JP2007503840A - 生分解性ポリマー−リガンド結合体、及び、細胞亜集団の単離、細胞の凍結保存、培養及び移植に生分解性ポリマー−リガンド結合体を用いる方法 - Google Patents

生分解性ポリマー−リガンド結合体、及び、細胞亜集団の単離、細胞の凍結保存、培養及び移植に生分解性ポリマー−リガンド結合体を用いる方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、少なくとも1つの生分解性粒子、それに共有結合した少なくとも1つの受容性の群(receptive group)、及びそれに対して接着(アンカー)した細胞を有する生分解性粒子細胞組成物を提供する。
【解決手段】粒子は、ポリラクチド、ポリラクチド−リジンコポリマー、ポリラクチド−リジン−ポリエチレングリコールコポリマー、デンプンまたはコラーゲンであってもよい。受容性の群は、抗体、抗体のフラグメント、アビジン、ストレプトアビジン、又はビオチン部分であってもよい。また、粒子は、コラーゲン以外の細胞外マトリックス成分も有する。粒子−細胞組成物は、ある集団からの細胞の選択、足場依存性細胞の細胞培養、足場依存性細胞の凍結保存及び細胞治療としての移植のために用いられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、一般に医学的に有用な物質を産生及び輸送するために、インビボ又はインビトロで用いられる医学的デバイスに関する。さらに詳細には、本発明は、反応性リガンドと結合した生分解性の天然樹脂又は合成樹脂の組成物に関する。また、本発明は、その組成物を、細胞の特定の亜集団を濃縮、細胞の凍結保存、細胞のエキソビボ維持、及び細胞治療に用いる方法に関する。
単一細胞の培養における真核細胞は、特徴的に2つのタイプの細胞に分けられる。第1のタイプは、懸濁培養において生存及び増殖する細胞である。この生存のモードに特に適切な細胞は、ガン及びリンパ腫由来の細胞や、化学療法剤又はウイルス剤によって形質転換された細胞である。対照的に、第2のタイプは、細胞の生存及び増殖のために、基質に接着する必要がある細胞である。後者のカテゴリーにおける細胞は、例えば、固形組織由来及び非形質転換の細胞である付着細胞、例えば、肝臓、肺、脳などに由来する細胞である付着細胞タイプ、及び、特に固形組織由来のプロジェニター細胞(前駆細胞)集団である。しばしば、このような細胞は、増殖及び/又は生存のために、細胞外マトリックス成分に対する接着及び無血清ホルモン既知培地中での維持を必要とする。マトリックス成分(単数又は複数)は、コラーゲンやラミニンなどのタンパク質であってもよいし、又はヘパラン硫酸プロテオグリカンなどのプロテオグリカンであってもよい。ホルモン既知培地の組成は、各々の細胞タイプに対して、細胞タイプの成熟又は系統段階に対して固有である。従って、所定系統のプロジェニター細胞と、この系統の成熟細胞とは、重複する要件を有するが、それらはまた、別個のいくつかの要件をも有する。種々の付着細胞タイプのエキソビボ要件は、明確にされている場合もあるが、このように明確にされている場合でさえ、容易に拡張することができない。すなわち、ルーチンの細胞培養中に要件が確立されたとしても、その要件を、臨床治療、大量細胞培養、又は、臨床上若しくは工業上用いられるバイオリアクターに容易に用いることはできない。さらに、例えば、凍結保存など付着細胞タイプの保存に関する作業条件は、解凍後に細胞を回収して、種々の方法で用いる必要がある場合に、非実用的である。従って、付着細胞に対しては、該細胞を長期保存するための固有の方法、1つの細胞タイプを別の細胞タイプから分離するための固有の方法、及び前記細胞を予想される医学的用途で取り扱うための固有の方法がそれぞれ必要である。
生分解性ポリマーは、組織工学のために用いられてきた。特に、組織工学に用いられ、最もよく検討された生体適合性及び生分解性を有するポリマーは、ポリマーのポリ−(α−ヒドロキシ酸)ファミリー及びそれらに関連するコポリマーである。このようなポリマーのいくつかは、臨床使用について米国食品医薬品局(F.D.A.)によって承認されている。従って、それらを、本発明の最も実現可能な出発ポリマー材料として用いる。但し、このようなポリマーに対する細胞の接着に関しては、依然として問題が存在する。
本明細書には、足場依存性細胞に関する問題を解決するための組成物及び方法が開示されており、これによって、ソーティング(選別)、細胞保存、細胞増殖及び細胞の医学的用途に関する未解決の要件が満足されるようになる。
本発明は、少なくとも1つの生分解性粒子、該少なくとも1つの生分解性粒子に共有結合した少なくとも1つの受容性の群(receptive group)、及び該少なくとも1つの受容性の群に対して接着(アンカー:anchored)した少なくとも1つの細胞を含むことを特徴とする生分解性ポリマー粒子−細胞組成物を提供する。受容性の群は、任意の適切な群であってもよく、下記には限定されないが、抗体、抗体フラグメント、ビオチン、ストレプトアビジン、又はビオチン部分、炭水化物、合成リガンド、プロテインA、プロテインG又はその組み合わせ等が含まれる。また、受容性の群は、該受容性の群自体がリガンド−レセプター相互作用し得るリガンドである。
他の態様では、本発明は、少なくとも1つの生分解性粒子を含む組成物に対して細胞を接着させること、及び、適切な凍結保存剤の存在下で混合物を凍結させること、を含んで構成されることを特徴とする足場依存性細胞を凍結保存する方法を提供する。この場合、細胞は、実質的に単独の細胞懸濁液として、粒子と相互作用するように提供される。
また、他の態様では、本発明は、細胞を分離する方法を提供する。この方法は、少なくとも1つの生分解性ポリマー、該少なくとも1つの生分解性ポリマーに共有結合した少なくとも1つの受容性の群(receptive group)、該少なくとも1つの受容性の群に対して接着(アンカー)した少なくとも1つの細胞、及び前記少なくとも1つの受容性の群に対して接着(アンカー)していない少なくとも1つの細胞を含む組成物を提供(調製)すること、前記ポリマーに対して接着していない少なくとも1つの細胞を除去すること、を含んで構成されることを特徴とする。この場合、前記ポリマーは、機能性のレセプターを有する巨大粒子、微小粒子又はナノ粒子として形成されるとよい。
さらに、他の態様では、本発明は、足場依存性細胞の細胞培養方法を提供する。この方法は、少なくとも1つの生分解性ポリマー、少なくとも1つの共有結合した受容性の群(receptive group)、及び該少なくとも1つの受容性の群に対して接着(アンカー)した少なくとも1つの細胞を有する組成物を提供(調製)すること、前記組成物と細胞培養培地とを接触させること、を含んで構成されることを特徴とする。
さらにまた、他の実施形態では、本発明は、足場依存性細胞の細胞培養方法を提供する。この方法は、少なくとも1つの生分解性ポリマー、少なくとも1つの共有結合された受容性の群(receptive group)、及び該少なくとも1つの受容性の群に対して接着(アンカー)した少なくとも1つの細胞を有する組成物を提供すること、前記組成物と細胞培養培地とを接触させることを含んで構成され、前記細胞が、少なくとも1つの肝臓前駆体、造血前駆体、線維芽細胞、間葉細胞、心筋細胞、内皮細胞、上皮細胞、神経細胞、グリア細胞、内分泌細胞、又はそれらの組み合わせを含んで構成されることを特徴とする。
さらにまた他の態態では、本発明は、細胞治療の必要な対象への処置方法を提供する。この処置方法は、少なくとも1つの生分解性ポリマー、該少なくとも1つの生分解性ポリマーに共有結合した少なくとも1つの受容性の群(receptive group)、及び該少なくとも1つの受容性の群に対して接着(アンカー)した少なくとも1つの細胞を含む組成物の有効な量を、前記対象に投与することを含んで構成されることを特徴とする。細胞を治療する前記ポリマーは、巨大粒子、微小粒子又はナノ粒子として形成されるとよい。
本発明は、受容性の群(receptive group)又はリガンドに共有結合した生分解性ポリマーを有する組成物に関する。また、本発明は、細胞とのさらなる組み合わせによる組成物に関する。この細胞は、受容性のリガンド又は群に接着する。受容性のリガンド又は群は、細胞表面抗原若しくはレセプターに対する抗体若しくは抗体フラグメント、アビジン、ストレプトアビジン、又はビオチン部分であり得る。この組成物はさらに、細胞外マトリックス、例えば、コラーゲン、フィブロネクチン、ラミニン又はそれらの組み合わせのうち1つ以上の成分を含み得る。さらに、本発明は、細胞集団の選択及び単離、細胞と粒子との組み合わせにおける凍結保存、及び足場依存性細胞の細胞培養のための組成物の使用方法に関する。
定義
二倍体細胞の無血清ホルモン既知培地(二倍体細胞−HDM)。この培地は、肝実質細胞の二倍体亜集団のクローン性増殖、コロニー形成又は完全な細胞分裂を誘発することが見出されている。この培地は、任意の濃縮基本培地(例えば、RPMI1640、ハムF12(HAM’s F12))からなり、この培地は、銅を含まず、カルシウム(<0.5mM)が低く、さらに、インスリン(1〜5μg/ml)、トランスフェリン/Fe(1〜10μg/ml)及び脂質の混合物が添加されている(該脂質の混合物は、脂肪酸のない(脂肪酸フリー)高精製アルブミンに結合した遊離脂肪酸の混合物である。また、任意であるが有用な10μg/mlの高密度リポタンパク質を添加してもよい)。脂肪酸の調製の詳細は、表1〜表2を本明細書に付している。
本明細書において、胚性間質性フィーダーとは、胚性組織由来の間葉間質性フィーダー細胞である。肝細胞に理想的なのは、胚性肝臓由来の間質細胞であり、組織特異性に関しては、漠然としたものであるが、いくつかの証拠がある。本発明者らは、年齢制限をヒトではなくラットで規定している(例えば、胚性間質は、好ましくは妊娠齢E13〜E17のラット胚性肝臓から得られる)。ヒトに関しては、それに対応する妊娠齢、例えば妊娠の12〜18週のヒト胚性肝臓に関して推測可能である。この推測を確認できるデータは、この実験室から出ていないが、極めて重要なことに、これらのフィーダー細胞は、年齢特異的であり、その最も活性な形態は胚性組織由来である。従って、当業者であれば、「STO」細胞を用いることができる。この「STO」細胞は、マウス胚に由来し、胚性幹細胞(ES細胞)の維持のために慣用的に用いられる胚性間質細胞株である。STO細胞は、胚性肝臓間質と全く同じ効果を発揮することはないが、研究者等が、STO細胞を利用して、胚性組織の初代培養を行わずに済むことを考慮すれば、十分である。
本明細書において、クローン性増殖とは、継代培養されることができ、極めて低い播種密度(究極には1細胞/ディッシュ)であっても繰り返して増殖できる細胞をいう。
コロニー形成とは、播種された細胞からの細胞コロニーの形成を包含し、比較的短期間(1〜2週間)における分裂回数の制限(代表的には5〜7回の細胞分裂)をも包含する。細胞を、仮に継代培養しても、容易には継代培養できない。すなわち、コロニー形成は、クローン性増殖とは異なり、限界のない細胞分裂及び継代培養を妨げて有限なものとする分化段階を組み込み得る。
本明細書において、初期肝幹細胞とは、クローン性増殖能を有し、サイトケラチン19(CK19)及びアルブミン(すなわち、それぞれは、胆管及び肝細胞のマーカー)の同時発現を伴うが、αフェトプロテインの発現は欠く多能性細胞である。また、これらの細胞は、胎児肝臓由来のヒト肝臓系統では、N−CAM、上皮(Epithelial)CAM(EP−CAM)及びCD133を同時発現し、そして組織培養プラスチック上及び二倍体細胞−HDM中で、クローン性増殖する。
本明細書において、近位の肝幹細胞(肝芽細胞とも呼ばれる)とは、クローン性増殖能を有し、サイトケラチン19(CK19)、アルブミン及びαフェトプロテインの同時発現を伴う、多能性細胞である。また、これらの細胞は、胎児肝臓由来のヒト肝臓系統では、I−CAM、上皮CAM(EP−CAM)及びCD133を同時発現し、そして胚性間質性フィーダー(例えば、STO細胞)上及び二倍体細胞−HDM中で、クローン性増殖する。
本明細書において、方向付けられたプロジェニターとは、肝細胞になるか(つまり、方向付けられた肝細胞プロジェニター)、又は、胆管上皮細胞になる(つまり、方向付けられた胆管プロジェニター)、単能性プロジェニターである。これらの細胞は、胚性間質性フィーダー上及び二倍体細胞−HDM中で、コロニーを形成する。但し、これらの細胞が、この条件又は他の条件下でクローン性増殖するか否かは未だ明確ではない。
本明細書において、二倍体成熟肝細胞(Diploid Adult Hepatocytes)(「小肝細胞」とも呼ばれる)とは、そのサイズが15〜20μmにおよぶ二倍体肝細胞であり、種々の成熟特異的な機能(例えば、PEPCK、グリコーゲン)を発現するが、EP−CAM、CD133及びN−CAMは発現せず、また、種々の条件下でコロニーを形成する。但し、このコロニー形成は、二倍体成熟肝細胞が、上皮増殖因子(EGF)が10〜50ng/ml添加された胚性間質性フィーダー上で、及び二倍体細胞−HDM中にプレーティングされた場合に理想的に形成される。
本明細書において、倍数体肝細胞とは、倍数体である肝細胞である(哺乳動物種によって異なるが、四倍体、すなわち4N〜最大32Nにおよぶ)。倍数体肝細胞は、肝臓の成熟細胞であり、DNA合成を受けることが見出されているが、これが起こり得るのは、再生条件下での細胞質分裂に限定される。
本明細書において、プロジェニターとは、幹細胞及び方向付けられたプロジェニターの全ての亜集団を含む広義語である。
本明細書において、前駆体とは、機能的用語であって、これは、細胞の特定の亜集団が、細胞の別の亜集団への前駆体であることを示す。例えば、未分化の肝幹細胞は、肝細胞への前駆体である。また、肝芽細胞は、方向付けられたプロジェニターへの前駆体である。さらに、二倍体成熟肝細胞は、倍数体肝細胞に対する前駆体である。
本明細書において、「凍結保存(cryopreservation)」という用語を用いる場合、その後の解凍で、細胞の生存率を維持する条件に基づく細胞及び/又は組織の凍結に関することを意味する。細胞の凍結保存に関する一般的な技術は、当該分野で周知である。例えば、本明細書において参照によって組み込まれる、Doyle等(編)、1995、「Cell & Tissue Culture:Laboratory Procedures,John Wiley & Sons,Chichester」、Ho及びWang(編)、1991、「Animal Cell Bioreactors,Butterworth-Heinemann,Boston」を参照のこと。
本発明において、生分解性ポリマー−リガンド結合体を、細胞受容性粒子、又は単に粒子と呼ぶことがある。これらの用語は、生分解性ポリマー−リガンド結合体の全ての実施形態で用いられ、これには、下記には限定されないが、直接抗体結合体、抗体フラグメントに対する結合体、アビジン結合体、ビオチン結合体、フィブロネクチン結合体、結合体生分解性粒子、例えば、PEGリンカー等の長いスペーサーリンカーを有する抗体、及び抗抗体結合体が含まれる。
6.1. ポリマーの調製
本発明の実施に適切な数種類の生体適合性及び生分解性のポリマーには、下記には限定されないが、ポリラクチド、ポリラクチド−リジンコポリマー、ポリラクチド−リジン−ポリエチレングリコールコポリマー、デンプン、アルギニン及びタンパク質等が含まれる。適切なタンパク質としては、コラーゲン、ゼラチン、ポリ−リジン、ラミニン、フィブロネクチン、又はそれらの組み合わせ等がある。本発明の一実施形態は、ポリ−(αヒドロキシ酸)−リジンコポリマー及びポリ(ラクチド−コ−グリコチド、PLGA)コポリマーの少なくとも一方を用いる。PLGAは、下記には限定されないが、例えば、リガンド又はタンパク質を含むアミノとのカップリング前のグルタルアルデヒド等の試薬をカップリングすることによって活性化される(Seifert,Romaniuk及びGroth、1997、「Biomaterials」18:1495-1502)。また、生分解性PLGAポリマーは、例えば、市販のリンカーである3[(2−アミノエチル)ジチオ]プロピオン酸、AEDP等の二機能性リンカーによって、プロテインA若しくはプロテインGのアミノ基、又は他のタンパク質レセプターのアミノ基とカップリングされてもよい。さらに、本発明において、ポリ−(α−ヒドロキシ酸)ファミリーのポリマー及びコポリマーは、表面に反応基を持たない生体適合性及び生分解性を有するビーズに調製するために用いられる。これによって、生分解性ポリマー粒子のコア構造が提供される。
本明細書において用いられる場合、ポリマー又はポリマーマトリックスは、「生体適合性(biocompatible)」である。また、そのポリマー及び該ポリマーの任意分解産物は、レシピエントに対して実質的に非毒性であり、該レシピエントの本体に対して、有意に有害又は不都合となる効果、例えば、インジェクション部位における有意な免疫学的反応等を与えない。
本明細書において用いる場合、「生分解性(biodegradable)」とは、組成物が、インビボで分解又は腐食して、さらに小さい化学種を形成することを意味する。分解は、例えば、酵素的、化学的及び/又は物理的プロセスによって生じる。適切な生体適合性、生分解性のポリマーとしては、下記には限定されないが、例えば、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ(乳酸−コ−グリコール酸)、ポリカプロラクトン、ポリカーボネート、ポリアミノ酸、ポリオルトエステル、ポリエーテルエステル、ポリエチレングリコール及びポリオルトエステルのコポリマー、これらの混合物及びコポリマー等が含まれる。
また、本発明における使用のために適切な生体適合性、非生分解性のポリマーとしては、下記には限定されないが、例えば、ポリアクリレート、エチレン−ビニルアセテート及び他のアシル置換酢酸セルロースのポリマー、非分解性ポリウレタン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリビニルイミダゾール、クロロスルホン化ポリオレフィン、ポリエチレンオキシド、これらの混合物及びコポリマーからなる群より選択される非生分解性ポリマー等が含まれる。
さらに、ポリマーの末端の官能基は、修飾され得る。例えば、ポリエステルは、ブロックされても、ブロックされなくてもよく、又はブロックされるポリエステル及びブロックされないポリエステルの混合物であってもよい。ブロックされたポリエステルは、特にブロックされたカルボキシ末端基を有するとして、当該分野で分類されるものである。一般に、ブロック基は、ポリマー化の開始に由来し、そして代表的にはアルキル基である。ブロックされないポリエステルは、特に遊離のカルボキシル末端基を有するとして、当該分野で分類されるものである。
本発明において用いられるポリマーの許容可能な分子量は、例えば、所望のポリマー分解速度、機械的強度等の物理的特性、及び溶媒中へのポリマーの溶解速度等のファクターを考慮して、当業者により決定される。代表的には、分子量の許容可能な範囲は、約2,000ダルトン〜約2,000,000ダルトンである。好ましい実施形態では、ポリマーは、生分解性ポリマー又はコポリマーである。さらに好ましい実施形態では、このポリマーは、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)(本明細書において、以降「PLGA」とする)であるか、又は、下記には限定されないが、約1:1のラクチド:グリコリド比及び約5,000ダルトン〜約70,000ダルトンの分子量を有する誘導体である。さらに好ましい実施形態では、本発明において用いられるPLGAの分子量は、約5,000ダルトン〜約42,000ダルトンの分子量を有する。
一実施形態では、例えば、リジン等の反応性の側鎖を有するアミノ酸を含むコポリマーは、乳酸含有モノマー、グリコール酸含有モノマー、又は同様の重合化機構を有する任意の他のモノマーと共重合される。例えば、乳酸含有モノマーは、ラクチドであってもよく、グリコール酸含有モノマーは、グリコリドであってもよい。アミノ酸上の反応部位は、標準的な保護基で保護される。同様に、保護された側鎖を有するポリマーは、脱保護されて反応性アミノ基を生成する。脱保護されたポリ乳酸リジンコポリマーは、所望の多孔性粒子に、ポリ乳酸−リジンコポリマーを作製した後に直接係留(tether)した結合体が形成されるようにするため、リジン残基のεアミノ基と結合させることによって、受容性の媒介物とさらに共有結合させてもよい。いくつかの実施形態では、受容性の群(receptive group)は、タンパク質であってもよく、以下には限定されないが、抗体、抗体フラグメント、コラーゲン、ラミニン、フブロネクチン、アビジン若しくはストレプトアビジンが含まれ、又は低分子リガンド群等であってもよく、これには、以下には限定されないが、ビオチン及びRGD含有ペプチド、プロテインA又はプロテインG等が含まれる。
本明細書において用いる場合、本発明における使用が意図される抗体としては、下記には限定されないが、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体(mAbs)、ヒト化抗体又はキメラ抗体、単鎖抗体、Fabフラグメント、F(ab’).sub.2フラグメント、Fab発現ライブラリーによって生成されたフラグメント、抗イディオタイプ(抗Id)抗体、及び上記のいずれかのエピトープ結合フラグメント等が含まれる。
本明細書において用いる場合、低分子リガンド群は、10,000ダルトン以下、より好ましくは5,000ダルトン未満の分子量を有するものである。例えば、コンビナトリアル技術を使用して、低分子有機分子又は低分子ペプチドのコンビナトリアルライブラリーを構築することもできる。一般的には、例えば、Kenan等、「Trends Biochem.Sc.」、19:57-64(1994)、Gallop等、「J.Med.Chem.」、37:1233-1251(1994)、Gordon等、「J.Med.Chem.」、37:1385-1401(1994)、Ecker等、「Biotechnology」、13:351-360(1995)を参照のこと。化合物のこのようなコンビナトリアルライブラリーは、本発明において受容性の群として用いられる。ランダムペプチドは、例えば、組み換え発現されたライブラリー(例えば、ファージディスプレイライブラリー)中で提供され、又はインビトロ翻訳ベースのライブラリー(例えば、mRNAディスプレイライブラリー、Wilson等、「Proc Natl Acad Sci」、98:3750-3755(2001)を参照のこと)において提供される。また、低分子リガンドとしては、例えば、炭水化物等の分子、及び米国特許第5,792,783号明細書に開示されているような化合物(本明細書において低分子リガンドは、血管の標的又は血管細胞マーカーのリガンドとして機能する、約1000ダルトン以下の分子量を有する有機分子として記載する)、米国特許第5,403,484号明細書に開示されているようなファージディスプレイ技術によって選択されるペプチド、及び腫瘍発現レセプター、つまり抗原決定基又は他のレセプター標的基に相補的であるように新規に設計されたペプチド等が含まれる。
本明細書において用いる場合、「RGD」という用語は、ペプチド配列Arg−Gly−Aspのみを指すのではなく、インテグリンとの特異的な相互作用を媒介する最小又はコアのペプチド配列のクラスを総称的に指す。従って、「RGD標的配列(RDG targeting sequence)」は、インテグリン結合ドメインの全体的な種類を包含する。細胞の表面に対して分子指向することで、おそらくは飲食作用による分子の取り込みが容易になることは公知である。例えば、Hart等、「J.Biol.Chem.」、269:12468-74(1994)(RGDを保有するファージの内部移行)、Goldman等、「Gene Ther.」、3:811-18(1996)(RGD−媒介性アデノウイルス感染)及びHart等、「Gene Ther.」、4:1225-30(1997)(RGD−媒介性トランスフェクション)を参照のこと。従って、標的化ドメインは、多くの場合、内部移行ドメインとして、同様に機能する。多数のこのような標的化シグナルが、当該分野で公知である。インテグリン(細胞外マトリックスの付着ポイント)に特異的に結合する標的化シグナルの1クラスは、Arg−Gly−Asp(RGD)に基づくペプチドシグナル配列を保有する。なお、他のクラスとしては、Ile−Lys−Val−Ala−Val(IKVAV)のコアを有するペプチド等が挙げられる。Weeks等、「Cell Inmunol.」、153:94-104(1994)を参照のこと。
図1は、水性媒体においてカップリング反応を進行させるリジン結合の親水性の性質を示している。
図2に示したように、コマポリマーのタンパク質係留能(例えば、タンパク質としては、抗体が挙げられる)をさらに拡大するために、ポリエチレングリコール(PEG)リンカーを、塩化スルホニル及びアナログ(類似体)によって活性化させてもよく、そして一級アミン基、例えば、下記には限定されないが、リシル残基のεアミノ基又はタンパク質に結合させることで、三次元の分布及び構造的な特徴を有する伸長された結合を形成するようにしてもよい。本発明においては、市販されている種々の長さ及び直線性を有するリンカー構造を好適に適用可能であり、その結果として、種々の表面分布が獲得可能となる。本発明の方法における使用では、種々のリンカーのうち、例えば、下記には限定されないが、Pierce Chemical Co.から販売されているリンカーが好適である。また、このようなリンカー構造は、当業者に利用可能な慣用的な合成有機化学の手法を用いて合成されてもよい。受容性部位の表面分布は、新規ポリマー表面上の細胞標的レセプター分子の密度及び分布に影響する重要な特性である。任意の事象において、採用された受容性クラスター部位の表面分布は、細胞の増殖及び分化、移動度及び形態に対して重要である細胞接触を可能にするのに充分でなければならない(例えば、Cima,L.G 1994、「J.Cellular Biochemistry 」、56:155-161)。受容性部位の表面分布は、当業者に利用可能な特定のアッセイを用いて回収される特定の細胞タイプについて、ケースバイケースで慣用的に測定される。このような特徴決定には、下記には限定されないが、リガンドによって標的とされる放射性又は蛍光標識レセプターのポリマー表面上への結合の測定(例えば、Rolwey J.A.,Madlambayan,G.,Mooney,D.J.、1999、「Biomaterials」、20:45-53、 Massia,S.P.,Hubbell,J.A.1991、「J.Cell Biology」、114:1089~1100)、X線及び中性子反射率の測定(例えば、Russell,T.P.、1990、「Material Science Reports 」、5:171-271)及び免疫蛍光法により標識された抗体と表面受容性基との結合の測定(例えば、Massia,S.P.,Hubbell,J.A.、1991、「J.Cell Biology」、114:1089-1100.)が含まれる。図2に例示したように、最終的なコポリマーは、リンカーの構造に依存して、単独又は複数の反応基を有する直鎖又は分枝したリンカーを有することができる。このリンカーは、選択的に親水性であるため、このリンカーを水性媒体に曝露することができる。従って、添加されるカップリング剤と接触可能になる。
6.2. 新規ポリマーを足場材料(骨格)又はビーズにする製造方法
本発明の他の重要な態様としては、生体分解性ポリマーによって、粒子、ビーズ、繊維又は足場材料を製造することがある。本発明の方法によれば、最大で約1000μm(ミクロン)におよぶサイズを有する多孔性粒子が調製される。また、本発明では、表面多孔性、粒子の内部空隙率、分解性及び表面反応基の分布を改変する方法を開示する。直径で約500ミクロンよりも大きなポリマー粒子は、巨大粒子(macroparticles)と呼ばれ、NaCl又は規定サイズの同様な結晶性粒子を包埋したポリマー液滴を低温急速凍結することにより調製される。このポリマー粒子は、下記には限定されないが、約500ミクロン、約550ミクロン、約600ミクロン、約650ミクロン、約700ミクロン、約750ミクロン、約800ミクロン、約850ミクロン、約900ミクロン、約950ミクロン、約1000ミクロン、約1050ミクロン、約1100ミクロン、又は必要に応じてそれ以上を含むサイズ範囲を有してもよい。この方法によれば、包埋された結晶を、ポリマーではなく、該結晶を溶解させるために選択された溶媒を用いて浸出(リーチング)することにより、多孔性構造が生じる。
微小粒子と呼ばれる、約200〜約500ミクロンサイズの粒子の製造には、規定の処方によるポリマーエマルジョンを、界面活性剤の存在下で水性媒体中に分散させて微細な液滴とする。この液滴を連続的に分散させることで、溶媒の抽出及び蒸発が可能になり、これによって凝固したポリマー粒子が残されるようになる。ポリマーの微小粒子は、下記には限定されないが、約200ミクロン、約250ミクロン、約300ミクロン、約350ミクロン、約400ミクロン、約450ミクロン、約500ミクロンなどを含むサイズ範囲を有してもよい。直径で約200ミクロン未満の小さなポリマー粒子は、ナノ粒子と呼ばれ、これは、一般的には超音波噴霧器(アトマイザ)によって与えられる超音波の剪断力を用いて、ポリマー溶液を微細な液滴に急速に分散させることで調製される。
小さな粒子のポリマーは、低温で凝固し、ポリマーの溶媒は、第2又は第3の溶媒によって除去される。このポリマー微小粒子は、下記には限定されないが、約25ミクロン、約50ミクロン、約75ミクロン、約100ミクロン、約125ミクロン、約150ミクロン、約175ミクロン、約200ミクロン等を含むサイズ範囲を有してもよい。以上のように、この粒子は、巨大粒子、微小粒子、ナノ粒子、又はこれらの任意の組み合わせとすることもできる。また、ポリマーは、中空繊維を含む繊維に形成される。
6.3. ポリ乳酸(−リジンコポリマー)への抗体及び他のタンパク質の直接カップリング
目的のタンパク質は、架橋剤を用いて生分解性ポリマー粒子又は足場材料に結合される。適切なタンパク質としては、下記には限定されないが、抗体、アビジン、ストレプトアビジン、及び細胞外マトリックスタンパク質、RGD配列を含むペプチド、プロテインA/G等がある。
細胞表面マーカー及び他のタンパク質を標的とする抗体は、ポリマービーズ表面に存在するコポリマーのリシル残基であるεアミノ基と直接結合することで、表面に係留(テザー)した抗体又は他のタンパク質が形成される。種々のカップリング試薬、例えば、下記には限定されないが、例えば、Pierce Chemical Coから販売されているグルタルアルデヒドは、生分解性ポリマーに対する抗体又は他のタンパク質とのカップリングに用いることができる。例えば、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩を、抗体又は他のタンパク質及び粒子の存在下で、4〜6pHの範囲における緩衝液と共に、反応させることができる。また、係留は、一般的には、6−(4−アジド−2−ニトロフェニルアミノ)ヘキサン酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステルを用いて2工程のプロセスとして生成することもできる。この方法では、まず、粒子を、6.5〜8.5pHの範囲で、スクシンイミド試薬と暗所で反応させる。続いて、抗体又は他のタンパク質を添加して、反応性ナイトレンを生じる250〜350ナノメートルの照射によってカップリングを開始させる。このナイトレンは、抗体を含む分子の近傍に挿入される。未反応の試薬は、これに続く水性媒体を用いた洗浄によって除去する。
一級アミン基を架橋する他の多数の試薬は、生分解性粒子への抗体又は他のタンパク質の係留についても、同様に好適であり、該試薬には、以下のものが包含される。S−アセチルメルカプトコハク酸無水物、S−アセチルチオグリコール酸N−ヒドロキシ−スクシンイミドエステル、4−アジド安息香酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、N−(5−アジド−2−ニトロベンゾイルオキシ)スクシンイミド、ブロモ酢酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、ジメチル3,3’−ジチオ−ビス(プロピオンイミダート)二塩酸塩、ジメチルピメルイミダート二塩酸塩(dimethyl pimelimidate dihydrochloride)、ジメチルスベルイミダート二塩酸塩、4,4’,ジチオ−ビス(フェニルアジド)、3,3’,ジチオ−ビス(プロピオン酸)N−(ヒドロキシスクシンイミドエステル)、エチレングリコール−ビス(コハク酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル)、6−(ヨードアセトアミド)カプロン酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、ヨード酢酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、3−マレイミド安息香酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、γ−マレイミド酪酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、εマレイミドカプロン酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボン酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−l−カルボン酸 3−スルホ−N−スクシンイミドエステルナトリウム塩、βマレイミドプロピオン酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、bis(ポリオキシエチレンビス[イミダゾイル(imidazoyl)カルボニル])(bis(polyoxyethylenebis [imidazoyl carbonyl] ))、3−(2−ピリジルジチオ)プロピオン酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、スベリン酸ビス(N−ヒドロキシ スクシンイミドエステル)、及びビス(スルホスクシンイミジル)スベリン酸塩。
生分解性粒子への抗体又は他のタンパク質のカップリングは、約10−9〜約10−3Mの種々の架橋濃度で生じ得る。本発明の一実施形態では、約10−5Mの濃度を用いる。
抗体濃度は、約20ng/ml〜約20mg/mlとすることができる。他のタンパク質濃度は、約5mg/ml〜約50mg/mlとすることができる。本発明の一実施形態では、カップリング反応のための抗体又は他のタンパク質の濃度は、約2mg/mlとする。この粒子濃度は、約10−10〜約10−2Mリジン当量とすることができ、本発明の一実施形態では、粒子の濃度は、約10−3Mリジン当量とする。
表面分布、係留テザーの長さ、及び抗体又は他のタンパク質と、細胞表面マーカーとの間の相互作用の最適化は、当業者であれば、抗体に対して生分解性ポリマーをカップリングするために、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)リンカーを用いることによって、改変することができる。このようなポリエチレングリコールリンカーの1つとしては、上記のビス(ポリオキシエチレンビス[イミダゾイルカルボニル])が挙げられる。主として、係留した抗体の特異性によって、第一に、抗体−ポリマー結合体の細胞選択性が決定される。また、抗体フラグメント、例えば、Fab又はFab’を含むFabフラグメントは、生分解性ポリマーに対する係留に好適である。
本発明の方法に使用されるモノクローナル抗体は、連続継代性細胞株培養によって、抗体分子を産生する任意の技術により得ることができる。それらとしては、下記には限定されないが、Kohler及びMilstein(「Nature」、256:495-497,1975;及び米国特許第4,376,110号明細書)のハイブリドーマ技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(Kosbor等、「Immunology Today」、4:72,1983、Cole等、「Proc.Natl.Acad.Sci.USA」、80:2026-2030,1983)、及びBVハイブリドーマ技術(Cole等、「Monoclonal Antibodies And Cancer Therapy」(Alan R.Liss,Inc. 1985)、pp.77-96)が挙げられる。このような抗体は、IgG,IgM,IgE,IgA,IgD及びその任意のサブクラスを含む任意の免疫グロブリンクラスの抗体であってもよい。本発明において、mAbを産生するハイブリドーマは、インビトロ又はインビボで培養可能である。インビボにおいて、mAbは、高力価で産生するので、目下好ましい産生方法といえる。
本発明の方法におけるモノクローナル抗体の使用に加えて、キメラ抗体及び単鎖抗体を用いてもよい。キメラ抗体は、それぞれの部分が異なる動物種に由来する分子、例えばマウスmAbに由来する可変領域及びヒト免疫グロブリンに由来する定常領域を有する分子である。「キメラ抗体(Chimeric antibodies)」は、適切な生物活性を有するヒト抗体分子由来の遺伝子と共に、適切な抗原特異性を有するマウス抗体分子から遺伝子をスプライシングすることによって作製される(Morrison等、「Proc.Natl.Acad.Sci.」、81:6851-6855,1984、Neuberger等、「Nature」、312:604-608,1984、Takeda等、「Nature」、314:452-454,1985及び米国特許第4,816,567号明細書を参照のこと)。
また、本発明の方法において使用される単鎖抗体を産生するために、単鎖抗体の産生に関する技術(例えば、米国特許第4,946,778号明細書、Bird、「Science」、242:423-426,1988、Huston等、「Proc.Natl.Acad.Sci.USA」、85:5879-5883,1988及びWard等、「Nature」、334:544-546,1989)、及びヒト化モノクローナル抗体の作製に関する技術(米国特許第5,225,539号明細書)を用いることができる。
本発明の一実施形態では、粒子は、成長許容的な(growth-permissive)天然の細胞外マトリックス(ECM)でコーティングされ、細胞の足場となるマトリックス表面を形成するように、その細胞外マトリックスと架橋結合される。従って、これらのECMコーティング粒子は、足場依存性細胞のための付着支持体を提供する。この場合、架橋剤は、当該分野において標準的な方法を用いて、ECMを粒子に結合させるために用いられる。ECMは、コラーゲン、フィブロネクチン、ラミニンの任意の変異型又はその組み合わせ等を包含する。
他の実施形態では、アビジン又はストレプトアビジンは、当該分野において標準的な方法を用いて、架橋剤で生分解性粒子に架橋されることで結合される。
ポリマー分子は、本発明による活性な結合体を形成するために適切な任意の方式で、タンパク質と架橋される。例えば、生分解性ポリマーの架橋には、2つ以上のポリマー及びタンパク質分子に共有結合する二機能性又は多機能性の架橋剤を用いることができる。二機能性の架橋剤としては、例えば、アルデヒド、エポキシ、スクシンイミド、カルボジイミド、マレイミド、アジド、炭酸塩、イソシアネート、ジビニルスルホン、アルコール、アミン、イミデート、無水物、ハロゲン化物、シラン、ジアゾアセテート、アジリジン等の誘導体が含まれる。あるいは、架橋を、例えば、過ヨウ素酸塩等の酸化剤及び他の試薬を用いて達成させてもよい。この場合、試薬は、ポリマー上の側鎖又は部分(moieties)を活性化することで、他の側鎖又は部分と反応させることで架橋結合を形成するものである。その他の架橋方法としては、側鎖ポリマーを活性化して架橋反応を可能にするように、ポリマー及びタンパク質を、例えば、γ線照射に曝す工程も含まれる。
結合体は、生分解性粒子とタンパク質との間で形成されるが、このタンパク質としては、下記には限定されないが、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、キメラ抗体又はそれらの抗体フラグメント、I型コラーゲン、III型コラーゲン、IV型コラーゲン、ラミニン、フィブロネクチン、アビジン及びストレプトアビジンが含まれる。
6.4. ポリマービーズ表面上の反応基についてのビオチニル化
本発明は、抗体のカップリングに関して、頑強で化学的にフレキシブルな表面を調製するために、抗体を生分解性粒子表面に係留(テザー)する方法として、ビオチン−アビジン又はビオチン−ストレプトアビジン複合体の使用をも構想する。図3を参照して説明すると、コポリマーのリシルにおけるε−NH基は、特注又は市販のビオチン化試薬によってビオチン化される。好適な市販の試薬キットとしては、スルホ−NHSビオチン化試薬を用いるSigma社の製品BK−101が挙げられる。あるいは、例えば、市販のキットBK−200(Sigma社)に使用されるような切断可能なビオチン化試薬を用いてもよい。生分解性ポリマーにビオチンが組み込まれることにより、別途調製されたアビジン又はストレプトアビジンと抗体との結合体を、ビオチン化ポリマーと反応させることができる。このアビジン−抗体結合体又はストレプトアビジン抗体結合体は、例えば、上記に挙げられた架橋剤を用いて、標準的な方法によって調製することができる。
他の実施形態では、生分解性ポリマーは、架橋剤、例えば、カルボジイミド、又は上記のような他の試薬によって、アビジン又はストレプトアビジンと共有結合する。次いで、このアビジン又はストレプトアビジンと結合した生分解性ポリマーが、ビオチン化抗体と反応して、非共有結合ではあるが生分解性ポリマー粒子に係留した抗体を生成する。図4を参照して説明すると、このような方法によって、ストレプトアビジン表面と結合する任意のビオチン化抗体の使用が可能になるので、該表面に係留(テザー)し、細胞表面マーカーを標的とする抗体が生成される。
6.5. 抗体−抗体結合体による抗体のカップリング
ここで、抗体を係留するための本発明の他の実施形態を図示した図5を参照する。図5は、細胞表面マーカーを標的とする抗体の生産に用いられたものとは異なる動物種の種特異的な抗体であって、細胞表面マーカーを標的とする抗体のF部分に対する種特異的な抗体の使用を示している。例えば、マウスにおける細胞表面マーカーに対する抗体は、マウスのFマーカーに対して産生された抗Fモノクローナル抗体と結合する。抗F抗体は、ポリ乳酸−リジンコポリマー又はコポリマーにおいて活性化されたPEG結合と直接結合することができるので、それぞれの細胞表面マーカーを標的とする抗体表面が生成される。あるいは、図5に示したように、種特異的な抗体をビオチン化し、次いで、ポリマー粒子上のアビジン又はストレプトアビジン表面と結合させることもできる。従って、本発明は、共通のFドメインを共有する抗体の群を認識する抗体表面を生成することができる。この方法の利点は、細胞表面マーカーに対する抗体を、事前の化学的修飾をすることなく、ポリマー粒子表面に係留させることができることである。
6.6. 細胞表面マーカーを標的とする抗体の選択
本発明では、肝細胞及び非肝細胞の表面マーカーに対する広範囲な抗体を用いる。これらの抗体としては、市販の抗体、本発明者等によって調製された抗体、及びその他の調製抗体等が含まれる。これらの抗体としては、ICAM−1に対する抗体、抗ratRTlAa,b,1又はそのヒト等価物、抗MHCI抗体、インテグリンに対する抗体、増殖因子レセプターに対する抗体、及び糖タンパク質に対する抗体等を含むことができる。
7.0. 本発明の組成物及びその使用の例
以下の特定の実施形態は、本発明を実施する種々の態様において読者の理解をより助けるために提供されるものであり、これら特定の実施形態は、単に例示しているに過ぎず、以下の説明によって、本発明が限定されるものと解釈してはならない。そのような限定は、当然ながら、添付の特許請求の範囲によってのみ定められるものである。
7.1. 細胞との結合及び細胞集団の単離に用いる生分解性ポリマー−抗体結合体の使用
細胞表面マーカーを標的とする抗体に係留したポリマー粒子を、ほぼ生理学的な条件下で、細胞の混合集団の懸濁液でインキュベートする。この場合、0℃〜40℃の温度、約6〜約7.5pHで行い、等張液を用いる。本発明の一実施形態では、細胞を、粒子−抗体結合体と共に、約25℃、約7.0pH、ハンクスBBS(Hank’s BBS)中で、約30分間以上インキュベートする。抗体表面レセプター相互作用によって、ポリマービーズと標的細胞との結合が促進される。本発明は、複数の各々の生分解性ポリマー粒子との相互作用、又はいくつかの微小粒子ビーズと単数の細胞との相互作用、又はその間の任意の比を構想する。当業者であれば、様々な目的のために、抗体の表面密度及びテザーの長さを、細胞及び粒子の相互作用が最適化するように調節することができる。これらの方法にり、抗体によって同定された特定の細胞集団が、粒子−抗体結合体に付着する。従って、この粒子を用いることで混合集団から1つの細胞集団を容易に分離することができるようになる。言い換えれば、本発明は、細胞の選択集団のポジティブソート(positive sorting)方法及び濃縮(enrichment)を含んで構成される。粒子−抗体結合体は、ネガティブソート(negative sorting)、又は欠乏手順、すなわち、目的ではないと考えられる細胞集団を、この特定集団に対して選択した抗体を用いることで排除する手順において同様に充分に用いることができる。
1つの特定の実施形態では、間葉細胞を、肝臓プロジェニターを含む他の細胞から分離するために、粒子−抗体結合体を用いて、単離する。これは、まず、間葉細胞に対する抗体で調製した粒子−抗体結合体を、間葉細胞を含む混合細胞集団と共にインキュベートする。インキュベーション後、付着細胞の付着した粒子を単離して、区画に分けられた細胞培養チャンバ中に播種する。次いで、他のプロジェニター細胞、例えば、肝臓プロジェニターを他の区画に播種する。本実施例では、この区画が、例えば、Transwell(登録商標)ディッシュのように連続的に接続する培地を有する場合、肝臓プロジェニターと間葉幹細胞との遠隔的(remote)な相互作用が観察される。
この粒子を用いることで、細胞を粒子に接着させて、細胞集団中で細胞を濃縮することができる。この粒子に接着する細胞には、肝細胞、肝臓前駆体、線維芽細胞、内分泌細胞、内皮細胞又は任意の足場依存性細胞が含まれる。生分解性粒子に接着しない細胞には、造血細胞、造血前駆体、赤血球、白血病細胞及びリンパ腫細胞、及び抗体−ポリマー表面によって標的とされる表面レセプターを有しない細胞を含む任意の非足場依存性細胞が含まれる。
7.2. 粒子−細胞結合体のエキソビボ培養のための生分解性ポリマー−抗体結合体の使用及び三次元バイオリアクターにおけるその使用
上記のように細胞外マトリックスと結合した生分解性粒子を、足場依存性細胞と共にインキュベートする。細胞外マトリックスを使用することで、足場依存性細胞にとって好適な増殖環境が得られ、1つの容器から別の容器への細胞懸濁液の容易な継代が可能になる。また、この方法によって、細胞集団の容易な増殖及び細胞集団の容易なサンプリングが可能になる。
足場依存性細胞の多数の種類、すなわち、肝臓前駆体、間葉細胞、間葉前駆体、心臓細胞を含む筋細胞、神経細胞、グリア細胞、線維芽細胞、幹細胞、上皮細胞及び内皮細胞等は、生分解性粒子細胞外マトリックス結合体と共に使用する場合に適切である。さらに、内皮細胞は、粒子−細胞外マトリックス結合体における増殖に適切である。
また、粒子−細胞の組み合わせは、バイオリアクターの三次元培養における増殖に適切である。このような使用によって、付着細胞集団への栄養培地及び栄養ガスの流れ、及び、必要に応じて代謝物の容易な交換及び代謝物の廃棄がもたらされる。
7.3. 足場依存性細胞を凍結保存するための生分解性ポリマー−タンパク質結合体の使用
本発明の組成物は、生分解性ポリマー支持体への濃縮された細胞の接着によって、凍結保存された細胞の生存及び回復を改善することができる。細胞を凍結保存する初期の方法論は、通常浮遊して存在する造血細胞及び細胞培養に適合させた細胞株に対しては成功しているが、足場依存性細胞タイプに対しては十分に機能しない。また、トリプシン又は他の除去因子を用いて再懸濁させる通常方法を用いた足場依存性肝細胞の凍結保存は、細胞の生存率に関して極めて大きな損失をもたらす。さらに、細胞は、その分化特性を失い、及び、固体表面に付着する能力を失う。そこで、本発明では、細胞の足場として誘導体化生分解性粒子を適用する。この粒子−細胞外マトリックス結合体は、細胞接着のために提供され、次いで、ガラス化溶液に曝され、これにより氷晶形成を妨げる。適切な凍結保存又はガラス化溶液は、5〜15パーセント、代表的には、10パーセントのジメチルスルホキシド(v/v)を血清添加培地中に含む。他のガラス化溶液としては、10パーセント(v/v)のジメチルスルホキシドが既知培地、すなわち血清も血漿も含まない培地中に含まれる。一方、粒子付着細胞は、解凍後に粒子から剥離する必要はない。この改善は、重要なものである。すなわち、細胞外マトリックス又はアルギン酸塩のような別の物質に包埋される細胞は、ほとんどの研究又は臨床のニーズに対して実用的であるように、解凍後に再懸濁されなければならないからである。また、解凍直後に、細胞を酵素で処理しようとすると、ほぼ一定不変に、大多数の細胞において、生存率の低下が生じる。細胞は、その取り扱いに対して特に影響を受けやすく、従来の凍結保存及び解凍直後の酵素処理に対して高度に脆弱である。従って、解凍後の酵素処理を回避することによって、ビーズ上の細胞が、よりはるかに頑強となる。粒子上の細胞は、細胞培養培地で簡易に洗浄することができ、及び、それ以上の操作をすることなく直ちに用いることができる。この手順によれば、凍結保存された足場依存性細胞の生存及び機能を改善し、並びに細胞バンキング及び細胞分類の流れ作業を能率化することができる。
7.4. 細胞移植のための生分解性ポリマー−タンパク質結合体の使用
本発明のさらなる他の実施形態では、本発明の方法は、移植のための濃縮足場依存性細胞の調製に関して確固とした方法を提供する。生分解性ポリマー−タンパク質細胞の結合体は、血管又はレシピエントの器官中に直接移植される。ポリマーは、濃縮されたプロジェニター細胞の増殖及び成熟と、天然の細胞外マトリックス及び組織構造の形成との相互作用により、インビボで通常存在する構成分子に分解されるように設計される。さらに、ポリマー材料の溶解及び排除は、異物に対する拒絶反応の問題を最小化するように構想される。
7.5. ネガティブソーティングによる細胞濃縮
所望の細胞タイプが、固有の同定可能な細胞表面マーカーを示さない場合、ネガティブソート、必要に応じて相互作用的ネガティブソートは、集団中における所望の細胞タイプを濃縮することができる。例示的な事例を以下に示す。
生分解性粒子−グリコホリンAに対する抗体(粒子−Ab(GA))の結合体は、上記の方法によって調製される。10細胞/ml濃度の10個の胚性肝細胞の実質的に単独の細胞懸濁液を、湿重量で0.5gの粒子−Ab(GA)結合体と混合する。この文脈の「実質的に(substantially)」とは、細胞の少なくとも約70%が他の細胞と会合していないことを意味する。一実施形態では、実質的に単独の細胞懸濁液は、他の細胞と会合していない細胞を少なくとも約90%有する。この混合物を、ダルベッコ変法イーグル培地(Dulbecco's modified Eagle's medium)及びハムF12培地(Ham's F12)(DMEM/F12, GIBCO/BRL社, Grand Island, NY)の1:1の混合物から構成される既知培地(HDM)において24℃で1時間インキュベートする。HDMには、20ng/mlのEGF(Collaborative Biomedical Products社)、5μg/mlのインスリン(Sigma社)、10−7Mのデキサメタゾン(Sigma社)、10μg/mlの鉄飽和トランスフェリン(Sigma社)、4.4×10−3Mのニコチンアミド(Sigma社)、0.2%(w/v)のウシ血清アルブミン(Sigma社)、5×10−5Mの2−メルカプトエタノール(Sigma社)、7.6μeq/lの遊離脂肪酸、2×10−3Mのグルタミン(GIBCO/BRL社)、1×10−6MのCuSO、3×10−8M HSeO及び抗生物質が添加されている。上清中に残り、ビーズに結合されない細胞は、新鮮な培地で培養するか、又は引き続くソーティングに供する。
7.6. ポジティブソーティングによる細胞の濃縮
所望の細胞タイプが、少なくとも1つの固有の同定可能な細胞表面マーカーを示す場合、ポジティブソート、必要に応じて相互作用的ポジティブソート、又はポジティブソートとネガティブソートとの組み合わせによって、集団中で所望の細胞タイプについて濃縮することができる。例示的な事例を以下に示す。
生分解性粒子−ICAM−1に対する抗体の結合体(粒子−Ab(ICAM−1))は、上記の方法によって調製される。10細胞/ml濃度の10個の胚性肝細胞の単一細胞懸濁液を、湿重量で0.5gの粒子−Ab(ICAM−I)結合体と混合する。この混合物を、ダルベッコ変法イーグル培地及びハムF12培地(DMEM/F12, GIBCO/BRL社, Grand Island, NY)の1:1の混合物から構成される既知培地(HDM)中において24℃で1時間インキュベートする。HDMには、20ng/mlのEGF(Collaborative Biomedical Products社)、5μg/mlのインスリン(Sigma社)、10−7Mのデキサメタゾン(Sigma社)、10μg/mlの鉄飽和トランスフェリン(Sigma社)、4.4×10−3Mのニコチンアミド(Sigma社)、0.2%(w/v)のウシ血清アルブミン(Sigma社)、5×10−5Mの2−メルカプトエタノール(Sigma社)、7.6μeq/lの遊離脂肪酸、2×10−3Mのグルタミン(GIBCO/BRL社)、1×10−6MのCuSO、3×10−8MのHSeO及び抗生物質が添加されている。この粒子に付着した細胞を新鮮な培地中で培養する。
他の例では、生分解性の粒子−EpCAM−1に対する抗体の結合体(粒子−Ab(EpCAM−1))/NCAM−1(粒子−Ab(NCAM−1))結合体を上記の方法によって調製する。さらに他の実施形態では、生分解性の粒子−EpCAM−1に対する抗体の結合体(粒子−Ab(EpCAM−1))/ICAM−1(粒子−Ab(ICAM−1))結合体を上記の方法によって調製する。このような少なくとも1つの固有の同定可能な細胞表面マーカーを有する生分解性の粒子−抗体は、集団中で所望の細胞タイプについて濃縮するために用いることができる。
7.7. 粒子−ECM結合体上での細胞培養
任意の方法によって濃縮された肝臓プロジェニター細胞の集団を、HDM中でIV型コラーゲンと結合した生分解性粒子とインキュベートする。IV型コラーゲン−粒子を、上記の方法によって調製して、IV型コラーゲン対粒子比が0.02(w/w)である500ミクロンの直径の粒子を得る。総湿重量が10gのIV型コラーゲン粒子を、95%(v/v)空気/5%(v/v)CO雰囲気下、37℃で500mlのHDMに懸濁させる。このIV型コラーゲン−粒子を10個の肝臓プロジェニターと共に播種し、その培地を1日おきに交換する。穏やかに撹拌することによって、その粒子を懸濁している状態に維持するようにする。この培養物を、pH及びグルコース濃度の変化によって細胞代謝について、及びDNA含量を測定することによって細胞増殖について、モニターする。培養物を増殖させるために、培養混合物に対し新鮮な粒子を添加することによって、新しい増殖表面を提供する。
さらに他の例では、任意の方法によって濃縮される肝臓プロジェニター細胞の集団を、下記には限定されないが、当業者に公知の胎児型のラミニン、ヒアルロン酸及びヘパリングリカン硫酸塩に通常存在する、任意の他の適切で専門的なマトリックス化学で結合した生分解性粒子と共に、インキュベートする。
7.8. 粒子付着細胞を用いる細胞の凍結保存
実施例6.4.と同様に、生分解性粒子上で増殖する足場依存性細胞を、10%(v/v)ジメチルスルホキシドを含有するHDMの溶液中に、付着細胞と共に再懸濁し、及び約1×10個の細胞を含む一定分量を滅菌のアンプル又はバイアルに移して、凍結保存する。このアンプル又はバイアルを適切にシールして、温度を1分あたり約1℃で約−80℃〜約−160℃まで徐々に低下させる。細胞は、その使用要求があるまで無期限に約−160℃で保管する。細胞の使用が必要になった場合、アンプル又はバイアルを、例えば、微温浴等で急速に解凍する。次いで、この内容物をHDM等の培養培地と共に、培養容器中に無菌的に移す。
7.9. 肝不全のモデルにおける肝臓プロジェニターの移植
肝不全のラットモデルを用いて、異種細胞移植療法を評価する。肝不全は、10匹の雄性ラット(125〜160gの体重)の実験群について、肝臓の約70%の外科的な除去及び/又は総胆管の結紮によってモデル化する。10匹の年齢及び性別のマッチしたラットによる対照コントロール群を、胆管の結紮及び肝切除をすることなく、同様の麻酔、正中線開腹術、及び肝臓操作に供する。
生分解性ビースに対して接着した肝臓前駆体の濃縮集団は、上記のように調製する。簡潔にいうと、12胎仔(胎齢14日)の仔ラットの肝臓を無菌的に取り出して、刻んで、カルシウムもマグネシウムも含まない1mMのEDTA含有ハンクスBSS(pH7.0)中で洗浄し、次いで、0.5mg/mlのコラゲナーゼを含有するハンクスBSS中で最大20分までインキュベートして、ほぼ単独の細胞懸濁液を得る。
ICAM−1に対する抗体と、結合した無菌の生分解性粒子とを、上記のように調製する。12匹の仔からの単独の肝細胞懸濁物を、充填容積で1.5mlのICAM−1−微小粒子と共に、25℃で1時間インキュベートする。次いで、この粒子を10倍の容積を持つHDM中に希釈して、1×g下で5分間置いた後にデカントする。以降、この手順を繰り返す。粒子を、新しいHDM中に穏やかに再懸濁して、37℃で、95%空気、5%CO(v/v)の雰囲気下において5日間インキュベートする。
肝切除又は対照操作の3日後に、実験及び対照コントロールの両方のラットを5mmの腹部切開に供して、脾臓を露出させる。各々の実験及び対照コントロール群の動物のうち半分を無作為に選択して、0.1mlの生分解性粒子−ICAM−1胚性肝細胞組成物を各々の脾臓に直接注入する。全ての切開を、外科用ステープルで閉じる。免疫抑制剤サイクロスポリンAを体重1kgあたり1mgで毎日腹腔内に投与する。
ビリルビンの血液レベル、γグルタミルトランスフェラーゼ及びアラニンアミノトランスフェラーゼの活性を、肝切除又は対照肝切除術の2日前と、そして手術後3、7、14及び28日目にモニターする。更に、体重、水分消費量及び嗜眠の視覚的検査を同じ日に記録する。肝切除後28日に、生存している動物の全てを、脾臓及び肝臓の組織学的評価のために屠殺する。
本明細書で言及される全ての刊行物、特許及び特許文書は、そのそれぞれの全体が参照によって本明細書に援用される。
本発明は、前述の特定の及び好ましい実施形態及び方法を参照して記載されている。しかし、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、多くの変更を加えることができることを理解すべきである。従って、本発明の範囲は、前述の例によっては限定されず、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されると解釈されるべきものである。
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タンパク質レセプターにおけるリジンのεアミン基との直接カップリングによる結合体の図。 ポリエチレングリコール残基結合を用いる結合体の図。 ビオチン−ストレプトアビジン又はビオチン−アビジン結合を用いる結合体の図。 ビオチン化ポリエチレングリコール結合を用いる結合体の図。 種特異性、又は二次抗体結合を用いる結合体の図。

Claims (26)

  1. 少なくとも1つの生分解性粒子、該少なくとも1つの生分解性粒子に共有結合した少なくとも1つの受容性の群(receptive group)、及び該少なくとも1つの受容性の群に対して接着(アンカー)した少なくとも1つの細胞を含むことを特徴とする組成物。
  2. 前記受容性の群が、抗体、抗体フラグメント、アビジン、ストレプトアビジン、ビオチン部分又はその組み合わせを含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  3. 前記生分解性粒子が、ポリラクチド、ポリラクチド−リジンコポリマー、ポリラクチド−リジン−ポリエチレングリコールコポリマー、デンプン又はタンパク質を含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  4. 細胞外マトリックスをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  5. 前記細胞外マトリックスが、コラーゲン、フィブロネクチン、ラミニン又はそれらの組み合わせを含んで構成されることを特徴とする請求項4に記載の組成物。
  6. 前記生分解性粒子が、巨大粒子、微小粒子又はナノ粒子であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  7. 前記細胞が、肝細胞、肝臓前駆体及び造血前駆体からなる群より選択されることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  8. 前記生分解性粒子が、生体適合性であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  9. 前記受容性の群が、少なくとも1つの水性溶媒又は有機溶媒中で安定であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  10. 足場依存性細胞を凍結保存する方法であって、
    (a)少なくとも1つの生分解性粒子を含む組成物に対して細胞を接着(アンカー)させて、混合物を形成すること、
    (b)前記混合物を凍結させること、
    (c)解凍して、細胞−ポリマー粒子結合体から細胞を回収すること、
    を含んで構成されることを特徴とする方法。
  11. 前記生分解性粒子が、該生分解性粒子に共有結合した受容性の群(receptive group)をさらに含んで構成されることを特徴とする請求項10に記載の方法。
  12. 前記受容性の群が、抗体、抗体フラグメント、アビジン、ストレプトアビジン、ビオチン部分又はそれらの組み合わせを含んで構成されることを特徴とする請求項11に記載の方法。
  13. 細胞外マトリックスをさらに含んで構成されることを特徴とする請求項10に記載の方法。
  14. 凍結保存溶液をさらに含んで構成されることを特徴とする請求項10に記載の方法。
  15. 前記凍結保存溶液が、10%(v/v)ジメチルスルホキシドを含んで構成されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
  16. 細胞を分離する方法であって、
    (a)少なくとも1つの生分解性粒子、該少なくとも1つの生分解性粒子に共有結合した少なくとも1つの受容性の群(receptive group)、該少なくとも1つの受容性の群に対して接着(アンカー)した少なくとも1つの細胞、及び前記少なくとも1つの受容性の群に対して接着(アンカー)していない少なくとも1つの細胞を含む組成物を提供すること、
    (b)前記生分解性粒子に対して接着(アンカー)していない少なくとも1つの細胞を除去すること、
    を含んで構成されることを特徴とする方法。
  17. 前記受容性の群が、抗体、抗体フラグメント、アビジン、ストレプトアビジン、ビオチン部分又はそれらの組み合わせであることを特徴とする請求項16に記載の方法。
  18. 前記生分解性粒子に対して接着(アンカー)した細胞が、肝細胞又は肝臓前駆体を含んで構成されることを特徴とする請求項16に記載の方法。
  19. 前記生分解性粒子に対して接着(アンカー)していない細胞が、造血前駆体を含んで構成されることを特徴とする請求項16に記載の方法。
  20. 足場依存性細胞の細胞培養方法であって、
    (a)少なくとも1つの生分解性粒子、該少なくとも1つの生分解性粒子に共有結合した少なくとも1つの受容性の群(receptive group)、及び該少なくとも1つの受容性の群に対して接着した少なくとも1つの細胞を含む組成物を提供すること、
    (b)前記組成物と細胞培養培地とを接触させること、
    を含んで構成されることを特徴とする方法。
  21. 前記組成物が、細胞外マトリックスをさらに含んで構成されることを特徴とする請求項20に記載の方法。
  22. 前記細胞が、少なくとも1つの肝臓前駆体、造血前駆体、線維芽細胞、間葉細胞、心筋細胞、内皮細胞、上皮細胞、神経細胞、グリア細胞、内分泌細胞、又はそれらの組み合わせを含んで構成されることを特徴とする請求項20に記載の方法。
  23. 細胞治療の必要な対象への処置方法であって、
    少なくとも1つの生分解性粒子、該少なくとも1つの生分解性粒子に共有結合した少なくとも1つの受容性の群(receptive group)、及び該少なくとも1つの受容性の群に対して接着(アンカー)した少なくとも1つの細胞を含む組成物の有効な量を、前記対象に投与することを含んで構成されることを特徴とする処置方法。
  24. 前記細胞が、肝臓前駆体を含んで構成されることを特徴とする請求項23に記載の処置方法。
  25. 前記組成物が、静脈内に、動脈内に、筋肉内に、非経口的に投与されるか、又はそれらいずれかの組み合わせに投与されることを特徴とする請求項23に記載の処置方法。
  26. 前記有効量が、約10〜約1011個の細胞におよぶ範囲内におさまることを特徴とする請求項23に記載の処置方法。
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