JP2007505718A - ドリルガイドアセンブリ - Google Patents

Abstract

整形外科用人工関節部品受承用の穴をあけるための軸線を決定するためのドリルガイドアセンブリであって、該ドリルガイドアセンブリは、スリーブ（１６）と、該スリーブ（１６）の一端部に設けられた球状部（１８）とを有するドリルガイド（１４）を備える。骨に固定可能なフレーム（６）は、凹部（２０）を形成するハウジング（２２）を備える。凹部（２０）は、骨から離間する方向に凹部（２０）から延びるドリルガイドスリーブ（１６）とともにドリルガイド球状部（１８）を受承可能であり、ドリルガイドスリーブ（１６）とハウジング（２２）との角度方向の相対位置を、凹部（２０）内の球状部（１８）の移動によって調節することができる。ドリルガイドは、ハウジングに対する角度方向の位置調節ができないようにクランプによってロック可能である。クランプは、ドリルガイド球状部及び凹部内壁によってそれぞれ形成される一対の下側クランプ面と、ドリルガイド及びハウジングによってそれぞれ形成される一対の上側クランプ面とを有する。

Description

本発明は、整形外科用人工関節の部品を受承する穴をあけるための軸線を決定するためのドリルガイドアセンブリに関する。

人工関節の部品を受承するように骨の準備を行う際には、植込みのために人工関節部品の位置に対する基準位置となる軸線の位置を定めることが重要となりうる。この軸線は骨に何らかの切除を行なう前に自然骨組織に対して決定可能なことが望ましい。

骨組織が球関節の球状要素（例えば肩関節の上腕骨構成要素、あるいは特に股関節の大腿骨構成要素）となる場合には、軸線は、球状要素の凸状支持面に対して位置決めされなければならない。人工関節部品は、前記軸線と整合するように、又は前記軸線に対して所定の方向に指向するように植込まれなければならない。外科医にとって、ドリルガイドを使用できるようにドリルガイドを骨に固定する前に、ドリルガイドを骨に対して正確に位置合わせすることは困難な場合がある。

特許文献１には、ハウジング内に支持される丸みを帯びたヘッドを有するドリルガイド管を備えたドリル冶具が開示されている。該ヘッドは、ハウジングに対するドリルガイド管の軸方向の指向を調節できるように、ハウジング内において回動可能とされる。ドリルガイド管は、調節できないようにクランプ固定することができる。クランプは、上側ハウジング部と下側ハウジング部とを備え、これらハウジング部は、クランプの丸みを帯びたヘッドを両ハウジング部の対向する面上に把持できるように、互いに引き寄せられた状態にすることができる（図６及び１０参照）。横切って延びるアームを用いて、高いクランプ力を得るようにしてもよい。
米国特許第６，５９５，９９９号明細書

しかしながら、たとえアームを用いた場合であっても、ヘッドをハウジング内に把持する力が、冶具使用時にドリルガイドの移動を妨げるには不十分なことがある。

本発明の一態様は、整形外科用人工関節の部品を受承する穴をあけるための軸線を決定するためのドリルガイドアセンブリに関し、該ドリルガイドアセンブリは、
ａ）スリーブと、該スリーブの一端部に設けられた球状部とを有するドリルガイドと、
ｂ）骨に固定可能なフレームであって、該フレームは、ドリルガイドの球状部を受承可能な凹部を形成するハウジングを備えることと、該凹部からドリルガイドスリーブが骨から離間する方向へ延び、ドリルガイドスリーブとハウジングとの相対的な角度方向位置が、前記凹部内の球状部の移動によって調節可能であることと、
ｃ）角度方向の位置調節ができないようにドリルガイドをハウジングに対してロックするためのクランプと
を備え、該クランプは、ドリルガイドの球状部と凹部の内壁とでそれぞれ形成される一対の下側クランプ面と、ドリルガイド及びハウジング上の一対の上側クランプ面とを備え、これら上側及び下側クランプ面は、これらそれぞれのフレームのクランプ面とドリルガイドのクランプ面とが係合されることにより、角度方向の位置調節ができないようにドリルガイドをロック可能に構成され、ドリルガイドの上側クランプ面は、ドリルガイドスリーブに沿って球状部から離間して配置される。

本発明に係るドリルガイドアセンブリは、ドリルガイドが角度方向に移動しないようにフレーム内に把持されているときに、ドリルガイドが移動するためには上回らなければならない力を、球状部が上側及び下側ハウジング部によって対向する面上に把持された場合の力よりも大きくなるように構成することができるという利点を有する。したがって、ドリルガイドの確実なロックが容易になる。

本発明のドリルガイドアセンブリは、アセンブリを骨に固定した後に、骨の軸線に対するドリルガイドスリーブの位置を最終的に決定することを可能にする。したがって、ドリルガイドスリーブの最終位置合わせ（ロック機構が解放位置にあるときに、ドリルガイドスリーブをフレームに対して平行移動させることにより可能となる）が固定後に行なわれるため、アセンブリを骨に固定する工程は正確に行なわなくてもよい。

好ましくは、フレームの上側クランプ面は、ハウジングから骨から離間する方向へ延びるカラー部上に設けられる。カラー部は、ドリルガイドスリーブがその内部を延びることができるように中空状をなす。カラー部は、ドリルガイドの対応するクランプ面に面する連続的な面を形成することが多い。カラー部の側壁は、貫通穴が設けられていてもよく、貫通穴が設けられていなくてもよい。カラー部は、球状部用のハウジングから延び、例えば一体成型又は成形により該ハウジングと一体形成されていてもよい。あるいは、カラー部は、ハウジングとは別の部品として形成され、例えば螺合によりハウジングに組み付けられてもよい。

好ましくは、フレームの上側クランプ面は、患者の骨の方向とはほぼ反対方向を指向するように配置され、凹部のクランプ面は、ほぼ患者の骨の方向に指向するように配置される。このように、凹部の、骨の方向に指向するフレームの下側クランプ面に対向する側は、開放状態とすることができる。これにより、フレームの組み付けが容易になり、また、洗浄も容易になる。フレームの上側クランプ面が患者の骨の方向に指向することができるときには、凹部のクランプ面は、患者の骨とは反対方向に指向する。

好ましくは、上側クランプ面のうち一方がワッシャからなり、クランプは、ワッシャを他方の上側クランプ面に向かって付勢するようにワッシャに作用可能なアクチュエータを備える。ワッシャがフレームの上側クランプ面となる場合には、ワッシャは、ハウジングから骨から離間する方向へ延びるカラー上に設けることができる。ワッシャは、フレームの上側クランプ面に対して付勢可能なドリルガイドスリーブ上に設けてもよい。ドリルガイドスリーブ上のワッシャは、ハウジングから延び、ハウジングとは反対の方向に指向するカラー表面に向かって付勢されていてもよい。

好ましくは、アセンブリはアクチュエータを備え、該アクチュエータによって、上側及び下側クランプ面のそれぞれのフレームのクランプ面とドリルガイドのクランプ面とが係合させられる。好ましくは、アクチュエータは、ねじ切りされたナットからなる。ねじ切りされたナットは、上側クランプ面の一方となるワッシャに作用し、ワッシャを他方の上側クランプ面に向かって付勢することができる。例えば、ワッシャがドリルガイドスリーブ上に設けられている場合、アクチュエータナットは、スリーブのねじ切りされた外面上に設けられてもよい。本発明のアセンブリは、長尺状アーム工具を用いることなく、ねじ切りされたナットを介して適切なクランプ力を付与することができるという効果を奏する。

好ましくは、上側クランプ面の少なくとも一方が半球形状を有する。特に好ましくは、上側クランプ面のそれぞれが半球形状を有しており、その一方が凸状をなし、他方が凹状をなす。これにより、フレーム内におけるドリルガイドの角度方向の位置調節が容易になる。

好ましくは、アセンブリは、弾性的に変形可能なワッシャを備える。該ワッシャは、上側クランプ面間及び下側クランプ面間のうち少なくとも一方に配置される。例えば、弾性的に変形可能な材料（例えばシリコーンゴム）から形成されるＯリングを、クランプ面の一方に形成された溝に配置してもよい。上側クランプ面の一方がワッシャからなる場合、Ｏリングは、他方の上側クランプ面の溝に配置することができる。弾性的に変形可能な材料で形成されるワッシャを備えることにより、十分な把持を行なうために二対のクランプ面に付与される張力は、クランプが剛性の高いクランプ面からなる場合に比較して、危機的な状況になりにくい。

好ましくは、（ｂ）ドリルガイドスリーブの軸線に直交する球状部の横断方向の寸法に対する（ａ）ドリルガイドが角度方向の調節ができないように把持されるときの上側クランプ面及び下側クランプ面間の距離の比は、１．３以上、より好ましくは１．７以上（例えば約２．０以上）である。上側クランプ面及び下側クランプ面間の距離が大きくなることは、ドリルガイドがフレーム内において角度方向に移動できないように把持されたときにドリルガイドが移動するために必要な力は、上側ハウジング部及び下側ハウジング部によって対向する面上に球状部が把持されるときに比較して、より大きいことを意味する。

好ましくは、球状部及び凹部の少なくとも一方の表面が、少なくとも前記表面（複数表面であってもよい）のクランプ部分にわたって丸みを帯びる。例えば、球状部が丸みを帯びた表面を有するときには、この表面は球の一部によって形成される球状部である。例えば、丸みを帯びた表面はほぼ半球状をなしていてもよい。他方の下側クランプ面は、面対面の接触が求められる場合、同様の半径を有するように丸みを帯びていてもよい。

本発明のアセンブリは、ドリルガイドを好ましくは約１０°以上、さらに好ましくは２０°以上（例えば３０°以上）の範囲で角度方向において位置を調節することができる。ドリルガイドの指向方向を調節できる角度は、ドリルガイドがハウジングの凹部から開口部を介して延びるその開口部の寸法に応じて、またフレームのカラー部の内側の寸法によっても調節可能である。

ドリルガイドスリーブは、ドリルを受承可能な穴を形成することが好ましい。穴の寸法は、骨にあけられた穴の位置の正確性を低下させる遊びとなるクリアランスを最小としつつ、ドリルが摺動嵌合されるだけの十分な大きさを備えていなければならない。スリーブは、ドリルビット以外の外科用器具の配置にも使用することができる。好適なドリルガイドスリーブは、内側の横断方向の寸法が例えば２〜５ｍｍの穴を有することができる。

好ましくは、フレームは、骨から離間した平面を形成するプラットホームと、該平面と直交して延びるアセンブリの軸線とを提供する。ドリルガイドは、ほぼプラットホームの平面内においてフレームに対して平行移動可能となるように、プラットホームに取り付けられる。ドリルガイドスリーブがこのように平行移動可能であることにより、骨の軸線に対する角度方向の位置を維持しつつ、ドリルによって準備される穴の位置を変更することが可能になる。例えば、骨は前記軸線と整合していてもよく、前記軸線から所定の距離をおいた位置に配置されてもよい。

好ましくは、ドリルガイドスリーブはプラットホーム上に取り付けられ、（ａ）プラットホームの平面内においてフレームに対して相対移動可能であり、かつ（ｂ）プラットホームの平面に対する角度方向の位置を調節可能であり、ロック機構は、（ａ）及び（ｂ）のうち少なくとも一方を選択的に妨げるように機能することができる。

好ましくは、アセンブリは、ドリルガイドがフレームに対して平行移動することを防止するロックを備え、クランプ及びロックは、それぞれ独立して係合及び係合解除を行なうことができる。

ドリルガイドスリーブのフレームに対する平行移動を妨げるロックは一対のプレートを備え、これらプレートは、これらの間に配置されたフレームプレート（例えばフレームのプラットホーム）と共働する。ロック動作には、例えばロックプレートの一方に作用するねじ切りされたナットを用いて、ロックプレート間のフレームプレートを把持する工程を含む。

好ましくは、アセンブリは、ドリルガイドスリーブをフレームに対して相対移動させるために、ドリルガイドスリーブに連結された位置合わせスタイラスを備える。スタイラスは、ほぼ骨の方向に向かって延びる第１リムを備え、ドリルガイドスリーブを骨構造特徴部に対して位置合わせすることを容易にする。好ましくは、スタイラスはドリルガイドスリーブの周囲において回動可能である。好ましくは、スタイラスは、ドリルガイドスリーブのフレームに対するいかなる相対移動にもかかわらず、フレームに対して相対移動することができる。具体的には、スタイラスは、ロック機構が係合状態にあってスリーブのフレームに対する相対移動を妨げているときに、ドリルガイドスリーブの周囲を移動できることが好ましい。

スタイラスは、第１リムからほぼアセンブリの軸線に向かって延びるとともにスタイラスチップを有する第２リムを備えることができる。第２リムは、ドリルガイドスリーブと、フレームの一端部に連結された骨の側壁の長手方向に延びる面との相対位置を決定するために使用することができる。例えば、フレームが、長い骨（例えば大腿骨）の球状骨頭に対して、大腿骨の頸部のほぼ軸線上において連結されるときに、スタイラスの第２リムは、大腿骨の頸部又は球状の大腿骨頭の下部の周囲を移動することができるため、ドリルガイドスリーブの処理位置、若しくはドリルガイドスリーブの角度方向の位置、又はその両方の位置を決定することができる。

好ましくは、スタイラスの第１リム及び第２リムのうち少なくとも一方の長さが調節可能である。例えば、一方のリム又は各リムは、長さを短くすることができる第１及び第２の部品を備えていてもよい。調節可能な各リムの長さは、例えばねじ切りされた固定部材によって、ロック可能とすべきである。

好ましくは、フレームは骨に取り付け可能な３本の脚部を有する。この構成により、フレームを骨に対して安定した状態で固定することができる。各脚部の下端は、骨に固定可能な固定部材（例えば骨用ネジ又はピン）を受承するための穴を有していてもよい。

本発明の器具は、概して、外科用器具の製造に従来用いられてきた金属で形成することができる。特定のステンレス鋼は特に好ましい。

本発明の実施形態について、添付の図面を参照しながら例を挙げて説明する。
図面に基づき説明する。図１には、関節結合中に患者の臼蓋窩に受承される大腿骨頭４を含む大腿骨２の上部が示されている。大腿骨は、「新しい表面を形成する」人工関節部品植込みのための大腿骨の準備において本発明がどのように効果を奏するかを示すために、単独で示されている。この人工関節部品は、大腿骨頭における耐磨耗性支持面として使用することができ、これにより、臼蓋窩に植込まれた適切な人工関節部品と関節結合をなすことができる。

このような外科的技術を用いることは、大腿骨組織をほぼ温存できるという利点を有する。
新しい表面を形成する人工関節部品を受承するための大腿骨頭の準備には、部品の軸部を受承するために、大腿骨頭の軸線に沿って穴を形成することを含む。大腿骨頭の外面は点対称をなす、リーマ仕上げされた２つの面を形成することにより準備される。第１の面は、大腿骨頭の軸線と平行に、又は大腿骨頭の軸線に対して所定の角度をなすように配置される。第２の面は、第１の面と軸線との間に延び、第１の面と第２の面とは約１３５°の角度をなす。

大腿骨頭の外面の準備には、部品のための軸線を決定することを必要とする。
図２は、スリーブ１６を備えるドリルガイド１４を示す。スリーブ１６に設けられた穴の寸法は、患者の骨に穴を形成するために管内を延びるドリルの寸法よりも僅かに大きい。スリーブは、その下端に拡張された球状部１８を有する。球状部の側壁の一部は、ほぼ球面をなす。スリーブ１６には、側壁の長さの一部に沿ってねじ切り部３８が形成される。

図３及び４は、図２に示されるドリルガイドと、フレーム６とを有する本発明のアセンブリを示す。フレームは、骨表面に取り付けるための３本の脚部８を有する。各脚部の下部には、固定ネジを受承するための穴１０が貫通形成される。脚部は、プラットホーム１２の周囲において等間隔をおいて配置される。プラットホームは円形リングを備えており、該リングから脚部が垂下する。

スリーブ１４上の球状部１８は、ハウジング２２の凹部２０に受承される。骨に面する凹部の内面２３は、全体的に丸みを帯びた形状を有する。
ハウジングは、凹部２０からアセンブリが取り付けられる骨表面から離間する方向へ延びる直立シース２４を備える。カラー２６はシース上に設けられ、骨表面の方向とは反対の方向に指向するクランプ面２８となる。クランプ面には溝が形成されており、該溝には弾性Ｏリング３２が配置される。カラーのクランプ面は、凸状をなす半球形状を有する。例示される実施形態においては、シース２４は凹部２０を形成するハウジング部分と一体的に形成されており、カラーは、螺合によりハウジングに固定される別の部品として設けられる。

シース２４は、内部に凹部２０の開口と連通する穴３１を有しており、ドリルガイドスリーブは、シース２４の穴３１及びカラー２６の開口部を介して、凹部から上方へ延びることができる。

ドリルガイドスリーブ上には、カラー２６のクランプ面２８に面するクランプ面３６を形成するワッシャ３４が設けられる。ワッシャは、ドリルガイドスリーブと摺動嵌合される。ワッシャのクランプ面は、凹状をなす半球形状を有する。

ドリルガイドスリーブの外面には、ねじ切り部３８が形成される。これと合致する形状の内側ねじ切り部を有するナット３９は、ドリルガイドスリーブの外面に螺合される。
凹部２０及びカラー２６の開口部並びにシース２４の穴３１は、ドリルガイドスリーブ１４とフレーム６との角度方向の相対位置を例えば約２０°以内において、あるいはそれを超える角度範囲内において調節できるような寸法を有する。ドリルガイドスリーブのこのような移動は、ナット３９とドリルガイドスリーブのねじ切りされた外面との螺合が解除されたときに可能であり、ワッシャ３４の下面のクランプ面３６は、Ｏリング３２及びカラー２６のクランプ面２８に対して容易に相対移動することができる。ナット３９は、ドリルガイドスリーブの角度方向における位置調節ができないようにロックするために使用される。

ナット３９は、ワッシャがＯリング及びカラーを押圧するように、ワッシャ３４上に締め付けることができる。これにより、球状部１８をハウジング２２の凹部２０の丸みを帯びた内面２３に対して引き込みやすくなる。ハウジング内面の球状部に対する作用、及びＯリング若しくはカラー又はその両方のワッシャに対する作用により、ハウジング及び球状部間、並びにカラー及びワッシャ間の相対移動が防止される。摺動させてワッシャとドリルガイドスリーブとが密嵌されることにより、カラーとドリルガイドスリーブとの相対移動が防止される。

図４に示される実施形態において、ドリルガイドをハウジングに対して相対移動不可となるようにロックすることは、ドリルガイド球状部をハウジング凹部に設けられたクランプ面に向かって上方へ引き上げること、及びワッシャをカラーに向かって下方へ引き下げることを含む。逆の構成も用いることができ、この場合、ドリルガイドの球状部は、上側クランプ面が適切に配置された状態で、ハウジング凹部に形成された上方に指向するクランプ面に向かって下方へ付勢される。

図４は、ドリルガイドがフレームを横切って平行移動しないようにロック可能なロック機構の詳細を示す。各脚部６が垂下するプラットホーム１２は、開口部５２を有しており、該開口部５２内にハウジング２２が配置される。開口部５２はハウジングよりも大きいため、ハウジングがプラットホームを横切って平行移動可能となっている。図３に示されるように、平行移動とは、図面の平面に直交する方向に向かう移動である。

ハウジングは、その下縁の周囲に突起５４を有する。ハウジング下縁は、プラットホーム１２の開口部５２の横断方向の寸法よりも大きな寸法を有する。突起は、ハウジングが骨から離間する方向に向かって開口内へ引き込まれることを防止する。

プラットホーム１２の上面には溝が形成されており、該溝内には弾性Ｏリング５６が配置される。剛性ワッシャ５８は、プラットホームの上面と対面し、かつＯリング５６と接触するようにハウジング上に配置される。

ハウジングの外面には、ねじ切り部６０が形成される。ねじ切りされたロックナット６２は、ハウジングのねじ切り部６０と係合し、締め付けられたときにワッシャ５８に対して作用することができる。このようなワッシャに対する作用によって、ハウジングはプラットホームに対して上方へ引っ張られる。プラットホームはその後、突起５４とワッシャ５８との間で把持され、（ドリルガイドが内部に配置された）ハウジングのフレームに対する相対移動を妨げる

図１に示されるように、本発明のアセンブリはスタイラス４０を有する。スタイラス４０は、ドリルガイドスリーブの管１６によって形成される軸線を中心に回動可能である。スタイラスは、第１リム４２及び第２リム４４を備える。第１リム４２は、プラットホームから離間して骨に向かうように延びており、第２リム４４は、第１リムからアセンブリの軸線に向かって延び、スタイラスチップ４６を有する。第２リムの有効長さは、第１リム上の軌道を第２リムが係合状態で摺動することにより調節することができる。

本発明のアセンブリは、人工関節部品の植込み前に大腿骨又は同様の長い骨の球状骨頭の切除の準備をするために決定される軸線の位置を決定するために使用することができる。第１の工程において、骨の軸線は、例えば目視により、或いは器具を用いて、患者の骨の他の構造特徴を基準としておよその位置が決定される。この目的のために患者の大腿骨に対して用いることのできる器具は、国際公開第ＷＯ０３／０２６５１７号パンフレット及び同第ＷＯ０３／０２６５１８号パンフレットに開示される。その後、フレームは、固定具によってこの軸線に対して取り付けられる。固定具は、プラットホームの脚部の下部に設けられた穴１０を通って骨組織に貫入される。

ドリルガイドのプラットホームに対する相対移動の自由度を決定するロックは、角度方向の位置調整及び平行移動の一方又は両方を可能とするように解放可能である。スタイラスは、スタイラスを用いて辿ることが可能な骨表面に対するドリルガイドの相対位置を決定するために、骨の軸線を中心に回動可能とされる。スタイラスが、スタイラスチップ及び骨表面間の距離を一定に保ちつつ骨の球状骨頭の周囲において回動可能であるときには、ドリルガイドは骨頭の軸線と整合する。これが、骨に穴をあけるために所望されるおよその位置となる。しかしながら、用途によっては、ドリルガイドが骨の軸線から変位して配置されることが望ましい場合もある。

大腿骨頭に取り付けられた本発明のドリルガイドアセンブリの一部を示す、大腿骨頭の側面図。 図１に示されるアセンブリに用いられるドリルガイドの側面図。 図１に示されるように大腿骨に取り付け可能なドリルガイドアセンブリの側面図。 図３に示されるアセンブリの一部の垂直断面図。

Claims (15)

1. 整形外科用人工関節の部品を受承する穴をあけるための軸線を決定するためのドリルガイドアセンブリであって、
   ａ）スリーブと、該スリーブの一端部に設けられた球状部とを有するドリルガイドと、
   ｂ）骨に固定可能なフレームであって、該フレームは、ドリルガイドの球状部を受承可能な凹部を形成するハウジングを備えることと、該凹部からドリルガイドスリーブが骨から離間する方向へ延び、ドリルガイドスリーブとハウジングとの相対的な角度方向位置が、前記凹部内の球状部の移動によって調節可能であることと、
   ｃ）角度方向の位置調節ができないようにドリルガイドをハウジングに対してロックするためのクランプと
   を備え、前記クランプは、ドリルガイドの球状部と凹部の内壁とでそれぞれ形成される一対の下側クランプ面と、ドリルガイド及びハウジング上の一対の上側クランプ面とを備え、これら上側及び下側クランプ面は、これらそれぞれのフレームのクランプ面とドリルガイドのクランプ面とが係合されることにより、角度方向の位置調節ができないようにドリルガイドをロック可能に構成され、ドリルガイドの上側クランプ面は、ドリルガイドスリーブに沿って球状部から離間して配置される、ドリルガイドアセンブリ。
2. 前記フレームの上側クランプ面がカラー部上に設けられ、該カラー部はハウジングから、骨から離間する方向へ延びるとともに、ドリルガイドスリーブがその内部を延びることができるように中空状をなす、請求項１に記載のドリルガイドアセンブリ。
3. 前記フレームの上側クランプ面が患者の骨の方向とはほぼ反対側に指向し、凹部のクランプ面が患者の骨の方向にほぼ指向する、請求項１に記載のドリルガイドアセンブリ。
4. 前記上側クランプ面の一方がワッシャからなり、前記クランプが該ワッシャに作用可能なアクチュエータを備え、該アクチュエータは、ワッシャを他方の上側クランプ面に向かって付勢する、請求項１に記載のドリルガイド。
5. 前記アクチュエータがねじ切りされたナットからなる請求項４に記載のドリルガイド。
6. 弾性的に変形可能なワッシャを備え、該ワッシャが上側クランプ面間及び下側クランプ面間のうち少なくとも一方に配置される、請求項１に記載のドリルガイド。
7. （ｂ）ドリルガイドスリーブの軸線に直交する方向において測定した球状部の横断方向における寸法に対する（ａ）ドリルガイドが角度方向の位置調節ができないように把持されたときの上側及び下側クランプ面間の距離の比が１．３以上である、請求項１に記載のドリルガイド。
8. 前記フレームが、骨から離間した平面を形成するプラットホームと、前記平面に直交して延びるアセンブリ軸線とを提供し、前記ドリルガイドは、前記プラットホームのほぼ平面内においてフレームに対して平行移動可能にプラットホーム上に取り付けられる、請求項１に記載のドリルガイドアセンブリ。
9. 前記ドリルガイドが前記フレームに対して平行移動することを防止するロックを備え、クランプ及びロックは、それぞれ独立して係合及び係合解除を行なうことができる、請求項８に記載のドリルガイドアセンブリ。
10. 前記ドリルガイドに連結された、ドリルガイドをフレームに対して相対移動させる位置合わせスタイラスを備え、該スタイラスは、ドリルガイドスリーブの骨構造特徴部に対する位置合わせを容易にするために、骨の方向に指向する第１リムを備える、請求項１に記載のドリルガイドアセンブリ。
11. 前記スタイラスが前記ドリルガイドスリーブの周囲において回動可能である請求項１０に記載のドリルガイドアセンブリ。
12. 前記スタイラスは、前記クランプが係合されてドリルガイドのフレームに対する角度方向の移動を防止しているときに、ドリルガイドスリーブの周囲において移動可能である、請求項１１に記載のドリルガイドアセンブリ。
13. 前記スタイラスが、第１リムからほぼアセンブリ軸線に向かって延びる第２リムを備える、請求項１０に記載のドリルガイドアセンブリ。
14. 前記スタイラスの第１及び第２のリムのうち、少なくとも一方の長さが調節可能である、請求項１３に記載のドリルガイドアセンブリ。
15. 前記フレームは骨に取り付け可能な３本の脚部を有する請求項１に記載のドリルガイドアセンブリ。

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