JP2007504242A - マトリックスメタロプロテイナーゼ基質含有化合物およびそれらの使用法 - Google Patents

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Abstract

患者の関心部位で、マトリックスメタロプロテイナーゼ活性に関連する病理障害を検出、イメージングおよび/またはモニタリングするための診断薬の使用のための化合物を開示する。化合物を含む組成物およびキットも開示する。さらに、患者のマトリックスメタロプロテイナーゼ活性に関連するマトリックスメタロプロテイナーゼまたは病理障害の存在を検出、イメージングおよび/またはモニタリングする方法を開示する。

Description

発明の詳細な説明
本開示は診断剤に関する。より具体的には、本開示は、マトリックスメタロプロテイナーゼ活性に関係する病理学的障害を検出および/またはイメージングおよび/またはモニタリングするための化合物、診断剤、組成物、およびキットに関する。さらに本開示は、患者におけるマトリックスメタロプロテイナーゼの存在またはマトリックスメタロプロテイナーゼ活性に関係する病理学的障害を検出および/またはイメージングおよび/またはモニタリングするための方法に関する。
マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)類は、細胞外マトリックスに完全性をもたらす、構造的に関連する亜鉛含有酵素のファミリーである(Chem. Rev.,1999,99,2735-2776)。これらは、種々の結合組織および炎症促進細胞、例えば線維芽細胞、骨芽細胞、マクロファージ、好中球、リンパ球、および内皮細胞などによって排出される。細胞外マトリックスの再吸収につながる、プロテオグリカンおよびコラーゲンを含む結合組織の無制御な分解にマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)類が重要であることを示す一連の証拠が、現在では得られている。これはいくつかの心血管病理学的状態、例えばアテローム動脈硬化、心不全、再狭窄および再灌流傷害などの特徴である。通常、これらの異化酵素は、それらの合成のレベルで厳しく調節されると共に、それらの細胞外活性のレベルでも、MMP類との不活性複合体を形成するα−2−マクログロブリン類およびTIMP(メタロプロテイナーゼの組織阻害因子)などといった特異的阻害因子の作用によって厳しく調節される。したがって、細胞外マトリックスの分解およびリモデリングは、TIMP類およびMMP類の相対的発現量によって調節される。MMP類は、それらのドメイン構造に基づいていくつかのファミリー、すなわちマトリライシン(最小ドメイン、MMP−7)、コラゲナーゼ(ヘモペキシンドメイン、MMP−1、MMP−8、MMP−13)、ゼラチナーゼ(フィブロネクチンドメイン、MMP−2、MMP−9)、ストロメライシン(ヘモペキシンドメイン、MMP−3、MMP−10、MMP−11)、およびメタロエラスターゼ(MMP−12)に分類される。また最近、膜貫通ドメインファミリー(MT−MMP類)も発見され、これにはMMP−14〜MMP−17が含まれる。
心臓におけるMMPレベルの上昇を検出することができれば、多くの心臓病で起こる組織分解の検出に大いに役立つだろう。最近、冠状動脈におけるアテロームプラークの組成および脆弱性は、不安定狭心症、心筋梗塞、および死亡などの血栓性急性冠状動脈事象における主要決定因子であると認識されるようになった(Circulation,1995,92:657-671)。炎症性アテロームプラークに関与する数多くの成分には、マトリックスメタロプロテイナーゼを分泌するマクロファージが含まれる(Circulation,1996,94:2013-2020)。MMP類は、通常はプロテアーゼ耐性である心臓のフィブリル細胞外マトリックス成分(例えばコラーゲン)を切断する酵素ファミリーである。これらの細胞外マトリックスタンパク質は、アテロームの線維性皮膜に強度を付与する(Circulation,1995,91:2844-2850)。
アテローム動脈硬化プラークなどの炎症領域に蓄積するマクロファージは、結合組織マトリックスタンパク質を分解するこれらのMMP類を放出する(Falk,1995)。実際、メタロプロテイナーゼ類とそれらのmRNAはどちらもアテローム動脈硬化プラーク中(Am. J. Physiol.,1998,274:H1516-1523;Circ. Res. 1995,77:863-868;Proc. Natl. Acad. Sci., 1991,88:8154-8158)、特に、ヒトアテローム動脈硬化プラークの脆弱領域中(J. Clin. Invest.,1994,94:2493-2503)に存在することが、研究により、実証されている。ヒトアテローム部位に存在するマクロファージによって放出されうるメタロプロテイナーゼには、間質コラゲナーゼ(MMP−1)、ゼラチナーゼAおよびB(それぞれMMP−2およびMMP−9)ならびにストロメライシン(MMP−3)(Circulation,1994,90:775-778)が含まれる。ヒトアテローム部位では全てのMMP類が増加しうるが、ゼラチナーゼBは、事実上全ての活性化マクロファージによって発現されうるので、プラーク内で最も優勢なMMP類の一つになりうることが示唆されている(Circulation,1995,91:2125-2131)。MMP−9も、不安定狭心症から得られるアテレクトミー材料中では、安定狭心症患者の場合よりも優勢であることが示されている(Circulation,1995,91:2125-2131)。
種々のコラーゲンおよびエラスチンを含有する左室細胞外マトリックスは、左室(LV)ジオメトリーの維持に関与するとも提唱されている。したがって、心筋のこれら細胞外成分の変質は、LV機能に影響を及ぼし、LV変性、そして最終的には心不全に関係する進行性変化のマーカーになりうる(Coker,Am. J. Physiol.,1998,274:H1516-1523)。
うっ血性心不全(CHF)の場合、CHF状態とLV中のMMP活性との関係に、少なくとも臨床状況においては、まだ多少不明瞭な点がある。しかし、CHFの前臨床モデルでは、LVの機能的変化と増加したMMP活性との相関関係が証明されている。例えば、CHFのブタモデルでは、LV機能の減少がMMP−1(約300%)、MMP−2(約200%)、およびMMP−3(500%)の著しい増加と同時に起こることが観察された(Am. J. Physiol.,1998,274:H1516-1523)。ブタモデルにおける中等度の虚血および再灌流は、MMP−9を選択的に活性化することが実証されている(Circulation,1999,100 Suppl.1,I-12)。同様に、CHFのイヌモデルでは、ゼラチナーゼ(例えば、MMP−2およびMMP−9)のレベルがいくつかの心不全で上昇することがわかった(Can. J. Cardiol.,1994,10:214-220)。拡張型心筋症を患っている患者から採取されたヒト筋細胞の生検試料では、MMP−2およびMT1−MMP(膜型MMP、MMP−14)のレベルが上昇していることがわかった(Circulation,1999,100 Suppl. 1,I-12)。
病理学的にMMP類は、いくつかの疾患状態に関係することが確認されている。例えば、肺癌患者では異常なMMP−2レベルが検出されており、この場合、ステージIVの疾患および遠隔転移を持つ患者では、血清MMP−2レベルが正常血清値と比較して有意に上昇していることが観察された(Cancer Res.,1992,53:4548)。また、大腸癌および乳癌を持つ患者では、MMP−9の血漿レベルが上昇することも観察されている(Cancer Res.,1993,53:140)。
慢性関節リウマチ患者から得られる滑液には、外傷後膝損傷と比較して、ストロメライシン(MMP−3)レベルおよび間質コラゲナーゼ(MMP−1)レベルの上昇が認められた(Arth. Rheum.,1992,35:35)。潰瘍性大腸炎では、コラゲナーゼI型(MMP−1)およびコラゲナーゼIV型(MPP−2)の増加したmRNA発現レベルが、クローン病および対照と比較して、増大していることが示されている(Gastroenterology,1992,Abstract 661)。さらに、慢性炎症性大腸炎のウサギモデルでは、ゼラチナーゼ抗原の免疫組織化学的発現の増加が実証されている(Gastroenterology,1992,Abstract 591)。
ゼラチナーゼMMP類は、腫瘍の成長および伝播と最も密接に関わることが示されている。悪性腫瘍ではゼラチナーゼの発現レベルが上昇すること、そしてゼラチナーゼは基底膜を分解し、それが腫瘍転移につながることがわかっている。固形腫瘍の成長に必要な血管新生が、その病理にゼラチナーゼ成分を持つことも、最近になって示されている。さらに、ゼラチナーゼがアテローム動脈硬化に伴うプラーク破裂に関与することを示唆する証拠もある。MMP類によって媒介される他の状態には、再狭窄、MMP媒介性骨減少症、中枢神経系の炎症性疾患、皮膚老化、腫瘍成長、変形性関節症、慢性関節リウマチ、敗血症性関節炎、角膜潰瘍形成、異常創傷治癒、骨疾患、タンパク尿、動脈瘤大動脈疾患、外傷性関節損傷後の変性軟骨減少、神経系の脱髄性疾患、肝硬変、腎糸球体疾患、早期破水、炎症性腸疾患、歯周疾患、加齢黄斑変性、糖尿病性網膜症、増殖性硝子体網膜症、未熟児網膜症、眼炎症、円錐角膜、シェーグレン症候群、近視、眼腫瘍、眼血管新生/新脈管形成、および角膜移植拒絶がある。最近の総説については、Research Focus,1996,Vol.1,16-26;Curr. Opin. Ther. Patents 1994,4(1):7-16;Curr. Medicinal Chem.,1995,2:743-762;Exp. Opin. Ther. Patents,1995,5(2):1087-110;およびExp. Opin. Ther. Patents,1995,5(12):1287-1196 を参照されたい。
1またはそれ以上のMMP類を標的とする診断剤は、分解性疾患過程における細胞外マトリックス分解度の検出およびモニタリングに役立つだろう。1またはそれ以上のMMP類(例えば、MMP−1、MMP−2、MMP−3、MMP−9)に対するリガンドを含有する診断剤は、これらの疾患の非侵襲的イメージングのために、診断イメージングプローブを病理部位に局在させるだろう。
例えば、MMPレベルを検出し、モニタリングするために、イメージング剤にMMP阻害因子をコンジュゲートすることが知られている。例えば国際公開WO 01/60416を参照されたい。しかし、そのようなターゲティングには、通常、コンジュゲート化イメージング剤と、比較的低濃度で存在することが多いMMPとの、1対1の相互作用が必要である。その結果、このアプローチによって特定組織に蓄積する標的化イメージングプローブ分子の数は限られ、それがこの方法の感度を制限する。
この感度の制限を避けるには、MMPレベルを検出およびモニタリングするためのイメージング剤に、MMP基質をコンジュゲートすることができる。複数のコンジュゲート化イメージング剤がMMPの各分子と相互作用しうるので、患者の関心領域におけるイメージング剤の濃度が増幅される。患者におけるマトリックスメタロプロテイナーゼの存在またはマトリックスメタロプロテイナーゼ活性に関係する病理学的障害の存在を検出および/またはイメージングおよび/またはモニタリングする方法に役立つであろう診断剤を開発すること、特に特異性および感度が高く、異なるトラッピング機序を用いるものを開発することは、有益であるだろう。MMP活性の領域に局在化する化合物は、正常組織との比較で変化したMMPレベルに関係するこれらの疾患の検出および局在を可能にするだろう。
ある態様として、本開示は、
a)少なくとも1つのターゲティング部分、
b)随意のキレーター、および
c)遮蔽されたトラッピング部分、および
d)随意の連結基
を含む化合物または医薬的に許容されるその誘導体であって、
該ターゲティング部分は、マトリックスメタロプロテイナーゼ基質であり、
該キレーターは、診断成分にコンジュゲートすることができ、
該遮蔽されたトラッピング部分は脱遮蔽されて、遮蔽されていないトラッピング部分を形成することができ、
該遮蔽されていないトラッピング部分は、患者内の関心部位で固定化されることができ、
使用に際して、該化合物の固定化は、該遮蔽されていないトラッピング部分と、該患者内の関心部位におけるマトリックスメタロプロテイナーゼ活性に関係する病理学的障害に関係する物質との相互作用によって達成されるもの
(ただし、該相互作用は受容体媒介性ではなく、かつ、
使用に際して、該物質がタンパク質である場合、該相互作用は共有結合であるものとする)
に関する。
もう一つの態様として、本開示は、
a)少なくとも1つのターゲティング部分、
b)随意のキレーター、および
c)遮蔽されたトラッピング部分、および
d)随意の連結基
を含む化合物または医薬的に許容されるその誘導体であって、
該ターゲティング部分は、マトリックスメタロプロテイナーゼ基質であり、
該キレーターは、診断成分にコンジュゲートすることができ、
該遮蔽されたトラッピング部分は、脱遮蔽されて、遮蔽されていないトラッピング部分を形成することができ、
該遮蔽されていないトラッピング部分は、患者内の関心部位で固定化されることができ、
使用に際して、該化合物の固定化は、該遮蔽されていないトラッピング部分と、該患者内の関心部位におけるマトリックスメタロプロテイナーゼ活性に関係する病理学的障害に関係する物質との相互作用によって達成されるもの
(ただし、該相互作用は受容体媒介性ではなく、かつ、
使用に際して、該診断成分からのシグナルは、該遮蔽されていないトラッピング部分が固定化される前と固定化された後で実質的に変化しないものとする)
に関する。
もう一つの態様として、本開示は、
a)上述の化合物をMMPと反応させること、
b)ステップa)の生成物をAPNと反応させて、α−アミノケトンを形成させること、および
c)該α−アミノケトンを血清アミンオキシダーゼで酸化すること
を含む、1,2−ジカルボニル化合物を製造する方法を提供する。
もう一つの態様として、本開示は、
a)上述の化合物または医薬的に許容されるその誘導体、および
b)診断成分
を含む診断剤に関する。
もう一つの態様として、本開示は、
a)上述の化合物または診断剤、および
b)医薬的に許容される担体
を含む組成物に関する。
別の態様として、本開示は、患者におけるマトリックスメタロプロテイナーゼの存在を検出および/またはイメージングおよび/またはモニタリングするためのキットであって、
a)上述の診断剤、
b)医薬的に許容される担体、および
c)患者におけるマトリックスメタロプロテイナーゼの存在の検出および/またはイメージングおよび/またはモニタリングの準備に関する指示
を含むキットに関する。
別の態様として、本開示は、
a)該患者に上述の診断剤を投与するステップ、および
b)患者における該診断剤の濃縮部位の画像を画像診断技術によって取得するステップ
を含む患者におけるマトリックスメタロプロテイナーゼの存在を検出、イメージング、および/またはモニタリングする方法に関する。
もう一つの態様として、本開示は、
a)該患者に上述の診断剤を投与するステップ、および
b)患者における該診断剤の濃縮部位の画像を画像診断技術によって取得するステップ
を含む患者におけるマトリックスメタロプロテイナーゼ活性に関係する病理学的障害を検出、イメージング、および/またはモニタリングする方法に関する。
別の態様として、本開示は、
a)該患者に上述の診断剤を投与するステップ、
b)患者における該診断剤の濃縮部位の画像を画像診断技術によって取得するステップ
を含む患者におけるアテローム動脈硬化(冠状動脈アテローム動脈硬化または脳血管アテローム動脈硬化を含む)を検出、イメージング、および/またはモニタリングする方法に関する。
別の態様として、本開示は、上述した方法の一つを実行することを含む患者における活動性アテローム動脈硬化度を決定することによって一過性虚血発作、脳卒中、急性心虚血、うっ血性心不全、心筋梗塞または心臓死のリスクが高い患者を同定する方法に関する。
別の態様として、本開示は、
a)上述の診断剤(該診断成分がガンマ線放射性同位体または陽電子放射性同位体であるもの)を投与するステップ、および
b)ステップa)でターゲティング部分にコンジュゲートされた診断成分のガンマ線放射エネルギーまたは陽電子放射エネルギーから分光的に分離可能なガンマ線放射エネルギーまたは陽電子放射エネルギーを示すガンマ線放射性同位体または陽電子放射性で放射標識されている心臓灌流化合物を投与するステップ、ならびに
c)ステップa)およびb)で投与された化合物の分光的に分離可能なガンマ線放射エネルギーまたは陽電子放射エネルギーの濃縮部位の同時画像を画像診断技術によって取得するステップ
を含む患者において心臓灌流および細胞外マトリックス分解の同時イメージングを行なう方法に関する。
もう一つの態様として、本開示は、
a)該患者に上述の診断剤を投与するステップ、および
b)患者における該診断剤の濃縮部位の画像を画像診断技術によって取得するステップ
を含む患者における癌性腫瘍を検出および/またはイメージングおよび/またはモニタリングする方法に関する。
別の態様として、本開示は、少なくとも1つのMMP基質含有化合物および/または診断剤、および/または医薬的に許容される担体を含む組成物に関する。
任意の特定基中の炭素原子の数は、その基の記述の前に表示する。例えば、用語「C6-10アリール」とは6〜10個の炭素原子を含有するアリール基を表し、用語「C6-10アリール−C1-10アルキル」とは、炭素原子数1〜10のアルキル基を介して親分子部分に結合される炭素原子数6〜10のアリール基を指す。
本明細書で使用する用語「アルケニル」とは、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含有する直鎖または分枝鎖炭化水素を指す。
本明細書で使用する用語「アルコキシ」とは、酸素原子を介して親分子部分に結合されるアルキル基を指す。
本明細書で使用する用語「アルコキシアルキル」とは、アルキル基を介して親分子部分に結合されるアルコキシ基を指す。
本明細書で使用する用語「アルキル」とは、直鎖または分枝鎖飽和炭化水素から誘導される基を指す。
本明細書で使用する用語「アルキルアリール」とは、アリール基を介して親分子部分に結合されるアルキル基を指す。
本明細書で使用する用語「アルキルアリーレン」とは、親分子部分への結合点の一方がアルキル部分上にあり、他方がアリール部分上にある、二価のアリールアルキル基を指す。
本明細書で使用する用語「アルキレン」とは、直鎖または分枝鎖飽和炭化水素から誘導される二価の基を指す。
本明細書で使用する語句「アミノ酸残基」とは、アミノ基(−NH2)、カルボン酸基(−COOH)、および様々な側基のいずれかを含有する天然または合成有機化合物、特に基本式NH2CHRCOOHを持ち、ペプチド結合によって一つに連結されてタンパク質を形成するか、化学伝達物質としておよび代謝中間体として機能する20化合物のいずれかから誘導される部分を意味する。
本明細書で使用する用語「アミノカルボキシレート」とは、−OC(O)NH2を指す。
本明細書で使用する用語「補助配位子」または「共配位子」とは、試薬のキレーターまたは放射性核種結合ユニットと共に放射性核種の配位圏を完成させるように働く配位子を指す。二元配位子系を含む放射性医薬品の場合、放射性核種配位圏は1またはそれ以上の試薬に由来する1またはそれ以上のキレーターまたは結合ユニットおよび1またはそれ以上の補助配位子または共配位子を含む(ただし、合計2タイプの配位子、キレーターまたは結合ユニットが存在するものとする)。例えば、1つの試薬に由来する1つのキレーターまたは結合ユニットと、2つの同じ補助配位子または共配位子とを含んでなる放射性医薬品、および1つまたは2つの試薬に由来する2つのキレーターまたは結合ユニットと、1つの補助配位子または共配位子とを含む放射性医薬品は、どちらも二元配位子系を含むとみなされる。三元配位子系を含む放射性医薬品の場合、放射性核種配位圏は、1またはそれ以上の試薬に由来する1またはそれ以上のキレーターまたは結合ユニットおよび2つの異なるタイプの補助配位子または共配位子の1またはそれ以上を含む(ただし合計3タイプの配位子、キレーターまたは結合ユニットが存在するものとする)。例えば、1つの試薬に由来する1つのキレーターまたは結合ユニットと、2つの異なる補助配位子または共配位子とを含んでなる放射性医薬品は、三元配位子系を含むとみなされる。
放射性医薬品の製造に有用な補助配位子または共配位子、および該放射性医薬品の製造に有用な診断キットに有用な補助配位子または共配位子は、1またはそれ以上の酸素、窒素、炭素、硫黄、リン、ヒ素、セレン、およびテルル供与原子を含む。配位子は、放射性医薬品の合成における移動配位子(transfer ligand)であることができ、別の放射性医薬品において補助配位子または共配位子として役立つこともできる。ある配位子が移動配位子と呼ばれるか、補助配位子または共配位子と呼ばれるかは、その配位子が放射性医薬品中の放射性核種配位圏内に留まるかどうかに依存し、それは放射性核種および試薬のキレーターまたは結合ユニットの配位化学によって決まる。
本明細書で使用する用語「アリール」とは、フェニル基を指すか、または環の1またはそれ以上がフェニルである二環式縮合環系を指す。二環式縮合環系は、単環式シクロアルケニル基、単環式シクロアルキル基、またはもう一つのフェニル基に縮合したフェニル基からなる。本発明のアリール基は、その基内の任意の置換可能な炭素原子を介して親分子部分に結合させることができる。アリール基の代表的な例として、アントラセニル、アズレニル、フルオレニル、インダニル、インデニル、ナフチル、フェニル、およびテトラヒドロナフチルが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
本明細書で使用する用語「アリールアルキル」とは、アルキル基を介して親分子部分に結合されるアリール基を指す。
本明細書で使用する用語「アリールアルキルアリール」とは、アリール基を介して親分子部分に結合されるアリールアルキル基を指す。
本明細書で使用する用語「アリールアルキレン」とは、親分子部分への結合点の一方がアリール部分上にあり、他方がアルキル部分上にある、二価のアリールアルキル基を指す。
本明細書で使用する用語「アリーレン」とは、二価のアリール基を指す。
本明細書で使用する用語「静菌剤」とは、診断キットを使って診断剤を合成する前または合成した後の製剤の貯蔵時に、製剤中で起こる細菌の成長を阻害する成分を意味する。
本明細書で使用する用語「緩衝剤」とは、反応混合物のpHを約3〜約10に維持するために用いられる物質を指す。
本明細書で使用する用語「糖質」とは、ポリヒドロキシアルデヒド、ケトン、アルコールもしくは酸、またはその誘導体(アセタール型のポリマー結合を持つそのポリマーを含む)を意味する。
本明細書で使用する用語「担体」とは、この開示の化合物および/または診断剤と一緒に患者に投与することができるアジュバントまたはベヒクルであって、有効量の診断剤および/または化合物を送達するのに十分な用量で投与された場合に、その活性を破壊せず、無毒性であるものを指す。
本明細書で使用する用語「キレーター」または「結合ユニット」とは、1またはそれ以上の供与原子を介して金属イオンに結合する試薬上の部分または基を指す。
本明細書で使用する用語「コンジュゲート化」とは、2つの部分間の化学結合の形成を指す。
本明細書で使用する用語「シアノ」とは、−CNを指す。
本明細書で使用する用語「シクロアルケニル」とは、3〜14個の炭素原子を持ち、ヘテロ原子を持たない、非芳香族、部分不飽和の単環式、二環式、または三環式環系を指す。シクロアルケニル基の代表的な例として、シクロヘキセニル、オクタヒドロナフタレニル、およびノルボルニレニルが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
本明細書で使用する用語「シクロアルキル」とは、3〜14個の炭素原子を持ち、ヘテロ原子を持たない、飽和単環式、二環式、または三環式炭化水素環系を指す。シクロアルキル基の代表的な例として、シクロプロピル、シクロペンチル、ビシクロ[3.1.1]ヘプチル、およびアダマンチルが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
本明細書で使用する用語「シクロアルキレン」とは、二価のシクロアルキル基を指す。
本明細書で使用する用語「シクロデキストリン」とは、環状オリゴ糖を意味する。シクロデキストリンの例として、α−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−α−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、カルボキシメチル−β−シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、2,6−ジ−O−メチル−β−シクロデキストリン、硫酸化−β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−γ−シクロデキストリン、および硫酸化γ−シクロデキストリンが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
本明細書で使用する用語「診断剤」とは、ある状態、病理学的障害および/または疾患の存在および/または進行を検出し、イメージングし、そして/またはモニタリングするために使用することができる化合物を指す。
本明細書で使用する用語「診断成分」とは、ある状態、病理学的障害、および/または疾患の存在および/または進行の検出、イメージング、および/またはモニタリングを可能にする、ある分子の一部分または複数部分を指す。
本明細書で使用する用語「画像診断技術」とは、診断剤を検出するために用いられる手法を指す。
本明細書で使用する用語「診断キット」および「キット」とは、実施末端使用者が臨床状況下または薬学的状況下で診断剤を合成するために使用する1またはそれ以上のバイアルに入った製剤と呼ばれる成分の収集物を指す。キットは、診断剤を合成し使用するのに必要な全ての成分(実施末端使用者にとって一般に入手可能なもの、例えば注射用水または注射用食塩水などを除く)、例えば診断成分(例えば放射性核種)の溶液、診断剤の合成中に加熱するための機器、患者への診断剤の投与に必要な機器、例えば注射器および遮蔽材(必要な場合)、ならびにイメージング機器などを提供する。
本明細書で使用する語句「供与原子」とは、化学結合により金属に直接結合される原子を指す。
本明細書で使用する用語「内在性」とは、ある生物または細胞の内部で産生される物質を指す。
本明細書で使用する用語「ヘテロシクリル」とは、窒素、酸素、および硫黄からなる群より独立して選択される1個、2個、または3個のヘテロ原子を含有する5員、6員、または7員環を指す。5員環は、0〜2個の二重結合を持ち、6員環および7員環は0〜3個の二重結合を持つ。用語「ヘテロシクリル」は、ヘテロシクリル環がフェニル基、単環式シクロアルケニル基、単環式シクロアルキル基、またはもう一つの単環式ヘテロシクリル基に縮合している二環式基も包含する。本発明のヘテロシクリル基は、基内の炭素原子または窒素原子を介して親分子部分に結合させることができる。ヘテロシクリル基の例として、ベンゾチエニル、フリル、イミダゾリル、インドリニル、インドリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、モルホリニル、オキサゾリル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピラゾリル、ピリジニル、ピロリジニル、ピロロピリジニル、ピロリル、チアゾリル、チエニル、およびチオモルホリニルが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
本明細書で使用する用語「ヘテロシクリルアルキル」とは、アルキル基を介して親分子部分に結合されるヘテロシクリル基を指す。
本明細書で使用する用語「ヘテロシクリルアルキレン」とは、親分子部分への結合点の一方がヘテロシクリル部分上にあり、他方がアルキル部分上にある、二価のヘテロシクリルアルキル基を指す。
本明細書で使用する用語「ヘテロシクリレン」とは、二価のヘテロシクリル基を指す。
本明細書で使用する語句「疎水性アミノ酸残基」とは、生理的pHでイオン化した基を含有せず、親油性の増加をもたらし、その残基を含有する化合物が標的(例えば脂質に富む冠状動脈プラーク)から拡散するのを阻害する、上に定義したアミノ酸残基を意味する。疎水性アミノ酸残基の例として、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、チロシン、およびその誘導体が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
本明細書で使用する用語「配位子」とは、中心原子の周りに錯体を形成する原子または分子またはラジカルまたはイオンを指す。
本明細書で使用する用語「連結基」とは、ある分子の他の2つの部分の間のスペーサーとして役立つ、当該分子の一部分を指す。連結基は本明細書で述べるように他の機能も果たしうる。
本明細書で使用する用語「凍結乾燥助剤」とは、凍結乾燥にとって有利な物理的性質(例えばガラス転移温度)を持ち、製剤の全成分の組合せが持つ物理的性質を凍結乾燥のために改善する目的で、製剤に加えられる成分を意味する。
本明細書で使用する用語「遮蔽されたトラッピング部分」とは、遮蔽基が存在するために特定の化学官能基に対して低下した結合親和性を示す分子またはその一部を指す。遮蔽基が除去されると、遮蔽されていないトラッピング部分が形成される。本明細書で使用する用語「遮蔽されていないトラッピング部分」は、遮蔽されたトラッピング部分との比較で、特定化学官能基に対して増加した結合親和性を示す分子またはその一部を指す。
本明細書で使用する用語「金属医薬品」とは、金属を含む医薬品を意味する。その金属は、診断用途においてはイメージング可能なシグナルの発生源であり、放射線治療用途においては細胞毒性放射線の線源である。
本明細書で使用する語句「医薬的に許容される」とは、健全な医学的判断の範囲内で、合理的な利益/リスク比に見合った、過剰な毒性、刺激、アレルギー応答、または他の問題もしくは合併症を伴わない、ヒトおよび動物の組織と接触させて使用するのに適した化合物、材料、組成物、および/または剤形を指す。
本明細書で使用する用語「放射性医薬品」とは、金属が放射性同位体である金属医薬品を指す。
本明細書で使用する用語「試薬」とは、この開示の診断剤の製造に直接利用することができるこの開示の化合物を意味する。試薬は、この開示の診断剤の製造に直接利用すること、またはこの開示のキット内の一成分であることができる。
本明細書で使用する用語「還元剤」とは、放射性核種(典型的には比較的非反応性の高酸化状態化合物として入手されるもの)と反応して、放射性核種に電子を移動させてその酸化状態を低下させ、それによってその反応性を高くする化合物を指す。
本明細書で使用する語句「可溶化助剤」とは、製剤に必要な媒質における1またはそれ以上の他の成分の溶解度を改善する成分である。
本明細書で使用する語句「安定化助剤」とは、金属医薬品を安定化するために、またはキットを使用しなければならなくなるまでの貯蔵寿命を延ばすために、金属医薬品または診断キットに加えられる成分である。安定化助剤は酸化防止剤、還元剤またはラジカル捕捉剤であることができ、他の成分または金属医薬品を分解する分子種と優先的に反応することによって、改善された安定性をもたらすことができる。
本明細書で使用する用語「安定である」とは、製造可能であり、本明細書に詳述する目的にとって有用であるのに十分な期間にわたってその完全性を維持する化合物を指す。典型的には、本開示の化合物は、水分または他の化学的に反応性の高い条件の不在下に、40℃以下の温度で、少なくとも1週間は安定である。
本明細書で使用する用語「滅菌」とは、病理学的微生物が存在しないこと、または病理学的微生物が存在しない状態を保つための方法を用いることを意味する。
本明細書で使用する用語「基質」とは、酵素による作用を受ける物質を指す。本開示において、基質は、酵素マトリックスメタロプロテイナーゼが作用する物質である。
本明細書で使用する用語「界面活性剤」とは、溶液における界面張力の低下をもたらす任意の両親媒性材料を指す。
本明細書で使用する用語「医薬的に許容される誘導体」とは、受容者に投与したときに、この開示の化合物またはその代謝産物もしくは残基を(直接的または間接的に)与えることができる、本開示の化合物の任意の医薬的に許容される塩、エステル、エステルの塩、または他の誘導体を指す。典型的には、誘導体は、そのような化合物を哺乳動物に投与した時に本開示の化合物の生物学的利用能を(例えば経口投与される化合物がより容易に血中に吸収されるようにすることなどによって)増加させるもの、または生物学的コンパートメント(例えば脳もしくはリンパ系)への親化合物の送達を親分子種よりも増大させるものである。
本明細書で使用する語句「ポリアルキレングリコール」とは、約5000未満の分子量を持ち、末端がヒドロキシ部分またはアルキルエーテル部分で終わっている、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールまたはポリブチレングリコールを意味する。
本明細書で使用する語句「移動配位子」(transfer ligand)とは、望ましくない副反応を防ぐ程度に安定であるが、金属医薬品に変換されうる程度に不安定であるような、金属イオンとの中間錯体を形成する配位子を意味する。速度論的には中間錯体の形成が有利であるが、熱力学的には金属医薬品の形成が有利である。金属医薬品の製造に役立つ移動配位子および診断用放射性医薬品の製造に有用な診断キットに役立つ移動配位子として、グルコネート、グルコヘプトネート、マンニトール、グルカレート、N,N,N’,N’−エチレンジアミン四酢酸、ピロホスフェートおよびメチレンジホスホネートが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。一般に、移動配位子は、酸素または窒素供与原子を含んでなる。
本発明の化合物には不斉中心が存在する。これらの中心は、キラル炭素原子をめぐる置換基の立体配置に応じて、記号「R」または「S」で指定される。本発明は、本化合物のあらゆる立体化学異性体型、またはそれらの混合物を包含すると理解すべきである。化合物の個々の立体異性体は、キラル中心を含有する市販の出発物質から合成的に製造するか、エナンチオマー生成物の混合物を製造した後、分離することによって、例えばジアステレオマーの混合物に変換してから分離または再結晶、クロマトグラフィー法を行なうか、キラルクロマトグラフィーカラムでエナンチオマーを直接分離することなどによって、製造することができる。特定の立体化学を持つ出発化合物は市販されているか、または当技術分野で公知の技術によって製造し、分割することができる。
本開示の一定の化合物は、分離することが可能な異なる安定コンフォメーション型として存在することもできる。不斉単結合の周りの回転が、例えば立体障害または環ひずみなどのために制限されることによって生じるねじれ不斉は、異なるコンフォーマーの分離を可能にする。本開示は、これらの化合物の各コンフォメーション異性体およびそれらの混合物を包含する。
本化合物には二重結合が存在するので、本開示では、それら二重結合の周りの置換基の配置に起因する様々な幾何異性体およびそれらの混合物が考えられる。本開示は、両異性体型およびそれらの混合物を包含すると理解すべきである。炭素−炭素二重結合の場合、用語「E」とは、順位が高い方の置換基が炭素−炭素二重結合の反対側にあることを表し、用語「Z」とは、順位が高い方の置換基が炭素−炭素二重結合の同じ側にあることを表す。
ある可変部がある置換基中またはある式中に2回以上出現する場合、各出現位置でのその定義は、他のどの出現位置でのその定義とも無関係である。したがって例えば、ある基が0〜2個のR23で置換されることが示されているとすると、その基は随意に2個までのR23で置換されていてよく、各出現位置のR23は、考えうるR23の限定的リストから独立して選択される。また、例えば基−N(R242の場合、窒素上の2つのR24置換基のそれぞれは、考えうるR24の限定的リストから独立して選択される。置換基および/または可変部の組合せは、そのような組合せが安定な化合物をもたらしさえすれば許容される。ある置換基への結合が環内の2つの原子を横切るように示されている場合、その置換基はその環上のどの原子に結合してもよい。
本開示の化合物には、少なくとも2つのドメインまたは成分要素、すなわちMMP基質である少なくとも1つのターゲティング部分(「S」)と、少なくとも1つの遮蔽されたトラッピング部分(「M−T」)とが必要である。本開示の化合物は、随意に、診断成分(「D」、本明細書では「レポーター」または「イメージング部分」という場合もある)および/または連結基(「L」)にコンジュゲートすることができるキレーター(「C」)を含んでもよい。
1分子のMMPは、複数のMMP基質分子を加水分解することができるので、本開示の診断剤には、固有の増幅機能が内蔵されるという利点がある。本開示の診断剤は、典型的には、化学的安定性、高純度のラベリング、迅速な血液クリアランスおよび好都合な体内分布を含む、任意の診断剤の基準を満たす。また、本開示の診断剤は、典型的には、以下の特別な基準も満たす:
(1)本診断剤は、典型的には、冠状動脈プラークなどの標的物質の内外に自由に拡散する。
(2)本診断剤は、典型的には、血中および他の非標的組織に見いだされるプロテイナーゼに対して安定である。
(3)本診断剤は、典型的には、MMP消化によって脱遮蔽される遮蔽されたトラッピング部分を含有する。
(4)本診断剤は、典型的には、冠状動脈プラークなどの標的物質内に固定化され、標的物質中に蓄積して、シグナルを経時的に増加させる。
本開示の診断剤の選択性は、体内の一定の組織、器官、またはコンパートメントでは、体内の正常な組織、器官、またはコンパートメントと比較して、例えば脆弱な冠状動脈プラークでは、安定な冠状動脈プラークと比較して、MMP類の濃度が高いことに由来すると考えられる。トラッピング機序は組織特異的である必要はない。しかしトラッピング機序が組織特異的であれば有利だろう。なぜならそれは、二重の特異性レベルをもたらすことによって、標的対バックグラウンドシグナルを高くするからである。
本開示の一態様では、診断成分が患者内の標的に固定化されても、そのシグナルは実質的に変化しない。これは、その分子の結合時に、シグナルが実質的に強化されないことを意味する。この文脈で使用する場合、「実質的に」とは、シグナルに20%を越える変化がないことを意味する。もう一つの態様では、シグナルに10%を越える変化がない。もう一つの態様では、シグナルに5%を越える変化がない。もう一つの態様では、シグナルに1%を越える変化がなく、もう一つの態様では、シグナルに0%を越える変化がない。
診断成分は、エコー源性物質(液体または気体)、非金属同位体、光学レポーター、ホウ素中性子吸収材、常磁性金属イオン、強磁性金属、ガンマ線放射性同位体、陽電子放射性同位体、またはX線吸収材であることができる。
診断剤は、ガンマシンチグラフィーまたは陽電子放射断層撮影(PET)によるイメージングに役立つことが知られている放射性同位体に連結されたMMP基質であることができる。あるいは、1またはそれ以上の常磁性金属原子を結合するための単一または複数のキレーター部分に、MMPターゲティングリガンドを結合させてもよい。これにより、組織損傷部位で緩和度または磁化率などの磁気的性質の局所変化が起こり、それを磁気共鳴イメージングシステムでイメージングすることができる。あるいは、組織損傷部位での局在化後に超音波イメージングによって検出することができる気体を封入するため/その気体のミクロスフェアを安定化するために用いられるリン脂質またはポリマー材料に、MMP基質を結合させてもよい。
好適なエコー源性気体として、六フッ化硫黄またはペルフルオロカーボンガス、例えばペルフルオロメタン、ペルフルオロエタン、ペルフルオロプロパン、ペルフルオロブタン、ペルフルオロシクロブタン、ペルフロオロペンタン、またはペルフルオロヘキサンなどが挙げられる。
好適な非金属同位体としては、炭素−11、窒素−13、フッ素−18、ヨウ素−123、およびヨウ素−125が挙げられる。
好適な光学レポーターとして、蛍光レポーターおよび化学発光基が挙げられる。
好適な放射性同位体として、99mTc、95Tc、111In、62Cu、64Cu、67Ga、および68Gaが挙げられる。本開示の具体的な一態様では、放射性同位体として、99mTcおよび111Inが挙げられる。
好適な常磁性金属イオンとして、Gd(III)、Dy(III)、Fe(III)、およびMn(II)が挙げられる。
好適なX線吸収材として、Re、Sm、Ho、Lu、Pm、Y、Bi、Pd、Gd、La、Au、Au、Yb、Dy、Cu、Rh、Ag、およびIrが挙げられる。
診断成分が放射性同位体である場合、診断剤は、さらに、その放射性同位体を安定化することができる第1補助配位子および第2補助配位子を含みうる。数多くの配位子が、補助配位子または共配位子として役立ち、その選択は、例えば放射性医薬品の合成の容易さ、補助配位子の化学的および物理的性質、得られる放射性医薬品の形成速度、収率、異性体型の数、該補助配位子または共配位子を患者に投与してもその患者に有害な生理学的結果をもたらさないこと、ならびに凍結乾燥キット製剤における配位子の適合性などといった、種々の考慮すべき事項によって決定される。補助配位子の電荷および親油性は、放射性医薬品の電荷および親油性に影響を及ぼすだろう。例えば、4,5−ジヒドロキシ−1,3−ベンゼンジスルホネートの使用は、2つのアニオン基が追加された放射性医薬品をもたらすだろう。なぜならスルホネート基は生理条件下ではアニオン性であるだろうからである。N−アルキル置換3,4−ヒドロキシピリジノンの使用は、アルキル置換基のサイズに応じて様々な親油性度を持つ放射性医薬品をもたらすだろう。
遮蔽されたトラッピング部分M−Tは、脱遮蔽されて、遮蔽されていないトラッピング部分Tを形成することができ、また患者の関心部位で固定化されることができる。該化合物の固定化は、遮蔽されていないトラッピング部分と、関心対象である病理学的障害に関係する物質との、非受容体媒介的相互作用によって達成される。病理学的障害に関係する物質がタンパク質、コレステロール、または脂質以外である場合、その相互作用は、受容体媒介性でないという条件の下に、共有結合性または非共有結合性であることができる。
遮蔽されたトラッピング部分(M−T)は、検出および/またはイメージングおよび/またはモニタリングしようとする組織内の病理学的状態に関係する物質への診断剤の結合を「遮蔽する」(または減少させる)。遮蔽されたトラッピング部分(M−T)の遮蔽物(M)が、酵素的切断によって除去されて、遮蔽されていないトラッピング部分(T)が形成されると、その薬剤の増加した結合親和性が顕わになる。これは少なくとも2つの分子断片の物理的分離をもたらす。すなわち、一方は遮蔽されていないトラッピング部分およびターゲティング部分を含有する分子断片であり、他方は遮蔽されたトラッピング部分の遮蔽物部分を含有する分子断片である。
本開示の化合物の必須のドメインまたは要素および随意のドメインまたは要素は、互いに様々な位置に配置することができる。これらのドメインは、それらの間に特別な境界がなくても存在しうる(例えば遮蔽されたトラッピング部分はターゲティング部分の一部であることができる)が、それらを当該分子の独立したユニットとして概念化すると便利である。例えば以下の構造が考えられる:
Figure 2007504242
式中、
Sは、MMP基質を含むターゲティング部分であり、
Dは、診断成分であり、
Mは、トラッピング部分であり、
Tは、トラッピング部分の遮蔽物であり、
m、n、o、pおよびqのそれぞれは同じであるか異なって、1またはそれ以上である。一般に、m、n、o、pおよびqは5未満であり、典型的には1である。
本化合物は、その化合物の機能ドメインを連結する生理適合性連結基を含みうると考えられる。ある態様では、遮蔽されたトラッピング部分が、随意に、遮蔽されたトラッピング部分を本開示の化合物の他の機能ドメインに連結する生理適合性連結基を含む。一般に、連結基は、診断剤の結合機能または画像向上機能に有意な寄与をしない。場合によっては、連結基の存在が、合成上の考慮すべき事項に基づいて好ましいこともありうる。また、遮蔽されたトラッピング部分における生物活性の操作を、連結基が容易にする場合もある。連結基の例として、直鎖、分枝鎖、または環状のアルキル、アリール、エーテル、ポリヒドロキシ、ポリエーテル、ポリアミン、複素環、芳香族、ヒドラジド、ペプチド、ペプトイド、もしくは他の生理適合性共有結合、またはそれらの組合せが挙げられる。
一定の態様では、本開示の化合物が約1〜約10個のターゲティング部分を持つ。もう一つの態様では、化合物が約1〜約5個のターゲティング部分を持ち、もう一つの態様では、化合物が約1個のターゲティング部分を持つ。
本開示の化合物において、ターゲティング部分は1またはそれ以上のMMP類の基質であり、例えばそのMMP類は、MMP−1、MMP−2、MMP−3、MMP−9、MMP−14およびそれらの組合せからなる群より選択される。もう一つの態様では、MMP類は、MMP−2、MMP−9、MMP−14およびそれらの組合せからなる群より選択される。
MMP基質はペプチドを配列を含む。ペプチド配列は、コラーゲン、プロテオグリカン、ラミニン、フィブロネクチン、ゼラチン、ガレクチン−3、軟骨リンクタンパク質、ミエリン塩基性タンパク質、カリクレイン14、ラジニン(ladinin)1、エンドグリン、エンドシリン(endothilin)受容体、ラミニンα2鎖、リン酸調節性中性エンドペプチダーゼ、ADAM2、デモグレイン(demoglein)3、インテグリンβ5、インテグリンβv、インテグリンβ6、インテグリンβx、インテグリンβ9、エラスチン、ペルラカン、エンタクチン、ビトロネクチン、テナシン、ニドゲン、デルマタン硫酸、proTNF−α、アグレカン、トランシン、デコリン、組織因子経路阻害因子、糖タンパク質、NG2プロテオグリカン、ニューロカン、PAI−3、ビッグエンドセリン−1、ブレビカン/BEHAB、デコリン、FGFR−1、IGFBP−3、IL−1β、α2−マクログロブリン、MCP−3、妊娠ゾーンタンパク質(pregnancy zone protein)、proMMP−1、proMMP−2、SPARC、サブスタンスP、ベータグリカンまたはデンチンに由来しうる。
一定の態様においてペプチド配列は、P3部位からP2'部位までがPro−X−X−Hy−(Ser/Thr)(配列番号1)、P1部位からP2'部位までがGly−Leu−(Lys/Arg)、P1部位およびP2'部位にArg残基、IPEN−FFGV(配列番号2)、BPYG−LGSP(配列番号3)、HPSA−FSEA(配列番号4)、GPQG−LLGA(配列番号5)、GPAG−LSVL(配列番号6)、GPAG−IVTK(配列番号7)、DAAS−LLGL(配列番号8)、RPAV−MTSP(配列番号9)、PPGA−YHGA(配列番号10)、LRAY−LLPA(配列番号11)、SPYE−LKAL(配列番号12)、TAAA−LTSC(配列番号13)、GPEG−LRVG(配列番号14)、GHAR−LVHV(配列番号15)、QPVG−INTS(配列番号16)、ELGT−YNVI(配列番号17)、DVAQ−FVLY(配列番号18)、DVAN−YNFF(配列番号19)、HPVG−LLAR(配列番号20)、KPQQ−FFGL(配列番号21)、IPVS−LRSG(配列番号22)、HVLN−LRST(配列番号23)、DPES−IRSE(配列番号24)、DPLE−FKSH(配列番号25)、RPIP−ITAS(配列番号26)、RVLG−LKAH(配列番号27)、KVLN−LTDN(配列番号28)、PPEA−LRGI(配列番号29)、IVAM−LRAP(配列番号30)、TAAA−ITGA(配列番号31)、Ac−PLG−Hphe−OL(配列番号32)、Suc−PLG−Hphe−YL(配列番号33)、またはAc−POG−Hphe−L(配列番号34)である。ただし式中、
Xは、独立して、アミノ酸残基であり、
Hyは、独立して、疎水性アミノ酸残基であり、そして
G、A、V、L,I、M、F、P、S、T、Y、N、Q、D、E、K、R、H、B、およびOは、当業者に知られている特定アミノ酸の1文字表記である。
本開示の化合物は、適宜キレーター(「C」)を含有しうる。本開示の化合物の一定の態様では、キレーターが、エコー源性物質で満たされた脂質球体または微小気泡を形成することのできる界面活性剤である。他の一定の態様では、キレーターが、以下から選択される式:
Figure 2007504242
[式中、
各A1は、−NR1920、−NHR26、−SH、−S(Pg)、−OH、−PR1920、−P(O)R2122、該ターゲティング部分への結合、および該連結基への結合から独立して選択され、
各A2は、N(R26)、N(R19)、S、O、P(R19)、および−OP(O)(R21)O−から独立して選択され、
3は、Nであり、
4は、OHおよびOC(=O)C1-20アルキルから選択され、
5は、OC(=O)C1-20アルキルであり、
各Eは、0〜3個のR23で置換されたC1-16アルキレン、0〜3個のR23で置換されたC6-10アリーレン、0〜3個のR23で置換されたC3-10シクロアルキレン、0〜3個のR23で置換されたヘテロシクリル−C1-10アルキレン、0〜3個のR23で置換されたC6-10アリール−C1-10アルキレン、0〜3個のR23で置換されたC1-10アルキル−C6-10アリーレン、および0〜3個のR23で置換されたヘテロシクリレンから独立して選択され、
1は、結合およびEから選択され、
各E2は、0〜3個のR23で置換されたC1-16アルキル、0〜3個のR23で置換されたC6-10アリール、0〜3個のR23で置換されたC3-10シクロアルキル、0〜3個のR23で置換されたヘテロシクリル−C1-10アルキル、0〜3個のR23で置換されたC6-10アリール−C1-10アルキル、0〜3個のR23で置換されたC1-10アルキル−C6-10アリール、および0〜3個のR23で置換されたヘテロシクリルから、独立して選択され、
3は、1〜3個のR32で置換されたC1-10アルキレンであり、
Pgは、チオール保護基であり、
19およびR20は、連結基への結合、ターゲティング部分への結合、水素、0〜3個のR23で置換されたC1-10アルキル、0〜3個のR23で置換されたアリール、0〜3個のR23で置換されたC3-10シクロアルキル、0〜3個のR23で置換されたヘテロシクリル−C1-10アルキル、0〜3個のR23で置換されたC6-10アリール−C1-10アルキル、および0〜3個のR23で置換されたヘテロシクリルから、それぞれ独立して選択され、
21およびR22は、連結基への結合、ターゲティング部分への結合、−OH、0〜3個のR23で置換されたC1-10アルキル、0〜3個のR23で置換されたアリール、0〜3個のR23で置換されたC3-10シクロアルキル、0〜3個のR23で置換されたヘテロシクリル−C1-10アルキル、0〜3個のR23で置換されたC6-10アリール−C1-10アルキル、および0〜3個のR23で置換されたヘテロシクリルから、それぞれ独立して選択され、
各R23は、連結基への結合、ターゲティング部分への結合、=O、ハロ、トリフルオロメチル、シアノ、−CO224、−C(=O)R24、−C(=O)n(R242、−CHO、−CH2OR24、−OC(=O)R24、−OC(=O)OR24、−OR24、−OC(=O)n(R242、−NR24C(=O)R24、−NR24C(=O)OR24、−NR24C(=O)n(R242、−NR24SO2N(R242、−NR24SO224、−SO3H、−SO224、−SR24、−S(=O)R24、−SO2N(R242、−N(R242、−NHC(=S)NHR24、=NOR24、NO2、−C(=O)NHOR24、−C(=O)NHNR2424、−OCH2CO2H、2−(1−モルホリノ)エトキシ、C1-5アルキル、C2-4アルケニル、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルキルメチル、C2-6アルコキシアルキル、0〜2個のR24で置換されたアリール、およびヘテロシクリルから独立して選択され、
各R24は、連結基への結合、該ターゲティング部分への結合、水素、C1-6アルキル、フェニル、ベンジル、およびC1-6アルコキシから、独立して選択され、
26は、金属への配位結合またはヒドラジン保護基であり、
各R32は、R34、=O、−CO233、−C(=O)R33、−C(=O)N(R332、−CH2OR33、−OR33、−N(R332、およびC2−C4アルケニルから選択され、
各R33は、R34、水素、C1−C6アルキル、フェニル、ベンジル、およびトリフルオロメチルから独立して選択され、そして
34は、該連結基への結合であって、
1、R19、R20、R21、R22、R23、R24、およびR34の少なくとも1つは、該連結基または該ターゲティング部分への結合である]
を持つ結合ユニットである。
本開示の一態様では、キーラント(chelant)が次式:
Figure 2007504242
[式中、
1aは、該連結基への結合であり、
1b、A1c、A1dおよびA1eは、それぞれOHであり、
3a、A3b、およびA3cは、それぞれNであり、
a、Eb、およびEcは、C2アルキレンであり、
d、Ee、Ef、およびEgは、0〜1個のR23で置換されたC2アルキレンであり、そして
23は、=Oである]
で表される。
本開示のもう一つの態様では、キーラントが次式:
Figure 2007504242
[式中、
1a、A1b、A1dおよびA1eは、それぞれOHであり、
1cは、該連結基への結合であり、
3a、A3bおよびA3cは、それぞれNであり、
a、Ed、Ee、Ef、およびEgは、0〜1個のR23で置換されたC2アルキレンであり、
bおよびEcは、C2アルキレンであり、そして
23は、=Oである]
で表される。
本開示のもう一つの態様では、キーラントが次式:
Figure 2007504242
[式中、
3a、A3b、A3cおよびA3dは、それぞれNであり、
1aは、該連結基への結合であり、
1b、A1cおよびA1dは、それぞれ−OHであり、
a、Ec、EgおよびEeは、それぞれ0〜1個のR23で置換されたC2アルキレンであり、
b、Ed、EfおよびEhは、それぞれC2アルキレンであり、そして
23は、=Oである]
で表される。
本開示のもう一つの態様では、キーラントが次式:
Figure 2007504242
[式中、
1aは、−NHR26であり、
1bは、NHR19であり、
Eは、結合であり、
19は、R23で置換されたヘテロシクリルであって、そのヘテロシクリルはピリジンおよびピリミジンから選択され、
26は、金属への配位結合またはヒドラジン保護基であり、
23は、該連結基への結合、C(=O)NHR24およびC(=O)R24から選択され、そして
24は、該連結基への結合である]
で表される。
本開示のもう一つの態様では、キーラントが次式:
Figure 2007504242
[式中、
1aおよびA1cは、それぞれ−S(Pg)であり、
1bは、該連結基への結合であり、
2aおよびA2bは、それぞれ−NHであり、
aおよびEdは、0〜1個のR23で置換されたC2アルキレンであり、
bは、0〜1個のR23で置換されたC1-3アルキレンであり、
cは、CH2であり、そして
23は、=Oである]
で表される。
本開示のもう一つの態様では、キーラントが次式:
Figure 2007504242
[式中、
1aは、該連結基への結合であり、
2aは、NHであり、
2bは、−OP(O)(R21)O−であり、
2cおよびA2dは、それぞれOであり、
aは、R23で置換されたC1アルキレンであり、
bは、0〜1個のR23で置換されたC2アルキレンであり、
cおよびEdは、C1アルキレンであり、
2aおよびE2bは、それぞれ0〜1個のR23で置換されたC1-16アルキルであり、
21は、−OHであり、そして
23は、=Oである]
で表される。
本開示の診断剤の重要な特徴の一つは、ひとたびMMP基質ドメインが、関心対象である病理学的障害に関係するMMP活性が存在する患者内の標的器官、標的コンパートメントまたは標的領域の近傍に、診断剤をターゲティングすれば、診断成分を含有する診断剤は、イメージングに適した期間はトラップされた状態になる(すなわちその場に留まる)が、典型的には、危害を及ぼさない期間内に、身体から除去されることである。診断剤のトラッピングは、遮蔽されたトラッピング部分を使って達成することができる。遮蔽されたトラッピング部分が「脱遮蔽」されると、患者内の関心部位で、診断剤の、診断成分を含有する部分の固定化が可能になる。
遮蔽されていないトラッピング部分が関心物質中にトラップされる機序は、いくつかある。好適なトラッピング機序として、
(1)遮蔽されていないトラッピング部分を含有する診断剤の親油性が、遮蔽されたトラッピング部分を含有する診断剤と比較して、増加することによるトラッピング、
(2)遮蔽されていないトラッピング部分を含有する診断剤の脂質二重層挿入によるトラッピング、
(3)遮蔽されていないトラッピング部分を含有する診断剤と、関心対象である病理学的障害に関係する物質との間に共有結合が形成されることによるトラッピング、
(4)細胞トランスポーター基によるトラッピング、
が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
遮蔽されていないトラッピング部分を含有する診断剤の親油性が、遮蔽されたトラッピング部分を含有する診断剤と比較して、増加することによるトラッピングは、例えば診断剤の一定のドメインに親油性官能基または親水性官能基を組み込むことなど、いくつかの異なる方法で達成することができる。
本開示のある態様では、化合物が、診断剤の、診断成分または診断ドメインを含有する部分に、親油性官能基を含む。MMPがMMP基質を切断すると、診断成分または診断ドメインを含有する断片が高い有効親油性を持つようになり、その結果、関心対象である親油性物質、例えば脂質に富む柔らかい芯の中に高レベルの酸化リポタンパク質を含有する冠状動脈プラークなどと、非共有結合的会合によって相互作用する。別の態様では、遮蔽されていないトラッピング部分自体が親油性官能基を含む。親油性官能基は、長鎖アルキル基、長鎖アルケニル基、長鎖アルキニル基、シクロアルキル基、またはアミノ酸の親油性残基に由来することができる。ある例では親油性官能基が少なくとも6個の炭素原子を含有する。もう一つの例では親油性官能基が12個の炭素原子を含有し、もう一つの例では18個の炭素原子を含有する。長鎖アルキル基、長鎖アルケニル基、長鎖アルキニル基およびシクロアルキル基は、随意に、芳香環で置換されていてもよい。長鎖アルケニル基および長鎖アルキニル基は、随意に、さらなる不飽和部位(二重結合もしくは三重結合またはそれらの組合せを含む)を持っていてもよい。また、長鎖アルキル基、長鎖アルケニル基、長鎖アルキニル基、およびシクロアルキル基は、随意に、例えばエーテル、チオエーテル、アルコール、アルデヒド、ケトンなどの非イオン化官能基、および生理的pHで非塩基性であると考えられるアミン、例えばピリジンおよびアニリンなどを含有してもよい。親油性官能基は、バリン、ノルバリン、ロイシン、ノルロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、プロリン、ホモフェニルアラニン、テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸、メチオニン、O−メチルセリン、およびピリジルアラニンなど(ただしこれらに限定されるわけではない)のアミノ酸に由来してもよい。
別の態様では、マトリックスメタロプロテイナーゼ基質が、親水性官能基をさらに含む。親水性官能基は、例えばアスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、アルギニン、システイン酸およびオルニチンなどの極性アミノ酸、糖類、および極性ポリマー、例えばポリアルキレングリコール、線状ポリアミンおよびデンドリマーなどに由来しうる。あるいは、MMP基質の親油性を低下させる目的で官能基を付加することもできる。好適な官能基として、アミン、アルコール、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸およびホスホネートが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。MMPがMMP基質を切断すると、診断成分または診断ドメインを含有する断片は有効親油性が高くなり、その結果、関心対象である親油性物質と、非共有結合的会合によって相互作用する。
実施例1〜40および58は、親油性の増加によるトラッピングを実証するものである。文献報告では、親油性の高い化合物は、親油性の低い化合物よりも遅い速度で組織内を拡散することが示唆されている。例えば、Circ. Res.,2000,879-884 を参照されたい。実施例1〜40および58では、MMP基質分子の親油性が高い方の末端に診断成分が結合される。MMPによる消化を受けると、極性アミノ酸が除去され、その結果、全体としての親油性の増加が起こる。
もう一つのトラッピングアプローチは、診断剤の遮蔽されていないトラッピング部分の脂質二重層挿入である。このトラッピング機序では、親油性基がそれ自身を脂質二重層中に挿入するのを、MMP基質ペプチドへの結合によって妨げることができる。MMPおよびアミノペプチダーゼN(APN)によるペプチドの除去は、トラッピング部分を脱遮蔽し、その結果、診断剤の、ターゲティング部分を含有する部分が、関心対象である脂質二重層材料中に保持されることになる。アミノペプチダーゼは例えば冠状動脈プラーク中に、正常な大動脈壁よりも高い濃度で存在すると報告されており(Atheroschlerosis,1971,14,169-180)、マクロファージを含むほとんどの細胞タイプ中に見いだされる(Adv. Exp. Med. Biol.,2000,477,1-24)。典型的には、脂質二重層挿入基上に残留する官能基(X、下記)は、可能な限り小さく、可能な限り無極性である。好適な例として、ヒドロキシアルカン酸、ヒドロキシフェニルアルカン酸、ピリジニウム塩、アミノフェニルアルカン酸、エナミドおよび4−アミノピリジニウム塩が挙げられる。残留官能基Xがアルコール、フェノール、および弱塩基性アミンなどの基である脂質二重層挿入基を遮蔽するには、いくつかの異なる化学薬品を使用することができる。例えば、J. Pharm. Sci.,1997,86,765-767、Advanced Drug Delivery Reviews,1989,3,39-65を参照されたい。
Figure 2007504242
A.ヒドロキシアルカン酸
実施例19〜23は、脂質二重層へのヒドロキシアルカン酸の挿入を実証するものである。生細胞懸濁液を使った実験では、細胞会合が観察される(実施例47)。p−アミノベンジルアルコールは、これらの化合物の多くにとって、自己犠牲的な遮蔽部分である。MMP基質ペプチドの除去により、カーボネート酸素との結合を不安定化する電子供与アミンが生じる。その結果、p−アミノベンジルアルコール、二酸化炭素、およびヒドロキシアルカン酸の迅速な脱離が起こる。実施例24は、アミノペプチダーゼが最後のMMP基質アミノ酸を遮蔽部分から除去することを確認するためのモデル化合物である。この実施例で脱遮蔽される基はヒドラジドである。実施例25では同じスペーサーを用いるが、ヒドロキシアルカン酸を脱遮蔽する。遮蔽物(下記の文献ではプロドラッグと呼ばれている)としてのp−アミノベンジルアルコールの例については、Bioorg. Med. Chem. Lett.,2002,12,217-219 を参照されたい。
Figure 2007504242
B.ヒドロキシフェニルアルカン酸
実施例26は、ヒドロキシフェニルアルカン酸が細胞と会合することを示している。机上の実施例51および52は、以下に示す環化反応によってフェノール類を放出する2つの自己犠牲的遮蔽部分の使用を例示している。MMP基質ペプチドの除去により、非求核性アミドが求核性アミンに変換され、環化反応が促進される。
Figure 2007504242
C.ピリジニウム塩(実施例53)
ピリジン類、アニリン類、および他のアミン類から製造される4級アンモニウム塩は、以下に示すp−アミノベンジル基などのプロドラッグリンカーと共に、脱離基として使用することができる。その概念はp−アミノベンジルアルコールについて上述したものと同じある。遮蔽されていないアミン類による電子供与はベンジル−窒素結合を不安定化し、その結果、3級アミンの迅速な脱離が起こる(例えば、J. Pharm. Sci.,1982,71,729-735)。
Figure 2007504242
D.アミノフェニルアルカン酸(実施例55)
上記のピリジン例と同様に、アニリン類も生理的pHでは非プロトン化された状態を保ち、したがって脂質二重層によって許容されるだろう。標的組織中のアミノペプチダーゼは、この分子を基質として認識し、最後のアミノ酸を除去して、アニリン類を脱遮蔽するだろう。
E.エナミド(実施例54)
MMP基質ペプチドの除去によって1級アミンのエナミンが生成し、次にそれがイミンに互変異性し、次にそれがケトンに加水分解することになる。ケトンは脂質二重層挿入が可能なほど十分に無極性である。
Figure 2007504242
F.4−アミノピリジニウム塩(実施例56)
MMP基質がMMPおよびAPNによって除去され、その結果、環への電子供与が起こって、置換1H−ピリジン−4−イミンが形成されることになる。次にこれが加水分解を起こして、1H−ピリジン−4−オンを形成することになる。
Figure 2007504242
一定の態様では、遮蔽されていないトラッピング部分が、病理学的障害に関係する物質との共有結合を形成する能力を持つ。好適な遮蔽されていないトラッピング部分は、該物質中の一部分と共に、マイケル付加物、ヒドラゾン、β−スルホン、シッフ塩基、ジスルフィド、シクロヘキセン類、シクロヘキセン誘導体、またはオキシムを形成しうる。マイケル付加物は、マレイミドとアミンまたはチオールの間に形成させることができる。ヒドラゾンは、ヒドラジンまたはヒドラジドとアルデヒドまたはケトンの間に形成させることができる。β−スルホンは、ビニルスルホンへの求核剤の1,4−付加によって形成させることができる。シッフ塩基は、アミン(アリールアミンまたは脂肪族アミン)のアルデヒドまたはケトンとの縮合によって形成させることができる。ジスルフィドは2つのチオール基の反応によって形成させることができる。シクロヘキセン類(またはその誘導体生成物)は、ジエンとジエノフィルのディールス−アルダー縮合によって形成させることができる。オキシムは、O−アルコキシヒドロキシルアミンと反応するケトンまたはアルデヒドから形成させることができる。別の態様として、本開示の化合物上の官能基を標的タンパク質中のアルギニン残基と反応させて、その残基との共有結合を形成させることもできる。
診断剤は、安定なヒドラゾン類の形成によってトラップすることができる(実施例6〜18)。プラーク中のLDLの酸化は、アルデヒドの形成をもたらす。以下に示すように、アルデヒドがヒドラジン類およびヒドラジド類と反応して安定なヒドラゾン類を形成することは、よく知られている。これらの例では、MMP類およびアミノペプチダーゼ(例えばAPN)は遮蔽ペプチドを除去してヒドラジンまたはヒドラジドを生成させ、次にそれがアルデヒドとの反応を経て安定なヒドラゾンを形成することにより、プラーク内にレポーター基をトラップすることになる。
Figure 2007504242
APNがMMP基質配列の最後のアミノ酸を除去して反応性官能基を脱遮蔽することを立証するために設計されたモデル化合物を、実施例6〜9に記載する。実施例10〜18は完全なペプチド−ヒドラジドを表す。これらをMMP類の基質として試験した。
診断剤は、アルギニン(実施例57)または任意の内在性生体分子との反応によって、トラップすることができる。1,2−ジカルボニル化合物はタンパク質中のアルギニンのグアニジノ側鎖と容易に反応し、この反応はペプチドおよびタンパク質を誘導体化する方法の基礎になっている。実施例57ではビニルエステルを使ってジカルボニル基を遮蔽する。連結基はトリメチルロックカテゴリーに属する(J. Org. Chem.,1997,62,1363-1367 を参照)。
Figure 2007504242
もう一つのトラッピング機序は、実施例59に記載するように、細胞トランスポーター基によるトラッピングを伴う。いくつかの小ペプチドは、細胞膜を横切る能力を持つことが示されており、これらペプチドにコンジュゲートすれば、通常は細胞膜を透過できない分子を、細胞内に輸送することができる(Bioconj. Chem.,2001,12,825-841 を参照)。実施例60では、レポーターがトランスポーターペプチドのC末端にコンジュゲートされると共に、MMP基質ペプチドがリジン側鎖にコンジュゲートされ、MMP類およびAPNによって除去されるまでは、それが細胞への進入を妨げる。
さらにもう一つのトラッピング機序は、MMP類、カテプシン類、アミノペプチダーゼ類、ネプロライシン(neprolysin)などの可溶性酵素タンパク質またはアルブミンなどの非酵素タンパク質のリガンドの結合によるトラッピングである。好適なリガンドとして、薬物、親油性もしくは両親媒性有機分子、ポルフィリン類、ステロイド、脂質、ホルモン、ペプチド、タンパク質、オリゴヌクレオチド(DNA、RNA、またはそれらの化学修飾体)、抗体(モノクローナル抗体および遺伝子操作型ならびにそれらの断片を含む)、またはイメージングしようとする生物活性を含有する組織中の少なくとも1つの可溶性酵素タンパク質もしくは非酵素タンパク質に結合することが知られている他の生体分子が挙げられる。ある態様では、イメージング後の患者からの排泄を促進するために、リガンドの結合が不可逆的である。可溶性酵素タンパク質および可溶性非酵素タンパク質の好適な例として、US2002/064476に開示されているものが挙げられ、その開示は、参照により全体を本明細書に引用する。
この開示の化合物は、選択された生物学的性質を強化するために、適当な化学基の付加によって修飾することができると理解すべきである。そのような修飾は、当該技術分野では知られており、与えられた生物学的コンパートメント(例えば、血液、リンパ系、中枢神経系)への生物学的浸透を増加させるもの、経口利用率を増加させるもの、注射による投与が可能になるように溶解度を増加させるもの、代謝を変化させるもの、および排泄速度を変化させるものなどが挙げられる。
この開示の化合物が溶液中、医薬組成物中および生体内で様々なコンフォメーション型およびイオン型をとりうることも理解すべきである。この開示の具体的化合物を本明細書で叙述する場合、それは特定のコンフォメーションおよびイオン型の叙述であるが、それらの叙述により、それらの化合物の他のコンフォメーションおよびイオン型も想定され、包含される。
この開示の医薬組成物中に使用することができる医薬的に許容される担体、アジュバントおよびベヒクルとしては、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、ヒト血清アルブミンなどの血清タンパク質、緩衝剤、例えばリン酸塩、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、トリス(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)など、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩類または電解質、例えば硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイドケイ酸、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ロウ、ポリエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
この開示によれば、医薬組成物は、滅菌注射可能調製物の形態、例えば滅菌された注射可能な水性または油性懸濁液の形態をとりうる。この懸濁液は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を使って、当該技術分野で知られる技術に従って製剤化することができる。滅菌注射可能調製物は、非経口的に許容できる無毒性の希釈剤または溶剤中の滅菌注射可能溶液または懸濁液、例えば1,3−ブタンジオール溶液などであってもよい。使用することができる許容できるベヒクルおよび溶剤には、水、リンゲル液および等張塩化ナトリウム溶液がある。また、滅菌固定油も、溶剤または懸濁媒として通常使用される。この目的には、合成モノまたはジグリセリドを含む任意の無刺激性固定油を使用することができる。オレイン酸などの脂肪酸およびそのグリセリド誘導体は、天然の医薬的に許容される油、例えばオリーブ油またはヒマシ油、特にそれらのポリオキシエチル化体と同様、注射可能剤の製造に有用である。これらの油溶液または油懸濁液は、長鎖アルコール希釈剤または長鎖アルコール分散剤も含有しうる。
場合によっては、注射量および注射速度に応じて、血漿タンパク質上の結合部位は、プロドラッグおよび活性型薬剤で飽和された状態になりうる。これはタンパク質結合型薬剤の割合を低下させ、その半減期および認容性ならびにその薬剤の有効性を損ないうる。そのような場合は、プロドラッグ剤を滅菌アルブミンまたは血漿置換溶液と共に注射することが望ましい。もう一つの選択肢として、造影剤を含有し、その造影剤を注射器内に吸い込んだ血液と混合する器具/注射器を使用することもでき、次にこれを患者に再注射する。
本開示の化合物、診断剤および医薬組成物は、通常の医薬的に許容される無毒性の担体、アジュバントおよびベヒクルを含有する投与製剤として、経口投与、非経口投与、吸入スプレーによる投与、局所外用、直腸投与、鼻腔投与、口腔内投与、経膣投与、または植込み型レザバーを介して投与することができる。本明細書で使用する用語「非経口」とは、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑液内、胸骨内、髄腔内、肝内、病巣内および頭蓋内注射または注入技術を包含する。
経口投与する場合、この開示の医薬組成物は、例えばカプセル剤、錠剤、水性の懸濁剤および溶液剤など(ただしこれらに限定されるわけではない)の経口的に許容できる任意の剤形で投与することができる。経口投与用の錠剤の場合、よく使用される担体として、乳糖およびトウモロコシデンプンが挙げられる。通例、ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤も加えられる。カプセル剤形で経口投与する場合、有用な希釈剤としては、乳糖および乾燥トウモロコシデンプンが挙げられる。経口投与用の水性懸濁剤が必要な場合は、活性成分を乳化および懸濁化剤と混合する。所望であれば、一定の甘味剤、着香剤または着色剤も加えてよい。
もう一つの選択肢として、直腸投与用坐剤の形態で投与する場合、この開示の医薬組成物は、薬剤を、室温では固体であるが直腸温度では液体になり、したがって直腸内で融解して薬物を放出するような適当な非刺激性賦形剤と混合することによって、製造することができる。そのような材料として、カカオ脂、ミツロウおよびポリエチレングリコールが挙げられる。
上述のように、この開示の医薬組成物は、特に、処置標的が局所外用適用によって容易に到達することのできる領域または器官、例えば眼、皮膚、もしくは下部腸管などを含む場合には、局所外用することもできる。これらの領域または器官のそれぞれに適した局所外用製剤は容易に製造される。
下部腸管への局所外用適用は直腸用坐剤(上記参照)または適当な浣腸剤で達成することができる。局所外用経皮貼付剤も使用することができる。
局所外用適用のために、医薬組成物は、1またはそれ以上の担体に懸濁または溶解された活性成分を含有する適切な軟膏として製剤化することができる。この開示の化合物を局所外用投与するための担体として、鉱油、液体ワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化ワックスおよび水が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。もう一つの選択肢として、1またはそれ以上の医薬的に許容される担体に懸濁または溶解された活性成分を含有する適切なローション剤またはクリーム剤として、医薬組成物を製剤化することもできる。好適な担体として、鉱油、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、セチルエステルロウ、セテアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコールおよび水が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
眼科用には、塩化ベンジルアルコニウムなどの保存剤を含むまたは含まない、pHを調節した等張性滅菌食塩水中の微細化懸濁剤として、または典型的には、pH調節した等張性滅菌食塩水中の溶液剤として、医薬組成物を製剤化することができる。もう一つの選択肢として、眼科用途には、ワセリンなどの軟膏に医薬組成物を製剤化してもよい。
鼻腔エアロゾルまたは鼻腔吸入による投与の場合、この開示の医薬組成物は、医薬製剤分野で周知の技術に従って製造され、ベンジルアルコールまたは他の適切な保存剤、生物学的利用能を高めるための吸収促進剤、フルオロカーボン、および/または他の通常の可溶化剤または分散剤を使って、食塩水溶液などとして製造することができる。
1回量剤形を製造するために担体材料と混合することができる活性成分の量は、処置されるホストと特定の投与様式とに依存して変動するだろう。典型的な調製物は、約5%〜約95%の活性化合物(w/w)を含有するだろう。典型的には、そのような調製物は約20%〜約80%の活性化合物を含有する。
静脈内投与および他のタイプの投与の場合、許容される用量範囲は約0.001〜約1.0mmol/kg体重であり、活性成分化合物の典型的な投与量は約0.001〜約0.5mmol/kg体重である。より一層典型的には0.01〜約0.1mmol/kgであり、活性成分化合物の最も典型的な投与量は約0.02〜約0.05mmol/kgである。
当業者には理解されるだろうが、上記の投与量よりも少ない投与量または多い投与量が必要な場合もある。特定の患者に対する具体的な用法用量は、使用する具体的な化合物の活性、年齢、体重、全般的健康状態、性別、食餌、投与時間、排泄速度、併用薬および処置する医師の判断を含む様々な因子に依存するだろう。
好ましい医薬組成物は、この開示の好ましい化合物および診断剤を含むものであることは、理解されるだろう。
本開示のもう一つの側面は、マトリックスメタロプロテイナーゼ活性に関係する病理学的障害を検出、イメージング、および/またはモニタリングするための診断剤を製造するための診断キットである。本発明の診断キットは、所定量の本開示の試薬と、随意に他の成分、例えば1つまたは2つの補助配位子、例えばトリシンおよび3−[ビス(3−スルホフェニル)ホスフィン]ベンゼンスルホン酸(TPPTS)、還元剤、移動配位子、緩衝剤、凍結乾燥助剤、安定化助剤、可溶化助剤ならびに静菌剤などを含む、滅菌非発熱性製剤を含有する1またはそれ以上のバイアルを含む。本キットは例えばスズ(II)などの還元剤も含みうる。
製剤に1またはそれ以上の随意成分を含めることにより、実施末端使用者による診断剤の合成の容易さ、キットの製造の容易さ、キットの貯蔵寿命、または放射性医薬品の安定性および貯蔵寿命が、しばしば改善されるだろう。ヒドラジンまたはヒドラゾン結合部分を含む試薬を含む診断キットの場合は、1またはそれ以上の補助配位子を含める必要がある。製剤の全部または一部を含有する1またはそれ以上のバイアルは、独立して、滅菌溶液または凍結乾燥固体の形態をとることができる。
本開示のもう一つの側面は、心血管障害、感染性疾患、炎症性疾患および癌を診断するための診断剤を製造するための診断キットである。本開示の診断キットは、所定量のこの開示に記載するキーラント、安定化共配位子、還元剤、および随意の他の成分、例えば緩衝剤、凍結乾燥助剤、安定化助剤、可溶化助剤および静菌剤を含む、滅菌非発熱性製剤を含有する1またはそれ以上のバイアルを含有する。
製剤に1またはそれ以上の随意成分を含めることにより、実施末端使用者による診断剤の合成の容易さ、キットの製造の容易さ、キットの貯蔵寿命、または放射性医薬品の安定性および貯蔵寿命が、しばしば改善されるだろう。製剤に随意成分を含めることによって達成される改善は、付加される製剤の複雑さおよび付加されるキット製造コストと比較検討しなければならない。製剤の全部または一部を含有する1またはそれ以上のバイアルは、独立して、滅菌溶液または凍結乾燥固体の形態をとることができる。
診断剤およびそのキットの製造に有用な緩衝剤としては、リン酸塩、クエン酸塩、スルホサリチル酸塩、および酢酸塩が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。より完全なリストは米国薬局方に見いだすことができる。
診断剤およびそのキットの製造に有用な凍結乾燥助剤としては、マンニトール、ラクトース、ソルビトール、デキストラン、フィコール、およびポリビニルピロリジン(PVP)が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
診断剤およびそのキットの製造に有用な安定化助剤としては、アスコルビン酸、システイン、モノチオグリセロール、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、ゲンチジン酸、およびイノシトールが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
診断剤およびそのキットの製造に有用な可溶化助剤としては、エタノール、グリセリン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、ポリソルベート、ポリ(オキシエチレン)−ポリ(オキシプロピレン)ポリ(オキシエチレン)ブロック共重合体(プルロニック)およびレシチンが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。典型的な可溶化助剤はポリエチレングリコールおよびプルロニック共重合体である。
診断剤およびそのキットの製造に有用な静菌剤としては、ベンジルアルコール、塩化ベンザルコニウム、クロルブタノール、およびメチル、プロピルまたはブチルパラベンが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
診断キット中の成分は2以上の機能を果たすこともできる。例えば、還元剤は安定化助剤としても働くことができ、緩衝剤は移動配位子としても働くことができ、凍結乾燥助剤は移動、補助または共配位子としても働くことができる。
製剤中の各成分の所定量は、様々な考慮すべき事項によって決まり、それらの事項はある場合にはその成分に特有の事項であり、またある場合には別の成分の量もしくは随意成分の存在および量に依存する。一般に、製剤の望ましい効果を与えるであろう各成分の最少量を使用する。製剤の望ましい効果とは、実施末端使用者が診断剤を合成できること、そしてその診断剤を患者に安全に注射することができ、その患者の疾患状態に関する診断情報を与えるであろうという高度な確信を実施末端使用者が持ちうることである。
本開示の診断キットは、実施末端使用者が診断剤を合成するために従うことができる指示書も含有することができる。これらの指示は、バイアルの1またはそれ以上に貼付けるか、1つまたは複数のバイアルが輸送のために梱包されている容器に貼付けるか、または添付文書と呼ばれる独立した挿入物であってもよい。
X線造影剤、超音波造影剤および磁気共鳴イメージング造影剤用の金属医薬品は、典型的には1つのバイアルに凍結乾燥固体としてまたは水溶液として含有される製剤に入ったそれらの最終形態で、末端使用者に提供される。末端使用者は、凍結乾燥固体を水または食塩水で復元し、患者用量を引き抜くか、または単に提供された水溶液製剤から用量を引き抜く。
これらの診断剤は、ガンマシンチグラフィー、陽電子放射断層撮影、MRI、超音波またはX線のいずれの画像向上用であれ、心血管疾患の経時的変化の検出およびモニタリングに、とりわけ有用である。MMP類の過剰発現の度合いは心臓組織また血管組織の劣化に関係するので(JACC,1999,33:835-842)、関心疾患部位におけるこれらのイメージング剤の局在の度合いを定量することによって、心血管疾患病巣(すなわちプラーク)の重症度および現在の活動性を評価することができる。さらに、これらの診断剤を使って、血管系におけるアテローム動脈硬化による変化の進行を遅くする医薬的治療、または血管系におけるアテローム動脈硬化による変化を逆転もしくはうっ血性心不全に関係する心筋劣化の逆転を引き起こす医薬的治療の開始に関係するMMP活性の変化をモニタリングすることもできる。したがって、心臓中のMMP類のイメージングが、心組織のMMP含量の変化に関係する様々な心臓疾患の進行/後退を検出し、局在し、モニタリングするのに一般に有用であるだろうことは、理解することができる。
本開示の方法がその検出、イメージングおよび/またはモニタリングに有用である病理学的障害としては、癌(特に転移に先立つ細胞外マトリックスの分解時)、アテローム動脈硬化(特に、破裂、血栓形成、および心筋梗塞または不安定狭心症につながる、アテローム動脈硬化プラークの線維性皮膜の分解時)、慢性関節リウマチおよび変形性関節症(軟骨アグリカンおよびコラーゲンの破壊)、歯周疾患、炎症、自己免疫疾患、臓器移植拒絶、潰瘍形成(角膜、表皮、および胃)、強皮症、表皮水泡症、子宮内膜症、腎臓疾患、および骨疾患が挙げられる。本開示の化合物、診断剤、組成物、キットおよび方法は、冠状動脈アテローム動脈硬化および脳血管アテローム動脈硬化を含むアテローム動脈硬化、ならびに癌性腫瘍の診断に、特に有用である。本開示の化合物、診断剤、組成物、キットおよび方法は、一過性虚血発作もしくは脳卒中のリスクが高い患者の診断、または急性心虚血、心筋梗塞もしくは心臓死のリスクが高い患者の診断に、特に有用である。
本開示の超音波造影剤は、生体適合性気体の微小気泡に取付けられた、または組み込まれた複数のマトリックスメタロプロテイナーゼ基質部分、液体担体、および界面活性剤ミクロスフェアを含み、さらにターゲティング部分と微小気泡の間に随意の連結部分を含む。この文脈において「液体担体」という語句は水溶液を意味し、用語「界面活性剤」とは、溶液中で界面張力の低下をもたらす両親媒性材料を意味する。界面活性剤ミクロスフェアを形成させるのに適した界面活性剤のリストは、参照によりその全文が本明細書に引用されるEP−A−0727225に開示されている。「界面活性剤ミクロスフェア」という語句は、ナノスフェア、リポソーム、小胞などを包含する。生体適合性気体は空気であるか、エコー源性の相違をもたらし、したがって超音波イメージングにおいてコントラストをもたらす、C3-5ペルフルオロアルカンなどのフルオロカーボンであることができる。気体はミクロスフェアに封入または含有させることができ、そのミクロスフェアには生体配向基を、随意に連結基を介して、結合することができる。その結合は、共有結合、イオン結合またはファンデルワールス力による結合であることができる。そのような造影剤の具体例として、複数のMMP阻害化合物を持つ脂質封入ペルフルオロカーボンが挙げられる。
本開示のX線造影剤は、1またはそれ以上の、原子番号20以上のX線吸収原子または「重」原子に取付けられた1またはそれ以上のマトリックスメタロプロテイナーゼ基質ターゲティング部分を含み、ターゲティング部分とX線吸収原子との間に随意の連結部分をさらに含む。X線造影剤によく使用される重原子はヨウ素である。最近、金属キレート(US−A−5417959)および複数の金属イオンを含むポリキレート(US−A−5679810)を含むX線造影剤が開示された。さらに最近になって、多核クラスター錯体が、X線造影剤として開示されている(US−A−5804161、US−A−5458869、US−A−5614168、US−A−5482699およびUS−A−5932190)。
本開示のMRI診断剤は、1またはそれ以上の常磁性金属イオンに取付けられた1またはそれ以上のマトリックスメタロプロテイナーゼ基質ターゲティング部分を含み、さらにターゲティング部分と常磁性金属イオンの間に随意の連結基を含む。常磁性金属イオンは金属錯体または金属酸化物粒子の形態で存在する。US−A−5412148およびUS−A−5760191には、MRI造影剤に用いられる常磁性金属イオン用のキレーターの例が記載されている。US−A−5801228、US−A−5567411およびUS−A−5281704は、MRI造影剤に用いられる2以上の常磁性金属イオンを錯化するのに有用なポリキーラントの例が記載されている。US−A−5520904には、MRI造影剤として使用される常磁性金属イオンを含む粒子状組成物が記載されている。
本開示の診断剤はいくつかのアプローチによって合成することができる。
(1)あるアプローチでは、ターゲティングMMP基質部分を合成し、1またはそれ以上の基質部分を、1またはそれ以上のキレーターまたは結合部分に直接取付けるか、常磁性金属イオンまたは重原子含有固形粒子に直接とりつけるか、エコー源性気体微小気泡に直接取付ける。
(2)もう一つのアプローチでは、MMP基質部分を連結基に取付けた後、それを1またはそれ以上の金属キレーターまたは結合部分に取付けるか、常磁性金属イオンまたは重原子含有固体粒子に取付けるか、エコー源性気体微小気泡に取付ける。
(3)もう一つのアプローチでは、連結基を持つ残基をMMP基質の合成に組み込むことによって、MMP基質が連結基に取付けられている部分を合成する。次に、得られた部分を1またはそれ以上の金属キレーターまたは結合部分に取付けるか、常磁性金属イオンまたは重原子含有固体粒子に取付けるか、エコー源性気体微小気泡に取付ける。
(4)もう一つのアプローチでは、連結基の断片を持つMMP基質を合成し、次にその1つ以上を連結基の残りに取付けた後、1またはそれ以上の金属キレーターまたは結合部分に取付けるか、常磁性金属イオンまたは重原子含有固体粒子に取付けるか、エコー源性気体微小機能に取付ける。
随意に連結基Lnまたは連結基の断片を持つMMP基質部分は、当業者に知られる標準的な合成方法を使って製造することができる。
一般に、ペプチド、ポリペプチドおよびペプチドミメティックは、記載の方法により、C末端残基のα−アミンを脱保護し、次に適切に保護されたアミノ酸をペプチド結合でカップリングすることによって伸長される。この脱保護およびカップリング手順は、所望の配列が得られるまで繰り返される。このカップリングは構成アミノ酸を使って段階的に行なうか、断片(2〜数個のアミノ酸)の縮合によって行なうか、両方の過程の組合せによって行なうか、または J. Am. Chem. Soc.,1963,85,2149-2154 に初めて記載された方法による固相ペプチド合成で行なうことができる。
ペプチド、ポリペプチドおよびペプチドミメティックは自動合成機器を使って合成することもできる。ペプチド、ポリペプチドおよびペプチドミメティック合成の手順は、上記に加えて、StewartおよびYoung「Solid Phase Peptide Synthesis」第2版,Pierce Chemical Co.,イリノイ州ロックフォード(1984)、Gross,Meienhofer,Udenfriend編「The Peptides:Analysis, Synthesis, Biology」第1、2、3、5、および9巻,Academic Press,ニューヨーク(1980〜1987)、Bodanszky「Peptide Chemistry:A Practical Textbook」Springer-Verlag,ニューヨーク(1988)、ならびにBodanszkyら「The Practice of Peptide Synthesis」Springer-Verlag,ニューヨーク(1984)に記載されている。
2つのアミノ酸誘導体、アミノ酸とペプチド、ポリペプチドもしくはペプチドミメティック、2つのペプチド、ポリペプチドもしくはペプチドミメティック断片間のカップリング、またはペプチド、ポリペプチドまたはペプチドミメティックの環化は、標準的なカップリング手順、例えばアジド法、混合炭酸無水物(クロロギ酸イソブチル)法、カルボジイミド(ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、または水溶性カルボジイミド)法、活性エステル(p−ニトロフェニルエステル、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル)法、ウッドワード試薬K法、カルボニルジイミダゾール法、BOP−Clなどのリン試薬、または酸化還元法などを使って行なうことができる。これらの方法の一部(特にカルボジイミド)は、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールの添加によって強化することができる。これらのカップリング反応は溶液(液相)または固相で行なうことができる。
構成アミノ酸またはアミノ酸ミメティックの官能基は、望ましくない結合が形成されるのを避けるために、通例、カップリング反応中は保護される。使用することができる保護基は、Greene「Protective Groups in Organic Synthesis」John Wiley & Sons,ニューヨーク(1981)および「The Peptides:Analysis, Synthesis, Biology」第3巻,Academic Press,ニューヨーク(1981)に列挙されている。
C末端残基のα−カルボキシル基は、切断するとカルボン酸を与えることができるエステルで保護しうる。これらの保護基には、
(1)アルキルエステル、例えばメチルおよびt−ブチル、
(2)アリールエステル、例えばベンジルおよび置換ベンジル、または
(3)穏和な塩基処理または穏和な還元手段によって切断することができるエステル、例えばトリクロロエチルおよびフェナシルエステル
が含まれる。
固相法の場合、C末端アミノ酸は不溶性担体(通常はポリスチレン)に取付けられる。これらの不溶性担体は、伸長条件に対して安定であるが後に容易に切断される結合をカルボキシル基との反応によって形成するような基を含有する。例として、オキシムレジン(DeGradoおよびKaiser(1980)J. Org. Chem. 45,1295-1300)、クロロまたはブロモメチルレジン、ヒドロキシメチルレジン、およびアミノメチルレジンが挙げられる。これらのレジンの多くは、所望のC末端アミノ酸が既に組み込まれた状態で市販されている。
通例、各アミノ酸のα-アミノ基は保護される。当該技術分野で既知の任意の保護基を使用することができる。それらの例は、
(1)アシル型、例えばホルミル、トリフルオロアセチル、フタリル、およびp−トルエンスルホニル;
(2)芳香族カルバメート型、例えばベンジルオキシカルボニル(Cbz)および置換ベンジルオキシカルボニル、1−(p−ビフェニル)−1−メチルエトキシカルボニル、ならびに9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc);
(3)脂肪族カルバメート型、例えばtert−ブチルオキシカルボニル(Boc)、エトキシカルボニル、ジイソプロピルメトキシカルボニル、およびアリルオキシカルボニル;
(4)環状アルキルカルバメート型、例えばシクロペンチルオキシカルボニルおよびアダマンチルオキシカルボニル;
(5)アルキル型、例えばトリフェニルメチルおよびベンジル;
(6)トリアルキルシラン、例えばトリメチルシラン、ならびに
(7)チオール含有型、例えばフェニルチオカルボニルおよびジチアスクシノイル
である。
典型的なα−アミノ保護基は、BocまたはFmocである。ペプチド合成用に適切に保護された多くのアミノ酸またはアミノ酸ミメティック誘導体が市販されている。
α−アミノ保護基は次のアミノ酸のカップリングに先立って切断される。Boc基を使用する場合、選り抜きの方法は、ニートのもしくはジクロロメタン中のトリフルオロ酢酸、またはジオキサン中のHClである。次に、カップリングに先だって、または系内で、塩基性溶液、例えば水性緩衝液、またはジクロロメタンもしくはジメチルホルムアミド中の3級アミンにより、得られたアンモニウム塩を中和する。Fmoc基を使用する場合、選り抜きの試薬はジメチルホルムアミド中のピペリジンまたは置換ピペリジンであるが、任意の2級アミンまたは水性塩基性溶液を使用することができる。脱保護は0℃〜室温の温度で行なわれる。
側鎖官能基を持つアミノ酸またはアミノ酸ミメティックはいずれも、通例、ペプチドの製造中は、上述した基のいずれかを使って保護される。これらの側鎖官能基にとって適切な保護基の選択および使用は、そのアミノ酸またはアミノ酸ミメティックおよびそのペプチド、ポリペプチドまたはペプチドミメティック中の他の保護基の存在に依存するであろうことは、当業者には理解されるだろう。α−アミノ基の脱保護およびカップリング中に除去されてはならないので、そのような保護基の選択は重要である。
例えば、α−アミン保護用にBocを選択する場合、以下の保護基を許容することができる:アルギニンにはp−トルエンスルホニル(トシル)部分およびニトロ;リジンにはベンジルオキシカルボニル、置換ベンジルオキシカルボニル、トシルまたはトリフルオロアセチル;グルタミン酸およびアスパラギン酸にはベンジルまたはアルキルエステル、例えばシクロペンチル;セリンおよびスレオニンにはベンジルエーテル;チロシンにはベンジルエーテル、置換ベンジルエーテルまたは2−ブロモベンジルオキシカルボニル;システインにはp−メチルベンジル、p−メトキシベンジル、アセトアミドメチル、ベンジル、またはt−ブチルスルホニル;そしてトリプトファンのインドールは、保護せずに放置するか、ホルミル基で保護することができる。
α−アミノ保護用にFmocを選択する場合、通常はtert−ブチル系保護基を許容することができる。例えば、リジンにはBoc、セリン、スレオニンおよびチロシンにはtert−ブチルエーテル、そしてグルタミン酸およびアスパラギン酸にはtert−ブチルエステルを使用することができる。
ペプチド、ポリペプチドもしくはペプチドミメティックの伸長、または環状ペプチドもしくはペプチドミメティックの伸長および環化が完了したら、全ての保護基を除去する。液相合成の場合、保護基は保護基の選択によって決まる何らかの方法で除去される。これらの手順は当業者にはよく知られている。
固相合成を使って環状ペプチドまたはペプチドミメティックを合成する場合は、環化過程を妨害するかもしれない官能基から保護基を同時に除去することなく、ペプチドまたはペプチドミメティックをレジンから除去すべきである。したがって、ペプチドまたはペプチドミメティックを溶液中で環化させようとするなら、他の保護基を同時に除去することなく遊離のα−カルボキシレートおよび遊離のα−アミノ基が生成するような切断条件を選択する必要がある。あるいは、ペプチドまたはペプチドミメティックをヒドラジン分解によってレジンから除去し、次にアジド法によってカップリングすることもできる。もう一つの極めて便利な方法では、オキシムレジン上でペプチドまたはペプチドミメティックを合成した後、レジンからの分子内求核置換を行なって、環状ペプチドまたはペプチドミメティックを生成する(Tetrahedron Letters,1990,43,6121-6124)。オキシムレジンを使用する場合は、Boc保護スキームが一般に選択される。その場合、側鎖保護基を除去するための好ましい方法では、一般に、ジメチルスルフィド、アニソール、チオアニソール、またはp−クレゾールなどの添加剤を含有する無水HFによる0℃での処理が行なわれる。ペプチドまたはペプチドミメティックの切断は、他の酸試薬、例えばトリフルオロメタンスルホン酸/トリフルオロ酢酸混合物などによって達成することもできる。
この開示で使用される異常アミノ酸は、当業者によく知られている標準的な方法によって合成することができる(「The Peptides:Analysis, Synthesis, Biology」第5巻,342-449頁,Academic Press,ニューヨーク(1981))。N-アルキルアミノ酸は、既報の手順を使って製造することができる(Cheungら,Can. J. Chem.,1977,55,906、Freidingeら,J. Org. Chem.,1982,48,77)。
MMP基質への連結基の取付け、基質または連結基へのキレーターまたは結合ユニットの取付け、および連結基の断片を含有する基質の、連結基残部への取付けにより、全体としてMMP基質−連結基部分を形成させてから行なわれる、キレーターへの取付けは、いずれも標準的技術によって行なうことができる。これにはアミド化、エステル化、アルキル化、および尿素類またはチオ尿素類の形成などがあるが、これらに限定されるわけではない。これらの取付けを行なうための手順は、Brinkley,M.「Bioconjugate Chemistry」1992,3,1 に見いだすことができる。
固体粒子表面修飾分野の当業者は、MMP基質を常磁性金属イオンまたは重原子含有固体粒子に取付けるために、いくつかの方法を使用することができる。一般的には、ターゲティング部分またはターゲティング部分と連結基の組合せが、固体粒子表面の構成物と反応するカップリング基に取付けられる。カップリング基は、US−A−6254852に記載されているように、固体粒子表面上の表面ヒドロキシ基と反応するいくつかのシランのいずれでもよく、US−A−5520904に記載されているように固体粒子の表面とカップリングするポリホスホネート、ポリカルボキシレート、ポリホスフェートまたはそれらの混合物も含むことができる。
MMP基質Sを界面活性剤ミクロスフェアX3に取付けるには、いくつかの反応スキームを使用することができる。それらを以下の反応スキームで図解する。式中、Fは界面活性剤ミクロスフェアを形成する界面活性剤部分を表す。
Figure 2007504242
これらの反応スキームでは、置換基FおよびSを逆にすることもできる。
連結基Lnは、いくつかの役割を果たすことができる。第一に、これは、金属キレーターまたは金属結合部分Ch、常磁性金属イオンまたは重原子含有固体粒子X2、および界面活性剤ミクロスフェアX3と、MMP基質Sの1またはそれ以上との間のスペーシング基になって、Sの認識配列と心血管病に関係するMMP類との相互作用がCh−X、Ch−X1、X2、およびX3部分によって妨害される可能性が最小限になるようにする。試薬中に連結基を組み込む必要性は、S、Ch−X、Ch−X1、X2、およびX3の素性に依存する。Ch−X、Ch−X1、X2およびX3を、MMP類を阻害するというSの能力を実質的に減少させずにSに取付けることができない場合は、連結基を使用する。連結基は、Ch−X、Ch−X1、X2、またはX3に取付けられた1つの基に複数の基質を独立して取付ける手段にもなる。
連結基は、本開示の診断剤に薬物動態調節剤を組み込む手段にもなる。薬物動態調節剤は、ターゲティング部分と心血管病で発現されるMMP類との相互作用以外の方法で、注射された医薬品の体内分布を指示する働きをする。例えば糖質、ポリアルキレングリコール、ペプチドまたは他のポリアミノ酸、およびシクロデキストリン類など(ただしこれらに限定されるわけではない)多種多様な官能基が、薬物動態調節剤として働きうる。調節剤は、親水性を増加または減少させるため、そして血液クリアランス速度を増加または減少させるために使用することができる。調節剤は、医薬品の排除経路を指示するためにも用いることができる。好ましい薬物動態調節剤は、中等度〜速い血液クリアランスおよび増大した腎排泄をもたらすものである。
金属キレーターおよび結合部分は、その特定用途のために選択された金属イオンと安定な錯体を形成するように選択される。診断用放射性医薬品のためのキレーターまたは結合部分は、イメージング可能なガンマ線放射または陽電子放射を持つ放射性同位体、例えば99mTc、95Tc、111In、62Cu、60Cu、64Cu、67Ga、68Ga、86Yなどと安定な錯体を形成するように選択される。
テクネチウム、銅およびガリウム同位体用のキレーターは、ジアミンジチオール、モノアミン−モノアミドジチオール、トリアミド−モノチオール、モノアミン−ジアミドモノチオール、ジアミンジオキシム、およびヒドラジンから選択される。これらのキレーターは一般に、窒素、酸素および硫黄から選択される供与原子を持つ四座型である。典型的な試薬は、アミン窒素およびチオール硫黄供与原子ならびにヒドラジン結合ユニットを持つキレーターを含んでなる。チオール硫黄原子およびヒドラジンは、試薬を放射性医薬品の合成に使用する前に、あるいはより多くの場合、放射性医薬品の合成中に系内で、置換することができる保護基を持ちうる。
例示的なチオール保護基として、GreeneおよびWuts「Protective Groups in Organic Synthesis」John Wiley & Sons,ニューヨーク(1991)に列挙されるものが挙げられる。当該技術分野で知られる任意のチオール保護基を使用することができる。チオール保護基の具体例として、これらに限らないが、以下の基:アセトアミドメチル、ベンズアミドメチル、1−エトキシエチル、ベンゾイル、およびトリフェニルメチルを含む。
ヒドラジン結合ユニット用の例示的保護基はヒドラゾンであり、これは水素、アルキル、アリールおよび複素環から選択される置換基を持つアルデヒドヒドラゾンまたはケトンヒドラゾンであることができる。
金属放射性核種に結合している場合、ヒドラジン結合ユニットはヒドラジド基またはジアゼニド基と呼ばれ、放射性医薬品の残りの部分への放射性核種の結合点として役立つ。ジアゼニド基は末端型(当該基の1原子だけが放射性核種に結合している)またはキレート型であることができる。キレート型ジアゼニド基であるには、当該基の少なくとも1つの他の原子も放射性核種に結合していなければならない。金属に結合する原子を供与原子という。
111Inおよび86Y用のキレーターは、環状または非環状ポリアミノカルボキシレート、例えばDTPA、DOTA、DO3A、2−ベンジル−DOTA、α−(2−フェネチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1−酢酸−4,7,10−トリス(メチル酢酸)、2−ベンジルシクロヘキシルジエチレントリアミン五酢酸、2−ベンジル−6−メチル−DTPA、および6,6”−ビス[N,N,N”,N”−テトラ(カルボキシメチル)アミノメチル)−4’−(3−アミノ−4−メトキシフェニル)−2,2”:6’,2”−テルピリジンなどから選択される。市販されていないこれらのキレーターを合成する手順は、J. Chem. Soc. Perkin Trans.,1992,1,1175、Bioconjugate Chem.,1991,2,187、J. Nucl. Med.,1990,31,473、US-A-5,064,956、およびUS-A-4,859,777に見いだすことができる。
金属イオンの配位圏は、その金属に結合している全ての配位子または基を包含する。遷移金属放射性核種は、安定になるために、通例、4以上8以下の整数からなる配位数(供与原子の数)を持つ。すなわち、金属には4〜8個の原子が結合しており、完成した配位圏を持つという。安定な放射性核種錯体に要求される配位数は、放射性核種の素性、その酸化状態、および供与原子のタイプによって決まる。キレーターまたは結合ユニットがその配位圏を完成させることによって金属放射性核種を安定化するのに必要な原子の全てを提供しない場合、配位圏は、補助配位子または共配位子と呼ばれる他の配位子(これもまた、末端配位子またはキレート配位子であることができる)に由来する供与原子によって完成される。
多数の配位子が補助配位子または共配位子として役立ち、その選択は、例えば放射性医薬品の合成の容易さ、補助配位子の化学的および物理的性質、得られる放射性医薬品の形成速度、収率、異性体型の数、該補助配位子または共配位子を患者に投与してもその患者に有害な生理学的結果をもたらさないこと、ならびに凍結乾燥キット製剤における配位子の適合性などといった、種々の考慮すべき事項によって決定される。補助配位子の電荷および親油性は、放射性医薬品の電荷および親油性に影響を及ぼすだろう。例えば、4,5−ジヒドロキシ−1,3−ベンゼンジスルホネートの使用は、2つのアニオン基が追加された放射性医薬品をもたらすだろう。なぜならスルホネート基は生理条件下ではアニオン性であるだろうからである。N−アルキル置換3,4−ヒドロキシピリジノンの使用は、アルキル置換基のサイズに応じて様々な親油性度を持つ放射性医薬品をもたらすだろう。
本開示の好ましいテクネチウム放射性医薬品は、ヒドラジドまたはジアゼニド結合ユニットと補助配位子AL1、または結合ユニットと2タイプの補助配位子AL1およびAL2、または2つの窒素原子および2つの硫黄原子を含んでなる四座キレーターを含んでなる。補助配位子AL1は2個以上の硬い供与原子、例えば酸素およびアミン窒素(sp3混成)を含んでなる。それらの供与原子は放射性核種金属の配位圏中の部位の少なくとも2つを占有し、補助配位子AL1は三元配位子系中の3つの配位子の1つとして役立つ。補助配位子AL1の例としては、二酸素配位子および官能化アミノカルボキシレートが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。そのような配位子は数多く市販されている。
補助二酸素配位子には、少なくとも2つの酸素供与原子を介して金属イオンに配位する配位子が包含される。例として、グルコヘプトネート、グルコネート、2−ヒドロキシイソブチレート、ラクテート、タートレート、マンニトール、グルカレート、マルトール、コウジ酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、4,5−ジヒドロキシ−1,3−ベンゼンジスルホネート、または置換もしくは無置換1,2−もしくは3,4−ヒドロキシピリジノンが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。(これらの例における配位子の名称は、その配位子のプロトン化型または非プロトン化型を指す。)
官能化アミノカルボキシレートには、アミン窒素および酸素供与原子の組合せを持つ配位子が包含される。例としては、イミノ二酢酸、2,3−ジアミノプロピオン酸、ニトリロ三酢酸、N,N’−エチレンジアミン二酢酸、N,N,N’−エチレンジアミン三酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、およびN,N’−エチレンジアミンビスヒドロキシフェニルグリシンが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。(これらの例における配位子の名称は、その配位子のプロトン化型または非プロトン化型を指す。)
テクニチウム標識ヒドラジノ修飾タンパク質の形成速度の改善をもたらす一連の官能化アミノカルボキシレートがUS−A−5350837に開示されている。本発明者らは、これらのアミノカルボキシレートの一部が、本開示の放射性医薬品の収率を改善させることを確認した。好ましい補助配位子AL1としてグリシンの誘導体である官能化アミノカルボキシレートが挙げられ、最も好ましいのはトリシン(トリス(ヒドロキシメチル)メチルグリシン)である。
本開示の最も好ましいテクニチウム診断剤は、ヒドラジドまたはジアゼニド結合ユニットと、AL1およびAL2と呼ばれる2タイプの補助配位子、またはジアミノジチオールキレーターを含んだ。第2のタイプの補助配位子AL2は、ホスフィンリン、アルシンヒ素、イミン窒素(sp2混成)、硫黄(sp2混成)および炭素(sp混成)から選択される1またはそれ以上の柔らかい供与原子、p酸特徴を持つ原子を含む。配位子AL2は単座、二座または三座配位子であることができる。配座数は配位子中の供与原子の数によって定義される。二座配位子中の2つの供与原子のうちの1つ、および三座配位子中の3つの供与原子のうちの1つは、柔らかい供与原子でなければならない。US−A−5744120およびUS−A−5739789には、1またはそれ以上の補助配位子AL2を含まない放射性医薬品よりも安定な、1またはそれ以上の補助配位子または共配位子AL2を含む放射性医薬品が開示されている。すなわち、それらの異性体型の数は最小であり、それらの相対的比率は経時的に有意に変化せず、希釈しても実質的に元のままである。
ホスフィンまたはアルシン供与原子を含む配位子AL2は、三置換ホスフィン、三置換アルシン、四置換ジホスフィンおよび四置換ジアルシンである。イミン窒素を含む配位子AL2は不飽和または芳香族窒素含有5員または6員複素環である。硫黄(sp2混成)供与原子を含む配位子はチオカルボニルであり、C=S部分を含む。炭素(sp混成)供与原子を含む配位子は、CNR部分(式中、Rは有機基である)を含むイソニトリルである。そのような配位子は数多く市販されている。イソニトリルは、US−A−4452774およびUS−A−4988827に記載されているように合成することができる。
好ましい補助配位子AL2は、三置換ホスフィンおよび不飽和または芳香族5員または6員複素環である。最も好ましい補助配位子AL2は、三置換ホスフィンおよび不飽和5員複素環である。
補助配位子AL2は、アルキル、アリール、アルコキシ、ヘテロシクリル、アリールアルキル、アルキルアリールおよびアリールアルキルアリール基で置換されていてよく、酸素、窒素、リンまたは硫黄などのヘテロ原子を含む官能基を持っても持たなくてもよい。そのような官能基の例として、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボキサミド、ニトロ、エーテル、ケトン、アミノ、アンモニウム、スルホネート、スルホンアミド、ホスホネート、およびホスホンアミドが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。官能基は、放射性医薬品の生物学的性質に影響を及ぼしうる(例えば非標的組織、細胞または体液への分布ならびに身体からの除去機構および除去速度を変化させる)配位子の親油性および水溶性を変化させるために選択することができる。
磁気共鳴イメージング造影剤用のキレーターは、Gd(III)、Dy(III)、Fe(III)、およびMn(II)などの常磁性金属イオンと安定な錯体を形成するように選択され、DTPA、DOTA、DO3A、2−ベンジル−DOTA、アルファ−(2−フェネチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1−酢酸−4,7,10−トリス(メチル酢酸)、2−ベンジルシクロヘキシルジエチレントリアミン五酢酸、2−ベンジル−6−メチルDTPA、および6,6”−ビス[N,N,N”,N”−テトラ(カルボキシメチル)アミノメチル)−4’−(3−アミノ−4−メトキシフェニル)−2,2’:6’,2”−テルピリジンなどの環状および非環状ポリアミノカルボキシレートから選択される。
本開示の診断剤にはそれらの効力を決定する2つの重要な特徴がある。すなわちMMP選択性と、血液からのクリアランス速度である。本開示の好ましい診断剤は、MMP−1、MMP−2、MMP−3、MMP−9、またはMMP−14のみに、またはそれらの組合せに、他のMMP類との比較で選択性を示すターゲティング部分を含む。最も好ましいのは、MMP−2、MMP−9、またはMMP−14のみに、またはそれらの組合せに、他のMMP類との比較で選択性を示すMMP基質である。
血液からのクリアランス速度は、心臓イメージング法にとって特に重要である。というのも、心血液プールは、イメ―ジングしようとする病巣と比較して大きいからである。有効な心臓イメージング剤の場合、標的対バックグラウンド比(病巣対血液および病巣対筋)は典型的には約1.5以上、典型的には約2.0以上、さらに典型的にはそれ以上である。本開示の好ましい医薬品は、マウスモデルでの測定で注射後2時間にて約10%i.d./g未満をもたらし、イヌモデルでの測定で注射後2時間にて約0.5%i.d./g未満をもたらすような血液クリアランス速度を持つ。本開示の最も好ましい診断剤は、マウスモデルでの測定で注射後2時間にて約3%i.d./g未満をもたらし、イヌモデルでの測定で注射後2時間にて約0.05%i.d./g未満をもたらすような血液クリアランス速度を持つ。
テクネチウムを含有すると共にヒドラジドまたはジアゼニド結合ユニットを含む本開示の診断剤は、約0℃〜約100℃の温度で、放射性核種の塩、本開示の試薬、補助配位子AL1、補助配位子AL2、および還元剤を、水溶液中で混合することによって、容易に製造することができる。テクネチウムを含有し、2つの窒素原子および2つの硫黄原子を持つ四座キレーターを含む、本開示の診断剤は、約0℃〜約100℃の温度で、放射性核種の塩、本開示の試薬、および還元剤を、水溶液中で混合することによって、容易に製造することができる。
本開示の試薬中の結合ユニットがヒドラゾン基として存在する場合は、典型的には、まずそれを、プロトン化されていてもプロトン化されていなくてもよいヒドラジンに変換してから、金属放射性核種と錯化させる。ヒドラゾン基からヒドラジンへの変換は、放射性核種との反応前に行なうか(この場合は、放射性核種および1つまたは複数の補助配位子または共配位子を試薬と混合するのではなく、キレーターまたは結合ユニットを持つ試薬の加水分解型と混合する)、放射性核種の存在下で行なう(この場合は、試薬そのものを放射性核種および1つまたは複数の補助配位子または共配位子と混合する)ことができる。後者の場合、反応混合物のpHは通常、中性または酸性である。
もう一つの選択肢として、ヒドラジドまたはジアゼニド結合ユニットを含む本開示の診断剤は、まず、約0℃〜約100℃の温度で、放射性核種の塩、補助配位子AL1、および還元剤を水溶液中で混合することによって補助配位子AL1との中間放射性核種錯体を形成させた後、本開示の試薬および補助配位子AL2を加え、約0℃〜約100℃の温度でさらに反応させることにより、製造することができる。
もう一つの選択肢として、ヒドラジドまたはジアゼニド結合ユニットを含む本開示の診断剤は、まず、約0℃〜約100℃の温度で、放射性核種の塩、補助配位子AL1、本開示の試薬、および還元剤を、水溶液中で混合することによって中間放射性核種錯体を形成させた後、補助配位子AL2を加え、さらに約0℃〜約100℃の温度でさらに反応させることにより、製造することができる。
テクネチウム放射性核種は通例、過テクネチウム酸イオンまたは過レニウム酸イオンおよび医薬的に許容されるカチオンの化学形態をとっている。過テクネチウム酸塩型は、通例、市販の99mTcジェネレータから得られるような過テクネチウム酸ナトリウムである。本開示の放射性医薬品を製造するために用いられる過テクネチウム酸塩の量は、約0.1mCi〜約1Ci、より典型的には約1〜約200mCiでありうる。
本開示のテクネチウム診断剤を製造するために用いられる本開示の試薬の量は、約0.01μg〜約10mg、より典型的には約0.5μg〜約200μgでありうる。使用量は、他の反応物の量および製造すべき本開示の放射性医薬品の素性によって決まるだろう。
補助配位子AL1の使用量は、約0.1mg〜約1g、より典型的には約1mg〜約100mgでありうる。特定の放射性医薬品に関する正確な量は、製造すべき本開示の放射性医薬品の素性、使用する手法ならびに他の反応物の量および素性の関数である。AL1の量が多すぎると、生物活性分子を含まないテクネチウム標識AL1から構成される副生成物、またはテクネチウム標識生物活性分子と補助配位子AL1とから構成されるが補助配位子AL2を含まない副生成物の形成が起こるだろう。AL1の量が少なすぎると、補助配位子AL2を含むが補助配位子AL1を含まないテクネチウム標識生物活性分子、または還元加水分解型テクネチウム、またはテクネチウムコロイドなどの他の副生成物が生じるだろう。
補助配位子AL2の使用量は、約0.001mg〜約1g、より典型的には約0.01mg〜約10mgでありうる。特定の放射性医薬品に関する正確な量は、製造すべき本開示の放射性医薬品の素性、使用する手法ならびに他の反応物の量および素性の関数である。AL2の量が多すぎると、生物活性分子を含まないテクネチウム標識AL2から構成される副生成物、またはテクネチウム標識生物活性分子と補助配位子AL2とから構成されるが補助配位子AL1を含まない副生成物の形成が起こるだろう。
本開示のもう一つの態様では、放射標識MMP基質含有診断剤のシンチグラフィー像が、放射標識心臓灌流イメージング剤のシンチグラフィー像と同時に取得されるだろう。この同時二重同位体イメージングは、分光的に分離可能なガンマ線放射エネルギーを持つMMP基質イメージング剤および灌流イメージング剤の放射性同位体を利用することによって行なわれるだろう。例えば、99mTc心臓灌流イメージング剤(99mTc−セスタミビなど)またはTl201(塩化第一タリウムとして)と、111In標識MM基質化合物とが、標準的ガンマカメラで同時にイメージングされるだろう。約140KeVの99mTcガンマ線エネルギーまたは約80KeVのTl201ガンマ線エネルギーは、約160KeVおよび250KeVの111Inガンマ線エネルギーから容易に分離することができるので、これが可能になる。この心臓灌流と細胞外マトリックス分解(MMP基質を含有する診断剤の局在化によって証明されるもの)との同時イメージングは、99mTc−セスタミビまたはTl201像に見られる灌流分布との比較に基づく心臓中の診断剤分布位置の改善された解剖学的評価にとって、極めて有用である。また、灌流および細胞外マトリックス分解の同時イメージングは、ある患者に対する1回のイメージングセッションにおいて、基礎にある心臓疾患を、血流変化および生化学的変化の両面から、より完全に評価することを可能にする。
心臓灌流および細胞外マトリックス分解の同時二重同位体イメージングは、1回のイメージングセッション中に、脆弱なプラークの部位の局在を可能にし、心臓灌流を可視化することを可能にする。また、うっ血性心不全(MMP基質を含有する診断剤から)および冠状動脈疾患(灌流イメージング剤から)に関係する組織変化の同時イメージングは、うっ血性心不全の基礎にある原因を特徴づけるのに極めて有用である。
患者における異なる放射性同位体標識放射性医薬品の同時イメージングは既に報告されている。例えば、Antunesら,Am J. Cardiol.,1992,70,426-431 は、Tl201による心臓灌流のイメージングと共に、111Inアンチミオシン抗体で心筋梗塞をイメージングすることが可能であることを実証している。しかし、本開示の二重同位体イメージングは新しい。なぜなら、これは、MMP基質および心臓灌流イメージング化合物を含有する放射標識診断剤の同時二重同位体イメージングに対して初めて報告されたアプローチだからである。MMP基質シンチグラフィーイメージングと灌流イメージングとを含有する診断剤を使ったシンチグラフィーイメージングの組合せは、1回のイメージングセッションで、虚血性冠状動脈疾患またはうっ血性心不全に関する並外れた量の臨床情報を、画像診断医に提供する。
本開示の診断剤の合成に適した還元剤として、第一スズ塩、亜ジチオン酸塩または亜硫酸水素塩、水素化ホウ素塩、アスコルビン酸、システイン、ホスフィン、および第一銅または第一鉄塩、ならびにホルムアミジンスルフィン酸が挙げられ、それらの塩類は任意の医薬的に許容される形態をとりうる。具体的な還元剤は第一スズ塩である。他の還元剤はUS−A−5662882に記載されている。使用する還元剤の量は、約0.001mg〜約10mg、より典型的には約0.005mg〜約1mgでありうる。
本開示のインジウム、銅、ガリウム、およびイットリウム診断剤は、約0℃〜約100℃の温度で放射性核種の塩および本開示の試薬を水溶液中で混合することによって容易に製造することができる。これらの放射性核種は通例、塩酸、硝酸または硫酸などの鉱酸中の希水溶液として得られる。放射性核種は、水性溶液に溶解された1〜約1000等量の本開示の試薬と混合される。反応混合物のpHを約3〜約10に維持するために、通例、緩衝剤が使用される。
本開示のガドリニウム、ジスプロシウム、鉄およびマンガン診断剤は、約0℃〜約100℃の温度で常磁性金属イオンの塩および本開示の試薬を水溶液中で混合することによって容易に製造することができる。これらの常磁性金属イオンは通例、塩酸、硝酸または硫酸などの鉱酸中の希水溶液として得られる。常磁性金属イオンは、水性溶液に溶解された1〜約1000等量の本開示の試薬と混合される。反応混合物のpHを約3〜約10に維持するために、通例、緩衝剤が使用される。
製造時間の合計は、金属イオンの素性、反応物の素性および量ならびに製造に使用する手法に依存して変動するだろう。製造は約1分で完了して収率約80%以上の放射性医薬品をもたらす場合もあるし、さらに時間がかかる場合もある。より高純度の金属医薬品が必要であるか望まれる場合は、液体クロマトグラフィー、固相抽出、溶媒抽出、透析または限外濾過など、当業者に周知のいくつかの技術のいずれかによって、生成物を精製することができる。
診断用放射性医薬品は、静脈内注射により、通常は食塩溶液として、体重70kgにつき約1〜約100mCiの用量で、または典型的には約5〜約50mCiの用量で投与される。イメージングは既知の手法を使って行なわれる。
磁気共鳴イメージング造影成分を含有する本開示の診断剤は、US−A−5155215、US−A−5087440、Magn. Reson. Med.,1986,3,808、Radiology,1988,166,835、およびRadiology,1988,166,693 に記載されている他のMRI剤と同様の方法で使用することができる。一般に、造影剤の滅菌水溶液は、体重1kgにつき約0.01〜約1.0mmolの投与量で患者に静脈内投与される。
X線造影剤として使用する場合、本開示の診断剤は、一般に約1mM〜約5M、典型的には約0.1M〜約2Mの重原子濃度を持つべきである。静脈内注射によって投与される投与量は、通例、約0.5mmol/kg〜約15mmol/kg、典型的には約0.8mmol/kg〜約1.2mmol/kgであるだろう。イメージングは既知の技術、典型的にはX線コンピュータ断層撮影を使って行なわれる。
超音波造影成分を含有する本開示の診断剤は、静脈内注射により、体重1kgにつきエコー源性気体約10〜約30μLの量で、または速度約3μL/kg/分の注入によって投与される。イメージングは既知の超音波検査技術を使って行なわれる。
本開示の他の特徴は例示的態様を以下に説明する過程で明白になるだろう。以下の説明は、本開示を例証するために記載するものであって、その限定を意図するものではない。以下、下記の具体的かつ限定でない実施例を参照することによって、本開示を例証する。有機合成分野の当業者は、開示化合物への合成系路を他にも知っているかもしれない。本明細書で使用する試薬および中間体は、別段の記載がない限り、市販されているか、標準的な文献法に従って製造される。
実施例1
(1S)−1−[(2S)−2−((2S)−2−{(2S)−2−[(2S)−2−(2−{(2S)−2−[((2S)−1−{6−[(6−ヒドラジノ(3−ピリジル))カルボニルアミノ]ヘキサノイル}ピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}アセチルアミノ)−4−フェニルブタノイルアミノ]−5−アミノペンタノイルアミノ}−4−メチルペンタノイルアミノ)−4−カルボキシブタノイルアミノ]プロパン−1,3−ジカルボン酸トリフルオロ酢酸塩の合成
Figure 2007504242
パートA−Fmoc−Ahx−PLG−Hphe−OLEE−ワンレジンの製造
Fmoc−Glu(Ot−Bu)−ワンレジン(2.000g,置換レベル=0.9mmol/g)を50mlのアドバンスドケムテック反応槽に入れた。N,N−ジメチルホルムアミド(20mL×2)で洗浄することによってレジンを膨潤させ、以下のステップを実行した。(ステップ1)N,N−ジメチルホルムアミド中の20%ピペリジン(20mL)を使って、Fmoc基を30分間、除去した。(ステップ2)レジンを、N,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、ジクロロメタン(3回)、N,N−ジメチルホルムアミド(3回)で、十分に洗浄した(各20mL)。(ステップ3)N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)およびジイソプロピルエチルアミン(3mL)中のFmoc−Glu(Ot−Bu)−OH(3.064g,7.2mmol)、HOBt(1.102g,7.2mmol)、HBTU(2.731g,7.2mmol)をレジンに加え、反応を4時間進行させた。(ステップ4)レジンを、N,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、ジクロロメタン(3回)、N,N−ジメチルホルムアミド(3回)で、十分に洗浄した(各20ml)。(ステップ5)半定量的ニンヒドリンアッセイおよび定量的ピクリン酸アッセイまたはフルベン−ピペリジンアッセイで評価したところ、カップリング反応は95%以上完了していることがわかった。G−Hphe−OLEEという配列に達するまでステップ1〜5を繰り返した。残りのアミノ酸のカップリングでは、高いカップリング収率を達成するために、N,N−ジメチルホルムアミド中の40%DMSOにおける二重カップリングが必要だった。
パートB−Hynic−Ahx−PLG−Hphe−OLEE−OHの製造
上記パートAで製造したペプチド−レジンの半分を、N,N−ジメチルホルムアミド中の20%ピペリジン(20mL)で、30分間処理した。レジンを、N,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、ジクロロメタン(3回)、N,N−ジメチルホルムアミド(3回)で、十分に洗浄した(各20mL)。N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)およびジイソプロピルエチルアミン(3mL)中のBoc−Hynic−OH(0.912g,3.6mmol)、HOBt(0.551g,3.6mmol)、HBTU(1.366g,3.6mmol)を加え、反応を4時間進行させた。レジンを、N,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、ジクロロメタン(3回)、N,N−ジメチルホルムアミド(3回)で、十分に洗浄した(各20mL)。半定量的ニンヒドリンアッセイおよび定量的ピクリン酸アッセイまたはフルベン−ピペリジンアッセイで評価したところ、カップリング反応は完了していることがわかった。
上記のレジンの半分をトリフルオロ酢酸(9.00mL)、H2O(0.236mL)およびTIS(0.236mL)と共に2時間撹拌した。焼結ガラス漏斗で濾過することによってレジンを除去し、レジンをトリフルオロ酢酸(2mL×2)で十分に洗浄した。濾液を2mLまで濃縮し、エーテル(10mL)で希釈した。得られた沈殿物を濾過によって集め、エーテル(5mL×3)で洗浄し、乾燥することにより、標記化合物を無色の固体(0.673g)として得た。フェノメネックスルナ(Phenomenex Luna)C18(2)カラム(41.2×250mm)および0.1%トリフルオロ酢酸を含有する18→36%アセトニトリルの0.50%/分グラジエント(流量80mL/分)による逆相HPLCで精製した後、フェノメネックスジュピター(Phenomenex Jupiter)C18カラム(21.2×250mm)で、0.1M NH4OAc(pH7)を含有する18→36%アセトニトリルの0.67%/分グラジエント(流量20mL/分)を使って精製した。生成物画分の凍結乾燥により、標記化合物を無色の固体(0.040g,総収率7.5%,HPLC純度100%)として得た。MS:m/e 591.0[2M+H](100%),1180.9[M+H](20%);FT−MS:計算値(C56H85N13O15[M+2H]として):590.8217、実測値:590.8214。L−ロイシンのキラル分析:99.8%。
実施例2
1−(2−{2−[2−(2−{2−[2−({1−[6−(2−{2−[(6−{[(1E)−1−アザ−2−(2−スルホフェニル)ビニル]アミノ}(3−ピリジル))カルボニルアミノ](2R)−3−フェニルプロパノイルアミノ}−(2R)−3−フェニルプロパノイルアミノ)ヘキサノイル](2S)ピロリジン−2−イル}カルボニルアミノ)(2S)−4−メチルペンタノイルアミノ]アセチルアミノ}(2S)−4−フェニルブタノイルアミノ)(2S)−5−アミノペンタノイルアミノ](2S)−4−メチルペンタノイルアミノ}(2S)−4−カルボキシブタノイルアミノ)(1S)プロパン−1,3−ジカルボン酸トリフルオロ酢酸塩の合成
Figure 2007504242
実施例1・パートAで得たペプチド−レジン(0.500g,置換レベル=0.45mmol/g)を50mL反応槽に入れた。N,N−ジメチルホルムアミド(20mL×2)で洗浄することによってレジンを膨潤させ、以下のステップを実行した。(ステップ1)N,N−ジメチルホルムアミド中の20%ピペリジン(20mL)を使って、Fmoc基を30分間、除去した。(ステップ2)レジンを、N,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、ジクロロメタン(3回)、N,N−ジメチルホルムアミド(3回)で、十分に洗浄した(各20mL)。(ステップ3)DMSO:N,N−ジメチルホルムアミド(40:60,10mL)およびジイソプロピルエチルアミン(3mL)中のFmoc−f−OH(0.349g,0.9mmol)、HOBt(0.138g,0.9mmol)、HBTU(0.341g,0.9mmol)をレジンに加え、反応を10時間進行させた。(ステップ4)レジンを、N,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、ジクロロメタン(3回)、N,N−ジメチルホルムアミド(3回)で、十分に洗浄した(各20ml)。(ステップ5)N,N−ジメチルホルムアミド中の40%DMSO(10ml)およびジイソプロピルエチルアミン(3ml)中のFmoc−f−OH(0.349g,0.9mmol)、HOBt(0.138g,0.9mmol)、HBTU(0.341g,0.9mmol)をレジンに加え、反応を4時間進行させた。(ステップ6)レジンを、N,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、ジクロロメタン(3回)、N,N−ジメチルホルムアミド(3回)で、十分に洗浄した(各20ml)。(ステップ7)半定量的ニンヒドリンアッセイおよび定量的ピクリン酸アッセイまたはフルベン−ピペリジンアッセイで評価したところ、カップリング反応は完了していることがわかった。二回目のD−フェニルアラニンを付加するために、ステップ1〜7を繰り返した。
レジンをN,N−ジメチルホルムアミド中の20%ピペリジン(20mL)で30分間処理し、N,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、ジクロロメタン(3回)、N,N−ジメチルホルムアミド(3回)で十分に洗浄した(各20mL)。DMSO:N,N−ジメチルホルムアミド(40:60,10ml)およびジイソプロピルエチルアミン(3ml)中の2−[(1E)−2−アザ−2−({5−[(2,5−ジオキソピロリジニル)オキシカルボニル](2−ピリジル)}アミノ)ビニル]ベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.396g,0.9mmol)およびHOAt(0.122g,0.9mmol)をレジンに加え、反応を18時間進行させた。レジンを、N,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、ジクロロメタン(3回)、N,N−ジメチルホルムアミド(3回)で十分に洗浄した(各20mL)。切断した少量のペプチドをLC/MSにかけて評価することで、反応が完了したと決定されるまで、上記のカップリング手順をさらに3回繰り返した。最後のカップリング時に、カオトロピック塩KSCN(0.776g,20ml溶液中0.4M)を触媒としてカップリング溶液に加えた。
上記のレジンの半分を95%トリフルオロ酢酸、2.5%H2Oおよび2.5%TIS(2mL)と共に2時間撹拌した。焼結ガラス漏斗で濾過することによってレジンを除去し、トリフルオロ酢酸(2mL×2)でレジンを十分に洗浄した。濾液を2mLまで濃縮し、エーテル(10mL)で希釈した。得られた沈殿物を濾過によって集め、エーテル(5mL×3)で洗浄し、乾燥することにより、標記化合物を無色の固体(0.126g)として得た。フェノメネックスジュピターC18カラム(41.2×250mm)および0.1M NH4OAc(pH7)を含有する22.5→45%アセトニトリルの0.83%/分グラジエント(流量80mL/分)を用いる逆相HPLCを使って精製を行なった後、フェノメネックスジュピターC18カラム(21.2×250mm)および0.1Mトリフルオロ酢酸を含有する31.5→36%アセトニトリルの0.17%/分グラジエント(流量20mL/分)での精製を行なった。生成物画分の凍結乾燥により、標記化合物を無色の固体(8.0mg,総収率4.4%,HPLC純度100%)として得た。MS:m/e 822.0[2M+H](100%),1643.6[M+H](70%);FT−MS:計算値(C81H107N15O20S[M+2H]として):821.8842,実測値:821.8831。
実施例3
1−(2−{2−[2−(2−{2−[2−({1−[6−(2−[2−{2−[(6−{[(1E)−1−アザ−2−(2−スルホフェニル)ビニル]アミノ}(3−ピリジル))カルボニルアミノ](2R)−3−フェニルプロパノイルアミノ}(2R)−3−フェニルプロパノイルアミノ](2R)−3−フェニルプロパノイルアミノ)ヘキサノイル](2S)ピロリジン−2−イル}カルボニルアミノ)(2S)−4−メチルペンタノイルアミノ]アセチルアミノ}(2S)−4−フェニルブタノイルアミノ)(2S)−5−アミノペンタノイルアミノ](2S)−4−メチルペンタノイルアミノ}(2S)−4−カルボキシブタノイルアミノ)(1S)プロパン−1,3−ジカルボン酸トリフルオロ酢酸塩の合成
Figure 2007504242
上記実施例2のHPLC精製により、トリ−D−フェニルアラニンペプチドも得られた。生成物画分の凍結乾燥により、標記化合物を無色の固体(3.0mg,総収率1.4%,HPLC純度100%)として得た。MS:m/e 895.7[2M+H](100%),1790.7[M+H](30%);FT−MS:計算値(C90H116N16O21S[M+2H]として):895.4184,実測値:895.4172。
実施例4
(1S)−1−[(2S)−2−((2S)−2−{(2S)−2−[(2S)−2−(2−{(2S)−2−[((2S)−1−{6−[(7−メトキシ−2−オキソ(2H−クロメン−3−イル))カルボニルアミノ]ヘキサノイル}ピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}アセチルアミノ)−4−フェニルブタノイルアミノ]−5−アミノペンタノイルアミノ}−4−メチルペンタノイルアミノ)−4−カルボキシブタノイルアミノ]プロパン−1,3−ジカルボン酸の合成
Figure 2007504242
実施例1・パートAのペプチド−レジン(0.2g,置換レベル=0.45mmol/g)を50mL反応槽に入れた。N,N−ジメチルホルムアミド(20mL×2)で洗浄することによってレジンを膨潤させ、N,N−ジメチルホルムアミド中の20%ピペリジン(20mL)を使って、Fmoc基を30分間、除去した。レジンを、N,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、ジクロロメタン(3回)、N,N−ジメチルホルムアミド(3回)で、十分に洗浄した(各20mL)。DMSO:N,N−ジメチルホルムアミド(40:60,10mL)中の7−メトキシクマリン−3−カルボン酸(0.04g,0.18mmol)、HOBt(0.028g,0.18mmol)、およびHBTU(0.069g,0.18mmol)、ならびにジイソプロピルエチルアミン(3mL)をレジンに加え、反応を3時間進行させた。レジンを、N,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、ジクロロメタン(3回)、N,N−ジメチルホルムアミド(3回)で、十分に洗浄した(各20ml)。半定量的ニンヒドリンアッセイおよび定量的ピクリン酸アッセイまたはフルベン−ピペリジンアッセイによる評価で反応が完了したと決定されるまで、上記のカップリング手順をさらに2回繰り返した。
上記のレジンを95%トリフルオロ酢酸、2.5%H2Oおよび2.5%TIS(2mL)と共に1.5時間撹拌した。焼結ガラス漏斗で濾過することによってレジンを除去し、トリフルオロ酢酸(2mL×2)でレジンを十分に洗浄した。濾液を2mLまで濃縮し、エーテル(10mL)で希釈した。得られた沈殿物を濾過によって集め、エーテル(5mL×3)で洗浄し、乾燥することにより、標記化合物を油状物(0.145g)として得た。フェノメネックスジュピターC18カラム(21.2×250mm)および0.1M NH4OAc(pH7)を含有する18→45%アセトニトリルの1%/分グラジエント(流量20mL/分)を用いる逆相HPLCによって精製を行なった。生成物画分の凍結乾燥により、標記化合物を無色の固体(0.011mg,総収率10%,HPLC純度100%)として得た。MS:m/e 624.5[2M+H](60%),1247.6[M+H](100%);FT−MS:計算値(C61H86N10O18[M+2H]として):624.3134,実測値:624.3127。
実施例5
4−(N−{6−[(6−{[(1E)−1−アザ−2−(2−スルホフェニル)ビニル]アミノ}(3−ピリジル))カルボニルアミノ]ヘキシル}カルバモイル)(4S)−4−[(2S)−2−((2S)−2−{(2S)−2−[(2S)−2−(2−{(2S)−2−[((2S)−1−アセチルピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}アセチルアミノ)−4−フェニルブタノイルアミノ]−5−アミノペンタノイルアミノ}−4−メチルペンタノイルアミノ)−4−カルボキシブタノイルアミノ]ブタン酸ビスアンモニウム塩の合成
Figure 2007504242
パートA−Ac−PLG−Hphe−OLEE−ヘキサメチレン−NH−トリチルレジンの製造
1,6−ジアミノヘキサントリチルレジン(2.000g,置換レベル=0.81mmol/g)を50mLのアドバンスドケムテック反応槽に入れた。以下のステップを実行した。(ステップ1)ジクロロメタン(3回)およびN,N−ジメチルホルムアミド(3回)でレジンを十分に洗浄した(各20mL)。(ステップ2)N,N−ジメチルホルムアミド(15mL)およびジイソプロピルエチルアミン(3mL)中のFmoc−Glu(t−Bu)−OH(2.76g,6.5mmol)、HOBt(0.99g,6.5mmol)、およびHBTU(2.46g,6.5mmol)をレジンに加え、反応を4時間進行させた。(ステップ3)N,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、ジクロロメタン(3回)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(3回)でレジンを十分に洗浄した(各20mL)。(ステップ4)N,N−ジメチルホルムアミド中の20%ピペリジン(20mL)をレジンに加え、30分間反応させた。(ステップ5)N,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、ジクロロメタン(3回)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(3回)でレジンを十分に洗浄した(各20mL)。(ステップ6)フルベン−ピペリジンアッセイでレジンを分析したところ、負荷率(loading factor)は0.33mmol/gであることがわかった。所望のアミノ酸配列に達するまで、ステップ2〜6を繰り返した。カップリングステップは全て定量的収率で進行した。Fmoc−Orn(Ot−Bu)−OHでは二重カップリングが必要だった。レジンを、N,N−ジメチルホルムアミド(20mL)に溶解した酢酸無水物(0.666mL,6.6mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(1.4mL,7.92mmol)で2.0時間処理し、N,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、およびジクロロメタン(3回)で十分に洗浄し(各20mL)、減圧下で乾燥した。
パートB−Ac−PLG−Hphe−OLEE−ヘキサメチレン−NH2の製造
パートAで得たペプチド−レジン(1.0g)を30mLのフリットガラス漏斗に入れ、ジクロロメタン(25mL×2)で洗浄した。ペプチド−レジンを酢酸:Et3SiH:ジクロロメタン溶液(5:1:94,10mL)で2分間処理した。その溶液を、10%ピリジン−メタノール溶液(2mL)中に直接、加圧濾過した。この切断ステップを5回繰り返した。合わせた濾液を濃縮してクロロメタンおよびメタノールを除去したところ、無色の油性固形物を得た。水(40mL)でトリチュレートすることにより、無色の乾燥固体になり、それを濾過によって集めた。この粗生成物を、フェノメネックスジュピターC18カラム(21.2×250mm)でのHPLCにより、100mMの酢酸アンモニウムを含有する31.5→67.5%アセトニトリルの0.9%/分グラジエント(流量20mL/分)を使って精製した。28.5分に溶出する主生成物ピークを凍結乾燥することにより、標記化合物を無色の固体(61.3mg,19.6%;HPLC純度,100%)として得た。MS:m/e 537.0[(M-Boc-2(t-Bu)+2H](100%),565.2[(M-Boc-(t-Bu))+2H](45%),593.2[(M-Boc)+2H](30%),654.2[(M+Na)+2H](65%),1285.2[M+H](95%),1307.1[M+Na](25%)。
パートC−4−(N−{6−[(6−{[(1E)−1−アザ−2−(2−スルホフェニル)ビニル]アミノ}(3−ピリジル))カルボニルアミノ]ヘキシル}カルバモイル)(4S)−4−[(2S)−2−((2S)−2−{(2S)−2−[(2S)−2−(2−{(2S)−2−[((2S)−1−アセチルピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}−アセチルアミノ)−4−フェニルブタノイルアミノ]−5−アミノペンタノイルアミノ}−4−メチルペンタノイルアミノ)−4−カルボキシブタノイルアミノ]ブタン酸ビスアンモニウム塩の製造
Figure 2007504242
パートBの生成物(20.2mg,0.0157mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(20μL,0.0785mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(7mL)溶液を、HOAt(2.15mg,0.0157mmol)および2−[(1E)−2−アザ−2−({5−[(2,5−ジオキソピロリジニル)オキシカルボニル](2−ピリジル)}アミノ)ビニル]ベンゼンスルホン酸ナトリウム(6.9mg,0.0157mmol)で処理した。得られた溶液を窒素下に周囲温度で撹拌した。5時間時点で、HOAt(2.15mg,0.0157mmol)および2−[(1E)−2−アザ−2−({5−[(2,5−ジオキソピロリジニル)オキシカルボニル](2−ピリジル)}アミノ)ビニル]ベンゼンスルホン酸ナトリウム(6.9mg,0.0157mmol)を反応槽に追加した。合計30時間撹拌した後、N,N−ジメチルホルムアミドを減圧下で除去したところ、緑色油状物が生じ、それをエーテル(2mL×4)でトリチュレートすることにより、粉末状の緑色固体を得た。この固体をトリフルオロ酢酸/Et3SiH(97:3)に溶解し、窒素下に40℃で30分間撹拌した。溶液を濃縮し、得られた油状物を、フェノメネックスジュピターC18カラム(21.2×250mm)でのHPLCにより、100mMの酢酸アンモニウムを含有する5.85→50.85%アセトニトリルの1.12%/分グラジエント(流量20mL/分)を使って精製した。29.0分に溶出する主生成物ピークを凍結乾燥することにより、所望の化合物(12.1mg,56.0%)をHPLC純度99.2%の無色の固体として得た。MS:m/e 688.8[M+2H](100%),1375.8[M+H](30%);高分解能MS:計算値(C65H95N14O17S[M+H]として):1375.6715,実測値:1375.6704。
実施例6
2−{(1E)−2−[(5−{N−[2−({4−[((2S)−2−アミノ−4−メチルペンタノイルアミノ)アミノ]フェニル}カルボニルアミノ)エチル]カルバモイル}(2−ピリジル))アミノ]−2−アザビニル}ベンゼンスルホン酸の合成
Figure 2007504242
パートA−(4−{[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]アミノ}フェニル)−N−{2−[(フェニルメトキシ)カルボニルアミノ]エチル}カルボキサミドの製造
Figure 2007504242
4−[2−(tert−ブトキシカルボニル)ヒドラジノ]安息香酸(Schwartz,D.A.ら;Bioconj. Chem.,1991,2,333-336)(1.8g,7.29mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(2.0mL,11.5mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(8mL)に溶解し、窒素下に室温で撹拌した。その溶液をPyBroP(3.4g,7.29mmol)およびN−(2−アミノエチル)−カルバミン酸ベンジル塩酸塩(1.68g,7.29mmol)で処理した。2時間時点で、PyBroP(0.34g,0.729mmol)およびN−(2−アミノエチル)カルバミン酸ベンジル塩酸塩(0.17g,0.729mmol)を反応溶液に追加した。6時間時点で、PyBroP(0.68g,1.46mmol)およびN−(2−アミノエチル)カルバミン酸ベンジル塩酸塩(0.34g,1.46mmol)を追加した。その溶液を合計8時間撹拌し、減圧下で濃縮することにより、暗琥珀色油状物を得た。粗生成物を結晶化(エーテル)することにより、標記化合物2.08g(66.8%)を、LC/MSで純度100%の無色の固体として得た。MS:m/e 429.3[M+H](100%)。
パートB−2−[(1E)−2−({5−[N−(2−{[4−({(2S)−2−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}アミノ)フェニル]カルボニルアミノ}エチル)カルバモイル](2−ピリジル)}アミノ)−2−アザビニル]ベンゼンスルホン酸の製造
Figure 2007504242
パートAの生成物(405.9mg,0.95mmol)をトリフルオロ酢酸/ジクロロメタン(1:1,10mL)に溶解し、窒素下に周囲温度で10分間反応させた。その溶液を濃縮して金色油状物にし、それをN,N−ジメチルホルムアミド(3mL)中に取り出した。この溶液をN,N−ジメチルホルムアミド中のBoc−ロイシン水和物(550mg,2.19mmol,ノババイオケム社)、HBTU(664mg,1.75mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(1.78mL,10.22mmol)に加え、周囲温度で30分間撹拌した。N,N−ジメチルホルムアミドを減圧下で除去し、得られた琥珀色油状物を、フェノメネックスジュピターカラム(41.4×250mm)でのHPLCにより、0.1%トリフルオロ酢酸を含有する29.7→49.5%アセトニトリルの0.66%/分グラジエント(流量80mL/分)を使って精製した。23.0分に溶出する主生成物ピークを凍結乾燥することにより、標記化合物(334.2mg,62.1%)を、HPLC純度100%の無色の固体として得た。MS:m/e 442.5[M+H-Boc](15%);486.6[M+H-(t-Bu)](60%);542.5[M+H](23%);1084.1[2M+H](100%);1106.1[2M+Na}(25%)。
パートC−(2S)−N−({4−[N−(2−アミノエチル)カルバモイル]フェニル}アミノ)−2−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタンアミドの製造
Figure 2007504242
パートBの生成物(291.2mg,0.538mmol)をエタノール(25mL)中、20%Pd/C(60mg)、60psiで20時間、水素化分解した。セライト(登録商標)濾過によって触媒を除去し、濾液を濃縮したところ、油性固形物を得た。この油状物をアセトニトリル:水(1:1,30mL)に取り出し、凍結乾燥することにより、標記化合物を、HPLC純度87.9%の無色の薄片状固体(231.6mg,収率105.7%)として得た。MS:m/e 352.5[M+H-(t-Bu)](42%);408.6[M+H](100%);815.8[2M+H](25%)。
パートD−2−{(1E)−2−[(5−{N−[2−({4−[((2S)−2−アミノ−4−メチルペンタノイルアミノ)アミノ]フェニル}カルボニルアミノ)エチル]カルバモイル}(2−ピリジル))アミノ]−2−アザビニル}ベンゼンスルホン酸の製造
Figure 2007504242
パートCの生成物(50.0mg,0.123mmol)、2−[(1E)−2−アザ−2−({5−[(2,5−ジオキソピロリジニル)オキシカルボニル](2−ピリジル)}アミノ)ビニル]ベンゼンスルホン酸ナトリウム(54.2mg,0.123mmol)、HOAt(16.9mg,0.123mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(120μL,0.615mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(5mL)溶液を窒素下に周囲温度で3時間撹拌した。N,N−ジメチルホルムアミドを減圧下で除去したところ、琥珀色の油状物を得た。それを0.1M HCl(5mL×2)でトリチュレートし、水(5mL×3)で洗浄することにより、黄褐色固体を得た。この固体をトリフルオロ酢酸/ジクロロメタン(1:1,7mL)に溶解し、窒素下に周囲温度で10分間反応させた。溶液を減圧下で濃縮し、得られた琥珀色油状物を、フェノメネックスジュピターC18カラム(21.2×250mm)でのHPLCにより、0.1%トリフルオロ酢酸を含有する0→27%アセトニトリルの0.675%/分グラジエント(20mL/分)を使って精製した。28.5分に溶出する主生成物ピークを凍結乾燥することにより、標記化合物57.4mg(72.0%)をHPLC純度100%の無色の固体として得た。1H NMR(DMSO d-6):δ 10.33(s,1H)、9.17(ブロードs,1H)、8.72-8.02(m,7H)、7.83-7.69(m,3H)、7.43-7.31(m,2H)、7.22(d,J=9.0Hz,1H)、6.76(d,J=8.8Hz,2H)、3.82(s,1H)、3.42(s,4H)、1.74-1.50(m,3H)、1.01-0.73(m,6H);MS:m/e 611.6[M+H](100%);1222.1[2M+H](20%);高分解能MS:計算値(C31H45N4O10S[M+H]として):611.2395,実測値:611.2386。
実施例7
2−[2−({5−[N−((2S)−2−アミノ−4−メチルペンタノイルアミノ)カルバモイル](2−ピリジル)}アミノ)(1Z)−2−アザビニル]ベンゼンスルホン酸の合成
Figure 2007504242
パートA−2−{(1Z)−2−アザ−2−[(5−{N−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]カルバモイル}(2−ピリジル))アミノ]ビニル}ベンゼンスルホン酸の製造
Figure 2007504242
カルバジン酸t−ブチル(0.30g,2.27mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(1.9mL,11.35mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(5mL)溶液をHOAt(0.31g,2.27mmol)および2−[(1E)−2−アザ−2−({5−[(2,5−ジオキソピロリジニル)オキシカルボニル](2−ピリジル)}アミノ)ビニル]ベンゼンスルホン酸ナトリウム(1.00g,2.27mmol)で処理し、窒素下に周囲温度で撹拌した。カルバジン酸t−ブチル(0.454mmol)を27時間時点で追加し、45時間時点で再び追加した。70時間時点で、減圧によってN,N−ジメチルホルムアミドを除去したところ、琥珀色油状物を得た。それをアセトニトリル/水(1:1)に溶解し、凍結乾燥することにより、粘着性の黄色固体を得た。この固体を0.1M HCl(25mL×2)でトリチュレートし、水(15mL×3)で洗浄し、減圧下に硫酸カルシウム上で乾燥することにより、HPLC純度87.8%の所期生成物0.961g(97%)を得た。MS:m/e 436.5[M+H](100%),871.7[2M+H](100%),1307.0[3M+H](30%)。
パートB−2−(2−{[5−(N−{(2S)−2−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}カルバモイル)(2−ピリジル)]アミノ}(1Z)−2−アザビニル)ベンゼンスルホン酸の製造
Figure 2007504242
上記パートAの生成物(900mg,2.07mmol)をトリフルオロ酢酸/ジクロロメタン(1:1,15mL)に溶解し、周囲温度で10分間反応させた。その溶液を減圧下で濃縮したところ金色の油状物が生じ、それをN,N−ジメチルホルムアミド(7mL)に取り出した。この溶液をBoc−ロイシン水和物(770mg,3.1mmol,ノババイオケム社)、HBTU(940mg,2.47mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(4.3mL,25mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液に加え、周囲温度で30分間撹拌した。N,N−ジメチルホルムアミドを減圧下で除去し、得られた琥珀色油状物を0.1M HCl(20mL×2)でトリチュレートし、水(20mL×3)で洗浄し、減圧下に硫酸カルシウム上で乾燥することにより、HPLC純度76.43%の所望生成物1.25g(111%)を得た。MS:m/e 449.5[M+H-Boc](100%),493.5[M+H-(t-Bu)](35%),1097.9[2M+H](45%)。
パートC−2−[2−({5−[N−((2S)−2−アミノ−4−メチルペンタノイルアミノ)カルバモイル](2−ピリジル)}アミノ)(1Z)−2−アザビニル]ベンゼンスルホン酸の製造
Figure 2007504242
上記パートBで得た生成物(100mg,0.182mmol)をトリフルオロ酢酸/ジクロロメタン(1:1,6mL)に溶解し、10分間反応させた。溶媒を減圧下で除去し、得られた琥珀色油状物を、フェノメネックスジュピターカラム(21.4×250mm)でのHPLCにより、0.1%トリフルオロ酢酸を含有する4.5→18%アセトニトリルの0.45%/分グラジエント(流量80mL/分)を使って精製した。23.0分に溶出する主生成物ピークを凍結乾燥することにより、標記化合物(30.4mg,37.5%)をHPLC純度100%の無色の固体として得た。1H NMR(DMSO d-6):δ 10.53(s,1H)、9.14(s,1H)、8.62(s,1H)、8.34-8.00(m,4H)、7.79(d,J=7.62Hz,1H)、7.46-7.30(m,2H)、7.27(d,J=8.94Hz,1H)、3.86(s,1H)、1.89-1.54(m,3H)、1.02-0.82(m,6H);MS:m/e 336.3[M+H-Leu](20%);449.4[M+H](100%);高分解能MS:計算値(C19H24N6O5S[M+H]として):449.1602,実測値:449.1586。
実施例8
2−[(1E)−2−({5−[N−({4−[N−((2S)−2−アミノ−4−メチルペンタノイルアミノ)カルバモイル]フェニル}メチル)カルバモイル](2−ピリジル)}アミノ)−2−アザビニル]ベンゼンスルホン酸の合成
Figure 2007504242
パートA−N−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ](4−{[(フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニルアミノ]メチル}フェニル)カルボキサミドの製造
Figure 2007504242
Fmoc−Amb−OH(2.50g,6.7mmol)、HOBt(1.11g,7.3mmol)、HBTU(2.77g,7.3mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(3mL,17.2mmol)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)溶液を窒素下に周囲温度で20分間撹拌し、カルバジン酸t−ブチル(0.74g,5.6mmol)で処理した。さらに2時間経ってから、反応系を酢酸エチル(50mL)で希釈し、0.1N HCl(30mL×3)、0.1N NaOH(30mL)、水(30mL)で順次洗浄し、MgSO4で乾燥し、蒸発乾固した。得られた黄色固体を酢酸エチル/ヘキサン類から再結晶することにより、標記化合物を無色の固体(2.37g,87%)として得た。1H NMR(CDCl3):δ 8.15(bs,1H)、7.79-7.51(m,6H)、7.45-7.20(m,6H)、6.85(bs,1H)、5.18(s,1H)、4.57-4.45(m,2H)、4.45-4.12(m,2H)、1.49(s,9H);13C NMR(CDCl3):δ 166.8,156.6,155.8,143.8,143.2,141.4,130.6,127.8,127.7,127.5,127.0,124.9,120.0,82.5,66.8,47.3,44.6,28.1;MS:m/e 388.5[M-Boc+H];高分解能MS:計算値(C23H21N3O3[M-Boc+H]として):388.1656,実測値:388.1643。
パートB−[4−(アミノメチル)フェニル]−N−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]カルボキサミドの製造
Figure 2007504242
パートAの生成物(0.80g,1.6mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド中の20%ピペリジン(2mL)で、窒素下に室温で20分間処理した。N,N−ジメチルホルムアミドを減圧下で除去し、残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィーにかけて、CHCl3/メタノール(9:1)、CHCl3/メタノール(8:1)、CHCl3/メタノール(4:1)、および100%メタノールで溶出させることにより、標記化合物を無色の粘性油状物(0.32g,74%)として得た。MS:m/e 166.3[M-Boc+H]。
パートC−2−{(1E)−2−アザ−2−[(5−{N−[(4−{N−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]カルバモイル}フェニル)メチル]カルバモイル}(2−ピリジル))アミノ]ビニル}ベンゼンスルホン酸の製造
Figure 2007504242
パートBの生成物(0.309g,1.2mmol)、2−[(1E)−2−アザ−2−({5−[(2,5−ジオキソピロリジニル)オキシカルボニル](2−ピリジル)}アミノ)ビニル]ベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.513g,1.2mmol)、HOAt(0.159g,1.2mmol)、およびジイソプロピルエチルアミン(0.3mL,1.7mmol)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(2mL)溶液を、窒素下に室温で18時間撹拌した。反応系を10mLの0.1N HClで希釈した。得られた固体を濾過によって集め、0.1N HClで洗浄した後、水(10mL×3)で洗浄し、乾燥することにより、標記化合物を無色の固体(0.625g,95%,HPLC純度>95%)として得た。MS:m/e 469.1[M+H]。
パートD−2−((1E)−2−{[5−(N−{[4−(N−アミノカルバモイル)フェニル]メチル}カルバモイル)(2−ピリジル)]アミノ}−2−アザビニル)ベンゼンスルホン酸ナトリウムの製造
Figure 2007504242
パートCの生成物(0.22g,0.4mmol)を、ジクロロメタン中の50%トリフルオロ酢酸(6mL)で、窒素下に周囲温度で10分間処理した。溶媒を減圧下で除去することにより、無色の固体を得た。得られた固体を、フェノメネックスルナC18(2)カラム(41.4×250mm)でのHPLCにより、0.1M NaOAc(pH7)を含有する9→36%アセトニトリルの1%/分グラジエント(流量80mL/分)を使って精製した。15分に溶出する主生成物ピークを、フェノメネックスルナC18(2)カラム(41.4×250mm)で、アセトニトリル濃度が5.4%になるように水で希釈し、ポンプでカラム上に送出することにより、脱塩した。そのカラムを、流量80mL/分の5.4%アセトニトリルで10分間、定組成的に溶出した後、5.4→45%アセトニトリルの2.2%/分グラジエント(流量80mL/分)で溶出した。15分に溶出する主生成物ピークを凍結乾燥することにより、標記化合物を無色の固体(0.14g,78%)として得た。MS:m/e 469.1[M+H]。
パートE−2−((1E)−2−{[5−(N−{[4−(N−{(2S)−2−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}カルバモイル)フェニル]メチル}カルバモイル)(2−ピリジル)]アミノ}−2−アザビニル)ベンゼンスルホン酸の製造
Figure 2007504242
Boc−Leu−OH(0.130g,0.5mmol)、HOBt(0.078g,0.5mmol)、HBTU(0.190g,0.5mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.149mL,0.5mmol)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(2mL)溶液を窒素下に周囲温度で20分間撹拌し、パートDの生成物(0.200g,0.4mmol)で処理した。その溶液を周囲温度で4時間撹拌し、0.1N HCl(15mL)で希釈した。得られた沈殿物を濾過によって集め、0.1N HCl(10mL×2)および水(15mL×3)で順次洗浄し、乾燥することにより、標記化合物を無色の固体(0.11g,38%)として得た。1H NMR(CD3CN:DMSO-d6,2:1):δ 13.04(bs,1H)、10.12(s,1H)、9.71(s,1H)、9.41(s,1H)、9.09(s,1H)、8.52(s,1H)、8.36(d,J=9.0Hz,1H)、8.28(d,J=6.9Hz,1H)、7.89-7.87(m,1H)、7.84(d,J=8.13Hz,2H)、7.49-7.44(m,2H)、7.42(d,J=8.13Hz,2H)、7.20(d,J=8.90Hz,1H)、6.45(d,J=8.90Hz,1H)、4.56(d,J=5.8Hz,2H)、4.14(q,J=7.9Hz,1H)、1.68-1.73(m,1H)、1.52(t,J=7.3Hz,2H)、1.39(s,9H)、0.97-0.86(m,6H);13C NMR(CD3CN:DMSO-d6,2:1):δ 173.3,166.6,156.5,148.6,144.2,132.5,130.9,129.9,128.7,128.3,127.9,127.4,122.1,79.4,52.7,43.7,42.2,28.8,25.3,23.5,22.2;MS:m/e 582.2[M-Boc+H]。
パートF−2−[(1E)−2−({5−[N−({4−[N−((2S)−2−アミノ−4−メチルペンタノイルアミノ)カルバモイル]フェニル}メチル)カルバモイル](2−ピリジル)}アミノ)−2−アザビニル]ベンゼンスルホン酸の製造
Figure 2007504242
パートEの生成物(0.11g,0.2mmol)を、ジクロロメタン中の50%トリフルオロ酢酸(8mL)で、窒素下に周囲温度で10分間処理した。その溶液を濃縮し、得られた無色の粘性油状物を、フェノメネックスジュピターC18カラム(21.2×250mm)でのHPLCにより、0.1%トリフルオロ酢酸を含有する9→45%アセトニトリルの1.2%/分グラジエント(流量20mL/分)を使って精製した。12.9分に溶出する主生成物ピークを凍結乾燥することにより、標記化合物を無色の固体(51mg,収率57%,HPLC純度100%)として得た。1H NMR(DMSO-d6):δ 10.56(s,1H)、10.53(s,1H)、9.20(bs,2H)、8.61(s,1H)、8.40-8.06(m,5H)、7.86(d,J=8.2Hz,2H)、7.80(d,J=6.7Hz,1H)、7.46(d,J=8.2Hz,2H)、7.44-7.34(m,2H)、7.25(d,J=9.1Hz,1H)、4.55(d,J=8.6Hz,2H)、1.85-1.77(m,1H)、1.72-1.63(m,1H)、1.63-1.52(m,1H)、0.94(q,J=6.0Hz,6H);MS:m/e 582.6[M+H];高分解能MS:計算値(C27H31N7O6S[M+H]として):582.2129,実測値:582.2146。
実施例9
N−((2S)−2−アミノ−4−メチルペンタノイルアミノ)−6−[(7−メトキシ−2−オキソ(2H−クロメン−3−イル))カルボニルアミノ]ヘキサンアミドの合成
Figure 2007504242
パートA−(2S)−N−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]−2−[(フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタンアミド
Figure 2007504242
Fmoc−Leu−OH(0.50g,1.4mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.62mL,3.5mmol)の無水THF(10mL)溶液を、クロロギ酸イソブチル(0.18mL,1.5mmol)で処理し、窒素下に0℃で15分間撹拌した。カルバジン酸t−ブチル(0.19g,1.4mmol)の無水THF(5mL)溶液を加え、反応系を窒素下に周囲温度で16時間撹拌した。反応系を酢酸エチル(25mL)で希釈し、0.1N HCl(25mL)、飽和NaHCO3(25mL)、0.1N NaOH(25mL×2)、水(25mL)、および食塩水(25mL)で順次洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濃縮することにより、標記化合物を無色の粘性油状物(0.44g,66%,HPLC純度100%)として得た。1H NMR(CD3CN):δ 8.17(s,1H)、7.85(d,J=7.51Hz,2H)、7.72-7.65(m,2H)、7.43(t,J=7.51Hz,2H)、7.39-7.32(m,2H)、6.93(s,1H)、5.90(d,J=7.8Hz,1H)、4.41-4.21(m,3H)、4.17-4.06(m,1H)、1.74-1.63(m,1H)、1.59-1.50(m,2H)、1.42(s,9H)、1.00-0.81(m,6H);13C NMR(CD3CN):δ 173.3,157.2,156.3,145.3,145.2,142.3,129.0,128.2,81.4,67.4,53.2,48.2,41.9,28.5,25.5,23.4,21.9;MS:m/e 468.1[M+H]。
パートB−(2S)−N−アミノ−2−[(フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタンアミドトリフルオロ酢酸塩の製造
Figure 2007504242
パートAの生成物(0.44g,0.9mmol)を、ジクロロメタン中の50%トリフルオロ酢酸(10mL)で、窒素下に室温で10分間処理した。その溶液を濃縮することにより、標記化合物を淡黄色の粘性油状物(0.47g,収率138%,HPLC純度100%)として得た。1H NMR(CD3CN):δ 7.84(d,J=7.51Hz,2H)、7.68(t,J=6.93Hz,2H)、7.43(t,J=7.51Hz,2H)、7.38-7.31(m,2H)、5.96(s,1H)、5.78(bs,2H)、1.76-1.49(m,3H)、1.02-0.79(m,6H);MS:m/e 368.3[M+H]。
パートC−N−{(2S)−2−[(フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}−6−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]ヘキサンアミドの製造
Figure 2007504242
Boc−Ahx−OH(0.15g,0.6mmol)、HOBt(0.11g,0.7mmol)、HBTU(0.27g,0.7mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(3mL,17.2mmol)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)溶液を窒素下に周囲温度で10分間撹拌し、パートBの生成物(0.2g,0.5mmol)で処理した。反応系を1時間撹拌し、酢酸エチル(15mL)で希釈し、0.1N HCl(15mL)、0.1N NaOH(15mL×2)、水(15mL)、および食塩水(15mL)で順次洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濃縮することにより、標記化合物を無色の固体(0.28g,87%)として得た。MS:m/e 481.4[M-Boc+H]。
パートD−N−{(2S)−2−[(フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}−6−アミノヘキサンアミドトリフルオロ酢酸塩の製造
Figure 2007504242
パートCの生成物(0.28g,0.5mmol)を、ジクロロメタン中の50%トリフルオロ酢酸(12mL)で、窒素下に周囲温度で10分間処理した。その溶液を減圧下で濃縮し、残渣をエーテル(3mL)でトリチュレートすることにより、無色の固体(0.26g,113%)を得た。1H NMR(CD3CN):δ 8.76-8.49(m,1H)、7.85(d,J=7.5Hz,2H)、7.73-7.64(m,2H)、7.43(t,J=7.5Hz,2H)、7.38-7.33(m,2H)、7.05(bs,2H)、4.41-4.12(m,4H)、2.96(t,J=7.0Hz,2H)、2.22(t,J=6.8Hz,2H)、1.76-1.35(m,11H)、1.00-0.81(m,6H);MS:m/e 481.4[M+H]。
パートE−N−{(2S)−2−[(フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}−6−[(7−メトキシ−2−オキソ(2H−クロメン−3−イル))カルボニルアミノ]ヘキサンアミドの製造
Figure 2007504242
7−メトキシクマリン−3−カルボン酸(0.022g,0.1mmol)、HOBt(0.015g,0.1mmol)、HBTU(0.038g,0.1mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.03mL,0.2mmol)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(0.5mL)溶液を窒素下に室温で10分間撹拌し、パートDの生成物(0.040g,0.08mmol)で処理した。その溶液を周囲温度で4時間撹拌し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をCH2Cl2(3mL)およびTHF(3mL)で洗浄し、乾燥することにより、標記化合物を帯黄色固体(0.031g,55%)として得た。MS:m/e 683.7[M+H]。
パートF−N−((2S)−2−アミノ−4−メチルペンタノイルアミノ)−6−[(7−メトキシ−2−オキソ(2H−クロメン−3−イル))カルボニルアミノ]ヘキサンアミドトリフルオロ酢酸塩の製造
Figure 2007504242
パートEの生成物(0.020g,0.03mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド中の20%ピペリジン(1mL)で、窒素下に室温で20分間処理した。N,N−ジメチルホルムアミドを減圧下で除去し、残渣をフェノメネックスジュピターC18カラム(21.2×250mm)でのHPLCにより、0.1%トリフルオロ酢酸を含有する4.5→45%アセトニトリルの1.35%/分グラジエント(流量20mL/分)を使って精製した。23.4分に溶出する主生成物ピークを凍結乾燥することにより、標記化合物を無色の固体(0.012g,89%)として得た。1H NMR(CDCl3):δ 10.32-9.55(m,1H)、8.95(s,1H)、8.83(s,1H)、8.25(bs,1H)、7.65-7.58(m,1H)、6.97-6.81(m,2H)、4.34(s,1H)、3.89(s,3H)、3.86-3.30(m,5H)、2.34(s,1H)、1.88-1.53(m,7H)、1.45-1.35(m,2H)、1.00-0.78(m,6H);MS:m/e 461.5[M+H];高分解能MS:計算値(C23H32N4O6[M+H]として):461.2395,実測値:461.2391。
実施例10
2−[(1E)−2−({5−[N−({4−[N−((2S)−2−{(2S)−2−[(2S)−2−(2−{(2S)−2−[((2S)−1−アセチルピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}アセチルアミノ)−4−フェニルブタノイルアミノ]−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノイルアミノ}−4−メチルペンタノイルアミノ)カルバモイル]フェニル}メチル)カルバモイル](2−ピリジル)}アミノ)−2−アザビニル]ベンゼンスルホン酸アンモニウムの合成
Figure 2007504242
パートA−Fmoc−PLG−Hphe−Y(t−Bu)−L−HMPB−BHAレジンの製造
HMPB−BHAレジン(5.00g,置換レベル=0.61mmol/g)を100mLのアドバンスドケムテック反応槽に入れ、N,N−ジメチルホルムアミド(40mL×2)で洗浄することによって膨潤させた。N,N−ジメチルホルムアミド(35mL)中のFmoc−Leu−OH(3.23g,9.15mmol)を加え、レジンを室温で15分間混合した。ピリジン(1.09g,13.73mmol)および塩化2,6−ジクロロベンゾイル(1.92g,9.15mmol)を加え、その混合物を20時間穏やかに振とうした。レジンを、N,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、ジクロロメタン(3回)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(3回)で、十分に洗浄した(各40mL)。ジクロロメタン(40mL)中で塩化ベンゾイル(1.5mL)およびピリジン(1.5mL)と2時間反応させることにより、レジンの残存ヒドロキシル基をキャッピングした。定量的フルベン−ピペリジンアッセイにより、置換レベルは0.4mmol/gと決定された。
以下のステップを実行した。(ステップ1)N,N−ジメチルホルムアミド中の20%ピペリジンを使って、Fmoc基を30分間、除去した。(ステップ2)レジンを、N,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、ジクロロメタン(3回)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(3回)で、十分に洗浄した(各40mL)。(ステップ3)N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)およびジイソプロピルエチルアミン(3mL)中のFmoc−Tyr(Ot−Bu)−OH(3.68g,8mmol)、HOBt(1.22g,8mmol)、HBTU(3.03g,8mmol)をレジンに加え、反応を8時間進行させた。(ステップ4)レジンを、N,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、ジクロロメタン(3回)、N,N−ジメチルホルムアミド(3回)で、十分に洗浄した(各40ml)。(ステップ5)N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)およびジイソプロピルエチルアミン(3mL)中のFmoc−Tyr(Ot−Bu)−OH(3.68g,8mmol)、HOBt(1.22g,8mmol)、HBTU(3.03g,8mmol)をレジンに加え、反応を4時間進行させた。(ステップ6)レジンを、N,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、ジクロロメタン(3回)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(3回)で、十分に洗浄した(各40ml)。(ステップ7)半定量的ニンヒドリンアッセイおよび定量的ピクリン酸アッセイまたはフルベン−ピペリジンアッセイで評価したところ、カップリング反応は完了していることがわかった。Fmoc−PLG−Hphe−Y(t−Bu)−Lという配列に達するまで、ステップ1〜7を繰り返した。
パートB−Ac−PLG−Hphe−Y(t−Bu)−L−OHの製造
パートAの生成物(1g,置換レベル=0.4mmol/g)を50mLのアドバンスドケムテック反応槽に入れ、N,N−ジメチルホルムアミド(20mL×2)で洗浄することによって膨潤させた。N,N−ジメチルホルムアミド中の20%ピペリジンを使って、Fmoc基を30分間除去した。レジンを、N,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、ジクロロメタン(3回)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(3回)で、十分に洗浄した(各20mL)。酢酸無水物(0.38mL,4mmol)、およびジイソプロピルエチルアミン(0.84mL,4mmol)を加え、レジンを18時間混合した。切断した少量のペプチドをLC/MSにかけて評価することにより、反応は完了したことがわかった。
ペプチド−レジンを焼結ガラス漏斗に入れ、ジクロロメタン中の1%トリフルオロ酢酸(10mL)で処理した。2分後に、その溶液を、10%ピリジン−メタノール溶液(2mL)中に直接、加圧濾過した。この切断ステップを9回繰り返した。合わせた濾液を体積が元の5%になるまで濃縮し、水(15mL)で希釈し、氷水浴で冷却した。得られた沈殿物を濾過によって焼結ガラス漏斗中に集め、水で洗浄し、減圧下で乾燥した。フェノメネックスジュピターC18カラム(41.2×250mm)でのHPLCにより、0.1%トリフルオロ酢酸を含有する45→81%アセトニトリルの1.2%/分グラジエントを使って、精製を行なったところ、標記化合物を無色の固体(0.103g,総収率31%,HPLC純度100%)として得た。MS:m/e 821.8[M+H](100%);FT−MS:計算値(C44H64N6O9[M+H]として):821.4808,実測値:821.4792。
パートC−2−[(1E)−2−({5−[N−({4−[N−((2S)−2−{(2S)−2−[(2S)−2−(2−{(2S)−2−[((2S)−1−アセチルピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}アセチルアミノ)−4−フェニルブタノイルアミノ]−3−[4−(tert−ブトキシ)フェニル]プロパノイルアミノ}−4−メチルペンタノイルアミノ)カルバモイル]フェニル}メチル)カルバモイル](2−ピリジル)}アミノ)−2−アザビニル]ベンゼンスルホン酸アンモニウムの製造
Figure 2007504242
上記パートBの生成物(5.0mg,0.006mmol)、および実施例8・パートDの生成物(2.9mg,0.006mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド(60μL)に溶解し、コリジン(0.8μL,0.006mmol)で塩基性にした。その溶液をHOAt(1.7mg,0.012mmol)およびDIC(2.0μL,0.012mmol)で処理し、窒素下に室温で18時間撹拌した。N,N−ジメチルホルムアミドを減圧下で除去し、残渣を、フェノメネックスルナC18(2)カラム(21.2×250mm)でのHPLCにより、0.1M NH4OAc(pH7)を含有する36→58.5%アセトニトリルの1.12%/分グラジエント(流量20mL/分)を使って精製した。12.3分に溶出する主生成物ピークを凍結乾燥することにより、標記化合物を無色の固体(3.9mg,51%,HPLC純度100%)として得た。MS:m/e 1272.4[M+H]。L−ロイシンのキラル分析:99.6%。
パートD−2−[(1E)−2−({5−[N−({4−[N−((2S)−2−{(2S)−2−[(2S)−2−(2−{(2S)−2−[((2S)−1−アセチルピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}アセチルアミノ)−4−フェニルブタノイルアミノ]−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノイルアミノ}−4−メチルペンタノイルアミノ)カルバモイル]フェニル}メチル)カルバモイル](2−ピリジル)}アミノ)−2−アザビニル]ベンゼンスルホン酸アンモニウムの製造
Figure 2007504242
パートCの生成物(6.9mg,0.005mmol)をトリフルオロ酢酸:アニソール:水(95:2.5:2.5,2mL)に溶解し、窒素下に室温で10分間撹拌した。その溶液を減圧下で濃縮し、得られた残渣を、フェノメネックスルナC18(2)カラム(21.2×250mm)でのHPLCにより、0.05M NH4OAc(pH7)を含有する22.5→45%アセトニトリルの0.9%/分グラジエント(流量20mL/分)を使って精製した。21.9分に溶出する主生成物ピークを凍結乾燥することにより、標記化合物を無色の固体(1mg,15%,HPLC純度100%)として得た。MS:m/e 1215.3[M+H];高分解能MS:計算値(C61H74N12O13S[M+H]として):1215.5292,実測値:1215.5285。L−ロイシンのキラル分析:99.8%。
実施例11
2−((1E)−2−{[5−(N−{[4−(N−{(2S)−2−[(2S)−2−(2−{(2S)−2−[((2S)−1−アセチルピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−5−アミノペンタノイルアミノ}アセチルアミノ)−4−フェニルブタノイルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}カルバモイル)フェニル]メチル}カルバモイル)(2−ピリジル)]アミノ}−2−アザビニル)ベンゼンスルホン酸アンモニウムの合成
Figure 2007504242
パートA−2−((1E)−2−{[5−(N−{[4−(N−{(2S)−2−[(2S)−2−(2−{(2S)−2−[((2S)−1−アセチルピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−5−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]ペンタノイルアミノ}アセチルアミノ)−4−フェニルブタノイルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}カルバモイル)フェニル]メチル}カルバモイル)(2−ピリジル)]アミノ}−2−アザビニル)ベンゼンスルホン酸の製造
Figure 2007504242
実施例14・パートBの生成物(20.0mg,0.028mmol)、実施例8・パートDの生成物(13.3mg,0.028mmol)、およびHOAt(7.7mg,0.057mmol)のDMSO(150μL)溶液を、コリジン(3.4μL,0.028mmol)およびDIC(8.9μL,0.057mmol)で処理し、窒素下に室温で撹拌した。2時間後に、実施例8・パートDの生成物(2mg,0.004mmol)およびコリジン(7.6μL,0.063mmol)を追加した。反応系をさらに18時間撹拌し、フェノメネックスルナC18(2)カラム(21.2×250mm)でのHPLCにより、0.1%トリフルオロ酢酸を含有する31.5→45%アセトニトリルの0.45%/分グラジエント(流量20mL/分)を使って精製した。18.2分に溶出する主生成物ピークを凍結乾燥することにより、標記化合物を無色の固体(9mg,27%,HPLC純度100%)として得た。MS:m/e 1153.4[M+H]。
パートB−2−((1E)−2−{[5−(N−{[4−(N−{(2S)−2−[(2S)−2−(2−{(2S)−2−[((2S)−1−アセチルピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−5−アミノペンタノイルアミノ}アセチルアミノ)−4−フェニルブタノイルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}カルバモイル)フェニル]メチル}カルバモイル)(2−ピリジル)]アミノ}−2−アザビニル)ベンゼンスルホン酸アンモニウムの製造
Figure 2007504242
パートAの生成物(9mg,0.008mmol)のトリフルオロ酢酸:アニソール:水(95:2.5:2.5,6.0mL)溶液を窒素下に室温で10分間撹拌した。その溶液を濃縮し、得られた残渣を、フェノメネックスジュピターC18カラム(21.2×250mm)でのHPLCにより、0.1M NH4OAc(pH7)を含有する9→36%アセトニトリルの0.9%/分グラジエント(流量20mL/分)を使って精製した。29.5分に溶出する主生成物ピークを凍結乾燥することにより、標記化合物を無色の固体(5.8mg,71%,HPLC純度100%)として得た。MS:m/e 1052.4[M+H];高分解能MS:計算値(C51H64N12O11S[M+H]として):1053.4611,実測値:1053.4592;L−ロイシンのキラル分析:99.8%。
実施例12
3−(N−{2−[2−(N−{1−[N−({N−[1−(N−{1−[N−(1−{N−[(4−{[(6−{[(1E)−1−アザ−2−(2−スルホフェニル)ビニル]アミノ}(3−ピリジル))カルボニルアミノ]メチル}フェニル)カルボニルアミノ]カルバモイル}(1S)−3−メチルブチル)カルバモイル](1S)−2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル}カルバモイル)(1S)−3−フェニルプロピル]カルバモイル}メチル)カルバモイル](1S)−3−メチルブチル}カルバモイル)(2S)ピロリジニル]−2−オキソエチル}アセチルアミノ)プロパン酸の合成
Figure 2007504242
パートA−Fmoc−NGlu(Boc)−PLG−Hphe−Y(Ot−Bu)−L−HMPB−BHAレジンの製造
実施例10・パートAのペプチド−レジン(1g,置換レベル=0.4mmol/g)を50mLのアドバンスドケムテック反応槽に入れ、N,N−ジメチルホルムアミド(20mL×2)で洗浄することによって膨潤させた。N,N−ジメチルホルムアミド中の20%ピペリジン(20mL)を使ってFmoc基を30分間除去した。レジンを、N,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、ジクロロメタン(3回)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(3回)で、十分に洗浄した(各20mL)。レジンを、Fmoc−NGlu(Boc)−OH(Simon,R.J.ら,Proc. Nat. Acad. Sci.:USA 1992,89,9367-9371)(0.51g,1.2mmol)、HOBt(0.18g,1.2mmol)、HBTU(0.46g,1.2mmol)、およびジイソプロピルエチルアミン(0.68mL,4mmol)で処理し、10時間混合した。切断した少量のペプチドをLC/MSにかけて評価することにより、カップリング反応は完了したことがわかった。
パートB−Ac−NGlu(Ot−Bu)−PLG−Hphe−Y(t−Bu)−L−ONH4の製造
パートAのペプチド-レジンをN,N−ジメチルホルムアミド中の20%ピリジン(20mL)で30分間処理した。レジンを、N,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、ジクロロメタン(3回)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(3回)で、十分に洗浄した(各20mL)。酢酸無水物(0.38mL,4mmol)、およびジイソプロピルエチルアミン(0.84mL,4mmol)を加え、レジンを18時間混合した。切断した少量のペプチドをLC/MSにかけて評価することにより、カップリング反応は完了したことがわかった。
そのペプチド−レジンを焼結ガラス漏斗に入れ、ジクロロメタン中の1%トリフルオロ酢酸(10mL)で処理した。2分後に、その溶液を、10%ピリジン−メタノール溶液(2mL)中に直接、加圧濾過した。この切断ステップを3回繰り返した。合わせた濾液を濃縮し、得られた残渣を、フェノメネックスルナC18(2)カラム(41.4×250mm)でのHPLCにより、0.1M NH4OAc(pH7)を含有する36→63%アセトニトリルの0.9%/分グラジエントを使って、精製を行なったところ、標記化合物を無色の固体(0.12g,総収率30%,HPLC純度100%)として得た。MS:m/e 1006.5[M+H](100%)。
パートC−2−((1E)−2−{[5−(N−{[4−(N−{(2S)−2−[(2S)−2−((2S)−2−{2−[(2S)−2−({(2S)−1−[2−(N−{2−[(tert−ブチル)オキシカルボニル]エチル}アセチルアミノ)アセチル]ピロリジン−2−イル}カルボニルアミノ)−4−メチルペンタノイルアミノ]アセチルアミノ}−4−フェニルブタノイルアミノ)−3−[4−(tert−ブトキシ)フェニル]プロパノイルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}カルバモイル)フェニル]メチル}カルバモイル)(2−ピリジル)]アミノ}−2−アザビニル)ベンゼンスルホン酸の製造
Figure 2007504242
上記パートBの生成物(20.0mg,0.02mmol)、および実施例8・パートDの生成物(9.3mg,0.02mmol)のDMSO(100μL)溶液を、HOAt(5.4mg,0.04mmol)、コリジン(2.6μL,0.02mmol)、およびDIC(6.2μL,0.04mmol)で処理し、窒素下に室温で3時間撹拌した。実施例8・パートDで得た生成物(2mg,0.004mmol)およびコリジン(2.6μL,0.02mmol)を追加し、反応系をさらに2時間撹拌した。その溶液をフェノメネックスジュピターC18カラム(21.2×250mm)でのHPLCにより、0.1%トリフルオロ酢酸を含有する40.5→63%アセトニトリルの1%/分グラジエント(流量20mL/分)を使って精製した。22.4分に溶出する主生成物ピークを凍結乾燥することにより、標記化合物を無色の固体(0.16g,57%,HPLC純度100%)として得た。MS:m/e 1456.5[M+H]。
パートD−3−(N−{2−[2−(N−{1−[N−({N−[1−(N−{1−[N−(1−{N−[(4−{[(6−{[(1E)−1−アザ−2−(2−スルホフェニル)ビニル]アミノ}(3−ピリジル))カルボニルアミノ]メチル}フェニル)カルボニルアミノ]カルバモイル}(1S)−3−メチルブチル)カルバモイル](1S)−2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル}カルバモイル)(1S)−3−フェニルプロピル]カルバモイル}メチル)カルバモイル](1S)−3−メチルブチル}カルバモイル)(2S)ピロリジニル]−2−オキソエチル}アセチルアミノ)プロパン酸の製造
Figure 2007504242
パートAの生成物をトリフルオロ酢酸:アニソール:水(95:2.5:2.5,3mL)に溶解し、窒素下に室温で10分間撹拌した。その溶液を減圧下で濃縮し、得られた残渣を、フェノメネックスジュピターC18カラム(21.2×250mm)でのHPLCにより、0.1%トリフルオロ酢酸を含有する9→36%アセトニトリルの1%/分グラジエント(流量20mL/分)を使って精製した。28.2分に溶出する主生成物ピークを凍結乾燥することにより、標記化合物を無色の固体(2.6mg,57%,HPLC純度100%)として得た。MS:m/e 1344.4[M+H];高分解能MS:計算値(C66H81N13O16S[M+H]として):1344.5718,実測値:1344.5706;L−ロイシンのキラル分析:99.2%。
実施例13
2−((1E)−2−{[5−(N−{5−[N−((2S)−2−{(2S)−2−[(2S)−2−(2−{(2S)−2−[((2S)−1−アセチルピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}アセチルアミノ)−4−フェニルブタノイルアミノ]−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノイルアミノ}−4−メチルペンタノイルアミノ)カルバモイル]ペンチル}カルバモイル)(2−ピリジル)]アミノ}−2−アザビニル)ベンゼンスルホン酸の合成
Figure 2007504242
パートA−N−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]−6−[(フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニルアミノ]ヘキサンアミドの製造
Figure 2007504242
Fmoc−6−Ahx−OH(3.00g,8.5mmol)、HOBt(1.41g,9.2mmol)、HBTU(3.49g,9.2mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(3.45mL,19.9mmol)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(15mL)溶液を窒素下に周囲温度で20分間撹拌し、カルバジン酸t−ブチル(0.93g,7.0mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(1mL,5.8mmol)で処理した。その溶液を5時間撹拌し、酢酸エチル(15mL)で希釈し、0.1N HCl(15mL×3)、水(25mL)、および食塩水(30mL)で順次洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濃縮することにより、黄色油状物を得た。その油状物を、CH2Cl2:メタノール(95:5)を溶離液とするシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーで精製することにより、標記化合物を無色の固体(2.51g,71%,HPLC純度100%)として得た。1H NMR(CDCl3):δ 7,75(d,J=7.5Hz,2H)、7.58(d,J=7.5Hz,2H)、7.39(t,J=7.5Hz,2H)、7.37-7.28(m,3H)、6.48(s,1H)、4.95(s,1H)、4.39(d,J=6.7Hz,2H)、4.21(t,J=6.7Hz,1H)、3.17(s,2H)、2.21(t,J=7.2Hz,2H)、1.82-1.59(m,4H)、1.45(s,9H)、1.40-1.32(m,2H);13C NMR(CDCl3):δ 172.4,156.5,155.5,144.0,141.3,127.6,127.0,125.0,119.9,81.9,66.5,47.3,40.7,33.8,29.5,28.1,25.9,24.6;MS:m/e 368.3[M-Boc+H];高分解能MS:計算値(C26H33N3O5[M+H]として):468.2493,実測値:468.2485。
パートB−6−アミノ−N−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]ヘキサンアミドの製造
Figure 2007504242
パートAの生成物(1.44g,3.1mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド中の20%ピペリジン(4.0mL)で、窒素下に室温で20分間処理した。その溶液を減圧下で濃縮し、得られた固体を、メタノール、メタノール:TEA(100:3)、およびメタノール:TEA(100:6)を順次溶離液とするシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーで精製することにより、標記化合物を無色の固体(0.79g,104%)として得た。1H NMR(CDCl3):δ 4.12(bs,2H)、2.80-2.68(m,2H)、2.24(t,J=7.3Hz,2H)、1.72-1.60(m,2H)、1.58-1.46(m,2H)、1.45(s,9H)、1.43-1.33(m 2H);MS:m/e 246.3[M+H]。
パートC−2−[(1E)−2−アザ−2−({5−[N−(5−{N−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]カルバモイル}ペンチル)カルバモイル](2−ピリジル)}アミノ)ビニル]ベンゼンスルホン酸ナトリウムの製造
Figure 2007504242
パートBの生成物(0.72g,2.9mmol)、2−[(1E)−2−アザ−2−({5−[(2,5−ジオキソピロリジニル)オキシカルボニル](2−ピリジル)}アミノ)ビニル]ベンゼンスルホン酸ナトリウム(1.29g,2.9mmol)、HOAt(0.40g,2.9mmol)、およびジイソプロピルエチルアミン(1.02mL,5.9mmol)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)溶液を窒素下に室温で撹拌した。2時間後に、2−[(1E)−2−アザ−2−({5−[(2,5−ジオキソピロリジニル)オキシカルボニル](2−ピリジル)}アミノ)ビニルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.27g,0.6mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.1mL,0.6mmol)を追加し、反応系を終夜撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮した。得られた残渣を、CH2Cl2/メタノール(85:15)を溶離液とするシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーで精製することにより、標記化合物を無色の固体(0.81g,収率50%,HPLC純度>95%)として得た。1H NMR(DMSO-d6):δ 11.32(s,1H)、9.45(s,1H)、9.01(s,1H)、8.63(s,1H)、8.59(d,J=2.1Hz,1H)、8.34-8.23(m,1H)、8.08-7.97(m,2H)、7.78(dd,J=1.4,7.5Hz,1H)、7.40-7.18(m,3H)、3.28-3.17(m,2H)、2.07(t,J=7.2Hz,2H)、1.60-1.45(m,4H)、1.45-1.21(m,11H);MS:m/e 449.2[M-Boc+H]。
パートD−2−{(1E)−2−[(5−{N−[5−(N−アミノカルバモイル)ペンチル]カルバモイル}(2−ピリジル))アミノ]−2−アザビニル}ベンゼンスルホン酸の製造
Figure 2007504242
パートCの生成物(0.37g,0.7mmol)を、ジクロロメタン中の50%トリフルオロ酢酸(5mL)で、窒素下に室温で10分間処理した。その溶液を減圧下で濃縮し、残渣を、フェノメネックスジュピターC18カラム(41.4×250mm)でのHPLCにより、0.1%トリフルオロ酢酸を含有する0→27%アセトニトリルの0.9%/分グラジエント(流量80mL/分)を使って精製した。18.9分に溶出する主生成物ピークを凍結乾燥することにより、標記化合物を無色の固体(0.24g,80%)として得た。1H NMR(DMSO-d6):δ 10.75(s,1H)、9.22(s,1H)、8.64-8.54(m,1H)、8.53(d,J=1.8Hz,1H)、8.29-8.11(m,2H)、7.80(dd,J=1.9,7.0Hz,1H)、7.47-7.32(m,2H)、7.23(d,J=9.1Hz,1H)、4.50(bs,3H)、3.26(q,J=6.4Hz,2H)、2.23(t,J=7.3Hz,2H)、1.66-1.45(m,4H)、1.40-1.22(m,2H);MS:m/e 449.1[M+H]。
パートE−2−((1E)−2−{[5−(N−{5−[N−((2S)−2−{(2S)−2−[(2S)−2−(2−{(2S)−2−[((2S)−1−アセチルピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}アセチルアミノ)−4−フェニルブタノイルアミノ]−3−[4−(tert−ブトキシ)フェニル]プロパノイルアミノ}−4−メチルペンタノイルアミノ)カルバモイル]ペンチル}カルバモイル)(2−ピリジル)]アミノ}−2−アザビニル)ベンゼンスルホン酸の製造
Figure 2007504242
実施例10・パートBの生成物(20.0mg,0.024mmol)、実施例13・パートDの生成物(10.9mg,0.024mmol)、およびHOAt(6.6mg,0.048mmol)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(100μL)溶液をコリジン(11.2μL,0.084mmol)およびDIC(7.6μL,0.048mmol)で処理し、窒素下に室温で撹拌した。実施例13・パートDの生成物を、2時間時点(3mg,0.007mmol)および5時間の時点(8mg,0.018mmol)で追加した。反応系をさらに18時間撹拌し、減圧下で濃縮した。得られた残渣を、フェノメネックスルナカラム(21.2×250mm)でのHPLCにより、0.1%トリフルオロ酢酸を含有する36→54%アセトニトリルの0.67%/分グラジエント(流量20mL/分)を使って精製した。21.7分に溶出する主生成物ピークを凍結乾燥することにより、標記化合物を無色の固体(11mg,36%,HPLC純度100%)として得た。MS:m/e 1251.6[M+H]。
パートF−2−((1E)−2−{[5−(N−{5−[N−((2S)−2−{(2S)−2−[(2S)−2−(2−{(2S)−2−[((2S)−1−アセチルピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}アセチルアミノ)−4−フェニルブタノイルアミノ]−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノイルアミノ}−4−メチルペンタノイルアミノ)カルバモイル]ペンチル}カルバモイル)(2−ピリジル)]アミノ}−2−アザビニル)ベンゼンスルホン酸の製造
Figure 2007504242
パートEの生成物(11mg,0.009mmol)のトリフルオロ酢酸:アニソール:水(95:2.5:2.5、2mL)溶液を窒素下に室温で10分間撹拌した。その溶液を減圧下で濃縮し、得られた残渣を、フェノメネックスルナC18(2)カラム(21.2×250mm)でのHPLCにより、0.1%トリフルオロ酢酸を含有する31.5→45%アセトニトリルの0.5%/分グラジエントを使って精製した。15.4分に溶出する主生成物ピークを凍結乾燥することにより、標記化合物を無色の固体(3mg,29%,HPLC純度100%)として得た。MS:m/e 1195.5[M+H];高分解能MS:計算値(C59H78N12O13S[M+H]として):1195.5605,実測値:1195.5579。L−ロイシンのキラル分析:99.8%。
実施例14
2−((1E)−2−{[5−(N−{(2S)−2−[(2S)−2−(2−{(2S)−2−[((2S)−1−アセチルピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−5−アミノペンタノイルアミノ}アセチルアミノ)−4−フェニルブタノイルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}カルバモイル)(2−ピリジル)]アミノ}−2−アザビニル)ベンゼンスルホン酸アンモニウムの合成
Figure 2007504242
パートA−Fmoc−PO(Boc)G−Hphe−L−HMPB−BHAレジンの製造
HMPB−BHAレジン(2.000g,置換レベル=0.68mmol/g)を200mLのアドバンスドケムテック反応槽に入れ、N,N−ジメチルホルムアミド(50mL×2)で洗浄することによって膨潤させた。Fmoc−Leu−OH(3.60g,10.2mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(40mL)溶液を槽に加え、その混合物を15分間穏やかに撹拌した。塩化2,6−ジクロロベンゾイル(1.5mL,10.9mmol)およびピリジン(1.23mL,15.3mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)溶液を加え、その混合物を窒素下に周囲温度で15時間振とうした。レジンを、N,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(1回)、ジクロロメタン(3回)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(3回)で、洗浄した(各50mL)。N,N−ジメチルホルムアミド(50mL)中の塩化ベンゾイル(2.5mL,21.0mmol)およびピリジン(2.5mL,30.6当量)をレジンに加え、槽を窒素下で10時間振とうし、N,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(1回)、およびジクロロメタン(3回)で洗浄した(各50mL)。レジンの乾燥試料に対してフルベン−ピペリジンアッセイを行なったところ、負荷量は0.450mmol/gであることがわかった。
以下のステップを実行した。(ステップ1)N,N−ジメチルホルムアミド中の20%ピペリジン(50mL)を使って、Fmoc基を30分間、除去した。(ステップ2)レジンを、N,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、ジクロロメタン(3回)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(3回)で、洗浄した(各50mL)。(ステップ3)N,N−ジメチルホルムアミド(50mL)およびジイソプロピルエチルアミン(2mL)中のFmoc−Hphe−OH(3.01g,7.5mmol)、HOBt(1.15g,7.5mmol)、およびHBTU(2.84g,7.5mmol)をレジンに加え、反応を5時間進行させた。(ステップ4)レジンをステップ2と同様に洗浄した。(ステップ5)ステップ3およびステップ4を繰り返す。(ステップ6)定性的カイザー(Kaiser)テストにより、反応の完了を監視した。所望の配列が得られるまで、ステップ1〜6を繰り返した。
パートB−Ac−PO(Boc)G−Hphe−L−OHの製造
パートAで得た生成物(1.5g)を100mLのアドバンスドケムテック反応槽に入れ、N,N−ジメチルホルムアミド(20mL×2)で洗浄することによって膨潤させた。そのペプチド−レジンをN,N−ジメチルホルムアミド(30mL)中の20%ピペリジンで30分間処理した後、N,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、ジクロロメタン(3回)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(3回)で洗浄した(各30mL)。レジンをN,N−ジメチルホルムアミド(30mL)中の酢酸無水物(0.63mL,6.75mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(1.4mL,8.1mmol)で処理した後、N,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、およびジクロロメタン(3回)で洗浄し(各30mL)、減圧下で乾燥した。そのペプチド−レジンを焼結ガラス漏斗に入れ、1%トリフルオロ酢酸−ジクロロメタン溶液(12mL)で処理した。2分後に、その溶液を、窒素圧を加えることによって、ピリジン/メタノール(1:9,2mL)を含有するフラスコ中に直接、濾過した。この切断手順を10回繰り返した。合わせた濾液を濃縮して油性固形物を得た。この粗生成物を、フェノメネックスジュピターC18カラム(21.2×250mm)でのHPLCにより、0.1%トリフルオロ酢酸を含有する18→45%アセトニトリルの0.9%/分グラジエント(流量20mL/分)を使って精製した。28.5分に溶出する主生成物ピークを凍結乾燥することにより、標記化合物313.1mg(66.0%)をHPLC純度100%の無色の固体として得た。MS:m/e 603.7[M+H-Boc](100%)、703.8[M+H](95%)、1428.4[2M+Na]。
パートC−2−((1Z)−2−{[5−(N−アミノカルバモイル)(2−ピリジル)]アミノ}−2−アザビニル)ベンゼンスルホン酸ナトリウムの製造
Figure 2007504242
実施例7・パートAの生成物(150mg,0.344mmol)をトリフルオロ酢酸:ジクロロメタン(1:1,8mL)に溶解し、窒素ガス下に周囲温度で10分間撹拌した。その溶液を減圧下で濃縮することによって得た金色の油状物を、フェノメネックスルナC18(2)カラム(21.2×250mm)でのHPLCにより、50mM酢酸アンモニウムを含有する4.5→31.5%アセトニトリルの1.08%/分グラジエント(流量20mL/分)を使って精製した。生成物画分を凍結乾燥することによって得た無色の固体を、フェノメネックスルナC18(2)カラム(21.2×250)でのHPLCにより、100mM酢酸ナトリウムを含有する0→30%アセトニトリルの1%/分グラジエントを使って精製した。主生成物ピークを、フェノメネックスルナC18(2)カラム(21.2×250mm)で、アセトニトリル濃度が4%になるように水で希釈し、ポンプでカラム上に送出することにより、脱塩した。そのカラムを、流量20mL/分の4%アセトニトリルで15分間、定組成的に溶出した後、4→50%アセトニトリルの2.3%/分グラジエント(流量20mL/分)で溶出した。主生成物画分を凍結乾燥することにより、標記化合物をHPLC純度98.6%の無色の固体(86.3g,59.0%)として得た。MS:m/e 336.1[M+H](100%)、671.1[2M+H](75%)、1006.3[3M+H](15%)。
パートD−2−((1E)−2−{[5−(N−{(2S)−2−[(2S)−2−(2−{(2S)−2−[((2S)−1−アセチルピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−5−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]−ペンタノイルアミノ}アセチルアミノ)−4−フェニルブタノイルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}カルバモイル)(2−ピリジル)]アミノ}−2−アザビニル)ベンゼンスルホン酸の製造
Figure 2007504242
パートBの生成物(20.0mg,0.0285mmol)、パートCの生成物(9.5mg,0.0285mmol)、およびHOAt(3.9mg,0.0285mmol)のDMSO(150μL)溶液を、コリジン(16μL,0.114mmol)およびDIC(4.5μL,0.0285mmol)で処理し、窒素下に室温で撹拌した。24時間後に、反応溶液を、パートCの生成物(4.8mg,0.0143mmol)、DIC(2.3μL,0.0143mmol)およびコリジン(12μL,0.0855mmol)で追加処理した。44時間時点で、反応系を、フェノメネックスジュピターC18カラム(21.2×250mm)でのHPLCにより、0.1%トリフルオロ酢酸を含有する13.5→52.2%アセトニトリルの1.29%/分グラジエント(流量20mL/分)を使って精製した。23〜26.5分に溶出する主生成物ピークを凍結乾燥することにより、標記化合物(19.6mg,68.0%)をHPLC純度100%の無色の固体として得た。MS:m/e 460.9[M-Boc+2H](30%)、920.4[M+H-Boc](10%)、1020.4[M+H](100%)。
パートE−2−((1E)−2−{[5−(N−{(2S)−2−[(2S)−2−(2−{(2S)−2−[((2S)−1−アセチルピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−5−アミノペンタノイルアミノ}アセチルアミノ)−4−フェニルブタノイルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}カルバモイル)(2−ピリジル)]アミノ}−2−アザビニル)ベンゼンスルホン酸アンモニウムの製造
Figure 2007504242
パートDの生成物(19.0mg,0.0186mmol)をトリフルオロ酢酸:ジクロロメタン(1:1、5mL)に溶解し、窒素下に周囲温度で10分間撹拌した。その溶液を減圧下で濃縮し、得られた固体を、フェノメネックスジュピターC18カラム(21.2×250mm)でのHPLCにより、100mM酢酸アンモニウムを含有する18→36%アセトニトリルの0.45%/分グラジエント(流量20mL)を使って精製した。27分に溶出する主生成物ピークを凍結乾燥することにより、標記化合物10.9mg(60.0%)をHPLC純度100%の無色の固体として得た。MS:m/e 460.7[M+2H](100%);920.3[M+H](90%);高分解能MS:計算値(C43H58N11O10S[M+H]として):920.4083,実測値:920.4063;L−ロイシンのキラル分析:99.9%。
実施例15
3−[N−(2−{2−[N−(1−{N−[(N−{1−[N−(1−{N−[(6−{[(1E)−1−アザ−2−(2−スルホフェニル)ビニル]アミノ}(3−ピリジル))カルボニルアミノ]カルバモイル}(1S)−3−メチルブチル)カルバモイル](1S)−3−フェニルプロピル}カルバモイル)メチル]カルバモイル}(1S)−4−アミノブチル)カルバモイル](2S)ピロリジニル}−2−オキソエチル)アセチルアミノ]プロパン酸アンモニウム塩の合成
Figure 2007504242
パートA−Ac−NGlu(O−t−Bu)−PO(Boc)G−Hphe−L−OHの製造
実施例14・パートAの生成物(1.00g,置換レベル=0.5mmol/g)を200mlのアドバンスドケムテック反応槽に入れ、N,N−ジメチルホルムアミド(50mL×2)で洗浄することによって膨潤させた。以下のステップを実行した。(ステップ1)N,N−ジメチルホルムアミド中の20%ピペリジン(50mL)を使って、Fmoc基を30分間、除去した。(ステップ2)レジンを、N,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、ジクロロメタン(3回)、N,N−ジメチルホルムアミド(3回)で、洗浄した(各50mL)。(ステップ3)N,N−ジメチルホルムアミド(60mL)およびジイソプロピルエチルアミン(1mL)中のFmoc−NGlu(Ot−Bu)−OH(0.64g,1.5mmol)、HOBt(0.23g,1.5mmol)、およびHBTU(0.57g,1.5mmol)をレジンに加え、反応を10時間進行させた後、ステップ2と同様に洗浄した。(ステップ4)N,N−ジメチルホルムアミド中の20%ピペリジン(50mL)を使って、Fmoc基を30分間、除去した後、ステップ2と同様に洗浄した。(ステップ5)レジンを、N,N−ジメチルホルムアミド(60mL)中の酢酸無水物(0.3mL,5mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.81mL,6mmol)で処理し、その混合物を窒素下で18時間振とうした。レジンを、N,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(1回)、およびジクロロメタン(3回)で洗浄し(各50mL)、減圧下で乾燥した。
そのペプチド−レジンを焼結ガラス漏斗に入れ、ジクロロメタン中の1%トリフルオロ酢酸(12mL)で2分間処理した。その溶液を、窒素圧を加えることによって、ピリジン:メタノール溶液(1:9、2mL)を含有するフラスコ中に直接、濾過した。この切断手順を10回繰り返した。合わせた濾液を濃縮して油性固形物を得た。この粗生成物を、フェノメネックスジュピターC18カラム(41.4×250mm)でのHPLCにより、0.1%トリフルオロ酢酸を含有する31.5→58.5%アセトニトリルの0.9%/分グラジエント(流量80mL/分)を使って精製した。20.3分に溶出する主生成物ピークを凍結乾燥することにより、標記化合物(165.3mg,37.1%)をHPLC純度93.7%の無色の固体として得た。MS:m/e 788.4[M+H-Boc](85%)、888.5[M+H](100%)。
パートB−2−{(1E)−2−[(5−{N−[(2S)−2−((2S)−2−{2−[(2S)−2−({(2S)−1−[2−(N−{2−[(tert−ブチル)オキシカルボニル]エチル}アセチルアミノ)アセチル]ピロリジン−2−イル}カルボニルアミノ)−5−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]ペンタノイルアミノ]アセチルアミノ}−4−フェニルブタノイルアミノ)−4−メチルペンタノイルアミノ]カルバモイル}(2−ピリジル))アミノ]−2−アザビニル}ベンゼンスルホン酸アンモニウムの製造
Figure 2007504242
パートAの生成物(15.0mg,0.0169mmol)、実施例14・パートCの生成物(5.67mg,0.0169mmol)、およびHOAt(2.32mg,0.0169mmol)のDMSO(150μL)溶液をコリジン(9μL,0.0676mmol)およびDIC(2.65μL,0.0169mmol)で処理し、窒素下に室温で撹拌した。4時間後に、実施例14・パートC(2.85mg,0.0084mmol)、DIC(1.33μL,0.0084mmol)およびコリジン(4.5μL,0.0338mmol)を追加した。反応系をさらに16時間撹拌し、フェノメネックスジュピターC18カラム(21.2×250mm)でのHPLCにより、100mM酢酸アンモニウムを含有する33.8→49.5%アセトニトリルの0.52%/分グラジエント(流量20mL/分)を使って精製した。17〜22.5分に溶出する主生成物ピークを凍結乾燥することにより、標記化合物(10.6mg,52.0%)をHPLC純度100%の無色の固体として得た。MS:m/e 525.4[(M-Boc-(t-Bu))+2H](90%)、1205.4[M+H](100%)。L−ロイシンのキラル分析:95.4%。
パートC−3−[N−(2−{2−[N−(1−{N−[(N−{1−[N−(1−{N−[(6−{[(1E)−1−アザ−2−(2−スルホフェニル)ビニル]アミノ}(3−ピリジル))カルボニルアミノ]カルバモイル}(1S)−3−メチルブチル)カルバモイル](1S)−3−フェニルプロピル}カルバモイル)メチル]カルバモイル}(1S)−4−アミノブチル)カルバモイル](2S)ピロリジニル}−2−オキソエチル)アセチルアミノ]プロパン酸アンモニウム塩の製造
Figure 2007504242
パートBの生成物(9.6mg,0.008mmol)をトリフルオロ酢酸/アニソール/水(38:1:1、4mL)に溶解し、窒素下に周囲温度で10分間撹拌した。その溶液を濃縮し、得られた固体を、フェノメネックスジュピターC18カラム(21.2×250mm)でのHPLCにより、100mM酢酸アンモニウムを含有する18→36%アセトニトリルの0.45%/分グラジエント(流量20mL/分)を使って精製した。20分に溶出する主生成物ピークを凍結乾燥することにより、標記化合物5.6mg(66.7%)をHPLC純度100%の無色の固体として得た。MS:m/e 525.3[M+2H](40%);1049.4[M+H](100%);高分解能MS:計算値(C43H58N11O10S[M+H]として):1049.4509,実測値:1049.4512;L−ロイシンのキラル分析:99.5%。
実施例16
2−[(1E)−2−({5−[N−((2S)−2−{(2S)−2−[(2S)−2−(2−{(2S)−2−[((2S)−1−アセチルピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}アセチルアミノ)−4−フェニルブタノイルアミノ]−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノイルアミノ}−4−メチルペンタノイルアミノ)カルバモイル](2−ピリジル)}アミノ)−2−アザビニル]ベンゼンスルホン酸アミノの合成
Figure 2007504242
パートA−2−[(1E)−2−({5−[N−((2S)−2−{(2S)−2−[(2S)−2−(2−{(2S)−2−[((2S)−1−アセチルピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}アセチルアミノ)−4−フェニルブタノイルアミノ]−3−[4−(tert−ブトキシ)フェニル]プロパノイルアミノ}−4−メチルペンタノイルアミノ)カルバモイル](2−ピリジル)}アミノ)−2−アザビニル]ベンゼンスルホン酸の製造
Figure 2007504242
実施例10・パートBの生成物(15.0mg,0.0183mmol)、実施例14・パートCの生成物(6.12mg,0.0183mmol)、およびHOAt(2.51mg,0.0183mmol)のDMSO(150μL)溶液をコリジン(9.7μL,0.0732mmol)およびDIC(2.87μL,0.0183mmol)で処理し、窒素下に室温で撹拌した。1.5時間後に、反応混合物を実施例14・パートCの生成物(3.0mg,0.0092mmol)、DIC(1.45μL,0.0092mmol)、およびコリジン(4.9μL,0.0366mmol)で追加処理した。反応系を合計22時間撹拌し、フェノメネックスルナC18(2)カラム(21.2×250mm)でのHPLCにより、0.1%トリフルオロ酢酸を含有する36→63%アセトニトリルの0.9%/分グラジエント(流量20mL/分)を使って精製した。23.7分に溶出する主生成物ピークを凍結乾燥することにより、標記化合物(11.3mg,54.3%)をHPLC純度100%の無色の固体として得た。MS:m/e 1138.5[M+H](100%);L−ロイシンのキラル分析:98.7%。
パートB−脱保護
パートAの生成物(9.6mg,0.0084mmol)をトリフルオロ酢酸:アニソール:水(38:1:1、4mL)に溶解し、窒素下に室温で15分間撹拌した。その溶液を減圧下で濃縮し、得られた固体を、フェノメネックスジュピターC18カラム(21.2×250mm)でのHPLCにより、100mM酢酸アンモニウムを含有する22.5→49.5%アセトニトリルの0.0.9%/分グラジエント(流量20mL/分)を使って精製した。21.5分に溶出する主生成物ピークを凍結乾燥することにより、標記化合物3.1mg(34.2%)をHPLC純度100%の無色の固体として得た。MS:m/e 541.7[M+2H](25%);1082.5[M+H](100%);高分解能MS:計算値(C53H68N11O12S[M+H]として):1082.4764,実測値:1082.4762。
実施例17
2−[(1E)−2−({5−[N−({4−[N−((2S)−2−{(2S)−2−[(2S)−2−(2−{(2S)−2−[((2S)−1−アセチルピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}アセチルアミノ)−4−フェニルブタノイルアミノ]−5−アミノペンタノイルアミノ}−4−メチルペンタノイルアミノ)カルバモイル]フェニル}メチル)カルバモイル](2−ピリジル)}アミノ)−2−アザビニル]ベンゼンスルホン酸アンモニウムの合成
Figure 2007504242
パートA−Fmoc−PLG−Hphe−O(Boc)L−HMPB−BHAレジンの製造
HMPB−BHAレジン(8.000g,置換レベル=0.68mmol/g)を200mLのアドバンスドケムテック反応槽に入れ、N,N−ジメチルホルムアミド(45mL×2)で洗浄することによって膨潤させた。Fmoc−Leu−OH(5.77g,16.32mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(45mL)溶液を槽に加え、その混合物を15分間振とうした。N,N−ジメチルホルムアミド(45mL)中の塩化2,6−ジクロロベンゾイル(2.5mL,16.32mmol)およびピリジン(2.0mL,24.5mmol)を加え、その混合物を窒素下に周囲温度で18時間振とうした。レジンを、N,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(1回)、ジクロロメタン(3回)およびN,N−ジメチルホルムアミド(3回)で洗浄した(各90mL)。塩化ベンゾイル(3.0mL,26mmol)およびピリジン(3.0mL,36.7mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(90mL)溶液をレジンに加え、槽を窒素下で3時間振とうし、N,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(1回)およびジクロロメタン(3回)で洗浄した(各90mL)。レジンの乾燥試料に対してフルベン−ピペリジンアッセイを行なったところ、負荷量は0.340mmol/gであることがわかった。
以下のステップを実行した。(ステップ1)N,N−ジメチルホルムアミド中の20%ピペリジン(90mL)を使って、Fmoc基を30分間、除去した。(ステップ2)レジンを、N,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、ジクロロメタン(3回)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(3回)で、洗浄した(各90mL)。(ステップ3)N,N−ジメチルホルムアミド(90mL)およびジイソプロピルエチルアミン(2ml)中のFmoc−Orn(Boc)−OH(3.71g,8.16mmol)、HOBt(1.25g,8.16mmol)、およびHBTU(3.10g,8.16mmol)をレジンに加え、反応を5時間進行させた。(ステップ4)レジンをステップ2と同様に洗浄した。(ステップ5)N,N−ジメチルホルムアミド(90mL)およびジイソプロピルエチルアミン(2mL)中のFmoc−Orn(Boc)−OH(3.71g,8.16mmol)およびPyBroP(3.8g,8.16mmol)をレジンに加え、反応を5時間進行させた。(ステップ7)レジンをN,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、およびジクロロメタン(3回)で洗浄した。(ステップ6)反応の完了をフルベン−ピペリジンアッセイで監視した。所望の配列が得られるまでステップ1〜7を繰り返した。カップリング収率は>95%だった。
パートB−Ac−PLG−Hphe−O(Boc)L−OHの製造
パートAのペプチド−レジン(2.5g)を100mLのアドバンスドケムテック反応槽に入れ、N,N−ジメチルホルムアミド(30mL×2)で洗浄することによって膨潤させた。Fmoc基を除去するためにレジンをN,N−ジメチルホルムアミド中の20%ピペリジン(30mL)で30分間処理した後、N,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、ジクロロメタン(3回)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(3回)で洗浄した(各30mL)。酢酸無水物(0.78mL,4.2mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(0.88mL,5.0mmol)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(30mL)を加え、その混合物を穏やかに2時間撹拌した。ペプチド−レジンをN,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、およびジクロロメタン(3回)で洗浄し(各30mL)、減圧下で乾燥した。ペプチド−レジンを焼結ガラス漏斗に入れ、ジクロロメタン中の1%トリフルオロ酢酸(12mL)で2分間処理した。その溶液を、窒素圧を加えることによって、ピリジン:メタノール溶液(1:9、2mL)を含有するフラスコ中に直接、濾過した。この切断手順を10回繰り返した。合わせた濾液を濃縮して無色の油性固形物を得た。この粗生成物を水(25mL×2)でトリチュレートし、減圧下で乾燥することにより、乾燥した固体を得た。この固体を、フェノメネックスルナC18(2)カラム(21.2×250mm)でのHPLCにより、0.1%トリフルオロ酢酸を含有する22.5→58.5%アセトニトリルの0.9%/分グラジエント(流量20mL/分)を使って精製した。28.5分に溶出する主生成物ピークを凍結乾燥することにより、標記化合物(68.4mg,9.3%)をHPLC純度100%の無色の固体として得た。MS:m/e 716.6[M+H-Boc](90%),816.7[M+H](100%)。
パートC−2−[(1E)−2−({5−[N−({4−[N−((2S)−2−{(2S)−2−[(2S)−2−(2−{(2S)−2−[((2S)−1−アセチルピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}アセチルアミノ)−4−フェニルブタノイルアミノ]−5−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]ペンタノイルアミノ}−4−メチルペンタノイルアミノ)カルバモイル]フェニル}メチル)カルバモイル](2−ピリジル)}アミノ)−2−アザビニル]ベンゼンスルホン酸の製造
Figure 2007504242
パートBの生成物(15.0mg,0.0184mmol)、実施例8・パートDの生成物(8.62mg,0.0184mmol)、およびHOAt(2.52mg,0.0184mmol)のDMSO(150μL)溶液をコリジン(9.7μL,0.0736mmol)およびDIC(2.88μL,0.0184mmol)で処理し、窒素下に室温で撹拌した。5時間後に、反応溶液を、実施例8・パートDの生成物(2.16mg,0.0046mmol)、DIC(0.72μL,0.0046mmol)、およびコリジン(2.5μL,0.0184mmol)で、追加処理し、さらに15時間撹拌した。その反応系を、フェノメネックスルナC18カラム(21.2×250mm)でのHPLCにより、0.1%トリフルオロ酢酸を含有する27→54%アセトニトリルの0.9%/分グラジエント(流量20mL/分)を使って精製した。24.9分に溶出する主生成物ピークを凍結乾燥することにより、所望の化合物(14.1mg,60.0%)をHPLC純度100%の無色の固体として得た。MS:m/e 583.9[M-Boc+2H](100%),1166.5[M+H-Boc](20%),1266.5[M+H](100%);L−ロイシンのキラル分析:98.9%。
パートD−2−[(1E)−2−({5−[N−({4−[N−((2S)−2−{(2S)−2−[(2S)−2−(2−{(2S)−2−[((2S)−1−アセチルピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}アセチルアミノ)−4−フェニルブタノイルアミノ]−5−アミノペンタノイルアミノ}−4−メチルペンタノイルアミノ)カルバモイル]フェニル}メチル)カルバモイル](2−ピリジル)}アミノ)−2−アザビニル]ベンゼンスルホン酸アンモニウムの製造
Figure 2007504242
パートCの生成物(13.0mg,0.0103mmol)をトリフルオロ酢酸:ジクロロメタン(1:1、3mL)に溶解し、窒素下に周囲温度で10分間撹拌した。その溶液を減圧下で濃縮し、得られた固体を、フェノメネックスジュピターC18カラム(21.2×250mm)でのHPLCにより、100mM酢酸アンモニウムを含有する22.5→36%アセトニトリルの0.45%/分グラジエント(流量20mL/分)を使って精製した。28.0分に溶出する主生成物ピークを凍結乾燥することにより、標記化合物10.9mg(60.0%)をHPLC純度100%の無色の固体として得た。MS:m/e 584.0[M+2H](55%);1166.5[M+H](100%);高分解能MS:計算値(C57H76N13O12S[M+H]として):1166.5451,実測値:1166.5456;L−ロイシンのキラル分析:99.9%。
実施例18
アンモニウム 2−((1E)−2−{[5−(N−{[4−(N−{2−[2−(2−{2−[2−({1−[(2R)−2−(アセチルアミノ)−3−(アミノオキシスルホニル)プロパノイル](2S)ピロリジン−2−イル}カルボニルアミノ)(2S)−4−メチルペンタノイルアミノ]アセチルアミノ}(2S)−4−フェニルブタノイルアミノ)(2S)−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノイルアミノ](2S)−4−メチルペンタノイルアミノ}カルバモイル)フェニル]メチル}カルバモイル)(2−ピリジル)]アミノ}−2−アザビニル)ベンゼンスルホネートの合成
Figure 2007504242
パートA−Ac−Csa−PLG−Hphe−Y(t−Bu)L−OHの製造
実施例10・パートA(500mg、置換レベル=0.4mmol/g)からのペプチド−レジンを50mLのアドバンストケムテック反応槽に付して、N,N−ジメチルホルムアミド(2×20mL)で洗浄することによって膨張させた。以下の工程を実施した:(ステップ1)Fmoc基をN,N−ジメチルホルムアミド(20mL)中、30分間、20%のピペリジンを用いて除去した(ステップ2)。該レジンをN,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、ジクロロメタン(3回)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(3回)で洗浄した(各20mL)(ステップ3)。N,N−ジメチルホルムアミド(20mL)およびジイソプロピルエチルアミン(1mL)中、Fmoc−Csa−OH(Hubbuch, A.; Danho, W.; Zahn, H. Liebigs Ann. Chem. 1979, 776-783)(240mg、0.60mmol)、HOBt(90mg、0.60mmol)、およびHBTU(230mg、0.60mmol)をレジンおよび混合物に加え、該混合物を5時間穏やかに攪拌し、続いてステップ2のとおり洗浄した(ステップ4)。ステップ3を繰り返した(ステップ5)。Fmoc基をN,N−ジメチルホルムアミド(20mL)中、30分間、20%のピペリジンを用いて除去し、続いて、ステップ2のとおり洗浄した(ステップ5)。該ペプチド−レジンをN,N−ジメチルホルムアミド(20mL)中、無水酢酸(0.35mL、4mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.87mL、5mmol)で処理し、該混合液を窒素雰囲気下で18時間振とうした。該レジンをN,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(1回)、およびジクロロメタン(3回)で洗浄し(各20mL)、真空乾燥した。
ペプチド−レジンをガラス濾過器に付して、ジクロロメタン(10mL)中で、2分間、1%トリフルオロ酢酸で処理した。該溶液は、窒素圧を使用して、ピリジン:メタノール(1:9、2mL)を含んだフラスコに直接濾過した。解離手順を10分間繰り返した。濾液を併せて、無色の油状固体を得るために濃縮した。この残渣生成物を、0.1%トリフルオロ酢酸を含む、26.1→45.9%アセトニトリルの0.66%/分グラジエント(流量80mL/分)を用いて、フェノメネックスジュピターC18カラム(41.4×250mm)で、HPLCによって精製した。24〜28分で溶離する主生成物のピークを凍結乾燥し、チロシンからt−ブチル基を除去した標記化合物およびペプチド(51:49)の混合物(67.3mg)を得た。これらの二つの生成物の全収率は、17.0%であった。MS(保護体):m/e 972.5 [M+H](100%);MS(脱保護体):m/e 916.3 [M+H](100%)。
パートB−結合形成反応
パートA(15.0mg、0.0154mmol)の生成物、実施例8の生成物、パートD(7.3mg、0.0154mmol)、およびHOAt(2.15mg、0.0154mmol)のDMSO(150μL)溶液をコリジン(7.2μL、0.0543mmol)およびDIC(2.50μL、0.0154mmol)で処理し、窒素雰囲気下、室温で攪拌した。3時間後、該反応溶液を実施例8の付加生成物、パートD(1.83mg、0.0039mmol)、DIC(0.54μL、0.0039mmol)、およびコリジン(1.8μL、0.0154mmol)で処理し、加えて17時間攪拌した。該反応液を、0.1%トリフルオロ酢酸を含む、18→54%のアセトニトリルの0.9%/分グラジエント(流量20mL/分)を用いて、フェノメネックスルナC18(2)カラム(21.2×250mm)でHPLCによって精製した。保護生成物の結合形成体は、29.5分で溶離し、凍結乾燥して無色の個体(5.0mg)を得た。標記化合物は、19.0分に溶離し、凍結乾燥し、無色の個体を得て、さらに100mM酢酸アンモニウムを含む、18→54%のアセトニトリルの0.9%/分グラジエント(流量20mL/分)を用いて、フェノメックスジュピターC18カラム(21.2×250mm)でHPLCによって精製した。21.0分に溶離した主生成物のピークを凍結乾燥し、HPLCで100%純度の無色の固体として、標記化合物(7.1mg)(保護した結合形成体を補正し、64.5%)を得た。MS:m/e 1367.4 [M+H](100%);高分解能MS:計算値(C64H80N13O17S2)[M+H]:1366.5215、実験値:1366.5208;L−ロイシンのキラル分析:99.9%。
実施例19
2−((1E)−2−{[5−(N−{5−[N−(アセチルアミノ)カルバモイル]ペンチル}カルバモイル)(2−ピリジル)]アミノ}−2−アザビニル)ベンゼンスルホン酸の合成
Figure 2007504242
無水酢酸(10.9μL、0.12mmol)、実験13・パートDの生成物(52mg、0.12mmol)、およびHOAt(30.8mg、0.23mmol)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(0.2mL)溶液をジイソプロピルエチルアミン(100μL、0.57mmol)およびDIC(35.5μL、0.24mmol)で処理し、窒素雰囲気下、室温で3時間攪拌した。該溶液を濃縮し、生じた残渣を、0.1%トリフルオロ酢酸を含む、0→27%アセトニトリルの0.9%/分グラジエント(流量20mL/分)を用いて、フェノメネックスルナC18(2)カラム(21.2×250mm)でHPLCにより精製した。23分で溶離する主生成物のピークを凍結乾燥し、無色の固体として、標記化合物(36mg、63%、HPLC純度100%)を得た。1H NMR (DMSO-d6):δ9.72-9.60 (m, 2H), 9.32 (s, 1H), 8.66 (s, 1H), 8.50-8.43 (m, 1H), 8.42-8.19 (m, 2H), 7.85-7.73 (m, 1H), 7.53-7.36 (m, 2H), 7.20 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 3.13-3.32 (m, 2H), 2.12 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 1.83 (s, 1H), 1.63-1.42 (m, 4H), 1.41-1.22 (m, 2H); MS: m/e 491.2 [M+H]; 高分解能MS:計算値(C21H26N6O6S)[M+H]:491.1707、実験値:491.1702。
実施例20
2−((1E)−2−アザ−2−{[5−(N−{5−[N−(12−ヒドロキシドデカノイルアミノ)カルバモイル]ペンチル}カルバモイル)(2−ピリジル)]アミノ}ビニル)ベンゼンスルホン酸の合成
Figure 2007504242
12−ヒドロキシドデカノイン酸(25mg、0.12mmol)、実験13・パートDの生成物、(52mg、0.12mmol)、およびHOAt(30.8mg、0.23mmol)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(0.2mL)溶液をジイソプロピルエチルアミン(100μL、0.57mmol)およびDIC(35.5μL、0.24mmol)で処理し、窒素雰囲気下、室温で3時間攪拌した。実験13・パートDの付加生成物(8mg、0.02mmol)を加え、該反応液をさらに3時間攪拌した。該反応液を、0.1%トリフルオロ酢酸を含む、18→45%アセトニトリルの0.9%/分グラジエント(流量20mL/分)を用いて、フェノメネックスルナC18(2)カラム(21.2×250mm)で、HPLCにより精製した。21分に溶離した主生成物のピークを凍結乾燥し、無色の固体として、標記化合物(29mg、39%、HPLC純度100%)を得た。1H NMR(DMSO-d6):δ9.63 (s, 2H), 9.30 (s, 1H), 8.64 (s, 1H), 8.50-8.44 (m, 1H), 8.40-8.18 (m, 2H), 7.88-7.75 (m, 1H), 7.52-7.46 (m, 2H), 7.20 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 3.36 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 3.31-3.18 (m, 2H), 2.17-2.00 (m, 4H), 1.62-1.18 (m, 24 H); MS: m/e 647.4 [M+H]; 高分解能MS:計算値(C31H46N6O7S)[M+H]:647.3221、実験値:647.3217。
実施例21
2−((1E)−2−アザ−2−{[5−(N−{5−[N−(ドデカノイルアミノ)カルバモイル]ペンチル}カルバモイル)(2−ピリジル)]アミノ}ビニル)ベンゼンスルホン酸の合成
Figure 2007504242
ラウリル酸(23.2mg、0.12mmol)、実験13・パートDの生成物(52mg、0.12mmol)、およびHOAt(30.8mg、0.23mmol)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(0.2mL)溶液をジイソプロピルエチルアミン(100μL、0.57mmol)およびDIC(35.5μL、0.24mmol)で処理し、窒素雰囲気下、室温で2時間攪拌した。該溶液を減圧下で濃縮し、0.1%トリフルオロ酢酸を含む、31.5→49.5%アセトニトリルの0.6%/分グラジエント(流量20mL/分)条件を用いて、フェノメネックスルナC18(2)カラム(21.2×250mm)でHPLCにより精製した。31.1分で溶離した主生成物ピークを凍結乾燥し、無色固体として、標記化合物(34mg、47%、HPLC純度100%)を得た。1H NMR (DMSO-d6):δ9.63 (s, 2H), 9.30 (s, 1H), 8.64 (s, 1H), 8.50-8.43 (m, 1H), 8.40-8.18 (m, 2H), 7.85-7.75 (m, 1H), 7.50-7.36 (m, 2H), 7.20 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 3.31-3.18 (m, 2H), 2.18-2.00 (m, 4H), 1.62-1.39 (m, 6H), 1.39-1.11 (m, 18H), 0.90-0.78 (m, 3H); MS: m/e 631.3 [M+H]. 高分解能MS:計算値(C31H46N6O6S)[M+H]:631.3272、実験値:631.3272。
実施例22
2−[(1E)−2−アザ−2−({5−[N−(5−ヒドロキシドデカノイルアミノ)カルバモイル](2−ピリジル)}アミノ)ビニル]ベンゼンスルホン酸の合成
Figure 2007504242
δ−ドデカノラクトン(7.9mg、0.04mmol)および実施例14・パートCの生成物(20mg、0.06mmol)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(0.2mL)溶液をナトリウム 2−エチルヘキサノエート(16.5mg、0.1mmol)で処理し、窒素雰囲気下、室温で18時間攪拌し、続いて、50℃で48時間加熱した。該溶液を濃縮し、残渣を、0.1%トリフルオロ酢酸を含む、18→45%アセトニトリルの1.35%/分グラジエント(流量20mL/分)を用いて、フェノメネックスルナC18(2)カラム(21.2×250mm)でHPLCにより精製した。19.2分に溶離した主生成物のピークを凍結乾燥し、無色固体として、標記化合物(1.2mg、7.0%、HPLC純度100%)を得た。MS:m/e 534.3 [M+H];高分解能MS:計算値(C25H35N5O6S)[M+H]:534.2381、実験値:534.2375。
実施例23
2−{(1E)−2−アザ−2−[(5−{N−[2−(8−ヒドロキシドデカノイルアミノ)エチル]カルバモイル}(2−ピリジル))アミノ]ビニル}ベンゼンスルホン酸の合成
Figure 2007504242
パートA−エチル 7−(クロロカルボニル)ヘプタノエートの製造
N,N−ジメチルホルムアミド(5滴)を含む、エチル水素セブレート(5.0g、24.7mmol)の無水ジクロロメタン(15mL)溶液を塩化オキサリル(2.16mL、24.7mmol)で処理し、窒素雰囲気下、室温で3時間攪拌した。該溶媒を減圧下で除去し、無色油状物(5.49g、101%)を得た。IR(NaCl板にCH2Cl2溶液で沈着した、cm-1):1797.4 (C=O), 1730.9 (C=O); 1H NMR (CDCl3):δ4.11 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 2.87 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 2.28 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 1.73-1.67 (m, 2H), 1.67-1.57 (m, 2H), 1.38-1.30 (m, 4H), 1.24 (t, J = 7.1 Hz, 3H); 13C NMR (CDCl3):δ173.7, 173.6, 60.2, 47.0, 34.2, 28.5, 28.0, 24.7, 24.5, 14.2。
パートB−エチル 8−オキソドデカノエートの製造
無水塩化亜鉛(0.69g、5.1mmol)の無水エーテル(10mL)溶液を2.0M塩化ブチルマグネシウムのエーテル溶液(2.53mL、5.1mmol)を−78℃で、滴下し処理した。温度を0℃に上昇し、該反応混合液をパートA(1.23g、5.6mmol)の生成物の無水THF(10mL)溶液、続いて、Pd(PPh34(0.057g、0.05mmol)で処理した。生じた混合液を0℃で30分間、次いで、室温で1.5時間攪拌した。該反応液を1N HCl(2mL)の付加によって、クエンチし、ヘキサン(2×20mL)で抽出した。併せた有機層を飽和NaHCO3(30mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濃縮した。生じた残渣をシリカゲルでクロマトグラフし、酢酸エチル/ヘキサン(1:3)で溶離して、淡黄色油状物(1.06g、96%)として、標記化合物を得た。IR(NaCl板にCH2Cl2溶液で沈着した、cm-1):1737.5 (C=O), 1704.3 (C=O); 1H NMR (CDCl3):δ4.10 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 2.37 (t, J = 7.5 Hz, 4H), 2.26 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 1.63-1.50 (m, 6H), 1.31-1.26 (m, 6H), 1.24 (t, J = 7.1 Hz, 3H), 0.89 (t, J = 7.5 Hz, 3H); 13C NMR (CDCl3):δ211.4, 173.7, 60.2, 42.6, 42.5, 34.3, 28.9, 28.8, 26.0, 24.8, 23.6, 22.4, 14.2, 13.8; MS: m/e 279.1 [M+Na]。
パートC−8−オキソデカノイン酸の製造
パートB(0.50g、2.1mmol)の生成物のTHF(7mL)および水(2mL)溶液を3N LiOH(7.06mL、20.1mmol)で処理し、窒素雰囲気下、室温で18時間、急速で攪拌した。THFを除去し、生じた混合液を37%HCl(2.5mL)で、pH4まで酸性とし、CH2Cl2(20mL)で抽出した。有機層を飽和NaHCO3(20mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濃縮し、無色の油状物として、標記化合物(0.32g、72%)を得た。1H NMR (DMSO-d6):δ2.42-2.33 (m, 4H), 2.08-2.03 (m, 2H), 1.47-1.39 (m, 6H), 1.28-1.14 (m, 6H), 0.85 (t, J = 7.4 Hz, 3H); 13C NMR (DMSO-d6):δ210.5, 174.7, 41.7, 41.5, 34.2, 28.4, 28.3, 25.4, 24.6, 23.1, 21.7, 13.7; MS: m/e 197.3 [M-H2O+H]。
パートD−8−ヒドロキシドデカノイン酸の製造
パートC(0.15g、0.7mmol)の生成物のエタノール(3mL)溶液を窒素雰囲気下、0℃で10分間、NaBH4(0.013g、0.3mmol)で処理した。さらに、NaBH4(0.052g、1.2mmol)を加え、該反応液を1.5時間攪拌した。該反応液を1N HCl(10mL)でクエンチした。エタノールを減圧下で除去し、生じた溶液をCH2Cl2(3×10mL)で抽出した。有機層を併せて、乾燥(MgSO4)し、濃縮し、無色の固体として、標記化合物(0.118g、78%)を得た。1H NMR (DMSO-d6):δ11.95 (s, 1H), 4.19 (s, 1H), 2.18 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 1.52-1.47 (m, 2H), 1.35-1.20 (m, 14H), 0.86 (t, J = 7.0 Hz, 3H); 13C NMR (DMSO-d6):δ174.4, 69.4, 37.1, 36.9, 33.6, 28.9, 28.6, 27.5, 25.1, 24.4, 22.3, 14.0; MS: m/e 181.4 [M-H2O+H]。
パートE−2−((1E)−2−アザ−2−{[5−(N−{2−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]エチル}カルバモイル)(2−ピリジル)]アミノ}ビニル)ベンゼンスルホン酸の製造
Figure 2007504242
ナトリウム 2−[(1E)−2−アザ−2−({5−[(2,5−ジオキソピロリジニル)オキシカルボニル](2−ピリジル)}アミノ)ビニル]ベンゼンスルホネート(5.50g、12.5mmol)およびHOAt(1.70g、12.5mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(8mL)溶液をN−Boc−エチレンジアミン(2.00g、12.5mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(4.38mL、25.0mmol)で処理し、生じた溶液を窒素雰囲気下、室温4時間攪拌した。N,N−ジメチルホルムアミドを減圧下で除去し、生じた残渣をシリカゲルでクロマトグラフし、メタノールで溶離し、淡黄色固体として、標記化合物(3.48g、120%)を得た。MS: m/e 464.1 [M+H]。
パートF−2−[(1E)−2−({5−[N−(2−アミノエチル)カルバモイル](2−ピリジル)}アミノ)−2−アザビニル]ベンゼンスルホン酸の製造
Figure 2007504242
パートEの生成物(2.8g、6.0mmol)をトリフルオロ酢酸:ジクロロメタン(50:50、10mL)で溶解し、窒素雰囲気下、室温で10分間攪拌した。該溶液を濃縮し、生じた残渣を、0.1%トリフルオロ酢酸を含む、0→18%アセトニトリルの0.9%/分グラジエント(流量80mL/分)を用いて、フェノメネックスルナC18(2)カラム(41.4×250mm)でHPLCにより精製した。約17.0分に溶離する主生成物のピークを併せて、凍結乾燥し、無色の固体として、標記化合物(1.39g、収率64%、HPLC純度:100%)を得た。1H NMR (DMSO-d6):δ9.18 (s, 1H), 8.68-8.52 (m, 2H), 8.28-8.05 (m, 2H), 7.91-7.65 (m, 4H), 7.50-7.32 (m, 2H), 7.27 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 3.62-3.45 (m, 2H), 3.15-2.94 (m, 2H); MS: m/e 364.1 [M+H]. 高分解能MS:計算値(C15H17N5O4S)[M+H]:364.1074, 実験値:364.1078。
パートG−2−{(1E)−2−アザ−2−[(5−{N−[2−(8−ヒドロキシドデカノイルアミノ)エチル]カルバモイル}(2−ピリジル))アミノ]ビニル}ベンゼンスルホン酸の製造
Figure 2007504242
パートFの生成物(0.025g、0.07mmol)、パートDの生成物(0.015g、0.07mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(23μL、0.14mmol)、およびHOAt(19mg、0.14mmol)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(1.5mL)溶液をDIC(21μL、0.14mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(21μL、0.13mmol)で処理し、該反応液を窒素雰囲気下、室温で18時間攪拌した。溶液を減圧下で濃縮し、生じた残渣を、0.1%トリフルオロ酢酸を含む、18→41.4%アセトニトリルの0.9%/分グラジエント(流量20mL/分)を用いて、フェノメネックスルナC18(2)カラム(21.2×250mm)で、HPLCにより精製した。21分で溶離する主生成物のピークを凍結乾燥し、無色の固体として、標記化合物(22.7mg、収率58%、HPLC純度100%)を得た。MS: m/e 562.3 [M+H]; 高分解能MS:計算値(C27H39N6O6S)[M+H]:562.2694、実験値:562.2681。
実施例24
2−((1E)−2−{[5−(N−{5−[N−({[4−((2S)−2−アミノ−4−メチルペンタノイルアミノ)フェニル]メトキシ}カルボニルアミノ)カルバモイル]ペンチル}カルバモイル)(2−ピリジル)]アミノ}−2−アザビニル)ベンゼンスルホン酸の合成
Figure 2007504242
パートA−(2S)−2−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]−N−[4−(ヒドロキシメチル)フェニル]−4−メチルペンタンアミドの製造
Figure 2007504242
Boc−Leu−OH(2.02g、8.1mmol)、PABA(1.00g、8.1mmol)、およびEEDQ(2.21g、8.9mmol)のトルエン:エタノール(1:1、20mL)溶液を窒素雰囲気下、室温で4時間攪拌した。該溶液を減圧下で濃縮し、生じた残渣をシリカゲルでクロマトグラフし、酢酸エチル:ヘキサン(1:4)、酢酸エチル:ヘキサン(1:2)、および酢酸エチル:ヘキサン(1:1)で連続的に溶離し、無色の固体として、標記化合物(2.62g、96%)を得た。1H NMR (CDCl3):δ8.46 (s, 1H), 7.49 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 7.28 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 4.98 (s, 1H), 4.64 (s, 2H), 4.27 (s, 1H), 1.83-1.73 (m, 2H), 1.70 (s, 1H), 1.62-1.55 (m, 1H), 1.47 (s, 9H), 1.03-0.93 (m, 6H); MS: m/e 237.3 [M-Boc+H]; 高分解能MS:計算値(C18H28N2O4)[M+H]:337.2122、実験値:337.2118。
パートB−(4−{(2S)−2−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}フェニル)メチル(4−ニトロフェノキシ)ホルメートの製造
Figure 2007504242
パートAの生成物(1.00g、3.0mmol)および4−ニトロフェニルクロロホルメート(0.6g、3.0mmol)の無水ジクロロメタン(10mL)溶液を0℃まで冷却し、ピリジン(0.4mL、4.9mmol)で処理し、窒素雰囲気下、室温で2時間攪拌した。該溶液をCH2Cl2(30mL)で希釈し、水(50mL)および飽和食塩水(50mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮した。生じた残渣を酢酸エチル/ヘキサン(3:1)で溶離し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル)で精製し、無色の結晶固体として、標記化合物(1.02g、68%)を得た。1H NMR (CDCl3):δ8.48 (s, 1H), 8.30-8.26 (m, 2H), 7.57 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.42-7.36 (m, 4H), 5.25 (s, 2H), 4.92 (s, 1H), 4.24 (s, 1H), 1.85-1.70 (m, 2H), 1.62-1.53 (m, 1H), 1.48 (s, 9H), 1.02-0.95 (m, 6H); 13C NMR (CDCl3):δ170.9, 155.5, 152.4, 145.4, 138.6, 129.8, 129.7, 125.3, 121.8, 119.9, 80.8, 70.7, 53.8, 40.2, 28.3, 24.8, 22.9, 21.9; MS: m/e 524.3 [M+Na]; 高分解能MS:計算値(C18H28N2O4)[M+H]:502.2184、実験値:502.2183。
パートC−2−((1E)−2−{[5−(N−{5−[N−({[4−((2S)−2−アミノ−4−メチルペンタノイルアミノ)フェニル]メトキシ}カルボニルアミノ)カルバモイル]ペンチル}カルバモイル)(2−ピリジル)]アミノ}−2−アザビニル)ベンゼンスルホン酸の製造
Figure 2007504242
パートBの生成物(105mg、0.2mmol)および実施例13・パートDの生成物(50mg、0.11mmol)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(1mL)溶液をTEA(17μL、0.12mmol)で処理し、窒素雰囲気下、室温で2日間攪拌した。該溶液を減圧濃縮し、生じた黄色の粘性油状物をトリフルオロ酢酸:ジクロロメタン(50:50、4mL)で溶解し、窒素雰囲気下、室温で10分間攪拌した。該溶液を濃縮し、生じた残渣を、0.1M NH4OAc(pH7)を含む、15〜35%アセトニトリルの0.67%/分グラジエント(流量20mL/分)を用いて、フェノメネックスルナC18(2)カラム(21.2×250mm)でHPLCにより精製した。23.2分に溶離する主生成物ピークを凍結乾燥し、無色の固体として、標記化合物(14mg、収率18%、HPLC純度100%)を得た。1H NMR(DMSO-d6):δ11.30 (s, 1H), 10.43 (s, 1H), 9.60 (s, 1H), 9.05-9.00 (m, 2H), 8.59 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 8.30-8.25 (m, 1H), 8.05-7.98 (m, 2H), 7.78 (dd, J1 = 7.7 Hz, J2 = 1.3 Hz, 1H), 7.60 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.37-7.25 (m, 4H), 7.22 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 5.0 (s, 2H), 3.83 (t, J = 7.0 Hz, 1H), 3.26-15 (m, 2H), 2.06-2.01 (m, 2H), 1.72-1.48 (m, 7H), 1.43-1.23 (m, 2H), 0.95-0.83 (m, 6H); 13C NMR(DMSO-d6):δ171.9, 171.8, 164.8, 158.5, 156.1, 147.8, 145.9, 137.8, 136.7, 132.2, 132.0, 128.7, 128.6, 127.5, 126.7, 125.1, 121.0, 119.3, 105.2, 65.5, 52.1, 40.7, 33.0, 28.9, 25.9, 24.7, 23.7, 22.7, 21.8, 21.0; MS: m/e 711.3 [M+H]。
実施例25
[4−((2S)−2−アミノ−4−メチルペンタノイルアミノ)フェニル]メチル[11−(N−{2−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]エチル}カルバモイル)ウンデシルオキシ]ホルメートの合成
Figure 2007504242
パートA−(2S)−2−[(フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニルアミノ]−N−[4−(ヒドロキシメチル)フェニル]−4−メチルペンタンアミドの製造
Figure 2007504242
Fmoc−Leu−OH(2.0g、5.7mmol)、PABA(0.7g、5.7mmol)、およびEEDQ(1.4g、6.3mmol)のトルエン:エタノール(1:1、30mL)溶液を窒素雰囲気下、室温で3日間攪拌した。さらに、PABA(0.14g、1.1mmol)を加え、該反応液をさらに18時間攪拌した。さらに、EEDQ(0.4g、1.9mmol)を加え、該反応液をさらに2時間攪拌し、濃縮した。生じた残渣をジクロロメタン(20mL)で溶解し、1N HCl(3×20mL)、飽和NaHCO3(3×20mL)、および飽和食塩水(20mL)で連続的に洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濃縮した。生じた固体をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル)で精製し、ジクロロメタン:メタノール(50:1)で溶離し、無色の固体として、標記化合物(2.03g、78%)を得た。1H NMR(DMSO-d6):δ9.96 (s, 1H), 7.89 (d, J = 7.5 Hz, 2H), 7.74 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 7.63 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.55 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.44-7.38 (m, 2H), 7.34-7.29 (m, 2H), 7.23 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 5.08 (t, J = 5.7 Hz, 1H), 4.43 (d, J = 5.7 Hz, 2H), 4.30-4.19 (m, 4H), 1.73-1.64 (m, 1H), 1.63-1.56 (m, 1H), 1.49-1.44 (m, 1H), 0.96-0.73 (m, 6H); 13C NMR(DMSO-d6):δ171.3, 156.0, 143.9, 143.7, 140.7, 137.5, 137.4, 127.6, 127.0, 126.8, 125.3, 120.1, 119.0, 65.5, 62.5, 53.8, 46.7, 40.6, 24.3, 23.0, 21.4; MS: m/e 459.2 [M+H] (100%), 481.2 [M+Na] (60%)。
パートB−(4−{(2S)−2−[(フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}フェニル)メチル(4−ニトロフェノキシ)ホルメートの製造
Figure 2007504242
パートAの生成物(0.50g、1.1mmol)および4−ニトロフェニルクロロホルメート(0.66g、3.3mmol)の無水ジクロロメタン(15mL)溶液をピリジン(0.73mL、8.9mmol)で処理し、窒素雰囲気下、室温で1.5時間攪拌した。該反応混合液を濾過し、濾液を濃縮した。生じた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル)で精製し、EtOAc:ヘキサン(1:3)で溶離し、無色の結晶性の固体として、標記化合物(0.13g、19%)を得た。1H NMR(DMSO-d6):δ10.13 (s, 1H), 8.31 (d, J = 9.1 Hz, 2H), 7.88 (d, J = 7.3 Hz, 2H), 7.74 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 7.69-7.62 (m, 3H), 7.59-7.53 (m, 2H), 7.44-7.35 (m, 4H), 7.36-7.29 (m, 2H), 5.25 (s, 2H), 4.33-4.20 (m, 4H), 1.74-1.65 (m, 1H), 1.64-1.56 (m, 1H), 1.51-1.43 (m, 1H), 0.95-0.83 (m, 6H); 13C NMR(DMSO-d6):δ171.7, 156.0, 155.3, 151.9, 145.1, 143.8, 143.7, 140.7, 139.4, 129.4, 129.3, 127.6, 127.0, 126.2, 125.4, 125.3, 123.9, 122.6, 120.1, 119.2, 115.9, 70.2, 65.6, 53.8, 46.6, 40.5, 24.3, 23.0, 21.4; MS: m/e 624.2 [M+H]。
パートC−N−{2−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]エチル}−12−ヒドロキシドデカンアミドの製造
Figure 2007504242
12−ヒドロキシドデカノイン酸(0.135g、0.6mmol)、N−Boc−エチレンジアミン(0.100g、0.6mmol)、HOAt(0.170g、1.2mmol)、およびジイソプロピルエチルアミン(0.22mL、1.2mmol)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(1mL)溶液をDIC(0.19mL、1.2mmol)で処理し、該反応液を窒素下、室温で18時間攪拌した。該反応液を酢酸エチル(25mL)で希釈し、1N HCl(25mL)、0.5N NaOH(25mL)、および飽和食塩水(25mL)で連続的に洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濃縮した。生じた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル)で精製し、酢酸エチルで溶離し、無色の固体として、標記化合物(0.237g、LC/MS[1]により、不純物として1,3−ジイソプロピルウレアを含む)を得た。MS: m/e 259.4 [M-Boc+H]。
パートD−(4−{(2S)−2−[(フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}フェニル)メチル[11−(N−{2−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]エチル}カルバモイル)ウンデシルオキシ]ホルメートの製造
Figure 2007504242
パートBの生成物(50mg、0.08mmol)、パートCの生成物(42mg、0.08mmol)、およびDMAP(11mg、0.09mmol)の無水ジクロロメタン(3mL)溶液を窒素下、室温で28時間攪拌した。該溶液を減圧濃縮し、生じた黄色がかった粘性油状物を50%アセトニトリル:水(4mL)で、窒素下、室温で10分間処理した。該溶媒を除去し、生じた残渣をの流速で、0.1%ギ酸を含む、51.3〜90%アセトニトリルの1.76%/分グラジエント(流量20mL/分)を用いて、フェノメネックスルナC18(2)カラム(21.2×250mm)で、HPLCにより精製した。23.2分に溶離する主生成物ピークを凍結乾燥し、無色の固体として、標記化合物(22mg、収率33%、HPLC純度100%)を得た。1H NMR(CDCl3):δ8.32 (bs, 1H), 7.75 (d, J = 7.5 Hz, 2H), 7.58-7.53 (m, 2H), 7.53-7.47 (m, 2H), 7.37 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 7.33 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.28-7.25 (m, 2H), 6.15 (bs, 1H), 5.31 (bs, 1H), 5.10 (s, 2H), 4.95 (bs, 1H), 4.49-4.42 (m, 2H), 4.30 (bs, 1H), 4.20 (t, J = 6.8 Hz, 1H), 4.13 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 3.39-3.27 (m, 2H), 3.26-3.21 (m, 2H), 2.14 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 1.81-1.53 (m, 7H), 1.42 (s, 9H), 1.36-1.30 (m, 2H), 1.30-1.19 (m, 12H), 1.00-0.90 (m, 6H); MS: m/e 843.5 [M+H]; 高分解能MS:計算値(C48H66N4O9)[M+H]:843.4903、実験値:843.4897。
パートE−[4−((2S)−2−アミノ−4−メチルペンタノイルアミノ)フェニル]メチル[11−(N−{2−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]エチル}カルバモイル)ウンデシルオキシ]ホルメートの製造
Figure 2007504242
パートDの生成物(7.0mg、0.008mmol)を20%ピペリジンのN,N−ジメチルホルムアミド(1mL)溶液と窒素下、室温で5分間処理した。該溶液を減圧濃縮し、淡黄色の固体として、標記化合物を得た。MS: m/e 621.5 [M+H](100%)。
実施例26
2−((1E)−2−アザ−2−{[5−(N−{2−[8−(4−ヒドロキシフェニル)オクタノイルアミノ]エチル}カルバモイル)(2−ピリジル)]アミノ}ビニル)ベンゼンスルホン酸の合成
Figure 2007504242
8−(4−ヒドロキシフェニル)オクタン酸(15.0mg、0.0635mmol)、実施例23・パートFの生成物(23.1mg、0.0635mmol)、およびHOAt(8.7mg、0.0635mmol)のDMSO(200μL)溶液をコリジン(35μL、0.254mmol)およびDIC(9.9μL、0.0635mmol)で処理し、窒素下、室温で攪拌させた。21時間後、反応混合液を追加の実施例23・パートFの生成物(11.6mg、0.0318mmol)、DIC(5.0μL、0.0318mmol)、およびコリジン(17.5μL、0.127mmol)で処理した。48時間後、該反応混合液を追加の実施例23・パートFの生成物(5.8mg、0.0159mmol)、DIC(2.5μL、0.0159mmol)、およびコリジン(9μL、0.0635mmol)で処理した。58時間後、該反応混合液を実施例23・パートFの生成物(5.8mg、0.0159mmol)、DIC(2.5μL、0.0159mmol)、およびコリジン(9μL、0.0635mmol)で再び処理した。63時間の全反応時間で、該反応溶液を、0.1%トリフルオロ酢酸を含む、0→56.2%アセトニトリルの1.12%/分グラジエント(流量20mL/分)を用いて、フェノメネックスルナカラム(21.2×250mm)で、HPLCにより精製した。36.2分に溶離する主生成物ピークを凍結乾燥し、HPLCで100%純度の無色の固体として、所望の化合物(16.3mg、51.7%)を得た。MS: m/e 582.2 [M+H](100%), 1163.3 [2M+H](35%)。
実施例27〜44
複合体[99mTc(HYNIC−MMPsub)(トリシン)(TPPTS)]の合成
TPPTS(4.84mg)、トリシン(6.3mg)、マンニトール(40mg)、コハク酸緩衝液、pH4.8、および0.1%プルロニック(Pluronic)F-64界面活性剤を含む、鉛遮蔽した凍結乾燥バイアルに注射用滅菌水(1.1mL)、適当なHYNIC(0.2mL)とコンジュゲートしたマトリックスメタロプロテイナーゼ基質(MMPsub)(20μg)の脱イオン水または50%エタノール水溶液、および0.2mLの99mTcO4−(50±5mCi)の生理食塩水溶液を加えた。再構成したキットを95℃の水浴で10分間加熱し、室温で5分間冷却させた。該反応混合液のサンプルをHPLCで分析した。RCPの結果は、表1にまとめる。
HPLCの方法
検出器:INUS β−Ram、UV:220nm
カラム:ゾルバックス Rx C18、25cm×4.6mm
遮蔽:ゾルバックス C18
温度:室温
流速:1.0mL/分
溶媒A:25mMの酢酸アンモニウム(pHの調整無し)
溶媒B:100%アセトニトリル
グラジエントA
Figure 2007504242
グラジエントB
Figure 2007504242
グラジエントC
Figure 2007504242
グラジエントD
Figure 2007504242

表1.複合体[99mTc(HYNIC−MMP基質)(トリシン)(TPPTS)]についての分析および収率データ
Figure 2007504242
実施例45
MMP基質の加水分解の反応速度測定
パートA−MMP−2およびMMP−9の活性化および活性部位の滴定
精製したMMP−2(10μg)またはMMP−9(10μg)をTCN緩衝液(100μL)で再構成した。精製したヒトMMP−9をアミノフェニル酢酸水銀(APMA)(2nM)と一緒に37℃で5.5時間、インキュベーションすることによって活性化した。Pro−MMP−2を37℃で2時間、APMA(2nM)と一緒にインキュベーションすることによって活性化した。インキュベーションの終点で、100%グリセロール(100μL)を活性化MMP−2および活性化MMP−9(最終濃度:50%グリセロール)に加えた。活性化MMP−2および活性化MMP−9を等分し、−20℃で保存した。
パートB−MMP−2/MMP−9の活性化部滴定
活性化プロテアーゼのレベルは、反応速度研究の前に、活性部滴定研究によって、常に定量した。MMP−9およびMMP−2の活性化部は、2.5mMの保存濃度で、100%DMSOで溶解したgm6001を用いて、滴定した。gm6001の希釈液(1:2)をTCN緩衝液中で調製し、活性部滴定アッセイで、5nM〜0.04nMのgm6001の最終濃度を与えた。活性化したMMP−2または活性化したMMP−9(2nM)を96ウェルの黒色マイクロタイタープレートで、37℃にて15分間、gm6001の上昇する濃度で前培養した。アッセイ緩衝液(500mM トリシン/pH7.5、100mM CaCl2、0.2%NaN3)中、蛍光基質I(Mca−P−L−G−L−Dpa−A−R−NH2)(150μL)を各ウェルに加えた。該プレートを室温で1分間激しく振とうし、27℃で1時間インキュベートした。該反応液を20μLの0.5M EDTAで停止した。プレートを320nmの励起波長および395nmの発光波長で、蛍光分光光度計で読み取った。活性酵素の濃度は、モリソン式およびカレイダグラフ(Kaleidagraph)ソフトウェア(読み取り、PA)を用いて、決定した。
パートC−基質加水分解の反応速度測定
基質加水分解の反応速度パラメーターは、ラジオHPLCアッセイを用いて、決定した。活性化MMP−2および活性化MMP−9による異なった基質の代謝回転は、このアッセイを用いて、決定した。異なった試験基質(10mM)のストック溶液を100%DMSOで調製した。試験基質のストック溶液を緩衝液(50mM ヘペス/pH7.5、10mM CaCl2、0.1%のBrij)で1000倍(10nM)に希釈して、作業用のストック溶液を得た。試験基質(15μL)の作業用ストック溶液を試験管の緩衝液(120μL)に加え、37℃で2分間温めた。この溶液に、活性なMMP−2(最終濃度10nM)または活性なMMP−9の作業するストック溶液の15μLを加えた(最終濃度2nM)。最終的に、4μCiの放射性ラベルした試験基質を加え、該溶液を混合し、すぐに混合液(67.5μL)を0.5M EDTA(7.5μL)を含む、HPLCバイアルに移し、t=0分を測定した。試験管内で、該混合液の残りを37℃、60分間でインキュベートした。60分の時点で、該混合液の67.5μLを0.5M EDTA(7.5μL)を含む、HPLCバイアルに移し、t=60分を測定した。放射性ラベルした基質および生成物を1mL/分の流量および60μLのサンプルサイズで、カラム温度(25℃)を維持して、ゾルバックスRx−C18カラム(4.6×250mm)の逆相HPLCで分離した。移動相A(MPA)は、25mMの酢酸アンモニウム、移動相B(MPB)は、100%アセトニトリルであった。3分で2%MPBのステップグラジエント、13分で40%MPB、18分で80%MPBを生成物および基質の分離のために使用した。放射性ラベルをIN/USベータラム検出器によって検出した。該ピークエリアを統合し、基質のピークエリアを以下の式で速度定数kを決定するために使用した:
k=(−ln(St/So))/t
式中、
St=60分での基質ピーク
So=0分での基質ピーク
T=3600秒。
この反応基質濃度は、Kmよりはるかに低い、
Kcat/Km=k/[Et](M-1-1
種々の試験基質のKcat/Km値は、表2に示す。
表2.基質の加水分解アッセイの結果
Figure 2007504242
実施例46
試験基質のアミノペプチダーゼN解裂
蛋白質およびペプチドのN末端で、アミノペプチダーゼNを解裂したアミノ酸は、他のアミノ酸を結合した。試験基質の最後の付属品は、ヒドラジドに結合したアミノ酸からなる。アミノペプチダーゼによる、このアミノ酸の解裂は、反応性のあるヒドラジド種を与える。我々の最終目標は、アミノペプチダーゼNによるアミノ酸およびヒドラジドのアミド結合の解裂を研究することである。試験基質のストック溶液を25mMの濃度で、100%DMSOで調製した。ストック溶液(6μL)を反応液中、試験基質の最終濃度(1mM)の緩衝液(50mMヘペス/pH7.5、10mM CaCl2、0.1%Brij)に加えた。酵素(APN)の0.02Uの反応混合液に加え、該溶液を混合し、すぐに、67.5μLの混合液を、酢酸(33.2μL)を含むHPLCバイアルに移し、t=0分で測定した。試験管の混合液の残りを37℃、25分でインキュベートした。25分の時点で、67.5μLの混合液は、酢酸(33.2μL)を含むHPLCバイアルに移し、t=25分で測定した。試験基質および生成物をUV検出器で0.1%トリフルオロ酢酸/アセトニトリルのグラジエント方法を用いて、ゾルバックスSB−C18カラム(4.6×150mm、5ミクロン)で逆相HPLCにより分離した。該ピークエリアを統合し、該基質ピークエリアを以下の式で、速度定数kを決定するために使用した:
K={(加水分解率(%)/100)*[S]}/[E]*[時間]
式中、
S=μモルでの試験基質濃度
E=ユニット/mLでのアミノペプチダーゼN濃度
K=μモルの加水分解した基質/分/ユニット酵素
試験基質の加水分解速度を表3に示す。
表3:試験基質のAPN加水分解からの結果
Figure 2007504242
実施例47
脂質二重層の挿入
このアッセイは、細胞の脂質二重層での試験基質の局在化を研究するために計画した。THP−1細胞株のヒト単球細胞株を本アッセイに使用した。THP−1細胞をリン酸で緩衝した生理食塩水(PBS)で洗浄し、2×106個の細胞を150μLの反応量で、各反応に使用した。試験基質をこれらの細胞懸濁液に加え、反応液中、0.15mMの最終濃度を与えた。該反応液を37℃で1時間インキュベートした。上清の試験化合物をHPLCで分析し、定量した。細胞の存在および非存在での上清の化合物のレベルを決定し、以下の比が生じた:
R=細胞の非存在下での化合物のレベル/細胞の存在下での化合物のレベル
比は、細胞への結合が増加すれば上昇する。比が1とは、細胞に結合しないことを意味する。種々の試験化合物の細胞に結合するためのデータは、表4に示す。
表4:試験基質の細胞結合からの結果
Figure 2007504242
実施例48
2−{(1E)−2−[(5−{N−[2−(12−{[4−((2S)−2−{(2S)−2−[(2S)−2−(2−{(2S)−2−[((2S)−1−アセチルピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}アセチルアミノ)−4−フェニルブタノイルアミノ]−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノイルアミノ}−4−メチルペンタノイルアミノ)フェニル]メトキシカルボニルオキシ}ドデカノイルアミノ)エチル]カルバモイル}(2−ピリジル))アミノ]−2−アザビニル}ベンゼンスルホン酸の合成
Figure 2007504242
パートA−Ac−PLG−Hphe−Y(t−Bu)−OHの製造
HMPB−BHAレジンをペプチド合成反応槽に付し、N,N−ジメチルホルムアミド(2回)で洗浄することによって膨張させた。Fmoc−Tyr(t−Bu)−OHのN,N−ジメチルホルムアミド溶液を加え、該レジンを室温で15分間混合した。ピリジンおよび2,6−ジクロロベンゾイルクロリドを加え、該混合液を穏やかに20時間振とうした。次いで、該レジンをN,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、ジクロロメタン(3回)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(3回)によって洗浄した。該レジンの残存ヒドロキシル基をベンゾイルクロリドおよびピリジンのジクロロメタン溶液と2時間反応することによって、キャッピングした。置換レベルは、定量的フルベン−ピペリジンアッセイによって決定した。次いで、以下のステップを実施した:(ステップ1)Fmoc基をN,N−ジメチルホルムアミド中、30分間、20%のピペリジンを用いて、除去した。(ステップ2)該レジンをN,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、ジクロロメタン(3回)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(3回)で洗浄した。(ステップ3)Fmoc−Hphe−OH、HOBt、およびHBTUのN,N−ジメチルホルムアミド溶液ならびにジイソプロピルエチルアミンをレジンに加え、該反応液を8時間反応させた。(ステップ4)該レジンをN,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、ジクロロメタン(3回)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(3回)で洗浄した。(ステップ5)定量的フルベン−ピペリジンアッセイで、最初のカップリングが不完全であると示すなら、二回目のカップリングを実施する。(ステップ6)該レジンをN,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、ジクロロメタン(3回)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(3回)により洗浄した。ステップ1〜6を配列がFmoc−PLG−Hphe−Y(t−Bu)−OHに達するまで、繰り返した。
ペプチド−レジンをN,N−ジメチルホルムアミド中、30分間、20%ピペリジンで処理し、N,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、ジクロロメタン(3回)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(3回)で充分に洗浄した。無水酢酸、およびジイソプロピルエチルアミンを加え、該レジンは、キャッピング反応が解裂したペプチドの小部分のLC/MSによって評価して、完了していることが確認されるまで混合した。ペプチド−レジンをガラス濾過器に付して、ジクロロメタン中、1%トリフルオロ酢酸で処理した。2分後、該溶液は、圧力を用いて、直接10%ピリジンのメタノール溶液に濾過した。開裂ステップは、9回繰り返した。併せた濾過液をその量の5%までエバポレートし、水で希釈し、氷水浴で冷却した。生じた沈殿をガラス濾過器で濾過により回収し、水で洗浄し、真空乾燥した。生じた残渣を水:アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸のグラジエント条件を用いて、C18カラムでHPLCにより精製し、標記化合物を得た。
パートB−11−(N−{2−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]エチル}カルバモイル)ウンデシル{[4−((2S)−2−{(2S)−2−[(2S)−2−(2−{(2S)−2−[((2S)−1−アセチルピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}アセチルアミノ)−4−フェニルブタノイルアミノ]−3−[4−(tert−ブトキシ)フェニル]プロパノイルアミノ}−4−メチルペンタノイルアミノ)フェニル]メトキシ}ホルメートの製造
Figure 2007504242
上記のパートAの生成物、実施例25・パートEの生成物、HOAt、コリジン、およびDICを最少量のDMSOで溶解し、窒素下、室温で24時間攪拌した。水:アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸のグラジエント条件を用いて、C18カラムでHPLCにより精製した。生成物のフラクションを凍結乾燥し、標記化合物を得た。
パートC−2−{(1E)−2−[(5−{N−[2−(12−{[4−((2S)−2−{(2S)−2−[(2S)−2−(2−{(2S)−2−[((2S)−1−アセチルピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}アセチルアミノ)−4−フェニルブタノイルアミノ]−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノイルアミノ}−4−メチルペンタノイルアミノ)フェニル]メトキシカルボニルオキシ}ドデカノイルアミノ)エチル]カルバモイル}(2−ピリジル))アミノ]−2−アザビニル}ベンゼンスルホン酸
パートBの生成物をトリフルオロ酢酸:ジクロロメタン(50:50)で溶解し、窒素下、室温で60分間攪拌した。該溶液を減圧濃縮した。残渣をトルエン:エタノール(1:1)で溶解し、ジイソプロピルエチルアミンで、pHを7に調整し、該溶液を6−({(1E)−2−[2−(ソジオオキシスルホニル)フェニル]−1−アザビニル}アミノ)ピリジン−3−カルボン酸(文献:Bioconjugate Chem. 1999, 10, 808-814)およびEEDQで処理した。反応液を窒素下、室温で4時間反応させて、減圧濃縮した。生じた残渣を水:アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸のグラジエント条件を用いて、C18カラムでHPLCにより精製した。該生成物フラクションを凍結乾燥し、標記化合物を得た。
実施例49
2−{(1E)−2−[(5−{N−[2−(8−{[4−((2S)−2−{(2S)−2−[(2S)−2−(2−{(2S)−2−[((2S)−1−アセチルピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}アセチルアミノ)−4−フェニルブタノイルアミノ]−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノイルアミノ}−4−メチルペンタノイルアミノ)フェニル]メトキシカルボニルオキシ}ドデカノイルアミノ)エチル]カルバモイル}(2−ピリジル))アミノ]−2−アザビニル}ベンゼンスルホン酸の合成
Figure 2007504242
パートA−(2S)−N−({N−[(1S)−1−(N−{(1S)−1−[N−((1S)−1−{N−[4−(ヒドロキシメチル)フェニル]カルバモイル}−3−メチルブチル)カルバモイル]−2−[4−(tert−ブトキシ)フェニル]エチル}カルバモイル)−3−フェニルプロピル]カルバモイル}メチル)−2−[((2S)−1−アセチルピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタンアミドの製造
Figure 2007504242
トルエン:エタノール(1:1)中、実施例10・パートBの生成物の溶液、PABA、およびEEDQを窒素下、室温で3日間攪拌した。もし反応が不完全であるなら、さらにPABAを加えて、反応液をさらに24時間攪拌した。該溶液を減圧濃縮し、生じた残渣を水:アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸のグラジエント条件を用いて、C18カラムでHPLCにより精製した。該生成物フラクションを凍結乾燥し、標記化合物を得た。
パートB−4−ニトロフェニル{[4−((2S)−2−{(2S)−2−[(2S)−2−(2−{(2S)−2−[((2S)−1−アセチルピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}アセチルアミノ)−4−フェニルブタノイルアミノ]−3−[4−(tert−ブトキシ)フェニル]プロパノイルアミノ}−4−メチルペンタノイルアミノ)フェニル]メトキシ}ホルメートの製造
Figure 2007504242
パートAの生成物および4−ニトロフェニルクロロホルメートの無水ジクロロメタン溶液を0℃で冷却し、ピリジンで処理して、窒素下、室温で2時間攪拌した。該溶液をCH2Cl2で希釈し、水および飽和食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮した。生じた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル)で精製し、酢酸エチル/ヘキサンで溶離し、標記化合物を得た。
パートC−2−((1E)−2−{[5−(N−{2−[8−({[4−((2S)−2−{(2S)−2−[(2S)−2−(2−{(2S)−2−[((2S)−1−アセチルピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}アセチルアミノ)−4−フェニルブタノイルアミノ]−3−[4−(tert−ブトキシ)フェニル]プロパノイルアミノ}−4−メチルペンタノイルアミノ)フェニル]メチル}オキシカルボニルオキシ)ドデカノイルアミノ]エチル}カルバモイル)(2−ピリジル)]アミノ}−2−アザビニル)ベンゼンスルホン酸の製造
Figure 2007504242
上記パートBの生成物、実施例23の生成物、およびDMAPの無水ジクロロメタン溶液を窒素下、反応の完結をHPLC分析で決定するまで、室温で攪拌した。該溶液を減圧濃縮し、生じた残渣を水:アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸のグラジエント条件を用いて、C18カラムで逆相HPLCクロマトグラフィーにより精製した。主生成物のフラクションは、凍結乾燥し、標記化合物を得た。
パートD−最終の脱保護
パートCの生成物をトリフルオロ酢酸:ジクロロメタン(50:50)で溶解し、窒素下、室温で60分間攪拌した。該溶液を減圧濃縮し、生じた残渣を水:アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸のグラジエント条件を用いて、C18カラムでHPLCにより精製した。該生成物のフラクションを凍結乾燥し、標記化合物を得た。
実施例50
2−{(1E)−2−[(5−{N−[2−(8−{[4−((2S)−2−{(2S)−2−[(2S)−2−(2−{(2S)−2−[((2S)−1−アセチルピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}アセチルアミノ)−4−フェニルブタノイルアミノ]−5−アミノペンタノイルアミノ}−4−メチルペンタノイルアミノ)フェニル]メトキシカルボニルオキシ}ヘキサデック−15−エノイルアミノ)エチル]カルバモイル}(2−ピリジル))アミノ]−2−アザビニル}ベンゼンスルホン酸の合成
Figure 2007504242
パートA−エチル 8−オキソヘキサデック−15−エノエートの製造
無水塩化亜鉛の無水エーテル溶液を−78℃で、7−オクテニルマグネシウムブロミド(エーテル中、8−ブロモ−1−オクテンおよびマグネシウムから調製した)を滴下し処理した。温度は、0℃まで上昇し、該反応混合液を実施例23・パートAの生成物の無水THF溶液、続いて、Pd(PPh34で処理した。生じた混合液を0℃で30分間、次いで、TLCまたはHPLC分析で完了するまで室温で攪拌した。該反応液を1N HClの添加によってクエンチし、ヘキサンで抽出した。併せた有機層を飽和NaHCO3で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濃縮した。生じた残渣を酢酸エチル/ヘキサンで溶離するシリカゲルでクロマトグラフし、標記化合物を得た。
パートB−8−オキソヘキサデック−15−エノイン酸の製造
パートAの生成物のTHFおよび水混合溶液を3N LiOHで処理し、窒素下、室温で18時間すばやく攪拌した。THFを除去し、生じた混合液を濃HClでpH4まで酸性とし、ジクロロメタンで抽出した。併せた有機抽出液を飽和NaHCO3で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濃縮し、標記化合物を得て、精製することなく次反応に使用した。
パートC−8−ヒドロキシヘキサデック−15−エノイン酸の製造
パートBの生成物のエタノール溶液をTLCまたはHPLCが反応完結を示すまで、窒素下、0℃でNaBH4と処理した。もし必要なら、さらにNaBH4を加えた。該反応液を1N HClでクエンチした。エタノールを減圧下で除去し、生じた溶液をCH2Cl2で抽出した。併せた有機層を乾燥(MgSO4)し、濃縮して標記化合物を得て、精製することなく次反応に使用した。
パートD−2−{(1E)−2−アザ−2−[(5−{N−[2−(8−ヒドロキシヘキサデック−15−エノイルアミノ)エチル]カルバモイル}(2−ピリジル))アミノ]ビニル}ベンゼンスルホン酸の製造
Figure 2007504242
上記パートCの生成物、実験23パートFの生成物、ジイソプロピルエチルアミン、およびHOAtの無水N,N−ジメチルホルムアミド溶液をDICで処理し、該反応液を窒素下、室温で18時間攪拌した。該溶液を減圧濃縮し、生じた残渣を水:アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸のグラジエント条件を用いて、C18カラムでHPLCにより精製した。主生成物のピークを凍結乾燥し、標記化合物を得た。
パートE−(2S)−N−({N−[(1S)−1−(N−{(1S)−1−[N−((1S)−1−{N−[4−(ヒドロキシメチル)フェニル]カルバモイル}−3−メチルブチル)カルバモイル]−4−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]ブチル}カルバモイル)−3−フェニルプロピル]カルバモイル}メチル)−2−[((2S)−1−アセチルピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタンアミドの製造
Figure 2007504242
実施例17・パートBの生成物、PABA、およびEEDQのトルエン:エタノール(1:1)の溶液を窒素下、室温で3日間攪拌した。もし反応が完結しないなら、さらにPABAを加え、該反応液をさらに24時間攪拌した。該溶液を減圧濃縮し、生じた残渣を水:アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸のグラジエント条件を用いて、C18カラムでHPLCにより精製した。該生成物のフラクションを凍結乾燥し、標記化合物を得た。
パートF−[4−((2S)−2−{(2S)−2−[(2S)−2−(2−{(2S)−2−[((2S)−1−アセチルピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}アセチルアミノ)−4−フェニルブタノイルアミノ]−5−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]ペンタノイルアミノ}−4−メチルペンタノイルアミノ)フェニル]メチル(4−ニトロフェノキシ)ホルメートの製造
Figure 2007504242
パートEの生成物および4−ニトロフェニルクロロホルメートの無水ジクロロメタン溶液を0℃で冷却し、ピリジンで処理し、窒素下、室温で2時間攪拌した。該溶液をCH2Cl2で希釈し、水および飽和食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮した。生じた残渣を水:アセトニトリル:0.1%ギ酸のグラジエント条件を用いて、C18カラムでHPLCにより精製した。該生成物のフラクションを凍結乾燥し、標記化合物を得た。
パートG−2−{(1E)−2−[(5−{N−[2−(8−{[4−((2S)−2−{(2S)−2−[(2S)−2−(2−{(2S)−2−[((2S)−1−アセチルピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}アセチルアミノ)−4−フェニルブタノイルアミノ]−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノイルアミノ}−5−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]ペンタノイルアミノ)フェニル]メトキシカルボニルオキシ}ヘキサデック−15−エノイルアミノ)エチル]カルバモイル}(2−ピリジル))アミノ]−2−アザビニル}ベンゼンスルホン酸の製造
Figure 2007504242
パートDおよびFの生成物、およびDMAPの無水ジクロロメタン溶液をHPLC分析で、反応が完結したことを確認するまで攪拌した。溶液を減圧濃縮し、生じた残渣を水:アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸のグラジエント条件を用いて、C18カラムで逆相HPLCクロマトグラフィーを精製した。主生成物のフラクションを凍結乾燥し、標記化合物を得た。
パートH−最終の脱保護
パートGの生成物をトリフルオロ酢酸:ジクロロメタン(50:50)で溶解し、窒素下、室温で10分間攪拌した。該反応液を減圧濃縮し、生じた残渣を水:アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸のグラジエント条件を用いて、C18カラムでHPLCにより精製した。該生成物フラクションを凍結乾燥し、標記化合物を得た。
実施例51
4−[(6−{[(1E)−1−アザ−2−(2−スルホフェニル)ビニル]アミノ}(3−ピリジル))カルボニルアミノ](4S)−4−(N−{2−[8−(4−{2−[2−((2S)−2−{(2S)−2−[(2S)−2−(2−{(2S)−2−[((2S)−1−アセチルピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}アセチルアミノ)−4−フェニルブタノイルアミノ]−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノイルアミノ}−4−メチルペンタノイルアミノ)−フェニル]アセチルオキシ}フェニル)−オクタノイルアミノ]エチル}カルバモイル)酪酸の合成
Figure 2007504242
パートA−(2S)−2−[(フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニルアミノ]−N−[2−(2−ヒドロキシエチル)フェニル]−4−メチルペンタンアミドの製造
Figure 2007504242
Fmoc−Leu−OH、2−(4−アミノフェニル)エタノール、およびEEDQのトルエン:エタノール(1:1)溶液を窒素下、室温で3日間攪拌した。もし反応が完結しないなら、さらに、2−(4−アミノフェニル)エタノール、およびEEDQを加え、反応液をさらに24時間攪拌した。該溶液を減圧濃縮し、生じた残渣をジクロロメタンで溶解し、0.1N HCl、飽和NaHCO3、および飽和NaClで連続的に洗浄した。有機溶液を乾燥(MgSO4)し、濃縮し、残渣をヘキサン:酢酸エチルの移動相を用いて、シリカフラッシュクロマトグラフィーで精製し、標記化合物を得た。
パートB−2−(2−{(2S)−2−[(フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}フェニル)酢酸の製造
Figure 2007504242
パートAの生成物および重クロム酸ピリジニウムのN,N−ジメチルホルムアミド溶液を室温で8時間攪拌した。該溶液を10倍量の水で希釈し、沈殿生成物をエーテルで抽出した。併せたエーテル抽出液を水および飽和NaClで連続的に洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濃縮した。粗生成物をエタノールから再結晶で精製し、標記化合物を得た。
パートC−N−{2−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]エチル}−8−(4−ヒドロキシフェニル)オクタンアミド
Figure 2007504242
8−(4−ヒドロキシフェニル)オクタン酸、N−Boc−エチレンジアミン、およびEEDQのトルエン:エタノール(1:1)溶液を窒素下、室温で24時間攪拌した。該溶液を減圧濃縮し、生じた残渣をジクロロメタンで溶解し、0.1N HCl、飽和NaHCO3、および飽和NaClで連続的に洗浄した。該有機溶液を乾燥(MgSO4)し、濃縮し、残渣をヘキサン:酢酸エチルの移動相を用いて、シリカフラッシュクロマトグラフィーを用いて精製し、標記化合物を得た。
パートD−4−[7−(N−{2−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]エチル}カルバモイル)ヘプチル]フェニル2−[2−(メチルアミノ)フェニル]アセテートの製造
Figure 2007504242
数滴のN,N−ジメチルホルムアミドを含む、パートBの生成物の無水ジクロロメタン溶液を1当量の塩化オキサリルで処理し、室温で3時間攪拌した。溶液をパートCの生成物およびジイソプロピルエチルアミンで処理し、窒素下、室温で18時間攪拌した。溶液を0.1N HCl、飽和NaHCO3、および飽和NaClで連続的に洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濃縮した。該残渣をヘキサン:酢酸エチルの移動相を用いて、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル)により精製し、標記化合物を得た。
パートE−tert−ブチル(4S)−4−{N−[2−(8−{4−[2−(2−{(2S)−2−[(フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}フェニル)アセチルオキシ]フェニル}オクタノイルアミノ)エチル]カルバモイル}−4−[(フェニルメトキシ)カルボニルアミノ]ブタノエートの製造
Figure 2007504242
パートEの生成物の溶液をトリフルオロ酢酸:ジクロロメタン(50:50)で溶解し、窒素下、室温で10分間攪拌した。該溶液を濃縮し、残渣を無水N,N−ジメチルホルムアミドで溶解し、ジイソプロピルエチルアミン(pH8〜9)、およびCbz−Glu(t−Bu)−OSuと処理した。溶液を室温で18時間攪拌し、濃縮した。生じた残渣を水:アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸のグラジエント条件を用いて、C18カラムでHPLCにより精製した。該生成物のフラクションを凍結乾燥し、標記化合物した。
パートF−tert−ブチル (4S)−4−(N−{2−[8−(4−{2−[2−((2S)−2−{(2S)−2−[(2S)−2−(2−{(2S)−2−[((2S)−1−アセチルピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}−アセチルアミノ)−4−フェニルブタノイルアミノ]−3−[4−(tert−ブトキシ)フェニル]プロパノイルアミノ}−4−メチルペンタノイルアミノ)フェニル]アセチルオキシ}フェニル)オクタノイルアミノ]エチル}カルバモイル)−4−[(フェニルメトキシ)カルボニルアミノ]ブタノエートの製造
Figure 2007504242
パートEの生成物をN,N−ジメチルホルムアミド中、20%ピペリジンで溶解し、室温で10分間攪拌した。該溶液を減圧濃縮し、高真空下で乾燥した。生じた残渣を実施例48、パートAの生成物と一緒に最少量の無水DMSOで溶解し、該溶液をHOAt、コリジン、およびDICで処理した。該溶液を窒素下で、24時間室温にて攪拌し、水:アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸のグラジエント条件を用いて、C18カラムでHPLCによって精製した。生成物のフラクションを凍結乾燥し、標記化合物を得た。
パートG−tert−ブチル−4−[(6−{[(1E)−1−アザ−2−(2−スルホフェニル)ビニル]アミノ}(3−ピリジル))カルボニルアミノ](4S)−4−(N−{2−[8−(4−{2−[2−((2S)−2−{(2S)−2−[(2S)−2−(2−{(2S)−2−[((2S)−1−アセチルピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}アセチルアミノ)−4−フェニルブタノイルアミノ]−3−(4−[tert−ブトキシ]フェニル)プロパノイルアミノ}−4−メチルペンタノイルアミノ)−フェニル]アセチルオキシ}フェニル)−オクタノイルアミノ]エチル}−カルバモイル)ブタノエートの製造
Figure 2007504242
パートFの生成物のエタノール溶液は、Cbz基を全体的に除去したことをHPLCが示すまで、60psi、10%のPd/Cで水素化した。触媒をセライト濾過により除去し、濾液を減圧濃縮した。残渣を無水N,N−ジメチルホルムアミドで溶解し、ジイソプロピルエチルアミン、HOAt、および2−[(1E)−2−アザ−2−({5−[(2,5−ジオキソピロリジニル)オキシカルボニル](2−ピリジル)}アミノ)ビニル]ベンゼンスルホネートで処理した。該溶液を窒素下、室温で24時間攪拌し、減圧濃縮した。該残渣を水:アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸のグラジエント条件を用いて、C18カラムでHPLCにより精製した。生成物のフラクションを凍結乾燥し、標記化合物を得た。
パートH−最終の脱保護
パートGの生成物を95:2.5:2.5のトリフルオロ酢酸:アニソール:水(2mL)で溶解し、窒素下、室温で10分間攪拌した。該溶液を減圧濃縮し、生じた残渣を水:アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸のグラジエント条件を用いて、C18カラムでHPLCにより精製した。該生成物のフラクションを凍結乾燥し、標記化合物を得た。
実施例52
2−[(1E)−2−({5−[N−(2−{8−[2−(N−{2−[((2S)−2−{(2S)−2−[(2S)−2−(2−{(2S)−2−[((2S)−1−アセチルピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}アセチルアミノ)−4−フェニルブタノイルアミノ]−6−(ジメチルアミノ)ヘキサノイルアミノ}−4−メチルペンタノイルアミノ)メチル]フェニル}−N−メチルカルバモイルオキシ)−5−ブチルフェニル]オクタノイルアミノ}−エチル)カルバモイル](2−ピリジル)}アミノ)−2−アザビニル]ベンゼンスルホン酸の合成
Figure 2007504242
パートA−Ac−PLG−Hphe−K(Me2)−L−OHの製造
標記化合物を2回目のカップリングステップにおいて、Fmoc−Tyr(t−Bu)−OHをFmoc−Lys(Me2)に置換することによって、実施例10パートAおよびBの手順を用いて製造した。粗ペプチドを水:アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸のグラジエント条件を用いて、C18カラムでHPLCにより精製した。該生成物のフラクションを凍結乾燥し、標記化合物を得た。
パートB−(2S)−2−[(2S)−2−(2−{(2S)−2−[((2S)−1−アセチルピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}アセチルアミノ)−4−フェニルブタノイルアミノ]−N−[(1S)−3−メチル−1−(N−{[2−(メチルアミノ)フェニル]メチル}カルバモイル)ブチル]−6−(ジメチルアミノ)ヘキサンアミドの製造
Figure 2007504242
パートAの生成物、N−メチル−2−アミノメチルアニリン(Coyne, W.E.; Cusic, J.W. J. Med. Chem. 1968, 11, 1208-1213)、HBTU、およびジイソプロピルエチルアミンのN,N−ジメチルホルムアミド溶液を窒素下、室温で18時間攪拌した。該溶液を濃縮し、残渣を水:アセトニトリル:10mMのNH4OAcのグラジエント条件を用いて、C18カラムでHPLCによって精製した。生成物のフラクションを凍結乾燥し、標記化合物を得た。
パートC−エチル 8−(5−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−8−オキソオクタノエートの製造
Figure 2007504242
実施例23パートAの生成物の溶液、4−ブチルフェノール、およびピリジンのジクロロメタン溶液を窒素下、室温で2日間攪拌した。該溶液を連続的に1.0N HCl、飽和NaHCO3、および飽和NaClで洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濃縮した。残渣を最少量の1,2−ジクロロエタン(DCE)で溶解し、塩化アルミニウムで処理した。該混合物を6時間加熱還流し、室温まで冷却し、氷に注いだ。層を分離し、水層をジクロロメタンで抽出した。ジクロロメタンおよびDCE層を併せて、飽和NaHCO3および飽和NaClで連続的に洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濃縮した。残渣をヘキサン:酢酸エチルの移動相を用いて、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル)を用いて、標記化合物を得た。
パートD−8−(5−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)オクタン酸の製造
Figure 2007504242
パートCの生成物のエタノール性KOH水溶液を3時間加熱還流し、エタノールを除去するまで濃縮した。該水溶液をエーテルで洗浄し、濃HClで酸性にした。生じた沈殿をジクロロメタンで抽出した。該ジクロロメタン抽出液を水で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濃縮した。残渣をジエチレングリコールで溶解し、2当量のヒドラジン水和物および3当量のKOHで処理した。溶液を1時間加熱還流し、冷却し、水で希釈した。溶液を濃HClで酸性にし、生成物をジクロロメタンで抽出した。併せたジクロロメタン抽出液を乾燥(MgSO4)し、濃縮し、残渣を再結晶し、標記化合物を得た。
パートE−N−{2−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]エチル}−8−(5−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)オクタンアミドの製造
Figure 2007504242
パートDの生成物、N−Boc−エチレンジアミン、およびEEDQのトルエン:エタノール(1:1)溶液を窒素下、室温で24時間攪拌した。該溶液を減圧濃縮し、生じた残渣をジクロロメタンで溶解し、連続的に0.1N HCl、飽和NaHCO3、および飽和NaClで洗浄した。該有機溶液を乾燥(MgSO4)し、濃縮し、残渣をヘキサン:酢酸エチルの移動相を用いて、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル)により精製し、標記化合物を得た。
パートF−8−[2−(N−{2−[((2S)−2−{(2S)−2−[(2S)−2−(2−{(2S)−2−[((2S)−1−アセチルピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}アセチルアミノ)−4−フェニルブタノイルアミノ]−6−(ジメチルアミノ)ヘキサノイルアミノ}−4−メチルペンタノイルアミノ)メチル]フェニル}−N−メチルカルバモイルオキシ)−5−ブチルフェニル]−N−{2−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]エチル}オクタンアミドの製造
Figure 2007504242
パートEの生成物、ピリジン、およびトリホスゲンのジクロロメタン溶液を0℃で30分間攪拌した。パートBの生成物を加え、溶液を室温で18時間攪拌した。該溶液を濃縮し、残渣を水:アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸のグラジエント条件を用いて、C18カラムでHPLCにより精製した。生成物のフラクションを凍結乾燥し、標記化合物を得た。
パートG−2−[(1E)−2−({5−[N−(2−{8−[2−(N−{2−[((2S)−2−{(2S)−2−[(2S)−2−(2−{(2S)−2−[((2S)−1−アセチルピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}アセチルアミノ)−4−フェニルブタノイルアミノ]−6−(ジメチルアミノ)ヘキサノイルアミノ}−4−メチルペンタノイルアミノ)メチル]フェニル}−N−メチルカルバモイルオキシ)−5−ブチルフェニル]オクタノイルアミノ}エチル)カルバモイル](2−ピリジル)}アミノ)−2−アザビニル]ベンゼンスルホン酸の製造
パートFの生成物をトリフルオロ酢酸:ジクロロメタン(50:50)で溶解し、窒素下、室温で10分間攪拌した。溶液を濃縮し、残渣をN,N−ジメチルホルムアミドで溶解し、ジイソプロピルエチルアミンで塩基性にさせて、ナトリウム 2−[(1E)−2−アザ−2−({5−[(2,5−ジオキソピロリジニル)オキシカルボニル](2−ピリジル)}アミノ)ビニル]ベンゼンスルホネートおよびHOAtで処理した。該溶液を窒素下、室温で18時間攪拌し、減圧濃縮した。残渣を水:アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸のグラジエント条件を用いて、C18カラムでHPLCにより精製した。生成物のフラクションを凍結乾燥し、標記化合物を得た。
実施例53
2−{(1E)−2−[(5−{N−[2−(10−{1−[(4−{(2S)−2−[(2S)−2−(2−{(2S)−2−[((2S)−1−{2−[N−(4−アミノブチル)アセチルアミノ]アセチル}ピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−5−アミノペンタノイルアミノ}−アセチルアミノ)−4−フェニルブタノイルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}−フェニル)メチル](4−ピリジニウム)}ウンデカノイルアミノ)−エチル]−カルバモイル}(2−ピリジル))アミノ]−2−アザビニル}ベンゼンスルホネート ビス−トリフルオロ酢酸塩の合成
Figure 2007504242
パートA−メチル (10E)−11−(4−ピリジル)ウンデック−10−エノエートの製造
Figure 2007504242
メチル 10−ブロモデカノエートおよびトリフェニルホスフィンの酢酸エチル溶液を6時間加熱還流した。該混合液を冷却し、エーテルで希釈した。生じたホスホニウム塩の沈殿を濾過により回収し、エーテルで洗浄し、乾燥した。分離フラスコで、無水DMSOをNaHで処理し、窒素下、60℃に温めて、ジムシルナトリウム試薬を形成した。ホスホニウム塩をジムシルナトリウムの溶液に加え、該溶液を室温で3時間攪拌した。4−ピリジンカルボキシアルデヒドを加え、該溶液を室温で18時間攪拌した。該溶液をヘキサンで希釈し、水で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濃縮した。生成物をヘキサン:酢酸エチルの移動相を用いて、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル)により精製し、標記化合物を得た。
パートB−11−(4−ピリジル)ウンデカエノイン酸の製造
Figure 2007504242
パートAの生成物をエタノールで溶解し、60psiで10%Pd/Cにて水素化した。触媒をセライト(登録商標)濾過で除去し、濾過液を減圧濃縮した。残渣をわずかに過剰量のエタノール性KOHで溶解し、24時間加熱還流した。溶液をIRC−50レジンから製造したイオン交換カラムを通過させることにより脱塩した。溶離液を減圧濃縮し、標記化合物を得た。
パートC−N−{2−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]エチル}−11−(4−ピリジル)ウンデカンアミドの製造
Figure 2007504242
パートBの生成物、N−Boc−エチレンジアミン、およびHBTUの無水N,N−ジメチルホルムアミド溶液を窒素下、室温で18時間攪拌した。溶液を減圧濃縮し、生じた残渣をジクロロメタンで溶解し、連続的に水、飽和NaHCO3、および飽和NaClで洗浄した。該有機溶液を乾燥(MgSO4)し、濃縮し、残渣をヘキサン:酢酸エチルの移動相を用いて、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル)により精製し、標記化合物を得た。
パートD−11−{1−[(4−{(2S)−2−[(フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}フェニル)メチル](4−ピリジニウム)}−N−{2−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]エチル}ウンデカンアミド ブロミドの製造
Figure 2007504242
実施例25・パートAの生成物、トリフェニルホスフィン、および四臭化炭素のジクロロメタン溶液を室温で18時間攪拌した。該溶液を少量まで濃縮し、アルミナで濾過し、トリフェニルホスフィンオキシドを除去した。溶離液を濃縮し、残渣を無水N,N−ジメチルホルムアミドに溶解し、上記パートCの生成物で処理した。溶液を室温で18時間攪拌し、濃縮した。残渣を水:アセトニトリル:0.1%ギ酸のグラジエント条件を用いて、C18カラムでHPLCにより精製した。生成物のフラクションを凍結乾燥し、標記化合物を得た。
パートE−2−{(1E)−2−[(5−{N−[2−(11−{1−[(4−{(2S)−2−[(フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}フェニル)メチル](4−ピリジニウム)}ウンデカノイルアミノ)エチル]カルバモイル}(2−ピリジル))アミノ]−2−アザビニル}ベンゼンスルホネートの製造
Figure 2007504242
パートDの生成物をトリフルオロ酢酸:ジクロロメタン(50:50)で溶解し、窒素下、室温で10分間攪拌した。溶液を濃縮し、真空乾燥した。残渣を無水N,N−ジメチルホルムアミドで溶解し、ジイソプロピルエチルアミン、HOAt、および2−[(1E)−2−アザ−2−({5−[(2,5−ジオキソピロリジニル)オキシカルボニル](2−ピリジル)}アミノ)ビニル]ベンゼンスルホネートで処理した。該溶液を窒素下、室温で24時間攪拌し、減圧濃縮した。残渣を水:アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸のグラジエント条件を用いて、C18カラムでHPLCにより精製した。生成物のフラクションを凍結乾燥し、標記化合物を得た。
パートF−Ac−NLys(Boc)−PO(Boc)G−Hphe−OHの製造
HMPB−BHAレジンをペプチド合成反応槽に付し、N,N−ジメチルホルムアミド(2回)で洗浄することによって膨張した。Fmoc−Hphe−OHのN,N−ジメチルホルムアミド溶液を加え、該レジンを室温で15分間混合した。ピリジンおよび2,6−ジクロロベンゾイルクロリドを加え、混合液を穏やかに20時間振とうした。次いで、該レジンをN,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、ジクロロメタン(3回)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(3回)で洗浄した。該レジンの残存するヒドロキシル基をジクロロメタン中で、ベンゾイルクロリドおよびピリジンと2時間反応することによりキャッピングした。置換レベルは、定量的フルベン−ピペリジンアッセイによって決定した。次いで、以下のステップを実施した:(ステップ1)Fmoc基をN,N−ジメチルホルムアミド中、30分間、20%ピペリジンを用いて、除去した。(ステップ2)該レジンをN,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、ジクロロメタン(3回)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(3回)で洗浄した。(ステップ3)Fmoc−Gly−OH、HOBt、およびHBTUのN,N−ジメチルホルムアミドおよびジイソプロピルエチルアミン溶液をレジンに加え、反応を8時間進行させた。(ステップ4)レジンをN,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、ジクロロメタン(3回)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(3回)で洗浄した。(ステップ5)もし、定量的フルベン−ピペリジンアッセイで最初のカップリングが不完全であるなら、2回目のカップリングを実施した。(ステップ6)レジンをN,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、ジクロロメタン(3回)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(3回)で洗浄した。ステップ1〜6は、Fmoc−NLys(Boc)−PO(Boc)G−Hphe−OH配列を得るまで繰り返した。
ペプチド−レジンを20%ピペリジンのN,N−ジメチルホルムアミド溶液で30分間処理し、N,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、ジクロロメタン(3回)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(3回)で洗浄した。無水酢酸およびジイソプロピルエチルアミンを加え、レジンは、開裂したペプチドの少量をLC/MSで評価することにより、キャッピング反応が完了するまで混合した。ペプチド−レジンをガラス濾過器に付して、1%トリフルオロ酢酸のジクロロメタン溶液で処理した。2分後、溶液は圧力を用いて、直接10%ピリジンのメタノール溶液に濾過した。開裂ステップを9回繰り返した。濾過液を併せて、それらの5%の量になるまでエバポレートし、水で希釈し、氷水浴で冷却した。生じた沈殿をガラス濾過器で濾過することにより回収し、水で洗浄し、真空乾燥した。生じた残渣を水:アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸のグラジエント条件を用いて、C18カラムでHPLCによって精製し、標記化合物を得た。
パートG−2−[(1E)−2−({5−[N−(2−{10−[1−({4−[(2S)−2−((2S)−2−{2−[(2S)−2−({(2S)−1−[2−(N−{4−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]ブチル}アセチルアミノ)アセチル]ピロリジン−2−イル}カルボニルアミノ)−5−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]ペンタノイルアミノ]アセチルアミノ}−4−フェニルブタノイルアミノ)−4−メチルペンタノイルアミノ]フェニル}メチル)(4−ピリジニウム)]デカノイルアミノ}エチル)カルバモイル](2−ピリジル)}アミノ)−2−アザビニル]ベンゼンスルホネートの製造
Figure 2007504242
パートEの生成物を20%ピペリジンのN,N−ジメチルホルムアミド溶液で溶解し、室温で10分間攪拌した。該溶液を減圧濃縮し、高真空下で乾燥した。生じた残渣をパートFの生成物と一緒に最少量の無水DMSOで溶解し、該溶液をHOAt、コリジン、およびDICで処理した。溶液を窒素下、室温で24時間攪拌し、減圧濃縮した。残渣を水:アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸のグラジエント条件を用いて、C18カラムでHPLCにより精製した。生成物のフラクションを凍結乾燥し、標記化合物を得た。
パートH−最終の脱保護
パートGの生成物のトリフルオロ酢酸:ジクロロメタン(50:50)溶液を窒素下、室温で10分間攪拌し、高真空下で乾燥するまで濃縮した。該残渣を水:アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸のグラジエント条件を用いて、C18カラムでHPLCにより精製した。生成物のフラクションを凍結乾燥し、標記化合物を得た。
実施例54
2−{(1E)−2−[(5−{N−[2−(8−{(2S)−2−[(2S)−2−(2−{(2S)−2−[((2S)−1−{2−[N−(4−アミノブチル)アセチルアミノ]アセチル}ピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−6−(アミジノアミノ)ヘキサノイルアミノ}アセチルアミノ)−4−フェニルブタノイルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}(7Z)ウンデック−7−エノイルアミノ)エチル]カルバモイル}(2−ピリジル))アミノ]−2−アザビニル}ベンゼンスルホン酸 トリフルオロ酢酸塩の合成
Figure 2007504242
パートA−Ac−NLys(Boc)P−Cit−G−Hphe−OHの製造
標記化合物は、Fmoc−O(Boc)−OHをFmoc−Cit−OHに換えて、実施例53・パートFに記載した手順によって製造した。
パートB−エチル (8Z)−9−アザ−8−ブチル−12,12−ジメチル−12−シラトリデック−8−エノエートの製造
Figure 2007504242
実施例23パートBの生成物、2−(トリメチルシリル)エタンアミド(Sommer, L.H.; Rockett, J. J. Am. Chem. Soc. 1951, 73, 5130-5134)、および触媒量のp−トルエンスルホン酸のクロロホルム溶液に、活性化した4Åモレキュラーシーブズを加えた。反応液を窒素下、室温で2日間静置させた。該有機溶液をモレキュラーシーブズからデカントし、連続的に飽和NaHCO3、および飽和NaClで洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濃縮し、標記化合物を得て、直接次反応に使用した。
パートC−エチル 8−{(2S)−2−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]−N−(3,3−ジメチル−3−シラブチル)−4−メチルペンタノイルアミノ}(7Z)ドデック−7−エノエートの製造
Figure 2007504242
パートBの生成物およびFmoc−ロイシン無水物(Heimer, E.P.; Chang, C.D.; Lambros, T.; Meienhofer, J. Int. J. Peptide Protein Res. 1981, 18, 237)のピリジン溶液を1時間加熱還流した。該溶液を濃縮し、残渣を酢酸エチルで溶解し、0.1N HCl、飽和NaHCO3、および飽和NaClで連続的に洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濃縮した。生じた残渣をヘキサン:酢酸エチルの移動相を用いて、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル)により精製し、標記化合物を得た。
パートD−エチル 8−{(2S)−2−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}(7Z)ウンデック−7−エノエートの製造
Figure 2007504242
パートCの生成物のTHF溶液をTBAFで処理し、窒素下、室温で2時間攪拌した。該溶液を濃縮し、残渣を酢酸エチルで溶解した。該有機溶液を水および飽和NaClで連続的に洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濃縮した。粗生成物をヘキサン:酢酸エチルの移動相を用いて、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル)により精製し、標記化合物を得た。
パートE−2−{(1E)−2−[(5−{N−[2−(8−{(2S)−2−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}(7Z)ウンデック−7−エノイルアミノ)エチル]カルバモイル}(2−ピリジル))アミノ]−2−アザビニル}ベンゼンスルホン酸の製造
Figure 2007504242
パートDの生成物のTHFおよび水溶液を3N LiOHで処理し、エステル加水分解がTLCで完了したことを確認するまで、窒素下、室温ですばやく攪拌した。THFを除去し、生じた混合液をHClで注意深く、pH4まで酸性とし、ジクロロメタンで抽出した。該有機抽出液を水で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濃縮した。残渣をヘキサン:酢酸エチルの移動相を用いて、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル)により精製した。生じた生成物を、実施例23パートFの生成物と一緒に無水N,N−ジメチルホルムアミドで溶解した。該溶液をジイソプロピルエチルアミンで塩基性にし、HBTUおよびHOAtで処理した。反応液を窒素下、室温で6時間攪拌し、減圧濃縮した。生じた残渣を水:アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸のグラジエント条件を用いて、C18カラムでHPLCにより精製した。生成物のフラクションを凍結乾燥し、標記化合物を得た。
パートF−2−[(1E)−2−({5−[N−(2−{8−[(2S)−2−((2S)−2−{2−[(2S)−2−({(2S)−1−[2−(N−{4−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]ブチル}アセチルアミノ)アセチル]ピロリジン−2−イル}カルボニルアミノ)−6−(アミジノアミノ)ヘキサノイルアミノ]アセチルアミノ}−4−フェニルブタノイルアミノ)−4−メチルペンタノイルアミノ](7Z)ウンデック−7−エノイルアミノ}エチル)カルバモイル](2−ピリジル)}アミノ)−2−アザビニル]ベンゼンスルホン酸の製造
Figure 2007504242
パートEの生成物をトリフルオロ酢酸:ジクロロメタン(50:50)で溶解し、窒素下、室温で10分間攪拌した。該溶液を濃縮し、高真空下乾燥した。残渣、上記パートAの生成物、HBTU、HOAt、およびジイソプロピルエチルアミンの無水N,N−ジメチルホルムアミド溶液を窒素下、室温で24時間攪拌した。溶液を濃縮し、残渣を水:アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸のグラジエント条件を用いて、C18カラムでHPLCにより精製した。生成物のフラクションを凍結乾燥し、標記化合物を得た。
パートG−最終の脱保護
パートGの生成物のトリフルオロ酢酸:ジクロロメタン(50:50)溶液を窒素下、室温で10分間攪拌し、高真空下で乾燥するまで濃縮した。残渣を水:アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸のグラジエント条件を用いて、C18カラムでHPLCにより精製した。生成物のフラクションを凍結乾燥し、標記化合物を得た。
実施例55
2−((1E)−2−{[5−(N−{2−[11−(4−{(2S)−2−[(2S)−2−(2−{(2S)−2−[((2S)−1−{2−[N−(4−アミノブチル)アセチルアミノ]アセチル}ピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−6−(アミジノアミノ)ヘキサノイルアミノ}アセチルアミノ)−4−フェニルブタノイルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}フェニル)ウンデカノイルアミノ]エチル}カルバモイル)(2−ピリジル)]アミノ}−2−アザビニル)ベンゼンスルホン酸 トリフルオロ酢酸塩の合成
Figure 2007504242
パートA−メチル (10E)−11−[4−(2,2,2−トリフルオロアセチルアミノ)フェニル]ウンデック−10−エノエートの製造
Figure 2007504242
メチル 10−ブロモデカノエートおよびトリフェニルホスフィンの酢酸エチル溶液を6時間加熱還流した。該混合液を冷却し、エーテルで希釈した。ホスホニウム塩の生じた沈殿を濾過により回収し、エーテルで洗浄し、乾燥した。分離フラスコで、無水DMSOをNaHで処理し、窒素下、ジムシルナトリウム試薬を形成するために60℃に温めた。該ホスホニウム塩をジムシルナトリウム溶液に加え、溶液を室温で3時間攪拌した。4−(トリフルオロアセトアミド)ベンズアルデヒド(Bonar-Law, R.P. J. Org. Chem. 1996, 61, 3623-3634)を加え、溶液を室温で18時間攪拌した。該溶液をヘキサンで希釈し、水で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濃縮した。生成物をヘキサン:酢酸エチルの移動相を用いて、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル)により精製し、標記化合物を得た。
パートB−11−(4−アミノフェニル)ウンデカノイン酸の製造
Figure 2007504242
パートAの生成物をエタノールで溶解し、60psiで、10%Pd/Cにて水素化した。触媒をセライト(登録商標)濾過により除去し、濾過液を減圧濃縮した。残渣を僅かに過剰のエタノール性KOHに溶解し、24時間加熱還流した。該溶液をIRC−50レジンから製造したイオン交換カラムを通過することによって、脱塩した。溶離液を減圧濃縮し、標記化合物を得た。
パートC−2−((1E)−2−{[5−(N−{2−[11−(4−アミノフェニル)ウンデカノイルアミノ]エチル}カルバモイル)(2−ピリジル)]アミノ}−2−アザビニル)ベンゼンスルホン酸の製造
Figure 2007504242
パートBの生成物、実施例23・パートFの生成物、およびHBTUの無水N,N−ジメチルホルムアミド溶液を窒素下、室温で18時間攪拌した。溶液を減圧濃縮し、生じた残渣をジクロロメタンで溶解し、水、飽和NaHCO3、および飽和NaClで連続的に洗浄した。該有機溶液を乾燥(MgSO4)し、濃縮し、残渣をヘキサン:酢酸エチルの移動相を用いて、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル)により精製し、標記化合物を得た。
パートD−2−((1E)−2−{[5−(N−{2−[11−(4−{(2S)−2−[(フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}フェニル)ウンデカノイルアミノ]エチル}カルバモイル)(2−ピリジル)]アミノ}−2−アザビニル)ベンゼンスルホン酸の製造
Figure 2007504242
パートCの生成物、Fmoc−Leu−OH、パートE、HOAt、コリジン、およびDICを最少量のDMSOで溶解し、窒素下、室温で24時間攪拌した。該溶液を水:アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸のグラジエント条件を用いて、C18カラムでHPLCにより精製した。生成物のフラクションを凍結乾燥し、標記化合物を得た。
パートE−2−{(1E)−2−[(5−{N−[2−(11−{4−[(2S)−2−((2S)−2−{2−[(2S)−2−({(2S)−1−[2−(N−{4−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]ブチル}アセチルアミノ)アセチル]ピロリジン−2−イル}カルボニルアミノ)−6−(アミジノアミノ)ヘキサノイルアミノ]アセチルアミノ}−4−フェニルブタノイルアミノ)−4−メチルペンタノイルアミノ]フェニル}ウンデカノイルアミノ)エチル]カルバモイル}(2−ピリジル))アミノ]−2−アザビニル}ベンゼンスルホン酸の製造
Figure 2007504242
パートDの生成物を20%ピペリジンのN,N−ジメチルホルムアミド溶液で溶解し、室温で10分間攪拌した。溶液を減圧濃縮し、高真空下で乾燥した。生じた残渣を実施例54・パートAの生成物と一緒に、最少量の無水DMSOで溶解し、該溶液をHOAt、コリジン、およびDICで処理した。該溶液を窒素下、室温で24時間攪拌し、減圧濃縮した。残渣を水:アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸のグラジエント条件を用いて、C18カラムでHPLCにより精製した。生成物のフラクションを凍結乾燥し、標記化合物を得た。
パートF−最終の脱保護
パートEの生成物のフルオロ酢酸:ジクロロメタン(50:50)溶液を窒素下、室温で10分間攪拌し、高真空下で乾燥するまで濃縮した。残渣を水:アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸のグラジエント条件を用いて、C18カラムでHPLCにより精製した。生成物のフラクションを凍結乾燥し、標記化合物を得た。
実施例56
2−[(1E)−2−({5−[N−(2−{12−[4−((2S)−2−{(2S)−2−[(2S)−2−(2−{(2S)−2−[((2S)−1−アセチルピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}アセチルアミノ)−4−フェニルブタノイルアミノ]−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノイルアミノ}−4−メチルペンタノイルアミノ)ピリジニウム]ドデカノイルアミノ}エチル)カルバモイル](2−ピリジル)}アミノ)−2−アザビニル]ベンゼンスルホネートの合成
Figure 2007504242
パートA−N−{2−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]エチル}−12−ブロモドデカンアミドの製造
Figure 2007504242
12−ブロモドデカノイン酸、N−Boc−エチレンジアミン、HBTU、および2,6−ジ−t−ブチルピリジンの無水N,N−ジメチルホルムアミド溶液を窒素下、室温で6時間攪拌した。溶液を減圧濃縮し、残渣を酢酸エチルで溶解した。該有機溶液を1.0N HCl、飽和NaHCO3、および飽和NaClで連続的に洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濃縮した。生じた残渣をヘキサン:酢酸エチルの移動相を用いて、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル)により精製し、標記化合物を得た。
パートB−(2S)−2−[(フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニルアミノ]−4−メチル−N−(4−ピリジル)ペンタンアミドの製造
Figure 2007504242
Fmoc−Leu−OH、4−アミノピリジン、HOAt、コリジン、およびDICの最少量のDMSO溶液を窒素下、室温で24時間攪拌した。該溶液をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル)で精製し、標記化合物を得た。
パートC−(2S)−N−[(N−{(1S)−1−[N−((1S)−1−{N−[(1S)−3−メチル−1−(N−(4−ピリジル)カルバモイル)ブチル]カルバモイル}−2−[4−(tert−ブトキシ)フェニル]エチル)カルバモイル]−3−フェニルプロピル}カルバモイル)メチル]−2−[((2S)−1−アセチルピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタンアミドの製造
Figure 2007504242
パートBの生成物を20%ピペリジンのN,N−ジメチルホルムアミド溶液で溶解し、室温で10分間攪拌した。溶液を減圧濃縮し、高真空下で乾燥した。生じた残渣を実施例48パートAの生成物と一緒に最少量の無水DMSOで溶解し、該溶液をHOAt、コリジン、およびDICで処理した。該溶液を窒素下、室温で24時間攪拌し、減圧濃縮した。残渣を水:アセトニトリル:50mMのNH4OAcのグラジエント条件を用いて、C18カラムでHPLCにより精製した。生成物のフラクションを凍結乾燥し、標記化合物を得た。
パートD−12−[4−((2S)−2−{(2S)−2−[(2S)−2−(2−{(2S)−2−[((2S)−1−アセチルピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}アセチルアミノ)−4−フェニルブタノイルアミノ]−3−[4−(tert−ブトキシ)フェニル]プロパノイルアミノ}−4−メチルペンタノイルアミノ)−ピリジル]−N−{2−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]エチル}ドデカンアミド ブロミドの製造
Figure 2007504242
パートAおよびCの生成物を無水N,N−ジメチルホルムアミドで溶解し、室温で18時間攪拌し、濃縮した。残渣を水:アセトニトリル:0.1%ギ酸のグラジエント条件を用いて、C18カラムでHPLCにより精製した。生成物のフラクションを凍結乾燥し、標記化合物を得た。
パートE−2−[(1E)−2−({5−[N−(2−{12−[4−((2S)−2−{(2S)−2−[(2S)−2−(2−{(2S)−2−[((2S)−1−アセチルピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}アセチルアミノ)−4−フェニルブタノイルアミノ]−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノイルアミノ}−4−メチルペンタノイルアミノ)ピリジニウム]ドデカノイルアミノ}エチル)カルバモイル](2−ピリジル)}−アミノ)−2−アザビニル]ベンゼンスルホネートの製造
Figure 2007504242
パートDの生成物をトリフルオロ酢酸:Et3SiH:水(95:2.5:2.5)で溶解し、窒素下、60℃で30分間、加熱攪拌した。該溶液を減圧濃縮した。残渣をトルエン:エタノール(1:1)に溶解し、ジイソプロピルエチルアミンで、pHを7に調整し、該溶液を6−({(1E)−2−[2−(ソジオオキシシルホニル)フェニル]−1−アザビニル}アミノ)ピリジン−3−カルボン酸(Bioconjugate Chem. 1999, 10, 808-814)およびEEDQで処理した。反応液を窒素下、室温で4時間反応させて、減圧濃縮した。生じた残渣を水:アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸のグラジエント条件を用いて、C18カラムでHPLCによって精製した。生成物のフラクションを凍結乾燥し、標記化合物を得た。
実施例57
2−[(1E)−2−({5−[N−(2−{2−[4−(2−{3−[2−((2S)−2−{(2S)−2−[(2S)−2−(2−{(2S)−2−[((2S)−1−アセチルピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}アセチルアミノ)−4−フェニルブタノイルアミノ]−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノイルアミノ}−4−メチルペンタノイルアミノ)−4,6−ジメチルフェニル]−3−メチルブタノイルオキシ}プロップ−2−エノイル)フェニル]アセチルアミノ}−エチル)カルバモイル](2−ピリジル)}アミノ)−2−アザビニル]ベンゼンスルホン酸の合成
Figure 2007504242
パートA−3−(2−アミノ−4,6−ジメチルフェニル)−3−メチルブタン−1−オールの製造
Figure 2007504242
3,5−ジメチルアニリン、3,3−ジメチルアクリロイルクロリド、およびTEAのジクロロメタン溶液を室温で2時間攪拌した。該溶液を水、飽和NaHCO3、および飽和NaClで連続的に洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濃縮した。残渣をヘキサン:酢酸エチルの移動相を用いて、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル)により精製した。この精製した中間体を無水THFに溶解し、水素化アルミニウムリチウムで処理した。該反応液を窒素下、室温で2時間攪拌し、飽和塩化アンモニウム溶液を加えることによりクエンチした。沈殿した無機塩をセライト(登録商標)濾過によって除去した。濾過液を濃縮し、残渣をヘキサン:酢酸エチルの移動相を用いて、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル)により精製し、標記化合物を得た。
パートB−(2S)−2−[(フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニルアミノ]−N−[2−(3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルプロピル)−3,5−ジメチルフェニル]−4−メチルペンタンアミドの製造
Figure 2007504242
Fmoc−Leu−OH、パートAの生成物、およびEEDQのトルエン:エタノール(1:1)溶液を窒素下、室温で3日間攪拌した。もし、反応が不完全なら、さらに、2−(4−アミノフェニル)エタノール、およびEEDQを加え、該反応液をさらに24時間攪拌した。溶液を減圧濃縮し、生じた残渣をジクロロメタンで溶解し、0.1N HCl、飽和NaHCO3、および飽和NaClで連続的に洗浄した。該有機溶液を乾燥(MgSO4)し、濃縮し、残渣をヘキサン:酢酸エチルの移動相を用いて、シリカフラッシュクロマトグラフィーにより精製し標記化合物を得た。
パートC−(2S)−N−({N−[(1S)−1−(N−{(1S)−1−[N−((1S)−1−{N−[2−(3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルプロピル)−3,5−ジメチルフェニル]カルバモイル}−3−メチルブチル)カルバモイル]−2−[4−(3,3−ジメチル−3−シラブトキシ)フェニル]エチル}カルバモイル)−3−フェニルプロピル]カルバモイル}メチル)−2−[((2S)−1−アセチルピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタンアミドの製造
Figure 2007504242
パートBの生成物を20%ピペリジンのN,N−ジメチルホルムアミド溶液で溶解し、室温で10分間攪拌した。溶液を減圧濃縮し、高真空下で乾燥した。生じた残渣をAc−PLG−Hphe−Y(Tse)−OH(Fmoc−Tyr(t−Bu)−OHをFmoc−Tyr(Tse)−OHに換え、実施例48パートAの手順に従い製造した)と一緒に、最少量の無水DMSOで溶解し、該溶液をHOAt、コリジン、およびDICで処理した。該溶液を窒素下、室温で24時間攪拌し、水:アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸のグラジエント条件を用いて、C18カラムでHPLCにより精製した。生成物のフラクションを凍結乾燥し、標記化合物を得た。
パートD−3−[2−((2S)−2−{(2S)−2−[(2S)−2−(2−{(2S)−2−[((2S)−1−アセチルピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}アセチルアミノ)−4−フェニルブタノイルアミノ]−3−[4−(3,3−ジメチル−3−シラブトキシ)フェニル]プロパノイルアミノ}−4−メチルペンタノイルアミノ)−4,6−ジメチルフェニル]−3−メチル酪酸の製造
Figure 2007504242
パートDの生成物、TEMPO、およびBAIBのアセトニトリル:水(50:50)溶液を0℃で6時間攪拌し、濃縮した。副生成物のヨードベンゼンをi−PrOH:水(50:50)に残渣を溶解することによって、共沸的に除去し、濃縮する。粗生成物を水:アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸のグラジエント条件を用いて、C18カラムでHPLCによって精製した。生成物のフラクションを凍結乾燥し、標記化合物を得た。
パートE−1−メチルビニル 3−[2−((2S)−2−{(2S)−2−[(2S)−2−(2−{(2S)−2−[((2S)−1−アセチルピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}アセチルアミノ)−4−フェニルブタノイルアミノ]−3−[4−(3,3−ジメチル−3−シラブトキシ)フェニル]プロパノイルアミノ}−4−メチルペンタノイルアミノ)−4,6−ジメチルフェニル]−3−メチルブタノエートの製造
Figure 2007504242
パートDの生成物、酢酸ビニル、酢酸水銀、および濃硫酸の溶液を3時間加熱還流した。酢酸ナトリウムは、酸で中和するために加え、混合液を乾燥するまで濃縮した。残渣を水:アセトニトリルのグラジエント条件を用いて、C18カラムでHPLCにより精製した。生成物のフラクションを凍結乾燥し、標記化合物を得た。
パートF−N−{2−[(フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニルアミノ]エチル}−2−[4−(2−オキソプロパノイル)フェニル]アセトアミドの製造
Figure 2007504242
2−[4−(2−オキソプロパノイル)フェニル]酢酸(McPherson, D.W.; Umbricht, G.; Knapp, F.F., Jr. J. Labelled Compounds Radiopharm. 1990, 28, 877-899)、N−(2−アミノエチル)(フルオレン−9−イルメトキシ)カルボキサミド、HBTU、およびジイソプロピルエチルアミンの無水N,N−ジメチルホルムアミド溶液を室温で6時間攪拌し、減圧濃縮した。残渣を酢酸エチルで溶解し、1.0N HCl、飽和NaHCO3、および飽和NaClで連続的に洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濃縮した。残渣をヘキサン:酢酸エチルの移動相を用いて、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル)により精製し、標記化合物を得た。
パートG−2−{4−[(N−{2−[(フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニルアミノ]エチル}カルバモイル)メチル]フェニル}−1−メチレン−2−オキソエチル 3−[2−((2S)−2−{(2S)−2−[(2S)−2−(2−{(2S)−2−[((2S)−1−アセチルピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}アセチルアミノ)−4−フェニルブタノイルアミノ]−3−[4−(3,3−ジメチル−3−シラブトキシ)フェニル]プロパノイルアミノ}−4−メチルペンタノイルアミノ)−4,6−ジメチルフェニル]−3−メチルブタノエートの製造
Figure 2007504242
パートEおよびFの生成物およびp−TsOHのCHCl3溶液を18時間加熱還流した。該溶液を1.0N HCl、飽和NaHCO3、および飽和NaClで連続的に洗浄し、乾燥(MgSO4)し、乾燥するまで濃縮した。残渣を水:アセトニトリルのグラジエント条件を用いて、C18カラムでHPLCにより精製した。生成物のフラクションを凍結乾燥し、標記化合物を得た。
パートH−2−[(1E)−2−({5−[N−(2−{2−[4−(2−{3−[2−((2S)−2−{(2S)−2−[(2S)−2−(2−{(2S)−2−[((2S)−1−アセチルピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}アセチルアミノ)−4−フェニルブタノイルアミノ]−3−(4−(3,3−ジメチル−3−シラブトキシ)フェニル)プロパノイルアミノ}−4−メチルペンタノイルアミノ)−4,6−ジメチルフェニル]−3−メチルブタノイルオキシ}プロップ−2−エノイル)フェニル]アセチルアミノ}エチル)カルバモイル](2−ピリジル)}アミノ)−2−アザビニル]ベンゼンスルホン酸の製造
Figure 2007504242
パートGの生成物を20%ピペリジンのN,N−ジメチルホルムアミド溶液で溶解し、室温で10分間攪拌した。該溶液を減圧濃縮し、高真空下で乾燥した。残渣を無水N,N−ジメチルホルムアミドで溶解し、ジイソプロピルエチルアミン、HOAt、および2−[(1E)−2−アザ−2−({5−[(2,5−ジオキソピロリジニル)オキシカルボニル]−(2−ピリジル)}アミノ)ビニル]ベンゼンスルホネートで処理した。該溶液を窒素下、室温で24時間攪拌し、減圧濃縮した。残渣を水:アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸のグラジエント条件を用いて、C18カラムでHPLCにより精製した。生成物のフラクションを凍結乾燥し、標記化合物を得た。
パートI−最終の脱保護
パートHの生成物のTHF溶液をTBAFで処理し、窒素下、室温で2時間攪拌した。該溶液を濃縮し、生じた残渣を水:アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸のグラジエント条件を用いて、C18カラムでHPLCにより精製した。生成物のフラクションを凍結乾燥し、標記化合物を得た。
実施例58
ペプチドH−D−Tic−D−Tic−PLG−Hphe−OLEE−OHの4−[((4,4,4−トリフェニルブチル){[N−(4,4,4−トリフェニルブチル)カルバモイル]メチル}−アミノ)メチル]安息香酸コンジュゲート体の合成
Figure 2007504242
パートA−Fmoc−D−Tic−D−Tic−Ahx−PLG−Hphe−O(Boc)LE(t−Bu)E(t−Bu)−ワンレジンの製造
実施例1・パートAからのペプチド−レジンを50mLの反応槽に付して、N,N−ジメチルホルムアミドで洗浄することによって膨張させ、以下のステップを実施した。:(ステップ1)Fmoc基を30分間、20%ピペリジンのN,N−ジメチルホルムアミド溶液を用いて除去した。(ステップ2)該レジンをN,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、ジクロロメタン(3回)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(3回)で洗浄した。(ステップ3)Fmoc−D−Tic−OH、HOBt、およびHBTUのDMSO:N,N−ジメチルホルムアミド(40:60)溶液およびジイソプロピルエチルアミンをレジンに加え、反応を10時間進行させた。(ステップ4)レジンをN,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、ジクロロメタン(3回)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(3回)で洗浄した。(ステップ5)N,N−ジメチルホルムアミドおよびジイソプロピルエチルアミン中、Fmoc−D−Tic−OH、HOBt、およびHBTUの40%DMSO(10ml)をレジンに加え、反応を4時間行った。(ステップ6)該レジンをN,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、ジクロロメタン(3回)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(3回)で洗浄した。(ステップ7)カップリング反応は、半定量的なニンヒドリンアッセイおよび定量的なピクリン酸アッセイまたはフルベン−ピペリジンアッセイによって、評価することにより完了したことを確認した。ステップ1〜7は、二度目のD−Ticの付加を繰り返した。
パートB−Fmoc−D−Tic−D−Tic−Ahx−PLG−Hphe−O(Boc)LE(t−Bu)E(t−Bu)−ワンレジンとコンジュゲートした4−[((4,4,4−トリフェニルブチル){[N−(4,4,4−トリフェニルブチル)カルバモイル]メチル}アミノ)メチル]安息香酸
パートAのペプチド−レジンを20%ピペリジンのN,N−ジメチルホルムアミド溶液で30分間処理し、N,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、ジクロロメタン(3回)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(3回)で洗浄した。2,5−ジオキソピロリジニル 4−[((4,4,4−トリフェニルブチル){[N−(4,4,4−トリフェニルブチル)カルバモイル]メチル}アミノ)メチル]ベンゾエート(Harris, T.D.; Rajopadhye, M.; Damphousse, P.R.; Glowacka, D.; Yu, K.; Bourque, J.P.; Barrett, J.A.; Damphousse, D.J.; Heminway, S.J.; Lazewatsky, J.; Mazaika, T.; Carroll, T.R. Bioorg. Med. Chem. Lett. 1996, 6, 1741-1746)、およびHOAtのDMSO:N,N−ジメチルホルムアミド(40:60)溶液およびジイソプロピルエチルアミンをレジンに加え、反応を18時間行った。レジンをN,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、ジクロロメタン(3回)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(3回)で洗浄した。上記のカップリング手順は、反応が開裂したペプチドの少量のLC/MSで評価によって完了したことが確認されるまで、繰り返した。
パートC−開裂および最終の脱保護
パートBのペプチド−レジンをトリフルオロ酢酸:H2O:TIS(95:2.5:25.5)と2時間攪拌した。該レジンをガラス濾過器で濾過することにより除去し、トリフルオロ酢酸で洗浄した。濾過液を少量まで濃縮し、エーテルで希釈した。生じた沈殿を濾過によって回収し、エーテルで洗浄し、水:アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸のグラジエント条件を用いて、C18カラムでHPLCにより精製した。生成物のフラクションを凍結乾燥し、標記化合物を得た。
実施例59
Ac−RRRR−K[Ac−PLG−Hphe−YL]−RRRR−OHのHYNICコンジュゲート体の合成
Figure 2007504242
パートA−Ac−D−Arg(Pbf)−D−Arg(Pbf)−D−Arg(Pbf)−D−Arg(Pbf)−k(Teoc)−D−Arg(Pbf)−D−Arg(Pbf)−D−Arg(Pbf)−D−Arg(Pbf)−HMBP−BHAレジンの製造
HMPB−BHAレジンをペプチド合成反応槽に付し、N,N−ジメチルホルムアミド(2回)で洗浄することによって膨張させた。Fmoc−D−Arg(Pbf)−OHのN,N−ジメチルホルムアミド溶液を加え、レジンを室温で15分間混合した。ピリジンおよび2,6−ジクロロベンゾイルクロリドを加え、混合液を20時間ゆっくり振とうした。該レジンをN,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、ジクロロメタン(3回)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(3回)で洗浄した。レジンの残存したヒドロキシル基をジクロロメタン中、ベンゾイルクロリドおよびピリジンと2時間反応することにより、キャッピングした。置換レベルは、定量的フルベン−ピペリジンアッセイによって決定される。次いで、以下のステップを実施した:(ステップ1)Fmoc基を20%ピペリジンのN,N−ジメチルホルムアミド溶液を用いて、30分間除去した。(ステップ2)該レジンをN,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、ジクロロメタン(3回)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(3回)で洗浄した。(ステップ3)Fmoc−Hphe−OH、HOBt、およびHBTUのN,N−ジメチルホルムアミド溶液およびジイソプロピルエチルアミンをレジンに加え、反応を8時間行った。(ステップ4)該レジンをN,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、ジクロロメタン(3回)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(3回)で洗浄した。(ステップ5)もし、定量的フルベン−ピペリジンアッセイで、最初のカップリングが不完全であることを示すなら、二度目のカップリングを行う。(ステップ6)レジンをN,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、ジクロロメタン(3回)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(3回)で洗浄した。ステップ3〜6は、配列Fmoc−D−Arg(Pbf)−D−Arg(Pbf)−D−Arg(Pbf)−D−Arg(Pbf)−k(Teoc)−D−Arg(Pbf)−D−Arg(Pbf)−D−Arg(Pbf)−D−Arg(Pbf)−HMPB−BHAレジンに達するまで、繰り返した。ペプチド−レジンを20%ピペリジンのN,N−ジメチルホルムアミド溶液と30分間処理し、N,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、ジクロロメタン(3回)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(3回)で洗浄した。無水酢酸、およびジイソプロピルエチルアミンを加え、該レジンは、キャッピング反応が開裂したペプチドの少量のLC/MSの評価で完了することが確認されるまで混合した。該レジンをN,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、ジクロロメタン(3回)、およびメタノール(3回)で洗浄し、乾燥した。
パートB−Ac−D−Arg(Pbf)−D−Arg(Pbf)−D−Arg(Pbf)−D−Arg(Pbf)−K[Ac−PLG−Hphe−Y(t−Bu)−L]−D−Arg(Pbf)−D−Arg(Pbf)−D−Arg(Pbf)−D−Arg(Pbf)−HMBP−BHAレジンの製造
パートAによるペプチド−レジンをペプチド合成反応槽に付し、N,N−ジメチルホルムアミド(2回)で洗浄することによって膨張させた。該レジンをTBAFのN,N−ジメチルホルムアミド溶液で処理し、該混合液をゆっくり18時間振とうした。次いで、以下のステップを実施した:(ステップ1)該レジンをN,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、ジクロロメタン(3回)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(3回)で洗浄した。(ステップ2)Fmoc−Leu−OH、HOBt、およびHBTUのN,N−ジメチルホルムアミド溶液およびジイソプロピルエチルアミンをレジンに加え、反応を8時間行った。(ステップ3)該レジンをN,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、ジクロロメタン(3回)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(3回)で洗浄した。(ステップ4)もし、定量的フルベン−ピペリジンアッセイで、最初のカップリングが不完全であることを示すなら、二度目のカップリングを実施した。(ステップ5)該レジンをN,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、ジクロロメタン(3回)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(3回)で洗浄した。(ステップ6)Fmoc基を30分間、20%ピペリジンのN,N−ジメチルホルムアミド溶液を用いて除去した。ステップ1〜6を配列Fmoc−PLG−Hphe−Y(t−Bu)−Lがリジン側鎖に加えられるまで、繰り返した。無水酢酸、およびジイソプロピルエチルアミンを加え、レジンは、キャッピング反応が開裂したペプチドの少量のLC/MSの評価で完了したことを確認するまで混合した。該レジンをN,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、ジクロロメタン(3回)、およびメタノール(3回)で洗浄し、乾燥した。
パートC−Ac−D−Arg(Pbf)−D−Arg(Pbf)−D−Arg(Pbf)−D−Arg(Pbf)−k[Ac−PLG−Hphe−Y(t−Bu)−L]−D−Arg(Pbf)−D−Arg(Pbf)−D−Arg(Pbf)−D−Arg(Pbf)−OHの製造
ペプチド−レジンをガラス濾過器に付し、ジクロロメタン中、1%トリフルオロ酢酸で処理した。2分後、溶液を直接10%ピリジンのメタノール溶液に減圧濾過した。開裂ステップは、9回繰り返した。併せた濾過液をその5%の量になるまでエバポレートし、水で希釈し、氷水浴で冷却した。生じた沈殿をガラス濾過器で濾過することによって回収し、水で洗浄し、真空乾燥した。生じた残渣を水:アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸のグラジエント条件を用いて、C18カラムでHPLCにより精製し、標記化合物を得た。
パートD−Ac−D−Arg(Pbf)−D−Arg(Pbf)−D−Arg(Pbf)−D−Arg(Pbf)−k[Ac−PLG−Hphe−Y(t−Bu)−L]−D−Arg(Pbf)−D−Arg(Pbf)−D−Arg(Pbf)−D−Arg(Pbf)−OHのHynicとのコンジュゲート体の製造
パートCの生成物、実験23・パートFの生成物、ジイソプロピルエチルアミン、およびHOAtの無水N,N−ジメチルホルムアミド溶液をHBTUで処理し、窒素下、室温で48時間攪拌した。溶液を濃縮し、生じた残渣を水:アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸のグラジエント条件を用いて、C18カラムでHPLCにより精製した。生成物のフラクションを凍結乾燥し、標記化合物を得た。
パートE−最終の脱保護
パートDの生成物をトリフルオロ酢酸:Et3SiH:水(95:2.5:2.5)で溶解し、窒素下、60℃で30分間加熱攪拌した。溶液を減圧濃縮し、生じた残渣を水:アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸のグラジエント条件を用いて、C18カラムでHPLCにより精製した。生成物のフラクションを凍結乾燥し、標記化合物を得た。
実施例61
N−{(2S)−2−[(2S)−2−(2−{(2S)−2−[((2S)−1−アセチルピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−N−(4−アミノブチル)−4−メチルペンタノイルアミノ}アセチルアミノ)−4−メチルペンタノイルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}−6−(アセチルアミノ)ヘキサンアミド トリフルオロ酢酸塩の合成
Figure 2007504242
パートA−Fmoc−PL−NLys(Boc)−LL−HMPB−BHAレジンの製造
HMPB−BHAレジン(8.000g、置換レベル=0.68mmol/g)を200mLのアドバンスドケムテック反応槽に付し、N,N−ジメチルホルムアミド(2×45mL)で洗浄することによって膨張した。Fmoc−Leu−OH(5.77g、16.32mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(45mL)溶液を容器に加え、該混合液を15分間振とうした。2,6−ジクロロベンゾイルクロリド(2.5mL,16.32mmol)およびピリジン(2.0mL,24.5mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(45mL)溶液を加え、該混合液を窒素下、室温で18時間振とうした。該レジンをN,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(1回)、ジクロロメタン(3回)およびN,N−ジメチルホルムアミド(3回)(90mL量)で洗浄した。ベンゾイルクロリド(3.0mL,26mmol)およびピリジン(3.0mL,36.7mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(90mL)溶液をレジンに加え、容器を窒素下で3時間振とうし、N,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(1回)およびジクロロメタン(3回)(各90mL)で洗浄した。フルベン−ピペリジンアッセイを0.340mmol/gの負荷量を示すレジンの乾燥サンプルで実施した。
以下のステップを実施した:(ステップ1)Fmoc基を30分間、20%ピペリジンのN,N−ジメチルホルムアミド(90mL)溶液を用いて除去した。(ステップ2)該レジンをN,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、ジクロロメタン(3回)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(3回)(各90ml)で洗浄した。(ステップ3)Fmoc−Leu−OH(2.88g,8.16mmol)、HOBt(1.25g,8.16mmol)、およびHBTU(3.10g,8.16mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(90mL)溶液およびジイソプロピルエチルアミン(2ml)をレジンに加え、反応を5時間行った。(ステップ4)該レジンをステップ2で洗浄した。(ステップ5)Fmoc−Leu−OH(2.88g,8.16mmol)およびPyBroP(3.8g,8.16mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(90ml)およびジイソプロピルエチルアミン(2mL)をレジンに加え、反応を5時間行った。(ステップ7)該レジンをN,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、およびジクロロメタン(3回)(各90mL)で洗浄した。(ステップ6)反応完了は、フルベン−ピペリジンアッセイによってモニターした。ステップ1〜7を所望の配列を達成するまで繰り返した。カップリングの収率は、>95%であった。
パートB−Ac−PL−NLys(Boc)−LL−OHの製造
パートA(2.5g)のペプチド−レジンを100mLのアドバンスドケムテック反応槽に付して、N,N−ジメチルホルムアミド(2×30mL)で洗浄することによって、膨張した。該レジンは、Fmoc保護基を除去するために30分間、20%ピペリジンのN,N−ジメチルホルムアミド(30mL)で処理し、続いて、N,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、ジクロロメタン(3回)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(3回)(各30ml)で洗浄した。無水酢酸(0.78mL,4.2mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(0.88mL,5.0mmol)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(30mL)を加え、該混合液を穏やかに2時間攪拌した。該ペプチド−レジンをN,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、およびジクロロメタン(3回)(各30mL)で洗浄し、真空乾燥した。該ペプチド−レジンをガラス濾過器に付して、1%トリフルオロ酢酸のジクロロメタン(12mL)溶液と2分間処理した。該溶液は、窒素圧を利用して、ピリジン:メタノール(1:9、2mL)を含む、フラスコに直接濾過した。開裂法を10回繰り返した。濾過液を併せて、濃縮し、無色の油状固体を得た。この粗生成物を水(2×25mL)でトリチュレートし、真空乾燥し、乾燥した固体を得た。この固体を20mL/分の流量で、0.1%トリフルオロ酢酸を含む、36→54%アセトニトリルの0.9%/分グラジエントを用いて、フェノメネックスルナC18(2)カラム(21.2×250mm)でHPLCにより精製した。14.4分で溶離する主生成物のピークを凍結乾燥し、HPLCにより100%純度で、無色の固体として、標記化合物(63.6mg,63%)を得た。MS:m/e 725.4 [M+H](70%), 625.3 [M+H-Boc](100%)。
パートC−N−アミノ−6−[(フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニルアミノ]ヘキサンアミド トリフルオロ酢酸塩の製造
Figure 2007504242
実施例13・パートAの生成物(3.00g、6.44mmol)を窒素下、室温で30分間、50%トリフルオロ酢酸のジクロロメタン溶液(20mL)で処理した。溶液を減圧濃縮し、淡黄色の油状物を得た。該油状物をアセトニトリル:水(30:70、40mL)で溶解し、凍結乾燥して、オフホワイトな固体(2.30g,74%)を得た。1H NMR (CDCl3):δ10.36 (s, 1H), 7.89 (d, J = 7.3 Hz, 2H), 7.67 (d, J = 7.7 Hz, 2H), 7.41 (t, J = 7.7 Hz, 2H), 7.33 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 7.25 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 4.30 (d, J = 6.6 Hz, 2H), 4.20 (t, J = 6.6 Hz, 1H), 2.96 (q, J = 6.0 Hz, 2H), 2.158 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 1.51 (pen, J = 7.8 Hz, 2H), 1.39 (pen, J = 7.8 Hz, 2H), 1.26 (m, 2H); MS: m/e 368.2 [M+H](100%)。
パートD−N−((2S)−2−{(2S)−2−[2−((2S)−2−[((2S)−1−アセチルピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−N−{4−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]ブチル}−4−メチルペンタノイルアミノ)アセチルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}−4−メチルペンタノイルアミノ)−6−アミノヘキサンアミド トリフルオロ酢酸塩の製造
Figure 2007504242
パートB(31.0mg,0.043mmol)によるペプチドおよびHOAt(5.8mg,0.043mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(1mL)をコリジン(28.3μL,0.214mmol)で塩基性にした。溶液をDIC(13.2μL,0.086mmol)で処理し、窒素下、室温で15分間攪拌した。パートCの生成物(31.4mg,0.086mmol)を加え、該反応液を室温で攪拌した。さらに、パートCの生成物(31.4mg,0.086mmol)およびDIC(13.2μL,0.086mmol)を18時間後加えた。3日後、反応を完了し、溶媒を減圧留去し、黄色油状物として、粗の標記化合物を得た。
20%ピペリジン/N,N−ジメチルホルムアミド(0.25mL)で溶解した上記の油状物を窒素下、室温で15分間攪拌した。溶液を減圧濃縮し、生じた残渣を20mL/分の流量で、0.1%トリフルオロ酢酸(pH2)を含む、18→45%アセトニトリルの0.9%/分グラジエントを用いて、フェノメネックスルナC18(2)カラム(21.2×250mm)でHPLCにより精製した。24.0分で溶離する主生成物のピークを凍結乾燥し、無色の固体として、標記化合物(14.3mg,39%,HPLC純度100%)を得た。MS: m/e 852.6 [M+H](100%)。
パートE−N−{(2S)−2−[(2S)−2−(2−{(2S)−2−[((2S)−1−アセチルピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−N−(4−アミノブチル)−4−メチルペンタノイルアミノ}アセチルアミノ)−4−メチルペンタノイルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}−6−(アセチルアミノ)ヘキサンアミド トリフルオロ酢酸塩の製造
Figure 2007504242
パートDの生成物(4.4mg,0.005mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(0.5mL)を無水酢酸(2.4μL,0.026mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(4.5μL,0.026mmol)で処理した。該溶液を窒素下、室温で5分間攪拌し、溶媒を減圧下でエバポレートした。生じた残渣をトリフルオロ酢酸:水(50:50、1mL)で溶解し、窒素下、室温で20分間攪拌した。溶液を減圧濃縮し、生じた残渣を20mL/分の流量で、0.1%トリフルオロ酢酸(pH2)を含む、13.5→31.5%アセトニトリルの0.9%/分グラジエントを用いて、フェノメネックスルナC18(2)カラム(21.2×250mm)でHPLCにより精製した。18.5分で溶離する主生成物ピークを凍結乾燥し、無色固体として、標記化合物(3.2mg,83%,HPLC純度100%)を得た。MS: m/e 794.5 [M+H](100%), 397.8 [M+2H](80%); 高分解能MS:計算値 C39H71N9O8 [M+H]:794.5498, 実測値:794.5491. L−ロイシンのキラル分析:99.8%。
実施例62
(2S)−N−{(1S)−1−[N−((1S)−1−{N−[6−(アセチルアミノ)ヘキサノイルアミノ]カルバモイル}−3−メチルブチル)カルバモイル]−2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル}−2−(2−{(2S)−2−[((2S)−1−アセチルピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}アセチルアミノ)ヘプト−6−エナミドの合成
Figure 2007504242
パートA−Fmoc−PLG−Ahp−YL−HMPB−BHAレジンの製造
HMPB−BHAレジン(8.000g,置換レベル=0.68mmol/g)を200mLのアドバンスドケムテック反応槽に付して、N,N−ジメチルホルムアミド(2×45mL)で洗浄することによって膨張させた。Fmoc−Leu−OH(5.77g,16.32mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(45mL)を容器に加え、混合液を15分間振とうした。2,6−ジクロロベンゾイルクロリド(2.5mL,16.32mmol)およびピリジン(2.0mL,24.5mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(45mL)溶液を加え、該混合液を窒素下、室温で18時間振とうした。レジンをN,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(1回)、ジクロロメタン(3回)およびN,N−ジメチルホルムアミド(3回)(各90mL)で洗浄した。ベンゾイルクロリド(3.0mL,26mmol)およびピリジン(3.0mL,36.7mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(90mL)をレジンに加え、容器を窒素下、3時間振とうし、N,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(1回)およびジクロロメタン(3回)(各90mL)で洗浄した。フルベン−ピペリジンアッセイを0.340mmol/gの負荷量を示すレジンの乾燥サンプルで実施した。
以下のステップを実施した:(ステップ1)Fmoc基を30分間、20%ピペリジンのN,N−ジメチルホルムアミド溶液(90mL)で除去した。(ステップ2)該レジンをN,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、ジクロロメタン(3回)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(3回)(各90ml)で洗浄した(ステップ3)Fmoc−Tyr(O−tBu)−OH(3.75g,8.16mmol)、HOBt(1.25g,8.16mmol)、およびHBTU(3.10g,8.16mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(90mL)およびジイソプロピルエチルアミン(2ml)をレジンに加え、反応を5時間行った。(ステップ4)該レジンをステップ2のとおり洗浄した。(ステップ5)Fmoc−Tyr(O−tBu)−OH(3.75g,8.16mmol)およびPyBroP(3.8g,8.16mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(90ml)およびジイソプロピルエチルアミン(2mL)をレジンに加え、反応を5時間行った。(ステップ7)該レジンをN,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、およびジクロロメタン(3回)(各90mL)で洗浄した。(ステップ6)反応完了は、フルベン−ピペリジンアッセイでモニターした。ステップ1〜7を所望の配列に達するまで繰り返した。カップリングの収率は、>95%であった。
パートB−Ac−PLG−Ahp−Y(O−tBu)L−OHの製造
パートAのペプチド−レジン(2.5g)を100mLのアドバンスドケムテック反応槽に付して、N,N−ジメチルホルムアミド(2×30mL)で洗浄することによって膨張させた。該レジンは、Fmoc保護基を除去するために、30分間、20%ピペリジンのN,N−ジメチルホルムアミド溶液(30mL)で処理し、続いて、N,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、ジクロロメタン(3回)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(3回)(各30ml)で洗浄した。無水酢酸(0.78mL,4.2mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(0.88mL,5.0mmol)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(30mL)を加え、混合液を2時間穏やかに攪拌した。該ペプチド−レジンをN,N−ジメチルホルムアミド(3回)、ジクロロメタン(3回)、メタノール(3回)、およびジクロロメタン(3回)(各30mL)で洗浄し、真空乾燥した。該ペプチド−レジンをガラス濾過器に付して、1%トリフルオロ酢酸のジクロロメタン溶液(12mL)で、2分間処理した。溶液は、窒素圧を利用して、直接ピリジン:メタノール(1:9、2mL)を含むフラスコに濾過した。該開裂手順を10回繰り返した。濾過液を併せて、濃縮し、無色の油状固体を得た。この粗生成物を水(2×25mL)でトリチュレートし、真空乾燥し、乾燥固体を得た。この固体を20mL/分の流量で、0.1%トリフルオロ酢酸を含む、40→65%アセトニトリルの1.0%/分グラジエントを用いて、フェノメネックスルナC18(2)カラム(21.2×250mm)で、HPLCにより精製した。21.4分で溶離する主生成物ピークを凍結乾燥し、無色の固体として、標記化合物(84.6mg,77%,HPLC純度100%)を得た。MS:m/e 785.5 [M+H](100%); 高分解能MS:計算値 C41H64N6O9 [M+H]:785.4807, 実測値:785.4806。
パートC−(2S)−N−[(1S)−1−(N−{(1S)−1−[N−(6−アミノヘキサノイルアミノ)カルバモイル]−3−メチルブチル}カルバモイル)−2−[4−(tert−ブトキシ)フェニル]エチル]−2−(2−{(2S)−2−[((2S)−1−アセチルピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}アセチルアミノ)ヘプト−6−エンアミド トリフルオロ酢酸塩の製造
Figure 2007504242
パートBの生成物(52.1mg,0.066mmol)およびHOAt(9.0mg,0.066mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(1mL)溶液をコリジン(43.9μL,0.332mmol)で塩基性にした。該溶液をDIC(20.6μL,0.133mmol)で処理し、窒素下、室温で15分間攪拌した。実施例61・パートCの生成物(48.8mg,0.133mmol)を加え、該反応液を室温で攪拌した。さらに、実施例61・パートCの生成物(48.8mg,0.133mmol)およびDIC(41.2μL,0.265mmol)を18時間後に加えた。反応を3日以内に完了し、溶媒を減圧留去して、黄色油状物を得た。
TAEA(0.25mL,1.659mmol)で溶解した上記の油状物を窒素下、室温で30分攪拌した。該溶液を減圧濃縮し、生じた残渣を20mL/分の流量で、0.1%トリフルオロ酢酸(pH2)を含む、31.5→49.5%アセトニトリルの0.9%/分グラジエントを用いて、フェノメネックスルナC18(2)カラム(21.2×250mm)でHPLCにより精製した。25.6分で溶離する主生成物のピークを凍結乾燥し、無色固体として、標記化合物(38.3mg,63%,HPLC純度100%)を得た。MS: m/e 912.6 [M+H](100%); 高分解能MS:計算値 C47H77N9O9 [M+H]:912.5917, 実測値:912.5913。
パートD−(2S)−N−{(1S)−1−[N−((1S)−1−{N−[6−(アセチルアミノ)ヘキサノイルアミノ]カルバモイル}−3−メチルブチル)カルバモイル]−2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル}−2−(2−{(2S)−2−[((2S)−1−アセチルピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノ}アセチルアミノ)ヘプト−6−エンアミドの製造
Figure 2007504242
パートCの生成物(9.1mg,0.010mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(0.5mL)をAc2O(4.7μL,0.050mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(8.7μL,0.050mmol)で処理した。該溶液を窒素下、室温で5分間攪拌し、溶媒を減圧留去した。生じた残渣をトリフルオロ酢酸:アニソール:水(95:2.5:2.5、1mL)で溶解し、窒素下、室温で20分間攪拌した。該溶液を減圧濃縮して、生じた残渣を20mL/分の流量で0.1%トリフルオロ酢酸(pH2)を含む、22.5〜45%アセトニトリルの0.9%/分グラジエントを用いて、フェノメネックスルナC18(2)カラム(21.2×250mm)でHPLCにより精製した。18.5分で溶離する主生成物ピークを凍結乾燥し、無色の固体として、標記化合物(8.5mg,94%,HPLC純度100%)を得た。1H NMR(DMSO-d6):δ9.78-9.76 (m, 1H), 9.70-9.69 (m, 1H), 9.12 (bs, 1H), 7.99-7.89 (m, 3H), 7.80-7.70 (m, 2H), 7.01 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 6.62 (d, J = 8.3 Hz), 5.77-5.70 (m, 1H), 4.98 (d, J = 17.1 Hz, 1H), 4.92 (d, J = 10.2 Hz, 1H), 4.44-4.35 (m, 3H), 4.28-4.20 (m, 2H), 3.78-3.64 (m, 2H), 3.57-3.51 (m, 1H), 2.99 (q, J = 6.5 Hz, 2H), 2.89-2.86 (m, 1H), 2.67-2.62 (m, 1H), 2.09 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 2.03-1.73 (m, 13H), 1.66-1.21 (m, 17H), 0.89-0.81 (m, 12H);MS: m/e 898.5 [M+H] (90%), 449.4 [M+2H] (100%); L−ロイシンのキラル分析:99.8%。
実施例63
N−[(1E)−8−(アセチルアミノ)オクト−1−エニル](2S)−2−アミノ−4−メチルペンタンアミド ギ酸塩
Figure 2007504242
パートA−8−ヨードオクト−1−インの製造
Figure 2007504242
PPh3(13.7g,52.4mmol)およびイミダゾール(3.57g,52.4mmol)をCH2Cl2(100mL)で溶解し、I2(13.3g,52.4mmol)で一度に処理した。この溶液にオクト−7−イン−1−オール(4.40g,34.9mmol)のCH2Cl2溶液(50mL)を22℃で、カニューラを用いて5分間で移した。2時間攪拌後、該混合液をペンタン(450mL)で希釈し、生じた沈殿をガラス漏斗に通して、濾過することによって除去した。濾過液を減圧濃縮し、トリチュレートステップを繰り返した。生じた淡黄色の油状物をクロマトグラフィー(シリカゲル)(100%ペンタン;Rf=0.4(ペンタン))で精製し、無色の油状物(7.01g,29.7mmol;85.1%)を得た。1H NMR(CDCl3,600 MHz):δ3.20 (2H, t, J = 6.6 Hz), 2.21 (2H, td, J = 6.6, 2.4 Hz), 1.95 (1H, t, J = 2.4 Hz), 1.85 (2H, quin, J = 7.2 Hz), 1.55 (2H, m), 1.43 (4H, m). 13C NMR(CDCl3,150MHz):δ84.6, 68.5, 33.6, 30.2, 28.4, 27.8, 18.5, 7.2。
パートB−(1E)−1,8−ジヨードオクト−1−エンの製造
Figure 2007504242
パートAの生成物(4.32g,18.3mmol)のCH2Cl2溶液(20mL)を22℃で、カニューラを用いて、Cp2ZrHCl(11.8g,45.8mmol)のCH2Cl2溶液(80mL)へ移した。該黄色溶液を2.5時間攪拌した後、I2のCH2Cl2飽和溶液が紫色を維持するまで(〜100mL)、滴下漏斗を用いて滴下した。次いで、混合液をペンタン(500mL)に注ぎ、生じた沈殿をガラス漏斗で濾過することによって除去した。次いで、濾過液を飽和Na223(3×200mL)溶液、H2O(100mL)および飽和NaCl(200mL)で洗浄した。次いで、有機層を乾燥(Na2SO4)し、濾過し、減圧濃縮して、黄色油状物を得た。クロマトグラフィー(シリカゲル)(100%ペンタン;Rf=0.6(ペンタン))によって精製し、無色油状物(4.27g,11.7mmol;64.1%)を得た。1H NMR (CDCl3, 600MHz):δ6.49 (1H, dt, J = 14.4, 7.2 Hz), 5.84 (1H, dt, J = 14.4, 1.5 Hz), 3.17 (2H, t, J = 6.9 Hz), 2.05 (2H, qd, J = 7.2, 1.8 Hz), 1.81 (2H, m), 1.37 (4H, m), 1.31 (2H, m). 13C NMR (CDCl3, 150MHz):δ146.4, 74.6, 35.6, 33.3, 30.2, 28.1, 27.8, 7.0。
パートC−(1E)−8−アジド−1−ヨードオクト−1−エンの製造
Figure 2007504242
パートBの生成物(2.17g,5.96mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(30mL)溶液を22℃で、固体のNaN3(657mg,10.1mmol)に移した。生じた均一溶液を1時間攪拌し、次いで、飽和NaCl溶液(150mL)で希釈した。次いで、生じた混合液を分液漏斗に移し、ペンタン(3×50mL)で洗浄した。有機洗浄液を併せて、乾燥(Na2SO4)し、濾過し、減圧濃縮した。クロマトグラフィー(シリカゲル)(100%ペンタン;Rf=0.3(ペンタン))で精製し、無色油状物(1.30g,4.66mmol;78.1%)を得た。1H NMR(CDCl3, 600MHz):δ6.49 (1H, dt, J = 14.2, 7.1 Hz), 5.98 (1H, dt, J = 14.4, 1.5 Hz), 3.25 (2H, t, J = 6.9 Hz), 2.05 (2H, qd, J = 7.4, 1.5 Hz), 1.59 (2H, m), 1.42-1.29 (6H, m). 13C NMR (CDCl3, 150 MHz):δ 146.4, 74.5, 51.4, 35.9, 28.7, 28.4, 28.2, 26.4。
パートD−N−((1E)−8−アジドオクト−1−エニル)(2S)−2−アミノ−4−メチルペンタンアミドの製造
Figure 2007504242
5mLの三角フラスコに、パートCの生成物(279mg,1.00mmol)、N,N’−ジメチルエチレンジアミン(11μL,0.10mmol;10mol%)および無水THF(1.00mL)を加えて、横に置いた。ヨウ化銅(I)(0.95×101mg,0.050mmol;5mol%)、ロイシンアミド(2.60×102mg,2.00mmol)およびCs2CO3(489mg,1.50mmol)をオーブンで乾燥した25mLのシュレンク管に加えた。この容器を次いで、乾燥した窒素で3回置換した。気密シリンジを用いて、次いで、該の製造したビニルヨージドの溶液を側枝から、このフラスコに移し;さらに、移動液を定量するためにTHF(1.00mL)を用いた。次いで、フラスコを密封し、予め加熱した油浴に浸し、70℃で16時間維持した。22℃まで冷却後、生じた懸濁液を酢酸エチル(1mL)で希釈し、予め製造したシリカゲルカラムの上に直接置いた。CH2Cl2/メタノール(9:1)(Rf=0.4(CH2Cl2/メタノール(9:1))で溶離し、濃縮後、淡黄色の油状物(244mg,0.867mmol;86.7%)を得た。1H NMR (C6D6, 600MHz):δ8.77 (1H, brd, J = 10.2 Hz), 7.12 (1H, ddt, J = 14.3, 11.1, 1.4 Hz), 4.94 (1H, dt, J = 14.3, 7.2 Hz), 3.05 (1H, dd, J = 9.6, 4.3 Hz), 2.67 (2H, t, J = 7.0 Hz), 1.86 (2H, qd, J = 7.2, 1.4 Hz), 1.72 (1H, ddd, J = 13.8, 9.3, 4.4 Hz), 1.40 (1H, m), 1.16 (4H, m), 1.04 (1H, ddd, J = 13.8, 9.6, 5.2 Hz), 1.00 (5H, m), 0.79 (3H, d, J = 6.6 Hz), 0.72 (3H, d, J = 6.6 Hz). 13C NMR (C6D6, 150MHz):δ171.8, 123.4, 111.9, 53.3, 51.2, 44.2, 30.1, 29.9, 28.9, 28.7, 26.7, 24.9, 23.4, 21.4. MS(ESI): m/z 304.4 (4, M+Na), 282.4 (100, M+H).
パートE−N−((1E)−8−アジドオクト−1−エニル)(2S)−4−メチル−2−(プロプ−2−エニルオキシカルボニルアミノ)ペンタンアミドの製造
Figure 2007504242
パートDの生成物(111mg,0.394mmol)のTHF溶液(3.00mL)をi−Pr2NEt(75μL,0.43mmol)で処理し、次いで、0℃まで冷却した。次いで、アリールクロロホルメート(44μL,0.41mmol)を加えて、該溶液を0℃で1時間攪拌した。生じた溶液を次いで、22℃まで温め、減圧濃縮した。上で述べたように得られた粗油状物をクロマトグラフィー(シリカゲル)(ペンタン/ジエチルエーテル/メタノール(60:31:9);Rf=0.4(ペンタン/ジエチルエーテル/メタノール(60:31:9))で精製し、無色油状物(142mg,0.389mmol;98.5%)を得た。1H NMR (C6D6, 600MHz):δ8.08 (1H, brd, J = 8.5 Hz), 7.03 (1H, dd, J = 14.2, 10.5 Hz), 5.72 (1H, ddt, J = 17.0, 10.7, 5.5 Hz), 5.37 (1H, d, J = 7.8 Hz), 5.12 (1H, dq, J = 17.2, 1.6 Hz), 5.03 (1H, dt, J = 14.2, 7.1 Hz), 4.97 (1H, dq, J = 10.5, 1.4 Hz), 4.46 (2H, ABqdt, JAB = 13.4 Hz, Jd = 5.6 Hz, Jt = 1.4 Hz), 4.34-4.30 (1H, m), 2.68 (2H, t, J = 6.9 Hz), 1.83 (2H, brq, J = 7.3 Hz), 1.61-1.56 (2H, m), 1.45-1.40 (1H, m), 1.21-1.12 (4H, m), 1.07-0.99 (4H, m), 0.84 (3H, d, J = 5.8 Hz), 0.80 (3H, d, J = 6.4 Hz). 13C NMR (C6D6, 150MHz):δ169.5, 156.8, 133.1, 123.2, 117.5, 113.5, 66.0, 53.8, 51.2, 41.2, 30.0(2), 28.8, 28.7, 26.7, 24.8, 23.0, 21.9. MS(ESI): m/z 388.3 (61, M+Na), 366.3 (100, M+H)。
パートF−N−((1E)−8−アミノオクト−1−エニル)(2S)−4−メチル−2−(プロップ−2−エニルオキシカルボニルアミノ)ペンタンアミド ギ酸塩の製造
Figure 2007504242
パートEの生成物(123mg,0.337mmol)のTHF溶液(5.00mL)を22℃で、PPh3(221mg,0.843mmol)と処理した。完全に溶解後、H2O(182μL,10.1mmol)を加え、該溶液を22℃で1時間、続いて、70℃で1時間攪拌した。イミノホスホランの加水分解を完了し、すべての揮発性成分を減圧留去し、残渣を20mL/分の流量で、0.1%HCO2Hを含む10〜40%アセトニトリルの1.5%/分グラジエントを用いて、フェノメネックスルナC18カラム(21.2×250mm)でHPLCにより精製した。10分で溶離する主生成物のピークを凍結乾燥し、白色固体(45.0mg,0.117mmol;34.7%)を得た。1H NMR (C6D6, 600MHz):δ9.94 (1H, brd, J = 10.0 Hz), 8.83 (1H, s), 7.36 (1H, d, J = 8.6 Hz), 6.93 (1H, dd, J = 14.3, 10.0 Hz), 5.76 (1H, ddt, J = 17.1, 10.6, 5.4 Hz), 5.36 (1H, dt, J = 14.3, 7.2 Hz), 5.18 (1H, dq, J = 17.2, 1.7 Hz), 4.96 (1H, dq, J = 10.5, 1.6 Hz), 4.49-4.41 (3H, m), 2.62 (2H, dd, J = 7.5, 7.4 Hz), 1.87 (2H, q, J = 7.0 Hz), 1.78-1.73 (1H, m), 1.66 (1H, ddd, J = 13.5, 10.1, 5.2 Hz), 1.57 (1H, ddd, J = 13.5, 8.8, 5.1 Hz), 1.44 (2H, m), 1.19 (2H, m), 1.15-1.09 (5H, m), 0.87 (3H, d, J = 6.6 Hz), 0.85 (3H, d, J = 6.6 Hz). 13C NMR (C6D6, 150MHz):δ170.6, 166.7, 156.5, 133.9, 124.0, 116.9, 112.6, 65.0, 54.0, 41.8, 30.2(2) 29.9, 28.7, 26.6, 24.9, 23.3, 21.9. MS(ESI): m/z 362.3 (3, M+Na), 340.4 (100, M+H)。
パートG−N−[(1E)−8−(アセチルアミノ)オクト−1−エニル](2S)−2−アミノ−4−メチルペンタンアミド ギ酸塩の製造
Figure 2007504242
パートFの生成物(15.0mg,38.9μmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(3.00mL)をi−Pr2NEt(27.0μL,155μmol)、続いて22℃で、Ac2O(11.0μL,117μmol)で処理した。該溶液を0.5時間攪拌し、次いで、H2O(30mL)で希釈し、分液漏斗に移し、酢酸エチル(3×20mL)で洗浄した。有機層を併せて、飽和NaHCO3溶液(20mL)、H2O(20mL)および飽和NaCl(20mL)で洗浄し、次いで、乾燥(Na2SO4)し、濾過し、減圧濃縮した。この原料をさらに精製することなく、次ステップに使用した。MS(ESI): m/z 404.3 (22, M+Na), 382.4 (100, M+H)。
粗のアセトアミド体をアセトニトリル/H2O(3.00mL;2:1 v/v)で再溶解し、Pd(OAc)2(0.17mg,0.76μmol;2mol%)で処理し、続いて、22℃で、TPPTS(0.89mg,1.6μmol;4mol%)およびEt2NH(10.0μL,97.3μmol)で処理した。脱保護の完了は、0.5時間以内に観察された。該溶液を20mL/分の流量で、0.1%HCO2Hを含む10〜30%アセトニトリルの0.80%/分グラジエントを用いて、フェノメネックスルナC18カラム(21.2×250mm)に直接充填した。14分で溶離する主生成物のピークを白色固体(8.0mg,23μmol;2ステップ60%以上)になるまで、凍結乾燥した。 1H NMR (C6D6, 600MHz):δ9.82 (1H, brd, J = 9.9 Hz), 7.57 (1H, brs), 6.97 (1H, dd, J = 14.2, 9.9 Hz), 5.33 (1H, dt, J = 14.3, 7.2 Hz), 3.61 (1H, dd, J = 8.5, 5.6 Hz), 3.20 (2H, td, J = 7.1, 5.8 Hz), 1.92-1.88 (2H, m), 1.89 (3H, s), 1.77(1H, ddd, J = 14.4, 6.5, 5.0 Hz), 1.67 (1H, ddd, J = 13.7, 8.2, 5.6 Hz), 1.47-1.40 (3H, m), 1.25-1.15 (6H, m), 0.86 (3H, d, J = 6.6 Hz), 0.84 (3H, d, J = 6.5 Hz). 13C NMR (C6D6, 150MHz):δ172.0, 163.3, 123.7, 112.8, 53.5, 43.8, 42.1, 30.2, 30.1, 29.9, 28.9, 27.0, 24.8, 23.3, 23.1, 22.1. MS(ESI): m/z 298.4 (100, M+H), 284.4 (3)。
実施例64
N−[(1E)−5−(アセチルアミノ)ペント−1−エニル](2R)−2−アミノ−4−メチルペンタンアミド ギ酸塩
Figure 2007504242
パートA−N−((1E)−5−アジドペント−1−エニル)(2R)−2−アミノ−4−メチルペンタンアミドの製造
Figure 2007504242
実施例63・パートDに記載したとおり、5mLの三角フラスコに、(1E)−5−アジド−1−ヨードペント−1−エン(237mg,1.00mmol)、N,N’−ジメチルエチレンジアミン(11μL,0.10mmol;10mol%)および無水THF(1.00mL)に加え、横に置いた。ヨウ化銅(I)(0.95×101mg,0.050mmol;5mol%),ロイシンアミド(2.60×102mg,2.00mmol)およびCs2CO3(489mg,1.50mmol)をオーブンで乾燥した25mLのシュレンク管に加えた。次いで、この容器を3回窒素置換した。気密シリンジを用いて、次いで、前に製造したヨウ化ビニル溶液を側枝からこのフラスコに移し;さらに、移動液を定量するためにTHF(1.00mL)を用いた。次いで、該フラスコを密封し、予め加熱した油浴に浸し、70℃で16時間維持した。22℃まで冷却後、生じた懸濁液を酢酸エチル(1mL)で希釈し、予め製造したシリカゲルカラムの上に直接充填した。CH2Cl2/メタノール(9:1)(Rf=0.3(CH2Cl2/メタノール(9:1))で溶離し、濃縮後、淡黄色の油状物(2.10×102mg,0.877mmol;87.7%)を得た。1H NMR (C6D6), 600MHz):δ8.70 (1H, brd, J = 9.0 Hz), 7.01 (1H, ddt, J = 14.3, 11.1, 1.3 Hz), 4.69 (1H, dt, J = 14.3, 7.2 Hz), 3.03 (1H, dd, J = 9.7, 4.3 Hz), 2.63 (2H, t J = 7.0 Hz), 1.73 (1H, ddd, J = 13.7, 9.3, 4.3 Hz), 1.72-1.68 (2H, m), 1.43-1.36 (1H, m), 1.19 (2H, quin, J = 7.1 Hz), 1.04 (1H, ddd, J = 14.0, 9.6, 5.2 Hz), 0.80 (3H, d, J = 6.6 Hz), 0.72 (3H, d, J = 6.6 Hz). HRMS計算値 C11H22N5O: 240.1824 (M+H). 実測値: 240.1819.
パートB−N−((1E)−5−アジドペント−1−エニル)(2R)−4−メチル−2−(プロプ−2−エニルオキシカルボニルアミノ)ペンタンアミドの製造
Figure 2007504242
パートAの生成物(105mg,0.439mmol)のTHF溶液(5.00mL)をi−Pr2NEt(84.0μL,0.482mmol)で処理し、次いで、0℃まで冷却した。次いで、アリールクロロホルメート(49.0μL,0.461mmol)を加え、該溶液を0℃で0.5時間攪拌し、次いで、22℃に温め、0.75時間攪拌した。次いで、生じた溶液を減圧濃縮し、直接、クロマトグラフィー(シリカゲル)(ペンタン/酢酸エチル/メタノール(71:24:5);Rf=0.9(CH2Cl2/メタノール(9:1))で精製し、白色固体(141mg,0.436mmol;99.4%)を得た。1H NMR (C6D6, 600MHz):δ7.36 (1H, brs), 6.86 (1H, ddt, J = 14.3, 10.4, 1.4 Hz), 5.70 (1H, ddt, J = 17.1, 10.5, 5.5 Hz), 5.09 (1H, dq, J = 17.2, 1.6 Hz), 4.96 (1H, dq, J = 10.5, 1.4 Hz), 4.75 (1H, brd, J = 7.0 Hz), 4.64 (1H, dt, J = 14.3, 7.2 Hz), 4.44 (2H, ABqdt, JAB = 13.4 Hz, Jd = 5.6 Hz, Jt = 1.4 Hz), 4.18-4.14 (1H, m), 2.60 (2H, t, J = 6.9 Hz), 1.65-1.61 (2H, m), 1.56-1.46 (2H, m), 1.26 (1H, brs), 1.14 (2H, quin, J = 7.2 Hz), 0.80 (3H, d, J = 6.1 Hz), 0.74 (3H, d, J = 6.5 Hz). MS(ESI): m/z 324.3 (10, M+H), 296.4 (100, M+H-N2)。
パートC−N−((1E)−5−アミノペント−1−エニル)(2R)−4−メチル−2−(プロプ−2−エニルオキシカルボニルアミノ)ペンタンアミド ギ酸塩の製造
Figure 2007504242
パートBの生成物(134mg,0.414mmol)のTHF(15.00mL)溶液をPPh3(273mg,1.04mmol)およびH2O(223μL,12.4mmol)で処理し、22℃で1時間、続いて、70℃で1時間攪拌した。イミノホスホランの加水分解の後、すべての揮発物を減圧留去し、残渣を20mL/分の流量で、0.1%HCO2Hを含む9→36%アセトニトリルの1.5%/分グラジエントを用いて、フェノメネックスルナC18カラム(21.2×250mm)でHPLCにより精製した。9分で溶離する主生成物のピークを凍結乾燥し、白色固体(69.0mg,0.201mmol;48.5%)を得た。1H NMR (DMSO-d6, 600MHz):δ9.91 (1H, brd, J = 9.8 Hz), 8.50 (1H, s), 7.52 (1H, d, J = 8.2 Hz), 6.66 (1H, dd, J = 14.3, 10.0 Hz), 5.91 (1H, ddt, J = 17.1, 10.6, 5.3 Hz), 5.30 (1H, dt, J = 17.2, 1.4 Hz), 5.25 (1H, dt, J = 14.2, 7.2 Hz), 5.17 (1H, brd, J = 10.5 Hz), 4.51-4.45 (2H, m), 4.07 (1H, ddd, J = 10.1, 8.2, 5.0 Hz), 2.72 (2H, dd, J = 7.5, 7.3 Hz), 2.04 (2H, q, J = 7.1 Hz), 1.66-1.62 (1H, m), 1.59 (2H, quin, J = 7.3 Hz), 1.51 (1H, ddd, J = 13.3, 10.4, 5.1 Hz), 1.39 (1H, ddd, J = 13.6, 8.9, 4.9 Hz), 0.89 (3H, d, J = 6.7 Hz), 0.87 (3H, d, J = 6.6 Hz). HRMS計算値 C15H28N3O3 (M+H): 298.2131. 実測値:298.2123.
パートD−N−[(1E)−5−(アセチルアミノ)ペント−1−エニル](2R)−4−メチル−2−(プロプ−2−エニルオキシカルボニルアミノ)ペンタンアミドの製造
Figure 2007504242
パートCの生成物(56.0mg,0.163mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(4.00mL)をi−Pr2NEt(142μL,0.815mmol)、続いて、22℃でAc2O(77.0μL,0.815mmol)と処理した。該溶液を0.5時間攪拌し、次いで、H2Oおよび酢酸エチル(各40mL)で希釈し、分液漏斗に移した。該層を分離し、水層を酢酸エチル(20mL)で洗浄した。有機層を併せて、飽和NaHCO3溶液(20mL)、H2O(20mL)および飽和NaCl(20mL)で洗浄し、次いで、乾燥(Na2SO4)し、濾過し、減圧濃縮して、淡黄色の油状物(45.0mg)を得た。この原料をさらに精製することなく次ステップに使用した。1H NMR (DMSO-d6, 600MHz):δ9.75 (1H, d, J = 9.9 Hz), 7.78 (1H, brs), 7.38 (1H, d, J = 8.2 Hz), 6.57 (1H, dd, J = 14.3, 9.9 Hz), 5.90 (1H, ddt, J = 17.1, 10.6, 5.3 Hz), 5.28 (1H, dq, J = 17.2, 1.6 Hz), 5.21 (1H, dt, J = 14.3, 7.2 Hz), 5.17 (1H, dq, J = 10.5, 1.3 Hz), 4.48-4.43 (2H, m), 4.00 (1H, ddd, J = 10.1, 8.5, 5.0 Hz), 3.00 (2H, td, J = 6.8, 6.0 Hz), 1.96 (2H, q, J = 7.0 Hz), 1.78 (3H, s), 1.63-1.56 (1H, m), 1.47 (1H, ddd, J = 13.6, 10.2, 5.1 Hz), 1.42 (2H, quin, J = 7.2 Hz), 1.35 (1H, ddd, J = 13.6, 8.8, 4.9 Hz), 0.87 (3H, d, J = 6.6 Hz), 0.85 (3H, d, J = 6.6 Hz). MS(ESI): m/z 362.4 (23.2, M+Na), 340.4 (100, M+H), 215.3 (6)。
パートE−N−[(1E)−5−(アセチルアミノ)ペント−1−エニル](2R)−2−アミノ−4−メチルペンタンアミド ギ酸塩の製造
Figure 2007504242
パートD(45.0mg,0.133mmol)からの粗のアセトアミド体をアセトニトリル/H2O(3.00mL;2:1 v/v)で再溶解し、Pd(OAc)2(0.60mg,2.7μmol;2mol%)、続いて22℃で、TPPTS(3.0mg,5.3μmol;4mol%)およびEt2NH(35.0μL,0.338mmol)で処理した。脱保護の完了は、0.5時間以内に観察された。溶液を20mL/分の流量で、0.1%HCO2Hを含む5→35%アセトニトリルの0.86%/分グラジエントを用いて、フェノメネックスルナC18カラム(21.2×250mm)に直接充填した。17分で溶離する主生成物のピークを凍結乾燥し、白色固体(31.0mg,0.103mmol;63.1%以上(2ステップ))を得た。1H NMR(C6D6, 600MHz):δ9.99 (1H, brd, J = 9.3 Hz), 8.21 (1H, s), 7.54 (1H, brs), 7.07 (1H, dd, J = 14.1, 9.9 Hz), 5.39 (1H, dt, J = 14.3, 7.3 Hz), 3.65 (1H, dd, J = 8.3, 5.9 Hz), 3.25 (2H, td, J = 6.6, 6.1 Hz), 2.04-1.99 (2H, m), 1.91 (3H, s), 1.82-1.78 (1H, m), 1.73 (1H, ddd, J = 13.6, 8.1, 5.7 Hz), 1.55 (2H, quin, J = 7.1 Hz), 1.50 (1H, ddd, J = 13.5, 8.4, 5.8 Hz), 0.90 (3H, d, J = 6.5 Hz), 0.88 (3H, d, J = 6.5 Hz). 13C NMR (C6D6, 150MHz):δ171.2, 168.8, 162.9, 123.5, 111.6, 52.8, 43.0, 38.1, 29.8, 27.0, 24.2, 22.7, 22.5, 21.5. HRMS計算値 C13H26N3O2 (M+H):256.2025. 実測値:256.2016。
実施例65〜147
MMP基質−ヒドラジド−Hynicコンジュゲート体の合成
実施例10〜18のHynicコンジュゲート体を製造するために使用する手順は、実施例65〜147のMMP基質−ヒドラジド−Hynicコンジュゲート体の合成に使用した。収率および純度データは、表5に示し、マススペクトルデータは、表6に示す。
表5.実施例65〜147における収率および純度データ
Figure 2007504242
Figure 2007504242
表6.実施例65〜147におけるマススペクトルデータ
Figure 2007504242
Figure 2007504242
実施例148〜230
複合体[99mTc(HYNIC−MMP基質)(トリシン)(TPPTS)]の合成
実施例27〜44に記載された手順をこの追加の99mTc複合体を製造するために使用した。これらの複合体の分析および収率データは、表7に示す。
表7.複合体[99mTc(HYNIC−MMP基質)(トリシン)(TPPTS)]における分析および収率データ
Figure 2007504242
Figure 2007504242
実施例231
インビトロの血漿蛋白結合
パートA−サンプル製造
マウス、ウサギおよびヒト血漿を市販品業者(バイオロジカル スペシャルティ社(Biological Specialty Corporation)コルマール、ペンシルバニア州)から購入した。同じ業者から購入した、限外濾過/脱蛋白化したヒトの血漿は、バックグラウンド減算法による蛋白質フリーのコントロール基質として使用した。放射性ラベルした化合物(Tc−99mまたはC−14)を、それぞれ最終濃度が、0.6〜2.0uCi/mLまたは0.01〜0.2uCi/mLに達するまで血漿に加えた。サンプルをボルテックスし、ロッカープラットフォームで37℃にて、30分間インキュベートした。化合物も脱蛋白化血漿中で製造し、非特異的な結合を決定するために使用した。
パートB−サンプル分析
血漿または脱蛋白質化した血漿(0.025mL)アリコート(n=3)は、Tri−carb(登録商標)2500TR液体シンチレーションカウンター(パーキンエルマー社、ゲイサーズバーグ、MD)またはワラックウィザードガンマカウンター(Wallac Wizard gamma counter)(パーキンエルマー社、ボストン、MA)を用いて、濾過前の測定をするために分離容器に移した。血漿または脱蛋白質化した血漿の0.3mLのアリコートをCentrifree(登録商標)のマイクロパーティションカートリッジに移し、30000ダルトンのMW分画(n=3)し、室温で20分間、2500×gで遠心分離した。遠心分離後、濾過液の0.025mLのアリコート(n=4)を容器に移し、放射能を測定した。
パートC−データ分析
血漿蛋白質に結合した化合物の割合を下記の式を用いて、計算した:
Figure 2007504242
式中:
全化合物=限外濾過前のサンプルの0.025mL中の放射能(dpm)
非結合化合物=濾過液の0.025mL中の放射能(dpm)

限外濾過/脱蛋白質化したヒト血漿に結合した化合物を計算し、血漿中でインキュベートしたすべてのサンプルからバックグラウンドを差し引いた。データは表8に示す。
実施例232
インビトロでの血液安定性
放射性ラベルした試験化合物(Tc−99m,C−14)を37℃で15分間振とうしながら、新鮮なマウスのヘパリン添加血液(0.2〜5.0uCi/mL)でインキュベートした。血液(0.3mL)をアセトニトリル(1mL)に直接移し、化合物のエステラーゼ活性および代謝を阻害した。試験化合物も非基質安定性を評価するために15分間、生理食塩水中でインキュベートした。サンプルを30秒間ボルテックスし、2500×gで20分間遠心分離した。上清をきれいな管に移し、アセトニトリルを37℃以上の加熱を妨げながら、窒素気流下、乾燥するまでエバポレートした。サンプルは、0.1%ギ酸で、0.3mLに再構成した。アリコート(0.05mL)は、放射化学検出を持つ逆相HPLCによって化合物を分析した。データは、表8に示す。
実施例233
生体内での血液安定性
血液サンプル(0.3mL)を放射性ラベルした試験化合物(Tc−99m,C−14)の0.1〜7.0mCi/kgのi.v.投与後、15分でマウスから採取し、すぐにアセトニトリル(0.9mL)に加えた。サンプルは、30秒間ボルテックスし、2500×gで20分間遠心分離した。上清をきれいな管に移し、アセトニトリルを37℃以上の加熱を妨げながら、窒素気流下、乾燥するまでエバポレートした。サンプルは、0.1%ギ酸で、0.3mLに再構成した。アリコート(0.05mL)は、放射化学検出を持つ逆相HPLCによって化合物を分析した。データは、表8に示す。
表8.実施例18、27〜30、32〜40、および148〜230のMMP−2およびMMP−9活性、蛋白質結合、および安定性
Figure 2007504242
Figure 2007504242
Figure 2007504242
Figure 2007504242
実施例234〜269
MMP基質−ヒドラジドアミンの合成
実施例61および62の手順を実施例234〜269のコンジュゲートしたMMP基質−ヒドラジド遊離アミンを製造するために使用した。収率および純度データは、表9に示し、マススペクトルデータは、表10に示す。
表9.実施例234〜269についての収率および純度データ
Figure 2007504242
表10.実施例234〜269についてのマススペクトルデータ
Figure 2007504242
実施例270〜305
14C]アセチル−MMP基質−ヒドラジドコンジュゲート体の合成
パートA−[14C]酢酸ナトリウム溶液の製造
固体の50〜60mCi/mmolの特異的な活性を持つ[1−14C]酢酸ナトリウム塩(250μCi)をジェネラルエレクトリックヘルスケア社(旧社名アマシャムバイオサイエンス社)から入手した。[1−14C]酢酸ナトリウム塩の固体は、14C酢酸ナトリウム保存溶液を製造するために、無水アセトニトリル(25.0mL)で溶解した。該溶液を10分間ボルテックス混合した。アリコートは、液体シンチレーションカウンター(LSC)法を用いて、ラジオアッセイで除去した。LSCラジオアッセイは、パーキンエルマーウルティマゴールド(登録商標)液体シンチレーション(5mL)を含む、10mLのガラスシンチレーション容器で、放射能溶液の測定したアリコートに分配することによって実施し、続いて、パッカードモデル2500TRまたは1600TR LSCのどちらかを用いて、放射量を測定した。続いて、10倍の希釈液は、反応で使用した溶液を製造するために、この保存溶液から製造した。各反応の前に、LSCラジオアッセイを試薬溶液に実施した。
パートB−[14C]酢酸ナトリウムのMMP基質−ヒドラジドへの結合
MMP基質およびエナミドのアセチル化は、ジメチルホルムアミド(N,N−ジメチルホルムアミド)中、周囲温度(25℃)で、O−ベンゾトリアゾリル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(ジイソプロピルエチルアミン)の溶液で、14C含有酢酸ナトリウムで、アミンのカップリングによって実施した。内容物を5mLのホイートン(登録商標)(Wheaton)製円錐型の肉厚反応容器で併せて、1時間反応させた。
パートC−脱保護および最終精製
側鎖の保護基は、下記の方法のうちの一つを用いて除去した。
方法A:トリフルオロ酢酸:ジクロロメタン(50:50)で、室温にて15分。
方法B:トリフルオロ酢酸:アニソール:水(95:2.5:2.5)で、室温にて45分。
方法C:アセトニトリル:水(2:1)中、2mol%のPd(OAc)2、4mol%のTPPTS、Et2NH。
粗の反応混合物をゾルバックス エクリプス(Zorbax Eclipse)XDB C−18 (4.6mm×250mm)カラムで、マススペクトル(LC/MS)と連結したHPLCを用いて分析した。溶液を減圧濃縮し、粗生成物を5mL/分の流量で、0.1%トリフルオロ酢酸を含む0→63%アセトニトリルの4.2%/分グラジエントを用いて、フェノメネックス(登録商標)ルナ C18(2)カラム(10mm×250mm)でHPLCによって精製した。生成物のフラクションを減圧濃縮し、0.1%ギ酸を含む0→63%アセトニトリルの4.2%/分グラジエントを用いて、ゾルバックス エクリプスXDB C−18カラム(4.6mm×250mm)で、LC/MSにより分析した。放射能検出器は、RCPを確認するために使用した。純度データは、表11に示す。
表11.[14C]アセチル−MMP基質−ヒドラジドコンジュゲート体についての分析およびデータ
Figure 2007504242
実施例270〜305
MMP活性、蛋白質結合、インビトロでの安定性、および生体内での安定性
270〜305の14C−ラベルしたヒドラジドコンジュゲート体を実施例45に記載した手順を用いて、MMP−2およびMMP−9を基質として評価した。蛋白質結合は、実施例231に記載した手順を用いて、測定した。インビトロおよびインビボでの安定性は、実施例232および233のそれぞれの方法によって決定した。これらのデータは、表12に一緒に集めた。
表12.実施例270〜305のMMP−2およびMMP−9アッセイ、蛋白質結合、および安定性
Figure 2007504242
Figure 2007504242
実施例306〜331
実施例234〜269の12C代替物の合成および特徴
実施例61および62の手順を実施例234〜269から選択された化合物の12C代替物を製造するために使用した。収率および純度データを表13に示し、マススペクトルデータは、表14に示す。
表13.実施例306〜331の収率および純度データ
Figure 2007504242
表14.実施例306〜331のマススペクトルデータ
Figure 2007504242
実施例332〜344
エナミドの合成およびAPN活性
実施例63および64の手順をこれらの追加のエナミドを製造するために使用した。エナミド体の構造、カップリング反応の収率およびマススペクトルデータを表15に示す。末端アミノ酸を除去するためのアミノペプチダーゼ−N(APN)の能力は、実施例46に記載された手順を用いることによって決定した。加水分解速度は、表16に示す。
表15.選択されたエナミド体の収率および物理データ
Figure 2007504242
Figure 2007504242
表16.選択されたエナミド体のAPNによるN−末端残基の加水分解
Figure 2007504242
a)APNアッセイを3つの酵素濃度:0、6.5×104および15.0×103Uで実施した。速度データは、6.5×104U濃度で得た。15.0×103Uで得られた値は、括弧内に挙げた。酵素活性は、30%AcOH水溶液の希釈によって中止した。すべての値は、n=2を持つ。b)酵素は、基質の酸感受性のためにアセトニトリルで変性した。c)3つの実施の平均。d)2つの実施の平均
実施例345−350
14C]アセチル−エナミド体の合成
実施例270〜305の手順は、放射能ラベルしたエナミド体を製造するために使用した。純度データは、表17に示し、蛋白質結合および安定性データは、表18に示す。
表17.[14C]アセチル−エナミド体の分析および収率データ
Figure 2007504242
表18.選択された[C14]ラベル化したエナミド体の蛋白質結合および安定性データ
Figure 2007504242
実施例351
(2S)−N−[(N−{(1S)−1−[N−((1S)−1−{N−[7−([14C]アセチルアミノ)−2−オキソヘプチル]カルバモイル}−3−メチルブチル)カルバモイル]−3−メチルブチル}カルバモイル)メチル]−2−[((2S)−1−アセチルピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−N−(4−アミノブチル)−4−メチルペンタンアミド トリフルオロ酢酸塩の合成
Figure 2007504242
パートA−N−(7−ブロモ−6−オキソヘプチル)(フルオレン−9−イルメトキシ)カルボキシアミドの製造
Figure 2007504242
6−[(フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニルアミノ]ヘキサノイン酸およびN−メチルモルホリンの無水THF溶液を0℃に冷却し、イソブチル クロロホルメートで処理した。混合液を窒素下で30分攪拌し、セライトパッドで濾過した。濾過液を新たに製造したジアゾメタンのエーテル溶液に、0℃で10分かけて加えた。生じた溶液を3時間攪拌し、過剰量のジアゾメタンを除去するために窒素のゆっくりとした気流で、溶液を泡立たせた。該溶液を35℃以下の温度でロータリーエバポレーターにて、濃縮した。残渣をエーテルに溶解し、−20℃に冷却し、48%HBr水溶液で処理した。該溶液を−20℃で30分間攪拌し、エーテルで希釈し、水(3回)で洗浄した。有機層を乾燥(Na2SO4)し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル)により精製し、標記化合物を得た。
パートB−(フルオレン−9−イルメトキシ)−N−{6−オキソ−7−[N−(オキソメチル)カルボニルアミノ]ヘプチル}カルボキシアミドの製造
Figure 2007504242
パートAの生成物およびナトリウム ジホルミルアミンの無水アセトニトリル混合溶液をTLCで出発原料の消失を示すまで、窒素下で室温にて攪拌した。該混合液を沈殿したNaBrを除去するために濾過し、濾過液を濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル)で精製し、標記化合物を得た。
パートC−N−(7−アミノ−6−オキソヘプチル)(フルオレン−9−イルメトキシ)カルボキシアミド トリフルオロ酢酸塩の製造
Figure 2007504242
パートBの生成物および6N HClの混合液を30分間で加熱還流した。該溶液を乾燥するまで濃縮し、粗生成物を水:アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸のグラジエント条件を用いて、C18カラムでHPLCにより精製した。生成物のフラクションを凍結乾燥し、標記化合物を得た。
パートD−(2S)−N−{[N−((1S)−1−{N−[(1S)−1−(N−{7−[(フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニルアミノ]−2−オキソヘプチル}カルバモイル)−3−メチルブチル]カルバモイル}−3−メチルブチル)カルバモイル]メチル}−2−[((2S)−1−アセチルピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−N−{4−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]ブチル}−4−メチルペンタンアミドの製造
Figure 2007504242
パートCの生成物を実施例61・パートBの生成物と一緒に、無水N,N−ジメチルホルムアミドで溶解し、HBTUおよびジイソプロピルエチルアミンで処理した。該溶液を窒素下、室温で4時間攪拌し、減圧濃縮した。残渣を水:アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸のグラジエントを用いて、C18カラムでHPLCにより精製した。生成物のフラクションを凍結乾燥し、標記化合物を得た。
パートE−(2S)−N−({N−[(1S)−1−(N−{(1S)−1−[N−(7−アミノ−2−オキソヘプチル)カルバモイル]−3−メチルブチル}カルバモイル)−3−メチルブチル]カルバモイル}メチル)−2−[((2S)−1−アセチルピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−N−{4−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]ブチル}−4−メチルペンタンアミド トリフルオロ酢酸塩の製造
Figure 2007504242
パートDの生成物を20%ピペリジンのN,N−ジメチルホルムアミドで溶解し、周囲温度で20分間攪拌した。該溶液を減圧濃縮し、高真空下で乾燥した。粗生成物を水:アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸のグラジエント条件を用いて、C18カラムでHPLCにより精製した。生成物のフラクションを凍結乾燥し、標記化合物を得た。
パートF−(2S)−N−[(N−{(1S)−1−[N−((1S)−1−{N−[7−([14C]アセチルアミノ)−2−オキソヘプチル]カルバモイル}−3−メチルブチル)カルバモイル]−3−メチルブチル}カルバモイル)メチル]−2−[((2S)−1−アセチルピロリジン−2−イル)カルボニルアミノ]−N−(4−アミノブチル)−4−メチルペンタンアミド トリフルオロ酢酸塩の製造
Figure 2007504242
実施例270〜305に記載した放射ラベル化する手順は、標記化合物を製造するために使用した。
一般
1H NMRスペクトルは、ブルカーアバンス(Bruker Avance)DRX(600MHz)分光計で記録した。化学シフトは、内部標準(CDCl3:δ7.25ppm,C66:δ7.16ppm、DMSO−d6:δ2.50ppm)として、不完全な重水素化から生じる残存溶媒共鳴で、テトラメチルシランからppmで報告した。データは、下記の通りで報告する:化学シフト、積分、多重度(s=シングレット、d=ダブレット、t=トリプレット、q=カルテット、quin=クインテット、br=ブロード、m=マルチプレット)、およびカップリング定数。13C NMRスペクトルは、ブルカーアバンスDRX(150MHz)の完全プロトンデカップリングで、記録した。化学シフトは、内部標準(CDCl3:δ77.0ppm、C66:128.4ppm、DMSO−d6:39.5ppm)として、溶媒とテトラメチルシランからのppmで報告した。低分解能のマススペクトルは、アギレント テクノロジー(Agilent Technologies)1100シリーズ LC/MS ESI−MS(陽イオンモード)で実施した。高分解能マススペクトルは、イオンスペクト(IonSpect)FTMSで実施した;ESI−MS(陽イオンモード)。
特に指示しない限り、すべての反応は、乾燥窒素の不活性な雰囲気下で、オーブン(150℃)および火炎乾燥したガラス製品で実施した。示した温度は、反応浴の温度を意味し、実験室の環境温度は、22℃を意味する。無水溶媒は、アルドリッチから入手した。
下記は、製造または精製前に必要な試薬を記載する(本明細書に記載した技術を含む、一般的なテキストが入手できる:Armarego, W. L. F.; Perrin, D. D. Purification of Laboratory Chemicals, 4th ed.; Butterworth-Heinemann: Oxford, U. K., 1998.)。オクト−7−イン−1−オールは、刊行物の手順により、オクト−3−イン−1−オールから製造した(Denmark, S. E.; Yang, S. -M. J. Am. Chem. Soc. 2002, 124, 2102.)。PPh3(ヘキサン)およびイミダゾール(CH2Cl2)の両方は、再結晶によって精製した。N,N’−ジメチルエチレンジアミンは、使用前すぐに固体KOHから蒸留した。ヨウ化銅は、ヨウ化ナトリウムの飽和水溶液から再結晶した。ロイシンアミドは、対応するCbz保護したアミノ酸から2ステップで遊離塩基として、製造した:a)EtO2CCl、Et3N、NH4OH;b)H2、Pd/C、アリールクロロホルメート、Et3NおよびEt2NHは、使用する前すぐに、CaH2から蒸留した。(1E)−5−アジド−1−ヨードペント−1−エンは、(1E)−8−アジド−1−ヨードオクト−1−エン(代替的な製造法、参照:Tucker, C. E.; Majid, T. N.; Knochel, P. J. Am. Chem. Soc. 1992, 114, 3983.)に記載したのと同様の様式で、ペント−4−イン−1−オールから製造した。すべて他の試薬は、アルドリッチ、フルカまたは ストレムケミカルから入手したとおり使用した。
略語
Abu=2−アミノ酪酸
Ahp=2−アミノ−6−ヘプテノイン酸
Ahxh=6−アミノヘキサノイルヒドラジド
Aib=2−アミノイソ酪酸
Ambh=4−(アミノメチル)ベンゾイルヒドラジド
Cha=シクロヘキシルアラニン
Chg=シクロヘキシルグリシン
Dab=2,4−ジアミノ酪酸
Hcit=ホモシトルーリン
Hpro=ホモプロリン
Hse=ホモセリン
Igl=インダニルグリシン
Inp=イソニピコチン酸
Oic=オクタヒドロインドリル−2−カルボン酸
Pabu=2−アミノ−4−(1’−ピリジニウム)ブタノエート
Piv=ピバロイル
Pra=プロパルギルグリシン
Pya=3−(4’−ピリジル)アラニン
Smc=S−メチルシステイン
Suc=スクシノイル
Tic=1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸

標準アミノ酸は、その一文字表記で示した。
Ahx=6−アミノヘキサノイン酸
Amb=4−アミノメチル安息香酸
APMA=アミノフェニル酢酸水銀
BAIB=[ビス(アセトキシ)ヨード]ベンゼン
Cit=シトルーリン
Csa=システイン酸
DIC=ジイソプロピルカルボジイミド
EEDQ=2−エトキシ−1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリン
GM6001=MMP阻害剤イロマスタット
Hphe=ホモフェニルアラニン
Hynic=6−ヒドラジノニコチン酸
MPeg3=2−[2−(メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸
NGlu=グルタミン酸のペプトイドモノマー
NLys=リジンのペプトイドモノマー
PABA=パラ−アミノベンジル アルコール
TBAF=テトラブチルアンモニウム フルオリド
TCN緩衝液=50MM トリス−HCl/pH7.5、10mM CaCl2、150mM NaCl
TEA=トリエチルアミン
TEMPO=2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ フリーラジカル
Tse=トリメチルシリルエチル
WSC=1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
一般
固相ペプチド合成は、アドバンスドケムテックモデルACT90ペプチド合成装置で実施した。
キラルなアミノ酸の分析は、J.; Nicholson, G. J. Editor(s): Hodges, Robert S.; Smith, John A.らの文献:Proc. Am. Pept. Symp., 13th (1994), 241-3 に記載の手順を以下の僅かな変更で実施した。N−トリフルオロアセチル アミノ酸 メチルエステルを検出用のEI−SIM−マススペクトルを用いて、Chirasil−Val(0.25mm×25m)キャピラリーカラムを用いて、分離した。該サンプルを50℃のカラム温度で注入し、4℃/分で200℃までプログラムした。

Claims (36)

  1. a)少なくとも1つのターゲティング部分、
    b)随意のキレーター、
    c)遮蔽されたトラッピング部分、および
    d)随意の連結基
    を含む、化合物または医薬的に許容されるその誘導体であって、
    該ターゲティング部分はマトリックスメタロプロテイナーゼ基質であり、
    該キレーターは診断成分にコンジュゲートすることができ、
    該遮蔽されたトラッピング部分は脱遮蔽されて、遮蔽されていないトラッピング部分を形成することができ、
    該遮蔽されていないトラッピング部分は、患者内の関心部位で固定化されることができ、
    使用に際して、該化合物の固定化は、該遮蔽されていないトラッピング部分と、該患者内の関心部位におけるマトリックスメタロプロテイナーゼ活性に関係する病理学的障害に関係する物質との相互作用によって達成され、
    但し、該相互作用は受容体媒介性ではなく、かつ、
    使用に際して、該物質がタンパク質である場合、該相互作用は共有結合であるものとする
    化合物または医薬的に許容されるその誘導体。
  2. a)少なくとも1つのターゲティング部分、
    b)随意のキレーター、
    c)遮蔽されたトラッピング部分、および
    d)随意の連結基
    を含む、化合物または医薬的に許容されるその誘導体であって、
    該ターゲティング部分はマトリックスメタロプロテイナーゼ基質であり、
    該キレーターは診断成分にコンジュゲートすることができ、
    該遮蔽されたトラッピング部分は脱遮蔽されて、遮蔽されていないトラッピング部分を形成することができ、
    該遮蔽されていないトラッピング部分は、患者内の関心部位で固定化されることができ、
    使用に際して、該化合物の固定化は、該遮蔽されていないトラッピング部分と、該患者内の関心部位におけるマトリックスメタロプロテイナーゼ活性に関係する病理学的障害に関係する物質との相互作用によって達成され、
    但し、該相互作用は受容体媒介性ではなく、かつ、
    使用に際して、該診断成分からのシグナルは、該遮蔽されていないトラッピング部分が固定化される前と固定化された後で実質的に変化しないものとする
    化合物または医薬的に許容されるその誘導体。
  3. 該病理学的障害が冠状動脈プラークである、請求項1に記載の化合物。
  4. 該病理学的障害が癌性腫瘍である、請求項1に記載の化合物。
  5. 該ターゲティング部分がMMP−1、MMP−2、MMP−3、MMP−9およびMMP−14からなる群より選択される1またはそれ以上のマトリックスメタロプロテイナーゼ基質である、請求項1に記載の化合物。
  6. 該マトリックスメタロプロテイナーゼ基質がペプチド配列を含む、請求項1に記載の化合物。
  7. 該ペプチド配列が、コラーゲン、プロテオグリカン、ラミニン、フィブロネクチン、ゼラチン、ガレクチン−3、軟骨リンクタンパク質、ミエリン塩基性タンパク質、カリクレイン14、ラジニン1、エンドグリン、エンドシリン受容体、ラミニンα2鎖、リン酸調節性中性エンドペプチダーゼ、ADAM2、デモグレイン3、インテグリンβ5、インテグリンβv、インテグリンβ6、インテグリンβx、インテグリンβ9、エラスチン、ペルラカン、エンタクチン、ビトロネクチン、テナシン、ニドゲン、デルマタン硫酸、proTNF−α、アグレカン、トランシン、デコリン、組織因子経路阻害因子、糖タンパク質、NG2プロテオグリカン、ニューロカン、PAI−3、ビッグエンドセリン−1、ブレビカン/BEHAB、デコリン、FGFR−1、IGFBP−3、IL−1β、α2−マクログロブリン、MCP−3、妊娠ゾーンタンパク質、proMMP−1、proMMP−2、SPARC、サブスタンスP、ベータグリカンまたはデンチンに由来する、請求項6に記載の化合物。
  8. 該キレーターが、エコー源性物質で満たされた脂質球体または微小気泡を形成することができる界面活性剤である、請求項1に記載の化合物。
  9. 該遮蔽されていないトラッピング部分が、病理学的障害に関係する物質と共有結合を形成することができる、請求項1に記載の化合物。
  10. 該遮蔽されていないトラッピング部分が、該物質中の一部分と共に、マイケル付加体、ヒドラゾン、β-スルホン、シッフ塩基、ジスルフィド、シクロヘキセン、シクロヘキセン誘導体、またはオキシムを形成する、請求項9に記載の化合物。
  11. 該遮蔽されていないトラッピング部分が、該物質内で内在性生体分子と反応する、請求項9に記載の化合物。
  12. 該遮蔽されていないトラッピング部分が、患者の関心部位に関係する可溶性酵素タンパク質または可溶性非酵素タンパク質のリガンドである、請求項2に記載の化合物。
  13. 該リガンドが薬物、親油性有機分子、両親媒性有機分子、ポルフィリン類、ステロイド、脂質、ホルモン、ペプチド、タンパク質、オリゴヌクレオチド、および抗体からなる群より選択される、請求項12に記載の化合物。
  14. a)請求項1の化合物をMMPと反応させること、
    b)ステップa)の生成物をAPNと反応させて、α−アミノケトンを形成させること、および
    c)該α−アミノケトンを血清アミンオキシダーゼで酸化すること
    を含む、1,2−ジカルボニル化合物を製造する方法。
  15. a)請求項1に記載の化合物または医薬的に許容されるその誘導体、および
    b)診断成分
    を含む診断剤。
  16. a)請求項1に記載の化合物または医薬的に許容されるその誘導体、および
    b)診断成分
    を含み、該診断成分は、該診断剤が固定化されても実質的に変化しないシグナルを持つ、診断剤。
  17. 該診断成分がエコー源性物質、非金属同位体、光学レポーター、ホウ素中性子吸収材、常磁性金属イオン、強磁性金属、ガンマ線放射性同位体、陽電子放射性同位体、またはX線吸収材である、請求項15に記載の診断剤。
  18. 該診断成分が99mTc、95Tc、111In、62Cu、64Cu、67Ga、および68Gaからなる群から選択されるガンマ線放射性同位体または陽電子放射性同位体である、請求項17に記載の診断剤。
  19. 該ガンマ線放射性同位体が99mTcである、請求項18に記載の診断剤。
  20. 該ガンマ線放射性同位体が111Inである、請求項18に記載の診断剤。
  21. 該非金属同位体が炭素−11、窒素−13、フッ素−18、ヨウ素−123、またはヨウ素−125である、請求項17に記載の診断剤。
  22. 該診断成分を安定化することができる第1補助配位子および第2補助配位子をさらに含む、請求項15に記載の診断剤。
  23. a)請求項1に記載の化合物、および
    b)医薬的に許容される担体
    を含む組成物。
  24. a)請求項15に記載の診断剤、および
    b)医薬的に許容される担体
    を含む組成物。
  25. 患者におけるマトリックスメタロプロテイナーゼの存在を検出、イメージングおよび/またはモニタリングするためのキットであって、
    a)請求項1に記載の化合物、
    b)診断成分、
    c)医薬的に許容される担体、および
    d)患者におけるマトリックスメタロプロテイナーゼの存在を検出、イメージングおよび/またはモニタリングするための診断剤を含む組成物の製造に関する指示
    を含むキット。
  26. 1またはそれ以上の補助配位子および還元剤をさらに含む、請求項25に記載のキット。
  27. 該補助配位子がトリシンおよび3−[ビス(3−スルホフェニル)ホスフィン]ベンゼンスルホン酸である、請求項26に記載のキット。
  28. 該還元剤がスズ(II)である、請求項26に記載のキット。
  29. 所定量の滅菌された請求項24に記載の組成物、
    二酸素キレート剤および官能基化アミノカルボキシレートから選択される所定量の滅菌された医薬的に許容される安定化共配位子、
    所定量の滅菌された医薬的に許容される還元剤、および
    適宜、緩衝剤、凍結乾燥助剤、安定化助剤、可溶化助剤および静菌剤から選択される、所定量の、滅菌された、1またはそれ以上の医薬的に許容される成分
    を含む、診断剤を形成させるためのキット。
  30. 患者におけるマトリックスメタロプロテイナーゼの存在を検出、イメージング、および/またはモニタリングする方法であって、
    a)該患者に請求項15の診断剤を投与するステップ、および
    b)患者における該診断剤の濃縮部位の画像を画像診断技術によって取得するステップ
    を含む方法。
  31. 患者におけるマトリックスメタロプロテイナーゼ活性に関係する病理学的障害を検出、イメージング、および/またはモニタリングする方法であって、
    a)該患者に請求項15の診断剤を投与するステップ、および
    b)患者における該診断剤の濃縮部位の画像を画像診断技術によって取得するステップ
    を含む方法。
  32. 該病理学的障害が、癌、アテローム動脈硬化、慢性関節リウマチ、変形性関節症、歯周疾患、炎症、自己免疫疾患、臓器移植拒絶、潰瘍形成、強皮症、表皮水泡症、子宮内膜症、腎臓疾患、または骨疾患である、請求項30に記載の方法。
  33. 一過性虚血発作または脳卒中のリスクが高い患者を同定する方法であって、
    a)該患者に請求項15に記載の診断剤を投与するステップ、および
    b)患者における該診断剤の濃縮部位の画像を画像診断技術によって取得するステップを含む、該患者における活動性アテローム動脈硬化度を決定するステップ
    を含む方法。
  34. 急性心虚血、心筋梗塞または心臓死のリスクが高い患者を同定する方法であって、
    a)該患者に請求項15に記載の診断剤を投与するステップ、および
    b)患者における該診断剤の濃縮部位の画像を画像診断技術によって取得するステップを含む、該患者における活動性アテローム動脈硬化度を決定するステップ
    を含む方法。
  35. 患者におけるうっ血性心不全を検出、イメージング、および/またはモニタリングする方法であって、
    a)該患者に請求項15に記載の診断剤を投与するステップ、および
    b)患者における該診断剤の濃縮部位の画像を画像診断技術によって取得するステップ
    を含む方法。
  36. 患者において、心臓灌流および細胞外マトリックス分解の同時イメージングを行なう方法であって、
    a)請求項15に記載の診断剤(該診断成分がガンマ線放射性同位体または陽電子放射性同位体であるもの)を投与するステップ、
    b)ステップa)でターゲティング部分にコンジュゲートされた診断成分のガンマ線放射エネルギーまたは陽電子放射エネルギーから分光的に分離可能なガンマ線放射エネルギーまたは陽電子放射エネルギーを示すガンマ線放射性同位体または陽電子放射性で放射標識されている心臓灌流化合物を投与するステップ、ならびに
    c)ステップa)およびb)で投与された化合物の分光的に分離可能なガンマ線放射エネルギーまたは陽電子放射エネルギーの濃縮部位の同時画像を画像診断技術によって取得するステップ
    を含む方法。
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