167.7, 152.2, 148.9, 132.8, 131.9, 130.5, 130.2, 128.5, 119.0, 109.9, 80.0, 74.2, 71.3, 68.1, 49.1, 48.6, 44.5, 39.4, 39.0, 38.8, 37.1, 36.3, 36.0, 34.9, 34.4, 32.6, 30.3, 30.0, 27.5, 26.9, 24.3, 22.6, 22.2, 20.8, 20.6, 20.2, 18.0, 15.9.
24-(3-ビフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物316)
実施例36に記載した手順によって、フェニルボロン酸の代わりに、3-ビフェニルボロン酸を使用して、標記化合物(316)を得た。
13C NMR (CDCl3): 177.0, 170.2, 167.8, 152.3, 144.4, 140.9, 140.7, 133.9, 128.9, 128.8, 128.6, 128.6, 128.5, 128.0, 127.5, 126.9, 124.5, 80.0, 74.3, 71.4, 67.8, 48.8, 48.6, 44.4, 39.3, 39.0, 38.8, 36.8, 36.2, 36.1, 35.5, 34.8, 32.2, 30.0, 27.6, 26.9, 23.9, 22.5, 22.2, 20.8, 20.7, 20.0, 18.0, 15.9.
24-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物317)
実施例36に記載した手順によって、フェニルボロン酸の代わりに、(4-トリフルオロメチル)フェニルボロン酸を使用して、標記化合物(317)を得た。
13C NMR (CDCl3): 177.0, 170.2, 167.7, 152.6, 147.8, 133.0, 129.8, 129.7, 128.5, 125.0, 124.9, 80.0, 74.2, 71.4, 67.9, 49.0, 48.6, 44.5, 39.3, 39.0, 38.8, 37.0, 36.2, 36.1, 34.9, 34.8, 32.5, 30.0, 27.4, 26.9, 24.2, 22.4, 22.1, 20.8, 20.6, 20.0, 18.0, 15.9.
24-(4-メトキシフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物318)
実施例36に記載した手順によって、フェニルボロン酸の代わりに、4-メトキシフェニルボロン酸を使用して、標記化合物(318)を得た。
13C NMR (CDCl3): 177.0, 170.2, 167.7, 157.9, 152.2, 136.3, 133.4, 130.6, 129.0, 128.2, 113.2, 80.0, 74.3, 71.4, 67.9, 55.2, 49.0, 48.6, 44.4, 39.4, 39.0, 38.8, 36.9, 36.3, 36.0, 35.3, 35.1, 32.1, 30.0, 27.3, 26.9, 23.8, 22.8, 22.0, 20.8, 20.0, 17.9, 15.9.
24-(3-シアノフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物319)
実施例36に記載した手順によって、フェニルボロン酸の代わりに、3-シアノフェニルボロン酸を使用して、標記化合物(319)を得た。
13C NMR (CDCl3): 177.0, 170.2, 167.7, 152.3, 144.9, 134.0, 132.9, 132.2, 130.6, 129.7, 128.9, 128.5, 119.0, 112.2, 80.0, 74.2, 71.3, 68.1, 49.1, 48.7, 44.5, 39.4, 39.0, 38.8, 37.1, 36.3, 36.1, 35.2, 34.4, 32.6, 30.3, 30.0, 27.5, 26.9, 24.3, 22.5, 22.1, 20.8, 20.6, 20.2, 18.0, 15.9.
24-(2-メトキシフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物320)
実施例36に記載した手順によって、フェニルボロン酸の代わりに、2-メトキシフェニルボロン酸を使用して、標記化合物(320)を得た。
13C NMR (CDCl3): 177.0, 170.2, 167.8, 157.2, 152.2, 132.7, 131.9, 130.9, 130.3, 129.1, 127.5, 120.3, 111.0, 79.9, 74.4, 71.5, 68.0, 55.9, 55.4, 48.9, 48.7, 44.4, 39.4, 39.0, 38.8, 36.8, 36.4, 36.0, 35.4, 34.4, 33.2, 32.1, 30.0, 27.2, 26.9, 23.8, 22.8, 22.0, 20.9, 19.7, 17.9, 15.9.
24-(3-ニトロフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物321)
実施例36に記載した手順によって、フェニルボロン酸の代わりに、3-ニトロフェニルボロン酸を使用して、標記化合物(321)を得た。
13C NMR (CDCl3): 177.0, 170.2, 167.7, 152.3, 148.3, 145.3, 135.7, 132.1, 130.9, 129.0, 128.4, 124.1, 121.1, 80.0, 74.2, 71.3, 68.1, 49.0, 48.6, 44.5, 39.4, 39.0, 38.8, 37.0, 36.3, 36.1, 35.2, 34.3, 32.6, 30.3, 30.0, 27.6, 26.9, 24.3, 22.5, 22.2, 20.8, 20.6, 20.3, 18.0, 15.9.
24-(3-ブロモフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物322)
実施例36に記載した手順によって、フェニルボロン酸の代わりに、3-ブロモフェニルボロン酸を使用して、標記化合物(322)を得た。
13C NMR (CDCl3): 177.0, 170.2, 167.7, 152.5, 146.1, 132.8, 132.2, 129.6, 129.5, 129.0, 128.5, 128.4, 122.0, 80.0, 74.3, 71.4, 68.0, 49.0, 48.6, 44.5, 39.4, 39.0, 38.8, 36.9, 36.3, 36.1, 35.5, 34.8, 32.2, 30.1, 30.0, 27.5, 26.9, 24.0, 22.7.
24-(4-(メチルチオ)フェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物323)
実施例36に記載した手順によって、フェニルボロン酸の代わりに、4-(メチルチオ)フェニルボロン酸を使用して、標記化合物(323)を得た。
13C NMR (CDCl3): 177.0, 170,2 167.7, 152.5, 140.8, 135.9, 133.3, 130.1, 128.7, 128.5, 125.9, 79.9, 74.3, 71.4, 67.9, 48.9, 48.6, 44.4, 39.4, 39.0, 38.8, 36.9, 36.3, 36.0, 35.2, 35.0, 32.1, 30.0, 29.9, 27.3, 26.9, 23.9, 22.8, 22.0, 20.8, 20.8, 19.9, 17.9, 15.9, 15.6.
24-(2-ナフチル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物324)
実施例36に記載した手順によって、フェニルボロン酸の代わりに、2-ナフチルボロン酸を使用して、標記化合物(324)を得た。
13C NMR (CDCl3): 177.0, 170.2, 167.7, 152.7, 141.7, 133.9, 133.3, 131.9, 128.7, 128.6, 128.6, 127.8, 127.6, 127.4, 126.2, 125.6, 80.0, 74.3, 71.4, 67.4, 48.6, 48.4, 44.4, 39.3, 39.0, 38.8, 36.6, 36.3, 35.8, 35.2, 35.1, 32.0, 29.9, 29.6, 27.4, 26.9, 23.7, 22.6, 22.2, 20.8, 20.8, 19.9, 17.8, 15.9.
24-(3,5-ビス-(トリフルオロメチル)フェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物325)
実施例36に記載した手順によって、フェニルボロン酸の代わりに、3,5-ビス-(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸を使用して、標記化合物(325)を得た。
13C NMR (CDCl3): 176.9, 170.2, 167.6, 152.7, 145.9, 131.7, 131.7, 131.4, 129.4, 128.2, 123.5, 120.0, 80.1, 74.2, 71.3, 67.9, 60.4, 49.0, 48.6, 44.6, 39.4, 39.0, 38.8, 37.0, 36.2, 36.1, 35.3, 34.6, 32.5, 30.2, 30.0, 27.6, 26.9, 24.3, 22.4, 22.1, 20.8, 20.6, 20.2, 18.0, 15.9, 14.2.
24-(3,4-ジメトキシフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物326)
実施例36に記載した手順によって、フェニルボロン酸の代わりに、3,4-ジメトキシフェニルボロン酸を使用して、標記化合物(326)を得た。
13C NMR (CDCl3): 177.0, 170.2, 167.8, 152.1, 148.5, 147.3, 136.6, 133.7, 128.9, 128.2, 121.7, 113.1, 110.6, 80.0, 74.3, 71.4, 67.9, 56.1, 55.8, 49.0, 48.6, 44.4, 39.4, 39.0, 38.8, 36.9, 36.3, 36.0, 35.2, 35.0, 32.2, 30.0, 27.5, 26.9, 23.9, 22.7, 22.1, 20.8, 20.8, 20.0, 17.9, 15.9, 14.2.
24-(3,5-ジブロモフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物327)
実施例36に記載した手順によって、フェニルボロン酸の代わりに、3,5-ジブロモフェニルボロン酸を使用して、標記化合物(327)を得た。
13C NMR (CDCl3): 177.0, 170.2, 167.7, 152.7, 147.4, 131.8, 131.5, 131.2, 130.7, 128.3, 122.5, 80.0, 74.2, 71.4, 68.1, 49.1, 48.6, 44.6, 39.4, 39.0, 38.8, 36.9, 36.3, 36.1, 35.6, 34.6, 32.3, 30.2, 30.0, 27.5, 26.9, 24.1, 22.7, 22.2, 20.8, 20.8, 20.1, 18.0, 15.9.

Claims (35)

  1. 式Iで示される化合物、およびその医薬的に許容される塩および易加水分解性エステル:
    Figure 2007506675
    [式中、
    Xは、ハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、アルキル、アルケニルまたはアリールを表し、該アルキル、アルケニルまたはアリールは、アルキル、アルケニル、アリール、アルコキシ、ニトロ、アルキルチオ、ハロゲン、アジド、トリフルオロメチルおよびシアノから成る群から選択される1個またはそれ以上の同じかまたは異なる置換基によって任意に置換されていてもよく;
    YおよびZは、両方とも水素を表すか、またはC-17/C-20結合と一緒にC-17とC-20の間に二重結合を形成するか、または一緒にメチレンであり、C-17およびC-20と共にシクロプロパン環を形成し;
    Aは、結合、O、SまたはS(O)を表し;
    Bは、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C1~6アシル、C3~7シクロアルキルカルボニルまたはベンゾイルを表し、これらは全て、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アリール、ヘテロアリールおよびアジドから成る群から選択される1個またはそれ以上の置換基で任意に置換されていてもよく、または、Aが結合を表す場合は、Bは水素を表してもよく;
    Q1およびQ2は、独立に、-CH2-、-C(O)-、-(CHOH)-、-(CHOR)-、-(CHSH)-、-(NH)-、-(CHNH2)-または-(CHW)-を表し、ここで、RはC1~6アルキルを表し、Wはハロゲン、シアノ、アジドまたはトリフルオロメチルを表し;
    Q3は、-CH2-、-C(O)-または-CHOH-を表し;
    Gは、水素、OHまたはO-CO-CH3を表し;
    五員環における2つの結合は実線および点線で示されて、2つの結合のどちらかが二重結合でありうることを示し、そのような場合には、Yは存在せず、Zは水素を表し;
    C-1とC-2の間の結合は、単結合または二重結合である]。
  2. 式Iaで示される請求項1に記載の化合物、およびその医薬的に許容される塩および易加水分解性エステル:
    Figure 2007506675
    [式中、
    Xは、ハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、C1~7アルキル、C2~9アルケニルまたはアリールを表し、該C1~6アルキル、C2~6アルケニルまたはアリールは、C1~7アルキル、C2~9アルケニル、アリール、C1~6アルコキシ、ニトロ、アルキルチオ、ハロゲン、アジド、トリフルオロメチルおよびシアノから成る群から選択される1個またはそれ以上の同じかまたは異なる置換基によって任意に置換されていてもよく;
    YおよびZは、両方とも水素を表すか、またはC-17/C-20結合と一緒にC-17とC-20の間に二重結合を形成するか、または一緒にメチレンであり、C-17およびC-20と共にシクロプロパン環を形成し;
    Aは、結合、O、SまたはS(O)を表し;
    Bは、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C1~6アシル、C3~7シクロアルキルカルボニルまたはベンゾイルを表し、これらは全て、ハロゲン、ヒドロキシ、C1~6アルコキシ、アリール、ヘテロアリールおよびアジドから成る群から選択される1個またはそれ以上の置換基で任意に置換されていてもよく、または、Aが結合を表す場合は、Bは水素を表してもよく;
    Q1およびQ2は、独立に、-C(O)-、-(CHOH)-、-(CHSH)-、-または-(CHW)-を表し、ここで、Wはハロゲン、シアノ、アジドまたはトリフルオロメチルを表す]。
  3. YおよびZが両方とも水素であり、C-17およびC-20の両方において立体化学配置がSである請求項1または2に記載の化合物。
  4. YおよびZが一緒にメチレンであり、C-17およびC-20と共にシクロプロパン環を形成し、C-17およびC-20の両方において立体化学配置がSである請求項1または2に記載の化合物。
  5. YおよびZがC-17/C-20結合と一緒にC-17とC-20の間に二重結合を形成する請求項1または2に記載の化合物。
  6. C-17/C-20二重結合の配置がフシジン酸と同じである請求項5に記載の化合物。
  7. Xが、クロロ、ブロモ、ヨード、フルオロ、メチル、エチル、プロピル、フェニル、ビニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、ノネニル、ビフェニルまたはナフチルを表し、該メチル、エチル、プロピル、フェニル、ビニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、ノネニル、ビフェニルまたはナフチルが、フルオロ、クロロ、ブロモ、フェニル、ビニル、シアノ、メトキシ、トリフルオロメチル、ニトロ、メチルチオ、ブチル、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルおよびヘプチルから成る群から選択される1個またはそれ以上の同じかまたは異なる置換基によって任意に置換されていてもよい請求項1〜6のいずれかに記載の化合物。
  8. Xが、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、トリフルオロメチル、フェニル、4-ブロモフェニル、4-クロロフェニル、3,5-ジフルオロフェニル、トランス-1-ヘキセン-1-イル、トランス-1-ブテン-3,3-ジメチル-1-イル、トランス-1-ノネン-1-イル、トランス-5-クロロ-1-ペンテン-1-イル、トランス-2-フェニル-1-ビニル、2-フェニル-1-エチル、4-n-プロピルフェニル、4-ビニルフェニル、4-tert-ブチルフェニル、4-シアノフェニル、3-ビフェニル、4-(トリフルオロメチル)フェニル、4-メトキシフェニル、3-シアノフェニル、2-メトキシフェニル、3-ニトロフェニル、3-ブロモフェニル、4-(メチルチオ)フェニル、2-ナフチル、3,5-ビス-(トリフルオロメチル)フェニル、3,4-ジメトキシフェニルまたは3,5-ジブロモフェニルを表す請求項1〜7のいずれかに記載の化合物。
  9. Q1およびQ2が独立に-C(O)-または-(CHOH)-を表す請求項1〜8のいずれかに記載の化合物。
  10. Q1がCHF、CHCl、CHBr、CHIまたはCHN3を表す請求項1〜9のいずれかに記載の化合物。
  11. Q1およびQ2が両方とも-(CHOH)-基を表すか、またはQ1またはQ2の1つが-(CO)-を表すか、またはQ1がCHF、CHCl、CHBr、CHIまたはCHN3を表し;
    Xがクロロ、ブロモ、ヨード、トリフルオロメチル、アジドまたはシアノを表し;
    ZおよびYがC-17/C-20結合と一緒にC-17とC-20の間に二重結合を形成し;
    AがO、SまたはS(O)を表し;
    BがC1~4アルキル基を表し、該基は、アジド、ヒドロキシ、フルオロ、クロロおよびブロモから成る群から選択される1個またはそれ以上の置換基で任意に置換されていてもよく、またはBがC1~4アシル基またはベンゾイル基を表し、両基は、1個またはそれ以上のハロゲン原子で任意に置換されていてもよい請求項2に記載の化合物。
  12. Bに任意に置換するハロゲン原子がフルオロまたはクロロである請求項11に記載の化合物。
  13. AがOまたはS(O)を表す請求項1〜12のいずれかに記載の化合物。
  14. Bがアシル、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、プロペニルまたはシクロペンチルを表し、これらは全て、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フルオロ、ビニル、ヒドロキシ、フェニル、フルフリルおよびメトキシから成る群から選択される1個またはそれ以上の置換で任意に置換されていてもよい請求項1〜13のいずれかに記載の化合物。
  15. Bがアセチル、イソプロピル、エチル、2,2,2-トリフルオロエチル、ビニル、1-ペンチル、2-メチル-1-ブチル、3-メチル-1-ブチル、シクロペンチル、2-ヒドロキシエチル、ベンジル、フルフリル、フェニル、2-フルオロエチル、2-メトキシエチル、2,2,2-トリクロロエチル、2-アジドエチル、2-ヒドロキシエチル、プロピル、tert-ブチル、1,3-ジフルオロ-イソプロピル、プロピオニル、クロロアセチルまたはトリフルオロアセチルである請求項1〜14のいずれかに記載の化合物。
  16. Q1またはQ2、またはQ1およびQ2の両方が、-(COH)-を表し、C-3およびC-11の両方において立体化学配置がαである請求項1または2に記載の化合物。
  17. 易加水分解性エステルがピバロイルオキシメチルエステルまたはアセトキシメチルエステルである請求項1〜16のいずれかに記載の化合物。
  18. 塩が、ナトリウム塩、コリン塩、L-アルギニン塩、2-(ジメチルアミノ)-エタノール塩、4-(2-ヒドロキシエチル)-モルホリン塩、L-リジン塩、N-(2-ヒドロキシエチル)-ピロリジン塩、エタノールアミン塩、カリウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、ベンジルトリメチルアンモニウム塩、セチルトリメチルアンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩、テトラプロピルアンモニウム塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩、N-メチル-D-グルカミン塩、銀塩、ベンゼトニウム塩およびトリエタノールアミン塩から成る群から選択される請求項1〜15のいずれかに記載の化合物の医薬的に許容される塩。
  19. 下記化合物から成る群から選択される請求項1に記載の化合物:
    24-トリフルオロメチルフシジン酸ナトリウム塩(化合物101);
    24-トリフルオロメチルフシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物102);
    24-クロロ-フシジン酸(化合物103);
    24-クロロ-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物104);
    24-クロロ-フシジン酸ナトリウム塩(化合物105);
    24-トリフルオロメチルフシジン酸(化合物106);
    24-ブロモ-フシジン酸アセトキシメチルエステル(化合物107);
    24-ブロモ-フシジン酸(化合物108);
    24-ブロモ-フシジン酸ナトリウム塩(化合物109);
    24-ブロモ-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物110);
    24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-チオアセチル-フシジン酸アセトキシメチルエステル(化合物111);
    24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-イソプロピルチオ-フシジン酸(化合物112);
    24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-イソプロピルスルフィニル-フシジン酸(化合物113);
    24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-チオアセチル-フシジン酸(化合物114);
    24-ブロモ-17S,20S-ジヒドロフシジン酸(化合物115);
    24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-エトキシ-フシジン酸(化合物116);
    24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-エトキシ-フシジン酸アセトキシメチルエステル(化合物117);
    24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-(2',2',2'-トリフルオロエトキシ)-フシジン酸アセトキシメチルエステル(化合物118);
    24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-(2',2',2'-トリフルオロエトキシ)-フシジン酸(化合物119);
    24-ブロモ-17S,20S-フシジン酸アセトキシメチルエステル(化合物120);
    24-ブロモ-17S,20S-メチレン-フシジン酸アセトキシメチルエステル(化合物121);
    24-ブロモ-17S,20S-メチレン-フシジン酸(化合物122);
    3-デオキシ-3β,24-ジブロモ-フシジン酸(化合物123);
    3α-アジド-24-ブロモ-3-デオキシ-フシジン酸(化合物124);
    24-ヨード-フシジン酸(化合物125);
    24-ヨード-フシジン酸アセトキシメチルエステル(化合物126);
    24-ヨード-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物127);
    24-フェニル-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物136);
    24-フェニル-フシジン酸(化合物137);
    24-(4-ブロモフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物138);
    24-(4-ブロモフェニル)-フシジン酸(化合物139);
    24-(4-クロロフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物140);
    24-(4-クロロフェニル)-フシジン酸(化合物141);
    24-(3,5-ジフルオロフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物142);
    24-(3,5-ジフルオロフェニル)-フシジン酸(化合物143);
    3-デオキシ-3β,24-ジブロモ-フシジン酸アセトキシメチルエステル(化合物144);
    24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-エチルチオ-フシジン酸(化合物146);
    24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-エチルスルフィニル-フシジン酸(化合物147);
    24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-アリルチオ-フシジン酸(化合物148);
    24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-(1-ペンチルチオ)-フシジン酸(化合物149);
    24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-(1-ペンチルスルフィニル)-フシジン酸(化合物150);
    24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-(2-メチル-1-ブチルチオ)-フシジン酸(化合物151);
    24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-(2-メチル-1-ブチルスルフィニル)-フシジン酸(化合物152);
    24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-(3-メチル-1-ブチルチオ)-フシジン酸(化合物153);
    24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-(3-メチル-1-ブチルスルフィニル)-フシジン酸(化合物154);
    24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-シクロペンチルチオ-フシジン酸(化合物155);
    24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-(2,2,2-トリフルオロエチルチオ)-フシジン酸(化合物156);
    24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-(2-ヒドロキシエチルチオ)-フシジン酸(化合物157);
    24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-ベンジルチオ-フシジン酸(化合物158);
    24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-ベンジルスルフィニル-フシジン酸(化合物159);
    24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-(2-フリルメチルチオ)-フシジン酸(化合物160);
    24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-フェニルチオ-フシジン酸(化合物161);
    24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-ベンゾイルチオ-フシジン酸(化合物162);
    24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-イソプロポキシ-フシジン酸(化合物163);
    24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-(2-フルオロエトキシ)-フシジン酸(化合物164);
    24-ブロモ-16-デアセトキシ-16β-(2-メトキシエトキシ)-フシジン酸(化合物165);
    24-(トランス-1-ヘキセン-1-イル)-フシジン酸(化合物166);
    24-(トランス-1-ブテン-3,3-ジメチル-1-イル)-フシジン酸(化合物167);
    24-(トランス-1-ノネン-1-イル)-フシジン酸(化合物168);
    24-(トランス-5-クロロ-1-ペンテン-1-イル)-フシジン酸(化合物169);
    24-(トランス-2-フェニル-1-ビニル)-フシジン酸(化合物170);
    24-(2-フェニル-1-エチル)-フシジン酸(化合物171);
    24-(4-n-プロピルフェニル)-フシジン酸(化合物172);
    24-(4-ビニルフェニル)-フシジン酸(化合物173);
    24-(4-tert-ブチルフェニル)-フシジン酸(化合物174);
    24-(4-シアノフェニル)-フシジン酸(化合物175);
    24-(3-ビフェニル)-フシジン酸(化合物176);
    24-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-フシジン酸(化合物177);
    24-(4-メトキシフェニル)-フシジン酸(化合物178);
    24-(3-シアノフェニル)-フシジン酸(化合物179);
    24-(2-メトキシフェニル)-フシジン酸(化合物180);
    24-(3-ニトロフェニル)-フシジン酸(化合物181);
    24-(3-ブロモフェニル)-フシジン酸(化合物182);
    24-(4-(メチルチオ)フェニル)-フシジン酸(化合物183);
    24-(2-ナフチル)-フシジン酸(化合物184);
    24-(3,5-ビス-(トリフルオロメチル)フェニル)-フシジン酸(化合物185);
    24-(3,4-ジメトキシフェニル)-フシジン酸(化合物186);
    24-(3,5-ジブロモフェニル)-フシジン酸(化合物187);
    24-ブロモフシジン酸、コリン塩(化合物188);
    24-ブロモフシジン酸、L-アルギニン塩(化合物189);
    24-ブロモフシジン酸、2-(ジメチルアミノ)-エタノール塩(化合物190);
    24-ブロモフシジン酸、4-(2-ヒドロキシエチル)-モルホリン塩(化合物191);
    24-ブロモフシジン酸、L-リジン塩(化合物192);
    24-ブロモフシジン酸、N-(2-ヒドロキシエチル)-ピロリジン塩(化合物193);
    24-ブロモフシジン酸、エタノールアミン塩(化合物194);
    24-ブロモフシジン酸、カリウム塩(化合物195);
    24-ブロモフシジン酸、テトラブチルアンモニウム塩(化合物196);
    24-ブロモフシジン酸、ベンジルトリメチルアンモニウム塩(化合物197);
    24-ブロモフシジン酸、セチルトリメチルアンモニウム塩(化合物198);
    24-ブロモフシジン酸、テトラメチルアンモニウム塩(化合物199);
    24-ブロモフシジン酸、テトラプロピルアンモニウム塩(化合物300);
    24-ブロモフシジン酸、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩(化合物301);
    24-ブロモフシジン酸、N-メチル-D-グルカミン塩(化合物302);
    24-ブロモフシジン酸、銀塩(化合物303);
    24-ブロモフシジン酸、ベンゼトニウム塩(化合物304);
    24-ブロモフシジン酸、トリエタノールアミン塩(化合物305);
    24-(トランス-1-ヘキセン-1-イル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物306);
    24-(トランス-1-ブテン-3,3-ジメチル-1-イル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物307);
    24-(トランス-1-ノネン-1-イル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物308);
    24-(トランス-5-クロロ-1-ペンテン-1-イル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物309);
    24-(トランス-2-フェニル-1-ビニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物310);
    24-(2-フェニル-1-エチル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物311);
    24-(4-n-プロピルフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物312);
    24-(4-ビニルフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物313);
    24-(4-tert-ブチルフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物314);
    24-(4-シアノフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物315);
    24-(3-ビフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物316);
    24-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物317);
    24-(4-メトキシフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物318);
    24-(3-シアノフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物319);
    24-(2-メトキシフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物320);
    24-(3-ニトロフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物321);
    24-(3-ブロモフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物322);
    24-(4-(メチルチオ)フェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物323);
    24-(2-ナフチル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物324);
    24-(3,5-ビス-(トリフルオロメチル)フェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物325);
    24-(3,4-ジメトキシフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物326);および
    24-(3,5-ジブロモフェニル)-フシジン酸ピバロイルオキシメチルエステル(化合物327)。
  20. 医療に使用する請求項1〜19のいずれかに記載の化合物。
  21. 請求項1〜19のいずれかに記載の化合物を、医薬的に許容できる賦形剤または担体と共に含む医薬組成物。
  22. 抗生物質およびコルチコステロイドから成る群から選択されるさらなる処置活性化合物をも含有する請求項21に記載の医薬組成物。
  23. さらなる処置活性化合物が、ペニシリン系(フェノキシメチルペニシリン、ベンジルペニシリン、ジクロキサシリン、アンピシリン、アモキシシリン、ピバンピシリン、フルクロキサシリン、ピペラシリンおよびメセリナム)、セファロスポリン系(セファレキシン、セファロチン、セフェピム、セフォタキシム、セフタジジム、セフトリアゾンおよびセフロキシム)、モノバクタム系(アズトレオナム)およびカルバペネム系(メロペネム);マクロライド系(アジスロマイシン、クラリスロマイシン、エリスロマイシンおよびロキシスロマイシン);ポリミキシン系(コリスチン);テトラサイクリン系(テトラサイクリン、ドキシサイクリン、オキシテトラサイクリンおよびリメサイクリン);アミノグリコシド系(ストレプトマイシン、ゲンタマイシン、トブラマイシンおよびネチルマイシン);フルオロキノロン系(ノルフロキサシン、オフロキサシン、シプロフロキサシンおよびモキフロキサシン);クリンダマイシン、リンコマイシン、テイコプラニン、バンコマイシン、オキサゾリドン系(リネゾリド)、リファマイシン、メトロニダゾール、フシジン酸、ヒドロコルチゾン、ベタメタゾン-17-バレレートおよびトリアムシノロンアセトニドから成る群から選択される請求項22に記載の医薬組成物。
  24. 患者の感染を治療、予防または軽減する方法であって、患者に請求項1〜19のいずれかに記載の化合物を有効量で投与し、場合により1種またはそれ以上のさらなる処置活性化合物をも同時または逐次に投与することを含んで成る方法。
  25. さらなる処置活性化合物が、抗生物質およびコルチコステロイドから成る群から選択される請求項24に記載の方法。
  26. さらなる処置活性化合物が、ペニシリン系(フェノキシメチルペニシリン、ベンジルペニシリン、ジクロキサシリン、アンピシリン、アモキシシリン、ピバンピシリン、フルクロキサシリン、ピペラシリンおよびメセリナム)、セファロスポリン系(セファレキシン、セファロチン、セフェピム、セフォタキシム、セフタジジム、セフトリアゾンおよびセフロキシム)、モノバクタム系(アズトレオナム)およびカルバペネム系(メロペネム);マクロライド系(アジスロマイシン、クラリスロマイシン、エリスロマイシンおよびロキシスロマイシン);ポリミキシン系(コリスチン);テトラサイクリン系(テトラサイクリン、ドキシサイクリン、オキシテトラサイクリンおよびリメサイクリン);アミノグリコシド系(ストレプトマイシン、ゲンタマイシン、トブラマイシンおよびネチルマイシン);フルオロキノロン系(ノルフロキサシン、オフロキサシン、シプロフロキサシンおよびモキフロキサシン);クリンダマイシン、リンコマイシン、テイコプラニン、バンコマイシン、オキサゾリドン系(リネゾリド)、リファマイシン、メトロニダゾール、フシジン酸、ヒドロコルチゾン、ベタメタゾン-17-バレレートおよびトリアムシノロンアセトニドから成る群から選択される請求項24に記載の方法。
  27. 感染が細菌感染である請求項24〜26のいずれかに記載の方法。
  28. 感染を治療、軽減または予防する医薬を製造するための請求項1〜19のいずれかに記載の化合物の使用。
  29. 医薬が、同時または逐次投与に適した同一または別個の容器に入ったさらなる処置活性化合物をも含有する請求項28に記載の使用。
  30. さらなる処置活性化合物が、ペニシリン系(フェノキシメチルペニシリン、ベンジルペニシリン、ジクロキサシリン、アンピシリン、アモキシシリン、ピバンピシリン、フルクロキサシリン、ピペラシリンおよびメセリナム)、セファロスポリン系(セファレキシン、セファロチン、セフェピム、セフォタキシム、セフタジジム、セフトリアゾンおよびセフロキシム)、モノバクタム系(アズトレオナム)およびカルバペネム系(メロペネム);マクロライド系(アジスロマイシン、クラリスロマイシン、エリスロマイシンおよびロキシスロマイシン);ポリミキシン系(コリスチン);テトラサイクリン系(テトラサイクリン、ドキシサイクリン、オキシテトラサイクリンおよびリメサイクリン);アミノグリコシド系(ストレプトマイシン、ゲンタマイシン、トブラマイシンおよびネチルマイシン);フルオロキノロン系(ノルフロキサシン、オフロキサシン、シプロフロキサシンおよびモキフロキサシン);クリンダマイシン、リンコマイシン、テイコプラニン、バンコマイシン、オキサゾリドン系(リネゾリド)、リファマイシン、メトロニダゾール、フシジン酸、ヒドロコルチゾン、ベタメタゾン-17-バレレートおよびトリアムシノロンアセトニドから成る群から選択される請求項29に記載の使用。
  31. 感染が細菌感染である請求項28〜30のいずれかに記載の使用。
  32. 微生物の増殖を抑制するための請求項1〜19のいずれかに記載の化合物の使用。
  33. 動物の飼育において細菌感染を防止または予防するための請求項1〜19のいずれかに記載の化合物の使用。
  34. 式Ia:
    Figure 2007506675
    [式中、
    Xは、ブロモを表し;
    YおよびZは、両方とも水素を表すか、またはC-17/C-20結合と一緒にC-17とC-20の間に二重結合を形成するか、または一緒にメチレンであり、C-17およびC-20と共にシクロプロパン環を形成し;
    Aは、結合、O、SまたはS(O)を表し;
    Bは、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C1~6アシル、C3~7シクロアルキルカルボニルまたはベンゾイルを表し、これらは全て、ハロゲン、ヒドロキシ、C1~6アルコキシ、アリール、ヘテロシクリルおよびアジドから成る群から選択される1個またはそれ以上の置換基で任意に置換されていてもよく、または、Aが結合を表す場合は、Bは水素を表してもよく;
    Q1およびQ2は、独立に、-C(O)-、-(CHOH)-、-(CHSH)-、または-(CHW)-を表し、ここで、Wはハロゲン、シアノ、アジドまたはトリフルオロメチルを表す]
    で示される化合物の製造法であって、
    (a) フシジン酸または好適なフシジン酸類似体を、好適な有機溶媒に溶解し、次に、臭素で処理して、式Ib:
    Figure 2007506675
    [式中、
    XおよびX'は、ブロモを表し;
    Rは、水素を表し;
    C-24とC-25の間の結合は単結合であり;
    Y、Z、A、B、Q1およびQ2は、前記のように定義される]
    で示される24,25-ジブロモ中間体を得;
    (b) 好適な溶媒中の24,25-ジブロモ中間体の溶液を、好適な塩基の存在下に処理して、塩の形態の式Iaの脱臭化水素化合物を得;
    (c) 工程(b)で得た塩を酸性化して、遊離酸形態の式Iaの化合物を得る
    工程を含んで成る方法。
  35. 式Ib:
    Figure 2007506675
    [式中、
    XおよびX'は、ブロモを表し、
    Rは水素であり;
    C-24とC-25の間の結合は単結合であり;
    YおよびZは、両方とも水素を表すか、またはC-17/C-20結合と一緒にC-17とC-20の間に二重結合を形成するか、または一緒にメチレンであり、C-17およびC-20と共にシクロプロパン環を形成し;
    Aは、結合、O、SまたはS(O)を表し;
    Bは、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C1~6アシル、C3~7シクロアルキルカルボニルまたはベンゾイルを表し、これらは全て、ハロゲン、ヒドロキシ、C1~6アルコキシ、アリール、ヘテロシクリルおよびアジドから成る群から選択される1個またはそれ以上の置換基で任意に置換されていてもよく、または、Aが結合を表す場合は、Bは水素を表してもよく;
    Q1およびQ2は、独立に、-C(O)-、-(CHOH)-、-(CHSH)-、または-(CHW)-を表し、ここで、Wはハロゲン、シアノ、アジドまたはトリフルオロメチルを表す]
    で示される化合物。
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